東スポがアニメ系メディアとして本格参戦!? 痛烈な皮肉と共にツイッターで怪気炎を上げる

【オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より】

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画像は、「東スポWeb」のツイッターアカウントより。
 1月5日、夕刊スポーツ紙「東京スポーツ」のウェブサイト「東スポWeb」のツイッターアカウント(@tospo_news)が「東スポWebの2014年、アニメに本気で取り組んでもいいですかもん?」とつぶやき、一部で話題となっている。その後、同アカウントでは、激励のコメントに対しては「頑張りたいけど知りたい。アニメファンは現状のメディアに満足なのか」、先のつぶやきのRTが伸びないことに対し「まとめサイトの制作者の揚げ足取りで満足なのかもん?」などと、辛辣な皮肉を交えながら、現在のアニメをめぐるメディア状況に忸怩たる思いを抱いていることを伺わせるツイートを発した。 「東京スポーツ」といえば、“釣り”や“飛ばし”ともされる過激な見出しでも有名なスポーツ紙。新聞では、プロレスや競馬といった成人男性の娯楽を中心的に取り扱っている。  一方で「東スポWeb」では、アニメ系のニュースも都度取り上げている。 【「おたぽる」で続きを読む】

2014年のクラブ・シーンはどうなる? 『恋チュン』級ヒットを生み出すための条件

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Baauer『Harlem Shake』(Mad Decent)

【リアルサウンドより】  2014年、新たな年を迎えてクラブ・シーン、そして流行するサウンドはどのような変化を見せていくのでしょうか。EDMはひとつのジャンルとして確立し、大型クラブのような場所での盛り上がりには欠かせないものへと成長を遂げました。サウンドとしてのキャッチーさと、刺激ある高揚感を生み出す手法はポップス・フィールドでも取り入れられています。  しかし、EDMと簡単にひとくくりにしてしまうことで誤解を受けやすくなっていることも間違いありません。キャッチーさだけが際立つ、万人受けを狙ったような楽曲ばかりがクローズアップされがちですが、この道を追求するDJなら膨大な楽曲と向き合わなくてはならないし、それを極めるプロも多く存在します。単純にバカ騒ぎできるようなモンスター級のヒットは1年に何曲も誕生するわけではないので、ライト・ユーザーが多く集まるクラブでは、繰り返し同じ曲ばかりがプレイされて飽和していることは否めません。このようにシーンは変遷期に突入しています。EDMという言葉が一人歩きしたバブル期は過ぎ去ったので、もっと本格的なダンス・ミュージックとしてのEDMが求められているとも言えるのではないでしょうか? そういった意味では、今はどのジャンルも同じスタートラインに立っているのかもしれません。  2013年にバウアーの「Harlem Shake」というヒット曲が誕生しました。ベース・ミュージックや、サウス系ヒップホップの要素が入り交じったハイブリッドな楽曲で、その曲に合わせてダンスする動画をYouTubeに投稿することがムーブメントとなり、全米ビルボード・チャートで5週連続1位を獲得、年間チャートでも4位に入るほどの盛り上がりとなりました。

Baauer『Harlem Shake』(World edition)

 世界ではインターネットでバズが起こることがヒットの必須条件。レディー・ガガやブラック・アイド・ピーズが台頭したときには、プロ・アマ問わずに毎日多くのリミックスがインターネット上に投稿されました。これらを取り締まる動きよりも、バイラルな広がりによって話題を独占するプロモーションが成功したのです。  ビヨンセのライブでは観客のスマートフォンなどによる撮影が許可されています。これはどこを切り取られても完璧なショウであるという自信の裏返しと、インターネット上にアップロードされることでSNSでの広がりを狙っているからです。個人が1日に得る情報量の何%を占められるか? それに向けた仕掛け方が重要だという考えですね。簡単に著作権を放棄することが正解だとは言いませんが、グレーゾーンすら自らのプロモーションに変革させる逆転の発想が勝利を生んでいます。日本のメジャー・レコード会社でも、今以上にインターネットを駆使したアイディアを活かすことが命題でしょう。  そして、今後のキーとなるのは国内のクラブ系音楽プロデューサーたちだと思います。彼らの多くは自身らのコミュニティを持ち、SNSを駆使したインターネット上でのセルフ・プロモーションにも長けている。今後はいくつかのコミュニティを結びつけることで大きなチカラを作り出すことが重要になってきます。2~3つのジャンルが混ざり合っても、お互いのスタンスを崩さないままに表現できるのが、国内のクラブ系音楽プロデューサーたちなのです。  MISIA「つつみ込むように」はDJ WATARAIによるリミックスがクラブ・シーンで注目されたことから火が付きました。ヒップホップ・スターとアイドルを融合させたEAST END×YURI「DA.YO.NE」をヒットさせた北海道のFM局の取った手法は、今のインターネット・ラジオがやるべき手法かもしれない。TV CMで「One More Time」(ダフト・パンク)や「Party Rock Anthem」(LMFAO)のような何年も前のヒット曲を採用するのではなく、SONPUB「Dondada」が使われてたら、もっとCM自体がバズってたよ! と言いたいし。  AKB48「恋するフォーチューンクッキー」のダンス動画は、「Harlem Shake」のアイディアをうまく置き換えたものでしたね。しかもダフト・パンクやロビン・シックらに代表されるようなディスコ/ブギー・サウンドの流行を取り入れた楽曲でした。ポップス側もしっかりクラブ側のマーケティングを落としこんできている一例です。  これらがもっと融合し、お互いの世界が近づくこと。これらが重なり合うことで2014年はもっと面白くなりそうな気がします。どのジャンルでもまず1曲。“邦楽”としてのクラブ・ミュージックからお茶の間に届く“特大ヒット曲”が誕生することに期待したいですね。そのことがクラブ・シーン全体を牽引することになりますからね! ■YANATAKE レコード・ショップ『CISCO』のヒップホップ・チーフバイヤーとして渋谷宇田川町の一時代を築き、レコード・レーベル「Def Jam Japan」の立ち上げやMTV Japanに選曲家として参加するなどヒップホップ・シーンの重要な場面を担う。block.fmの人気ヒップホップ番組『INSIDE OUT』のディレクター、HIP HOP DJ、音楽ライター、USTREAMなどのオペレーターとしても活躍中。12月27日に『DEEP INSIDE OF FILE RECORDS CLASSICS -compiled by YANATAKE & SEX山口-』リリース。 Twitter facebook Blog block.fm

