GLIM SPANKYが見据える、世界進出の見取り図「『こういう音もメジャーになれる』ということを証明したい」

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【リアルサウンドより】  GLIM SPANKYが、7月22日に1stフルアルバム『SUNRISE JOURNEY』をリリースする。これまでヘビーなロックサウンドとパワフルな歌声で突き進んできたGLIM SPANKYにとって転換点となる、「褒めろよ」や「リアル鬼ごっこ」「サンライズジャーニー」といった間口の広い楽曲をはじめ、バラエティに富んだロックナンバーが多数収録されている一作といえる。今回のインタビューには、松尾レミと亀本寛貴の2人が登場。GLIM SPANKYのルーツや制作手法、松尾のボーカリストとしての歩みや亀本がレコーディングで得たもの、そして活動の先に見据える大きな野望について、大いに語った。

「日本語で世界のロックに挑戦して、ワールドワイドでメジャーなものになっていきたい」(松尾)

――GLIM SPANKYが『閃光ライオット』に出演した際は、4人組のバンドでしたよね。どのように形を変えて今の2人になったのでしょうか? 松尾レミ(以下、松尾):元々4人で結成したのは、高校に入学してすぐ、文化祭でコピーバンドをするためでした。なので、文化祭が終わった段階でギターとベースのメンバーが抜けたのですが、また同じパートをやっている亀本を含む先輩2人が加入して。この時の4人で『閃光ライオット』に出演しました。そこからメンバー脱退を経て、亀本が残り今の形になりました。 ――その頃からずっと松尾さんがソングライティングを手掛けていたそうですが、2人はそれぞれどんな音楽に影響を受けたのでしょうか。 松尾:私は父がアートの個展を開いたりするような人で、家では常に音楽が流れていました。小さい頃はミュージシャンの方や詩を書いている人に会わせてもらうなど、幅広いカルチャーに触れていくなかで、音楽に興味を持ちました。音楽も海外のスタンダードなロックのほかに、フランス音楽やアフリカン・ロック、60年代アングラフォークに渋谷系など、分け隔てなく流れるような自宅だったんです。そのなかでも特に好きだったのがビートルズで。中学生の時から私はガサついた声だったので、合唱曲で高い声を歌えないことをコンプレックスに思っていたのですが、ビートルズの「Help!」を聴いたとき、ジョン・レノンの声がガサついているのにカッコよかったことに衝撃を受け、声の使い方や「自分の声はこういうジャンルで発揮できるかも」と気付けたんです。 亀本寛貴(以下、亀本):僕が最初に楽器を持ったきっかけは、小学校低学年くらいの時に母が録画していたドラマの主題歌にGLAYが起用されていたことです。その後も中学校・高校と気持ちが続くのですが、高校生の時にバンドをやりたいと思い、TSUTAYAで片っ端から洋楽のCDを借りました。ニルヴァーナ、ガンズ・アンド・ローゼズ、オアシスと、時代で区切らないようにしながら音楽を聴いていると、次第にジミ・ヘンドリックスやクリームのCDを貸してくれる友人もできて。実際に60年代や70年代のロックを聴いて、練習したり、大学のサークルで演奏するようになってから、今の音楽的なアプローチに近づいてきました。 ――亀本さんは、松尾さんと組むにあたって、彼女の音楽性に寄せられた部分もあった? 亀本:最初はレミさんが聴く音楽に対して「そういうの興味ない」ってずっと言ってたんですけど…。高校生の頃には「ビートルズも聴け、歴史を辿れ!」と電話で口論になったこともありました(笑)。幸いにもアーカイブはレミさんの家に資料館レベルであったので、その後はしっかりと活用させてもらいました。ただ、リアルタイムで更新されているものは、自分でアンテナを張っていないと逃してしまうので、その感覚も重要視しています。大学生になってからは、海外のインディーミュージシャンが配信している演奏動画を観たりしていました。 松尾:そんな彼と常に一緒にバンド活動をしているので、新しい音楽を見つけたら、逐一情報共有していたんです。だからどちらかがどちらかに寄せられた、影響されたというよりは、“互いに成長していった”というほうが正しいのかもしれません。アートやファッションも感覚的に常に共有することによって、音にも「この曲は何色でこういうイメージ」と言ってもポンと返してくれるコミュニケーションができるので重要だと思っていますし、だからこそ色んな物を共有しています。 ――亀本さんは松尾さんの世界観をどういうふうに汲みとっていますか。 亀本:レミさんが「こんな感じの世界観だから、こうしてくれ」と指示して動くだけなら、もっとうまい人はたくさんいると思います。だからこそ、曲の雰囲気や世界観を自分がどう感じるかを自分なりに表現するし、色んなものを共有しつつ、一人の別の感覚を持った人間として、プラスアルファのエッセンスを出せるように心掛けています。 ――洋楽をルーツに持っている2人が、なぜあえて日本語ロックをやろうと思ったのでしょうか? 松尾:「日本人なので日本語で表現したい」という思いと、自分たちの音楽を世界に発信するにあたって、洋楽が好きだからってそっち寄りにしてしまったとき、私なら「じゃあ元々向こうで出てきている海外アーティストを聴くよ」って思うんです。だから海外の人に出来ないこと、つまり日本のエッセンスを打ち出していかなければいけないし、そのうえで、世界に通用するロックサウンドやワールドワイドなリズム、今の日本で流行しているものと関係ない文脈を合体させるようにはしています。 ――では将来的には世界へ進出することも視野に入れている? 松尾:一番大きいことを掲げると、日本語で世界のロックに挑戦して、ワールドワイドでメジャーなものになっていきたいです。たとえば欧州では日本のビジュアル系が流行ったり、クールジャパン的なものが盛り上がっていますが、それは局地的なものだったりするわけで。もちろんそれはいいことなのですが、本当の意味で世界的なブレイクをしたい。でも、それを成し遂げるためには、まず日本を制することが先だと思うので、今のポップシーンにはないヘビーなサウンドで、「こういう音もメジャーになれるんだぜ」ということを証明したいです。

