「ポップの本質は一発芸だ」J-POPを創った男=織田哲郎が明かす“ヒットの秘密”

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作曲したシングルの累計セールスは4000万枚以上。ソロ活動と作家活動を30年間両立させてきた

【リアルサウンドより】  作曲家としてZARD、DEEN、大黒摩季、相川七瀬、AKB48などに楽曲を提供する一方、ソロアーティストとしてもヒット曲を数多く世に送ってきた織田哲郎。いわば“J-POPのオリジネイターの一人“である彼が、前作『One Night』以来6年ぶりのソロアルバム『W FACE』を10月30日にリリースする。ロック色の強い「RED」盤とアコースティック曲中心の「BLUE」盤の2枚からなる本作は、30年にわたるソロキャリアを集大成したような多面的なアルバムだ。そのリリース直前に行ったインタビュー前編では、稀代のヒットメイカー=織田哲郎の音楽哲学を探った。

ビートルズで言えばポップなのはジョン・レノン。ポール・マッカートニーは職人だった

――ご自身の作品でも、また提供曲でも、数多くのヒット曲を世に送り出してきた織田さんですが、これまで何曲くらい作りましたか。 織田:自分のアルバムの200曲くらいも入れて、作品になっているのは全部で400~500曲くらいかな。作曲家として30年やってきた人間にしては少ないです。だから、ヒット曲の率を考えると打率はいいですよ(笑)。 ――その曲数で累計4000万枚以上のセールスはすごいですね。織田さんの中で、多くの人に届く「ポップス」の定義があるのでしょうか。 織田:とにかく人を一発で振り向かせるものがポップスだと考えています。世の中では“心地よく作られたもの”がポップだと勘違いされがちです。でも、ビートルズで言えばポップなのは明らかにジョン・レノン。彼は一発芸が大得意で、心地よく聴かせるような音楽の構築は苦手なんですよ。一方、ポール・マッカートニーは構築の天才で、ソロになってからは“職人的な心地よさ”の方に向かってしまい、あまりポップではなくなった。ビートルズ時代は、身近にジョンというポップの大先生がいたから、ポップな楽曲を作ることができたんです。「Help!」といきなり言われたら、ハッと耳がいってしまうでしょう。見るものでも聴くものでも、ポップアートというものは、なるべくシンプルな何かにすべてを象徴させ、その一発で人の注意をひくものなんです。 ――意図的に構築するのが難しいのだとしたら、上質なポップスはどのように生まれるのでしょう。 織田:理屈ではなく、瞬発力で突然浮かぶものです。そこから先の増改築は理屈でやれるところですが、ポップの本質的な部分は“浮かぶかどうか”だけ。人に対する影響力やインパクトというのは、だいたい簡単に作ったものの方が大きいんですよ。じっくり煮詰めて作ったものは、自分としては愛着が湧くけれど、ポップスとしての力は弱いですね。  僕は20代後半のころに、ほかのアーティストのアルバムを全曲プロデュースする、という仕事を多くやって、疲れ果ててしまいました。そうすると、“合格点なら、60点の曲でもいいか”という気持ちがどこかに出てきてしまう。そんな計算をしてしまっては、ポップなものはできない。だから、ある時期からなるべくシングルのA面曲だけを書いて、“この曲が合わないんだったら、ボツで構わない”という姿勢でやるようになりました。曲の数を絞って、本当にポップなものだけを人に提供しよう、と考えたんです。90年代以降はそんなやり方でしたね。 ――じっくり作ったものではなく、いわば“思いつき”のような部分が評価されるというのは、作り手としては葛藤を生むところかもしれません。 織田:そうですね。切ない部分ではあるけれど、そればかりは仕方がない。“そういうもん”だから。
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ポップ・ミュージック史全般への造詣は深く、各ジャンルへの考察が次々と飛び出す

90年代は、いろいろな歯車がうまくかみ合ったラッキーな時代だった

――80年代の日本語ポップスは「ニューミュージック」という呼び方で、ロックとは別のものという認識が一般的でした。それが90年代に入ってから、織田さんの作るロックのマナーを持ったポップスが世の中に広がっていき、ロック的な要素も入った「J-POP」というカテゴリーができあがったように思います。そうした流れを、ご自身ではどのように分析していますか。 織田:僕がデビューしたWHYというバンドが、すでにそんな志向でしたね。当時から、メロディーはアコギ一本で歌ってもきちんときれいなもので、でもオケはロックとしてカッコいいものがいい、と思っていて。ただそのころは、弦が入っていて、不必要なキメがやたらあるものじゃないと歌謡曲じゃなかったから「中途半端なもの」と言われたし、ロック系の人からは「歌謡曲っぽい」と言われたりして。そういう音楽がきちんと受け入れられるようになっていった変化については、素直にうれしいですね。自分が気持いいと思うものをみんなが気持ちいいと思ってくれるようになった、という感じでした。 ――そうして、織田さんは楽曲提供したBBクイーンズ「おどるポンポコリン」(90年)以降、自身の「いつまでも変わらぬ愛を」(92年)、ZARDへの提供曲「負けないで」「揺れる想い」(93年)など、ミリオンヒット曲を連発しました。 織田:歯車がかみ合ってきているな、という感じでした。そもそも楽曲というものは、“曲がいい”というだけでヒットするものではない。いい歌詞が乗ることが大事だし、アレンジも歌もよくないとダメです。なおかつ、多くの人が聴いてくれるようなプロモーションができていないといけない。そうやっていろいろなことがうまく回らないと、ヒットにはつながらないんです。その意味で90年代は、いろいろな歯車がうまくかみ合っていた時代だと思います。 ――一方、現在の音楽業界について伺います。90年代初頭はCDの売り上げがどんどん伸びる時代でしたが、2000年以降、頭打ちになってから厳しい状況になってきています。そうした中で、レコーディング芸術としての音楽が難しくなっている状態をどう思われますか? 織田:それは仕方がないですよ。逆に言えば、レコードがまだない時代は、生演奏しかなかった。そのころからハードの変化に応じて、人が音楽を楽しむ方法は変わってきたんです。レコードからCDに切り替わる以前のことを考えると、実はレコードはそんなに売れなかったんですよ。TUBEの「シーズン・イン・ザ・サン」(86年4月にレコード/カセットでリリース)は当時大ヒットだったけれど、それでも30万枚くらいだった。90年代のCDのセールスは、たまたまラッキーな時代だったと思います。  音楽を聴くためのソフトやハードをどう世の中に普及させるか、あるいはそこでどんな音楽を商売としてやるべきか、ということは、それを考えたい人が、それぞれのポジションで考えればいい。自分は単純に音楽を作ることのプロであって、そこにしか楽しみはないから、レコードがなければ演奏会用の音楽を作るだろうし、その時代なりに自分が作りたいものを作るだけです。  もちろん、ハードが変わることで作り手も変わる。ただ、パソコン一台で音楽が作れるようになっても、それはあくまで道具であって、その道具だからできることだけをエンジョイしているサウンドは単なる流行りになってしまうから、あまりそういうことはしたくないですね。音楽自体は、何十年経ってもリスナーが古くさいと思わずに聴ける普遍性を求めて作っています。売れる売れないはそこから先の話で、正直あんまり興味ない。歯車が上手く回れば売れるし、売れなかったらそれは仕方がない。売れても売れなくても「良い曲ができたなぁ」と思える瞬間に自分の最大の幸福があるので、「あんまりほかのことを考えても仕方がない」というスタンスですね。
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プライベートスタジオにて。最近あまり使ってないけど…と笑いながらポーズを取ってくれた

