「ASKAはバカ!」「清原はノーセンス!」「壇蜜に会いたい」アノ“お騒がせ男”野村貴仁が年末大放言!!

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 有名人の麻薬スキャンダルが相次いだ2016年。この男も、騒動に巻き込まれる形で脚光を浴びたひとりである。元メジャーリーガー・野村貴仁(47)。2月に髭ぼうぼうのヘルメット姿でテレビの直撃取材を受け、元同僚の清原和博に覚せい剤を渡したことを明かして以来、注目の的に。9月には自伝的暴露本も発売し、大きな波紋を呼んだ。その野村が、激動の1年を振り返りつつ、大谷翔平や清宮幸太郎の将来性、ASKAへのアドバイス、そして自身の近況や恋愛事情などを語り尽くした。  * * * ――清原さんが逮捕された今年の2月以降、高知県にある野村さんのご自宅にマスコミが群がって大変そうでしたが、全部で何社ぐらいの取材を受けましたか? 野村 自分の出たテレビや雑誌を見ないんで、正確な数字は把握できとらんのですよ。でも1日に10社ほど来た日もありますし、随筆家とか野次馬も来たりして、いっときは大変でした。そのほとんどがギャラなんかなく、取材協力いう形でやっとったし、あの時期、本来の仕事(野球の指導)ができなくなったから、稼ぎも減った。ええことなんか何もないです。 ――取材謝礼で大儲けしているのかと思っていたのですが……。 野村 マイナスですよ。せいぜいビールの差し入れがある程度。で、その酒目当てで友人知人がウチに集まって来て、みんなでだらだらビール飲みながら野球の話をして、気付いたら朝、なんてこともよくあって。「もうええ加減、帰ってくださいよ」とお願いしたり(笑)。 ――野村さん自身は、差し入れのビールを飲まなかったんですか? 野村 気ぃつけながら飲んでましたね。缶ビールに細工して覚せい剤を入れられる可能性があるから、ずっと警戒はしてました。 ――缶ビールに細工なんかできるんですか? 野村 小さな穴開けてそっから覚せい剤入れて、ハンダで塞げばええだけのことです。でもね、細工しとっても、見破る方法があるんですよ。僕、握力が強いから、飲む前に缶を思い切り握りしめる。そうすると、細工した缶は(穴を塞いでいたハンダが剥がれて)、そこからプシューッと泡が吹き出るんです。 ――なるほど。しかし、ビールに細工をする人間なんて、いるんですか?
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野村 そりゃ、いっぱいおるでしょ。おかしなことは何回もありましたよ。「あれ? こんなとこにビール置いた記憶ないのに」ってこととか。そういうビールには手をつけず、全部証拠として置いときます。僕、ASKAとは違いますから。全部、証拠を後で「バン!」と出しますから。ASKAはただのバカでしょ。 ――ASKAさんの話は後ほどおうかがいするとして、一連の取材攻勢で一番腹が立ったことを教えてください。 野村 日テレがひどかったです。出すなと言ったのに出しましたからね。あんとき、たまたま掃除中でヘルメットかぶっとって、そろそろヒゲも剃ろうと思っとったところに、取材が来た。しかも「(映像を)出すなよ」と言ったのに、出ちゃって。あれで「バン!」といきましたからね。映像を見た田尾さんが、「この人はよほどのことをしないと治りませんよ」なんて言うてましたけど、僕のスイング、あの人の倍速いですよ。見てください(と言って素振りを披露)。 ――おお、すごい迫力ですね! 野村 僕、高校時代、4割9分8厘、ホームラン25本ですよ。強打者で、強肩で、剛腕。なのに田尾さんは「清原も野村も巨人に行っておかしくなった」とか、ワケわからんことを言う。清原も巨人では勝負どころで打っとるし、僕も抑えとるのに、何を根拠に言っとるのかな、と。アキレス腱、切ったろか! コラ! って思いましたよ。 ――アキレス腱を切る? 野村 僕、学生時代からずっと格闘技の練習しとったから、ローキックが得意なんですよ(と言って実演開始)。スパパパパン! で、パチーン! ですわ。 ――そういえば、この年末に野村さんが格闘家デビューするというプランもありましたね。押尾学さんに対戦のオファーを出したという報道を見ましたが、あの話は結局どうなったのでしょう? 野村 押尾が逃げたんですよ。まぁ出たところで、あんなの100%ノーチャンスですよ。パンパンパン! で終わりです。レノックス・ルイスみたいにね、こうやって(シャドーボクシングを開始)パンパンパン! の数秒で終了です。それに、たかだか○万のギャラじゃ、僕もできんですよ。 ――えっ? 数秒で○万円なら、割のいい仕事じゃないですか! 野村 僕はプロの格闘家を尊敬してますから、素人が人前で試合したらいかん、って思いもあるし。僕はやっぱ、野球の人間ですから。 ――では野球のお話をお聞きしますが、メジャーリーグでの投手経験もある野村さんから見て、二刀流の大谷翔平選手はどうでしょう? まずは「投手・大谷」の評価をお願いします。
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野村 イチローが大谷の話をしたときに、こう言うとったでしょう? 「すごいピッチャーはいくらでも出てくる」と。それを直訳したら、「投手としての大谷はたいしたことない」ってことでしょ。僕の教え子も、こう言うてます。「あんな160キロ、俺でも打てる」と。僕も「おまえ、その意気や!」言うてハッパかけてます。 ――しかし日本のプロ野球では、多くのバッターが大谷投手を打てず、キリキリ舞いになっているのが現状ですよね。 野村 スピードガンのメーターだけ見て物言うたらいかんですよ。大事なんは、セットで動き出してからミットにつくまでのスピードです。伊良部とか大谷みたいなフォームやったら、打者はタイミングを取れるんです。大谷はメジャーやったら通用せんと思います。 ――そうですかね? 野村 あんなもん、僕でも打てます。165キロ出た言うてますけど、あれ、ただのメーターの数字ですから。要するに大谷は、胸張って軌道がよう見えるフォームやから、速くても「空振りを取れんまっすぐ」なんですよ。160キロオーバーの球を投げるピッチャーなんて、向こうにはなんぼでもおる。でも逆に、スピードガンの数字は91マイル(約146キロ)やのに、対戦相手のロッキーズの選手から「体感は96マイル(約154キロ)だ。機械が壊れとるんか」言われる僕みたいなピッチャーもおるわけです。世間はスピードガンの数字だけ見て、大谷、大谷、騒いでますけど、僕は藤浪(晋太郎)や武田(翔太)のほうが上やと思います。 ――「打者・大谷」はいかがでしょう? 野村 日本のピッチャーのインコース攻めが甘いから、今は打ててるだけのこと。僕がピッチャーやったら、「若造コラ! ひっこんどけ!」言うて、大谷の胸元にブラッシュボールを投げますよ。江夏さんも言うてました。「肝のすわった投手が現れたら、大谷は打てなくなる」と。その通りやと思いますね。投打ともにそんな感じやから、メジャーで二刀流なんて甘いですよ。 ――では、早実の清宮幸太郎選手のことはどう思いますか? 野村 あれは論外でしょ。こんなこと(腕をクネクネ)して、足まであんなに上げとったら、僕がピッチャーやったら、足が地面つく前にボールがミットについてますよ(笑)。 ――野村さんの著書『再生』(KADOKAWA)にも書いてありましたが、プロ入り前の清原さんを見て「ノーセンスのバッター」と言い切り、プロ入り後も実際、20打数3安打とカモにしていた野村さんが言うのだから、説得力はありますね。
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野村 清原はノーセンス! 野球でもケンカでも負ける気はしません。とはいえ、サヨナラヒットやサヨナラホームランの数は歴代最多でしょ? ピッチャーに勝ち星をもたらしたところはリスペクトしとるよ。 ――『再生』では、清原さんとの覚せい剤をめぐる生々しいやりとりも明かされていましたが、2006年、自身も覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕された野村さんから見て、最近のASKAさんの言動はいかがでしょう? 野村 アカウントが乗っ取られたとか、そんなの当たり前でしょ? 電話あるでしょ、携帯電話。あれ、電源つけただけで、よそから中を見られますから。 ――そうなんですか? 野村 ワイヤレスであるじゃないですか。僕、大企業に務めとったこともあるからわかるんです。大事な会議はパソコンを使わず、電波が入らん部屋で、全部紙でやりますから。 ――企業秘密を盗もうとする動機はまだわかるのですが、誰が何の目的で個人の携帯やパソコンを覗くのでしょう? 警察の捜査目的ですか? それとも「ギフハブ」の仕業ですか? 野村 まぁなんにせよ、ASKAも盗聴が心配やったら、業者を呼んだらええやないですか。 ――盗聴器発見の業者ですか? 野村 そう。カネ持ってるんやから、専門の業者に調べてもらったらええんですよ。 ――確かにそれは名案かもしれませんね。でもASKAさんはうっかり警察に調査を依頼してしまい、言動が怪しかったため、尿検査を求められてしまいました。 野村 いっぺん捕まると3年はマークされるんです。僕も社会復帰してから20回ほど、尿検されてますから。泥棒に入られて警察を呼ぶじゃないですか。そうすると、尿検をやらされるんですよ。 ――お茶を入れたりは?
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野村 お茶なんか(と言って首を横に振る)。僕は3年前に8人でガサ入れが来たので、「動くな!」と警察を止めましたよ。体調悪くて2週間寝とったから、覚せい剤なんか出るはずないし、(警察に覚せい剤を)勝手に置かれたらいかんから。「どうして来たんや? ちゃんと内偵したんか? もし尿から出たら腹切って死ぬから」と言いました。実際、なんも出とらんから捕まってないわけです。 ――自著のタイトル通り、「再生」を果たしたと。 野村 はい。ただし、気は抜けませんよ。自分がどんだけしっかりしとっても、誘惑や罠があるから、いろいろと注意せないかんのです。 ――それでは、近況をお尋ねします。あの家に、現在もお住まいですか? 野村 まだあそこに住んでます。今は雰囲気が変わりましたけどね。 ――掃除して綺麗になったんですか? 野村 綺麗にはなってませんが、いろいろ変わりましたよ。最近やっとテレビも入れましたし。 ――テレビではどんな番組を見ますか? 野村 NHKしか見ないです。バラエティーとかは見ないですね。 ――家では何をしていることが多いですか? 野村 YouTubeを見ることが多いですね。昔の野球を見て勉強したり、ええ若手選手に目をつけたり、格闘技の試合を見たり。 ――カラオケはお好きですか? オハコがあったら教えてください。 野村 強いて言うなら、「夜明けのスターライト」ですかね。あの「ロンリーチャップリン」の鈴木さんが歌っとる曲。でも、全然上手くないですよ。音感ないし、覚えられんもん。最近の曲は全然ですね。ゲスのなんとか言われても、「なんやそれ?」やもん。 ――テレビに出た影響で、女性からモテるようになったのでは?
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野村 捕まったときから、「女性には気をつけとかないかんぞ」と知人に何度も言われてますから、気ぃつけてます。 ――言い寄られても、相手にしない? 野村 実際、変な女から電話かかってきたりもしましたよ。電話に出たらその女、「私の家に来んといてください」言うんです。 ――「私の家に来てください」ならわかるのですが、「来んといてください」ですか? 意味不明ですね。その女は何者ですか? 野村 さぁ。突然ファンになったんやないですか(笑)。こっちが下手なことしゃべったら、ストーカーみたいに思われるから、ヤバいと思った。録音されて、そこだけ流されたらいかんから。 ――なるほど。「来んといてください」の前後の会話をうまく切り取れば、「野村さんに付きまとわれて困っている女」というストーリーに仕立て上げることもできますからね。 野村 その女、手紙も送ってきてですね……。小学生が書くようなヘタクソな字で。写真もあったんですが、顔も……。だいたい僕のファンって時点で、イヤなんですよ。ハハハ。 ――ファンには手を出さない主義ですか? 野村 だいたい女性からハメられることが多いじゃないですか。だから、ノーサンキューです。 ――今現在、恋人や、好きな女性は? 野村 いないです。女性とは十何年、やってません。 ――興味がないんですか? それとも飽きてしまった? 野村 興味ないゆうか……(照れ笑い)、その体力もないし。飽きたこともないけど……気ぃつけとかないかんな、と。まぁ「女とやってない」いうんは、「クスリもやってない」いうことを遠回しに言うとるんですけどね。 ――今、一番会いたい人は?
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野村 う~ん………(長考中、友人でありマネジャー的なことをしている男性が会話に加わってくる)。 男性 おるでしょ。壇蜜さん! 貴仁、壇蜜さんのこと、全然知らんかったんよね。でも最近知って、最初は中国人やと思っとったみたいやけど、秋田の人やと知ってな。ほんでな。 野村 いらんこと言うな!(笑) ――壇蜜さんは「年上で、ちょっと不器用な男性が好き」らしいですから、ノーチャンスではないのでは? 野村 いやいやいや(と言って照れる)。女といえば、腹立つのは、誰やったかな。神スイングの……。 男性 稲村亜美さんか? 野村 そう、稲村亜美。あの子、何が神スイングや。俺のは稲妻スイングや! これ、ゲイリー・シェフィールドと俺しかできんって。振った瞬間、終わるんは!(と叫んで稲妻スイングを披露) 男性 そういやダレノガレ明美さんのことも、なんか言うとったな。 野村 あの子は、センスあるよ。ええフォームしとる。でも、武井壮の球なんか、俺でも簡単に打てる! あんなん、いくら練習しても無駄! 前に頭が入るから、ボールの軌道が丸見えや。武井壮より、ダレノガレのほうがセンスは上! 武井壮は、いくら160キロ出ても論外。ノーセンスです。 ――野村さんは本当に野球が大好きなんですね(笑)。来年の抱負を教えてください。 野村 ええ選手をたくさん発掘して、育てたいですね。YouTubeとかでええ選手を見つけたら、実際見に行って確認して、手紙出して、返事が来たら教えます。「野村さんに教わるようになったら打てるようになった」言う教え子も多いんですよ。「思い切り下から振り回せ! コンパクトに!」と教えたら、「場外まで飛ぶようになりました」って。 ――打撃も教えるんですか。 野村 高校時代、イチローはホームラン19本やろ。田淵さんは8本やろ。俺は25本や! ――とにかく来年は、本業である野球指導に重きを置く、と。 野村 ただ、あんま表立って行動できんのですよ。最近は表をウロウロしとると、いろんな人から声かけられるようにもなったし。 ――ただでさえ顔が売れている野村さんが、そんな真っ赤な服を着て歩いていたら、そりゃ目立つでしょう。 野村 これは一応、格闘家のベニー・ユキーデに憧れて買った服なんですけどね……。 ――最後の質問です。将来の夢は? 野村 スピードガンをやめさせたいですね。あれ、ただのメーターですから。数字は関係ない。見て速かったら、それがすべてや!  * * *  スピード(覚せい剤)をやめた後は、スピードガンをやめさせる――。セットアッパーから「ストッパー」に転向し、引退後も戦い続ける野村なのであった。 (取材・文=岡林敬太/撮影=尾藤能暢) ●のむら・たかひと 1969年高知県生まれ。高岡高校宇佐分校から三菱重工三原を経て、ドラフト3位でオリックス入団。169cmと小柄ながら速球の左腕として活躍。95、96年にはリーグ優勝に貢献。特に96年の日本シリーズでは、巨人の松井秀喜選手のバットを二度へし折って抑えた。96、97年オールスター選出。98年にトレードで巨人へ移籍。その後メジャーリーグのブルワーズへ。日本ハムなどをへて引退。引退後の06年10月、覚せい剤取締法違反で逮捕され、懲役1年6月執行猶予3年の有罪判決。現在は新しい生活に向けて動き出している。 ●『再生』 「なめとんのか、この野郎!」強気のピッチングに球場が沸く。現役時代、絶対的なセットアッパーとして両リーグで優勝、日本一にも貢献した。「野球を面白いと感じたことは一度もない」という厳しいプロの世界。栄光、悲哀、クスリ、逮捕、そして……。波瀾の半生をありのままに語り、新たな一歩を踏み出す。 出版社:KADOKAWA
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「ASKAはバカ!」「清原はノーセンス!」「壇蜜に会いたい」アノ“お騒がせ男”野村貴仁が年末大放言!!

