“サブカル女優”二階堂ふみが小説連載を開始! その筆力と文化度を検証

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
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二階堂ふみオフィシャルサイトより
 現在、若手のなかでひときわ熱い注目を浴びている女優、二階堂ふみ。NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』では、豊臣秀吉から寵愛を受ける茶々(淀君)の“小悪魔ぶり”を表現し、映画でも『私の男』『渇き。』と注目作に立て続けに出演。なかでも『私の男』は10代にして大胆な濡れ場を演じて話題を呼んだが、11月公開予定の『日々ロック』では一転、キラキラのトップアイドル役を演じるという。  このように群を抜いた演技力でいまや引く手あまたの二階堂だが、一方で芸能界を代表する“サブカル女子”としても有名。セックス・ピストルズのジョン・ライドンをこよなく愛していたり、親交のあるOKAMOTO'Sのアルバムにコーラスとして参加するなど音楽にも明るく、さらにTwitterでオススメの本を尋ねられて、「室生犀星の『性に目覚める頃』今のところ1番好きです。」と答えたり、好きな作家に泉鏡花を挙げるなど、いちいち文化系のツボを押さえまくる“筋のよさ”に、サブカル男子&おじさんたちは歓喜。他方、現在通っている慶應義塾大学では「テニスの王子様サークル」に所属しているという腐女子的な一面も“幅の厚さ”を感じさせる。  そんな二階堂が新たに挑戦しているのが、小説の執筆だ。「小説新潮」(新潮社)10月号からスタートさせた連載では、なんと「毎回一冊の本を取り上げ、そこから触発されて生まれた物語」を綴っている。いわば“書評小説”ともいえるものだ。

Eテレ『サブカルチャー史』でゼロ年代を分析 宮沢章夫「逸脱の表現がサブカルチャー」

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『ニッポン戦後サブカルチャー史』公式サイト

【リアルサウンド編集部】  今につながる日本の文化をサブカルチャーの視点から辿る歴史番組『ニッポン戦後サブカルチャー史』の第10回が、10月3日に放送された。最終回となる今回は「ゼロ年代〜現在」がテーマ。宮沢章夫を講師に迎え、風間俊介、市川紗椰、西田藍が出演した。  今回のカギとなる作品は、浅野いにお作の漫画『虹ヶ原ホログラフ』。同作は2003年より『QuickJapan』にて連載が開始し、2006年に単行本化。宮沢は、特にこの期間のサブカルチャーにスポットを当てることによって、ゼロ年代〜現在に通じる文化をひも解こうとした。  ゼロ年代の日本は、小泉内閣の発足や世界同時多発テロといった大きな出来事が続く中、グローバリズムの荒波に揉まれ、特に製造業が大きく落ち込み、若者の失業や非正規雇用問題が深刻化した時代だ。一方でテクノロジーの世界は急速に成長、IT業界では企業ブームが起こり、SNSや携帯ゲームが発展した。2004年には『電車男』がベストセラーになるなどして、オタクカルチャーが完全に市民権を得た時代でもあった。  『虹ヶ原ホログラフ』は、そんな時代の不安を表すような作品であると番組では位置付けられた。郊外の街の小学生の間で「トンネルの中に潜む怪物が世界を終わらせる」という噂が流れ、日常に潜む悪意が小学生たちを残酷に、かつ静かに狂気の世界へと誘うストーリーで、浅野は本作について「こんな作品はもう描けないと思います」とコメントを寄せている。  宮沢は、同時期に描かれた作品のひとつとして、黒沢清の映画『アカルイミライ』を挙げ、これらの作品は表現の質が似ていることを指摘。風間は「今までの作品はディストピアを描く際、崩壊する街の中でたくましく生きるひとを描いていたが、ゼロ年代のディストピアは精神的なものであって、日常の中にそれが出ている」と述べた。  宮沢は、サブカルチャーのキーワードとして「逸脱」という概念を挙げ、吉見俊哉と北田暁大による編著『路上のエスノグラフィ』を引用。サブカルチャーによる「支配への抵抗」だったはずのロックやレゲエが、いまでは「消費の対象」になっているが、「支配層」によって「逸脱」のレッテルを貼られた者による表現自体は数多く存在している、という趣旨を説明した。また、今までの方法では表現できないものを、逸脱することによって表現するのがサブカルチャーの本質だと持論を展開、昨今における様々な例を挙げた。  その一つとして挙げられたのは、地方でのヒップホップの流行だ。都築響一による『ヒップホップの詩人たち』には、富田克也監督の映画『サウダーヂ』で主演を務めた山梨のラッパー・田我流の言葉も記録されている。宮沢は「ラップがこんなに日本の地方で歌われているのは、地方が寂れているという現実があるから。気付いたら自分が逸脱した道を歩かなければいけなかったというのが共時的にこれらの作品には流れている」と、紹介した数々の作品の共通項を延べた。  また、現在「COOL JAPAN」と称し、国の政策として積極的にサブカルチャーを輸出しようとしていることに対しては「官だからこそ発信できるものがあると思うけど、それがサブカルチャーそのものとかみ合うかというと、わからない」と指摘。サブカルチャーという言葉を使わず、まずはオタク文化として発信していくことを提唱した。  番組の最後に宮沢は「インターネットでどこの情報でも見れるようになった現代、もしかしたら新しいサブカルチャーが生まれるのは、どこかの街ではなくて、ネット空間なのかもしれない。(中略)その中心はGoogleなのかもしれない。だから検索で上位に出てきたものだけを見ていてはいけない、それが全てではない。一番下にあるものこそ、新しいサブカルチャーかもしれないのだから」と、これからのサブカルチャーの方向性を示唆した。  全10回に渡り、日本の戦後サブカルチャー史を追ってきた同番組。その年表は下記サイトで確認可能だ。 サブカルチャー年表 - ニッポン戦後サブカルチャー史/NHK (文=向原康太)