人がポップだと感じるメロディは、60~70年代からそれほど変わっていない

――「いい」と思える音楽の基準は、作り方や状況が変わっても変わらないものですか。それとも、ハードウェアや状況に規定される部分もあるのでしょうか。 織田:それはあります。例えば、いまの僕は“デジタル万歳”。なぜかと言えば、音楽制作ソフト「Pro Tools」が96kHz(録音サンプリングレート。一般的なCDは44kHz)に対応したから。打ち込みをやっていて、サンプル音源のクオリティがかなり上がっているので、これは楽曲の制作に大きく影響します。 ――先ほど伺った良質なポップスに対する判断基準は、制作環境の変化の影響を受けますか。 織田:それはまったく変わりません。電気的な後処理で曲がカッコよくなることも認めるし、「ハードの変化でこういうことができるようになった」というポップさもアリです。でも、だいたいにおいて人がポップだと感じるメロディの要素というのは、実は60~70年代とそれほど変わっていない。50年代の音楽はいま聴くと古くさく感じますが、ビートルズの後期のメロディは、まったく古くなっていません。60年代はまだ古いものと新しいものが共存していたけれど、70年代には古いものが淘汰されて、新しいメロディの気持よさの価値観ができあがったんです。そして、現在に至るまでその価値観は大きくは変わっていない。当然、細かい変化はありますけど、それ以前の激変に比べると比率としては小さいものです。細かい話は理屈っぽくてつまらなくなるから、今回は割愛しますが(笑)。 ――60~70年代に起きたような変化は、当分は起きないと。 織田: そうですね。例えば、服や車の形だって、結局は70年代くらいまでのものをマイナーチェンジしているわけでしょう? 音楽にかぎらず、いろんなものが大きく変化しない安定期に入っているのかもしれないですね。ここまでは「より便利に、快適に」という人間の欲求が文明を進化させてきたけれど――『マトリックス』という映画でも描かれているように、ここから先は、便利さの追求が必ずしも社会を発展させることにつながらないと思う。  例えば、恋愛の魅力を考えてみるとどうか。これまでになかった刺激的なできごとがあれば楽しいし、一方で心地よく、落ち着ける関係も魅力的ですよね。これを両立するのが、ものすごく幸せな恋愛だということになる。そして、音楽において刺激的なことが心地よさと両立していた幸せな時代が、60~70年代だったということです。それを過ぎたら、より刺激的なことは、体に悪いことでしかなくなっていく。いまはどんなジャンルでも、前衛的なものは普通の人にとって気持ちよくないものになっている。その点、60~70年代はアンディ・ウォーホールやビートルズが最先端で、しかも心地のいいものだった。こんなにハッピーな時代はない。その点、いまのポップ・ミュージックには、前衛的に見えたとしても、予定調和で先が見えているものしかない。文化として停滞せざるを得ない時期なんだと思います。 ――織田さんの中に、「予定調和を超える前衛を見てみたい」という思いはありますか? 織田:それはありますよ。例えば、発表しない音楽を作るなかで、既存の理論を壊した音階やリズムを試したりもしています。そういう作業は、作り手としては面白い。でも、それをリスナーとして聴いてみると、面白くも心地よくもないものだったりするわけで。だから発表していないんですけどね(笑)。  それでも、細かいところでは「まだ同じことやっているよ、俺……」という意識で曲を作るのは耐えられないので、ポップスというフィールドのなかで、いろんなことを試しています。言ってみれば芸術家というより職人で、人から見たら同じ皿でも、自分にとって進歩があれば幸せだし、つまらなく思えば割ったりもする。大それた前衛じゃなくても、細かいところで「俺は新しいことをした!」と思えればいいと考えています。 後編「10年ぶりにエレキが弾きたくなった」織田哲郎が最新作『W FACE』に求めた“衝動”とは?に続く (取材・文=神谷弘一/写真=竹内洋平)
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織田哲郎『W FACE』(キングレコード)

■リリース情報 織田哲郎『W FACE』 発売日:10月30日 価格:¥3,150 <収録曲> ディスク:RED 1. 天啓 ver.3 2. FIRE OF LIFE 3. 馬鹿なんです 4. 背中には今もブルースが張りついたまま 5. Winter Song 6. Just Another Day 7. After Midnight 8. R&R is my friend [W FACE ver.] ディスク:BLUE 1. 月ノ涙 2. 伝言 3. あなたのうた [W FACE ver.] 4. 砂の城 5. aino uta 6. チャイナタウン・ララバイ 7. You’ve Got A Friend 8. いつまでも変わらぬ愛を [21st century ver.]