「ブルースやブラックミュージックのリズムが『ノレる』ものだと思っていました」(亀本)

――あえてヘビーなサウンドにしているということですが、曲作りの際に、決まっている制作手法は? 松尾:私が歌詞と短い弾き語りデモを作って、亀本と一緒にブラッシュアップしていきます。あとはギターコードだけ、たとえば「#D、#A、#C」というコードを出して、私は勝手に曲を作り、亀本はリフを考えて、お互いに出来たところで合体させるという方法もありますね。 ――その二つの手法はどう使い分けているのでしょうか。 亀本:メジャーに入ってからは、後者の方が多くなったかもしれません。時間制限のあるなかで同時進行していって、歌がある程度形になってきたら、自分の中で「こんな歌なんだろうな」と想像で作っていたものと照らし合わせて、色付けをしていくんです。そこから何度かやり取りしながらオケを構築し、次の曲を作り始めて…という流れが出来上がっていますね。歌詞も後でどんどん変わっていく場合があります。 ――デビューミニアルバムの表題曲「焦燥」は、松尾さんが高校生の時に書いた楽曲ですが、改めてアルバムに収録されるにあたって、この曲をどう見つめ直したのですか? 松尾:この曲を作ったとき、私は美術系の大学を志望していました。でも、地元がとても田舎だったので、そんなことを言う人はいなくて。たまたま生徒会をやっていたので、街の役員さんや地元企業の社長さんと交流する機会があって、そこで自分の夢を語ることになりました。美術の話もしない田舎で「音楽で食べていく」とは言えなかったので「美術の大学に入って…」と伝えたのですが、ドッ、と笑いが起きて。その中には子供を育てる側の人間――会社のお偉いさんや小学校の先生、図書館の司書さんもいたのに、そんな人たちが若者の夢を笑うなんて、許せないと思いました。世の中には絵や音楽でご飯を食べている人が当たり前にいるのに、なんて失礼なことだと。だから「こういう心を閉ざした大人たちに届く曲を書かなければ」という気持ちで書いたのが「焦燥」で、そのメッセージ性の根幹は当時とは変わらないです。ただ、サウンドやアレンジ面はどうしても高校生の書いたものなので、今発表するにあたって、大幅に変えました。だから一度弾き語りベースのところまで壊して、プロデューサーのいしわたり淳治さんと一緒にリアレンジしました。 亀本:デビューミニアルバムの中で、淳治さんには「MIDNIGHT CIRCUS」と「焦燥」をプロデュースしていただいたのですが、「こんな風になっちゃうんだ」とか「バンドのアレンジってこういうことができるのか」と勉強させていただく機会がたくさんありました。しかも、淳治さんは無理矢理引っ張って行くタイプでもなく、僕らから何かが出てくるまでずっと付きっ切りで一緒にいてくれるので、部活の居残り練習みたいな感じで大変でしたが、その分良いものは生み出せたと思います。 ――それ以外にも、亀田誠治さんや、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)さん、BOBOさんなど、一流の手練たちを迎えて制作を行いましたが、彼らとのセッションで得たものは? 松尾:亀田さんと一緒にやって思ったのは、「あれだけ活躍されている有名人が、自分たちよりもロックキッズなんだ」ということ。だから変に細かくアレンジして元のものを壊したりせず、ピンポイントで少しキャッチーにしてくれるんです。それを見ていて「ここを変えればキャッチーになるんだ」というポイントを学べましたし、いつまで経ってもそういう人でいたいなと思えるようになりました。 亀本:あと、いくら雑誌に「○○さんは上手い」って書いてあっても、なかなか人間って体感しないとわかりませんよね。その技術や基準を体感値で経験できたのは、自分の成長にすごく繋がったと思います。 ――アルバムにはインディーズ時代からのロックナンバーのほかに、ポップな楽曲も多く収録されています。GLIM SPANKYという枠組みのなかで、“ロックさ”“ポップさ”をどう見せていこうとしているのでしょうか。 松尾:全て“ロック”という枠組みの中で、ポップスやフォーク、カントリーをやっている感覚ですね。インディーズの頃はずっと、重い曲をズドーンと表現したかったので、ノレる曲にまったく興味はありませんでした。でも、世間に自分たちの楽曲を出していくなかで、テンポの早いほうが人の心を掴める部分があるのかなと思ったり、「褒めろよ」でドラマの主題歌を書き下ろすにあたって、題材の『太鼓持ちの達人』が面白いものだったので、今までの自分の重くて暗い引き出し以外のところで楽曲を作りたいと思いました。 亀本:以前から「ノレる曲があるといいよね」ということはよく言われていたのですが、僕個人としてはブルースやブラックミュージックのリズムが「ノレる」ものだと思っていましたし、ジミ・ヘンドリックスの「ブードゥー・チャイルド」をノレる曲として捉えていたので、インディー時代の曲に対しても「この曲がダメなの?」と疑問に思っていました。でも、メジャーの舞台で色んなイベントに参加して、イケてるバンドたちの演奏と観客の反応を見て「あ、これが“ノる”ということか、これぐらい張り切る感じか」と実感しました。 ――松尾さんはメジャーデビュー以降、アナログフィッシュのゲストボーカルや、CMソングへの起用など、ボーカリストとしてGLIM SPANKY以外でも活躍していますね。これらの経験は自分たちの音楽観に影響を及ぼしましたか? 松尾:ボーカリストとしての変化は、ただ思ったように歌っているだけなので、特に無いかもしれません。ただ、人の曲を歌うのは初めての経験だったので、もちろん感覚的には違う部分はありましたが。自分の曲としてカッコイイ歌を歌うことと、人の曲をカッコよく歌うという感覚は同じなので、思うがままに歌っています。 ――では、アルバム自体も歌が前に出ているように感じたのですが、あえてディレクションしたというよりは、松尾さんの歌が強いからこうなったということなのでしょうか。 松尾:もちろん歌を伝えたいので、歌詞が届くものにしたいという気持ちで作っているからだと思うのですが、亀本も「焦燥」や「踊りに行こうぜ」、「MIDNIGHT CIRCUS」では、歌の後ろでガンガンギターリフを弾いているんです。でも、私も「どんな音が入ってこようと、私の歌は潰れてたまるか」と思って歌っているので(笑)、たぶんきっとそのせいなのでしょうね。 亀本:純粋に声に存在感があるのかなと感じています。だから思いっきり弾いても大丈夫ということですね。

