人間椅子・鈴木研一が影響を受けた10曲「2010年代も真ん中なのに、70年代HRに惹かれちゃう」

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写真左より、鈴木研一(Ba、Vo)、和嶋慎治(Gu、Vo)、ナカジマノブ(Dr、Vo)

【リアルサウンドより】  音楽性を深化させながらハードロック一筋に突き進み、今年、デビュー25周年を迎えた人間椅子。ヘビーなギターリフを刻み続けるリーダーの和嶋慎治、白塗りのペイントでうねるベースラインを生み出す鈴木研一、パワフルなドラミングでバンドを支えるナカジマノブ。問答無用のサウンドで圧倒する彼らが、ニューアルバム『無頼豊饒』を完成させた。彼らの音楽のバックボーンには、70年代ハードロックが大きな比重を占めている。今回リアルサウンドでは人間椅子の音楽の根幹を探るべく、バンドを代表して鈴木研一に、これまでに最も影響を受けた10曲を挙げてもらった。そして、新作『無頼豊饒』の話題、長く活動する人間椅子の原動力についてを全2回にわたってたっぷりと語ってもらった。

「これに勝るものはないし、いくら作ってもこれをしのぐことができない」

――鈴木さんがハードロックに興味を持ったきっかけを聞かせてください。 鈴木:ハードロックの入り口はキッスです。中学生のときに、地元の青森で小林克也さんのラジオ番組で流れた「ラヴィン・ユー・ベイビー」がすごく気に入っちゃってキッスにハマったんです。アルバム『地獄からの脱出』が全曲良くて、そこからお小遣いはキッスのアルバムに全部使うようになりましたね。高校に入って小遣いじゃ足りなくて、新聞配達してレコード代にしてました。 ――ちなみに、楽器はいつから始めたんですか。 鈴木:中学のときにフォークを買って、キッスの「デトロイト・ロック・シティ」を弾いたんだけどイマイチで(笑)。それで高校入学祝いで、ポール・スタンレー・モデルのミラージュを買ってもらって、エレキギターを練習したけどどうも違って、高2くらいでオレはベースになろうと思ったんです。ジーン・シモンズに憧れたけど、なぜか(アイアン・メイデン)のスティーブ・ハリス・モデルのベースを買いました(笑)。 ――和島さんとは青森の同じ高校だったんですよね。 鈴木:一緒の学年でクラスは違ったんです。でも中学から和嶋くんは知ってて、ロック好きな友だちがいて偶然出会って。そんなに親しくない頃に、いきなりウチにキッスのレコード借りに来たんですよね(笑)。でも、オレはキッスを布教したかったからすぐ貸して(笑)。まさか突然キッスを借りに来た人と、一生バンドするとは思ってなかったですね(笑)。 ――(笑)。鈴木さんは、キッスからどのように他のハードロックにハマったんですか? 鈴木:高校に入って、FM番組のハードロック特集で、レッド・ツェッペリンディープ・パープルクイーンとか聴いて、キッスだけがカッコいいハードロックじゃないって気づいたんですよ(笑)。さらに父親の友だちが、ツェッペリンの『フィジカル・グラフィティ』ピンク・フロイド『狂気』とかレコード10枚くらい貸してくれたんです。それで、ブラック・サバスのベストで、サバスにハマりました。大学で東京に来たらレアなレコードが手に入るのうれしかったですね。伊藤政則さんの本で勉強したり、ほぼ毎日西新宿のレコード屋を回ってましたよ。当時はCDの再発もなかったですからね。 ――では、鈴木さんの選ぶ、70年代ハードロック必聴の10曲の話題にいきましょう。まずは、バッジーの「GUTS」から話を聞かせてください。 鈴木:全てのハードロックの曲の中でこれが一番好きなんです。これに勝るものはないし、いくら作ってもこれをしのぐことができない。バッジーは、大学の頃に偶然中古レコード屋でジャケ買いしたんですけど、サードの『友情(Never Turn Your Back On a Friend)』がすごくカッコよくて、僕らが「針の山」って歌詞を変えてカバーしてる、「ブレッドファン」にノックアウトされたんです。バッジーは噛めば噛むほど味が出るバンドで、「GUTS」はファーストの1曲目で、バンドの全てを表す曲ですね。とにかくリフの素晴らしさにつきます。特にサビがあるわけでもなく延々リフが続いて、メロディが少しずつ変わっていくだけなんだけど。ハードロックはリフがカッコいいと、それだけで成立しちゃうんですよ。 ――では、ブラック・サバス「CHILDREN OF THE GRAVE」。 鈴木:サバスで最初にやられたのは「パラノイド」でした。すごくシンプルな曲なんですけど、シンプルで人の心に残るのがハードロックの究極の目的だと思うんです。で、「CHILDREN OF THE GRAVE」の重たいリフのリズムは発明ですよ。これのそっくりさんはいっぱいあるけど、最初にこれを作れたサバスがうらやましい。トニー・アイオミがこれを作ったとき、どれだけうれしかったか想像しちゃいますね。あと、なにげにサバスのキモは、ドラムのビル・ワード。リズム感が良いわけじゃなく、むちゃくちゃに力一杯やる感じ、やたらシンバル叩く感じ。あれをおとなしくやられても面白くない。ビル・ワードのすごさも伝わってほしいなぁ。 ――次は、レッド・ツェッペリン「Immigrant Song」。 鈴木:オレとしてはこのインタビューで、ハードロックを知らない人にも聴いてほしいって思いがあるんです。だから聴いたら絶対好きになるぞって10曲を挙げたんです。ツェッペリンは他の曲も当然好きだけど、知らない人に最初にこれ聴いてノックアウトされてほしいなって。「移民の歌」みたいな、こんなすごいドラムは他にないですよ。あと、音楽ってハーモニーも大事だけど、ユニゾンの素晴らしさはハードロックにしかない良さなんです。「移民の歌」はすごいユニゾンで、音の固まりになってる。それをひたすら繰り返すところ良さがある。

