楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」(後編)

umez_akari02.jpg ■前編はこちらから ――なるほど~。そう言えば、お二人とも携帯電話を持ってらっしゃらないんですよね。 長尾武奈監督(以下、長) 持ってないですね~。学校を卒業するから、4月からは持とうかな。 楳図かずお氏(以下、楳) たぶん携帯電話持ったって、やり取りする相手がいないと思う(笑)。 ――アハハ! 分からないじゃないですか!  いや、今、なかなか友達ができないというか......。 ――長尾監督のTwitterを見てると、クレイアニメの制作の話の他に、ちょいちょい「 まいんちゃん」とか「けいおん!」っていうワードが出てきて親しみが湧きますよ!  でも、友達ってできたらアイデアをパクられたりしない? それは用心だと思うよ。世界を相手にやっている人は、迂闊に友達作っちゃうと危ない。 ――あ、それはあるかもしれないですね。手塚治虫先生にパクられたというエピソードをお持ちの楳図先生ならではのアドバイス! 私はぜんぜん世界には相手にされてないですけど、売れてる友達に「オススメのマンガとかCDある?」って聞かれて、「コレが面白いよ!」って薦めると、そういう仕事が全部そっちに入っちゃう! 「うわー、私、何にも残らなかった」みたいなことがたまに起こりますよね。漫画の世界もそうですか?  ねえ? やっぱり漫画家は漫画家の友達がいたって、自分の知り尽くした世界に新しいものってないし、やっぱり面白くないんですよ。 ――だから楳図先生は小説も漫画も読まないし、映画もほとんど見ないんですよね?  そうですね。それに、影響を受けるというか、コピーになりたくないっていうのがありますよね。見ちゃったら少なくとも影響はあるはずなので。自分でオリジナルを作ろうと思うと、既に頭にあるものをどうやって排除しようかと工夫するじゃないですか。そんなに苦労するんだったら、最初から何も見ずに一生懸命考えたほうがいいです。 ――恐れ多くも、分かります。私たちの世代って、既にいろんな素晴らしいものがあった上で、既に影響されて入っちゃってることが多いから、何か新しいものを作ろうと覚醒したとき、初めはノリノリなんですけど、だんだん「あれ? これ、見たことあるな?」とか「もう誰かが先にやってた!」ってことがすごく多くて......自分の凡人ぶりが悲しくなります。  そう、そうなっちゃうんだよね。そこが嫌なんで、だから見ずに最初から考えて、たまたま同じようになったら、「同じこと考えている人がいるんだ~」って思えるけど、見ちゃったらねぇ。難しいところでねぇ。  ホラー映画とかを見てても、「似た場面があるな~」ってことは多いですよね。"オマージュ"という言葉の魔術......。 ――オマージュとか、インスパイアとか、尊敬するからあえて取り込みましたっていうのも多いですよね。例え同じシーンでも、クレイで表現されるとすごく新鮮でしたし。  新しく作ろうと思ったらそれは壁になっちゃうけど、オマージュだったら「オマージュです」って先に言ってしまってから始めよう。それに、彼のはキャラクターの形自体が、自分のものでやってますからね。 ――楳図先生や長尾監督みたいに、人と違う、新しいものを作るには、どうすればいいんでしょうか? もう、どう走り出したらいいのかも分かりません......。  新しいもの、人と自分と......っていうより、自分が作ったものの中で、「これは前にやったパターンだな」っていうのがあって、それをやめとこうってだけなんです。まずは、自分がまだやってないというところに目をつけた方がいいですよ。まず自分と戦って、それから外との戦い! ――先生がどんどん新しい言語を勉強したりするのも、自分との戦いなんでしょうか?  そうですね、それはあるかもしれない。そこからまた違うものが読み込める感じがして。田舎にいた頃、こもりきりで肩こりになったりしたから、今度は明るい人って感じで、夏祭りなんかにも出まくって、違うポーズをして......それ本当に、大事! ――現在進行形でたいして忙しくもないのにひきこもって無駄に肩こりしてるので、がんばります! お外に出て、なんでもやってみなきゃ!  新しいことは、コケそうなことでも、どんどんやっていきましょう(笑)。 ――好きでやってることでも、続けていくと気が滅入ることもありますよね。そういった時はどう対処してますか?  一時期、スランプというか、今日はコレをやらないといけないんだけど、どうしても気分が上がらないな、という時。そういう時はフラフラと外に出たりとか。  締切りとかはどうするんですか? 僕なんかは、スケジュールが最初から決まっているものなので、フラフラじゃなくて死に物狂いです。 ――じゃあ、あの吉祥寺の名物になっているお散歩の時間も?  そうですね、歩きながら考えてますね。考えるのと歩くのは一体になっているんです。昔の4コマ漫画に、よく部屋の中をぐるぐる歩き回るってのがあったんですけど、考えてるとああいう状態になってくるんですよね。だから、外に出て外を歩いて考えたほうがいろんなことが気分転換できたり、気分を休めたりできるので、家の中よりは外の方がいいんだけど......最近は、自転車とか車とかで、どこを歩いても危ないですよ。物を作る人にとって、考えるための道は不可欠だと思うんですけれど。 ――先生の場合は服装が目立つから、向こうから避けてくれそうな気も......。私、考え事とか悩み事があると、とにかく家の中で塞ぎこんでしまうんですよ。そうなるとどんどん下の方に下の方に行っちゃって、「もう消えたい......」みたいになっちゃって。それって、やっぱり完全に逆効果なんですね......。  でも、陰気な方に行ったほうが考えやすいんですよ。周りから情報が入りすぎちゃうと、気分は新しくなっても、上手く考えられないから。頭の中を活発にさせようと思ったら、やっぱり強い刺激より、ゆったりした自然の中に自分を持っていった方が、自然にいい考えが出てきますよ。 ――そう言えば、静かな夜道なんかを歩いていると、いつもより色んなものが見えてきますよね。  ......夜道と言えば、昔、高田馬場にいた頃ね、当時は夜でも安全だったので、高田馬場から新宿に向かって歩いてたんですけど、ある時、10m先に女の人がいるんですね。その後を僕が歩いているんですけど、そのままずっと10m間隔で進んでいって、これが結構長いんですよ。で、その女の人が道沿いにある自動販売機にススッと行ってお金をいれて、ガチャッと落ちてきたジュース缶を握った瞬間、僕にそれをガッ!! と!! ――ギャーッ!(楳図先生の絵で想像して下さい)  女の人は、後ろから誰かが歩いてくるとそんなに怖いんでしょうかね? ――そりゃ怖いですけど、災難すぎますよ! もし、長尾監督が夜道をそうやって歩いていて、間違って女性に通報されたとするじゃないですか。で、家宅捜索が入った場合......。  ビデオに撮っておいたホラーのテープが棚にいっぱいで、テーブルの上には、メイドさんやゾンビの血みどろクレイが......。  それはマズイ(笑)。 ――もう逃げられない(笑)! 気をつけてください! お二人とも、今日はありがとうございました! (取材・文=小明) ●楳図かずお(うめず・かずお) 1936年和歌山県生まれ。55年マンガ家デビュー。以降、数々の伝説的作品を発表し、各界に多くのフォロワーを生んでいる。審査員を務めた「第10回 DigiCon6」優秀賞のクレイアニメ『チェーンソーメイド』(ポニーキャニオン)を推薦中。 ●長尾武奈(ながお・たけな) 1986年京都府生まれ。高校時代からクレイアニメの制作を始め、国内外の映画祭で高い評価を得る。代表作『チェーンソーメイド』はYouTubeで300万回以上再生。DVD『チェーンソーメイド』(ポニーキャニオン)発売中。 ●小明(あかり) 1985年栃木県生まれ。02年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
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小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」(前編)

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 モテない、金ない、華もない......負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第20回は特別編! 大マンガ家の楳図かずお先生と、先生が大絶賛中のクレイアニメDVD『チェーンソーメイド』の長尾武奈監督をお迎えしました! [今回のお悩み] 「友達がいないのですが......」 ――長尾監督、『チェーンソーメイド』を激しく応援していらっしゃるという楳図先生、初めまして! 今日はよろしくお願いします! 私、以前から『チェーンソーメイド』の動画を見てたんですけど、可愛いイメージのクレイアニメでまさかのスプラッター!? って驚いたんですよ! 長尾武奈監督(以下、長) クレイアニメは日本だと可愛い系が人気なんで、こういうのはどうだい? 的な(笑)。 ――カラフルな粘土であんなにグロテスクな切り株動画を作るなんて......! しかも、まだ学生さんなんですよね。卒業後はどうされるんですか?  普通に就職しながらアニメを作るのもいいな、と思いつつ、チャンスがあればそれはそれで......とか、探り探りです。というか、修士論文もこれから......。 楳図かずお氏(以下、楳) 大変な時期ですねぇ。せっかくだから、修士論文の中にもゾンビやメイドさんを出してしまいましょう! たぶん、他の人には書けないようなものが書けますよ(笑)。  いやぁ、それで卒業させてくれるものなら(笑)。 ――ちなみに、主役はどうしてメイドさんだったんでしょう? 趣味?  ゾンビ物を作ろうと思ったとき、「戦うヒロインがいたらいいな、日本だと今なら......メイドさんだ!」と思って。 ――あ、じゃあ、ご自分の趣味というよりも、世相に合わせた感じだったんですね。  それもありつつ、自分でも楽しんで(笑)。メイドさんがチェーンソー持ったらカッコイイだろうなぁ、と。  ――確かにカッコよかったです! どういう作品から影響を受けましたか?  ジョージ・A・ロメロとか、『死霊のはらわた』っていうゾンビ映画の目を潰すシーンとか、チェーンソーと言えば『悪魔のいけにえ』っていう古典のような名作とか。
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『チェーンソーメイド』の撮影に使われた
クレイ人形。かわいい!
