この状況で“後藤さんは在日”攻撃!田母神はやっぱりただのネトウヨだった

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
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『田母神流ブレない生き方』(主婦と生活社)
 依然、緊張状態がつづいているイスラム国による日本人人質事件。後藤健二さんの命が守られることを多くの人が祈る、そんななか、ある人物が到底信じられない言葉をTwitter上で吐いた。“ネトウヨの神”と呼ばれる、元防衛省航空幕僚長の田母神俊雄だ。 「イスラム国に拉致されている後藤健二さんと、その母親の石堂順子さんは姓が違いますが、どうなっているのでしょうか。ネットでは在日の方で通名を使っているからだという情報が流れていますが、真偽のほどは分かりません。マスコミにも後藤健二さんの経歴なども調べて流して欲しいと思います。」  後藤さんは在日かもしれないから調べたほうがいい──。この文章が投稿されたのは、本日29日のこと。まさにイスラム国がこれまでの人質事件とはまったく違う対応を見せ、日本の態度の示し方が問われている、その最中に、人質である後藤さんの経歴を問いただしているのだ。

2015年はw-inds.とLeadが熱いーー10年選手ならではの実力に刮目せよ!

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w-inds.『FANTASY(初回盤A)(DVD付) 』(ポニーキャニオン)

【リアルサウンドより】  男性ダンス&ボーカルグループと聞いて、皆さんどんなアーティストを思い浮かべるだろうか。SMAPや嵐を筆頭としたジャニーズ事務所グループ、あるいはEXILEや三代目J SOUL BROTHERS、GENERATIONSなどを輩出したEXILE TRIBEといったところが代表的なアーティストと言えるだろう。実際こういったグループはみな、ヒットチャートでもそれなりの結果を毎回残しているし、ライブを行えば動員もかなりの数字なのはご存知の通り。しかし、何か忘れてはいないだろうか。そう、まだEXILEがシーンに登場する前から10数年にわたり、第一線で活躍し続ける男性ダンス&ボーカルグループが2組いる。それが今回紹介するw-inds.とLeadだ。

有無を言わさぬ本格派サウンドで攻めるw-inds.

 今年で結成15周年を迎えるw-inds.は先日、通算34枚目の最新シングル『FANTASY』をリリースしたばかり。2000年の2ndシングル『Feel The Fate』から33作連続トップ10入りを続ける彼らも、2003年の10thシングル『Long Road』以降1位を獲得していないが、実はこれだけの記録を樹立しているし、全10作のオリジナルアルバムもすべてチャートのトップ10入りを達成。もちろんこういった数字の面だけはなく、音楽的にも常に進化をし続けているから興味深い。近年はEDMを取り入れたサウンドで人気を博したが、昨年は最新アルバム『Timeless』で聴ける、より“レトロモダン”なサウンドへと接近している。RHYMESTERの宇多丸は自身のラジオ番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(TBSラジオ)にて、2014年J-POP No.1楽曲としてw-inds.のアルバム『Timeless』収録曲の『Make you mine』を選出。その理由として「ジャスティン・ティンバーレイクの世界最良のフォロワーっていう言い方は失礼にあたってしまう。いや、そんなことはないです。むしろ本家を超えているぐらいじゃないか?っていうぐらいの素晴らしさだと思います」とコメントを寄せているのだ。  1月21日にリリースされたシングル『FANTASY』でも、w-inds.はその“レトロモダン”サウンドをより深化させている。表題曲はシンプルなコード進行、そして昨今のダンスミュージックと比較すると少ないトラック数が印象的な、じっくり聴かせるミディアムテンポのファンクチューン。例えばバックトラック(シングル収録のインストバージョン)を何も言わずに聴かせたら、誰も2015年の最新サウンドだと気付かないかもしれない。そんな普遍的な魅力を持った、スルメ的ナンバーだ。ここに今年で全員30代に突入するメンバー3人が、絶妙なボーカル&コーラスワークを乗せていく。ここ数年はKEITA名義でソロ活動も続けている橘慶太も、ディープな歌声でこの曲をより魅力的なものへと進化&深化させている。

結成13周年を経てもなお右肩上がりのLead

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Lead『My One (初回限定盤A)(DVD付) 』(ポニーキャニオン)

 そのw-inds.と同じ事務所に所属し、2年遅れの2002年にメジャーデビューを果たしたのがLeadだ。デビュー当初は4人で活動していたが、2013年4月からは現在の谷内伸也、古屋敬多、鍵本輝という3人編成で再始動。ソウルやダンスミュージックを軸にしたサウンドを信条としたw-inds.と異なり、Leadはよりポップで雑多な音楽性で、人によっては「w-inds.よりもアイドル色が強い」と感じるかもしれない。実際、その“悪い意味で軸がない”音楽性が災いしてか、2000年代後半はチャート的にも苦戦を強いられたり、シングルを年に1枚しかリリースできないという時期もあった。  しかし、結成10周年を迎えた2012年頃から状況は好転。メンバーの卒業という結成以来最大のピンチもあったものの、現在まで人気&セールスは右肩上がりを続けている。また先ほどの“悪い意味で軸がない”音楽性を逆手に取って、シングルのたびに作風の異なる楽曲にチャレンジし、昨年9月発売の24thシングル『想い出ブレイカー』では表題曲で歌謡曲テイストのGS調ポップス、カップリング曲ではメンバーそれぞれが作詞作曲、トラックメイキングなどを手がけるなど、アーティストとしても急成長を遂げている。ファン以外には知られていない事実かもしれないが、鍵本のDTMオタクぶりはかなりのもので、昨年インタビューした際にも「一度パソコンの前に座ったら平気で5時間くらい作業していて、気付いたら朝になってる」と告白している。  Leadも3月4日に2015年第1弾作品となる25thシングル『My One』の発売を控えている。メンバーの谷内は現在、テレビ朝日系ドラマ「木曜ミステリー『出入禁止の女~事件記者クロガネ~』」で若手刑事役を熱演しており、新作リリースに向けてグループとしての活動の幅を広げている最中だ。w-inds.もLeadも、デビュー間もない頃のイメージで接すると、その成熟加減にビックリするはず。実際、両グループとも初期に応援していた女性ファンが家庭を持って生活環境が落ち着いた最近になって、再びライブ会場やイベントに戻っているという話も耳にする。2組ともだてに10年以上にわたってこのJ-POPシーンをサバイブしてきたわけではない。まずは偏見を捨てて、そのエンタテインメント性豊かなパフォーマンスと音楽性にじっくり目を、耳を傾けてみてはどうだろう。 ■西廣智一(にしびろともかず) Twitter 音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。

スクエニのみが“女性主人公”を承諾! 『Life is Strange』開発秘話に見る“ゲームと女性キャラ”

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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Life is Strange公式サイトより。
 2014年は『アナ雪』(『アナと雪の女王』)が席巻した1年だったが、女性が主人公のアニメ作品ということなら、ほかのディズニーアニメや日本のスタジオジブリ作品をはじめ、枚挙に暇がないことはご存じの通りだ。アニメに比べれば今のところはやや“男社会”かもしれないゲーム界にあっても、『トゥームレイダー(Tomb Raider)』や『ベヨネッタ』など、女性を主人公に据えたヒット作も今や決して珍しくない――。今月30日にエピソード1の配信が迫る新作アドベンチャー『Life is Strange』もまた、注目すべき“女性が主人公のゲーム”だ。 「おたぽる」で続きを読む

ジャニーズの近藤真彦推しにファン激怒! メリーさん“マッチ愛”の理由

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
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天使のようなマッチの笑顔!?
 50余年にわたりジャニーズ帝国を支えてきた、“女帝”メリー喜多川副社長の独占インタビューを掲載した「週刊文春」(文藝春秋)1月29日号の記事が波紋を広げている。  かつてより業界内でささやかれていた、メリー氏の娘でTOKIOや嵐らをマネジメントしている藤島ジュリー景子氏と、SMAP・Kis-My-Ft2らを手掛ける飯島三智氏との派閥抗争について、「文春」が質問状を送ったところ、メリー氏が取材に応じ、娘であるジュリー氏こそが「次期社長」であると明言。取材現場に飯島氏を呼びつけて「対立するならSMAPを連れていっても今日から出て行ってもらう」と叱責したのだ。  だが、このインタビューの中でもうひとつ注目されたことがある。それは、メリー氏の近藤真彦、マッチへの尋常ならざる愛情だ。とにかく、質問とは関係なく、やたらマッチのことを話し、かばい、ほめまくるのである。  たとえば、記者がSMAPと嵐の共演が少ないのはなぜなのかと質問した際も、「SMAPと共演が少ないって、何でそんな話が出るんですか? うちの順序を言ってください。誰が一番上?」と問い質し、記者が近藤真彦と答えると「だったらSMAPは嵐よりまず先に近藤と共演するべきでしょう。何でそれを聞かないんですか?」と怒りだした。  そして、呼びつけた飯島マネージャーがやってくると、再びこの話をもちだし、今度は飯島マネージャーに念を押す。 「飯島、うちのトップは誰!?」 「近藤真彦です」

