「私は彼の奥様だから」堅実な銀行OLが2億円貢いだ“結婚”という甘言【足利銀行2億円横領事件・後編】

 昭和48年、お盆直前の8月12日に銀行員の大竹章子(21)は地元栃木の小山駅で同僚の女友達と待ち合わせた。少し早く取れた休みを利用して東北に行こうと、前から計画していたのだ。仙台行きの急行「松島4号」に乗り込むと、通路を挟んで隣に座っていた男に話しかけられた。章子は、石村と名乗るこの男のことを運命と思ったことだろう。しかし、この出会いは終わりの始まりだったのである。

前編はこちら

結婚には「秘密警察組織を抜ける金が必要」

「48年8月30日木曜日
 石村さんから電話がある。日光の金谷ホテルで彼と待ち合わせる。203号室。部屋の中には石村さんのアタッシェケースが1つだけ置いてあった。来年の春ごろには結婚できそうだと言う。私を迎えるまでには、何とかして仕事を軌道に乗せておきたいと言ってくれた。本当に嬉しい。みんなにお姉さんと言われながらも長い間辛抱していてきた甲斐があった。
 彼が私の全て。私は世界一幸福な女ね。今日は遅くなったので駅からタクシーを奮発して帰る。」

 来年の春ごろには結婚できる、辛抱してきてよかった、と幸せにつづる章子。しかし、石村にはこの当時結婚しており、東京に妻がいた。

 石村と名乗る男――「安田(仮名)」は、章子が生まれる2年前、宮城県登米郡登米町で誕生した。父は下駄屋で同町の名士でもあり、のちに電子工業の工場長に迎えられた。安田は県立登米高校を卒業後、東京の立正大学に進学したが、ちょうどその頃、父親の事業が失敗し、一家も関東に移り住んだ。安田は学業もそこそこに競輪、競馬通いを続け、大学2年で中退。千葉の自衛隊に入隊したが、競馬場にほど近い船橋市の蕎麦屋に強盗に入り、逮捕される。執行猶予判決を受けた後、東京に出てきていた。妻とは、熱烈な恋愛結婚だったという。

 だが安田が独身で、国際秘密警察の任務についている者だと疑わなかった彼女は、「組織から抜けるために金が必要」という求めに応じて、金を渡し続けた。自分の預金が底をつくと、父親名義の通帳から50万円、100万円と金を引き出し、安田に渡す。だが安田はまだ欲しがった。

「実は、組織から離れるためにはどうしても5000万円位のお金がいるんだ」
「5000万円なんて……」
「君は銀行の貸付係だろう」

 安田にヒントを与えられた章子は、ついに銀行の金に手をつけはじめる。勤務中、章子は隙を見て、窓口隣に座る調査役の検印を白地の手形、伝票、副伝票に押し、それをハンドバッグに入れて持ち帰り、自宅で金額を書き込んだ上、後日、銀行の忙しい時をねらって現金化した。それも“結婚”を夢見ていたからこその行動だった。

「48年10月15日 月曜日
 久しぶりに電話があった。彼から電話がかかってきた日にはカレンダーの日付に丸印をつけることが習慣になった。12日ぶりにつける丸印だ。今日は石村さんの運転で長野川の堤防までドライブに出た。ロイヤル山荘で休憩。彼に言われてしたことだけど、悪い事は悪いことだ。係長さんに名前を呼ばれると体がすくんじゃうほど怖い。でも彼の汗の匂いを嗅いでいる時だけは、本当に身も心も落ち着く。石村さんから離れられなくなってしまった。彼の仕事がうまくいけば早くお金を返してもらって銀行に返しておこう。あと5ヶ月で結婚できる」(章子の日記)

「49年1月25日 金曜日
 モーテルオランダにて休憩。
 彼と初めて会ってから今月でちょうど半年になった。会社の方が順調に進んでいないらしく、今日もお金を工面するよう頼まれてしまった。怖いから、もう勘弁してもらおうと思っていても、彼に頭を下げられると断れなくなってしまう。もうちょっとで、会社のほうもうまくいくと言う彼の言葉を信じよう。正式にはまだ彼の籍には入っていないけど、私は彼の奥様なんだから。彼の嵐のような激しい愛撫のほてりが、まだ体の心に残っている。」(同)

 年が明けた49年、桜が咲き始める頃には結婚できると思っていた章子。心はすでに“奥様”となり、心身ともに安田に酔っていた。だが、安田はまだ国際秘密警察という偽の立場を利用し、結婚を先延ばしにしながら、セックスと甘い言葉で手懐けた章子に、金の無心を続けた。元来、真面目な性格だった章子は、罪悪感と恐怖心に襲われながらも、銀行から金を引き出すことがどうしてもやめられなかった。