海外で“妹萌え”は危険? ドイツ近親婚騒動が浮き彫りにしたインセスト・タブーの違い

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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みだらな女(富士見書房/現・KADOKAWA)
 先日、複数のメディアで「ドイツで近親婚をめぐる動き」というニュースが報じられ、話題をさらった。  このニュースの発端となったのは、2012年に発覚した、ドイツで兄と妹が結婚し4人の子供をもうけたことで逮捕、有罪判決を受けた事件。この事件は、有罪判決の後にフランスに本部を置く欧州人権裁判所に不服申し立ても行われたが、判決は覆らなかった。  これに対して、ドイツ政府の諮問機関である倫理委員会は、刑法が「自発的な市民の性交渉を制限するものではない」として、双方同意の上でのきょうだい間の性交渉や結婚に対する刑罰の廃止についての勧告を発表した、というのが今回の顛末である。 「おたぽる」で続きを読む

高円宮典子女王結婚に隠された意味…出雲大社には朝廷を祟る怨霊が!?

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
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『宮さまとの思い出』(高円宮妃久子/扶桑社)
 高円宮典子女王と出雲大社の権宮司・千家国麿氏との結婚式が10月5日、午前11時から執り行われている。皇族と出雲大社の跡取りの結婚は通常の結婚とはちがう意味をもっているのではないか。リテラでは、二人の婚約の際にその歴史的、政治的意味を分析する記事を配信した。結婚にあたってその記事を以下に再録したので、ぜひ読んでほしい。(編集部) ……………………………………………………………  高円宮典子女王のお相手、千家国麿氏が禰宜をつとめ、次代宮司となるだろう出雲大社とは、縁結びパワースポットとして人気を博す神社でもある。両家の婚約は「さすが、恋愛祈願に効く出雲大社!」といったほのぼのムードばかりが先行するが、果たしてそれだけに留まるニュースなのだろうか? 「プロポーズの言葉は、ございませんでした」  発表会見にて典子女王が語ったように、また2007年より家族ぐるみの付き合いをしているとの情報からも分かるように、この成婚は現代における「普通の個人恋愛」とは一線を画すものだ。むしろここは「家と家との結婚」という面にこそ注目すべき。つまり歴史科学としては1700年、神話におくなら2000年ぶりに天皇家と出雲国造家が固く結びついた、という衝撃こそが重要なのである。

