薬師丸ひろ子、佐々木希、新垣結衣…「女優の歌声」に学ぶアイドル歌謡の神髄

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栗山千明『0』(DefSTAR RECORDS)

【リアルサウンドより】  今回は「女優とポップ・シンガー」について書きます。  まず、読者の皆様の中で、栗山千明の歌声を聴いたことのある方はいらっしゃいますか。女優として2000年の映画『バトル・ロワイヤル』でブレイク、モデルとしては90年代から活躍している彼女。歌手としてのイメージはあまりないかもしれませんが、10年にCDデビューしています。11年には浅井健一や椎名林檎といった筋金入りロック・スターのプロデュースでルーズかつキュートなシングルを連発。今年4月にリリースしたシングルではさらにエッジを尖らせて、激重ギター・リフでおなじみ、9mm Parabellum Bulletの滝善充をプロデューサーに迎えた超絶オルタナ・ロック・ナンバーを投下。さらに10月23日発売の新曲「0」はlalalarksが楽曲を提供したダブステップ・コンシャスなフィルターハウス歌謡で、これまた実に爽快な佳作です。どの作品も、クオリティの高い楽曲を女優ならではの豊かな表現力で演じており、栗山千明のネームバリューや注ぎ込まれたであろう予算を勘案すると「もっと売れてよい」という印象を抱きます。  かつては、映画やドラマの主題歌を主演女優が歌ってヒットするケースが多くありました。薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃」は最も衝撃的で、気品ある美しい楽曲に乗せた清楚な歌声が鮮烈でした。CMソングを女優が歌ってヒットした斉藤由貴のようなケースも最近あまり見ない気がします。近年「ポップ・シンガーとして成功した女優」が激減しているのではないでしょうか。現在活躍している女優で、コンスタントに高いCDセールスを記録しているのは、柴咲コウぐらいしか思いつきません。  栗山千明のCDがなぜ大ヒットしないのか、と考えると、それは単純に、市場で求められていないからだと思います。栗山千明のファンが求めているのはテレビや映画での美貌や華麗な演技であり、彼女が演じる「そのまんま椎名林檎」なボーカルやオートチューンで加工されたボカロめいた歌声の入ったCDは求められていない、ということでしょう。さらに、9mm Parabellum Bulletのファンなどには「この栗山千明の曲、卓郎に歌ってほしい」というジレンマさえ生まれます。作家として参加したアーティストのファンにも、自身のファンにも、ギャップを抱かせてしまっているのが現状でしょう。  この強烈な「これじゃない感」と「本業以外のことをやらされている感」が「女優の歌」が売れない原因であり、同時に、特有の魅力なのだと思います。  それでは「すでに歌手デビューしている女優」と「これから歌手デビューしてほしい女優」を分類して、「女優とポップ・シンガー」について少し考察したいと思います。  すでに歌手デビューしている人気女優として、まず挙げたいのが新垣結衣です。07年に主演映画の主題歌「メモリーズ」を収録したアルバム『そら』でデビューしていますが、初回限定盤のジャケットに採用された自筆のイラスト(サイケデリックな色使いで描かれた謎の爬虫類)が強烈すぎて、そのキュートな歌声についてあまり言及されていないのが残念です。  今や国民的女優となった綾瀬はるかも06年に歌手としてデビューしています。これまで4枚のシングルをリリースしていますが、MY LITTLE LOVERやEVERY LITTLE THINGを思わせるちょっと懐かしいテイストのバラードが多く、透明感あふれる歌声とよくマッチしていて、イメージを裏切りません。  期待の若手女優、武井咲は11年12月に「恋スルキモチ」というシングルをリリースしています。GLAYのTAKUROが書き下ろした切ない恋心を描いた冬のバラード。私はファースト写真集を発売日に買ったほどのファンなのですが、「彼女の魅力は高慢さがにじみ出た貌と鼻にかかった幼い声質とのギャップにあり」と考えていたので、歌手としての活躍にも大いに期待しました。しかし、この曲のクオリティは実に凡庸で、「ベイビ、ベイビ、ベイビ」という歌い出しで「あー、これTAKURO全然やる気ないわ」と瞬時に判明する駄曲です。これ以降、武井咲のCDは出ておらず、残念ながら歌手としての活躍を見ることはできていません。  佐々木希が10年のクリスマスに向けてリリースしたCD「ジン ジン ジングルベル」をご存じでしょうか。Pentaphonicというヒップホップ・チームとの共演で、可愛いラップと若干の歌唱を聴かせています。「ボイス・トレーニングなど知らない」と言わんばかりにフィーチャーされた地声の不安定さがたまらなくキュートです。なんの考えもなしに適当に作った感じのサビメロと相まって、脳の聴覚野が溶けていくような絶望感いや多幸感を覚える、良くも悪くもインパクトのある好盤で、たぶんブックオフで100円で売っているので、見かけたら買われるとよいのではないでしょうか。  続いて、「これから歌手デビューしてほしい女優」について妄想します。  今、最も脂の乗っている女優といえば、石原さとみ。彼女の可愛さには抗いがたいものがあります。どんなに良い楽曲も、彼女のキュートネスの前には霞んでしまうでしょう。そう考えると、ハンドメイドなイメージ、ナチュラルなテイストで、石原さとみ自身の素材の魅力を引き出す敏腕シェフのようなプロデューサーが必要です。とはいえ、ここでまたGLAYのTAKUROにお願いしたら、平凡で眠たいバラードを作ってきそうです。トクマルシューゴがよいのではないでしょうか。彼なら、石原さとみのエッセンスに見合ったクオリティの楽曲を作りそうな気がします。きっとさとみちゃんとポップ・ミュージックの未来を切り拓いてくれることでしょう。  吉高由里子は、RADWIMPSの野田洋次郎と恋の噂がありますから、彼のプロデュースで歌手デビューすればいいんじゃないですか。最近ラッドに似たバンドがたくさん出てきて幅を利かせていますから、本家を従えて吉高が歌えば、他の亜流バンドはきっと太刀打ちできずに沈静化するのではないでしょうか。  日南響子は、映画の主題歌の着うた配信などがあったもののCDデビューはしていないようです。配信された曲を聴いてみましたが、中島美嘉のアルバムの7曲目ぐらいにひっそり入ってそうな感じの、あまり印象に残らないバラードでした。沢尻エリカ以来久々に現れたヤバそうな素性と美貌を併せ持つ逸材ですから、CDを出す機会があれば慎重に企画してほしいものです。ギター一本でアイドル・フェスの大舞台に立ち、迸る情念と絶叫でドルヲタをロック・オンした気鋭のシンガーソングライター、大森靖子に任せましょう。彼女の激情、剥き出しの愛は、厄介な煩悶を抱える女優が歌うことで、さらに多くの人々の共感を呼ぶことでしょう。  最後に、ぜひ聴いてみたいのが堀北真希の歌声です。彼女はなぜCDを出さないのでしょう。破壊的な音痴なのでしょうか。ダンスしている動画などを観ていると、決してリズム感は悪くないようです。声もキレイですし、決して歌が下手なようには見えません。ただ、90年代の広末涼子みたいにキャピキャピした元気なポップスを歌うというキャラクターではありませんし、じっくりバラードを唄うとなるとまたGLAYのTAKUROみたいなのが出てきそうで怖い。彼女の透明感には、きっとテクノが合います。それもエモっぽさのない透徹としたテクノ。そうなると日本には彼らしかいません。歌手・堀北真希は電気グルーヴがプロデュースすべきでしょう。石野卓球がなんとかしてくれるはずです。  妄想が過ぎました。 「国民的大女優を目指す下積みガールズユニット」を標榜する「夢みるアドレセンス」や、すでに女優として活躍しているメンバーを擁する「bump.y」や「9nine」といったアイドル・グループを見ていると、女優とポップ・シンガーの境界の垣根はどんどん低くなっているように思います。また、美しい女性ボーカリストが野心あふれるクリエイターと手を組んでマーケットを活性化していくのは、正しいポップスの歴史のあり方だと思います。とにかく、美しくて可愛い女の子たちが素敵な歌を唄っている姿を、これからもたくさん見たいです。 ●プロフィール 山口真木(やまぐち・まき) 大阪出身の27才、OL。ポップスとロックと女の子をこよなく愛する。何かに毒づいてばかりの思春期まっただ中。『あまちゃん』を全然観ていなかったので、今回のコラムでも能年玲奈や橋本愛にあえて触れてない天邪鬼です。信じてもらえないことが多いのですが、テレビを持ってないのです。いまだに「地デジ化反対」を主張している両親の影響です。でも『乃木坂って、どこ?』だけは毎週ワンセグで観てます。まいやん可愛い。

