ラーメン女子大生が激白!「ラーメンの話しかできなくて友達に気持ち悪がられてた」

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「トッピングの多さと、毎日食べても
飽きのこないさっぱり感がいいですね!」
(撮影協力:俺流塩らーめん 渋谷本店)
 人気番組『お願い!ランキング』(テレビ朝日系)で、キュートな見た目とはウラハラに、湯気の立ち上るラーメンをうれしそうにズルズルと食べまくる"ラーメン女子大生"こと本谷亜紀ちゃん。  2年前、同番組の「ラーメン隊オーディション」で600人の中から選ばれ、"ラーメン官僚"こと田中一明氏の一番弟子としておなじみの顔に。人懐っこいキャラと、ほとばしるラーメン愛でみるみるファンを増やしているが、そんな好調な矢先、2月で『お願い!ランキング』を卒業するという。  もうあのかわい過ぎるラーメンレポは見れないのか!? いてもたってもいられず、早速、学校帰りの彼女を直撃した。 ――2月で『お願い!ランキング』を卒業されるそうですね。 本谷亜紀ちゃん(以下、本谷) はい。出演させていただいてから丸2年経つのと、私がもうすぐ大学を卒業するのでいい機会かなと思って。ほかにもいろいろなオファーをいただいているので、今後もテレビや雑誌などラーメンにかかわるお仕事はやらせていただきます。
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実は双子なんだそう!
――ってことは、これからも亜紀ちゃんがラーメンをほお張っている姿が見られるわけですね♪ そもそもラーメン愛に目覚めたのはいつ頃なんですか? 本谷 物心ついたときからですね。私、白いご飯が食べられないので、家ではみんながご飯でも、私だけ麺を食べるっていう生活が普通だったんです。それに父がかなりのラーメン好きで、土曜のお昼はいつも父がラーメンをスープから作ってくれたんです。母はチャーシュー担当で。 ――テレビに出る仕事には、もともと興味があったんですか? 本谷 まったく。テレビに出たかったんじゃなくて、ラーメンが食べられればなんでもよかったんです(笑)。でも、番組のオーディションに受かったことで人生変わりましたね。私、昔からバカみたいにラーメン食べてたんですけど、こんなのなんにもならないだろうと思ってたのに、急に世に発信する立場になりましたから。それに番組に出たことで社交的になりました。 ――それまでは社交的じゃなかった? 本谷 高校の頃も、1人でラーメンを食べに行ってばっかりだったんです。友達と遊んでても、ラーメンの話しかできなくて気持ち悪がられてました。女の子ってみんなでカフェとかに行くじゃないですか。私は群れるのが好きじゃないし、コーヒーに800円使うんだったらラーメンに800円使いたかったので、「みんながカフェ終わったら合流して話そう」みたいなことを同級生に平気で言うような子で(笑)。今はテレビに出たことで周りの目が優しくなりましたし、ラーメンの話ができる友達が増えてホントによかったです。 ――青春をラーメンに捧げたんですね......。現在、年間350杯のペースで食べていらっしゃるそうですが、記録されてるんですか? 本谷 食べたラーメンや値段はすべてデジカメに撮りためてます。あとは家に帰ってからラーメンノートなるものに味の感想などをメモしてます。そうしないと、超おいしかったお店以外はどんどん忘れちゃうので。
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「ラーメンが食べられれば幸せなんです」
――亜紀ちゃんが考える"いいラーメン"とは? 本谷 まずは香りですね。化学調味料を使ってたり、ダシをしっかり取っていないと変な臭みが残るんです。いいラーメンだとどんぶりが置かれた瞬間、フワッと引き込まれるような香りがします。あとは食欲をそそるような美しい見た目も大切で、できれば自家製麺がいいですね。スープを頑張って作ってるならそこまでやってほしいっていう思いがあるので。それで最終的には、トータルでバランスがいいと直感的に思えるラーメンが、"いいラーメン"だと思います。 ――さすが、ラーメンの話をするときは顔つきが変わりますね! 本谷 どうかしてますよね(笑)。 ――数いるラーメン評論家の中で、亜紀ちゃんのラーメン評の特徴はなんですか? 本谷 今、私の次に若いといわれているラーメン評論家の方が33歳なんです。その方との間にも10歳の差があるので、"若い目線"を大切にしています。例えば、評論家の皆さんは稼いでらっしゃるので、料金のことはほとんど言わないんです。でも私は、「これでこの値段は高いと思う」ってズバズバ書くので、学生の方なんかも喜んでくれますね。女性目線としては、毎日食べてもクドくないような味を追ったり、おいしかったラーメン屋のデザートを紹介してみたりしてます。 ――ご自身でもラーメンを作ることはありますか? 本谷 自作ラーメンはたまにしますね。しょう油ラーメンだったら、一番いいしょう油をお取り寄せして、家で8時間くらい煮込んでダシを取って、チャーシューやメンマも煮付けて......。原価はめっちゃかかりますけど、そこら辺のラーメン屋さんよりおいしい自信はあります! ――ちなみに、亜紀ちゃんが東京で一番好きなラーメン屋はどこですか?
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「ラーメン屋が入ったらまず、
券売機を見ます。左上に一番おす
すめのラーメンがあることが多い
ので、売れ筋を調べます。また、
店内ではずん胴があるか、自家製麺
かを見ます」
本谷 池尻大橋にある「八雲」のワンタン麺がすっごい好きです。スープも麺もワンタンも超~おいしいですよ! 今日も行こうと思ってたんですけど、定休日だったんです......。 ――あらら(笑)。本谷さんの今後の展望を教えてください。 本谷 すごい調子に乗ってるかもしれないんですけど、"ラーメン女子"といえば、私の名前がパッと思い浮かんでいただけるようになっていきたいですね。先輩方と比べると知識もまだまだなので、これから成長して先輩方をアッと言わせるような情報を持った評論家として頑張っていきたいです。私、今、エネルギーがあり余っちゃってて、夜眠れないくらいなんです(笑)! エネルギーのあるうちにいろんなことをやって、早めに結婚して、40代でセミリタイアして海外に住みたいです! ――しっかり先を見据えてますね(笑)。やっぱり結婚相手は、ラーメン屋に付き合ってくれる男性が理想ですか? 本谷 そうですね。今まで、「クリスマスにもラーメン食べに行きたい」って言ってゆくゆくフラれたこともありますし、2杯、3杯の連食に誘って引かれたことも多々あるので、私のラーメンへの愛に共感してくれるおおらかな人が理想です。でもなかなかいませんね(笑)。 (取材・文=林タモツ/撮影=オカザキタカオ) ●ほんや・あき 1989年、埼玉県生まれ。2010年より、『お願い!ランキング』(テレビ朝日系)で"ラーメン女子大生"として活動を開始。「FRIDAY」(講談社)や「ぐるなびラーメン」などでも連載中。年間350杯程度を食べる。「ラーメンはおいしく楽しく」がモットー。 <http://ameblo.jp/akichi0518ra-men/
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『孤独のグルメ』原作者・久住昌之インタビュー「店選びは失敗があるから面白いんでしょ」(後編)

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前編はこちらから ──いわゆる美食にはあんまり関心がないんですか? 久住 ないです、全然。結局、育ちなんじゃないですかね。うちは貧しかったし、でも家で何でも作ってたからね。「おふくろの味」ってわけでもないけど、たとえば漬物は絶対漬けてたから。朝ごはんに茄子の漬物が出てくると「夏休み近いな」とか、食べ物で季節の変化を感じたり。わりとそういうのを丁寧に作ってたのかもしれないですね。  おばあちゃんが面白い人で、「おいしいものは知ってなきゃだめだ」って言ってたんですよ。田舎に行った時にたまたまウニが出てきたんだけど、子どもなんてウニが好きなわけないじゃない? 「うわ、まっずい!気持ち悪い!」って言ったら、「ウニってのはすごくおいしいものだ」って。それの味がわかると他のこういうものも食べれるって言ってたの。だから「ぜいたくはいけないけど、おいしいものの味は知ってたほうがいい」っていう、昔にしては変わった考えの人で。けっこう影響受けてる気がしますね。  小学校の時、魚が嫌いで。それで給食で嫌いだったのがアジフライだったんだけど、おかずは残しちゃいけなかったから、もう本当に泣きそうな思いで食べ切ったのね。それが大人になっておいしいアジフライ食べたら「なんだよ、俺だまされてた!」って思って。そっち(おいしいほう)を最初に食べてれば、あっち(まずいほう)だって食べれてたんじゃないかと思うよね。おいしいほうを先に食べてれば、「おいしくないなあ」って思いながらも頭の中ではおいしい味のベースができてるから、まあ許せちゃうっていうか。   ──子どもの頃、嫌いだったものを大人になって好きになるということはよくあることですよね。しかも「だんだん」じゃなくて、「急に」だったりして。 久住 好き嫌いがあるというのは、(嫌いなものを)好きになる余地があって将来に楽しみがあるってことだからね。子どもの頃なんて"ひかりもの"が全然食べられなかったの。コハダとかしめ鯖とか怖いの、メタルで(笑)。それが酒飲むようになって食べてみると、「なんだ、おいしいじゃないか」と思って。そうするとオセロで駒がいっぱいひっくり返されるように、自分の駒がいっぱい増えるっていうかね。だから好き嫌いが多い人を見るとうらやましいよね。俺はもうかなり少なくなっちゃったから。 ──逆に、子どもの頃は好んで食べてたけど、大人になって冷静に考えると「実はおいしくなかったのでは?」と思うものもあるんじゃないですか? 久住 そういうのあるよね。駄菓子とか、あんなものよく好きで食べてたよね。あとは......グミとか食べてたからね。 ──えっ、グミ? 久住 庭に生えてるほうのグミね。桑の実も食ってたよ。 ──桑の実ってうまいんですか? 久住 まずいんじゃない(笑)? ──はははははは! 久住 ちょっとは甘いけどね。そういえば、水木しげるさんが軍隊でラバウルに行った時、現地の人が焼いてくれたタロ芋を食べて、「軍隊の食い物よりうまい!」って言ってたんだけど、20年経って現地に行ったら「ほら、お前の好きなタロ芋だ」っていっぱい出してくれたけど、まずくて食えなかったって(笑)。 ──ははははは! でもそういうのはありますよね。それでいくと、今の時代って普通に生活してたら「劇的にまずいもの」ってほとんど出合ないですよね。 久住 今の給食なんておいしいからね。やんなっちゃうよ。今の小学生の給食で人気一位って何だと思います? ──えっ、カレーじゃないんですか? 久住 俺たちはそうだったよね。度肝を抜かれましたよ.........バイキングだって。 ──ええええええええええ! 久住 一年に一回あるんだって。違うじゃん、ジャンルが。あまりの感覚の違いにびっくりしましたね。俺、『中学生日記』(扶桑社)ってマンガ書いてて、子どもが中学の時、親と先生が給食を食べながら話す会があったから、「取材だ!」と思って出かけたんですよ。そこでやっぱり人気のメニューを出してくれたんだけど、それが「こぎつねごはん」っていうやつで。ごはんに油揚げを煮たのとニンジンとかを混ぜた、要はまぜご飯なんだけど、それがすごいおいしいんだ! でもおいしすぎるとマンガにできないんだよね。おいしいけど面白くないんだよ。「おいしいね、今の子っていいよね」で終わっちゃうじゃない。それよりは昔のまずかった話のほうが面白いからね。 ──で、放送中のドラマ『孤独のグルメ』についてですが。実際にご覧になってみて、マンガ版とは違う発見みたいなものはありましたか? 久住 マンガは自分のペースで読めるじゃないですか。だけど映像は向こうのペースに合わせて見ることになる。そこが一番違うところで。マンガはパパっと読んでても、いっぱい情報は得てるんだよね。だけどテレビの場合は見てるとじれったいって感じはあると思うんだよね。「何やってんだ、早く食え」とか。第一話の放送後、制作者に言ったんだけど、「僕は食べ物のマンガを描いてきたからよくわかるんだけど、なかなか食べないとみんなイライラするんですよ」と。 ──たしかに最初、食べるまでずいぶん時間かかるなと思いました。 久住 食欲と性欲を置き換えてみればわかる。エロビデオを借りてきて、前置きが長かったら「早くヤれよ!」ってなるよね(笑)。だからそれまでに、なんでもいいから食べるシーンを入れようと。メインの食べものじゃなくてもいいから。 ──エロビデオでいうと、ペッティング的な。 久住 イメージシーンだけでは飽きちゃうのと同じだよね。イメージシーンは早送りで飛ばせるけど、テレビは(リアルタイムで見てると)飛ばすことができないからね。 ──じゃあ、これからもっとよくなっていくと。 久住 制作者が原作をとても大事にしてくれているドラマですからね。期待していいと思いますよ。 (取材・文=前田隆弘/撮影=オカザキタカオ) ● くすみ•まさゆき 1958年東京生まれ。美学校・絵文字工房で赤瀬川原平に師事する。1981年に美学校の同期生である泉晴紀と組んだ「泉昌之」として、ガロ「夜行」でデビュー。1990年には実弟の久住卓也とのユニット「QBB」で発表した「中学生日記」で第45回文藝春秋漫画賞を受賞。原作者としても活動しており、代表作に谷口ジローとの共著『孤独のグルメ』、水沢悦子との共著『花のズボラ飯』などがある。 ●ドラマ『孤独のグルメ』 個人で輸入雑貨商を営む男・井之頭五郎は商用で日々いろいろな街を訪れる。そして一人、ふと立ち寄った店で食事をする。そこで、まさに言葉で表現できないようなグルメたちに出会うのだった――。 原作:『孤独のグルメ』作・久住昌之、画・谷口ゴロー/脚本:田口佳宏、板坂尚/音楽:久住昌之、Pick & Lips(フクムラサトシ 河野文彦)ほか/主演:松重豊 毎週水曜深夜0時43分~放送中 <http://www.tv-tokyo.co.jp/kodokunogurume/> ※次回放送は2月15日放送
孤独のグルメ 【新装版】 「ほほう、いいじゃないか」 amazon_associate_logo.jpg
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『孤独のグルメ』原作者・久住昌之インタビュー「店選びは失敗があるから面白いんでしょ」(後編)

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前編はこちらから ──いわゆる美食にはあんまり関心がないんですか? 久住 ないです、全然。結局、育ちなんじゃないですかね。うちは貧しかったし、でも家で何でも作ってたからね。「おふくろの味」ってわけでもないけど、たとえば漬物は絶対漬けてたから。朝ごはんに茄子の漬物が出てくると「夏休み近いな」とか、食べ物で季節の変化を感じたり。わりとそういうのを丁寧に作ってたのかもしれないですね。  おばあちゃんが面白い人で、「おいしいものは知ってなきゃだめだ」って言ってたんですよ。田舎に行った時にたまたまウニが出てきたんだけど、子どもなんてウニが好きなわけないじゃない? 「うわ、まっずい!気持ち悪い!」って言ったら、「ウニってのはすごくおいしいものだ」って。それの味がわかると他のこういうものも食べれるって言ってたの。だから「ぜいたくはいけないけど、おいしいものの味は知ってたほうがいい」っていう、昔にしては変わった考えの人で。けっこう影響受けてる気がしますね。  小学校の時、魚が嫌いで。それで給食で嫌いだったのがアジフライだったんだけど、おかずは残しちゃいけなかったから、もう本当に泣きそうな思いで食べ切ったのね。それが大人になっておいしいアジフライ食べたら「なんだよ、俺だまされてた!」って思って。そっち(おいしいほう)を最初に食べてれば、あっち(まずいほう)だって食べれてたんじゃないかと思うよね。おいしいほうを先に食べてれば、「おいしくないなあ」って思いながらも頭の中ではおいしい味のベースができてるから、まあ許せちゃうっていうか。   ──子どもの頃、嫌いだったものを大人になって好きになるということはよくあることですよね。しかも「だんだん」じゃなくて、「急に」だったりして。 久住 好き嫌いがあるというのは、(嫌いなものを)好きになる余地があって将来に楽しみがあるってことだからね。子どもの頃なんて"ひかりもの"が全然食べられなかったの。コハダとかしめ鯖とか怖いの、メタルで(笑)。それが酒飲むようになって食べてみると、「なんだ、おいしいじゃないか」と思って。そうするとオセロで駒がいっぱいひっくり返されるように、自分の駒がいっぱい増えるっていうかね。だから好き嫌いが多い人を見るとうらやましいよね。俺はもうかなり少なくなっちゃったから。 ──逆に、子どもの頃は好んで食べてたけど、大人になって冷静に考えると「実はおいしくなかったのでは?」と思うものもあるんじゃないですか? 久住 そういうのあるよね。駄菓子とか、あんなものよく好きで食べてたよね。あとは......グミとか食べてたからね。 ──えっ、グミ? 久住 庭に生えてるほうのグミね。桑の実も食ってたよ。 ──桑の実ってうまいんですか? 久住 まずいんじゃない(笑)? ──はははははは! 久住 ちょっとは甘いけどね。そういえば、水木しげるさんが軍隊でラバウルに行った時、現地の人が焼いてくれたタロ芋を食べて、「軍隊の食い物よりうまい!」って言ってたんだけど、20年経って現地に行ったら「ほら、お前の好きなタロ芋だ」っていっぱい出してくれたけど、まずくて食えなかったって(笑)。 ──ははははは! でもそういうのはありますよね。それでいくと、今の時代って普通に生活してたら「劇的にまずいもの」ってほとんど出合ないですよね。 久住 今の給食なんておいしいからね。やんなっちゃうよ。今の小学生の給食で人気一位って何だと思います? ──えっ、カレーじゃないんですか? 久住 俺たちはそうだったよね。度肝を抜かれましたよ.........バイキングだって。 ──ええええええええええ! 久住 一年に一回あるんだって。違うじゃん、ジャンルが。あまりの感覚の違いにびっくりしましたね。俺、『中学生日記』(扶桑社)ってマンガ書いてて、子どもが中学の時、親と先生が給食を食べながら話す会があったから、「取材だ!」と思って出かけたんですよ。そこでやっぱり人気のメニューを出してくれたんだけど、それが「こぎつねごはん」っていうやつで。ごはんに油揚げを煮たのとニンジンとかを混ぜた、要はまぜご飯なんだけど、それがすごいおいしいんだ! でもおいしすぎるとマンガにできないんだよね。おいしいけど面白くないんだよ。「おいしいね、今の子っていいよね」で終わっちゃうじゃない。それよりは昔のまずかった話のほうが面白いからね。 ──で、放送中のドラマ『孤独のグルメ』についてですが。実際にご覧になってみて、マンガ版とは違う発見みたいなものはありましたか? 久住 マンガは自分のペースで読めるじゃないですか。だけど映像は向こうのペースに合わせて見ることになる。そこが一番違うところで。マンガはパパっと読んでても、いっぱい情報は得てるんだよね。だけどテレビの場合は見てるとじれったいって感じはあると思うんだよね。「何やってんだ、早く食え」とか。第一話の放送後、制作者に言ったんだけど、「僕は食べ物のマンガを描いてきたからよくわかるんだけど、なかなか食べないとみんなイライラするんですよ」と。 ──たしかに最初、食べるまでずいぶん時間かかるなと思いました。 久住 食欲と性欲を置き換えてみればわかる。エロビデオを借りてきて、前置きが長かったら「早くヤれよ!」ってなるよね(笑)。だからそれまでに、なんでもいいから食べるシーンを入れようと。メインの食べものじゃなくてもいいから。 ──エロビデオでいうと、ペッティング的な。 久住 イメージシーンだけでは飽きちゃうのと同じだよね。イメージシーンは早送りで飛ばせるけど、テレビは(リアルタイムで見てると)飛ばすことができないからね。 ──じゃあ、これからもっとよくなっていくと。 久住 制作者が原作をとても大事にしてくれているドラマですからね。期待していいと思いますよ。 (取材・文=前田隆弘/撮影=オカザキタカオ) ● くすみ•まさゆき 1958年東京生まれ。美学校・絵文字工房で赤瀬川原平に師事する。1981年に美学校の同期生である泉晴紀と組んだ「泉昌之」として、ガロ「夜行」でデビュー。1990年には実弟の久住卓也とのユニット「QBB」で発表した「中学生日記」で第45回文藝春秋漫画賞を受賞。原作者としても活動しており、代表作に谷口ジローとの共著『孤独のグルメ』、水沢悦子との共著『花のズボラ飯』などがある。 ●ドラマ『孤独のグルメ』 個人で輸入雑貨商を営む男・井之頭五郎は商用で日々いろいろな街を訪れる。そして一人、ふと立ち寄った店で食事をする。そこで、まさに言葉で表現できないようなグルメたちに出会うのだった――。 原作:『孤独のグルメ』作・久住昌之、画・谷口ゴロー/脚本:田口佳宏、板坂尚/音楽:久住昌之、Pick & Lips(フクムラサトシ 河野文彦)ほか/主演:松重豊 毎週水曜深夜0時43分~放送中 <http://www.tv-tokyo.co.jp/kodokunogurume/> ※次回放送は2月15日放送