己龍、アルルカン、Jin-Machine……2015年のV系シーンをライブ動員数から考察

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【リアルサウンドより】  2015年のV系シーンの展望…といっても、2013年夏に書いたこちら【金爆ヒットに続くのは? 2010年代のV系シーン見取り図】と、2014年始に書いたこちら【2014年V系シーンの展望――ジャンルの壁の打破、そしてジャンル自体の底上げを】から(大局という意味では)状況は特に変わって変わっていない…というのが正直なところ。  「ジャンルの壁(この言葉も手垢がつきすぎて、もはやバズワードと化しているのだが…)」というのもそれなりに存在しているだろうし、往年の人気バンドは復活してはその都度ファンにもバンドにもドラマを生み出しているし、ゴールデンボンバーは昨年3度めの紅白出場を果たしている。インディーズシーンに目を向けると活況とはいいがたいものの、1000キャパ以上の会場でワンマンライブのできるバンドも定期的に出てきているし(図は一例)、傍から見ていても壊滅的というわけでもない。  今のシーンはキラキラしてスタイリッシュなサウンドとルックスのバンドもいるし、血糊まみれのバンドが大きな会場でやったりする、お笑い系だって元気だ。

Blu-BiLLioNはV系では珍しい6人編成のバンド。JPOP寄りのサウンドは間口が広いと思われる。

Jin-Machineは今年12ヶ月連続ワンマンツアー「おげれつ戦国ハナクソ相撲」で全国をまわる。わあひどいツアー名!

 たとえば結成して2年弱の間ワンマン公演はすべてソールドアウトを記録しているアルルカンの渋谷公会堂公演は今年の注目トピックの一つだし、冬将軍氏のコラム【TRANSTIC NERVE、シド、NoGoD……独自の音楽的進化を遂げたV系バンド7選】でも紹介されているNOCTURNAL BLOODLUST(ノクターナルブラッドラスト)の躍進も興味深い。つまり個人的な主観になってしまうが、今のシーンは「これといった王道」が存在しないぶん、どこを見ていてもおもしろいのだ。

アルルカンの渋谷公会堂発表の煽りVまであるのがさすがである。

NOCTURNAL BLOODLUSTは出自やテクニックが話題になることが多いが、個人的に最も抜きん出てるのは「野心」を感じさせてくれるところだと思う。

R指定(同名のラッパーがいますがこちらはV系バンドです)が2月11日にリリースする「サドマゾ」のMV。

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己龍『暁歌水月〜二〇一四年九月七日東京ドームシティーホール〜(初回限定盤)』(B.P.RECORDS)

 とはいえ、「2015年のV系シーン」というと、今最もホットなトピックは「己龍の武道館公演」だろう。  以前【金爆ヒットに続くのは? 2010年代のV系シーン見取り図】にて「いま最も武道館に近いと目されているV系バンドが己龍」と書いたが、その彼らが今年1月の中野サンプラザ公演でついに武道館を発表した。  インディーズながらシングルはオリコンメジャーチャート10位内に何度もランクインし、YouTubeの動画再生回数も他のV系バンドと比較してもかなり高い。ライブのセットもインディーズの規模を超えた趣向を凝らした物が多く、楽曲の世界をヴィジュアルでも表現しようとする気概を感じるのだ。さすが"ヴィジュアル"系。

己龍「悦ト鬱」は再生回数100万を越えている

 そして中野サンプラザ公演で、己龍の"唯のヴォーカル(※正式表記)"黒崎眞弥(読み方・くろさき まひろ)はMCでこう宣言した。 「ヴィジュアル系はキモくてナンボだろう!」  ある意味自虐捉えられかねない発言は満員の会場中のファンから拍手喝采で迎えられた。そう、ヴィジュアル系は気持ち悪いのだ、"気持ち悪くてナンボ"なのだ。  いまでこそセカオワの代名詞になっている「中二病」だが、そもそも非日常な世界観だったり、ナルシスティックな言動だったりと、いわゆる「中二」的な感覚を全力で突き詰めた結果がヴィジュアル系なんだから、開き直ってしまえばいいのだ。  2015年のヴィジュアル系はセカオワから「中二病」を奪還する勢いで邁進してほしいと思います! ■藤谷千明 ライター。ブロガーあがりのバンギャル崩れ。執筆媒体は「ウレぴあ総研」「サイゾー」「SPA!」など。Twitter

pixiv社長の取締役就任も想定の範囲内!? 拡大するアニメイトグループの現在

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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アニメイト公式HPより。
 1月21日、ピクシブ株式会社(以下、pixiv)代表取締役社長の片桐孝憲氏が、アニメイトなどを運営するアニメイトホールディングスの取締役に就任したと、自身のFacebookを通じて発表した。片桐氏のFacebookでは、「僕たちはアニメイトグループのインターネット事業をpixivの持っている技術と根性でより大きな価値が作れるようにしていこうと思っています」と報告している。  ネットでは驚きと共に受け止めている人が多いようだが、業界関係者の反応はまったく違う。多くの関係者は、何を今さら驚いているのか、という反応だ。その理由は単純で、とある業界関係者はこう語る。 「おたぽる」で続きを読む

秋元康の総合演出決定? 東京五輪に椎名林檎が“日本が恥かく”と危機感表明

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
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五輪演出を懸念する椎名林檎(「NHKオンライン」より)
 先日開催されたイベント「AKB48リクエストアワー」の最後に発表された、NGT(新潟)48の結成が波紋を呼んでいる。一部報道によれば、これは秋元康が2020年に東京で開催される東京オリンピックを意識した計画で、新潟以降も全国に姉妹グループを発足させる「JAPAN48」構想の一端だというのだ。  世界が注目するオリンピックの開会式を、JAPAN48が飾る──。この悪夢のような計画に対し、ネット上では「マジ勘弁」「日本オワタ」など否定的な意見が殺到。計画の真偽のほどは定かではないが、秋元が東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の理事であることは確か。しかも、秋元は安倍晋三首相とも昵懇の間柄で、14年の新春対談でも、非難が殺到したASEAN夕食会でのAKBのパフォーマンス披露について安倍首相は「普通ですとね、日本の伝統芸能を見せるんです。いろいろな議論がありましたが、やはり生でAKBを見るとビックリするんですね(笑)。皆さん、目がくぎ付けになって」と、まさかのご満悦。秋元の理事就任時には反対運動まで巻き起こったが、大勢の人が予感し、阻止しようとした「秋元が開会式総合プロデューサーに就任説」は、どんどん現実になろうとしているようだ。  このような暗澹たる状況のなか、東京オリンピックに強く懸念を示しているのが、椎名林檎だ。なんでも椎名にとって「いちばん気がかりなのが東京オリンピック」だというのだ。

スチャダラパーが語る“味”ありきのヒップホップ論「カッコよくするだけだったら誰でもできる」

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【リアルサウンドより】  2015年にデビュー25周年を迎えるスチャダラパーのニューアルバム『1212』が、スチャダラパーとSPACE SHOWER MUSICによる新レーベル「ZENRYO RECORDS」から1月28日にリリースされる。同作は、2009年リリースの『11』以来、約6年ぶりとなるオリジナルアルバム。新曲群に加え、チャットモンチーとのユニット“スチャットモンチー”による「M4EVER」や、清水ミチコとの共作曲「Off The Wall」、ロボ宙とかせきさいだぁを迎えた「ワープトンネル」など、インディーズ活動の中で自主制作盤として発売した楽曲からピックアップしたものが収録されている。今回リアルサウンドでは、スチャダラパーにインタビューを実施。聞き手には、10年ぶりのスチャダラパー取材という音楽評論家の小野島大氏を迎え、インディーズ活動を通して味わった体験やスチャ流ヒップホップのあり方、今後の展開などを語ってもらった。

「僕らはクール・Jみたいな正統派じゃない。お笑い芸人の次、スペースシャワー的な(笑)」(Bose)