 僕は、あのゾンビの目をブスって指で潰すシーンが、見ている方に突き刺さってくる感覚があって良かった。実写ではないので、デフォルメして可愛く作っているんだけれども、それでものめりこんでしまう怖さがあって、素晴らしいですよね。イケてる描写です。 ――楳図先生の『神の左手 悪魔の右手』でも、目からハサミが飛び出してくるシーンがありましたね。アレは本当に怖かった......。  やっぱり目は嫌ですよねぇ(笑)。あと、チェーンソーで下から上までズイーンッ! とやるときに、ズバッと一気にじゃなくて、痛そうな、体の抵抗感みたいなのを出しながらやるのが良いのかな、と。そういう細かい表情などが大変良くできているから、人形が本当の人間みたいに見えてしまう。 ――メイドさんがゾンビに対して「何すんのよ!」って顔するのも面白くって。人形の表情が細かいんですよね。  ああ、あそこが一番萌える瞬間なんですよ!  萌える瞬間(笑)。ああいう細かい微妙な表情の変化が全体の怖さを上手く盛り上げていました。ああいうところをはしょっちゃうと、ガタガタの本当にスプラッターになっちゃうんだけれど、そこのところは大変上手にできてるなぁ。あとキャラクターがみんな可愛いんですよね。可愛らしいのと残酷なものの2種類が入ってる。本当の人間の感じでつくっちゃって、童話性がなくなって、エグいだけになっちゃうのは嫌ですよね。 ――楳図先生、本当に大絶賛じゃないですか!  うふふ! ――アニメの制作はどこでやられてるんですか?  自分の部屋でこもって一人で......。 ――え? スタジオとかじゃなくて?  そうですね、自分の部屋の、テーブルの上です。 ――おお......。ちなみに、1作品撮るのにどれくらいの時間がかかるんですか?  作り始めた5、6年前は2カ月くらいだったんですけど、最近は半年とか......。凝り出すとどうしても血しぶきだけに1日かけたり、どうすればもっと肉片が飛んでいるようになるかな~、とか考えながら......気付くと4、5時間経ってるみたいな。汁系にはこだわりたくて(笑)。まず、集中力をあげてスタートできるまでが一番大変かな。 ――汁は大事! 私もスタートしちゃえば早いんですけど、それまでが長い(笑)。やる気スイッチが全然見つからなくて途方に暮れることが良くあります。  ヘビメタとか、メタルの激しいのをかけて気持ちを上げたり、好きなホラー映画の一番好きな場面を見て、やる気を出すと良いですよ。『スキャナーズ』っていう映画の、あの場面がいいんじゃないか? っていうのを確認したりして。 ――超能力で頭が爆発する映画だ! 監督は映画をものすごく見てらっしゃいますよね。  中学の頃からホラー映画好きで。  ――私もロメロのゾンビにハマッてゾンビのコスプレをやり出したら、こういうお仕事が増えて、ロメロとゾンビには感謝しっぱなしです(笑)。アニメのキャラクターの声は誰が入れているんですか?  『血みどろの森』という別の短編ではゾンビの声を自分でやってました。「ううーうー......」って。実家だから、その時は家族もさすがに引いてました。  アハハハ!  でも、家族も昔からホラーが好きなのを知っていたし、おばあちゃんが一緒にゾンビ好きになっちゃて。今までは漫画とか読んでいなかったんですけど、「楳図さんのは面白い。『まことちゃん』のグワシ!」とか言って(笑)。  ねえ、精神が新しいですよね? うふふ! ――素晴らしい環境! 今後チャレンジしたいシーンはありますか?  そうですね、もっと痛みを感じさせる、粘土だけれどもこんなになっちゃうんだ!? っていうのを追求したいなと思います。あと、すごい悪意がこもった人も描きたいなぁ。 ――やっぱり普通の作品より、ホラー要素があったほうが作っていて楽しいんでしょうか?  楽しい!  そりゃあ、楽しい! 綺麗なのは綺麗なので、それ以上はないんですけど、醜い部分があると、そこはすごい想像性があって、楽しんでやれますよ。崩れた顔の方が面白いですよね。 (後編につづく/取材・文=小明) ●楳図かずお(うめず・かずお) 1936年和歌山県生まれ。55年マンガ家デビュー。以降、数々の伝説的作品を発表し、各界に多くのフォロワーを生んでいる。審査員を務めた「第10回 DigiCon6」優秀賞のクレイアニメ『チェーンソーメイド』(ポニーキャニオン)を推薦中。 ●長尾武奈(ながお・たけな) 1986年京都府生まれ。高校時代からクレイアニメの制作を始め、国内外の映画祭で高い評価を得る。代表作『チェーンソーメイド』はYouTubeで300万回以上再生。DVD『チェーンソーメイド』(ポニーキャニオン)発売中。 ●小明(あかり) 1985年栃木県生まれ。02年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
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小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

"大和撫娘"アイドル・松本香苗がぶっちゃけ過ぎなガールズトークを開催中!

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 「大和撫娘(やまとなでしこ)」をキャッチフレーズに、アキバで大活躍するアイドル「松本香苗」ちゃん。そんな彼女が多彩なゲストたちとともに、放送ギリギリのガールズトークを繰り広げる「秋葉原女子会~今夜はぶっちゃけよう~」がDMMライブトークにて大好評放送中! この大ヒットを記念して"かなりん"に徹底インタビューを敢行した! アキバを揺るがす"かなりん"のリアルな思いとは!? ――まず、かなりんのキャッチフレーズと言えば「大和撫娘」のですが、どうしてこのフレーズをつけたんでしょうか? 「もともとアイドル活動をする前から、和雑貨や和テイストの音楽がすごく好きだったんです。日本の"わび""さび"とアキバの"萌え"を融合した『わびさび萌え』を広めることができればと思って活動しています」 ――特技である十二単(じゅうにひとえ)の着付けはどこで習ったんですか? 「大学が日本文化学科だったんですが、そこで着付けの授業があったんです。十二単は高貴な人のための衣装なので、着付けるためには2人がかりで1時間もかかってしまう大変な衣装なんです」 ――かなりんが考える和服の良さって何でしょうか? 「和服だと、帯によって背筋がピンとするからみんな姿勢がよくなるんですよ! それに、日本人はやっぱり着物が似合う顔立ちなので、みんなにもどんどん着物を着てほしいですね」 ――アキバでも和をコンセプトにしたお店が広がっていますよね。 「和風メイドカフェとか、和風リフレクソロジーとかが増えてきました! これも、かなりんのおかげですかね(笑)」 ――来年には新曲「お米じゃぽんっ☆」でメジャーデビューも決定していますね。これはどういう曲なんでしょうか? 「アキバっぽさや和テイストを取り入れつつ、とにかくみんなにお米を好きになってほしいと思いながら作りました。『乙女心』ならぬ『お"こ"め心』を歌った曲です」 ――(笑)。かなりんはお米派ですか? 「もちろんです! お米は毎日食べていますね。パンもたまには食べますけど、やっぱりお米が一番です!!」 ――これまでに2回開催され、DMMライブトークの配信も好評な「秋葉原女子会」ですが、実際にやってみた感想はいかがでしょうか? 「1時間30分にわたってMCをやるのは初めてだったので、1回目の時はとても緊張しました。女の子だけで『失恋について』とか『嫌いな女のタイプ』とか、お泊まり会で盛り上がりそうな話題ばっかり喋ってるんです!」 ――どんな話題が盛り上がるんでしょうか? 「こないだは下着の話が盛り上がりましたね」 kanarin02.jpg ――下着ですか!? 「ゲストの方がいつもTバックを履いてるっていうことが判明したので、『どんな感じなのっ!?』って根掘り葉掘り聞いちゃったんです」 ――視聴者からの反響はいかがでしょうか? 「『ぶっちゃけ過ぎ』っていう反応が多かったですね。放送時間が1時間30分もあるので、だんだん深~い話になっちゃうんです」 ――次回の放送日は12月29日ということで、かなりんの誕生日目前ですよね 「そうなんです! なのでスペシャルな内容を予定しています!!」 ――誕生日プレゼントにはどんなものが欲しいですか? 「ファンの方からはやっぱり手紙をいただくのが一番うれしいですね。心が込もった手書きのお手紙をもらうとすごく元気になるんです」 ――今までにもらった中で、いちばん印象に残っているプレゼントは何ですか? 「以前、ファンの方にワインを頂いたんですが、そのボトルにかなりんをモチーフにしたイラストが彫ってあったんです。すごく手が込んでいて、びっくりしました!」 ――最後に、ファンのみなさんにメッセージをお願いします! 「女の子だらけでぶっちゃけトークを繰り広げています。女の子のお泊まり会に侵入したつもりでみてほしいですね。男性が聞いたら怖いような話もしているんですよ。『嫌いな男性のタイプ』とか『こんな男は嫌だ』なんていう話もあけすけにしているので、この放送で女心を勉強してほしいですね」 ●DMM.comライブトーク 『秋葉原女子会~今夜はぶっちゃけよう~』 アキバ1の大和撫娘をキャッチフレーズに、アキバ系アイドルとして活躍中の松本香苗が、グラビアアイドル・ライブアイドル・女芸人・メイド・声優など多種多様な職種の女子達をゲストに招いて、何でもありのぶっちゃけガールズトークを展開します。普段聞けないようなガールズトーク満載で、盛り上がること間違いなし!! <http://dbirth.dmm.co.jp/>
Wink 04 松本香苗 大和撫娘は好きですか? 好きです!! amazon_associate_logo.jpg
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「意味が分からない男になりたい」キングコング西野亮廣という生き方

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 11月11日、キングコング・西野亮廣の絵本『Zip&Candy ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』(著:にしのあきひろ/幻冬舎)が発売された。これは、彼にとって『Dr.インクの星空キネマ』(同)に続く2冊目の絵本。独特の緻密な絵柄で、ロボット同士の温かくほろ苦い恋愛模様を描いている。  『はねるのトびら』(フジテレビ系)などのレギュラー番組に出演するかたわら、絵本や小説の制作、ライブ活動、ドラマ主演など、ますます多忙を極める西野の果てしない創作意欲の原点に迫ってみることにした。 ――そもそも絵本を描こうと思ったきっかけは? 西野亮廣(以下、西野) 飲みの席で、タモリさんに「絵を描け」って言われたことがあったんです。それを僕は1回断ったんですよね。興味がないから嫌です、って。そしたら、「じゃあ何に興味あるんだ?」って言われたから、お話を作るのは好きです、って答えて。じゃあ絵本はどうなんだ、っていうことになったんですよ。そこで、2人で絵本についていいところも悪いところもあれこれしゃべって盛り上がったんです。それで、悪口だけ言ってるのも気持ち悪いので、自分で作っちゃおうかと。 ――具体的には、既存の絵本のどういうところが不満だったんですか? 西野 僕自身が、子どもの頃に絵本を読んでそこまでドキドキしなかったんですよ。それって、ドキドキするような絵本が世の中にないのか、絵本作家が作ってないのか、どっちなんだろう、と思って。絵本って「子ども向け」とか「大人向け」とか、そういう言葉をよく耳にするじゃないですか。それって、子どもの手に渡る前に、大人が1回ふるいにかけてるってことですよね。でも、そもそもそこで大人に止められてしまうようなもんを作っちゃダメよなあ、ってなったんです。