「49年12月24日 火曜日
 今日はクリスマスイブだった。トナカイのソリに乗ったサンタクロースは私のところには来なかった。どうしても拒めず、今日も彼と一緒にモーテル花園に入ってしまった。
 彼から電話でお金を作ってくるようにと言われた時、いちどは断った。だけど『ここまで来てしまったら、後には引けないだろう』と、彼に強引に押し切られてしまった。もうどうにもならない歪みにはまり込んでしまっている。お母さん、怖いの。助けて。」

 彼女の日記はこれ以降、空白が多くなり、たまに書かれているのも数字だけになる。最後に記載があったのは、50年7月11日。「500万円」のメモが最後だった。2年前の8月に出会ってから、この日に金を渡すまで、章子は安田と62回のデートを重ねた。そのうち54回、総額2億1190万円を貢いだ。

 勤め先の足利銀行栃木支店から不正に金を引き出したという横領の罪で栃木県警に逮捕されたのは、最後のメモから11日後の同年7月21日のことだった。夢見た結婚は叶わず、冷房のない県警の取調室で追及を受けながら、彼女は章子は「あの人が、必ずわたしも助けにきてくれる」と信じていた。

 その安田は章子の逮捕前日、当時すでに捜査の手が伸びていた章子にさらなる金の無心をし、ボウリング場「ニュー栃木ボウル」に来るように伝えていた。だが待ち合わせ場所に車で現れた安田は、捜査陣の張り込みに気づき、車を降りることなく急発進させ、時速120キロの猛スピードで逃走。愛人との逃亡を続けていた。

 安田は章子から奪い取った金で、複数の愛人を囲う生活を送っていたのだ。その事実を知った章子に、男への憎しみが生まれたのは自然なことだろう。

「今となれば、悪かったのは自分だとわかってますが、あの男に対する憎しみが湧いてくるんです。早く捕まえてください。銀行のお金をごまかすのにはどうするか、みんなあの男が教えてくれました。 途中から警察にバラすと脅されたり、殴られたりしたこともありました。あの男から連絡がなければお金を返してもらえないと心配だし、連絡があれば乱暴されたり金を持って来いと言われはしないかと怖くてたまりませんでした」

 取調室でこう語る章子。しかし、章子の知らないことはまだあった。安田は、貢がれた金で競馬情報と予想新聞の発行を行う会社「国際ユニオン開発センター」を立ち上げ、章子逮捕の前々月には六本木にクラブを開店するなど、羽振りの良さを見せつけた暮らしを送っていたのだ。

 9月18日、東京・五反田駅の西口で愛人とともに逮捕されたとき、2億円超を貢がれた安田が所持していた金はわずか250円だった。逮捕の知らせを受けた章子は、取調室で手を叩いて喜んだという。“私は彼の奥様なんだから”“彼が私の全て”――結婚を夢見た相手であったが、「あの男を、一生、刑務所から出さないで……。死刑にしてほしいほどなんです」「女の生き血を吸って生きている、悪い男なんです」と、章子は罵り続けた。
(高橋ユキ)

【参考文献】
「ヤングレディ」昭和50年8月11日号
「週刊女性」1975年8月12日号
「微笑」 昭和50年8月30日号
「女性自身」昭和54年10月18日号
「女性セブン」1975年8月13日号
「アサヒ芸能」1975年8月7日号

【マンガ】元スタッフが暴露……漢方薬の「ヤバすぎる中身」!【第74回】

「生理痛なんて、みんな一緒!」

1カ月ごとにやってくる、尋常じゃない腹痛・寒気・吐き気……。
周囲の言葉を信じて10数年も耐え続けた「生理痛」、医者にかかってみたらビョーキと診断されちゃった!?

30歳から治療を開始した「月経困難症」との向き合い方をつづる、日常闘病コミックエッセイ。

漢方の原料

――「私の生理、病名がつきました。」は、毎週日曜更新になります。今後ともお楽しみに!

 

<著者プロフィール>

まお

月経困難症。体験した事や思った事を4コマ漫画にしています。自分の体、大切な人の体を考える事や、行動する事のきっかけになればうれしいです。ポジティブに生きてるオタク。



<バックナンバーはこちら>

第1回~第10回まとめ読み……私の生理、ビョーキでした!?
第11回~第20回まとめ読み……ピル服用、7カ月の間に起きたこと
第21回~第30回まとめ読み……ピル服用で「不正出血」が止まらない!?
第31回~第40回まとめ読み……「生理を知らない成人男性」って実在したの!?
第41回~第50回まとめ読み……卵巣に「のう腫」が見つかったらどうする?