経営主導主義が作家性を育んだ!日本のロボットアニメを牽引したサンライズの歴史

【オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より】

――アニメはアニメ制作会社によって作られる! それは当然のことながら、これまでアニメスタジオは、「スタジオジブリ」を除いて、一部の好事家によって語られる存在に過ぎなかった。しかし、近年アニメスタジオはブランド化が進み、古くは「サンライズ」から「東映アニメーション」、近年では「京アニ」「シャフト」など、アニメ制作会社は広く語られるようになっている。そこで文献などを参考に、改めて各アニメスタジオを概観。アニメ制作会社を通じて、アニメ業界の歴史とその変遷を紐解いていこう。 【第1回】サンライズ
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株式会社サンライズの公式HPより。2014年の年賀イラストが掲載されており、同社の多様な作品ジャンルを伺い知ることができる。
『機動戦士ガンダム』『装甲騎兵ボトムズ』『コードギアス』『ミスター味っ子』『銀魂』『犬夜叉』『ラブライブ!』に『ケロロ軍曹』……。  時代を超えて多くのファンを持つロボットアニメから原作ものアニメ、果ては美少女たちが歌い踊るアイドル系アニメから児童向けアニメと、ジャンルを問わず数々のヒット作を多数世に送り出しているアニメ制作会社。それがサンライズである。 『ガンダムビルドファイターズ』『最強銀河 究極ゼロ ~バトルスピリッツ~』『ファイ・ブレイン ~神のパズル』『アイカツ!』『革命機ヴァルヴレイヴ』と、2013年秋クールの同社制作タイトルを見ても、王道ロボットものホビーものから女児向けアニメまで多種多様。今や日本のアニメ業界において、決して見逃すことのできない存在となっているサンライズだが、その成り立ちやここに至るまでの道のりは意外と険しく、さまざまな紆余曲折があったことはご存じだろうか。 【「おたぽる」で続きを読む】

EXILEはどこまで拡大するのか 200万人ツアー動員を目指す2014年の動きを検証

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『EXILE PRIDE ~こんな世界を愛するため~』 (CD+DVD/rhythm zone)

【リアルサウンドより】  去る2013年12月30日に放送された『第55回 輝く!日本レコード大賞』(TBS)にて、『EXILE PRIDE 〜こんな世界を愛するため〜』が大賞を受賞。翌日の『第64回 NHK紅白歌合戦』(NHK)で同曲を披露し、同年限りの引退を表明していたEXILE のリーダー兼パフォーマーのHIROは、有終の美を飾ることとなった。  しかし、そんなHIROの引退を悲しむ隙すら与えないのが、今月から始動する『EXILE TRIBE PERFECT YEAR 2014』 だ。  昨年4月から開催された『EXILE LIVE TOUR 2013 "EXILE PRIDE"』にて発表された内容は、現時点で下記の通り。 第1弾:三代目 J Soul Brothers LIVE TOUR『BLUE IMPACT』 第2弾:EXILE ATSUSHI SOLO LIVE TOUR『Music』 第3弾:DJ MAKIDAI presents『CLUB EXILE』 第4弾:DANCE EARTH Project公演『Changes』 第5弾:『THE SURVIVAL』 10Days!!@さいたまスーパーアリーナ 第6弾:VOCAL BATTLE AUDITION Presents『VOCAL BATTLE STAGE』 第7弾:劇団EXILE公演『歌姫』 第8弾:居酒屋えぐざいる 第9弾:EXILE CUP 2014 第10弾:武者修行 第11弾:EX SHOW 2014 第12弾:LIVE TOUR『TOWER OF WISH 2014』  これがEXILE流「HIRO引退の悲しみを祭りで埋める」作業であり、ローソンが発行するフリーペーパーのスペシャル・イシューとして配布されている『EXppi』に掲載されたHIROの独占インタビューでも、「『EXILE TRIBE PERFECT YEAR 2014』は“かつてない最大のお祭り”となる」と記述されているほどだ。    上記に記されていないものも、コメントとともに列挙したい。 ◎『EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION』一般公募開始 →次世代のボーカリストを決める『VOCAL BATTLE STAGE』ではなく、HIROの空いた穴を埋めるEXILE本体のパフォーマーのオーディションの一般公募がスタートした。もしかしたら、三代目 J Soul BrothersやGENERATIONSからの抜擢もあり得るのかもしれない。 ◎ATSUSHIの新作『青い龍』がドラマ主題歌に決定 →3月にセカンド・アルバム「Music」をリリースすることも決定したATSUSHIのソロ・シングルがドラマ『医龍4〜Team Medical Dragon〜』(フジテレビ)の主題歌に決定。トレードマークのサングラスを外しただけで大きな話題をかっさらう。 ◎小ネタで攻める三代目J Soul Brothers →ベスト・アルバム&4作目となるオリジナル・アルバム『THE BEST/BLUE IMPACT』の発売プロモーションの一環として、東京メトロ丸ノ内線「新宿三丁目駅」をジャックした「三丁目 J Soul Brothers」、同じくJR大阪環状線の三両目 をジャックした「三両目 J Soul Brothers」が登場。今後もこういう小ネタに期待したい。 ◎E-girls、アリーナ・ツアーを敢行 →Dream/Happiness/Flowerの複数のガールズ・ユニットの選抜+9人のパフォーマー加えた“女性版EXILE”と言われるE-girls初のツアーが、アリーナ規模の会場で行われると報道され話題を呼んだ。『EXILE TRIBE PERFECT YEAR』を支えるのは、なにも野郎軍団ばかりではない。 ◎TAKAHIRO、俳優デビュー →EXILEのボーカリストであるTAKAHIROが1月11日スタートのドラマ『戦力外捜査官』で俳優デビューを果たし、ソロ第二弾となる『Love Story』が主題歌に決定。続々と俳優デビューを果たすEXILEのメンバーだが、その実力は「能あるTAKAは爪を隠していた」と評価されるか否か。  この他にもタイアップ企画などが続々と控えている。いま振り返ってみれば、TAKAHIROがボーカルに加入したときも、EXILE本体のメンバーが増員したときも、少なからず生まれるであろうネガティブな雰囲気は、すべてこの“お祭りテンション”で乗り越えられてきた。  また、昨年4月のツアー開始とともに発表した『EXILE TRIBE PERFECT YEAR 2014』では、EXILEをはじめ、三代目 J Soul BrothersやGENERATIONS、そしてE-girlsなどのLDH所属グループのツアーで“200万人動員”を宣言。その数が現実のものとなれば、日本のポピュラー音楽史上でも最大規模となるのは間違いない。「売上・パフォーマンス・動員数」に加え、各ツアーのステージ演出にも相当こだわっているようであり、ステージセットなどはこれまで以上にスペクタクル性の高いものとなりそうだ。  引退後、プロデューサーとしての手腕を(これまで以上に)発揮させねばならないHIROの『EXILE TRIBE PERFECT YEAR 2014』にかける情熱は、果たしてどのような結果をもたらすのか。 (文=讀賣蘭堂)

