女子生徒を集団リンチ→全裸画像をネットにアップ 死者も続出する、中国「いじめ」の実態

 中国各地で、学生による校内暴力のニュースが後を絶たない。6月22日、ネット上に「江西省永新中学校の学生がリンチに」というタイトルの動画がアップされ、注目を浴びた。動画では7〜8人の中学生と思われる女子生徒が、つまずかせた女子生徒1人を囲んで代わるがわる平手打ちしたり、後ろから蹴り倒したりと、約5分間にわたる暴行の様子が映されていた。被害を受けた女子生徒はクラスの学級委員をしていたことから、嫉妬と恨みの対象となり、暴行を受けたのだといわれている。  こうした報道が相次ぐ中、過去40件のいじめ、暴力事件から、中国でのいじめとその傾向をまとめた統計が発表され、ユーザーたちから大きな反響を呼んでいる。「法制網」の統計によれば、中国でのいじめでは、外傷を負うケースが9割と暴力行為がほとんどを占めており、集団暴行は75%、うち16.7%は相手を死に至らしめている。
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福建省で起きたいじめ事件。女子生徒が全裸にさせられ、SNSにアップされた
 同統計によれば、校内で起こるいじめの70%が殴る蹴るなど体を使った暴力によるもので、12.5%は器物での攻撃や劇薬を飲ませるというものだった。全裸にした上、陰部を晒すなどの行為も10%を占めたという。ほかにも、レイプや陰部を傷つけるなどの性的暴行や、無視、物を隠す、悪口などの心理的な攻撃要素を含む虐待は、それぞれ2.5%だった。 「地下鉄の駅で、女子中学生のいじめを見たことがありますよ。5人がかりで1人の女子生徒にビンタを食らわせ、最後にはジャージとTシャツを引きちぎって、上半身がブラジャー1枚の哀れな姿にさせられていた。止めに入ったのは僕と1人の老人だけで、ほかの乗客や警備員は無視していた。いじめに対し、社会全体が見て見ぬふりをしている感じがして不気味でしたね」(深セン市在住の日本人ビジネスマン)  日本では今、LINEいじめをはじめとした言葉の暴力や村八分が主流だが、日本のいじめとの大きな違いは校内暴力というくくりが、同じ学年、同じ学校に止まらないところだ。中学生が小学生を集団暴行したかと思えば、高校1年生が中学生から暴行を受け裸にさせられたり、中学生が小学6年生の児童に暴行を加え、火のついたタバコを服に入れたりと、学年、学校を超えて暴力行為が頻発している。
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 特に、女子生徒のいじめは、男子に増して激しい。暴力によるいじめは、男女全体の統計を見ると32.5%で、女子だけの統計では23.9%だった。原因は「話が合わない」が53.8%で、「嫉妬」が21.2%、「相手が嫌い」17.4%、「理由はない」が7.6%だった。  さらに近年顕著なのは、ネットを使ったいじめだ。掲示板や微信(中国版LINE)、微博(中国版Twitter)などを通じて被害者を攻撃し、リンチ動画や裸の画像などをネットに公開、拡散することで被害者を侮辱する行為は、一部の学生の間では流行のようになっており、プライバシーの侵害に対する感覚が麻痺していると「法制網」は伝える。暴力行為に対する学生の考え方も、51%は「やめるべきだ、するべきではない」という回答だったが、25%が「暴力は当たり前」、16%が「自分とは関係ない」、5%「野次馬としてにぎやかな様子を見る」、3%「適度に参加する」と残り5割の学生が暴力行為に対して肯定的、傍観などの態度を示し、道徳的なモラルが欠落し始めていることがうかがえる。  こうした暴力事件で、加害者が刑事責任を負うケースは3割にも満たない。中国の刑法十七条では、傷害罪、強姦罪、殺人罪など多くの罪名を羅列しても14歳以下の未成年に刑事責任を負わせることはできず、14歳以上の未成年も18歳までは減刑、再教育することが前提で裁判が争われる。被害者とその家族は大事にしたくないために謝罪を受けて金を受け取るか、黙って転校するなどの選択をする。学校側は業績を守る為に校内で起きた暴力行為を表沙汰にすることが少ないことも、加害者を増長させる原因となっている。  なぜ、中国ではこうもいじめが社会問題化しているのか。北京市に住む日本人大学講師はこう推測する。 「2000年頃まで、中国の学校では『道徳教育』が重視され、一定の時間を割いて生徒に道徳やマナーを教えていました。しかし03年頃から急激な経済成長と過度な学歴社会化で、そうした授業が英語や数学にどんどん置き換えられ、小さい頃から道徳を教えることがなくなってしまった。また、親たちも『自分の子どもがどうしたらいじめられないか』については熱心に考えるが、『いじめをする側になってはいけない』ということは教えない。教師の側も、いじめる側の親からのクレームを恐れて、傍観者を決め込む者も少なくない。いろんな要因が重なった結果だと思います」  中国のいじめや生徒間暴力行為の頻発に対し、関係機関である「21世紀教育研究院」は世界のいじめに対する取り組みや、研究結果を発表。アメリカの反いじめ法や日本の文部科学省が各地域の教育委員会と連携し設置した「24時間子供SOSダイヤル」に触れ、法整備や道徳教育の強化、いじめ相談や調査を行う機構の設立などを実施するとしている。 (取材・文=五月花子)