そこから絵本作りが始まりました。 ――絵本を描くにあたって、既存の絵本を読んで参考にすることはありましたか? 西野 いや、なかったですね。いきなり描いたんですよ。お笑いもそうなんですけど、僕は割と、何でもすぐ始めちゃうんですよね。勉強してから臨む、みたいなのはあんまりなくて。いきなり首つっこんじゃう。それで、これはあかんのか、とか思い知った方が早いですから。 ――そうやって1冊目の絵本に取り組んだ結果、完成までに5年もかかってしまったわけですね。そこまで時間がかかった理由は? 西野 絵本に関しては、プロの絵本作家さんでも描ける絵本を描いたら自分には勝ち目はないなあって思って。じゃあ、絵本作家さんが描けないのって何かなと考えたら、僕はそれでご飯を食べてるわけじゃないので、いくらでも時間はかけられるなあと。だから、とにかく時間をかけて作ろうということになったんです。1年半くらいでできると思ってたんですけど、結局5年かかりました。 ――今回の2冊目の絵本『Zip&Candy』は、シンプルな物語ではありますが、終わり方は完全なハッピーエンドではなく、ちょっと考えさせられるような部分もありますよね。 西野 そうですね。ロボットだから気にならないですけど、実は人間に置き換えたら結構重い話かもしれないですよね。それを、クリスマスという設定でハッピーエンドっぽく見せてるだけで。 ――さて、今年もそろそろ終わりますが、2010年は西野さんにとってどんな1年でしたか? 西野 今年はドタバタでした。小説出して、漫才の全国ツアーがあって、ソロDVDが出て、絵本が出て。でも、24~25歳ぐらいのときから1人でコツコツやってきたことが、ようやく実を結んできたのかな、という感じはあります。ほんのちょこっとだけですけどね。自分のやってることを面白がってくれる人が、ようやく少しずつ周りに集まってきた感じはありますね。 ――今年7月には、毎日書かれていたブログ「西野公論」も終了しました。あのブログは、あまりに率直な書きっぷりで、ネット上では何かと物議を醸していました。その背景には、「芸人はがんばってるところを人前で見せてはいけない」という認識が世間では根強くある、ということが大きいんじゃないかと思うのですが。 MG1128.jpg 西野 それ、ありますよね。確かに僕も、見せない方がいいとは思いますよ。でも、それだといくらでも逃げられちゃうんですよ。強い人なら逃げないかもしれないけど、僕みたいにサボり癖のある人間は、そういう荒療治をしないとダメなんです。 ――つまり、あのブログは自分を縛るために書いていた、ということですね。 西野 そうです、自分のためです。 ――それを書く必要がなくなったというのは、そろそろ何もしなくてもサボらなくなってきた、ということなんでしょうか。 西野 そうですね。あと、自分の周りで一緒に仕事に関わる人が増えたので、世間に言わなくても、そっちに言うことで、自然とやらなあかん状況になってますからね。以前は仲間がいなくて、モノを作るときにずっと1人でしたから、どっかに言わないと絶対サボると思ってました。このやり方って、僕はサボっちゃう人にはおすすめなんです。その代わり、もちろん、世間の風当たりはきつくなりますけどね。 ――普通の人がそれをやったら、副作用がきつすぎるんじゃないですか(笑)。 西野 ははは(笑)。ただ、あれは、変なやつになるための薬みたいなとこありますよ。 ――それはかなり実現できてますよね。ブログを書いて絵本を出したりもして、西野さんには「何だか意味が分かんないやつ」っていうイメージも定着しつつあると思います。 西野 「意味分かんない」って、いいっすよね! それが一番良くないですか。受け手の人の容量に収まってるって絶対嫌ですもんね。僕が子どもの頃に見てたタレントさんって、そんなんやったと思うんですよ。勝新太郎さんなんかも、よう分からんでしょう(笑)。ほんまに何考えてんねん、って。ああいう感じが好きで、やっぱまだどっか憧れてるんですよね。 ――そもそも、お笑いの世界って、世間から逸脱した人が集まる場所、っていうところはありますからね。 西野 そうですよね。常識を守れない人、っていうことですもんね。大学進学しろって言われてるのに、なぜか吉本に行っちゃってるわけだから。みんなをそこで1回は裏切ってるんで、その調子で最後まで行きたいですよね。 (取材・文=ラリー遠田/写真=長谷英史)
ジップ&キャンディ―ロボットたちのクリスマス ドッキドキ? amazon_associate_logo.jpg
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「お笑いとプロレスは似ている」 ユリオカ超特Q、プロレス愛が止まらないっ!

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らっしゃい!
 11月17日、ユリオカ超特Qとケンドーコバヤシの共著『僕たち、プロレスの味方です』(双葉社)が発売された。この本では、プロレスをこよなく愛する2人が、自分とプロレスの関わりからプロレス復興のための秘策まで、真剣に語り合っている。  プロレス人気が低迷している昨今、あえてこのような本を出して彼らが伝えたかったことは何なのか? 著者の1人であるユリオカ超特Qに聞いてみた。 ――この本を出そうと思ったきっかけは? ユリオカ この本の編集者もそうなんですけど、30代以上の男性の中では、プロレスに思い入れがある人ってわりと多いんですよ。でも、今の若い人の間ではプロレス人気が下がったどころか、ほとんどないような状態じゃないですか。それを何とかしたいなあと思ったんです。 ――対談のパートナーとしてケンドーコバヤシさんを選んだ理由は? yurioka02.jpg ユリオカ それはもちろん、プロレスが好きだからっていうのもあるんですけど、ケンコバ君って、マニアックなものをメジャーに見せる才能があるじゃないですか。そこがプロレスの魅力を紹介するための人材としてふさわしいんじゃないかと思ったんですね。 ――この本では、ユリオカさんとケンコバさんがプロレス一筋に歩んできた半生についても、こと細かに記されていますね。 ユリオカ ケンコバ君って、自分のことを聞かれると、いつもウソをついたり、スカしてみせたりするじゃないですか。でも、この本ではいちばん真実に近いことが書かれていると思いますね。さすがの彼も、プロレスにウソはつけないってことでしょう。 ――プロレスファンにもいろんな種類の人がいると思うんですが、ユリオカさんとケンコバさんはそれぞれどういうタイプですか? ユリオカ 僕は、メジャーからマイナー、女子プロまで、全部楽しめるタイプなんですよ。プロレスって、普通に見ればバカバカしいようなこともあるんですけど、それさえも否定しないで楽しめる、っていう感覚はあります。  その点、ケンコバ君も僕と近いところはありますね。昔、「レスラーでは誰が好きなの? どこの団体が好きなの?」って聞いたことがあるんです。そうしたら、「僕は......ダメなんですよね、全部好きなんです」って言われて。この「ダメなんですよ」っていうのが、本物のプロレスファンっていう感じがするんですよ。彼の場合、女子選手を性の対象としても見ていますからね(笑)。そういう意味でも真のプロレスファンじゃないかと思います。 ――ケンコバさんには「プロレスとお笑いは似ている」という持論があるそうですね。 ユリオカ 僕もそう思いますよ。ツッコミは受けで、ボケは攻撃だと。プロレスではガンと殴られても、我慢したり少しよろけたりするだけだったら、お客さんは大したことないって思うじゃないですか。でも、それで勢いよくあっという間に倒れたら、「すごいのが入ったな」ということになる。お笑いでも、ボケが弱くてもツッコミで補強して笑いにする、っていうことはある。そういうところは似てますね。 ――ユリオカさんは、数多くいるレスラーの中でも、藤波辰爾さんを最も敬愛しているそうですね。彼の魅力を一言で言うとどういうところなんでしょうか? yurioka03.jpg ユリオカ レスラーとして自己主張が強すぎない、品がある、っていうところですかね。藤波さんは、誰と戦っても相手のいいところを引き出せるんですよ。プロレス界で名勝負と言われるものはたくさんありますけど、それに絡んでいる率が最も高い人じゃないですかね。受けの才能、試合を組み立てる才能は猪木さん以上だと思います。 ――ひょっとすると、ユリオカさんの芸風も藤波さんに似ているところがあるのでは、という気もしますね。 ユリオカ ええ、確実に何らかの影響は受けてますね。僕の漫談も、どちらかというとツッコミ漫談なんで。笑えるようなものをどこかで見つけてきて、それを一回説明してからツッコむ、っていうところがある。そういう部分は、相手の技を受けて仕留める、っていう藤波さんのスタイルとほぼ一体化していますよね。......いや、すいません、言いすぎました(笑)。 ――だからこそ、鳥居みゆきさん、エスパー伊東さんといった「絡みづらい人」を相手にするのも得意なんですね。 ユリオカ いや、この本を書いているときにはそうかなと思ったんですけど、あとになって考えたら間違いでした。他の人は大丈夫ですけど、鳥居さんだけは絡みづらいです(笑)。吉本の芸人さんって、プライベートでもお互いに仲が良くて、相手が舞台でスベってもそれをフォローしてくれるっていうところがあるじゃないですか。でも、鳥居さんは違うんです。仲がいいからって甘えようとすると、ピシャッと「全然関係ないです」っていう態度をとる。それで何度か大ヤケドしましたから(笑)。ものすごくあまのじゃくなんですよね。 ――ユリオカさんと言えば、藤波さんのものまねが有名ですが、来年の『R-1ぐらんぷり』で決勝に進んだら藤波ネタをやる、とこの本で宣言されていますね。 ユリオカ そうですね。今度の『R-1』って、決勝が勝ち抜き戦なので、ネタが3本必要になるんですよ。だから、そこで最後の最後まで行ったら、藤波ネタをやりたいですね。それがハマる空気だったらいいかなと。逆に、それで自分を追い込む可能性もありますけどね(笑)。 ――笑い飯さんの「チンポジ」みたいになるかもしれませんよね。 ユリオカ 「なぜだ!?」ってみんなに言われたりして(笑)。でも、それで伝説になるのもいいですよね。 ――最後にお聞きします。この本を読んで新しくプロレスに興味を持った人は、まず何から入ればいいと思いますか? ユリオカ 最初におすすめしたいのはテレビですね。地上波で夜中にやってますから、一度だまされたと思って、録画予約をしていただいて。それを1カ月我慢して見てほしいですね。そうすると入れ替わり立ち替わりいろんな人が出てくるので、その中から引っかかる人が見つかるんじゃないかと思います。 (取材・文=ラリー遠田/撮影=菊池一馬) ●ゆりおか・ちょうとっきゅう 1968年兵庫県生まれ。タイガーマスクに衝撃を受け、プロレスの虜に。立命館大学ではプロレス同好会(RWF)に入り、実況を担当した。大学卒業後、サラリーマンを経て大竹まことに弟子入り。芸人として活動する一方、みちのくプロレスの実況担当や、武藤全日本の「F-1タッグ」に出場するなどプロレスと深く関わる。愛してやまない藤波辰爾のものまねを最も得意とする。
僕たち、プロレスの味方です 『アメトーーク!』(テレビ朝日系)などで熱烈なプロレス愛を吐露し続けるユリオカ超特Qとケンドー・コバヤシ。そんな2人が自身のプロレス者(もの)遍歴と、リングの闘いの魅力とプロレス復興について本気で語り合う一冊。ゲストにNOAHのKENTA選手を招いた特別鼎談も収録。 著・ユリオカ超特Q、ケンドーコバヤシ/双葉社/定価1,470円 amazon_associate_logo.jpg
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ニーチェを搾取し、ビジネス書を売りさばく今の出版界は死すべきか?