久々の大傑作!? プリンス、2枚のニューアルバムの聴き方

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プリンス『アート・オフィシャル・エイジ』(ワーナーミュージック・ジャパン)

【リアルサウンドより】  プリンスのニューアルバム『アート・オフィシャル・エイジ』と、プリンス&サードアイガールの『プレクトラムエレクトラム』が10月1日にリリースされた。ニューアルバムのリリース自体は2010年の『20Ten』以来4年振りと、そこまで特別に長いインターバルが開いているわけではないが、今回は海外でも日本でもいつになく大きな盛り上がりを見せている。その理由は端的に言って3つ。1つ目は、長年確執のあった古巣のワーナーと18年振りに契約を交わし、近作のような変則的かつサプライズに満ちたリリース方法ではなく、メジャーレーベルによる万全の体制のもとで作品がリリースされたこと。2つ目は、現在のプリンスの創作エネルギーの充実ぶりを象徴するようにまったく異なるコンセプトのアルバムが2枚同時にリリースされたこと。3つ目(サードアイとかけてますよ)は、何よりもその作品の出来が近年のプリンスのアルバムの中では抜群のものであること。特にプリンスの単独名義となる『アート・オフィシャル・エイジ』に関しては、「『ラブシンボル』(1992年)以来の傑作!」と言う人がいたり、「いやいや、『ラブセクシー』(1988年)以来だ!」と言う人がいたり。つまりは、「少なくとも21世紀に入ってからのプリンスの最高傑作」という評価がリリース早々に定まりつつある勢いなのだ。  長いキャリアを持つアーティストの常として、プリンスに関しても世代によってその見方が異なるだろう。自分のような『パープル・レイン』(1984年)直撃世代、これまでの来日公演にすべて足を運んできた(1986年の横浜スタジアムでの初来日公演は、今後も絶対に更新されることがない生涯ベストライブだ)古株ファンの中には、『ラブセクシー』(1988年)『バットマン』(1989年)あたりを最後に、それまでの彼の音楽にあった神々しいまでの革新性と魔法が薄れてしまったことを長年嘆いてきた人も多いだろうし、「プリンス、奇跡の80年代」を後追いで知った世代の中には、90年代、00年代の作品にも強い思い入れを持つ人も多いだろう。今回の『アート・オフィシャル・エイジ』と『プレクトラムエレクトラム』の事件性は、その両方のファンを唸らせるだけの有無を言わさぬ魅力を放っていることだ。  もっと若いリスナーにしてみれば「そもそも今回のプリンスとプリンス&サードアイガールの作品、一体どこがどう違うの?」という疑問を持つ人もいるだろう。これ、ものすごく乱暴な喩えで言うと、椎名林檎が椎名林檎名義の超ポップなアルバムと東京事変名義の超ポップなアルバムを同時にリリースしたようなものと言ったら、そのインパクトの大きさがちょっとは伝わるだろうか。プリンスの熱心なファンにも椎名林檎の熱心なファンにも怒られそうだけど。  思えば、プリンスの歴史的名作とされてきたアルバムの多くは、明確な音楽的なコンセプトを持っていた。来るべきデジタル時代のファンクを予見していた『1999』(1982年)、大衆ロックオペラ(メロドラマ)を極めた『パープル・レイン』(1984年)、プリンス流サイケデリック絵巻『アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ』(1985年)、ヨーロッパ趣味とJBファンクの華麗なる融合『パレード』(1986年)。ファンク/リズム&ブルース/ロックンロールの伝統の継承者であると同時に革新者であり、繊細なシンガーソングライターでもあり、あらゆる楽器を操る万能プレイヤーでもあるプリンス。そのあまりに巨大すぎる才能は、アウトプット(=作品)のコンセプトをある程度限定しないと、収集がつかなくなってしまうのだ(その収集がつかないまま、それでもアルバムとして奇跡的なバランス保っていたのが1987年の『サイン・オブ・ザ・タイムス』である)。
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プリンス&サードアイガール『プレクトラムエレクトラム』(ワーナーミュージック・ジャパン)