中国農村で豚として7年間育てられた男児を保護 3歳児ほどの体格で、言葉も話せず……

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豚とともに、車に乗せられる男児
 めまぐるしい発展を遂げる都市との格差が一向に縮まらない中国の農村で、またしてもショッキングな事件が明るみとなった。  今月初め、河南省東北部の農村で、両親によって、なんと豚と一緒に育てられていた男児が保護されたのだ。7歳になるこの男児は、栄養が足りていないためか3歳児ほどにしか見えず、言葉もまったく話せなかった。  地元紙「濮陽早報」の報道によると、村に入ると鼻を突く臭いがあたりに充満しており、その悪臭は男児とその両親が住む家に近づくと、さらに強烈になっていったという。
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わずかばかりの衣服が散らばる男児の居場所
 男児の家には、母屋があるものの、そこに暮らしていたのは両親のみ。男児の寝床は、豚を飼うためのスペースだった。隣人の話によると、男児は1年中、風が吹こうが雨が降ろうが雪が降ろうが、家の中には入れてもらえず、そこで膝を抱えて寝ていたという。豚ですら夜は屋根のついた小屋で寝起きしており、その扱いは豚以下だったといってもいい。  男児の父親は、村の食堂からもらい受けた生ゴミで豚を育てながら、村人の足となる乗り合い三輪車を夜中までこいで生活の糧としていた。しかも、豚の餌として受け取った生ゴミの中からまだ食べられそうなものを探し出し、家族の食事にしていたというから、その貧しさは相当なものであったようだ。
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母親の暴力によってついた頭の傷
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お菓子をもらって見せる屈託のない笑顔が、かえって痛々しい
 一方の母親は、男児の頭をドアや地面に打ちつけるなど、虐待する姿も目撃されていた。しかし、状況を目の当たりにしていた隣人たちも、どうすることもできなかったという。  ボランティア団体によって保護された男児は、両親のもとから離され、親戚の家に預けられることに。そして18歳になるまで、男児には地方政府から毎月500元(約1万円)の援助金が支給されることが決定した。  しかし中国全土には、彼のような境遇にありながら保護されることのない子どもたちが、何千何万人といることだろう……。 (文=佐久間賢三)