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 有名人の麻薬スキャンダルが相次いだ2016年。この男も、騒動に巻き込まれる形で脚光を浴びたひとりである。元メジャーリーガー・野村貴仁(47)。2月に髭ぼうぼうのヘルメット姿でテレビの直撃取材を受け、元同僚の清原和博に覚せい剤を渡したことを明かして以来、注目の的に。9月には自伝的暴露本も発売し、大きな波紋を呼んだ。その野村が、激動の1年を振り返りつつ、大谷翔平や清宮幸太郎の将来性、ASKAへのアドバイス、そして自身の近況や恋愛事情などを語り尽くした。  * * * ――清原さんが逮捕された今年の2月以降、高知県にある野村さんのご自宅にマスコミが群がって大変そうでしたが、全部で何社ぐらいの取材を受けましたか? 野村 自分の出たテレビや雑誌を見ないんで、正確な数字は把握できとらんのですよ。でも1日に10社ほど来た日もありますし、随筆家とか野次馬も来たりして、いっときは大変でした。そのほとんどがギャラなんかなく、取材協力いう形でやっとったし、あの時期、本来の仕事(野球の指導)ができなくなったから、稼ぎも減った。ええことなんか何もないです。 ――取材謝礼で大儲けしているのかと思っていたのですが……。 野村 マイナスですよ。せいぜいビールの差し入れがある程度。で、その酒目当てで友人知人がウチに集まって来て、みんなでだらだらビール飲みながら野球の話をして、気付いたら朝、なんてこともよくあって。「もうええ加減、帰ってくださいよ」とお願いしたり(笑)。 ――野村さん自身は、差し入れのビールを飲まなかったんですか? 野村 気ぃつけながら飲んでましたね。缶ビールに細工して覚せい剤を入れられる可能性があるから、ずっと警戒はしてました。 ――缶ビールに細工なんかできるんですか? 野村 小さな穴開けてそっから覚せい剤入れて、ハンダで塞げばええだけのことです。でもね、細工しとっても、見破る方法があるんですよ。僕、握力が強いから、飲む前に缶を思い切り握りしめる。そうすると、細工した缶は(穴を塞いでいたハンダが剥がれて)、そこからプシューッと泡が吹き出るんです。 ――なるほど。しかし、ビールに細工をする人間なんて、いるんですか?
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野村 そりゃ、いっぱいおるでしょ。おかしなことは何回もありましたよ。「あれ? こんなとこにビール置いた記憶ないのに」ってこととか。そういうビールには手をつけず、全部証拠として置いときます。僕、ASKAとは違いますから。全部、証拠を後で「バン!」と出しますから。ASKAはただのバカでしょ。 ――ASKAさんの話は後ほどおうかがいするとして、一連の取材攻勢で一番腹が立ったことを教えてください。 野村 日テレがひどかったです。出すなと言ったのに出しましたからね。あんとき、たまたま掃除中でヘルメットかぶっとって、そろそろヒゲも剃ろうと思っとったところに、取材が来た。しかも「(映像を)出すなよ」と言ったのに、出ちゃって。あれで「バン!」といきましたからね。映像を見た田尾さんが、「この人はよほどのことをしないと治りませんよ」なんて言うてましたけど、僕のスイング、あの人の倍速いですよ。見てください(と言って素振りを披露)。 ――おお、すごい迫力ですね! 野村 僕、高校時代、4割9分8厘、ホームラン25本ですよ。強打者で、強肩で、剛腕。なのに田尾さんは「清原も野村も巨人に行っておかしくなった」とか、ワケわからんことを言う。清原も巨人では勝負どころで打っとるし、僕も抑えとるのに、何を根拠に言っとるのかな、と。アキレス腱、切ったろか! コラ! って思いましたよ。 ――アキレス腱を切る? 野村 僕、学生時代からずっと格闘技の練習しとったから、ローキックが得意なんですよ(と言って実演開始)。スパパパパン! で、パチーン! ですわ。 ――そういえば、この年末に野村さんが格闘家デビューするというプランもありましたね。押尾学さんに対戦のオファーを出したという報道を見ましたが、あの話は結局どうなったのでしょう? 野村 押尾が逃げたんですよ。まぁ出たところで、あんなの100%ノーチャンスですよ。パンパンパン! で終わりです。レノックス・ルイスみたいにね、こうやって(シャドーボクシングを開始)パンパンパン! の数秒で終了です。それに、たかだか○万のギャラじゃ、僕もできんですよ。 ――えっ? 数秒で○万円なら、割のいい仕事じゃないですか! 野村 僕はプロの格闘家を尊敬してますから、素人が人前で試合したらいかん、って思いもあるし。僕はやっぱ、野球の人間ですから。 ――では野球のお話をお聞きしますが、メジャーリーグでの投手経験もある野村さんから見て、二刀流の大谷翔平選手はどうでしょう? まずは「投手・大谷」の評価をお願いします。
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野村 イチローが大谷の話をしたときに、こう言うとったでしょう? 「すごいピッチャーはいくらでも出てくる」と。それを直訳したら、「投手としての大谷はたいしたことない」ってことでしょ。僕の教え子も、こう言うてます。「あんな160キロ、俺でも打てる」と。僕も「おまえ、その意気や!」言うてハッパかけてます。 ――しかし日本のプロ野球では、多くのバッターが大谷投手を打てず、キリキリ舞いになっているのが現状ですよね。 野村 スピードガンのメーターだけ見て物言うたらいかんですよ。大事なんは、セットで動き出してからミットにつくまでのスピードです。伊良部とか大谷みたいなフォームやったら、打者はタイミングを取れるんです。大谷はメジャーやったら通用せんと思います。 ――そうですかね? 野村 あんなもん、僕でも打てます。165キロ出た言うてますけど、あれ、ただのメーターの数字ですから。要するに大谷は、胸張って軌道がよう見えるフォームやから、速くても「空振りを取れんまっすぐ」なんですよ。160キロオーバーの球を投げるピッチャーなんて、向こうにはなんぼでもおる。でも逆に、スピードガンの数字は91マイル(約146キロ)やのに、対戦相手のロッキーズの選手から「体感は96マイル(約154キロ)だ。機械が壊れとるんか」言われる僕みたいなピッチャーもおるわけです。世間はスピードガンの数字だけ見て、大谷、大谷、騒いでますけど、僕は藤浪(晋太郎)や武田(翔太)のほうが上やと思います。 ――「打者・大谷」はいかがでしょう? 野村 日本のピッチャーのインコース攻めが甘いから、今は打ててるだけのこと。僕がピッチャーやったら、「若造コラ! ひっこんどけ!」言うて、大谷の胸元にブラッシュボールを投げますよ。江夏さんも言うてました。「肝のすわった投手が現れたら、大谷は打てなくなる」と。その通りやと思いますね。投打ともにそんな感じやから、メジャーで二刀流なんて甘いですよ。 ――では、早実の清宮幸太郎選手のことはどう思いますか? 野村 あれは論外でしょ。こんなこと(腕をクネクネ)して、足まであんなに上げとったら、僕がピッチャーやったら、足が地面つく前にボールがミットについてますよ(笑)。 ――野村さんの著書『再生』(KADOKAWA)にも書いてありましたが、プロ入り前の清原さんを見て「ノーセンスのバッター」と言い切り、プロ入り後も実際、20打数3安打とカモにしていた野村さんが言うのだから、説得力はありますね。
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野村 清原はノーセンス! 野球でもケンカでも負ける気はしません。とはいえ、サヨナラヒットやサヨナラホームランの数は歴代最多でしょ? ピッチャーに勝ち星をもたらしたところはリスペクトしとるよ。 ――『再生』では、清原さんとの覚せい剤をめぐる生々しいやりとりも明かされていましたが、2006年、自身も覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕された野村さんから見て、最近のASKAさんの言動はいかがでしょう? 野村 アカウントが乗っ取られたとか、そんなの当たり前でしょ? 電話あるでしょ、携帯電話。あれ、電源つけただけで、よそから中を見られますから。 ――そうなんですか? 野村 ワイヤレスであるじゃないですか。僕、大企業に務めとったこともあるからわかるんです。大事な会議はパソコンを使わず、電波が入らん部屋で、全部紙でやりますから。 ――企業秘密を盗もうとする動機はまだわかるのですが、誰が何の目的で個人の携帯やパソコンを覗くのでしょう? 警察の捜査目的ですか? それとも「ギフハブ」の仕業ですか? 野村 まぁなんにせよ、ASKAも盗聴が心配やったら、業者を呼んだらええやないですか。 ――盗聴器発見の業者ですか? 野村 そう。カネ持ってるんやから、専門の業者に調べてもらったらええんですよ。 ――確かにそれは名案かもしれませんね。でもASKAさんはうっかり警察に調査を依頼してしまい、言動が怪しかったため、尿検査を求められてしまいました。 野村 いっぺん捕まると3年はマークされるんです。僕も社会復帰してから20回ほど、尿検されてますから。泥棒に入られて警察を呼ぶじゃないですか。そうすると、尿検をやらされるんですよ。 ――お茶を入れたりは?
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野村 お茶なんか(と言って首を横に振る)。僕は3年前に8人でガサ入れが来たので、「動くな!」と警察を止めましたよ。体調悪くて2週間寝とったから、覚せい剤なんか出るはずないし、(警察に覚せい剤を)勝手に置かれたらいかんから。「どうして来たんや? ちゃんと内偵したんか? もし尿から出たら腹切って死ぬから」と言いました。実際、なんも出とらんから捕まってないわけです。 ――自著のタイトル通り、「再生」を果たしたと。 野村 はい。ただし、気は抜けませんよ。自分がどんだけしっかりしとっても、誘惑や罠があるから、いろいろと注意せないかんのです。 ――それでは、近況をお尋ねします。あの家に、現在もお住まいですか? 野村 まだあそこに住んでます。今は雰囲気が変わりましたけどね。 ――掃除して綺麗になったんですか? 野村 綺麗にはなってませんが、いろいろ変わりましたよ。最近やっとテレビも入れましたし。 ――テレビではどんな番組を見ますか? 野村 NHKしか見ないです。バラエティーとかは見ないですね。 ――家では何をしていることが多いですか? 野村 YouTubeを見ることが多いですね。昔の野球を見て勉強したり、ええ若手選手に目をつけたり、格闘技の試合を見たり。 ――カラオケはお好きですか? オハコがあったら教えてください。 野村 強いて言うなら、「夜明けのスターライト」ですかね。あの「ロンリーチャップリン」の鈴木さんが歌っとる曲。でも、全然上手くないですよ。音感ないし、覚えられんもん。最近の曲は全然ですね。ゲスのなんとか言われても、「なんやそれ?」やもん。 ――テレビに出た影響で、女性からモテるようになったのでは?
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野村 捕まったときから、「女性には気をつけとかないかんぞ」と知人に何度も言われてますから、気ぃつけてます。 ――言い寄られても、相手にしない? 野村 実際、変な女から電話かかってきたりもしましたよ。電話に出たらその女、「私の家に来んといてください」言うんです。 ――「私の家に来てください」ならわかるのですが、「来んといてください」ですか? 意味不明ですね。その女は何者ですか? 野村 さぁ。突然ファンになったんやないですか(笑)。こっちが下手なことしゃべったら、ストーカーみたいに思われるから、ヤバいと思った。録音されて、そこだけ流されたらいかんから。 ――なるほど。「来んといてください」の前後の会話をうまく切り取れば、「野村さんに付きまとわれて困っている女」というストーリーに仕立て上げることもできますからね。 野村 その女、手紙も送ってきてですね……。小学生が書くようなヘタクソな字で。写真もあったんですが、顔も……。だいたい僕のファンって時点で、イヤなんですよ。ハハハ。 ――ファンには手を出さない主義ですか? 野村 だいたい女性からハメられることが多いじゃないですか。だから、ノーサンキューです。 ――今現在、恋人や、好きな女性は? 野村 いないです。女性とは十何年、やってません。 ――興味がないんですか? それとも飽きてしまった? 野村 興味ないゆうか……(照れ笑い)、その体力もないし。飽きたこともないけど……気ぃつけとかないかんな、と。まぁ「女とやってない」いうんは、「クスリもやってない」いうことを遠回しに言うとるんですけどね。 ――今、一番会いたい人は?
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野村 う~ん………(長考中、友人でありマネジャー的なことをしている男性が会話に加わってくる)。 男性 おるでしょ。壇蜜さん! 貴仁、壇蜜さんのこと、全然知らんかったんよね。でも最近知って、最初は中国人やと思っとったみたいやけど、秋田の人やと知ってな。ほんでな。 野村 いらんこと言うな!(笑) ――壇蜜さんは「年上で、ちょっと不器用な男性が好き」らしいですから、ノーチャンスではないのでは? 野村 いやいやいや(と言って照れる)。女といえば、腹立つのは、誰やったかな。神スイングの……。 男性 稲村亜美さんか? 野村 そう、稲村亜美。あの子、何が神スイングや。俺のは稲妻スイングや! これ、ゲイリー・シェフィールドと俺しかできんって。振った瞬間、終わるんは!(と叫んで稲妻スイングを披露) 男性 そういやダレノガレ明美さんのことも、なんか言うとったな。 野村 あの子は、センスあるよ。ええフォームしとる。でも、武井壮の球なんか、俺でも簡単に打てる! あんなん、いくら練習しても無駄! 前に頭が入るから、ボールの軌道が丸見えや。武井壮より、ダレノガレのほうがセンスは上! 武井壮は、いくら160キロ出ても論外。ノーセンスです。 ――野村さんは本当に野球が大好きなんですね(笑)。来年の抱負を教えてください。 野村 ええ選手をたくさん発掘して、育てたいですね。YouTubeとかでええ選手を見つけたら、実際見に行って確認して、手紙出して、返事が来たら教えます。「野村さんに教わるようになったら打てるようになった」言う教え子も多いんですよ。「思い切り下から振り回せ! コンパクトに!」と教えたら、「場外まで飛ぶようになりました」って。 ――打撃も教えるんですか。 野村 高校時代、イチローはホームラン19本やろ。田淵さんは8本やろ。俺は25本や! ――とにかく来年は、本業である野球指導に重きを置く、と。 野村 ただ、あんま表立って行動できんのですよ。最近は表をウロウロしとると、いろんな人から声かけられるようにもなったし。 ――ただでさえ顔が売れている野村さんが、そんな真っ赤な服を着て歩いていたら、そりゃ目立つでしょう。 野村 これは一応、格闘家のベニー・ユキーデに憧れて買った服なんですけどね……。 ――最後の質問です。将来の夢は? 野村 スピードガンをやめさせたいですね。あれ、ただのメーターですから。数字は関係ない。見て速かったら、それがすべてや!  * * *  スピード(覚せい剤)をやめた後は、スピードガンをやめさせる――。セットアッパーから「ストッパー」に転向し、引退後も戦い続ける野村なのであった。 (取材・文=岡林敬太/撮影=尾藤能暢) ●のむら・たかひと 1969年高知県生まれ。高岡高校宇佐分校から三菱重工三原を経て、ドラフト3位でオリックス入団。169cmと小柄ながら速球の左腕として活躍。95、96年にはリーグ優勝に貢献。特に96年の日本シリーズでは、巨人の松井秀喜選手のバットを二度へし折って抑えた。96、97年オールスター選出。98年にトレードで巨人へ移籍。その後メジャーリーグのブルワーズへ。日本ハムなどをへて引退。引退後の06年10月、覚せい剤取締法違反で逮捕され、懲役1年6月執行猶予3年の有罪判決。現在は新しい生活に向けて動き出している。 ●『再生』 「なめとんのか、この野郎!」強気のピッチングに球場が沸く。現役時代、絶対的なセットアッパーとして両リーグで優勝、日本一にも貢献した。「野球を面白いと感じたことは一度もない」という厳しいプロの世界。栄光、悲哀、クスリ、逮捕、そして……。波瀾の半生をありのままに語り、新たな一歩を踏み出す。 出版社:KADOKAWA
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70代、80代でも「濡れるわよ!」 女性ライターが丸裸にした“高齢者風俗嬢”の意外な真実

