伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ギョーカイの内部情報を拾い上げ、磨きをかけた秘話&提言。 東北・関東大震災は出版界にも大きな爪あとを残した。 まずは相次ぐイベントの中止だ。マガジンハウスは「ターザン」の創刊25周年パーティを、光文社での「日本ミステリー文学大賞」贈呈式をそれぞれ中止し、「ダ・ヴィンチ電子書籍アワード」受賞式も延期されるなど、自粛ムード一色だ。 だが、それ以上に出版業界の実情は深刻だ。最初に問題となったのが流通だった。震災直後の輸送燃料の不足や道路状況の悪化などのため、3月16日発売の「週刊文春」(文藝春秋)、「週刊新潮」(新潮社)などが17日発売にずれ込んだ。雑誌はすでに刷られていたという。その後の19日まで、取次は1日1回行ってきた配送を隔日にした。またアマゾンジャパンでは、東北地方からの注文受け付けを中止し、他地域での配送も大幅に遅れている模様だ。 さらに深刻なのが紙不足だ。出版業界の印刷用紙の約4割を供給していた宮城県の日本製紙石巻工場と青森県の三菱製紙八戸工場が被災してしまったからだ。 「このため震災後、各社紙の確保には必死のようです。『週刊朝日』(朝日新聞出版)はしばらく変則発売日になり、また震災に関係のない書籍の発売を半年以上も遅らせたり、別冊企画は延期するなどの処置を取る出版社も出ています」(前出関係者) 日本雑誌協会によれば計191誌もの雑誌が発行休止、または発行を延期するという。 「今回の震災の影響で最も不足しているのは女性誌などに使われている、光沢のあるコート紙です。女性誌の中には紙の質を変えるといった対策をとっていますが、海外高級ブランドは自社宣伝にこのコート紙を使用することに拘る所も多い。そのため発売を順延するなどの対策に必死です」(出版事情に詳しい関係者) 震災がなくとも出版業界には不況の嵐が吹き荒れていたが、今回の震災はさらに深刻な事態を招くのではと囁かれているのだ。 「問題は半年後でしょう。現在は印刷所や他製紙会社からのストックをかき集めていますが、それが確保できるのも今後半年と見られています。そうなれば中小を中心に出版社の倒産が相次ぐのではないか」(中堅出版関係者) それだけではない。今回の震災で経済全体の打撃から、企業広告の激減さえ容易に予測される。何重にも折り重なる苦難が待ち受けているといえるのだ。 こうした状況は、原発事故でさらに拍車をかけている。それが相次ぐ作家や漫画家の東京脱出だ。 「彼らは東京にいなくてもしばらくは仕事ができますからね。現在のところ一時的避難でしょうが、これが長期化すると出版社も文芸や漫画部門などの機能を地方に移すことも検討しなくてはならない。小学館などは『松本零士先生と高橋留美子先生が移住すれば、その場所に本社を移す(苦笑)』なんて笑い話まで出ている」(小学館関係者) 今回の震災を機に、電子書籍化の波が早まるのでは、との声も聞かれる。だが、こんな時だからこそ、テレビでは映さない紙媒体での秘話や写真を渇望する読者も多いのだ。 出版界でも週刊誌を中心に記者たちの必死の取材は続いている。彼らの活躍の場を死守すべく、出版界も正念場を迎えている。 (文=神林広恵)「東洋経済」3月26日号
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サブカルイベントゆえのゆるさ!? 『ART MAP in 阿佐ヶ谷』を歩いてみた

ゆるいものならなんでも大好き♪ ロリ顔ライター・朝井麻由美が気になるスポットをご案内します。
「中央線沿線で育ちました」と言うと、それだけでサブカルに詳しそうな印象を持たれる。イメージに反してたいした知識を持ち合わせていないのが心苦しいのだが、筆者、中央線育ちの端くれとして、このたび阿佐ヶ谷の街全体で開催中のサブカルイベント・『ART MAP in 阿佐ヶ谷』を歩き尽くしてきた。