「良い意味で“そんなに変わらない”という部分をちゃんと持っていたい」(亀本)

――たとえば、タイアップなどの楽曲にはテーマがあるわけですが、2人があらかじめ主題が決まっているものを書くというのはメジャーに足を踏み入れてからのことだと思います。アウトプットする引き出しも違うと思いますが、どういう感覚でしょうか? 松尾:普通に曲を書く時は、日常的に思っていた怒りや幸せをそのまま書いていますが、逆に決められた中でどれだけ自分のオリジナリティを出せるか、という勝負も楽しくて。だからあまり大変とか窮屈に思うことはなく、素直に自分が思ったことを出せているという感覚です。 亀本:僕は制約の付いたもののほうがやりやすい。自分で作る時も、結果的に制約を決めて基準を定めるようにしているので、そのラインを自分で作るか、もしくは元からあるかという違いだけですね。自分たちが踏み出せなかった音楽性の幅を拡張させてくれたのは、「褒めろよ」「リアル鬼ごっこ」のおかげですし、もっと形の決まったものにも挑戦してみたいと思っています。 松尾:そうですね、この2曲を通して、2人がより成長したという実感はあります。 ――タイトルトラックの「サンライズジャーニー」は、GLIM SPANKYのなかでも突出してポップな曲であり、強いメッセージの込められているものに感じました。 松尾:曲を書いたのは2014年の4月くらいで、メジャーデビュー前に『焦燥』や『大人になったら』をレコーディングしていたときでした。今までずっと、ライブハウスでお客さん一人二人の中でやり続けていた時は、自分の目の前をバスが通り過ぎていった感覚で。バスというのは大人や事務所の人の比喩なのですが、友達のバンドがどんどんデビューしていき、バスが通り過ぎていったけど、自分の乗るべきバスは来なかった。そしてやっと来た自分たちのためのバスが、今までにないくらい最高にかっこよくて、広くて、人数を詰め込められる車で。だからこのバスに乗って、お客さんやすべての人を乗せて一緒に旅に出ようという思いを込めた曲です。いまのGLIM SPANKYを表現するにはうってつけの曲だし、だからこそこの曲をアルバムのタイトルにしました。 ――気負いとワクワク感が同居している素晴らしい曲ですね。亀本さんから見て、松尾さんはここ数年でどのように変化しましたか。 亀本:歌詞にしろメロディにしろ、昔は抽象的な表現が多かった。でも、最近はメッセージや感情が次第に研ぎ澄まされたものになっていますし、景色を描写したものでも、伝わり方の速度が全く違うものになっていると感じていました。 松尾:「焦燥」を書いた時は、伝えたいことはわかっていても、どこから伝えていいか、どこに焦点を当てていいのかが分からなかったのかもしれません。でも、今は同じ感情を持っていても、どこに焦点を当てて書くべきか、ということが明確になっていったから、風景も細かい描写を書けるようになったし、もっとシンプルに伝わりやすいものが出来上がっているのかなと思います。 亀本:レミさんの曲で昔から一貫して良いなと思うのは、歌詞とメロディっていうものが同時に出来上がっていて、一心同体なところ。この言葉を伝えるにはこのメロディがベストという必然性を感じるんです。 松尾:歌詞とメロディが、一緒に頭の中から降りてくるので、そういう風に聴こえるんでしょうね。あとで見返して、「わかりづらいな」と思う部分は後で違う言葉に書き直しますが、基本的には歌詞もメロディも無いと作れないです。 ――これから2人は音楽シーンの中で、GLIM SPANKYらしさを持ちながら活動していくわけですが、この後はどう変化し、リスナーにどういった影響を与えていきたいですか。 亀本:今までワンマンライブを2回やって、次の場所も決まっていてと、爆発的なブレイクではないですが、緩やかな右肩上がりで進んでいる実感があります。だから今後の活動も順調に行けばいいなと思っていますし、アルバムを出しても次のアルバムに向けて一歩一歩やっていくというだけ。良い意味で“そんなに変わらない”という部分をちゃんと持っていたいですね。 (取材・文=中村拓海) ■リリース情報 『SUNRISE JOURNEY』 発売:7月22日(水) 価格:¥2,500+税 <収録曲> 1.焦燥(メジャーデビュー曲) 2.サンライズジャーニー(テレビ東京系『Crossroad』エンディングテーマ) 3.褒めろよ(1st シングル表題曲)(テレビ東京系深夜ドラマ『太鼓持ちの達人 ~正しい××のほめ方~』主題歌) 4.MIDNIGHT CIRCUS 5.踊りに行こうぜ 6.夜が明けたら 7.さよなら僕の町 8.WONDER ALONE(TVアニメ『秘密結社 鷹の爪 DO(ドゥー)』エンディングテーマ) 9.ロルカ 10.大人になったら(アルバム先行配信シングル)  11.リアル鬼ごっこ(映画『リアル鬼ごっこ』イメージソング(7月11日公開)) (iTunes他バンドル盤一斉配信、ハイレゾ配信は7月29日予定) ■ライブ情報 『SUNRISE JOURNEY TOUR 2015』 日程:9月18日 場所:仙台LIVE HOUSE enn 2nd 日程:9月21日 場所:札幌COLONY 日程:9月23日 場所:京都磔磔 日程:9月24日 場所:高松TOONICE 日程:9月26日 場所:広島CAVE-BE 日程:9月27日 場所:福岡graf 日程:10月4日 場所:梅田シャングリラ(ワンマン) 日程:10月11日 場所:名古屋CLUB UPSET(ワンマン) 日程:10月17日 場所:赤坂BLITZ(ワンマン) ■関連リンク GLIM SPANKYオフィシャルHP ユニバーサルミュージック オフィシャルHP GLIM SPANKY twitter GLIM SPANKY 松尾レミ twitter GLIM SPANKY 亀本寛貴 twitter

