CTSはポップスとダンスミュージックをどう融合? 「日本語の”言葉”の強さは意識してる」

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【リアルサウンドより】  謎のLED覆面ユニット・CTSが、配信限定EP『唯我独尊 ONLY ONE』を11月19日にリリースした。彼らは全員が「覆面」というダフトパンク的なビジュアルを持ちつつ、ダンスミュージックとポップスを独自に融合させた音楽を発信し続けているユニット。ライブでのド派手なレーザー演出や、音と完全同期したクオリティの高い映像パフォーマンスにも定評があり、楽曲は軒並みクラブチャートやiTunes Storeダウンロードチャートで上位にランクインし(今作も早速iTunesダンスチャート1位、総合でも4位を獲得している)、『electrox』から『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』、『SUMMER SONIC』、またテイラー・スウィフトの日本公演のオープニングアクトに抜擢されるなど、ジャンルレスにライブを行い、幅広いリスナーを獲得している。  目を引くビジュアルやキャッチーなエレクトロサウンドが特徴的な同ユニットの魅力について、音楽コンシェルジュのふくりゅう氏は日本文化のエッセンスが効いていると語る。 「CTSは、ゲームやCDJ、シンセサイザーやカオスパッドなどの楽器、妖怪ウォッチや仮面ライダーのベルトのおもちゃなどなど、ガジェット好きな日本ならではの環境が生み出したハイブリッドなアーティストだと思います。ルックスはデジタルな仮面をかぶっていることからダフトパンク的であり、宇宙からやってきた未来人のような雰囲気です。フロアやライブ会場で彼らがSEとともに登場すると、SF映画のワンシーンのようでテンションが上がる(笑)。ライブでは歌うがMCといったMCはせず、取材でもトークはできず、LED特殊マスクに映し出せる「YES」と「NO」の応対のみという、エンタテインメントに徹している3人組ユニットですね。EDM風な快楽ポイントの高い決め所なシンセサウンドを押さえつつも、みんなで合唱できるポップなフレーズや歌詞を積極的に楽曲にとりこむことで、海外ではフェスと融合してカルチャーとして盛り上がっているダンスミュージック文化を、“ポップミュージック”として日本にローカライズしてくれる存在です」  そんな3人が制作した今回の作品は、富士山をバックにした新アーティスト写真や、曼荼羅模様のようなジャケット、渋谷のスクランブル交差点などを闊歩するリリックビデオなど、日本を意識した仕上がりとなっている。ここまで日本向けに舵を切ってきたことには何の意図があるのだろうか。CTSのメンバーたちにメールインタビューを実施した。(インタビューは全員での回答) ――2014年は様々なフェスやライブに出演されたと思いますが、そのなかでも思い出深いステージをその理由と共に教えてください。 CTS:先日10月31日の恵比寿リキッドルームでのハロウィンパーティーは、CTSとして初の主催イベントとして、ファンの皆さんとも特別な一体感を感じた、思い出深いステージです。 ――インドネシア・ジャカルタで行った初の海外公演『Java Sounds Fair』はいかがでしたか。 CTS:国内では得られない多くの経験ができました。CTSの活動の上でのキーワードにもなっている「日本」、「東京」という言葉を海外でライブすることにより、いつもとは違った視点で考え、体験できた非常に良い機会になりました。 ――『唯我独尊 ONLY ONE』に収録されている3曲はより歌モノとしてポップ色が強くなったサウンドだと思いました。改めてCTSのコンセプトと目指すべき目標を教えてください。 CTS:CTSなりのダンスミュージックとポップスの融合を突き詰めていきたいです。ダンスミュージックをルーツにしつつも、良い意味でジャンルやシーンにはとらわれず、CTSの音楽、世界観をよりオーバーグラウンドな所で一人でも多くの人に良い形で届けられたら嬉しいです。 ――新曲で日本的な「唯我独尊」というワードをタイトルに使われた理由を教えてください。 CTS:日本語の美しさ、響き、風情など、独特な日本語の”言葉”の強さは常に意識しています。今回は「みんなちがって、みんないい」というメッセージをダイレクトに楽曲、タイトルに落とし込みました。2曲目の「天真爛漫DAYS」も同様のメッセージを込めており、2つは対になっています。  親しみやすいダンスミュージックでリスナーの支持を広げているCTS。その活躍は、JPOPに代表されるポップシーンと、グローバルなダンスシーンを媒介する役割を果たしていくのかもしれない。 (文=編集部)
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CTS『唯我独尊 ONLY ONE』(ユニバーサル ミュージック)

■リリース情報: 『唯我独尊 ONLY ONE』 発売:2014年11月19日(水) 配信限定リリース <収録内容> 01. 唯我独尊 ONLY ONE 02. 天真爛漫 DAYS 03. KIRALI KANATA 04. 唯我独尊 ONLY ONE (R-Control RMX) Remixed by REMO-CON 05. 唯我独尊 ONLY ONE (ZROQ Remix) 06. 唯我独尊ONLY ONE (Bapjap Remix) 07. 唯我独尊ONLY ONE (Instrumental) 08. Just Bring It (Exclusive Mix)