【第51回】新しい職場で大寝坊!
【第52回】30代で更年期障害!?
【第53回】ピル由来と思しき「新たな症状」
【第54回】3度めの「低容量ピル」
【第55回】「不正出血」が起きたワケ
【第56回】ピルを飲むと太るって本当?
【第57回】「ピル太り」実録レポート!
【第58回】ピル太りに効いたダイエット方法
【第59回】自己管理できない人、じゃない!
【第60回】初めて知った「太った人」の辛さ
【第61回】「心無い言葉」への対処法
【第62回】引越し先、選ぶ基準は○○への距離!
【第63回】半年間で「卵巣のう腫」はどうなった?
【第64回】ピル処方、4度目の転院! 
【第65回】はじめての院外処方
【第66回】超・低容量ピルの結果は
【第67回】こんな医者はイヤだ!
【第68回】鎮痛剤、そんなにもらえるの!?
【第69回】派遣の条件は「休めること」!
【第70回】「謎の吐き気」がやってきた
【第71回】PMSは気付かない!?
【第72回】漢方薬の正しい飲み方
【第73回】漢方には白湯がいい

爆笑問題・太田光も「排除のいきすぎ」を懸念――元極妻が考える、逃亡犯とヤクザの情報網

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■太田光の闇営業問題をめぐる発言

「なにが、光り輝く社会だ。こんなふうに(宮迫博之たちを)社会的に(寄ってたかって)抹殺して」(7月3日付スポニチアネックス)

 素晴らしいですね、爆笑問題の太田光さんのコメント。本当にその通りだと思いました。いわゆる芸人さんの反社会的勢力(反社)関係者への闇営業問題をめぐっての発言です。ちょっとでも反社の匂いがすれば容赦なく抹殺する空気が気になっていたのですが、太田さんのほかにも「排除のいきすぎ」を懸念する発言は出てきていますね。

 元極妻の私が反社叩きを批判するのもアレかしら……と思っていたところでしたので、溜飲が下がりました。

■恐るべきヤクザの情報網

 神奈川県内で実刑判決確定後に逃走、4日後に逮捕されたKさんも「テキヤの息子」で、「暴力団員の知人が多い」ことが報道されていますね。

 6月23日早朝に知人のアパートの部屋にいたところを逮捕された時には、なぜか複数の男女がいて、女性の泣き声も聞こえていたそうです。女性が泣く理由がわかりませんが、覚醒剤を使ったらしい注射器も何本か見つかっていますね。

 Kさんは服や髪形を変えながら逃げていたそうですが、たこ八郎さん(古いですね)を思い出させる前髪が印象的でした。

 それにしても、Kさんに関する報道は錯綜していますね。傷害致死から強姦、大規模窃盗など前科13犯(!)で人生の半分を刑務所で過ごしているのに、なぜか奥様やお子さんもいて、家族思いの面があり、女性にもモテるようです。

 「FLASH」(7月16日号/光文社)によると、暴走族を経て18歳でヤクザになっていますが、その後に脱退、窃盗団を率いて盗みを繰り返し、覚醒剤も使用していたそうです。

 Kさんを知るヤクザは、FLASHの記者さんに「キレたら手のつけられない、ヤバい男だった」とか、「とにかく何をしでかすかわからない男で、今回の逃亡劇も、彼ならやりかねない」と思ったとか明かしています。現役にここまで言わせるのはたいしたものですが(笑)、実際にはKさんの動きは全部把握していたようです。

 同じ記事で現役さんは「いくらでも居場所は追跡できるし、このまま逃走させて、警察からデカい懸賞金がかけられるまで泳がしておこう」となっていたことも話していました。まあ殺人でもないので懸賞金は冗談でしょうね。もちろんKさんを逃がした検察が、責任を取って懸賞金の原資を出せば別ですが。とはいえ地元ヤクザがKさんの動きを把握していたというのは、さすがです。監視カメラよりも正確なんですね。

 実は、「犯罪の検挙率が下がっているのは、ヤクザが捜査に協力しないから」という説があるのです。私は、これはあながち間違いではないと思います。ヤクザの情報網をナメちゃだめですよ。

 戦後しばらくの検挙率は7割台と、とっても高かったのですが、これはかなりテキトーな見込み捜査の可能性も高く、冤罪の問題もありました。それで、90年代に入る頃までは5~7割台で推移していましたが、どんどん下がってしまい、2001年には過去最悪の19.8%となっています。10人の泥棒のうち2人も捕まえられないのです。ここ何年かは3割台で推移していますが、それでも3人しか捕まえられないということですね。

