少女マンガで歴史にひたる。文芸評論家が選んだ100作『少女マンガ 歴史・時代ロマン 決定版全100作ガイド』

 少女マンガというとまず、中学生の時、好きな女の子から貸してもらった矢沢あいの『天使なんかじゃない』(集英社)が思い浮かぶ。彼女は「付き合った男全員に『天ない』を無理矢理読ませる」という変な癖さえなければ、広末涼子似のパーフェクトな美少女だったが、大人になった今でも、夫や恋人に『天ない』を読ませているのだろうか――。このように、少女マンガ一冊一冊にはさまざまな思い出が詰まっていることだろう。

 彼女が『天ない』を無理矢理読ませてくれたおかげで、その後、多くの少女マンガを読むようになった。『少女マンガ 歴史・時代ロマン 決定版全100作ガイド』(河出書房新社)は、文芸評論家の細谷正充氏が、歴史・時代ものの少女マンガ100作を厳選し、紹介したガイドブックだ。山岸涼子『日出処の天子』(白泉社)、池田理代子『ベルサイユのばら』(集英社)といった不朽の名作から、近年では惣領冬実のイタリア大河ロマン『チェーザレ 破壊の創造者』(講談社)や、鈴木ジュリエッタの西遊記ファンタジー『トリピタカ・トリニーク』(白泉社)まで幅広く取り上げている。デビュー時の作家の印象など、細谷氏がリアルタイムで読んできた感覚が事細かに記されており、単なるガイドブックに留まらない読み応えのあるものとなっている。

 取り上げられた作品はいずれも名作ぞろいだが、ひとつだけ選ぶとしたら、坂田靖子の『バジル氏の優雅な生活』(白泉社)を挙げたい。英ヴィクトリア朝の貴族社会を描いたこの作品を、細谷氏は以下のように語っている。

「(前略)その中で、個人的にもっとも愛着が深いのが、『バジル氏の優雅な生活』だ。主人公は有閑貴族のバジル・ウォーレン卿。プレイボーイだが、気のいいお節介で、すぐに困っている人の世話を焼く。ただし、人の出来ることの限界も弁えており、愚か者には手厳しい。(中略)人の心を見抜き、何度も恋のキューピッド役を務めるバジル氏の、小粋な立回りが素敵なのだ。そして、この魅力的なヴィクトリア朝の世界と会いたくて、何度も本作を読み返してしまうのである」(本書P174-175)

 そう、何度も読み返してしまうんですよね。ラブコメだけでなく、ミステリーやサスペンスなど、多彩なストーリーを楽しめる賑やかな作品だ。

 現在、「まんがホーム」で連載中の杜康潤(とこう・じゅん)『孔明のヨメ。』(芳文社)も見逃せない。ゲーム『三国無双』シリーズなどでおなじみの諸葛孔明の妻・黄月英と諸葛孔明の新婚生活を描いた4コママンガだ。諸葛孔明が180cmを超す大男であったなど、やたらと細かい三国志うんちくが面白い。漢代の文化についても注釈が添えられ、三国志ファン必読の作品だ。細谷氏も「本作の一番の魅力は孔明と月英のいちゃラブである。時代の激流の中で、ふたりがいつまでも変わらずにいることを祈りたい」(本書P212-213)と絶賛している。

 ラブストーリー主体の少女マンガは、男性にはなかなか手に取りづらいものだが、歴史ものは男性にも読みやすいジャンルといえるだろう。この『少女マンガ 歴史・時代ロマン 決定版全100作ガイド』で未読の作品をチェックをし、既読の名作の思い出を振り返る。そんな正月休みも有意義かもしれない。
(文=平野遼)

脱いだ靴下の匂いを嗅ぐのがやめられず……フェチ男の肺に真菌が繁殖

 人にはさまざまな嗜好があるが、健康を害する類いの過度のフェティシズムは控えるべきだろう。

 12月中旬、中国・福建省漳州市に住む男性が、肺の不調を訴えて市内の病院に運び込まれた。医師がX線写真を撮って肺の様子を見てみたところ、真菌症にかかっていることが判明。すぐに入院して治療を受けることになった。

