「千本桜」はなぜ国境を越えて愛されるのか? CTS feat.初音ミクの動画が英語圏で話題を集める背景

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【リアルサウンドより】  2011年9月にインターネット上に公開されてから約3年半。ボーカロイドのシーンから生まれた数々の楽曲の中でも、「千本桜」は今や世代や国境を超え、群を抜いた人気を誇っている。  黒うさPによって投稿されたオリジナル曲は、2014年3月23日現在で860万回以上の再生回数を記録。数々の「歌ってみた」動画も投稿され、JOYSOUNDのカラオケ年間ランキングでは2012年から2014年にかけて3年連続で第3位にランクインしている。まらしぃによるピアノカバーや和楽器バンドによる演奏など様々なジャンルのカバーも公開され、昨年には演歌歌手・小林幸子も日本武道館公演で“持ち歌”として熱唱した。  さらに、2015年3月には“覆面LEDユニット”CTSが、初音ミクとコラボした形でこの曲をダンスミュージックのスタイルでカバー。「CTS feat.初音ミク」名義で、3月18日にシングル、25日にEPという形で配信限定リリースした。

「千本桜」CTS feat. 初音ミク Teaser

 なぜ「千本桜」はシーンの垣根を超え、歌い継がれる名曲となったのだろうか。この記事では、改めてその理由を分析していきたい。  まず大きなポイントは、この曲が「ヨナ抜き音階」を駆使したメロディを持っていること。ところどころで外れるところはあるが、「千本桜」は基本的にはDmキーのヨナ抜き音階(ニロ抜き短音階)をベースにした旋律になっている。以前に音楽プロデューサーの亀田誠治がテレビ番組『亀田音楽専門学校』で説明したように(参照:http://realsound.jp/2013/10/post-136.html)、5音階からなる「ヨナ抜き音階」は明治時代に「唱歌」のメロディとして普及し、日本人にとって最も親しみやすいものだ。  また、「♪大胆不敵に ハイカラ革命」から始まる歌詞も、七五調にこそなっていないが、その変形をベースに日本語本来の語呂の良さを活かしたもの。つまり、日本人にフィットする、「和」を思い浮かべやすい要素を散りばめた曲調になっている。和楽器バンドや小林幸子がこの曲を歌い継ぐのは理に適ったことと言えるわけだ。

和楽器バンド / 千本桜

 ポピュラー音楽研究を専門とする音楽学者の輪島祐介は、著作『創られた「日本の心」神話』にて、現在の意味で用いられるような「演歌」というジャンルが1960年代後半に生まれたものであることを指摘している。「七五調の変形」「ヨナ抜き五音音階による旋律」という、昭和初期の歌謡曲のスタイルを持った当時の楽曲が当時に「演歌」の枠組みの中に位置づけられたとしている。また、「それが『日本的』ないし『伝統的』なものとして一般に定着するのは1970年代です」と言及している。  つまり「演歌=日本の心」という認識も比較的新しいものであるわけだ。その延長線上で想起すれば、いわば「千本桜」も21世紀の新しい「日本の心」となった、と言えることになる。  さらに面白いのは、この「千本桜」が去年から今年にかけて海外に広まっていることだ。  前述のCTS feat.初音ミクによる動画にも海外からと思われる英語のコメントが寄せられている。  代表曲「Yume Be The Light」に顕著なように、ティエストやアーミン・ヴァン・ブーレンなどトランスのルーツを咀嚼しJ-POPの枠組みの中でアウトプットしてきたユニットがCTSだ。

CTS - Yume Be The Light

 覆面ユニットでありつつCircle(Vo)のエモーショナルな歌声には記名性があり、すでに海外でもファンベースを築きつつある。CTS feat.初音ミク「千本桜」のMVも渋谷慶一郎「THE END」やBUMP OF CHICKEN「ray」を手がけた東市篤憲(A4A)が監督をつとめ、クリプトン・フューチャー・メディアが制作した3DCGモデル「14モデル」の初音ミクが起用されている。そういったところからも話題を集めた形だ。  また、「踊るヴァイオリニスト」としてアメリカやヨーロッパを拠点に活躍するリンジー・スターリングも、この「千本桜」をカバー。アルバム『踊る!ヴァイオリン』の日本盤ボーナス・トラックに収録されたこの曲はYouTubeにも動画が公開され、やはり海外の彼女のファンから多数の反応が集まっている。

リンジー・スターリング - 千本桜

 また、オランダのハードスタイルを代表するDJで、昨年の『DJ MAG』ランキングでも45位にランクインした実力派DJ Frontlinerも、この「千本桜」のリミックスを発表している。

初音ミク - 千本桜 | Hatsune Miku - Senbonzakura (Frontliner Remix)

 こうして「千本桜」は、いまや様々な形で国境を超えている。  たとえば、1980年代に世界を席巻したYMOの代表曲「ライディーン」もヨナ抜き音階を駆使した楽曲だ。中田ヤスタカの作曲によるきゃりーぱみゅぱみゅ「にんじゃりばんばん」やPerfume「レーザービーム」もそう。これらを敷衍して考えると、どうやら海外に日本のポップが進出する上で「テクノロジカルなイメージ+ヨナ抜き音階」が一つのキーになっているとも言えそうだ。  ここ数年、日本でも海外の音楽シーンにおいても、人気曲や定番曲のカバーはポップミュージックの手法として定着してきている。長く歌い継がれる耐久性を持った「千本桜」は、この先もジャンルを超えた様々な広がりを生み出していくのではないだろうか。 (文=柴那典)
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CTS『CTS feat.初音ミク - 千本桜』