 暴力団対策法(暴対法)が施行される1992年の少し前まではヤクザと警察は協力関係にありましたから、犯人検挙に結びつく情報交換も盛んだったのです。最近のヤクザは、警察にはほとんど協力しないそうですよ。

 話が飛んでしまいましたが、Kさんの今後も気になりますね。尿から覚醒剤の陽性反応も出たそうですから、確定していた窃盗(3年8カ月)や今回の公務執行妨害と併せて、7年くらいは服役するとみられています。出所したら、ご家族は温かく迎えてくれるのでしょうか?

爆笑問題・太田光も「排除のいきすぎ」を懸念――元極妻が考える、逃亡犯とヤクザの情報網

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■太田光の闇営業問題をめぐる発言

「なにが、光り輝く社会だ。こんなふうに(宮迫博之たちを)社会的に(寄ってたかって)抹殺して」(7月3日付スポニチアネックス)

 素晴らしいですね、爆笑問題の太田光さんのコメント。本当にその通りだと思いました。いわゆる芸人さんの反社会的勢力(反社)関係者への闇営業問題をめぐっての発言です。ちょっとでも反社の匂いがすれば容赦なく抹殺する空気が気になっていたのですが、太田さんのほかにも「排除のいきすぎ」を懸念する発言は出てきていますね。

 元極妻の私が反社叩きを批判するのもアレかしら……と思っていたところでしたので、溜飲が下がりました。

■恐るべきヤクザの情報網

 神奈川県内で実刑判決確定後に逃走、4日後に逮捕されたKさんも「テキヤの息子」で、「暴力団員の知人が多い」ことが報道されていますね。

 6月23日早朝に知人のアパートの部屋にいたところを逮捕された時には、なぜか複数の男女がいて、女性の泣き声も聞こえていたそうです。女性が泣く理由がわかりませんが、覚醒剤を使ったらしい注射器も何本か見つかっていますね。

 Kさんは服や髪形を変えながら逃げていたそうですが、たこ八郎さん(古いですね)を思い出させる前髪が印象的でした。

 それにしても、Kさんに関する報道は錯綜していますね。傷害致死から強姦、大規模窃盗など前科13犯(!)で人生の半分を刑務所で過ごしているのに、なぜか奥様やお子さんもいて、家族思いの面があり、女性にもモテるようです。

 「FLASH」(7月16日号/光文社)によると、暴走族を経て18歳でヤクザになっていますが、その後に脱退、窃盗団を率いて盗みを繰り返し、覚醒剤も使用していたそうです。

 Kさんを知るヤクザは、FLASHの記者さんに「キレたら手のつけられない、ヤバい男だった」とか、「とにかく何をしでかすかわからない男で、今回の逃亡劇も、彼ならやりかねない」と思ったとか明かしています。現役にここまで言わせるのはたいしたものですが(笑)、実際にはKさんの動きは全部把握していたようです。

 同じ記事で現役さんは「いくらでも居場所は追跡できるし、このまま逃走させて、警察からデカい懸賞金がかけられるまで泳がしておこう」となっていたことも話していました。まあ殺人でもないので懸賞金は冗談でしょうね。もちろんKさんを逃がした検察が、責任を取って懸賞金の原資を出せば別ですが。とはいえ地元ヤクザがKさんの動きを把握していたというのは、さすがです。監視カメラよりも正確なんですね。

 実は、「犯罪の検挙率が下がっているのは、ヤクザが捜査に協力しないから」という説があるのです。私は、これはあながち間違いではないと思います。ヤクザの情報網をナメちゃだめですよ。

 戦後しばらくの検挙率は7割台と、とっても高かったのですが、これはかなりテキトーな見込み捜査の可能性も高く、冤罪の問題もありました。それで、90年代に入る頃までは5~7割台で推移していましたが、どんどん下がってしまい、2001年には過去最悪の19.8%となっています。10人の泥棒のうち2人も捕まえられないのです。ここ何年かは3割台で推移していますが、それでも3人しか捕まえられないということですね。

 暴力団対策法(暴対法)が施行される1992年の少し前まではヤクザと警察は協力関係にありましたから、犯人検挙に結びつく情報交換も盛んだったのです。最近のヤクザは、警察にはほとんど協力しないそうですよ。

 話が飛んでしまいましたが、Kさんの今後も気になりますね。尿から覚醒剤の陽性反応も出たそうですから、確定していた窃盗(3年8カ月)や今回の公務執行妨害と併せて、7年くらいは服役するとみられています。出所したら、ご家族は温かく迎えてくれるのでしょうか?