 今回の『アート・オフィシャル・エイジ』と『プレクトラムエレクトラム』の成功の理由も、そこにあると自分は考える。相変わらずの気まぐれからなのだろう(そもそも今年春にワーナーとの再契約が発表された時には『パープル・レイン』30周年盤のリリースが予告されていた。もう30年過ぎちゃったじゃないか!)、アルバムの2枚同時リリースが突然発表されたわけだが、結果的に『アート・オフィシャル・エイジ』は主にプリンス一人による多重録音によるミニマルなファンクアルバム、『プレクトラムエレクトラム』はバンドサウンドによる古典的なファンク/ロックンロールアルバムと、それぞれサウンドの焦点が絞られたものとなった。両方の作品には「ファンクンロール」という、そのものズバリ、ファンクとロックンロールを合わせた造語が冠せられた同名曲が収められている。オーソドックスなバンドスタイルによる怒濤のファンクチューンとなっている『プレクトラムエレクトラム』バージョンと、ズタズタにデコンストラクションされたトラックをカミーユ(プリンスの別人格とされる回転数を上げたボイス)が妖しく徘徊してやがて絶頂を迎える『アート・オフィシャル・エイジ』バージョン、この2曲を聴き比べれば、両作のキャラクターの違いは一目瞭然ならぬ一聴瞭然だ。  最後に自分の評価を。『プレクトラムエレクトラム』もボーカルやギタープレイを筆頭に、主にライブパフォーマーとしての往年のプリンス節を堪能できる最高に楽しい作品だが、やはり本命は『アート・オフィシャル・エイジ』の方だ。『ラブセクシー』までのような底知らずの得体が知れないような圧倒的な凄味には至っていないが、長年のファンとしては「こんなプリンスのアルバムがずっと聴きたかった!」と叫ばずにはいられない快心のアルバム。『アート・オフィシャル・エイジ』の内ジャケのアートワークには、こんな言葉が記されている。 「かつて音楽が、身体にとって、魂にとって、心にとって、霊的な癒し(スピリチュアル・ヒーリング)となっていた時代があった……」(there used 2 be a time when music was a spiritual healing 4 the body,soul, & mind…)  ちなみに、その下にレイアウトされている全13曲のタイトルは、A面6曲、B面7曲と、アナログレコード時代の流儀ではっきりと区切られている。『アート・オフィシャル・エイジ』は、音楽が人間にとって大切なあらゆるもの(自分自身の魂の救いや信仰心も含めて)を統治していたあの黄金の時代へと回帰することを、プリンスが自らに任じた、20数年ぶりの本当の意味での完全なる復活作なのだ。お帰りなさい、プリンス。 ■宇野維正 音楽・映画ジャーナリスト。音楽誌、映画誌、サッカー誌などの編集を経て独立。現在、「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「BRUTUS」「ワールドサッカーダイジェスト」「ナタリー」など、各種メディアで執筆中。Twitter

オタクのオアシス・書泉グランデで起きた騒動から見える、新たな「表現の自由」をめぐる問題

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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書泉公式ホームページより。
 あらゆる分野のオタクのオアシスともいえる神保町の書店・書泉グランデで「表現の自由」をめぐる騒動が勃発し、注目を集めた。  書泉グランデは、神保町と秋葉原に店舗を持つ有名小売り書店・株式会社書泉の一角を担う店舗だ。その中でも書泉グランデは、鉄道・車・バイク・格闘技など、あらゆる分野のマニアックな本が揃う書店として知られている。2011年にアニメイトグループに買収されてからしばらくは棚に混乱も見られたが、現在はそれも落ち着き、マニアな情報を得るには欠かせない書店として継続しているのである。 「おたぽる」で続きを読む