孤独のグルメ 【新装版】 「ほほう、いいじゃないか」 amazon_associate_logo.jpg
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『孤独のグルメ』原作者・久住昌之インタビュー「店選びは失敗があるから面白いんでしょ」(前編)


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 知らない土地でメシを食う時、ついつい「食べログ」を見て、少しでも点数の高い店に行こうとする......。現代人なら誰しも日常的にやっている店選びである。だが、『孤独のグルメ』の主人公・井之頭五郎はそんな店選びはしない。なんとなくふらりと立ち寄った店で、小さな失敗と成功を繰り返し、でも最後はなんとなく満足して店を後にする......。情報過多になった今の時代こそ、『孤独のグルメ』の持つ価値が高まってきているのではないか。そこで、1月よりテレビ東京系でドラマ化されたこの作品について、原作者の久住昌之氏に話を聞いた。店選びのポリシー、食体験のルーツ、そしてドラマ版の見どころとは? ──『孤独のグルメ』って、題材がすごく幅広いですよね。店の料理だけじゃなくて、駅弁やコンビニ飯まで取り上げたりして。「なんでも題材にしようと思えばできちゃう」みたいなところはあるんですか? 久住昌之氏(以下、久住) いや、いつも苦労してますよ。何をやろうか、どこにしようかというのは、いっぱい失敗しながらやってますね。 ──そこでいう「失敗」というのは? 久住 要は「マンガにならないな」と。 ──実際にどの店を取り上げるかどうかはともかく、まず「この店を取材しよう」というのはどうやって決めるんですか? 何かで調べて? 久住 調べないです。だいたい「調べる」って、「インターネットを見る」ってことでしょ? そんなことをしてたら面白くないですよね。やっぱり(店の面構えを見て)「ここがよさそうだな」とまず思って、でもすぐに「いいかもしれない......悪いかもしれない......」とか迷ったりして。中に入ってもいいのか悪いのかわかんなかったり。「おいしい......ような気がする」とか。そういうのがいいんですよ。 ──ドラマではマンガと違う店を取り上げてますけど、これはどういう意図で? 久住 ドラマ化にあたって僕が出した条件はただ一つ、「マンガに出た店ではやらないでくれ」ということで。店に迷惑がかかるし、同じ店に行くとマンガと同じものを期待しちゃうから読者がガッカリしたりもする。だから「原作で出た店には行かないでくれ」と。それで店選びにすごい苦労してるんですよ(笑)。 ──ドラマの店選びも久住さんが? 久住 僕はやってないです。ドラマのスタッフが「すごい苦労してます」って言ってたんで、僕は「そういうマンガなんですよ」って。そこに苦労してるのが原作だから。作っている人たちがすごく誠実だなと思うのは、ネットで見た店に行っていないこと。一生懸命歩いているわけです。それで失敗したり成功したりしながら店選びをやっているってことは、そういうマンガなんだとわかってくれている。今そういうことをするとみんな驚きますよね。 ──「食べログ」とか「ぐるなび」に頼るってことですよね。 久住 それもそうだし、「面白いものはネットで拾うものだ」みたいな感覚ね。僕は自分のライブやトークショーで、散歩してる時に見つけた面白いものをスライドで見せたりするんですけど、終わってから観客の若者が「こういう映像ってネットで拾うんですか?」って。本当にびっくりしましたね。 ──ネットの店選びに慣れてしまうと、「街を歩く」という行為が「調べた目的地にたどりつくための手段」でしかなくなってしまうんじゃないですかね。 久住 ただの確認ですよね、それは。誰かが行ったところをなぞって、失敗しないようにする。でもマンガなんてやっぱり失敗するから面白いんでしょ。だから失敗しなきゃどうしようもないわけだよね。僕はマンガ家だからそうなのであって、他の人は別にネット使ったっていいんだけど、そのほうがドキドキして面白いよね。経済効率と面白いってことは全然違うってことだからね。効率よくおいしいものを食べることはできるかもしれないけど、効率よく面白い体験をすることはできないからね。 ──店に入って注文すると「思っていたのと違った」というのは割とあることですよね。でも、主人公の五郎はそれを受け入れる。ちょっと違うのが出てきても、とりあえず食べてみる。食べてみて初めて、「予想とは違うけど、うまいぞ」って流れになるじゃないですか。普通といえば普通のことなんですけど、事前に調べれば調べるほど「自分の予想と違ったものが来ると不機嫌になりやすい」ってタイプの人も多いんじゃないかなと思いました。 久住 一つには自分で選んでしまった責任があるから、自分でなんとかしようとするじゃないですか。おいしかったらうれしいし、ハズレたら悔しいし。悔しいけど文句を言うところはない。自分の感想って、そういうところが純粋なんですよね。そういうのが自分で調べないで行く面白さだし、大きく言えば人生なんてそんなもんじゃないですか。自分で選んで、その成功なり失敗を受け入れるっていうね。 ──久住さん自身は、店のルールとか雰囲気みたいなものに積極的に合わせるほうですか? 久住 それはもう、一軒の店は一つの国だと思ってるからね。外国に入ったんだから合わせないといけないと思いますよね。そこの法律があるんだろうから。自分に合わなければもう来ないだろうし、合えばまた行く。本当に外国に行くみたいな気がしますね。「この王様いいぞ、まるでブータンだな......」とか「ここは北朝鮮だなあ......」とか。 ──作画の谷口ジローさんは取材に同行するんですか? 久住 いや、しませんね。 ──でも作画にかなり臨場感がありますよね。背景自体にシズル感があるというか。 久住 谷口さんの描く背景ってのはすごいですよ。「背景で語る」っていうところがある。僕は「こんなに描かなくても」って言うんだけど、谷口さんいわく「きちんと描くのは、そうしないと主人公の気持ちがわかんないから」って言うの。(五郎は)感情的にいろいろ言わない人で、「いい店だな」くらいしか言わないけど、その「いい店だな」と感じたリアリティまで描き込まないと読者にわからないって言うの。写真をトレースして描きこんだものを何倍も超えてる。もちろん写真を使ってトレースしたりするんだけど、元の写真を見ると実はつまんなかったりするんですよ(笑)。谷口さんが描くことによってよくなる。 ──あのマンガの中での「おいしい」の表現というのは、純粋に食べ物の描写だけじゃなくて、描きこまれた雰囲気も込みで、ってことですよね。 久住 込みっていうか、7割くらいそう(笑)。いま『孤独のグルメ』がいま世界5カ国で訳されてるんだけど、その話をするとみんな「外国の人にわかるんですか?」って言うんですよね。「高崎の焼きまんじゅうの味をイタリアの人はわかるのか?」みたいな。イタリアの人はもちろん味はわかんないんだけど、「辛いと思ったら甘かった」とか、「つい頼みすぎた」とか、そういうことはあるから彼の気持ちはわかる。それで非常に食べてみたくなるって言うんですよ。  自分自身のことを考えてみたら、子どもの時に白黒テレビでマカロニウエスタンの映画を見てたんだけど、メキシコとの国境あたりで主人公が酒場に入って、「腹が減ったから何か食わせろ」って言ったら自分の見たことない料理が出てくる。スチールの皿に入ってて、主人公はそれをスプーンですくって食ってるんだよね。「これ食いたいなあ」って思ったんだけど、なんだかわかんない。母親に聞いても「モツでも煮たものかねえ」って(笑)。それ、今考えたらチリコンカーンなんだよね。ビーンズを煮たもの。当時はそんな料理知らないし、画面も白黒だったし。でも「食べたい!」って思ったんだよね。外国の人が見てもわかるっていうのは、そういう気持ちなんじゃないですかね。食べるってのは共通のことだからね。 (後編に続く/取材・文=前田隆弘/撮影=オカザキタカオ) ● くすみ•まさゆき 1958年東京生まれ。美学校・絵文字工房で赤瀬川原平に師事する。1981年に美学校の同期生である泉晴紀と組んだ「泉昌之」として、ガロ「夜行」でデビュー。1990年には実弟の久住卓也とのユニット「QBB」で発表した「中学生日記」で第45回文藝春秋漫画賞を受賞。原作者としても活動しており、代表作に谷口ジローとの共著『孤独のグルメ』、水沢悦子との共著『花のズボラ飯』などがある。 ●ドラマ『孤独のグルメ』 個人で輸入雑貨商を営む男・井之頭五郎は商用で日々いろいろな街を訪れる。そして一人、ふと立ち寄った店で食事をする。そこで、まさに言葉で表現できないようなグルメたちに出会うのだった――。 原作:『孤独のグルメ』作・久住昌之、画・谷口ゴロー/脚本:田口佳宏、板坂尚/音楽:久住昌之、Pick & Lips(フクムラサトシ 河野文彦)ほか/主演:松重豊 毎週水曜深夜0時43分~テレビ東京にて放送中 <http://www.tv-tokyo.co.jp/kodokunogurume/> ※第6話は2月8日放送
孤独のグルメ 【新装版】 「こういうのでいいんだよ、こういうので」 amazon_associate_logo.jpg
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『孤独のグルメ』原作者・久住昌之インタビュー「店選びは失敗があるから面白いんでしょ」(前編)