 真菌症とは、菌類が体内に入って繁殖する感染症のことで、水虫やカンジダ症なども真菌症の一種である。

 実は、男性には特殊な“趣味”があった。男性は毎日仕事が終わって帰宅すると、靴下を脱いで、匂いを嗅いでいたのだという。

 その結果、靴下で繁殖した真菌が肺に感染し、真菌症になったものと思われる。また、男性の家では赤ん坊が生まれたばかりで、夜遅くまで赤ん坊の面倒を見たりすることも多く、疲労により免疫力が落ちたのも原因とされている。

 この男性のように、一日の終わりに脱いだ靴下の匂いを嗅ぐクセがある人は、ほどほどにしておいたほうがよさそうである。

(文=佐久間賢三)

関ジャニ∞錦戸亮、『トレース~科捜研の男~』で新境地開拓なるか!? 第1話のみどころをチェック

 2019年1月7日夜9時から放送がスタートする、関ジャニ∞・錦戸亮主演のドラマ『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)。毎クール注目度が高い“月9枠”だが、錦戸にとって同枠では初主演。情報解禁後はジャニーズファンのみならず、早速世間的に注目を集めている。

 原作は、「月刊コミックゼノン」(ノース・スターズ・ピクチャーズ)で連載中の古賀慶によるマンガ『トレース~科捜研法医研究員の追想~』。事件の痕跡を科学的に捜査する科学捜査研究所・通称「科捜研」を舞台にした本格警察サスペンスで、錦戸は陰惨な過去を持つ、どこか陰のある科捜研法医研究員・真野礼二を演じる。また、真野に振り回される新人研究員・沢口ノンナ役を……

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『アンナチュラル』『宇宙を駆けるよだか』……2018年ドラマ名シーンベスト3を選出

――『キャラクタードラマの誕生』(河出書房新社)『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ』(宝島新書)などの著書で知られるドラマ評論家・成馬零一氏が、2018年放送のドラマから名シーンベスト3をピックアップ。

1位 『アンナチュラル』第5話

 『アンナチュラル』(TBS系)は不自然死の理由を解明する架空の研究機関・UDIラボを舞台にした作品で、法医解剖医の三澄ミコト(石原さとみ)たちUDIのメンバーが魅力的だった。中でも、妻を殺した犯人を探す法医解剖医の中堂系(井浦新)が素晴らしかったが、そんな中堂の哀しさが炸裂したのが第5話。

 物語は、溺死した妻の死因を調べる鈴木巧(泉澤祐希)が、妻の遺体を葬儀場から盗み出し、UDIラボに調査依頼するところから始まる。やがて、死因は自殺ではなく他殺だとわかるが、自殺を偽装した何者かがいるという推理を中堂は鈴木に伝える。

 鈴木は、知人の女性が妻を殺したと確信し、葬儀場に来ていた犯人をその場で刺してしまう。映像はスローモーションになり、米津玄師の挿入歌「Lemon」が流れる。粉雪が舞い散る中、あぜんとするミコトたち。そんな中、中堂だけは虚ろな目で宙を見上げている。自分と同じ境遇の鈴木が復讐を遂げたことに納得しながらも、同時に哀しんでいるようにも見える複雑な表情である。

 ここから物語は折返し地点に入り、妻を何者かに殺された中堂が、鈴木のように犯人を殺すのか? というクライマックスへ向かっていくことになるが、この場面は哀しさと美しさが備わった名シーンだった。

 『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)は、天空不動産という会社に務める33歳の春田創一(田中圭)が、ある日、部長・黒澤武蔵(吉田鋼太郎)と、ルームシェア中の後輩・牧凌太(林遣都)から告白され、三角関係に思い悩む物語だ。漫画では定番化しているBL(ボーイズラブ)の構造を持ち込むことで、新しい恋愛ドラマに仕上がっていた。