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写真/宮腰弓視香
 今、都内の大型書店に行くと必ず平積みで置かれ、文芸、人文思想界隈で話題となっている本がある。佐々木中氏の『切りとれ、あの祈る手を <本>と<革命>をめぐる五つの夜話』(河出書房新社)だ。哲学、現代思想、理論宗教学を専門とする佐々木氏が、文学(本を読み、読みかえ、書き、書きかえること)が、これまでいかに革命を成し遂げてきたか、ルターやムハンマドなどを例に、思想・哲学の専門家にではなく、本を愛するすべての人に語り下ろした良書だ。  今回、著者の佐々木氏に、「若者の活字離れ」「出版不況」が叫ばれる中で、出版点数だけは右肩上がりに増える日本での「本の消費のされ方」をテーマに話を聞いた。 ――まず、思想界に衝撃を与えた処女作『夜戦と永遠』(以文社)以来、2年ぶりとなる本書を出版した経緯を教えていただけますか? 佐々木氏(以下、佐) 前作を出版してから、こんな不況のご時世にもかかわらず、ありがたいことに新書や入門書を書かないかというオファーをたくさんいただいたんです。ただ、そういうものを書くと、その後、すべてのものについて、気の利いた一言を差し込むようなワイドショーのコメンテーターのような知識人になってしまうという危惧があり、頑なに断ってきました。そんな中、今年の2月にライムスターの宇多丸さんと対談をする機会があり、その後、朝まで飲んだんです。ライムスターというグループは、ラップで飯が食えるなんて考えられない時代から、ハードコアなまま、いかに売れるかで戦ってきたグループです。そして、KREVAくんやRIP SLYMEなど、後進をフックアップしてきた。そんな先輩に「『夜戦と永遠』のような学問的にしっかりした本を書いたんだから、もう後から来る人を勇気づけるために間口を拡げることもしないといけないよ。佐々木君は、ハードコアな自分が好きで、売れない自分が好きと言うけど、それは結局、自分のことしか考えてないってことだよ」と諭されて、非常に悩んだんですね。そこで、尊敬する河出書房新社の名編集者・阿部氏に相談すると、「佐々木さんが私的な場で言っていることは、今の若い人たちに、今必要なんだ」と言われ、この本を書くことになりました。 ――日本の書籍の出版点数は、右肩上がりで伸びていて、2010年は8万点を超える勢いです。本書の中で、「本を読んでいてわからないと、自分の力が劣っていると言われるような気がしてくる。そうした劣等感や怒りにつけ込んで益体もない入門書やビジネス書を売りさばく。これは読者を搾取している」とおっしゃっています。たとえば、今年は、『超訳 ニーチェの言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がヒットしていますが、これについてはどう思いましたか?  それについては、今度出る宇多丸さんとの対談でも詳しく語っていますが、ニーチェなんてきちんと原作を読めばわかるんです。難しいことなんて言ってないですよ。それを超訳などと言って、よりによってニーチェを搾取している。ニーチェの『ツァラトゥストラ』の最終第4部は自費出版で40部刷ってたったの7部だけ知人に送っただけですよ。それなのに『超訳 ニーチェの言葉』は70万部も売って、大儲けです。こういうのを搾取と言うんです。 ――新書ブームと言われている、この今の日本の出版をめぐる状況については、どう思われますか?  よく言われることですが、雑誌に論説というものが載らなくなった、新書がそれを肩代わりしている。どこの出版社も自転車操業で、借金を背負っているから、出版点数を稼ぐために、くだらない本ばかり出している。それで読者の劣等感につけ込んで、入門書やビジネス書を売りさばくような搾取の構造を利用しているわけです。今の出版業界のシステム自体が間違っているんです。だったら、さっさと潰れてしまえば良い。僕はそれで本が出せなくなっても構わない。つい最近までそうだったように、無名の貧しい労働者に戻るだけです。編集者も経営側も著者も皆、出版をめぐる状況はおかしいと思っている。誰も楽しいとは思っていない。利益の配分にしてもそうです。村上春樹さんも、売れっ子作家の定義は担当の編集者より年収が多いことだって皮肉に言っていましたね。僕は、村上春樹を作家としては全く認めません。が、群れないで一人淡々と作品を書く、その孤高の仕事ぶりは尊敬しています。 ――出版点数が多いことについては、いかがですか?  出版点数が多い割には、若者が読むべき本が手に入らない。僕が、書店でブックセレクトをすると、半分ぐらいは絶版なんです。エズラ・パウンドやパウル・ツェラン、日本で言えば、西脇順三郎や金子光晴のような20世紀屈指の詩人たちの作品が全然手に入らないんです。これはおかしいとしか言いようがない。 ――ただ、今更、出版のシステム自体を変えることは、さらなる出版社の倒産を招くなど相当のリスクが伴うと思います。  出版に限らず、皆、この現在が唯一の現在であって我々には変えられないと思っている。ところが、歴史をよく学ぶと、我々が動かしがたいと思っている現実、あり方、生き方、読み方、書き方なんてものは、たったの100年も巻き戻せば通用しない。今でも国境線を2、3個越えれば通用しない。変えられないなんて、何の根拠もないですよ。 ――最近は、速読が流行っていて、いかに情報を多く持つことがすばらしいかというような風潮がありますが、どうお考えですか?  たくさんものを知ってどうするんでしょうか。死ぬんですよ。いくら知識や金銭を稼いでも、生まれた時も裸、死ぬ時も裸なんです。ヘルダーリン(ドイツの詩人・思想家)が言っています。「死すべきものに 歓びは多く 知るべきことは少なく与えられている」と。佐々木はいろんなことを知っているじゃないか、と言われます。それは嘘で、全然知らないんです。僕の引く著者は実に限られている。今回の『切りとれ あの祈る手を』についても、ニーチェが繰り返し出てくる。あとは何人かの書き手と聖典だけです。仕事柄、ピエール・ルジャンドル(フランスの法制史家、精神分析家)は読んでいますが、それだけです。数としては圧倒的に少ないと思います。その割には、情報量が多いと言われる。でも、真の良書を繰り返し読めば、情報量なんてものはあとから付いてくるんです。 ――今年は、電子書籍元年などと言われ、注目を集めています。  昔からあることです。大した問題ではない。パピルス(古代エジプトで使われていた文字を書く紙のようなもの)の巻物が本になったみたいなものでしょう。印刷術の発明よりずっと小さなことで、売り方が変わるだけです。キーボードでは味気ないから万年筆で書くという人が少し前までいた。しかし昔、万年筆が出て来たときには、鉄ペンでなくては駄目だという人がいて、鉄ペンの前には、ガチョウの羽でなければ駄目だという人がいた。そんなものですよ。ニーチェは、意外にも新しいものが好きで、彼はMalling-Hansenのタイプライターを注文しているんです。彼はピアニストだったから、文章を弾きたいというのがあったんじゃないですか。現代に生きていれば、iPadとかで書いていたかもしれない(笑)。 ――本書を出してからの反響は、どうですか?  僕より後から来る人のために書いたわけですから、若い人に読んでもらうのは一番嬉しい。ですが、僕より年配の方に読まれているという事実が、何より心強いです。出版に限らずあらゆる状況が厳しい時代に、世代間闘争ほどくだらないものはないですからね。あと、作家や画家、ミュージシャン、デザイナー、劇作家のような、クリエイティブな仕事の現場に立っている人々が「勇気をもらった」と言ってくださるのが一番嬉しいですね。  * * * 『切りとれ、あの祈る手を』の帯に宇多丸氏が「背筋が伸び元気が出る」と書いているように、筆者もこの本を読んで、出版に関わる者として背筋が伸びた。本書の内容に関しては賛否両論あるようだが、まずは手に取ってみるべきです。お勧めです。 (文=本多カツヒロ) ●佐々木中(ささき・あたる) 1973年生まれ。東京大学文学部思想文化学科卒業、東京大学大学院人文社会研究系基礎文化研究専攻宗教学宗教史学専門分野博士課程修了。博士(文学)。現在、立教大学、東京医科歯科大学教養部非常勤講師。専攻は哲学、現代思想、理論宗教学。著書に『夜戦と永遠ーフーコー・ラカン・ルジャンドル』(以文社、2008年)がある。
切りとれ、あの祈る手を 宇多丸師匠もオススメ中。 amazon_associate_logo.jpg
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天才芸術家が残した"死なない住宅" 花粉症が治り、ダイエット効果あり!?