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 知らない土地でメシを食う時、ついつい「食べログ」を見て、少しでも点数の高い店に行こうとする......。現代人なら誰しも日常的にやっている店選びである。だが、『孤独のグルメ』の主人公・井之頭五郎はそんな店選びはしない。なんとなくふらりと立ち寄った店で、小さな失敗と成功を繰り返し、でも最後はなんとなく満足して店を後にする......。情報過多になった今の時代こそ、『孤独のグルメ』の持つ価値が高まってきているのではないか。そこで、1月よりテレビ東京系でドラマ化されたこの作品について、原作者の久住昌之氏に話を聞いた。店選びのポリシー、食体験のルーツ、そしてドラマ版の見どころとは? ──『孤独のグルメ』って、題材がすごく幅広いですよね。店の料理だけじゃなくて、駅弁やコンビニ飯まで取り上げたりして。「なんでも題材にしようと思えばできちゃう」みたいなところはあるんですか? 久住昌之氏(以下、久住) いや、いつも苦労してますよ。何をやろうか、どこにしようかというのは、いっぱい失敗しながらやってますね。 ──そこでいう「失敗」というのは? 久住 要は「マンガにならないな」と。 ──実際にどの店を取り上げるかどうかはともかく、まず「この店を取材しよう」というのはどうやって決めるんですか? 何かで調べて? 久住 調べないです。だいたい「調べる」って、「インターネットを見る」ってことでしょ? そんなことをしてたら面白くないですよね。やっぱり(店の面構えを見て)「ここがよさそうだな」とまず思って、でもすぐに「いいかもしれない......悪いかもしれない......」とか迷ったりして。中に入ってもいいのか悪いのかわかんなかったり。「おいしい......ような気がする」とか。そういうのがいいんですよ。 ──ドラマではマンガと違う店を取り上げてますけど、これはどういう意図で? 久住 ドラマ化にあたって僕が出した条件はただ一つ、「マンガに出た店ではやらないでくれ」ということで。店に迷惑がかかるし、同じ店に行くとマンガと同じものを期待しちゃうから読者がガッカリしたりもする。だから「原作で出た店には行かないでくれ」と。それで店選びにすごい苦労してるんですよ(笑)。 ──ドラマの店選びも久住さんが? 久住 僕はやってないです。ドラマのスタッフが「すごい苦労してます」って言ってたんで、僕は「そういうマンガなんですよ」って。そこに苦労してるのが原作だから。作っている人たちがすごく誠実だなと思うのは、ネットで見た店に行っていないこと。一生懸命歩いているわけです。それで失敗したり成功したりしながら店選びをやっているってことは、そういうマンガなんだとわかってくれている。今そういうことをするとみんな驚きますよね。 ──「食べログ」とか「ぐるなび」に頼るってことですよね。 久住 それもそうだし、「面白いものはネットで拾うものだ」みたいな感覚ね。僕は自分のライブやトークショーで、散歩してる時に見つけた面白いものをスライドで見せたりするんですけど、終わってから観客の若者が「こういう映像ってネットで拾うんですか?」って。本当にびっくりしましたね。 ──ネットの店選びに慣れてしまうと、「街を歩く」という行為が「調べた目的地にたどりつくための手段」でしかなくなってしまうんじゃないですかね。 久住 ただの確認ですよね、それは。誰かが行ったところをなぞって、失敗しないようにする。でもマンガなんてやっぱり失敗するから面白いんでしょ。だから失敗しなきゃどうしようもないわけだよね。僕はマンガ家だからそうなのであって、他の人は別にネット使ったっていいんだけど、そのほうがドキドキして面白いよね。経済効率と面白いってことは全然違うってことだからね。効率よくおいしいものを食べることはできるかもしれないけど、効率よく面白い体験をすることはできないからね。 ──店に入って注文すると「思っていたのと違った」というのは割とあることですよね。でも、主人公の五郎はそれを受け入れる。ちょっと違うのが出てきても、とりあえず食べてみる。食べてみて初めて、「予想とは違うけど、うまいぞ」って流れになるじゃないですか。普通といえば普通のことなんですけど、事前に調べれば調べるほど「自分の予想と違ったものが来ると不機嫌になりやすい」ってタイプの人も多いんじゃないかなと思いました。 久住 一つには自分で選んでしまった責任があるから、自分でなんとかしようとするじゃないですか。おいしかったらうれしいし、ハズレたら悔しいし。悔しいけど文句を言うところはない。自分の感想って、そういうところが純粋なんですよね。そういうのが自分で調べないで行く面白さだし、大きく言えば人生なんてそんなもんじゃないですか。自分で選んで、その成功なり失敗を受け入れるっていうね。 ──久住さん自身は、店のルールとか雰囲気みたいなものに積極的に合わせるほうですか? 久住 それはもう、一軒の店は一つの国だと思ってるからね。外国に入ったんだから合わせないといけないと思いますよね。そこの法律があるんだろうから。自分に合わなければもう来ないだろうし、合えばまた行く。本当に外国に行くみたいな気がしますね。「この王様いいぞ、まるでブータンだな......」とか「ここは北朝鮮だなあ......」とか。 ──作画の谷口ジローさんは取材に同行するんですか? 久住 いや、しませんね。 ──でも作画にかなり臨場感がありますよね。背景自体にシズル感があるというか。 久住 谷口さんの描く背景ってのはすごいですよ。「背景で語る」っていうところがある。僕は「こんなに描かなくても」って言うんだけど、谷口さんいわく「きちんと描くのは、そうしないと主人公の気持ちがわかんないから」って言うの。(五郎は)感情的にいろいろ言わない人で、「いい店だな」くらいしか言わないけど、その「いい店だな」と感じたリアリティまで描き込まないと読者にわからないって言うの。写真をトレースして描きこんだものを何倍も超えてる。もちろん写真を使ってトレースしたりするんだけど、元の写真を見ると実はつまんなかったりするんですよ(笑)。谷口さんが描くことによってよくなる。 ──あのマンガの中での「おいしい」の表現というのは、純粋に食べ物の描写だけじゃなくて、描きこまれた雰囲気も込みで、ってことですよね。 久住 込みっていうか、7割くらいそう(笑)。いま『孤独のグルメ』がいま世界5カ国で訳されてるんだけど、その話をするとみんな「外国の人にわかるんですか?」って言うんですよね。「高崎の焼きまんじゅうの味をイタリアの人はわかるのか?」みたいな。イタリアの人はもちろん味はわかんないんだけど、「辛いと思ったら甘かった」とか、「つい頼みすぎた」とか、そういうことはあるから彼の気持ちはわかる。それで非常に食べてみたくなるって言うんですよ。  自分自身のことを考えてみたら、子どもの時に白黒テレビでマカロニウエスタンの映画を見てたんだけど、メキシコとの国境あたりで主人公が酒場に入って、「腹が減ったから何か食わせろ」って言ったら自分の見たことない料理が出てくる。スチールの皿に入ってて、主人公はそれをスプーンですくって食ってるんだよね。「これ食いたいなあ」って思ったんだけど、なんだかわかんない。母親に聞いても「モツでも煮たものかねえ」って(笑)。それ、今考えたらチリコンカーンなんだよね。ビーンズを煮たもの。当時はそんな料理知らないし、画面も白黒だったし。でも「食べたい!」って思ったんだよね。外国の人が見てもわかるっていうのは、そういう気持ちなんじゃないですかね。食べるってのは共通のことだからね。 (後編に続く/取材・文=前田隆弘/撮影=オカザキタカオ) ● くすみ•まさゆき 1958年東京生まれ。美学校・絵文字工房で赤瀬川原平に師事する。1981年に美学校の同期生である泉晴紀と組んだ「泉昌之」として、ガロ「夜行」でデビュー。1990年には実弟の久住卓也とのユニット「QBB」で発表した「中学生日記」で第45回文藝春秋漫画賞を受賞。原作者としても活動しており、代表作に谷口ジローとの共著『孤独のグルメ』、水沢悦子との共著『花のズボラ飯』などがある。 ●ドラマ『孤独のグルメ』 個人で輸入雑貨商を営む男・井之頭五郎は商用で日々いろいろな街を訪れる。そして一人、ふと立ち寄った店で食事をする。そこで、まさに言葉で表現できないようなグルメたちに出会うのだった――。 原作:『孤独のグルメ』作・久住昌之、画・谷口ゴロー/脚本:田口佳宏、板坂尚/音楽:久住昌之、Pick & Lips(フクムラサトシ 河野文彦)ほか/主演:松重豊 毎週水曜深夜0時43分~テレビ東京にて放送中 <http://www.tv-tokyo.co.jp/kodokunogurume/> ※第6話は2月8日放送
孤独のグルメ 【新装版】 「こういうのでいいんだよ、こういうので」 amazon_associate_logo.jpg
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「誰もやってない設定のコントをやる」ラバーガール7度目の単独ライブへ

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 大水演じる"少し気持ち悪い"キャラから飛び出すボケに、飛永が少し呆れた顔で冷静にツッコむ。大水はそれに動じることなくボケ続け、飛永は声を荒げるわけでもなくまたツッコむ......。  そんな独特な空気がクセになるのだろうか。毎年行われる単独ライブのリピート率の高さは、若手お笑い界随一といってもいいかもしれない。そのくらい、一度つかんだファンの心を離さないのがラバーガールのコントなのだ。  この日は、7回目の単独ライブ『ジェイコブ』(2月25日、26日)のネタ作りの真っ最中。これまで「表情を表に出さない」「冷静沈着」などという言葉をイヤというほど浴びてきたであろう2人だが、取材中「それはきっとこの先も一生言われ続けるんだろうなあ」と思った。なぜなら大水の風俗の話題でも、飛永が好きなアイドルの話題でも、実に優しい口調で淡々と話してくれたからである......。 ――前回の単独ライブ『エマ』に続き、今回が『ジェイコブ』と外国人の名前が続いてますね。 大水洋介(以下、大水) 『ジェイコブ』というタイトルは前回の単独ライブの時から決めてたんです。『エマ』では女性のマネキンを使ったネタを何個かやったので、今回はその男バージョンということで、ライブを2個セットみたいな感じにしようかなあと。 ――今、まさにネタ作り中とのことですが、順調に進んでますか? 飛永翼(以下、飛永) 半分くらいできましたね。あと、だいたいできてるけどオチだけ決まってないネタもあったり。うちらオチを考えるの苦手なんですよ......。 大水 『爆笑オンエアバトル』(NHK)のジャッジペーパーとかでも、オチが気に入らないってすごい書かれるんです。見てる人はきれいに終わった方がうれしいんだろうなあとは思うんですけど、ちょうどいいオチがなかなか見つからなくて。 飛永 漫才ってズルいよね。ずっと同じテンポでボケてても、「もういいよ」って言ったら終われるっていう。コントの場合はいろんな設定があるから、「もういいよ」とか「いい加減にしろ」につながらないこともあるし。 大水 コントでも「もういいよ」に変わるものを作ればいいのかなあ。 飛永 「もう寝ろよ」とか? 大水 あ、いいね(笑)。「もう寝ろよ」は何の設定でもいけそう。女役だったら「もう寝なさいよ」って言い換えればいいわけでしょ? IMG_0356_.jpg ――(笑)。今回の単独ライブの特徴は? 大水 おそらく誰もやったことのない設定のネタがあります。まだ完成してないからどうなるか分からないですけど、うまいこといったら面白いと思いますよ。 