 個人的に面白かったのは黒澤部長の描写。吉田鋼太郎の演技もあってか、チャーミングなおじさんの一面も見えるのだが、一方で、春田への振る舞いは、上司という立場で部下に交際を迫るパワハラではないか? という批判も多かった。確かに仕事中に春田を盗撮したり、仕事にかこつけて会おうとする行為は職権乱用で、もしも男性上司が女性社員に同じことをやったら、もっとグロテスクに感じていただろう。おそらく、作り手サイドもそこは自覚していたのではないかと思う。

 第4話で部長の告白に対して春田が断る場面は、その回答に見えた。

 「ごめんなさい」と謝る春田に対して「駄目なのは俺が上司だから? それとも男だから?」と尋ねる部長。この台詞だけでもすごいのだが、春田の「理想の上司だと心から思ってます」と言った後で、でも、この気持ちは「恋愛感情じゃないんです」と言い、「純粋な上司と部長の関係に戻りたいんです」と伝えるのが素晴らしい。優柔不断な春田が、彼なりに一生懸命考えて、誠実に答えたのが見ていて伝わってくる。

 春田の言葉を聞いて、自分がパワハラに等しいことをして、春田を困らせていたことに気づいた部長は毅然とした態度に戻り、春田の元から去っていく。遠くに見えるネオン街の光が割れたハートになっている芸の細かさも含めて、名シーンである。この後、物語は二転三転するのだが、この場面があったことで『おっさんずラブ』に対する信頼が、自分の中で高まった。

3位 『宇宙を駆けるよだか』第1話

 『宇宙を駆けるよだか』(Netflix)は、容姿の美醜という題材を扱っているため、見ていて苦しい。そのため、視聴を続けるか最初は迷うのだが、あるシーンを見て、このドラマは「大丈夫」だと思った。

 物語は容姿がかわいくて明るい女子高生・小日向あゆみ(清原果耶)が、幼馴染で彼氏の水本公史郎(神山智洋 ジャニーズWEST)と初デートをしている時に、クラスメイトの、太っていて陰気な女子高生・海根然子(富田望生)が飛び降り自殺するところを目撃してしまうところからはじまる。飛び降りを目撃したことで、なぜか、海根と容姿が入れ替わってしまったあゆみ。そのことを誰にも信じてもらえず、あゆみは学校でどんどん孤立していくのだが、もう一人の幼馴染・火賀俊平(ジャニーズWEST・重岡大毅)だけは、あゆみだと気づいてくれる。

 あゆみの絶望が伝わってきて、序盤はとても苦しいのだが、30分前後から始まる火賀とのやりとりと「どんな姿しててもわかるよ。あゆみは、あゆみなんやから」という言葉に救われる。重岡の話す気さくな関西弁はとても心地よく、劇中の役割を超えて「彼がいるなら安心できる」という気持ちにさせてくれた。

名シーンはクライマックスには生まれない

 これら名シーンは、それぞれのドラマにおける大きな転換点に配置されている。劇場で結末まで見終わる映画と違い、連続ドラマは複数の話を見せて、最後まで完走させないといけない。『宇宙を駆けるよだか』のようなハードな作品は特にそうだが、視聴者は不安を抱えながら見ているため、早く「このドラマは見ても大丈夫」という確信が欲しい。そんな中で、作り手の「大丈夫」というサインが成功すると、今までの不安は安心と信頼へと変わる。だからこそ、ドラマの名シーンはクライマックスではなく、転換点に生まれるのだ。

『放課後ソーダ日和』『宇宙を駆けるよだか』……WEBドラマが若手女優の活躍の場に?