NHKでのアニメ化は歓迎すべきか? NHKアニメの魅力を分析

【オタクに"なるほど"面白い! オタクニュース・ポータル「おたぽる」より】

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アニメ『ログ・ホライズン』公式HPより。
「ログホラなんてNHKだし深夜枠じゃないしサービスカット期待できねーだろwwww」  これは今期の新番組としてNHK Eテレで始まった『ログ・ホライズン』に関するネットの書き込みだ。ふと考える。受信料を払っている以上、NHK放映のアニメは“すべて有料コンテンツ”なのではないか。僕や君が見ても見なくても、今この瞬間もNHKのアニメに対して我々はお金を払っているのだ。というわけで、果たしてアニメファンにとってNHKで番組が放映されることは良いことなのか悪いことなのか?  それぞれの面について検証してみようと思う。 ◎NHKアニメのデメリット面は…… ■封印作品・幻の作品が多い  1979年放映の『マルコ・ポーロの冒険』は海外ロケの実写とアニメのドラマ部分をミックスした意欲作だが、当時の放送原盤が発見されず、再放映もソフト化も不可能に。82年放映・日仏合作の『太陽の子エステバン』は海外で続編やゲーム化が企画される人気作だが、オリジナルマスターを消去してしまったため、現在視聴できるのは再アフレコ版のみ。  また78年放映の『キャプテン・フューチャー』は故・広川太一郎氏が主役を演じたSFアニメの佳作だが、未ソフト化のまま。2001年にNHK-BSで再放送されたのみである。(海外ではDVD-BOXが発売)  NHKアニメは海外との合作が多く、版権管理の問題や製作時期が古いため原盤の紛失による損失が多いのだ。 【「おたぽる」で続きを読む】

AKBグループ卒業生が大成する条件とは? 篠田麻里子、秋元才加、川崎希、松下唯らの「今」

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松下唯『スクールガール・アンセム~学園アニソン集(生産限定盤A)』(徳間ジャパンコミュニケーションズ)

【リアルサウンドより】  今年9月にAKB48を卒業した仲俣汐里がアナウンサー試験を受験していると東スポWEBが報じ、話題となっている。仲俣はスイス生まれで、早大政経学部経済学科に在学中の才女。TBSの『ひるおび!』でお天気キャスターを務めていた経験もあるため、テレビ各局の一部ではその動向に注目が集まっているという。  AKBグループの卒業生には、他にもアイドル以外の分野で活躍しているメンバーがいる。今年7月にAKB48を卒業した篠田麻里子は、地元・福岡に自身がデザイン&プロデュースするファッションブランド「ricori(リコリ)」のショップをオープン。芸能活動を継続しながら、デザイナーとしても活動中だ。2009年にAKB48を卒業した川崎希は、実業家としてアパレルブランド「Anti minss」を設立、ネイルサロンやエステサロンも開店し、敏腕社長としてメディアに出演することも少なくない。  だが、アイドル業界に詳しい芸能記者は、『元AKB』の看板を背負って他業種に進出するのは、それほど簡単ではないと指摘する。 「ひとくちにAKB卒業生と言っても、グループ全体で年間に30人以上卒業していますから、その進路はさまざまですが、『元AKB』という肩書きは印象が強いので、よほど上手くやらないとつまづく可能性もあります。篠田麻里子の『ricori』はネット上でその価格設定やデザインへの苦言が出ていますし、川崎希は9月に『有吉反省会』に出演した際に、実は既婚者であることを発表し、夫とともに面白おかしく野次られています。元AKBというだけで世間の注目度が高くなり、ある意味では他の仕事に役立ちますが、その反面、最初から厳しい目に晒されるリスクもある。このことはAKB卒業後に単独で芸能活動を継続する上でも同様でしょう。もちろん、それでも成功するメンバーはいると思いますが」  2011年、離脱性骨軟骨炎のためにSKE48を卒業した松下唯は、その後、アニメやフィギュアが好きという“オタク趣味”を活かして芸能界に復帰。ソロとしてメジャーデビューを果たし、10月9日にはアニソン歌集『スクールガール・アンセム~学園アニソン集』をリリースしている。地道ではあるが、自身のキャラを確立し、着実にファンを増やしている例と言えそうだ。  また、AKB48の中で長身と男前なキャラクターが支持されていた秋元才加は、来年公開の映画『奴隷区 僕と23人の奴隷』で俳優の本郷奏多とダブル主演することが決定。喫煙シーンや手ブラヌードを公開するなど、大胆なイメージチェンジが功を奏し、仕事が増加している。 「アナウンサーを目指している仲俣もそうですが、正統派アイドルとは別の路線で地道に活動する松下や、AKB時代にはできなかったことに挑戦している秋元には活路が見えます。AKB卒業後はゼロからやり直すくらいの気持ちで、思い切った方向転換が必要なのかもしれません」(同記者)  世代交代が続き、卒業後のメンバーの動向にも注目が集まる昨今。在籍時以上に活躍するには元AKBという看板との向き合い方が大事と言えそうだ。 (文=松下博夫)

地方で盛り上がる児童ポルノ法改定反対運動 講演会を機に壮士が結集

【オタクに"なるほど"面白い! オタクニュース・ポータル「おたぽる」より】

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『有害コミック撲滅!――アメリカを変えた50年代「悪書」狩り』(岩波書店)。賢人は歴史に学ぶ。
 いつ動き出すかも不明瞭なままに不安だけが募っている児童ポルノ法改定問題。そうした中で、今年になって注目すべき大きな変化がある。それは、児童ポルノ法改定問題のみならず「表現の自由」をテーマにした、集会・組織化が全国的に巻き起こっているということだ。  これまで、国会があるのは東京、出版社やマンガ家をはじめ表現の自由が制約された時に、影響を受ける会社や個人も東京にその多くが集まっていることもあってか、運動はほとんどが東京を中心として展開していた。例外は、都条例問題を契機にできた「表現規制を考える関西の会」程度であった。  今年になり、この状況が変化した大きな理由として挙げられるのは、まず表現の自由を考えることをテーマにしたNPO法人「うぐいすリボン」の活動によるところが大きい。同法人では、今年に入り名古屋、京都、広島、福岡、札幌などで児童ポルノ法や青少年健全育成条例などの問題をテーマに講演会を開催している。この講演会は、単に話を聞くだけではなく、問題に興味がある人がリアルに出会う場となったのだ。 【「おたぽる」で続きを読む】