2013年の放映アニメを一挙集計!!原作マンガを一番提供した出版社はどこだ!?

【オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より】

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講談社HPより。映像化作品を紹介するページも。
 2013年もマンガを原作にしたアニメが数多く放映された。歴史的にもマンガとアニメは切っても切れない共存関係にあるが、この10年ほどはライトノベルやゲームなど、さまざまなジャンルが、アニメ原作として台頭してきている。では、2013年のアニメにおけるマンガの存在感はどれくらいだったのだろうか?  まず、テレビやネットなどで放映されたアニメを調べてみると、該当するのは225作品(アニメ映画・OVAはノーカウント)。原作でジャンル分けしてみると以下のようになる。 ■2013年に放映されたアニメ作品の原作 ・マンガ……91作品(40.4%) ・アニメオリジナル……43作品(19.1%) ・ライトノベル……33作品(14.6%) ・ゲーム……24作品(10.6%) ・その他(小説、絵本、玩具など)……34作品(15.1%)  原作は約4割がマンガで、2番目に多いアニメオリジナル作品を2倍以上突き放してトップ。新勢力として台頭するライトノベルは33作品で第3位となった。いわゆる深夜アニメに絞ればまた比率も変わってくるだろうが、ゴールデンタイムなどでは少年誌作品が圧倒的存在感を持っていることもあり、全体としてはやはり半数近くがマンガを原作とする作品ということになる。 【「おたぽる」で続きを読む】

「高速化するJPOP」をどう受け止めるか 音楽ジャーナリスト3人が徹底討論

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ヒャダイン『20112012(初回限定盤)(DVD付)』(ランティス)

【リアルサウンドより】  リアルサウンドでもおなじみのライター・物語評論家のさやわか氏が、音楽ジャーナリストの宇野維正氏、柴 那典氏を招いて、2013年の音楽ジャンルを再総括するトークイベント『さやわか式☆現代文化論 第2回』のレポート後編。前編「今、ボカロやアイドルをどう語るべきか 音楽ジャーナリスト3人が2013年のシーンを振り返る」では、芸能と音楽の関係性についての考察から、ボカロシーンの是非、さらにはJPOPシーン全体の傾向の変化についてまで話が及んだ。後編では、最近の楽曲の傾向から、ボカロシーンの可能性についてまで、ざっくばらんに語った。 さやわか:前半ではシーン全体についての話が多かったんですが、今の音楽批評の問題として楽曲じたいに対する議論がなかなかうまく広がらない気がしています。そこで今日は音についても、もう少し話をしたいのですが。 柴那典(以下、柴):いろんなところで言ってきた話なんですけど、最近BPMが高速化しているというか、音数が多い楽曲が増えているという流れがあって。すべてのJ-POPが高速化しているとは思っていないんですけど、明らかに高密度な音楽が、ロックバンドとアニソンとアイドルとボカロに生まれている。沢山の言葉と沢山のフレーズと沢山のメロディが3~4分に入っている楽曲が増えた。 さやわか:同じことは僕もヒャダインさんから伺いました。彼はニコニコ動画で人気が出たタイプなんですが、「2分で人は飽きると言っていました。だからニコニコ動画で2分以内に動画の視聴者から面白がってもらうためには、BPMを超速くして、とにかく展開をごちゃごちゃ入れなきゃいけない。その話を聞いて何を思ったかっていうと、曲を聴く状況――場所とかメディアにカスタマイズされた曲が増えたというか、リスナーがいる場所に合わせて曲を作るようになっていて、それによってシーン全体で楽曲の方向性が生まれているんじゃないかって。 柴:なぜJ-POPが高速化しているか?という理由なんですけれど、まずアニソンの分野では、作り手でもあるfhánaの佐藤純一さんが面白いことを言っていて。89秒というTVサイズの尺の中に展開を詰めこむために試行錯誤した挙げ句、BPMがどんどん上がっていったという話で。つまり情報量を詰め込むためにテンポが上がっている。アイドルやボカロのシーンで、そういう高密度化現象が起こっています。今のアイドルの主流はグループアイドルで、ということは沢山の女の子がいっぺんに歌っている。そうするとどうなるかというと、声の情報量がなくなるんですね。つまり声に色気を乗せたり、声にフェイクを乗せたり、しゃくりあげたり、こぶしをきかせたりとか、そういう風に歌の上手さを見せる場所が少なくなる。ボカロにいたっては、そもそも基本的にフラットな声ですからね。圧倒的に歌の上手い人がスターになっている海外シーンとは大きく違う。そういうところに、逆に言えばDIVAの時代の退潮も感じていて。僕はやっぱり「宇多田ヒカルの不在」は大きいと思います。宇多田ヒカルさんはいろんな意味で天才だと思うけれど、まずあの人の声には圧倒的に情報量があるわけで。 さやわか:なんだか話がだんだん、最初に宇野さんが仰っていた、あんまり良くない世界に近づいているような……(笑)。 宇野:マーケティングの話してるなぁって感じはするよね。芸能とはちょっと違うんだけど。高速化するポップ、高密度化するポップ? いいんだけどさ……でも大前提として、柴君はそういうの好きなの? 柴・さやわか:(爆笑) 宇野:それが問題なのよ。一音楽愛好家として、ジャーナリストである以前の良心っていうのがあるじゃない。 柴:あのね……これが、好きなんです(笑)。自分でもどうかと思ってたんだけど、聴いてるうちにどんどん好きになっていった。 さやわか:それは鍛錬して好きになったんですか?
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KANA-BOON『DOPPEL』(KRE)