“雑誌の図書館”大宅壮一文庫でも児童ポルノの複写制限を開始

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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『Santa Fe』(朝日出版社)をはじめ、図書館に所蔵されている“児童ポルノかもしれない”書籍はどうなるのか……。
 今月15日から始まった、改定児童ポルノ法による“所持の制限”。これを受けて、雑誌専門図書館として知られる大宅壮一文庫でも、利用制限を開始したことがわかった。  制限の内容について「児童(18歳未満)のヌードグラビアの複写(コピー)及び撮影はお受けしないことにいたしました」と、館内に掲示されている。同館では、専用の用紙に複写したいページを指定し、実際の複写は職員が行う形式。雑誌の書影やページの撮影も、事前に申請を行った上で専用スペースにて行う。  この利用制限にあたっての疑問は、被写体が18歳未満か否か判然としないものの扱いだ。何度も話題に上る、宮沢りえのヌード写真集『Santa Fe』(朝日出版社)のように、“児童ポルノかもしれない”ものはどうなるのか? 先日の記事(関連記事)に記したように、出版元の朝日出版社は『Santa Fe』を「児童ポルノである」と認識しているようだが、実際に児童ポルノかは疑わしい。大宅壮一文庫は『Santa Fe』を所蔵していないものの、当時話題になった宮沢りえのヌードが掲載された雑誌の記事や広告は多数ある。 「おたぽる」で続きを読む

瀬戸内寂聴が安倍支持ネトウヨの攻撃にも怯まずさらに激烈批判!「安倍首相は世界の恥」「悪名が歴史に残る」

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「女性自身」(光文社)8月4日号
【本と雑誌のニュースサイトリテラより】  安保法制が衆院で強行採決されたが、それでもなおこの“戦争法案”に反対する声は日に日に高まっている。だが一方で、戦争反対、集団的自衛権反対を表明する著名人たちへの誹謗中傷やバッシングが巻き起こるという卑劣な事態も同時に起こっている。 先日もタレントSHELLYがツイッターで強行採決について疑問をつぶやき大炎上した。また胆のうがんなどを患い満身創痍の体調ながら度々デモや集会に参加している作家の瀬戸内寂聴も、「ババアは死ね!」「戦争反対というなら中国に言え!」などと批判を浴びせられた。挙げ句は「不倫していたくせに」「金をもらって集会に出ている」という聞くに堪えない誹謗中傷さえ飛び出す始末。  しかし瀬戸内がこんなことで怯むわけがない。最近になってもますますその活動、舌鋒鋭く安倍政権と安保法案の大批判を展開している。  今週発売の「女性自身」(光文社)8月4日号では「美しい憲法を汚した安倍政権は世界の恥です」と題し、こう語った。 「安倍晋三首相と、与党議員たちが強行採決した安保法案は、日本国民を世界中で死なせ、家族を不幸にし、国まで滅ぼすものだと思います」 「これだけ国民に反対されていることを自覚しながら、“戦争法案”を押し通した安倍首相の神経は理解しがたいですね」  安保法制に反対する作家、有名人の中でも、ここまで強い調子で安倍首相を非難できる人間はそう多くないだろう。そして、瀬戸内はこう言い切った。 「多くの国民が安保法案に反対したという事実、そして安倍首相と政府与党がどれだけ横暴なことをしたのかという事実は、歴史に刻まれます」  瀬戸内はこの「女性自身」のインタビューに答える少し前、7月10日にも京都の寂庵で定例説法を開いているが、ここでも「可愛い息子や孫が戦争に連れて行かれ、行けば殺さないと殺される。沢山殺せば褒められる」、それが戦争というものの実態だと訴え、そしてこう断言した。 「安倍首相がいかに悪い政治家だったか歴史に残る」  ネットでは、こうした発言について今も「単なる妄想」「なぜそこまで妄想できるのに中国が戦争始める妄想はしないのか不思議」という声が浴びせられているが、これは妄想ではない。  現在93歳の瀬戸内は青春期に戦争を体験している。大学1年生の時に真珠湾攻撃があり、普通の国民のように、「東洋の平和を守るため」という言葉を信じ、大きな感激を覚えたという。  だが、その2年後、瀬戸内は結婚して北京に移り、そこで日本人が中国人を抑圧している様を目の当たりにし、戦争に疑問を感じ始めたのだ。そして敗戦を迎え、苦労して日本に引き揚げてみると、故郷の徳島は焼け野原、母や祖父は亡くなっていた。  こういう体験が「戦争にはいい戦争も悪い戦争もない」という言葉につながっている。瀬戸内は先の「女性自身」のインタビューでこんなことも語っている。 「(7月15日のデモで)必死に声を上げる彼らを見て、私が連想したのは、昭和18年10月に行われた神宮外苑競技場で行われた学徒動員出陣の壮行会です」  この壮行会は戦場に赴く2万5千人の学生と、5万人の女子学生らが集まり、「海行かば」を大合唱して見送ったというものだ。デモを見ながら、その光景がオーバーラップするというのは、彼ら安保法制に反対する若者までが安倍首相の戦争政策に呑み込まれてしまうという恐怖をリアルに感じているからだろう。  この言葉を我々は真剣に受け止める必要がある。 (伊勢崎馨)

破産申請をした50セントの負債額は35億円!