中川翔子“長期炎上”はネットいじめだ!背後にオタク芸能人への反感も

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
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中川翔子オフィシャルブログ「しょこたんぶろぐ」より
 ネット上での中川翔子へのバッシングが、なかなかおさまらずにいる。テレビには元気そうに出演しているので「なにをバッシングされているの?」と不思議に思う人も多いかもしれないが、ネット上ではすでに1カ月半にわたって批判が巻き起こりつづけているのだ。  ことの発端は、8月14日に中川がTwitterでつぶやいたひと言だった。 「保健所に連れて行くなっ」。──これは、4匹の捨て猫を飼ってくれる人を探していた女子大学生が、2匹の里親を見つけることができず、やむなく保健所に連れて行ったことをTwitter上で報告したことに対して、中川が反応したつぶやきだった。中川はすぐに「言葉遣いが悪かったです申し訳ない。が、保健所に連れて行くとガスで殺処分されるんです。」と、言い方がきつすぎたことへの謝罪と、猫が殺処分されないための保護活動の必要性を訴えた。だが、フォロワーが35万人超える影響力をもつ中川が“一般人を晒した”ことに対する批判は止むことがなかった。  しかも、この“猫問題”をきっかけに中川への追及は拡大。ネット民たちの“調査”により、中川が猫の保護を訴える一方で、自身のブランド「mmts」で過去にリアルファー製品を取り扱っていたという疑惑がもちあがったのだ。なかには中川が以前、ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』でヒロインの声優をつとめ、「mmts」でもコラボ商品を展開していたことから、毛皮製品を取り扱わない方針を打ち出しているディズニーに“凸る”(突撃する)人まで登場。『塔の上の〜』のAmazonレビュー欄も大荒れする事態にまで発展した。  さらに、騒動は“猫問題”とは関係のない話にまで波及する。2013年3月に、日本赤十字社のWebサイトで中川が献血に挑戦するレポートが掲載されたのだが、献血してはいけない条件のひとつである「ヒト由来のプラセンタ注射薬」を中川が受けていたことを指摘する声があがったのだ。