川崎殺傷、池袋・大津事故――「被害者報道」めぐるマスコミ批判に、報道記者はどう答える?

 5月28日、神奈川県・川崎の登戸駅付近で、スクールバスを待っていた小学生らが、男性に相次いで刺され、小学6年生の女子児童と保護者の男性が死亡、17人が負傷するという「川崎殺傷事件」が起こった。

 この痛ましい事件は、多くの人々にショックを与え、ネット上では、亡くなられた被害者への哀悼や加害者男性への強い憤り、事件の真相解明を求める声などが飛び交ったが、その中で「マスコミ批判」も過熱。加害者男性の名前が公表される前に、被害者の実名が報じられたことをきっかけに、「それより加害者のことを知りたい」「被害者の実名や経歴、人となりを報じる意味は?」「被害者の気持ちをもっと考えるべき」といった声が巻き起こり、「被害者の実名や顔写真を出すな!」といった主張も散見された。

 これまでも、被害者やその家族が報道自粛をする中、マスコミが強引な取材やプライバシー侵害にあたるような報道を行ったとして、「被害者報道の在り方」が議論されることはたびたびあった。そんな中、ここ数カ月の間に起こった「池袋暴走事故」(4月19日)、「大津園児事故」(5月8日)でも、同様の議論に発展、マスコミの取材や報道の仕方が疑問視されることが続いており、現在あらためて事件や事故を取材・報道するマスコミの姿勢が問われているのだ。

 今回、「被害者報道」の現状と課題に、報道サイド/被害者支援サイド双方の視点から考えていく。前編では、大手マスコミの報道記者であるA氏に話をお聞きした。

――ネットを中心に「被害者報道の在り方」を問う声が過熱しています。この現状について、どのように感じますか?

A氏(以下、A) 匿名の人がネット上で意見を言うことが当たり前になった今、「被害者の実名を報じるな」などの声が出ていることはもちろんわかっています。しかし報道記者として……もっと言うと“報道の精神”として「実名報道」というのは原則です。

 記者にもよると思うのですが、私はこの仕事を「歴史を記し、後世に伝えていく仕事」だと考えています。極端な例になりますが、安土桃山時代の関ヶ原の戦いで、当時10代だった小早川秀秋が石田三成を裏切り、徳川家康に寝返ったという話は、歴史上の出来事として広く知られていますよね。それは「小早川秀秋」という実名だからこそだと思うのです。例えば、「10代の武士」としか記録されていなかったら、日本の歴史上、大きな影響を及ぼしたこの戦いの真相を知ることはできなかったはずです。

――ほかにも、「実名報道の意義」について、思うところはありますか。

A 私は、「報道とは世の中に議論を起こすためのもの」だとも思っています。例えば、池袋暴走事故でも、被害者の実名と顔写真が出ましたが、もし「30代の女性と3歳の娘さん」としか伝えられなかったら、もちろん皆さん「かわいそうに」とは感じるものの、高齢者の免許返納問題がこれほど議論されることはなかったのではないでしょうか。

 事件や事故が起こった際、ネットでは「被害者の実名や顔写真を出す意味がわからない」と怒る人もいますが、こうして報じられたからこそ、被害者母子への「かわいそう」という気持ちがさらに強くなり、高齢者の免許返納問題について考えなければいけない機運が高まったと、私は理解しています。

――池袋暴走事件では、亡くなられた被害者女性の夫が会見を開き、顔写真の公開を行いましたが、それも「さまざまな議論がなされ、少しでも犠牲者がいなくなる未来」を考えてのことと、お話されていました。

A 旦那さんは、弁護士の方と一緒に考え、会見を開いてくれたのではないかと思っています。

 なお、池袋暴走事件に関しては、事故が起きた日の夜、旦那さんの話を聞きたいと、記者たちがご自宅の前に集まっていました。旦那さんの立場としては、我々の取材は「過熱しすぎである」と思われて当然だと思いますが、しかしそれでも、我々はご遺族に真摯に向き合い、二度とこのような事故がないように、どうすればいいのかを考えるため、取材させていただきたいという思いを持っていたのです。