50セントの負債額は2800万ドル(約35億円)にも上るという。先日連邦倒産法第11章に基づき破産を申請したばかりの50セントは16日(木)、スリーク・オーディオが最大の負債先であることなどを記した負債の詳細を連邦裁判所に提出した。フロリダを拠点とするスリーク・オーディオは50セントがヘッドフォンのデザインを盗用したとして訴えを起こし、50セントから1842万8257ドル(約22億円)の損害賠償を勝ち取っていた。 スリーク・オーディオの続いて負債額が高いのがラスト二ア・レヴィストンとなるが、50セントはラスト二アからセックス動画をインターネットに流しその映像に編集を加えたとして訴えられつい先週500万ドル(約6億円)の損害賠償を支払う判決が下されていたばかりだ。その額に加えラスト二アは懲罰的損害賠償金も受け取る予定だったが、50セントの破産申請により陪審員による審議は休止された。 負債総額は2847万8920ドル75セントにまでのぼり、そこには父親への1737.33ドル(約22万)や車のリース代としてベントリーに13万7880ドル(約1700万円)の借金が含まれているようだ。 50セントはターゲットになりたくなく、ただ用心したために今回の破産申請をする決断に至ったと先日話していた。「他のできるビジネスマンがこういう状況で取るだろう予防措置をしているんだ。成功したとき、ターゲットになるんだよ。標的にはなりたくないね。天文学的な主張に対してすべてを対応する男だとは思われたくないんだ」

三代目JSB、新シングルがぶっちぎりのチャート1位に アフロジャック楽曲でダンス路線を邁進か

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三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE『Summer Madness』(rhythm zone)

【リアルサウンドより】 参考:2015年7月6日~2015年7月12日のCDシングル週間ランキング(2015年7月20日付)(ORICON STYLE)  今週のシングルは三代目J Soul Brothersが19万枚でぶっちぎりの1位。2位のラブライブ系とは10万枚以上の差が付いております。劇場用映画が大当たりしてラブライバーの皆さんもいっそう世間の注目を集めておりましたし、このシングルも8万枚も売れた上に良曲だと思うんですけど、なにせ結果として三代目のほうがもっと売れたので、売り上げ至上主義の音楽シーン的にはそっちに注目すべき週となったわけです。  しかし三代目の楽曲「Summer Madness」もこれまたカッコいい曲でして、それもそのはず作曲者がEDMシーンの人気DJアフロジャックなわけですね。アフロジャックのEDM曲が日本の音楽チャートの1位になっているわけで、「日本の音楽シーンも歌謡曲ばっかりじゃなくて洋楽みたいなのが売れるべきだ!」などと国際派を気取っていた20年くらい前の音楽ライターとかが聞いたら驚喜のあまり失禁するかもしれません。  ちなみに三代目がブレイクしたのは間違いなく昨年2014年の6月に発売され、レコ大も受賞した「R.Y.U.S.E.I.」によってであるというのは疑いのないところでしょう。この曲のダンスで用いられた「ランニングマン」と呼称される振り付けは人気となり、モノマネをしたり、その模様を動画として撮影したり、YouTube等にアップしたり、飲み会の余興で晒してしまうなどの事例も増え、今なお話題となり続けているわけです。EXILE系の皆さんは昔からダンスが話題になるとブレイクする傾向にありますが、言い換えると、やっぱ昨今では曲はもとより動きが面白い・マネしたくなる・みんなでやりたくなる系の曲がウケるよなあというところであります。  ということで今回の「Summer Madness」での振り付けも、別に頼んでいないのになぜか「ジェットマン」とかいう呼称が何処からか聞かれるようになり、どうやら「このダンスでまたうまいことブームおよび販売枚数を盛り上げようぜ」という感は満点であります。これはもう、年ごとに新しいビートと振り付けが喧伝される昭和のダンス歌謡さながらの風情となって来たのではないでしょうか。その懐かしくも新しい試みがうまく的中するかどうかはちょっとわかりませんが、露出度の高い衣服を着た若者たちが、盛り場でマンボを踊るがごとく盛り上がってくれるのであれば、筆者としてもありがたいので歓迎したいところです。  ところで今さら言うまでもないことかもしれないですが、曲としてはタイトル通り夏に当て込んだデキのものであります。歌詞も「R.Y.U.S.E.I.」と同様にSTY氏が書かれ、とりあえずEXILE系らしい人類調和などを感じさせるデカい世界観の中に「夏」とか「サンセット」とか「果実」とか重要ワードが散りばめられて、薄着の季節にダンスフロアで密着する肌に期待できるものとなっております。  しかし、こうして超ストレートな季節ソングを堂々と打っていくやり方というのも、やはり今では若干懐かしいノリを感じさせるところがあるわけです。全体として今作は日本の音楽シーンの古き良き王道パターンを現代にグッと立ち上げて見せようという気概すら感じます。そこがEXILE系というグループの姿勢や夏というテーマから受ける熱気とも相まって、非常にパワフルに聞かせてくれるものになっているのではないでしょうか。ただ。三代目はもともとバラード調もこなすしっかりとしたボーカルワークを推すグループだったような気もするのですが、それが「R.Y.U.S.E.I.」以降ちょっとアゲアゲ方面へと揺らいでいるのかなという気もします。ここまで売れた結果、ますますそっちに傾いていくかどうか、次作の出方に注目したいところです。 ■さやわか ライター、物語評論家。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『朝日新聞』『ゲームラボ』などで連載中。単著に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』がある。Twitter

「アニメが好きなら、業界に来てほしい!」 庵野秀明、川上量生らが語るアニメ業界の今

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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庵野氏、川上氏らが登壇した「日本アニメ(ーター)見本市初号上映会」の様子。
 7月18日、東京・新宿バルト9にて、「日本アニメ(ーター)見本市初号上映会」が開催された。「日本アニメ(ーター)見本市」とは、限られた予算、期間の中で、オリジナル企画、スピンオフ企画、プロモーション映像、ミュージックPV・VJフィルムなどジャンルを問わず、アニメーターが自由に表現することを可能とするプロジェクトである。エグゼクティブプロデューサーを務める川上量生氏、庵野秀明氏のもとに、日本を代表するアニメーターらが集い、WEB上で毎週新作短編アニメーションが公開していた。  今回のイベントは、そのサードシーズンのラインナップ発表だけでなく、ファーストシーズンを手掛けた12名のアニメーターと庵野氏と川上氏によるトークセッション。さらに、ファーストシーズン全12作品にサードシーズンより3作品が先行で劇場公開されるという、非常にボリューム満点な内容ということで、チケットはたちまち完売。今回はそんなプレミアムなイベントの模様をレポートしよう。 「おたぽる」で続きを読む