大森靖子、「個」によるメインシーンへの挑戦ーー東京キネマ倶楽部で圧巻のステージ

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【リアルサウンドより】  2014年10月2日、「大森靖子メジャーデビューシングル『きゅるきゅる』発売記念2DAYS!『☆2日間で超楽しい地獄をつくる方法☆』」の初日公演が東京キネマ倶楽部で開催された。  会場に着いてまず驚かされたのが、フロアの前方が女性ファンで埋まっている光景だった。この夏の大森靖子は、メジャー・デビュー・シングル「きゅるきゅる」の2014年9月18日のリリースに向けて、夏フェスでのパフォーマンスで話題を起こしながらも、一方で表現力の高さをしっかりと観客に印象付け、マスメディアにも積極的に露出。結果的に「きゅるきゅる」は、オリコン週間シングルランキングの20位にランクイン、タワーレコード全店総合シングルチャートではなんと4位を記録した。1年前に想像もできなかった状況だ。前述した女性ファンの多さも、そうした活動の成果なのだろう。  加地等の歌が会場に流され、ステージにはピンクの装飾が吊られている。そして異様な存在感を放つのが、性器をモチーフにした巨大なハートマーク。上部には「処女膜再生」と書かれていた。  10月2日の初日公演は、大森靖子の弾き語りと大森靖子バンド編成によるステージだとアナウンスされていた。バンドのメンバーは、直枝政広(カーネーション)、畠山健嗣(H Mountains)、tatsu、奥野真哉(ソウル・フラワー・ユニオン)、久下恵生。直枝政広がプロデュースした2013年のアルバム『絶対少女』のリリース後にツアーをした、いわゆる「絶対少女バンド」だ。  開演と同時に、直枝政広のうなるようなエレキ・ギターに導かれてフリーフォームなセッションが始まり、そこから「きゅるきゅる」へ。リボンをした新衣装の大森靖子は、ステージに現れるなりiPhoneでファンを撮影したり、自撮りをしたりする。続く「少女3号」は『絶対少女』の収録曲。大森靖子もアコースティック・ギターを抱えて歌い、メジャー・デビュー以前と現在がひとつのバンドのグルーヴで接続された。そしてファンに拍手する間も与えずに「新宿」へ。大森靖子はモニタースピーカーに足をかけ、スカートをめくり上げて太もももあらわにしながら歌う。床に寝転がったかと思うと、一段高いステージへ上り、吊るされているくす玉の紐を引く。すると落ちてきたのは「私は悪くない」と書かれた垂れ幕だった。  そして『絶対少女』というアルバムを象徴する楽曲である「絶対彼女」へ。2013年の大森靖子は、少女たちを肯定するため『絶対少女』というアルバムを制作した。そして2014年の大森靖子は、他者に否定されるリスクを背負ってでも世間へ出て行こうとしているのだ。振り付けが加えられ、現在の大森靖子のものとしてアップデートされている。ステージに立つそんな大森靖子の姿に静かに感動した。  「エンドレスダンス」では、バンドの繊細なプレイや直枝政広のコーラスを聴かせ、一旦バンドは退場。シームレスに大森靖子の弾き語りへ進行していった。
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 弾き語りに関しては、関係者に配布されたセットリストにも一切曲名の記載がなかった。大森靖子がその場で決めているのだろう。彼女は会場の波長を正確に読み取り、完全に会場の空気を自分のものとしてコントロールしていた。  最初に弾き語りで何を歌うのだろう? そう思っていると「ここは君の本現場です」と歌い出した。いきなり未CD化の「ノスタルジックJ-POP」だ。そして弾き語りが続き、「PINK」での絶叫の後、アコースティック・ギターの弦の響きも鳴り止まないうちに、大森靖子はiPhoneを手にした。自撮りだろうか? いや、それは突然の文章の朗読であった。ここまでの過程を大森靖子ならではの言葉で語った後に、メジャー・デビュー・アルバム『洗脳(※正式なタイトルは未定)』の2014年12月3日発売が告げられた。  弾き語りパートで特に印象的だったのは、『絶対少女』収録曲である「ミッドナイト清純異性交遊」だった。通常はオケで歌われることが多いし、今日の絶対少女バンドで歌うにもふさわしいはずの楽曲だ。しかし、それをあえて大森靖子は弾き語りで歌い、彼女の中でも特にキャッチーとされる「ミッドナイト清純異性交遊」からメランコリックな面を引き出して見せた。かと思うと、曲中でまた突然の告知だ。2015年4月26日に中野サンプラザでワンマンライヴをするという。「ネタバレしないようにすげーがんばってました」とのこと。そんな流れも含めて、今夜の「ミッドナイト清純異性交遊」は大森靖子の真骨頂を感じさせるものだった。  バンドが再登場したパートでは、本編最後の「音楽を捨てよ、そして音楽へ」に圧倒された。大森靖子が囁くように「音楽は魔法ではない」と繰り返しながら始まり、演奏はジャジーなアレンジに。そしてファンにも「音楽は魔法ではない」と合唱させながら、大森靖子はフロアの柵の上に立ち、ファンの頭を撫でながら、そのまま柵の上で絶唱する。そして柵から崩れ落ちてファンにリフトされ、今度は柵の上に座りながら、バンドのメンバー紹介をした。ほとんど聴き取れないような絶叫で。そして楽曲の終わりとともに、大森靖子はステージの床に倒れた。  アンコールは、一段高いステージでの大森靖子によるキーボードの弾き語りとともに始まった。最初に歌われた「The End of Summer」は、カーネーションのトリビュート・アルバム『なんできみはぼくよりぼくのことくわしいの?』で大森靖子がカヴァーしていた楽曲だ。バンドもまた登場し、3曲を演奏。ときにノイジーな音も鳴らされる激しい演奏とファンの合唱による「あたし天使の勘忍袋」で幕を閉じた。  2回目のアンコールは、大森靖子がぬいぐるみのナナちゃん(ヤリマンバンギャという設定)とともに登場。インディーズ時代から撮影を担当してきたスタッフの二宮ユーキにマイクを渡して、突然会場にいる交際中の女性にプロポーズをさせる展開となった(終演後に確認したところ無事OKをもらえたとのこと!)。さらに「お茶碗」では、歌詞を忘れたからと二宮ユーキにも歌わせて、結果的にふたりでデュエットすることに。大森靖子は「内輪ノリと言われる」と笑っていたが、晴れの大舞台でこういう気負いのない一面を見せてしまう姿もまた大森靖子が大森靖子たる所以なのだ。最後の最後となった「さようなら」は、モニタースピーカーに座りながらアカペラで歌った。しかも、ファンのひとりひとりと目を合わせながら歌うのだ。そこには、会場が大きくなろうと聴き手と一対一の関係であろうとする大森靖子の姿勢が如実に表れていた。  これからも大森靖子という「個」によるメインシーンへの挑戦は続くはずだ。いや、むしろこれからが正念場だろう。  10月3日の公演2日目は、バンドが変わり大森靖子&THEピンクトカレフが登場する。もし当日券がアナウンスされ、まだあなたが大森靖子を見ようかどうか迷っているのなら、必ず見たほうがいい。大森靖子は、あなたの予想を裏切るステージを平然と見せてくれるはずなのだから。 ■宗像明将 1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter ■リリース情報 2014年12月3日(水)発売 NEW ALBUM 「洗脳(※タイトル正式表記未定)」 [CD ONLY]AVCD-93074 ¥2,800(本体価格)+税 amazon予約リンク [CD+DVD]AVCD-93073/B ¥3,800(本体価格)+税 amazon予約リンク [CD+DVD]AVCD-93072/B ¥4,800(本体価格)+税 amazon予約リンク