「これを聴いてぶったまげるかどうかで、ハードロックの素質があるかどうか分かれる」

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――では、ディープ・パープルの「SPEED KING」。 鈴木:(ディープ・)パープルは、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」「ハイウェイ・スター」も良いけど、スタジオ盤だと今ひとつおとなしくて。でも「SPEED KING」はスタジオでも音がすごいので、この曲にしたんです。ほんと、リッチー・ブラックモアは天才ですよ。「スモーク・オン・ザ・ウォーター」で、キーがGで弦2本のコードルートでリフを作るっていうのを最初にやったのはリッチー。その功績は大きいですよ。 ――次は、ユーライア・ヒープの「EARY LIVIN'」。 鈴木:ユーライア・ヒープは、パープルに似てるけど、一番違うのはオルガンがすべてのバンドってところ。ケン・ヘンズレーのオルガンがとにかくすごい。オルガンのハードロックって意味で、若い人に聴いてほしいですね。 ――そして、ブルー・オイスター・カルト「TRANSMANIACON MC」。 鈴木:俺、ブルー・オイスター・カルト大好きなんですよ(笑)。高校生のときに弘前のレコード屋で見つけたファースト『狂気への誘い(Blue Öyster Cult)』のジャケットがカッコよかったですね。ハードロックは大体ブリティッシュだけど、アメリカのブリティッシュを取り入れたバンドは、いかにもアメリカらしい匂いがあるんですよ。あとブルー・オイスター・カルトは、「死神((Don't Fear) The Reaper)」と「ゴジラ(Godzilla)」を聴いてほしいですね。 ――では、ドイツのバンド、スコーピオンズの「CATCH YOUR TRAIN」。 鈴木:スコーピオンズの良いところは、ウルリッヒ・ロートっていうジミヘン好きの速弾きギタリストがいるところ。最初聴いたときに、どんだけ速いんだって思いましたね。リッチーもジミー・ペイジも速いけど、意外と手癖が強い。この人は美しいメロディを速弾きするのがすごい。この曲は、キャッチーなメロとシンプルな構成とすさまじいソロが1曲にバシッと入ってる。これを聴いてぶったまげるかどうかで、その人のハードロックの素質があるかどうか分かれると思います。 ――そして、メタルゴッド、ジューダス・プリーストの「VICTIM OF CHANGES」。 鈴木:ジューダスはA級バンドだけど、でもファーストから3枚目くらいまでは、今ひとつ突き抜けないB級な感じがあって、その頃の方が好きなんです。思いっきりサバスに影響された曲だけど、とにかくロブ・ハルフォードの歌がすごい。低音からハイトーンで3オクターブくらい使うんです。ジューダスは、リフも良いし、80年代のもカッコいいけど、歌から入りたい人にはこれだと思って挙げました。

「とにかく日本でもハードロック好きが増えてほしい」

――キッスは「STRANGE WAYS」と意外な選曲ですね。 鈴木:キッスは俺の魂ですよ。俺は、サバス半分、キッス半分でできてるみたいなものだから(笑)。普通だったら、「デトロイト・ロック・シティ」「ラブガン」「ロックンロール・オールナイト」から入るのも良いと思う。でも、セカンド『地獄のさけび(Hotter Than Hell)』の最後の曲を初めて聴いたとき、衝撃を受けたんです。ギターのエース・フレーリーの曲だけど、エースの曲はリフがすごくカッコよくて、ブリティッシュロック好きでも相当聴ける。この曲は、サバスみたいなリフに、どうやって弾いてるか分からないソロがカッコいいんです。キッスは、産業ロックとか言われたり、メイクとか火吹きとか、ギミックに話題が行きがちだけど、それだけじゃないよって思いがあって、この曲を挙げました。 ――最後は、キング・クリムゾンの「THE GREAT DECEIVER」です。 鈴木:プログレだけどハードロックしてる曲ですね。プログレって、芸術的なりフとか展開のカッコよさがあるけど、この曲は極悪に聴こえるんですよ。破壊神みたいな、こんなに悪意に満ちたリフはないなって。 ――ロバート・フリップは頭の良い人だから、知恵を使った悪みたいな曲ですね。 鈴木:それは良い表現ですね。ロバートは心のどこかで極悪なんですよ(笑)。クリムゾンは、「21世紀の精神異常者」や「太陽と戦慄」から入るのが普通ですけど、これはとにかく音がすごい。 ――逆に若いロックファンには入りやすいかもしれないです。バトルズとかマーズ・ヴォルタとか、激しく変拍子の多いバンドに近い要素が入ってるので。 鈴木:その元祖ですからね。あと、ハードロックファンにもプログレを聴いてほしいなって思いでこれを入れました。 ――10曲挙げてもらいましたが、70年代ハードロックって独特な匂いがありますよね。 鈴木:ありますね。この10曲は、若い人に聴いてほしいなっていうのと、俺の好きなバンドをもっと広めたいって思いの入った選曲になりましたね。もう2010年代も真ん中なのに、俺は70年代ハードロックに惹かれちゃうんですよ。最近はもっとロック漬けになろうと思って、何するときでもiTunesのハードロックチャンネルをずっと流してるんです。自分らの曲を練習してる間も、違う曲流してますから(笑)。とにかく日本でもハードロック好きが増えてほしい。聴く人も演る人も。こんなにすごい音楽があるんだから。その布教活動を俺はしてるところがあって、実際に、3〜4ヶ月に1回、高円寺Show Boatで『ハードロック喫茶ナザレス』ってイベントをやってるんです。 ――そうなんですか。どんなイベントなんですか? 鈴木:夜の11時から約5時間、俺がDJでハードロックをかけ続けてるっていう。ステージのど真ん中に俺が座って音楽かけて、お客さんと向かい合って聴くってイベントなんです。マンガ読んでる人もいるし、寝てる人もいるけどそれで良いっていう(笑)。マニアックな選曲で、ハードロック好きな人なら楽しめると思います。次は、10月18日にやります。でも最近お客さんが増えて、チケット売り切れて新しい人が来れないのがジレンマで。これじゃあ布教活動にならないし、もっとデカいハコでやろうかなと思ったりしてます。 ――ぜひやってください(笑)。鈴木さんは、とにかく今もハードロックどっぷりなんですね。人間椅子の音楽性の濃さの理由が分かったような気がします。 鈴木:そういうのを踏まえた3人が作ってるから、当然70年代の匂いプンプンの音楽になるんです(笑)。今回のアルバム『無頼豊饒』もその延長ですね。 ――ということで、次回はニューアルバム『無頼豊饒』の話を聞かせてください。(後編に続く) (取材・文=土屋恵介)
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人間椅子『無頼豊饒(初回限定盤)(DVD付)』(徳間ジャパンコミュニケーションズ)

