浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」(中編)

tamabukuro_03.jpg前編はこちらから ──芸人さんも良く本を書いて、当たれば映画化だったり監督デビューだったりで、きっとガッポガッポなことでしょう。以前、(品川庄司の)品川さんにも一回お話聞いてるんですけど......。 玉袋 まぁ、あれだな。あいつとはファイトスタイルが違うんだよな。あいつが大振りで当てていくなら、俺はカウンターを当てにいくんだよ、カウンター! ──玉袋さんの、そういう芸人さんとしての姿勢ってすごいです! 玉袋 ブレないな。 ──本当にブレてないです! 玉袋 偉いだろ? もっと褒めろ! ──小説に出てくる少年時代の玉袋さんも悪巧みのクオリティーがやたらと高くて、本当に子どものいたずら心を持ち続けて大人になった感じがすごいです! 玉袋 「カツラKGB」とかな! これは「カツラをガンガンばらす」の略だぞ! そういえば「週刊文春」(文藝春秋)がさ、ある大物司会者にインタビューしちゃってるわけよ。「カツラKGBの浅草キッドが○○さんはカツラだって言うんですけど、どうなんですか?」って。なんでそこで俺たちの名前出すんだよ。博士は番組で共演して、俺はしてねぇけどさ、会いづれぇじゃん。やだなー。 ──「僕が言ってるんじゃなくって浅草キッドが......」って保身しながらなんて攻めるなんて卑怯だ! 玉袋 卑怯だよ、「週刊文春」。やめてくれねぇかな。 ──ちなみに、その方に会ったら、聞けます? 玉袋 いや、俺はね、聞かないな。爆笑問題の太田が本番中にズバリと言ってて、まぁ、あれも彼のテクニックだろうけど、またそれとも違った落とし穴を掘っていった方がいいよな。俺たちがやるんだったら、共演者に植毛の人を入れとくとか。○○さんがいて、植毛の人がいて、俺たちがいる、みたいな。 ──ちょ、確信犯すぎます! 玉袋 見てる方は「やべーよ、やべーよ」ってなるけど、選手には分からない。プロレスみたいに、レフリーが試合を作るようなものだから。で、見てる方に、「これ本当にやってんだ!」みたいに思わせるのがテクニックかな。 ──いろいろ参考にしたかったんですけど、そんなテクニック、一朝一夕じゃ無理ですよね......。 玉袋 できるできる! スナック行って、いい気になってるオヤジの横で、オヤジにずっとしゃべらせとくとかさ。 ──でも、前に深夜ドラマでキャバクラ嬢役をやる機会があって、「よーし練習だ!」と、キャバクラに体験入店をしてみたんですけど、やっぱりコミュニケーション能力が足りなくてスーパーヘルプでしたよ。 玉袋 まぁ、キャバクラは時間で区切られちゃうけど、スナックは客もギラギラしてるから面白いよ。スナックでも、自慢話で来る人とか嫌な客いるじゃん? そういう客は嫌いなんだよね。「なぁちょっと、ママ聞いてよ」って、失敗から入ってくる人の話を聞くとかな。「俺が俺が」って奴の自慢話に同調しないでダメなトークで広げてくとか、そういうテクニックだな。だから、まず働くことだ。スナックにアルバイトとして入って潜入捜査! ──それならうっかり同業者やファンの方を接客して身バレしても、「今、潜入捜査中だから......シーッ」って言えてかっこいいかも! あと、幅広い年齢層と話を合わせられるようになりそうです。『新宿スペースインベーダー』も、いま40代の人の懐かしいワードが詰まった小説だから、どうしても世代の違いで分からない言葉が出てくるんですよ。それがもったいないなって。 玉袋 そう、だから俺、どういうふうに受け取られるかなぁと思ってたんだよ。今までけっこう取材を受けてるけど、だいたいインタビュアーは40代の男で、「分かる分かる」って感じなんだけど、やっぱり分からないアイコンが出てくるでしょ? ──インベーダーゲームも、野球の話も、ヤミ金の杉山会長も、梶原一騎先生の漫画も、一応知識として多少は知ってて、小説を「面白かったー!!」って読めても、どうしてもその世代の人が味わえる「懐かしくて仕方ない!」っていう感覚までは味わえないので、それは残念ですよね。 玉袋 ああ、それはあるかもしれねぇな。 ──でも、嫌いな不良に陰で変なあだ名つけたり、ウンコに爆竹さして飛ばしたり、大都会新宿でも千葉の片田舎でも、バカな男子のやることは一緒でした! 玉袋 略して「ウン爆」な! ──PSPとかそういうものがない時代の子どもは、とんでもないもんで遊びますよね! 少年時代の玉袋さんの友達で、タカシっていう貧乏な子が出てくるじゃないですか? 基本、もらい物ばっかりだったり、同級生におごってもらったり、落としたアイスキャンディーを洗って食べてるところを見られてバカにされてたり......。そういうエピソードが自分の小さいころと同じで......。私は落ちてるチョコボールを食べたんですよ。それを同級生に見られて、「あいつウンコを食べた!」って言われて。 玉袋 へっへっへ。小学生からスカトロ女優として(笑)。 ──エリート過ぎますよ! 私、名字が青木なんですけど、そこから「青木菌」って呼ばれるようになって、それが「青金玉」に変化して、最終的には陰で「金玉」って呼ばれてました......。 玉袋 そういう隠れたあだ名って、なぜかバレてんだよな。でもいいじゃない、金玉でも。俺だって玉袋だよ。 ──本当だ! おそろいですね! うふふ! 玉袋 同じだよ! どうってことないよ! ハッハッハッ! ──玉袋さんは"玉袋筋太郎"っていう、一見ハイリスクな名前をすごく気に入っているんですよね。 玉袋 好きだよ。自分の本名よりもなげぇ付き合いだし。 ──玉袋歴23年ですもんね。でも、前にキッドさんの本で「父親の名前が玉袋だから、子どもの授業参観や運動会に行けない」ってエピソードを書かれていて、そこがすごく切なくて泣けました。子どもって、ひょんなことでいじめに発展しますもんね。 玉袋 そこだけだな。こっちは他の親父と同じようにカメラもって追っかけたくてしょうがねぇんだから。 ――玉袋さんの家庭の話は切なさだったりオチがついてたりするので、安心して聞けるし読めるんです。ひねくれてるなぁ、私。 玉袋 変節したくねぇし、変わらねえってことだな。結婚したって俺のまんまだし、子どもいたってまんまだし、そのスタイルを変えるのがあんま好きじゃないんだよ。 ──やっぱり、基本スタイルは「ウンコ・チンチン!」なんですね! 見習わねば! ......そうだ! ウンコと言えば、私も小学校のときに体育のバスケットで、運動神経が本当になかったのでドリブルがうまく出来なくて、つま先にボールが当たってびよーんって校庭の外まで飛ばしちゃって、怒られて取りに行ったらボールに緩い犬のウンコがベッタリ付いてて......。先生に「すみません、ウンコが付きました」って報告して「バカ野郎! 洗ってこい!」ってまた怒られて、水道にウンコが詰まるといけないからまずは手でウンコを取ったときのあのベタッとした感触......。 玉袋 いいねぇ! いや、経験してないやつが多いから、ウンコの件に関しては。ものすごいマイノリティだけど、選ばれし人だから。だって俺も小学3年生の時にクラスでウンコ漏らしてさ、それまで人気者だったけど、そっからリスタートだよ。そっから3年間つらいよ? 中学行てもみんなに言われちゃうし。 ──ウンコ漏らしてからまた人気者になるっていうのは相当ハードル高いですよ。私も尿までですよ、学校で漏らしたのは。 (後編に続く/取材・文=小明) ●たまぶくろ・すじたろう 1967年、東京都生まれ。86年にビートたけしに弟子入りし、87年、水道橋博士と漫才コンビ「浅草キッド」を結成。初の自伝的小説『新宿スペースインベーダー 昭和少年凸凹伝』(武田ランダムハウスジャパン)発売中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
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小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

男性の生涯未婚率"驚異の16%!" その裏にあるのは「年収600万円の壁」と「一夫多妻制」!?

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水無田気流氏こと田中理恵子氏。
 世の独身男性にとって、将来の不安は多い。仕事、結婚、子ども、老後、孤独死......。そんな不安だらけの要因は「孤立」と「枯渇」に求められるという。この「孤立」というキーワードと共に種々の社会問題を取り上げ考察したのが社会学者であり、詩人の顔も持つ水無田気流氏こと田中理恵子氏著の『平成幸福論ノート 変容する社会と「安定志向の罠」』(光文社)である。今回、水無田氏に、当サイト読者の中にも身につまされている人も多いだろう「現代の結婚をめぐる状況」をテーマに話を聞いた。 ――『平成幸福論ノート』というタイトルですが、幸福論について書こうと思った経緯を教えてください。 水無田気流氏(以下、水無田) 現在、幸福論というものが錯綜していること、またGNH(グロス・ナショナル・ハッピネス:国民総幸福量)のような形で幸福像や幸福指標の見直しが進んできている、という事態についてもっと根本的な問題から検討すべきだと思ったんですね。以前、「若者不幸社会」というテーマで『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)に出演した際、どうも「主観的な幸福感」と、世代会計や若年層に不利な雇用環境のように、「制度的な不平等」の問題が、混同して考えられているなと感じました。この混乱は本当に問題です。解決の糸口すら、つかめなくしてしまう。主観的に幸福か不幸かという問題と、制度上の不平等の問題を、今一度整理して考え直す必要がありますね。 ――制度上、不平等な立場にある若者に対して書かれたということですか? 水無田 日本では、ある意味誰もが「明るく楽しい消費者」であることを強要されているところがあります。とくに若い人たちはそれ以外あまり考えないし、何か真剣に社会の問題について考える人は、むしろ「特殊で異常」なことにされてしまいますね。でもそのツケが回ってくるのが30代からです(笑)。若年男性の場合、結婚なども含めた家族関連行動を考え出すのが30歳を過ぎてからで、20代だとほとんど考えない。ところが、30歳をすぎて結婚、パートナーの出産、そして育児に直面して、初めて制度の不備などに直面することになります。もう少し前から、こうした問題を考えてもらいたいなと。もうひとつは、年齢層が上の人たち、「今の若者は草食化して、自分から女性にアプローチしないからけしからん」と言うような人たちは、この晩婚化・非婚化、それに少子化などを「若者の自己責任の問題」として捉えているところがあります。そうではなく、問題の背景に何があるのか、ということを分かっていただきたいなと。つまり不平等に気づかない若年層、問題を若年層の自己責任で済ます中高年層、どちらにも向けて書いています。 ――結婚をめぐる現代の状況ということについて詳しく聞かせてください。昨今では、ほとんどが恋愛結婚です。そうすると、まず異性にモテなければ、結婚相手を見つけることができません。男性の間の"モテ格差"は拡がっているんでしょうか? 水無田 これはかなり拡がっていますね。経済的な問題が大きいですが、人口動態的な理由もあります。人口動態的な問題というのは、元々男性のほうが出生性比率は高いのですが、昔は乳幼児死亡率も高かった。ですが、医学が進歩したため男性の乳幼児死亡率が低下しました。人口性比で見ると1995年から2005年にかけて結婚適齢期の男性のほうが、3%程度女性人口を上回っています。おのずと、男性のほうがパートナー獲得のための競争率は高まります。 ――経済的な問題というのは? 水無田 経済的な問題としては、ここ10年の間に30代の男性の年収は、「最も多い層」で見ると500万円台から300万円台へと移行しています。一方、女性はと言えば、いまだに結婚相手の男性の年収にこだわります。よく参考にする山田昌弘先生(社会学者、中央大学文学部教授)の調査結果によると、都内の20代半ばから30代半ばの未婚女性の4割が「年収600万円以上の男性」との結婚を望んでいますが、該当する同年代の未婚男性は3.5%しかいません。 ――かなり高条件の男性を求めていると思いますが、それはどうしてでしょうか? 水無田 年収が600万円程度ないと、女性は安心して子どもを産めないのです。女性は出産して育児をしながら仕事を続けることが難しいので、その期間無職になる可能性が高い。そのため、一般に「自分の年収の倍」ぐらい稼ぎのある男性を求めます。ちなみに「民間給与実態統計調査」を見ても、年間を通じて給与所得のある女性でも7割は年収300万円以下です ――共働きをすることも考えられると思うのですが。 水無田 実はすでにサラリーマン世帯であっても、専業主婦のいる世帯よりも共働き世帯のほうが多数派です。現実的にも、男性一人の稼ぎには頼りきれなくなってきている。でも、一方で20代など若年女性ほど専業主婦志向が強まっています。景気低迷や少子高齢化など諸々の条件を鑑みれば、今後パートナーとなる若年男性の昇給なども鈍化は避けられないでしょう。はっきり言えば、男性に家計負担を完全に依存した人生設計を行うのは、リスクが高いのです。女性はこの点をきちんと認識すべきです。ただ、社会環境の未整備の問題も大きいですね。今後は「共に働き、共に育てる」というのが理想的で一番リスクも低いライフスタイルなのですが、今なお女性は仕事と出産・育児がなかなか両立できません。ご存じのように、子どもを産んでからも十全に働くためには保育所の確保が必須ですが、現在、待機児童は約4万8,000人おり、潜在需要は80万人を超えるとも言われています。言い換えれば、実質的にそれだけの女性が就労できずにいるということです。