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『高齢者風俗嬢』(洋泉社)
 男性の間で、「風俗に行ったら、ババアに当たった……」なんていう笑い話は珍しくない。しかし現在、70代、80代といった高齢の風俗嬢たちが、じわじわと増殖しており、そんな超超熟女たちを好む男性たちも増えつつある。そんな高齢者風俗の実態に迫ったのが、『高齢者風俗嬢』(洋泉社)を上梓したライターの中山美里氏だ。  いったいどうして、男性たちは“ババア!”と蔑んできたはずの高齢風俗嬢たちに魅せられてしまうのか? そして、彼女たちはなぜ風俗で働くのか? 超高齢化社会を迎えた日本に生まれつつある、新たな性産業に刮目せよ! *** ――本書では、70代、80代といった高齢の風俗嬢やAV女優たちに焦点が当てられています。なぜ中山さんは、彼女たちを取材しようと思ったんですか? 中山美里氏(以下、中山) もともと、ライターとしてアダルト産業や性風俗を取材していたのですが、80歳以上のおじいさんが風俗に通うことが珍しくないと聞いて、高齢者の性に興味を持っていたんです。そんな折、本書にも登場する74歳のAV女優の方にお話を伺ったところ、とても楽しみながら生き生きと仕事をしていることに驚きました。高齢者が元気を出すのに、セックスや恋愛はとてもいい効果を与える。そんな元気な高齢者風俗嬢にもっと話を聞いてみたいと思ったのが、取材を始めたきっかけでした。 ――まさに一億総活躍社会! でも、取材は難しそうですね。 中山 そもそも、働いている絶対数が少ないし、なかなか出会える存在でもない。風俗店に取材を申し込んでも、断られ続けました。高齢者風俗業界では、かつて違法な「本番店」が横行していて、取材もNGだったんです。しかし、近年ではだんだんと流れが変わってきて、取材OKのお店も多くなったことから、1冊の本にまとまるほどの取材ができるようになりました。 ――高齢者風俗店がクリーンになったからこそ、誕生した1冊なんですね。 中山 2010年、13年に巣鴨の超熟女専門店が摘発されたことをきっかけに、業界全体がだんだんと浄化されてきたんです。そもそも、かつてお店側では「熟女なんて売れるわけない」という先入観から本番を黙認していて、そこに別の需要があることに気づかなかったんでしょう。けれど、80歳の男性にとって60代なんてピチピチの女性だし、同じ80代ならガールフレンドとしても見ることができる。そういった需要が、高齢者風俗を支えているんです。 ――利用する男性高齢者も、いろいろな意味で「元気」だからこそ、成り立っているんですね。しかし、本書の中には、高齢の男性だけでなく、若い男性が高齢者風俗店の常連となっているケースも描かれています。 中山 10代のうちから、高齢者風俗店の常連になる人もいました。若い男性は「失敗したらどうしよう……」「早漏と思われないか……」などと不安になりがち。そんな不安を受け止めてくれるのが、超熟女たちなんです。 ――草食男子には、もってこいですね(笑)。 中山 また、男性をリードしてくれるのも、彼女たちの魅力。彼女たちは年齢を重ねて人生経験も豊富だから、インタビューをしていても話がはずみます。若い女性の場合は、会話もなかなか続かないし、こちらから話題を用意しないと何も話せない。それに、彼女たちはとても褒め上手で、プレイの最中に「優しそうな人でよかった~」「あら、アソコがすごく大きいわね~」などと、男性をノセてくれる。スナックのママのように、あしらいがうまいんです(笑)。 ――まさに“おもてなし”の精神! 高齢者風俗嬢へのインタビューでは、どんな話を聞くんですか? 中山 仕事のことももちろん聞きますけど、「イクってどんな感じ?」とか「濡れるの?」といった、なかなか普段は聞けないことも聞いていますね。70代の女性には「濡れるわよ!」って、怒られました(笑)。 ――70代でも濡れる!? 中山 「ローションは使わないの?」って聞いたら、「使うときもあるし、使わないときもある。それくらいわかるでしょ!」って(笑)。取材してわかったのが、高齢者でもほぼみんな濡れているし、イッている人も多いんです。男性の高齢者は勃ったり勃たなかったりですが、バイアグラを飲んだりして、前向きに楽しんでいますね。 ――ただ、自分の親世代の性事情を知るのって、正直、ちょっとキツイものがありますね……。 中山 そうですか? わたし昔、友達のお母さんが彼氏らしき人とラブホ街をイチャイチャ歩いてたのを見たことがあるので、それ以来、あんまり抵抗ないんですよ(笑)。 ――どうりで、週刊誌の「死ぬまでセックス」特集が売れるわけですね(笑)。では、彼女たちはどういう目的で、風俗で働いているのでしょうか? 中山 やっぱり、9割がお金のため。40~50代の女性だと、子どもの学費のためということもありますが、60代になると、ほとんどが自分の生活費で、パートに出るのと同じ感覚です。ただ、“お金のために仕方なく……”というネガティブな気持ちではない。そんなネガティブな気持ちだけだったら、お客さんが取れませんよね。 ――一般的には“風俗店に勤めている女性は、精神を病みがち”というイメージが強いですが、高齢者風俗嬢たちは、ある程度腹をくくっていて、ポジティブな方も多いんですね。 中山 ポジティブだし、ずうずうしいですよね(笑)。そして、言うまでもなく、女優さんみたいに美人なわけもなく、本当に巣鴨とか歩いてる普通のおばちゃんなんです。そんな人たちが、“自分の体が金になる”と思って、風俗業界に乗り込んでくるんですよ? 客観的に見たら、おっぱいも垂れてるし、おなかも出てるし、70代になると体にもシワが寄ってるのに。だから、メンタルは強いと思います。 ――いま書店では、風俗の負の側面にフォーカスをした本がたくさん並んでいますが、一方で、坂爪真吾さんの『性風俗のいびつな現場』(筑摩書房)のように、貧困女性やハンデを抱えた女性を支える社会インフラとしての面にも注目が集まっていますね。 中山 世間から思われているほど、風俗はネガティブな場所ではないんです。あとがきにも「セックスワークは堕ちる場所ではない。チャンスをつかむ場所なのだ」と書きましたが、お金を手にしたり、セックスで女性としての価値を見いだして生き生きしたり、承認欲求が満たされる場所でもある。決して、「悪い場所」というばかりではないんです。 ――女性である中山さんが語ると、とても説得力がありますね。ありがとうございました! ●なかやま・みさと 編集プロダクション・株式会社オフィスキング所属。ショーダンサー、訪問販売員などを経てフリーライターに。アダルトのジャンルで多く取材、執筆。著書に『漂流遊女』(ミリオン出版)、『ネット風俗嬢』(泰文堂)などがある。

70代、80代でも「濡れるわよ!」 女性ライターが丸裸にした“高齢者風俗嬢”の意外な真実

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『高齢者風俗嬢』(洋泉社)
 男性の間で、「風俗に行ったら、ババアに当たった……」なんていう笑い話は珍しくない。しかし現在、70代、80代といった高齢の風俗嬢たちが、じわじわと増殖しており、そんな超超熟女たちを好む男性たちも増えつつある。そんな高齢者風俗の実態に迫ったのが、『高齢者風俗嬢』(洋泉社)を上梓したライターの中山美里氏だ。  いったいどうして、男性たちは“ババア!”と蔑んできたはずの高齢風俗嬢たちに魅せられてしまうのか? そして、彼女たちはなぜ風俗で働くのか? 超高齢化社会を迎えた日本に生まれつつある、新たな性産業に刮目せよ! *** ――本書では、70代、80代といった高齢の風俗嬢やAV女優たちに焦点が当てられています。なぜ中山さんは、彼女たちを取材しようと思ったんですか? 中山美里氏(以下、中山) もともと、ライターとしてアダルト産業や性風俗を取材していたのですが、80歳以上のおじいさんが風俗に通うことが珍しくないと聞いて、高齢者の性に興味を持っていたんです。そんな折、本書にも登場する74歳のAV女優の方にお話を伺ったところ、とても楽しみながら生き生きと仕事をしていることに驚きました。高齢者が元気を出すのに、セックスや恋愛はとてもいい効果を与える。そんな元気な高齢者風俗嬢にもっと話を聞いてみたいと思ったのが、取材を始めたきっかけでした。 ――まさに一億総活躍社会! でも、取材は難しそうですね。 中山 そもそも、働いている絶対数が少ないし、なかなか出会える存在でもない。風俗店に取材を申し込んでも、断られ続けました。高齢者風俗業界では、かつて違法な「本番店」が横行していて、取材もNGだったんです。しかし、近年ではだんだんと流れが変わってきて、取材OKのお店も多くなったことから、1冊の本にまとまるほどの取材ができるようになりました。 ――高齢者風俗店がクリーンになったからこそ、誕生した1冊なんですね。 中山 2010年、13年に巣鴨の超熟女専門店が摘発されたことをきっかけに、業界全体がだんだんと浄化されてきたんです。そもそも、かつてお店側では「熟女なんて売れるわけない」という先入観から本番を黙認していて、そこに別の需要があることに気づかなかったんでしょう。けれど、80歳の男性にとって60代なんてピチピチの女性だし、同じ80代ならガールフレンドとしても見ることができる。そういった需要が、高齢者風俗を支えているんです。 ――利用する男性高齢者も、いろいろな意味で「元気」だからこそ、成り立っているんですね。しかし、本書の中には、高齢の男性だけでなく、若い男性が高齢者風俗店の常連となっているケースも描かれています。 中山 10代のうちから、高齢者風俗店の常連になる人もいました。若い男性は「失敗したらどうしよう……」「早漏と思われないか……」などと不安になりがち。そんな不安を受け止めてくれるのが、超熟女たちなんです。 ――草食男子には、もってこいですね(笑)。 中山 また、男性をリードしてくれるのも、彼女たちの魅力。彼女たちは年齢を重ねて人生経験も豊富だから、インタビューをしていても話がはずみます。若い女性の場合は、会話もなかなか続かないし、こちらから話題を用意しないと何も話せない。それに、彼女たちはとても褒め上手で、プレイの最中に「優しそうな人でよかった~」「あら、アソコがすごく大きいわね~」などと、男性をノセてくれる。スナックのママのように、あしらいがうまいんです(笑)。 ――まさに“おもてなし”の精神! 高齢者風俗嬢へのインタビューでは、どんな話を聞くんですか? 中山 仕事のことももちろん聞きますけど、「イクってどんな感じ?」とか「濡れるの?」といった、なかなか普段は聞けないことも聞いていますね。70代の女性には「濡れるわよ!」って、怒られました(笑)。 ――70代でも濡れる!? 中山 「ローションは使わないの?」って聞いたら、「使うときもあるし、使わないときもある。それくらいわかるでしょ!」って(笑)。取材してわかったのが、高齢者でもほぼみんな濡れているし、イッている人も多いんです。男性の高齢者は勃ったり勃たなかったりですが、バイアグラを飲んだりして、前向きに楽しんでいますね。 ――ただ、自分の親世代の性事情を知るのって、正直、ちょっとキツイものがありますね……。 中山 そうですか? わたし昔、友達のお母さんが彼氏らしき人とラブホ街をイチャイチャ歩いてたのを見たことがあるので、それ以来、あんまり抵抗ないんですよ(笑)。 ――どうりで、週刊誌の「死ぬまでセックス」特集が売れるわけですね(笑)。では、彼女たちはどういう目的で、風俗で働いているのでしょうか? 中山 やっぱり、9割がお金のため。40~50代の女性だと、子どもの学費のためということもありますが、60代になると、ほとんどが自分の生活費で、パートに出るのと同じ感覚です。ただ、“お金のために仕方なく……”というネガティブな気持ちではない。そんなネガティブな気持ちだけだったら、お客さんが取れませんよね。 ――一般的には“風俗店に勤めている女性は、精神を病みがち”というイメージが強いですが、高齢者風俗嬢たちは、ある程度腹をくくっていて、ポジティブな方も多いんですね。 中山 ポジティブだし、ずうずうしいですよね(笑)。そして、言うまでもなく、女優さんみたいに美人なわけもなく、本当に巣鴨とか歩いてる普通のおばちゃんなんです。そんな人たちが、“自分の体が金になる”と思って、風俗業界に乗り込んでくるんですよ? 客観的に見たら、おっぱいも垂れてるし、おなかも出てるし、70代になると体にもシワが寄ってるのに。だから、メンタルは強いと思います。 ――いま書店では、風俗の負の側面にフォーカスをした本がたくさん並んでいますが、一方で、坂爪真吾さんの『性風俗のいびつな現場』(筑摩書房)のように、貧困女性やハンデを抱えた女性を支える社会インフラとしての面にも注目が集まっていますね。 中山 世間から思われているほど、風俗はネガティブな場所ではないんです。あとがきにも「セックスワークは堕ちる場所ではない。チャンスをつかむ場所なのだ」と書きましたが、お金を手にしたり、セックスで女性としての価値を見いだして生き生きしたり、承認欲求が満たされる場所でもある。決して、「悪い場所」というばかりではないんです。 ――女性である中山さんが語ると、とても説得力がありますね。ありがとうございました! ●なかやま・みさと 編集プロダクション・株式会社オフィスキング所属。ショーダンサー、訪問販売員などを経てフリーライターに。アダルトのジャンルで多く取材、執筆。著書に『漂流遊女』(ミリオン出版)、『ネット風俗嬢』(泰文堂)などがある。