EXILEの“成り上がり”を支える、リーダーHIROの物語プロデュース力

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EXILE『No Limit』rhythm zone

【リアルサウンドより】  今年4月、EXILEのHIROは2013年いっぱいでパフォーマーとしての活動を終え、今後はプロデューサーとして同グループに関わっていくと発表した。彼はEXILEのリーダーであり、また所属会社の社長でもあるから、グループの方針どころか今や巨大になったEXILE関連組織のすべてを動かしてきたのだろう。だから、プロデューサーへの転身には不思議はない。つまり彼はもともとプロデューサー的に振る舞っていたのであり、今後は二足の草鞋であったパフォーマーをやめてプロデュース業に専念すると考えることは可能だ。しかし、何か変に引っかかるものも感じられる。なぜだろう。  HIROについて調べると苦労話がいろいろ見つかる。とにかく苦労して、努力して、仲間と意志を確かめ合って、高め合って、だから今の成功がある、という話が豊富に採取できる。自伝的な本まで書いている。そこにあるのはだいたいにおいて音楽の話などではない。周辺で語られるのは彼の音楽よりも、まずは生き方についてなのだ。デビューに至るまでにはいろいろと苦難の連続があり、そもそもHIROが社長に就任したのも最後に残った仲間たちと身銭を切り合った果てのことであったという。だがそのストーリーの核にあるのは、日本で多くの若者が経験する種類のもので、内容的には塗装工が仲間と起業して小さな作業場を構え、社会的に居場所を得ていくというようなものと、さほど変わりはしない。成功体験の規模が違うだろうと思うかもしれないが、しかしならばHIROは、そしてEXILEのメンバーは、ごまんといる「そういう人びとにとっての島耕作」みたいな存在として、成り上がりのストーリーを生きていると言ってもいい。  そしてこのストーリーの存在こそが、HIROという人間の際だった点なのだと思う。つまり彼は彼自身と”仲間”を、辛く苦しい物語の主人公として語ることで成功体験を美しく彩ってきた。いわば彼は自分自身を含めてEXILEを物語化するという意味においてプロデューサーだった。そして、その物語を生きる、演じるという意味でもパフォーマーであった。だからEXILEの楽曲にはHIRO以外に専属の、音楽的な意味でのプロデューサーがいて、楽曲的な部分は大枠として彼らに任されている。そして、HIROはもっとカラオケで歌いやすい曲を作るべきだと指示したり、ダンスオーディションやスクール運営なども含めて、ダンスパフォーマンスを中心とした成功物語へ向けて人びとの人生を物語化するというプロデュース活動を行っている。まあ、芸能事務所かレコード会社の社長業に近い。  むろん音楽シーンの状況とHIROの動きに関連がないわけではない。HIROは89年にデビューしたZOOというダンスグループの一員であり、EXILEがその後継グループと目されることもあるこのグループは『Choo Choo TRAIN』のスマッシュヒットでオリコン3位となり、90年代のダンスブームにうまく乗っていた。しかしその後ブームが下火になると低迷し、95年には解散している。男性のR&Bやダンス系ミュージシャンが再度日の目を見るには、90年代後半の日本語ラップシーンの成熟や和製ディーヴァブームを経るまで待たねばならなかった。そういう音楽シーン側から見たようなことはいくらでも言える。が、そうした説明をしても、HIROのプロデューサーとしての才覚や立ち位置とは微妙にズレている。だから音楽シーンの言葉でHIROを語るのは難しいのだろう。  EXILEは2003年にタイアップ攻勢を利かせたアルバムでチャート1位を記録するが、このやり方自体は実に90年代的なもので、特に新しさはなかった。そういった手法を採ること自体が、このグループの年期を感じさせる。しかし同じ年、EXILEはオリコン2位のロングヒット曲『Breezin' 〜Together〜』を発売し、これはメンバーの自信につながっていた。そこにもやはり、「自分たちを信じて頑張る」というような浪花節の物語が差し挟まれている。これは何かに似ていると思えば、それはゼロ年代以降に台頭したグループアイドルの見せる、売れない下積み期間を経て、やっと大きな場所でライブをやり、ついにオリコンで上位になるという「感動の物語」と、ほとんど同じものだ。アイドルシーンでライブを中心に活動するアイドルが増え、そうした「感動の物語」が観客に求められるようになっていくのも2003年以降のことなのである。その意味でHIROの、というかEXILEのやり方は時代に寄り添っている。近年のEXILEはAKB48と何ら変わらない複数枚CD販売を行っているが、それもむべなるかなと言ったところである。  結局、今の音楽チャート上位を席巻しているのは音楽の力よりも物語の力であり、プロデュースという役割には物語をうまく演出するという意味が含まれるようになった。その点でHIROは手練れである。HIROは自分たちの来し方行く末をしっかりと見据えて、それを熱くカッコいい物語にして売っている。ストーリーラインを把握している。突発的な行動に出たりもしない。だから、彼は今年4月の時点でパフォーマー引退を宣言したし、彼はそのストーリーをパフォーマンスしている。 ■さやわか ライター、物語評論家。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『朝日新聞』『ゲームラボ』などで連載中。単著に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』がある。Twitter