柴:鍛錬じゃないですけどね(笑)。高速化の話に関してはKANA-BOONというロックバンドとの出会いが大きかったかもしれないです。彼らはほとんどの曲がBPM170オーバーで、フェスに出たら一見さんの観客も含めて全員を踊らせてるんですよ。僕も実際その光景を見ているんですけど、それがかなり気持ちよかった。話を訊いたら、彼ら自身も「このテンポが気持ちいいんです」っていう風に言っていた。そういう感覚を踏まえて、ボカロの170オーバーを聴くと、ぜんぜん気持ちいいっていう発見をしたんです。 さやわか:つまりKANA-BOONみたいなバンドが持っている構造を捉えて、同じものをアイドルとかボカロに見出す感じですよね。たしかにKANA-BOONはジャンル的にはロック的なんだけど、ボカロやアイドルと近しい部分があって、音楽シーン全体で同じ動きがあるんだと思わせてくれる存在です。 宇野:今年インタビューした中で衝撃を受けたのはKANA-BOONで、彼らって洋楽のバックグラウンドがほとんどゼロなんですよ。それこそはっぴぃえんどや筒美京平さんから綿々と続いてきた日本のポップミュージックの基本は、洋楽的なバックグラウンドがあって、そこから日本独自のアレンジを探求していくことだったと思うんですよね。だけど、ヒャダインさんもそうだしボカロの速いやつもそうだけど、共通して洋楽的バックグラウンドが希薄なんですよね。歌詞の面でも、たとえばクリープハイプの尾崎(世界観)くんにインタビューしててね、「この歌詞ってスミスみたいだね」って言うとキョトンとされる。だけど僕は、KANA-BOONもクリープハイプも好きなんですよね。ただ、ボカロやアイドルソングの高速化、高密度化は頭も身体も全然受けつけない。 柴:多分、それは慣れの問題だと思います(笑)。 宇野:でもさ、やっぱりマーケティングで速くなっていくものと、本人が速くしたくてするものでは違うじゃない。 柴:wowakaさんとかハチさんとか、マーケティング的な発想じゃなくて速くなっている人は当然います。 さやわか:ボカロはセルフ・プロデューサー的な発想はあるけれども、マーケティングというわけではないと思いますよ。ランキングを見て「速い曲のほうが人気が出る」と思った人はいるかもしれないけど、それこそ元を正せば速さに単純な快楽を感じているからこそ速くするわけで。 柴:そうなんです。誤解して欲しくないのは、速いのが正義だとは本当に思っていないんですよ。なんで僕が高速化について話すかというと、さやわかさんが言っていた「なぜ批評するか?」と同じことで、現状を説明して「今はみんな高速化している流れがあるよ」って明確に言葉にすると、それに関してのアンチテーゼが生まれるんですよね。「俺はその流れには乗らない」「俺の快楽はここにない」って思う人が必ず出てくる。むしろその人たちのために、現状を説明しているんです。 さやわか:それはつまり、現状を説明した上でどんなアーティストがいるのかという話をしないといけないということですよね。そうすれば、宇野さんみたいにボカロ全般に「ぜんぶマーケティングで速いんでしょ?」ってシーンを捉えている人にも届くと思うんだよね。 柴:でも、ボーカロイドの話で改めて言っておかなきゃいけないと思うのは、初音ミクって、やっぱり楽器なんですよ。supercellやlivetuneみたいな作曲家に「初音ミクとはなんですか」って訊くと、全員「楽器です」って答えるんですね。で、初音ミク以外にもボカロのソフトって沢山出ているんですよね。でもいまだに中心的に使われているのは初音ミクで。これは何故かというと、もちろんキャラクター人気もあるけど、実は楽器としての性能が高いんじゃないかという。テクノの世界にはローランドのTR-808という『名機』と言われるリズムマシンがあって。それに近い『名機』感があるって、渋谷慶一郎さんが言っていたんですよね。そもそもTR-808って、ドラムの音なんて全然再現できてないんです。「チッ、チッ、チーッ」って、オモチャみたいなハイハットが鳴る。で、実はこれは、佐々木渉さんという開発者の方が言っていたこととも符合していて。実は初音ミクって、あえてオモチャっぽくしようって意識を持って作っていたそうなんです。リアルな声の再現はそもそも目指してなかった。あえてトイポップっぽい方向性にしようと思って、声優の藤田咲さんを採用しているんです。だから、初音ミクもTR-808も、音の特徴として、ハイ(高域)が強いんですよね。 さやわか:ボカロはそういう語られ方があまりないんですよね。もう初音ミクが発売されて5年以上経っているのに、なんか単にチャラチャラしている感じに思われていて「中学生とかが聴いてるんだろ」って思われちゃう。いま柴さんが言ったように、初音ミクについては「楽器です」と言っているミュージシャンがかなり多いんですけど、よく知らない人はそうではなくて「萌え」とかキャラクター文化みたいなカルチャーと安易に結びつけて語ってしまう。これ、どうしたらいいんでしょうね。 宇野:柴君の話はすごく良くわかるし、その通りだと思う。でもさ、みんなちょっと知名度が出てくると、生音使い始めるじゃない。ボーカリストも呼んだりとかして。結局、今の音楽シーンの価値観を転換すると思われた人たちが、既存の音楽に取り込まれていってしまう。
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じん(自然の敵P)『メカクシティデイズ(DVD付) 』(ソニー・ミュージックダイレクト)