「『蠟人形の館』を超える歌を歌いたい!」 “マルチプレイヤー”デーモン閣下の知られざる本音

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撮影=関戸康平
 聖飢魔IIを初めてテレビで見た時は、それはそれはビックリした。完全にテレビに出ちゃいけない強烈すぎるキャラクターに、視聴者はポカーン。ほかの出演者たちも「悪魔なんですか~」と半笑い……。  しかし、その演奏力や音楽性の高い楽曲で、ロック界において確固たる地位を築き、バンドが解散した後も、信者(ファン)たちから熱狂的な支持を受け続けているのだ。  そしてタレントとしても、あのビジュアルのまま、いまや完全にお茶の間になじんでいるデーモン閣下。ロック界でも、芸能界でも、唯一無二の存在といえるだろう。  そんな閣下の、キャリアの集大成ともいえる書籍『デーモン閣下 悪魔的歌唱論』(リットー・ミュージック)が出版された。30年間のヴォーカリスト生活で築き上げた歌唱論のみならず、閣下の人生(悪魔生?)を振り返る自伝としても楽しめるこの本について、閣下自身に語ってもらった。 ■ロックヴォーカリストは練習あるのみ! ――今回の本は「歌唱論」というテーマですが、ヴォーカリストだけでなく「何かで世に出たい」と切望している人たちへも響く本だなと思いました。閣下自身も、歌手に限らず、とにかく何かで世に出たいと思っていたようですね? デーモン閣下(以下、閣下) うん、絶対に歌でなきゃいけないとは思っていなかったな。世を忍ぶ仮の姿(以下、「世仮」)の大学時代には俳優養成所に入り、バンド活動もし、有志で集まったお笑い研究会みたいなこともやっていたから。そもそも、バンドでデビューするよりも、俳優としてプロダクションに所属するほうが早かったんだ。でも、ちっとも仕事が来なくて、そうこうしているうちに、バンドのほうでどうやらメジャーデビューできそうだと。まあ、バンドが追い抜いていったということだね。 ――それまで、メタルやハードロックといった音楽も、あまり聴いたことがなかったとか。 閣下 聖飢魔IIの前身となったグループを始めて以降は、それなりに聴いていたけどな。ハードロックバンドで歌うというのが初めてだったので、「歌はある程度うまいけれど、ロックヴォーカリストとしてはおかしい!」とメンバーから言われ、「こういうのを聴け!」って、さんざん聴かされたんで。そのバンドをやりながら、ロックヴォーカリストとしてのあり方を学んでいったというのはあるだろうな。 ――もともと歌はうまかったんでしょうけど、その歌声をロック対応させるためにやったことはありますか? 閣下 歌に関しては、数をこなすしかないだろうね。特にロックは。スポ根じゃないけど、練習あるのみだよ。 ――喉の筋肉を鍛える的な? 閣下 それもあるけど、それ以上に耳を鍛えるのは、すごく大事かもしれない。なんの音を聴きながら歌うのか、何に注意しながら歌うのか。モニターを聴くにしても、どの楽器をどのくらいのバランスにすると歌いやすいとか、それは結構時間をかけて研究したことかもしれないな。 ――そこに到達するまでは、全体を漠然と聴いていた? 閣下 そう。「カラオケで歌うのと何が違うの?」という感じだったな。カラオケとはまず音量が違うし、立つ位置が変わればバランスが変わってくるし、自分の声が聞こえない時も多々ある。カラオケでうまく歌えていても、そのままライヴ対応するのは難しいと思う。声の出し方も工夫したけどね。高い声を安定して出せるようにするには、どう発声するのが一番いいのか? とか。そういう意味では、やっぱり練習! ――喉の調子が悪いなと感じた日には「Yeah!」みたいなシャウトの回数を減らして、喉を消耗しないようにしていると書かれていましたが、そこまでわかるもんなんですね。 閣下 もちろん、昔はわからなかったけどな。ステージの前半にシャウトをバーッと出した時に、今日はどのくらいの調子なのかわかるわけだ。それに応じて、以降の声の出し方を調整してね。ただ「調子がいい!」と思って最初からバンバン出しちゃうと、ある時、パタッと出なくなることもある。「アレ? さっきまで、あんなに出てたのに!?」って。やっぱり使いすぎちゃうと、1日の限度量みたいなものがあるんだな。 ――しゃべり声も、初期とはだいぶ変わっていますよね。あれも、喉の消耗を抑えるため? 閣下 もっとダミ声だったよね。そのせいで、喉がイカレちゃうの。そこで、喉を消耗するのは得策ではないという判断だね。しゃべり声の迫力よりも、歌をちゃんと歌えることを優先するようになっていったということだな。当たり前のことだけど(笑)。
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■アンコール前には味噌汁を飲む ――普段の生活で、歌のために気を使っていることはありますか? たとえば、食事のバランスとか。 閣下 吾輩の世仮の家庭が、そもそも栄養バランスにすごくうるさい家だったから、無意識にバランスを考えて食事をするようにはなっているけど、むしろ酒の席でどれだけ騒ぐかとか、そっちだな。打ち上げのせいで次の日、歌えないということもあるわけで。打ち上げが楽しいのはわかるけど、そこでセーブすることによって、翌日もうまい酒が飲めるようになるんだと、そういう気持ちで打ち上げに臨まなくちゃいけない。 ――閣下は、ステージドリンクにもこだわっていますよね。確か昔は、ポッカの維力(ウィリー)を飲まれていたと思いますが。 閣下 よく知っているね! ウィリーはね、喉にいいかどうかはわからないけど、スポーツドリンクとして飲んでいたんだな。そういう触れ込みだったでしょ? 中国の秘伝の植物エキスを使って、中国のオリンピック選手はみんな飲んでいる……みたいな。味も、当時のスポーツドリンクとはちょっと違って、好きだったんだな ――あ、そうだったんですか。一般的にはあんまり……。 閣下 うん、好きな人は多くなかったな(笑)。吾輩、だいたいそういうものが好きだから。人があまり好きじゃないものが。 ――薬の感覚で、まずくても体にいいから飲んでたわけじゃなくて、そもそも味が好きだったと。 閣下 そう。だから箱で買ってたもん。あまり人気があった飲み物とはいえないので、どこでも買えるわけではなかったんでね。ツアーでウィリーをずっと飲んでた時は、現地で買えないから、もう箱ごと持ち運んでたな。 ――ステージ脇では、味噌汁とかコーンポタージュを飲んでいるそうですね。 閣下 それは、ステージドリンクではないけどな。ステージの上にいる時はライトも当たってて暑いから大丈夫なんだけど、着替えやアンコールでのために裏に行ったりすると、特に冬場なんかはすごく温度差があるんで、急激に体も動かなくなるし、声も出なくなることがあるんだ。これはどうしたもんだということで、とにかく温かいものを飲んでみようといろいろ試したんだ。ショウガ湯とかカリン湯とか……でも、市販の粉を湯で溶くタイプの飲み物って、ステージで汗をバンバンかいている時に甘すぎるのね。「なんか違うな」と思っていた時に、塩分のある味噌汁を飲んだら、すごくうまいと感じたわけ。これは、体が塩分を欲しているに違いないと。 ――ああ、肉体労働者と同じ感覚ですね。 閣下 その時にすごくうまく感じるものは、体が欲しているんだろうと。……そういう意味では、ビールを一番欲しているんだが(笑)。 ――ちなみに、今のステージドリンクは? 閣下 今は3種類。ただの水と、喉にいいとされているスロートコートというハーブティー。あとは、ハチミツとクエン酸を入れて、ぬるい湯で溶いた飲み物。最近は、そこに塩を入れている。3種類を、その時の自分のコンディションに合わせて飲んでるんだけど……。まあ、そんなに深く考えては飲んでいないな。3つ並んでたら、急いでる時はどれでもいいし。 ――それだけ喉や歌い方を気にして歌声を守っている閣下ですが、あの衣装は歌いやすそうには見えないんですけど……? 閣下 衣装にもよるな。首輪をしていることが多いんだけど、これは正直、あんまり歌いやすくないね。やっぱり、喉仏の周りが圧迫されていないほうがいい。でも、あとは、それほどでもないな。年を重ねて、なるべく動かしやすいように重たくない素材で作るようになってきたので、はた目で見るほど動きにくくはないと思う。
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――昔の衣装は、動きづらかった? 閣下 どういう素材がいいのかわかっていなかったから、重いし錆びちゃうし……。でも、当時は自分も若かったから、あんまり気にはならなかったな。去年作った戦闘服(聖飢魔IIの場合はこう呼ぶ)は、ちょっと重たかったけど、それはデザイン上しょうがなかったんで。見た目と実用性と、どっちを取るかという判断もあるよね。 ――歌いやすいということを追求するだけではなく、ビジュアルなども含めて、トータルで伝わるか伝わらないかが重要だと。 閣下 もちろん、歌が一定のレベルを超えていれば、だけどな。だって、この話を突き詰めていくと、転げ回りながら歌ったり、三点倒立しながら歌ったり……そんなことしないほうが、うまく歌えるに決まってるじゃん(笑)。でも、トータルで考えて、面白きゃいい、という部分が優先される時もある。まあ、ライヴで10数曲歌っているうちの1曲くらい「そうしないほうがうまく歌えるのにな」っていうのがあっても、それはそれでいいでしょ? ――トータルでの伝わり方という話でいうと、閣下の場合、ビジュアルが強すぎるという問題もあると思うんですが、そこに対するジレンマはなかったですか? 閣下 いっぱいあるよ。自分と同じくらいのキャリアのあるミュージシャンで、テレビドラマに出ている人って、いっぱいいるじゃない。……でも、吾輩は出られないからね。 ――あ、そっちのジレンマ(笑)。 閣下 「オレのほうが、うまくできるのにな」って思いながら見ているよ。吾輩には、自分の役か、悪魔の役くらいしかオファーが来ないから。 ――歌うに当たっても、このビジュアルが邪魔になることってあるんじゃないでしょうか? 閣下 歌の種類によってはあるだろうな。でも概して、きれいごとを歌っているような歌は好きじゃないので、この顔で困るような歌は、そもそも好きじゃないんだ。 ――聖飢魔IIって技術力はすごく高いのに、このビジュアルのせいで「認めない!」と思っているヘヴィメタ好きも多そうですよね。 閣下 それも、山のようにいるだろうな。そりゃあね、なるべく大勢の人が「いい」と思ってくれるに越したことはないんだけどね。はなっから嫌いだって言っている人に、こっちがへりくだってまで好きになってもらわなくても、食うのに困ってるワケじゃないしってことだよ。 ■「蠟人形の館」を、代表曲とは言わせないぞ! ――今回の本では「歌唱論」についていろいろと語られているわけですが、最近はライヴを口パクでやっている人も多いわけで……そのへんの問題というのは、どう考えていますか? 閣下 まあ、それぞれのスタイルだからね。「生の声で歌っていなきゃ、そんなのは歌じゃない」とも思わないよ。ショーだって割り切ってしまえば、ライトがきれいでダンスをバンバン踊っていて、それだけ動いているとさすがに歌を完璧に歌うのは難しいんで、録音したのを同期させています、というケースもあるだろうし。結局は、客との関係なんじゃないかな? 何を見たいと思っているのか、何を見せたいと思っているのか。  吾輩なんかは、そりゃあ日によっては「テープで……古いな……音声データで流してくれりゃ、楽なのにな」っていう体調の日もあるけども、それと向き合って、どういうふうにステージを乗り切っていくのか。その戦いがあって、クリアした時にはうれしいし、悔しい時もあり。いろいろと考えて進んでいくのが好きだから、そういうやり方をやっているだけで、好きじゃなかったら別の方法を考えるだろうね。だから口パクをしている人も、それはそれでいいんじゃないかな。ホントは歌ってないくせに、いかにも歌ってるように見せかけているヤツは潔くないとは思うけど。 ――それでは最後に、「何かで世に出たい」と思っている若者にアドバイスを頂けたら。 閣下 やりたいんだったら、やってみればいいじゃないってことだけだよね。すぐにあきらめちゃうなら、そんなにやりたかったことじゃないんだろうし、すっごくやりたいんだったら、ある程度食い下がるんじゃない? その結果、才能がないことに気づくのかもしれないけど。まずは「やるだけやってみる」ができるかどうかだよね。 ――閣下の場合は、世に出る前、どんなモチベーションで活動されていたんですか? 閣下 最初はやっぱり、単なる有名欲みたいなものもあったんだろうな。でも、いったんそれが達成されると、次の目標が必要になってくる。「有名じゃないから、有名になりたい」と思っていたヤツが有名になれたら、次は「違う側面も知ってほしいな」とか「自分が常々考えていることを、みんなが同じように考えてくれればいいのにな」とか、別の欲望が出てくるわけだな。要は、社会に影響を与えたくなるということだろうね。吾輩の場合は、そうだったかな。 ――確固たる地位を確立した、いま現在のモチベーションは、どこに置いていますか? 閣下 いくつかはあるよ。たとえば、インターネットがここまで発達してきているんで、もっといろんな国の人に知ってほしいなと思っていたりね。あとは、吾輩は随分長いことこの業界にいるけれども、実は世間一般での代表曲というのは「蠟人形の館」しかないんだ。最初に出てきた時の曲が代表曲。やっぱり、それを超える曲を歌いたいよね。30年やってきて、最初に勝ってないんだもん。もう「蠟人形の館」を代表曲とは言わせないぞと。 (取材・文=北村ヂン) ●『デーモン閣下 悪魔的歌唱論』 定価 2,160 円(税込) 版元 リットー・ミュージック