■リリース情報 『無頼豊饒』 発売:6月25日 価格:初回限定盤(CD+DVD) 4800円(税込)    通常盤(CD) 3086円(税込) ※初回限定盤、通常盤ともに共通のアートワーク <収録内容> 01.表徴の帝国 02.なまはげ 03.地獄の料理人 04.迷信 05.生まれ出づる魂 06.悉有仏性(しつうぶっしょう) 07.宇宙船弥勒号(うちゅうせんみろくごう) 08.リジイア 09.ミス・アンドロイド 10.グスコーブドリ 11.がらんどうの地球 12.結婚狂想曲 13.隷従の叫び <DVD収録内容> ※初回限定盤のみ 『バンド生活二十五年~猟奇の果~』 @TSUTAYA O-EAST (2014年1月18日より) 1.新調きゅらきゅきゅ節 2.爆弾行進曲 3.時間からの影 4,怪人二十面相 5.九相図のスキャット 6.ねぷたのもんどりこ 7.品川心中 8.踊る一寸法師 9.相剋の家 10.蜘蛛の糸 11.針の山 12.猟奇が街にやって来る ■ライブ情報 『人間椅子ワンマンツアー「二十五周年記念ツアー ~無頼豊饒~」』 8月20日(水)仙台 LIVE HOUSE enn 2nd 8月22日(金)青森 Quarter 8月24日(日)札幌 Bessie Hall 8月30日(土)熊本 B.9 V1 8月31日(日)博多 DRUM Be-1 9月3日(水)広島 HIROSHIMA BACK BEAT 9月4日(木)香川 高松 モンスター 9月12日(金)大阪 梅田 Shangri-La 9月14日(日)名古屋 Electric Lady Land 9月20日(土)恵比寿 LIQUIDROOM ■「なまはげ」MV(6/25発売AL「無頼豊饒」より) http://youtu.be/CLoUY1kA4ZY ■「無頼豊饒」 ダイジェスト http://youtu.be/sGvsk1W_2Jc

最初は叩かれた!? アニメ制作会社・スタジオディーンがボーカロイドを生んだ理由【前編】

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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モーターサイクルショーでの「スタジオディーン」ブースの様子。
 ことの始めは、5月に行われたモーターサイクルショーだった。新型バイクやカスタムパーツなど(……と、自動車系イベントと比べると若干露出度の多いコンパニオンのおねーさん)の展示が行われるとあって、まったくのプライベートでフラフラと出かけてきたわけだが、会場の一角で見覚えのある文字が目に入ってきた。「スタジオディーン」。言わずと知れた老舗アニメ制作スタジオである。ブースを見れば、キャラの描かれた痛車とコスプレのおねーさん。その痛車もなぜかオフローダーという異色の組み合わせ。痛車に描かれたキャラの名は、『蒼姫ラピス』と『メルリ』。この2人のボーカロイドをプロモートするアニメスタジオの意図とは? まずは「なんでアニメスタジオがモータースポーツに?」という素朴な疑問をぶつけるべく、日を改めて担当者を直撃してみた。 「おたぽる」で続きを読む

2丁目で大人気!“村岡印刷さん”鈴木亮平の脱ぎっぷりがスゴい!

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
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NHK連続テレビ小説「花子とアン」公式サイト「村岡英治役 鈴木亮平インタビュー」より
「優しい内面が笑顔に溢れている」「知的で長身のイケメン」──大人気の朝ドラ『花子とアン』(NHK)で、このようにいま人気を集めている俳優・鈴木亮平。鈴木は吉高由里子演じるヒロイン・花子の夫であり、村岡印刷の御曹司でもある村岡英治役を演じているのだが、彼の優しく花子を見つめるまなざしや紳士的な姿に、お茶の間はたいそうキュンキュンしているらしい。しかし、鈴木の姿に胸を疼かせているのは、お茶の間だけではない。鈴木の人気が著しく急上昇しているのは、日本屈指のゲイタウン・新宿2丁目だ。  というのも、かつてマツコ・デラックスも編集を務めていたゲイ雑誌「Badi」(技術と人間)7月号の「ゲイが好きな芸能人嫌いな芸能人2014」というランキングで、鈴木は堂々の3位にランクイン。『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)でもそのランキングが紹介されたが、マツコはそのなかで鈴木を栄えある第1位に選んでいる。それほどまでに鈴木が2丁目のみなさんを魅了するポイントとは、一体どこにあるのだろうか。

アイドルが売れるには厄介オタも必要!? 姫乃たまが濱野智史に“ガチ恋の心理”を尋ねる

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地下アイドルでありながら、ライターとしても活躍する姫乃たま。