米国はこうして失業率、犯罪発生率を激減させた! 法律が認めた人間が持つ凶暴性の解放『パージ』

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感涙作『6才のボクが、大人になるまで。』からドン引きホラー『フッテージ』まで多彩な作品に主演するイーサン・ホーク。振り幅の大きさが彼の魅力。
 失業率と犯罪発生率をいっきに減少させ、国民の労働意欲を飛躍的に向上させる画期的な法案が米国で可決された。その法律は「パージ法」と呼ばれるもので、国民一人ひとりの精神を安定させ、そして社会全体を浄化(purge)させる効果があると賞讃されている。では、そのパージ法とはいかなるものか? 1年に1日だけ「パージ・デイ」が決められ、その日は夜7時から翌朝7時まで全ての犯罪は合法となる。器物破損、傷害、窃盗、放火、強姦、殺人などあらゆる犯罪が一夜限り許されるのだ。ただし、パージ・デイの12時間は警察、消防、医療などの救急サービスは全て停止。自分の身は自分で守らなくはならない。パージ法が施行され、米国民は日頃溜め込んでいたストレスを存分に吐き出すようになる。そして、米国はかつての開拓時代のような活気を取り戻すことに成功した―。もしも、そんな法律が本当に施行されたら……という近未来の米国社会を描いたのがイーサン・ホーク主演の異色サスペンス『パージ』だ。  1994年に出版された中島らものホラー連作集『白いメリーさん』(講談社)の中に『日の出通り商店街 いきいきデー』なる短編小説が収録されている。どこにでもある平凡な「日の出通り商店街」では年に一度のビッグイベント「いきいきデー」が催され、商店街の住人たちはこの日は自由に殺し合っていいことになっている。中華料理店、酒屋、電気店、天ぷら屋の店主たちは普段感じているご近所への不満をそれぞれの職能を活かしてぶつけ合うという血みどろのお祭りだ。参加者の中には「いつも人の命を救ってきたので、たまには殺してみたくなった」と劇薬入りの注射器を手にした老医者もいる。人間の中に潜む破壊衝動や凶暴性の解放は、作家にとっての大きなテーマのひとつなのだろう。『あまちゃん』を大ヒットさせた脚本家・宮藤官九郎と三池崇史監督のタッグ作『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』(10)では、朝と夕方の各5分間だけ警官や議員などの権力者はあらゆる犯罪が許される「ゼブラタイム」が与えられていた。日本発のこのゼブラタイムは「犯罪減少に繋がる」と米国の幾つかの州では導入が検討されていたことになっていたので、権力者だけでなく米国民なら誰もが平等に参加できるように改良されたものが「パージ法」のようである。
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自宅は当然ながらジェームズが売っているセキュリティーシステム仕様となっているが、肝心のジェームズは「完璧なシステムではない」とトホホな発言。
 超低予算ホラー『パラノーマル・アクティビティ』シリーズのジェイソン・ブラムと“破壊衝動の権化”マイケル・ベイが製作者として名前を連ねる『パージ』は、裕福なサラリーマンの一軒家が舞台となるシチュエーションものだ。ジェームズ(イーサン・ホーク)はセキュリティーシステムの販売会社に勤めている。パージ法が施行されたお陰で、セキュリティーシステムはバカ売れ。ジェームズ一家が暮らす高級住宅街でも、ご近所さんはみんな購入してくれた。ジェームズは営業成績を上げ、家を増築することもできてウハウハ。まさにパージ法さまさま。パージ法は社会経済の活性化にも役立っているのだ。今年もパージ・デイがやってきた。ジェームズは妻メアリー(レナ・ヘディ)、高校生の長女ゾーイ(アデレイド・ケイン)、引きこもりぎみの息子チャーリー(マックス・バークホルダー)との夕食を終え、全自動のセキュリティーシステムを稼働させる。善良な市民であるジェームズ一家は誰からも恨みを買うような心配はなかったが、どんな不審者が現われるか分からない。