大手同人書店「とらのあな」が新会社を設立! 老舗エロゲ会社買収の思惑とは?

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「AQUAPLUS」公式ホームページより。
 10月1日、秋葉原を拠点に同人誌・マンガを扱う書店「コミックとらのあな」を運営する株式会社虎の穴は、持ち株会社ユメノソラホールディングスへの移行を発表。同時に、「AQUAPLUS」と「Leaf」の2つのゲームブランドを保有するゲーム会社・アクアプラスの全株式を取得することも明らかになった。いわば、同人誌書店のとらのあなが、アクアプラスを傘下に収めた形になる。  ユメノソラホールディングスは、今年10月1日に設立。資本金は3000万円。同社のプレスリリースによれば、グループ内に書籍やグッズなどの企画・製作を担うツクルノモリ株式会社(代表取締役社長 鮎澤 慎二郎)を設けること、アクアプラスの下川 直哉氏は引き続き代表取締役社長に留任することも記されている。  2009年に一部社員が独立し競合店であるCOMIC ZINを設立した一件や、2012年の池袋店の売り場面積縮小などが話題となった「とらのあな」だが、依然として都内では業界2位の規模を誇っている。同社が、このタイミングでアクアプラスを買収し、持ち株会社へ移行した理由をめぐって、業界内ではさまざまな噂が流れている。 「以前からアクアプラスの下川社長は、飲食店事業に傾注しており、会社の売却を考えていました。ですので、ようやく買収の値段が折り合ったということではないかと思います。とはいえ、(同社所属のイラストレーター・作画家の)みつみ美里の同人誌が、『とらのあな』専売となる……なんてことはないと思いますけどね」(ゲーム業界関係者)  あるアニメ業界関係者は、プレスリリースで発表された先述のツクルノモリ株式会社に注目する。 「この会社を通じて、グループ内に企画制作部門を設けることで、版権グッズの製造から販売まで、すべてを行うことを目指しているのではないのでしょうか」  現在アニメ業界では、テレビアニメの改編期ごとに抱き枕カバーからストラップまで、膨大な量の版権グッズが製作される。その多くは、グッズを制作する会社が、権利元に版権を申請、許可を得て製造した後に店舗に卸す形である。この場合だと、店舗の取り分は販売額と卸値の差額分だけ。ところが、自社で製造から販売まで一括して行えば、権利元に支払うライセンス料を除いては、すべて自社の取り分となる。  非常に美味しいビジネスモデルだが、当然リスクも伴う。もし、売れなかった場合の損失も自社で背負うことになるからだ。  現状、ユメノソラホールディングスについては噂が噂を呼ぶばかり。奇しくもアクアプラスが所有するleafブランド原作のテレビアニメ『WHITE ALBUM2』放送開始直前に発表された今回の買収劇。同社の今後の進退に注目が集まっている。 (取材・文=昼間 たかし)

KARAメンバー脱退で改めて注目 なぜK−POPグループには揉め事が多い?

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KARA『FANTASTIC GIRLS』(ユニバーサル・シグマ)

韓国の人気女性5人グループKARAが10月4日、一部メディアの解散報道を公式ホームページで否定した。一方で、ニコルが来年1月で脱退することを発表。大学生のジヨンは来年4月、所属事務所との契約終了時点で脱退するかを決めるという。また、ギュリ、ハラ、スンヨンの3人はKARAとして活動を継続することを表明した。  KARAのメンバーは2011年1月にも分裂騒動を起こしている。正当な利益を受け取っていないとして、スンヨン、ニコル、ジヨンの3人が所属事務所に専属契約解除を通知、訴訟にまで発展した。韓国メディアによると、受け取った報酬が1人当たり月14万ウォン(約1万円)ということもあったという。今回、脱退を決めたニコルは当時、韓国のレギュラー番組『豪快ガールズ』を途中降板しており、事務所との確執はメンバーの中で最も根深かったと言われている。  K-POPの脱退騒動は、他にも絶えない。東方神起、T-ARAのケースに加え、2013年8月には、K-POPアイドルグループの火付け役Wonder Girlsにも、メンバーのソネの結婚にともない解散説が流れた。  なぜK-POPのアイドルグループにはこうも解散や分裂の問題が付きまとうのか。K-POPに 詳しい韓流雑誌編集者に尋ねてみた。 「それぞれの事情があり、KARAの場合はまだ判然としません。ただ、ほとんどのケースで問題となっているのはギャラの安さですね。なぜギャラが安いかというと、事務所の言い分では育成期間の長さと、その費用の高さです。韓国の芸能界では、小学生くらいの時にスカウトして、17~18歳でデビューさせるのに長くて7~8年、短くても3年をかけて育てるのが一般的。ダンスや歌のレッスンはもちろん、海外でも活躍できるように、メンバーそれぞれに異なる外国語を教えたりします。ダンスの先生がニューヨークにいるってなれば、それも行って覚えさせたりと、とにかくレッスンにはお金を惜しまないんですね。そうした育成期間の長さがダンス等のクオリティにつながっているのは事実ですし、『育成費用を回収するためにギャラが安い』っていうのが事務所側の主張ですが、ブレイクしたグループのメンバーはやはり納得しないことも多い」  では今回、メンバーの脱退が決まったKARAだが、今後はどのように活動していくのか。 「日本を拠点にやっていくんじゃないでしょうか。KARAって実は、少女時代などと比較すると、韓国ではそれほど人気があるわけではないんです。どちらかと言うとJ-POPに近いグループで、日本の方が相性良い。韓国では抜群のダンススキルや歌唱力が求められますが、KARAの場合は特に際立ったスキルがある訳ではありません。しかし日本の場合は、スキルよりも成長過程を楽しんだり、キャラクターを愛でたりする傾向があるので、KARAの親しみやすさが好印象に映るのではないでしょうか。でも、彼女たちがソロになって日本で活躍できるかと言ったら、それはわからないですよね。グループとして人気があるのだから、分裂などしないのが理想ですが……」  分裂、解散騒動が後を絶たないK-POP界だが、KARAはそのキャッチ―な魅力を発揮し続けることができるだろうか。 (文=松下博夫) 