【リアルサウンドより】  貴重な休日に呼び出した濱野智史さんに、「姫乃たまはどうしたら売れますかね」と聞くと、寝癖のついた髪を揺らして、えっと驚いてから「ああ、なんで売れないんですかね」と呟きました。そもそも売れる気はあるのかと、小一時間問いただしてやりたくなるような、ぼんやりした地下アイドルの私を前に「考えることは好きなんで大丈夫です」と言って頭を抱えてくれました。  いまはアイドルグループのプロデューサーとして活躍している濱野さんも、数ヶ月前までひとりのアイドルオタクであり、さらに数年前まではアイドル文化にあまり理解のない社会学者でした。「アイドルなんか全然好きじゃなかったですよ。童貞がアイドルの手を握りたいからCD買ってるとか思って、むしろ馬鹿にしてました。音楽チャートも握手会やった順になってるし」  最初にAKB48を好きになった時も、画面越しに眺めるだけで、現場に足を運ぶのは抵抗があったそうです。私も地下アイドルライブに出演するたび、ビギナーの方への敷居の高さを感じます。アイドルにお金をかける自分への気恥かしさなどから、現場に行けない人がたくさんいると濱野さんは言います。 「僕も在宅(現場には足を運ばないファンのこと)の時期に、周りの人間からイベントに誘われても、行かないって思ってました。別に普通に好きなだけだから、とか、そういうこと格好つけて言っちゃうんですよね。そこがもうすでにオタクっぽいんだけど(笑)。この段階の人は、僕の感覚だとまだまだ多いですよ」  しかし、ハマれ。さらば救われる! 根っからのフィールドワーカーだった濱野さんは「現場に行かないとわからないことがある」と、足を運んだAKB48の握手会で、全てのファンが幸せそうにしている空間に衝撃を受けました。そしてアイドルを応援する楽しさを確信したのです。  私はアイドルのファンになったきっかけや理由を聞くのが好きです。アイドルに夢中になるより先に16歳で地下アイドルになり、舞台裏をのぞいてしまったせいで、アイドルファンの話は近いのに遠い世界のことのようで面白いのです。アイドルの応援が楽しくないわけがないと濱野さんも言います。「そりゃあ楽しいですよ。純粋にアイドルを応援している時の気持ちは、恋愛における片思いに似ているし。人は子どもを作らないといけないから恋愛に似た行為は楽しくなるようにできてますよね」  濱野さんの話を聞きながら、ふとファンは私に片思いのような気持ちを持っているのか気になりました。40~50代を中心に、親戚の女の子を見るような目で見守ってくれているファンの人たちです。あんまり恋愛対象にされている感じはありません。「たいていのアイドルは歌や踊りの技術はそんなに高くないから、好きになってもらうには、あの子なんかいいなって思ってもらうしかないですよね。それは恋の始まりに似ています。だから純粋に応援しているファンっていうのは、(本気で付き合いわけじゃなくても)みんなガチ恋だと言っていいと思います」。なるほど、たしかに現場にいるファンの動物的な情熱は恋愛に似ています。  また、「若くてお金のないオタクにとってガチ恋はコスパがいい応援の仕方」という話に驚かされました。ピンチケと呼ばれる若いファンの男の子たちが、同世代のアイドルに自分はガチ恋だとアピールするのは、記憶に残れるかもという考えからだというのです。「年齢も近いから、もし同じ学校にいたら何かあったかもしれないと思うこともあるでしょうけど、基本的にはアイドルオタクですから。それで記憶に刺さればいいなくらいの気持ちですよ」。現実的な恋愛に発展させたいというよりは、ファンとして認知されることを重視した行動だったんですね。恋に似ているけれど、恋じゃないのです。  しかしこのガチ恋をこじらせるといわゆる「厄介オタ」になってしまいます。そして厄介オタになる原因は、恋愛が成就しないという単純な理由ばかりではないようです。応援しているアイドルが売れなかったり、グループの中で干されたりしていると、純粋に応援する楽しみが失われて、こじれていく場合もあると濱野さんは言います。こじらせる方向は厄介オタだったり、病めるオタだったりと様々です。私もこじらせオタを今までたくさん見てきました。アイドルがいないところでこっそり病んでしまう人から、こんなグループや事務所は辞めた方がいいと忠告したり、果ては女の子が立ち直れなくなるまで説教してしまう人など、本当にいろいろです。  正直なところ私は、趣味でそこまで苦しむことないのにと本気で思っていました。そんな風に理解がないせいか、五年間のアイドル生活で厄介オタも病めるオタもファンにいたことがありません(鈍くて気づかなかっただけかもしれないですが)。私に恋をしたり、説教したり、アンチになったり、議論する人もいませんでした。ただ純粋に応援だけでなく、こうしたファンからも影響を受けなければ、アイドルとして売れないということは薄々気付いています。それを伝えると濱野さんは、「そんなにみんながいいねいいねって言い合う現場もなかなかないから、それはそれでいいじゃないですか」と笑って、ようやく頭を抱えるのをやめました。  「でも30代くらいになるとガチ恋を自称するのって恥ずかしいんで、姫乃さんが40~50代のガチ恋に代わる言葉を作ったらいいと思いますよ」と言ってくれました。なるほどなあ。セカンドライフとかでいかがでしょうか。 ■姫乃たま 1993年2月12日下北沢生まれの地下アイドル。2009年より都内でのライブ活動を中心に地下アイドル活動を開始、2011年よりライターとしても活動している。他に司会やDJ、イベンターなど活動は多岐にわたる。 [twitter] [地下アイドル姫乃たまの恥ずかしいブログ] [姫乃たまのあしたまにゃーな

【C86三日目】“ラスボス”だけじゃない! 国会議員もブースに立つコミケ【コスプレ写真あり】

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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小林幸子のサークル「5884組」には長蛇の列が。
 コミックマーケット86三日目は夏コミならではの暑さでスタート。三日目といえば、男性向けがメインだが評論スペースには現役国会議員が登場するなど、盛りだくさんの内容。  朝も早くから並ぶ人もいる一方で、行列が動き始める10時を回ってからも会場にやってくる人が途切れない三日目。そんな中、東館でとんでもない行列を作っていたのが、小林幸子のサークルである。近年はさまざまなトラブルのあった大御所歌手が、新たなステージとして選んだのがコミケだったのだ。彼女の初出展の品々を手に入れようと、とんでもない行列ができていた。ニコニコ動画で人気ということもあってか、行列は老若男女問わず。 「おたぽる」で続きを読む