「『蠟人形の館』を超える歌を歌いたい!」 “マルチプレイヤー”デーモン閣下の知られざる本音

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撮影=関戸康平
 聖飢魔IIを初めてテレビで見た時は、それはそれはビックリした。完全にテレビに出ちゃいけない強烈すぎるキャラクターに、視聴者はポカーン。ほかの出演者たちも「悪魔なんですか~」と半笑い……。  しかし、その演奏力や音楽性の高い楽曲で、ロック界において確固たる地位を築き、バンドが解散した後も、信者(ファン)たちから熱狂的な支持を受け続けているのだ。  そしてタレントとしても、あのビジュアルのまま、いまや完全にお茶の間になじんでいるデーモン閣下。ロック界でも、芸能界でも、唯一無二の存在といえるだろう。  そんな閣下の、キャリアの集大成ともいえる書籍『デーモン閣下 悪魔的歌唱論』(リットー・ミュージック)が出版された。30年間のヴォーカリスト生活で築き上げた歌唱論のみならず、閣下の人生(悪魔生?)を振り返る自伝としても楽しめるこの本について、閣下自身に語ってもらった。 ■ロックヴォーカリストは練習あるのみ! ――今回の本は「歌唱論」というテーマですが、ヴォーカリストだけでなく「何かで世に出たい」と切望している人たちへも響く本だなと思いました。閣下自身も、歌手に限らず、とにかく何かで世に出たいと思っていたようですね? デーモン閣下(以下、閣下) うん、絶対に歌でなきゃいけないとは思っていなかったな。世を忍ぶ仮の姿(以下、「世仮」)の大学時代には俳優養成所に入り、バンド活動もし、有志で集まったお笑い研究会みたいなこともやっていたから。そもそも、バンドでデビューするよりも、俳優としてプロダクションに所属するほうが早かったんだ。でも、ちっとも仕事が来なくて、そうこうしているうちに、バンドのほうでどうやらメジャーデビューできそうだと。まあ、バンドが追い抜いていったということだね。 ――それまで、メタルやハードロックといった音楽も、あまり聴いたことがなかったとか。 閣下 聖飢魔IIの前身となったグループを始めて以降は、それなりに聴いていたけどな。ハードロックバンドで歌うというのが初めてだったので、「歌はある程度うまいけれど、ロックヴォーカリストとしてはおかしい!」とメンバーから言われ、「こういうのを聴け!」って、さんざん聴かされたんで。そのバンドをやりながら、ロックヴォーカリストとしてのあり方を学んでいったというのはあるだろうな。 ――もともと歌はうまかったんでしょうけど、その歌声をロック対応させるためにやったことはありますか? 閣下 歌に関しては、数をこなすしかないだろうね。特にロックは。スポ根じゃないけど、練習あるのみだよ。 ――喉の筋肉を鍛える的な? 閣下 それもあるけど、それ以上に耳を鍛えるのは、すごく大事かもしれない。なんの音を聴きながら歌うのか、何に注意しながら歌うのか。モニターを聴くにしても、どの楽器をどのくらいのバランスにすると歌いやすいとか、それは結構時間をかけて研究したことかもしれないな。 ――そこに到達するまでは、全体を漠然と聴いていた? 閣下 そう。「カラオケで歌うのと何が違うの?」という感じだったな。カラオケとはまず音量が違うし、立つ位置が変わればバランスが変わってくるし、自分の声が聞こえない時も多々ある。カラオケでうまく歌えていても、そのままライヴ対応するのは難しいと思う。声の出し方も工夫したけどね。高い声を安定して出せるようにするには、どう発声するのが一番いいのか? とか。そういう意味では、やっぱり練習! ――喉の調子が悪いなと感じた日には「Yeah!」みたいなシャウトの回数を減らして、喉を消耗しないようにしていると書かれていましたが、そこまでわかるもんなんですね。 閣下 もちろん、昔はわからなかったけどな。ステージの前半にシャウトをバーッと出した時に、今日はどのくらいの調子なのかわかるわけだ。それに応じて、以降の声の出し方を調整してね。ただ「調子がいい!」と思って最初からバンバン出しちゃうと、ある時、パタッと出なくなることもある。「アレ? さっきまで、あんなに出てたのに!?」って。やっぱり使いすぎちゃうと、1日の限度量みたいなものがあるんだな。 ――しゃべり声も、初期とはだいぶ変わっていますよね。あれも、喉の消耗を抑えるため? 閣下 もっとダミ声だったよね。そのせいで、喉がイカレちゃうの。そこで、喉を消耗するのは得策ではないという判断だね。しゃべり声の迫力よりも、歌をちゃんと歌えることを優先するようになっていったということだな。当たり前のことだけど(笑)。
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■アンコール前には味噌汁を飲む ――普段の生活で、歌のために気を使っていることはありますか? たとえば、食事のバランスとか。 閣下 吾輩の世仮の家庭が、そもそも栄養バランスにすごくうるさい家だったから、無意識にバランスを考えて食事をするようにはなっているけど、むしろ酒の席でどれだけ騒ぐかとか、そっちだな。打ち上げのせいで次の日、歌えないということもあるわけで。打ち上げが楽しいのはわかるけど、そこでセーブすることによって、翌日もうまい酒が飲めるようになるんだと、そういう気持ちで打ち上げに臨まなくちゃいけない。 ――閣下は、ステージドリンクにもこだわっていますよね。確か昔は、ポッカの維力(ウィリー)を飲まれていたと思いますが。 閣下 よく知っているね! ウィリーはね、喉にいいかどうかはわからないけど、スポーツドリンクとして飲んでいたんだな。そういう触れ込みだったでしょ? 中国の秘伝の植物エキスを使って、中国のオリンピック選手はみんな飲んでいる……みたいな。味も、当時のスポーツドリンクとはちょっと違って、好きだったんだな ――あ、そうだったんですか。一般的にはあんまり……。 閣下 うん、好きな人は多くなかったな(笑)。吾輩、だいたいそういうものが好きだから。人があまり好きじゃないものが。 ――薬の感覚で、まずくても体にいいから飲んでたわけじゃなくて、そもそも味が好きだったと。 閣下 そう。だから箱で買ってたもん。あまり人気があった飲み物とはいえないので、どこでも買えるわけではなかったんでね。ツアーでウィリーをずっと飲んでた時は、現地で買えないから、もう箱ごと持ち運んでたな。 ――ステージ脇では、味噌汁とかコーンポタージュを飲んでいるそうですね。 閣下 それは、ステージドリンクではないけどな。ステージの上にいる時はライトも当たってて暑いから大丈夫なんだけど、着替えやアンコールでのために裏に行ったりすると、特に冬場なんかはすごく温度差があるんで、急激に体も動かなくなるし、声も出なくなることがあるんだ。これはどうしたもんだということで、とにかく温かいものを飲んでみようといろいろ試したんだ。ショウガ湯とかカリン湯とか……でも、市販の粉を湯で溶くタイプの飲み物って、ステージで汗をバンバンかいている時に甘すぎるのね。「なんか違うな」と思っていた時に、塩分のある味噌汁を飲んだら、すごくうまいと感じたわけ。これは、体が塩分を欲しているに違いないと。 ――ああ、肉体労働者と同じ感覚ですね。 閣下 その時にすごくうまく感じるものは、体が欲しているんだろうと。……そういう意味では、ビールを一番欲しているんだが(笑)。 ――ちなみに、今のステージドリンクは? 閣下 今は3種類。ただの水と、喉にいいとされているスロートコートというハーブティー。あとは、ハチミツとクエン酸を入れて、ぬるい湯で溶いた飲み物。最近は、そこに塩を入れている。3種類を、その時の自分のコンディションに合わせて飲んでるんだけど……。まあ、そんなに深く考えては飲んでいないな。3つ並んでたら、急いでる時はどれでもいいし。 ――それだけ喉や歌い方を気にして歌声を守っている閣下ですが、あの衣装は歌いやすそうには見えないんですけど……? 閣下 衣装にもよるな。首輪をしていることが多いんだけど、これは正直、あんまり歌いやすくないね。やっぱり、喉仏の周りが圧迫されていないほうがいい。でも、あとは、それほどでもないな。年を重ねて、なるべく動かしやすいように重たくない素材で作るようになってきたので、はた目で見るほど動きにくくはないと思う。
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――昔の衣装は、動きづらかった? 閣下 どういう素材がいいのかわかっていなかったから、重いし錆びちゃうし……。でも、当時は自分も若かったから、あんまり気にはならなかったな。去年作った戦闘服(聖飢魔IIの場合はこう呼ぶ)は、ちょっと重たかったけど、それはデザイン上しょうがなかったんで。見た目と実用性と、どっちを取るかという判断もあるよね。 ――歌いやすいということを追求するだけではなく、ビジュアルなども含めて、トータルで伝わるか伝わらないかが重要だと。 閣下 もちろん、歌が一定のレベルを超えていれば、だけどな。だって、この話を突き詰めていくと、転げ回りながら歌ったり、三点倒立しながら歌ったり……そんなことしないほうが、うまく歌えるに決まってるじゃん(笑)。でも、トータルで考えて、面白きゃいい、という部分が優先される時もある。まあ、ライヴで10数曲歌っているうちの1曲くらい「そうしないほうがうまく歌えるのにな」っていうのがあっても、それはそれでいいでしょ? ――トータルでの伝わり方という話でいうと、閣下の場合、ビジュアルが強すぎるという問題もあると思うんですが、そこに対するジレンマはなかったですか? 閣下 いっぱいあるよ。自分と同じくらいのキャリアのあるミュージシャンで、テレビドラマに出ている人って、いっぱいいるじゃない。……でも、吾輩は出られないからね。 ――あ、そっちのジレンマ(笑)。 閣下 「オレのほうが、うまくできるのにな」って思いながら見ているよ。吾輩には、自分の役か、悪魔の役くらいしかオファーが来ないから。 ――歌うに当たっても、このビジュアルが邪魔になることってあるんじゃないでしょうか? 閣下 歌の種類によってはあるだろうな。でも概して、きれいごとを歌っているような歌は好きじゃないので、この顔で困るような歌は、そもそも好きじゃないんだ。 ――聖飢魔IIって技術力はすごく高いのに、このビジュアルのせいで「認めない!」と思っているヘヴィメタ好きも多そうですよね。 閣下 それも、山のようにいるだろうな。そりゃあね、なるべく大勢の人が「いい」と思ってくれるに越したことはないんだけどね。はなっから嫌いだって言っている人に、こっちがへりくだってまで好きになってもらわなくても、食うのに困ってるワケじゃないしってことだよ。 ■「蠟人形の館」を、代表曲とは言わせないぞ! ――今回の本では「歌唱論」についていろいろと語られているわけですが、最近はライヴを口パクでやっている人も多いわけで……そのへんの問題というのは、どう考えていますか? 閣下 まあ、それぞれのスタイルだからね。「生の声で歌っていなきゃ、そんなのは歌じゃない」とも思わないよ。ショーだって割り切ってしまえば、ライトがきれいでダンスをバンバン踊っていて、それだけ動いているとさすがに歌を完璧に歌うのは難しいんで、録音したのを同期させています、というケースもあるだろうし。結局は、客との関係なんじゃないかな? 何を見たいと思っているのか、何を見せたいと思っているのか。  吾輩なんかは、そりゃあ日によっては「テープで……古いな……音声データで流してくれりゃ、楽なのにな」っていう体調の日もあるけども、それと向き合って、どういうふうにステージを乗り切っていくのか。その戦いがあって、クリアした時にはうれしいし、悔しい時もあり。いろいろと考えて進んでいくのが好きだから、そういうやり方をやっているだけで、好きじゃなかったら別の方法を考えるだろうね。だから口パクをしている人も、それはそれでいいんじゃないかな。ホントは歌ってないくせに、いかにも歌ってるように見せかけているヤツは潔くないとは思うけど。 ――それでは最後に、「何かで世に出たい」と思っている若者にアドバイスを頂けたら。 閣下 やりたいんだったら、やってみればいいじゃないってことだけだよね。すぐにあきらめちゃうなら、そんなにやりたかったことじゃないんだろうし、すっごくやりたいんだったら、ある程度食い下がるんじゃない? その結果、才能がないことに気づくのかもしれないけど。まずは「やるだけやってみる」ができるかどうかだよね。 ――閣下の場合は、世に出る前、どんなモチベーションで活動されていたんですか? 閣下 最初はやっぱり、単なる有名欲みたいなものもあったんだろうな。でも、いったんそれが達成されると、次の目標が必要になってくる。「有名じゃないから、有名になりたい」と思っていたヤツが有名になれたら、次は「違う側面も知ってほしいな」とか「自分が常々考えていることを、みんなが同じように考えてくれればいいのにな」とか、別の欲望が出てくるわけだな。要は、社会に影響を与えたくなるということだろうね。吾輩の場合は、そうだったかな。 ――確固たる地位を確立した、いま現在のモチベーションは、どこに置いていますか? 閣下 いくつかはあるよ。たとえば、インターネットがここまで発達してきているんで、もっといろんな国の人に知ってほしいなと思っていたりね。あとは、吾輩は随分長いことこの業界にいるけれども、実は世間一般での代表曲というのは「蠟人形の館」しかないんだ。最初に出てきた時の曲が代表曲。やっぱり、それを超える曲を歌いたいよね。30年やってきて、最初に勝ってないんだもん。もう「蠟人形の館」を代表曲とは言わせないぞと。 (取材・文=北村ヂン) ●『デーモン閣下 悪魔的歌唱論』 定価 2,160 円(税込) 版元 リットー・ミュージック