AKB48の恋愛禁止はもう古い? 武田鉄矢の“恋の自由化”提起に波紋広がる

【リアルサウンドより】  武田鉄矢がプロデュースした4人組女性アイドルユニット「赤マルダッシュ☆」が2日、都内で楽曲完成披露会を行った。同グループは東洋水産の人気カップ麺「赤いきつね」のPRを兼ねた“食べドル”をコンセプトにしているが、アイドルにつきものの恋愛禁止ルール がないことも特徴だ。武田は「恋愛は自由。恋は人間を鍛える最高のレッスンですから」とコメントしている。  この“恋愛自由宣言”に対し、ネット上では「そもそも恋愛禁止ルールがおかしい」「多感な年ごろだから恋をするのは当然」「さすが金八先生だね」と賛同する声がある一方、「15歳のメンバーとかいるのに、堂々と恋愛自由を掲げるのはどうかと思う」「そんなこと言ったらファンが勘違いするのでは」「アイドルの神聖さがなくなる」と疑問を呈する声も少なくない。  では実際、恋愛に関して独自のルールを掲げている他のアイドルは、そのことによって芸能活動にどのような影響を与えているのだろうか。事例を見てみたい。

青SHUN学園

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青SHUN学園『今、ここに立って!!』(NoMaKe)

 福岡を拠点に活動している青SHUN学園は「恋をすること」がグループのコンセプトとして掲げられている。ライブでもファンとの距離感が非常に近く、曲によってはメンバーもフロアに降りてきて、肩を組んだり手をつないだりしながら、一緒に盛り上がるとのことだ。社会学者でありながらアイドル論者としても知られる濱野智史氏は、リアルサウンドのインタビュー「CD1000枚購入の猛者も…ファンを虜にする地下アイドルの“ゲーム的な仕掛け”とは」にて、青SHUN学園を高く評価。恋愛を推奨する同グループのスタンスについては、「青女のライブはみんなで肩を組んで盛り上がり、終わればメンバーも客同士もハイタッチをするという、ものすごい一体感です。特定のメンバーを推すというより、そういう現場を面白がる傾向があるので、これまでのアイドルとは違い、恋愛していても問題ないのかもしれない」とコメントしている。  

谷一歩

 グラビアアイドルの谷一歩は2012年、「恋愛禁止のAKBの代わりに48股目指す」と宣言し、テレビ番組や雑誌の取材などで22股をかけていると公言していたが、2013年2月22日放送の『できるテレビ』(フジテレビ)にて、それらの発言が嘘だったことを涙ながらに告白。注目を集めたいがために無理のあるキャラ設定をしていることが明かされた。ネット上ではこの告白に対し、「キャラ設定なのはわかってたけど、どうせやるならとことんやって欲しかった」「壇蜜が出てきて持ってかれてるから話題作りなんだろうけど事務所のやり方酷いな」と、行き過ぎた設定に呆れる声が目立った。

きゃりーぱみゅぱみゅ

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きゃりーぱみゅぱみゅ『もったいないとらんど』(ワーナーミュージック・ジャパン)

 海外でも人気のきゃりーぱみゅぱみゅは、2013年2月にフランスの民放、CANAL+の情報番組「LE PETIT JORNAL」に出演。当時はAKB48峯岸みなみの“丸刈り謝罪”が話題になった時期だったため、番組内では「日本のアイドルはなぜ恋愛が禁止されているのか?」という質問がなされた。それを受けてきゃりーは、「日本のアイドルは恋愛に関して厳しくて、男性の人が応援してくれる代わり、自分のプライベートでは恋愛せずに、アイドル一筋で頑張る」と独自のアイドル論を展開した上で、「私はアイドルではないので自由に恋愛をしても大丈夫なんです」と語った。アイドルではない理由については「もっとアーティスト寄りなことをやってます」。アイドルをどう定義するかは難しい問題だが、歌手はアーティストと名乗ることによって、恋愛禁止ルールを免れることができるのかもしれない。

ハロー!プロジェクト

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Juice=Juice『ロマンスの途中/私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT)/五月雨美女がさ乱れる(MEMORIAL EDIT)』