飛永 前回はお芝居っぽいのが多かったので、今年はもうちょっとお笑いっぽく分かりやすいものをやろうかなと。ポップなネタが多いと思います。 ――昨年は舞台『スマートモテリーマン講座』への出演や、映画『ぱいかじ南海作戦』(今夏公開)の撮影があったりと、俳優としての活動も目立ちましたが、お2人にとってどんな年でしたか? 大水 人の書いたものをやるというのはプラスになりましたね。「自分ってこういうのもできるんだ」っていうのが分かりましたし。 飛永 ネタ番組が少ないので、お笑い的にはフラストレーションの溜まる感じはありましたけど、そんな中でも大水くんが『人志松本の○○な話』(フジテレビ系)とかにちょいちょい出たりしていたので、広がりは見せてるのかなあと。 ――最近、大水さんに「風俗好き」のイメージがついたのも、松本人志さんのテレビでの発言からですよね。 大水 『○○な話』の打ち上げに出させてもらった時に、松本さんに「お前、風俗とか行かなそうだなあ」って言われたんで、「いやいや、行きます」って言って、30分くらい自分の性癖とかを語ったんです。そしたらそれを松本さんが覚えていてくれて、一昨年の『キングオブコント』でイジッてくれたんですけど、そこで一度触れられただけなのに反響がでかくて。街を歩くと男性に「僕も風俗好きなんですけど、おすすめないですか?」ってすげえ聞かれるんですよ。僕もそこまで詳しいわけじゃないから、ちょっと困ってるんです(笑)。 ――こんな話の後になんですが、お2人は子ども番組『We Can☆47』(BSフジ)に長い間レギュラー出演されてますよね。子どものファンは増えましたか? 大水 僕、3カ月前にディズニーシーに行った時、「あ! ラバーガールだー!」って小学生が5~6人が集まってきて、なぜか皆からチンコを触られました。 飛永 それ『We Can』見てるんじゃなくて、『キングオブコント』の松本さんのくだりを見たんじゃない(笑)? 大水 あ、そうか。そうかもしんない。 ――(笑)。ところで昨年末に行われた『エマ』のDVD発売イベント『大水3minutes』は、ファンが3分間、大水さんと好きな時間を過ごせるというユニークな内容だったそうですね。 飛永 カーテンで囲われた一畳くらいのスペースに大水くんがいて、お客さんが一人ずつ入るんです。「一発ギャグ」「モノマネ」「腕相撲」「ポッキーを食べさせる」など、できることのリストが一応あるんですけど、それ以外でも大水くんがいいって言えば時間内は何をしてもいいというルールで。 ――2人きりだなんて、ファンはうれしいでしょうね。 飛永 たまにカーテンの中から女性の「あぁ、すごい......」って声が聞こえてきたので、僕は何をやってるんだろうって謎だったんですけど(笑)。 大水 それは腕相撲ですよ。僕が勝つと女性のお客さんが「あぁ、すごい......」って言うんです。 ――最長で10分間も大水さんと2人の時間を過ごしたお客さんがいたと聞きましたが、1人3分じゃないんですか? 飛永 最初に、お客さん全員に星が3つ貼ってあるカードを配りまして。星1つが1ミニッツで、物販を買ったりすることで星が増やせるシステムにしたんです。 ――面白いシステムですね。 飛永 これは、私立恵比寿中学のイベントで配られる「エビ中券」を参考にさせていただきました。ほかにも最近は、DVDを手売りで買っていただいたお客様に、サインと写真と大水くんのハグが付いてくるっていうのをやっています。売り上げを伸ばすっていうのはそれ自体も宣伝につながりますし、何よりイベントは楽しいですよね。 ――私立恵比寿中学って、飛永さんがハマッてるアイドルグループですよね。大水さんは、飛永さんがアイドルのシステムをさらっとお笑い界に取り入れようとしていることについて、どう思ってるんですか? 大水 結局、みんなが幸せになるじゃないですか。まあ、何枚も買ってくださるお客様もいるので申し訳ない気持ちにはなりますけど、無理のない範囲でやれればいいのかなあと。 飛永 エビ中の『もっと走れっ!!』のCDはうちに何枚もありますから、ファンの気持ちはすごい分かります。 大水 エビ中は何がいいの? AKB48でいいんじゃないの? 飛永 「いいんじゃないの?」って何(笑)? エビ中はメンバーが9人いるんだけど、それぞれのキャラクターがものすごく立ってるんですよ。僕の推しは"エビ中のハイテンションガール"って言われる真山りかちゃんなんだけど。ほかにも"ぁぃぁぃ"っていう目立つ子がいたり。 大水 あいあい? 猿? 飛永 猿じゃない(笑)。人間の女の子。 大水 エッチな目では見てないの? 飛永 見るかいっ! みんな中学生だし。 大水 でもさ、10年後くらいにキレイになった姿を想像して、今から目を付けるみたいな。 飛永 それはないよ。ただ「半年前より大人っぽくなったな」っていうような感動はあるよ。「なっちゃん、最近キレイになったなあ」とか。 大水 なっちゃん? 誰? う~ん、俺は高校球児を見てた方がいいかなぁ(大水は高校野球ファン)。 飛永 そしたら男版のEBiDAN(恵比寿学園男子部)っていうのがあるよ。 大水 いや、それは......(笑)。 ――大水さんには届きませんでしたね(笑)。では最後に、単独ライブ『ジェイコブ』について読者へメッセージを! 大水 今、ネタが半分くらいできてるんですけど、今のところ超面白いです! 飛永 今回は、今まで以上に全部出し切ってる感じがあるので、僕らの集大成に近いかもしれないです。エビ中に負けないようなライブになるようにネタ作り頑張ってますので、ぜひ見に来てください。 (取材・文=林タモツ) ●ラバーガール 飛永翼(左)と大水洋介(右)からなるお笑いコンビ。2001年結成。2010年『キングオブコント』決勝5位。『We Can☆47』(BSフジ)出演中。 ・ラバーガール第7回単独ライブ「ジェイコブ」 日時:2012年 2月25日(土)18時30分開場・19時開演 2月26日(日)13時30分開場・14時開演/17時30分開場・18時開演 場所:紀伊國屋ホール 詳細:<http://www.p-jinriki.com/pc/news/event/1880.php>
ラバーガール ソロライブ「エマ」 こっちもね。 amazon_associate_logo.jpg
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思わずドキっ!? 人気声優・能登麻美子が初エッセイで見せた意外な内面世界

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(c)能登麻美子/TOブックス
 『君に届け』の黒沼爽子や『地獄少女』の閻魔あいなど、儚げな美少女を演じさせたら右に出る者はいない。そんな史上最強のウィスパーボイスを持つ人気声優・能登麻美子。  地球環境をテーマにしたラジオ番組「地球NOTE」のMCを務め、オーガニックなサウンドとその歌声が優しくマッチする主題歌「青のキセキ」(ランティス)でアーティストとしてもデビューするなど、「声」と「言葉」を通じてさまざまな表現に挑む彼女が、自身初となるオフィシャル・フォトエッセイ『クオリア』をTOブックスより発行した。  今回は、沖縄と箱根で撮影された多数のフォトと、能登自身が直筆で書き下ろしたエッセイで、自身の全てをビビッドに描きだしたファン必見の一冊『クオリア』の世界を、彼女自身に解説してもらった。 ■心のおもむくままに綴った直筆エッセイ ──今回出版された『クオリア』は、能登さんの初の公式本になるわけですが、どういう経緯で今回の企画がスタートしたのでしょうか。 「もともと声優の雑誌や、保険会社のウェブサイトなどにコラムを書かせていただいていて、そのネタになるかなと思って日々感じることなどを書き留めていたんです。それを、たまたま見ていただく機会があって、そこから『面白そうだね』という声をかけていただいて、今回の企画につながったんです」 ──なるほど。『クオリア』の本文はすべて能登さんの手書きとなっていますが、これらのテキストは今回のために書き下ろされたのでしょうか。 「今回の本を出すことが決まってから書いたものもあれば、それ以前に誰に見せるでもなく、ばっと書きなぐったものもあったり。あとは全体の構成が見えてきてから、セクションごとに付け加えていった文章もあります。さまざまなシチュエーションで書きましたね」 ──その文章も、きれいで耳触りのいい言葉ばかりではなく、「醜い」「卑しい」といった強い言葉も出てきます。個人的には「儚い」とか「優しい」というようなイメージを能登さんの声や演じるキャラクターから感じることが多いのですが、生々しい手書きの文字で書かれたこのフレーズを目にした時、思わずドキッとしてしまいました。 「人は清濁を併せ持つ存在なので、汚い部分や醜い感情、卑しい感情も持っていると思うんです。だから、きれいなものもきれいじゃないものが隣り合う生々しさというものを表現したかったんです。どちらの感情も飾らずに、シンプルに書くよう努めました。もしかしたら読んでくださる方が、『この本をもう2度と開きたくない』と思うかもしれないという不安もあったんですが、それでもありのままを書くことのほうがいいと思ったんです」 ──今まで、ここまでリアルに能登さんの内面をさらすことはありましたか? 「あるとするなら、それがお芝居だと思います。今まで、いろんな役をアニメーションでやらせていただく中でものすごい負の感情を持っている役や、怨念めいている役との縁もあったのですが、役の感情と自分を結び付けて昇華させるのが『芝居』だと思っています。ただ、自分のリアルな言葉で感情を表現するという経験は初めてだったので、そういう意味ではまたお芝居とは違うのかな。書いている時は夢中だったので、書き終わるとぐったりとしていました(笑)」 ──怒りのセクションでは、文字にもすごく力がこもっていますね。 「そうですね。ひどい殴り書きですね(笑)。清書したものも中にはあるんですが、多少見にくくても、そのままでいってしまった部分もあります」 ──読んでいて面白かったのが、絵具で書かれた文字の色の濃淡がはっきりと見える点ですね。「ここで絵具を付け直したのかな?」とか「ここまで一気に書いたんだな」という風に能登さんの呼吸が感じられるような気がしました。 「本当ですか? うれしい! そういう部分もあえてそのままに、心の赴くままに、自然体でやれたらいいなと思っていたんです」 ■初めての経験をした箱根での撮影 ──写真と文章は互いに関連付けて撮影したり、書いたりしたのでしょうか。 「もともとは文章が先なんです。たくさんある文章の中からある程度絞り込んで、そこからセクションごとに分けて、この言葉にはこの写真かなと後から当てはめていきました」 ──撮影はどこでされたんですか? 