『食戟のソーマ』アニメ化で盛り上がるグルメマンガ界!チェックしておきたい“飯テロマンガ”トレンド3選

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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ラーメン大好き小泉さん1巻(竹書房)
 バブル時代に『美味しんぼ』(小学館)が社会現象を巻き起こして以降、散発的にしか話題作が出てこなかった“グルメマンガ”カテゴリ。だが最近、個性的なグルメマンガの映像化が立て続けに発表されている。 「週刊少年ジャンプ」にて連載中の『食戟のソーマ』(共に集英社)がアニメ化、「まんがタイムきららミラク」の4コマ『幸腹グラフィティ』(共に芳文社)がアニメ化、そして女性版『孤独のグルメ』(扶桑社)とも言われる『ワカコ酒』(徳間書店)が実写ドラマ化……それぞれ放送スタートは来年2015年からだが、いずれも人気のグルメマンガ原作だけに注目度は高い。そこで今回は、数あるグルメマンガから特徴的な3つのトレンドを選んで、秋にふさわしい“飯テロ”作品をレビューしてみたい。 ■トレンド1――美女(美少女)が食う! 【代表作】『ラーメン大好き小泉さん』 出版社:竹書房 作者:鳴見なる 巻数:1巻 以下、続刊 類似作品:『幸腹グラフィティ』、『たべるダケ』など  単行本の帯に「深夜に読んではいけません。 ※太ります。」と記載された、出版社公認の飯テロマンガ。転校してきたばかりのミステリアスな女子高生・小泉さんが、あらゆる店でひたすらラーメンをむさぼり食うという、ほぼそれだけのストーリーだ。普段は無口で無表情な小泉さんだが、ラーメンの話題になれば一変して饒舌に語りはじめ、ラーメンを食べ終えた直後の至福の表情はなんともエロティック。そんな小泉さんの生態をクラスメイト(大澤 悠)の視点からまったりねっとり堪能することができる。 「おたぽる」で続きを読む

出馬表明の石原慎太郎がアメリカのスパイに操られているとの告発本が

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
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石原慎太郎公式サイト「戦線布告.net」より
 やっぱり出るのか。一旦は「肉体的な条件もあり、迷惑をかけてはいけない」と引退を示唆していた石原慎太郎が、結局、いつもの後だしじゃんけんで出馬を表明した。  昨年、脳梗塞で倒れたため、健康不安説もささやかれ、「次世代の党」議席確保のためのお飾り出馬ともいわれているが、本人は意気軒昂。選挙の結果や改憲に向けた動きによっては、再び石原が政局のキーマンになる可能性もゼロではないだろう。  そんな石原慎太郎だが、なんと“アメリカのスパイに操られている”という仰天すべき告発があるのをご存知だろうか。

大原櫻子は“10代の声”をどこまで届けられるか? 音楽市場アナリスト・スタッフの分析

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【リアルサウンドより】  大原櫻子がいよいよ本格的な歌手活動へと踏み出していく。11月26日にリリースされる本人名義での1stソロシングル『サンキュー。』は、そう予感させる力強い楽曲に仕上がっている。以前もリアルサウンドでは、大原櫻子についての記事(「支持層の大半は女子中高生 大原櫻子はなぜ10代の心をとらえたか」)で彼女の魅力を歌詞の面から分析したが、今回は彼女がボーカリストおよびアーティストとして、これからの音楽シーンでどんな存在となっていくかを探りたい。  大原櫻子といえば、まずは映画『カノジョは嘘を愛しすぎている』で5000人を超えるオーディションを経てデビューした際の印象が鮮烈だった。同オーディションでは、音楽プロデューサーの亀田誠治が「彼女の声を聞いた瞬間に、ヒロインはこの子しかいないと確信した」と評価した逸話がある。音楽市場アナリストの臼井 孝氏も、彼女の一番の魅力は歌声にあるという。 「歌詞を見なくても胸に響いてくる歌声が、大原櫻子さんの一番の魅力だと思いますね。これまでにリリースした楽曲はすべて亀田誠治さんによる作詞作曲なのですが、それでも大原さん自身のメッセージとしての説得力がある。万人に支持される歌声の魅力や存在感をもったシンガーが久々に出てきたと思いましたね。アイドル時代の岩崎宏美のように若くして上の年代にも好かれる声だと思います」  一方、大原櫻子を初めて見たときの印象をレーベルスタッフはこのように語る。 「初めて見たのはフジテレビの夏のイベントで、映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』劇中バンド、MUSH&Co.のお披露目ライブでした。その時はお披露目ライブと聞いていたので、正直あまり期待してなかったのですが、いきなり歌声にやられましたね。音程がズレることもなかったですし、高音域も素晴らしいのですが、中音域も凄く出るので、歌声の伸びが非常に気持ちよく聴こえるんです。突然のアンコールもアカペラで対応するなど、とても初めて人前で歌う高校生とは思えない度胸にも惹かれました。しかもその姿が“堂々”と言うよりも“キラキラ”した感じだったことが、より魅かれた理由でしたね」  高い歌唱力だけでなく、そのキャラクターも人気の背景にあると、先述の臼井氏は語る。 「彼女は歌がうまく、アイドル的な要素も持ち合わせているのに嫌味がないというか、妬まれない存在だと思う。『頑張ったっていいんじゃない』というタイトルも親近感を感じさせる彼女のルックスや雰囲気にすごく合っていると思いますね。『カノ嘘』の効果も大きいと思いますけど、それが同世代のファンが多いということにつながっていて、実際に各地のイベントなどでのお客さんの8割が女子中高生とのことです。そこでのひたむきな歌への姿勢がより同世代の共感を得るのだと思います」  また、歌と演技で同時デビューを果たしたことが、彼女の豊かな表現力を支えているとの見方もある。 「歌と演技を共にやってきたことが、ステージ上の表現力にも大きく活きていると思います。演技を含めて多くの舞台に立ってきた結果でしょう。また彼女自身、聞き手に伝えようという強い気持ちも持っています。その点では、映画がヒットした直後に、全国を1人で回って実際に歌声を聴いてもらう機会を持ったのは大きかったと思います。映画を観て、生で歌声を聴いた10代のリスナーたちに彼女の思いが伝わり、その興奮がSNSを介して拡散していきました」(レーベルスタッフ)