 モーニング娘。やJuice=Juiceが所属するハロー!プロジェクトでは、異性との恋愛は禁止であるが、メンバー間で恋愛感情を持つことは容認される空気があるようだ。アイドル論者でハロプロに詳しい掟ポルシェ氏は、リアルサウンドのインタビュー「ハロプロはソフトレズ容認へ!? 掟ポルシェが語る『アイドルと恋愛』」にて、「最近、『メンバー同士でイチャイチャするのは良い』という妙な抜け道的手法が取り入れられて、それがファンにも認められているんですよ。(中略)年頃の女の子ですから、恋愛感情を多大に持っているのは当たり前で、それが男の子を好きになっちゃいけないと言われたら『じゃあしょうがない、相手が女でもいいや』と思ってしまうのは、自然と言えば自然と言える」と語っている。恋愛禁止がルールとして徹底している女性アイドルグループには、このようなケースも起こりうる、ということだろう。  AKB48の恋愛禁止ルールがあまりにも有名になったため、“逆張り“的なスタンスのアイドルも増えてきた現在。赤マルダッシュ☆の恋愛自由化宣言は、果たしてどんな結果を生むのだろうか。 (文=編集部)

人気ラノベ作家が同業者を誹謗中傷! 2ちゃんねる個人情報流出事件で明らかとなったラノベ界の闇

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『神様のメモ帳』(杉井光/電撃文庫)
 8月末に2ちゃんねるからの個人情報流出事件が発生し、大きな話題となった。この事件を報じるニュースの中でも大きく扱われたのが、アニメ化された『神様のメモ帳』などで知られるライトノベル作家・杉井光氏による同業作家への中傷騒動である。この事件はライトノベル業界やそのファンたちを中心に大きな反響を呼んだものの、関係する人物が多岐に渡り、また時系列も煩雑に入り組んでいるため全容が把握しづらいものとなっている。そこで同騒動について、“何が発端でどういった経緯で問題視されたのか?”という視点から、改めてこの事件を整理してみたい。 今回の騒動で被害を受けたのは、ライトノベル・一般小説の分野で活躍する小説家・橋本紡氏。代表作『半分の月がのぼる空』がテレビアニメ化、実写ドラマ化・映画化もされている人気作家だ。一方で、加害者とされているのは、仕事場を同じくする杉井氏、支倉凍砂氏(代表作『狼と香辛料』)ら数名の作家とその交友仲間を含めた若手ライトノベル作家グループ『池袋組』である。  騒動の発端は2010年9月1日、酒席での杉井氏との会話を、橋本氏がツイッター上で杉井氏の名前を公表せずに、"30~35代の世代論"として投稿。その内容は、若手作家の創作姿勢に苦言を呈するものだった。9月末には、杉井氏が会話の相手は自分であるとツイッターで言及するのだが、その後、突如2ちゃんねるのライトノベル板で橋本氏を中傷する書き込みが増加。これを皮切りに同年秋以降、同板では絶え間なく橋本氏への中傷書き込みが続くこととなる。  開けて11年2月、橋本氏がツイッターで「プロ作家が、同じ事務所で、叩き役と擁護役を決めて、僕への対応をいちいち打ち合わてたらしい」【編注:原文ママ】と発言したことで、ネットや関連業界が騒然。橋本氏は証拠として『ある方から、特定のグループ【編注:「池袋組」のことを指すと考えられる】が、匿名の元に、いろいろ書いていると教えられました』『特定の人物から聞いた内容が、さして時間をおかず、匿名の掲示板に書き込まれました』などとブログにつづった。これはエスカレートする氏へのバッシングに憂慮した池袋組内部の人間が氏へ接触、実情を報告したとされている。  しかし同年3月、橋本氏は先の発言について杉井氏と支倉氏、そして『池袋組』と無関係ながらも中傷への関与を疑われた作家・成田良悟氏(代表作『デュラララ!』)に、ツイッター上にて謝罪を行う。こうして一連の騒動は、橋本氏の勇み足として収束したかに思えた。  ところが、今年13年8月26日、2ちゃんねるの有料サービス・2ちゃんねるビューア(通称:●)購入者の個人情報やビューアを使っての書き込みなどが大量流失する事件が発生したことで、事態は急変する。流出した購入者の中に杉井氏が見つかり、有志によって書き込みが特定。その中に橋本氏への多くの中傷的発言が含まれていたため、図らずも11年2月の橋本氏の暴露告白を裏付ける証拠となってしまったのだ。これを受け、杉井氏は同27日に謝罪文を自身の公式サイトに掲載。橋本氏の誹謗中傷を書き込んだことを認めている。  この特定された杉井氏の2ちゃんねるへの書き込みの中には、橋本氏以外にも『神曲奏界ポリフォニカ』の榊一郎、『ささみさん@がんばらない』などで有名な日日日、『大日本サムライガール』の至道流星らライトノベル作家各氏やそのほか、マンガ家・原作者各氏、さらには講談社の編集部などを批判する内容が含まれているとされている。  現在橋本氏は、謝罪を行った杉井氏は不問にしたいという旨を表明している。一方で、共謀したと目されている支倉氏は、自身の関与を全面否定。橋本氏は自身のツイッターで支倉氏も関与しているはずと指摘し、両者間の確執は現在も続いている。また橋本・支倉・杉井各氏を擁する電撃文庫編集部からは一切のコメントが発せられていないのも気になる所だ。 当事者の謝罪表明をもって一応の収束を見た今回の件。その後、9月24日には、橋本氏が今回の騒動をモチーフとしたと思しき短編小説「ネズミの箱」を自身のFacebookにアップしている。だが、ネット上では現在も同騒動への支倉氏の関与が疑われ、やり玉にあがっている。ネット上の個人情報管理について慎重さを促される昨今だが、加えてネット上の発言・書き込みについても同様かそれ以上の責任を持たねばならない事を、改めて我々も自覚しなければならないのではないだろうか。 (文/出口ナオト)

大島優子、指原莉乃らのNot yet、チャート1位も枚数に勢いなし 思い切ってリセットする時期か?

