「オナネタに困ったら私の番組に来なさいよ!」キムビアンカが"いま舐めたい"AV嬢って?

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 ボンデージに身を包み、人間の愛や性の深い部分を歌うアーティスト・キムビアンカ。4月にリリースしたメジャーデビュー曲「脱ぎなさいよ」(dreamfactor records)のPVが、アーティスト作品としては珍しくYouTube側から18禁規制がかかったほか、昨年、スポーツ紙でバイセクシャルであることをカミングアウトするなど、セックスシンボルとして度々注目を集めてきた。  また、彼女の軽快で姐御的なトークにもファンは多く、現在、DMMライブトークにて自身の番組『男も女もイキなさいよ SEX LESSON』(毎週日曜23時~24時)を配信。豊富な知識と独自のセックス論を武器に、性に前のめりな男女に向けてノンストップのトークを繰り広げている。  そんな彼女に、大好きなAVについて熱く語ってもらった。 ――5月にスタートした『男も女もイキなさいよ』では、毎週AV作品を紹介しているそうですが、女性がAVを解説する番組って珍しいですよね。 キムビアンカ 私、AVがすごく好きで、語り出したら止まらないんですよ(笑)。番組では毎週、独断と偏見で選んだ作品を2本紹介してます。他にも新しいおもちゃや、エロ本を紹介することもありますね。前に「バディ」(テラ出版)っていうゲイ雑誌を紹介したんですけど、ノンケの方にも好評でした。 ――ご自身はどんなエロが好みですか? キムビアンカ 日本女性のしっとり感や、粘膜系のエロスが好きです。以前、番組で「Oh! yes!」的な洋ものAVを紹介したこともあるんですけど、やっぱり日本の独特なエロ文化は面白いですよね。 ――AVはどこにポイントを置いて見ていますか? キムビアンカ シチュエーションだったり、絡み方だったりいろいろあるとは思うんですが、やっぱり女優さんの質は大きいですよね。漂う本気度やスキルが不足してる方だと、見てて飽きちゃったりするんですけど、女優さんにパワーがあるとそれだけで「うわ! かわいい! 私が舐めたいよ~」って思っちゃいます(笑)。 ――一番好きな女優さんは? 110927bt_0012.jpg キムビアンカ 恵比寿マスカッツのRioちん推しです。あのラテン系の釣鐘型のおっぱいと、健康的なところがすごい好き! 絡んでいくうちに化粧が取れたRioちんって、『天空の城ラピュタ』のパズーみたいな、少年か少女か分からない系の美人の魅力があるんですよね。喘ぎ声もアニメボイス系なんですけど、うるさ過ぎなくて好きです。あとは、つぼみちゃんや大沢美加ちゃんも好きです。ああいうロリ系の子の作品って自分からは手に取らないんですけど、オムニバスにたまたま入ってるのを見て「うわ! 何だコレ!」っていきなりハマッちゃったりします。 ――最近見たAVでおすすめの作品はありますか? キムビアンカ 風間ゆみ先輩の『海女 くいこむ褌、ぬめる秘貝』(マドンナ)ですね。海女役のゆみ先輩が日本海のしぶきを受けながらファックするんですけど、岸壁だからすごい大変そうなんですよ(笑)。あんなビッグネームの女優さんが、過酷な状態で一生懸命ファックしてる姿がすごくいいです。 ――(ジャケット画像を見ながら)わー、ジャケットもクオリティー高いですね! キムビアンカ ゆみ先輩のエロ漫画っぽいボディラインは理想的ですよね。ストーリーも本当によくできていてビックリしました。あと峰なゆかさんと西野翔ちゃんのレズビアンもので『美しすぎるレズビアン マ○コがマ○コに恋をする理由(ワケ)』(ムーディーズ)もおすすめです。翔ちゃんがAVの世界の裏側とかをぶっちゃけていて、『情熱大陸』(TBS系)でも見ているみたいなんですよ(笑)。ある意味、波紋を呼びそうな内容なんですけど、これは男性よりも女性に見てもらいたいですね。 ――レズビアンものは、ノンケの女性が見ても楽しめますか? キムビアンカ 内田春菊さんも「女の子はおっぱい好きだよ」って言ってますけど、女の人の頭の中ってどこかバイセクシャルだと思うんですよね。実は女の子もみんな、おっぱいやおまんこに興味あるんですよ。 ――『男も女もイキなさいよ』では、毎週こんな濃い話が聞けるわけですね! キムビアンカ 私自身、AVがすごく好きなので、オナネタに困ったらまず私の番組に来なさいよ! って感じです(笑)。それで、オナニーやセックスについても一緒に考えていけたらいいですね。特に女性に向けて「オナニーは悪いことじゃない」ってことを伝えられたらうれしいです。 110927bt_0020.jpg (取材・文=林タモツ 撮影=尾藤能暢) ●DMM.comライブトーク 生放送で有名人とコミュニケーションできる新感覚エンターテインメント。無料番組も多数あり、旬のアイドルや注目のアーティストとリアルタイムでチャットができる。 『男も女もイキなさいよ SEX LESSON』(毎週日曜23時~24時) アーティスト・キムビアンカが毎週2作のAVを紹介し、男も女もヌケるポイントを分かりやすく解説。またセックスやオナニーについて前のめりにトークしていく。 < http://dbirth.dmm.co.jp/hit.html?ID=io01-1&path=kimbianca/index_html/=/ch_navi=/> ●イベント『真夜中は別の顔×Campy!Bar』 ゲイ&オネエ界のドリフターズこと「Campy!ガールズ」や、ゲストのDJ Tibby[IMALU]、ミラクルひかるなどが登場し、2丁目の一夜を盛り上げる♪ キムビアンカは新曲を披露予定!(10月14日/新宿2丁目「club Arch」「D.N.A」の2会場で同時開催) <http://www.kimbianca.com/live.html >

『鈴木先生』ヒロイン役で話題の美少女「土屋太鳳」が初写真集をリリース!

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『つぼみ1 土屋太鳳」より
 10月13日に発売となる写真集『つぼみ』(マガジンハウス)。今まで写真集を出したことがない気鋭の若手女優やタレントを起用した「"初"写真集シリーズ」の1作目となり、今後もリリースが続く予定だという。  その記念すべき第1弾に選ばれたのは、テレビ東京系ドラマ『鈴木先生』にてヒロインの小川蘇美を演じた、女優の土屋太鳳(16)。作品内で見せたクールな優等生ぶりが話題になった注目の美少女だが、初めての写真集をリリースする今の心境は? 本人を直撃した。 ――完成した写真集をご覧になるのは初めてだそうですね。 土屋太鳳(以下、土屋) はい。これは感動しますね!! 自分はこんな表情をするんだ、と新たな発見もありました。普段友達とプリクラを撮るときは「イエーイ!」って感じなので(笑)。 ――お気に入りの写真はありますか? 土屋 本当に楽しい撮影だったので、どのシーンにも思い出があってなかなか選べないですね。でも、個人的には、奥多摩の川辺で撮った、花火のカットが好きです。実はこれ、日が落ちて暗くなったから、花火を明かりにして撮影しているんですよ。私自身も写真を撮るのが好きなんですが、スタッフさんが思いもよらないアイデアをどんどん出されるので、こんな撮り方もあるのかとすごく勉強になりました。 taotsuchiya02.jpg ――アイデアといえば、今回の写真集にはご本人の提案で自前の衣装も取り入れられているとか。 土屋 はい、自前のジャージを着て走ってます(笑)。実は、私はかなり体育会系なんです。もうすぐマラソン大会があるので、学校でもすごく走っていて、今日も25分間走を2回してきました。走るのは好きなんですけど、どちらかといえば短距離の方が得意で、50メートル走は6秒台の前半くらいなんです。 taotsuchiya03.jpg ――めちゃくちゃ速いですね! テレビや雑誌で見るイメージとちょっと違うかも。 土屋 いつも取材では、無表情というか、自分だけど自分じゃないような感じで撮られることが多いんですけど、完成した写真集を見ると、想像してた以上に素が出ているなって思いました。特にルームウェアでくつろいでいるシーンは、今までで一番自然に笑ってる気がします。今も子どもですけど、本当に小学生みたいな表情をしていて、自分だったら絶対にこの写真は選んでないと思います......(笑)。 taotsuchiya04.jpg ――確かに、シチュエーションごとにいろんな表情で楽しませてくれますね。 土屋 これからいろんな仕事や経験をしていくことで、どんどん表情も増えていくと思うんですけど、今回は16歳なりに一生懸命生きてきた"土屋太鳳"を出せたかなと思います。もしも私がクラスメイトだったら、きっとこんな感じなんだろうなって見てもらえるとうれしいですね。みなさん、ぜひ私とクラスメイトになりましょう(笑)。 ――素敵なお誘いありがとうございます! それでは最後に『つぼみ』の第1弾を飾った感想は? 土屋 こういう機会をいただけて本当に光栄です。今は"つぼみ"でも、いつか咲き続ける花になれるよう、「つぼみ1号」として初心と努力を忘れずにこれからも頑張っていきたいと思います! ●つちや・たお 1995年2月3日、東京都生まれ。05年「スーパー・ヒロイン・オーディション ミス・フェニックス」で審査員特別賞を受賞し、デビュー。主な出演作に、大河ドラマ『龍馬伝』(NHK)、ドラマ『鈴木先生』(テレビ東京)、連続テレビ小説『おひさま』(NHK)、映画『日輪の遺産』など。日々の気持ちを丁寧に綴る話題のブログ<http://ameblo.jp/tao-tsuchiya/>も必見。
つぼみ1 土屋太鳳 大きく花開く前の"つぼみ"を静謐に撮りおろす、初写真集シリーズ『つぼみ』。シリーズ幕開けの第1弾は、女優の土屋太鳳。セーラー服、スクール水着、ワンピース、部屋着など彼女の魅力が満載。プレミア間違いなし、美少女ファン必携の1冊。 撮影/石垣星児(BLOCKBUSTER)発売/マガジンハウス  amazon_associate_logo.jpg
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「複雑な感情を、複雑な感情で演じた」『電人ザボーガー』と俳優・板尾創路の複雑な関係