Bose:お久しぶりです(笑)。 ANI:ご無沙汰してます(笑)。 ーー(笑)ご無沙汰してます。取材という形でお会いするのは『The 9th Sense』(2004)の時以来だから、10年ぶりですよ(取材日は2014年12月29日)。 Bose:お互いまだやってるのが間違ってるよね(笑)。お互いやめてないっていう怖さ(笑)。だってライター歴何年なんですか? ーースチャの活動歴と同じぐらいですよ。 Bose:ですよね。25,6年ってことですよね。怖くないそれ?(笑) 絶対そんな風に(それだけ長いこと続けるとは)思ってなかったじゃないですか。 ーーお互いね(笑)。 Bose:(そんなに)やってるはずないって思ったもん。 ーーねえ。まあ私は日々食っていくので精一杯ですけど(笑)。 Bose:それはお互い様ですよ(笑)。 ANI:同じく!ですよ(笑) Bose:ラッパーだってさ、始まったあとどういうフィニッシュがあるのかわからないじゃん。 ーーロールモデルがないもんね。 Bose:ないもん。 ANI:豪邸? Bose:いやいや。LL・クール・Jとかは司会やってるじゃんね。 ーーああ、グラミー賞とかね。 ANI:すっげえうまい。 Bose:上手だよね、ちょっとウィットに富んだことを言いつつ…。 ANI:「最高だぜ!」みたいにうまく持ち上げて。 ーーでもBoseも司会の道を着々と歩んでるじゃないですか(フジテレビ系『ムチャブリ!スタンパー』)。 Bose:いませんよっ!それに僕らはクール・Jみたいな正統派じゃないからね。お笑い芸人の次というか。スペースシャワー的な(笑)。 ANI:よくお似合いっていう(笑)(注:スチャダラパーの新作のレーベルはスペースシャワーネットワーク)。 Bose:CSだとのびのびできるっていう(笑)。 ーーでもスチャは結成以来27年、全然スタンスを変えないでやってるでしょう。それはすごいと思いますけど。 Bose:いやあ…(浮かない顔)。 ANI:本人たち的にはスタンス変えていきたいと思ってるんですけどねえ。 ーーあ、思ってるんですか。 ANI:思ってますよ。 ーーどういう風に? SHINCO:昼の帯でラジオ。 ANI:くくくく(笑)。 Bose:それ、あんまりスタンス変わってないから(笑)。 ANI:もうちょいなんか…。 Bose:売れる売れない的な? ANI:うん。 Bose:たとえばさ、ライヴ年間100本やるミュージシャンになる、みたいな。そういう道にいってもよかったんだけど、なんかそっちにならなかったですねえ。

「『マジでスチャ好きなんすよ』みたいな奴に限って、聴いてねえし見てもいねえ(笑)」(Bose)

ーー確かにね。今回も6年ぶりのアルバムでしょう。なぜそんなに時間がかかったのか…。 Bose:まとめてちゃんとアルバムにしないと、世間からは何もやってないと思われるっていう。ずっと音源は作ってて、自分達なりのやり方でリリースはしてたんですよ。 ーーライヴ会場とかでね。 Bose:だけどそれは世の中的にはカウントされないっていうのに4年ぐらいたって気づいて(笑)。TVの仕事とかするとさ、「音楽のほうは最近どうしてらっしゃるんですか?」とかマジで聞かれるから(笑)。けっこう「マジでスチャ好きなんすよ」みたいな奴に限って(笑)。ほんとかよ?っていう。聴いてねえし見てもいねえみたいな(笑)。そこで反省するわけですよ。結局アルバム出してこうやって取材受けたり、雑誌に載ったりしないとカウントされないんだと思って。 ーー逆にいうとアルバムを作る必然性みたいなものは、それ以外に感じてなかったってことですか。 Bose:前のレコード会社と契約が終わったあとに、こういう形態が面白いんじゃないかと考えたんですよ。自分らのライヴで(ライヴ物販用に作った)ミニ・アルバムみたいなのがTシャツとかと同じように売ってて、来てくれた人の多くが買ってくれる、という。そういうやり方の方が、レコード会社と契約して活動するよりも、作り方としても自由にできるし、お金の面でもむしろいいぐらいだったりする。レコード会社と契約してるメリットも、僕らはあんまりないから。広いスタジオとかも必要無いし、僕らとしては今の形でやって続けていければ、それでいいなと思ってたんですよ。 ーーインディペンデントでやったほうが。 Bose:完全にインディだし…レコード会社の目が入ると、曲を作って、そんなに直接的に怒られるようなことは書いてないけど、なんか難癖つけられたりすることはあるもんね。 ANI:なんでもないことでもね。 Bose:歌詞もそうだし曲でも。「この部分ちょっと…一応確認します」みたいな。鼻歌のようになんかの曲の一部を歌ってるのでもダメだったり。メジャーだと普通にあるからね。僕らが作るものって、そういうのが自然に入ってくるからさ。ANIが勝手に沢田研二の歌詞を引用したりとか(笑)。平気でやるからね。 SHINCO:やや問題になったけどね。 Bose:問題になったねえ。 ーーでもラップはそういう文化だから。 Bose:そう。もちろん許可とらなきゃいけないのはあるけどさ。ラップってそもそも人のやつを替え歌したりするのが面白いから。そういうのが好きなんだよ。ほんのちょっとした引用の範囲内なのに、それを「カバー申請しなきゃ」とかそこまでなってくると、もういいや、ってことになる。 ーー90年代の頭ぐらいと比べるとずいぶんうるさくなってるよね。 Bose:すごいあると思うよ。まあ昔のディレクターがユルすぎただけなのかもしれないけどさ(笑)。そういうのもあって、レコード会社を通さずにやってたわけ。だから僕らがちゃんとライヴ・ツアーをいっぱいやって、レコード会社とやるのを上回るぐらいの売り上げがあれば、それがいちばん良かったと思う。レコード会社とやるよりもCD売れてるじゃんって! SHINCO:マドンナも既存のレコード会社じゃなくツアー制作会社と契約してるじゃないですか(ライヴ・ネーションとの包括契約)。それに近い。 ANI:近くないけど(笑)。全然スケール小さいけど(笑)。 Bose:主流でほんとに売れてる人がやれば、絶対こっちのほうがうまくいくんだけど。だから僕らのノウハウで売れてるやつがやれ!っていう(笑)。だから…これでいいと思ってたんですよ。これで成功すれば勝ち!みたいな。でも僕らだと(売り上げの)マルが一桁少なくて話題にならない、みたいな(笑)。 ーー今作はそうしてこれまでライヴ等で販売していた曲を集めたってことですよね。 Bose:そう。こうして自分らがインディーズで作ってライヴで売ってた音源をまとめてアルバムにする、っていうのはいいモデルだよね。6年だとちょっと長すぎるけど(笑)。2~3年ぐらいのスパンでまとめられれば。制作に関しても、僕らとロボ宙ぐらいしか必要ないからね。 ANI:あとエンジニアとね。 Bose:超節約型でいけるし。 ーー録音はホームスタジオ? Bose:うちと、あとはいつも使ってる歌入れの小さなスタジオ。 ーー結局レコーディングもヴォーカルのブースだけあればいいってことだよね、スチャの場合。 Bose:そうなんですよ。ちょっと楽器…ベースや鍵盤が入るぐらいだから。それも全部ラインで録れるから。部屋で鳴らすことはほぼないし。

「もうSHINCOがラップするぐらいじゃないと驚いてもらえない」(Bose)