子ども時代と地続きの関係の中で生きる楽しさと面倒くささ──「お笑い・プロレス・ドリームハイツ」三題噺でたどるサイプレス上野の足跡

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 人気番組『フリースタイルダンジョン』のモンスターとして、ヒップホップ・リスナーの域を超えて知名度上昇中のサイプレス上野。テレビ番組やCMのみならず、本業の楽曲のほうでも新日本プロレスの新春東京ドーム興行の公式テーマを作成するなど、活動の幅は拡大中だ。そのサ上が、自身の半生を綴った書籍『ジャポニカヒップホップ練習帳』(双葉社)をリリース。『FSD』でのコミカルなキャラクターとも異なる一面が垣間見られる同書について、「お笑い・プロレス・ドリームハイツ」の3ワードを中心に話を聞いた。 *** ――『ジャポニカヒップホップ練習帳』(以下・練習帳)を読んで、一番気になったのが「俺達はラップの練習と平行して、漫才の練習もしてた」のくだりだったんです。漫才についてはその一文しか出てこないですけど。 上野 やりましたね。時期的には『ごっつええ感じ』大ブームの頃です。俺は兄貴がいたから、最初は『ゲンテレ(天才たけしの元気が出るTV!)』派だったんですよ。でも中学になっていい加減『ごっつ』見たほうがいいって雰囲気になって、見たら「なにこれ。超おもしれー!」(笑)。それに影響されて、お笑いの感度が高い連中と俺たちもやってみようという話になった。ボケ・ツッコミはジャンケンで決めて、10分だけ考える時間設けた後、漫才というかコントを作って、家の裏にあった森で披露しました。 ――まさにフリースタイルじゃないですか。 上野 でもガキだったんで、漫才を理論的に分かっていないんですよ。だからお笑いに詳しくて、ロジックを分かってるやつだけが笑いをかっさらっていきましたね。 ――上野さんのお笑いの原点は何なんですか? 上野 ドリフですかねえ。兄貴にムリヤリ見させられて、なんとか間に合ってる世代なんですよ。でもコントの途中に大仏が動き出したり、『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』の「スイカ男」は怖くて泣いてたなー。『ひょうきん族』をあまり見なかったのは、ブラックデビルを怖く感じたせいのような。たぶん明るいお笑いを求めてたんでしょうね。それがそのうち、『お笑いウルトラクイズ』に触れて、俺はこっちのムチャやってるほうが好きだなと。 ――その頃、サ上さんはグループの面白いヤツとして君臨してたんですか? 上野 俺はトップではなかったし、ギャグでクラスを笑わせることはなかったです。そこはスノッブで、人のギャグに「つまんねーよ」とチャチャ入れてるようなタイプ。でもお笑いをことこまかく見てたから、他のヤツより詳しいことが多かったかな。
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――ガキ大将タイプだったのかと勝手に思っていたんですが、『練習帳』を読むと決してそうではないですよね。業界やいわゆる“シーン”の中心に行かされそうになると拒んで、全体のバランスを気にしたりするタイプ、と自己分析されているくらいで。 上野 シンナー吸ってるヤツに「ジャイアン」と呼ばれていたぐらいなんで、暴君っぽい一面はあったかもしれないけど、中心には行きたくなかったです。でもカラダがでかかったから、行かざるを得なかったんですよ。隣の地区のグループとケンカした時、リーダー格のヤツに「おまえ、上野だろ?」と言われると、こっちは自覚ないから「え? 俺?」(笑)。こういう役目回ってくるのは、イヤだなと思ってました。 ――その時、サ上さんたちのグループのリーダーはどこに? 上野 その場に全然降りてこなくて、この先輩はダメだと小6で悟りました(笑)。結局、周りが自ら動かないヤツらばかりだったんで、やらざるを得なかっただけです。今も俺が立派な人みたいに見られることが多いけど、単純に相方の吉野と比較されることが多いから良く見られるだけで。 ――俺、出身が神奈川県大和市なんです。 上野 あ、地元近いじゃないですか。今もチャリでブラブラ行きますよ。 ――南にドリームランド、北行けばNORIKIYOさんが団地で悪さを働いていた相模原市があって、そんな危険地帯に囲まれているとは思ってませんでした。 上野 いやいや、大和こそマッドシティですよ!(笑) まあ当時のドリームランドは物騒ではありましたね。家まで暴走族が押しかけて金属バット振り回すようなこともあって、ぶちぎれた警察官のオヤジが追っかけまわしてました(笑)。コンビニのガラスにモノ投げて割ってる、やさぐれたヤツらもいたし。俺たちが健全に野球してたら、「パクられたチャリがここに置いてある。おまえの仕業だろ!」と因縁つけられたこともありましたね。「知らねーよ。ふざけんな!」とキレたら、どうもシンナー吸ってるワタって仲間(サ上とロ吉結成前に組んでいたユニット・ドリームラップスのメンバー)が勝手に持ってきてたみたいで……。そこで揉めてたら、ワタがまたパクッた原チャリに乗ってきたんですよ。そしてその様子を目撃して、そのまま逃げるという(笑)。そこから火蓋切られて、後処理が大変でした。 ――そういう荒れた部分が、サイプレス上野とロベルト吉野の曲にはあまり出てないですよね。 上野 ファーストアルバムで出してたらよかったのかもしれませんね。でも当時、そういうやんちゃや武勇伝みたいなのがだせーなと思ってたんです。危ない経験をして生きてきたことを主張するより、今のほうが楽しくない? って気分で。その頃、俺が音源リリースしたことがラップやめたワタには悔しかったらしく、文句言ってきたことから殴り合いのケンカになったりして、まだ昔話を語る余裕がなかったんです。
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――それでヒップホップの定番でもある、過去を振り返る曲には向かわなかった。 上野 ヤンキー気質の不良って、勝ち上がって社長になるような野心が強くて、ビジネスに向かうヤツが多いんです。結果、猛勉強して若くして社長になったり、法律事務所を始めたりする。ろくな死に方しねーなと思ってたスケーターの後輩たちなんて、それぞれ一国一城の主になってますもんね。「え? おまえら、かなりやってるよね?」と思うようなヤツが税理士になって、今やタワーマンションに住んで、「先輩たちがドリームを守ってくれる」ですから。バカにしてんのかこいつらと(笑)。  でもそれって、自分を捨ててビジネスに徹する覚悟があるんですよ。ラッパーでも昔話系ができる人はひとつ“上がってる”人なんです。NORIKIYOくんとも、マジでしょうもないことを自慢しあってる時期から知ってるし(笑)。今の生活があるから昔を歌える。 ――人が変わったというより、ひとつステージがあがったんですね。 上野 そうなんですよ。でも俺は昔から地続きで延長線上なんで。街も飛び出してないし、いまだ毎週ヤサ(ドリームハイツの一室を仲間で買い取った作業部屋)で反省会してるし。「また揉めごと起こしたらしいじゃねーか」と説教してるのが36才で、「すいません」と謝っている後輩が35才(笑)。  変わらなきゃいけないのかなとも思うんですけど、変わったら変わったで周りが窮屈に感じるだろうし、仲間と決別するのもムリだと分かってるんで。そういえばこないだ後輩の女に、「最近、天狗になってる」ってしつこく言われました。その子に初めて会ったの、今年の夏なんですけどね!(笑) ――面倒な友達が多くても、縁を切りはしない? 上野 腐れ縁で、楽しいは楽しいんです。ただ何回もダメだと思ったし、疲れます。なんせ現役で揉めごとがあるんで(笑)。仲間に店のオーナーやってるヤツがいるんですけど、もともとヤンキー寄りだったのが改心してまっとうになったと思ったら、どうにも気質が抜けない。俺がその店に立つ話になったのに病気で行けなかった時、来店したヒップホップ好きが酔って、ずいぶん客に絡んだらしいんですよ。そうしたらそのオーナーが、「てめー、外出ろ! 二度と来るな!」と叩き出したみたいで。それ、オーナーのすることか? と(笑)。でもそっちのお客さんより、仲間を選びたいと思っちゃうんです。 ――ケンカも多いけど、和解も多いんでしょうね。 上野 「揉めたくない」が前提にあって、面倒くさいからすぐ仲直りしますね。それにどうしようもないヤツらばかりでも、ヒップホップによくある金持って逃げる事態はないかなと。多分ぎりぎりで踏みとどまるはず。そう言いながら、謎みっちゃん(サ上とロ吉と同じ、ZZ PRODUCTION所属アーティスト。ドリームハイツ出身)は踏み込む可能性あるかも(笑)。でもまだ信頼がギリギリ勝ってるな。 ――51対49くらいで。 上野 結局、厄介ごとを楽しむ癖がついちゃいましたね。
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――あと『練習帳』は随所にプロレスの表現が散りばめられてますね。サ上さんのプロレス好きは有名ですが、ついに来年は新日本プロレス東京ドーム大会のテーマを担当するという快挙を。 上野 さすがに世界第2位の団体だけあって、古参のプロレス原理主義者から批判の雨あられを浴びました(笑)。「今までのテーマがよかった」って。それ、いつも聞いてるハードロックみたいなやつだろ? ジャンル違うんですが、と(笑)。でもその言いたくなる気持ちはすごくわかるんです、俺も。まぁ、そこに対する思いを全部喋ると総攻撃食らうんで、このへんにしといてください。 ――もともと団体はどこが好きなんですか。 上野 子どものころは新日、全日見て、FMW、W★ING、リングス……。ほぼほぼ全部見てました。近所の古本屋にすごい数の「週刊プロレス」のバックナンバーが置いてあったから、座って貪り読んでたんです。 ――近所の誰かがプロレス卒業して売ったんでしょうね(笑)。 上野 働き出した兄貴と金を出しあってそれ買って、けど兄貴もプロレスを卒業して全部捨ててました(笑)。俺もその時はプロレスを見てはいても、のれない時期だったんで……。新日の暗黒期で、大日(大日本プロレス)からザンディクがいなくなった頃ですね。 ――2000年代初頭ですか。 上野 それまでしょーもない大会に行って楽しんでいたはずなのに、面白がれなくなって肩落として帰るようなことが続いたんです。そのうちいろんなファンが入ってきても、もう俺だけのもんじゃねーんだ、みたいな気持ちにもなりました。「何も知らない新参者が……」と新規のファンを見下すイヤなプロレスファンになってしまった。 ――それこそ今、ヒップホップに新参者のファンが入ってきているのは、どう感じてるんですか。 上野 ヒップホップはプレイヤーとしてそこにいるんで、また違う感情なんです。ニトロが盛り上がった時は、「知らねーやつがのっかってきやがって」ってにわかヘッズを超憎みました。そこで「ライブはやるけど興味ない」みたいな態度をとって、新譜ばかりかけてる友達のDJとぶつかったりもして、一回ヒップホップから離れたんです。だから『フリースタイルダンジョン』前からヒップホップ好きだった人は、あの頃の俺みたいに歯がゆい気持ちなんじゃないですか。でもプレイヤーがそんなことを言ってもしょうがないんで、棚橋選手みたいに布教活動するのが役目なんだなと。ブームといっても一過性で、「即興でラップできてすごーい」だけじゃないですか。まだ何も開花してない。これから続けていくためにも、顔と音源を売らなければいけないなと思ってます。  でもプロレスに関しては、いっこ抜けた感があるんです。10何年前から誰もいない大会でよく顔をあわせる、女の子のファンがいたんですよ。ガラガラの客席で、リングサイドの反対側にいるから、お互いに意識はしていて。FREEDOMSの興行に行った時、その子に声かけられて、「おまえ、いつもいるよな?」と話をしたんです。ちょうどデスマッチで、周りに友達もいたからギャーギャー騒ぐじゃないですか。そうしたら前に座っていたオタに「静かにしてもらえますか!?」と怒られちゃった。  昔だったら「はあ? ここは騒ぐ場所だろ。おまえバカじゃねえ?」と突っかかっていったはずなんですけど、あ~もうそれを言う必要ないんだなって。その瞬間、後楽園ホールの天井に魂が抜けていった気がしたんです(笑)。 ――「もう自分の知ってるプロレスとは違う」と解脱しましたか。 上野 今、場外乱闘やっても、ファンがリングサイドの席から離れないから、若手がレスラーを止めたりしてるんですよ。昔は席がグシャグシャになって、気づいたら2階席からリングサイドに移動するような楽しみがあったのに(笑)。
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――よくも悪くも今は整備されたんでしょうね。 上野 自分にとって、客のやばさも大事な要素だったんですよ。会場で社会不適合者と出会って、食らうじゃないですか。ずっと寝ているヤツがいたかと思えば、コーラの1.5リットルを何本も持ち込んでゴクゴク飲みながら実況してるやつがいて、それ観てるの好きだったな~(笑)。それも相手を見下すわけじゃなく、冬でも短パン、さらに金髪の俺を見て向こうも同じこと思ってただろうし。人生いろいろで、いろいろな楽しみ方があることを学べたのは、でかかったです。  それに比べると今、プロレスを見ていてもどこか冷静で、自分が熱狂してるか分からないんですよね。じゃあなんで行ってるのかといえば、自分を保つため会場に行ってるのかもしれない。リリック書くのが溜まってて煮詰まってるとき、家から遠い後楽園ホールにわざわざ出向くと、救われるというか。こないだも大日に行ったら、見られたのがセミのフォールからだったんですよ。でもメインマッチの内容がよかったんで、これでいいかなと納得して。 ――今は勝った負けたで一喜一憂はしていない? 上野 ないんですよ。そこは寂しいですね。テーマがある試合は気持ちが入るんですよ。でもそれも09年の葛西VS伊東(FREEDOMS・葛西純VS大日本・伊東竜二のデスマッチ対決。同年のプロレス大賞ベストバウトを受賞。参照)あたりで記憶が止まっている。あれもプロレス雑誌に載ってたバルコニーダイブの写真に俺が映ってるから、「これはやばいことが起こるぞ!」と自分の席外して向かってたんでしょうね。 ――サ上さんはやばい現場にいたい人なんですね。今、ほかに注目してる現場はありますか? 上野 ヒップホップもやばいヤツが現場にいなくなりましたからねえ。アイドル現場は取材でいくと、ファンが結構ちゃんとしていて健全だなと思う。今やばい空気が残ってるのは女子プロレスなのかなー。スカスカの後楽園で、リングサイドでずっと「うおー」とデス声出してるヤツは衝撃でした。人目もはばからず、ずっとカメラでバシャバシャ撮ってるヤツもいるじゃないですか。でも俺たちは自意識が強くてそれができなかった。『東京ポッド許可局』でいう「自意識が邪魔をする」ですね(笑)。だいぶ落ち込んで帰りましたねえ……。いつまでも女子レスラーのポートレートを買える人間でいたいですよ!(笑) (構成=鈴木工/写真=市村岬) ■サイプレス上野 ヒップホップ・ユニット「サイプレス上野とロベルト吉野」のMC。横浜市戸塚区ドリームハイツ出身。最近では『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日)のモンスターとして知られるように。無類のプロレスファンでもあり、来年1月4日開催の「WRESTLE KINGDOME 11 in 東京ドーム」(通称イッテンヨン)のオフィシャルテーマソング「GET READY」を制作。MVがYouTubeで公開中<https://www.youtube.com/watch?v=JA6I_29dmWc> Twitter ID<@resort_lover> ■書籍情報 『ジャポニカヒップホップ練習帳』 今や地上波番組はもとよりテレビCMにも出演し、一般知名度も急上昇中のサイプレス上野の半生記。自分にとっての「ヒップホップとは何か?」がぎゅう詰めされた一冊。 著:サイプレス上野 発行:双葉社 価格:1400円(税別) http://amzn.asia/iLZWZwY