 2018年はWEBドラマに、見るべき傑作が多かった。

 過去にも、又吉直樹の小説をNetflixでドラマ化した『火花』やGYAO!で配信され、後に再編集版が前後編2部作で映画化された『女子の事件は大抵、トイレで起きるのだ。』など、優れた作品はあったが、昨年は作品数も充実していた。

 プラットホームもYouTube、Instagram、LINEといった無料で見られる場所や、Netflix、Amazonプライム、Hulu、Paravi、FODといった会員制の定額有料動画サービスまでさまざまだ。

 中でもWEBドラマ一番の主戦場となっているのが、YouTubeだ。松本穂香が地方で暮らす鬱屈したYouTuberを演じた『♯アスアブ鈴木』、人気YouTuberグループ・ボンボンTVの『最後のねがいごと』、LINE NEWSで配信された、のん主演の『ミライさん』など、1話あたり10分前後と短い、若手の女優やアイドルが主演を務めるドラマが多く、民放地上波から青春ドラマがなくなっている中、若手俳優や新鋭クリエイターが自由に力を発揮する場となっている。

 特に素晴らしかったのが『放課後ソーダ日和』だ。タイトルの通り、放課後に喫茶店でクリームソーダを飲むという、ささやかな楽しみを謳歌する3人の女子高生の日常を描いた青春ドラマである。

 1話10分弱、全9話と短い作品で、『孤独のグルメ』(テレビ東京系)などの食べ歩きドラマの女子高生版とでもいうような作品だ。登場する喫茶店とクリームソーダは実在するものであり、毎回、メニューと地図が出てくるので、喫茶店へ遊びに行くこともできる。

 枝優花が監督を務めた映画『少女邂逅』のアナザーストーリー的な作品で、本作も枝が脚本・演出・編集を担当。プライムタイムのテレビドラマと違い、予算規模は小さめだが、だからこそ小回りが利くため、作家性の強い作品となっている。

 出演は森田想、田中芽依、蒼波純の3人だが、それぞれ、本人の個性と演じる役がリンクしている。中でも面白かったのが蒼波の見せ方だ。

 彼女は独特の存在感がある女優で、常に自然に振る舞っているため、良くも悪くも浮き上がってしまうのだが、そんな蒼波の“浮き上がってしまう存在感”が、うまく役柄に反映されていた。

 蒼波が演じるムウ子は、ある事情でしゃべることを拒絶して、スマホの人工音声で会話する、メガネに三つ編み姿のどんくさい女の子。友達ができたことで、自分の言葉でしゃべれるようになっていくのだが、あえてあまりしゃべらせないことで、繊細な表情の変化に現れる蒼波の魅力を引き出していた。

 彼女たちの悩みは、大人からは他愛のない、ほほえましいものに見えるが、10代の女の子にとっては、とても切実なもの。だからこそ、ドラマチックな展開はほとんどないのに、見ている側に訴えかけてくるものがある。

 羊文学の主題歌「ドラマ」も、素晴らしい切実な輝きを持った宝石箱のような作品である。

 一方、Netflixで放送されていた『宇宙を駆けるよだか』は、会員限定のクローズドなサービスだからこそできたハードな青春ドラマだった。物語は一種の入れ替わりモノで、かわいくて明るい女子高生・小日向あゆみ(清原果耶)が、恋人の水本公史郎(神山智洋・ジャニーズWEST)との初デートの日に、ブサイクなクラスメイト・海根然子(富田望生)が飛び降り自殺をするところを目撃したことで、外見が入れ替わってしまう。

 あゆみは、唯一自分の言うことを信じてくれた幼なじみの火賀俊平(重岡大毅・ジャニーズWEST)と共に入れ替わった謎を探っていくのだが、その過程で入れ替わったあゆみと然子の気持ちが描写されていく。題材が題材なだけに最初は見ることに抵抗があったのだが、外見と内面をめぐる葛藤を誠実に突き詰めた、青春ドラマの傑作となっていた。

 ほかにもParaviでは、堤幸彦演出の人気超能力ドラマの新シリーズであるSPECサーガ完結篇『SICK’S 恕乃抄』、FODとdTVでは野島伸司脚本のドラマ『彼氏をローンで買いました』など、今の民放地上波では困難なドラマが放送されている。