ーーつまりアルバムとして出す必要性も感じていなかったし、レコード会社とやるのも制約が多いからやる気もなかったけど、アルバムという形で出さないと世間の認知みたいなものがなかなか…。 Bose:なかなかね…自分らとしてはそれまで出してたミニ・アルバムみたいなものでいいし、なにも変わらないんだけど、でも「出てることになってない」みたいな感じだもんね。 ーーライブ会場とスチャのホームページのみの販売だと、ライヴに通う熱心なファン以外にはなかなか広がっていかないですよね。 Bose:それもあるね。(一般には)売ってないしね。それも問題なんだよね。地方にいくと「普通にレコード屋で売ってるCD出してください」って言われるし。ライヴで売ってると言ってもフェスやイベントは出演は多いけど、ワンマンは東京や大阪みたいな大都市中心だからね。 ーーなるほどね。となると、今作はこの6年のスチャの活動の抜粋・報告というか、ベストみたいな感じ。 Bose:そうだね。ベスト・プラス新曲4曲。 ーーまとめるにあたって考えたことは? Bose:特にこれと言ってないよね。最近ライヴでよくやってるような定番曲、自分たちで気に入っている曲を並びがいいように選んだという。 ANI:12曲にしようというのはあった。 Bose:タイトルが『1212』だしね。 SHINCO:前のアルバムが『11』だったから。 Bose:よく言ってるしね。「ワンツー・ワンツー」って。のちに気づいたのは、ANIの結婚記念日が12月12日で、こないだ12回目だったんだっけ? そういうのがぴたっと…。 ーーじゃあ12月12日に出さなきゃ(笑)。 Bose:そうなんですよ!(笑)。そこが詰めの甘いところで…(笑)。 SHINCO:12月12日にマスタリングしてた(笑)。それでスタッフが「ANIさんケツがありますんで」「何?」「結婚記念日なんで(奥さんと)メシがあるんです」(笑)。 Bose:なのでマスタリングの最後にいなかったっていう(笑)。そういうユルさが…。 ーースチャですねえ(笑)。新曲はどれなんですか? Bose:タイアップ絡みの曲がそうですね。「ゲームボーイズ2」(『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』CF曲)「中庸平凡パンチ」(テレビ東京系ドラマ『山田孝之の東京都北区赤羽』主題歌)「恋のペネトレイト」(WOWOW NBAイメージソング)ですね。 ーーなるほど。つまり強いアルバム・コンセプトがあったわけではない、と。でも統一性なんか考えてなくても、ちゃんとスチャダラパーらしい作品になってますね。 Bose:まあねえ。例えば「哀しみturn it up」って曲があって、ライヴ用にシングルで出したんですけど、全然(それまでのスチャと)違うものにしようと思ったんですよ。ANIの歌もので昔のエレクトロ風、っていう時点でギャグとしてレベル高いなと思ったんですけど、やってみたらスッと収まっちゃったという(笑)。そんな想定外じゃないというか、こんなの前もなかったっけ、みたいな感じになっちゃった。 ーースチャって今までも制約なくいろんなことを自由にやってきたから、何をやっても驚かれないっていうか、すんなり受け止められちゃうのかもしれませんね。 Bose:そう。だからそうやっていつも外してるつもりでも…。 SHINCO:やりそう、って言われる。 Bose:前にやってそう、って。やってなくて、けっこう挑戦したつもりだったのに(笑)。チャットモンチーとやってるやつも(スチャットモンチー「M4EVER」)我ながらヘンだなーと思うんだけど、やってみたら「前にやってなかったっけ?」って言われる(笑)。清水ミチコさんと(「Off The Wall」)だって、やったことないんだから…。 ーーあれ、やってなかったっけ? Bose:ないですよ!(怒) ーーそれは失礼しました(笑)。自分たちとしては常に新しいことをやって切り拓いてるつもりでも、みんなスチャはなんでもアリだと思ってるから、何をやっても新しいとは思ってくれないと。 Bose:あるかもしれないですねえ。25年もやってると。 ーーANIの歌でも驚かれないから…。 Bose:もうSHINCOがラップするぐらいじゃないと驚いてもらえないかも(笑)。 SHINCO:アカペラで…。 Bose:ハモリの…。 一同:(乾いた笑い) ーーそこまでいくともうラップじゃない(笑)。 Bose:でもまあ、自分たちとしては毎回、ちょっとずつはみ出していってる感じはあるんですけどね。 ANI:でも自分たちが思うほどはみ出してないのかも。 Bose:ああ、もっともっといかないとね。 ANI:あとまあ、好みみたいなのが決まってきてますからねえ。今の新しいヒップホップの感じとかあるじゃないですか。 Bose:それに挑戦!みたいなのはないもんなあ。すごい速い曲をやったり、オートチューン使ったり…。

「最近はバンドでやり直すってことも考える」(SHINCO)

ーー6年前のアルバムと比べることにどれだけ意味があるかわかりませんが、トラックはよりシンプルになってきた気がします。 SHINCO:ああ、そうですかねえ。 ーーシンプルなトラックでちゃんとリリックを聴かせる。王道、と言っていいのかわからないけど。 Bose:ああ、そこはもう基本的な好みが変わらないからなあ。 SHINCO:最近はバンドでやり直すってことも考えるんですよ。バンドでもできるといいなあ、と思いながら作ってる。 Bose:ここ1~2年バンドを入れるライヴをよくやってるんですけど、ターンテーブルでビートを出してバンドが乗っかるとか、完全にバンドでやるとか、そういうのが面白くて。ヒップホップ的な、ターンテーブルだけで制約がある状態と、少し自由なのが混ざってるぐらいのバランスがちょうどよくて。音源を作りながらも、これをバンドでやるときはどうするか想像しながら作る、という部分は変わってきたかも。 ーーああ、そういうバッファを残して作ると。 Bose:うん、だからシンプルになってるのはそういうのもあるかも。ベースとか入る隙を考えながら作ったりね。 ーーなるほどね。スチャの前ってバンドやってた経験とかあるんでしたっけ? Bose:全然ないですね。僕ら楽器が演奏できないから、もともと。持ったことないし。 ANI:レコードしか聴いてないっていう。 ーーレコードしか聴いてない奴ができる音楽がラップだった。 Bose:ですねえ。ターンテーブルやサンプラーは楽器だといえば楽器なんですけど…SHINCOとか、いいキーボード一杯持ってるけど、直には弾けないからね。指一本ずつでこう… ーー単なる入力装置であると。 Bose:そうなんですよ。 SHINCO:始める前にドラムマシーンだけは持ってましたけどね。 Bose:ドラムマシーンも楽器といえば楽器だけど…。 SHINCO:LL・クール・Jのファーストみたいに、ドラムマシーンだけでできるんじゃね?と思ったから。 Bose:そこから楽器を始めたっていいのにやらなかったっていうのが、いわゆるミュージシャンとはどうも違いますよね。 ANI:(ほかのミュージシャンと)会う機会があっても、全然共通の話題がない…(笑)。だから音楽の話とかしないようにしてる(笑)。 Bose:いや、合うところもあるよ。聴く部分とかさ(笑) ANI:聴く部分は合うけどさ、聴き方も違うじゃん。「あそこブレイクやばいでしょ!」「は?ブレイク?」(笑) Bose:たぶんギターに興味を持った人とか、違いますよね。たとえば木暮(晋也)さんとか一緒にいると、いまだにギターのことをずっと考えてるもんね。エフェクターのこととか、鳴りがどうとか。その聴き方は(自分たちに)ないもんね。 ANI:鳴りとか、大きければいいじゃんて。 Bose:究極的には(弾かなくても)サンプリングすればいいじゃん、って発想になる。 ANI:サンプリングでよくね?って(笑) ーーでもそこは最近バンドでやるようになって変わってきたわけでしょ。 Bose:逆に自分たちのバンドの人たちは僕らのヒップホップ的な感覚もわかって演奏してくれてる。特に笹沼(位吉)さんとか松田(浩二)さんとか、すごいループ的なこともわかりつつやってくれるから。 ANI:話が早いすね。 Bose:サンプリングで作って演奏はしにくい曲とかあるじゃないですか。こんなところでベースは弾きにくい、というのを逆に楽しんでやってくれたりするから。そういう人だと話はできるけど。だからこれが、よそのバンドと一緒にラップやらなきゃいけない時は、やっぱり難しいですよ。バンドの感覚で演奏している人にどう説明したらいいのか。だから…ラップしてて邪魔なんだよ楽器って(笑)。いやほんとマジな話すると。ドラムだけでいいよって言いたくなるんだけど(笑)。でも演奏は必要だから。それがわかってるベースや鍵盤はなかなかいないですよ。そういう意味でいまやってるバンドの人はいいんですよ、すごく。余計なことしなくて(笑)。 ーーだったらLL・クール・Jみたくドラムマシーンだけでいいじゃん、とはならないの? Bose:なんですけど、やっぱりより自由な部分が必要なんですよ。僕ら、もともとターンテーブルでやってるほうが気持ちよかったんだけど、でもギター・ソロとかもやっぱりかっこいいし、ギター・ソロのあとにラップに戻ると盛り上がったりするんですよ。あとバンドでやってるほうが人数も増えて見所も増えるし、ライヴはラクで(笑)。 ANI:持つよね。 Bose:持つ持つ。ターンテーブルだけで2時間以上やってるとやっぱ限界があるんだよね、場を持たせるのに。だからMCとしてはすごくラクで。それを楽しめるようなゆとりが出てきたから。

「遅くするとかっこいいと思って遅くしてたけど、今はぴったり(笑)」(Bose)