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2005年10月に芸術家・荒川修作とパートナーのマドリン・ギンズが"死に抗する建築"として建てた「三鷹天命反転住宅」。生命の無限の力を体験できる新しい住宅なのだ。
(C)2010rtapikcar Inc.
 富と権力を極めた秦の始皇帝が唯一叶えることができなかったのが"不老不死"だと言われる。しかし、始皇帝でも手に入れられなかった"死なない住宅"が現代の東京郊外にあることはご存知だろうか? コーデノロジスト(哲学、芸術、科学を総合し、実践する者)を自称した国際的芸術家・荒川修作とパートナーのマドリン・ギンズが建築した「三鷹天命反転住宅」がそれだ。ミステリアスでオカルティックな屋敷を想像しがちだが、JR中央線の武蔵境駅から10分ほどバスに乗って現われたその集合住宅は、何ともカラフルでまるでアミューズメントパークのよう。中に入って、さらにビックリ! 3LDKタイプの内装はユニークすぎ。キッチンを核にしたドーナツ状のリビングは傾斜している上に凸凹しており、フラットな部分がない。南向きの1室は完全な球形となっており、家具を置くことが不可能。そもそも、この住宅には収納スペースがなく、各部屋やトイレにはドアさえ付いていないのだ。こんなヘンテコで不便そうな住宅で暮らすと"死なない"というのは本当なのか? 天命反転住宅での自身の生活と生前の荒川修作の講演の様子などを交えたドキュメンタリー映画『死なない子供、荒川修作』を完成させた山岡信貴監督に、"死なない住宅"の住み心地と現時点での"死なない"手応えを聞いた。 ──"死なない住宅"で暮らしたことで体調の変化が現われたって本当ですか? 山岡信貴監督(以下、山岡) 2006年12月から約4年間暮らしたんですが、体重が7~8kg減りました。単純にここに暮らし始めて運動量が増えたんです。それまで考えごとは机に向かってうんうん唸っていたんですが、ここに来てからは自然と回廊型のリビングをぐるぐる回るようになりました。それにキッチンからちょっと離れたところに換気扇のスイッチが付いていたりするので、こまめに体を動かすようになりました。あえて便利すぎないような設計になっているんです。第一、この明るいカラフルな色彩の部屋で暮らしているとイライラすることが減り、過食することがなくなりましたね。毎年悩まされていた花粉症も引っ越して1年目で治ったんです。床に傾斜があるので、知らず知らずにバランス感覚や普段使わない筋肉も鍛えられるみたいです。荒川さんは生前、「小さな目立たない筋肉を鍛えることで、免疫は改善できる」と語っていました。ここで暮らすこと自体が、軽いヨガをやっているような状態なんでしょうね。 ──なるほど、監督への効果はテキメンだったようですが、監督のご家族はどうなんでしょうか。 山岡 最初に住宅見学会に家族3人で来たときに、息子が帰りたがらなかったんです。ボクも自宅に帰った後もずっとワクワク感が残っていましたし、妻も反対しなかったので、思い切って入居を決めました。家賃は高め(月20万円)ですが、こういう住宅に住める機会はそうないですから。ここに引っ越してから妻は08年2月に長女を産んだんですが、ものすごい安産でした。妊婦にとってもここでの家事が適度な運動になっていたんだと思います。ここで生まれ育った長女は本当にバランス感覚に優れ、公園でもよく木登りして遊んでいます。女の子なのに、まるで猿みたいなんですよ (笑)。
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カラフルな上に凸凹した床が印象的な室内。
山岡監督いわく「カラフルさにはすぐに慣れ
ます。でも、暮らしていて飽きのこない住宅
なんです」とのこと。
──ドアがなくてプライベート空間がないことに不便さは感じませんか? 山岡 トイレはシャワー室の裏に隠れているんですが、ドアがないので子どもの友達のお母さんたちが遊びに来たときは使いづらそうでしたね。でも、家族で使う分には気になりません。トイレの壁もガラス張りで、見晴らしがいいんです。まるで外でしているみたいで気持ちいいですよ(笑)。引っ越してきて一時的に夫婦喧嘩が増えました。顔を付き合わせる時間が増えるので、コミュニケーション量が増えるんです。でも、結局どの部屋にもドアがなくて逃げる場所がないから、いつまでも喧嘩してられなくて仲直りしてしまいます。強いて不便な点を挙げるとすれば、ベランダに出る窓が低くて潜らなくてはいけないので、妻がよく頭をぶつけていることかな。あと、四方に窓が付いているので風通しがよく、夏は冷房なしで過ごせるんですが、床が凸凹しているので冬場にカーペットが敷きにくいことですかね。 ──多少の不便さも、そう気にならないと。荒川修作の芸術作品の中で暮らしているような感覚なんでしょうか。 山岡 入居してすぐは、そうでした。「あぁ、これは荒川さんの芸術作品なんだ」と鑑賞しながら暮らしていました。でも、3~4カ月も経ってそれが当たり前に感じられてから、自分の感覚も体調も段々と変わってきたように思います。「ここは芸術家・荒川さんの作品というより、科学者・荒川さんがある理論に基づいて建てた実験室なんじゃないか」と感じるようになりましたね。荒川さんは赤ちゃんを長年観察することで、人間の身体の可能性についての研究をしていたんです。その研究の成果がいろいろと取り入れられているようです。 ■希代の芸術家・荒川修作いわく「人間は死なない」 ──映画『死なない子供』は、荒川さんに見せるためのプライベートビデオとして元々は撮り始めたそうですね。
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お気に入りの球形の部屋の前に佇む山岡監督。
「球形の部屋は昼寝するのに最適の部屋。胎児の
ように丸まって眠ると、すごく気持ちいいんです」。
山岡 そうです。ボクが荒川さんに初めてお会いしたのは、天命反転住宅で暮らし始めて3カ月くらいして。荒川さんから「住んでくれて、本当にありがとう!」と感謝され、反転住宅で起きたこと、感じことをFAXでレポートしてほしいと頼まれたんです。でも、ふだんはNYで暮らしている荒川さんに、メールならともかくFAXでレポートを送るのはなかなか面倒で、FAXしなくなってしまった(苦笑)。でも、先ほど話したように、しばらくして反転住宅に対する感じ方が変わってきたので、これはちゃんと荒川さんに報告したほうがいいと思うようになったんです。それでメモ代わりにビデオ撮影を始めて、かなり溜まってきた段階で編集作業に取りかかったんですが、編集をしているうちに、「これは荒川さんだけに見せるより、もっと多くの人に見てもらうべきじゃないか」と考え、荒川さんの講演の様子を盛り込んだり、物理学者である佐治晴夫さんの視点を交えたりするなどの編集方針に変えたんです。 ──強烈な個性の持ち主だった荒川さんは「死ぬのは法律違反です」「徹底的に間違っているんだよ。人間の生き方は」といった奇天烈な言葉を残していますが、山岡監督は一連の荒川語録は理解されたんですか? 山岡 正直言って、カメラを回し始めた頃は余り理解できていませんでした。でも、ここでの暮らしが落ち着いてきて、身体の方から、「なるほど、そういうことか」と理解していった感じです。自転車に乗ったことのない人に、いくら自転車の乗り方を言葉で説明しても理解できないのと同じですね。反転住宅で暮らしていると、荒川さんが言っていることがすごく腑に落ちるんです。荒川さんには「まだまだだな」と言われそうですが、自分なりに荒川さんの言っていたことは感じ取れてきたかなと思っています。ボクも最初は「人間は死なない」って芸術作品のためのコンセプトくらいに思っていたんですが、荒川さんは本気でそれに向かっていたはずです。 ──えっ、「人間は死なない」と本気で考えていた......? 山岡 決してスピリチュアル的な意味で言っていたわけではないんです。荒川さんは「我々は命のことを一体どれだけ知っているのか? 命について、まず定義し直さなくてはいけないのではないか」と言っていたと思っています。もし心臓が動き、脳が働いているようなことだけを生命だとイメージしているなら、その定義はもっと拡張すべきなんじゃないかと。ボクらは生きているから、わざわざ命とは何かなんて考えないわけですが、もっと命の本当の形態について研究すべきじゃないのかと荒川さんは主張されていた気がします。自分の身体を再認識することで、命の定義をし直すことができるんじゃないかと。そのための実験室として、天命反転住宅を造ったんだと思います。 ──命を定義し直す......? ざっくり言うと、従来の常識に囚われるな、みたいなことですか? 山岡 そうですねぇ、荒川さんは講演の中で「ボクが使うボキャブラリーは、何ひとつ君たちには分からないだろう」と言っているんです。それは今ある定義を一度捨てて、まっさらな形でゼロから考え直す必要があるということ。自分たちの曖昧に定義された言葉で荒川さんの話すことを聞いても、理解できないよということですね。常識なんて、荒川さんからしてみれば、ただの手抜きでしかないんです。常識に基づかないと会話をはじめ人間としての知的活動が成り立たないわけですが、その常識=利便性の使い方が間違っていると、その土台の上にいくら積み上げていっても全部間違っているよということでしょうね。生きてるとか死んでるとか言うけど、本当に分かっているのか、もっとちゃんと考えてみるべきではないのか、と荒川さんはボクらに問いかけていたように思います。 ──「人間は死なない」と語っていた荒川さんは、映画の完成を待たずに2010年5月にNYで亡くなったわけですが......。
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NYを拠点に世界的な芸術家として活動した荒川
修作(1936~2010)。岐阜県養老町にアミューズ
メントパーク「養老天命反転地」を建てた他、
天命反転住宅を拡大した街の構想を宮崎駿監督
と共同で取り組み、JR中央線の各駅舎を"自殺
しない"駅舎に改装するなどの企画も考えていた。
NYで2010年5月に病気で亡くなったが、日本
人でその死を確認したものはいない。