すべての窓にシャッターが降り、ドアは完全にロック。ジェームズ宅は要塞と化した。  夜7時から翌朝7時まで家の中で静かに過ごせば、パージとは無関係で終わるはずだった。街ではパージ賛同者たちによるマンハンティングが始まった。この日は何人殺しても罪には問われない。隠れ場所のないホームレスたちが真っ先に標的となる。モニター越しに街の様子を眺める息子チャーリーの目線を通じて、パージの実態が徐々に明かされる。パージ法は人間の心や社会を浄化するというが、実際はホームレスや失業者といった最下流層を一掃するための法律だった。ホームレスや失業者が減れば、国は彼らに生活保護費や失業手当などを支払わなくて済み、国家予算は潤う。しかも、毎日汗水流して働く勤労者たちにとって、ホームレス狩りはいいガス抜きにもなる。権力者たちにとっては一石二鳥の効果があった。  ホームレス狩りを目の当たりにしたチャーリーは、耐え切れずに自宅の全自動セキュリティーを解除してしまう。ジェームズは息子の行動に激怒するが、後の祭りだった。電源がオフになり真っ暗闇になったジェームズ宅に、ホームレスが駆け込む。やがて、パージ法に賛同する過激な武装集団が続々と玄関前に押し寄せ、「ホームレスを引き渡せ。さもなくば、こちらから押し入るぞ」と最後通牒を告げる。朝7時まで、まだまだたっぷりと時間があった。ジェームズは一家の主として決断を迫られる。
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ジェームズ宅に次々と現われる招かれざる客たち。パージ・デイなのでどんな犯罪もOKだが、翌日以降に遺恨が残らないよう顔は隠している。
 本作のジェームズ・デモナコ監督は、脚本提供作『アサルト13 要塞警察』(05)などで主演俳優イーサン・ホークとタッグを組んでいる仲。『アサルト13』は閉鎖寸前のボロ警察署に警官役のイーサン・ホークらが立て篭って、スナイパーたちと銃撃戦を繰り広げたが、『パージ』では自慢のマイホームが血まみれの戦場と化していく。さらにパージ賛同者たちだけでなく、ジェームズに恨みを抱く意外な人物たちもパージにかこつけて襲い掛かる。ジェームズ父さん、大ピンチ! 米国民はそんなジェームズ父さんに共感したのか、『パージ』は全米で1億ドル突破の大ヒットに。続編『パージ:アナーキー』も翌年公開され、こちらもスマッシュヒットとなった。『パージ』が一軒家を舞台にしたシチュエーションものだったに対し、キャストを一新した『パージ:アナーキー』は街全体を舞台にしており、フジテレビ系の人気番組『逃走中』を映画化したような内容となっている。  こんなトンデモ法が施行されるなんて映画の世界だからさ、と笑い飛ばすことができるだろうか。日本でも、憲法を無視したとんでもない法案がもうすぐ採決されようとしている。 (文=長野辰次)
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『パージ』 製作/ジェイソン・ブラム、マイケル・ベイ 監督・脚本/ジェームズ・デモナコ 出演/イーサン・ホーク、レナ・ヘディ、アドレイド・ケイン、マックス・バークホルダー 配給/シンカ、パルコ R15 7月18日(土)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国公開 (c)Univesal Pictures
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『パージ:アナーキー』 製作/ジェイソン・ブラム、マイケル・ベイ 監督・脚本/ジェームズ・デモナコ 出演/フランク・グリロ、カーメン・イジョゴ、ザック・ギルフォード、キエレ・サンチェス 配給/シンカ、パルコ R15 8月1日(土)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国公開 (c)Univesal Pictures

ネットを超え、現実世界でも……韓国人男性の“キムチ女”ディスりが止まらない!