――「実名報道をやめてほしい」というご遺族の方に対して、どう向き合うべきだと思いますか。

A ご遺族の気持ちを考えたら、亡くなられた家族の実名や顔写真が出ることを「やめてほしい」と思う方がいるのは当然です。もし自分が同じ立場だったら、嫌だと感じるでしょう。それでも、やはり「実名報道は原則」を我々は忘れてはいけないと思います。我々は、ご遺族の方に対して、最大限「なぜ実名報道をしなければいけないのか」という理由を申し上げる。その努力をするべきだと感じています。ただ晒したいから、実名や顔写真を報じているということは絶対にありません。川崎の事件で亡くなられた男性は外務省職員で、実名や顔写真以外に、どのような仕事をしていたかについても詳しく報じられていましたが、それは男性が“確かに生きていた“ということで、その人生を奪ったことが、どのような意味であるかを世の人に考えてもらいたいと思うわけです。逆に……全てが隠されている方が違和感などを感じてしまうところもありますね。

――「違和感」というのはどういうことでしょうか。

A 「亡くなられたのは30代の男性」だけしか報じられないと、何か隠されているのではないか……と感じてしまうのではないでしょうか。例えばアメリカだと、加害者や被害者だけでなく、事件・事故の目撃者のインタビューでも実名かつ顔出しなんです。文化の違いもあるでしょうが、「隠す理由がない」のであれば、実名は原則であるべきだと感じます。

――被害者報道の在り方については、長年議論されていることですが、“変わってきた”と感じる点はありますか。

A 昔に比べると、被害者やそのご家族に配慮した報道にはなってきていると思いますし、いまこうして議論が再燃している中、テレビや新聞各社は、あらためて「実名報道の意義とは」「取材方法に間違いはなかったのか」と話しているのではないでしょうか。例えば、葬儀の取材はご遺族が最も嫌がられるものだと思います。一昔前は当然のように取材されていたと思いますが、現在では葬儀の取材を必ずしもするものではありません。そこはご遺族の考えを尊重して、自粛しなければいけない場合もあるのではないか、と。

――確かに以前は、テレビで葬儀の様子が流れることもよくありましたが、減ってきているように感じます。

A 昔は、勝手にマンション中に入って、住人に話を聞くといった取材も普通に行われていましたから。今だと「不法侵入」で逮捕される可能性もあります。「取材方法」に関しては特に変わってきていますね。

――速報性が重視され、各社の競争が激化することが、強引な取材につながるといった指摘もありますが。

A 確かに、「各社の競争が激化」という点は、認めざるを得ないところはありますね。上から「どうしてうちだけ被害者の写真が手に入れられないんだ」などと叱られることは実際にあるのです。ただ、だからと言って、ご遺族の自宅のピンポンを押して「写真をください」なんてことはしないですし、各社の競争がご遺族に何か大きな影響を及ぼすということはないのでは……。逆に、実名報道でなかった場合は影響が出ると思います。ご遺族以外の方からお写真を入手する際、「あの人に何かあったの?」などと騒ぎになり、ご遺族にも負担になってしまう可能性もあります。

――大津園児事故では、事故当日に保育園側が会見を開き、その中で記者が、保育園側の安全責任を追及するような質問や、出発前の園児の様子などを聞こうとしたことにより、ネット上で「保育園側を責めるのはおかしい」「意味のない質問」などと大炎上が起こりました。

A 個人的には、質問内容がよくなかったと思います。保育園側の安全責任を追及することが、あの会見での本質ではないと感じますし、ただ、追及しようとする気持ちはわかります。事故というのは、さまざまなミスが重なって起きるものですし、その原因を考える意味では正しいが、あの状況、あのタイミングで聞くべきではなかった。保育園が重大なミスを犯した“悪者”ではないであろうことは、あの時点でわかっていたでしょう。

――マスコミが、被害者サイドである保育園に「会見を開かせた」といったニュアンスでとらえる人も少なくなかったようです。

A 私は「開くべきだった」「開くべき意味があった」と思います。保育園側に不手際があったわけではないことが、あの会見によって知れ渡ったのですから。

もし数字取りだけが目的だったら……

――被害者報道について、今後の課題だと感じることをお教えください。

A 先ほど、「原則として実名報道」というお話をしました。いま実名報道の是非について議論が巻き起こってはいるものの、その精神は揺らぐことはありません。さまざまな意見を聞き、考えなければいけない問題ではありますが、実名報道をやめていこうという流れではなく、実名報道は行う、けれど、「なぜ実名報道をするのか」を理解してもらうことを意識すべきではないかと。その努力なしに実名報道をするのは、やはり「被害者への配慮はない」と思います。

 我々は目先のスクープで“数字”を狙っていると勘違いされがちですが、もし数字取りだけが目的なら、過去にあった事件や事故を再び振り返る――例えば「地下鉄サリン事件から20年」などの特集は行いません。報道によって世の中を変えていきたいという気持ちを持っていることを知っていただければと思います。