■リリース情報 『CTS feat.初音ミク - 千本桜』 発売:2015年3月25日 全 7 曲 ¥700(digital only) <Track List> 01. 千本桜 by CTS feat.初音ミク 02. 千本桜 03. Let It Go(映画:アナと雪の女王 劇中歌カバー) 04. 遥か(GReeeeN / 映画:ROOKIES主題歌カバー) 05. 千本桜(Instremental) 06. Let It Go(Instremental) 07. 遥か(Instremental) illustration by 虎硬 © Crypton Future Media, INC. www.piapro.net 「千本桜」iTunes: http://po.st/itctssakura http://itunes.apple.com/jp/album/id974573797?uo=4&at=10l3LI ■渋谷駅前スクランブル交差点街頭ビジョンにて生ライブ配信決定 3月27日(金)24:00〜渋谷PARCO内のソーシャルTV局/2.5Dより、生ライブを配信 ※生ライブ配信が行われるのは、渋谷スクランブル交差点街頭ビジョンの109メンズ館に面したグリコビジョンを予定。※当日2.5Dスタジオでの観覧は不可 ■CTS official HP : http://cts-official.com  ■CTS facebook : https://www.facebook.com/CircleTriangleSquare.jp  ■CTS twitter : https://twitter.com/CTS_staff ■ニコラジ:http://ch.nicovideo.jp/nicoradio 

まだまだ予断許さぬ最新HMD情報――“匂い”を再現するVRマスクも登場

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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匂いを再現するVRマスク・「FeelReal Mask」HPより。
 先日お伝えした各社のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)開発の動向だが、GDC(Game Developers Conference)閉幕後もまだまだいろいろと動きがあるようだ。 ■Valveの「SteamVR」は高級路線!?  GDCで一躍存在感を高めたゲームプラットフォーム「Steam」を提供するValve社は先日、年内のリリースを発表したPCゲーム用VRシステム「SteamVR」のHMDである「Vive」の希望小売価格が“やや高くなる”という見通しを示したということだ。 「Games Industry」の記事によれば、同社グローバルマーケティング部のジェフ・ガティス氏は「来るべき商品を通して世界中のユーザーに感動的なVR体験を味わってもらいたいと望んでいるからこそ、この『Vive』はハイエンドな製品になります」と、この「Vive」が決して安価な商品とはならないことを示唆している。 「おたぽる」で続きを読む

ルミネCMで、はあちゅうも炎上!「イケメンだったらセクハラにならない」問題を考える

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
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はあちゅうこと伊藤春香公式ブログ「はあちゅう主義。」より
 先週、JR東日本の子会社が運営するファッションビル「ルミネ」が公式映像としてアップしていた「ルミネが働く女性たちを応援するスペシャルムービー」が大炎上した。  動画を見ていない人のために、動画内で描かれた物語を紹介しよう。  まず、ボーダー服+パンツ+トレンチコートという出で立ちで出勤するひっつめ髪の女子が、会社近くで先輩と思しき男性と遭遇する。「なんか顔疲れてんなー、残業?」と声をかけられ、女子が「普通に寝ましたけど」と答えると、男性は「寝てそれ?」と言って笑いはじめる。そのとき、ふたりの同僚である、もうひとりの女子が登場。そのビジュー付きカーディガン+パステル系ふんわりワンピの巻き髪女子を見て、男性は「やっぱかわいいな、あの子」と言い、ボーダー女子に対し「大丈夫だよー、吉野とは需要が違うんだから」と述べる。そこに〈需要〉というテロップがかかり、〈求められること。この場合、「単なる仕事仲間」であり「職場の華」ではないという揶揄。〉と解説されるのだ。

女王蜂はポップ・ミュージックの真ん中へーー新作『奇麗』に込められた音楽への愛

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【リアルサウンドより】  女王蜂の新作『奇麗』が良い。とても良い。  豪快なバンド・サウンドであり、ぶっ飛んだダンスミュージックであり、最高に楽しいエンターテインメントである。そしてその奥には深い洞察がありカルマがあり、切ないほど正直に生きようとする人間の本音がある。本音はえげつない。しかし圧倒的に美しい。  これこそ女王蜂だと思っていたし、その魅力は以前も今も変わらないのだが、新作『奇麗』をさらに輝かせているのは楽曲とアレンジの豊かさだ。「アヴちゃんの曲って実はすごく緻密、精妙に作られてていつもびびる」とはドレスコーズの志磨遼平が先日ツイートしていた言葉だが、同業ミュージシャンでなくとも、今回はそのことを自分の耳で実感できるはず。轟音ディストーションを後退させた『奇麗』は、彼女たちが真正面からポップ・ミュージックに挑んだ作品。まさに緻密で精妙なプロフェッショナル仕事なのである。  ボーカル・アヴちゃん、ベース・やしちゃん、ドラム・ルリちゃん。そこに新加入したギタリストのひばりくんが、どれだけバンドの制作過程を変えたのかはわからない。ひばりくんが変えたというより、活動休止を経たことで3人の意識が変わったのかもしれないが、ともかく、4人は今回どこまでも真摯に音楽と向き合っている。誰よりド派手なお洋服を着れば勝ち!という思考はない。きめ細やかな模索と、熟考のうえの足し算と引き算。その判断すべてに愛を感じる。音楽への愛。また再び女王蜂ができることへの深い愛情を。  俎上に載せたいのはシングルになった「ヴィーナス」だ。4つ打ちのゴージャスなダンスナンバーは、かつて女王蜂の名前を一躍有名にした「デスコ」を彷彿とさせるが、狂騒的な楽しさで突っ走る「デスコ」に比べ「ヴィーナス」のアレンジはどこまでも奥が深い。  いかにもロックなギターで幕を開け、きらびやかなシンセが天空に虹を掛けるように伸びていく。ファンキーなベースが気分と視線をぐいぐい引っ張り上げ、一瞬のブレイクのあと、スポットライトのあたるステージがパーンと見えてくる。そこに立つのは無論アヴちゃんの歌なのだが、観客(リスナー)はヤケクソ気味に髪を振り乱している4人の姿に圧倒されるわけではない。追ってみれば複雑なのに難解な印象を与えない主旋律。Bメロに入ると鮮やかな転調があり、サビには電気グルーヴ「Shangri-La」に匹敵するほど美しいストリングスが施される。さらに転調。そのあとに来る二度目のAメロが最初よりだいぶキーを上げたものであることにも注目したい。地声もファルセットも区別がないアヴちゃんだからこそできる、転調に継ぐ転調。それを最大限に活かしているのが今の女王蜂の大きな魅力だろう。  最もゾクゾクするのは2分半を超えてからの展開だ。豪華絢爛だった音がふっと消え、クリーンなギター音とボーカルだけが残り、静かな歌声が幾重のハーモニーになって膨らんでいく。考えぬかれた和音構成。そしてギターソロを挟みいよいよ三度目のサビに至る瞬間、アヴちゃんの後ろにはバンド・サウンドではなくピアノが静かに鳴っている。しかし踊る体は止まらない。踊りながら無重力空間に投げ出されていくような快感は、もはやアンダーワールドに近いか。エグい不協和音や偽悪的ノイズはひとつもない世界。楽器が、音楽が、本来持っている自然な美しさを重視した音選び。それなのに終始鮮烈な驚きがあり、ビートが続く限り永遠に踊っていられるダンスミュージックとして機能しているのだ。  たった4分のダンスチューン「ヴィーナス」は、このように音楽的に語ろうと思えばどこまでも語れる曲であり、しかし、フロアで流れれば誰もが我を忘れて踊り狂えるアンセムにもなるだろう。これを名曲と言わずしてなんという。この完成度をポップ・ミュージックの強度と言わずしてなんといえばいい。