 このように同じWEBでもYouTubeと有料配信動画サイトでは違うアプローチで作られている。中でもInstagramのストーリー機能で限定配信された『それでも告白するみどりちゃん』(現在はYouTubeにアップされている)は、WEBならではの映像作品に仕上がっていた。

 物語は女子高生のみどり(りりか)が毎回、好きな男の子・谷口くん(中島広稀)にあの手この手で告白するというもの。毎回3分弱と短いため、ドラマというよりは、面白い動画という感じだが、注目ポイントは画面が縦長だということ。スマホで見ることを想定した縦長動画は、女優のフルショットを違和感なく収めることができ、映画やテレビドラマとは違った面白さがある。

 この縦長の映像を駆使した表現は、WEBドラマだからこそできる試みだといえるだろう。まだまだ試行錯誤中だが、ここから新しい作品が出てくるのではないかと楽しみである。

●なりま・れいいち
1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

◆「女優の花道」過去記事はこちらから◆

『放課後ソーダ日和』『宇宙を駆けるよだか』……WEBドラマが若手女優の活躍の場に?

 2018年はWEBドラマに、見るべき傑作が多かった。

 過去にも、又吉直樹の小説をNetflixでドラマ化した『火花』やGYAO!で配信され、後に再編集版が前後編2部作で映画化された『女子の事件は大抵、トイレで起きるのだ。』など、優れた作品はあったが、昨年は作品数も充実していた。

 プラットホームもYouTube、Instagram、LINEといった無料で見られる場所や、Netflix、Amazonプライム、Hulu、Paravi、FODといった会員制の定額有料動画サービスまでさまざまだ。

 中でもWEBドラマ一番の主戦場となっているのが、YouTubeだ。松本穂香が地方で暮らす鬱屈したYouTuberを演じた『♯アスアブ鈴木』、人気YouTuberグループ・ボンボンTVの『最後のねがいごと』、LINE NEWSで配信された、のん主演の『ミライさん』など、1話あたり10分前後と短い、若手の女優やアイドルが主演を務めるドラマが多く、民放地上波から青春ドラマがなくなっている中、若手俳優や新鋭クリエイターが自由に力を発揮する場となっている。

 特に素晴らしかったのが『放課後ソーダ日和』だ。タイトルの通り、放課後に喫茶店でクリームソーダを飲むという、ささやかな楽しみを謳歌する3人の女子高生の日常を描いた青春ドラマである。

 1話10分弱、全9話と短い作品で、『孤独のグルメ』(テレビ東京系)などの食べ歩きドラマの女子高生版とでもいうような作品だ。登場する喫茶店とクリームソーダは実在するものであり、毎回、メニューと地図が出てくるので、喫茶店へ遊びに行くこともできる。

 枝優花が監督を務めた映画『少女邂逅』のアナザーストーリー的な作品で、本作も枝が脚本・演出・編集を担当。プライムタイムのテレビドラマと違い、予算規模は小さめだが、だからこそ小回りが利くため、作家性の強い作品となっている。

 出演は森田想、田中芽依、蒼波純の3人だが、それぞれ、本人の個性と演じる役がリンクしている。中でも面白かったのが蒼波の見せ方だ。

 彼女は独特の存在感がある女優で、常に自然に振る舞っているため、良くも悪くも浮き上がってしまうのだが、そんな蒼波の“浮き上がってしまう存在感”が、うまく役柄に反映されていた。

 蒼波が演じるムウ子は、ある事情でしゃべることを拒絶して、スマホの人工音声で会話する、メガネに三つ編み姿のどんくさい女の子。友達ができたことで、自分の言葉でしゃべれるようになっていくのだが、あえてあまりしゃべらせないことで、繊細な表情の変化に現れる蒼波の魅力を引き出していた。

 彼女たちの悩みは、大人からは他愛のない、ほほえましいものに見えるが、10代の女の子にとっては、とても切実なもの。だからこそ、ドラマチックな展開はほとんどないのに、見ている側に訴えかけてくるものがある。