「無知って怖い……」「将来子どもが苦労する」独特な育児を明かし物議を醸した芸能人3人

 最近は「ママタレント」という分野が定着し、彼女たちが明かすライフスタイルや子育て論に共感する人も多い。しかし、独特すぎる育児法を公開し批判を集める芸能人もいるようだ。その一人がタレントの吉川ひなの。

 吉川は6月9日、自身のインスタグラムのストーリーズに、「昨日人生で初めて熱が出た息子」という言葉を添えて、長男を抱きかかえた自身の写真を投稿。その写真の長男の頭にはキャベツがかぶせられており、「熱の時はキャベツでナチュラルに冷やしてあげるのが冷え過ぎず一番いいの」とつづっていた。

「『キャベツで熱を下げる』という民間療法は、過去に育児に関するネットメディアで取り上げられた際に物議を醸したんです。科学的な根拠はないとして知られているため、ネット上からは『無知って怖い……』『キャベツよりも、病院連れて行ってあげてほしい』『民間療法を信じ込みすぎるのはよくない』とシビアな声が上がりました」(芸能ライター)

 また、モデルのSHIHOも2018年1月20日放送の『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)に出演した際、世間の常識とかけ離れた育児法を披露し、大ブーイングを受けた。

 番組内でSHIHOは「娘・サランのことを叱らない」という自身の子育てエピソードを披露した。そんなSHIHOに友人でプロゴルファーの東尾理子から「新幹線でサランちゃんが知らない人の席に行き、その人の携帯で勝手に遊んでいたが、SHIHOは優雅に読書をしていた」というタレコミも寄せられ、さらにマネジャーからは「娘がハンバーガーのレタスを投げても怒らない」という暴露までされた。これにSHIHOは「レタスが嫌だってはずしただけ。食べたくないものは食べなくていい」と反論。司会のダウンタウン・松本人志からは「テメェさっきから何言ってんだ」と、強めのツッコミが入った。

「SHIHO流の子育ての方針に、ネットユーザーからは『放任主義の意味を勘違いしてる』『自分が甘やかすことで、将来子どもが苦労するってことがわからないのかな?』『自由にさせることと、お行儀が悪いのは全然違う』と厳しいコメントが続出しました」(同)

 元モーニング娘。の福田明日香も育児法を明かしてバッシングを受けたことが。

「福田は17年10月23日放送の『もしかしてズレてる?』(フジテレビ系)に出演。番組では当時1歳10カ月になる長女を育てる福田の奮闘ぶりがオンエアされました。そこで、福田の食卓が紹介されたのですが、メニューは大根の煮つけ、ちくわぶ、ザーサイなど。福田は『好き嫌いが多くて。一時期、バナナしか食べなかったり、一時期、のりとかたくあんしか食べなくて困った時期があった』と説明しましたが、共演者のはしのえみから『塩分が多い。ビックリしました。(私は)だしとかみそ汁の上澄みで味つけしてるので』と言われてしまったんです。福田は『(うちの)子どもは味噌汁の上澄みとか大嫌い。作ったけどひっくり返されたんです』とあっけらかんと反論しスタジオを騒然とさせましたが、ネット上からも『小さい時にザーサイをあげたことはなかった』『子どもと福田の腎臓が悪くなりそう』『子どもの健康を気にしていたら、与えないと思う』と非難ばかりが聞こえてきました」(同)

 親の数だけ育児法や方針があるとはいえ、あまりにも常識からかけ離れてしまうと批判を浴びるだけかもしれない。
(立花はるか)

グラビア出身の既婚女優Sに、AV業界が熱烈オファー? 所属事務所と実業家夫の苦境に一肌脱ぐ⁉ 

 雨上がり決死隊の宮迫博之やロンドンブーツ1号2号の田村亮らが振り込め詐欺グループの集まりに参加していたことが明らかとなり、謹慎処分となったお笑い芸人の「闇営業」問題。この問題では、芸能人と闇勢力との不適切な関係とともに、芸人の“副業”事情にも注目が集まった。

 ただ、こうした事情は何もお笑い業界に限った話ではない。民放各局は総じて収益の柱である広告収入が減少の一途をたどっており、市場の縮小によって本業で稼げない芸能人も増えつつある。今後訪れる“冬の時代”を見越して引退という道を選ぶ芸能人も少なくない中、ある女優の周囲が何やら騒がしいのだという。