山岡 荒川さんには生前、10分ほどにまとめたバージョンは見てもらい、喜んでいただけました。荒川さん、NYでは反転住宅とは全然違うフラットな倉庫みたいな所で暮らしていたんです。でも、そういう無機的な場所で暮らしていたから、反転住宅がきちんと発想ができたのだと思います。本当は荒川さんに映画をチェックしてもらい「まぁまぁ、合格だな」とか「バカモノ! 最初から作り直せ」なんて言ってもらいたかった(苦笑)。でも、荒川さんに何も言ってもらえなくなったことで、逆にボクは一生"人間は死なない"というテーマを考え続けなくちゃいけなくなった。ある意味、それは幸せなことかも知れません。でも、荒川さんは「一万年後に、また逢おう」なんて言葉も残しているんです。一万年後に、「映画のあのシーンは間違っている」とダメ出しされたら、それはちょっと辛いですけど(苦笑)。中にはこの映画を見ることで荒川さんと新たに出会うことになる人もいるわけですよね。それもまた、素晴らしいことだなぁと思います。 ──"死なない住宅"で4年間暮らして、監督は"死なない"ことへの手応えは感じていますか? 山岡 そうですね、ここで暮らすことで自分の身体と常にコミュニケーションが図れるようになったと思います。風邪も引きにくくなったし、疲れて整体に通うことも少なくなりました。もう少し修行を積めば、いい感じになるんじゃないでしょうか(笑)。実は仕事の都合から、2010年9月に反転住宅を退去したんですが、敷金は置いたままなので、いずれ戻ってくるつもりなんです。今日、久しぶりに自分が暮らしていた部屋に入ったら、故郷に帰ってきた以上の懐かしい気持ちがこみ上げてきました。死に別れた恋人と再会し、抱きしめたくなるような感情に近いのかもしれません。部屋とSEXするのはどうすればいいんだろう、なんて考えてしまいました(笑)。それも環境や生活空間と身体との未知の関係性じゃないでしょうか。反転住宅を離れたことで、ますますその魅力を感じているところなんです。  * * *  天命反転住宅の居心地がいいこともあり、ついつい2時間近く山岡監督の話を聞いてしまった。ちなみに天命反転住宅の購入価格は8,000万円。荒川修作は「8,000万円で永遠の命が手に入るなら安い」と語っていたそうだ。"不老不死"にご関心のある方は、まずは映画『死なない子供、荒川修作』をご覧になってはどうだろうか。"死なない"かどうかは別にして、荒川修作という強烈な個性との出会いは充分な刺激を与えてくれるはずだ。 (取材・文=長野辰次) 『死なない子供、荒川修作』 監督/山岡信貴 ナレーション/浅野忠信 音楽/渋谷慶一郎 出演/荒川修作、佐治晴夫、天命反転住宅の住人たち 配給/アルゴ・ピクチャーズ 12月18日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラムにてモーニング&レイトショー公開中 <http://www.shinanai-kodomo.com> ●やまおか・のぶたか 1965年生まれ。初の長編映画『PICKLED PUNK』(93)はベルリン映画祭ほか数多くの映画祭に出品された。浅野忠信の初監督作『トーリ』(04)のプロデューサーとしても知られる。近年の作品にSFサスペンス『天然性侵略と模造愛』(05)。
養老天命反転地―荒川修作+マドリン・ギンズ 建築的実験 アリ地獄。 amazon_associate_logo.jpg
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金子修介監督の新境地『ばかもの』男は、女と失敗の数だけ成長する

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弓月光、萩尾望都、大島弓子、大場つぐみ、一条ゆかり......人気漫画家の代表作を次々と映画化してきた金子修介監督。最新作『ばかもの』は芥川賞作家・絲山秋子の恋愛小説が原作だ。
 金子修介監督と言えば、『ガメラ 大怪獣空中決戦』(95)で怪獣映画を大人向けの本格的SF映画に一変させ、『デスノート』(06)では大場つぐみ原作の人気コミックを劇場用に思い切った脚色を加えて大ヒットさせたエンタテイメント映画の巨匠なのだ。旬の人気女優・満島ひかりを『ウルトラマンマックス』(TBS系)や『プライド』(09)などに起用し、彼女のステップアップにひと役買ったことでも知られる。宇能鴻一郎の官能小説を原作にしながら、『エースをねらえ』のパロディコメディーへと換骨奪胎してみせた日活ロマンポルノ『宇能鴻一郎の濡れて打つ』(84)で監督デビューを飾ってから26年。エンタメ映画の巨匠が新しい境地を切り開いているのが、成宮寛貴&内田有紀主演の『ばかもの』だ。平凡な大学生・ヒデ(成宮)が年上の女・額子(内田)を皮切りにさまざまな女性たちと恋愛遍歴を重ね、ドロ沼に浸かりながらも自立した男に成長していく。失恋の痛手を引きずって、もがき苦しむヒデの姿は多くの男性の共感を呼ぶだろう。円熟の境地に迫りつつある金子監督に、押井守監督と過ごした大学時代の映研サークルでの逸話や恋愛体験について語ってもらった。 ──99年から09年までの10年間にわたる主人公ヒデの成長を描いた『ばかもの』ですが、モーニング娘。のヒット曲「LOVEマシーン」がテレビで流れるなど、歌謡曲マニアで知られる金子監督らしいオープニング。額子とヒデの初デート先がポルノ映画館ですし、金子監督自身の青春時代を思わせるような作品ですね。 金子修介監督(以下、金子) 確かに歌番組をボクはよく見てたけど、ヒデみたいな初体験だったわけじゃないよ(笑)。でも、まぁ、男の20代っていろいろあるよね。絲山秋子さんの原作小説を読んだときに、ちょっと昔の話のように感じ、最初は85~95年の話をイメージしたんですよ。 ──金子監督が監督デビューし、『ガメラ』で大ブレイクを果たすまでの10年間に当たりますね。
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主人公のヒデは周囲に支えられアルコール依存
症を克服する。「アルコール依存症はそう簡単
に治らないと言う人もいるかもしれない。でも、
最後は映画として希望のある形にしたかった」
と金子監督。
金子 うん、そういうことになるね。映画としては85年の御巣鷹山墜落事故から95年の阪神大震災、地下鉄サリン事件までのニュース映像を交えながら、平凡な青年がどういう10年間を過ごしたかを描いてみようと考えたんです。でも、原作者の絲山さんと話したところは、「昔っぽく感じるのは高崎市が舞台だからじゃないか」「現代を生きる若者たちに届く作品であって欲しい」ということなので、99年から09年までの設定にし、オール高崎ロケにしました。99年の場面で『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』(99)のポスターが出てくるけど、あれは自分の作品を出したかったわけじゃない。本当は『鉄道員 ぽっぽや』(99)のポスターを使いたかったけど、いろいろと権利的に難しいので。なら、自分が監督した作品を使おうかと(苦笑)。 ──ゼロ年代の物語になったわけですが、心情的には金子監督の青春時代を投影している? 金子 そういう部分はあるかもしれない。原作の中から普遍的なものを読み取り、そこに自分自身を重ね合わせて物語を組み立てていくのが映画づくりだからね。20代の10年間にはいろんな女性たちと関わり合っていったことで、自分も成長できたと思っています。大学を卒業し、日活で助監督になり、監督デビューするまでの10年間はかなり濃厚な時間を過ごしたんじゃないかな。『就職戦線異状なし』(91)は、ボク自身の大学最後の1年をイメージしたものですよ。 ■大学時代の上映会は苦戦。でも押井監督が誉めてくれた ──東京学芸大学時代に所属したサークル・映像芸術研究会の先輩が押井守監督だったんですよね? 金子 そうです。押井さんは大学の頃から難解な作品を撮ってました。それも8ミリフィルムじゃなくて16ミリフィルムを使っていた。押井さんがボクの作品をちょっと手伝ってくれたことはあるけど、基本的に別々に作ってました。押井さんはアルバイトでお金を稼いで、自分の作品として16ミリフィルムを撮ってましたね。ボクは友達から製作費を募って映画を撮り、上映会を開いて入場料を集めるという形でやってたんです。
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年上の女・額子(内田有紀)に童貞を捧げた
19歳のヒデ(成宮寛貴)。額子の奔放さの
虜となる。(c)2010 「ばかもの」製作委員会
──学生の頃から、押井守=アート志向、金子修介=エンタメ路線だったんですね。 金子 でもね、大学のときは全然お客が集まらなくてお金にならなかった(苦笑)。高校のときは主人公が好きな女子生徒の体操服を盗んじゃうという内容の映画で人気を集めたんだけど、大学は学生運動の後の反動で虚無感が漂っていて、上映会を開いても全然盛り上がらなかった。当時、大学内で暮らしている男女がいて、その2人をモデルにしたコメディーが、大学で最初にボクが作った映画『キャンパスホーム』。サークル長屋に男女が暮らしていて、自治会やヤクザ研究会がそのサークル長屋を取り壊して迎賓館を建てようとするというストーリー。モデルにした男女が上映中止を求めてきたり、上映会も散々だったけど、押井さんは「面白い」って誉めてくれたのを覚えてますね(笑)。 ──青春ですねぇ。映画の主人公ヒデは年上で奔放な性格の額子と初体験した後、頭はいいけど精神的な弱さを抱える同級生の山根ユキ(中村ゆり)、高校教師で結婚願望の強い翔子(白石美帆)と深い仲になっていきますが、金子監督の20代はどうでした? 金子 成宮くんみたいな二枚目じゃないから、そんなにモテなかったよ(笑)。大学のときは憧れていた女性がいたけど、振り返ってもらえなかった。結局、違う子と付き合ったりしてね。恋愛って自分の思った通りに行かないもの。相手を傷つけたし、自分も傷ついたよね。日活に入ってからの20代前半は仕事が忙しくて、まったく浮いた話はなかったなぁ。女性関係は少し仕事に慣れてきた25~26歳くらいからだね。先輩からも「監督は経験だ」と教えられていたしね。ヒデみたいな恋愛をしたわけじゃないけど、感覚としては近いものがあったと思いますよ。山根ユキとヒデみたいに、いい感じになりながらも最後の一線を越えられなかった体験って、誰もが覚えがあることじゃないかな。日活時代の先輩に那須博之監督がいたんだけど、助監督だったボクがその頃の恋愛体験の話をしたら、「その気持ちをずっと覚えていろよ」なんて言われましたね。 ──額子役の内田有紀がベッドの上で、足を使って靴下を脱ぐシーンにグッときますね。 金子 前半部分の演出はいろいろ考えていたけど、最後はキラキラしたファンタジックなシーンで終わるので、作品全体を考えるとベッドシーンはあれぐらいのほうがいいと判断したんです。内田さんが靴下を脱ぐシーンにエロスを感じてもらえればね。脚本家の荒井晴彦さんも見てくれて「日活ロマンポルノの文法を継承してる」と言ってました。荒井さんは「金子は人形は撮れるけど、人間は撮れない」なんてキビシいことを言う人だけど、今回は「お前の作品で、いちばんいい」とようやく誉めてもらえましたよ。 ──映画の後半、内田有紀が片腕で夕食の用意をするシーンは圧巻。胸がジーンと熱くなりました。