女王蜂 『ヴィーナス MUSIC VIDEO(FULL VERSION)』

 曲の幅もとにかく広い。照れながらも純愛に落ちていく「ワンダーキス」はPerfumeが歌ってもおかしくないスイートなポップスであり、アコギ一本でしみじみ歌われる「髪の毛」はイルカあたりが爪弾いていた気がする(くらい懐かしくて普遍的な)フォークの佳曲。過去の怨念が爆発する「折り鶴」はストーリーの激しさにまず圧倒されるが、押し寄せる激情が童謡「七つの子」のフレーズ絡めながらドラマティックに盛り上がり、原作の歌詞のスピンオフになってポトンと堕ちていくエンディングがあまりにも秀逸。ラストのパンキッシュな「緊急事態」の開放感といったら、転調を繰り返しながら喜びを歌い上げるアヴちゃんの姿に、もう神々しさしか感じないくらいである。    アヴちゃんのキャラクターは、すでに多くの人に浸透している。PARCOやTOYOTAのイメージモデルにも起用されたが、そのキャッチコピーが「常識に尻を向けろ」だったように、あくまでエキセントリックな存在、ジェンダーもコモンセンスも超越したスターとしての注目だったと思う。ファッションだけで「すげぇ」と騒がれるが、本人は超然と「これが私には自然なのよ」と微笑んでいる、いわばレディ・ガガのような存在。まぁ、そういう見方も間違いではないのだろうが。  ただ、ゴシップ誌が書かない事実として、ガガはファッションセンス以上に音楽的素養がとても良いのである。リズム主体で攻めるビヨンセに比べても旋律の良さを重視するクラシカルな保守派と言ってもいい。書くメロディは普遍的で、歌唱力は抜群で。ポップスとしての芯が強いからこそ、曲は耳に残るしガガの話題は終わらないのだ。アヴちゃんもきっと、いや必ずそういう音楽家になるだろうと、『奇麗』を聴いて確信した次第。  多くの人に浸透していても、まだ爆発的に売れているわけじゃない。何かのシーンの中心的存在でもない。ただ、「デスコ」のMVを面白がっていたけどそこから活動休止でよくわかんなくなっちゃった、などと思っている人がいるのなら、本当にもったいない話。インパクトではなく音楽を語ろう。女王蜂はこれから本気でポップ・ミュージックの真ん中を狙っていくのだから。 ■石井恵梨子 1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。
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女王蜂『奇麗』(SMAR)

■リリース情報 『奇麗』 発売:2015年3月25日 収録曲: 01. 一騎討ち 02. 泡姫様 03. もう一度欲しがって 04. ワンダーキス 05. ヴィーナス 06. 髪の毛 07. 折り鶴 08. 売春 09. 始発 10. 緊急事態 ・初回生産限定盤特典:完全オリジナル映像作品「残酷」(DVD/収録時間:45分) ・アヴちゃんオリジナル小説「残酷」 ・特殊パッケージ:紙ジャケット 初回盤(CD+DVD) AICL2851-2852 ¥3,889(税抜) 通常盤 (CD ONLY) AICL2853 ¥2,778(税抜) ■ライブ情報 アルバム『奇麗』リリースツアー 「女神たちの売春」 5月17 日(日) 札幌PENNY LANE24 5月20日(水) 名古屋 ElectricLadyLand 5月22日(金) 大阪 ・umeda AKASO 5月24日(日) 福岡 DRUM Be-1 5月31日(日) 広島 Cave-Be 6月5日(金) 仙台MACANA 6月27日(土) 東京 ・ 赤坂BLITZ 【チケットオフィシャル第二次先行受付】 ※抽選制 オフィシャル先行(先着) 【期間】3/25(水)12:00~4/2(木)18:00 【URL】 http://eplus.jp/zv15/ (PC・携帯・スマホ) ■女王蜂公式サイト:http://ziyoou-vachi.com

120万円を寄付する謎の“あしながおじさん”も…YouTuberに続き“ゲーム実況”も職業になる!?