さらに、育児環境はまだまだ専業主婦前提のため、仕事と育児を両立させようと思うと、苦労もストレスもきわめて大きい。若年女性が上の世代の苦労を目の当たりにして、そんなことはしたくないと考えるのも当然かもしれません(笑)。だから、女性の意識と社会環境、両方変えていく必要があります。また女性は現在、全従業員のうち過半数が非正規雇用です。正規雇用の女性でさえ、育休や産休は取りづらい状況ですが、非正規雇用は最初からそんなもの取得できません。すると子どもを望む場合は、身分が保証されていて年収が高い男性でないと、女性は安心して結婚には踏み切れない場合が多いんです。 ――そうなると男性の未婚率も当然上昇しますよね? 水無田 男性の生涯未婚率(50歳時で一度も結婚をしたことがない人の割合)は、近年ものすごい勢いで上がっています。1970年で1%台だった生涯未婚率が、90年代に5%台になり、2005年には約16%にまで上がっています。これはおおよそ女性の倍です。この男性と女性の未婚率の格差はなんだろうと考えると、この予感は外れてほしいのですが、実質的な一夫多妻制のようになっている。つまり、一度も結婚できない男性がいる一方、十分な収入など高い「モテ資源」があり、生涯に何度も結婚できる男性がいるということです。事実、再婚率は女性より男性のほうがずっと高くなっています。 ■経済力、魅力、コミュニケーション能力......どれかがゼロでもダメ ――本書の中で、結婚力点数は、「経済力×魅力×コミュニケーション能力」と書かれていますが。 水無田 それは、私が次に書く予定の女性の保守化の問題について取材する中で出た結論です。 ――若年男性の賃金がかなり下方に移動している現状で、男性は経済力以外のどこを磨けば結婚点数が高くなりますか? 水無田 私が結婚力点数を「経済力×魅力×コミュニケーション能力」と掛け算にしたのは、どれかが「ゼロ」だと、他が高くても結果がゼロになってしまうということなんです。女性の側からすると、いくら経済力があっても、人間的にダメな人はゼロじゃないでしょうか(笑)。もちろん、女性にもよるでしょう。たとえば年収も、300万程度稼いでいる男性を「プラス」と考える女性も、十分な稼ぎがない、つまり「ゼロ」と評価する女性もいるでしょう。これは女性自身の就労状況や、パートナーに求めるものの優先順位によります。ただ、どれかひとつでも「1」以上なら、ゼロにはなりません。ですから、どれかを磨けばいいんじゃないのかなと思うんです。経済力が「ゼロ」でないなら、あとの2つでなんとか頑張ってほしいという願いがこもっているんです。 ――本書の中では、結婚力点数の中でもコミュニケーション能力について言及されていましたが。 水無田 コミュニケーション能力というと、うまく会話をすることや相手の望みを聞き出すなどに目が行きがちですが、家族生活は言語外のコミュニケーション能力が必要とされます。たとえば、女性数人で誰かの家で話をしていると、必ず誰かが黙ってお茶の片付けをしたり、横に行って手伝ったりしますよね。そういうことを一切できない男性があまりにも多い。女性は、男性が口で言うだけじゃなく、体を使ってできるか、きちんと見ています。自分が子どもを産んで忙しいのに、口だけで何もしないタイプか、それとも一緒にさりげなくサポートしてくれるタイプか。 ――3月の震災後、結婚を考える男女が増えていると言われていますが。 水無田 やはり不安の高まりの表れだろうと思います。今回の震災では、日本社会の脆弱さが明らかになりました。公的機関が何もしてくれないことが分かったので、身近な家族を増やすことで自己防衛しようという意識が高まったんじゃないでしょうか。これは悪いことではないと思います。今まで、相当の経済力があって身分も保証されている男性ばかりを求めていた女性たちが、若干条件を修正する可能性もあるので、たとえ経済力に自信がない男性であってもチャンスではないかと思います。 ――本書の出版後の反響はいかがですか? 水無田 身につまされたという30代の男性の意見が多かったですね(笑)。でももっと、今後この問題に直面する20代や、「今どきの若者批判」で済ましている中高年の方々にも、ぜひ読んでいただきたいと思っています。 ***  今年で34歳、独身の著者も今回の話を聞いて身につまされた。20代、30代の独身男性は必読の書ではないであろうか。 (文=本多カツヒロ) ●たなか・りえこ 1970年神奈川県生まれ。詩人・社会学者。主な筆名は水無田気流(みなした・きりう)。早稲田大学大学院博士後期課程単位取得満期退学。現在、東京工業大学世界文明センター・フェロー(非常勤講師兼研究員)。桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部、日本大学経済学部非常勤講師。主な著書に、『音速平和』『Z鏡(ぜっきょう)』(共に思潮社)、『黒山もこもこ、抜けたら荒野 デフレ世代の憂鬱と希望』(光文社)、『無頼化する女たち』(洋泉社)などがある。
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浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」(前編)

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 モテない、金ない、華もない......負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第26回のゲストは、自伝的小説『新宿スペースインベーダー』(武田ランダムハウスジャパン)を上梓された浅草キッド・玉袋筋太郎さんです! [今回のお悩み] 「コミュニケーション能力が低いです......」 ──うおー! この連載は26回目なんですが、やっとたけし軍団の方にたどり着きました! やりました! 玉袋筋太郎(以下、玉袋) おめでとう! ......ぜんぜんめでたくねぇだろう、それ! ――昔、草野仁さんとキッドさんの『草野キッド』(テレビ朝日系)って番組に出そびれたんですよ。アイドルがファンに乗っかって騎馬戦する企画だったんですけど、騎馬になるファンが集まらなくて......。 玉袋 さみしい! さみしいねー! 3人だよ、騎馬戦って。3人集まらないって、なかなかいい経験だよ! ――戦場にすら上がれなかった悲しい思い出で......。あと、初めて握手してもらった芸能人がつまみ枝豆さんで、初めてVシネマお世話になったのが「〆さば」の〆さばヒカルさんでした! 玉袋 ヒカルは......死んじゃった方か。 ――亡くなっちゃいましたね......。めちゃくちゃ良い人で、売れて欲しいなぁと思いつつ、あの人がテレビに出てるのを見たのは、深夜におちんちんにスッポンが食い付いて、すごいもがき方をしているところだけでした......浮かばれない! 玉袋  『朝までたけし軍団』(テレビ朝日系)だな。もうできねぇな、あれは。井手さんが土佐犬に犯されて......最高だったよな! ──もう伝説の番組ですよね! 〆サバさんの後は、レギュラーは脱落したんですけど、北京ゲンジさん司会のミニスカポリスにちょっとだけ出て、それから深夜番組『ド・ナイト』(テレビ朝日系)で、やっと浅草キッドさんとご一緒できて! 玉袋 おお、取材行ったの? 俺と行ってないでしょ? ──行ってますよ!! 博士も玉袋さんも一度ずつご一緒させていただいて、玉袋さんはなぜか楽屋で「江頭と一緒にいろんな風俗で出禁になってる」っていう話をしてくれました。 玉袋 あ、そうそう、本番強要して池袋あたりで出禁。ヒドイ話だね、わざと女性に好かれないようにしてるね。そこらへんの話をポーンとして、乗っかってくるか嫌な顔するか、リトマス試験紙として人を見てるんだよ、俺たち。それは結構あるんだよ。 ──そんな話題に乗るの、十代そこらの女子には無理ですよ! 玉袋 ハッハッハッ、それは失礼したね(笑)。 ──あの番組は玉袋さんや博士さんがいろんなジャンルの成功者にお話を聞きにいく番組だったじゃないですか? 私も今、たまたまこうして対談をさせていただく機会が増えて、いろんなジャンルの方とお話しさせていただくんですけど、もう、ひどいんですよ、コミュニケーション能力の低さが。 玉袋 そう? もう十分つかんでるじゃん。 ──全然! 前回は前田健さんだったんですけど、実は結構な惨敗で......。私の中の前田さんの知識っていうのが、あややのモノマネとゲイってこと、あとはキッドさんのDVDで、前田さん含む各業界のホモであろう人たちを集めてサイコロトークをさせるんですけど、そのサイコロに「ウンコが漏れそうだった話」しかないっていう......。あれはすごい緊張感で......! 玉袋 それ、単にホモ疑惑のある人にホモの話を追求してくっていう話だよね。 ──はい! 一人が「ウン漏れ話」をしちゃうと、もう王様ゲームのような空気で全員がしなきゃ寒くなるから、もちろん前田さんも苦笑いでとびっきりの「ウン漏れ話」をしてくれてたんですけど、いざ対談になって、前田さんを目の前にしたら、「無理! 私、そんなこと聞けない!」と怯んで、ずいぶんと小ギレイなインタビューをしてしまって......。 玉袋 なんだよ、そこで肛門の話しなきゃ! それがいかに気持いいか、そういう話しないとさぁ。 ──そういうふうに、一歩踏み込むタイミングを逃して怯んで退散っていうのをずっと繰り返してしまって......。せっかくの対談だというのに、ウィキペディアに載ってるようなことを聞いても意味がないじゃないですか! それがもうずっと悩みで......。 玉袋 『潮騒』じゃないけど、「その火を飛び越えてこい」ってことだよ。うちの相棒なんかひどいよ。野球のカネヤン(金田正一氏)いるだろ? 400勝の、日本一の大投手だよ? だけど、会って第一声「400勝、ウソでしょ」って。カネヤンが「んんっ!? 何を言う、この小童!!」って。小童って久しぶりに聞いたよ! いきなり博士の先制パンチだよね。ズッコケたよ、俺も。 ──入り口から失礼って、相当勇気がいる行為ですよね! 私はその勇気がない上に緊張しいなので、後で原稿にしながら「この人はこんなに良いことを言ってくれてるのに、私なんで違う話してるんだろう」ってことがすっごく多くて。キッドさんの著書に『みんな悩んで大きくなった!』(ぶんか社/99年刊)があるじゃないですか。 玉袋 あのオナニーの話の本ね。 ──まさかオナニーの話とは思わず読みましたけど、すごく面白かったです。対談やインタビューって、特に何も用意しなくてもその場の雰囲気やアドリブでうまく転がしたり、吉田豪さんみたいに完璧な下調べで味方ですよって顔で相手の懐に入り込んでしゃべらせたり、いろいろな手法があるじゃないですか。 玉袋 ハッハッハッ、吉田豪ちゃんに書かれたら最終的には敵になるのにね! ──アハハ! ある漫画家さんがしゃべりすぎて原稿になるのを恐れて「吉田豪さん死なないかなぁ」ってTwitterでつぶやいてました! キッドさんの対談は、また全然違う切り口でやられてるので、是非参考にさせていただきたいと思いまして! 玉袋 どうなんだろうね。懐に入るってのは大事だよな。アウトボクシングもいいけれど。ライターの本橋(信宏)さんが「どんな偉い人と会っても緊張しないインタビュー術がある」って言ってて、それは、ヤクザの親分とか、そういうすごい人をインタビューする時に、その人がクンニをしてる顔を想像するんだって。この人もクンニしてるんだからと思うと全然緊張しなくなるんだって。で、俺も100人近くインタビューしたけど、「なんだよ、お前クンニしてんじゃねえか」って思うと全然平気。そこらの飲み屋のおやじと変わんねぇから。 ──ギャハ! ひどい! でも、ホリエモンの対談の時にそれを聞きたかったです。あの時は完全に萎縮してしまって......いやー怖かったです。偉い人だったし。 玉袋 偉くも何ともねえよ、あんな野郎。 ──でも、六本木ヒルズのすっごい上の方で対談したんですよ! 玉袋 それが偉いと思っちゃうのがだめなんだよ。豆腐一丁作れない野郎が社長だとか言ってんだから、たいしたことねえよ。もちろん緊張する人はいるよ。いるけど、やっぱりそのクンニ作戦はいいよなぁ。今後使ってください、本当に。 ――分かりました! さっそく今日からクンニ作戦! 玉袋とかクンニとか、なんか完全に痴女みたい! えっと、キッドさんのお仕事では、生前の水野晴郎先生に堂々とホモ疑惑をかけていったのも、すごすぎました。本人を良い気持ちにさせたまま外堀がどんどん埋められていくんですよ。 玉袋 まぁね。褒め殺しでいくんだよね。「最高ですね!」って話から入って、潜入捜査的に「もしかしたらこいつらもその気あるんじゃねぇか?」って思わせるのも大事だよな。まぁ下調べはしてたけど、知ってても仮面かぶって、知らんぷりしてやるから、それがまた良いんだよな。きたねぇテクニックだよな。知らねえふりして、わざとそっちの話させるように持ってって、「え! そうなんですか!?」って大げさなリアクション。 ──なるほど! 確かに『ド・ナイト』でも「そうなんですか!?」ってやってました! 本当は誘導してたんだ! 玉袋 こっちは全部知ってるんだから。『アサ秘ジャーナル』(TBS系)の時も、"ヨイショ付きの政見放送"って呼んでたんだよね。俺も博士も全部読んでるわけよ、その政治家のスキャンダルから何から。全部大宅文庫で分厚いのが来て、もう憂鬱だったんだけど、それを知らんぷりして、うま~く分かるやつに向けてボールを投げる。「おっ、わざと踏まないでその話聞いてるな?」みたいな。ある政治家がAV男優騒動とかあったじゃない? そんな時、わざと駅弁の話したりさ。「昔、私は駅弁を売ってたんです」って。「駅弁ですかぁ、こうやってですか?」(腕を腰の前でハッスルさせながら)「そう、こうやって」って、その人にポーズさせて「勝ち!」みたいな。分からない落とし穴をいっぱい掘っといて、相手がそれにズボッと落ちた時、心の中でガッツポーズする。 ──意地悪!! 完全に落とし穴を掘ってから始まってるんですね!! 玉袋 落とす落とす。それがテクニックだな! ハッハッハッ! ──鬼畜ー! そんな玉袋さんの自伝的な童貞小説『新宿スペースインベーダー』を読ませてもらったんですけど、昭和の悪ガキたちが不良やホームレスと交流しながら成長していく、みたいな良い話も多くて、NHKの連ドラに出来そうじゃないですか? 玉袋 ハッハッハッ! ダメだろ、それ! だって××××にセックス教わった話とかあるんだよ、無理に決まってんだろ! ──ものすごく大雑把にジャンル分けすると『三丁目の夕日』とか『東京タワー』的な雰囲気は醸してるんですけどね......。 玉袋 あれらは違うんだよね、俺。あっちの『三丁目』だとか『東京タワー』だとか、俺は読んでねぇんだよ。ずっと鎖国してたんだよ、この何年間。文化とか映画とか、見ないようにしたの。影響とか受けたら悔しいじゃん。 ──良い話の中に「完全にダメだろ......その話題......」みたいなショッキングなエピソードをがんがん入れ込まれてましたね! 知的障害の子の性描写とか、びっこのお婆ちゃんとか、子ども心に「踏み行っちゃいけない一歩」みたいなのをいつの間にか越えちゃって、後で暗くなるような、そういうデリケートな部分の気まずさを思い出しました。 玉袋 あえてだよね。あえて「ウンコチンチン!」してるって感じがねぇと、やなんだよね、そんなの。 ──でも、ちょっとそっちに寄れば、莫大なお金が儲かったりしますよ。映画化とかドラマ化とかで。 玉袋 あ、そうなの? ......バカだったな、俺。 (中編に続く/取材・文=小明) ●たまぶくろ・すじたろう 1967年、東京都生まれ。86年にビートたけしに弟子入りし、87年、水道橋博士と漫才コンビ「浅草キッド」を結成。初の自伝的小説『新宿スペースインベーダー 昭和少年凸凹伝』(武田ランダムハウスジャパン)発売中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
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小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

「実は人見知り!?」林家パー子、甲高い笑い声に隠された意外な素顔

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 ピンク、カメラ、有名人の誕生日、甲高い笑い声......日本が世界に誇るエンタテインメント・カップル、林家ペー氏・パー子氏によるスナップ写真集『林家ペー、パー子の爆笑芸能写真館』(シンコーミュージック・エンタテイメント)が発売された。掲載されているのは延べ400名以上の豪華著名人。資料価値の高さはもちろん、この二人だからこそ撮れた警戒心ゼロの表情の数々は、どんなスターも同じ人間であることを実感させてくれる。  この日、ピンクの二人は「どうもーっ!」と、デビュー45年を越したとは信じ難いパワフルな声量を携え登場。インタビュー中、一見ケンカかと見間違うやりとりが終始続いたが、その言葉の端々からは夫婦の絆がザブザブとこぼれ出ていた。 ――本日は赤羽のご自宅から、渋谷のサイゾー編集部までご足労頂きありがとうございます。 林家ペー(以下、ペー) あ、「サスケ」じゃなくて「サイゾー」なのね。「サスケ」じゃTBSになっちゃうもんね。 林家パー子(以下、パー子) あっはーっ! ――『林家ペー、パー子の爆笑芸能写真館』には、お二人が30年近くに渡り撮り溜めた著名人の写真が400点以上掲載されていますが、掲載許可を取るのは大変じゃなかったですか? パー子 (頭の花飾りや、ペー氏の服を整えながら)私たちヴィジュアル系だから、キレイにしないと。あっははっ! ペー うるさいな! 君がいるとエスパー伊東みたいにわけ分かんなくなっちゃうんだよ! IMG_4104_.jpg ――あの、写真の許可取りは大変でしたか? ペー 今回、許可取りはすべて出版社がやってくれたんだけど、全員の事務所へ許可取るのに時間がかかったことが一番驚きましたね。時代が変わって肖像権が厳しくなりましたから。ただ今回、吉本(興業)さんがOKだったのでさんまさん、紳助さん、ナインティナイン......お笑いの中心にいる人がたくさん載せられたの。ジャニーズ事務所なんかは最初からあきらめてるけどね。 ――写真集の見どころは? ペー 写真は字の如く"真(まこと)を写す"ものなので、人間そのものが写ってるところですね。あと写真の下には誕生日も載ってますので、「さんまさんは7月1日生まれか」なんて覚えながら見て欲しいです。 ――パー子さんは、出来上がった本を見てどう思いましたか? パー子 え? 何て? ああ、ごめんなさい。耳の鼓膜がちょっとおかしくて。本はもう、すごいですよ! 写ってる有名人のバリエーションが広くてとっても楽しい! ――あの......失礼ですが、パー子さんの難聴の原因は、ペーさんの声が大きいからですか? パー子 はい? ペー 鼓膜がおかしいのは何が原因ですかって聞いてるの!! パー子 ああ、実はですね、私すごい声で「バーーッ」って笑うじゃないですか。あれで耳の鼓膜がちょっとおかしくなっちゃった。あっはーっ! ――ご自身の笑い声が原因ですか。 パー子 治療したら一度治ったんですけど、また戻っちゃった。それで聞き取れなくて悪いなあと思ったらナーバスになっちゃってね......。でもこんなでもね、お兄ちゃん(ペー氏)がいつもいるから。 ペー 君は僕がいないと話が通じないからね。 パー子 そうそう。私、お兄ちゃんがいないと一人歩き出来ないの。私が聞こえるように、お兄ちゃんが大きい声でしゃべるじゃないですか。そうするとみんなが「ケンカしてるんですか?」って言うの。違うの、全然普通なの。 ――普段はどんなご夫婦ですか? ペー もう意思疎通ですよ。 パー子 毎日、コミュニケーションが絶えないんですよ。お互い無いものをフォローし合ってるから、うちはそれでうまくいっちゃってるんですね。お兄ちゃんは全然美容とかに無関心だけど、私がそういうの担当でね。あっはーっ! ――そもそも夫婦そろってピンクを身に着けたきっかけは? IMG_4080_.jpg ペー パー子とパー子のお母さんは、昔から「あ、ピンクが歩いてる」って言われるくらい、赤羽一の有名人でね。僕は結婚前は地味だったんだけど、彼女の影響でピンクを着るようになったんですよ。だから僕にとってパー子は一番の恩人。僕らはピンクを着たペーとパー子で、師匠は林家三ペー(三平)の、林家ペアってね。 ――細かいことは抜きとして、とにかく「P」だらけですね。 ペー これは余談だけど、松田優作の自叙伝に「芸能界を一言で例えると"ピンク"じゃないか」って書いてあるんですよ。偶然だけど、僕らみたいに芸能界で飯食ってる人間としては、一番芸能界的な色じゃないかって思いますね。 パー子 赤だとちょっと強いから、ちょうど中間の色でいいですよねえ。 ペー そうね。赤と比べるとソフトでいいよね。 ――ちなみに普段もピンクしか着ないんですか? ペー 昨年の梨元勝さんのお葬式にもピンクを着て行ったくらい、うちはピンク一色! パー子 お葬式はお兄ちゃんがだいたい一人で行くの。私、たけしさんのお母さんのお葬式(1999年)に行った以来、お葬式行ってないの。あの時は、白いドレスを家で黒に染めたのね。あのドレスどこ行っちゃったんだろ......。 ペー 何で日本のお葬式は白黒なんだろうねえ。僕たちのお葬式には、全員ド派手な格好で来て欲しいよ。 ――テレビなどでお二人を拝見すると、特にパー子さんはなかなかお人柄が見えづらい印象があるので、ここでパー子さんについていくつか質問してもよろしいでしょうか。 パー子 (取材スタッフをデジカメで撮りながら)はいはーい。 ――パー子さんは、ご自身をどんな性格だと思いますか? パー子 私、非常にシャイなもんですから、人見知りするんですよ。だから初めての人に会った瞬間、笑っちゃったりするの。 ――面白くない時でも、恥ずかしさを隠すために笑ってしまうということですか? パー子 笑っちゃう時はありますねえ。だってシャイだから。(ペー氏を見て)ね! IMG_4157_.jpg ――いつもメイクをばっちりされてますが、スッピンはどんなお顔なんですか? ペー スッピンよく見ますけど、変わらないですよ。全く同じですよ!。 パー子 いつも夜中にスッピンでパックして散歩してるんです。家で飼ってたワンちゃんが亡くなっちゃったもんですから、最近、運動不足になっちゃってね。一人で夜中に顔にパックしたまま、ヒモ(リード)持って外歩いてるんです。あっはーっ! ――パックよりヒモが怖過ぎますよ。パー子さんがファッションのお手本にしてる方はいらっしゃるんですか? パー子 ああ、私、アン・ルイスさんが大好きでね。すごくセンスがいいし、ピンクが似合ってて素敵だなあって。あと神田うのさんや吉川ひなのさんも素敵! ――お二人での活動が多いですが、パー子さんは一人でやってみたいお仕事はありますか? パー子 一人で何かやろうっていうのが無いのが欠点なんですよ。何しろ、芸とか全部お兄ちゃんに頼っちゃっててね、自分は脇でフォローするタイプなのね。芸能界で離婚する方って、自分一人でやっていけるから離婚できるんですよね。私なんかは、お兄ちゃんがいないと歩けないから困ったもんですよ。あっははーっ! ペー 内田裕也さんと樹木希林さんのところと、うちって、人生のきずなみたいなところが似てるなあって思うのよね。 ――時折、仮面夫婦疑惑が持ち上がるお二人ですが、この先、離婚の可能性は......。 パー子 ぜ~んぜん無い。私、お兄ちゃんいないとダメだし! あっはーっ! ペー うちは人間離れしているからねえ〜。 (取材・文=林タモツ) ●はやしやぺー・ぱーこ 全身ピンクにカメラを片手にパチパチパフォーマンス。『元祖どっきりカメラ』『天才たけしの元気が出るテレビ』『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』(すべて日本テレビ系)等々、数々の伝説バラエティー番組に出演。CM出演多数。昨年、「余談ですけど愛してる」(コロムビア・レコード/作詞・高田文夫、作曲・佐瀬寿一)で念願の歌手の仲間入り。現在好評発売中。ペー氏は有名人1,500人の誕生日をインプットしている。
林家ペー、パー子の爆笑芸能写真館 林家ペー、パー子 著/シンコーミュージック・エンタテイメント刊/定価1,470円(税込み)/絶賛発売中 赤塚不二夫、タモリ、ダウンタウン、黒柳徹子、広末涼子、石原慎太郎、デヴィッド・ボウイなど、延べ400名以上の豪華著名人のスナップ写真掲載。1980~2000年代初頭に渡る、日本のテレビ芸能史とも言える一冊。 amazon_associate_logo.jpg
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「目立つの苦手、でもやっぱり歌って踊りたい」【水野愛日】12年ぶりのシングルリリース

mizunomanabi03.jpg  元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとして可愛い声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の12回目です! 今回は、まなびぃこと水野愛日さんが来てくれました! ――突然なんですが、大昔にロフトプラスワンでアイドルのイベントされたりしていませんでした? 水野 うわー!! すっごい前ですね!! 本名で活動していた時代にしてました!! なんで知ってるの!? ――ですよね! 昔からロフトプラスワンは憧れの聖地でしたし、アイドル志望だったので......水野さんは地下アイドルの元祖なんじゃ? 水野 いやいや、あの時はまだ"地下アイドル"という名前がない時代で、"プレアイドル"って言われてたんですよ。その当時に所属していた事務所が水野あおいちゃん(ライブアイドルのパイオニア)がいた事務所で、私も本名の「水野」だったので、完全にあおいちゃんの影に隠れてて(笑)。陰であおいちゃんを「水野A」、私を「水野B」って呼ばれてたり。 ――むしろ水野あおいさんは芸名でこっちは本名なのに! 水野さんは「アイドル研究家」の異名もありましたけど、最近のアイドルはどうですか? 水野 そうですね......宍戸さんがデビューした「ロッテCMアイドルは君だ」の歴代の優勝者とかは言えるんですけど、アイドルにすごい熱を上げていて詳しい時代がちょうどその5~6年なので、最近の人たちはあんまり......。小学生のときにおニャン子クラブが流行っていて、「私、絶対おニャン子に入る!」って思っていたんですけど、解散してしまって夢が破れ、その後は乙女塾とか桜っ子クラブ、あとは河田純子さんとか田山真美子さんとかもずっとグラビアを見ていて......。 ――ガチに好きなのが伝わりました! 「東京パフォーマンスドールに影響を受けて、イベントでダンスを完コピしてた」っていうのをインタビューで読んだんですけれど、それもすごいですよね。近年で東京パフォーマンスドールに影響受けたって人、なかなか見ないですよ! 水野 アハハ! どこ見てるんですか! それこそ「プレアイドルの新人発表会」っていうイベントでやってました(笑)! いや、時代が時代ならモー娘。とかAKB48が好きだったと思うんですけど、当時は歌って踊るライブアイドルが東京パフォーマンスドールぐらいだったので。私もずっとグループアイドルをやりたかったんですよね。グループアイドルの端っこに行きたかった。センターではなく端っこで、一番ダンスはキレてるね! っていうキャラクターになりたかった。 mizunomanabi02.jpg ――なんでセンターじゃないんですか? 水野 目立つのが好きじゃない。