【リアルサウンドより】

2013年09月23日~09月29日のCDシングル週間ランキング

1位:ヒリヒリの花(Not yet) 2位:No Limit(EXILE) 3位:EXILE PRIDE ~こんな世界を愛するため~(EXILE) 4位:Get The Star/Last Forever(東京女子流) 5位:HICCHAKA×MECCHAKA(BugLug) 6位:Derringer(DaizyStripper) 7位:GALAXY SUPERNOVA(少女時代) 8位:タイムマシンなんていらない(前田敦子) 9位:ドギマギFirst Love(Nゼロ/元AKBN 0) 10位:盛者必衰の理、お断り(KANA-BOON)
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EXILE『EXILE PRIDE ~こんな世界を愛するため~』(rhythm zone)

 EXILEの曲が上位に2つチャートインしているが、やっぱり注目したいのは3位の『EXILE PRIDE ~こんな世界を愛するため~』だ。以前にもこのコーナーにて紹介したが(参照:「EXILEの4月発売シングルがなぜかチャート急浮上! その驚くべきカラクリとは?」)、このCDはライブのチケットを抱き合わせしたり、ライブ会場でCDを買うと特典があるなどの商法を活用し、4月に発売したのにまだチャートに居座っているのだ。そのことについては賛否両論あるが、せっかく2位に入った曲のタイトルが「No Limit」だし、今後もEXILEにはどこまでも限界のない特典商法を展開してくれることを期待したい。  それにしてもCDに握手会参加券などを特典として添付するやり方はアイドルなどを中心に一般的になっているが、普通はCD発売初週のランキングを押し上げるために使われる手法。ここまでのロングヒットを演出する例は珍しい。そこがこの曲でEXILEが行った新しい試みだと言ってもいいかもしれないが、新しさって何だろうという気にもなる。  言い換えると、この曲以下の順位に入った曲は、健闘はしたものの、EXILEの抱き合わせ商法にも及ばなかったということでちょっとした衝撃である。4位ですら推定販売枚数が15000枚を下回っており、なかなか低調だ。そのおかげとは言ってはなんだが、5位のヴィジュアル系BugLugとか9位のアイドルNゼロとか、なかなか飛び道具っぽさのあるグループがトップ10入りすることになった。販売枚数は低調でも、こういう週の方が変わった音楽が飛び抜けて出てきて、純粋なリスナー視点では面白いかも。
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Not yet『ヒリヒリの花[通常盤Type-B CD+DVD]』(日本コロムビア)

 1位のNot yetはAKB48の派生グループ。2011年デビューで、大島優子、北原里英、指原莉乃、横山由依というメンバー構成は当時のAKB系の中では微妙なものだった。グループ名も「まだまだの存在」という意味から来ており、「まだ未完成だからこそ、あなた色に染めてください」などと雑誌のグラビアページにコピーを書かれるようなグループだった。しかし2013年に指原莉乃が「シングル選抜総選挙」で1位となったせいで、このグループは今や大島優子と共に新旧の1位メンバーを集めた実に豪華なグループだと言えてしまうのが面白い。  もっとも、CDの売り上げはファーストシングルの『週末Not yet』を頂点として下がり続けているのが実情だ。今回も推定10.7万枚という初動売り上げ枚数は過去最低の数字になっている。しかし、そもそもこのグループを結成した2011年当時とはAKBメンバーの状況が全く変わってしまっている。「総選挙」によってAKBの主力メンバーは次々に目新しく入れ替わるが、派生グループは旧体制の時に決めたメンバー構成もそのままに残ってしまうというのがネックになっているのではなかろうか。動きの鈍った派生グループは一度思い切ってリセットしたほうがいいのかもしれない。 ■さやわか ライター、物語評論家。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『朝日新聞』『ゲームラボ』などで連載中。単著に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』がある。Twitter

イベント終了後に公式サイトがオープン!経済産業省の一大事業『コ・フェスタ』は大丈夫か?

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「CoFesta2013」の公式ホームページより。
 経済産業省などによる、日本のコンテンツやクリエイティブを世界に発信する『JAPAN国際コンテンツフェスティバル』こと『コ・フェスタ』が2013年も開催されている。そう聞くと、たいていの人は「へえ、どこで開催されているのですか?」と聞くのではないだろうか。そして、そう聞いてきた人が実はその『コ・フェスタ』のイベントに参加したことがある、というのも、よくあることだ。  2007年より毎年秋に開催されている『コ・フェスタ』とは、経済産業省の「コンテンツ産業強化対策支援事業」の一環として、06年まで単独で開催されていた映画やゲームなどのコンテンツ系のイベントを総合したフェスティバルである。東京ゲームショウや東京国際映画祭といった有名イベントも、実は『コ・フェスタ』のオフィシャルイベントのひとつなのである。  ところが2007年の初開催以来、7年目を迎えた同フェスティバルの最大の問題点は、『コ・フェスタ』という言葉があまりにも浸透していないことである。先に挙げた東京ゲームショウや東京国際映画祭に加え、現在開催中のアジア最大級のIT・エレクトロニクス総合展であるCEATEC JAPANなど、個々のイベント自体は知名度の高いものもあるというのに、である。  その理由は、告知があまり行われていないことにある。実際に、個々のイベントに出かけていっても、そのイベントが『コ・フェスタ』のオフィシャルイベント、もしくはパートナーイベントである、とアピールするものは少ない。大概は、会場内にポスターが数枚掲示されているだけなのだ。  それでも、『コ・フェスタ』自体の知名度を上げようとする努力は見られていた。昨年の『コ・フェスタ2012』では、アイドルグループの乃木坂46や新進ロックバンドのMAN WITH A MISSIONを招いてグランドセレモニーを開催。これに先立ち、日本外国特派員協会で行われた記者会見でも乃木坂46を登場させるなど、強力なアピールを行った。いったい、今年はどうなるのだろうか。そう思って、今夏になにがしかのリリースが出るのを待っていたが、一向に何も発表されない。ホームページも2012年のままである。  そんな『コ・フェスタ2013』のホームページが、ようやく登場したのは今年9月19日。既に、パートナーイベントの「京都国際マンガ・アニメフェア2013」は終了。同じくパートナーイベントの「第35回ぴあフィルムフェスティバル」は開催中。オフィシャルイベントである「東京ゲームショウ2013」は、開催初日を迎えていた。イベントが終わってからホームページが出来上がるなんて……。なぜ、こんなことになってしまったのか? 『コ・フェスタ』事業を運営するNPO法人映像産業振興機構の担当者は、取材にこう答えた。 「特になにかあったわけではないのですが、昨年よりも受託が一カ月ほど遅れてしまったので、サイトのオープンも遅れたんです」(NPO法人映像産業振興機構・担当者)  さらに、昨年のようなグランドセレモニーは開催されるのか? と聞いたところ、「ありません」(同)と言う。  受託が一カ月も遅れた上に、予算は変わらないのに『コ・フェスタ』独自のイベントはゼロとは、いったいどういう事情があるのか? 『コ・フェスタ』を管轄する経済産業省メディア・コンテンツ課に聞いた。まず、受託が遅れた件については、書類のやりとりが昨年に比べて遅かった程度で、特に理由はないという。そうなると問題になるのは、予算が同じなのに独自のイベントがない点だ。担当者は言う。 「今年度は、できる限りビジネスに近いところで交流してもらうことに主眼を起きました。ですので、昨年のグランドセレモニーのようなものは開催せずに、マーケットでのレセプションを強化することに予算を割くことにしたのです」(経済産業省メディア・コンテンツ課・担当者)  つまり、お祭りをやるよりも実際にコンテンツを売り買いする人々の交流の場をつくる方向を目指すというのが、経済産業省の考えていることなのだ。  ただ、そうだとしても各イベントでの告知の少なさ、イベントが終わってから公式サイトがオープンするような状況では「『コ・フェスタ』は空気」になってしまっているのではないか。この点は、経済産業省でも理解しているようで、担当者も「もっとプロモーションに力を入れていきたいとは、考えています」(同)と語った。  バイヤー同士の交流に重点を置くから、イベントがないのは、まだわかるけれど。やはり、イベントが始まってから公式サイトがオープンした事実は「汚点」だ。いや、イベントの知名度が低すぎて、このままでは「汚点」にもならない。国家予算がついてもう7年もやっているのだから、そろそろ、そのやり方を考えたほうがよいのではなかろうか? (取材・文=昼間 たかし)