“ママ友いじめ”江角マキコの失敗を話題の本『女子の人間関係』に学ぶ

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
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「江角マキコ オフィシャルブログ」より
 先月30日に、自身のブログでママ友からイジメられた過去を告白した女優の江角マキコ。「お弁当を作らずメロンパンをポンと持たせている」といった「想像力豊かな内容」のウワサを立てられたり、「露骨に無視をされたり、お茶会やランチ会をその噂を広めるために開かれたり」「子どもと一緒にいる時に無視をされたり、嫌味を言われたり」といった陰湿ないやがらせの実態をつづり、大きな話題を集めた。  しかしその1週間後には、「女性セブン」(小学館)や「週刊新潮」(新潮社)にイジメの加害者とされたママ友たちの反論文が掲載された。「子どもの教育に悪いからという理由で、肩掛けカバンからランドセルの通学を義務付けするよう賛同者を募集していた」「江角がママ友内でAさんに『「Bさんがあなたの悪口を言っていたよ』と言い、Bさんには『Aさんがあなたの悪口を言っていたよ』と言っていた」と、江角の極端な行動に多くの保護者が困惑していたと報じたのだ。  ねじれてしまった両者の言い分だが、互いに不満を感じていたというのは事実だろう。そしてこういったママ友との関係の破たんというのは、誰に身にでも起こること。それゆえ、今回の騒動に大きな関心を寄せられているのだ。そこで、江角の行動を例に、ママ友との関係にほころびが見られたときにどうすればいいのかを、精神科医・水島広子氏の『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)から学んでみよう。

海の家のクラブ化、危険ドラッグ、EDMブーム……磯部涼と中矢俊一郎が語る、音楽と社会の接点

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磯部涼『踊ってはいけない国で、踊り続けるために ---風営法問題と社会の変え方』(河出書房新社)

【リアルサウンドより】  音楽ライターの磯部涼氏と編集者の中矢俊一郎氏が、音楽シーンの“今”について語らう新連載「時事オト通信」第1回の後編。前編【磯部涼×中矢俊一郎 対談新連載「グローバルな音楽と、日本的パイセン文化はどう交わるか?」】では、日本のヒップホップ文化全般のあり方を、ヤンキー社会に顕著な“パイセン文化”という観点から読み解いた。後編では、海の家のクラブ化問題や危険ドラッグについて、さらにEDMブームのグローバル性まで、音楽と社会に関わるアクチュアルな問題について議論を深めた。

海の家のクラブ化問題

中矢:ところで、去年の夏はテレビなどで「海の家のクラブ化」が社会問題になっているとよく報じられましたよね。そんな海の家で流れているのも、今はEDMが主流なんですかね? 磯部:EDMでもJ-POPでも、とにかくアガるものだったら何でもかかるって感じだと思うよ。クラブ・ミュージックと海の家の関係っていうと、レゲエ・バンドのHomegrownを生んだ葉山の<OASIS>とか、野村訓一氏がやっていた辻堂の<Sputnik>がよく知られているけど、そっちはもっと洗練された感じで、いま問題になっているようなガラが悪い方向に行ったのは、サイケデリック・トランスのイベントをやる店が増えてからだろうね。『men’s egg』(既休刊)の人気読者モデルだった植竹拓ことピロムの回想録『渋谷(ピロム)と呼ばれた男』(鉄人社、2013年)には、もともとはヒッピー色が強かったサイケデリック・トランスが、2000年代初頭、渋谷でポスト・パラパラとしてギャルとギャル男に受けて、それに目を付けたエイベックスが<ヴェルファーレ>でイベント「サイバートランス」を開始したことによって大きなムーヴメントになっていく過程が描かれている。そして、いわゆる野外レイヴにもギャル/ギャル男客が押し寄せるんだけど、彼らのマナーの悪さは有名で、最近もジュークのトラックメーカーである食品まつりが「ギャル、ギャル男とかの間でサイケトランス流行ってた頃に野外パーティ手伝った時に、パーティ後そこら中にテントごと捨ててあったの思い出して、そうゆうパーッとした生き方もあるんだと今もたまに思い出す。けど片付けが死ぬほど大変だった」なんてツイートしていて笑ったな。山奥だとまだ世間と隔離されてるからそれぐらいで済むとして、それが海に来たら……当然、地元と揉めるよねっていう。以後、サイケに限らずガラの悪い若者に受けるチャラ箱風・海の家が増えて色々と問題を起こした末に、今年は逗子市がかなり厳しい条例を制定して話題になっている。 中矢:結局、何が「問題」なんでしたっけ? 大音量の音楽に周辺住民が迷惑をしている……とか? 磯部:騒音問題もあるんだけど、さっき挙げた逗子市の「安全で快適な逗子海水浴場の確保に関する条例及び施行規則」は音楽を流すことだけでなく、「砂浜で酒を飲むこと」や、「入れ墨を露出すること」も禁止しているから、まぁ、ガラが悪い若者を排除しようとしていると言っていいだろうね。昨夏、逗子海岸では喧嘩の末の殺人事件すら起きているから、市としても動かざるを得なかったんだと思う。 中矢:そうなると今年の夏、クラブ化する場所が逗子からどこかへ移ることもあり得るんですかね。 磯部:実際、昨夏に藤沢市の片瀬西浜海水浴場が他の地区に先立って音楽を禁止したため、若者が逗子と鎌倉に流れて荒れたことで件の「安全で快適な逗子海水浴場の確保に関する条例及び施行規則」の制定に至ったんだよね。結果、この夏の逗子海岸は静かになってファミリー層には好評みたいだけど、海水浴客の総数は激減して海の家の組合からは不満も聞こえてくる。一方、若者たちは依然として規制が緩い鎌倉に流れていて。松尾崇・鎌倉市長は「何かを排除することなく皆が楽しめる海水浴場を目指したい」と発言しているし、意図的に規制緩和路線を進めている節もある。さて、このまま逗子が落ち込んでいくのか、あるいは、鎌倉で問題が起きたりしないのか、この夏の湘南は、規制と経済のバランスを考える上でも注視しておきたいね。 中矢:日本の公共空間というのは、マナーとルールとモラルが混在しているし、何が本当にダメなのか曖昧な部分が多いように思います。 磯部:曖昧に成り立っていたものに対して、法できっちり規制していこうというのが近年の傾向だろうね。やはり話題になっている風営法とクラブの問題もそう。例えば、僕が編集した『踊ってはいけない国、日本』(河出書房新社、2012年)では、社会学者の宮台真司氏がその原因について「地域共同体が弱体化したことにより生まれたいわゆる“新住民”が、何か問題が起こった時に自分で文句を言いに行かず、すぐ行政に頼るがために過剰な規制が生まれている」というようなことを語ってくれた。ただ、“新住民”化しているのはクラブも同じで、地域のことなんて意に介さない店も多い。湘南の海の家にしても、昔は権利を持っている地元の人がやっていたのが、00年代に入って権利を企業に貸すようになって。そのおかげで盛況になったものの、やり逃げのような経営をするところも増えて風紀は乱れた。クラブに関しては、一部の事業者は地元との関係を修復する方向に動いているけど、全ての事業者がそうなるとは考えられないから、僕は程よい規制の在り方を考えるしかないと思っている。 中矢:ところで、アメリカは日本より何かとオープンな印象がありますが、カリフォルニア州の場合、アルコールに対しては厳しい。コンビニではビール一缶を買うときでも必ず袋に入れられるし、午前2時から6時までお酒の販売が禁止されています。だから、クラブは大体2時で閉店する。他方で、医療大麻は合法なので、公園で学生たちがジョイントを堂々と回していたりしますけど、それを咎める人もいない。 磯部:そうそう、アメリカやイギリスはリカー・ライセンス(アルコールの販売許可)の取得も難しくて、それが合法クラブをつくるハードルになっていたりもする。あっちのアルコールに対する厳しさは宗教観も関係しているのかな。一方、日本は寛容だけど、逗子の件は公共の場におけるアルコールの在り方が問われた珍しい事例と言えるだろうね。それにしても、海で暴れている若者たちはEXILEのメンバーみたいなルックスをしているのに、同グループに顕著な日本的集団主義が見られず、世間というグループから突出した行動を取ってしまっている。そこには、HIROさんのような目を光らせているパイセンが不在なのかもしれない。