自分をフューチャーされるのも苦手で、いまだに誕生日を祝われるのも嫌なんです。その日の主役感が嫌。でも、歌ったり踊ったりするのは好きだから......。 ――なかなかややこしい(笑)! それで、グループの端っこに入ってどうする予定だったんですか? 水野 うん、それで20歳くらいで引退して、元アイドルの若妻になるのが夢だったんですけど......まぁ、なかなか叶わなくて。 ――それは確かに憧れますね! ただ、若妻ってある程度、年齢制限が......。 水野 時がたつのはあっという間ですね。あはは。 ――良いじゃないですか、ブログに載ってた制服姿の写真とか決まってましたよ! 水野 もうなんか、やけっぱち。最近は写真の技術も高いので、あはははは。 ――目が笑っていない! でも、それだけアイドルが好きで、ご自分でもプレアイドルをやられた後にどうして声優さんに? 水野 結局グループアイドルにも縁がなかったし、当時はシングルCDを出すというのがある程度の境目だったので、私もやるからにはCDを出したいと思っていて。でも、本名でやっていた時のまま、うじうじしたままでは夢は叶いそうにないし......そんな時に声優ブームが来たんです。声優さんがアイドルと変わらないスタンスで活動していて、歌だけじゃなくてラジオもあったり活躍の場が広いし......「これはつぶしが効くな」と思って(笑)。 ――あはは! すごくちゃんと考えてたんですね! 水野 だってグラビアとかもすごく豪華で......! そういう華やかな部分にも、職人としての技術にも憧れがあって、スッと腑に落ちたんです。それで一般公募の声優オーディションにかたっぱしから書類を出して、一番最初にCDを出してくださったレコード会社に拾っていただいて、デビューのきっかけをいただいて、芸名も変わりました。 ――そこで水野愛日が誕生したんですね。その後の活動はどうでしたか? 水野 声優活動を中心に頑張ったんですけど、そのオーディションで入った事務所は不況の波に飲まれてなくなっちゃって......。あと、昔のことはもうほとんど覚えてないんですけど、確かアルバム二枚目くらいまではほとんどお金ももらってなくて、朝からずっとバイトしていたような......。けっこう大きいところでライブして、皆から「まなびぃ~!」って言われた翌朝にマックのポテトを冷凍倉庫から出していた。 ――すごい落差(笑)! ずいぶんご苦労されましたね。 水野 あ、でも、担当してくれてたマネージャーさんがその後も現場についてくれたり、人には恵まれていて。たまたま放任主義な事務所に当たることが多いし、舞台やライブ活動はほとんど自分で動いて、事務所は見守ってくれてる感じなので、ぜんぜん苦労という苦労はしてないですね(笑)。 ――ちなみに今、芸歴は何年になるんですか? 水野 どこをスタートにするかで変わってくるんですけど、水野愛日になってからだと......うわぁ、もう15年くらいになるのかな!? 「10周年記念!!」とかやっておけば良かった、いろいろできただろうに、もったいない......! mizunomanabi01.jpg ――でも、昔の画像を見てもそんなに変わってないですよね。 水野 いやいや劣化の嵐ですよ(笑)。現場でも「若いね」って言われることなんて、ほとんどない。 ――だって、みんな若いんですもの。声優さんってどうして時が止まってる方が多いんでしょう? 水野 あ、それは確かにそうですよね。地元に帰って同級生とか大学の友だちに会うと、やっぱり全然違ったりします。 ――同級生って普通に定職について結婚して子ども産んでたりしてますもんね。 水野 そうですね。多分、まっとうに人生を送られている方と比べて苦労は少ないんだと思います。皆まっとうに人生を送っている。ちゃんと就職して、寿退社して......憧れますねぇ......。女子高育ちなので、女の子といる方が楽だったりするじゃないですか。やっぱ楽しちゃいますね~、あはは。はー......今年、来年でがんばろうっと。 ――そうして期限がだんだん延びていくパターン! でも、家に帰って人がいるとか、誰か帰ってくるとか憧れます。 水野 分かります。わかります。私も安定志向なのに、そう見られないのは、なんで? ――爪もきれいにネイルアートされてるし、相当な女子力だと思うんですけど......。 水野 ああ、ネイルだけですね、お金使っているのは。私は、ストレスを感じても夜は眠れるし、ご飯も食べられるし、肌も荒れないし、頭髪も抜けないんですけど、子供の頃から爪を噛む癖があって......そういうの出ちゃうんですよ。で、目に入って傷んでいるとダウナーになってくるので、噛み噛みできないように、盛りに盛っているんですよ。うふふふ。 ――......なんなんでしょうね、こんなに可愛らしくて、話していても楽しい方なのに。では、音楽活動について伺いたいんですが、夏に新曲が出るんですよね! 水野 そう! そうです! 久しぶりにシングルを出すんですけど、本当に、12年ぶりくらいのシングルCDで、ソロ名義も久しぶりでねぇ......。 ――苦手なセンターじゃないですか! 主役ですよ! 水野 本当に苦手ですね......。それに、久しぶりなので音楽の感じも変わっていて......。今時っぽい感じの曲調にもチャレンジしたんですけど、やっぱり私の歌い方は昔っぽいから、その点苦労したなぁ。おニャン子だったり、そういうアイドルの歌を聞いて練習してきているので、その時代の歌い方が染み付いていてね......。今は、舞台と声優と音楽活動の3つの柱があるんですけど、やっぱり舞台でも歌い方が足かせになってしまったり、大変だった時期もありましたけど、最近は「これが私なんだな」って認めつつ、受け入れるようにはしているんですけど......。 ――歌い方って、それぞれの味わいだと思うので、それを含めて楽しむものだと思うんですけどね。 水野 そう言ってくれる人を大切にしたいなぁ。基本からガッツリ勉強もさせてもらったので、それを土台にして、もっと自分を活かせていけたら良いな......。ええと、つまり、新曲聴いてねっていうことなんですけどね! 9月発売の『白衣性恋愛症候群』というPSPゲームのエンディングで、声優としても出演させていただいてます! ――分かりました! そして来月はお誕生日ですね、何かご予定は? 水野 こんなに誕生日を祝われるのが苦手な私がバースディライブを開催してしまいます! 来て下さい! ......でも、やっぱり主役は苦手なんで、去年もサプライズでウルトラオレンジのサイリウムと、大好きなリラックマのケーキを出してもらったんですけど「あ、ふーん」みたいな......。 ――素っ気なすぎる(笑)! 水野 蝋燭をふーっ! ってやりながら、嬉しくてウルウルはしてるんですけど、歌や踊りと違って、そういうのは上手く表現できないんですよね......。なので、あまり「祝う」というスタンスじゃなくて良いので、よかったら......。 ――なんて不器用な......! これからも応援してます、ありがとうございました!! (撮影=宍戸留美/取材・文=小明) mizunomanabi04.jpg ●みずの・まなび 96年にパイオニアLDCのオーディションに合格した後、水野愛日として声優活動を開始。"マナビー"の愛称で親しまれ、アニメ・ゲームへの出演のほか、数々のユニット活動、アーティストとしても多数のシングル、アルバムを発表するなど、幅広く活躍している。2011年夏には12年ぶりのシングルCDをリリース予定。 ・水野愛日ソロライブ「summer again 2011~ナチュラルスマイル~」 日時:2011年7月30日(土)18:00 open 18:30 start 場所:東京・渋谷テイクオフセブン 03-3770-8170 (http://kox-radio.jp/to7-top.html) 東京都渋谷区宇田川町32-12アソルティ渋谷B1F 料金:4000円・当日4500円(D500円別) 出演:水野愛日 特別ゲスト:喜多村英梨 主催:アイドルショット http://idolshot.jp 協力:EARLY WING/スリートゥリー チケット情報・発売はこちらから http://idolshot.jp/manabilive2011/ ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 魔性姉妹としてもミュージシャン森若香織と音楽活動開始!! http://www.loft-prj.co.jp/masho/ 7年ぶりのニューアルバム「CHERBOURG→BRIGHTON」発売中!! http://p.tl/rVTY USTREAM音楽番組「宍戸留美×津田大介 Oil in Life」も絶賛放送中!! 公式HP http://rumi-shishido.com/ ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
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【声優 on FINDER!】バックナンバー 【vol.11】「レトロな物が好きなんです」【井上直美】50年前のカブリオレを駆って 【vol.10】「あのころ、ネットがなくて本当によかった」【小明】中2のままのアイドルライフ 【vol.09】「悩んだら、バーッっときてグワーン!」【中川里江】1回泣いて全部忘れるヒロインサイド 【vol.08】「"声優"の仕事の幅広さにびっくり」【稲村優奈】10年に詰まったスクランブルデイズ 【vol.07】「ビキニを着たこともないんです」【蝦名恵】3カ月目のヴァージン・シュート 【vol.06】「生き急いだ分、戻ってやり直しができると思う」【江里夏】10歳で見たデイドリーム 【vol.05】「何でも出来るって、とりあえず言っちゃう」【矢野明日香】360度のワークフィールド 【vol.04】「考えてると、寝ちゃうんです......」【窪田涼子】東経135度のモラトリアム 【vol.03】「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド 【vol.02】「いつもどこかで、なんとかなるさ」【片岡あづさ】22歳のセカンドフェーズ 【vol.01】「Twitter始めるまで、いつも泣いてた」【宍戸留美】20年目のセルフポートレート

「自衛隊はスーパーマンじゃない」被災地で活躍する自衛隊員の知られざる苦労

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写真=名和真紀子
 「自衛隊ってすごい!」――。今回の大震災であらためて自衛隊の活動に舌を巻いた人は多いことだろう。被災地で活躍するその勇敢な姿は、被災者のみならず、日本中の希望として各メディアにこぞって報道された。しかし、震災現場で自衛隊が具体的にどのような活動を行う集団なのかということはこれまであまり知られてこなかった。はたして、震災現場や社会における自衛隊の役割とはどのようなものなのだろうか。過日、『ありがとう自衛隊 ~ヒゲの隊長が綴る日本再興奮闘記~』(ワニブックスPLUS新書)を出版したばかりの元・自衛官、イラク派遣隊長を務めた際は「ヒゲの隊長」のあだ名で親しまれた参議院議員・佐藤正久氏に、知られざる自衛隊の現場について話を聞いた。 ――今回の震災における自衛隊の活動で、佐藤議員が一番印象に残っているものはどのようなものですか? 「行方不明者の捜索ですね。この任務は、生存率が大きく下がる最初の72時間が勝負と言われます。震災発生当初はガソリンも供給できず、水や食料も届かないという状況の中で自衛隊が活躍をしました。自衛隊は自己完結性を持った組織のため、食事も風呂もガソリンもすべて自ら賄うことができ、備蓄もある。ただ、今回の震災では被災地域が広範囲に渡り、当初は自衛隊でも物資が足りませんでした。ご遺体を発見してもそれを運ぶ担架すら不足しており、ご遺体を背中に背負って運んだり、ゴム長などもないので、カッパを上から着ただけの状態で海水の中に入っていったりしていました。瓦礫で傷んでしまったご遺体の中には手足がなかったり顔がつぶれていたり、とくに津波では服が脱げてしまうため、裸のご遺体もたくさんありました。そのため、泥だらけになったご遺体を洗ったりすることもあったんです。とても厳しい状況でしたが、そういったご遺体の回収作業ができるのは自衛隊しかいないわけですから、やるしかないんです」 ――自衛隊の災害派遣部隊の活動というのは、まず行方不明者の捜索から始まるんですか? 「はい。最初は人命救助、捜索ですね。その際、ご遺体も見つかるわけですから、一番優先順位が高い。同時に後方部隊は食事や水の支援を行います。今回は東北地方に住んでいる500人以上の隊員に出動命令が出ましたが、自分の家族と連絡も取れないまま現地へ向かい、行方不明者の捜索、あるいは孤立者の救出といった任務にあたった隊員も数多くいました。実際に家族が亡くなったり、家が流された隊員もいます。でも、自衛隊員は自分の身内よりも一人でも多くの被災者を救い出し、少しでも早くご遺体を家族の元に戻す、という使命感を持っているんです」 ――自衛隊では行方不明者の捜索や瓦礫撤去など、災害派遣のための特殊な訓練もされているのでしょうか? 「あくまで国防のための訓練であり、災害用の特別な訓練をしているわけではありません。訓練には精神面、肉体面、スキル面の3つがあります。まず、精神面は日ごろから鍛えておかないと、いざ任務にあたる時に心が折れてしまいますよね。今回、若い隊員の中にはご遺体を見たことがなかった者も多く、本当につらい状況だったと思います。さらに雪や雨が降る中、かん水しているところに入り捜索活動を行い、戦闘服は2着しかないので次の日もまた濡れた服を着ていかなければならない。食事も被災者の前で食べるわけにはいかないので、場合によってはご遺体を運んだ車の中で食べなければなりません。