 羊文学の主題歌「ドラマ」も、素晴らしい切実な輝きを持った宝石箱のような作品である。

 一方、Netflixで放送されていた『宇宙を駆けるよだか』は、会員限定のクローズドなサービスだからこそできたハードな青春ドラマだった。物語は一種の入れ替わりモノで、かわいくて明るい女子高生・小日向あゆみ(清原果耶)が、恋人の水本公史郎(神山智洋・ジャニーズWEST)との初デートの日に、ブサイクなクラスメイト・海根然子(富田望生)が飛び降り自殺をするところを目撃したことで、外見が入れ替わってしまう。

 あゆみは、唯一自分の言うことを信じてくれた幼なじみの火賀俊平(重岡大毅・ジャニーズWEST)と共に入れ替わった謎を探っていくのだが、その過程で入れ替わったあゆみと然子の気持ちが描写されていく。題材が題材なだけに最初は見ることに抵抗があったのだが、外見と内面をめぐる葛藤を誠実に突き詰めた、青春ドラマの傑作となっていた。

 ほかにもParaviでは、堤幸彦演出の人気超能力ドラマの新シリーズであるSPECサーガ完結篇『SICK’S 恕乃抄』、FODとdTVでは野島伸司脚本のドラマ『彼氏をローンで買いました』など、今の民放地上波では困難なドラマが放送されている。

 このように同じWEBでもYouTubeと有料配信動画サイトでは違うアプローチで作られている。中でもInstagramのストーリー機能で限定配信された『それでも告白するみどりちゃん』(現在はYouTubeにアップされている)は、WEBならではの映像作品に仕上がっていた。

 物語は女子高生のみどり(りりか)が毎回、好きな男の子・谷口くん(中島広稀)にあの手この手で告白するというもの。毎回3分弱と短いため、ドラマというよりは、面白い動画という感じだが、注目ポイントは画面が縦長だということ。スマホで見ることを想定した縦長動画は、女優のフルショットを違和感なく収めることができ、映画やテレビドラマとは違った面白さがある。

 この縦長の映像を駆使した表現は、WEBドラマだからこそできる試みだといえるだろう。まだまだ試行錯誤中だが、ここから新しい作品が出てくるのではないかと楽しみである。

●なりま・れいいち
1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

◆「女優の花道」過去記事はこちらから◆

お笑い界を激震させた久保田&武智の『M-1』“上沼暴言騒動” 『イッテQ』に“ヤラセ疑惑”【11・12月のランキング】

 お正月休み、そろそろテレビの正月特番に飽きてきた……なんて人もいるのではないでしょうか? そんなときは、コタツに入ってみかんでも食べながら、2018年を振り返ってみては。ということで、今回は昨年11月から12月に日刊サイゾーで特に人気を集めた話題をご紹介! 

 

【1位】
とろサーモン久保田・スーマラ武智“上沼恵美子に暴言”の深刻余波「M-1打ち切りもありえる」

17年の王者・とろサーモン・久保田と、昨年ファイナリストのスーパーマラドーナ・武智による暴言騒動により、思わぬかたちで注目を浴びた昨年の『M-1グランプリ』。今年の開催はいったいどうなるでしょうか。
(2018.12.05掲載)
https://www.cyzo.com/2018/12/post_184508.html

【2位】
上沼恵美子、松本人志だけじゃない! 久保田&武智の“暴言”に激怒した超大物

“関西テレビ界の女帝”こと上沼恵美子を「更年期オバハン」扱いした2人に、ダウンタウン・松本人志は厳しい言葉をかけましたが、その裏には、かつての『M-1』審査委員長で、2011年に芸能界引退したアノ人の存在が……。(2018.12.08掲載)
https://www.cyzo.com/2018/12/post_186993.html

【3位】
『イッテQ!』打ち切り危機の深刻度……ヤラセ問題より怖い“別のスキャンダル”って!?