脱法ドラッグにカルチャーはあるか?

中矢:社会問題といえば、去年あたりアメリカではMDMAの粉末をカプセルに入れた“モーリー”がEDMのブームとリンクしながら大流行しましたけど、日本では脱法ドラッグが“危険ドラッグ”と呼び変えられて再び話題になっていますよね。2012年頃にも同ドラッグをめぐる事件が相次いで社会問題化しましたが、1年ほど前に私と磯部さんが10代のドラッグ事情に関する記事を作った際は、「脱法ドラッグはダサい」という認識が若い子たちの間で広まっていたように感じました。なぜ、ぶり返しているように見えるのか……。 磯部:最近、危険ドラッグによるトラブルがまた増えているのには恐らくふたつの理由があって、ひとつは報道を見て、ほとんどの人間は恐怖や嫌悪を感じるだろうけど、中にはそれをきっかけに興味を持って試してみる人間もいるということ。つまり、危険性のアピールが逆効果をもたらすと。2012年の脱法ドラッグ・パンデミックでも同じような事態が起きたよね。それと、もうひとつの理由としては、前回のパンデミックを収拾させるため、2013年に厚生労働省が包括規制を導入したわけだけど、それを受けて業者がまだ規制されていない新手の薬物を使うようになったり、検出されにくくなるのを狙って様々な薬物を混ぜ合わせたりするようになったため、ドラッグの酩酊効果がより強烈かつ予想しづらくなったということが挙げられると思う。もともと、合法ハーブと呼ばれていたものってもっと緩い効果だったのに、規制がモンスター化させてしまったという。 中矢:しかし、危険ドラッグと音楽に接点はあるんですかね? アメリカのヒップホップだと、パープル・ドリンク(コデイン配合の咳止めシロップをソーダで割ったもの)について歌ったエイサップ・ロッキーの「Purple Swag」とかがありましたけど。 磯部:最近、「危険ドラッグ、4人に1人経験=クラブ利用の16歳以上男女」というニュースが出回っていて、「風営法の規制緩和路線に対するネガキャンか」「サンプル数=355名で“クラブ利用者”と一般化するな」みたいな批判がされているものの、それでも、この調査結果が本当だとして、僕の予想より遥かに多くて普通にびっくりしたけどね。しかも、元になった報告書によると調査対象となったイベントは「すべてreggae/dancehall」だそうで、レゲエ/ダンスホールのひとたちはケミカル・ドラッグを嫌う印象があったんだけど、ひょっとしてこれは新たな文化の萌芽なのだろうか……っていうのは冗談として、大麻系にせよ、覚醒剤系にせよ、睡眠薬系にせよ、危険ドラッグは結局が何か別のドラッグの模造品だから、大麻やLSDやMDMAのように「危険ドラッグ特有の効果が新しい音楽を生む」みたいなことはないだろうし、最近、問題になっている新手のやつは効果が強過ぎて音楽をつくる前にぶっ倒れちゃうんじゃないかな。 中矢:なるほど。そういえば、大麻解放論者は「大麻を解放すれば、危険ドラッグに手を出す人はいなくなる」と主張したりしますけど……。 磯部:開沼博氏も『漂白される社会』(ダイヤモンド社、2013年)で「日本では“違法”ドラッグのハードルが高いから、“脱法”ドラッグに流れるひとが多い」みたいなことを書いていたけど、大麻に寛容なアメリカでも、マイアミで起きた人食い事件の原因になったと言われるバスソルトが流行ったりしていたからね。あと、モーリーもほとんどはピュアなMDMAが入っているわけではなく、様々な薬物が混ぜ合わせられた“危険ドラッグ”だし。要するに、どうしたって人間のドラッグに対する興味は尽きることはないんだから、この問題でも的確な規制と、あと依存者に対しては取り締まるだけでなく、治療を施していくことが重要なんじゃないかな。