現役のヤクザ100人に安保法制について聞いてみたら意外な結果が…「安倍は人を殺すってことを分かってない」の声も

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「週刊実話」(日本ジャーナル出版)7月30日号
【本と雑誌のニュースサイトリテラより】  国民世論を無視した安保法案強行に、ここのところさまざまなメディアが法案についての特集を組んでいるが、そんななか、異彩を放ったのが「週刊実話」(日本ジャーナル出版)だ。7月30日号の巻頭特集に、こんなオドロキの記事を持ってきた。 《現役100人に聞きました 「安保法制」ヤクザが朝まで生激論!!》──。 「週刊実話」といえば、最近は上戸彩や長澤まさみの“爆乳ネタ”など、オッサン向けの下世話な実話誌の印象が強くなっているが、もともと暴力団情報にもっとも詳しい専門誌として知られていた存在。好奇心を煽られてさっそくページをめくってみた。  まず、「実話」が実施したアンケート結果を見てみると、「賛成」が31%、「反対」が23%、そして「総論賛成・各論反対」が46%。暴力団は右翼団体を傘下にもっているところも多く、組員もほとんどは右というか、保守的な思想の持ち主。そのことを考えると、賛成が意外に少ないのだ。  しかも、その意見を詳細に見てみると、「賛成」といっても「戦争になったらカタギはだらしないけぇ、ワシらがカチコミするしかないんじゃ!」という啖呵を切っているだけで、むしろ安保法制の内容や安倍政権のやり方については、強烈なダメだしをしていることがわかる。  たとえば、ある関西系組織幹部(50代)はこんな言葉を寄せている。 「今の閣僚を集めて、ドツキ合いをさせたらええ。殴ったら痛いし、血が出る。引き際も考えなあかん。そういうのがまったくできひんくせに、いきなり『戦争』って、冗談も大概にしとけと思う。日本がなくなってしまうど」  つまり、ヤクザから見ても、安保法制は“亡国の法案”なのだろう。このように、血で血を洗う組織間の抗争を知るヤクザ稼業ならではの“戦争観”が垣間見られる回答は多く、注目に値する。 「戦争とは、えげつないモンです。ヤクザの抗争や個人のケンカの比やない。核兵器も使えば、細菌兵器も使う。長引けば“手打ち”も簡単にはいかない。安倍のようなお坊ちゃんで、ケンカもしたことないようなヤツに戦争なんか任せられないし、付き合えない。もし戦争をやるなら、自分たちだけでやりますよ」(九州系組織幹部・50代) 「国会で議論している皆さんは、戦争や抗争で殺されたヤツの死体を見たことあるんかいの? 政治家も庶民も“人を殺す”ってことがどういうことなのか、分かってないヤツが多すぎる。殺す方だって、イヤなもんだから。殺し合うのに集団も個人もないし、戦争に卑怯もクソもない。親分や組織のためなら仕方ないが、安倍のために人殺しになるのはイヤだから、絶対反対」(中国地方系組織幹部・50代)  つまり、もともと右翼思想と親和性の高い極道稼業ですら、安保法制は安倍晋三という政治家の個人的願望であり、そんな戦争に参加する義理はないというのである。  しかも、ヤクザが言うのは感情論や道徳論だけではない。以下のように日米関係を見極めた現実的な意見も際立つ。 「今の安保同盟では、いざという時にアメリカは守ってくれない。賛成派はそこを分かっていない。今回の法案は、アメリカの戦争に日本が協力するだけだから。アメリカは戦争をして儲けている国だから、軍需産業系のカブを買っている人は頭がいいね。オレはパス」(関東系組織中堅・30代) 「戦後70年って騒いどるが、結局ずっと『アメリカ様』に従ってきたということ。アメリカが“ヤクザはいかん”言うから排除するんよ。(中略)暴排の次は戦争、という怖い話よ」(中国地方系組織幹部・50代) 「安保法制は、早い話がアメリカの機嫌をとるか、とらんかの話やわな。戦後からずっと、日本はアメリカにみかじめ料(=思いやり予算)を払って面倒を見てもろてる状況やろ。(中略)アメリカはみかじめ料を取ってもいいのに、ワシらはパクられる。国民がみかじめ料くれるんやったら戦うたるで」(関西系組織幹部・50代)  思いやり予算を「アメリカへのみかじめ料」とするのは言い得て妙だが、近年、国際経済を股にかけるインテリヤクザの台頭が目立ってきており、「安保法案はコスパにあわない」「結局アメリカだけが利する」という冷徹な意見は意外と、的を射ているのかもしれない。  このように、興味が尽きないヤクザの安保法制への批判。その全貌は発売中の同誌を確認してもらいたいが、それにしても、ヤクザ稼業の方々からも痛烈に批判される戦争法案って……。つまるところ“戦闘のプロ”である彼らからすると、安倍首相のアイデアは“アマチュア”もいいとこ、「ほんまもんの戦争を分かっとらんのに無茶苦茶なことすなや!」ということだろう。  そう考えると、安倍晋三というのは極道を生きるヤクザ以下、言ってしまえば表社会でエラそうな顔をしてカタギに迷惑をかけまくっているチンピラのようなものなのかもしれない。  しかし、だからこそ、われわれは諦めず廃案のために世論を盛り上げていくしかない。『仁義なき戦い』の菅原文太ばりに、こう言っておこう。  安倍さん、タマはまだ残っとるがよう──。 (宮島みつや)

シエナ・ミラーとトム・スターリッジが破局?