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「お話をいただいた時は、『僕みたいなおっさんでもヒーロー映画の主役ができるんだ』と思うとうれしかったですね」  "ルミネtheよしもと"の控え室、「吉本新喜劇」の出番を終えた彼は、葉巻たばこをふかしながらこう話した。  1974年から全52話がテレビ放送された『電人ザボーガー』(フジテレビ系)が、36年のときを経て劇場版として蘇る。主役の大門豊を演じるのは、芸人一の演技派と賞される板尾創路。 「コミカルで笑える映画でもあるんですが、そういう要素は作品自体が本来持ってるチープさや、強引な設定などに十分詰まっているので、僕は大門豊として感情移入してマジメに演じました。バイクスタントやワイヤーアクションなど、危険な撮影もできるだけ自分でやりましたよ」   そういえば、伝説のコント番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)でも、板尾は度々ヒーロー役を演じていた。そこには"熱血漢"とは無縁の板尾が演じることで漂う奥深さがあり、そのことは今回の起用理由にも共通しているのだろう。  かといって、『電人ザボーガー』がコントちっくなものかといえば、まったく違う。平和を守るため悪に立ち向かい、全力でキックやパンチを繰り出す板尾の姿は、正真正銘のヒーローであった。 「映画は2部構成になっています。古原靖久くん主演の第1部(青年期)は、36年前のアナログっぽさを残しながら撮られていて、僕が出ている第2部(熟年期)は、CG技術やVFXを駆使して作られている。前作をリスペクトしつつもメリハリが効いていて、すごくバランスがいい作品だと思います」 itao100702.jpg  監督は、『ロボゲイシャ』や『片腕マシンガール』の井口昇。過去の井口作品とはケタ違いの総製作費がかけられており、テレビ版からの大胆かつ繊細な調理も、井口ならではの殊功といえよう。近年、映画監督として活躍する板尾も、そんな井口の世界観を賞賛する一人だ。 「以前から井口監督の作品を見て、『ブレのない監督さんやな』と思ってました。自分のやりたいことを最大限にやって、他に類を見ない"井口ワールド"が成立している。作品は独特ですが、ご本人はとても礼儀正しいマジメな方ですよ」  大門とザボーガーの最後の決戦、悲し過ぎるシチュエーションの中で、"正義感"や"無償の愛"などさまざまな感情がぐちゃぐちゃにもつれ合う。そんな壮絶なシーンを、やはり板尾も複雑な心情で演じていたという。 「いわゆる修羅場のシーンですよね。"正義"を信じながらもいろいろな気持ちが入り混じる大門を、僕もとても複雑な感情で演じました。でもこのときの大門は、特に"愛情"が強かったんやないかな」  「普段の僕は、大門を演じているときと違ってイキイキしてないです」と話すクールな板尾だが、ネット上では、『舞台出演中に、客席で具合の悪くなった人を助けたことがあるらしい』との熱いエピソードがうわさされていた。  これを半信半疑で本人にぶつけてみたところ、「3~4年前だったと思います。僕がルミネで新喜劇に出てる最中、客席で男性が倒れていて、舞台から降りて助けに行きました」と、真実であることが判明した。  そんな元来のヒーロー気質(?)である板尾創路主演『電人ザボーガー』は、10月15日よりロードショー。ザボーガーと犯罪組織Σ団の攻防戦はもちろん、サイボーグと人間の奇妙な性描写にも注目だ。 「『ザボーガー』というヒーローをまったく知らなくても、子どもから大人まで楽しめる作品になっています。ぜひ、家族で映画館に見に来てください」 (取材・文=林タモツ) itao100703.jpg 『電人ザボーガー』 監督・脚本/井口昇 特殊造型・キャラクターデザイン/西村喜廣 アクション監督/カラサワ イサオ VFXスーパーバイザー/鹿角剛司 出演/板尾創路、古原靖久、山崎真美、宮下雄也(RUN&GUN)、佐津川愛美、木下ほうか、渡辺裕之、竹中直人、柄本明  配給/キングレコード、ティ・ジョイ 10月15日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー公開 <http://www.zaborgar.com> (c)2011「電人ザボーガー」フィルム・パートナーズ ●いたお・いつじ 1963年、大阪府出身。吉本総合芸能学院(NSC)4期生。91年より『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)にレギュラー出演し、全国区に。バラエティーやコントだけでなく、俳優としても数々のドラマ・映画に出演している。映画監督として『板尾創路の脱獄王』(2010)、『月光ノ仮面』(12年1月公開予定)。
板尾創路の脱獄王 才能バクハツ。 amazon_associate_logo.jpg
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「ロングヘアーの男としか交際しない!?」【千葉千恵巳】犬1匹ネコ7匹とのおだやかでラジカルな日常

chibachiemi01.jpg  元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとして可愛い声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の14回目です! 今回は、『おジャ魔女どれみ』のどれみ役、千葉千恵巳さんです! ――デビュー20周年おめでとうございます! 16歳のデビューから、人生の半分以上を芸能界で過ごされてるんですね! 千葉 ありがとうございます。そうですね、グラビアからスタートでした。 ――グラビアデビューのきっかけは? 千葉 もともとは舞台がやりたかったんですけど、初めに来た仕事がグラビアでした。当時フリーだったので......。 ――え!? フリーでグラビア!? 危なくないんですか!? 千葉 アハハ、初めはメイクさんも付かない状態で。今の高校生はメイクも当たり前だけど、当時の子はメイクなんてしなかったので、一度本当にすっぴんでグラビアをやったら衝撃的でした、顔色の悪さが、もう......「これはいかん!」と(笑)。 ――昔のグラビアに物憂げな表情が多いのはそのせいですか? 千葉 笑えなかったですよね。まだ若かったというのもあるけど、仕事っていう気持ちが薄くて。それに元々は舞台がやりたかったので、カメラマンさんに「笑って」って言われても「はぁ? なんで?」ってケンカ腰になるくらいとんがってて、本当にロクでもなかった(笑)。 ――カメラマン泣かせ! 写真は慣れましたか? グラビアから声優さんになられたら、雑誌の仕事も多そうです。 千葉 慣れないです、全然ダメ。どうしていいか分からなくなります。基本、"声優=裏方"と思っていたので、本当に表に出るのが嫌で......だからあんまりやってないですね。変なこだわりがあったのかな。 ――でも、どうしてフリーで? 事務所に入らなかったんですか? 千葉 うーん、一応入ってはいたんですけど、そこは舞台をやっていなかったんです。わからないから、手当たり次第で入れるところに入っちゃって......。事務所に入るのってお金がかかるじゃないですか? そういうのがないところを探して入ったら、「あれ? 事務所じゃなくて養成所じゃね?」みたいな。 ――いろいろ間違ってますね! でも、養成所だったらかなりきっちり色々教えてくれそうな......。 千葉 私、わがままなんです。「芝居はやりたい、でもダンスとかはやりたくない」「歌のレッスンは興味あるけど、怖いから行きたくない」そんな感じで。だから、ほとんど行かないで社長に呼び出されて「なんで来ないんだ」って怒られた気がします。それで「つまらない」って言っていたような......。 ――反抗期!? で、でもそれも20年も前のことなんですしね。ちなみに今は? 千葉 だいぶ大人になった気がします(笑)。 ――良かった(笑)! ちなみに、グラビア業界から声優業界に移ったきっかけはあったんでしょうか? 千葉 グラビアやっている時に、東芝EMIさんが作るアイドルグループに声をかけていただいて、なんとなーく「いいよー」って。そこから「芝居やりたい」「声優も興味ある」って言っていたら、東芝EMIの方が紹介してれて。 ――なるほど~。アイドルグループはどうでしたか? 千葉麗子さんがいたグループですよね! 千葉 千葉さんはすぐ辞めちゃったから分からないです(笑)。レコーディングも別だったし、イベントの時しか会わなかったので、本当に話さなかったですね~。グループが3つに分かれていたの、5人しかいないのに......。 chibachiemi02.jpg ――声優さんになるまでかなり胃が痛くなりそうな道のりがあるんですね......。結局、舞台は実現できたんでしょうか? 千葉 舞台は、自分で劇団作って満足しちゃったんです。 ――自分で劇団を!? すごい!! おいくつの時に!? 千葉 19歳で立ち上げて、20代前半くらいまでかな。自分の書いた本をやりたくて、やるには作るしかないじゃないですか? 脚本、演出して、自分も出て......ってやったら満足して、「よし、舞台終了!」みたいな。 ――どんな感じの脚本だったんですか? 千葉 変な感じ? 難しい感じ? みんな読みながら苦戦しているのが分かりました。「分かんないことあったら聞いて」って言っても「全部分かりません」みたいな。私しか分かってない。 ――かなり難解なものを書かれたんですね......。 千葉 劇団員さんも普通に募集して、自分の家の住所とか載せていましたからね。今思うとビックリしますよね(笑)。 ――普通に危なすぎますよ! えっと、近年に話を戻しますが、千葉さんの趣味は人形観察とありますね、人間観察ではなく人形観察なんですか? 千葉 あ、はい。......これを言うと「アホか」って言われるんですけど、決してどの人形でも良いわけではなくて、「この子!」っていうのがあって、そうなると、ずーっと何時間でも見ているんです。手を振ってみたり......。あ、でも人間も見ますよ。人間は苦手ですけど。 ――どうして人間は苦手なんですか? 千葉 面倒くさいからです。いろいろ面倒くさくないですか? ――あ、はい、確かに面倒くさいっす。でも周りに人がいなすぎるのも寂しかったりで......でも、千葉さんのお家には猫ちゃんがいっぱいいて寂しくなさそうですね。 千葉 はい、犬1匹と猫7匹のわんにゃん村です(笑)。どこ見ても視界に猫が入るから、すっごい幸せ! ――羨ましい! 理想の暮らし! 結婚願望なんかは? 千葉 猫いるからそれで良いです。面倒くさいじゃないですか? 本当に面倒くさいのが嫌です。 ――アハハ! Wikipediaに千葉さんは綺麗なロングヘアーの男の人とじゃないと交際しないって記述があったんですが、男性の好みにもけっこうこだわりがあるんでしょうか? 千葉 そんなこと......言った言った(笑)。普通に仕事で会ったりする方はいいんですけど、自分と付き合う人は......ロングじゃなきゃいけないわけじゃないけど、昔、ロングヘアーだった彼がいきなり妖怪みたいな髪形で来た日には、「ええっ!?」みたいな。別れました。 ――え!? それが理由で!? 千葉 もう、すっごいショックで......トラウマです。 ――それでフラれた彼の方がトラウマですよ! 急な変化がダメだったんですか? それとも似合ってなかったんですか? 千葉 両方......。もしかしたら似合ってたのかもしれないけど、ビックリしてダメでした。急だとビックリして別れちゃう。 ――サプライズを企てるとフラれるって、そうとうな難易度ですね......。 千葉 アハハハ。 ――えっと、今年は20周年ということで、イベントをされるんですよね! 千葉 はい、10月8日にライブを。ルンルン(宍戸留美)もゲストで出てくれるんですけど、仕事をはじめて20年の中で、声優としての時間が一番長かったので、その中でも『おジャ魔女どれみ』とか『おかあさんといっしょ』の『ぐーチョコランタン』が長かったので、やっぱりこれを外したら20周年じゃないんじゃないかと思って、そのあたりの音楽を。あと、プライベートでも好きでバンドをやっているので、どっちもやります。すごい豪華です。 ――それはすごい! 是非告知をしていってくださいー! 千葉 あ、前売り、即完でした。当日、グッズのみ買うことができますので、詳しくはブログを見てください。 ――ギャッ、即完!! BOΦWYみたい!! 今日はどうもありがとうございました、今後ともなにとぞ和やかに頑張ってください!! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●ちば・ちえみ 1975年、埼玉県生まれ。16歳でグラビアデビュー、94年に声優に転向し、99年『おジャ魔女どれみ』(テレビ朝日系)の、どれみ役でブレイク。以降、幅広い活動を続けている。 ブログ「千葉千恵巳 オフィシャルブログ」 http://ameblo.jp/chiemi2-25/ 千葉千恵巳 20周年live 2011年10月8日(土) JZ Brat open16時 start17時(150分ステージ・休憩あり) 予約 4200円 当日4700円 ℡ 0357280168(平日15時~21時) http://www.jzbrat.com/ ゲスト  ・川村万梨阿 ・石毛佐和 ・菊地由美  ・MAHO堂  [・ 秋谷智子 ・松岡由貴 ・宍戸留美 ・宮原永海 ] ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 魔性姉妹としてもミュージシャン森若香織と音楽活動開始!! http://www.loft-prj.co.jp/masho/ 7年ぶりのニューアルバム「CHERBOURG→BRIGHTON」発売中!! http://p.tl/rVTY USTREAM音楽番組「宍戸留美×津田大介 Oil in Life」も絶賛放送中!! 公式HP http://rumi-shishido.com/ ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