大原櫻子 - サンキュー。(Music Video Short ver.)

 今回のシングル『サンキュー。』については、臼井氏は“一緒に歌って共感できる曲“だと分析する。 「『サンキュー。』は当初シンプルな印象もありましたが、彼女自身のバリエーションを広げることになりそうですね。歌詞の覚えやすさは一番な気がしますし、ライブでは一番歌いやすい曲なのかなと。これまでの、聴いて共感する歌ではなく、一緒に歌って共感できる曲を目指したのかなという気がします。亀田さんのことですから、楽曲でいろいろと実験的なことをしていると思うんですけど、個人的にはまだ出ていないバラードの曲が聴いてみたいですね。歌手としてどこまでいけるか楽しみです」  10代リスナーの厚い支持をベースに、彼女はこれから幅広い世代から愛される“国民的シンガー”へと上り詰めていけるか。大原櫻子のポテンシャルがどう開花するか見守っていきたい。 (文=高木智史) ■リリース情報 『サンキュー。』 発売:2014年11月26日 【初回限定盤(CD+DVD)】 VIZL-718 ¥1,500(税抜) 〈収録曲〉 1. サンキュー。 2. オレンジのハッピーハロウィン 3. 頑張ったっていいんじゃない(Acoustic Live ver.)with 制服女子歌い隊 4. サンキュー。(Instrumental) 5. オレンジのハッピーハロウィン(Instrumental) [DVD] サンキュー。(Music Video) 【通常盤】 VICL-36954 ¥1,000(税抜) 〈収録曲〉 1. サンキュー。 2. オレンジのハッピーハロウィン 3. 頑張ったっていいんじゃない(Acoustic Live ver.)with 制服女子歌い隊 4. サンキュー。(Instrumental) 5. オレンジのハッピーハロウィン(Instrumental) 【3939限定盤】 VICL-36998 ¥361(税抜) ※3939枚生産限定 ※一部取扱いの無い店舗もございます 〈収録曲〉 1. サンキュー。 ■ライブ情報 『ニッポン放送開局60周年記念 オールナイトニッポンRadio Live忘れられぬミュージック』 11月28日(金) 神奈川 横浜アリーナ 『Act Against AIDS 2014 LIVE in Centrair』 11月29日(土) 中部国際空港 セントレア 4Fイベントプラザ ※15:00~「SATURDAY GO AROUND」の公開生放送部分へ出演 『FM802 Act Against AIDS SPECIAL FREE-LIVE 2014』 11月30日(日) 心斎橋BIG STEP 大階段 11:00~17:00 『トヨタカローラ福岡 presents FM FUKUOKA“Fukuoka Key(10)Music Fes”in キャナル 12月7日(日) 福岡 キャナルシティ博多B1 サンプラザステージ 『EX THEATER TV Presents COUNTDOWN EX 2014 to 2015』 12月31日(水) 東京 EXシアター六本木 ■GYAO!にて大原櫻子 「サンキュー。」フルMV期間限定公開中 http://bit.ly/1xhGgt5 ■オフィシャルHP http://sakurako-web.com/

「3DCGで作品として成立するものがでてきた」水島精二監督に声優・古谷徹が問うた3DCGの必要性

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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「『楽園追放 -Expelled from Paradise-』公開目前ステージ」の様子。
 11月15日に劇場上映が始まったフル3DCGアニメ映画『楽園追放 -Expelled From Paradise-』。そうした中で10月18日、練馬文化センターにて「『楽園追放 -Expelled from Paradise-』公開目前ステージ」が実施された。このステージは、練馬アニメカーニバル2014のイベントとして設けられたものである。  なお本作の制作秘話やメイキングについては、これまで5月の「マチ★アソビ vol.12」や9月の「CEDEC 2014」といったイベントセミナーなどでも語られてきているが、今回は声優・古谷徹さんから水島精二監督に訊ねる形式になっていたのが興味深い。  古谷さんは、本作においてアロンゾ・パーシー役で友情出演。水島監督にとって「すごく大事な役」とのことだが、古谷さんはカッコよさやヒーローや美少年にこだわるため、「本来なら断る役」だったと明かした。 「おたぽる」で続きを読む

ヒカキンは全然面白くない!あのミュージシャンが話題のYouTuberを酷評!