柴:ただまあ、それは当然の成り行きですよね。たとえばシンセサイザーやリズムマシンが登場して、テクノが誕生して、それは大きなムーブメントになったけれど、別に生音主体の音楽シーンの価値観をひっくり返したかって言うと、そうではないわけで。そういう意味では、ボーカロイドっていうのも、僕は今はまだ一つのタグでしかないと思っています。 さやわか:まだ「その楽器を使った音楽でしかない」ってことですよね。ただ、今の宇野さんの意見に補足すると、実は最初に初音ミクを使った世代の人たちのほうが生音に行きがちなんですよね。初期にやっていた人っていうのは最初バンドで音楽をやっていたんだけど、なかなか上手く行かなくて、DTMみたいなものにいきついた果てで初音ミクを使っている場合が多い。だからやがて才能が認められて、人気が出て、自由にお金や人を使えるようになったら、自然な形でバンドスタイルに戻っていく。ところがもうちょっと下の世代になると「初音ミクこそがいい」っていう雰囲気がだんだん生まれてくる。つまりさっきのBPM高速化の話なんかもそうだけど、ニコ動や初音ミクも十把一絡げにジャンルとして捉えられるものではなく、既に世代の違いが生まれ始めているんですね。言い換えるとシーンとしてはここからなのかなって感じがします。 柴:これからの世代という意味ですごく面白かったのは、横浜アリーナの『マジカルミライ』っていう初音ミクのイベント行った時のことですね。U-18の公演だったんですけど、小学生や中学生の女子が本当に沢山いる。親子連れで来てるんです。それがライヴの初体験になっている。じん(自然の敵P)のライヴでも、本当に10代ばっかりで。 さやわか:中学生がロックで衝撃を受けるみたいなことが、ボカロシーンで起き始めているっていうことですよね。そういうエピソードがあるというのは、今後が期待できそうな感じがしますよね。 宇野:でも、そういう新しい文化ってさ、ヒップホップもパンクもそうだったけど、最初はとにかくかっこよかったじゃない。そういう吸引力がないよね。かっこいいか悪いかっていうのは、音楽にとってものすごく重要な価値基準だと思うんだよね。もうね、今日は旧世代を代表してのポジショントークみたいになってきてるけど(笑)、本音でそう思うんだよ。 柴:じんさんの音楽に関していうと、これを37歳の自分が冷静に聴くとノレない部分もあるんですけど、でも、自分の心の中にいる「かつての14歳の自分」が聴くと、すごくノレるんです。熱くなる。 さやわか:たとえば自分が14歳の時に聴いていて、マジかっこいいと思ってた音楽を、今聴いたらどう思うんですか? 柴:今でも泣きそうになることはありますね。僕の14歳の時はニルヴァーナの「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」がリアルタイムで。今聴いても盛り上がる。逆に、セックス・ピストルズが全然ダメで。パンクだって言うから攻撃的なイメージを持って聴いてみたら、全然音が薄かった。たぶんメタルで育ってきたせいだと思いますね。僕の原点は高校生の頃に友達と作ってたメタル同人誌で。『鋼鉄春秋』っていうタイトルだったんですけど……。 さやわか・宇野:(爆笑) 柴:15歳のときにニルヴァーナのレビューで「キッズたちが盛り上がっているのは何故か」とか書いてました。「キッズはお前じゃねえか!」って話ですが(笑)。 さやわか:そう考えると正直、僕もわからないところがあるし、柴さんですら速ければいいってもんじゃないって言っているけれど、もしかしたら今の「キッズたち」は、ボカロ曲を聴いて単純に「速くてマジかっこいい」と思っているかもしれないですよね。つまり大人にはわからない、ある種の断絶のある文化になっている。僕がさっき今後が期待できると言ったのはそこなんですよ。あらゆるシーンがフラット化していると言われながらも、いま「ユースカルチャー」という言葉が新しい形で復古しているのであれば、それは面白いことだし、ポジティブに捉えられることだと思っています。
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左から宇野氏、柴氏、さやわか氏。

■宇野維正 音楽・映画ジャーナリスト。音楽誌、映画誌、サッカー誌などの編集を経て独立。現在、「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「BRUTUS」「ワールドサッカーダイジェスト」「ナタリー」など、各種メディアで執筆中。Twitter ■さやわか ライター、物語評論家。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『朝日新聞』『ゲームラボ』などで連載中。単著に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』がある。Twitter

やっぱり引退撤回!?スタジオジブリ宮崎駿監督が早くも映画製作に意欲?

【オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より】

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『続・風の帰る場所』(ロッキングオン/宮崎駿)
 新作発表はいつになるのか? 昨年末にスタジオジブリの鈴木敏夫氏が、宮崎駿監督の引退撤回を匂わせる発言をしたことが、現在ネットで話題になっている。  この発言は、2013年12月31日にTOKYO FMで放送された『鈴木敏夫のジブリ汗まみれスペシャル』で、鈴木氏の口から述べられたもの。鈴木氏は「宮さんはねぇ、ボランティアでなら映画を作ってもいいと言い出してるんですよ最近」「もともと会見でも“自由に生きる”とは言ってるんですよねぇ だから映画を作る自由もあるってことでしょうねぇ」と発言した。  昨年、“長編映画監督”引退を発表し、メディアで大々的に報じられた宮崎監督。しかし、アニメファンの間では、「2年ぶり三度目」「引退後の監督作に期待」といった皮肉が相次いだ。というのも、宮崎監督は過去にも、引退を宣言した後に撤回した「実績」があるからだ。 【「おたぽる」で続きを読む】

今、ボカロやアイドルをどう語るべきか 音楽ジャーナリスト3人が2013年のシーンを振り返る

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AKB48『鈴懸(すずかけ)の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの (Type A)(多売特典付き)』(キングレコード)