01notomamiko.jpg 「緑が多い写真は沖縄ですね。沖縄の写真は、今やっているインターネットラジオ番組『地球NOTE』主題歌のシングルCD『青のキセキ』のジャケット撮影の際に撮ったものです。実は『クオリア』は『地球NOTE』との連動企画でもあるので」 ──なるほど。他にも街中や電車の中でのシチュエーションもありますね。 「そちらの舞台は箱根の強羅です。黒い衣装のところは旅館を貸していただいて撮ったんですよ。なるべく自然がいっぱいな沖縄の風景と被らないように。かつ日常性があって、ちょっと日本的な雰囲気があるところ。あとは秋が近い時期に撮ったので、赤や黄色が強いところというところで箱根になりました」 ──撮影時の思い出深いエピソードなどはありますか? 「旅館の中での写真は、お芝居のようにシチュエーションを決めて撮ったのですが、そういう撮影は初めてだったので印象深かったですね。『笑ってください』と言われることはあっても、『苦しそうな顔をください』とか『悲しそうにお願いします』と言われることはなかなかなかったので(笑)」 ──そういう点では、今まであまり見ることのできなかった能登さんの姿が見られそうな一冊ですよね。 「そうですね。人にはこういう部分もあるんだ。自分にもこういう部分があるかな、という風に読者のみなさんの心に引っかかるフックになればうれしいですね」 ──ちなみに能登さんご自身は写真を撮ったりするんですか? 「実は最後のページの写真だけは私が撮った写真なんです。最初は自分の撮った写真と自分の言葉で本を作る、という案もあったんですけど最終的にはこういう形に落ち着きました。今回、写真って本当に難しいんだなって痛感しました(笑)。昔、写真家さんの事務所でアルバイトをしていた時に壊れた一眼レフをもらって、よく写真を撮っていたんですが、このところはちょっと御無沙汰で......」 ──ある意味、言葉、歌、ラジオ、芝居、そして写真と、今まで能登さんが経験してきたことが、一つにつながった本がこの「クオリア」という風にもいえますよね。 「確かに。本当に不思議な縁ですよね」 ■次の目標は絵本? 能登麻美子の目指す次なる表現とは......? ──今回の『クオリア』もそうですが、ラジオ番組「地球NOTE」、シングル『青のキセキ』。あとは作詞家・松井五郎さんとのコラボで朗読CD『地球NOTE 時のしおり』をリリースされたりと、ここ最近の能登さんは声と言葉というものを通していろいろな表現に挑戦されているように感じます。 「そうかもしれません。もちろんベースは声のお仕事なんですけど、垣根を作らずに言葉や声というものを通した表現にかかわっていけたらいいなということは思っています」 02notomamiko.jpg ──自分自身の言葉で表現をするという行為は楽しいですか? 「苦しいけど楽しいです。私の普段のお仕事である誰かの言葉で表現するということと、自分自身の言葉で表現するということは、根っこは同じでもやっぱり違う作業だと思います。なので、今回の「クオリア」では生々しいというか、そのものを表わせたというか。そういうことをできたということが、最大の喜びです」 ──今後もそのようなお仕事をやっていきたいと思いますか? 「そうですね。今後も自分の中から出てくる言葉を表現するお仕事に携わる事ができたらいいなと思っています。それが文字で表すという形か自分でしゃべるという形かは分からないのですが、もっと自分の生身を使って表現していきたいです」 ──では、小説なんかどうですか? 「いや! 物語が本当に書けないんです! 挑戦したことがあるんですけど、うんともすんとも書けなくて! 本当に小説家ってすごいんだなと思いましたね。絵本くらいの文章の量ならいけるんじゃないかなと思うんですけど......(笑)」 ──個人的には、能登さんの文字のタッチで描かれた絵本も読んでみたいような気もします(笑)。 「本当ですか? じゃあがんばろう(笑)!」 ──それでは最後に読者へのメッセージをお願いします。 「今回の本に収められた言葉なり色なり、写真なり、それらを見ることで、何か一つでも皆さんが感じて、喜んでいただけたらすごくうれしいです」 (取材・文=有田シュン) ●のと・まみこ 1980年石川県生まれ。声優、ナレーター。唯一無二ともいわれる「癒し声」を持つ声優として知られる。おっとりとした少女役を演じることが多い一方で、メインで少年役を演じることもあり、演技の幅は広い。また、CMのナレーションも数多くこなしている。
能登麻美子フォトエッセイ 「クオリア」 イベントも要チェック! amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・堀江由衣が新宿東口を急襲! ステーションスクエアで新曲発売記念ライブ豪華声優陣が競演! 『モーレツ宇宙海賊』アフレコ中の小松未可子&花澤香菜を直撃!!平野綾がバーニング系事務所に移籍 声優界にバーター横行の危機!?

思わずドキっ!? 人気声優・能登麻美子が初エッセイで見せた意外な内面世界

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(c)能登麻美子/TOブックス
 『君に届け』の黒沼爽子や『地獄少女』の閻魔あいなど、儚げな美少女を演じさせたら右に出る者はいない。そんな史上最強のウィスパーボイスを持つ人気声優・能登麻美子。  地球環境をテーマにしたラジオ番組「地球NOTE」のMCを務め、オーガニックなサウンドとその歌声が優しくマッチする主題歌「青のキセキ」(ランティス)でアーティストとしてもデビューするなど、「声」と「言葉」を通じてさまざまな表現に挑む彼女が、自身初となるオフィシャル・フォトエッセイ『クオリア』をTOブックスより発行した。  今回は、沖縄と箱根で撮影された多数のフォトと、能登自身が直筆で書き下ろしたエッセイで、自身の全てをビビッドに描きだしたファン必見の一冊『クオリア』の世界を、彼女自身に解説してもらった。 ■心のおもむくままに綴った直筆エッセイ ──今回出版された『クオリア』は、能登さんの初の公式本になるわけですが、どういう経緯で今回の企画がスタートしたのでしょうか。 「もともと声優の雑誌や、保険会社のウェブサイトなどにコラムを書かせていただいていて、そのネタになるかなと思って日々感じることなどを書き留めていたんです。それを、たまたま見ていただく機会があって、そこから『面白そうだね』という声をかけていただいて、今回の企画につながったんです」 ──なるほど。『クオリア』の本文はすべて能登さんの手書きとなっていますが、これらのテキストは今回のために書き下ろされたのでしょうか。 「今回の本を出すことが決まってから書いたものもあれば、それ以前に誰に見せるでもなく、ばっと書きなぐったものもあったり。あとは全体の構成が見えてきてから、セクションごとに付け加えていった文章もあります。さまざまなシチュエーションで書きましたね」 ──その文章も、きれいで耳触りのいい言葉ばかりではなく、「醜い」「卑しい」といった強い言葉も出てきます。個人的には「儚い」とか「優しい」というようなイメージを能登さんの声や演じるキャラクターから感じることが多いのですが、生々しい手書きの文字で書かれたこのフレーズを目にした時、思わずドキッとしてしまいました。 「人は清濁を併せ持つ存在なので、汚い部分や醜い感情、卑しい感情も持っていると思うんです。だから、きれいなものもきれいじゃないものが隣り合う生々しさというものを表現したかったんです。どちらの感情も飾らずに、シンプルに書くよう努めました。もしかしたら読んでくださる方が、『この本をもう2度と開きたくない』と思うかもしれないという不安もあったんですが、それでもありのままを書くことのほうがいいと思ったんです」 ──今まで、ここまでリアルに能登さんの内面をさらすことはありましたか? 「あるとするなら、それがお芝居だと思います。今まで、いろんな役をアニメーションでやらせていただく中でものすごい負の感情を持っている役や、怨念めいている役との縁もあったのですが、役の感情と自分を結び付けて昇華させるのが『芝居』だと思っています。ただ、自分のリアルな言葉で感情を表現するという経験は初めてだったので、そういう意味ではまたお芝居とは違うのかな。書いている時は夢中だったので、書き終わるとぐったりとしていました(笑)」 ──怒りのセクションでは、文字にもすごく力がこもっていますね。 「そうですね。ひどい殴り書きですね(笑)。清書したものも中にはあるんですが、多少見にくくても、そのままでいってしまった部分もあります」 ──読んでいて面白かったのが、絵具で書かれた文字の色の濃淡がはっきりと見える点ですね。「ここで絵具を付け直したのかな?」とか「ここまで一気に書いたんだな」という風に能登さんの呼吸が感じられるような気がしました。 「本当ですか? うれしい! そういう部分もあえてそのままに、心の赴くままに、自然体でやれたらいいなと思っていたんです」 ■初めての経験をした箱根での撮影 ──写真と文章は互いに関連付けて撮影したり、書いたりしたのでしょうか。 「もともとは文章が先なんです。たくさんある文章の中からある程度絞り込んで、そこからセクションごとに分けて、この言葉にはこの写真かなと後から当てはめていきました」 ──撮影はどこでされたんですか? 01notomamiko.jpg 「緑が多い写真は沖縄ですね。沖縄の写真は、今やっているインターネットラジオ番組『地球NOTE』主題歌のシングルCD『青のキセキ』のジャケット撮影の際に撮ったものです。実は『クオリア』は『地球NOTE』との連動企画でもあるので」 ──なるほど。他にも街中や電車の中でのシチュエーションもありますね。 「そちらの舞台は箱根の強羅です。黒い衣装のところは旅館を貸していただいて撮ったんですよ。なるべく自然がいっぱいな沖縄の風景と被らないように。かつ日常性があって、ちょっと日本的な雰囲気があるところ。あとは秋が近い時期に撮ったので、赤や黄色が強いところというところで箱根になりました」 ──撮影時の思い出深いエピソードなどはありますか? 「旅館の中での写真は、お芝居のようにシチュエーションを決めて撮ったのですが、そういう撮影は初めてだったので印象深かったですね。『笑ってください』と言われることはあっても、『苦しそうな顔をください』とか『悲しそうにお願いします』と言われることはなかなかなかったので(笑)」 ──そういう点では、今まであまり見ることのできなかった能登さんの姿が見られそうな一冊ですよね。 「そうですね。人にはこういう部分もあるんだ。自分にもこういう部分があるかな、という風に読者のみなさんの心に引っかかるフックになればうれしいですね」 ──ちなみに能登さんご自身は写真を撮ったりするんですか? 