話題の“ネガティブすぎるモデル”長井短 「自意識」の長い旅路と、「友達」へのハンパない想い

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撮影=後藤秀二
『アウト×デラックス』(フジテレビ系)、『徳井と後藤と麗しのSHELLYと芳しの指原が今夜くらべてみました』『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)に「女版・栗原類」「ネガティブすぎるモデル」として登場し、一躍注目を浴びている長井短。その独自の理論に裏打ちされた突拍子もない言動、「友だち」「モテ」に対する尋常ならざる思い入れ……“こじらせる”とも“ひねくれる”とも違う、ニュータイプの自意識エクスプロージョンにはブレークの予感しかない! 日刊サイゾーが、どこよりも早く、話題のモデルに迫ります!! *** ――地上波の番組にも次々とご出演されて、ブレーク間近ですね。 長井短(以下、長井) テレビに出るとスゲェ売れるのかなと思ってたんですけど、別にそんな売れてないというのが現状ですね(笑)。あぁ、SNSのフォロワーが増えたなとか、エゴサーチするといっぱい出てくるな……という程度のことはありますが。 ――エゴサするんですね。長井さんはTwitterも面白いし、SNSの使い方が上手だなぁと。 長井 いや、そんなことないです。中学生くらいからSNSはあって、最初は前略プロフィールで、それがmixiになって、今Twitterになったんですけど、やっぱり昔やってたものとか見返すと、死ぬほど痛いんですよ(笑)。中学生だった私は「ネットには本当のことを書ける」とか、血迷って考えていたようで、いま見ると本当につらい。だから、10年後の自分が恥ずかしい思いをしないで済むようなことしか書けないなって、今は気をつけています。 ――(笑)。長井さんは「ネガティブすぎるモデル」というジャンルで取り上げられていますけど、ご自身はネガティブという自覚はあります? 長井 なんだろう……ネガティブって、「鬱」っぽいイメージじゃないですか。私はどちらかというと「躁」状態に入っちゃうことのほうが多いんです。考えてることは確かにネガティブだし、後ろ向きではあるんですけど。 ――今日はどうやって「長井短」という人間が形成されていったのか、そのあたりのお話を聞きたいなと思っています。 長井 私、『STAR WARS』を幼稚園のときに見て、小1で『ハリー・ポッター』を見て、将来どちらかになりたいと思っていたんですよ。でも、クラスメイトの一番仲良かった女の子に「ジェダイはいない」って、交換ノートに書かれてしまって。 ――交換ノートで!! 長井 交換ノートの“内緒の話”っていうコーナーに「実は私、ジェダイになるのが夢なの」って書いたら「ジェダイはいないよ。あれはハリウッドスターなんだよ」って。すごい傷ついたんですけど、「わかった。じゃあ、ハリウッド人になる」って言ったら「ハリウッド人もいない」と。そのとき、かなりの絶望を味わい、以降「私は生まれる宇宙を間違えた」みたいな気持ちでずっと過ごしていましたね。中二病も相まって。
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――中学時代は、何にハマっていましたか? 長井 『SCHOOL OF LOCK』(TOKYO FM)というラジオ番組ですね。周りの友だちはたいていテレビを見ているし、ジャニーズが好きだけど、私はラジオ。その自尊心がヘンなふうなっちゃって、当時オレンジレンジがはやっていて、実は私も好きだったんですけど、それよりもラジオでかかる曲のほうがいいとか言ってました。 ――オレンジレンジを好きとは言いづらかった。 長井 そう、嫌なヤツですよね(笑)。 ――いや、なんの音楽、なんの映画が好きかって、自分をどう見せるかにおいてすごく大事でしたよね、その時代は。 長井 映画も、最初は普通に『STAR WARS』が好きって言ってたんだけど、それもちゃんと伝わってないなって感じがして。ちょうどその頃、「CUT」(ロッキング・オン)の表紙の裏広告に、たまたま「トッド・ソロンズ」っていう監督の作品が載ってて、まったく知らないけど、なぜか心惹かれて、ずっと見たいと思ってました。 ――「好きな映画は『STAR WARS』」のちゃんと伝わっていない感じを、「トッド・ソロンズ」で解決できるかもしれないと。 長井 はい。中1でようやくTSUTAYAカードを作れるようになり、栄えある初回レンタルがトッド・ソロンズ。ようやく見ることができたんですけど、ただ一般的に中学生が見るような毛色の映画ではなかった。 ――自意識の長い旅路ですね……。 長井 まぁ、満を持して「好きな監督はトッド・ソロンズ」って言ってみたわけですけど、友だちは「何言ってるかわからない」と。こっちも不正解だったようです。 ――今はどうですか? 好きなものは好きと言えるようになりました? 長井 いや、大人になるにつれて、逆の現象が出てきたんですよ。高校に入って「ウディ・アレン」が好きになって、高校生のときは「ウディ・アレン好き」って素直に言いまくってました。でも、大人になってから「ウディ・アレン好きって女も、それはそれでちょっとウザいかも」って思い始めて、それも言いづらくなってしまった。なんか同じ流れで「岩井俊二好き」も言いづらいんです。 ――あぁ、わかります(笑)。 長井 ありますよね。あの世界観が好きって言うと、ちょっと嫌な女っぽいというか。もう逆の逆で『ムカデ人間』とか言えばいいのかなって思ったんだけど、それはそれで狙いすぎっぽいし、いまだにちょうどいいところが見つかってない。 ――(笑)。長井さんは役者業もされていますが、それも映画への興味から始まっているのですか? 長井 やっぱりジェダイになりたかったので、役者になればそういう役もやることができるのかなって、そこからです。お芝居はすごくやりたいとずっと思ってました。ただラジオにハマっていたので、ラジオDJもいいなと思っていました。 ――ラジオDJって、タレントさんともアナウンサーさんともちょっと違う、絶妙なところですね。でも考えてみれば、役者業って、思いっきり人前に出るものですよね。そこに対する抵抗はなかったんですか? 長井 それはなかったです。私、小1から中3までずっと合唱をやってたんですけど、年に1回ミュージカルがあって、舞台に立つこと自体はわりと慣れていました。だから演劇は大丈夫なんですけど、ただ……バラエティ番組とかは、「私で~す」ってなるじゃないですか。 ――「私で~す」(笑)。 長井 その「私で~す」を私がやったところで誰も興味ないだろっていう、そこに対する抵抗はすごく強いんです。誰かが書いた役柄だったら、その作家さんが好きな人たちがいるから、ちゃんと需要がある。その人が書いたものを私が代わりに言わせてもらってます、っていうので少し安心するんですけど。「私」には興味ねぇだろって。
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――モデルというお仕事については、いかがですか? 長井 やる前は全然興味なかったです。高校卒業してからも演劇を続けたくて、でもバイトの面接に行っても、ことごとく落ちるんです。あまりに落ちるので「これは“働くな”と神が言ってる」と思うくらい。でも、演劇だけじゃ絶対食べていけないし、どうしたら“いなかった感じ”で演劇に取り組めるんだろうなって考えたんです。 ――いなかった感じ!? 長井 今までこういうやり方する人はいなかったな、っていう意味の(笑)。 ――あ、そっちですね。よかった(笑)。 長井 そう、それで「モデルやってて映像をやる人はいるけど、モデルやってて舞台やる人ってあんまりいないな」って、これができたらちょっと面白いかなと。最初はバイトの代わりにお金稼げればいいなくらいでしたけど、始めてみたらすごく面白くて。 ――イメージと違いました? 長井 それまでは「CanCam」(小学館)とか「non-no」(集英社)とかの、ハシャいでる女っていうイメージだったんですよ。でも、私に来る仕事は「ハシャぐな」。ぼーっとしててほしいっていう依頼が多くて、ぼーっとするのなんて得意得意って(笑)。あと、いわゆるカワイイ服、みたいなのじゃなかったんですよね。普段着ない感じの服が多くて、そういうのを着られるのも面白かった。ちょっと「難解」っぽいのが、自分には合ってる。 ――確かに長井さんが「モテ服で着回し〇〇days」みたいな企画に出ているのは、想像できません。 長井 そういうのを、若干バカにしながら生きてきた節もあるので。よかったです。「モテ」とか意識しなくていい仕事で。 ――「モテ」は、いらないですか? 長井 いや、普通にモテたいですよ!! ただ、モデルやっても全然モテない……。 ――アパレルブランドのパーティーに行って、シャンパン飲んだりしないんですか? 長井 事務所にお誘いのメールは来たりするんですけど、一人じゃ行けないし、行って「あ、長井さんだ」みたいになれば「ごきげんよう」って手を振っていればいいんだろうなと思うけど、そもそも誰も知らないし、友だちもいないし。 ――テレビでもお話しされていましたが、長井さんの「友だち」に対する思いハンパないですよね。 長井 ほんっとに、友だちが欲しくて仕方ないんですよ。でも、どうしたらいいかわからない。素敵だなと思うと「友だちになろう」とかすぐ言っちゃうんですけど、「『友だちになろう』って、言う?」って返ってきちゃうし。 ――確かに、どんな儀式をすれば「友だち」になれるのかわからない。 長井 そうなんですよ。学校があれば友だちと呼べないまでも、どうしたって3年間顔を合わせ続けるから、一定の間柄にはなれるじゃないですか。学校に行かなくなると、その安心感もなくなる。クラスメイトだったころは「おはよう」って言えるけど、卒業してから「おはよう」ってLINEするのもおかしいし、でも用事もないし、ただ「まだ友だちだよね」っていうのを確認したかったりするんですけど、たぶん引かれるから連絡もできない。 ――いや、それには共感する人多いと思います。 長井 誰も教えてくれないんですよ、友だちの作り方と友だちの続け方って。大人になると、飲みに行くしかなくて、「最近仕事どう? 順調?」とか、それもいいんですけど……もっと、なんというか、ゲームしたいんですよ。 ――ゲームですか!?
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長井 純粋な遊びっていうのがしたくて。居酒屋もいいけど、公園で待ち合わせしたいし、ゲームセンター行きたいし。人と遊びたい、とにかく。「本気でバトルして、絆芽生えた」みたいなのが欲しいんです。 ――河原で殴り合って抱きしめ合う的な。 長井 そういう流れが欲しいです。なんで大人になると、できなくなっちゃうんでしょうね……。 ――今、長井さんは、何をしてるときが一番楽しいですか? 長井 なんだろう……家で、パソコンでアニメとか流して、テレビで録画したドラマ流して、携帯でツムツムやりながら、ラジオもかけてみたいな、とんでもない情報があふれてるところで一人ぼーっとしてる時が一番安らぎます。 ――安心するんですか? 長井 この情報をどこまで追いきれるのか、私? っていうのも楽しい。 ――男性に求めるものは? 長井 「正しい人」が好きかもしれない。正しさを感じる人。倫理観とかはどうでもいいんですけど、自分が大切にしたいものや好きなものに絶対誠実に向き合えているかどうか。子どもみたいな人なんですかね。 ――なるほど。 長井 「今、今、今」みたいな人が好きなんです。今、ここが、大事。明日より……。 ――カッコイイ……昔の椎名林檎みたい。 長井 私が言うと痛いですね(笑)。 ――あまりにお話が面白すぎて、うっかり忘れそうになっていたんですけど、12月には舞台も控えてらっしゃいますよね。 長井 そうなんです。7月に玉田企画という劇団にお世話になって、そこの主宰の玉田さんがやっているユニットのコント公演『弱い人たち』に出させてもらいます。私がよくお世話になっている「月刊『根本宗子』」は台本の一言一句きっちり覚えるっていうやり方だけど、逆に玉田さんは論旨が合っていれば自分の言葉でしゃべってくれたほうがむしろいいという人で。そういうところでやるのが新鮮でもあり、難しくもあります。 ――演劇以外で、これからやってみたいことは何かありますか? 長井 コラムとか書きたいです。ラジオDJもそうですけど、顔バレしない仕事を。なんか紛れていたいんですよ。バーンっていくのも怖いし、ちょうどいいところにいたいです。知ってる人は知ってるけど、そんなに2ちゃんで叩かれるほどでもないっていう。 ――ジャンルは? 長井 なんでもいいです。ただ、ポエムみたいなのはイヤですけど。 ――ポエム(笑)。 長井 よくあるじゃないですか。ちょっとした夕日の写真に、うっとりした言葉並べるの。感受性豊かアピールみたいの、キツイですよね。そして、間違いなく10年後の私が死ぬ(笑)。 (取材・文=西澤千央) ●長井短Twitter https://twitter.com/popbelop?lang=ja ●お笑い×演劇ユニット「弱い人たち」 第2回コント公演『もっと強くなりたい』 <公演日・開演時間> 12月22日(木)19:30 12月23日(金・祝)14:00/19:00 <会場> ユーロライブ <企画・脚本・演出・出演> 上田航平(ゾフィー)、塚本直毅(ラブレターズ)、ポテンシャル聡(ハイパーポテンシャルズ)、玉田真也(玉田企画) <出演> 芝大輔(モグライダー)、岡野陽一、橋本小雪(日本エレキテル連合)、長井短、菊池真琴ほか http://eurolive.jp/ 