【リアルサウンドより】  リアルサウンドでもおなじみのライター・物語評論家のさやわか氏が12月6日、五反田の「ゲンロンカフェ」にてトークイベント『さやわか式☆現代文化論 第2回』を開催した。音楽ジャーナリストの宇野維正氏、柴 那典氏を招いて行われたこのイベントでは、「音楽ジャンル再総括!―2013年末から振り返る、90年代 J-POPからきゃりーぱみゅぱみゅ、初音ミクまで」をテーマに、音楽ジャーナリズムの一線で活躍する彼らが、2013年の音楽シーンについて濃密な意見を交わした。前編では、芸能と音楽の関係性についての考察から、ボカロシーンの是非、さらにはJPOPシーン全体の傾向の変化についてまで話が及んだ。 柴:考えてみたらみんな、リアルサウンドの「チャート一刀両断!」を書いているメンツですね。 さやわか:でも最近思うんですけど、オリコンチャートがなんらかの時代性を担保している訳ではないのに「オリコンチャートに出ることは重要」みたいな風潮だけが残っていますよね。 宇野:そうだね、オリコンとかってもはや音楽業界の人しか気にしてないんじゃないかっていう気もする。リアルサウンドではオリコンのアルバムチャートとシングルチャートを一週おきに分析しているんだけど、きっと一番興味を持って読んでるのは音楽業界の人なんじゃないかな。オリコン自体が、もはや完全に業界紙ですからね。音楽の世界で仕事している上で、チャートを分析することにまったく意義を感じていない訳ではないんですけど。ただ、チャートを軸に音楽と芸能を一緒に語ることに、僕はすごく違和感がある。 さやわか:それは、本当にそうですね。 宇野:僕自身、芸能も大好きなので、それを下に見ているわけではないんだけど、音楽と芸能ってやっぱり別物で。言ってしまえばAKB48は芸能ですから、音楽の文脈でAKB48を語ることに違和感というか……やっぱり音楽としてのクオリティが歴然と違うからさ。作り手も、そういう聴き方を想定してないだろうし。だから、自分にとっては批評の対象外なんですよね。ボカロに関しても、現象としての面白さっていう、ジャーナリスティックな関心はありつつも、一音楽愛好家として愛聴しているものはない。それは乱暴に言ってしまえば、音楽の歴史性に関わってくるんですけど。ボカロといわれるもの……もちろん中には例外的なものもありますが、その大部分のものに関して感じる”根っこのなさ”がどうしてもネックになってしまう。 さやわか:根っこのなさとは? 宇野:小説で例えると、純文学とラノベがあったとして、別に純文学の方が偉いわけじゃないけど、ボカロはラノベなんじゃないかとか。映画で例えると、映画史への参照点がない作品は、基本的に映画として成り立たないんですよね。松本人志の映画がいい例だけど。それと同じようなものを、大部分のボカロに感じずにはいられない。柴君は最近ボカロの本を準備していて、来年出版するんだよね? 柴:来年2月予定です。で、これはまさに20世紀のポピュラー音楽の歴史と初音ミクなどのボーカロイドの歴史を繋げようと思って書いた内容です。なぜこれを書こうと思ったかと言うと、宇野さんが指摘されている“根っこのなさ”って、僕は作り手ではなく批評する側の責任だと思っていて。端的に言うと、音楽ジャーナリズムがそれを無視してきたということの失敗だと思っているんです。初音ミクに歴史性がなかったのは、音楽批評側の人間がそれを繋げる作業をちゃんとやらなかったからなのではないかという。 さやわか:柴さんは、批評をする立場から、ミクと歴史を繋げなければいけないと考えている? 柴:『やらなきゃ』っていう謎の使命感に駆り立てられているんですよね。 さやわか:僕の場合も、なにか違う領域同士を繋げなきゃっていう意識はあります。それは多分、柴さんがおっしゃった『謎の使命感』と同じだと思うんだけど。たとえば僕はアイドルの仕事をよくやっているんだけど、ファン目線みたいな立場から仕事をしているわけではないんです。だけど、音楽について語る言葉に更新をかけるとしたら、ここ(アイドルシーン)をやらなくちゃだめだなって思っている。
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supercell『supercell』(Sony Music Direct)

柴:そうですよね。で、宇野さんが仰る「ラノベみたいなもんでしょ」というイメージもまったくその通りで。要はボカロが出てきたときって、主に『東方(東方project)・アイマス(アイドルマスター)・初音ミク』っていう括りで語られていたんですよね。要は、キャラクター文化と二次創作の現象として初音ミクが語られていた。でも、僕はクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤社長に何度も取材してきたんですけど、クリプトンってもともとサンプル音源を売っていた会社だし、ボーカロイドの技術を開発したのもYAMAHAなんですよね。だから、作っている側は完全に新しいシンセとして作っている。ってことは、シンセの存在がテクノを生み、ターンテーブルの存在がヒップホップを生み、エレキギターの登場がロックを生んだように、ボカロは新しい楽器が生まれたことによって作られた、新しいジャンルなんだと思います。 さやわか:それはその通りですね。ただ僕は宇野さんが言っていることが、別の側面からわかるような気がする。というのは、クリプトンはギーク的な技術屋とかハッカー文化にすごく近しいメンタリティの会社なんですよ。だから、あんまり著作権のこととかをとやかく言わないで、新しい音楽シーンを築くことにも積極的なんだけど、そのぶん従来的な、つまり商業的な音楽シーンとは距離が生まれやすいきらいはある。ここ2年くらいでそれが微妙に変わってきたようにも思いますけど、いずれにしても今シーンとして成り立っているボカロを、宇野さんの言うような従来的な音楽文化と地続きのものとして見るべきかって言ったら、そうではないということになるんじゃないかな。 宇野:あとは、単純に快楽の話なんですけどね。やっぱり音楽っていうのは快楽と密接に関わっているものだと思っているので、そこの部分でも琴線にまったく触れないんですよね。シンセの進化がボカロを生んだのも、ギターがエレクトリックになったことでロックが生まれたのも同じ構造だっていうのは理屈ではわかるんですけど、音楽の快楽性の部分でやはり違和感がある。今日はそれをぬぐい去るきっかけになればと思います。 柴:そもそも音楽ジャンルってなんだろうって思うんです。要はロック、ヒップホップ、テクノ、そういう音楽ジャンルってあります。でも日本って、JPOPとその下の○○系しかないんじゃないかと思っていて。渋谷系とか、ロキノン系とか。 さやわか:それ、さっき宇野さんが仰った「芸能」のお話とかなり近いと思います。90年代にあれだけ「豊かな」というか、ハイセンスな音楽シーンが盛況だったのは、「芸能」みたいな人たちがちゃんと音楽産業全体を潤わせていたし、音楽ファンの裾野も広げていたせいでもあると思います。「宇野さんが何と言おうと今の音楽シーンは芸能じゃなくて文化なんだ」とは言わないですけれど、今の状況が広がっていくと、最終的には裾野が広がって宇野さんの不満も自然と解消されるのではないかと思います。 柴:さきほど、音楽と芸能を一緒に語ることに違和感があると宇野さんは仰ってましたけど、僕は宇野さんと全然違って『これは芸能』『これは音楽』という区別をしていなくて。音が鳴っていて、歌が歌われているんだったら、それは全部音楽っていう風に僕は捉えています。その上で、着うたとかカラオケとかで『コミュニケーションツールとして利用される音楽』と『リスニング対象として利用される音楽』の違いは、歴然とあると思っていて。ゴールデンボンバーの『女々しくて』をみんなでカラオケで歌うと盛り上がるし、一方で一昔前だったらレコードの前に正座したり、今だったらヘッドホンで一人でMP3で聴くような、リスニング対象としての音楽もある。そういう区別をしていて。 さやわか:結局は捉え方の違いというか、音楽体験に対して、どのようなアプローチを取るかの違いなんだと思います。たとえば僕は今年AKB48を産業として捉えた本を書きました。その点では僕と宇野さんの立場って全然違うと思う。しかし僕の本も、よく読むと音楽的な側面からJPOPの歴史を俯瞰したものとしても読むことができるように書いたんです。 柴:産業的なJ-POPというものは如実にありますよね。その象徴が、いわゆる「桜ソング」だと思うんです。実は90年代時点では桜ソングはスピッツの「チェリー」しかなかった。それが、福山雅治さんの「桜坂」をきっかけにして、2000年代になって急激に桜ソングが増えた。それだけじゃなくて、春は桜ソング、夏になるとアゲアゲなお祭りソングで、冬にはバラード。そんな風にして、聴き手の生活とか季節感に過剰に寄り添う形で音楽が消費されていて。でも、その結果、すごく貧困な想像力しか稼働しなくなっていった。たとえば『会えない』とか、『会いたくて震える』とかね(笑)。 宇野:いわゆる着うたソングだよね。一時期レコード会社がばかばか作っていたフィーチャリングものとか。完全に下火になったよね、今。 柴:完全に行き詰まったと思います。で、それが行き詰まった末に何が生まれたかって言うと、アーティストの側で勝手に物語を作っちゃうという手法。
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じん(自然の敵P)『メカクシティデイズ(DVD付) 』(ソニー・ミュージックダイレクト)