ーー最近バンドと一緒にラップやる人が多いじゃないですか、環ROYくんとか。 Bose:たぶん同じような発想じゃないかな。ターンテーブルとラップだけってさ、これ2時間やるもんじゃねえなって(笑)。 ーー今さらそんなこと言うかね(笑)。 Bose:だってラップのライヴで2時間ターンテーブルだけでやる人なんてあんまりいないもんね。だいたい1時間なのは必然性があるんだよ(笑)。自分らはそれをなんとか面白がってやろうと思ってやってるけど、工夫して持たせてるとこあるもんね。そりゃバンドになったらより見やすいライヴにはなると思う。ただラップ2時間続けるのもしんどいし。 ーーなるほどね。 Bose:でも、バンドと一緒にやるのもバランスが重要なんだよね。スチャがやってる感じなんだけどバンドでできてる、という感じにするのがなかなか難しくて。 ーーチャットモンチーとやってるやつはどうだったんですか。 Bose:アッコちゃん(福岡晃子)がドラム叩いてそれをループして…って作っていきましたね。チャットも2人になってループとかを使ってやり出した時だったから、ちょうどタイミングがよかったですね。 ーーほかにキーになるような曲というと。 ANI:「ザ・ベスト」とか。すげーいい曲できたと思った。 ーー今のスチャダラパーの心境が素直に出てる歌詞ですね。 Bose:そう。歳をとってきてね。周りもみんなこういう歳になってきて。曲ももの悲しい感じがいいよね。 ーー今作はそういう年齢なりの実感を感じさせるような曲と、スチャっぽい皮肉な、ウイットに富んだ寸鉄人を刺す感じの言葉がうまく併存してますね。 Bose:ねえ。もう寅さんの年齢超えてきたでしょ?(『男はつらいよ』の主人公・車寅次郎は、映画第一作公開の時点で38歳の設定) ANI:山田洋次が『幸せの黄色いハンカチ』を作ったのが42歳ぐらいらしい。(正確には46歳) Bose:ほら、超えてきちゃったから。そりゃ哀愁も出ますよねえ。 ーー全員40代後半? Bose:うん、45,6,7… ーーへたしたら次のアルバム出す時は全員50代かも。 ANI:やばいねえ…。 Bose:やばいねえ…。 ーー高齢化社会に向けて、リリックの内容も、これから減っていくばかりの若者層に向けるよりは…。 ANI:(笑)高齢者に向けた方が。 Bose:マーケット的には正解だよ(笑)。 ーーそうか、スチャの曲のテンポが遅いのはそういう理由か(笑)。年齢的に速いのができない(笑)。 Bose:前はさ、遅くするとかっこいいと思って遅くしてたけど、今はぴったり(笑)。ほっといても93(BPM)ぐらいになるからさ(笑)。

「ヒップホップって、音だけに魅せられたんじゃない」(Bose)

ーーヒップホップも新しいものがどんどん出てきて日々更新してますが、スチャの考えるヒップホップらしさって何ですか。 Bose:いろいろあるけどなあ…味が出てないといやですよね。全てのアートに言えるんだけど、シュッとするだけだったら誰でもできるだろう、みたいな。 ANI:そうねえ、このご時世でね、デジタルで。 Bose:カッコよくするだけだったら誰でもできる。その人なりの面白み…ダサ美っていうか。味…としか言えないけどね。 SHINCO:形跡っていうか筆圧っつーか。 ーーそういうヒップホップぽさみたいなものにはこだわりたい。 ANI:こだわりたい…というよりは出ちゃうんじゃないですか。これキレイすぎるからレコード・ノイズ入れておこうか、みたいな。 Bose:なんか…若い人とやってると、こっちはすげえ頑張って若い人のテンポにあわせてシャキシャキやってるつもりなんだけど、「スチャさんとやるとユルくていいすよねえ」って言われたりして(笑)。ほんとよく言われる。どこでもそうなんだよ! だからその「味」が出ちゃってるんだろうね。こっちは隠そうと思ってるんだけどさ。なるべくシャキシャキやってるつもりなんだけど。 ーー生まれついてのものだ。 Bose:そうなってしまったし、みんなもそれを期待してる、みたいな。ちょっとずれてる感っていうか、このダサい感じがなんでかっこいいんだろう、みたいな。ヒップホップって、音だけに魅せられたんじゃないんですよ。そういう全体の美学がヒップホップだと思ってるから。なんかその…かっこいいのをかっこよくやってどうすんだよ!みたいな。 ANI:(笑)あはははは! Bose:つい思っちゃう、なんでも。そのままやってどうすんだよ!っていう。 ANI:かっこよくないじゃん!みたいな。 Bose:そうそう。いちばんかっこよくないじゃん、っていう。 ーー早川義夫ですね。「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」 ANI:そうそう。 SHINCO:ちょっとスキがあったほうがいいのかもしれない。 Bose:ANIなんかもさ、なんでもかっこよくやろうと思えばできちゃうんだけど、ファッションとかも。 SHINCO:(笑)わはははは! Bose:だけどあえてグレーっぽく(笑)。 ANI:うううう(笑)。 ーー一度かっこいいファッションでばっちり決めてくださいよ。 Bose:やろうと思えばいつでもできるよね、シュッとしたやつね。 SHINCO:そこをわざとこぼしてシミを作ったりして(笑)。 ANI:…んなことないすよ!もっとシュッと『LEON』みたいなオヤジになりたいですよ!(笑) Bose:なりたいんだ? あはははは!(笑) ANI:全然なりたい。そうしないといい女が寄ってこない(笑)。 ーー女をはべらかすのがラッパーの基本ってことですか(笑)。 Bose:なりたいんだ? ANI:ちょっとなりたい(笑)。 Bose:「ちょっと」ね。でもああいう人って「すげーなりたい」んだよ。「ちょっとなりたい」じゃなくて「すげーなりたい」じゃなきゃダメなんだよ。 ーー欲望が足りてないわけだ(笑)。 ANI:そうかあ…。 Bose:もっとハングリーにならなきゃ。 ANI:生活はだいぶハングリーですよ (笑)。 ーーANIは今作のトレーラーで「今回のアルバムはミリオン売れるのを期待する」みたいなこと言ってたじゃないですか。 ANI:いっつも思ってますよ、そんなの(笑)。 Bose:思ってても見込みが甘いっていうのがあるよね(笑)。 ANI:いや、まだわかんないよ。世の中いつ間違いが起きるかわからないから(笑)。 Bose:それはそう。売れるもんにセオリーがあるわけじゃないからね。 ーースチャのやってることに突然世の中がシンクロするかもしれない。 Bose:そうそうそう。バシッ!ヤバい!見られた!みたいな感じで。 ANI:見つかった!みたいな。 Bose:坂上忍みたいに急に脚光を浴びることもあるからさ(笑) ーー今作も世の中へのスチャの存在アピールみたいなものだから。 Bose:そうそう。それでどういう反応が来るかがまだ見えてないですからね。 ANI:「たまにはどうですか、CD? CDもいいもんですよ!」って。 (取材・文=小野島大)
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スチャダラパー『1212』(初回限定盤)

■リリース情報 『1212』(読み方:ワンツウワンツウ) 発売:2015年1月28日(水) 価格:<初回限定盤>(CD+DVD) 価格:¥3,241+税    <通常盤>(CDのみ) 価格:¥2,315+税 <CD収録内容> 1. イントロダクションワンツー 2. スチャダラメモ 3. ゲームボーイズ2 4. ワープトンネル feat.ロボ宙&かせきさいだぁ 5. M4EVER 6. ザ・ベスト 7. 哀しみturn it up 8. 中庸平凡パンチ 9. A.K.A ETC 10. Off The Wall feat.清水ミチコ 11. 恋のペネトレイト 12. Boo-Wee Dance <DVD収録内容> 2013年開催スチャダラパーワンマンライブ『23』 ※23曲+MC入り123分 ※初回限定版のみ 1. ザ・コストパフォーマンス登場 2. オープニング 3. アーバン文法 4. Under the Sun 5. ライツカメラアクション 6. From 喜怒哀楽 7. MC1 8. ヒマの過ごし方 9. Boo-Wee Dance 10. アフター ドゥービー ヌーン 11. MC2 12. 23ch FUNK 13. GET UP AND DANCE 14. FUN-KEY4-1 15. MORE FUN-KEY-WORD 16. LET IT FLOW AGAIN 17. 何処か… どっちか… 18. MC3 19. スチャダラメモ 20. MC4 21. コロコロなるまま 22. ヨゴレタヒデヲ 23. 今夜はブギー・バック 24. MC5 25. Shadows Of The Empire 26. ジャカジャ~ン 27. Good Old Future 28. ザ・ベスト 29. エンドロール 30. サマージャム2013 31. 彼方からの手紙

スチャダラパーが語る“味”ありきのヒップホップ論「カッコよくするだけだったら誰でもできる」

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【リアルサウンドより】  2015年にデビュー25周年を迎えるスチャダラパーのニューアルバム『1212』が、スチャダラパーとSPACE SHOWER MUSICによる新レーベル「ZENRYO RECORDS」から1月28日にリリースされる。同作は、2009年リリースの『11』以来、約6年ぶりとなるオリジナルアルバム。新曲群に加え、チャットモンチーとのユニット“スチャットモンチー”による「M4EVER」や、清水ミチコとの共作曲「Off The Wall」、ロボ宙とかせきさいだぁを迎えた「ワープトンネル」など、インディーズ活動の中で自主制作盤として発売した楽曲からピックアップしたものが収録されている。今回リアルサウンドでは、スチャダラパーにインタビューを実施。聞き手には、10年ぶりのスチャダラパー取材という音楽評論家の小野島大氏を迎え、インディーズ活動を通して味わった体験やスチャ流ヒップホップのあり方、今後の展開などを語ってもらった。

「僕らはクール・Jみたいな正統派じゃない。お笑い芸人の次、スペースシャワー的な(笑)」(Bose)