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
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ヒカキン公式サイトより「HIKAKIN PROFILE」
 このところ、YouTubeで驚異の動画再生数を誇るパフォーマー=YouTuberが注目を集めている。とくにヒカキンは大人気で、マックスむらい、バイリンガールちかとともにYouTubeのCMにも起用され、オールドメディアでも「新しいかたちの芸能人」という声があがりはじめた。  ところが、その話題のYouTuber に、あるミュージシャンがかみつき、一部で話題になっている。  それは2人組の音楽ユニット・ロマンポルシェ。のロマン優光氏がニュースサイト「ブッチNEWS」の連載に寄せた、「みんなが嫌いなYouTuber」という原稿。原稿によれば、自分のまわりでヒカキンについて「なんで、あんなつまらないもんが人気があるんだ! 理解できない」という声がよく聞かれるため、ヒカキンの動画をいろいろと見てみたというロマン氏。その感想を、以下のようにまとめている。 〈確かに面白くなかったです。でも、結論から言えば面白くないからこそ人気があるのかと。 ヒカキンさんのやってることはクラスの人気者程度のレベル。思いつきでなんかやって、たまに面白そうな顔芸もどきをする程度。確かに笑いとしてのレベルは低いです。でも、これでいいんですよ。高いレベルのお笑いなんてものを求めてる人なんて世の中そんなに居ないんですよ、多分〉  そして、こう書いた後、〈美味しい店とか別に探したりせずに、チェーン店で全部すましてしまい特になんの不満もない人たち〉と同じように〈笑いに対して欲望が少ない人がいる〉と綴るのだが、ここからロマン氏はYouTuber人気に見る不安を述べる。

土岐麻子×中塚武、特別対談「ジャズの歌を知ることで、ポップスの中でもっと自由になれる」

tokith_.jpg左、中塚武。右、土岐麻子。

【リアルサウンドより】  ソロデビュー10周年を迎え、ジャズをテーマにしたカバーアルバム『STANDARDS in a sentimental mood~土岐麻子ジャズを歌う~』をリリースする土岐麻子と、「美女と野獣」や「レット・イット・ゴー」(「アナと雪の女王」主題歌)などのディズニー楽曲をジャズ・アレンジでカバーした『Disney piano jazz“HAPPINESS”Deluxe Edition』を発表した中塚武との対談が実現した。早稲田大学在学中から交流があり、ポップスとジャズを自由に行き来しながら、質の高い音楽活動を続けているふたり。おたがいのアルバムの制作秘話から、現在の音楽シーンにおけるポップスとジャズの関係まで、刺激的なトークセッションを繰り広げた。

「ジャズは憧れで、いまも手の届かない存在」(土岐)

――中塚さんと土岐さんは「YOUR VOICE」(中塚の3rdアルバム『GIRLS&BOYS』収録)で共演していますね。 中塚武(以下、中塚):はい。2006年だから、8年前ですね。 土岐麻子(以下、土岐):もう8年も経つんですね(笑)。 ――「YOUR VOICE」も当時、“ジャジーな曲”という捉え方をされたと思うのですが、中塚さんはあくまでもポップスとして作られたとか。 中塚:そうですね。土岐ちゃんの歌で、ハッピーな曲を作りたいなと思って。僕はポップスとして作ったんですけど、たぶん、ここ最近でジャズの定義が広がってきたんじゃないですかね。僕らがインディーズの頃、ジャズと言えばいわゆる本格的な“どジャズ”かクラブジャズでした。そのあと、カフェジャズや女子ジャスなども出てきて、“○○ジャズ”がどんどん増えて間口が広がった。あと、「こんなのジャズじゃない」っていう頑固オヤジも減ってきているんじゃないでしょうか(笑)。 土岐:そうかも(笑)。 ――土岐さんは11月19日にスタンダードのカバーを中心にした「STANDARDS in a sentimental mood~土岐麻子ジャズを歌う~」をリリース。ジャズをテーマにした「STANDRDS」シリーズの新作は久しぶりですね。 土岐:9年ぶりですね。 中塚:え、そんなに経つの? ソロの最初って、「STANDARDS」だよね。 土岐:ソロになって10年なんですよ。だから初心に返る意味もあって、今回は「STANDARDS」を作ってみようかと。音楽的な初心ではなく、活動の初心なんですけどね。 ――どういうことですか? 土岐:これは“たまたま”なんですけど、Cymbalsが解散した後、ソロとして最初に出したのがジャズのアルバムだったんですよね。それが意外にも好評で、3枚立て続けにリリースして。ジャズの人って認識されることもあったから、一時期は避けていたんですけど、振り返ってみたときに「最初のアルバムがなかったら、いま音楽を続けていたかわからなかったな」と思って。あのアルバムをたくさんの人に受け止めてもらったことが自信にもなったし、その後の音楽活動のモチベーションにもつながっていたんですよね。 ――ただ、音楽的なルーツではない? 土岐:そうですね。もともとポップスをやりたかったわけだし、ジャズとは距離を感じているので。憧れというか、手の届かない存在なんですよね、いまも。 中塚:でも、今回のアルバムもすごく良かったよ。ちゃんとコントロールされてる感じがした。 土岐:え、なにが? 中塚:土岐ちゃんの歌はインディーズの頃からずっと好きだったんだけど、今回でネクストレベルに入った感じがしたんだよね。たとえば語尾のニュアンスとか、ベロシティ(速度)とか。マイルス・デイヴィスみたいな感じなんだよね、手触りが。スタンダードを歌ってもハッピーになりすぎず、しっかり抑制されていて。前の3枚とはぜんぜん違うよね。 土岐:確かに録音するときの心持ちは違ってましたね。前の3枚は“驚かし”があったんですよ(笑)。Cymbalsの人がジャズを歌うっていうこと自体もそうなんだけど、センセーショナルなものがほしかったんです。だから「September」(Earth, Wind & Fire)をボサノバ・アレンジにしたり、スタンダード・ナンバーもピアノのリフを繰り返してポップスみたいに聴かせたりして。「この曲をこんなアレンジでやっちゃうんだ?」という意外性ですよね。あとは「ジャズだって、こんなにポップに聴けますよ」ということもやりたかったし…。でも、今回はそれをやらないことにしたんです。もう驚かしたくはないし(笑)、もうちょっと本質的なところに向かってみたくて。 中塚:「STANDARDS」だから、それをやれたのかもね。オリジナルアルバムだったら、もっと考えるでしょ? 土岐:そうですね。さっき中塚さんが言ってたように、ジャズとポップスの垣根がなくなってきたのも大きいと思います。ジャンルで遊ぶのではなくて、いい音楽として聴けるものにしたかったので。 中塚:なるほど。あとね、“小唄”っていう感じもあったんだよね。クールな小唄っていう雰囲気で。 土岐:めっちゃうれしいですね、それは。そういえば前も小唄の話をしましたよね? 中塚:お互い、民謡に興味があるんだよね。 土岐:最近、ライブで熊本民謡の「おてもやん」を歌ってるんですよ。江利チエミさんがあの曲をジャズっぽく歌っているんですけど、それをもとにさせてもらって。 中塚:いいねー! 土岐:今度一緒にやりましょうよ。