AKB48が芸能の原点に回帰!? 新曲「ハート・エレキ」がGSサウンドとなったワケ

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AKB48『ハート・エレキ TypeA』(キングレコード)

【リアルサウンドより】  AKB48の33枚目のシングル『ハート・エレキ』が10月30日にリリースされる。サウンド、衣装、ジャケット、ダンスともに60年代のGS(グループサウンズ)を徹底的に意識した作りで、前作の「恋するフォーチュン・クッキー」が80年代ディスコだったことを考えると、さらに時代をさかのぼった1曲となっている。  AKBはここ数年、季節やイベントに合わせて発売するシングルの傾向を決めてきた。春は「桜の木になろう」「GIVE ME FIVE!」など、タイアップも関連した桜・卒業系の曲である。夏は「さよならクロール」「真夏のSound Goods!」など、AKBフォーマットによるアッパーチューン。  9月には選抜総選挙の結果を受けて、前田敦子の「言い訳Maybe」「フライングゲット」、大島優子「ヘビーローテーション」「ギンガムチェック」、指原莉乃「恋するフォーチュン・クッキー」と、センターを務めるメンバーのイメージに合わせた曲。そして10月下旬から11月上旬には秋らしいシングルを1枚挟み、12月には「チャンスの順番」「上からマリコ」「永遠プレッシャー」と、じゃんけん選抜による企画物的要素が強い曲がリリースされてきた。  その中でも注目したいのは、今回のタイミングでもある秋の一枚だ。これまで「UZA」「風は吹いている」「Beginner」「RIVER」などが秋の楽曲としてリリースされてきたが、その曲調はかなりバリエーションに富んでいて、AKBシングルの中では“攻めの姿勢”を感じさせる作品群となっているのである。  秋という季節柄、作品にテーマを持たせにくいため、必然的に曲のバリエーションが増えていった面もあるだろう。しかし、それ以上に秋の作品には必ず「今のAKBで出来ることへの挑戦と、世間へのメッセージ」が含まれているように感じられるのだ。それは例えばハイレベルなダンスであったり、新しい音へのアプローチであったり、被災地支援などの社会的メッセージだったり……AKBはその時に突きつけられている現実にどう挑み、どう乗り越えて行くのか。それが作品で表現されている気がしてならない。  では、本作「ハート・エレキ」はどうだろう。まず、AKBのファンが「ハート・エレキ」を聴いた時、頭に思い浮べるのはAKBのチームAの「会いたかった」公演のユニット曲「涙の湘南」であろう。大島麻衣、篠田麻里子らAKBの中でもお姉さん的なメンバーで構成され、ザ・スパイダースの「太陽の翼」のジャケットを想像させるGS風衣装と、“エレキ”を強調したGSサウンドが特徴的だった同曲。当時のAKBの楽曲が“大人びた少女”を描いたものが中心だった中、ストレートに“大人の女”を描いた珍しい楽曲だった。そんなお姉さんたちの姿を見て、峯岸みなみは「当時、憧れのユニットだった」と、『リクエストアワーセットリストベスト2010』のDVDコメンタリーにて語っている。「涙の湘南」のフォーマットに近いという意味を含めると「ハートエレキ」には、秋のAKBの楽曲として、いささか目新しさに欠けるように感じる。  ただ、秋のAKBシングルには必ずなんらかのメッセージがあるのだとすれば、以下のように読み解くこともできる。60年代のGSブームは渡辺プロダクションやホリプロの興隆につながる、現在の日本の芸能界のシステムの基板を作ったシーンでもある。そこへの回帰とは、AKBが世間とエンターテイメントでつながり続けるための礎を、日本の芸能界に改めて築くためではないのだろうか。「ハート・エレキ」でセンターを務めるのは、わずか三人となってしまったAKB48劇場のオープニングメンバー小嶋陽菜である。小嶋はセンター経験こそ一度もなかったが、モデルや女優、さらにはバラエティ番組でも長らくAKBの人気メンバーとして活躍してきた。前田敦子、篠田麻里子というAKBのアイコン的存在を失った今、世間ともっとも深くつながることができるメンバーは、指原莉乃と小嶋陽菜なのかもしれない。  さらには、小嶋陽菜センターのGS曲には、「恋する〜」で世代を越えたエンターテイメント作りに成功したAKBが、より大人も楽しめる“成熟したAKB”へ向かおうという意図があるのかもしれない。ブームから定着へ。AKBが向かおうとしているのは、少女性を売りにしてきた多くの女性アイドルが経験したことがない、未知なる領域であるはずだ。 ■エドボル 放送作家。『妄想科学デパートAKIBANOISE』(TOKYO FM水曜25:00-)『安田大サーカスクロちゃんのIdol St@tion』(目黒FM隔週木20:00-)、『Tokyo Idol Festival2013』(フジテレビNEXT)など、テレビ・ラジオなどの構成を担当。サイゾー、SPA!などでもアイドル関連のインタビューを中心に執筆中。

AKB48が芸能の原点に回帰!? 新曲「ハート・エレキ」がGSサウンドとなったワケ

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AKB48『ハート・エレキ TypeA』(キングレコード)