Bose:お久しぶりです(笑)。 ANI:ご無沙汰してます(笑)。 ーー(笑)ご無沙汰してます。取材という形でお会いするのは『The 9th Sense』(2004)の時以来だから、10年ぶりですよ(取材日は2014年12月29日)。 Bose:お互いまだやってるのが間違ってるよね(笑)。お互いやめてないっていう怖さ(笑)。だってライター歴何年なんですか? ーースチャの活動歴と同じぐらいですよ。 Bose:ですよね。25,6年ってことですよね。怖くないそれ?(笑) 絶対そんな風に(それだけ長いこと続けるとは)思ってなかったじゃないですか。 ーーお互いね(笑)。 Bose:(そんなに)やってるはずないって思ったもん。 ーーねえ。まあ私は日々食っていくので精一杯ですけど(笑)。 Bose:それはお互い様ですよ(笑)。 ANI:同じく!ですよ(笑) Bose:ラッパーだってさ、始まったあとどういうフィニッシュがあるのかわからないじゃん。 ーーロールモデルがないもんね。 Bose:ないもん。 ANI:豪邸? Bose:いやいや。LL・クール・Jとかは司会やってるじゃんね。 ーーああ、グラミー賞とかね。 ANI:すっげえうまい。 Bose:上手だよね、ちょっとウィットに富んだことを言いつつ…。 ANI:「最高だぜ!」みたいにうまく持ち上げて。 ーーでもBoseも司会の道を着々と歩んでるじゃないですか(フジテレビ系『ムチャブリ!スタンパー』)。 Bose:いませんよっ!それに僕らはクール・Jみたいな正統派じゃないからね。お笑い芸人の次というか。スペースシャワー的な(笑)。 ANI:よくお似合いっていう(笑)(注:スチャダラパーの新作のレーベルはスペースシャワーネットワーク)。 Bose:CSだとのびのびできるっていう(笑)。 ーーでもスチャは結成以来27年、全然スタンスを変えないでやってるでしょう。それはすごいと思いますけど。 Bose:いやあ…(浮かない顔)。 ANI:本人たち的にはスタンス変えていきたいと思ってるんですけどねえ。 ーーあ、思ってるんですか。 ANI:思ってますよ。 ーーどういう風に? SHINCO:昼の帯でラジオ。 ANI:くくくく(笑)。 Bose:それ、あんまりスタンス変わってないから(笑)。 ANI:もうちょいなんか…。 Bose:売れる売れない的な? ANI:うん。 Bose:たとえばさ、ライヴ年間100本やるミュージシャンになる、みたいな。そういう道にいってもよかったんだけど、なんかそっちにならなかったですねえ。

「『マジでスチャ好きなんすよ』みたいな奴に限って、聴いてねえし見てもいねえ(笑)」(Bose)

ーー確かにね。今回も6年ぶりのアルバムでしょう。なぜそんなに時間がかかったのか…。 Bose:まとめてちゃんとアルバムにしないと、世間からは何もやってないと思われるっていう。ずっと音源は作ってて、自分達なりのやり方でリリースはしてたんですよ。 ーーライヴ会場とかでね。 Bose:だけどそれは世の中的にはカウントされないっていうのに4年ぐらいたって気づいて(笑)。TVの仕事とかするとさ、「音楽のほうは最近どうしてらっしゃるんですか?」とかマジで聞かれるから(笑)。けっこう「マジでスチャ好きなんすよ」みたいな奴に限って(笑)。ほんとかよ?っていう。聴いてねえし見てもいねえみたいな(笑)。そこで反省するわけですよ。結局アルバム出してこうやって取材受けたり、雑誌に載ったりしないとカウントされないんだと思って。 ーー逆にいうとアルバムを作る必然性みたいなものは、それ以外に感じてなかったってことですか。 Bose:前のレコード会社と契約が終わったあとに、こういう形態が面白いんじゃないかと考えたんですよ。自分らのライヴで(ライヴ物販用に作った)ミニ・アルバムみたいなのがTシャツとかと同じように売ってて、来てくれた人の多くが買ってくれる、という。そういうやり方の方が、レコード会社と契約して活動するよりも、作り方としても自由にできるし、お金の面でもむしろいいぐらいだったりする。レコード会社と契約してるメリットも、僕らはあんまりないから。広いスタジオとかも必要無いし、僕らとしては今の形でやって続けていければ、それでいいなと思ってたんですよ。 ーーインディペンデントでやったほうが。 Bose:完全にインディだし…レコード会社の目が入ると、曲を作って、そんなに直接的に怒られるようなことは書いてないけど、なんか難癖つけられたりすることはあるもんね。 ANI:なんでもないことでもね。 Bose:歌詞もそうだし曲でも。「この部分ちょっと…一応確認します」みたいな。鼻歌のようになんかの曲の一部を歌ってるのでもダメだったり。メジャーだと普通にあるからね。僕らが作るものって、そういうのが自然に入ってくるからさ。ANIが勝手に沢田研二の歌詞を引用したりとか(笑)。平気でやるからね。 SHINCO:やや問題になったけどね。 Bose:問題になったねえ。 ーーでもラップはそういう文化だから。 Bose:そう。もちろん許可とらなきゃいけないのはあるけどさ。ラップってそもそも人のやつを替え歌したりするのが面白いから。そういうのが好きなんだよ。ほんのちょっとした引用の範囲内なのに、それを「カバー申請しなきゃ」とかそこまでなってくると、もういいや、ってことになる。 ーー90年代の頭ぐらいと比べるとずいぶんうるさくなってるよね。 Bose:すごいあると思うよ。まあ昔のディレクターがユルすぎただけなのかもしれないけどさ(笑)。そういうのもあって、レコード会社を通さずにやってたわけ。だから僕らがちゃんとライヴ・ツアーをいっぱいやって、レコード会社とやるのを上回るぐらいの売り上げがあれば、それがいちばん良かったと思う。レコード会社とやるよりもCD売れてるじゃんって! SHINCO:マドンナも既存のレコード会社じゃなくツアー制作会社と契約してるじゃないですか(ライヴ・ネーションとの包括契約)。それに近い。 ANI:近くないけど(笑)。全然スケール小さいけど(笑)。 Bose:主流でほんとに売れてる人がやれば、絶対こっちのほうがうまくいくんだけど。だから僕らのノウハウで売れてるやつがやれ!っていう(笑)。だから…これでいいと思ってたんですよ。これで成功すれば勝ち!みたいな。でも僕らだと(売り上げの)マルが一桁少なくて話題にならない、みたいな(笑)。 ーー今作はそうしてこれまでライヴ等で販売していた曲を集めたってことですよね。 Bose:そう。こうして自分らがインディーズで作ってライヴで売ってた音源をまとめてアルバムにする、っていうのはいいモデルだよね。6年だとちょっと長すぎるけど(笑)。2~3年ぐらいのスパンでまとめられれば。制作に関しても、僕らとロボ宙ぐらいしか必要ないからね。 ANI:あとエンジニアとね。 Bose:超節約型でいけるし。 ーー録音はホームスタジオ? Bose:うちと、あとはいつも使ってる歌入れの小さなスタジオ。 ーー結局レコーディングもヴォーカルのブースだけあればいいってことだよね、スチャの場合。 Bose:そうなんですよ。ちょっと楽器…ベースや鍵盤が入るぐらいだから。それも全部ラインで録れるから。部屋で鳴らすことはほぼないし。

「もうSHINCOがラップするぐらいじゃないと驚いてもらえない」(Bose)