おジャ魔女どれみ(1) [DVD] 千葉さん&ルンルン共演中。 amazon_associate_logo.jpg
【声優 on FINDER!】バックナンバー 【vol.13】「今がいちばん精神状態が幼いかも(笑)」【吉田仁美】7歳でデビュー、逆行のライク・ア・チャイルド 【vol.12】「目立つの苦手、でもやっぱり歌って踊りたい」【水野愛日】12年ぶりのシングルリリース 【vol.11】「レトロな物が好きなんです」【井上直美】50年前のカブリオレを駆って 【vol.10】「あのころ、ネットがなくて本当によかった」【小明】中2のままのアイドルライフ 【vol.09】「悩んだら、バーッっときてグワーン!」【中川里江】1回泣いて全部忘れるヒロインサイド 【vol.08】「"声優"の仕事の幅広さにびっくり」【稲村優奈】10年に詰まったスクランブルデイズ 【vol.07】「ビキニを着たこともないんです」【蝦名恵】3カ月目のヴァージン・シュート 【vol.06】「生き急いだ分、戻ってやり直しができると思う」【江里夏】10歳で見たデイドリーム 【vol.05】「何でも出来るって、とりあえず言っちゃう」【矢野明日香】360度のワークフィールド 【vol.04】「考えてると、寝ちゃうんです......」【窪田涼子】東経135度のモラトリアム 【vol.03】「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド 【vol.02】「いつもどこかで、なんとかなるさ」【片岡あづさ】22歳のセカンドフェーズ 【vol.01】「Twitter始めるまで、いつも泣いてた」【宍戸留美】20年目のセルフポートレート

戸塚宏校長が唱える"体罰の必要性"28年の封印を解いた『スパルタの海』

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「体罰を復活させれば、日本の教育、そして日本社会は甦る」と説く
戸塚ヨットスクールの戸塚宏校長。
「戸塚ヨットスクールを支援する会」東京事務所にて。
 "封印映画"として有名な作品に『スパルタの海』(83)がある。1980年代にマスコミに大バッシングされた戸塚ヨットスクールを題材にした実録ドラマだ。戸塚宏校長役を伊東四朗が熱演し、非行、不登校、家庭内暴力......といった問題を抱える情緒障害児たちへの戸塚流体罰指導に生々しく迫っている。メガホンをとったのは『伊豆の踊子』(63)、『潮騒』(75)のヒットメーカー・西河克己監督。寮内でスクール生が死亡する事件などを盛り込みながら、スクール生同士の間で恋愛感情が芽生える様子も描かれ、社会派青春映画としての完成度は非常に高い。  配給会社の東宝東和は1983年9月の全国公開を目指していたが、同年6月に戸塚校長、コーチらが監禁・傷害致死の容疑で逮捕される。映画の企画段階からすでに始まっていたスクールへのバッシングは最高潮に達し、東宝東和は公開を断念。以後、長きにわたって『スパルタの海』は伝説の"お蔵入り映画"となっていた。その後、2005年に著作権が東宝東和を離れ一部企画上映などが実現されたが、全国ロードショーが実現するのは今回が初めてであり、実に28年の時を経て"完全解禁"となる。  傷害致死で実刑判決を下された戸塚校長は06年に出所。ヨットスクールの校長に復帰し、今も引きこもりやニートたちの更生に取り組んでいる。『スパルタの海』公開にあたり、戸塚校長その人にご登場願った。戸塚校長は終始微笑みながら、体罰の必要性、映画を公開中止に追い込んだマスコミの罪状について語った。 ――映画の中で、スクール生が訓練中にちょっとでも気を抜くと、殴られ、角材で叩かれ、堤防から海へ突き落とされる様子が描かれていますが、これは戸塚ヨットスクールの当時の訓練をリアルに描いたものと思っていいんでしょうか? 戸塚校長(以下、戸塚) そうだねぇ、まぁ、映画ではウルフと呼ばれる主人公がスクールに入ってからもずっと反抗し続けるでしょ。でも、実際はあんなことはなかったわな。暴れるのは最初の1日だけ。言うこと聞かんとボコボコにして、あとはもう猫みたいになっちゃうんですわ。 ――まず、ボコボコですか。 戸塚 えぇ、それがやり方でした。今までそういう目に遭わなかったのがヤツらの不幸なんよ。一度も痛い目に遭ったことがないから、人の言うことを聞かんわけですよ。本当は幼児の頃に味わっておくべきこと。幼児の頃なら、お尻をペシャッと叩く程度でよかった。でも、大きくなったらお尻ペシャくらいじゃ効かん。これ以上やられたら死ぬ、と思わせるくらいボコボコにするんです。今まで10年、15年とず~っとサボり続けてきた連中ですよ。「言うことを聞け」といっても無理なんです。 ――きれいごとでは済まない教育現場の壮絶さは、映画からも伝わりました。 戸塚 でも、そんなふうにやると、「子供たちの自主性や権利を尊重しろ」という人間がすぐ現われる。子供たちの自主性とか権利とか言い出したから、あんな子たちが増えたんやないの? 権利や自由が何かわかってない子供たちに「自由にやりなさい」と教えても、自由気ままに好き放題にやるだけ。問題に立ち向かって乗り越えることができなくなってしまう。逃げ出してしまうようになる。マスコミが「逃げろ、逃げろ」とか無責任に後押しするから調子づく。いちばん無責任なのはマスコミやない?
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西河克己監督、伊東四朗主演に
よる映画『スパルタの海』。西河
監督は自身の息子の不登校に悩み、
またその息子を交通事故で亡くし
た直後に製作に臨んだ。
――はい、マスコミの言っていることを鵜呑みにすると、間違いなく大変な目に遭います(苦笑)。 戸塚 まぁ、マスコミもそうだけど、学者も知恵遅れなんじゃないかと思うくらい、物がわかっとらん。特に彼らのいう精神論は間違いだらけ。日本人は欧米人のいう精神論を戦後押し付けられたわけやね。本当は日本が独立したときに正さなくてはいかんかった。欧米人の言ってることが正しいかどうか検証もせんと、欧米人が言うことやから正しいとしてしまった。「叱るよりも褒めろ」という教育方法も米国人のマネやからね。 ――叱るより褒めるほうが楽ですしね。 戸塚 そうやろ。これだけ今の日本の教育は荒廃しとるのに、それでも学者たちはまだわかっとらん。マスコミも学者も、自分で考えることのできん、ただの偏差値秀才ばっかりよ。そいつらが日本をリードしとる。特にマスコミの愚劣さは信じられんほど。自分たちのことをエラいと思っとる。バカは自分のことをバカとわかっとらんヤツのことを言うんよね。バカと言われて、すぐ怒るのが本当のバカ。マスコミは"権利"の意味もわかっとらん。権利の意味、わかる? ――戸塚校長は著書『教育再生!』(ミリオン出版)の中で、『rightは「権利」と和訳されているが、これは誤訳』と指摘されていますね。「right」は与えられる「権利」ではなく、手に入れる「資格」と訳するのが妥当だと。 戸塚 うん、それなのに、日本人は「right=権利」だとずっと思ってきた。マスコミは「権利とは何か」もわからないまま、「権利を守れ」と言い続けてきた。偏差値秀才やから、習ったことは全部正しいと思っとる。なぜなら、欧米人が言ったことだからと。やっぱり、マスコミがいちばん悪いんやないの? ――『二百三高地』(80)、『大日本帝国』(82)などの実録戦争映画で知られる天尾完治プロデューサーから『スパルタの海』の映画化の申し込みがあった際はどうだったんでしょうか? 映画もマスメディアになりますが......。 戸塚 結構なことよ。良きにつけ悪しきにつけ、どんどんマスコミに報道させたほうがいい。そうすれば、どんなに頭の悪いマスコミの人間も少しは考えるようになるやろ。もう30年近くも前のことになるけど、あのときに日本全体で教育論争になっておけば、変なヤツはその後は生まれんかったはずよ。 ――それが、論争にはならず、一方的なバッシングになってしまった。戸塚式教育論が間違いなら、どういう教育システムを新たに作らなくてはいけないかという方向には行かなかった。 戸塚 バッシングの理由が、自分たちと考え方が違う、自分たちが教わったことと違うことは認めないということやったからね。私らをバッシングするだけで、どうしてあんな子たち(情緒障害児)ができたのかには話が進まんかった。マスコミはスクールから逃げ出した子から聞いた話ばかりを取り上げて、私らを悪者にしたんや。自分では何もできず、できないことは社会や他人のせいにするのがあの子たちの特徴やからね。子供たちにも理性があるから殴る必要はないやろうと、マスコミは言うわけや。子供たちには生まれながらに理性が備わっているという考えは、欧米人の考え方。それはなぜかというと、「人間は神が創ったもの」という前提があるから。でも、欧米人は本気で「人間は神が創った」なんて信じてませんよ。それを日本人はマジメに信じやがったわけや。 ■誤った教師像を広めた人気ドラマの弊害 ――映画『スパルタの海』についてお聞きしたいと思います。伊東四朗さんが戸塚校長に成り切った熱演ぶりを見せています。伊東四朗さんは特別に役づくりのためにスクールを訪ねたなどあったんでしょうか? 戸塚 いや、映画のロケ地とスクールの合宿地が同じところやったからね。キャストもスタッフも私らの朝の体操からずっと一緒に過ごしておったようなもんよ。私はスクールの指導があるから、映画の監修はしてません。でも、映画に出ておる役者は、やっぱりみんなプロやね。「あっ、これは誰や」というのが、映画を観たらすぐわかる。伊東さんもそうやね。「あっ、伊東さんがあそこにおるなぁ」と思とったら、ボクのことを観察しとったんやね。ある日、向こうから誰か歩いてきよるなぁと思ったら、歩き方が自分にそっくり。伊東さんやった。スクールのスタッフも間違えるくらいに、伊東さんはそっくりになっとったね。 ――映画の中ではスクール生同士の恋愛も描かれていますが、実際のスクールはどうなんでしょうか? 戸塚 それは、あるやろうねぇ。今は小学生でも恋愛せんとおかしいぐらい思っとるからね。漫画やらマスコミに煽られてね。まぁ、スクール内での恋愛はええことよ。どういう男がモテるのか、わかるわけやからね。うちに来る子たちは自分に妙な自信を持っておるわけよ。「オレはモテるんだ」と。ちょっと女性に優しくされただけで、勘違いする。ヒドいのは精神病院で看護婦に優しくされたことを「自分はモテる」と思い込んどる。入院中の患者からラブレターをもらったとか。叱るより褒めろという教育を受けとるから、すぐに自惚れる。でも、スクールで暮らせば、現実がわかるようになる。男が10人なら、女は1人くらいの割合やから、女にモテる男は1人だけ。そこで初めて現実を知るわけよ。 ――生き抜くための本能をヨットスクールで鍛えれば、当然ながら異性を愛する感情も芽生えてくるんですね。 戸塚 当然やね、それが本能やから。すべてトレーニングよ、トレーニング。 ――映画の中で、卒業生を見送る伊東四朗さんが一瞬だけ淋しそうな表情を浮かべますが、すぐにスクールのスタッフに「オレは感謝されようとは思っとらん」と毒づくシーンが印象的です。戸塚校長の心情を代弁してる?