【リアルサウンドより】  AKB48の33枚目のシングル『ハート・エレキ』が10月30日にリリースされる。サウンド、衣装、ジャケット、ダンスともに60年代のGS(グループサウンズ)を徹底的に意識した作りで、前作の「恋するフォーチュン・クッキー」が80年代ディスコだったことを考えると、さらに時代をさかのぼった1曲となっている。  AKBはここ数年、季節やイベントに合わせて発売するシングルの傾向を決めてきた。春は「桜の木になろう」「GIVE ME FIVE!」など、タイアップも関連した桜・卒業系の曲である。夏は「さよならクロール」「真夏のSound Goods!」など、AKBフォーマットによるアッパーチューン。  9月には選抜総選挙の結果を受けて、前田敦子の「言い訳Maybe」「フライングゲット」、大島優子「ヘビーローテーション」「ギンガムチェック」、指原莉乃「恋するフォーチュン・クッキー」と、センターを務めるメンバーのイメージに合わせた曲。そして10月下旬から11月上旬には秋らしいシングルを1枚挟み、12月には「チャンスの順番」「上からマリコ」「永遠プレッシャー」と、じゃんけん選抜による企画物的要素が強い曲がリリースされてきた。  その中でも注目したいのは、今回のタイミングでもある秋の一枚だ。これまで「UZA」「風は吹いている」「Beginner」「RIVER」などが秋の楽曲としてリリースされてきたが、その曲調はかなりバリエーションに富んでいて、AKBシングルの中では“攻めの姿勢”を感じさせる作品群となっているのである。  秋という季節柄、作品にテーマを持たせにくいため、必然的に曲のバリエーションが増えていった面もあるだろう。しかし、それ以上に秋の作品には必ず「今のAKBで出来ることへの挑戦と、世間へのメッセージ」が含まれているように感じられるのだ。それは例えばハイレベルなダンスであったり、新しい音へのアプローチであったり、被災地支援などの社会的メッセージだったり……AKBはその時に突きつけられている現実にどう挑み、どう乗り越えて行くのか。それが作品で表現されている気がしてならない。  では、本作「ハート・エレキ」はどうだろう。まず、AKBのファンが「ハート・エレキ」を聴いた時、頭に思い浮べるのはAKBのチームAの「会いたかった」公演のユニット曲「涙の湘南」であろう。大島麻衣、篠田麻里子らAKBの中でもお姉さん的なメンバーで構成され、ザ・スパイダースの「太陽の翼」のジャケットを想像させるGS風衣装と、“エレキ”を強調したGSサウンドが特徴的だった同曲。当時のAKBの楽曲が“大人びた少女”を描いたものが中心だった中、ストレートに“大人の女”を描いた珍しい楽曲だった。そんなお姉さんたちの姿を見て、峯岸みなみは「当時、憧れのユニットだった」と、『リクエストアワーセットリストベスト2010』のDVDコメンタリーにて語っている。「涙の湘南」のフォーマットに近いという意味を含めると「ハートエレキ」には、秋のAKBの楽曲として、いささか目新しさに欠けるように感じる。  ただ、秋のAKBシングルには必ずなんらかのメッセージがあるのだとすれば、以下のように読み解くこともできる。60年代のGSブームは渡辺プロダクションやホリプロの興隆につながる、現在の日本の芸能界のシステムの基板を作ったシーンでもある。そこへの回帰とは、AKBが世間とエンターテイメントでつながり続けるための礎を、日本の芸能界に改めて築くためではないのだろうか。「ハート・エレキ」でセンターを務めるのは、わずか三人となってしまったAKB48劇場のオープニングメンバー小嶋陽菜である。小嶋はセンター経験こそ一度もなかったが、モデルや女優、さらにはバラエティ番組でも長らくAKBの人気メンバーとして活躍してきた。前田敦子、篠田麻里子というAKBのアイコン的存在を失った今、世間ともっとも深くつながることができるメンバーは、指原莉乃と小嶋陽菜なのかもしれない。  さらには、小嶋陽菜センターのGS曲には、「恋する〜」で世代を越えたエンターテイメント作りに成功したAKBが、より大人も楽しめる“成熟したAKB”へ向かおうという意図があるのかもしれない。ブームから定着へ。AKBが向かおうとしているのは、少女性を売りにしてきた多くの女性アイドルが経験したことがない、未知なる領域であるはずだ。 ■エドボル 放送作家。『妄想科学デパートAKIBANOISE』(TOKYO FM水曜25:00-)『安田大サーカスクロちゃんのIdol St@tion』(目黒FM隔週木20:00-)、『Tokyo Idol Festival2013』(フジテレビNEXT)など、テレビ・ラジオなどの構成を担当。サイゾー、SPA!などでもアイドル関連のインタビューを中心に執筆中。

AKB48が芸能の原点に回帰!? 新曲「ハート・エレキ」がGSサウンドとなったワケ

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AKB48『ハート・エレキ TypeA』(キングレコード)