マジックミラー号20年目の奇跡! SSS級素人のたえちゃん(仮)が桐谷まつりとしてAVデビュー

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 SOD(ソフト・オン・デマンド)のシンボルカーであるマジックミラー号が今年9月に遂に20周年を迎えた。それを記念して現在、SODでは原点に立ち返る意味も込めて、全国にナンパ隊を大量派遣し、かわいい素人娘のハンティングに力を入れているという。今回、そんな大プロジェクトの途中、ナンパの聖地“渋谷”でひょんなことから超SSS級美人をゲットできたと情報があった。それがSODstarからデビューを飾ることとなった20歳の美巨乳美人・桐谷まつりちゃんだ。  マジックミラー号の中では手ブラ止まりで終わってしまったというが、あまりの大物ぶりにSODがどうしてもこの娘をAVにデビューさせたいと「週刊プレイボーイ」編集部を誘って、出身地である秋田まで訪問して出演交渉したといい、関係者の熱意に打たれたまつりちゃんは、ついに週プレのグラビアデビュー&SODstarからのAVデビューを決意。史上初のマジックミラー号発SODstarが誕生することになった。  今回はそんな、まつりちゃんを直撃。デビューを決意するに至った経緯や、意気込みを聞かせてもらった。
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──お笑いライブを見るために上京してきて、渋谷で突然マジックミラー号のナンパ隊に声をかけられたと聞きました。 まつりちゃん はい。友達と歩いていたら、突然声をかけられたんです。 ──マジックミラー号のナンパ担当の人って、どんな感じの人なんですか? まつりちゃん 普通の人でしたよ。ちょっと夏っぽい感じの(笑)、イケメンといえばイケメン風の人でした。 ──知らない人にナンパされてついていくのって、怖くないですか? プライベートでもそういう経験はあったんですか? まつりちゃん いやないです。わたしが住んでいる秋田は、そもそもナンパをしている人なんてほとんどいないし……ちょっと新鮮だったのかもしれないです。 ──さすが東京だなと? まつりちゃん はい。ついて行ったら大きな車(マジックミラー号)が止まっていて、なんだこりゃって(笑)。 ──有名なマジックミラー号に乗ってみて、どうでしたか? まつりちゃん 不思議な感じでした。全面ミラーになっていて、外からは見えないけど、中からは外の様子が丸見えという状態になっているんです。面白かったです。 ──口説かれて車内で手ブラまでは撮影をOKしたみたいですね。 まつりちゃん はい……(笑)。最初は、さすがに警戒していたんですけど、話していくうちにだんだん楽しくなってきて。とにかく面白い人たちだったので。 ──うまく乗せられちゃったんですよ。しかもその後、地元まで「週刊プレイボーイ」さんを誘って追いかけてきて、AVデビュー交渉。それも結局、口説かれてOKしちゃったとか。 まつりちゃん はい(笑)。今思うと、うまく口説かれてしまったなって。AVのイメージってあんまりよくないし、抵抗があったんですけど、話を聞いていくうちに、そうでもないなって。「人に見られる仕事だし、やせられるよ」とも言われて、わたし、ちょっと体重を気にしていたので、「やせられるんだ」って。
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──先行して公開される週プレでは大胆な水着姿を披露していますが、そんなに太っているイメージはないですよ。体重に関しては、胸の大きさが関係しているのでは? まつりちゃん そうなんですかね。 ──胸がやっぱり一番自信のある部分? まつりちゃん そうでもないです。普通に生活していると邪魔だし……。 ──ちなみにHカップだそうで、何歳くらいから大きくなったんですか? まつりちゃん 何歳かは覚えていないんですけど、ある時から急に。1年にすごい勢いでサイズアップしていく感じで大きくなっていったんです。胸が大きいのはやっぱりコンプレックスでもありましたよ。今回の水着でも、とにかく恥ずかしくて。 ──水着も、体に不釣り合いなくらい小さくて大胆ですね。 まつりちゃん 水着自体、秋田にいるとあんまり着ることもないし、慣れなくて……。撮影の時はまわりがあげてくれるので、なんとかやれましたけど(笑)。 ──でも、胸が大きいのは今後、グラビアやAVをやっていく上ではすごく大きな武器になると思いますよ。 まつりちゃん わたしも今はそう思っています(笑)。 ──プライベートのことも聞きたいんですけど、普段は学校で歯科衛生士さんの勉強をしているとか。 まつりちゃん はい。今回デビューを決めたのであれですけど、デビューが決まってなければ普通に歯科衛生士の仕事に就こうと思っていたんです。 ──まつりちゃんが歯科衛生士だと、患者さんの顔にその大きな胸が当たってしまって、病院中が大騒ぎになってしまいそうですね。 まつりちゃん 今は学校で女の子を相手に練習しているだけなので困らないですけど、確かに歯科衛生士として働きだしたら、胸が当たらないように注意しないといけないですね。
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──胸は大きいけど、お腹も垂れていないし、足もスラッとしていてなぜだろうと思ったら、体育会系で高校時代はバスケットボールをやっていた? スポーツ少女なんですね。 まつりちゃん はい。 ──バスケはうまいほうなんですか? ポジションはどこだったんですか? まつりちゃん フォワードです。うまいかどうかはわからないんですけど、一応インターハイまではいきました。 ──バスケなんかやったりしていると、男の子の趣味も、例えば長身が好きとか、そういう感じになってしまわないですか? まつりちゃん そうかもしれないです。でも、身長とか見た目よりも、基本は面白い人が好きです。いい感じでわたしをいじってくれそうな人とか。わたし、お笑い芸人さんがすごく好きなので。 ──お笑い芸人以外の芸能人だと、どんなタイプの人が好きなんですか? まつりちゃん 向井理さんかな。かっこいいですよね。 ──向井さんってイケメンで、ちょっとマッチョなタイプですよね。マッチョなタイプが好き? まつりちゃん そうかもしれないです。私自身こういう体型をしているので、そういう人の方が良いかなと思います。 ──過去に付き合ったボーイフレンドは、どんな人だったんですか? まつりちゃん 今までまだ2人としか付き合ったことがないんですけど、高2のとき、最初に付き合った人は同級生の野球部の人。結構さわやか系でしたよ。 ──やっぱりスポーツをやっているような健康的な人が好き? まつりちゃん 健康的というか、一生懸命やっている感じがキュンとなるんです(笑)。 ──それにしてもバスケ部と野球部でよく出会えましたね。 まつりちゃん 朝練とか結構一緒になる機会があったので。
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──思春期の頃だし、彼氏はやっぱりまつりちゃんの大きな胸にいつも見とれていたのでは……? まつりちゃん はい(笑)。恥ずかしいので「見ないで!」みたいな感じがずっとありました。 ──エッチも胸ばかり攻めてくるとか? まつりちゃん 実はお互いクラブで忙しかったので、そんなにエッチはしていないんですけど、胸ばかりという感じではなかったです。 ──自分の胸を今後どんなふうに生かしていきたいですか? まつりちゃん あんまり使ったことがないのでわからないんですけど、パイズリとかも教えてもらって挑戦してみようかなって。 ──ちなみに性感帯はどこですか? やっぱり胸? まつりちゃん いや……クリあたりです。 ──胸は? まつりちゃん 来られるとうれしいですけど、それよりも下です(笑)。でもまだまだ性には鈍感な方だと思います。オナニーもしたことがないんです。わたし、AVも見たことがないし、ちょっと勉強しなきゃって。 ──性の目覚めも遅かった? まつりちゃん かもしれないです。彼氏とのエッチも何カ月に1回だったし……。 ──これまでにエッチをした回数も、じゃあ少ないってことですね。 まつりちゃん 少ないと思います。全部あわせても20もいかないかも。 ──デビューするに当たって目標はありますか? まつりちゃん お笑いが好きなので、まわりの人とかを笑わせたり、ハッピーにさせる存在になりたいなって思っています。撮影もこれから。どういうふうになるかわかりませんが、プロの男優さんのテクニックにも期待したいです。撮影を通じて新しいわたしを、みなさんに見て欲しいなって。 ──これからどんな作品に出てみたいですか? マジックミラー号に改めて出演するなんてこともあるんでしょうか。 まつりちゃん 学生ものがやりたいですね。マジックミラー号もスリルがあって楽しそうです。せっかくやると決めたんだから、いろんなジャンルの作品に挑戦してみたいです。
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 12月8日にデビュー作が発売され、早くも絶好調のまつりちゃん。12月25日には東京、1月7日には大阪でのイベントが開催決定!! 笑顔がステキで誰に対しても気さくなまつりちゃんに会いに行こう!! (取材・文=名鹿祥史) ●桐谷まつり 1996年8月15日生まれ。秋田県出身の20歳。バストは脅威のHカップ Twitter:@matsuri_kiri

マジックミラー号20年目の奇跡! SSS級素人のたえちゃん(仮)が桐谷まつりとしてAVデビュー

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 SOD(ソフト・オン・デマンド)のシンボルカーであるマジックミラー号が今年9月に遂に20周年を迎えた。それを記念して現在、SODでは原点に立ち返る意味も込めて、全国にナンパ隊を大量派遣し、かわいい素人娘のハンティングに力を入れているという。今回、そんな大プロジェクトの途中、ナンパの聖地“渋谷”でひょんなことから超SSS級美人をゲットできたと情報があった。それがSODstarからデビューを飾ることとなった20歳の美巨乳美人・桐谷まつりちゃんだ。  マジックミラー号の中では手ブラ止まりで終わってしまったというが、あまりの大物ぶりにSODがどうしてもこの娘をAVにデビューさせたいと「週刊プレイボーイ」編集部を誘って、出身地である秋田まで訪問して出演交渉したといい、関係者の熱意に打たれたまつりちゃんは、ついに週プレのグラビアデビュー&SODstarからのAVデビューを決意。史上初のマジックミラー号発SODstarが誕生することになった。  今回はそんな、まつりちゃんを直撃。デビューを決意するに至った経緯や、意気込みを聞かせてもらった。
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──お笑いライブを見るために上京してきて、渋谷で突然マジックミラー号のナンパ隊に声をかけられたと聞きました。 まつりちゃん はい。友達と歩いていたら、突然声をかけられたんです。 ──マジックミラー号のナンパ担当の人って、どんな感じの人なんですか? まつりちゃん 普通の人でしたよ。ちょっと夏っぽい感じの(笑)、イケメンといえばイケメン風の人でした。 ──知らない人にナンパされてついていくのって、怖くないですか? プライベートでもそういう経験はあったんですか? まつりちゃん いやないです。わたしが住んでいる秋田は、そもそもナンパをしている人なんてほとんどいないし……ちょっと新鮮だったのかもしれないです。 ──さすが東京だなと? まつりちゃん はい。ついて行ったら大きな車(マジックミラー号)が止まっていて、なんだこりゃって(笑)。 ──有名なマジックミラー号に乗ってみて、どうでしたか? まつりちゃん 不思議な感じでした。全面ミラーになっていて、外からは見えないけど、中からは外の様子が丸見えという状態になっているんです。面白かったです。 ──口説かれて車内で手ブラまでは撮影をOKしたみたいですね。 まつりちゃん はい……(笑)。最初は、さすがに警戒していたんですけど、話していくうちにだんだん楽しくなってきて。とにかく面白い人たちだったので。 ──うまく乗せられちゃったんですよ。しかもその後、地元まで「週刊プレイボーイ」さんを誘って追いかけてきて、AVデビュー交渉。それも結局、口説かれてOKしちゃったとか。 まつりちゃん はい(笑)。今思うと、うまく口説かれてしまったなって。AVのイメージってあんまりよくないし、抵抗があったんですけど、話を聞いていくうちに、そうでもないなって。「人に見られる仕事だし、やせられるよ」とも言われて、わたし、ちょっと体重を気にしていたので、「やせられるんだ」って。
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──先行して公開される週プレでは大胆な水着姿を披露していますが、そんなに太っているイメージはないですよ。体重に関しては、胸の大きさが関係しているのでは? まつりちゃん そうなんですかね。 ──胸がやっぱり一番自信のある部分? まつりちゃん そうでもないです。普通に生活していると邪魔だし……。 ──ちなみにHカップだそうで、何歳くらいから大きくなったんですか? まつりちゃん 何歳かは覚えていないんですけど、ある時から急に。1年にすごい勢いでサイズアップしていく感じで大きくなっていったんです。胸が大きいのはやっぱりコンプレックスでもありましたよ。今回の水着でも、とにかく恥ずかしくて。 ──水着も、体に不釣り合いなくらい小さくて大胆ですね。 まつりちゃん 水着自体、秋田にいるとあんまり着ることもないし、慣れなくて……。撮影の時はまわりがあげてくれるので、なんとかやれましたけど(笑)。 ──でも、胸が大きいのは今後、グラビアやAVをやっていく上ではすごく大きな武器になると思いますよ。 まつりちゃん わたしも今はそう思っています(笑)。 ──プライベートのことも聞きたいんですけど、普段は学校で歯科衛生士さんの勉強をしているとか。 まつりちゃん はい。今回デビューを決めたのであれですけど、デビューが決まってなければ普通に歯科衛生士の仕事に就こうと思っていたんです。 ──まつりちゃんが歯科衛生士だと、患者さんの顔にその大きな胸が当たってしまって、病院中が大騒ぎになってしまいそうですね。 まつりちゃん 今は学校で女の子を相手に練習しているだけなので困らないですけど、確かに歯科衛生士として働きだしたら、胸が当たらないように注意しないといけないですね。
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──胸は大きいけど、お腹も垂れていないし、足もスラッとしていてなぜだろうと思ったら、体育会系で高校時代はバスケットボールをやっていた? スポーツ少女なんですね。 まつりちゃん はい。 ──バスケはうまいほうなんですか? ポジションはどこだったんですか? まつりちゃん フォワードです。うまいかどうかはわからないんですけど、一応インターハイまではいきました。 ──バスケなんかやったりしていると、男の子の趣味も、例えば長身が好きとか、そういう感じになってしまわないですか? まつりちゃん そうかもしれないです。でも、身長とか見た目よりも、基本は面白い人が好きです。いい感じでわたしをいじってくれそうな人とか。わたし、お笑い芸人さんがすごく好きなので。 ──お笑い芸人以外の芸能人だと、どんなタイプの人が好きなんですか? まつりちゃん 向井理さんかな。かっこいいですよね。 ──向井さんってイケメンで、ちょっとマッチョなタイプですよね。マッチョなタイプが好き? まつりちゃん そうかもしれないです。私自身こういう体型をしているので、そういう人の方が良いかなと思います。 ──過去に付き合ったボーイフレンドは、どんな人だったんですか? まつりちゃん 今までまだ2人としか付き合ったことがないんですけど、高2のとき、最初に付き合った人は同級生の野球部の人。結構さわやか系でしたよ。 ──やっぱりスポーツをやっているような健康的な人が好き? まつりちゃん 健康的というか、一生懸命やっている感じがキュンとなるんです(笑)。 ──それにしてもバスケ部と野球部でよく出会えましたね。 まつりちゃん 朝練とか結構一緒になる機会があったので。
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──思春期の頃だし、彼氏はやっぱりまつりちゃんの大きな胸にいつも見とれていたのでは……? まつりちゃん はい(笑)。恥ずかしいので「見ないで!」みたいな感じがずっとありました。 ──エッチも胸ばかり攻めてくるとか? まつりちゃん 実はお互いクラブで忙しかったので、そんなにエッチはしていないんですけど、胸ばかりという感じではなかったです。 ──自分の胸を今後どんなふうに生かしていきたいですか? まつりちゃん あんまり使ったことがないのでわからないんですけど、パイズリとかも教えてもらって挑戦してみようかなって。 ──ちなみに性感帯はどこですか? やっぱり胸? まつりちゃん いや……クリあたりです。 ──胸は? まつりちゃん 来られるとうれしいですけど、それよりも下です(笑)。でもまだまだ性には鈍感な方だと思います。オナニーもしたことがないんです。わたし、AVも見たことがないし、ちょっと勉強しなきゃって。 ──性の目覚めも遅かった? まつりちゃん かもしれないです。彼氏とのエッチも何カ月に1回だったし……。 ──これまでにエッチをした回数も、じゃあ少ないってことですね。 まつりちゃん 少ないと思います。全部あわせても20もいかないかも。 ──デビューするに当たって目標はありますか? まつりちゃん お笑いが好きなので、まわりの人とかを笑わせたり、ハッピーにさせる存在になりたいなって思っています。撮影もこれから。どういうふうになるかわかりませんが、プロの男優さんのテクニックにも期待したいです。撮影を通じて新しいわたしを、みなさんに見て欲しいなって。 ──これからどんな作品に出てみたいですか? マジックミラー号に改めて出演するなんてこともあるんでしょうか。 まつりちゃん 学生ものがやりたいですね。マジックミラー号もスリルがあって楽しそうです。せっかくやると決めたんだから、いろんなジャンルの作品に挑戦してみたいです。
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 12月8日にデビュー作が発売され、早くも絶好調のまつりちゃん。12月25日には東京、1月7日には大阪でのイベントが開催決定!! 笑顔がステキで誰に対しても気さくなまつりちゃんに会いに行こう!! (取材・文=名鹿祥史) ●桐谷まつり 1996年8月15日生まれ。秋田県出身の20歳。バストは脅威のHカップ Twitter:@matsuri_kiri