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引退について問うと、「教育は
名人芸じゃダメ。基本となる精神
論を残しておけば、後は誰でも
できる。体罰のマニュアルだけ、
オレが作っといてやる」と返答。
戸塚 ハハハ、私らは『金八先生』やないぞということです。子供たちのためにやっておるんであって、自分たちのためにやっとるわけやない。卒業生たちが「ありがとうございます」と慕って集まってくるのを教師が期待しとったら、手がにぶるわ。「これ以上叩くと、後から恨まれるからやめとこう」となってしまう。スクールに「将来、教育関係の仕事に就きたいので手伝わせてください」と来るのが多いんよ。じゃあ、やってみなさいと2人くらい子供を任せてみると、甘やかす。「なんで甘やかす?」と聞くと、「ボクは子供たちの喜ぶ顔が見たいんです」と言う。いい加減にせえと。それはお前がうれしいから、やっとるだけやないか。子供の将来のことを考えてやれと。そのためには今、厳しくせないかんのやと。それをマスコミは『金八先生』みたいな無責任なドラマを持ち上げる。先生が生徒によく思われたいと考えるようになったら、も~先生はおしまいよ。子供たちが「先生!」と抱きつく光景みたら、吐き気がするわ。 ■都合の悪いことは報道しないマスコミの身勝手さ ――戸塚校長は最高裁で懲役6年の実刑判決を下され、静岡刑務所で収監生活を送ったわけですが、収監前と出所後でヨットスクールでの指導方法に違いはありますか? 戸塚 体罰をちゃんとしてやれなくなった。ちゃんとした体罰がないので、己を知らない思い上がりや怠け者はすぐふてくされてしまい、さぼるので効果が上がらなくなってきている。 ――現在のスクール生の人数は10人前後。全盛期は100人以上いたそうですが、多すぎたんでしょうか? 戸塚 いや、人数が多いのは問題ではなかった。今のやり方じゃ、採算が成り立たんもん。それなのにマスコミはアホやから、入学金(315万円)が高いとか口出しよる。特に朝日新聞やね。だから、朝日の記者が来たらいつもイジメてやるんよ。「お前、人権の定義を言ってみい」「民主主義の定義はできるか?」とね。「はぁ」「はぁ」と言うだけで答えられんよ。「わからんのやろ?」と言うと「いや、そんなことはない」と認めようとせん。男らしくない。そんな民主主義の定義もできんヤツが、「民主主義を守れ」とか言いよる。 ――今春劇場公開されたドキュメンタリー映画『平成ジレンマ』(東海テレビ制作)では、再開されたヨットスクールに集まる生徒たちの高齢化が進んでいることに触れていました。ニートや引きこもりの高齢化問題を校長はどのように考えていますか? 戸塚 う~ん、ニートの高齢化問題は一体誰が責任をとるの? 朝日新聞が、ニートをみんな雇ったらええんやない? ニートの数は64万人。この国にニートの面倒を看る力はもうないよ。小学校や幼稚園くらいの頃から、厳しく教育せんと効果はないんよ。でも、その小学校の教育もダメになっとる。小学生のときに、論理的能力、人間力、行動力の3つを身に付けさせれば、あとは自分でその能力を出せるようになり、それが社会性、人間性になる。それなのに、その人間性の中でいちばん大事な生命力、生きようとする力が無くなってきとる。それと進歩する力。この2つがないと一生ダメや。死んでもいいと考えとったら、何もできんよ。イジメられて自殺するような子は、みんなで「情けないヤツ」と罵ればいいんよ。 ――自殺する勇気があるなら、イジメに立ち向かえと? 戸塚 いや、勇気もないんよ。死ぬことへの抵抗がなくなっとるんよ。最近は自殺者が増えとるやろ? 精神病の薬を飲んどるヤツは、すぐ自殺する。年間3万人以上が自殺して、その中の7割が精神科から渡された薬を飲んどる。抗うつ剤を飲むと、躁になりかけたときに自殺することがある。精神科を神様みたいに崇めるのは間違い。2年前、(向精神薬を服用していた)うちの女生徒が合宿所の屋上から飛び降り自殺したとき、集まったマスコミに話したんや。「お前らは真犯人が誰か知っとるやろ? でも真犯人が誰かと言うと都合が悪いんやろ? スポンサーやから」と。「だから、オレを犯人にして、スポンサーに褒められたいんやろ?」とね。どっこも、そのことは記事にせんかったよ。 ――真犯人は製薬会社ということですか? 戸塚 うん、それと精神科やね。最近、よく精神科がマスコミに広告を出しよる。危ないと感じ始めとるんやろ。それなのに、マスコミは自分のところの利益が上がることしか考えん。日本はマスコミに潰されるよ。マスコミは精神科医と製薬会社をもっと正しく調べろ。 ――28年の歳月を経て、映画『スパルタの海』が劇場公開される意義をどう感じているのか最後に教えてください。 戸塚 いろんな団体から圧力を掛けられて、映画が上映中止に追い込まれたときに、どうにかしようとするのが民主主義やないの? それが映画を上映中止に追い込んだヤツらが民主主義を名乗っとる。言論の自由、表現の自由とマスコミはいつも言っとったんやないの? それなのに、自分たちがやったらいかんということを自分たちがやっとる。それが日本のマスコミよ。 ――朝日新聞にどのような映画評が載るか楽しみですね。 戸塚 映画評してくれればええけどなぁ。どんなふうに評されても構わんのよ。一方的に偏らなければね。この映画が公開されることで、教育論争が再燃することが望ましいのよ。考え直す、チャンスよ。体罰を禁じたここ数十年の教育は何だったんだと。今の教育の現状をどう打破すればええのか、『スパルタの海』がみんなで論争する起爆剤になればと思うよ。 (取材・文=長野辰次) 『スパルタの海』 原作/上之郷利昭 監督/西河克己 出演/伊東四朗、辻野幸一、平田昭彦、小山明子、横田ひとみ、山本みどり、牟田梯三、原ひさ子 配給/アルバトロス 10月29日(土)より全国順次ロードショー http://spartatraps.blogspot.com ●とつか・ひろし 1940年愛知県出身。名古屋大学工学部在学中にヨット部の主将として活躍し、75年には「太平洋単独横断レース」に優勝。76年に戸塚ヨットスクール開校。当初は将来のヨットマンを育てるためのジュニアスクールだったが、情緒障害児の不登校が治ったことをマスコミが取り上げ、全国から情緒障害児が一斉に集まるようになった。80~82年に訓練生2名が死亡、2名が行方不明となる"戸塚ヨットスクール事件"が起き、「体罰は教育」と主張する戸塚校長をマスコミは叩いた。83年6月に傷害致死の疑いで逮捕。2002年に最高裁から懲役6年の実刑判決が下される。06年に出所。私立の幼稚園、小学校を設立することをライフワークに掲げている。
戸塚ヨットスクールは、いま――現代若者漂流 いま。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 高齢化するニートはどこに行くのか? "戸塚校長"のその後『平成ジレンマ』 『1Q84』のリアルドキュメント版か? コミューン育ちの少女のトラウマ映画『アヒルの子』 "天才"いまおかしんじ監督の最新作はC・ドイル撮影のピンクミュージカル

"天才"いまおかしんじ監督の最新作はC・ドイル撮影のピンクミュージカル

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世界的な名カメラマンであるクリストファー・ドイルと
"ピンク映画界の天才"いまおかしんじ監督が"河童ミュージカル"で
奇跡のコラボレーションを果たした!
(c)2011 KOKUEI/RAPID EYE MOVIES/INTERFILM
 固定観念に縛られないしなやかな発想、名もなき人々の温かみを感じさせるユーモアと心のざわめき、そして死と隣り合わせのエロス......。"ピンク映画界の天才"いまおかしんじ監督作品は何でもない木箱を開けてみたら、実は宝石箱だったと思わせる驚きときらめきが詰まっている。最新作『UNDERWATER LOVE -おんなの河童-』はドイツとの合作であるだけでなく、大胆にもミュージカル仕立て。その上、ウォン・カーウァイ監督作などで知られるクリストファー・ドイルがカメラマンとして参加していることでも話題を呼んでいる。いまおか監督にドイルとのコラボレーション、さらには林由美香が主演した珠玉の名作『たまもの』(04)をはじめとする過去の代表作についても振り返ってもらった。 ――『おんなの河童』はドイツと日本の合作ピンク映画になるわけですが、ドイツでは日本のピンク映画が人気なんでしょうか? いまおかしんじ(いか、いまおか) 人気なのかなぁ、どうなんだろう(笑)。でも、海外の映画祭で日本のピンク映画を特集上映したり、監督を日本から呼ぶのはドイツがいちばん多いように思いますね。ボクがドイツのフランクフルト映画祭に初めて呼ばれて、女池充監督一緒に行ったのが2002年。それから毎年か1年おきくらいで、ピンク映画の監督が日本からドイツの映画祭に呼ばれているんです。ドイツを含めヨーロッパでは日本映画が人気で、その中でもピンク映画は変わったジャンルとして認められているみたいですね。 ――で、ドイツ側のプロデューサーが世界配給を念頭に置いて、クリストファー・ドイルをカメラマンに起用したわけですね。 いまおか そうですね。ボクがホームグランドにしている「国映」でピンク映画を作る場合、だいたい製作費は300~350万円なんですけど、ドイツのプロデューサーのステファン・ホールから「自分も同じくらい出資するから、倍額で作ってよ」と頼まれたんです。ステファンはドイルさんと過去に仕事をしたこともあって、付き合いがあったみたいですね。それで日本での製作はいつも通りに国映で、海外での配給権はステファンが持つという形で企画が進んだんです。
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ピンク映画では珍しいミュージカルであり、
なおかつ人間の女性と河童との恋の行方を
描いたファンタジックなストーリーが展開
される。
――しかし、日本のピンク映画に、ハリウッド作品も手掛けているクリストファー・ドイルが参加するとは驚きです。 いまおか ボクも冗談だと思ってました(笑)。撮影の3日前になって、本当にドイルさんが現われたんで「本人が来たんだ!?」とビックリしました。ステファンもそうだけど、ドイルさんも"ピンク映画"ということに興味があって参加してくれたみたいですね。日本のフツーの低予算映画だったら来てなかったんじゃないかな。ボクの勝手は想像だけど(笑)。変わったものが好きなんじゃないですか。 ――クリストファー・ドイルはどんな方でした? いまおか いやぁ、勝手にゆるい感じの人だろうなぁと思っていたら、会った初日から「この作品のテーマは?」「演出プランは?」と矢継ぎ早に質問されたので焦りました(苦笑)。とりあえず、その日は居酒屋で一緒に飲んで、翌日はロケ地としてボクが考えていた霞ヶ浦や千葉の富津をロケハンして回ったんです。で、撮影の前日に、ドイルさんが泊まっていた京王プラザに呼び出され、撮影プランをダァ~と話し出したんです。「あっ、この人、ちゃんとシナリオを読んでくれてるな」「こっちの演出の狙い、分かってるな」と驚きました。もっとテキトーな人かと思ってたんで(笑) ――やっぱり、世界で活躍するだけのことはあるなと。 いまおか そうそう。低予算なこともちゃんと理解していて、照明はどのくらい準備できるのか確認してたし、移動車がないならスケボーを用意してくれと。ドイルさんスケボーに座って、移動シーンを撮ってました。さすがでしたね。ウォン・カーウァイの作品で、広角の手持ちカメラでパーンするシーンがよくありましたけど、今回の現場でもドイルさんお腹にクッションを巻いて、広角レンズを付けたカメラを持って、くるっと回るんですよ。「あっ、今まで映画で見てきたヤツの本物だ!」と現場で盛り上がりました(笑)。ドイルさんはどんと構えるタイプじゃなくて、思い付きで手持ちカメラで撮りたいところを撮るラフな感じで、面白いし楽しかった。ボクは芝居に関しては自分で演出しますけど、撮り方はカメラマンにいつも任せているので問題なかった。まぁ、演出にまで口を出されるのはちょっと困ったけど(苦笑)。 ――それだけ積極的だったということですか。いまおかワールドとドイルの映像世界が『おんなの河童』として融合したわけですねぇ。 いまおか ドイルさんはもともとは、船乗りなんですよ。その後、ちょっとアシスタントしただけで、すぐカメラマンになった人。異業種的な型にハマらないところが、すごく良かった。前の現場では、朝から飲んで酔っぱらいながら撮っていたら叱られたらしく、「今は現場では飲まないようにしている」と話してましたね。でも、日が暮れてくるとソワソワしてくる。「あ~、飲みたいんだなぁ」と分かった(笑)。なので、ナイトシーンはほぼデイシーンに変えて撮りました。 ――清水崇監督の最新作『ラビット・ホラー3D』(公開中)でもドイルさんは撮影監督を務めていますが、清水監督とドイルさん、かなりぶつかったみたいですね。 いまおか う~ん、ピンク映画って最終的には男女の肉体を撮ればいいけど、ホラー映画は世界観をきっちり撮らなきゃいけないという違いがありますからねぇ。どうしても、カット割りとかで意見がぶつかることがあるんじゃないですか。今回、『おんなの河童』で「空が青いなぁ」というセリフがあるんですが、ドイルさんは空を撮らずに、川の水面に映った青空を撮るんですよ。「さすだなぁ」と感心したんですが、『ラビット・ホラー』でも空を撮るシーンでドイルさんは同じように水面を撮ろうとしたら、「いや、ちゃんと空を撮ってくれ」と言われて衝突したと聞いてます。よくは分からないですけど、3D撮影だと自由に撮れない制約もあるんじゃないかなぁ。 ――世界的名カメラマンのクリストファー・ドイルと松江哲明監督のドキュメンタリー映画『童貞。をプロデュース』(08)で局地的に注目を浴びた"童貞2号"梅澤嘉朗くんが同じ現場を共にするというのも、いまおか監督ならでは!