【リアルサウンドより】  AKB48の33枚目のシングル『ハート・エレキ』が10月30日にリリースされる。サウンド、衣装、ジャケット、ダンスともに60年代のGS(グループサウンズ)を徹底的に意識した作りで、前作の「恋するフォーチュン・クッキー」が80年代ディスコだったことを考えると、さらに時代をさかのぼった1曲となっている。  AKBはここ数年、季節やイベントに合わせて発売するシングルの傾向を決めてきた。春は「桜の木になろう」「GIVE ME FIVE!」など、タイアップも関連した桜・卒業系の曲である。夏は「さよならクロール」「真夏のSound Goods!」など、AKBフォーマットによるアッパーチューン。  9月には選抜総選挙の結果を受けて、前田敦子の「言い訳Maybe」「フライングゲット」、大島優子「ヘビーローテーション」「ギンガムチェック」、指原莉乃「恋するフォーチュン・クッキー」と、センターを務めるメンバーのイメージに合わせた曲。そして10月下旬から11月上旬には秋らしいシングルを1枚挟み、12月には「チャンスの順番」「上からマリコ」「永遠プレッシャー」と、じゃんけん選抜による企画物的要素が強い曲がリリースされてきた。  その中でも注目したいのは、今回のタイミングでもある秋の一枚だ。これまで「UZA」「風は吹いている」「Beginner」「RIVER」などが秋の楽曲としてリリースされてきたが、その曲調はかなりバリエーションに富んでいて、AKBシングルの中では“攻めの姿勢”を感じさせる作品群となっているのである。  秋という季節柄、作品にテーマを持たせにくいため、必然的に曲のバリエーションが増えていった面もあるだろう。しかし、それ以上に秋の作品には必ず「今のAKBで出来ることへの挑戦と、世間へのメッセージ」が含まれているように感じられるのだ。それは例えばハイレベルなダンスであったり、新しい音へのアプローチであったり、被災地支援などの社会的メッセージだったり……AKBはその時に突きつけられている現実にどう挑み、どう乗り越えて行くのか。それが作品で表現されている気がしてならない。  では、本作「ハート・エレキ」はどうだろう。まず、AKBのファンが「ハート・エレキ」を聴いた時、頭に思い浮べるのはAKBのチームAの「会いたかった」公演のユニット曲「涙の湘南」であろう。大島麻衣、篠田麻里子らAKBの中でもお姉さん的なメンバーで構成され、ザ・スパイダースの「太陽の翼」のジャケットを想像させるGS風衣装と、“エレキ”を強調したGSサウンドが特徴的だった同曲。当時のAKBの楽曲が“大人びた少女”を描いたものが中心だった中、ストレートに“大人の女”を描いた珍しい楽曲だった。そんなお姉さんたちの姿を見て、峯岸みなみは「当時、憧れのユニットだった」と、『リクエストアワーセットリストベスト2010』のDVDコメンタリーにて語っている。「涙の湘南」のフォーマットに近いという意味を含めると「ハートエレキ」には、秋のAKBの楽曲として、いささか目新しさに欠けるように感じる。  ただ、秋のAKBシングルには必ずなんらかのメッセージがあるのだとすれば、以下のように読み解くこともできる。60年代のGSブームは渡辺プロダクションやホリプロの興隆につながる、現在の日本の芸能界のシステムの基板を作ったシーンでもある。そこへの回帰とは、AKBが世間とエンターテイメントでつながり続けるための礎を、日本の芸能界に改めて築くためではないのだろうか。「ハート・エレキ」でセンターを務めるのは、わずか三人となってしまったAKB48劇場のオープニングメンバー小嶋陽菜である。小嶋はセンター経験こそ一度もなかったが、モデルや女優、さらにはバラエティ番組でも長らくAKBの人気メンバーとして活躍してきた。前田敦子、篠田麻里子というAKBのアイコン的存在を失った今、世間ともっとも深くつながることができるメンバーは、指原莉乃と小嶋陽菜なのかもしれない。  さらには、小嶋陽菜センターのGS曲には、「恋する〜」で世代を越えたエンターテイメント作りに成功したAKBが、より大人も楽しめる“成熟したAKB”へ向かおうという意図があるのかもしれない。ブームから定着へ。AKBが向かおうとしているのは、少女性を売りにしてきた多くの女性アイドルが経験したことがない、未知なる領域であるはずだ。 ■エドボル 放送作家。『妄想科学デパートAKIBANOISE』(TOKYO FM水曜25:00-)『安田大サーカスクロちゃんのIdol St@tion』(目黒FM隔週木20:00-)、『Tokyo Idol Festival2013』(フジテレビNEXT)など、テレビ・ラジオなどの構成を担当。サイゾー、SPA!などでもアイドル関連のインタビューを中心に執筆中。