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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DIEC 京都ゲーム実況フェス」公式HPより。
 ゲーム好き以外にはなかなかその面白さがわからない世界、それがネット上で配信されている「ゲーム実況」ではないだろうか。普通に考えて、熱心なゲームファンであれば自分のプレイ時間を確保するのが第一で、他人のゲームを観戦している暇はないのでは? と多くは思うところだろう。しかし2011年に発足した、ゲーム実況に特化した配信サービスの「Twitch」は、そんな予想に反しアメリカのインターネット通信量で「Facebook」や「Hulu」「Amazon」に勝るとも劣らない地位を占めている。これは当然、ゲーム実況を日常的に視聴している多くのファンが存在するということにほかならない。このゲーム実況のメジャーコンテンツ化の流れは、日本にも起こるのだろうか――。 「おたぽる」で続きを読む

獄中結婚!木嶋佳苗が小説を出版 でも中身は“名器自慢”満載の官能小説だった

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
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自伝的小説を出版した木嶋佳苗被告(ニコニコ動画「木嶋佳苗チャンネル」より)
 名器自慢をはじめ、数々のセックス証言が繰り出されて大きな話題となった「首都圏連続不審死事件」の木嶋佳苗被告が衝撃的な内容の小説を発表した。タイトルは『礼賛』(角川書店)という。    これまでもブログで自分の過去を語り、マスコミにも手記を発表してきた木嶋被告。今回は一応、小説という形をとっており、主人公も“木山花菜”と実名ではないが、その生い立ちや愛人遍歴などは、公判やマスコミ報道で明らかにされてきた事件に至るまでの“軌跡”とほとんど一致する。自伝小説といっていいだろう。  北海道の名家に生まれた花菜は、幼少期から早熟な少女だった。尊敬すべき父親と優しい祖父母たち。文化的教養に満ちた家庭環境。これは、母娘、あるいは父娘の関係が主題になった小説なのかと思いきや、しかし、高校時代の描写に入ると、トーンは一変する。 〈私が初めてセックスしたのは、高二の夏休みのことだった。〉  そう。この一文の後、怒濤のセックス描写が始まるのだ。

細野晴臣×坂本龍一のコラボレーションライブが映像化 稀代の音楽家が紡いだ「奇跡の一夜」とは?

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『細野晴臣×坂本龍一 at EX THEATER ROPPONGI 2013.12.21(DVD)』(ビクターエンタテインメント)

【リアルサウンドより】  細野晴臣が2013年12月21日に東京・EX THEATER ROPPONGIで開催した坂本龍一とのコラボレーションライブ「細野晴臣×坂本龍一」。高橋幸宏、伊藤ゴロー、青葉市子、小山田圭吾、U-zhaanといったゲストミュージシャンが出演し、細野と坂本がこれまでのキャリアのなかで発表してきた楽曲やカバーナンバーなどが演奏されたこの貴重なライブが、ついに映像化された。  イエロー・マジック・オーケストラで活動を共にしてきた細野と坂本(そして高橋)。彼らが作りだしてきた音楽が後続のミュージシャンに与えた影響は計り知れない。アンビニエント、エレクトロニカ、テクノポップ、フュージョン、現代音楽などの要素を内包したきわめて前衛的・先鋭的な音楽を志向しながら、80年代以降、幅広いポピュラリティを獲得してきたYMO。その影響を公言しているミュージシャンたち――槇原敬之、宇多丸、山口一郎、中田ヤスタカから新垣隆まで――の名前を挙げるだけでも、彼らの凄さが実感してもらえるはずだ。    コラボライブ「細野晴臣×坂本龍一」の最大の特徴は、シンセサイザーやプログラミング音源を使用しない、完全なアコースティック編成だったことだろう。ライブのオープニングは細野のアコースティックギター、坂本の生ピアノによる「恋は桃色」(’73年の細野のソロアルバム『HOSONO HOUSE』収録)。ふたりだけの演奏はこれが2度目ということで、細野は「一昨年の暮れにこういう感じでやりましたよね」「ふたりでやったのはそのときが初めてで。(坂本が)こんなピアノ上手いとは思わなかった」と穏やかな笑顔で話していたが、その洗練された演奏はまさに絶品。20世紀前半のアメリカンポップスを象徴する作曲家・アーヴィング・バーリンのカバー「The Song is Ended」、「僕にボサノヴァを歌わせた張本人」と紹介した伊藤ゴローを交えて披露された「Pra Machucar Meu Coracao」(スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルトの『ゲッツ/ジルベルト』収録)など豊かなルーツミュージックを感じさせる選曲も興味深い。