昨年11月8日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が報じ、大きな騒動となった同番組の人気コーナー「祭り企画」でのヤラセ問題。業界関係者によれば、お金にまつわるある“疑惑”もあるとかないとか。真相はいかに――。(2018.11.15掲載)
https://www.cyzo.com/2018/11/post_182078.html

【4位】
Koki,に仕事のオファーが全然来ない……工藤静香&ジャニーズという「大きな障壁」にメディア関係者もうんざり

昨年、『エル・ジャポン』7月号で表紙を飾り、衝撃のデビューを果たした彼女。何かと“ゴリ押し”感の強かった2018年だけに、今年はどんな活躍を見せてくれるでしょうね。(2018.11.30掲載)
https://www.cyzo.com/2018/11/post_183871.html

【5位】
吉岡里帆、父親がNHKプロデューサー報道で「苦労人エピソード」使用不可に……

事務所とNHKは否定していたものの、かねてより女性からは「あざとい」とアンチ的な声が多い彼女だけに、イメージ払拭とはならなかったようです。(2018.11.07掲載)
https://www.cyzo.com/2018/11/post_181334.html

【6位】
父・貴乃花も苦言! 花田優一氏が“大スポンサー”資生堂を怒らせ「テレビ出禁」に!?

昨年12月に元幕内・富士乃真の陣幕親方の長女と離婚した優一氏。不倫疑惑だけでなく、本業である靴の仕事も納期遅れがあるなど、元妻だけでなく、世間からの信用もガタ落ちです……。(2018.11.06掲載)
https://www.cyzo.com/2018/11/post_180986.html

【7位】
Perfume西脇綾香は突然小顔に! 久々テレビ登場で「顔激変」とお茶の間を騒がせた美女たち

あ~ちゃんのほか、サッカー選手の稲本潤一と結婚したモデルの田中美保、ローラのそっくりさんとして注目を集めた水沢アリーのビフォー・アフターがすごいと話題に。(2018.12.25掲載)
https://www.cyzo.com/2018/12/post_187941.html

【8位】
オードリー若林正恭・南沢奈央が破局発表……ノーダメージの若林、大損した南沢の明暗

2017年12月末に交際が報じられてから、1年足らずで破局を迎えた2人。若林さんにはテレ朝・弘中アナや日テレ・水トアナとの交際を望む声が上がっているようですが、果たして……。(2018.11.07掲載)
https://www.cyzo.com/2018/11/post_181172.html

【9位】
竹内涼真は「天狗になっている」? スタッフ相手に“横柄な態度”目撃談も

昨年12月にドラマ『陸王』(TBS系)で共演した女優の吉谷彩子と交際をすっぱ抜かれてしまった竹内くんだけに、事務所側としては、日頃の態度から改めてほしいのではないでしょうか。(2018.11.12掲載)
https://www.cyzo.com/2018/11/post_181632.html

【10位】
『紅白』紅組司会に広瀬すず! 綾瀬はるか“落選”の理由は「コストパフォーマンス」だった

すずちゃんは春から放送が始まる朝ドラ『なつぞら』でヒロインを務めるだけに、ドラマスタッフも彼女の抜擢には大きな期待を寄せていたことでしょうね。(2018.11.19掲載)
https://www.cyzo.com/2018/11/post_182605.html

◆ほかの月を見る◆

【日雇いマンガ】28話『スター降臨!? 日雇い女子が群がるオトコの正体とは……』

――「キツイ」「汚い」「男臭い」……なんとなく近寄りがたいイメージのある“日雇労働”。その、実態はどのようなものなのか? 日雇い労働を生業とするアラサー・柿ノ種まきこが、日雇いの日々と人間模様を紹介します。

第28話『スター降臨!? 日雇い女子が群がるオトコの正体とは……』

 日雇い作業終了後に現れる人だかり。ひとりの男性に群がって、もしや芸能人?!

 いやいや、これは作業終了の受領サインをもらう人だかりです。

  サインください〜と囲まれている現場責任者もまんざらでもなさそう?