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宗教にのめり込んでいく大学時代の同級生・
山根ユキ(中村ゆり)から迫られるヒデ。
金子 うん、そうだよね。内田さんも、額子というキャラクターに共感する部分があったみたいだね。どうすれば片腕でスムーズに料理ができるか、ずいぶん特訓を重ねてました。若い頃の額子はヒデを棄てるようにして去っていくわけだけど、10年の歳月が経ち、額子は外見上は悪魔みたいになるけれど、人の痛みが分かるいい女になっているわけです。そういうアイロニー的な面白さがあるよね。成宮くんもアルコール依存症という難しい役だったけど、自立した大人の男に成長するまでの10年間をちゃんと演じ分けてくれたと思う。大ロマンスものというと戦争ものや時代ものというイメージがあるけど、現代の高崎市という普通の地方都市で一大ロマンスが紡がれていくところに、この映画を見た人は共感してくれるんじゃないかな。絲山さんも映画を見て満足してくれたようです。 ──人間は何かに依存しなくて生きていけない弱い生き物。でも、そんな人間の弱さを温かい目線で描いているのが印象的です。失恋の痛手からヒデはアルコール依存症に陥りますが、金子監督は何かに依存した経験は? 金子 う~ん、依存症の経験はないけど、強いて言うなら映画に依存してるのかなぁ。日活に入社できたから、20代で監督デビューすることできたけど、もし日活に入社できなくても、アルバイトなり何らかの形で映画業界には潜り込んでいたでしょう。でも、その場合はなかなか監督になれなくて、途中で諦めて映画の世界を去っていたかもしれない。大学時代に教員免許を取っていたので、教師にでもなっていたんじゃないかなぁ。 ──人生は先が読めないから面白いのかも知れません。特撮もの、コミックものの映画化で鳴らしてきた金子監督にとって、『ばかもの』は新境地の作品ですね。 金子 ええ、コミックものばかりやっていると、間口が狭くなってくるしね。20代の頃の『濡れて打つ』を撮っていた自分にはこういう作品は撮れなかったでしょう(笑)。でも、コミックもの、怪獣ものは人間ドラマとは違った大変さがあるんですよ。現実ではないものを現実のものに見せるのは難しいんです。 ──『ガメラ』『デスノート』シリーズを大ヒットさせた金子監督ですが、その一方ではミュージカルタッチの『恋に唄えば♪』(02)や『プライド』は興行的にはキビシイ結果に......。 金子 毎回、映画の公開前はドキドキしますよ。『デスノート』はみんなヒットすると言っていたけど、逆にプレッシャーを感じてましたしね。『ガメラ』シリーズもそう。自分では存分にやり切ったつもりだったけど、そういうときほどお客は付いてきてくれるだろうかと不安になるもんなんです。『恋に唄えば♪』や『プライド』の現場はすごく楽しかったけど、興行的なことになると違う現実が待っているからね(苦笑)。映画人生は良かったりダメだったりですよ。 ──昔の彼女から「映画、見たわよ」なんて連絡が来ることは? 金子 残念ながら来ないねぇ、淋しいよ(苦笑)。憧れていた女性から「監督デビュー、おめでとう」くらいの連絡はもらったことはあるけどさ。まぁ、人生は甘かったり苦かったりの連続だよ(笑)。 (取材・文=長野辰次) 『ばかもの』 原作/絲山秋子 監督/金子修介 出演/成宮寛貴、内田有紀、白石美帆、中村ゆり、浅見れいな、岡本奈月、浅田美代子、小林隆、池内博之、古手川祐子 配給/ゴー・シネマ 12月18日(土)より有楽町スバル座、シネマート新宿ほか全国ロードショー <http://www.bakamono.jp> ●かねこ・しゅうすけ 1959年東京都生まれ。東京学芸大学卒業後、78年に日活に入社。芥川賞作家・宇能鴻一郎原作、山本奈津美主演のロマンポルノ映画『宇能鴻一郎の濡れて打つ』(84)で監督デビューを飾る。弓月光原作『みんなあげちゃう』(85)で一般映画デビュー。萩尾望都の人気コミック『トーマの心臓』を深津絵里ら若手女優たちを男装させて映画化した『1999年の夏休み』(88)は今なおカルト的人気を誇っている。大島弓子原作の『毎日が夏休み』(94)では佐伯日菜子が主演デビュー。『ガメラ 大怪獣空中決戦』(95)、『ガメラ2 レギオン襲来』(96)、『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』(99)の〈平成ガメラ3部作〉で熱狂的人気を呼ぶ。『デスノート』『デノスート the Last name』(06)も大ヒットを記録。他にも小山ゆう原作『あずみ2 Death or Love』(05)、楳図かずお原作『神の左手悪魔の右手』(06)、一条ゆかり原作『プライド』(09)などコミックものの映像化を数多く手掛けている。『失われた歌謡曲』(小学館)を上梓するなど歌謡曲についての造詣も深い。
ガメラ 大怪獣空中決戦 デジタル・リマスター版 平成ガメラシリーズ第1弾。 amazon_associate_logo.jpg
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「優先順位は家族が1位」 平成のミラクルボーイ"フクシくん"はいまだ健在!

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最近何かと世間を騒がしているフクシくん。
素人とは思えないほど弁が立つ青年でした。
 中日ドラゴンズ監督・落合博満氏の愛息子であり、テレビ収録中に起こした「落合家チ○ポ丸出し放尿事件」をはじめ数々の伝説を持つ落合福嗣氏。現在、国士舘大学在学中の23歳である彼が、初著書『フクシ伝説 うちのとーちゃんは三冠王だぞ!』(集英社)を発表。発売するやいなやたちまち版を重ね、改めて天性のスター気質を世に知らしめることとなった。  また偶然にも著書発売の同日、スレンダー美女と突然の入籍。無料インターネット電話「スカイプ」での出会いがもたらした「スカイプ婚」であったことも併せて世間をアッと言わせた。当の本人はいたってナチュラルに生きているにも関わらず話題性に欠かない、平成のミラクルボーイ"フクシ君"に、入籍&重版を記念してインタビューを行った。 ――入籍と重版、ダブルでおめでとうございます! 落合福嗣氏(以下、フクシ)ダブルありがとう、ダブルありがとう。 ――著書は「週刊プレイボーイ」で連載していたコラム「落合福嗣の腹式呼吸」の傑作選を中心に、父・博満さんとの父子対談や、母・信子さんまでもが参加した人生相談など、盛りだくさんの内容ですね。 fukushi03.jpg フクシ よくこんなに具だくさんなものが出来たなって自分でも驚いてます。表紙の家族写真は、「何で母親が真ん中なんだ?」ってよく聞かれるんですけど、この本のために撮った写真じゃなくて、僕の成人式の日に、ホテルニューオータニで撮ったものだからなんですよ。 ――フクシさんの著書とは言え、落合家総出の一冊ですね。 フクシ そもそも僕が何でこの本を書いたかっていうと、父親が世間から持たれている「怖い」「しゃべらない」「記者に冷たい」っていう印象を、180度くらいガラッと変えたかったからなんです。実際、家ではすっごいしゃべるし、すごい笑うし、新聞記者にも「お前、これオフレコだぞ~」とか言いながら3時間くらい野球の話をしたりするし、アニメも好きだし......。だから僕、「何で外ではしゃべらないの?」ってよく問い詰めるんです。そうすると「俺は、昔から何をしゃべっても悪いように(記事に)書かれてきた。最初に一億円プレイヤーになった時も、FA宣言の第一号になった時も、三冠王になった時もバッシングされてきた。だから必要最低限のことだけ言えばいいんだ」って言うんですよ。そのことで1年に3~4回はケンカになるんですけど、いつも母親が「はいはい、そこまで~」って仲裁するんです。それでいつも頓挫しちゃうんですけど、僕は「本当の父親はこうなんだよ」っていうことをみんなに伝えたい。本人がしゃべんないんだから、僕がやるしかないでしょ。あとは、こういう家族が世の中にはいるんだってことを知ってもらって、「自分は、家族に優しく出来てるかな?」ってことを、頭の片隅で考えてもらえればいいなって。 ――読者から反響はありましたか? フクシ 友達からは「すっごく面白かったよ」と言われてます。それと僕、ロム専(閲覧専門)の2ちゃんねらーなんで、毎日、自分のスレッドをチェックするのが楽しみなんですが、そこで本のことを書いてくれる人も結構いますね。 ――アンチの書き込みに傷付いたりしませんか? フクシ スレが伸びてると、どんなに批判的なことを書かれててもすごくうれしいんです! 僕にとって「2ちゃんねる」は心の癒しですから。 ――ちなみに「家族」以外のテーマで、作品を発表したいという意欲はありますか? フクシ 僕は小説を書いたり歌ったりするのは、趣味として実際にブログやニコ動に上げたりするくらい大好きですけど、世に出したいって考えは今のところないですね。僕の優先順位の1位は「家族」なんです。 ――ご両親のことが大好きなんですね。ところで「週刊プレイボーイ」の連載は、2代目の担当編集者とそりが合わないのが原因で終了してしまったという噂があるのですが。 フクシ 僕がYさん(2代目の担当者)を降板させたみたいな噂があるみたいなんですけど(笑)、違うんですよ! むしろYさんが担当になったから、僕がやめることになった、みたいな(笑)。 ――何があったんですか? fukushi02.jpg フクシ 担当がYさんに替わった時に、僕の連載を「ロケレポートにリニューアルしたい」って言われて。でも僕はそれまでのスタンスでやりたかったんです。もっと自分の気持ちを語りたいし、政治のこともしゃべりたい。それ以外にもYさんが取材に遅刻したりいろいろあって、僕が「疲れちゃったから、今年度いっぱいでコラムやめます」って言ったんです。あ、でもYさんとは、今でも仕事以外ではすごく仲良いんですよ! ――是非、連載再開を期待しています。フクシさんは、英語やロシア語も堪能だそうですが、将来は世界を視野に入れた展望があったりするのでしょうか? フクシ 全然決まってないですね。今は本を出したり、歌を歌ったり、絵を描いたり、小説書いたり、いろんな経験をしている段階です。うちの父親は「俺には野球しかなかったから野球選手になったけど、お前は恵まれた環境で普通の人よりもいろんな経験が出来る立場なんだから、ゆっくり決めろ」っていう意見なんです。だから今は模索中ですね。 ――もうすぐ大晦日ですが、落合家では大晦日に博満さんとフクシさんが、信子さんの背中を流す習慣があるそうですね。 フクシ 「お母ちゃん、一年ありがとう」っていう感謝を込めて背中を洗ってあげるんです。やっぱ母親がいないとうちはやっていけないですから。 ――今年からそこに奥様も加わるのでしょうか? フクシ もしかしたら、僕は母親でなく奥さんの背中を流すシステムに変わるかもしれないですね。まあ、普段から一緒にお風呂入ってるんで、多分その延長で洗ってあげるんじゃないかな? (取材・文=林タモツ/撮影=佐久間ナオヒト) ●おちあい・ふくし 1987年生まれ、愛知県名古屋市出身。中日ドラゴンズ監督落合博満氏と落合信子氏の長男。幼少期よりテレビなどにたびたび出演し、数々の伝説を残す。現在はコラムニスト、歌手などさまざまなジャンルで活躍中。