「日本人が持っている“おめでたさ”を出した」(中塚)

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2014年4月には活動10周年の締めくくりとして、自身初のベストアルバム『Swinger Song Writer』をリリース。

――中塚さんの音楽にも、日本の民謡からの影響があるんですか? 中塚:無意識に出ていると思います。そういう部分っていちばん大事なところかもしれないと思ってるんです。日本人が舶来のポップスやジャズをやると、どうしてもアイデンティティを見失いがちじゃないですか。でも、民謡のコブシだったり、気質みたいなものには、それがあるんですよね。 ――気質っていうと? 中塚:日本人が持っている“おめでたさ”だったり。たとえば新幹線で(東京から)大阪に行くと、三島あたりでみんなソワソワしてくるじゃないですか。富士山が見たいから(笑)。ああいう“おめでたさ”って、海外の人にはないと思うんです。 土岐:そうかも。何かにかこつけて、お祝いしちゃうとか。 ――中塚さんの新作『Disney piano jazz“HAPPINESS”Deluxe Edition』はディズニーの楽曲をジャズ・アレンジでカバーした作品。ディズニーもジャズもアメリカ文化の象徴と言えるものですが、このアルバムにも日本的な要素が反映されているんでしょうか? 中塚:たぶん、このアルバムを聴くと東京ディズニーリゾートを思い浮かべると思うんですよ。京葉線に乗ってると、ディズニーランドに行く人がコスプレしてたりするじゃないですか。ああいう風景も日本だけの“おめでたさ”ですから。 土岐:そういう視点がこのアルバムにつながってるんですね。おもしろいなー。 中塚:ミュージシャンひとりの名義で、ディズニーのジャズアルバムを作った日本人は今までいなかったらしくて。海外にはいるんですけどね。デューク・エリントンとか、デイヴ・ブルーベックとか。だから、「日本人がやると、こうなるよ」というアルバムにしたくて。かなり好き勝手にやらせてもらいました。 土岐:確かにこのアルバムを聴いてると、ところどころに“おもしろ”が入ってるんですよね。「チム・チム・チェリー」なんて、爆笑しちゃいましたから。 中塚:スモーキーすぎて、煤だらけになってるアレンジだよね。煙突掃除だけに(笑)。 土岐:「これ、どんな解釈?」って。すごくおもしろいと思います。 中塚:海外のミュージシャンだったら、もっとスタイリッシュにするだろうね。 土岐 海外のカバーって、ストレートなものが多いですよね。同じようなアレンジ、同じような歌い方をすることがリスペクトの示し方になってる。私は逆なんですよ。「カバーするんだったら、自分のものにしないと失礼」って思うので。 中塚:わかる。 土岐:ちゃんと自分のものにするためには、すごく突き詰めなくちゃいけないんですけどね。中塚さんのアルバムを聴いていても、すごく考えて作ってるんだろうなって思うし。その場の感じで“ちょいちょい”っていうふうには出来ないでしょ? 中塚:楽をしちゃうと癖になりそうだからね(笑)。 土岐:でも、そういうタイプの方もいるじゃないですか。何も考えないで、ピアノの前に座ってバン!と出てきたものがいちばん良いんだっていう。中塚さんはそうじゃなくて、ひとつひとつに意図があるんですよね。