グローバル化の一現象としてのサマー・オブ・ラブ

中矢:最後に日本とアメリカ以外の世界にも目を向けた話をできればと。もうだいぶ経ってしまいましたけど、ワールドカップの時期、コンビニなどでブラジル音楽をわりと耳にしたんです。「今お聴きいただいたのは、セルジオ・メンデス&ブラジル’66の世界的ヒット・ナンバー『マシュ・ケ・ナダ』でした」とかちょっとした解説もあったり。だから、90年代にブラジル音楽はブームになったけど、今回のワールドカップを機にまた日本で流行ったりすることもあり得るのかなと思ったんです。結局、特に盛り上がらなかったですけど、90年代にブームになった経緯を振り返ったりして。あの時代、アシッド・ジャズの文脈からブラジル音楽がクラブ・ミュージックとして受容されるようになった後、「サバービア・スイート」で紹介されたボサノヴァがカフェ・ブームとシンクロしていきましたよね。で、今やエクセルシオールみたいなチェーン店のBGMでもボサノヴァは当たり前に使われ、渋谷直角の『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』みたいな本も話題になったわけですが。 磯部:今回のワールドカップに関連して日本で良くも悪くもいちばん話題になった音楽は椎名林檎の「NIPPON」だからね……。ほとんどのひとはワールド・カップを“世界で頑張る日本人”みたいな愛国番組の延長でしか観てないでしょ。リンダ3世の「ブラジリアン・ライム」とか面白かったし、音楽ファンの一部ではアントニオ・ロウレイロとかいわゆる新ミナス派が話題だけどね。あと、ポスト・バイリ・ファンキとしてのテクノ・ブレーガとか? 中矢:テクノ・ブレーガは北部の都市ベレンを発祥の地とする音楽で、基本的にブレーガという土着のポップスの80年代音源を、クラブ・カルチャーを通過したプロデューサーたちがリミックスしたものなんですよね。ガビ・アマラントスバンダ・ウオといったアイコンがデビューした2012年頃から、ブラジル全土で流行り始めているそうですが、ビジネスモデルもユニークといわれている。リミックス作業が中心の音源製作は低コストなので、完成したCDは露天商に超安いコピーを販売させることで、パーティに集客する広告として機能しています。実際、1万人以上が集まるパーティもあるらしくて。ただ、バイリ・ファンキのように国外でも注目される音楽になるのか、まだ何ともいえないところかなと。 磯部:バイリ・ファンキもパッケージよりパーティが重要みたいだから、そこも近いんだろうね。あと、最近のグローバルなベース・ミュージックの潮流とリンクしているようなところもあるし、もっと注目されそうな気もするけど。 中矢:バイリ・ファンキに関しては、M.I.A.の「Bucky Done Gun」に当時の彼氏であるディプロが取り入れたことで、その音楽の存在が国外でも広く認知されましたよね。 磯部:M.I.A.前夜、日本でバイリ・ファンキが注目され始めた頃はまだググれば何でも出てくるような時代ではなかったので(http://youtu.be/2Dd1P3VSuww)、同ジャンルをDJでよくかけていた露骨KITから「向こうのバイリ・ファンキのパーティでは、フロアにノーパンの男が一列に並んで、女の子は順番にピストンしていくらしいよ!」って教えてもらって、「すげー!」っていちいちカルチャー・ショックを受けていたし、実際、バイリ・ファンキの音にも欧米や日本にはない荒々しさが漂っていたとも思う。ただ、その後のネットの普及や、ベース・ミュージックのようなグローバルなムーヴメントの拡大によって、そういうエキゾチシズムやローカリズムを感じさせるジャンルは少なくなってきたよね。テクノ・ブレーガも洗練されてるでしょう。 中矢:先程も話に出たようにグローバルとローカルという言葉を掛け合わせた、グローカル・ビーツという言葉がキーワードになっていた時期がありましたよね。バイリ・ファンキのほかに、アンゴラのクドゥロ、アルゼンチンのデジタル・クンビア、インドネシアのファンコットなどがそれに当たると思いますが。 磯部:それがEDM以降、グローカル・ビーツが単なる“グローバル・ビーツ”として均質化していったと思うんだよね。K-POPなんかも、00年代はサウンドに独特の“訛り”があったのが、東方神起や少女時代のUS進出を機に徹底的にグローバライズが押し進められた印象があるし、最近、DJのwardaaがツイートしていた「ジャマイカでインターネットが普及して最新トレンドを追えるようになった挙げ句EDMが流行りまくってレゲエが衰退してる」という話には驚いたな。 中矢:なるほど。EDMだって、ロンドン発の重厚なダブステップの流れと、パリの洒脱なエレクトロの流れが合流して発生したものですけど、その2つの特性を大雑把に取り込んだダンス・ミュージックともいえる。そんな音楽は世界中に浸透しているわけですが、まだしばらく勢力は衰えないのかな? 磯部:柴那典氏の『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』(太田出版、2014年)にしろ、皆、何かのムーヴメントが起こるとサマー・オブ・ラヴに例えるのが好きだけど、EDMは、モーリーの流行と合わせて考えれば、それこそまんま“サマー・オブ・ラブ”でしょう。そして、サマー・オブ・ラブって“お前はお前の踊りを踊れ”の真逆というか、“皆が同じ踊りを踊る”ことで自己という呪縛から解放されるムーヴメントなわけで、そりゃあ、没個性化していくよなぁっていう。ただ、ファーストでもセカンドでもサマー・オブ・ラヴが終わったあとは反動のように内省的な表現が増えたし、EDMが終わったあとに何が始まるのかにも興味があるけどね。 (構成=編集部) ■磯部 涼(いそべ・りょう) 音楽ライター。78年生まれ。編著に風営法とクラブの問題を扱った『踊ってはいけない国、日本』『踊ってはいけない国で、踊り続けるために』(共に河出書房新社)がある。4月25日に九龍ジョーとの共著『遊びつかれた朝に――10年代インディ・ミュージックをめぐる対話』(Pヴァイン)を刊行。 ■中矢俊一郎(なかや・しゅんいちろう) 1982年、名古屋生まれ。「スタジオ・ボイス」編集部を経て、現在はフリーの編集者/ライターとして「TRANSIT」「サイゾー」などの媒体で暗躍。音楽のみならず、ポップ・カルチャー、ユース・カルチャー全般を取材対象としています。編著『HOSONO百景』(細野晴臣著/河出書房新社)が発売中。余談ですが、ミツメというバンドに実弟がいます。

広末涼子、上野樹里に続くは“カゲプロ”!? 「クレアラシル新イメージキャラクター就任発表会」レポ

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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 広末涼子や上野樹里を登用してきたニキビケア用品「クレアラシル」のイメージキャラクターに、なんとマルチメディアプロジェクト「カゲロウプロジェクト」(以下、カゲプロ)のキャラクター・如月モモが就任──。  とどまるところを知らないカゲプロ人気。その勢いを象徴するかのように、8月15日、東京・渋谷のシダックス・カルチャーホールにて掲題の発表会がおこなわれた。もちろん、この開催日8月15日は『カゲロウデイズ』の設定を意識したもの。「カゲプロ」ファンの若者に訴求する仕掛けであることは言うまでもない。 「おたぽる」で続きを読む

ジャニーズ事務所が分裂寸前!? ジュリーVS飯島の派閥抗争が深刻化!