クラウドファンディングにも挑んだ舞台『羊人間012』とは?アニメ監督・森本晃司を直撃!【前編】

【オタクに"なるほど"面白い! オタクニュース・ポータル「おたぽる」より】

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自身初の演劇『羊人間012』に挑む森本晃司氏。(撮影/後藤秀二)
『MEMORIES EPISODE1 -彼女の思い出-』や『アニマトリックス』、『Genius Party Beyond』といったアニメ作品をはじめ、KEN ISHIの『EXTRA』といったMV、今年はカンヌ映画祭でリリースされた『LEXUS SHORT FILM -A Better Tomorrow』のアニメーション・パート監督など、マルチに活躍するアニメーション作家・ビジュアルクリエイター森本晃司。その作品の中で、不思議な空間を創り続けてきた彼が新たに手がけるのは「演劇空間」だった!  森本氏の新作は、監督・演出から映像・イメージデザインまでを手がけた演劇『羊人間012』。森本氏率いるクリエイター集団「phyΦ」と気鋭の劇団「ムシラセ」のコラボレーションによって、来る12月7日から12月16日、新宿「サンモールスタジオ」にて公演予定だ。特に今回の『羊人間012』では、現在クラウドファンディングの『CAMPFIRE』を使い資金を集める(参照)など、その新たな試みが注目を集めている。  そこで、「おたぽる」ではそんな森本晃司その人を直撃。話は『羊人間012』だけにとどまらず、現在の日本のアニメ業界が孕む問題まで、赤裸々に語ってもらった。 ──大御所アニメ監督の森本さんが演劇をやると聞いてびっくりしました! 森本 もともと演劇には興味があって、昔で言うと劇作家の寺山修司とか安部公房が好きでしたね。(アニメと違って)演劇は、ナマモノでリアルタイムに変化していくから、そういうのも面白いな、と。アニメでも演劇でも、基本は(観客を)「驚かせたい」というのは同じです。劇場の席に座って、スクリーンを見て、一番最初のワンカット目に何を観せよう? とか、日常に戻った時に視る景色が変わっていてほしいな、というところは変わりませんから。 ──確かに観終わった後、世界を見る目が変わる作品というのがありますね。 森本 そう、それが一番やりたいんだよね。「1+1がもしかしたら3かもしれないよ」っていうのを提示するのが自分の仕事だと思っていて、その時間の中ではその嘘に説得されて、それから出て行ってもらいたい。  さっきも言ったけど、私は寺山修司が好きで、彼はすごい発明家なんですね。観客が安全な場所から舞台を観るのが普通の演劇だけど、寺山さんの舞台は観客を巻き込んで、急に安全ではなくなってしまう。そんな寺山さんの舞台は本当に楽しそうだな、と思っていました。私自身がDJをやっているように、「人を巻き込む」というのがすごく好きなんです。演劇は観る側が受身なだけじゃつまらない。観客も一緒に参加して、みんなで盛り上げてほしい。この舞台も、ふらっとあるSFチックなバーに来て「今日はここでなにやるの?」「今日は演劇やるらしいよ」「じゃあちょっと見てから帰ろうか」みたいな気軽な気分で観てほしいんです。 ──演劇であれば、観客を巻き込んだ作品が作れるということですね。 森本 今回やっているクラウドファンディングも同じ趣旨です。普通は公開まで作品の情報はあまり出てこないけど、それが面白くないなと思ってて。作っている途中の情報をある程度公開することで興味持つ人が出てきて、「お、面白くなりそうだから参加しよう」と思ってくれれば、でき上がったものを観るだけじゃなく、制作過程に参加して楽しんでもらうこともできますよね。そういう参加の形を作れるのがクラウドファンディングだと思って。  今回はUstreamでの配信も予定しているけど、ただ舞台の様子を流すだけじゃつまらないから、カメラを複数使ったり、舞台とはまた違う『羊人間012』を作りたい。それにもコストはかかるけど、「面白そう」「観たいな」と思ってくれる人がいれば、作るところから協力をしていただきたいです。 ──どうしても、演劇にはちょっとハードルが高いなというところがありますけど、今回のクラウドファンディングでは500円の参加で、Ustream配信を観る権利をもらえますよね。それなら気軽に観れるし、それがきっかけとなって実際に舞台を観に行こうかと思うかもしれません。 森本 たしかに演劇にはハードルが高い部分があって、それは仕方ないかもしれない。でも、500円だけでもファンディングしてくれれば、Ustreamでリアルタイムに観られるし、もっと軽い気分で、この『羊人間012』の目撃者になってほしい。 ■最初はSF版『東京物語』をやろうとしていた
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(撮影/後藤秀二)
───今回の『羊人間012』は、元々どういうところから始まったんですか? 森本 友人を介して「劇団ムシラセ」の保坂萌さんと会ったんだけど、軽い気持ちで彼女が手がけた舞台『煉獄アリス』を見に行ったらすごく面白くてね。最初は「森本さん、舞台に興味あるんですか?」と言われていたのが、「12月に舞台をやりたいんで、一緒にできませんか?」ということになっていって……。 ──それは、『羊人間012』をやりましょうという話だったんですか? 森本 最初は、アニメ監督の小林治くんと保坂さんと俺の3人で、新しい『東京物語』(小津安二郎監督, 1953年)をやろうとしたんです。ある家族のいろんな時代を切り取って、過去、現在、未来の三部作でやろうよ、と。俺は一番ラストの未来編で、もう廃墟になったとこに未来の調査員がやってきて、みたいなSFでね。でも、(小林)治くんが別の仕事で忙しくて、一緒にできなくなって。それで『東京物語』はやめて、寝かせていたストーリーを膨らませて、演劇にしたのが『羊人間012』です。 ──『羊人間012』のタイトルや、ひとりの人間から生まれた11人の「分裂人間」たちをめぐる話だというあらすじを見て、フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢をみるか』のアンドロイドや、萩尾望都のマンガ『11人いる!』のことが頭に浮かんだのですが… 森本 それはまったくない。オリジナルから分裂するから、クローンといえばクローンだけどね(笑)。 ──失礼しました(苦笑)。では、『羊人間012』の発想のきっかけはなんですか? 森本 『アニマトリックス』をやっていた頃に、過去の自分が今の自分を追い越す、みたいな話を考えたんです。『マトリックス』では、エージェントが人間を乗っ取って、乗り継いでいくじゃない。そういう感じで、過去の自分が今の自分を乗っ取ろうとして追いかけてきたら、それを振り切るにはどうすればいいんだろう? って話を考えた時、「あ、人間って分裂できないけど、分裂しているよね」と思って。 ──??? その「分裂」というのはどういう意味なんでしょう? 森本 それは観てもらうしかない(笑)。でも、すこしだけ言うと、誰でも「もし自分がパイロットだったら」とか「陶芸家だったら」みたいな思いがあるでしょ。そういう「ありえた自分」のようなものを、物語の本筋である「進化」の上に乗せて検証したいな、っていう話です。 ──「分裂」と「進化」? 森本 いや、進化とか分裂人間とか設定がぶっ飛んでいて「なんで分裂するの?」ってなると思うけど、そこじゃなくて。「へんてこな世界ですごく進化していると思ったけど、この人達まだそんなこと言ってるの?」っていう、変わらない「人間臭さ」を観てほしいんです。『羊人間012』は、基本的に1分ごとに笑わせたいっていう喜劇ですからね。  例えば、俺が好きな藤子不二雄さんは、「タケコプターで好きなところに飛んで行けて、そうしたら生活がこんな風になりますよ」っていう世界を『ドラえもん』で描いてますよね。タケコプターの技術的な理屈を描いてるわけじゃない。『羊人間012』も、同じなんです。 ──なるほど!『ドラえもん』は“ひみつ道具”を介して、のび太の人間らしさなどを描いていますもんね。 森本 そうそう。『ドラえもん』も設定ぶっ飛んでるじゃない? でも、そこは誰も突っ込まないよね(笑)。 (構成/尾野スミ) ■アニメ業界の問題点にまで言及した後編は、「おたぽる」で公開中! 【「おたぽる」で続きを読む】 森本晃司(もりもと・こうじ) phy主宰。代表作に『アニマトリックス』『次元爆弾』など。2011年にフランスの広告「Attraction/魅力」でカンヌ・インターナショナル・クリエィティビィティ・フェスティバルにてサイバー部門銀賞を受賞。2013年にLEXUS社と「THE WEINSTEIN COMPNY」によって製作された「LEXUS SHORT FILMS」中の「A Better Tomorrow」アニメーション・パートを監督。この作品は2013年第66回カンヌ国際映画祭のワールドプレミアでリリースされた。同年7月、劇場作品『SHORT PEACE』のオープニングアニメーションを監督。 【公演情報】 『羊人間012』 アニメーション監督・森本晃司と劇団ムシラセ主宰の保坂萌が手がける新感覚演劇。  ひとりの人間から、あるとき分裂した11人の「分裂人間」たち。姿形も違えば、歩んできた人生もまるで違う。あるひとりの分裂人間が発した言葉が、彼らの世界を激変させる。「もし分裂した自分たちを一人に絞るなら、誰を残す?」――。 ※ファンディングパートナー募集中! http://camp-fire.jp/projects/view/794 ■ 会場:新宿サンモールスタジオ ■ 日程:2013年12月7日(土)~12月16日(月) 全15ステージ  ■ 公式URL: http://sheep012.com   Facebook:https://www.facebook.com/sheep012   Twitter:@sheep_012 (https://twitter.com/sheep_012) 主催:羊人間012実行委員会 ■ 協力:CAMPFIRE  Linkalink  サンカルパ  ジーズデイズ ■ 企画制作:phy[Φ]  ムシラセ  ■ チケット料金:全席自由 5500円

ジャニーズとEXILE、2大男性グループ帝国の共通点と違いとは?