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イメージ画像(Photo By David Sim from Flickr.)
 最近、韓国では「女性嫌悪」が社会的イシューになっている。ネット上をはじめ学校や職場などでも女性に対する侮辱行為や言葉をよく耳にする。そのレベルは、とても女性大統領が牽引する国とは思えないほどだ。  ネット上では昔から女性を卑下する言葉が次々と作られてきたが、最近頻繁に使わるのが“キムチ女”である。もともとは「デート費用はすべて男性が負担して当たり前」と考える図々しい女性を指す俗語だったが、ネット上ではいつの間にか韓国女性全般を指す言葉として使われている。  ちなみに日本女性は“寿司女”というが、「非常識なキムチ女と違って、寿司女の振る舞いは素晴らしい」という褒め言葉として使われているらしい。どちらにせよ、あまりよい響きではないと思うのだが、13万人が「いいね!」を押しているFacebookの「キムチ女(https://www.facebook.com/kimchigirs)」コミュニティページのあらゆる女性卑下コンテンツを見ても、韓国に広まっているミソジニー(女嫌い)が結構深刻な状態であることがわかる。  少し前にも、ある男性お笑い芸人がポッドキャスト番組で「女は頭が悪いから男にはかなわない」「処女じゃない女には怒りを抑えられない」などの侮辱発言を口走った過去が明かされ、大きな話題になった。  彼の発言に最も憤慨したのは、ネットの女性限定コミュニティ「女性時代」の会員たち。女性関連のニュースに敏感に反応し、世論を主導する韓国最大の女性コミュニティだけあって、彼に対し「女性嫌悪勢力だ」「謝罪しろ」など、芸能活動を自粛せざるを得ないほどの非難を浴びせた。  韓国には、日本の2ちゃんねるに例えられる「イルべ(日刊ベスト)」という巨大掲示板をはじめ、数多くの掲示板が存在する。お笑い芸人の女性卑下発言騒ぎをきっかけに、「女性時代」はまさに彼らの公衆の敵となり、いくつものネットバトルも繰り広げられた。  例えば「女性時代」の一部の会員たちが、非公開掲示板で日本のBL漫画や小説、美少年たちのゲイ動画などを違法配信していたことが暴露された。表では道徳的な正義感を振りかざしていたのに、陰で成人コンテンツを楽しんでいる彼女たちの二重性に、ネチズンの多くは激しい嫌悪感を示すことに。ネット上のミソジニストたちはその勢いに乗って一致団結して彼女たちを罵倒した挙げ句、伊藤潤二のホラー漫画のセリフを変えたパロディーを配信。彼女たちを最狂集団に仕立て上げるという“男女対戦”状況を作ったのである。  こうした女性嫌悪はネットを超え、現実世界にも表れている。最も影響を受けているのは、ネットに触れる機会の多い学生たち。最近の高校では、男子生徒が同じクラスの女子生徒に対して「女のくせに」「女は3日に一度、ぶん殴らないと」「お前、ヤリまくってるだろ」といったセクハラや侮辱発言を、なんの罪悪感もなく口にするのが普通だというのだから、彼らの未来が心配になってくる。  いくら儒教の国とはいえ、今は21世紀。いまだに女性は無知で、非合理的な考えを持っているという偏見のある韓国社会は、果たして大丈夫なのだろうか? そんな男性たちに見切りをつけ、近いうちに“おひとりさま”ブームが到来するのは間違いないだろう。 (文=李ハナ)

7歳男児が「お医者さんごっこ」、同級生23名が処女膜断裂などの被害に! 低年齢化する中国の性犯罪

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 性犯罪の低年齢化が問題となっている中国で、またまた社会を震撼させる問題が発生した。  ニュースサイト「雲南網」によると7月6日、雲南省龍陵県の小学校就学前クラスで、7歳の男児3人が、複数の男女児童の性器や肛門に指や木の棒を入れるなどしてケガをさせていたことが明らになった。  当初、学校側はこの事実を隠ぺいしようとしたが、高学年の児童たちから家族へ事情が伝わり、県の教育局が動く事態に発展した。その結果、男児13人、女児10人が被害に遭っていたことが判明。医師による診察の結果、4名の女児は陰部が炎症を起こしており、うち1名は処女膜が破れていることがわかった。  加害児童のうち2人は、学級委員長と副委員長を務めており、それぞれクラスのリーダー的な存在であったようだ。彼らは、こうした行為を「お医者さんごっこ」と称していたというが、その内容たるや子どもらしさのかけらもない、非道なものだった。  ある女児は、5月中旬から6月中旬の間に、8回にわたり被害に遭っていた。場所はすべて昼休みの教室内だったという。手口は、副委員長が女子児童の腕を押さえ、委員長が陰部への異物挿入などの暴行を行っていた。もう一人は見張り役で、さらに教室の外にはほかに4人の男子生徒が控えており、委員長ら3人が事を済ませた後、半ば強制的に暴行に参加させられたという。また、別の女児は毎週日曜日3回にわたって乱暴されたという。
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忌まわしい事件の舞台となった教室
 事件の起こった雲南省西部に位置する龍陵県は、中国内でも特に貧しい地区として知られる。起伏の激しい山々と劣悪な交通事情で、外出したまま行方がわからなくなった老人もいるという。  約200人いる村の子どもたちは1年間の幼稚園課程のある7年制の小学校へ通っており、ほとんどの児童は自宅からの通学が困難なため、親元から離れて寮生活をし、生活のほとんどを校内で過ごしている。こうした環境下で、被害児童たちは逃げ場所がなかったのかもしれない。担任だった50代の男性教師は、いつも放課後はすぐに学校を後にし、付近の自宅に戻っていたという。  発展に取り残された農村部の問題点を浮き彫りにしたような、この事件。中国版Twitter「微博」では、幼少時から親元を離れることによる悪影響や、そうせざるを得ない貧村の劣悪な環境を指摘する書き込みに混じり、「日本のアダルトビデオの悪影響だ」と責任転嫁する声も上がっている。 (文=牧野源)