最近の若手ロックバンドは、なぜ敬語でMCをするようになったのか?

【リアルサウンドより】  今最も人気と勢いのあるロックバンドのひとつ、ONE OK ROCK。彼らが昨年1月に行ったさいたまスーパーアリーナ公演で、とても不思議な感覚に襲われた。詰めかけた満員の観客、その眼差しを一心に浴びるTakaは、もはや貫禄あるロックスターのたたずまい。しかし彼は「精一杯やらせていただきます!」「思いきり声出してみてください!」「ジャンプしていただきたいです」と、終始敬語のMCをするのである。  最初は、最近の若者の敬語が変だという論調で片付く話かと思っていた。一部のサービス業で飛び交う「お客様のお名前様は◯◯でよろしかったでしょうか」のように、過剰なうえに間違った敬語の使い方は、なんの敬意も感じられないどころか、むしろ笑えるネタになってしまう。ロックスターが自分のファンに敬語というのも、それ必要ないし、変じゃないっすか? というわけだ。  実際、ミュージシャンに取材していて、変な敬語に出会うことは多い。特に面白いのは大手芸能プロダクションに所属している人たち。もちろん縦社会の芸能界でもしっかり生きていけるよう、先輩には必ず「さん付け」、先輩じゃなくても呼び捨て厳禁など、厳しく教育されているのだろう。だが、バンド名に「さん付け」って必要? イベンターやフェスの「さん付け」は絶対いらなくない? その違和感を特に感じる昨今だ。  かつてミヒマルGTに取材したときの、過剰な敬語の嵐は忘れられない。完成したアルバムに対し「一曲一曲に時間をかけさせていただいたんで、こういう思い入れがありまして、それで、このタイトルを名付けさせていただきました」とヒロコ。え? 自分で作った作品じゃないの? なんで「させていただ」かなきゃいけないの? これはもう笑いの範疇に収めていいレベルだと思うが、彼女はあくまで「させていただき」を連発しながら話していた。このたびのニュースも「活動休止させていただく」となるのだろう。
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敬語のMCに敬語で答える観客も登場!?/写真:Michael Thomas

 冒頭の話に戻ると、その点、Takaの敬語は使い方自体が変というわけではない。自分やバンドメンバーのことは普通に話し、客に対して何かアクションを求めるときだけ「いただけますか」と丁寧語を使う。これは人として正しい言葉遣いであり、ファンにまず敬意を払っている、というアピールとしても有効。いよいよ大団円というラストにだけ「お前らを愛してるぞ!」と叫んでみせるのも、非常に効果的なタメ口の使い方だと言る。  最初から高圧的に「お前らぁ」「声出せぇ」「ジャンプしてみろ」だったら、最後の「愛してるぞ」はここまで響かない。ずっと敬語だった彼が、ようやく本気で私たちを認めてくれた! ファンはそんな喜びさえ感じるのではないか。本人がどこまで計算しているかはわからないが、ワンオクの敬語とタメ口の使い分けは、今までのロックスターがやらなかったツンデレ方式である。  さて、今回のコラムのヒントは、スカパラの谷中敦から聞いた話にある。現在40代後半。昭和のロッカーも平成生まれのロッカーも等しく見ている彼は、「今のバンドはよっぽどバランスがいい」と語るのだ。 「昔のロックンローラーは敬語もロクに使えないような連中が多いから。『ありがとう』って素直に言いたくなくて『……サンキュ』とか言ってたんだよ(笑)。本当は『みんなありがとう』って言いたいはずなのに、それは絶対ダサいと思って言わない。感謝を表すのがカッコ悪い世代なんだろうね。ちゃんと敬語が話せて、効果的に盛り上げていけるMCなら、そっちのほうが当然いい」  なるほど納得。そして、素直に「ありがとう」さえ言なかった世代の話は、また次回。 ■石井恵梨子 1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

中森明菜の復活を後押しするか? 『ポスト』ノンフィクション連載がついに“核心”へ

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中森明菜『永遠の歌姫 中森明菜ベストコレクション Akina Nakamori 1982-1985 』株式会社 ワーナーミュージック・ジャパン