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キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」(後編)

IMG_9464.jpg前編中編はこちらから 今野 その間もピンでライブを2回くらいやりましたよね。結局、後輩とか一緒に出ていたし、お客さんも事情は知ってるし、けっこう気楽でしたよ。 高橋 俺は痴漢がどうこうっていうよりも、この世界にいられない人になっちゃうっていう絶望感がありましたけどね。もう駄目だろうな、みたいな。 ──そこからどうやって精神的に回復を? けっこうハードな状況ですよね。 高橋 それが一気に来たんじゃなくて、最初はそもそも"逮捕"だっていう認識もないんで。「なんか面倒くせーことになったなー」っていう感じで。マネジャーは俺と連絡がつかないから、俺が自殺してると思ったらしくて。ちょうどマネジャーと揉めた後だったから、「俺が殺しちゃった!」と思ってた。だから事情を話しても、「なんだ痴漢? あー良かった、やってないでしょ、オッケー!」みたいになって(笑)。でも、下手におおごとになって、新聞社とかも取材に来て、しばらく活動できなくなって......。それが徐々に来るから、「これ、もしかしてもしかして......」って感じの不安はありましたよね。漠然とした不安。 ──高橋さんはご実家ですよね、お父さまは......? 高橋 親父の仕事場まで車で送っているときに、「昨日、新潟のおばさんから電話あったよ、ニュース見たって」。えー、新潟のおばさんなんで知ったんだろって言ったら、「あと、この新聞にも、この新聞にも、これにも載ってる」って次々出してきて。それを怒るでも悲しむでもなく、普通な感じで言ってくる。 ──不思議な距離感ですね。 高橋 息子がもうニュースになる人なんだってことで、相殺されているのかも。 今野 うれしいんだ! 捕まってくれてうれしいんだ! 高橋 意味が違う! 変な感じですよ。 ──でも、本当におっかないと思ったのが、「とりあえず話を聞くから」って言われてついて行ったらもう認めたことになるなんて、知らないじゃないですか? 高橋 認めるっていうか、逮捕されることに同意することは間違いないらしいですよ。それで、駅員室に行って話をしようって言われて、まあまあ、逃げるのもアレだしと思って行ったんですけど、逃げるのが1番の正解だったらしいです。 ──でも、逃げたら本当にやったみたいじゃないですか!  高橋 でも警察の理屈だと、「おい、ちょっとお前、降りろってやったら抵抗するでしょ? 逃げるでしょ? なのに来たってことは認めてるからでしょ?」ってことに。で、駅について警察呼ぼうってことになって、駅員に話しても警察に話してくださいって。警察に話しても、いや、署で話を聞くよってなって、署に行くと「お前、逮捕されたんだよ」って話になって。 ──いつの段階でされたんだよ!! やましいことはないんだから、話せば分かってくれると思っちゃいますよね。今も電車に乗られてますか? 高橋 乗ってますよ、今日も捕まった千代田線に乗りましたよ。僕、千代田線にしばらく乗っちゃいけなくて、警察が僕を保釈するときに「被害者とされている女性に復讐するな」って。「向こうが怖いかもしれないから、はっきり白黒つくまでは千代田線に乗らないでくれますか」って言うんですよ。 ──怖いのはこっちだよ......。痴漢も確かに実在するけど、冤罪はやっぱり怖すぎる。リアル『それでもボクはやってない』ですよね。 高橋 今野はその映画を見てたから結末を知っていて。最終的にはやってなくても、信じてもらえないっていう嫌な終わり方だから、「高橋+痴漢で捕まった=終り→よし、金髪!」ですよ。はーい、次! 次! みたいな。 ──その切り替えの早さはすごいですよ! 昔からですか? 今野 昔からですね。というか、親の離婚を機に。うちの母親、なんでずっと離婚しないんだろうって思ってて。離婚した瞬間にすごく楽になっていたから、やっぱり思ったことはパッといったほうがいい! ──私もズルズル引きずってしまうタイプなので、すごく参考になります......。 今野 僕も痴漢されたことあるんですよ。 ──えっ! 女子にですか? 今野 いえ、男子に。20歳くらいの時、ガラガラの車内でドアの横に立っていたら、明らかにドア側に近づいてきて、袖で隠しながらずっとチンコを触ってきた。 ──お尻じゃなく、前? 今野 前ですよ! なんで俺なんだ? 男性いっぱいいるのに、なんで俺なんだろうなって。 高橋 痴漢の目を見ながら、なんで俺なんだろうって。 ──見つめ合いながら......そういうプレイみたいですね。 今野 怖いですよ。「この人、痴漢です!」って、僕は言えないですよ。言って誰が信じるんですか? その痴漢が「お前なんか触るわけねーだろ!」って言ったら100%そっちを信じますよ。 高橋 そこに審判がいたら、痴漢にウィナーっていう。しかもガラガラでしょ、ガラガラだから「この人、痴漢です!」って言っても、まず誰に言ってるんだよって。 今野 男が痴漢されるのは本当に怖い、何も言えない。 ──ちょっとアレな人扱いされて終わるっていう一番気の毒なパターンですね......。そういったさまざまな紆余曲折があったなかで、今まで辞めずに続けられたのはどうしてですか? 高橋 急に本題に戻りましたね。 ──今、私は25歳なんですけど、高橋さんはコピー機の静電気を調べる仕事の正社員に誘われ出した歳、今野さんはもう芸人さんになってた歳なんです。アイドル的にもライター的にも微妙すぎる立ち位置ですし、是非参考にさせていただきたく! 高橋 うーん、活動休止中のときも、「半年はかかる」っていうのはなんとなく聞いてたし、そのわりには早かったらしいんですよ。まだ予定もなかったから、そこは漠然と待てました。けど、あの休みがもっと長かったら、辞めようと思ったかもしれない。 ──だいたい半年っていうゴールが見えてると希望がありますよね。 高橋 ゴールが遠いと思っていたらわりと早めに来たから、あ、戻れたーって。 今野 僕は、辞めようかな、とかはないですよね。いつ辞めてもいいから。 高橋 執着がないんですよ。 ──お金にも、仕事にもあんまり執着がないんですね。 今野 だって、続けられないでしょ。続けられるとはまず思ってないじゃないですか? 高橋 なんで、お前の感情をこっちが知ってるんだよ。 ──こんなに面白いのに、お笑いを続けられると思わないっていうのは、またどうして? 今野 子どもの頃に文集で「歌手になりたい」とか書いてても大体なれないし、ならないじゃないですか。それを「お笑い芸人になったらかっこいいだろうな」くらいのノリで、ハイ養成所入りました、なりました、と。それで、食っていくことを意識していないんです。なったらもう、満足みたいな。 高橋 そんな感じのまま10年。 今野 だから、どうでもいいんですよ。 高橋 飽きるとやめるでしょ。服もそう。僕は貧乏性だから買ったら結構着ようとか、一度始めたら最後までやろうとか、本も最後まで読もうとかあるんすけど、こいつはつまんなかったら読むのやめるだろうし、ツイッターとかもやってますけど、飽きたらハイやめる、みたいな。僕はやったらやめらんないって思うから逆に慎重。 ──やめられないから始められない高橋さんと、いつでもやめられるから始める今野さん! 確かに、「いつやめてもいいんだ」って思うと、意外と続けられますよね。 今野 うん。そうだと思いますよ。だから、僕、禁煙とかも多分できると思うんですよね。平気で2週間くらい吸わない時があるし。やめられると思ったら続けられる。 ──私もアイドル業であまりにも売れてなくて辛いとき「まあ、明日やめますって言ったら辞められるんだよな」って気付いて、「じゃあ、もう少しやろう」って思って、そのまんま現在です。このまま、まだしばらくいけるのかな。 今野 なんか、自殺癖のある人たちの会話みたい......いつでも死ねるし、みたいな。 高橋 死ぬと思えばなんでもできる! ──ですよね! ありがとうございました! もう少し生きる! じゃなくて、もう少しアイドル頑張ります! (取材・文=小明) ●キングオブコメディ 高橋健一と今野浩喜からなるお笑いコンビ。2000年結成。「キングオブコント2010』王者。『キングオブコメディのカネとコメ』(ラジオ大阪)、サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にてトーク番組『ニコニコキングオブコメディ』(隔週木曜)出演中 ●小明(あかり) 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
キングオブコメディ単独ライブ Vol.6 「葉桜」 コント一筋。 amazon_associate_logo.jpg
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