「どんな局面においても、自分以外のものにはなり得ない」(土岐)

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ソロデビュー10周年のニューアルバム『STANDARDS in a sentimental mood ~土岐麻子ジャズを歌う~』では、細野晴臣とのデュエットも披露している。

――土岐さん、中塚さんはポップスのフィールドで活動されているわけですが、ジャズの要素もかなり入ってますよね。そのバランスはどう取ってるんですか? 土岐:あえてジャンルで考えると、ポップスとジャズでは成り立ちがぜんぜん違うというか。まずポップスは、実際のサイズよりも長い時間をかけて構築するんですよね。曲にもアレンジにも歌い方にもいろんな可能性があるんだけど、そのなかでいちばんいいところに標準を合わせて作り込んでいくというか。ジャズはそうじゃなくて、瞬間の構築だと思うんです。プレイヤー同士の反応によって、2度と同じ演奏は出来ないっていうのが、ジャズのひとつの特徴ですからね。 中塚:そうだね。 土岐:そのなかに奇跡みたいな瞬間があるんですよね。語尾の長さとかニュアンスとか、「いま、ばっちりだったね!」っていう。 中塚:ジャズはDJのバック・トゥ・バックにも近いかもしれないですね。ふたりのDJが同じブースで交互にレコードをかけ合って、興が乗ると朝までやっちゃうっていう。今回の僕の作品ではそういう感じからあえて離れて、もっと決め込んで、作り込んでるんですよ。そういう意味では、映画音楽に近いのかもしれない。 ――ジャズ的な“瞬間の構築”ではない、と。 中塚:ジャズの演奏家は、その場でパッと瞬間的に表現するために日々猛練習してると思うんですよ。ただ、今回のレコーディングの現場では「瞬発力のみでOK」ということは無かったです。やっぱり、ライヴとレコーディングでは判断基準がまったく違うんだと思います。ただ、プレイヤーに関していうと、ホーンの演奏家の皆さんは「ジャズを通ってないと、話にならない」というところがあって。 土岐:そうなんだ。 中塚:日本は吹奏楽のシーンがしっかり存在していて、学生時代にそこでジャズの基本的なイディオムを学ぶんですよね。そのシーンのなかで「あの大学のあいつは凄い」って言われるような人がプロになるんだけど、僕ら作曲家・編曲家としては、そういうジャズのイディオムを通過した人たちが最高に楽しく演奏できるようなスコアを書く技術は、基本中の基本だったりします。 ――歌に関してはどうでしょう? ジャズを通ることで、さらに表現の幅が増すということもありますか? 土岐:ジャズの歌を知ることで、ポップスのなかでももっと自由になれるっていうことはあるかも。ただ、そうなるためには技術、度胸、経験が必要だし、私はまだ獲得できてないと思っていて。だからこそ、ジャズは憧れなんですよね。 中塚:今回のアルバムを聴いてると、歌としての体幹がしっかりしてるなあって。どんなジャンルをやっても、土岐麻子としての軸がブレないというか。歌のインナーマッスルが鍛えられてる(笑)。 土岐:そうだったらうれしいですね~。 ――おふたりともすごく分析的というか、自分の音楽をきちんと言葉に出来るのもすごいと思います。 土岐:どうなんですかね? ただ、自分が何を考えてるか?ということは、よく友達と話すんですよ。最初は単なるグチだったりするんだけど(笑)、最終的には生き方の話になるっていう。恋愛でも仕事でも何でもそうなんだけど、自分が何を考えていて、何を求めているか、どういう人になりたいかということは、どんなことにおいても同じなんだなって。 中塚:そうやって話し込むことは大事だよね。 土岐:そうそう。話してると「また同じところに着地したね」ということも多いし。それはつまり、どんな局面においても、自分以外のものにはなり得ないということだと思うんです。音楽を作るときも「自分以上のことは出来ない」と考えてるので。それは今回のアルバムも同じですね。 中塚:それは感じる。「自分が歌って、それで全部」というか。 土岐:だから、ヘンに緊張しなくなったんですよね。いまの自分以上の歌は歌えないんだから、それでいいっていう。それが歌の体幹ってことなのかもしれないですね。 (取材・文=森朋之/撮影=竹内洋平)
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中塚武『Disney piano jazz“HAPPINESS”Deluxe Edition』(WALT DISNEY RECORDS)