シエナ・ミラー(33)とトム・スターリッジ(29)が破局したようだ。3年前から婚約中の2人だが、その関係に終止符を打つことにしたと報じられている。2人は娘マーロウちゃん(3)を連れて今月にもイビザ島で休暇を楽しんでいる姿を目撃されていたばかりだが、そのホリデーで関係を修復することはできなかったようだとザ・サン紙は報じている。 シエナは2か月前に行われたカンヌ国際映画祭の場で婚約指輪をつけていなかったことからトムとの関係に暗雲が漂っているのではないかと噂され始め、友人たちもシエナとトムがたびたび激しい言い争いをしていたと証言していた。その一方で、2人は2013年にバーバーリーの広告に共に登場していたり、昨年にもシエナがトムの落ち着いた性格を称賛していたりと、そのラブラブぶりを見せつけていたことも頻繁にあった。その際、シエナは「彼は私のドタバタぶりにバランスをもたらしてくれるのにパーフェクトなの。そういうと彼がすごくつまらない人間に聞こえるけど、そういうわけでは全然ないのよ」と話していた。 シエナには2006年にもお互いの浮気が理由でジュード・ロウと婚約解消したことがあり、2人はその後復縁したものの、シエナがトムと交際を始めたことで2011年にまた破局していた。

「97世代」が音楽を豊かにするーー降谷建志、TRICERATOPS、GRAPEVINEのアルバムを聴く

『Everything Becomes The Music』と降谷建志の優しさ

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降谷建志『Everything Becomes The Music』

【リアルサウンドより】 <勇気を持ってかかげた誓い 鼻で笑うように流れる世界 駆け抜けよう共にこんな時代 塗り替えるのは君達(きみら)の世代>  1999年にリリースされたDragon Ashのアルバム『Viva La Revolution』の表題曲である「Viva La Revolution」。降谷建志はこの曲をライブで披露する際に、いつからかオリジナルの歌詞である<塗り替えるのは僕達(ぼくら)の世代>を<君達(きみら)>と改変して歌うようになった。革命の主体者として雄叫びをあげる立場から、次の世代の自立を促す立場へ。もちろん本人にとって「前線を退く」というような気持ちは毛頭ないはずだが、日本の音楽のあり方を自ら変えてやろうと血気盛んだった10代の頃と比べるといくぶん肩の力は抜けたのかもしれない。  直訳すると「すべての物事は音楽になる」というタイトルが冠せられた降谷建志にとって初のソロアルバム『Everything Becomes The Music』には、そんな彼の自然体の姿がパッケージされている。PCの起動音からこのアルバムが始まるという構成は、どんな生活音でも音楽になり得るというメッセージであるとともに、今作が非常にプライベートなモードで作られことを示すメタファーであるとも言える。全ての演奏からレコーディングに至るまでをたった一人でこなした本作は、降谷建志というアーティストにとっての「生理現象」のようなものなのだろう。呼吸をするように、睡眠をとるように、いつでも自身のスタジオに通って作り上げてきた音楽。先行リリースされた「Swallow Dive」「Stairway」を筆頭に、リズムセクションの上でギターが鳴り、そこに彼の歌が乗るというとてもストレートな(それゆえミュージシャンとしての本質が問われる)構成の楽曲が揃っているのが何よりの証左だろう。  『Everything Becomes The Music』全体を通して醸し出されているのは、「優しさ」や「美しさ」である。オーディエンスの血を沸騰させるために「攻撃性」や「破壊力」が求められるDragon Ashの音楽の中でいわばスパイスとして機能していた要素が、パーソナルな世界が展開される今作では前面に押し出されている。数多の名曲を生み出してきた降谷建志のセンチメントとメロウネスが完全解禁されたこのアルバムに対して、いまだに「Viva La Revolution」を生で聴くと涙が止まらなくなってしまう僕としてはこう言わずにはいられない。「こんなKjの音楽が聴きたかった!」と。

絶好調、97年組の生き残り

 Dragon Ashがメジャーデビューを果たした1997年の音楽シーンにおいては、小室哲哉ブームがいまだ続く中において「ロックバンドへの期待感」が確かに存在していたように思える。Mr.Childrenとスピッツのセールスがモンスター化し(ミスチルはこの年の3月で一旦活動を休止)、さらにはウルフルズ、THE YELLOW MONKEY、JUDY AND MARYといった面々のブレイク。今となってはレジェンド的な位置づけの顔ぶれがひしめく90年代半ばにおいて、たくさんの若手ロックバンドが表舞台に登場した。そんな97年デビュー組において今でも第一線で活動を継続しているバンドの代表格がDragon Ashであり、そしてTRICERATOPSとGRAPEVINEである。  Dragon Ashが初期衝動的な音を鳴らしながら強面な感じで登場したのに対してこの2つのバンドの佇まいはいたってカジュアルだったが、一方でその音楽的バックグラウンドにはある種の「渋さ」も合わせ持っていた。ビートルズなどのスタンダードなロックを下敷きにしながら、3ピース編成でディスコビートを大胆に取り入れた「Raspberry」でデビューしたTRICERATOPS。また、マーヴィンゲイの曲名からとったバンド名の通り、GRAPEVINEの音楽には単にキャッチーなだけではないブラックミュージック由来の粘っこさが包含されていた。  同期でもある降谷建志が初のソロ作で新境地を示したように、この2つのバンドも今まさに「脂の乗り切った状態」にある。それを端的に表しているのが、昨年末にリリースされたTRICERATOPS『SONGS FOR THE STARLIGHT』と今年1月リリースのGRAPEVINE『Burning tree』である。  オリジナルアルバムとしては約4年振りのリリースとなったTRICERATOPS『SONGS FOR THE STARLIGHT』は、ロックとしての迫力とポップスとしての完成度が共存している作品である。印象的なギターのリフのイントロからベース主体のAメロに流れる展開とサビのキャッチーなメロディが「これぞトライセラ!」という感じのロックナンバー「スターライト スターライト」、BPMが速くなくても腰を揺らしたくなってしまうスイートな「PUMPKIN」などバラエティ豊かな収録曲からは、昨今では単に元気に盛り上げるだけのものを指すようになりつつある「踊れるロック」という概念を改めて定義し直すかのような気概が感じられる。  GRAPEVINE『Burning tree』は、掻き鳴らされるギターとサビで炸裂するシャウトが気持ちよい「empty song」やトリッキーな展開の「MAWATA」など、ここ数作においても特に開放感のある楽曲が並んでいる。複雑なアンサンブルを挟みながらも「せわしない」「ごちゃごちゃしている」といった要素を微塵も感じさせない雄大なサウンドプロダクションは、一朝一夕に真似できるものではない。  降谷建志『Everything Becomes The Music』、TRICERATOPS『SONGS FOR THE STARLIGHT』、GRAPEVINE『Burning tree』。昨年1月にリリースされたDragon Ash『THE FACES』も含めて、最近の「97世代」の作品にはここまで積み上げたキャリアに安住しない瑞々しい魅力が詰まっている。年輪を刻みながらもどんどんピュアになっていくかのような彼らの年の取り方は、ロックミュージシャンとしての理想的な姿なのかもしれない。