「実は最後のページの写真だけは私が撮った写真なんです。最初は自分の撮った写真と自分の言葉で本を作る、という案もあったんですけど最終的にはこういう形に落ち着きました。今回、写真って本当に難しいんだなって痛感しました(笑)。昔、写真家さんの事務所でアルバイトをしていた時に壊れた一眼レフをもらって、よく写真を撮っていたんですが、このところはちょっと御無沙汰で......」 ──ある意味、言葉、歌、ラジオ、芝居、そして写真と、今まで能登さんが経験してきたことが、一つにつながった本がこの「クオリア」という風にもいえますよね。 「確かに。本当に不思議な縁ですよね」 ■次の目標は絵本? 能登麻美子の目指す次なる表現とは......? ──今回の『クオリア』もそうですが、ラジオ番組「地球NOTE」、シングル『青のキセキ』。あとは作詞家・松井五郎さんとのコラボで朗読CD『地球NOTE 時のしおり』をリリースされたりと、ここ最近の能登さんは声と言葉というものを通していろいろな表現に挑戦されているように感じます。 「そうかもしれません。もちろんベースは声のお仕事なんですけど、垣根を作らずに言葉や声というものを通した表現にかかわっていけたらいいなということは思っています」 02notomamiko.jpg ──自分自身の言葉で表現をするという行為は楽しいですか? 「苦しいけど楽しいです。私の普段のお仕事である誰かの言葉で表現するということと、自分自身の言葉で表現するということは、根っこは同じでもやっぱり違う作業だと思います。なので、今回の「クオリア」では生々しいというか、そのものを表わせたというか。そういうことをできたということが、最大の喜びです」 ──今後もそのようなお仕事をやっていきたいと思いますか? 「そうですね。今後も自分の中から出てくる言葉を表現するお仕事に携わる事ができたらいいなと思っています。それが文字で表すという形か自分でしゃべるという形かは分からないのですが、もっと自分の生身を使って表現していきたいです」 ──では、小説なんかどうですか? 「いや! 物語が本当に書けないんです! 挑戦したことがあるんですけど、うんともすんとも書けなくて! 本当に小説家ってすごいんだなと思いましたね。絵本くらいの文章の量ならいけるんじゃないかなと思うんですけど......(笑)」 ──個人的には、能登さんの文字のタッチで描かれた絵本も読んでみたいような気もします(笑)。 「本当ですか? じゃあがんばろう(笑)!」 ──それでは最後に読者へのメッセージをお願いします。 「今回の本に収められた言葉なり色なり、写真なり、それらを見ることで、何か一つでも皆さんが感じて、喜んでいただけたらすごくうれしいです」 (取材・文=有田シュン) ●のと・まみこ 1980年石川県生まれ。声優、ナレーター。唯一無二ともいわれる「癒し声」を持つ声優として知られる。おっとりとした少女役を演じることが多い一方で、メインで少年役を演じることもあり、演技の幅は広い。また、CMのナレーションも数多くこなしている。
能登麻美子フォトエッセイ 「クオリア」 イベントも要チェック! amazon_associate_logo.jpg
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思わずドキっ!? 人気声優・能登麻美子が初エッセイで見せた意外な内面世界

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(c)能登麻美子/TOブックス
 『君に届け』の黒沼爽子や『地獄少女』の閻魔あいなど、儚げな美少女を演じさせたら右に出る者はいない。そんな史上最強のウィスパーボイスを持つ人気声優・能登麻美子。  地球環境をテーマにしたラジオ番組「地球NOTE」のMCを務め、オーガニックなサウンドとその歌声が優しくマッチする主題歌「青のキセキ」(ランティス)でアーティストとしてもデビューするなど、「声」と「言葉」を通じてさまざまな表現に挑む彼女が、自身初となるオフィシャル・フォトエッセイ『クオリア』をTOブックスより発行した。  今回は、沖縄と箱根で撮影された多数のフォトと、能登自身が直筆で書き下ろしたエッセイで、自身の全てをビビッドに描きだしたファン必見の一冊『クオリア』の世界を、彼女自身に解説してもらった。 ■心のおもむくままに綴った直筆エッセイ ──今回出版された『クオリア』は、能登さんの初の公式本になるわけですが、どういう経緯で今回の企画がスタートしたのでしょうか。 「もともと声優の雑誌や、保険会社のウェブサイトなどにコラムを書かせていただいていて、そのネタになるかなと思って日々感じることなどを書き留めていたんです。それを、たまたま見ていただく機会があって、そこから『面白そうだね』という声をかけていただいて、今回の企画につながったんです」 ──なるほど。『クオリア』の本文はすべて能登さんの手書きとなっていますが、これらのテキストは今回のために書き下ろされたのでしょうか。 「今回の本を出すことが決まってから書いたものもあれば、それ以前に誰に見せるでもなく、ばっと書きなぐったものもあったり。あとは全体の構成が見えてきてから、セクションごとに付け加えていった文章もあります。さまざまなシチュエーションで書きましたね」 ──その文章も、きれいで耳触りのいい言葉ばかりではなく、「醜い」「卑しい」といった強い言葉も出てきます。個人的には「儚い」とか「優しい」というようなイメージを能登さんの声や演じるキャラクターから感じることが多いのですが、生々しい手書きの文字で書かれたこのフレーズを目にした時、思わずドキッとしてしまいました。 「人は清濁を併せ持つ存在なので、汚い部分や醜い感情、卑しい感情も持っていると思うんです。だから、きれいなものもきれいじゃないものが隣り合う生々しさというものを表現したかったんです。どちらの感情も飾らずに、シンプルに書くよう努めました。もしかしたら読んでくださる方が、『この本をもう2度と開きたくない』と思うかもしれないという不安もあったんですが、それでもありのままを書くことのほうがいいと思ったんです」 ──今まで、ここまでリアルに能登さんの内面をさらすことはありましたか? 「あるとするなら、それがお芝居だと思います。今まで、いろんな役をアニメーションでやらせていただく中でものすごい負の感情を持っている役や、怨念めいている役との縁もあったのですが、役の感情と自分を結び付けて昇華させるのが『芝居』だと思っています。ただ、自分のリアルな言葉で感情を表現するという経験は初めてだったので、そういう意味ではまたお芝居とは違うのかな。書いている時は夢中だったので、書き終わるとぐったりとしていました(笑)」 ──怒りのセクションでは、文字にもすごく力がこもっていますね。 「そうですね。ひどい殴り書きですね(笑)。清書したものも中にはあるんですが、多少見にくくても、そのままでいってしまった部分もあります」 ──読んでいて面白かったのが、絵具で書かれた文字の色の濃淡がはっきりと見える点ですね。「ここで絵具を付け直したのかな?」とか「ここまで一気に書いたんだな」という風に能登さんの呼吸が感じられるような気がしました。 「本当ですか? うれしい! そういう部分もあえてそのままに、心の赴くままに、自然体でやれたらいいなと思っていたんです」 ■初めての経験をした箱根での撮影 ──写真と文章は互いに関連付けて撮影したり、書いたりしたのでしょうか。 「もともとは文章が先なんです。たくさんある文章の中からある程度絞り込んで、そこからセクションごとに分けて、この言葉にはこの写真かなと後から当てはめていきました」 ──撮影はどこでされたんですか? 01notomamiko.jpg 「緑が多い写真は沖縄ですね。沖縄の写真は、今やっているインターネットラジオ番組『地球NOTE』主題歌のシングルCD『青のキセキ』のジャケット撮影の際に撮ったものです。実は『クオリア』は『地球NOTE』との連動企画でもあるので」 ──なるほど。他にも街中や電車の中でのシチュエーションもありますね。 「そちらの舞台は箱根の強羅です。黒い衣装のところは旅館を貸していただいて撮ったんですよ。なるべく自然がいっぱいな沖縄の風景と被らないように。かつ日常性があって、ちょっと日本的な雰囲気があるところ。あとは秋が近い時期に撮ったので、赤や黄色が強いところというところで箱根になりました」 ──撮影時の思い出深いエピソードなどはありますか? 「旅館の中での写真は、お芝居のようにシチュエーションを決めて撮ったのですが、そういう撮影は初めてだったので印象深かったですね。『笑ってください』と言われることはあっても、『苦しそうな顔をください』とか『悲しそうにお願いします』と言われることはなかなかなかったので(笑)」 ──そういう点では、今まであまり見ることのできなかった能登さんの姿が見られそうな一冊ですよね。 「そうですね。人にはこういう部分もあるんだ。自分にもこういう部分があるかな、という風に読者のみなさんの心に引っかかるフックになればうれしいですね」 ──ちなみに能登さんご自身は写真を撮ったりするんですか? 「実は最後のページの写真だけは私が撮った写真なんです。最初は自分の撮った写真と自分の言葉で本を作る、という案もあったんですけど最終的にはこういう形に落ち着きました。今回、写真って本当に難しいんだなって痛感しました(笑)。昔、写真家さんの事務所でアルバイトをしていた時に壊れた一眼レフをもらって、よく写真を撮っていたんですが、このところはちょっと御無沙汰で......」 ──ある意味、言葉、歌、ラジオ、芝居、そして写真と、今まで能登さんが経験してきたことが、一つにつながった本がこの「クオリア」という風にもいえますよね。 「確かに。本当に不思議な縁ですよね」 ■次の目標は絵本? 能登麻美子の目指す次なる表現とは......? ──今回の『クオリア』もそうですが、ラジオ番組「地球NOTE」、シングル『青のキセキ』。あとは作詞家・松井五郎さんとのコラボで朗読CD『地球NOTE 時のしおり』をリリースされたりと、ここ最近の能登さんは声と言葉というものを通していろいろな表現に挑戦されているように感じます。 「そうかもしれません。もちろんベースは声のお仕事なんですけど、垣根を作らずに言葉や声というものを通した表現にかかわっていけたらいいなということは思っています」 02notomamiko.jpg ──自分自身の言葉で表現をするという行為は楽しいですか? 「苦しいけど楽しいです。私の普段のお仕事である誰かの言葉で表現するということと、自分自身の言葉で表現するということは、根っこは同じでもやっぱり違う作業だと思います。なので、今回の「クオリア」では生々しいというか、そのものを表わせたというか。そういうことをできたということが、最大の喜びです」 ──今後もそのようなお仕事をやっていきたいと思いますか? 「そうですね。今後も自分の中から出てくる言葉を表現するお仕事に携わる事ができたらいいなと思っています。それが文字で表すという形か自分でしゃべるという形かは分からないのですが、もっと自分の生身を使って表現していきたいです」 ──では、小説なんかどうですか? 「いや! 物語が本当に書けないんです! 挑戦したことがあるんですけど、うんともすんとも書けなくて! 本当に小説家ってすごいんだなと思いましたね。絵本くらいの文章の量ならいけるんじゃないかなと思うんですけど......(笑)」 ──個人的には、能登さんの文字のタッチで描かれた絵本も読んでみたいような気もします(笑)。 「本当ですか? じゃあがんばろう(笑)!」 ──それでは最後に読者へのメッセージをお願いします。 「今回の本に収められた言葉なり色なり、写真なり、それらを見ることで、何か一つでも皆さんが感じて、喜んでいただけたらすごくうれしいです」 (取材・文=有田シュン) ●のと・まみこ 1980年石川県生まれ。声優、ナレーター。唯一無二ともいわれる「癒し声」を持つ声優として知られる。おっとりとした少女役を演じることが多い一方で、メインで少年役を演じることもあり、演技の幅は広い。また、CMのナレーションも数多くこなしている。