精神的な強さというのは、現状よりももっとつらい訓練の中で培っておかなけえれば絶対に耐えられるものではありません。  肉体的な強さについてもそうです。例えば30~50キロの重い荷物を背負いながら、100キロの道のりを歩くという訓練があります。実際の戦場では体力温存のため、そのような長距離を歩くことはありません。しかし、日ごろから訓練を行っていれば、いざという時に無理が利くようになるんです。  スキル面もすべて応用です。日ごろから組織として動くという訓練をしておくことによって現場でバラバラにならず、指揮官の命令一つでどのようにでも動ける。自衛隊というのは人数が十分ではないので、駐屯地ごとにそれぞれ専門部隊が分かれています。任務があると、それぞれの駐屯地から必要な隊員をつまみ出してプロジェクトチームをつくるんです。"ミッション・オリエンティッド"とよく言いますが、日ごろからそういう訓練をしておかないと、現場現場のニーズに対応できないんです」 ――スキルといえば、今回は原子力災害派遣も行われましたが、原子力についても専門的な知識が必要とされると思います。そういった訓練もされているのでしょうか? 「一部の部隊はそういう知識を持っていますが、ほとんどの隊員は持っていません。ですから、今回も専門的な教育を受けた隊員がみんなに教育をしながら活動を行っています。自衛隊員と言っても、大多数の人は放射能や原子力のことまでは分かりませんから。ただやること自体は日ごろの国防の応用です。ヘリから原子炉への散水や、放射能除染もそうです」 ――すべての訓練が応用として現場で生かされているんですね。しかし、そんな自衛隊員でも、精神的にまいってしまうこともあるともあるんじゃないですか? 先日、仙台に行ったときに、自衛隊員の人が「もうつらい」と漏らしていたという話を聞いたんですが。 「今までにないような経験をしていますからね。たとえば、ご遺体にまつわる話ですが、ご遺族の方から探してほしいと頼まれて沼地などにボートや、あるいは胸まで沼に浸かりながら自衛隊員が捜索します。ご遺族はその様子を周りで見ているわけです。ようやく見つかったときに、ご遺体が想像していない状態であっても、自衛隊員はご遺族との対面に立ち会うわけですよね。あるところでは、行方不明だった3歳の男の子のご遺体が自衛隊の捜索で見つかったんですが、ご遺体の状態は直視できるものではなかった。そのご遺体を遺体袋に入れて引き渡すときに、お母さんが『よかったね、自衛隊の人たちが助けてくれたよ。今度生まれ変わって大きくなったら自衛隊に入れてもらおうね』と泣きながら語りかけたそうです。自衛隊員たちはみんなで線香をあげて合掌し、見送ったりするわけですが、そういう場面に何度も立ち会わなければならない。自衛隊員たちにも家族がいるわけですから、やはりつらいものがあります」 ――被災地での活躍ぶりを見ると自衛隊員はスーパーマンだと思ってしまいがちですが、人の死に立ち会うということはやはりつらいことなんですね。本書では災害現場での口内炎や便秘といった、自衛隊員の身体的な苦労も語られていますが、他にも病気などに罹ることはあるのでしょうか? 「自衛隊は大"痔"主と言われています。野外で用を足す場合が多いので、痔になりやすいんです。それと、水虫も多いですね。瓦礫を踏み抜かないようなブーツを履いているので足が蒸れやすいんです」 ――佐藤議員も自衛官の時代はそういった悩みを抱えていたんですか? 「私は痔は大丈夫だったんですが、水虫は今でもダメですね(笑)。あんな水浸しのところを歩くんだから、直るはずがないですよ」 ――自衛隊に対する特別手当が、わずか1,620円ということにも驚かされました。 「そこは言っても仕方がないことですが......。ただ、自衛隊員が一番求めているものは名誉と誇りです。被災者からの感謝の気持ちや、『生まれ変わったら自衛官になりたい』という言葉、それに天皇陛下からの頂いた感謝のお言葉......。自分の身を犠牲にしてでも国のためにというのが自衛隊員の精神的な軸になっています。その見返りはお金ではなく、名誉と誇りなんです」 ――震災から3カ月が経過しました。今後、自衛隊はどのような活動を行っていくのでしょうか? 「災害派遣の現場では、行方不明者の捜索は一段落するでしょう。しかし、仮設住宅ができるまでは引き続き生活支援、つまり水と食事の支援が求められます。また、いまだ収束していない福島第一原発事故でもモニタリングや除染などの活動が続いていきます。現場から離れたところでは、今回の災害派遣を踏まえた教訓づくりが行われます。今回の教訓事項を洗い出し、次に反映させる。首都直下型地震や東海、東南海地震などが発生した場合に備え、準備を進めていきます」 ――復旧活動を通して、あらためて自衛隊の活躍がクローズアップされています。佐藤議員としては、この状況をどのようにご覧になりますか? 「震災の直後から多くの方々を救出し、ご遺体の捜索にあたるなど大活躍する自衛隊の姿は誇らしく感じています。しかし一方で、自衛隊に対して間違ったイメージを持っている人も多くなっていると思いますね。自衛隊を『災害派遣部隊』と見ている人や、災害派遣専用の部隊として強化すべきじゃないかという議論も出てきています」 ――「自衛隊の本来の活動」とはどのようなものでしょう? 「自衛隊の任務には国際貢献や災害派遣もありますが、あくまでも『国防』が中心の軸です。その応用で国際貢献や災害派遣などが可能になるわけで、そちらが中心になってしまったら間違いなく"弱い"自衛隊になってしまうでしょうね」 ――最後に、佐藤議員から、現地で活躍する自衛隊員にメッセージはありますか? 「参加されている隊員の方々の汗と想いが被災者の希望になり、安心の糧になります。だから最後まで力と汗を振り絞って活動していただきたいですね」 (取材・文=萩原雄太[かもめマシーン]) ●さとう・まさひさ 1960年、福島県生まれ。陸上自衛官として国連PKOゴラン高原派遣輸送隊初代隊長や、イラク先遣隊長、復興業務支援隊初代隊長などを歴任。2007年に退官し、現在は自民党参議院議員として外交防衛委員会理事、自民党「影の内閣」防衛副大臣、国防部会長代理などのポストに就任している。
ありがとう自衛隊 ~ヒゲの隊長が綴る日本再興奮闘記~ 本当にありがとうございます。 amazon_associate_logo.jpg
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「世の中って狂ったモン勝ち!」注目のホラー作家・平山夢明が説く、奇人のススメ

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平山さんも十分、おかしな人でした!
 人間の持つ狂気を描き出し続けている人気ホラー小説作家・平山夢明。そんな彼が日常の中で見つけた奇人、変人、キチガイについてユーモアたっぷりに綴った「週刊SPA!」(扶桑社)連載中のコラム『どうかと思うが、面白い』(同)が単行本化された。狂気から生み出される恐怖が一回りして大爆笑エピソードになってしまっている本作の発売を記念して、平山氏のキチガイ観をたっぷり語ってもらった。おそらく日刊サイゾー史上最高に「キチガイ」っていう単語が出てきますよ。(取材・文=北村ヂン) ――新刊『どうかと思うが、面白い』にもキチガイな人の話がたくさん出てきますが、ボクもそういう人とかかわることが多いんで、キチガイとの上手い付き合い方を教えてもらいたいのですが。 「キチガイと付き合う時は、常に心の中に"檻"を入れておくっていうのが大事だね。コレ以上は近づけないぞって。その点、この本の挿絵を描いてくれた清野とおるくん(漫画『東京都北区赤羽』の作者/参照記事)なんか見てるとハラハラするわけ。だってキチガイから『カレーを作ったから食いに来い』って言われて家まで食いに行ったりしてるんだぜ。カレーって味が強いから何を入れられてても分からないじゃん? イヤだよー。俺の場合、自分からはキチガイに近寄っていかないからね。ただ、キチガイの方から勝手に寄って来ちゃうんだけど......」 ――普通に暮らしてたらそうそうキチガイなんて寄ってこないですよ。平山さんからそういうオーラが出てるんでしょうね。 「小さいころからキチガイに選ばれるタイプだったんだよね。友達5人で遊んでても、絶対に俺の方に寄ってくるみたいな。しかも俺が会ったことあるキチガイって、いきなり殴ったりとか、鼻噛みちぎったりするバイオレントなキチガイが多かったから。見ず知らずの人にいきなりボコられるって、傷付くもんだよ。だからあんまり密に、ダチみたいにはなりたくないよね」 ――とはいえ、キチガイを見つけたら「いいネタだ!」みたいな意識はあるんですよね。 「あるね。でも面白いキチガイならば、だよ。出オチみたいなキチガイって多いじゃん。見た瞬間『ああー、あのタイプのキチガイね』みたいな」 ――ホラー小説で人間の狂気を描くことに定評のある平山さんですが、やはりリアルにキチガイとかかわっている影響もあるんですかね。 「やっぱり影響してるんだろうな。あと、俺は小説の中でわざと引きというか、アイキャッチとしてキチガイを登場させることがよくあるね。どんな小説でも"ダレ場"ってあるでしょ。そこでダレられるのが怖いからキチガイの話で引き付けておくんだよ。キチガイって目が離せないじゃん」 ――平山さんの中ではキチガイはキャッチーな存在だと。 「うん、キチガイも俺たちもホントに紙一重で中身はそんなに変わらないと思ってるからね。誰でも日々暮らしている中で、うっすらとおかしな行動をしてしまうことってあるでしょ。だから、一時的にキチガイみたいになってる人ってのはよくいるわけ。でも普通は、一日とか一週間とかするとリセット出来るんだよ。でも、突き抜けたキチガイってのは、そのキチガイ要素がリセットされないまま少しずつミルフィーユみたいに積み重なった結果、エライことになっちゃってる人なんだ」 ――ああ、継続しておかしなことをやってるヤツが突き抜けたキチガイだと。歌舞伎町で変な格好してる人って時々見かけますけど、新宿タイガーマスク(歌舞伎町近辺でタイガーマスクをかぶって新聞配達しているキチガイ)は30年くらい毎日あの格好だから別格って感じがしますもんね。 「ところで、アナタもかなりおかしなことをやってそうな顔してるけど......」 ――いやー、そんなおかしなことはやってませんよ。学生時代、いろんなところでウンコしてたくらいで。 「えー何それ、十分おかしいよ! どういうこと!?」 ――もともとは飲み会で酔っぱらうとすぐに全裸になってたんですけど、しばらくしたらみんな脱ぐようになっちゃって笑いも取れなくなって。じゃあどうしようって考えた時に、「ここでウンコしたらウケるかな」って。それで、嫌いなヤツの家の前とか、居酒屋の皿とかにウンコしてた時期があるんですけど......。 「キミ、狂ってるよ! 完全に狂ってるよ!」 ――いやいや、でもさすがに今はそんなことしてないですからね。コレは継続してないから大丈夫ってことですよね!? 「まあ、そういうことだよ。誰だって酔っぱらったり、性欲が高まったりした時はおかしくなっちゃうもんだけど、それを継続しちゃう人ってのは、俺たちには見えない世界が見えてるんだよ。キチガイの恍惚っていうかな。キチガイって脳が停止してるから気持ちいいんだと思うんだ」 ――平山さんがおかしくなっちゃう瞬間ってどんな時ですか。 「俺の場合は眠い、腹減った、ヤリたい......とかでおかしくなるね。昔、給食に出てくるビーフンが大好きでさ、吐くほど食いたいと思ってて、友達の内田と、給食係になった時にビーフンを強奪して腹いっぱい食おうっていう話になったのね。それで給食の容器丸ごと学校の屋上に持って行ってガンガン食ったんだけど、やっぱり半分くらいしか食えないんだよ」 ――そりゃ食えないでしょう。 「こんなに腹減ってて、しかも美味しいんだからクラス40人分のビーフンくらい空っぽに出来ると思ってたのに......。給食泥棒までやってんのに、コレしか食えない自分が情けないやら悲しいやらで。いまさら半分になったビーフンを教室に持って行ったって、どうせ文句言われるんだから、もうヤケクソになってビーフンの容器に小便したんだよ。そしたら先生が後ろに先生が立っててさぁ、すっごい殴られたね。『この人、大人なのに本気じゃん!』って。ひどいよね、体罰だよ!」 ――うーん、この件に関しては先生に同情しちゃいますね。でも、そこでホントに丸ごと食えちゃうような突き抜けた人に対する憧れっていうのがあるんですよね。 「あるよー。結局、世の中って狂ったモン勝ちだからね。ちょこちょこ真面目にやってるヤツが一番ワリを食うの。だってさ、政治家ってみんなキチガイじゃん。日本がこんな大変なことになってるのに、選挙やろうとか言い出してんだもん。日本って今、家にたとえるならば火事になってるような状態でしょ。じゃあ、どうやって火を消そうかって時に、まずはじっくり家族会議をやろうって言い出してるわけだから......ありゃあキチガイだね。小沢一郎なんて犯罪者で刑事被告人だぜ、そんなヤツの言いなりになって動いてる部下がいるなんて、完全にキチガイでしょ。でも、キチガイってものすごい引力があるんだよね。小沢とかも星でいえば木星級の引力を持ってるよ。織田信長とかシーザーだってみんなキチガイだったんだと思うけど、すごいパワーだから誰も文句言えないんだよね」 ――信長に「やめなよ、比叡山焼き討ちなんて」とか言えないですよね。 「ただ、ある面ではキチガイの妄想が人類の進歩を支えてきたっていう面もあるんだよ。『海の果てまで行ったらどうなってるんだろう?』って思ってホントに行ってみるヤツなんてキチガイでしょ。でも、そいつが行ったおかげで地球が丸いっていうのが分かったんだもん。だから狂うっていうのは必ずしも悪いことではないんだよね。ただ、ある程度コントロールしなくちゃいけない。『狂う』って、性欲とか食欲みたいな欲求のひとつだと思うんだ。みんな狂いたいと思ってるんだよ。