細野晴臣×坂本龍一 at EX THEATER ROPPONGI 2013.12.21 ダイジェスト

 中盤では、いまやYMO関連の活動において欠かすことのできない存在となった小山田圭吾をはじめ、シンガーソングライターの青葉市子、タブラ奏者のU-Zhaanといった若手アーティストとともに坂本、細野のソロ曲を次々と演奏。「Perspetcitve」(‘83年のYMOのアルバム『サーヴィス』収録)、細野、忌野清志郎によるユニット・HISの「日本の人」など、貴重なセルフカバーが披露された。特筆すべきは、坂本、細野からも絶賛されている青葉市子のボーカル。このライブのなかで“青葉市子 コーネリアス”名義の「外は線上だよ」(映画「攻殻機動隊ARISE border:2 Ghost Whipers」)も演奏されたのだが、穏やかな手触りと豊潤な感情表現を併せ持った彼女の歌は、本作の大きな魅力だと思う。  本作のクライマックスはもちろん、高橋幸宏が加わり、「Tibetan Dance」(‘84年の坂本のソロアルバム『音楽図鑑』収録)、「Radio Activity」(’75年のクラフトワークのアルバム『放射能』収録)、そしてYMOの歴史的名曲「Rydeen」(‘80年のアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイアー』収録)を演奏する場面だ。細野、坂本、高橋がシンセサイザーを用いず、アコースティック楽器でYMOナンバーを演奏するのは、通称「どてらYMO」(2001年、NHK-BSで放送された「イエロー・マジック・ショー」内で実現した“どてら姿”でのパフォーマンス)以来。まさに超レアな映像と言えるだろう。  演奏自体も本当に素晴らしい。しっかりとミュートを効かせ、鋭利なビートを生み出す高橋のドラム、リズムを繊細に揺らしながら奥深いグルーヴへとつなげる細野のベース、クラシック、ジャズ、フォークロアを自由に行き来しながら美しい旋律を描く坂本のピアノ。70年代以降、常に革新的な音楽を提示してきた3人だが、彼らが一流のプレイヤーであることを改めて実感できる、きわめて貴重なシーンだと思う。細野「まだ叩けるんでしょ」坂本「結構うまいよ」高橋「まあ、そこそこで」というリラックスした会話も楽しい。  エンディングは「年の瀬だし、クリスマスも近いので、関係ない曲をやろう」という細野の言葉に導かれたチャールズ・チャップリンの「Smile」(全出演者によるシックな演奏にウットリしてしまう)。細野晴臣、坂本龍一という稀代の音楽家を中心にした奇跡の一夜をぜひ、丁寧に味わってほしいと思う。 (文=森朋之)
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『細野晴臣×坂本龍一 at EX THEATER ROPPONGI 2013.12.21(Blu-ray)』(ビクターエンタテインメント)

■リリース情報 『細野晴臣×坂本龍一 at EX THEATER ROPPONGI 2013.12.21』 発売:2015年3月18日(水) Blu-ray(6,500円+税) VIXL-138 DVD(6,000円+税) VIBL-738 1. 恋は桃色(細野晴臣、坂本龍一) 2. The Song is Ended(細野晴臣、坂本龍一) 3. Pra Machucar Meu Coração(細野晴臣、坂本龍一、伊藤ゴロー) 4. O Sapo(細野晴臣、坂本龍一、伊藤ゴロー) 5. O Grande Amor(坂本龍一、伊藤ゴロー) 6. Tango(坂本龍一) 7. 3びきのくま(坂本龍一、伊藤ゴロー、小山田圭吾、青葉市子、U-zhaan) 8. 美貌の青空(坂本龍一、伊藤ゴロー、青葉市子、U-zhaan) 9. Perspective(坂本龍一、伊藤ゴロー、青葉市子、U-zhaan) 10. 外は戦場だよ(青葉市子、小山田圭吾、U-zhaan) 11. 悲しみのラッキースター(細野晴臣、小山田圭吾、青葉市子、U-zhaan) 12. 日本の人(細野晴臣、坂本龍一、小山田圭吾、青葉市子、U-zhaan) 13. Tibetan Dance(細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏、小山田圭吾、U-zhaan) 14. Radio Activity(細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏、小山田圭吾、U-zhaan) 15. Rydeen(細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏、小山田圭吾、U-zhaan) 16. Smile(細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏、伊藤ゴロー、小山田圭吾、青葉市子、U-zhaan) ■ライブ情報 「細野晴臣コンサートツアー2015」 出演 細野晴臣(Vo,G), 高田漣(G), 伊賀航(B), 伊藤大地(Drs) 6月5日(金) 東京・LIQUIDROOM 6月7日(日) 鳥取・HUT SBALCO design 6月9日(火) 広島・クラブクアトロ 6月11日(木)、12日(金) 京都・磔磔 6月14日(日) 大阪・ユニバース 6月16日(火) 名古屋・クラブクアトロ 細野晴臣:http://hosonoharuomi.com/ 坂本龍一:http://www.skmtcommmons.com/

麻生太郎が今も政治資金で愛人の六本木クラブに通いつめ…その額3年で2360万円! 

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
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麻生太郎オフィシャルサイトより
 西川公也農相に下村博文文科相、そして、安倍首相本人と、政治と金をめぐる疑惑が次々噴出している安倍政権だが、今度は麻生太郎財務相の疑惑が浮上した。 「FRIDAY」(講談社)4月3日号が袋とじ企画で、麻生氏が六本木にあるクラブに通いつめている姿を掲載。その代金を政治資金で支払っていたと報じたのである。同誌によると、この店は会員制サロンバー「Bovary」。ママは雀部敏子という女性。同誌にはママの写真も掲載されているが、60歳を超えているとは思えない美貌の持ち主だ。 「FRIDAY」が3月2日から16日までこの店の前に張り込んだところ、その2週間の間に麻生大臣は9回も姿を見せた。そして、2013年の政治資金収支報告書を見ると、麻生氏の資金管理団体「素淮会」から「Bovary」を運営する「有限会社オフィス雀部」になんと、年間計11回798万円が支払われていたというのだ。

ビルボードジャパンが「複合チャート」を作る意味とは? 担当ディレクターに狙いを聞く

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Billboard JAPAN Music

【リアルサウンドより】  ビルボードジャパンでは現在、CDセールスだけでなく、CDのPCへの読み取り回数(=ルックアップ)、デジタルダウンロード、ラジオでのオンエア数(=エアプレイ)、ツイート数といった複数の指標を用いた複合ヒットチャート「Billboard Japan Hot 100」を発表している。音楽の視聴スタイルが多様化する中で、同チャートはどんな方法論に基づき、ユーザーにいかなる視座を与えようとするのか。ビルボードジャパンのチャート・ディレクターを務める阪神コンテンツリンクの礒崎誠二氏に、その狙いや設計思想について話を聞いた。聞き手はリアルサウンドでもチャート分析記事を多数手がけるさやわか氏。