「その女優は1990年代後半から2000年代前半にかけてグラビア界で一世を風靡したS。デビュー当初は不思議ちゃんキャラでブレークし、女優に転身。ドラマや映画にコンスタントに出演するなど、順調にキャリアを重ねていた。ただ、最近は露出が激減。窮余の策として、AV出演の話が持ち上がっているという話です」(事情を知る芸能関係者)

 Sといえば、一時期、カリスマ的な人気を誇るビジュアル系アーティストとの熱愛が発覚するなど、私生活でも話題を振りまいてきた。近年、テレビや映画でその姿を見る機会は減ってはきていたが、数年前に若手実業家とゴールインし、子宝にも恵まれている。

 このまま芸能界からフェードアウトしたとしても、問題なさそうに思えるが……。

「セレブ婚のように伝えられているが、夫の事業は順風満帆とはいえず、Sの稼ぎにかなり依存している部分があったと聞いています。さらに、稼ぎ頭だったSの人気が落ちたことで、事務所の経営も悪化。こうした状況に目をつけた複数のAVプロダクションが、Sにオファーを持ちかけようと動いているようです」(前出の芸能関係者)

 芸能界からAVに転身したタレントといえば小向美奈子がいるが、 小向のデビュー作は数億円を売り上げたといわれており、小向よりも知名度も芸能人としての実績も格上のSがAVデビューするということになると、より大きな注目を集めるのは間違いない。

「経済効果も、小向の時の比ではないはずです。各プロダクションは、Sに億単位のオファーを検討しているとも聞く。早ければ年内にも、超大型新人のデビューが実現するかもしれません」(同)

 列島に衝撃が走るのか――。

「コスプレでごまかすな」「演技や声がいつも一緒」夏ドラマ主演決定も批判された女優3人

 7月から始まる新ドラマの初回放送がいよいよ迫る中、各ドラマの主演女優に早くもネットユーザーから不満の声が聞こえている。『Heaven? ~ご苦楽レストラン~』(TBS系)で主演を務める石原さとみもその一人。

「数多くのドラマで主演を務める石原ですが、実はここ数年に出演した連続ドラマの全話平均視聴率は下降傾向にあります。2016年10月期放送の『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)は12.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったものの、18年1月期の『アンナチュラル』(TBS系)は11.1%。18年7月期放送の『高嶺の花』(日本テレビ系)に至っては9.5%と1ケタ台まで落ち込んでいるんです。大コケこそしていませんが、石原に対しては『演技や声がいつも一緒で、ウザくなってきた』『今回のドラマもいつもと同じように、ふてくされたように早口でしゃべるんでしょ』『原作にはおしゃれな服がたくさん登場するけど、石原のファッションショー化しそうで嫌だ』とネットユーザーからは、辛口のコメントが寄せられました」(芸能ライター)

 また、『凪のお暇』(TBS系)で主演を務める黒木華も、原作ファンから不評を買っている。

「同作はコナリミサト氏による同名人気漫画が原作。黒木は地毛の天然パーマを必死で隠しつつ、会社では営業部のエースと関係を持つ“美人で巨乳”という設定の主人公・大島凪を演じます。キャスト発表前からネット上では、『凪役を演じる女優が、浮かんでこない』という声も散見されましたが、黒木が起用されたと判明すると『演技派だけど、あまりにも凪のイメージとかけ離れすぎ』『ドラマを見なくても、凪というキャラクターと黒木の演技が合っていないことは想像できる』『ビジュアルで売っている女優を使った方がいい』などさまざまな意見が飛び交いました」(同)

 さらに、『ルパンの娘』(フジテレビ系)の深田恭子にも、厳しい声が集まっている。

「同作は横関大氏の同名小説が原作で、『代々泥棒一家』の娘と『代々警察一家』の息子との許されない恋愛が描かれたラブコメディー。深田は、泥棒一家の中で誰よりも盗みの才能に長けているものの、家業を継ぐことを拒み、図書館司書として“普通”に働く主人公・三雲華を演じます。深田は19年1月期のドラマ『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)に続いて今年2度目になる連ドラ主演。そんな売れっ子女優の深田ですが、ネットユーザーからは『いつまでたっても演技がヘタなのに、ドラマ主演が多いのは謎』『演技力がないからって、コスプレっぽい衣装でごまかすのはやめた方がいい』『演技中も自分がかわいく映ることしか考えてないよね』など、ひどい言われようです」(同)

 放送前から批判が集まってしまった3人だが、それだけ注目されている証拠でもある。各主演女優含め3作品は視聴者から受け入れられるだろうか。
(立花はるか)

【マンガ・芸能人目撃談!】走るオバサンのあとをつけるとイケメン芸能人のO田が……

【「本当にあった笑える話」(ぶんか社)より】

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