■リリース情報 『Disney piano jazz“HAPPINESS”Deluxe Edition』 発売:2014年11月12日(水) 価格:2700円+税 1.小さな世界(ニューヨーク・ワールドフェア) 2.愛を感じて(ライオン・キング) 3.美女と野獣(美女と野獣) 4.メインストリート・エレクトリカル・パレード(ディズニーランド(R)) 5.パート・オブ・ユア・ワールド(リトル・マーメイド) 6.ビビディ・バビディ・ブー(シンデレラ) 7.いつか夢で(眠れる森の美女) 8.レット・イット・ゴー(アナと雪の女王) 9.ホエン・シー・ラヴド・ミー(トイ・ストーリー2) 10.君がいないと(モンスターズ・インク) 11.ハイ・ホー(白雪姫) 12.星に願いを(ピノキオ) 13.スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス(メリーポピンズ) 14.アンダー・ザ・シー(リトル・マーメイド) 15.輝く未来(塔の上のラプンツェル) 16.ホール・ニュー・ワールド(アラジン) 17.チム・チム・チェリー(メリーポピンズ) 18.ふしぎの国のアリス(ふしぎの国のアリス) 19.お砂糖ひとさじで(メリーポピンズ) 20.くまのプーさん(くまのプーさんとハチミツ) 21.レット・イット・ゴー(イン・クリスタル・クリスマス)(アナと雪の女王)
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土岐麻子『STANDARDS in a sentimental mood ~土岐麻子ジャズを歌う~』(rhythm zone)

『STANDARDS in a sentimental mood ~土岐麻子ジャズを歌う~』 発売:2014年11月19日(水) 価格:3,240円(税込) <CD収録内容> 01.In a Sentimental Mood 02.Round Midnight 03.Stardust 04.Lady Traveler 05.Misty 06.The Look of Love 07.Californication 08.After Dark 09.Smile 10.Christmas in the City (Performed by 土岐麻子 & 細野晴臣) 11.Cheek to Cheek ■ライブ情報 『TOKI ASAKO 10th ODYSSEY ソロデビュー10周年 感謝祭!! どこにも省略なんてなかった3952days』 2014年12月6日(土)ビルボードライブ大阪 2014年12月11日(木)名古屋ブルーノート 2014年12月20日(土)恵比寿The Garden Hall(スペシャル・ゲスト:土岐英史)

萌えミリタリーブームの今だからこそ!? 『愛国とレコード』で知る“愛国ビジネス”の歴史

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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愛国とレコード 幻の大名古屋軍歌とアサヒ蓄音器商会(えにし書房)
 昨今、ひとつのムーブメントとなっている軍歌。それは“右傾化”とか“ノスタルジィ”ではなく、温故知新である。  そうした軍歌ブームの立役者である辻田真佐憲氏と、数々のSPレコード復刻CDで知られる「ぐらもくらぶ」が組んだ一冊『愛国とレコード 幻の大名古屋軍歌とアサヒ蓄音器商会』(えにし書房)が発売となった。  そもそも版元のえにし書房は、彩流社の塚田敬幸氏が今年6月に立ち上げた新会社だ。これまでの目録には、傀儡政権研究本『ニセチャイナ』(社会評論社)で知られる広中一成氏の『語り継ぐ戦争 中国・シベリア・南方・本土「東三河8人の証言」』など、今、この瞬間に出しておくべき本がラインナップされている。出版も横文字を使ってスマートにビジネスライクに……という時代の潮流に一石を投じる期待の出版社だ。 「おたぽる」で続きを読む

日テレ女子アナ内定取消し、ホステスがNGでミスコンがOKなのはなぜだ!?

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
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日テレ女子アナ内定取り消しをスクープした「週刊現代」(講談社)11月22日号
 大きな話題となっている、日本テレビの女子アナ内定取り消し問題。東洋英和女学院大学の笹崎里菜さんが、来年4月の「採用内定」を日テレから得たものの、人事担当者にホステスのバイト歴を報告したところ、今年5月に内定を取り消されたという事件だ。「週刊現代」(講談社)11月29日号に掲載された記事によると、日テレ人事局長から彼女に送られたという書面には、こう書かれていたという。 〈銀座のクラブでホステスとして就労していた貴殿の経歴は、アナウンサーに求められる清廉性に相応しくないものであり、仮にこの事実が公になれば、アナウンサーとしての業務付与や配置に著しい支障が生ずることは明らかです〉  アナウンサーに求められる清廉性──この文面を読んで、失笑を禁じ得なかった人も多いだろう。だいたい、女子アナがテレビ局に要求されているのは、朝はおじさん好感度を狙ったゆるふわファッション、夜は大物芸人やタレントのご機嫌をうかがって露出の高いドレスに身をつつみ、台本の流れを妨げない進行を行う、ほとんどホステス業務のようなもの。アナウンス技術なんて二の次、三の次なのだから、むしろホステス経験者というスキルを評価しろよ、と言いたくなる。  だが、ここでつっこみたいのは、そんなことじゃない。問題は、彼女が「ミス東洋英和」だったってこと。“ミスキャンパスはOKでホステス経験はNG”という倫理観こそ、どうかしてると思うのだ。

Happiness、3年半の活動を経て辿りついた場所 新シングルに見るメンバーの成長とは?