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(c)能登麻美子/TOブックス
 『君に届け』の黒沼爽子や『地獄少女』の閻魔あいなど、儚げな美少女を演じさせたら右に出る者はいない。そんな史上最強のウィスパーボイスを持つ人気声優・能登麻美子。  地球環境をテーマにしたラジオ番組「地球NOTE」のMCを務め、オーガニックなサウンドとその歌声が優しくマッチする主題歌「青のキセキ」(ランティス)でアーティストとしてもデビューするなど、「声」と「言葉」を通じてさまざまな表現に挑む彼女が、自身初となるオフィシャル・フォトエッセイ『クオリア』をTOブックスより発行した。  今回は、沖縄と箱根で撮影された多数のフォトと、能登自身が直筆で書き下ろしたエッセイで、自身の全てをビビッドに描きだしたファン必見の一冊『クオリア』の世界を、彼女自身に解説してもらった。 ■心のおもむくままに綴った直筆エッセイ ──今回出版された『クオリア』は、能登さんの初の公式本になるわけですが、どういう経緯で今回の企画がスタートしたのでしょうか。 「もともと声優の雑誌や、保険会社のウェブサイトなどにコラムを書かせていただいていて、そのネタになるかなと思って日々感じることなどを書き留めていたんです。それを、たまたま見ていただく機会があって、そこから『面白そうだね』という声をかけていただいて、今回の企画につながったんです」 ──なるほど。『クオリア』の本文はすべて能登さんの手書きとなっていますが、これらのテキストは今回のために書き下ろされたのでしょうか。 「今回の本を出すことが決まってから書いたものもあれば、それ以前に誰に見せるでもなく、ばっと書きなぐったものもあったり。あとは全体の構成が見えてきてから、セクションごとに付け加えていった文章もあります。さまざまなシチュエーションで書きましたね」 ──その文章も、きれいで耳触りのいい言葉ばかりではなく、「醜い」「卑しい」といった強い言葉も出てきます。個人的には「儚い」とか「優しい」というようなイメージを能登さんの声や演じるキャラクターから感じることが多いのですが、生々しい手書きの文字で書かれたこのフレーズを目にした時、思わずドキッとしてしまいました。 「人は清濁を併せ持つ存在なので、汚い部分や醜い感情、卑しい感情も持っていると思うんです。だから、きれいなものもきれいじゃないものが隣り合う生々しさというものを表現したかったんです。どちらの感情も飾らずに、シンプルに書くよう努めました。もしかしたら読んでくださる方が、『この本をもう2度と開きたくない』と思うかもしれないという不安もあったんですが、それでもありのままを書くことのほうがいいと思ったんです」 ──今まで、ここまでリアルに能登さんの内面をさらすことはありましたか? 「あるとするなら、それがお芝居だと思います。今まで、いろんな役をアニメーションでやらせていただく中でものすごい負の感情を持っている役や、怨念めいている役との縁もあったのですが、役の感情と自分を結び付けて昇華させるのが『芝居』だと思っています。ただ、自分のリアルな言葉で感情を表現するという経験は初めてだったので、そういう意味ではまたお芝居とは違うのかな。書いている時は夢中だったので、書き終わるとぐったりとしていました(笑)」 ──怒りのセクションでは、文字にもすごく力がこもっていますね。 「そうですね。ひどい殴り書きですね(笑)。清書したものも中にはあるんですが、多少見にくくても、そのままでいってしまった部分もあります」 ──読んでいて面白かったのが、絵具で書かれた文字の色の濃淡がはっきりと見える点ですね。「ここで絵具を付け直したのかな?」とか「ここまで一気に書いたんだな」という風に能登さんの呼吸が感じられるような気がしました。 「本当ですか? うれしい! そういう部分もあえてそのままに、心の赴くままに、自然体でやれたらいいなと思っていたんです」 ■初めての経験をした箱根での撮影 ──写真と文章は互いに関連付けて撮影したり、書いたりしたのでしょうか。 「もともとは文章が先なんです。たくさんある文章の中からある程度絞り込んで、そこからセクションごとに分けて、この言葉にはこの写真かなと後から当てはめていきました」 ──撮影はどこでされたんですか? 01notomamiko.jpg 「緑が多い写真は沖縄ですね。沖縄の写真は、今やっているインターネットラジオ番組『地球NOTE』主題歌のシングルCD『青のキセキ』のジャケット撮影の際に撮ったものです。実は『クオリア』は『地球NOTE』との連動企画でもあるので」 ──なるほど。他にも街中や電車の中でのシチュエーションもありますね。 「そちらの舞台は箱根の強羅です。黒い衣装のところは旅館を貸していただいて撮ったんですよ。なるべく自然がいっぱいな沖縄の風景と被らないように。かつ日常性があって、ちょっと日本的な雰囲気があるところ。あとは秋が近い時期に撮ったので、赤や黄色が強いところというところで箱根になりました」 ──撮影時の思い出深いエピソードなどはありますか? 「旅館の中での写真は、お芝居のようにシチュエーションを決めて撮ったのですが、そういう撮影は初めてだったので印象深かったですね。『笑ってください』と言われることはあっても、『苦しそうな顔をください』とか『悲しそうにお願いします』と言われることはなかなかなかったので(笑)」 ──そういう点では、今まであまり見ることのできなかった能登さんの姿が見られそうな一冊ですよね。 「そうですね。人にはこういう部分もあるんだ。自分にもこういう部分があるかな、という風に読者のみなさんの心に引っかかるフックになればうれしいですね」 ──ちなみに能登さんご自身は写真を撮ったりするんですか? 「実は最後のページの写真だけは私が撮った写真なんです。最初は自分の撮った写真と自分の言葉で本を作る、という案もあったんですけど最終的にはこういう形に落ち着きました。今回、写真って本当に難しいんだなって痛感しました(笑)。昔、写真家さんの事務所でアルバイトをしていた時に壊れた一眼レフをもらって、よく写真を撮っていたんですが、このところはちょっと御無沙汰で......」 ──ある意味、言葉、歌、ラジオ、芝居、そして写真と、今まで能登さんが経験してきたことが、一つにつながった本がこの「クオリア」という風にもいえますよね。 「確かに。本当に不思議な縁ですよね」 ■次の目標は絵本? 能登麻美子の目指す次なる表現とは......? ──今回の『クオリア』もそうですが、ラジオ番組「地球NOTE」、シングル『青のキセキ』。あとは作詞家・松井五郎さんとのコラボで朗読CD『地球NOTE 時のしおり』をリリースされたりと、ここ最近の能登さんは声と言葉というものを通していろいろな表現に挑戦されているように感じます。 「そうかもしれません。もちろんベースは声のお仕事なんですけど、垣根を作らずに言葉や声というものを通した表現にかかわっていけたらいいなということは思っています」 02notomamiko.jpg ──自分自身の言葉で表現をするという行為は楽しいですか? 「苦しいけど楽しいです。私の普段のお仕事である誰かの言葉で表現するということと、自分自身の言葉で表現するということは、根っこは同じでもやっぱり違う作業だと思います。なので、今回の「クオリア」では生々しいというか、そのものを表わせたというか。そういうことをできたということが、最大の喜びです」 ──今後もそのようなお仕事をやっていきたいと思いますか? 「そうですね。今後も自分の中から出てくる言葉を表現するお仕事に携わる事ができたらいいなと思っています。それが文字で表すという形か自分でしゃべるという形かは分からないのですが、もっと自分の生身を使って表現していきたいです」 ──では、小説なんかどうですか? 「いや! 物語が本当に書けないんです! 挑戦したことがあるんですけど、うんともすんとも書けなくて! 本当に小説家ってすごいんだなと思いましたね。絵本くらいの文章の量ならいけるんじゃないかなと思うんですけど......(笑)」 ──個人的には、能登さんの文字のタッチで描かれた絵本も読んでみたいような気もします(笑)。 「本当ですか? じゃあがんばろう(笑)!」 ──それでは最後に読者へのメッセージをお願いします。 「今回の本に収められた言葉なり色なり、写真なり、それらを見ることで、何か一つでも皆さんが感じて、喜んでいただけたらすごくうれしいです」 (取材・文=有田シュン) ●のと・まみこ 1980年石川県生まれ。声優、ナレーター。唯一無二ともいわれる「癒し声」を持つ声優として知られる。おっとりとした少女役を演じることが多い一方で、メインで少年役を演じることもあり、演技の幅は広い。また、CMのナレーションも数多くこなしている。
能登麻美子フォトエッセイ 「クオリア」 イベントも要チェック! amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・堀江由衣が新宿東口を急襲! ステーションスクエアで新曲発売記念ライブ豪華声優陣が競演! 『モーレツ宇宙海賊』アフレコ中の小松未可子&花澤香菜を直撃!!平野綾がバーニング系事務所に移籍 声優界にバーター横行の危機!?