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ドキュメンタリー映画『童貞。をプロデュー
ス』に"童貞2号"として登場した梅澤嘉朗
が演技初挑戦。童貞の河童役を実にイキイキ
と演じている。
いまおか ドイルさんが撮るんだから、いつもよりちゃんとしたいなぁとは考えるんですけど、どっかで「それは無理」と思う部分もあるわけです(苦笑)。こちらも保守的にならず、攻めていこうと。逆に、ちゃんとしないで行こうと。まぁ、実験といえるのかどうか分かりませんが、「大丈夫かな」と心配になるくらい変わったことに挑みたくなるんです。梅ちゃんはプロの俳優じゃなくて、素人。でも童貞の河童役だし、何となく行けそうかなぁと(笑)。まぁ、いい意味で「うまくテキトーになろう」とは思いましたね。やっぱりピンク映画って、開き直らないとやれないんです。 ――異物をどんどん取り込んでいくのも、いまおかワールドではないでしょうか。 いまおか そうですね、ピンク映画って、そういう伝統があるんです。もちろん毎回、同じ役者を使う監督さんもいますけど、それってボクとしてはあんまり面白く感じられない。誰も知らないような人を連れてきて、芝居をやらせるのって面白いんじゃないかと思うんです。女優もそう。素人の女の子を連れてきて、脱がせちゃう。そういうのが面白いじゃないですかね。そうそう、梅ちゃんはブックオフ巡りが趣味なんだけど、今回も霞ヶ浦でのロケの夜、近くのブックオフまで出掛けて、100円で売ってた『ブエノスアイレス』(97)のパンフを見つけていましたね。ドイルさんにサインをもらおうとしていたので、「100円のシール、剥がさなきゃダメだよ」とか周りに言われてました(笑)。 ■自分にとって大切な人を忘れないために ――今回の『おんなの河童』もそうですが、いまおか作品はコメディ的要素が強い一方、『たまもの』(04)、『島田陽子に逢いたい』(10)、『若きロッテちゃんの悩み』(11)など主人公にとって大事な人を弔う、もしくは主人公自身の生前葬を扱った内容が多いように思います。これは意図的なものですか? いまおか そうですねぇ......、最近は多少意識している部分はありますね。何となくですけど。今回、死神役を演じている脚本家の守屋文雄とシナリオだけ書いて実現しなかった企画に『つちんこ』というのもあるんですけど、これは夫がツチノコに噛まれて死んでしまった奥さんの話。残された奥さんは1年くらいぷらぷらしてるんだけど、もう一度ツチノコを探し出して対決するんです。普通は大切な人が亡くなったら、忘れることで前向きになろうとすると思うんだけど、でもボクの場合は放っておいても忘れてしまうので、忘れないように何かできないかと考えるんです。『つちんこ』だとツチノコ探しが、自分にとっての大切な人のことを思い出す行為なんです。現実の話をすると、すごく仲の良かった友達が5年前くらい前に亡くなったんです。その人のことをネタにして、自分の映画の中に取り入れることで、その人のことを思い出しているように思いますね。 ――『ゴーストキス』(10)を撮るきっかけになった方ですね? いまおか そうそう、だから『おんなの河童』と『ゴーストキス』はストーリーがほとんど同じ(笑)。幽霊が河童になったくらいですね。亡くなった友達は大学時代の先輩だったんだけど、会うと一緒に酒を飲み、風俗へ遊びに行ったりしてたんです。結局、その友達は素人童貞のままでしたね。もし彼が河童になって甦ったら、やっぱり一緒に風俗に行くと思うんですよ(笑)。何となく、そんな感じ。一度死んで甦っても、また一緒に下らないことをやるんだろうなぁと思いますね。その友達も小柄だったので、ちょっと梅ちゃんと被るところがありますね。 ――いまおか監督のデビュー作『彗星まち』(95)は自身の青春を弔うような内容。 いまおか 『彗星まち』を撮る直前に、一緒に暮らしていた恋人と別れたんです。そのまま、それを映画にしたような感じですね。映画を作ることで自分自身を救うというか、気持ちを整理しているのかもしれないですね。でも、あんまり自分自身が体験したことばかり映画にしてると、スケールが小さくなっちゃう。 ――『彗星まち』を撮る前に、神代辰巳監督の遺作『インモラル・淫らな関係』(95)に助監督として就いていますが、そのことも影響あるんでしょうか? いまおか 神代さんは、ボクにとってずっと憧れの監督でした。短い間だったけど神代さんと最後に知り合いになれて、すごくうれしかった。神代さんは『インモラル』の撮影が終わって、ダビングを済ませた直後に亡くなりましたね。
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ヒロイン・明日香(正木佐和)の前に現われ
た河童(梅澤嘉朗)は、高校時代に死んだ
同級生だった。生前、渡せなかった手紙を
手にしていた。
――『インモラル』に主演した柳憂怜さんをインタビューした際、「鼻に酸素チューブを挿してる神代監督が現場で頑張ってる姿を見て、自分もできないなりに何とか頑張ろうと初めて思うようになった」と話してたんです(※記事参照)。 いまおか へぇ~、そうなんだ。確かに神代さん、現場で酸素ボンベを持ち歩いてましたね。神代さん1カットが長いんですけど、長いカットのシーンだと酸素ボンベがピーピーと鳴り出すんですよ。呼吸をしてないと音が鳴るようになっていたんです。カメラが回り出すと、ピーピーって音がする。「すげぇなぁ。撮影に集中して、息しないんだ」と感心しました。ボクも柳さんと同じで、『インモラル』を撮り終わってから、「自分も作品を撮りたい」「監督デビューしたい」と自覚するようになりましたね。何かお返しできないかみたいなことを、神代さんが亡くなった時にスタッフ仲間で話したんです。瀬々敬久監督がボクの直の先輩だったんですけど、「ボクらは映画を撮ることでしか返せない。だから、お前は撮らなくちゃいけないんだよ」と言われたんです。それからですね、マジメに映画に向き合うようになったのは。 ■いまおか監督が手掛けたピンク映画の"たまもの"たち ――いまおか監督の代表作であり、林由美香主演作である『たまもの』についても聞かせてください。現在、『たまもの』が絶賛レンタル中です。林由美香さん演じるヒロインは、ほぼセリフなし。フェデリコ・フェリーニ監督作『道』(54)のジェルソミーナを彷彿させますね。 いまおか レンタル中なのは、平野勝之監督の『監督失格』(公開中)効果なのかな。フェリーニ監督の『道』は好きな映画ですけど、特にジェルソミーナは意識してませんでしたね。林さんをキャスティングする前に、脚本はいくつかのパターンを考えていたんですが、あまりしゃべらせないほうが『たまもの』のヒロインのキャラクターに合うかなと考えたんです。ほとんどしゃべらないから、代わりに何かやろうと考えて、"同録"にしたんです。ピンク映画は基本的にアフレコなんですけどね。それでピンク映画は35ミリだと同録できないので、16ミリで撮ってブローアップしたんです。同録にこだわったのは、ヒロインがしゃべらない分、息づかいとかノイズとか風の音とかをしっかり録りたいと思ったんです。 ――濡れ場は、ピンク映画では珍しい"本番"での撮影。 いまおか 同録でやろうというのとどちらが先のアイデアだったか忘れましたけど、SEXシーンも同録の臨場感をどうすれば出せるかを考えてですね。アダルトビデオは普通に"本番"やってるのに、なんでピンク映画は"前貼り"しなくちゃいけないんだと疑問に思っていた時期でもあったんです。 ――いまおか監督の実験精神と林由美香さんのナイーブな演技がうまく重なり合い、ピンク映画史に残る"たまもの"が生まれたわけですね。 いまおか そうですね。林さんも、あの頃は体調が良かったように思います。 ――愛染恭子さんと共同監督で撮った『白日夢』(09)はどうでした? 現場で愛染さんとかなり火花を散らし合ったと愛染さん本人から聞きました。 いまおか そうかなぁ。男優中心のパートはボク、女優中心のパートは愛染さんと、演出するパートは事前に分けていたんで、ケンカにはならなかったはずなんだけど。 ――ヒロインが死んだ親友を足で蹴って、穴に落とすシーンを、いまおか監督は「それは、やりすぎだ」と止めに入ったと愛染さんが話してました。「いまおかさんはロマンチストなのよ」と笑ってましたよ。 いまおか そんなこともあったかなぁ(苦笑)。でも、愛染さんの演出を近くで見ていて、面白いなぁと思いましたよ。ボクなんかはどうしても演出するときはリアリズムで考えるけど、愛染さんは度胸があるというか、派手なハッタリ感のある演出をするんです。夜の浜辺での主人公たちの絡みのシーンで後ろにかがり火が炊いてあったり、ケレン味がありましたね。リアリズムで考えると変なシーンなんだけど、完成した映画を観ると面白く仕上がっている。映画ってハッタリ感が大事なんだなと改めて思いました。 ――今回の『おんなの河童』はミュージカルですが、『かえるのうた』(05)もミュージカル的要素が効果的に使われていますね。下北沢の街中を歌い踊る、あのフィナーレはどのようにして生まれたんでしょうか? いまおか 最初はミュージカルっぽくする気はなかったんです。中盤で主人公2人が歌って踊るシーンがあるんで、最後にもう一度やるかということを打ち合わせていたら、助監督のアイデアだったのか「じゃあ、最後は全員出しましょう」ということに急になった。それでロケ地が下北沢だったんですが、下北沢の駅前なんて撮影許可降りないから、「じゃあ、ゲリラ撮影だな」「1カット一発撮りだな」となったんです。まぁ、ゲリラ撮影ならではの面白さはあったように思います。
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たそがれの海辺にたたずむ河童と親友の死神
(守屋文雄)。クリストファー・ドイルが
35ミリフィルムで美しく撮り上げている。
――ミュージカルシーンで歌い踊ることで、主人公たちは溜め込んでいた感情を解放させ、自分自身の過去を浄化させているかのようにも感じられますね。ピンク映画って予算も撮影スケジュールもキツいと思うんですが、いまおか監督が撮り続けている理由は何でしょうか? いまおか なんだろうなぁ~。最初にも話したように、今回の『おんなの河童』はピンク映画じゃなかったら、ドイルさんも参加してくれなかっただろうし、ドイツとの合作にもならなかったと思うんです。ボクが助監督になれたのも、ピンク映画じゃなかったらムリだったはず。助監督から3~5年で監督になれるのもピンク映画だから。ピンク映画に救われたという気持ちがありますね。ピンク映画って、敷居が低いんですよ。スタッフもキャストも。そーとーダメなヤツでも、何とかなる世界なんです(笑)。もともと芸能の世界も、河原乞食と呼ばれた人たちから始まった歴史があるわけだし。映画はアートじゃなくて、一種の"見せ物"だとボクは思ってるんです。 ――先輩の瀬々監督は『アントキノイノチ』(11月公開)などメジャー系でも撮っていますが、いまおか監督は......? いまおか いやぁ、ボクの場合はなかなか「ピンクスクール」から卒業できませんね(苦笑)。成績が悪いんで、一般社会に出れずに、もう10年くらい留年し続けたままの状態です。それでも何か変わった企画があると、つい乗っかりたくなるんですよ。『ゴーストキス』『若きロッテちゃん』の"青春Hシリーズ"は1本あたりの製作費50万円ですよ。1週間の撮影中、昼ご飯はノリ弁で夕食は菓子パン1個だけ。若いスタッフなんかノーギャラ同然。みんな、「たくさん現場を経験したい」と口にしながらも、「もっとギャラくれよ」と内心では思っているはず。その「コノ野郎~!」「コン畜生~!」という気持ちをぶつけながら現場に集まっている。ボクたち作る側には、2つの道しかないんです。やるか、やらないか。そのどっちかだけ。それで、もしやるんだったら、後は面白がってやるしかないんです。といっても、やっぱり製作費があまりに安すぎるのは問題ですけどね(苦笑)。 (取材・文=長野辰次) kappa06.jpg 『UNDERWATER LOVE -おんなの河童-』 監督/いまおかしんじ 撮影/クリストファー・ドイル 脚本/いまおかしんじ、守屋文雄 音楽/ステレオ・トータル 出演/正木佐和、梅澤嘉朗、成田愛、吉岡睦雄、守屋文雄、大西裕、佐藤宏  配給/SPOTTED PRODUCTIONS R?15 10月8日(土)よりポレポレ東中野、10月22日(土)より渋谷ユーロスペース、10月下旬よりドイツ6都市ほか全国順次ロードショー <http://uwl-kappa.com> ※10月8日(土)~21日(金)、ポレポレ東中野にて特集上映「いまおかしんじの世界+」開催。『かえるのうた』『ブエノスアイレス』などを連日上映。 ●いまおか・しんじ 1965年大阪府生まれ。横浜市立大学を中退後、ピンク映画の製作会社「獅子プロ」に入社。『彗星まち』(95)で監督デビュー。以後、"ピンク七福神"の筆頭的存在として活躍。『たまもの』(04)はドイツ・ニッポンコネクション、チョンジュ映画祭などに招待され、渋谷ユーロスペースでもレイトショー公開。同年のピンク大賞でベスト1ほか4部門で受賞。続く『かえるのうた』(05)もピンク大賞を受賞。その後も、デヴィッド・リンチ的なシュールな展開を見せる『おじさん天国』(06)、高齢者の性をテーマにした『たそがれ』(08)、愛染恭子と共同監督した『白日夢』(09)、島田陽子が島田陽子本人役で主演した『島田陽子に逢いたい』(10)、キャバ嬢と幽霊になった女子高生との友情を描いた『ゴーストキス』(10)、44歳の素人童貞を主人公にしたロードムービー『若きロッテちゃんの悩み』(11)など数多くの作品を手掛けている。
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"天才"いまおかしんじ監督の最新作はC・ドイル撮影のピンクミュージカル

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世界的な名カメラマンであるクリストファー・ドイルと
"ピンク映画界の天才"いまおかしんじ監督が"河童ミュージカル"で
奇跡のコラボレーションを果たした!