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Happiness『Seek A Light(CD+DVD)』(rhythm zone)

【リアルサウンドより】  2011年4月29日、今はなきSHIBUYA-AXにてHappinessのファースト・ライブを観た。当時のJ-POPシーンでは韓流旋風が吹き荒れており、「ダンスがカッコいい」「サウンドがクール」などとK-POPが注目を集めていたのだが、そのなかで〈EXILEのDNAを受け継ぐガールズパフォーマンスグループ〉として表舞台に立つことになった彼女たち。当時平均年齢15歳のHappinessは未来を期待された鳴り物入りのガールズグループでもあった。キャッチーな歌メロと切れ味の鋭いダンスを全面に出した彼女たちの音楽は、とにかくフレッシュでカッコよかった。  HappinessのCDデビュー曲は『Kiss Me』で、2011年2月にリリースされた。デビュー時は「2011年、要注目のガールズグループ」として話題を集め、その後間もなく、先輩のDream、Happiness、さらにほぼ同期のFlowerを含むガールズ・エンターテイメント・プロジェクト、E-girls(当時の表記はE-Girls)が誕生。同年の春から「E-Girls Show」と題して、全国でライブ・イベントを開始した。  2011年12月、E-girlsは『Celebration!』でCDデビュー。2012年のシングル『Follow Me』で、名実ともに日本を代表するガールズグループへと飛躍。テレビCMへの出演も増え、2013年にはNHK紅白歌合戦にも初出場した。E-girlsという母体があり、そこからさまざまなプロジェクトが生まれていく……という流れとは逆のアプローチで、各グループは活動の幅を拡げていったのである。  2013年には須田アンナ、川本璃がHapinessへ新メンバーとして加入。夏には「Happiness vs Flower」の対決企画という形で武者修行ツアーを行い、8月7日にシングルを同日発売。この時のシングル『Sunshine Dream 〜一度きりの夏〜』はオリコン7位という過去最高位を記録した。年が明け、MIYUUがリーダーとして就任したこと、新たに7人編成のグループとして活動していくことが、2014年春までに伝わってきた。  そして、レコード会社の移籍を経て、彼女たちの音楽は新たに生まれ変わった。5月にはシングル『JUICY LOVE』を発表、そして11月19日には最新シングル『Seek A Light』を発表する。デビュー時から現在まで、いろんな感情を味わってきたであろう彼女たちだが、この2曲ではそういった繊細さも含めて<攻め>のスタンスが貫かれている。ただ単にポップになっているとか、わかりやすいメロディになっているとか、踊りやすいリズムになっているとか、表面的なことではない。内面から涌き上がってくるようなエネルギーが、楽曲に躍動感をもたらしている。今回、本人たちにアンケート取材を行うことができたのだが、この成長ぶりについては彼女たちも実感しているようだ。 「自分たちで作り上げる!という意識が、少し成長したと思います。また作品に対して、メンバー一人ひとりが意見を言うようになりました。スタッフさんやメンバーとたくさんコミュニケーションをとりながらつくっているので、グループの一体感がさらに出てきたなと感じます。パフォーマンス面もパワーアップしたと言われることが多く、うれしいです」(楓) 「ヴォーカル力やパフォーマンス力、そして表現の仕方もすごく大人っぽくなったと思います」(須田アンナ) 「曲に対しての思い入れが強くなりました。今回の曲もどれだけ気持ちを入れられるか試行錯誤しました」(YURINO)  表題曲の「Seek A Light」は、凛々しい歌メロと重層的なハーモニーのバッキングが、絶妙なバランス感を醸し出している。そして、プログラミングでは得られないであろうキラキラした高揚感に満ちあふれているのだ。暗闇で光を探す……というポジティヴかつ深い内容の歌詞は、彼女たち自身と重なるところもあったそう。 「“ヒトリじゃないから”というサビの部分は、まさに自分たちのことを歌っているなと思い、このサビを聴くとグッとくる部分があります」(MIYUU) 「歌詞が個人的に大好きで、自分自身この曲にすごく背中を押されたので、何かに行き詰まった時に聴いていただけたらいいなと思います」(須田アンナ)  そんなHappinessの歌を共有できる場所がライブだ。キャッチーでタフでカッコいい彼女たちのポップ・ミュージックを、もっと多くの人に体感してもらいたいし、そういう意味では単独のコンサートも期待したい。そんな彼女たちがステージでパフォーマンスしている時、いちばん楽しいと思う瞬間をきいてみた。 「ファンの方に私たちの思いが届く時」(藤井夏恋) 「ファンの方々と目が合い、喜んでくださった時。私まですごく幸せになります! いつもありがとうございます♡」(川本 璃) 「みんなで気持ちがひとつになっているなぁと感じる瞬間。私たちの思いが伝わり、ファンの皆様が拍手であたたかく応援してくださっている様子を見た時」(SAYAKA)  今回、カップリングには記念すべきデビュー曲「Kiss Me」の2014年バージョンが収録されている。デビュー時のフレッシュな印象とは異なり、歌詞の一つひとつに実感が込められていて、とても素敵なR&B/ポップスに仕上がっている。光も影も両方知っているからこそ体現できる深み。デビュー時は<K−POPへの日本からの回答>という役割を担っていた部分もあると思うが、気づけば今ではJ-POPの王道として認知されつつある(YouTubeのコメント欄は海外からのものも多い)。この3年半の歩みは、Happinessが「みんなをハッピーにする」ための必然的な道のりだったとも言える。そう、ムダなことなんて何ひとつないのだ。 ■上野拓朗 エディター。『リズム&ドラム・マガジン』『CROSSBEAT』『ローリングストーン日本版』を渡り歩き、現在はPOKER FACEのプロデュースと制作を行いながら、FLJ magazineでも編集協力として携わっている。