さやわか:それはまさにそう。さっきのボカロ系の話と接続させて言うと、自然の敵Pとかの曲なんかは、まんまロキノン系の自意識というか、切ない若者の心情を描いた歌詞な訳ですよ。ただし、そこで苦悩している人物っていうのは、歌い手ではなくて、現実とは全然関係ない物語の登場人物、アニメキャラみたいなやつの話になっているわけです。そうやって、ボカロのシーンは過去の音楽シーンと切断されながらも、しかし連続していると言うことができる。そして、今の柴さんのお話は、今日のリスナーは聞き手の生活に寄り添うよりもそういうものを求めているということですね。感情移入の対象も態度も変化している。アイドルも同じですよね。ももクロなんかもよく売れているんですけど、ももクロが聞き手の生活に寄り添うかって言ったら、まったくそうじゃないですよね。 柴:『5TH DIMENTION』は「5次元」だし、『GOUNN』は仏教ですからね(笑)。AKB48も、基本的にはAKB48の物語の中で消費されている。 宇野:今、春になったら卒業ソング歌って、夏になったら夏の歌を歌っているのって、AKB48くらいですよね。それがまだ許されているっていうか。逆に言うと、あれくらいCDを売るためのシステムを総動員できないと、それが成り立たない。 さやわか:桜ソングみたいなことやるのって、さっきの話でいうと芸能的なことなんじゃないでしょうか。むしろその力の締め付けが弱まって、ある意味アーティストの自由意志みたいなもので音楽を作れるようになってきたように思います。 宇野:だからね、ああいうものが無くなったのって、すごく気分のいいことなんですよ(笑)。桜ソングは芸能っていうか、マーケティングですよね。もちろん未だに残っています。でも、実はここ数年、そういうものが減ったことで、音楽業界はすごく風通しが良くなっている。売れ行きうんぬんは別にしてね。音楽に関わっている人の表情も含めて、全体的な空気がちょっと澄んできたと感じたのが2013年。 柴:生活に寄り添うっていうのは、マーケティングで音楽を作らなければならないということですからね。「今の子達ってどんな気持ちなんだろう」「今の子達ってどんな不安や喜びを抱えてるんだろう」ってことを、マーケティング的に考えなきゃいけない。でも最近の「自分たちで物語を作ってしまえばいい」って風潮は、言ってしまえば、「自分たちが面白いと思うことをやればいい」ってことなんですよね。 後編に続く
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左から宇野氏、柴氏、さやわか氏。

■宇野維正 音楽・映画ジャーナリスト。音楽誌、映画誌、サッカー誌などの編集を経て独立。現在、「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「BRUTUS」「ワールドサッカーダイジェスト」「ナタリー」など、各種メディアで執筆中。Twitter ■さやわか ライター、物語評論家。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『朝日新聞』『ゲームラボ』などで連載中。単著に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』がある。Twitter ■柴 那典 1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」/Twitter

『艦これ』が聖地巡礼でビッグマネーを呼びこむ? アニメビジネスをめぐる2014年の展望考察

【オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より】

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アニメ『艦隊これくしょん』公式HPより。
 昨年2013年も実に多くの作品が製作され、話題を呼んだ日本のアニメ業界。年始早々ではあるが、13年の特徴的な動向を踏まえ、今年14年にアニメ業界のキーとなるであろうポイントについて、私見を交えてつつ考察してみたい。 ■新興アニメスタジオの挑戦が相次いだ本年 2013年は新進のアニメ制作会社の活動が極めて活発だった印象がある。13年のテレビアニメ最大のヒット作といえる『進撃の巨人』を担当したWIT STUDIOは、プロダクションI.G出身の人材が中心となり12年に設立された大変に若い会社であり、そのほか昨年はアニメ映画『ハル』も担当。2014年1月から放映される『鬼灯の冷徹』も担当している制作会社である。  13年10月期の新番組だった『蒼き鋼のアルペジオ アルス・ノヴァ』でキャラクター・メカニックほぼ全編を3DCGによる制作で行ったサンジゲンも、もともとはゴンゾ系のスタッフが独立して立ち上げた会社である。また13年11月半ばには『放浪息子』『Fate/Zero』などの監督として知られるあおきえい氏が、同年5月に設立した株式会社トロイカにて、14年に自身の監督作品の制作を行うことを発表している。  外部の動きとしては、5月末にグリーとGyaOがアニメコンテンツへの投資を目的としたファンド運営会社『アニマティック』を設立。アニメ製作委員会の一員として新作アニメへの出資を行い、「GyaO!」での配信やソーシャルゲームを始めとする商品化を行うことを発表した。2014年は生きのいい新生アニメ制作会社が業界地図にパラダイムシフトを起こすのかどうか? 興味深いところだ。 【「おたぽる」で続きを読む】