(c)2011 KOKUEI/RAPID EYE MOVIES/INTERFILM
 固定観念に縛られないしなやかな発想、名もなき人々の温かみを感じさせるユーモアと心のざわめき、そして死と隣り合わせのエロス......。"ピンク映画界の天才"いまおかしんじ監督作品は何でもない木箱を開けてみたら、実は宝石箱だったと思わせる驚きときらめきが詰まっている。最新作『UNDERWATER LOVE -おんなの河童-』はドイツとの合作であるだけでなく、大胆にもミュージカル仕立て。その上、ウォン・カーウァイ監督作などで知られるクリストファー・ドイルがカメラマンとして参加していることでも話題を呼んでいる。いまおか監督にドイルとのコラボレーション、さらには林由美香が主演した珠玉の名作『たまもの』(04)をはじめとする過去の代表作についても振り返ってもらった。 ――『おんなの河童』はドイツと日本の合作ピンク映画になるわけですが、ドイツでは日本のピンク映画が人気なんでしょうか? いまおかしんじ(いか、いまおか) 人気なのかなぁ、どうなんだろう(笑)。でも、海外の映画祭で日本のピンク映画を特集上映したり、監督を日本から呼ぶのはドイツがいちばん多いように思いますね。ボクがドイツのフランクフルト映画祭に初めて呼ばれて、女池充監督一緒に行ったのが2002年。それから毎年か1年おきくらいで、ピンク映画の監督が日本からドイツの映画祭に呼ばれているんです。ドイツを含めヨーロッパでは日本映画が人気で、その中でもピンク映画は変わったジャンルとして認められているみたいですね。 ――で、ドイツ側のプロデューサーが世界配給を念頭に置いて、クリストファー・ドイルをカメラマンに起用したわけですね。 いまおか そうですね。ボクがホームグランドにしている「国映」でピンク映画を作る場合、だいたい製作費は300~350万円なんですけど、ドイツのプロデューサーのステファン・ホールから「自分も同じくらい出資するから、倍額で作ってよ」と頼まれたんです。ステファンはドイルさんと過去に仕事をしたこともあって、付き合いがあったみたいですね。それで日本での製作はいつも通りに国映で、海外での配給権はステファンが持つという形で企画が進んだんです。
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ピンク映画では珍しいミュージカルであり、
なおかつ人間の女性と河童との恋の行方を
描いたファンタジックなストーリーが展開
される。
――しかし、日本のピンク映画に、ハリウッド作品も手掛けているクリストファー・ドイルが参加するとは驚きです。 いまおか ボクも冗談だと思ってました(笑)。撮影の3日前になって、本当にドイルさんが現われたんで「本人が来たんだ!?」とビックリしました。ステファンもそうだけど、ドイルさんも"ピンク映画"ということに興味があって参加してくれたみたいですね。日本のフツーの低予算映画だったら来てなかったんじゃないかな。ボクの勝手は想像だけど(笑)。変わったものが好きなんじゃないですか。 ――クリストファー・ドイルはどんな方でした? いまおか いやぁ、勝手にゆるい感じの人だろうなぁと思っていたら、会った初日から「この作品のテーマは?」「演出プランは?」と矢継ぎ早に質問されたので焦りました(苦笑)。とりあえず、その日は居酒屋で一緒に飲んで、翌日はロケ地としてボクが考えていた霞ヶ浦や千葉の富津をロケハンして回ったんです。で、撮影の前日に、ドイルさんが泊まっていた京王プラザに呼び出され、撮影プランをダァ~と話し出したんです。「あっ、この人、ちゃんとシナリオを読んでくれてるな」「こっちの演出の狙い、分かってるな」と驚きました。もっとテキトーな人かと思ってたんで(笑) ――やっぱり、世界で活躍するだけのことはあるなと。 いまおか そうそう。低予算なこともちゃんと理解していて、照明はどのくらい準備できるのか確認してたし、移動車がないならスケボーを用意してくれと。ドイルさんスケボーに座って、移動シーンを撮ってました。さすがでしたね。ウォン・カーウァイの作品で、広角の手持ちカメラでパーンするシーンがよくありましたけど、今回の現場でもドイルさんお腹にクッションを巻いて、広角レンズを付けたカメラを持って、くるっと回るんですよ。「あっ、今まで映画で見てきたヤツの本物だ!」と現場で盛り上がりました(笑)。ドイルさんはどんと構えるタイプじゃなくて、思い付きで手持ちカメラで撮りたいところを撮るラフな感じで、面白いし楽しかった。ボクは芝居に関しては自分で演出しますけど、撮り方はカメラマンにいつも任せているので問題なかった。まぁ、演出にまで口を出されるのはちょっと困ったけど(苦笑)。 ――それだけ積極的だったということですか。いまおかワールドとドイルの映像世界が『おんなの河童』として融合したわけですねぇ。 いまおか ドイルさんはもともとは、船乗りなんですよ。その後、ちょっとアシスタントしただけで、すぐカメラマンになった人。異業種的な型にハマらないところが、すごく良かった。前の現場では、朝から飲んで酔っぱらいながら撮っていたら叱られたらしく、「今は現場では飲まないようにしている」と話してましたね。でも、日が暮れてくるとソワソワしてくる。「あ~、飲みたいんだなぁ」と分かった(笑)。なので、ナイトシーンはほぼデイシーンに変えて撮りました。 ――清水崇監督の最新作『ラビット・ホラー3D』(公開中)でもドイルさんは撮影監督を務めていますが、清水監督とドイルさん、かなりぶつかったみたいですね。 いまおか う~ん、ピンク映画って最終的には男女の肉体を撮ればいいけど、ホラー映画は世界観をきっちり撮らなきゃいけないという違いがありますからねぇ。どうしても、カット割りとかで意見がぶつかることがあるんじゃないですか。今回、『おんなの河童』で「空が青いなぁ」というセリフがあるんですが、ドイルさんは空を撮らずに、川の水面に映った青空を撮るんですよ。「さすだなぁ」と感心したんですが、『ラビット・ホラー』でも空を撮るシーンでドイルさんは同じように水面を撮ろうとしたら、「いや、ちゃんと空を撮ってくれ」と言われて衝突したと聞いてます。よくは分からないですけど、3D撮影だと自由に撮れない制約もあるんじゃないかなぁ。 ――世界的名カメラマンのクリストファー・ドイルと松江哲明監督のドキュメンタリー映画『童貞。をプロデュース』(08)で局地的に注目を浴びた"童貞2号"梅澤嘉朗くんが同じ現場を共にするというのも、いまおか監督ならでは!