「アメリカのチャートは、僕らの感覚では10年ぐらい進んでいる」

――ビルボードジャパンのチャートは、近年になってから作られるようになったものですね。どういう経緯があったのでしょうか? 礒崎:弊社(阪神コンテンツリンク)が2006年にビルボードのマスターライセンス契約をしまして、そこに紐付いた形でビルボードチャートのマーケティングをもう一度日本でもやっていきたいと思ったんです。 ――特徴としてはどういうチャートなのでしょうか。 礒崎:メインチャートはBillboard Japan Hot 100というものなんですけど、セールスのチャートではなく、ソングチャートになっています。つまりエアプレイとか、ダウンロード数などのデータを複合させることを最初から目論んだ形になっているんです。最初は私も知らなかったんですけど、ビルボードではHot 100の「Hot」という名前を付けるんだったら、複合チャートでなければならないというルールがあるんですよ。つまり、セールスチャートを作ることはある程度できるというふうには思っていたんですけれども、「Hot 100」であるためには、他のデータを合算しなければならない。しかも、もともとのアメリカのチャートはラジオでのエアプレイ数が入っていて、それも入れなければならないというルールだったんです。 ――なるほど。しかし、国内ではオリコンのやっている販売チャートが多くの人に信頼されていますよね。そうした中で、なぜ新しく複合チャートを立ち上げようと思ったのでしょうか? 礒崎:まあ、ビルボードをやっているんだから、やるべきであろうという発想でしたね(笑)。しかし個人的な立場で言うと、セールスランキングではない形での、オルタナティブな音楽チャートが1つできてもいいのではないかなと思っていたということもあります。いわば、複合チャートというのを作ってみたかった。昔の歌番組「ザ・ベストテン」のリクエストのランキングには、ラジオの数字とかが入っていましたよね、「Hey! Hey! Hey!」のパーフェクトランキングも。そういう、テレビ局の企画的な形での複合ランキングはあったんですが、メディアとは独立した形で、ウィークリーで出していこうという動きは、国内にはなかった。ならば僕らが作るべきなのではないだろうか、という発想です。 ――しかし、複合チャートだと単に販売数を記録するのとは違う指標が必要になりそうです。始められた当初から今まで、集計のやり方は変わっていってるんでしょうか? 礒崎:はい。国内の、どんどん変わるマーケットに応じた形での計算係数を作って、もろもろトライ・アンド・エラーを繰り返しています。特にビルボードUS側にいろんなノウハウがありますので、それをまず受け継いでいっています。アメリカのチャートは、僕らの感覚では10年ぐらい進んでいるんですよ。ビルボードとツイッターのリアルタイムチャートを作ってみたり、アルバムチャートにもCDとダウンロードだけでなくストリーミングを入れてみたりと、どんどん変化していく。そのノウハウをいろいろ教えてもらいながら、日本のチャートを作っていくという感じですね。たとえばいま我々は、全国主要エリア32局のAM、FMラジオの放送回数のデータをもらってます。そして1曲が5分として、一週間のうちでその5分間の曲と接触する確率を、視聴者数を加味しながら算出していきます。そしてさらに、そのラジオを聴いてCDを新規購入する確率を出しています。
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Billboard Japan Hot 100の5つの指標

――すごいですね。チャート好きにはたまらない数字だと思います(笑)。しかし、こういった数値というのは、どのくらい信憑性があるのかというふうに考える人もいると思うのですが。たとえばオリコンさんでも、複数枚購入だとか、ミュージックカードを合算してしまうことで、本当に人気があるかどうかわからなくなってしまうような問題が出てきて、セールスランキングがどこまで正しいのかという話になったりしますよね。 礒崎:我々は、公的な資料に基づいて計算公式を作らなければならないというルールがあるんですよ。僕ら自身も、マーケティングを進めていく上で、おそらくユーザーの方から「この指標を使ってやってるのは分かるけれども、それは結局ブラックボックスじゃないか」と言われる恐れはあると思ったんです。つまり、複数枚販売とかミュージックカードなどと同じ指摘は、遅かれ早かれされるだろうと思っているんです。だからこそ、指標としているデータをできるだけ開示して、納得性の高いものを作ろうとしています。この計算方式を作るためのデータはどれもネットで発表されているもので、それをどう計算するとこのチャートになるんだということを、米国側と相談して作っています。まあ、適当に数字を持ってきてもしょうがないので、合算する理由があるものを集めているわけですが。

「30年後に見て納得できるランキングを残していきたい」

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「Billboard JAPAN Music Awards2014」2014の結果