人生の悲哀も感じる…『美少女マンガ創世記 ぼくたちの80年代』が記録するマンガ文化の裏街道

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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美少女マンガ創世記 ぼくたちの80年代(徳間書店/おおこしたかのぶ)
「クール・ジャパン」という言葉も古びたが、今や世界に広がる日本のマンガ文化の裏街道の記録というべきか? 今は亡きエロ本の有名版元・桃園書房で「コミックジャンボ」などの編集に携わった、おおこしたかのぶ氏による『美少女マンガ創世記 ぼくたちの80年代』(徳間書店)が9月27日、発売となった。  この本は、コアマガジンの疑似ロリ18禁雑誌「うぶモード」にて「オタクの細道」のタイトルで連載されていた、80年代から90年代のエッチ系マンガ家たちへのインタビューをまとめたものだ。 「おたぽる」で続きを読む

疑似精液からギャラのからくりまで!峰なゆかがAV業界のタブーを大暴露

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
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『セクシー女優ちゃん ギリギリモザイク』(双葉社)
 蒼井そら、Rio、つぐみら今やバラエティ番組に出演する人も多いAV女優たち。最近では彼女たちの活躍に憧れる女性が増え、AV業界の門戸をたたくこともあるという。  身近になったとはいえまだまだ不明な点が多いのがAV業界。そのタブーに踏み込んだのが、元AV女優でいまや『アラサーちゃん』(扶桑社)の作者としても知られている漫画家の峰なゆか氏だ。『セクシー女優ちゃん ギリギリモザイク』(双葉社)では、ギャラや撮影のあるある、女優たちのヒエラルキーなど、AV業界の真実が描かれている。  たとえば、一番気になる女優たちの出演料の問題。芸能人がAV作品に出演する際、週刊誌には出演料として「8,000万円」「1億円」とあまりにも高額な数字が報じられることが多いが、実際はAV業界も不況の波に勝てず、値下がり続けているという。一般の人が想像しているより、シビアな現実がある。