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EXILEはそのビジネスモデルの類似性から、一部で「黒いジャニーズ」と呼ばれている。

【リアルサウンドより】  ジャニーズとEXILE。今や音楽界における男性グループの二大勢力となった両者が、さらなる“勢力拡大”を図っている。ジャニーズはSMAP、嵐に次ぐ若手ユニットの育成に力を注ぐ中で、2020年をメドに40人規模のアイドルグループ「2020(トゥエンティトゥエンティ)」を結成する意向を示し、大人数による「ジャニーズのEXILE化」として話題を呼んだ。  一方、「黒いジャニーズ」との異名を取るEXILEも負けていない。EXILE本体だけでなく、J SOUL BROTHERS、GENERATIONSなどの若手を売り出す一方、2014年には『EXILE PERFECT YEAR2014』と称して、全国200万人規模のツアーを行う。2013年のツアーが110万人規模であったことから、いきなり倍増を狙う野心ぶりだ。  両グループの取材を長年行ってきた音楽記者は、両者の関係を次のように語る。 「EXILEはかなり初期からジャニーズの方法論に学び、独自に発展させてきた経緯があります。特にコンサートがそうで、大掛かりな舞台装置やスペクタクル性のある演出は、まさにジャニーズ直系といえます。さらにはピラミッド式の階層構造を作って若手を引き上げる手法にも、ジャニーズの影響を見て取ることができますね」
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EXILE『EXILE LIVE TOUR 2013 "EXILE PRIDE"』(rhythm zone)

 かねてから日本の芸能界では「ジャニーズ以外の男性アイドルグループは成功しない」と言われてきたが、EXILEの場合は「アイドルではなくダンスパフォーマー」という立ち位置をアピールして“大人の事情”もクリアした上で、ジャニーズの方法論をしっかりと学んだというのだ。もっとも、ここ数年はEXILE独自のビジネスモデルが回り始めている、と前出の記者は指摘する。 「ジャニーズがあくまでもピラミッド構造の上位に位置する人気グループの育成に力を注ぎ、そこで収益も稼ぐのに対し、EXILEは“トライブ”と称する組織全体で利益を上げるシステムを作ろうとしています。たとえば『EXPG』というダンススクールを全国各地に開き、中学ダンス必修化の後押しもあって、在籍人数がすごく伸びている。卒業生が女性グループE-girlsに加入するなどプロのパフォーマー育成組織の面もありますが、地域ごとに発表会を行ったりして、徐々に“ヤマハ音楽教室”のような存在になりつつあります」  ジャニーズが男性若手グループに特化しているのに対し、EXILEが近年女性グループの育成に力を入れているのは、ダンススクールの潜在顧客が主に女性であることとも関係がありそうだ。全国に張り巡らされた教室ネットワークと上部組織――茶道や華道の家元制度を連想させるシステムだが、EXILEグループの総帥HIROが“家元”の座に着くのも時間の問題といえそうだ。 (文=松下博夫)

アニ玉祭で“勝ち負け”が明らかに!? 聖地巡礼による“町おこし”で大切なこと

【オタクに"なるほど"面白い! オタクニュース・ポータル「おたぽる」より】

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中央ステージのイベントは常に盛況を博していた。
 近年、多くのアニメの聖地が集中する地域になった埼玉県。そんな埼玉県を日本一のアニメの聖地にしようと目論むイベント「アニメ・マンガまつりin埼玉(アニ玉祭)」が10月19日、20日の2日間にわたって大宮ソニックシティで開催された。
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公式キャラが「そに子」なのは、会場が“ソニックシティ”だから。
 このイベントは地域のイベントらしく多くの部分が入場無料(主催の埼玉県、太っ腹!)、トークありアニメ上映あり、物販ありのイベントである。うち、19日には「アニメ・マンガの聖地サミット in 埼玉」というタイトルで、埼玉の地域巡礼に関わる講演・トークセッションが開催されると聞き、さっそく現地に駆けつけた。  このサミットの中で、特に注目したのは、聖地巡礼の研究で知られる北海道大学教授の山村高淑氏と、埼玉県観光課時代に聖地巡礼のアピールで知られた島田邦弘氏(現・神川町副町長)のトークセッションだ。このトークは、山村氏がお題を提出しながら島田氏が自己の経験を語っていく形式で進行した。  今や聖地巡礼は全国に広がり、勝ち負けも出てきている。また、作品の人気に大きく依存し「テレビ放映が終わってしまったので、打つ手がない」と、こぼす自治体もある。そうした現状の問題についても、経験に基づくなんらかのコメントがあるのではないかと考えられたのだが……。しかし、予想に反して、そうした話はほとんどなかった。当然である。会場には朝10時30分からの開催だったにも関わらず、100名近くの観客が詰めかけていた。その中には関係者がいっぱいである。少々、会話が奥歯にモノが挟まったようなものになってしまうのは、しようがない。  そうした中で、一つだけ目の覚めたエピソードは、島田氏が『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(以下、『あの花』)のアニメ放送中に、本作の製作元であるアニプレックスに埼玉県のキャラやゆかりのあるものを登場させてほしいと依頼したエピソードだ。 【「おたぽる」で続きを読む】