だからディスコとか行って踊り狂ったりしてるわけでしょ。テレビゲームやってるヤツだってみんな狂ってるよ、寝ないで延々やってたりするんでしょ。アレは完全に狂人だよね。でもああいう時って自分のエネルギーを全解放出来てるから気持ちいいんだよ」 ――ああ、狂ったように何かに没入している時の気持ちよさっていうのは分かりますね。 「だから厚労省とかもシャブとかマリファナとかを解禁して、みんな適度に狂えるようにすればいいのにね。みんなマリファナとか吸ってたら、絶対に自殺者減ると思うよ。世の中にある悩みの九割九分って答えなんかないんですよ。結局、自分がどう思うかしかないんだから、暗く考えてたら変なことになっちゃうよ」 ――そんな時はガンジャでもキメてハッピーになった方がいいと。 「そうだね。みんなもっと狂った方がいいよ。狂った方が幸せだなって人、世の中に多いもん」 ――ただ、自分が上手く狂うためには、平山さんのように身の回りにいるガチなキチガイも楽しく観察できるような余裕っていうのも必要ですよね。今の日本だと、キチガイを見かけても「あんな人、見ちゃダメよ!」とかになっちゃいますもんね。 「そうそう。そういう風にキチガイから遠ざけられ続けて上手くキチガイになれないヤツって、じゃあまっとうなヤツになるのかというとそうでもなくて、だいたい変態になっちゃうんだよ。変態はダメだよ......弱々しいし、気持ち悪いでしょ」 ――「キチガイってどうかと思うけど、いいもんだよ」ってことですよね。新刊のタイトル『どうかと思うが、面白い』っていうのは、平山さん自身のテーマなのかなって思います。 「あの言葉は、東えりかさんっていう書評家が『夢ちゃんの小説って面白いんだけど、普通に友達に勧めると人格を疑われちゃうから、この本どうかと思うけど面白いよって勧めるようにしてる』って言ってたんだよ。確かに俺が好きなものとか納得する表現って、世間的に見ると『どうかと思うけどね』っていう表現なんだよ。だから、キチガイってのもどうかと思うけど、せっかく神様が『キチガイ力』っていうのを人間に与えてくれてるんだから上手く使った方がいいよね」 ――自然に脳内麻薬が出るようになってるくらいですからね。 「キチガイな部分が自分にはないと思い込んで封じ込めたりするのはつまんないからね。みんな、キチガイ上手になった方がいいよ!」 ●ひらやま・ゆめあき 1961年神奈川県生まれ。94年『異常快楽殺人』(角川ホラー文庫)で作家デビュー。『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社)で日本推理作家協会賞受賞、『このミステリーがすごい!』2007年版国内編第1位を獲得。2010年『ダイナー』(ポプラ社)で第28回日本冒険小説大賞、第13回大藪春彦賞を受賞。人間の狂気と恐怖を描く第一人者として活躍中。
どうかと思うが、面白い ホントにどうかと思う。 amazon_associate_logo.jpg
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「リスナーを裏切っていきたい」サブカル系バンド・アーバンギャルドが目指す次のステージとは?

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 ポップでエレクトロニカで「病的にポップ。痛いほどガーリー」な音楽を目指し、日本の音楽シーンのアンダーグラウンドで活躍してきたトラウマテクノポップバンド・アーバンギャルド。「水玉」「少女性」「処女」をテーマに、音楽・映像・詩の朗読などを駆使した立体的なライブパフォーマンスにも定評のある彼らだが、7月20日にユニバーサルJからシングル「スカート革命」でメジャーデビューすることが発表された。  キッチュで、時に暴力的ですらあるポップな世界観でファンを魅了し続けてきた彼らが、自由な表現を可能とするインディーズではなく、なぜメジャーシーンを目指すのか。そして、彼らが一貫して描き続けてきた物とは一体何なのか。次のステージに向かう今だからこそ、あらためて聞いておきたい質問をバンドのフロントマンであるヴォーカル・松永天馬と浜崎容子にぶつけてみた。 ■メジャーに切り込む新曲「スカート革命」! ──いきなり新曲「スカート革命」を聴かせていただいて、PVも拝見したわけですが、メジャーに行っても全力で攻めてますね! 松永天馬(以下、松永) そうですね。今回はボーダーラインをユニバーサルJさんといろいろやりとりしまして、この形に落ち着きました。 ──ユニバーサルJさんから「これはやめてくれ」とか「あれはダメ」とか制限はかからなかったんですか? 松永 それは意外に言われてないですね。野放しです。放牧されています 浜崎容子(以下、浜崎) ユニバーサルJさんからは「出してきたものがダメだったら、ダメって言うから」って言われています。今のところセーフみたいです(笑)。今は泳がせておいて、どういう所に入れたらいいのかなって探っているのかも。 松永 気が付いたら、だんだんユニバーサルJさんの年間許容量が増えていってるかもしれませんが。 ──もし「この表現がダメだ」と言われたら、それは受け入れますか? 松永 ダメだと言われても、その枠の中で表現するのが面白いと思うんですよ。浜崎さんはゲンズブール(※1)が好きなんですが、彼はフランス・ギャル(※2)に「アニーとボンボン」っていう一見アイドルソングなんだけど、実はフェラチオを意識したような曲を歌わせているんです。ここで「フェラチオしたいぜ!」って言ってしまったら面白くもなんともない。隠ぺいし、ぼやかすことで出てくる面白みがあると思うんです。隠すことで燃える、みたいなものがあるので、我々もそういう方法で一番いい物を作りたい。 浜崎 「スカート革命」のPVでも、パンチラを全部イチゴで隠してるんです。「あー! もうイチゴ邪魔だよ!」っていうのがいいんですよ。それをコマ送りで見ちゃったり。 松永 あれも別にイチゴで隠せって言われたわけじゃないです。僕がそういうフェチなだけなんです。だから、たとえ制限されたとしても、僕らはそういう所を楽しむと思いますよ。 ■アーバンギャルド的POP論 ──ここ最近の芸能というと、どちらかというと安定したもの、変化しないものが市場に氾濫していますよね。テレビのバラエティー番組だと、ひな壇芸人が並んで身内ネタで盛り上がる。音楽だと「共感」を歌う。ある程度、予定調和に則った娯楽が世にあふれている中、アーバンギャルドはもともと芸能が持っていたアングラさ、何をやるのか分からない怪しさを持っていると思います。
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松永 そうですね。POPっていう言葉は「爆発する」とか「弾ける」という言葉なんです。つまり我々はPOP「される」んじゃなく、我々がPOP「しないといけない」んですよ。受け手の脳みそをPOP「する」ということだと思うんです。だから、自分たちがPOPされてやんわりしたもの、ゆるふわなものを作っていればいいということは全然ないんですよ。本来ポップスっていうものは、表現者がPOPするものだったんですよ。でも気が付いたら表現者がPOPされている。だから共感なんてねえ......。共感はしなくていいですね(笑)。 浜崎 共感っていうか、「痛いところを突かれた」っていうのがアーバンギャルドの歌詞にはある気がしますね。「言われたくなかった」「できれば隠したかった」ものをズバっと言っちゃってる。そういうところを嫌だと思ってもらっても構わないし、反対にドキッとして聴いてみよう思ってくれても構わない。ただ、この歌はこういう風に思ってくださいと投げかけるのは絶対にNGだと思っています。そう言ってしまったら、もうそういう風にしか世界観が広がらないから。受け取った人がどう受け取ろうと自由というスタンスでやっています。でも、それって無防備な状態ということでもあるので、攻撃される時はすごくされるんですけどね(笑)。 松永 自分たちはマイノリティーな人間というよりも、誰もが持っているマイノリティーな感情を歌っているだけなんです。僕らは奇をてらっているという意識はなくて、まっとうに作品を作っているという意識が強いです。 ──一見してアーバンギャルドの作品は「病んでいる」側のものにも見えますが、実は普遍的なテーマを歌っていたと。 松永 僕には描かなければいけないものとして病や傷があって、それは自分の中にもある感情なんです。つまり自分の中にあるマイノリティーな感情を描いているだけなんです。だからアーバンギャルドってある意味硬派だし、汗臭いと思いますよ。 ■目標は西野カナとの対バン!? ──アーバンギャルドはさまざまな音楽ジャンルを横断しているバンドですよね。 松永 パンクバンドがずっとパンクをやっていた所で、突然アニメソングみたいなのを歌い始めたらそれこそパンクじゃないですか。そういう意味ではアーバンギャルドはパンクだと思います。歌っている曲は全然違うけど、やっていることはパンクだと思います。 ──精神的には反体制のような。 松永 元々、テクノポップというもの自体が資本主義に溶け込みつつ、資本主義に皮肉をぶつけるっていうパンクな存在だと思うんですよ。だからテクノポップっていう風に自分たちで名乗っているのは、その精神性──一見資本主義に則っていながらも、アイロニカル、シニカルであるというテクノポップの政治性にすごく意識的だからだと思います。 ──そんなアーバンギャルドもメジャーデビューすることで、「今までと変わってしまうのではないか?」と心配するファンもいると思うんですが。 松永 自分たちのやるものが、「制限されるか否か」という意味で変わったりはしません。段階の移行としてメジャーデビューなんです。これまでに出してきた3枚のアルバムの延長線上にある通過点として、メジャーデビューがあると思っています。そして、自分たちがやっていることがマニアックだという意識もないです。自分たちがやっていることは普遍的だと思うので。
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──アーバンギャルドは、いわゆる「病んでいる」状態やそういう子達の心情を扱った、ややアングラな題材を歌ったりもしていますが......? 松永 現代人は誰もが病んでいると思うので、「病んでいる」という事実はメジャーなものだと思います。だから、それをより広いところに訴えかけていくための方便として、メジャーデビューを選んだんです。それに、うちはどんどんリスナーを心配させていきたいんです。だってバンドなんていつ解散するかわからない。今、バンドが続いていること自体が奇跡だと思うので、僕らの一瞬その一瞬を見てほしいからこそ変えていかないといけないんですよ。 浜崎 だから、「メジャーに行っても変わらないから安心してね」とは言わないです。メジャーに行っても表現のやり方っていうのが自分たちの中で、やりたいことが突然変わるかもしれない。今までのインディーズでの活動の間でも変わる時は変わっていたと思うので、危機感はずっと持っていてほしいです。 松永 誰もが成長して考え方が変わるように、アーバンギャルドも常に常に変わり続ける。でも、今のこの瞬間は大事にしたい。だから、皆さんもそのバンドが好きだったら好きなうちにCDを買うべきだし、ライブに行くべきですよ。一期一会です。いつその気持ちが変わるか分からないし、いつそのバンドが活動休止しちゃうかもわからないので、そこはけちけちするところじゃないと思います。だからぜひとも会いに行くべきですよ。AKB48みたいに。 ──なるほど。それでは、今後どういう活動をしていきたいと思いますか? 浜崎 もう絶対にありえないイベントとか打ちたいですね(笑)。 松永 西野カナや青山テルマと対バンしたいですね。彼女達のファンのギャルとアーバンギャル(アーバンギャルドのファンのこと)が一緒にいるライブ会場って見たくないですか? 浜崎 それは見たい! 一緒にアンコールで歌ったりして、「なんで一緒にいるんだろう」って(笑)。 ──わはははは! それ、すごく見てみたいです(笑)。そういえば「小悪魔ageha」(インフォレスト)でも、「病特集」とかやってましたよね。 松永 だから、僕らって意外とギャル受けすると思うんですよ。僕らのファンの中にもギャルの子とかもいるし。 浜崎 いるいる。ギャルの子も意外と手首を切ってますからね(笑)。 ──いや~。本当にそんなイベントが実現したら、絶対に見に行きます(笑)。では最後にサイゾー読者に向けてのコメントをお願いします。 浜崎 我々みたいな人間がメジャーシーンに行こうとしているので、その姿を見ながら私達を笑ってくれてもいいし、勇気づけられてもいいですよ。 ──ありがとうございました! (取材・文=有田シュン) ※1 セルジュ・ゲンズブール 1960年代後半から1970年代にかけてフランスのポピュラー音楽において中心的役割を果たしたミュージシャン。『夢見るシャンソン人形』をはじめ、数え切れないほど女性アーティストに楽曲を提供した。 ※2 フランス・ギャル 1960年代中期にフランス本国のみならず、日本でも『夢見るフランス人形』で大ブレイクした歌手。 ●アーバンギャルド 21世紀東京生まれの「トラウマテクノポップ」バンド。狂った電子音に濃厚なアンサンブル、女性・男性ツインボーカルがはじける唯一無二のサウンド病的にポップ。痛いほどガーリー。童貞処女、オタク、サブカルチャーといったマイノリティへの愛と叱咤激励を込めた詞は現代日本の病理とシンクロし、ネットを中心に熱狂的なファンを生んでいる。 <http://urbangarde.net/
スカート革命 7月20日発売。 amazon_associate_logo.jpg
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異色作を連発する天願大介監督が語る疑似共同体"デンデラ"とは何か?