――ではそうした中で、たとえばインターネットのストリーミングなどは、ラジオなどに比肩するくらい、あるいはCD販売に比しても重要な意味を持つようになるとお考えでしょうか? 礒崎:はい。ストリーミングに限らず、CDを購入する以外の、音楽との接触を重視していますね。レンタルしてる人、ダウンロードしてる人、動画を見てる人が具体的にこれだけいるというデータがある。それだけ音楽に接触しているのが明らかであれば、これらのデータは混ぜていくべきではないだろうかという発想でランキングを作っています。 ――やはり昨今言われるように、CDを買っている人だけでは計れないけれども、しかし音楽に触れている人がずいぶんいっぱいいるということですね。 礒崎:そうですね。昨年のデータとして、僕らの毎年やってる年間ランキングと、オリコンの年間ランキング、レコチョク、iTunes、それからカラオケのJOYSOUND、DAM、歌詞表示サービスの歌ネット、TSUTAYAのレンタルなどのランキングを全部並べてみたんですよ。そして各ランキングで共通している曲を色分けしてみたいんですが、去年の曲よりも、むしろ一昨年にリリースされた2曲が共通して入っていたりするんです。AKB48の『恋するフォーチュンクッキー』とSEKAI NO OWARI『RPG』は、2年前の曲なんですが、ずっとランキングに入り続けている。そして去年の曲で言えば、西野カナとか、アナ雪の『Let It Go』とかがちゃんと上に来ている。 ――面白いですね。そうして見ると、順位の上下がありながらも、わりと納得できる名前の並ぶランキングになっています。しかし、オリコンだけが如実に違うミュージシャン名が並ぶ形になっている(笑)。結局、AKBさんとか、EXILEさんとか、あとジャニーズ系とかもそうですけど、彼らがやってることというのは、いいか悪いかはともかくとして、とりわけオリコンのチャートで上位に行く方法なわけですから、その結果としてランキングに違いが出るのは、ある意味、納得できます。 礒崎:そうですね。さっき言ったとおり、日本の文化としては購買のチャートが重視されているわけですが、だからこそ我々が複合チャートを作りたいと思っているわけです。しかしもちろんパッケージセールスも反映させるべきなので、やっぱり嵐やAKBは結果としては上にくるようにはなっています。僕らがパッケージセールスをあえて除外して、iTunesやレコチョクの数字だけを重視したランキングを発表すれば、もしかすると、よりマーケティングとしては正確になるのかもしれないですけど、それはそれで公平性を欠くなと思うんですね。だから今のやり方では、オリコンさんの1位2位あたりと、僕らの1位2位は似たようなものになっています。それに、オリコンさんは販売のチャートについては非常に誠実なやり方をなさっているんです。だからオリコンさんの出す推定売上枚数というのも、各レコード会社に言わせれば、かなり近い数値なわけですよ。だから決して、オリコンさんのセールスランキングに信憑性がないわけではない。 ――では、たとえば先ほどおっしゃった「ザ・ベストテン」のリクエストのように、ハガキを一人でいっぱい送って上位を目指すような投票行動についてはどう思いますか? 最近はCDの複数枚購入などもセールスランキングに影響されるようになっていると思いますが。 礒崎:僕らのランキングでも、複数枚購入した結果は反映されてしまいます。それから僕らはTwitterでアーティスト名と楽曲名が含まれた投稿数を集計していますが、たとえばそこにはBOTが自動投稿したものも含まれています。しかし、こちらは計測するとそんなに大きい数値ではなかったんですよね。1万くらいにしかならないので、正直、無視してもいいんじゃないかという方針でやっています。しかし、ユーザーが意識してアーティスト名と楽曲名をさかんに投稿する場合もあるんですよ。リクエストのハガキと一緒ですね。しかしテレビやラジオ局にハガキを送るのと違うのは、Twitterの場合はその投稿が人目に触れることで一定のプロモーション効果があるんですよね。だからこれも僕たちが集計することで、その効果を実感して、さらにTwitterでのプロモーションが盛んになり、結果として、チャートが宣伝力を持つ時代に戻っていけたら面白いのかなあというように思います。 ――言い換えると、今のチャートはかつてほど宣伝力としては機能していない? 礒崎:今のセールスランキングだとシングルの購買数はあまり減っていませんが、アルバムのほうは減少傾向にあるんです。どういうことかというと、つまりシングルのヒット曲というのが、買っている人はいたとしても、世の中全体にはあまり共感されなくなってきたということだと思うんですよ。だから最終的には、そのシングルの収録されたアルバムを買う人が減っていく。そういう推測が成り立つと思います。シングルがマーケットの半数近くをカバーしていた時代だったらセールスランキングにも説得力があったと思いますし、それを反映させた「ザ・ベストテン」のランキングにもリスナーは共感したと思います。だけど、今はだんだん「これ、どんな曲だっけ?」みたいな作品が増えている。それは僕らが年をとったからではなくて、シングルのセールスランキングの説得力が落ちたからではないだろうか、と思うんです。だからこそ、共感性の高いチャートを作りたいと思うんです。 ――実際、ビルボードジャパンとしての手応えはいかがなものでしょうか? 礒崎:僕らが手応えとして感じたのが昨年の「Billboard JAPAN Music Awards2014」で、1位・西野カナという結果を発表したんです。嵐でもないしAKBでもないし、アナ雪でもないんだけど大丈夫かな、みたいな思いはありました。だけどユーザーの方々や、まあ業界の方々のリアクションを見ると「納得性が高い、なるほどと思いました」という声が多かったです。西野カナの好きな人だけでなく、たとえばジャニーズのファンの方にも「なるほど」と言ってもらえた。複合ランキングというのは、そういう、作って納得してもらえるものになる可能性が高いというふうに思います。たとえばレコード店のサイトでCDを買うと、そのショップ内のランキングでは当然上位になるんですけど、僕らがやりたいのはそういうものではない。ユーザーにとって分かりやすいヒット曲というのを残したいんです。たとえば1979年のオリコンランキングなんかを見ると、すごく納得がいくんですよ。今見ても、「たしかにこれがヒットしていた」と思える。ビルボードアメリカのランキングも、やっぱり70年代とか80年代はすごく楽しいわけです。そういう、30年後に見て納得できるランキングを残していきたいなと思いますね。