「狭間の世代」が担保するシーンの豊かさ

田中「まあ、やっぱり僕らは狭間の世代なんですよ。僕らがバンドを始めた時代っていうのは、バンドでやっていくとなると、もうアマチュアかメジャーデビューか、その二者択一だった。でも今はもっとやり方が多様化してる」 和田「そうだな……確かに自分たちが狭間の世代だなっていうのはすごく思ってます」 (RealSound トライセラ和田×バイン田中が語る、ロックバンドの美学(後編)「音楽にはセクシーさがすごく大事」より http://realsound.jp/2015/01/post-2186.html)  TRICERATOPSとGARPEVINEのそれぞれのフロントマン、和田唱と田中和将は自分たちのことを「狭間の世代」と称している。ここでの発言の意図は最近の若いミュージシャンと比較した場合というものではあるが、もっと短いスパンで区切った話でも97年デビューの彼らは「狭間の世代」と言える立ち位置のように思える。  J-POPという呼称の元でCD販売が産業として一気に巨大化し始めた90年代前半と、過去最高のCD売上を記録する中でゼロ年代以降の音楽シーンの方向を決定づける数々の才能が見出された98年。Dragon Ash、TRICERATOPS、GRAPEVINEの「97世代」はこの2つの時代の狭間にメジャーデビューを果たした。  くるり、ナンバーガール、スーパーカーという「98世代」が現在の日本のロックシーンのいわば始祖として様々な形で引き合いに出される一方で、「97世代」に対する言及は思いのほか少ない印象がある。それはもしかしたら、バンドとしての生き様によるものかもしれない。Dragon Ashは時代の空気を一身に背負いすぎた結果ロック云々というスケールでは語るのが難しい存在になったし、TRICERATOPSとGRAPEVINEはどちらかというとシーンの流行り廃りとは関係なく(バンドとしての紆余曲折はありながらも)淡々とキャリアを積んできた。また、実は最近のロックバンドとの音楽的な接点が見つけづらいという側面もあるかもしれない。Dragon AshのミクスチャーサウンドやGRAPEVINEが放つ渦のような音の世界を表層的な意味ではなく継承できているバンドはあまり見かけないし、TRICERATOPSの「踊れるロック」と現状主流になっている「四つ打ちロック」は特にリズムの強度・バラエティにおいて大きく異なるものである。  次から次に「期待の新星」が登場する中で、当たり前のように長く続いているバンドの存在感というのはともすれば希薄になりがちだ。自分のリスナーとしての態度を振り返ってもついつい新しいバンドを追いがちになるし、その結果として「最近のロックバンドは自分には合わない」などと悪態をつきたくなる瞬間もある。ただ、ほんの少しだけ視線をずらすと、自分が年を重ねているのと同じように大人になったロックバンドが「懐メロ」には陥らないロックを鳴らしている。  最近、とある報道番組で「日本の音楽の多様性が失われている」という切り口での解説を目にすることがあった。このメッセージには様々な観点からの反論が可能だが、僕は2015年における「97世代=狭間の世代」の充実を反証材料として提出したいと思う。20年近く前に「期待の新星」だった面々の弛みない歩みが、今の日本のポップミュージックの深みと豊かさを支えているのだ。 ■レジー 1981年生まれ。一般企業に勤める傍ら、2012年7月に音楽ブログ「レジーのブログ」を開設。アーティスト/作品単体の批評にとどまらない「日本におけるポップミュージックの受容構造」を俯瞰した考察が音楽ファンのみならず音楽ライター・ミュージシャンの間で話題に。2013年春にQUICK JAPANへパスピエ『フィーバー』のディスクレビューを寄稿、以降は外部媒体での発信も行っている。 Twitter レジーのブログ レジーのポータル

“おっぱいバトル”に事務所NGで、ファンも驚愕!? ふっきれた『聖剣使いの禁呪詠唱』イベントの評判

オタクに"なるほど"面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より

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TVアニメ「聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク>」より。
 声優・石川界人や、petit miladyとしても活躍する竹達彩奈、悠木碧らが出演した「聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク>」Blu-rayとDVD発売を記念した「亜鐘学園学園祭~We are the・夏~」が12日、都内で開かれた。このイベントを訪れた観客によると、いきなり下ネタが飛び出すなど、かなり刺激的なイベントだったという。 『聖剣使いの禁呪詠唱』は、「GA文庫」(SBクリエイティブ)から刊行されている、あわむら赤光氏による同名ライトノベル作品が原作。武術に秀でたり、特殊能力を扱えたりする生徒が集まった私立亜鐘学園高校を舞台に、少年・灰村諸葉の“俺TUEEEE”な活躍が描かれた作品だ。今年1月からはテレビアニメ放送がされていた。このイベント昼の部に参加していた観客が語る。 「おたぽる」で続きを読む