ーーつまりアルバムとして出す必要性も感じていなかったし、レコード会社とやるのも制約が多いからやる気もなかったけど、アルバムという形で出さないと世間の認知みたいなものがなかなか…。 Bose:なかなかね…自分らとしてはそれまで出してたミニ・アルバムみたいなものでいいし、なにも変わらないんだけど、でも「出てることになってない」みたいな感じだもんね。 ーーライブ会場とスチャのホームページのみの販売だと、ライヴに通う熱心なファン以外にはなかなか広がっていかないですよね。 Bose:それもあるね。(一般には)売ってないしね。それも問題なんだよね。地方にいくと「普通にレコード屋で売ってるCD出してください」って言われるし。ライヴで売ってると言ってもフェスやイベントは出演は多いけど、ワンマンは東京や大阪みたいな大都市中心だからね。 ーーなるほどね。となると、今作はこの6年のスチャの活動の抜粋・報告というか、ベストみたいな感じ。 Bose:そうだね。ベスト・プラス新曲4曲。 ーーまとめるにあたって考えたことは? Bose:特にこれと言ってないよね。最近ライヴでよくやってるような定番曲、自分たちで気に入っている曲を並びがいいように選んだという。 ANI:12曲にしようというのはあった。 Bose:タイトルが『1212』だしね。 SHINCO:前のアルバムが『11』だったから。 Bose:よく言ってるしね。「ワンツー・ワンツー」って。のちに気づいたのは、ANIの結婚記念日が12月12日で、こないだ12回目だったんだっけ? そういうのがぴたっと…。 ーーじゃあ12月12日に出さなきゃ(笑)。 Bose:そうなんですよ!(笑)。そこが詰めの甘いところで…(笑)。 SHINCO:12月12日にマスタリングしてた(笑)。それでスタッフが「ANIさんケツがありますんで」「何?」「結婚記念日なんで(奥さんと)メシがあるんです」(笑)。 Bose:なのでマスタリングの最後にいなかったっていう(笑)。そういうユルさが…。 ーースチャですねえ(笑)。新曲はどれなんですか? Bose:タイアップ絡みの曲がそうですね。「ゲームボーイズ2」(『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』CF曲)「中庸平凡パンチ」(テレビ東京系ドラマ『山田孝之の東京都北区赤羽』主題歌)「恋のペネトレイト」(WOWOW NBAイメージソング)ですね。 ーーなるほど。つまり強いアルバム・コンセプトがあったわけではない、と。でも統一性なんか考えてなくても、ちゃんとスチャダラパーらしい作品になってますね。 Bose:まあねえ。例えば「哀しみturn it up」って曲があって、ライヴ用にシングルで出したんですけど、全然(それまでのスチャと)違うものにしようと思ったんですよ。ANIの歌もので昔のエレクトロ風、っていう時点でギャグとしてレベル高いなと思ったんですけど、やってみたらスッと収まっちゃったという(笑)。そんな想定外じゃないというか、こんなの前もなかったっけ、みたいな感じになっちゃった。 ーースチャって今までも制約なくいろんなことを自由にやってきたから、何をやっても驚かれないっていうか、すんなり受け止められちゃうのかもしれませんね。 Bose:そう。だからそうやっていつも外してるつもりでも…。 SHINCO:やりそう、って言われる。 Bose:前にやってそう、って。やってなくて、けっこう挑戦したつもりだったのに(笑)。チャットモンチーとやってるやつも(スチャットモンチー「M4EVER」)我ながらヘンだなーと思うんだけど、やってみたら「前にやってなかったっけ?」って言われる(笑)。清水ミチコさんと(「Off The Wall」)だって、やったことないんだから…。 ーーあれ、やってなかったっけ? Bose:ないですよ!(怒) ーーそれは失礼しました(笑)。自分たちとしては常に新しいことをやって切り拓いてるつもりでも、みんなスチャはなんでもアリだと思ってるから、何をやっても新しいとは思ってくれないと。 Bose:あるかもしれないですねえ。25年もやってると。 ーーANIの歌でも驚かれないから…。 Bose:もうSHINCOがラップするぐらいじゃないと驚いてもらえないかも(笑)。 SHINCO:アカペラで…。 Bose:ハモリの…。 一同:(乾いた笑い) ーーそこまでいくともうラップじゃない(笑)。 Bose:でもまあ、自分たちとしては毎回、ちょっとずつはみ出していってる感じはあるんですけどね。 ANI:でも自分たちが思うほどはみ出してないのかも。 Bose:ああ、もっともっといかないとね。 ANI:あとまあ、好みみたいなのが決まってきてますからねえ。今の新しいヒップホップの感じとかあるじゃないですか。 Bose:それに挑戦!みたいなのはないもんなあ。すごい速い曲をやったり、オートチューン使ったり…。

「最近はバンドでやり直すってことも考える」(SHINCO)

ーー6年前のアルバムと比べることにどれだけ意味があるかわかりませんが、トラックはよりシンプルになってきた気がします。 SHINCO:ああ、そうですかねえ。 ーーシンプルなトラックでちゃんとリリックを聴かせる。王道、と言っていいのかわからないけど。 Bose:ああ、そこはもう基本的な好みが変わらないからなあ。 SHINCO:最近はバンドでやり直すってことも考えるんですよ。バンドでもできるといいなあ、と思いながら作ってる。 Bose:ここ1~2年バンドを入れるライヴをよくやってるんですけど、ターンテーブルでビートを出してバンドが乗っかるとか、完全にバンドでやるとか、そういうのが面白くて。ヒップホップ的な、ターンテーブルだけで制約がある状態と、少し自由なのが混ざってるぐらいのバランスがちょうどよくて。音源を作りながらも、これをバンドでやるときはどうするか想像しながら作る、という部分は変わってきたかも。 ーーああ、そういうバッファを残して作ると。 Bose:うん、だからシンプルになってるのはそういうのもあるかも。ベースとか入る隙を考えながら作ったりね。 ーーなるほどね。スチャの前ってバンドやってた経験とかあるんでしたっけ? Bose:全然ないですね。僕ら楽器が演奏できないから、もともと。持ったことないし。 ANI:レコードしか聴いてないっていう。 ーーレコードしか聴いてない奴ができる音楽がラップだった。 Bose:ですねえ。ターンテーブルやサンプラーは楽器だといえば楽器なんですけど…SHINCOとか、いいキーボード一杯持ってるけど、直には弾けないからね。指一本ずつでこう… ーー単なる入力装置であると。 Bose:そうなんですよ。 SHINCO:始める前にドラムマシーンだけは持ってましたけどね。 Bose:ドラムマシーンも楽器といえば楽器だけど…。 SHINCO:LL・クール・Jのファーストみたいに、ドラムマシーンだけでできるんじゃね?と思ったから。 Bose:そこから楽器を始めたっていいのにやらなかったっていうのが、いわゆるミュージシャンとはどうも違いますよね。 ANI:(ほかのミュージシャンと)会う機会があっても、全然共通の話題がない…(笑)。だから音楽の話とかしないようにしてる(笑)。 Bose:いや、合うところもあるよ。聴く部分とかさ(笑) ANI:聴く部分は合うけどさ、聴き方も違うじゃん。「あそこブレイクやばいでしょ!」「は?ブレイク?」(笑) Bose:たぶんギターに興味を持った人とか、違いますよね。たとえば木暮(晋也)さんとか一緒にいると、いまだにギターのことをずっと考えてるもんね。エフェクターのこととか、鳴りがどうとか。その聴き方は(自分たちに)ないもんね。 ANI:鳴りとか、大きければいいじゃんて。 Bose:究極的には(弾かなくても)サンプリングすればいいじゃん、って発想になる。 ANI:サンプリングでよくね?って(笑) ーーでもそこは最近バンドでやるようになって変わってきたわけでしょ。 Bose:逆に自分たちのバンドの人たちは僕らのヒップホップ的な感覚もわかって演奏してくれてる。特に笹沼(位吉)さんとか松田(浩二)さんとか、すごいループ的なこともわかりつつやってくれるから。 ANI:話が早いすね。 Bose:サンプリングで作って演奏はしにくい曲とかあるじゃないですか。こんなところでベースは弾きにくい、というのを逆に楽しんでやってくれたりするから。そういう人だと話はできるけど。だからこれが、よそのバンドと一緒にラップやらなきゃいけない時は、やっぱり難しいですよ。バンドの感覚で演奏している人にどう説明したらいいのか。だから…ラップしてて邪魔なんだよ楽器って(笑)。いやほんとマジな話すると。ドラムだけでいいよって言いたくなるんだけど(笑)。でも演奏は必要だから。それがわかってるベースや鍵盤はなかなかいないですよ。そういう意味でいまやってるバンドの人はいいんですよ、すごく。余計なことしなくて(笑)。 ーーだったらLL・クール・Jみたくドラムマシーンだけでいいじゃん、とはならないの? Bose:なんですけど、やっぱりより自由な部分が必要なんですよ。僕ら、もともとターンテーブルでやってるほうが気持ちよかったんだけど、でもギター・ソロとかもやっぱりかっこいいし、ギター・ソロのあとにラップに戻ると盛り上がったりするんですよ。あとバンドでやってるほうが人数も増えて見所も増えるし、ライヴはラクで(笑)。 ANI:持つよね。 Bose:持つ持つ。ターンテーブルだけで2時間以上やってるとやっぱ限界があるんだよね、場を持たせるのに。だからMCとしてはすごくラクで。それを楽しめるようなゆとりが出てきたから。

「遅くするとかっこいいと思って遅くしてたけど、今はぴったり(笑)」(Bose)