「ひと夏で数十万円荒稼ぎ!?」セミの幼虫をガムテープで乱獲する“昆虫食大国”中国の村人たち

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中国の屋台で売られる昆虫や幼虫の数々
 夏の風物詩といえば、日本ではセミの鳴き声だろう。セミは幼虫として土の中で5年以上を過ごし、羽化してからわずか数週間でその短い命を終える。子どもの頃、そんなセミのはかなさに夏休みが終わる寂しさを重ねた人も多いだろう。しかし、中国から、はかなさもクソもないニュースが飛び込んできた。  安徽省六安市の農村部では、村人が夜中、数千本もの白楊樹にガムテープを巻き始めた。数時間後、ガムテープには羽化しようと気を登ってきたセミの幼虫が大量に付着していた。なんとも残酷な行為だが、実はセミの幼虫は中国では大人気の食べ物。カラッと揚げたセミの幼虫は、スナックのように露店で売られることになるのだ。
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木にガムテープを巻きつけ、動けなくなった幼虫を一網打尽に……
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一晩でバケツいっぱいの幼虫が取れる
 夏になると、中国各地では屋台や露店で食事する姿が見受けられるが、セミの幼虫もおいしいと大人気。「騰訊新聞」(7月7日付)によると、村人は一晩でおおよそ2.5kgから4kgもの幼虫を捕まえることができるという。バケツいっぱいに詰まった数百匹のセミの幼虫を見ると、なんだか悲しくなってくる……。
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カラッと揚がった幼虫にはビールが合う!?
 村人はこれを屋台に直接売りにいくわけだが、キロ当たり70元(約1,400円)で買い取ってくれるという。村人は、一晩に平均して200~300元(約4,000~6,000円)の収入になるという。中には、ひと夏で数十万円稼ぐツワモノもいるという。地中から湧いて出てくる幼虫を勝手に取って売るだけだから、元手はほぼゼロだ。 「中国では、昆虫食がさほど珍しくない。屋台に行けば、セミの幼虫のほか、サソリや蚕、タガメ、トカゲやバッタなんかが、揚げたり、焼いたりした状態で売られています。日本人にはゲテモノとしか映りませんが、タンパク質が豊富で食感もよく、夏にスタミナをつけるという意味で、現地の人は好んで食べていますよ。ただし近年では、殺虫剤や防腐剤など有害物質が多く含まれていたり、別の昆虫で偽装したりすることもあるようで、私は絶対、食べませんけどね」(中国在住の日本人)  近年、セミの幼虫の価格は上昇し、各地でこうした残酷な乱獲が行われているという。夏の風物詩を食べつくす行為に違和感を覚えずにいられないが、そのうちセミが中国からいなくなる日が来るかもしれない。 (取材・文=金地名津)

サッカー女子W杯、悲願の16強進出で大ブレーク! 韓国“美人すぎる”DFに熱視線

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シン・ソヨン
 カナダで行われた女子サッカーのW杯。連覇を目指した“なでしこジャパン”は決勝でアメリカに敗れ、惜しくも準優勝に終わったが、日本中が盛り上がった。まさに女子サッカー人気再燃の兆しだが、韓国でも今回の女子W杯は大いに盛り上がった。何しろ今大会で韓国は、悲願の1勝と決勝トーナメント進出を達成。2003年大会以来2度目のW杯出場で達成したこの快挙は、「テハンナンジャ(大韓娘子)、新しい歴史を刻む」(朝鮮日報)、「男子は48年かかった偉業、女子は12年で成し遂げた」(週刊京郷)などとたたえられた。帰国時には、空港で凱旋セレモニーも行われたほどだ。  新たなスターも生まれた。もともと韓国女子サッカー界では、元INAC神戸所属で、現在はイングランドのチェルシーでプレーするチ・ソヨンが有名だったが、今大会で一躍、人気者になったのはDFのシン・ソヨンだ。  1989年生まれで26歳になる彼女は、韓国の試合のたびにポータルサイトの検索ランキングで上位に上がり、ついたあだ名が「オルチャン(美顔)DF」「美女サッカースター」「韓国女子サッカー美貌担当」などなど。過去に出演したバラエティ番組やグラビアが再び話題になるなど、一躍人気者に。各メディアも「芸能人級の美貌」「アイドルグループSISTARのボラに似ている」と騒いでいる。彼女のTwitterやInstagramなども人気で、日本とアメリカが決勝を戦った7月6日朝にアップした写真が、ニュースにもなったほどである。  W杯の快挙と新たなスターの誕生に沸く韓国女子サッカー界だが、その環境は決して褒められたものではない。というのも、2014年12月時点でKFA(大韓サッカー協会)に登録されている女子サッカーの選手数は、わずか1,765名。チーム数は小・中・高・大学、実業団合わせて76しかないほど貧弱なのだ。それでも10年にはU-20女子W杯で3位、U-17女子W杯では優勝、今回のカナダW杯ではそのメンバーたちが中心となって16強進出と着実に成長しているが、その底辺の広さと強さは、なでしこジャパンの足元にも及ばない。そのため、韓国メディアでは「日本のように、韓国女子サッカーも底辺拡大と代表強化に取り組むべき」との意見が多く出されている。男子サッカーは宿命のライバル関係にあり“日本には絶対負けない”と息巻く韓国だが、女子サッカーに関しては日本が“目標”であり“お手本”というわけだ。  その一方で、日本への露骨な対抗心をむき出しにする意見もある。例えばスポーツ紙「スポーツソウル」は、「今回のトーナメントは、開催国カナダに有利なように仕組まれたという意見が外国メディアや選手たちから噴出。結果、カナダと同じ山に入った日本は運よく決勝に進めたものの、アメリカに実力の差を見せつけられ、この疑惑を証明した部分もある」と報じている。  しかし、韓国ネチズンたちはこの記事にかなり否定的だ。「運が良くて決勝進出? 日本の実力を認めろ」「日本に対する羨望が感じられる」「日本は嫌いだが、それでも日本女子サッカーの実力は認めなきゃイカンだろう」などの言葉が並んでいる。嫉妬に満ちた記事は、韓国のネット住民たちも食えぬというわけか。いずれにしても、韓国が“なでしこジャパン”をうらやましく思っていることだけは間違いなさそうだ。