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女性高齢者たち50人のサバイバル映画
『デンデラ』を撮り上げた天願大介監督。
 "うばすて山"伝説を題材にした今村昌平監督の『楢山節考』(83)はカンヌ映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞した日本映画史に残る記念碑的作品だ。だが、もし山奥に棄てられた高齢者たちがその後も生きていたら? 女性だけのコミュニティーを築いていたら? そして自分たちを棄てた村への復讐を考えていたら? 天願大介監督の新作『デンデラ』は、そんな奇抜な物語が展開される高齢者サバイバル活劇なのだ。天願監督といえば、今村監督の子息であり、障害者プロレスの活動を追ったドキュメンタリー『無敵のハンディキャップ』(91)、エロスとユーモアを交えた大人のファンタジー『世界で一番美しい夜』(07)など独創的な作品を次々と発表している要注意人物。また、三池崇史監督の代表作『オーディション』(00)、『インプリント ぼっけえ、きょうてえ』(05)、『十三人の刺客』(10)の脚本家としても知られる。天願監督が描こうとした"デンデラ"とは何か? さらには三池監督とのコラボレーション、父・今村昌平像についても語ってもらった。 ――奇抜な設定の原作小説を、よくぞベテラン女優たちをそろえて実写映画化しましたね。どのような形でオファーがあったんでしょうか? 天願大介監督(以下、天願) 「こんな原作があるけど、読んでみない?」と佐藤友哉さんの小説『デンデラ』を渡されたんです。読み始めると『楢山節考』を彷彿させる内容で、「あぁ、それでオレのところに話が来たのか」と分かりました(笑)。でも、読み進むと、『楢山節考』とは全然違う物語だったので、父の作品のことは意識しませんでしたね。それよりも、ベテランの女優さんたちを使って、今どきこういう企画の映画が撮れることが面白いと思い、受けたんです。 ――村の高齢者たちが棄てられる"お山"はいろんなメタファーに解釈できますね。何でも使い捨てされる消費社会の象徴でもあるし、中身のある企画でもポイ捨てしてしまう現在の映画業界のようでもある。天願監督にとって越えなくてはいけない"世界的な巨匠"今村昌平という大きな山のようにも思えます。
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浅丘ルリ子、草笛光子、倍賞美津子、山本陽子
ら大ベテラン女優たちが襲いかかる!
(c)2011「デンデラ」製作委員会
天願 オヤジは病院で死んだんで、ボクが担いで山に棄てに行ったわけじゃないですよ(笑)。まぁ、メタファーは観た人によってそれぞれですから、どう解釈しても間違いじゃないですけど。でも、使い捨てといっても、この作品で棄てられるのは物ではなく命です。オヤジが『楢山節考』を撮った頃から、すでに老人問題はありました。戦争が終わって、高度経済成長があって、昔からの共同体は破壊され、お年寄りは大切にされなくなった。『デンデラ』は生きること、命がテーマなんです。 ――お山で死ねば極楽浄土に行けると信じていたカユ(浅丘ルリ子)が、お山で死んだはずのメイ(草笛光子)たちが築いた"デンデラ"で生きる意味を改めて知る物語。宗教が形骸化した現代社会にマッチした作品でもありますね。 天願 日本は葬式仏教。人が死んだときに稼ぐようになっていて、本来の宗教の在り方とは違ったものになっています。本来、葬式はオマケですよ。いかに生きるかが宗教の本来のテーマ。もちろん、このことに気づいて活動している一部の若い宗教家はいます。でも、他国に比べ、日本は宗教の形骸化、世俗化が著しいのは確かでしょうね。まぁ、『デンデラ』の中で村人たちが信じている宗教は形骸化されたものというよりは、村の機能を維持していくために必要なものとして存在しています。お山で成仏すれば極楽浄土に行けるというね。お山に棄てられる本人たちも、そのように考えたほうが楽なわけです。でも、実際にお山に棄てられてみて、それがウソだと分かる。じゃあ、そこからどうするか? それがこの物語です。 ――100歳になるメイが山奥に作り上げた女性高齢者だけの集落"デンデラ"ですが、『地獄の黙示録』(79)を連想しました。 天願 『地獄の黙示録』はウィラード大尉(マーティン・シーン)が王国を築いたカーツ大佐(マーロン・ブランド)を捜す物語。『デンデラ』ではカユとメイは序盤ですぐに会うことになるので物語としては違いますね。フランシス・フォード・コッポラ監督作品でいえば、どちらかと言うと『ゴッドファーザーPARTll』(74)でしょう。マフィア王国を築くドン・コルネオーネ(ロバート・デ・ニーロ)の過去の物語とその王国を守ることになるマイケル(アル・パチーノ)の現在の物語が交互に存在するという点でね。
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70歳になり村から棄てられたカユ(浅丘ルリ
子)だが、デンデラでは一番の若者。野生熊
との肉弾戦の最前線に立つ。
――さすが日本映画大学で教壇に立つだけに、物語構造の明快な解説です。撮影現場はどうだったんでしょうか。浅丘ルリ子、倍賞美津子、山本陽子、草笛光子ら錚々たるベテラン女優たちが集結した山形県庄内地方のロケ地は、48年ぶりの大豪雪に見舞われたと聞いています。 天願 女優さんたちに関してまったく問題ありませんでした。ボクのことを信頼してくれたというのもあるんでしょうが、やっぱり浅丘ルリ子さんが座長なわけです。浅丘さんは演じることに集中して、弱音を吐かず、まったくブレることなくやり通してくれました。他のみなさんも、そんな浅丘さんの姿勢に影響されるわけです。確かに寒さと豪雪には苦労しました。でも、映画としてはキツいほうがいいんですよ(笑)。すごい豪雪の中で芝居をしているので、小手先の芝居、その場凌ぎの芝居では済まないんです。逆にいえば、雪が吹雪く中に立っていることだけで表現になる。この人物はなんでここにいるのか、どうやって今まで生き延びてきたのかと。下手をするとデンデラはユートピアかファンタジーの世界に見えてしまいますから、今回は厳しい自然現象に遭遇したことが良かったと思います。もちろん制作部には、役の大きさに関係なく女優さんたちの防寒に気を遣うように言いました。ガンガン(一斗缶の空き缶)を焚いたりしてましたが、あれだけのキャリアを持つ大女優たちに対してケアしていないのと同然でしょうね(笑)。でもね、深夜、血も凍るような寒さの中で照明だけは灯されていて、雪が降ってくる。その様子がとても幻想的なんです。女優のみなさん、竪穴式住居のセットから出てきて「まぁ、なんて奇麗なんでしょう!」と喜んでました。あんまり寒すぎて感覚が麻痺してたのかも知れませんね(笑)。 ――どんな境遇でも、美しいものを求める。みなさん根っから女優なんですね。デンデラはユートピアではないとのことですが、村にはない自由があるコミュニティーではありますよね? 天願 でも、自由ということは両面あるわけですよ。何をしても咎められないけれど、すべて自分で考えて、自分で行動しなくてはいけない。村では男たちが威張っていたけど、黙って従っていたほうが楽だし、衣食住が保証されていたわけです。その村から70歳になったカユは棄てられてしまったので、メイが築いたデンデラで生きていくしかなくなった。デンデラは村と違って掟がなくて楽ですが、大変なこともいっぱいある。デンデラという疑似共同体では強くないと生きていけない、生活を楽しむことができないんです。原作を脚本に直しながら、また撮影しながらデンデラと村はどう違うかと考えた際に、デンデラではひとり一人が個人であるということに気づきました。村では責任はないけれど、自由もなかった。でも村から棄てられ、すべて自分で考えて生きていかなくてはいけなくなった。それはどういうことかいうと、"あなたはあなたである""あなたはひとりの人間である"ということです。でも、やっぱり、個であることはキツいですよ。共同体の中で無責任に発言してるほうが楽です。
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100歳になるメイ(草笛光子)。村へ復讐心から
デンデラをひとりで築き上げた。ついに村の
襲撃を決意する。
――村に復讐するためにメイが30年がかりで築いたデンデラですが、そのデンデラを原作で用意された以上の大自然の驚異が襲い掛かります。 天願 いくら人間が頑張っても、必ずしも報われるとは限りません。人間がいくらこうしたいと願っても、運命が邪魔をすることがあります。東日本を襲った震災もそうですが、唐突に乱暴な力が人間に襲い掛かるわけです。そんな状況に遭遇したら、どう抵抗するのか? 逃げるのか? それとも黙ってやり過ごすのか? 過酷な運命に遭遇した際、おばあさんたちの生き方が試されるわけです。相手は大自然だから聞く耳は持っていないけれど、メイやマサリ(倍賞美津子)はそれでも自分の意志を主張する。ヒカリ(山本陽子)も自分の意志で行動する。誰が見てるわけでも、誉めてくれるわけでもない。自分のやりたいことをやるという人生を選択した人たちの物語を、自分は描きたかったように思いますね。 ■三池監督とは"共犯関係"。相乗効果でとんでもない作品に ――三池監督の『十三人の刺客』でも十三人目の刺客・小弥太(伊勢谷友介)は、オリジナル版とは違う"山の民"という設定にしていますね。 天願 『十三人の刺客』は、それこそ『地獄の黙示録』的なイメージを最初は考えていました。刺客たちは山奥をさまよってから決戦の場に辿り着くというイメージですね。でも、山の中のエピソードばかり盛り込むわけにはいかないので、やめましたけど(苦笑)。山の民を出したのは、侍とは違う理屈で生きている人を出したかったんです。村に対してデンデラがあるように、ひとつの世界で通用した常識がその世界からこぼれ落ちた瞬間から通用しなくなるということです。米国の常識がアルカイダでは通用しないように。自分と相手は違うんだと認めない限り、コミュニケーションは成り立たないわけです。『十三人の刺客』で描いた"山の民"は実際にそれに近い生活をしていた人たちがいたと言われています。山の民から見れば、徳川幕府がどうなろうとまったく関係のないこと。身分制度に囚われないキャラクターがあの作品には必要でした。 ――せっかくなので、三池監督とのコラボレーションについても聞かせてください。『オーディション』『インプリント』『十三人の刺客』と、三池監督作品の中でも海外で人気の高い代表作3本の脚本を手掛けていますね。
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新潮社の『女優』シリーズのインタビュ
アーとしても知られる天願大介監督。
トークの中に自身が考える物づくりの
姿勢が浮かぶ。
天願 三池さんとは『オーディション』からの付き合いですね。実現したのは、その3本。実現しなかった企画もあります。基本的に三池監督はボクのことを信頼してくれていて、注文を付けられることはあまりないですね。最初に「こんな感じ?」みたいな大ざっぱな雑談だけして、「あとはよろしく」と(笑)。で、ボクが書き上げた脚本は、ほぼ忠実に撮ってくれています。その意味では、ボクの責任はすごく重大なんです(笑)。 ――三池監督とは表現者として共鳴し合う部分がある? 天願 相性がいいってことと、同世代だってことでしょうね。ボクとは映画製作のスタンスは全然違うけれど、応援したくなるスタンスなんですよ、三池監督は。三池監督もボクも、それぞれがそれぞれの戦いをしている。お互いに"個"ですから、それぞれが"個"として戦えばいい。で、「ちょっと助けてよ」と声を掛けられれば、助けにいく。助けにいくといったら失礼かな、手伝いにいくって感じですね。特に三池監督の作品ということを意識して『十三人の刺客』では稲垣吾郎くんを暴君にしたり、両手両足のない女性を出したわけではないですね。でも、山田洋次監督に頼まれていたら、出してなかったでしょう。ボクにも良識はあるんですよ(笑)。まぁ、三池監督とは一種の"共犯関係"でしょうね。ボクが脚本に書いたことを一切ブレーキをかけずに映像にするのが三池さん。なので下手なものを脚本に書くと、大変なことになってしまう。相乗効果でどこまで行ってしまうか分からない(苦笑)。脚本はとても慎重に書いていますよ。 ――『無敵のハンディキャップ』以来、天願監督作品は障害を持つ主人公が多い。身体性を主題にしているという点でも、三池監督とは共通しますね。 天願 ボクの場合は、身体性へのこだわりというより興味ですね。俳優は基本的に肉体を使って表現するので、当然ですが人間の体がどのように動くかを考えて、その中からベストの状態を選ぶのが演出であり、それを探っていく作業でもあるんです。まぁ『オーディション』の後半はかなり無茶な脚色をしていますが、原作者の村上龍さんも人間の身体にこだわっている作家ですし、三池監督のアクションシーンにもその傾向は感じられます。『オーディション』は当時、Jホラーブームだったんで、「幽霊を出すのも、ちょっとねぇ」ってことで、ああなったんです。三池作品でボクが脚本を手掛けたものはどれも残酷表現が多く、血が吹き出しますが、たまたまですよ(笑)。ボク自身ハードな作品を撮るのはやぶさかではないんですが、自分が監督するときはユーモアをちょっと入れたいな、救いがあったほうがいいなと考えるんです。ボクは自分が観てみたいものを撮っているだけなんです。最初から分かっているものより、分からないものを撮っているほうが面白いと思う。そうやって『世界で一番美しい夜』を撮って、「あぁ、これで当分は仕事ないな」と思っていたんですけどね(苦笑)。そこで来たのが『デンデラ』です(笑)。 ――今村監督が創設した横浜放送映画専門学院(現:日本映画大学)を三池監督は卒業。天願監督も三池監督も今村監督の映画的遺伝子の継承者であるように感じます。 天願 ボク自身はオヤジの作品の脚本を書いていますが、オヤジの撮影現場でのスタッフは経験していません。これは私見ですが、オヤジの作品にはいろんな監督たちが助監督として就いたんですが、その中で三池監督が一番うまく距離を保って、いい部分を盗んでいったように思います(※三池監督は87年の『女衒』、89年の『黒い雨』に助監督として参加)。そこは三池監督ならではの運動神経、反射神経の良さでしょう。やっぱり、うまく距離を置かないと見えてこないものがあります。中へ入りすぎると、愛憎が強まりすぎる。"毒"を浴びてしまうわけです。オヤジだけでなく、黒澤明監督でも他の監督でも強い人間には毒があります。毒との距離の取り方が、三池監督はうまかった。 ――そんな天願監督も、今村監督の"毒"を受け継いでいるように思います。 天願 いやいや、ボクは良識の人間ですよ(笑)。たまにはハートウォーミングな作品もやってみたいんですけどねぇ、なかなか分かってもらえない(苦笑)。まぁ、『デンデラ』をひとつよろしくお願いしますよ。 (取材・文=長野辰次) 『デンデラ』 原作/佐藤友哉 監督・脚本/天願大介 出演/浅丘ルリ子、倍賞美津子、山本陽子、草笛光子、山口果林、白川和子、山口美也子、角替和枝、田根楽子、赤座美代子 配給/東映 6月25日(土)より全国公開 料金/1000円均一 <http://dendera.jp> ●てんがん・だいすけ 1959年東京都生まれ。琉球大学卒業後、新潮社に入社。新潮社在籍中に林海象プロデュースによる『アジアン・ビート(日本編)アイ・ラブ・ニッポン』(91)で長編監督デビュー。その後フリーとなり、障害者プロレスを追ったドキュメンタリー映画『無敵のハンディキャップ』(93)が大きな反響を呼ぶ。合気柔術に魅せられた中途障害者の青春映画『AIKI』(02)、田中麗奈が視覚障害者を演じたサスペンス『暗いところで待ち合わせ』(06)、エロティックなファンタジーコメディ『世界で一番美しい夜』(07)と問題作、話題作を次々と発表している。父・今村昌平監督の『うなぎ』(97)、『カンゾー先生』(98)、『赤い橋の下のぬるい水』(01)の脚本も手掛けている。三池崇史監督作品の中でも海外で評価の高い『オーディション』(00)、『インプリント ぼっけえ、きょうてえ』(05)、『十三人の刺客』(10)に脚本提供していることでも有名。現在、今村監督が創設した日本映画大学(旧:日本映画学校)で学科長を務めている。
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「わたしなりの『情熱大陸』です!」鳥居みゆきが微笑みの国・タイで大暴れ!!