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
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共演できれば大盛り上がり間違いなしだが……
 先日、北海道岩見沢市で行われたロックフェス「JOIN ALIVE」で、ジャニーズとしては初の野外フェス参加を果たしたTOKIO。ウルフルズやACIDMAN、ゲスの極み乙女。ら幅広いアーティストが参加し、来場者の年齢も趣向もさまざまだったが、TOKIOがステージに上がると立ち入り禁止区域にまで人があふれるほどの大盛況。ネット上には、実際にフェスに参加した人の「TOKIOの曲、よかった!」「男でも充分楽しめた」といった声や、「ジャニーズだけで野外フェスをやってくれたらいいのに!」という願望まで飛び出した。  そもそもジャニーズは、嵐とSMAPという二大国民的アイドルグループを擁する。この2組が出演するだけでもフェスは大盛り上がりになることが約束されたようなものだが、夏フェスらしくジャニーズJr.のみのフレッシュなステージや、マッチ先輩や少年隊などの往年のファンを楽しませる渋いステージ、はたまたダンスミュージックを集めたDJコーナーなど、FUJI ROCK FESTIVALのようにステージ割りをしても面白そうだ。──この夢のようなイベントがもしも行われれば、芸能史に残る伝説となりそうだが、しかし、ジャニーズフェスが開催されることは決してないだろう。  その理由は何か。多忙なタレントたちのスケジュール調整ができないからか、あるいは膨大なファンを収容する場所がないからか。そうした物理的な問題もあるだろうが、もっとどうにもならない最大の事情がある。それは、ジャニーズにおける“派閥”の問題だ。

赤西仁、自主レーベルからの新曲は約4万枚売上げ 芸能界復活への足がかりとなるか 

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赤西仁『Good Time (初回限定盤A)(DVD付) 』

【リアルサウンドより】 参考:2014年08月04日~2014年08月10日のCDシングル週間ランキング(2014年08月18日付)  関ジャニ∞の、エイトレンジャー名義でのセカンドシングルが一位。ファンはもちろんご存じだと思うが、これは同名の映画と連動した作品。今回は映画の続編が公開されることになったので、それに合わせたリリースとなった。  ちなみに2012年に発売された1枚目は初週で33万枚を売り上げて、これは年間シングルベスト20に入り、この年に嵐に次ぐ好成績を収めたジャニーズ系のシングルとなった。もちろん、関ジャニ∞のシングルとしてもこの年一番のヒット作だ。それに比べると、初週20万枚という今回は、イマイチ伸びてないということになるだろう。原因はいろいろ考えられて、映画もまあ続編だから注目度が低いのかもしれないし、関ジャニ∞名義でのシングルが7月にリリースされたばかりだからプロモーションやファンの購買意欲が分散されたというのもあるだろう。しかし枚数で見ると7月の『オモイダマ』も初週16万枚だったわけで、今年2月に初週35万枚を記録した『キング オブ 男!』に比べると落ち込みを感じさせる。地力のあるグループなので危なげではないが、この数字的な落ち込みが目立ってしまわないようにしていきたいところ。  2位は赤西仁。ジャニーズを離れ、ワーナーも離れて、自身によるインディーズレーベルからリリースされた1枚目が4万枚弱という数字が多いか少ないかは評価の分かれるところだろう。ちなみに4万枚弱という数字は何か見覚えがあったのだが、これは今年2月にリリースされた、ex.ファンキーモンキーベイビーズのファンキー加藤のファーストソロシングルとちょっと似た数字ではないか。いや、だからダメだというのではない。むしろインディーズで対等の数字を出したのだから、これはすごいのではないか。この結果をうまく利用してアーティスティックな実力派というキャラをなるべく短期で世間に印象づけることができれば、ジャニーズを去ったタレントとして芸能界で一定の地位を築いていけるかもしれないと思う。  5位のSTYLE FIVEは『涼宮ハルヒ』シリーズなどで名を馳せた京都アニメーションによる女子向けアニメ最終兵器『Free!』の第2シリーズ主題歌。3万枚はなかなかの数字だが、昨今のアニメものといえばやっぱり『ラブライブ』のμ'sが2月にリリースしてデイリー1位も獲得した『タカラモノズ/Paradise Live』が超ロングヒットを続けて10万枚に手が届きかけていることで、それに比べればおとなしい印象。アニメ関係のCDはアイドルを筆頭とする3次元ものと違ってまだ複数アイテムやイベント参加券の封入に及び腰で、なかなか初動に目立った動きが期待できない。μ'sなどはDVDやBlu-ray販売のほうで3次元アイドル並みのイベント参加券商法をやって大成功させているので、CDのほうでも似たような動きが増えれば売り上げ的には面白くなるのだが。  あとトップ10で気になるのは9位のゲスの極み乙女。だろうか。メジャーリリースとしては4ヶ月振りの2作目で、そこそこペースが早いながらも前作のミニアルバムを初動でわずかに上回った。リリース戦略的にはようやく軌道に乗せ始めたばかりのバンドではあるが、今後の伸びに期待したい。 ■さやわか ライター、物語評論家。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『朝日新聞』『ゲームラボ』などで連載中。単著に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』『一〇年代文化論』がある。Twitter