「動画閲覧数のデータを加えることも準備中」

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2014年の年間チャートは、各指標の詳細まで確認できる

――アメリカの場合だと、今はさらにCDが売れなくなっている状況がありますよね。だからストリーミングやダウンロードの数字をランキングに反映させる重要性はあると思うんです。しかし日本は、いいことなのかはわからないですけれども、とりあえずCDの販売数を維持している。そういう状況はもう変わってしまう、つまりCDのセールスランキングだけが信頼される時代ではなくなると思いますか? 礒崎:そうですね。アメリカのHot 100は、接触と所有、2つのデータをうまく混ぜながら1958年からやってきたんです。それだけ長いことやっているチャートが価値を持つと、レコード会社の人たちもそれを意識せざるを得なくなる。つまり、所有に結びつけるためには接触させる、という発想に簡単に行き着いていたんじゃないかな、っていうふうには思います。接触と所有をイコールで考えやすい。ところが日本は、所有の方に比重をかけたランキングが一般的である。とすると、接触の方に振れるような、ストリーミングなどのほうには、なかなか舵を切りにくい。最近はそういう事情もあるのかなと思っています。 ――まあでも、かなり長い目で見れば今後CDというものがなくなっていくのは当然なわけですよね。そしてデータ配信のほうが主流になっていく。そう考えると、今の段階からビルボードジャパンが接触を含めたランキングを提示しているというのは価値のあることですね。 礒崎:そう思ってやらせていただいています。複合データのコンバインに関してはノウハウが必要なんですよ。CDセールス数のかわりにダウンロード数を集計するのとは、少しわけが違いますよね。僕らもデータを合算するときにはアメリカに相談しながらトライ・アンド・エラーをずっとやってきている。それは僕らの強みではあると思います。あるいはラジオのパワープレイを取ると、たとえば購買数にどれだけ影響が跳ね返るかみたいなデータも、B2Bでは提供していきたいなと思っています。いま準備中なのは動画閲覧数のデータですね。これが20万回、200万回見られましたっていう数値が、セルやダウンロードにどれだけ跳ね返るかをお見せできれば、ストリーミングさせること、接触させることが、ちゃんと購買にもつながる、買ってもらえるじゃないかというデータが蓄積されるはずなんです。そうなれば、LINE MUSICとかSpotifyとか、いま準備が進んでいるストリーミング系のサービスに原盤を供給しようかなという道筋がもっともっとできるかもしれない。いろいろ積み上げていって、ようやくここまで来たという感じですね。 ――お話を伺っていると、販売チャートに対するオルタナティブという姿勢もありますが、最終的には販売も含めた、あらゆる音楽業界の状況をカバーした総合チャートを一手に引き受けるような思想を感じますね。 礒崎:僕らビルボードのデータはB2Bでもマーケティングデータとして使えるように作っているつもりです。しかし権威化するつもりはさらさらなくて、ユーザーの方に歩み寄って、ユーザーにとって共感性が高いものを作っていきたいなと思いますね。 ――より一般ユーザーに知らせていくため、この先どういう取り組みをされる予定ですか? 礒崎:先程お話しした「Billboard JAPAN Music Awards 2014」は、我々の開催意図として何よりもまずユーザーの方々に複合ランキングを経験してもらいたくて、複合ランキングをみんなで作ってみようという企画を試みました。ビルボードジャパンの年間チャート1位から100位の100曲をノミネート楽曲とし、ユーザーにそのなかから「今年の1曲」をツイッター投票してください、カラオケで歌ってみてくださいと参加を呼びかけました。その集計結果は、1位・西野カナになったんですが、惜しくもトップになれなかった曲についても、ユーザーが聴いてもらえるプラットホームになればいいなと思ったんです。ツイッターではそれぞれのアーティストのファンが、お互いの労をねぎらう感じで会話していて、面白かったですよ。すごくピースフルなネットイベントになっていた。 ――誰にとっても、頑張って応援したということがポジティブに捉えられるのはいいですね。 礒崎:そうやってユーザーを巻き込んでいきたいんですが、今度はチャートを各指標にしたがってソートしたり、期間を指定できるようなサービスも準備中です。つまり、ユーザーがチャートに直接触れるようになるんです。さらにYouTubeの動画が公式で上がっていれば、その場で見ることもできる。曲名をクリックすると、その曲が各週ごとにどう推移したのかも見られる。西野カナと家入レオを比較することなんかもできる。そうすることで、それぞれのアーティストが得意な指標がわかったり、この曲はエアプレイが伸びているとかセールスが伸びているとか、いわゆる大人の事情(笑)みたいな話ではない文脈で、楽曲自体を分析することができる。そういうチャートを一般ユーザーに見せたかったんです。 ――それは素晴らしいですね。つまり、楽曲の価値についていろんな点から比較検討できる。 礒崎:はい。ユーザーは楽曲を評価する前から、ノイズじゃないですけど、いろいろな情報を既に持っていますよね。しかし、そういう部分を差っ引いて作品を眺めることができるようなサービスを作れたらいいかなあと思うんです。かつて「ザ・ベストテン」とかアメリカのビルボードのランキングを頑張ってノートに付けてた人もいると思うんですけれども、それと似たような楽しみ方が、このサービスでできればいいなと思っています。 (取材・文=さやわか) Billboard JAPAN Music

「泡沫候補と痛ドルがメジャーになってもいい」 マック赤坂が痛いアイドルたちにエールを送る!?

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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マック赤坂氏。
“痛ドル”と“泡沫候補”の根っこは同じ!?  現在、「おたぽる」で実施中の「一番痛いアイドルは誰だ! “痛ドル”ブログ総選挙」。この企画は、痛いアイドルこと“痛ドル”たちが記事を書き、アクセス数を競うというもの。痛ドルたちによるアイドル界のお金事情や業界の裏話など、アイドル界を揺るがすような(!?)記事が次々と公開中です。そんな企画も残す期間はあとわずかというところ、さらに企画を盛り上げるため、ある男が立ち上がった!!?  その人物とは、“泡沫候補”を取り上げた映画『立候補』などでお馴染みの政治家・マック赤坂氏。マック氏だが、実は3月14日に行われた痛ドルたちのライブイベント『痛ドル総選挙』に出演(イベントレポートは近日公開)。痛ドルたちに負けない強烈なパフォーマンスを見せ、なんと来年夏の参議院議員通常選挙に出馬の意思を表明した。今回は、人々に無視されても、罵倒されてもくじけない泡沫候補のマック氏が、アイドル界の“泡沫的存在”とも言える痛ドルたちにエールを送ってくれた。 「おたぽる」で続きを読む