AV男優しみけんvs 絶対王者の熱きバトル!『BAZOOKA!!!』「地下クイズ王」という知的スポーツ

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しみけんTwitterより
「女性の恥骨の下にある、膣壁前方上部の小さな領域を『Gスポット』といいますが、この『G』の由来となった、女性器の研究で有名なドイツの産婦人科医は誰?」  これが、「地下クイズ王決定戦」記念すべき第一問目の問題である。ちなみに、正解は「エルスント・グレフェンベルク」。この問題に、初代王者となる渡辺徹(タレントの渡辺徹とは同姓同名の別人)は、当たり前のように正解した。  その後も、 「2012年、所得隠し問題によって出演番組を降板し、関係各方面に迷惑をかけている板東英二。さて、板東英二の個人事務所の名前は何?」(正解:オフィスメイ・ワーク) 「北海道万念寺に安置されている、髪が伸び続けているといわれているお菊人形。この『お菊』の本名は何?」(正解:鈴木菊子) 「ヤクザの隠語でリボルバー式拳銃のことを、その形が似ていることから、ある野菜の名前を使ってなんという?」(正解:レンコン) 「1989年東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件で世間を震撼させた宮崎勤が、犯行声明文で名乗った女性名は何?」(正解:今田勇子)  というような早押しクイズが、次々と出題されていく。  「地下クイズ王」とは、BSスカパー!の人気番組『BAZOOKA!!!』の名物企画である。その第1回が放送されたのは2013年2月26日。出題されるクイズのジャンルが「ゴシップ」「殺人鬼」「オカルト」「裏社会」「宗教」「セックス」という、地上波ではあり得ない狂った問題ばかり。これがクイズ好き、アングラ好きなどに話題を呼び、第2回(13年6月)、第3回(14年12月)と回を重ねていった。その3回の大会すべてで優勝したのが、前述の渡辺徹である。  史上最年少で『FNS1億2000万人のクイズ王決定戦』に出場したキャリアを持つ渡辺は、無尽蔵のアングラ知識で淡々とクイズに正答し続け、「地下クイズ王」の“絶対王者”の風格を漂わせている。  彼の最大のライバルが、AV男優・しみけんである。第2回大会から出場したしみけんの登場は衝撃的だった。オープニングクイズの7問中6問を、驚異的なスピードの早押しで正解。AV男優という肩書やそのキャラも相まって、「地下クイズ王」の新たなスターの誕生を確信させるに余りあるインパクトだった。序盤に大差をつけたしみけんが、そのまま優勝を奪うかと思われていたが、高得点になる後半の難問を次々と正解していったのは、やはり王者・渡辺。大逆転劇を演じたのだ。  そもそもしみけんは、少年時代から「クイズ」に魅了されていた。だからもちろん「AV男優」歴よりも、「クイズ」歴のほうがはるかに長い。クイズ研究会に所属していた学生時代には『おサイフいっぱいクイズ!QQQのQ』(TBS系)にも出演したこともあるという。  そんなしみけんへの出演オファーは、ある意味、極めて「地下クイズ王」らしい狂ったものだった。突然、知らない番号からかかってきた電話に出てみると、開口一番「GスポットのGはなんの略?」と問題が出題された。ワケがわからぬまま「グランフェンベルク」と答えると、「正解です! じゃあ、ご飯一緒に食べよう」。そこで、正式にオファーを受けたのだ。  続く第3回大会でも、渡辺vsしみけんの対決は続く。しみけんはオープニングクイズで一問も正解できず出鼻をくじかれたが、「薬物の10」の問題では「今年12月……」という出題の時点で早押しし「しぇしぇしぇのしぇー」を正答し、本来の調子を取り戻す。渡辺も、着実にポイントを重ねていく。この2人に、初出場で強烈なキャラクターを持つ女性・篠原かをりを加えた三つ巴のような展開。優勝決定は、最終問題までもつれ込む大接戦。そして最後に正解したのは、やはり“絶対王者”渡辺だった。泣き崩れるしみけん。その熱い姿に、「物語」は最高潮に盛り上がりを見せたのだ。  そしてついに7月6日、第4回「地下クイズ王」が放送時間を90分に拡大し放送された。出場者は3連覇中の王者・渡辺、そしてもちろん、しみけん。彼は、「3回もチャンスを与えられて優勝できなかったら、次はない」と不退転の覚悟で、3日間仕事を休んでまで挑む熱の入れよう。  さらに、伝説的クイズサークル「コンモリ」の代表・丸山洋平、前回大会でインパクトを残した篠原から「若手女性最強」と推薦を受け、「得意なジャンルはセックス」と言ってのける高野望、そしてこの企画への出演を熱望していた能町みね子が『BAZOOKA!!!』のレギュラー出演者による「BAZOOKA!!!オールスターズ」の助っ人として参戦。過去最強の布陣といっていいメンバーがそろったのだ。  問題はこれまで同様、「イスラム国の処刑動画に登場する黒マスクの男の通称『ジハーディ・ジョン』。この名前の由来となったミュージシャンは誰?」「女性の下着や水着が性器に食い込んだ『スジっている』状態を、英語で動物のひづめに喩えて『何・トゥ』という?」「幸福の科学の月刊機関紙で小学生がターゲットなのは『ヘルメス・エンゼルス』ですが、大学生をターゲットにしたものは何?」「北朝鮮の『喜び組』は活動内容から大きく3つに分かれます。では、性的なサービスをするのは『何組』?」などという、地上波では決して出題されない狂った問題が連発。それに加え、たとえば最後に例を挙げた問題には正答の後、「入団の時点で『処女』であることが条件とされている」などと補足解説までついてくる。  だが、「地下クイズ王」の魅力は、こうしたアングラ知識が入り乱れるところだけではない。なんといっても、クイズ番組として極めてまっとうだということだ。全編が「○○の10」「××の30」などとクイズのジャンルと難易度(ポイント)を選択し、出題されるというオーソドックスなシステム。通常、テレビ番組で行われるクイズ大会は、バラエティ的な面白さを担保するためにクイズ以外の要素が入ってしまう。だが、「地下クイズ王」はクイズ自体が「アングラ」という特殊要素を入れたことで逆に、純粋な「クイズ」だけの大会として成立させているのだ。  能町みね子は、「地下クイズ王」の魅力を問われこう答えている。 「こんなにアングラでこんなに暗~い感じでやってるのに、スポーツに見えてくる」  コンマ何秒の差でボタンを押し、超難問に頭の中の知識を総動員して答えを導き出す。“今度こそ”の執念で、汗が飛び散るような勢いで答えていく、しみけん。まさに「地下クイズ王」は、知的スポーツに呼ぶにふさわしい。そうして死力を尽くして答えた回答が「パイパン」だとか「エネマグラ」「ラブリンネイル」「スウィーツKURENAI」などというのだから、くだらなくて最高なのだ。優勝賞品は、シリコンボール注入権やらオリジナルタトゥー無料権。そんなもののために必死になるのは、狂っているのかもしれない。狂った問題で競う、狂った人たち。  「地下クイズ王」には、テレビが本来持っていた見世物小屋的な原風景が広がっている。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