さようなら大瀧詠一さん 日本のポップ史を変えた偉大な功績を振り返る

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大瀧詠一『A LONG VACATION 30th Edition』(SMR)

【リアルサウンドより】  大瀧詠一が12月30日、解離性動脈りゅうのため急逝し、各界に衝撃が走っている。MSN産経ニュースなどが報じ、その後NHKニュースなどで死因が判明した。はっぴぃえんどの元メンバー・細野晴臣や、大瀧に才能を見出された佐野元春、サンボマスターの山口隆などが追悼の意を告げている。  大瀧詠一は1970年、はっぴぃえんどのボーカル・ギターとしてデビュー。1971年にはソロ活動も開始し、1972年にアルバム『大瀧詠一』を発表している。1973年には自身のレーベル「ナイアガラ」を立ち上げ、山下達郎や大貫妙子が所属していたバンド、シュガー・ベイブのプロデュースなども行った。  1981年にははっぴぃえんど時代の盟友、松本隆と組んだソロアルバム『A LONG VACATION』がミリオンセラーを記録し、大きな商業的な成功を収めた。音楽ジャーナリストの宇野維正氏は、当時の大瀧詠一の印象について、次のように語る。 「大瀧さんはリスナーの世代によって捉え方が異なってくるミュージシャンだと思います。きっと30代以下の世代にとっては伝説のミュージシャンというイメージだと思いますが、自分のような40代前半の世代はギリギリ、『A LONG VACATION』と『EACH TIME』の両名作をリアルタイムで聴くことができた最後の幸福な世代です。『A LONG VACATION』リリース当時、自分は小学生でしたが、ちょっとませた小学生の自分にも届くくらい、このアルバムは一大ムーブメントを築いた作品でした。永井博によるジャケットのアートワークは、まさに80年代前半のお洒落なカルチャーを象徴するものでしたね。あれだけの商業的な成功と、音楽としてのクオリティと、今で言うところのチャラいお兄ちゃんやお姉ちゃんも聴いているような風俗性をすべて合わせ持っていた作品は、ちょっと他には思い浮かびません。大瀧さんはその3 年後にリリースした『EACH TIME』以降、結局30年オリジナルアルバムを出さなかったことになりますが、それにもかかわらず、いまだに日本のポップミュージック界において後輩の山下達郎と双璧を成す存在として位置づけられていることからも、その偉大さがわかるのではないでしょうか」  大瀧詠一が日本の音楽界に残した功績は、今も息づいているという。 「大瀧さんは、たとえば今年の紅白に出演していた森進一、松田聖子、小泉今日子、薬師丸ひろ子にもとびきりの楽曲を提供しています。寡作な方だったので作品の数は多くありませんが、そのどれもが日本のポップミュージック史に残る名曲です。また、ファースト・アルバムの『大瀧詠一』は、はっぴぃえんどの傑作群と同格か、場合によってはそれ以上の影響を、後のロックバンドに与えた作品と言っていいと思います。自分は先に述べたように『A LONG VACATION』で大瀧さんの音楽と出会って、彼がナイアガラ・サウンドを確立して以降のイメージを強く持っていたので、その数年後に後追いで『大瀧詠一』を初めて聴いた時は、その音楽性の幅広さとある種のクールさに驚いたものです。その作品で大瀧さんは、フォーク、ロックからソウルミュージックまで、ありとあらゆるアメリカの音楽を消化して完全に自分だけの表現にしていました。渋谷系と呼ばれたミュージシャンたち、そして、その後のサニーデイ・サービス(曽我部恵一)、くるり、踊ってばかりの国、森は生きているといった現在活躍しているミュージシャンも、大瀧さんからの影響を強く受けていると思います」  また、ミュージシャンとしてのスタンスにも、独特のものがあったと宇野氏。 「大瀧さんはほとんど公の場に出てこないことでも知られていました。近年では、年に一度、新春のラジオ番組『山下達郎のサンデーソングブック』の新春放談という企画に出演するくらいで、それ以外はメディアに露出することがほとんどありませんでした。音楽の匿名性を何よりも大事にしていたにもかかわらず、その音楽自体は誰よりも記名性が高かったというのは、大瀧詠一という不世出のミュージシャンの大いなる矛盾であり、最もユニークなところだと思います。ただ、大瀧さんは隠遁してはいたものの、決して世捨て人のような生活を送っていたわけではなかったようです。真偽はわかりませんが、数年前に聞いた自分の好きなエピソードは、彼は一般紙からスポーツ紙までほぼすべての新聞をとっていて、今でも毎朝自宅で起きると、まずそのすべてに目を通してから一日の生活を始めるという話です。そのエピソードにも象徴されているように、あらゆる事象に対する探究心が異常に強く、それが大衆音楽の探求というかたちで最大限に発揮されていたのが、彼の音楽だったのではないかと思います。異常な量のインプットと、異常に研ぎ澄まされた数少ないアウトプット。1人のファンとして、もうちょっと多くの作品を残していてくれていたらと思わないわけではないですが、その才能の在り方と作品の少なさは分ちがたく結びついていたのだと思います。発表から何十年も経った今でも、決して歴史に回収されず、聴く度に新たな発見があるのが大瀧さんの音楽の特別なところだと思います」  日本におけるポップスの在り方を決定づけたミュージシャンとして、今なお音楽シーンに影響を与え続ける大滝詠一。彼が残したきら星のような名曲たちは、これからも色褪せることなく、人々に愛聴され続けるだろう。 (文=編集部)