ーー最近バンドと一緒にラップやる人が多いじゃないですか、環ROYくんとか。 Bose:たぶん同じような発想じゃないかな。ターンテーブルとラップだけってさ、これ2時間やるもんじゃねえなって(笑)。 ーー今さらそんなこと言うかね(笑)。 Bose:だってラップのライヴで2時間ターンテーブルだけでやる人なんてあんまりいないもんね。だいたい1時間なのは必然性があるんだよ(笑)。自分らはそれをなんとか面白がってやろうと思ってやってるけど、工夫して持たせてるとこあるもんね。そりゃバンドになったらより見やすいライヴにはなると思う。ただラップ2時間続けるのもしんどいし。 ーーなるほどね。 Bose:でも、バンドと一緒にやるのもバランスが重要なんだよね。スチャがやってる感じなんだけどバンドでできてる、という感じにするのがなかなか難しくて。 ーーチャットモンチーとやってるやつはどうだったんですか。 Bose:アッコちゃん(福岡晃子)がドラム叩いてそれをループして…って作っていきましたね。チャットも2人になってループとかを使ってやり出した時だったから、ちょうどタイミングがよかったですね。 ーーほかにキーになるような曲というと。 ANI:「ザ・ベスト」とか。すげーいい曲できたと思った。 ーー今のスチャダラパーの心境が素直に出てる歌詞ですね。 Bose:そう。歳をとってきてね。周りもみんなこういう歳になってきて。曲ももの悲しい感じがいいよね。 ーー今作はそういう年齢なりの実感を感じさせるような曲と、スチャっぽい皮肉な、ウイットに富んだ寸鉄人を刺す感じの言葉がうまく併存してますね。 Bose:ねえ。もう寅さんの年齢超えてきたでしょ?(『男はつらいよ』の主人公・車寅次郎は、映画第一作公開の時点で38歳の設定) ANI:山田洋次が『幸せの黄色いハンカチ』を作ったのが42歳ぐらいらしい。(正確には46歳) Bose:ほら、超えてきちゃったから。そりゃ哀愁も出ますよねえ。 ーー全員40代後半? Bose:うん、45,6,7… ーーへたしたら次のアルバム出す時は全員50代かも。 ANI:やばいねえ…。 Bose:やばいねえ…。 ーー高齢化社会に向けて、リリックの内容も、これから減っていくばかりの若者層に向けるよりは…。 ANI:(笑)高齢者に向けた方が。 Bose:マーケット的には正解だよ(笑)。 ーーそうか、スチャの曲のテンポが遅いのはそういう理由か(笑)。年齢的に速いのができない(笑)。 Bose:前はさ、遅くするとかっこいいと思って遅くしてたけど、今はぴったり(笑)。ほっといても93(BPM)ぐらいになるからさ(笑)。

「ヒップホップって、音だけに魅せられたんじゃない」(Bose)

ーーヒップホップも新しいものがどんどん出てきて日々更新してますが、スチャの考えるヒップホップらしさって何ですか。 Bose:いろいろあるけどなあ…味が出てないといやですよね。全てのアートに言えるんだけど、シュッとするだけだったら誰でもできるだろう、みたいな。 ANI:そうねえ、このご時世でね、デジタルで。 Bose:カッコよくするだけだったら誰でもできる。その人なりの面白み…ダサ美っていうか。味…としか言えないけどね。 SHINCO:形跡っていうか筆圧っつーか。 ーーそういうヒップホップぽさみたいなものにはこだわりたい。 ANI:こだわりたい…というよりは出ちゃうんじゃないですか。これキレイすぎるからレコード・ノイズ入れておこうか、みたいな。 Bose:なんか…若い人とやってると、こっちはすげえ頑張って若い人のテンポにあわせてシャキシャキやってるつもりなんだけど、「スチャさんとやるとユルくていいすよねえ」って言われたりして(笑)。ほんとよく言われる。どこでもそうなんだよ! だからその「味」が出ちゃってるんだろうね。こっちは隠そうと思ってるんだけどさ。なるべくシャキシャキやってるつもりなんだけど。 ーー生まれついてのものだ。 Bose:そうなってしまったし、みんなもそれを期待してる、みたいな。ちょっとずれてる感っていうか、このダサい感じがなんでかっこいいんだろう、みたいな。ヒップホップって、音だけに魅せられたんじゃないんですよ。そういう全体の美学がヒップホップだと思ってるから。なんかその…かっこいいのをかっこよくやってどうすんだよ!みたいな。 ANI:(笑)あはははは! Bose:つい思っちゃう、なんでも。そのままやってどうすんだよ!っていう。 ANI:かっこよくないじゃん!みたいな。 Bose:そうそう。いちばんかっこよくないじゃん、っていう。 ーー早川義夫ですね。「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」 ANI:そうそう。 SHINCO:ちょっとスキがあったほうがいいのかもしれない。 Bose:ANIなんかもさ、なんでもかっこよくやろうと思えばできちゃうんだけど、ファッションとかも。 SHINCO:(笑)わはははは! Bose:だけどあえてグレーっぽく(笑)。 ANI:うううう(笑)。 ーー一度かっこいいファッションでばっちり決めてくださいよ。 Bose:やろうと思えばいつでもできるよね、シュッとしたやつね。 SHINCO:そこをわざとこぼしてシミを作ったりして(笑)。 ANI:…んなことないすよ!もっとシュッと『LEON』みたいなオヤジになりたいですよ!(笑) Bose:なりたいんだ? あはははは!(笑) ANI:全然なりたい。そうしないといい女が寄ってこない(笑)。 ーー女をはべらかすのがラッパーの基本ってことですか(笑)。 Bose:なりたいんだ? ANI:ちょっとなりたい(笑)。 Bose:「ちょっと」ね。でもああいう人って「すげーなりたい」んだよ。「ちょっとなりたい」じゃなくて「すげーなりたい」じゃなきゃダメなんだよ。 ーー欲望が足りてないわけだ(笑)。 ANI:そうかあ…。 Bose:もっとハングリーにならなきゃ。 ANI:生活はだいぶハングリーですよ (笑)。 ーーANIは今作のトレーラーで「今回のアルバムはミリオン売れるのを期待する」みたいなこと言ってたじゃないですか。 ANI:いっつも思ってますよ、そんなの(笑)。 Bose:思ってても見込みが甘いっていうのがあるよね(笑)。 ANI:いや、まだわかんないよ。世の中いつ間違いが起きるかわからないから(笑)。 Bose:それはそう。売れるもんにセオリーがあるわけじゃないからね。 ーースチャのやってることに突然世の中がシンクロするかもしれない。 Bose:そうそうそう。バシッ!ヤバい!見られた!みたいな感じで。 ANI:見つかった!みたいな。 Bose:坂上忍みたいに急に脚光を浴びることもあるからさ(笑) ーー今作も世の中へのスチャの存在アピールみたいなものだから。 Bose:そうそう。それでどういう反応が来るかがまだ見えてないですからね。 ANI:「たまにはどうですか、CD? CDもいいもんですよ!」って。 (取材・文=小野島大)
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スチャダラパー『1212』(初回限定盤)

■リリース情報 『1212』(読み方:ワンツウワンツウ) 発売:2015年1月28日(水) 価格:<初回限定盤>(CD+DVD) 価格:¥3,241+税    <通常盤>(CDのみ) 価格:¥2,315+税 <CD収録内容> 1. イントロダクションワンツー 2. スチャダラメモ 3. ゲームボーイズ2 4. ワープトンネル feat.ロボ宙&かせきさいだぁ 5. M4EVER 6. ザ・ベスト 7. 哀しみturn it up 8. 中庸平凡パンチ 9. A.K.A ETC 10. Off The Wall feat.清水ミチコ 11. 恋のペネトレイト 12. Boo-Wee Dance <DVD収録内容> 2013年開催スチャダラパーワンマンライブ『23』 ※23曲+MC入り123分 ※初回限定版のみ 1. ザ・コストパフォーマンス登場 2. オープニング 3. アーバン文法 4. Under the Sun 5. ライツカメラアクション 6. From 喜怒哀楽 7. MC1 8. ヒマの過ごし方 9. Boo-Wee Dance 10. アフター ドゥービー ヌーン 11. MC2 12. 23ch FUNK 13. GET UP AND DANCE 14. FUN-KEY4-1 15. MORE FUN-KEY-WORD 16. LET IT FLOW AGAIN 17. 何処か… どっちか… 18. MC3 19. スチャダラメモ 20. MC4 21. コロコロなるまま 22. ヨゴレタヒデヲ 23. 今夜はブギー・バック 24. MC5 25. Shadows Of The Empire 26. ジャカジャ~ン 27. Good Old Future 28. ザ・ベスト 29. エンドロール 30. サマージャム2013 31. 彼方からの手紙

人気モデル・平子理沙は無類のフィギュアオタ! 増殖する“オタクモデル”たち

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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平子理沙 写真集『heaven』(ワニブックス) 
 オタク文化が一般層にも広がりを見せつつある昨今、オタクとは無縁なイメージがあるファッションモデルたちが次々に“オタク趣味”を公言しています。  1月23日に放送された『バナナマンの決断は金曜日!』(フジテレビ系)に登場した平子理沙もその一人。平子理沙は「美人百花」(角川春樹事務所)や「MAQUIA」(集英社)など多くのファッション誌の表紙を飾る、アラフォーの星と言われるモデルですが、2012年の夏コミに参加したことや、『偽物語』などといったアニメにハマっていることをブログで綴ったことでも話題に。今回登場した番組でも、そのオタクっぷりを見せつけていました。 「おたぽる」で続きを読む