くすぶる“嫌がらせ・テロ”の恐怖……世界文化遺産を巡るツアーパックの警備は大丈夫か

07078hashima.JPG“軍艦島”こと端島
 先日の「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録は、歓声が響く一方、不安の声も聞かれる。 「嫌がらせとか、テロみたいなことがなければいいんですが……」  福岡など8県23資産の世界文化遺産登録への登録は、韓国の抵抗で審議の先延ばしもあった。7月5日、ユネスコ世界遺産の仲間入りが決定した際は、韓国も渋々賛成に転じ、21委員国の全会一致となったが、これで収まらないのが韓国内の“反日”勢力。一部施設で朝鮮人労働者を強制的に徴用した話については、「働かされた」とする文言を文書に入れることでの合意が伝えられたが、韓国の一部メディアでは「太平洋戦争の道具は世界遺産にふさわしくない」と、いまだ批判が継続。さらに日本批判を続ける市民団体からは「島を破壊すべき」と、軍艦島の通称で知られる長崎県の端島を指して過激な声すら上がっている。 「軍艦島は、ナチスによるアウシュビッツ強制収容所と同じようなものだ」  今回の登録決定を受け、市民団体「平和と安らぎの心」のメンバーは、ネット上でそう主張。さらに「施設にMERS患者を乗り込ませたい」「テロとは見なされない攻撃方法もある」などと過激な意見を投稿し「準備をして、来年1月に登録された場所で同時行動を行う」と“犯行予告”まで行った。  こうした投稿は一部の良識的な韓国民から「恥を知れ」と批判が持ち上がり、すぐに非公開とされたが、福岡県の八幡製鉄所や長崎県の三菱長崎造船所、佐賀県の三重津海軍所跡など、登録された各所では、こうした反発が形となって現れないかと不安を抱く市民も少なくない。  実際に今年6月、軍艦島には「勤労挺身隊のおばあさんと共にする市民の会」なる市民団体が、20人ほどで上陸を試みた。表向き「強制労働者への追悼で反日感情とは関係ない」としたが、時期的に世界遺産登録を妨害する動きであったことは明らか。結局は船の故障で上陸は断念されたが、別の場所で声高にデモを行なったことで、一行に抗議する日本人との間で騒ぎに発展した。団体の参加者の中には、以前日本で過激な反日デモを行なった人物もおり、入国審査で4時間ほど足止めされていた。  すでに大手観光業者が「明治日本の産業革命遺産」のすべてを巡るツアーの販売を計画しているが、ある業者は「もしも反発する一団とトラブルになったら大変。遺産の中には警備が厳重といえないところもあるので、慎重にツアーを組まないと、万一にもトラブルが起きてしまったら、我々も責任を負うことになりかねない」と複雑な胸中を漏らした。  自民党の谷垣禎一幹事長は登録決定翌日の記者会見で「観光産業に非常に大きなインパクトがある」としたが、大きな集客には相応の警備体制が不可欠であることを認識すべきかもしれない。 (文=ジャーナリスト・片岡亮)

「forced to work」認定も、ブーイングの嵐! 世界遺産登録をめぐる日韓狂騒曲

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明治日本の産業革命遺産」のひとつ、軍艦島
 日本政府が朝鮮人の“強制労働”を初めて認めた――。   「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録をめぐり、韓国が「強制労働が行われたという事実は無視したまま、産業革命施設だけで美化して登録するのは、世界遺産条約の基本精神に反する」と反発していた問題。5日に行われたユネスコ世界遺産委員会での登録決定時、日韓とも「forced to work」との表現を使用したことから、多くの韓国メディアが第一報として冒頭の内容を報じたのだ。さぞ韓国国内は喜々としているのだろうと思いきや、韓国ネチズンたちは「世界遺産登録は屈辱だ!」などと不満げな様子。特に、日本政府が「forced to workは強制労働を意味しない」という趣旨を発表したことで、韓国メディアも「早くも“言い逃れ”」「巧妙に言葉を変えた日本」などと論調を変えている。ただ、韓国政府の当初の目標が「登録の阻止」だっただけに、実質的には敗北と見る人も少なくない。  例えば、世界遺産登録が発表されたドイツ現地を訪れていた「勤労挺身隊女性と共にする会」という市民団体は、「強制労働という文言ひとつを得た代わりに、安倍の歴史修正シナリオを完成させた」などと不満を漏らした。同団体は、「韓国政府の外交的野合であり、恥だ」とも批判している。  なぜ、韓国が手放しで喜んでいないかというと、強制労働を認めたからといっても、それがすぐに謝罪や賠償にはつながらないからだ。第一報で「強制労働を認定」と勢いよく報じたメディアも、ここにきて若干論調を変えてきている。  「文化日報」は、「日本政府の強制労働認定、歴史を正確に見る転機になるべき」という社説を掲載。同紙は「登録決定直後、日本は“強制労働”を『働くようになった』と翻訳するなど、趣旨を弱めたり否定しようとしたりする行為を見せている。ユン・ビョンセ外交部長官が『韓日が激しく対立することを避け、対話を通じて問題を解決した』と自賛したのとは異なり、両国の雰囲気を考慮するとき、多くの議論は避けられないだろう」と指摘した上で、以下のように続けた。 「(今回の世界遺産登録は)日本政府が強制労働動員に対する法的責任まで認めたのではないため、被害者一人ひとりが日本企業などを相手取った賠償裁判とは別ものといえる。しかし、登録対象23の施設の中に、端島炭鉱など7つに韓国人5万7,900人余りを強制動員して、94人が命を失ったという厳然たる事実を公式には否定してきた日本政府が、国際圧力に押されて変化を見せたのは確かだ」  同じく「国民日報」も強制労働の認定については評価しつつも、「法的な拘束力は担保できない。強制徴用被害者の賠償訴訟に影響を及ぼす可能性があるかどうかは未知数だ」などと報じており、積極的に“賠償”にフォーカスを当てている。  野党側の反発も似たような趣旨だ。ある議員は声明を発表し、「事実を記録するだけで、賠償を二の次にして、さらに謝罪すらなかった」「韓国政府は日本に、歴史的事実の記載以前に、過去我が民族に行った破廉恥な行為に対する反省と謝罪、賠償を要求しなければならない」などと、与党側を強く非難している。  現在、日本のネット上では「東洋のアウシュビッツの誕生」などと今回の世界遺産登録を皮肉る声も上がっているが、韓国では「なぜ謝罪や賠償を要求しないのか」という不満が増えてきているようだ。それぞれの理由はまったく違うが、日韓共にモヤモヤが残る世界遺産登録になったといえるかもしれない。