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ドキュメンタリー映画『童貞。をプロデュー
ス』に"童貞2号"として登場した梅澤嘉朗
が演技初挑戦。童貞の河童役を実にイキイキ
と演じている。
いまおか ドイルさんが撮るんだから、いつもよりちゃんとしたいなぁとは考えるんですけど、どっかで「それは無理」と思う部分もあるわけです(苦笑)。こちらも保守的にならず、攻めていこうと。逆に、ちゃんとしないで行こうと。まぁ、実験といえるのかどうか分かりませんが、「大丈夫かな」と心配になるくらい変わったことに挑みたくなるんです。梅ちゃんはプロの俳優じゃなくて、素人。でも童貞の河童役だし、何となく行けそうかなぁと(笑)。まぁ、いい意味で「うまくテキトーになろう」とは思いましたね。やっぱりピンク映画って、開き直らないとやれないんです。 ――異物をどんどん取り込んでいくのも、いまおかワールドではないでしょうか。 いまおか そうですね、ピンク映画って、そういう伝統があるんです。もちろん毎回、同じ役者を使う監督さんもいますけど、それってボクとしてはあんまり面白く感じられない。誰も知らないような人を連れてきて、芝居をやらせるのって面白いんじゃないかと思うんです。女優もそう。素人の女の子を連れてきて、脱がせちゃう。そういうのが面白いじゃないですかね。そうそう、梅ちゃんはブックオフ巡りが趣味なんだけど、今回も霞ヶ浦でのロケの夜、近くのブックオフまで出掛けて、100円で売ってた『ブエノスアイレス』(97)のパンフを見つけていましたね。ドイルさんにサインをもらおうとしていたので、「100円のシール、剥がさなきゃダメだよ」とか周りに言われてました(笑)。 ■自分にとって大切な人を忘れないために ――今回の『おんなの河童』もそうですが、いまおか作品はコメディ的要素が強い一方、『たまもの』(04)、『島田陽子に逢いたい』(10)、『若きロッテちゃんの悩み』(11)など主人公にとって大事な人を弔う、もしくは主人公自身の生前葬を扱った内容が多いように思います。これは意図的なものですか? いまおか そうですねぇ......、最近は多少意識している部分はありますね。何となくですけど。今回、死神役を演じている脚本家の守屋文雄とシナリオだけ書いて実現しなかった企画に『つちんこ』というのもあるんですけど、これは夫がツチノコに噛まれて死んでしまった奥さんの話。残された奥さんは1年くらいぷらぷらしてるんだけど、もう一度ツチノコを探し出して対決するんです。普通は大切な人が亡くなったら、忘れることで前向きになろうとすると思うんだけど、でもボクの場合は放っておいても忘れてしまうので、忘れないように何かできないかと考えるんです。『つちんこ』だとツチノコ探しが、自分にとっての大切な人のことを思い出す行為なんです。現実の話をすると、すごく仲の良かった友達が5年前くらい前に亡くなったんです。その人のことをネタにして、自分の映画の中に取り入れることで、その人のことを思い出しているように思いますね。 ――『ゴーストキス』(10)を撮るきっかけになった方ですね? いまおか そうそう、だから『おんなの河童』と『ゴーストキス』はストーリーがほとんど同じ(笑)。幽霊が河童になったくらいですね。亡くなった友達は大学時代の先輩だったんだけど、会うと一緒に酒を飲み、風俗へ遊びに行ったりしてたんです。結局、その友達は素人童貞のままでしたね。もし彼が河童になって甦ったら、やっぱり一緒に風俗に行くと思うんですよ(笑)。何となく、そんな感じ。一度死んで甦っても、また一緒に下らないことをやるんだろうなぁと思いますね。その友達も小柄だったので、ちょっと梅ちゃんと被るところがありますね。 ――いまおか監督のデビュー作『彗星まち』(95)は自身の青春を弔うような内容。 いまおか 『彗星まち』を撮る直前に、一緒に暮らしていた恋人と別れたんです。そのまま、それを映画にしたような感じですね。映画を作ることで自分自身を救うというか、気持ちを整理しているのかもしれないですね。でも、あんまり自分自身が体験したことばかり映画にしてると、スケールが小さくなっちゃう。 ――『彗星まち』を撮る前に、神代辰巳監督の遺作『インモラル・淫らな関係』(95)に助監督として就いていますが、そのことも影響あるんでしょうか? いまおか 神代さんは、ボクにとってずっと憧れの監督でした。短い間だったけど神代さんと最後に知り合いになれて、すごくうれしかった。神代さんは『インモラル』の撮影が終わって、ダビングを済ませた直後に亡くなりましたね。
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ヒロイン・明日香(正木佐和)の前に現われ
た河童(梅澤嘉朗)は、高校時代に死んだ
同級生だった。生前、渡せなかった手紙を
手にしていた。
――『インモラル』に主演した柳憂怜さんをインタビューした際、「鼻に酸素チューブを挿してる神代監督が現場で頑張ってる姿を見て、自分もできないなりに何とか頑張ろうと初めて思うようになった」と話してたんです(※記事参照)。 いまおか へぇ~、そうなんだ。確かに神代さん、現場で酸素ボンベを持ち歩いてましたね。神代さん1カットが長いんですけど、長いカットのシーンだと酸素ボンベがピーピーと鳴り出すんですよ。呼吸をしてないと音が鳴るようになっていたんです。カメラが回り出すと、ピーピーって音がする。「すげぇなぁ。撮影に集中して、息しないんだ」と感心しました。ボクも柳さんと同じで、『インモラル』を撮り終わってから、「自分も作品を撮りたい」「監督デビューしたい」と自覚するようになりましたね。何かお返しできないかみたいなことを、神代さんが亡くなった時にスタッフ仲間で話したんです。瀬々敬久監督がボクの直の先輩だったんですけど、「ボクらは映画を撮ることでしか返せない。だから、お前は撮らなくちゃいけないんだよ」と言われたんです。それからですね、マジメに映画に向き合うようになったのは。 ■いまおか監督が手掛けたピンク映画の"たまもの"たち ――いまおか監督の代表作であり、林由美香主演作である『たまもの』についても聞かせてください。現在、『たまもの』が絶賛レンタル中です。林由美香さん演じるヒロインは、ほぼセリフなし。フェデリコ・フェリーニ監督作『道』(54)のジェルソミーナを彷彿させますね。 いまおか レンタル中なのは、平野勝之監督の『監督失格』(公開中)効果なのかな。フェリーニ監督の『道』は好きな映画ですけど、特にジェルソミーナは意識してませんでしたね。林さんをキャスティングする前に、脚本はいくつかのパターンを考えていたんですが、あまりしゃべらせないほうが『たまもの』のヒロインのキャラクターに合うかなと考えたんです。ほとんどしゃべらないから、代わりに何かやろうと考えて、"同録"にしたんです。ピンク映画は基本的にアフレコなんですけどね。それでピンク映画は35ミリだと同録できないので、16ミリで撮ってブローアップしたんです。同録にこだわったのは、ヒロインがしゃべらない分、息づかいとかノイズとか風の音とかをしっかり録りたいと思ったんです。 ――濡れ場は、ピンク映画では珍しい"本番"での撮影。 いまおか 同録でやろうというのとどちらが先のアイデアだったか忘れましたけど、SEXシーンも同録の臨場感をどうすれば出せるかを考えてですね。アダルトビデオは普通に"本番"やってるのに、なんでピンク映画は"前貼り"しなくちゃいけないんだと疑問に思っていた時期でもあったんです。 ――いまおか監督の実験精神と林由美香さんのナイーブな演技がうまく重なり合い、ピンク映画史に残る"たまもの"が生まれたわけですね。 いまおか そうですね。林さんも、あの頃は体調が良かったように思います。 ――愛染恭子さんと共同監督で撮った『白日夢』(09)はどうでした? 現場で愛染さんとかなり火花を散らし合ったと愛染さん本人から聞きました。 いまおか そうかなぁ。男優中心のパートはボク、女優中心のパートは愛染さんと、演出するパートは事前に分けていたんで、ケンカにはならなかったはずなんだけど。 ――ヒロインが死んだ親友を足で蹴って、穴に落とすシーンを、いまおか監督は「それは、やりすぎだ」と止めに入ったと愛染さんが話してました。「いまおかさんはロマンチストなのよ」と笑ってましたよ。 いまおか そんなこともあったかなぁ(苦笑)。でも、愛染さんの演出を近くで見ていて、面白いなぁと思いましたよ。ボクなんかはどうしても演出するときはリアリズムで考えるけど、愛染さんは度胸があるというか、派手なハッタリ感のある演出をするんです。夜の浜辺での主人公たちの絡みのシーンで後ろにかがり火が炊いてあったり、ケレン味がありましたね。リアリズムで考えると変なシーンなんだけど、完成した映画を観ると面白く仕上がっている。映画ってハッタリ感が大事なんだなと改めて思いました。 ――今回の『おんなの河童』はミュージカルですが、『かえるのうた』(05)もミュージカル的要素が効果的に使われていますね。下北沢の街中を歌い踊る、あのフィナーレはどのようにして生まれたんでしょうか? いまおか 最初はミュージカルっぽくする気はなかったんです。中盤で主人公2人が歌って踊るシーンがあるんで、最後にもう一度やるかということを打ち合わせていたら、助監督のアイデアだったのか「じゃあ、最後は全員出しましょう」ということに急になった。それでロケ地が下北沢だったんですが、下北沢の駅前なんて撮影許可降りないから、「じゃあ、ゲリラ撮影だな」「1カット一発撮りだな」となったんです。まぁ、ゲリラ撮影ならではの面白さはあったように思います。
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たそがれの海辺にたたずむ河童と親友の死神
(守屋文雄)。クリストファー・ドイルが
35ミリフィルムで美しく撮り上げている。
――ミュージカルシーンで歌い踊ることで、主人公たちは溜め込んでいた感情を解放させ、自分自身の過去を浄化させているかのようにも感じられますね。ピンク映画って予算も撮影スケジュールもキツいと思うんですが、いまおか監督が撮り続けている理由は何でしょうか? いまおか なんだろうなぁ~。最初にも話したように、今回の『おんなの河童』はピンク映画じゃなかったら、ドイルさんも参加してくれなかっただろうし、ドイツとの合作にもならなかったと思うんです。ボクが助監督になれたのも、ピンク映画じゃなかったらムリだったはず。助監督から3~5年で監督になれるのもピンク映画だから。ピンク映画に救われたという気持ちがありますね。ピンク映画って、敷居が低いんですよ。スタッフもキャストも。そーとーダメなヤツでも、何とかなる世界なんです(笑)。もともと芸能の世界も、河原乞食と呼ばれた人たちから始まった歴史があるわけだし。映画はアートじゃなくて、一種の"見せ物"だとボクは思ってるんです。 ――先輩の瀬々監督は『アントキノイノチ』(11月公開)などメジャー系でも撮っていますが、いまおか監督は......? いまおか いやぁ、ボクの場合はなかなか「ピンクスクール」から卒業できませんね(苦笑)。成績が悪いんで、一般社会に出れずに、もう10年くらい留年し続けたままの状態です。それでも何か変わった企画があると、つい乗っかりたくなるんですよ。『ゴーストキス』『若きロッテちゃん』の"青春Hシリーズ"は1本あたりの製作費50万円ですよ。1週間の撮影中、昼ご飯はノリ弁で夕食は菓子パン1個だけ。若いスタッフなんかノーギャラ同然。みんな、「たくさん現場を経験したい」と口にしながらも、「もっとギャラくれよ」と内心では思っているはず。その「コノ野郎~!」「コン畜生~!」という気持ちをぶつけながら現場に集まっている。ボクたち作る側には、2つの道しかないんです。やるか、やらないか。そのどっちかだけ。それで、もしやるんだったら、後は面白がってやるしかないんです。といっても、やっぱり製作費があまりに安すぎるのは問題ですけどね(苦笑)。 (取材・文=長野辰次) kappa06.jpg 『UNDERWATER LOVE -おんなの河童-』 監督/いまおかしんじ 撮影/クリストファー・ドイル 脚本/いまおかしんじ、守屋文雄 音楽/ステレオ・トータル 出演/正木佐和、梅澤嘉朗、成田愛、吉岡睦雄、守屋文雄、大西裕、佐藤宏  配給/SPOTTED PRODUCTIONS R-15 10月8日(土)よりポレポレ東中野、10月22日(土)より渋谷ユーロスペース、10月下旬よりドイツ6都市ほか全国順次ロードショー <http://uwl-kappa.com> ※10月8日(土)~21日(金)、ポレポレ東中野にて特集上映「いまおかしんじの世界+」開催。『かえるのうた』『ブエノスアイレス』などを連日上映。 ●いまおか・しんじ 1965年大阪府生まれ。横浜市立大学を中退後、ピンク映画の製作会社「獅子プロ」に入社。『彗星まち』(95)で監督デビュー。以後、"ピンク七福神"の筆頭的存在として活躍。『たまもの』(04)はドイツ・ニッポンコネクション、チョンジュ映画祭などに招待され、渋谷ユーロスペースでもレイトショー公開。同年のピンク大賞でベスト1ほか4部門で受賞。続く『かえるのうた』(05)もピンク大賞を受賞。その後も、デヴィッド・リンチ的なシュールな展開を見せる『おじさん天国』(06)、高齢者の性をテーマにした『たそがれ』(08)、愛染恭子と共同監督した『白日夢』(09)、島田陽子が島田陽子本人役で主演した『島田陽子に逢いたい』(10)、キャバ嬢と幽霊になった女子高生との友情を描いた『ゴーストキス』(10)、44歳の素人童貞を主人公にしたロードムービー『若きロッテちゃんの悩み』(11)など数多くの作品を手掛けている。
たまもの 絶賛レンタル中。 amazon_associate_logo.jpg
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「同じネタをやるのは3回が限界!?」"ロッチらしさ"プラスαの新作コントって?