――毎週、木曜日に最新話を更新。次回29話は年1月10日(木)の更新予定です。

柿ノ種まきこ/@kakinotane_makiko
日雇いをしながらマンガを描くアラサー。過去には、「iVERY」にて婚活マンガ『女もつらいよ』を連載。現在はインスタグラムにて、マンガを不定期投稿。
https://www.instagram.com/kakinotane_makiko/

【マンガ・ヤリマン引退】乳首は黒いほどイケている! 妊婦同士の「乳輪バトル」【第14回】

ヤリマン、一児の母になる!

『挿れるモノ拒まず』で話題のマンガ家・ドルショック竹下が綴る、異色の育児コミックエッセイ。

百戦錬磨のテクニックは、ムスメの世話にも応用できる!?

仁義なき乳首バトル

 

――最新話は毎週水・木曜日に更新。お楽しみに!

 

ドルショック竹下(どるしょっく・たけした)

体当たり取材を得意とする、体験マンガ家。2016年に女児を出産。近著に『セックス・ダイエット』(ミリオン出版)、電子書籍『挿れるモノ拒まず~旦那がいてもシてみたいんです~』(大洋図書)。


<バックナンバーはこちら>

【第1回】ヤリマン、母になる!
【第2回】絶対おまえら、アレやってるだろ!
【第3回】「おしりネタ」が大好きな娘
【第4回】「いっぱい出たね」は幼児だけじゃない
【第5回】エッチじゃなくセックス!
【第6回】自分の指で「セルフ○○」!?
【第7回】わたしの股で「名人芸」!?
【第8回】アソコとオシリに走る激痛
【第9回】妊娠後期の「理解されない下ネタ」
【第10回】オトナの「やりたい放題」
【第11回】ママ、ちんちんない!
【第12回】「おっぱい」が気になるお年頃
【第13回】オトナも母乳を飲んでみたい!

AKB48時代には考えられない! “塩アイドル”島崎遥香が水着解禁した深いワケ

 元AKB48の島崎遥香が昨年12月21日に公開された映画『ニセコイ』に出演している。

 同作は、シリーズ累計1,200万部を突破した古味直志の人気ラブコメ漫画を実写化。Sexy Zone・中島健人と中条あやみが主演を務め、島崎は謎の転校生に扮している。

 島崎は自ら髪をオレンジ色に染めるなどの本気の役づくりで注目を浴びていたが、劇中で彼女が水着姿を披露していたことに、従来のファンは驚いたようだ。

「AKB時代には“塩対応”キャラが有名だった島崎ですが、選抜メンバー全員が水着を着用するムック本や漫画誌の表紙でも、一人だけ洋服姿だったこともあります。特に卒業直前の時期は頑なに水着姿を見せなかったことで、一部では何か見せられないアザでもあるのか、と疑う人も多かった。今回、思いがけずレアな映像を目にしたファンからは喜びの声が上がっています」(アイドル誌ライター)

 15歳でAKB48のオーディションに合格した島崎は、16年にグループを卒業。現在は24歳となっただけに、何らかの心の変化があったのかもしれない。そんな中、グラビア関係者が彼女の“胸の変化”についてこう言及する。

「島崎も人気が出る前は水着姿を普通に披露していましたが、バストサイズはBカップほどで幼女体型。メンバーの中でもトップクラスと絶賛されていたルックスと比べ、『胸が弱点』との声も……。その後、13年に発売されたファースト写真集『ぱるる、困る。』(集英社)に盛り込まれていた水着カットでは、『Cカップに成長した』と言われるほど、いくぶん大きくなっていました。そんな彼女の巨乳化が話題を呼んだのは、今年1月のドラマ『リピート~運命を変える10か月~』(日本テレビ系)でのこと。第5話で、上着を脱いで白いインナー姿になるシーンを観ると明らかに膨らんでおり、ネット上では『ぱるるの胸のカップやばい!』『Dカップくらいに見える』とファンの興奮したコメントが殺到したほどでした。バストに自信が持てるようになったことで、映画での水着シーンを許諾したのかもしれませんね」

 彼女の“成長”を、劇場で確認してみてはどうか?