torii0617main.jpg  カルト芸人というイメージの強い鳥居みゆきだが、最近のテレビでの活動を見るに、わりとお茶の間対応した芸風になってきてるのかな......と思っていた。しかし鳥居みゆきは、まだまだどーかしていたのだ!  人生初となる海外ロケを敢行したDVD『世界鳥居紀(奇)行 IN タイ』。鳥居みゆきがタイを旅して魅力を伝えるポップなDVDなのかと思いきや、そこには異国の地で奇行を繰り広げまくる鳥居の姿が。  旅行番組のフォーマットを踏襲しようとしつつも、まったく成り立っていないシュールな映像が詰め込まれたDVDについて何を聞いたもんやらと、困惑したままインタビューに向かったのだが......。 ――今回のDVD『世界鳥居奇行 IN タイ』は本編が3分、映像特典が69分というすごく変な構成で、見はじめたらすぐに本編が終わっちゃったんでビックリしましたよ。 「あー、それはデッキが壊れてたんじゃないですか」 ――いや、壊れてないですけどね。 torii0617sub01.jpg 「私んちのデッキも壊れてたんですよ。事務所から『チェックしといて』って渡されたサンプルDVD見ようと思ったら『ぷっすま』がはじまって......。髭男爵さんが変な特技をやってエライ空気になってるのをひとりで見ちゃいましたよ」 ――それは何かが根本的に間違ってますね。 「そしたら事務所の人が『違うの渡しちゃったよー』って。でも、このDVD(『世界鳥居奇行』)は、ジャッキー・チェンなんですよ! ジャッキーの映画って最後にNG集が入ってくるじゃないですか。『それだ!』と思って」 ――別にジャッキー映画もNG集が69分あるわけじゃないですよ。 「だから、逆ジャッキー・チェンです。ユン・ピョウだ!」 ――タイに行くことになったのは鳥居さんの希望だったんでしょうか。 「私はパリに行くと思ってたんですけど......。エッフェル塔の前でフランスパンとオレンジを持って、パリジェンヌになりたかったんですよ。ナイススティックも好きだからフランスパンじゃなくてもいいんですけど」 ――その企画、ワンカット撮って終わりですよ。 「それをやろうと思ってたのに、着いてみたらタイだったんでチョー腹が立って! しかも、お札がくさいし」 ――ところで鳥居さんは今回が初海外だったそうですが、飛行機とかは大丈夫なんですか? 「昔は好きじゃなくて。危ない......危ないから......。すごくおっかないです! だって、飛行機って全員が『浮く』って思わない限り浮かないじゃないですか。乗ってる人がひとりでも『落ちる』って思ったら、落ちるから」 ――だとしたら、鳥居さんと一緒には乗りたくないですね。 torii0617sub02.jpg 「私なんかずっと『みんな頑張ってくれ!』ってお祈りしてましたから。飛行機にはじめて乗ったのも20歳を超えてからですもん。それまではおっかないから全部フェリー移動で」 ――フェリーだって沈む時は沈みますよ。 「またまたー、フェリーは沈まないよー! うふふふふ。だから遠くに行くのは全部フェリー」 ――目的地が内陸だったらどうするんですか。 「そういうところは行かない」 ――はじめて行った海外の印象はどうでしたか。 「トイレが汚い!」 ――ああ、タイのトイレってトイレットペーパーないですもんね。 「だからお尻とか水で洗うの。ホースでジャーッてするパターンと、桶でバシャバシャかけるパターンがあるんですけど、どっちにしろ便器がベッチョベチョになっちゃってるから。そんな便器に自分のお尻つけたくないじゃないですか。スタッフの人たちもみんな、腰をちょっと浮かせてするのが大変だって言ってたんで、私も『イヤだなー』って思いながらトイレに行ったら全然大変じゃなかったの。私、日本でもちょっと浮かせてウンコしてたみたい」 ――日本のトイレでも汚いからお尻をつけたくないと。 「いや、私の中でその高さまでが便器っていう概念なんでしょうね」 ――タイの虫料理にも挑戦してましたよね。偏食で知られる鳥居さんですけど、大丈夫だったんですか。 「虫はねー、いつも食べてるのよりマズくてねぇ」 ――......何を言ってるんですか。 「え、だって口に入っちゃうじゃないですか、歩いてると。そっちの方が美味しい」 ――ああ、蚊柱的なものが。 「あとはご飯の上に虫が乗ってたりすると、チャレンジするんですよ。『お皿から口まで運ぶ間に逃げられるかな?』って。でも、わりと逃げないんでそのまま食べ ちゃうの、美味しいから。タイの虫は食べやすくしてるんでちょっと......」 ――タイで売られている虫は調理してありますからね。 「だから虫のブチュッていういい食感が全然なくて。味も薄味だし。......そういえば、カールにも薄味ってありますよね。アレ、なんで薄味なんかにしちゃってるんですかね。濃い方がいいのに、へんなのー」 ――それは明治製菓に聞いて下さい。 「んふー!」 ――DVDの中でワニ園に行ってましたけど、あそこは楽しかったんじゃないですか。ワニ釣ったりとかして。 「全然面白くない! ワニの口を開いてパフォーマーのおっさんが頭入れたり腕入れたりして『どうよ?』みたいな、しょーもない茶番をやってるんですよ。ワニとコントみたいなことをやったりもするんですけど、お客さんからお金が投げ入れられたらコントを中断して拾いに行くんですよ。コントなんてどうでもいいの、銭ゲバ! あとは、ワニの口開いて『ワニ皮の財布ですよー』みたいなことをしてお金入れてもらったり......ホント面白いですよねぇー」 ――さっき面白くないって言ってたじゃないですか。 「ある意味、面白い! 歴代のワニ・パフォーマーの人たちの写真が飾ってあったんですけど、もうボロボロになったおじいちゃんがポーズ決めて写ってて、それが面白くって......。絶対みんな死んでるんですよ」 ――全員ワニに食われてたらイヤですね。 「そんな体はって生きてきて、最後は階段から転げ落ちて死亡だったらもっとイヤですけどね!」 ――もうちょっと、タイで楽しかった話を聞きたいんですけが......鳥居さんって濃い顔のおっさん好きじゃないですか。 「えーっそんなことないよ」 ――石原伸晃さんとか好きでしょ。 「伸晃さんは全然濃くないよ!」 ――濃いですよ。じゃあ鳥居さん的に濃い顔っていうのは......。 「ゾマホン!」 ――うん、まあ確かに濃いですけどね。 「あとは、私のチーフ・マネジャーの小林さんっていうのがビッグフットみたいな顔してるから、濃い!」 ――濃い顔が好きだったらタイ人とか好みなのかなと思ったんですが、そうでもなかったんですね。 「タイ人の中では、なよっとしてる人の方が好みだなって思いました。でもそういう人ってみんなゲイなの。それ以外の人はモサッとしてて、汚いし、くさいし! 伸晃さんは小ぎれいじゃないですか。タイの人も、もっと小ぎれいにしてヒゲを濃くしてもらって、国土交通省とかに一回入ってもらったら好きになれますけどね」 ――国土交通省っていうのが重要なんですね......。じゃあタイで一番記憶に残っているところってどこでしたか。 「記憶に残ってるところ......タイじゃなくてもいいですか?」 ――うーんとダメだけど、とりあえず言ってみて下さい。 「記憶に残ってるのは、このあいだ行ったセブンイレブン。そこの店員さんに惚れられて、モテキがいきなり来たんです。煮物を買ったら『これくらいの温度でいいですか?』とか『熱すぎますか?』『かわいい服ですね』とかちょいちょい色目を使ってきて、箸を五本もつけてくれたんですよ」 ――鳥居さんだって気づいてたんですかね。 「気づいてなかったんだけど、変える時に気づいたらしく『はあああーーっ、鳥居さん! すみません、もう一本つけます』って、結局箸を六本ももらいました」 ――タレントパワーは箸一本分だと。 「あ、そうか。どういうことだよー!」 ――DVDのタイトルに「IN タイ」って入ってますが......。 「引退しないですよ! 失礼な」 ――いや、「IN タイ」です。シリーズ化するとして、今後行ってみたい国はありますか。 「続編が出てパリとかに行ってたらDVDが売れたんだろうなーって感じはしますよね。熱海とかになってたら、あんまり売れなかったんだ......って」 ――熱海だったらもはや『世界』じゃないですね。やっぱり行きたいのはパリなんですね。 「いや、タイランド......」 ――タイは行きましたよ、もう。 「あとは、梅毒で亡くなった加藤清正の井戸とか行きたいです」 ――清正の井戸なんて、明治神宮にあるんだから今からでも行けばいいじゃないですか。 「梅毒で亡くなった加藤清正のパワーがもらえるんで。みんな梅毒のパワーを携帯の待ち受けにしてるんでしょ!」 ――はあ......まあ、とにかくDVDが売れてくれればいいと。 「別に売れなくてもいいです。『弾丸トラベラー』(日本テレビ系)とかで海外に連れてってもらえばいいんで」 ――じゃあ最後に、このDVD、何なんだと思って見ればいいのか教えて下さい。 「私なりの『情熱大陸』です!」 ――全編、情熱ゼロな顔してましたよ。 「じゃあもう、全部私が悪いってことでいいです! 是非、劇場版もお楽しみに」 (取材・文=北村ヂン/撮影=尾藤能暢)
『世界鳥居紀(奇)行 IN タイ』 女芸人・鳥居みゆきが、人生初の海外旅行に旅立つ冒険企画。生まれから一度も海外経験のない鳥居が、王宮文化と世界遺産を有する異国の地・タイで、言葉が通じない中での観光名所やグルメ情報のレポートに挑戦。 定価3,990円/絶賛発売中 amazon_associate_logo.jpg
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