【リアルサウンドより】  中森明菜が無期限の活動休止に入ってから、この10月で丸3年が経つ。復活を待ち望むファンが多い中、今年7月から『週刊ポスト』で連載中のノンフィクション『孤独の研究 中森明菜とその時代』が、いよいよ佳境を迎えている。  ジャーナリスト・安田浩一氏による同連載は、実父や次兄といった本人の家族をはじめとする周辺取材をもとに、幼少時からの明菜の足取りを追うものだ。また、デビュー当時の所属レコード会社ワーナー・パイオニアの担当ディレクターや、1990年まで所属した事務所・研音の社長や現場マネージャー(いずれも当時)といった関係者にも数多く取材しており、音楽ファンにとって貴重なエピソードもしばしば出てくる。たとえば、来生たかお作曲によるデビュー曲「スローモーション」とは別に、あの加藤和彦が“幻のデビュー曲”を作っていたという。その曲は「あまりにも退嬰的」との理由でお蔵入りし、残念ながら音源も残っていないそうだ。  実際の連載では、明菜のパーソナリティの描写に多くの紙幅が割かれている。「少女A」でブレイクを果たした当時は、大人びた生意気な少女という印象の強かった彼女。89年の自殺未遂騒動などを経て、現在では“あやうい”というイメージを持っている人も少なくないだろう。しかし幼少期やデビュー前のエピソードからは、また違った明菜像が浮かび上がってくる。第9回目までの連載分から、印象的なエピソードを紹介しよう。  6人兄弟の4番目として育った明菜は、幼少期から歌を好んでいた。4歳からはモダンバレエを始め、14歳になるまで休みなく通った。その熱心さに、講師は明菜を「本当に真面目」と評している。また、中学1年の担任によると「天真爛漫な子」で、担任が落ち込んでいるときは決まって「先生、がんばって!」と声をかけてくれたという。「少女A」でブレイクした当時の明菜は不良少女の雰囲気をまとっていたが、根っからの“ワル”ではなかったことがわかるエピソードだ。安田氏は「昔も、そして今も、明菜はいくつもの顔を持っている」と記しながら、真面目な部分もあやうさも、全てをひっくるめて明菜なのだ、というスタンスで連載を進めていく。  デビュー前に関係者へ挨拶をする際、いつも深々とお辞儀をし、皆に“常識的ないい子”という印象を与えていたという明菜。厳しいボイストレーニングにも弱音ひとず吐かずに取り組み、メディア各社への挨拶のために地方をめぐって頭を下げ続けた。また、デビュー直後の野外イベントで大雨が降った際には、主催者が中止を検討する状況にも関わらず「歌います」とステージに立ち、髪を濡らしながらも歌い切る根性をみせた。安田氏は「明菜は前のめりに生きていく女だった」と表現する。  もっとも、当時の現場マネージャーの証言によれば、感情の起伏が激しい明菜に、周囲のスタッフは振り回されることも多かったようだ。ある時、明菜は何が気に入らないのか、楽屋で化粧品をまとめてマネージャーに投げつけた。納得のいかないマネージャーも反撃し、つかみ合いのケンカになったというから、10代の明菜が激情型の少女であったのは確かなようだ。衣装へのこだわりも強く、デビュー間もない段階でスタイリストの用意した衣装を「イメージに合わない」として拒否したエピソードも残されている。6年にわたって付き添った当時のマネージャーは、「彼女なりのアイドル像みたいなものがあったのでしょう」と振り返りつつ、そうしたわがままこそ「明菜のセルフプロデュース能力だったのかもしれない」と話す。  連載8回目では、“明菜が家族に金を使い込まれた”という噂の真相にも迫っている。語るのは、現在はタクシー運転手をしている3歳上の次兄だ。明菜はデビュー2年後、節税対策のために個人事務所「ミルキーハウス」を立ち上げ、実母を社長に、兄弟を役員に据えた。役員となった兄弟が勤めていた会社を辞めたことで、明菜は「私のギャラを使い込んでいる」と疑いを持つようになったようだ。しかし実際には、ミルキーハウスは彼女の資産管理のほかにカラオケ店も経営しており、そこでの収益を給料にあてていたのだという。  ミルキーハウスは、実母のガンを患ったことをきっかけにカラオケ店を含めて営業をやめたが、明菜はその後“家族のため”として、銀行から1億円を借り入れてビルを建てている。賃貸マンションと店舗が同居するそのビルに、家族はそれぞれ自身の店を構えたが、うまくいかずに閉店。このときの明菜の心境を、安田氏は「明菜からすれば家族孝行のためにビルを建てたのに、肝心の家族はいったい何をやっているのか、という思いであったに違いない」と分析する。明菜に借り入れの負担がのしかかり、結局はローンの支払途中でビルを売却。家族の亀裂がより深まる結果に終わってしまった。  明菜は現在、家族とほとんど連絡を取っていないという。そのことについて次兄は「僕らに迷惑がかからないよう、よけいな心配をさせないよう、不器用な彼女らしい家族孝行をしているとも考えられる」と話している。  連載9回目では、転機となった近藤真彦との恋愛へと話が進む。2人は『ヤンヤン歌うスタジオ』(テレビ東京系)の収録などで仲を深め、やがて交際に発展した。元マネージャーによると、両者の事務所とも交際の事実を知りながら放任しており、明菜と近藤のマネージャー同士が協力し、マスコミにバレないようにデートをさせることもあったという。  人気アイドル同士、いつ仲を引き裂かれてもおかしくはない状況だ。それでも2人が見守られていたのは、明菜と近藤の関係が“可愛らしい”ものであったことが理由のひとつのようだ。2人のデートは、母が経営するカラオケ店を訪ねて食事をしたり、中森の実家で家族を含めてトランプで遊んだりという、微笑ましいものだった。しかし、明菜は近藤と交際を深めるうちに、「小さな秘密を抱えたかのように、どこかよそよそしくなってきた」(レコード会社の担当ディレクター)。周囲と距離をつくるほどに、明菜は近藤に入れ込んでいったのだ。  そして89年7月、明菜は近藤のマンションで自殺未遂を起こす――連載9回目は、衝撃の事件に触れたところで終わっている。同連載は今後、謎に包まれた事件の事実関係をどう明かし、どのような切り口で明菜の“孤独”に迫るのか。  明菜に近い関係者が多く取材に応じていることから、明菜本人も一定の理解を示していると見られる本連載。仮に本人登場がなくても、明菜への注目度を高め、その復活を後押しすることになるのではないだろうか。 (文=編集部)