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 来る11月、東京・大阪の2都市でロッチの単独ライブ第3弾『ストロッチベリー』が行われる。『キングオブコント』では2年連続の決勝進出を果たすなど、コントのスペシャリストとしても知られつつあるロッチ。飄々としたキャラクターの裏に隠されたコントへのこだわりをたっぷり語ってもらうことにした。 ――今年の『キングオブコント』はいかがでしたか? コカドケンタロウ(以下、コカド) 今回は決勝に行って当たり前みたいな感じがあったんで、僕らも「行かないと」とは思っていたんですけどね。やっぱりみんな面白いし、なかなか難しいですよね。 ――(準決勝で敗退して)初めて決勝で審査する立場に回って、8組のコントを見た感想はいかがでしたか? コカド コントにもまだまだ新しいことがあるんだなあ、と思いましたね。僕のイメージですけど、今までのお笑いの大会では決勝に残らないような感じの面白いコントが残ってたんで、やっぱり新しいことを欲してるのかな、と思いました。 ――それは「世間の人が」ということですか? コカド 世間の人もそうですし、業界の人も含めて。僕らの場合、ロッチはこんなコント、っていうのが何となく認識されつつあるのかもしれないんですが、それプラス何かちょっとぐらい新しいことも入ってた方がいいのかな、とは思いましたね。 中岡創一(以下、中岡) 「決勝出てないんや」っていろんな人に言われたのは、悔しかったけどうれしかったですね。そこにいるぐらいのコンビでしょ、ってみんなに思われてたっていうことなので。コントのイメージが僕らにも多少ついてきたのかな、と。あそこに行くことって、僕らからしたら相当なハードルなんですけど、世間からそう思われてるのはうれしかったですね。 ――今回の単独ライブ『ストロッチベリー』では、初めて大阪でも公演をするということですが、今後はそれ以外の地方にも行きたいですか? コカド できることなら、全国ツアーはやりたいですね。ただ、中岡くんが同じネタを何回もやるのは得意じゃないみたいなんで。本当は東京公演も5回っていう案が出たんですけど、3回が限度っていうことやもんね。 中岡 いや、それ、僕のせいにしてるけど、コカドくんが言うてたからね(笑)。コカドくんが、「やっぱ3回やったらちょっと飽きてくるな」って言ってたから。僕はだんだん慣れてくるから、そりゃ回数やってもいいですよ。 コカド あら、そう(笑)。じゃあ、もしかしたら来年は5回公演もあるかもしれないです。 ――ロッチさんのコントは、ネタのパターンが一個一個違っていて、種類が豊富だという印象があります。 コカド そうなんですよね。いろんなことをやりたくてやってるつもりなんですけど、人によっては「ロッチのネタってこんな感じでしょ」とも言われますけどね。それはどっちかというと、「いろんなパターンがあるね」っていう方が言われたいんですけど。 ――ネタの中身は違うんだけど、それぞれに共通する「ロッチさんらしさ」みたいなものがどこかにある、っていうことじゃないでしょうか。 中岡 そうですね。まあ、見てる人にはそういうのがあるんだと思いますね。 ――それって具体的にはどういうことだと思いますか? コカド たぶん、日常からあんまり離れないことと、人間の切なさみたいなのがどっかに出てる、っていうことなんですかね。 ――ちょっと悲しい感じの。 コカド そうですね、報われないとか恥ずかしいとか、そういうのが多いとは思いますね。 中岡 コカドくんって、普段、僕が何言うてもそんなに笑わないんですけど、僕が辱めに遭ったりミスしたりするとケタケタ笑ってますから(笑)。そういう部分が面白くてしょうがないんでしょうね。だから、僕はコカドくんと接してると、ずっとバカにされてる感じがするんですよ。まともにしゃべってもらってる感じはしないです。 コカド 一番面白いのは、恥ずかしい状況になったときの(中岡の)無言の表情ですけどね。何もしゃべってないのに、顔見てるだけで面白いっていう状況が、僕は一番笑っちゃいますね。 ――最後に、今回の単独ライブのコンセプトと、どういう人に見に来てほしいか、というのを教えてください。 コカド 最近はネタ番組がなくて、テレビでコントをやれてないので、ロッチの新ネタを見てもらうっていうのはこっちにもプレッシャーがあります。そういう意味では、原点がコントなので、それをちゃんとやろうっていうのがコンセプトですかね。 中岡 ネタが好きな人っているじゃないですか。バラエティーよりもネタを見たいっていう人がちょくちょくいるんで、そういう人には見に来てほしいですね。 (取材・文=ラリー遠田/写真=尾藤能暢) ●ロッチ 中岡創一(写真右)とコカドケンタロウ(左)からなるお笑いコンビ。2005年結成。コント日本一を決める『キングオブコント』では09年、10年と連続して決勝戦に進出している。 ●ロッチ単独ライブ『ストロッチベリー』 ・東京公演 【日時】 2011年11月4日(金) 18:20開場 19:00開演 2011年11月5日(土) 13:20開場 14:00開演 2011年11月5日(土) 17:20開場 18:00開演 【会場】北沢タウンホール 【料金】5,250円(特典付き・全席指定) ローソンチケットにて発売中(Lコード:35242) ・大阪公演 【日時】11月27日(日)16:20開場 17: 00開演 【会場】ABCホール  【料金】5,250円(特典付き・全席指定) ※10/15から先行販売開始。その他詳細は確定次第オフィシャルサイト「ワタわら」などで発表。
ロッチ単独ライブ 「PELO PELO PELOTTi」 昨年も大盛況でした。 amazon_associate_logo.jpg
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DVD『ニコニコキングオブコメディ 冗談にもほどがある!』本日発売!

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ほんとに出た!
 サイゾーテレビで隔週木曜更新中の『ニコニコキングオブコメディ』から生まれた番組DVD『ニコニコキングオブコメディ 冗談にもほどがある!』(Happinet)が、本日10月4日に発売になりました。 2010年キングオブコント王者"キングオブコメディ"が贈る、ガチゆるトーク信用度検証バラエティ!! "キングオブコメディ"が贈るトークバラエティ番組「ニコニコキングオブコメディ」(ニコニコチャンネル配信中)より、自ら厳選したベストトークの中で"嘘みたいな、気になりすぎる疑問"を自らが現場に行って解決しようという検証バラエティ! 『高橋の半生を題材に授業をした中学校』『今野が勃起するアカスリ店』『高橋の実家にある馬鹿な部屋』など、プライベート全開のロケを決行! 予測不能のくだらない現場検証で、キンコメは自らの疑問を解決することが出来るのか!? さらに! プライベートすぎる収録トークの中で続出した、"くだらなすぎる30の疑問"を一挙大公開!本人自らが撮影した写真やプライベートビデオを見ながら、都内某所の怪しいシチュエーションで"いつもとは違う、座椅子トーク"を展開。すると、思いもよらぬ関係者の証言でキンコメが丸裸になる!? 高橋が! 今野が! やりたい放題の私的検証バラエティ、冗談にもほどがあるぞ! 【出演】 今野浩喜(キングオブコメディ) 高橋健一(キングオブコメディ) 【スタッフ】 制作:株式会社オフィス・トゥー・ワン 制作協力:プロダクション人力舎 【特典】 ・古谷実描き下ろしジャケット 【初回限定封入特典】 ・特製オリジナルシール(古谷実イラスト使用) 【映像特典】(約29分) □ 高橋はどんな所で野宿したの? □ 奴隷のようにカヤックを運ぶドランク鈴木ってどんななの? □ 高橋の人生を道徳授業にした中学校ってどんな学校?
ニコニコキングオブコメディ 冗談にもほどがある! 早くもベストセラー!? amazon_associate_logo.jpg
●「ニコニコキングオブコメディ」アーカイブ集 http://www.cyzo.com/2010/08/post_5162.html ●サイゾーテレビ http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120 ●サイゾーテレビ on Twitter http://twitter.com/cyzoTV

現代版『トムとジェリー』!? 蚊とハゲ親父が繰り広げるドタバタ劇『ちーすい丸』

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(c)ラレコ/ファンワークス
 蚊をモチーフにしたアニメ『ちーすい丸』(キングレコード)のDVDが9月21日に発売された。このアニメは、日本テレビ系で先月まで放送されていた同作の1stシーズンをまとめたもの。作者は、シュールかわいいネットアニメとして話題になった『やわらか戦車』を手掛けたラレコ氏。本作も『やわらか戦車』の作風は健在で、丸っこくてかわいらしいキャラクターたちがシュールな行動を起こす、1話あたり1分程度のショートアニメである。  本作は蚊の「ちーすい丸」が、ハゲ上がったサラリーマン「ノブオ」の血をあの手この手で吸い尽くすドタバタ劇。ノブオの血を吸うためならば、いかなる無茶や苦労も厭わないちーすい丸。ときにはノブオの働くオフィスで、ときにはガールフレンドとデート中のノブオを狙い、ノブオがいくら逃げようとも最後には必ず全身の血を吸う。  しかし、なぜ蚊が主人公なのか。そしてなぜ、頭髪の寂しいおじさんに付きまとうのか。尽きない疑問を作者のラレコ氏にぶつけるべく取材現場に赴くと、出てきたのは中年男性! まさか、こんなにかわいらしいイラストを描いているのが男性だったとは......。 *** ――なぜ蚊をモチーフにしたんですか?
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ラレコ氏(以下、ラレコ) ちーすい丸は、ボンヤリとラクガキをしていて生まれたキャラクターなんです。蚊のキャラクターを作ろうと思って描いたわけではなく、適当に描いてみたら蚊になった(笑)。キティちゃんやリラックマのような正統派キャラクターを作ろうと思っても、そう簡単には敵わない。だから、普通はこんなものをキャラクターにしない、というのを作りたかったんです。戦車をモチーフにした『やわらか戦車』では世界初の戦車のぬいぐるみを出すことができたので、今回も世界初の蚊のぬいぐるみを出すことをひとつの目標にしています。 ――血を吸われる人間キャラのノブオも丸々としていて愛くるしいですよね。でも、なぜおじさんなんですか?  ラレコ パイロット版を作ったときに、「おじさんじゃなくて、子どものキャラクターにした方がいいのでは?」と周りから言われたんですが、僕は「ノブオじゃなきゃ絶対ダメだ」と言い張ったんです。なぜなら、ちーすい丸が血を吸うときに「全身の血を吸い尽くす」感を出すためにも、頭のてっぺんから吸う絵にしたかった。だから、髪の毛があったら都合が悪いんです。そうすると、ちーすい丸に血を吸われる人間は必然的にハゲでなければならなくなるわけです。
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ラレコ氏。
―― なるほど(笑)。さて、イラスト、ストーリー、そして音楽まですべてひとりで作っているそうですが、1本作るのにどれくらいの時間がかかるのでしょうか? ラレコ 徹夜して作り続けて、丸2日くらいですね。放送中は週に1本作って、制作会社とやり取りして微調整して......と、作ってからの諸作業も多かったので、1週間ほぼ休みなく『ちーすい丸』につきっきりでした。 ――蚊といえば嫌われもののイメージですが、制作に没頭しているうちに愛着も湧いてきましたか? ラレコ いえ、今でも蚊は大嫌いです(笑)。でも、蚊のいない夏って、それはそれで寂しいような気がするんです。夏の風物詩が1つなくなるというか。もし蚊がいなくなったら、蚊がプーンと周囲を飛んで、「ええい! もう!」とか言いながらバチンと潰す、という蚊とのコミュニケーションがひとつなくなってしまいますから。
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 ちーすい丸って赤ちゃんに似てるなって思うんですよね。1stシーズンの制作当時、ちょうど僕の息子が2歳だったんですが、制作しながらも子育てにも追われ......。赤ん坊というのは悪気なく人を踏みつけてきたり、夜泣きして大騒ぎしたり。でも、なにげないしぐさがかわいくて憎めないんですよね。ノブオもちーすい丸に対してそんな気持ちを抱いていると思います。腹は立つけどかわいい相手と、ケンカしながら寄り添って生きていく『トムとジェリー』のような関係性を、蚊というモチーフを通して描いているんです。みなさんが今後、蚊を見たときに、「あ、ちーすい丸だ!」って一瞬だけでも思ってくれたらうれしいですね。もちろん、その後はパチッと潰していただいて全然構わないです(笑)。少々多く潰したところで、絶滅するようなタマではないですしね。 ***  ちーすい丸とノブオも、容赦なく吸ったり潰したりとやり合いつつも、ときには一緒に花火をして遊んだり(28話「夏の終わりに」)、お互いの風邪の看病をしたり(40話「風邪」)するほほえましいシーンも描かれている。初めて見る花火に感動するちーすい丸のキラキラした目や、風邪をひいたノブオにそっと布団をかけるちーすい丸の姿を見ると、憎くてたまらなかった蚊も少しかわいく見えてこなくもない。と思いつつも、目の前にプンプン飛んでたら結局潰すのでしょうけれども。人類と蚊のせめぎ合いは終わらない......。 (取材・文=朝井麻由美) ●『ちーすい丸』公式サイト <http://www.chisuimaru.com/>
ちーすい丸 1st season DVD 2010年2~11月まで日本テレビ系で放映されていたものを収録。DVD特典に、「ちーすい絵描き歌 2ver.」、「オリジナルエピソード ちーすいライフ」、「TVスポット」、「未公開 パンダ蚊」が収録されている。特に、「オリジナルエピソード ちーすいライフ」はノブオとちーすい丸の幼少期から老年期までが描かれていて、作者のラレコ氏もイチオシ。 定価 2,625円(税込)/本編 46分+映像特典/発売・販売元 キングレコード amazon_associate_logo.jpg
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