『ART MAP in 阿佐ヶ谷』では、3月3日から5月31日まで、アニメ関係者のトークイベントや作品の上映会が、JR阿佐ヶ谷駅南口から徒歩2分の細田工務店で行われるほか、阿佐ヶ谷駅近辺の70カ所以上の飲食店・雑貨店・各施設にて、街にゆかりのあるさまざまな作品の展示を行っている。
そもそも阿佐ヶ谷でこのイベントが開催されているのは、主催の「アート・アニメーションのちいさな学校」が阿佐ヶ谷北に位置することに端を発するが、それ以外にも、手塚治虫が『鉄腕アトム』を描き、永島慎二も住んでいた土地でもあり、阿佐ヶ谷はマンガの聖地とも呼ばれている。
さあ、いざ行かん阿佐ヶ谷、と足を踏み入れたものの、街はイベントなぞどこ吹く風と言わんばかりのクールな佇まい。
どうやらこのイベントは、"街全体で"と言っても、お祭りのように賑やかにやっているわけではなく、各店舗で展示物を並べてささやかにやっている模様。
気を取り直して、まずは阿佐ヶ谷のサブカルポイントと言えばココ! 『ラピュタ阿佐ヶ谷』へやってきた。
ここには、漫画家・畑中純が彫った、宮沢賢治作品の版画が展示されている。畑中ファンも賢治ファンもカバーする、二度おいしい版画だ。
お次は、本イベントの展示の中でもおそらく一番の有名どころを取り扱っている『ビリヤード Roots』へ足を運びたい。ここでは、『宮崎駿と「風の谷のナウシカ」の記憶』の展示をしているそうだが......『ビリヤード Roots』があるのは、パールセンター商店街を南阿佐ヶ谷駅寄りに進んだ雑居ビルの一角。こんなところに本当に、ナウシカが?
あった! ビリヤードグッズの横に、1枚の絵画が。店員さんによると、「展示物、これで全部じゃないんですよ。今はまだこれ1点しかないのですが、あと2つ、絵が届くみたいで」とのこと。 なんてこと! 3月3日から開催しているのに、まだ1点しか届いてないんスか!(筆者が行ったのは3月下旬) ゆ、ゆるいのね、これもサブカルイベントゆえのゆるさ?
『ビリヤード Roots』を後にし、そのままパールセンター商店街をJR阿佐ヶ谷駅の方へ北上。商店街のなかほどにあるのは、『沖縄倉庫』。
沖縄関連の食材に埋もれて、ひっそりと展示が! YouTubeビデオアワード2009にノミネートされたアニメーション『無人島ショートショート』のパネルだ。パネル右下のQRコードを読むと、YouTubeの動画に繋がる仕組みになっている。
......って、わざわざ携帯から見なくても、家のPCで検索すればいいのでは? というツッコミはヤボだから無し。
ぼちぼち日も落ちてきたところで、JR阿佐ヶ谷駅の高架の真下にある『居酒屋 みみずく』へ入ると、『「ガロ」と長井勝一 つげ義春』の展示を発見。これぞ中央線サブカルチャーの極み。
「長井さんやその奥さん、永島慎二さんなんかは、昔よくウチへ飲みに来て下さって、飲み友達だったのよ~」と自慢げなお店のおばちゃん。ここの展示も、3月下旬の取材当日時点では、まだすべての絵画が届いておらず、「早く届いてほしいのよ~。全部絵画が揃ったら、お店の壁にちゃんとキレイにレイアウトしようと思ってて」とおばちゃんはヤキモキ。イベント運営さん、頑張って!
たらふく飲み食いしてもまだ物足りない、そんな人は、たこ焼き居酒屋の『海晴亭』へ。
ここでは、ショートアニメーションの短編オムニバスを上映している。
ひたすら意味不明の脱力アニメーションを眺めていたら、ここ数日の、右も左も震災・原発関連の情報ばかりで鬱屈した気持ちが、ほんの少し、晴れたような気がした。
もともとは4月3日までだった当イベント、東日本大震災の影響で5月31日まで延長することになったとのこと。阿佐ヶ谷に馴染みのある筆者ですら、今回5カ所の展示をまわるだけでも半日かかってしまった。ちなみに、『ART MAP in 阿佐ヶ谷』の地図は、上記で紹介している店を含めた各展示場所で入手できるが、かなりざっくりとした地図につき、迷うこと必至。大幅に開催期間が長くなったのもこれ幸い、大まかすぎる(!?)地図ニモ負ケズ、何日にも渡って阿佐ヶ谷を歩きまわるのもいいかもしれない。
●道に迷う度
★★★
地図があまりにざっくりしていて、さらにどの店もこのイベントについてのポスターなどを張り出していないため、土地勘があってもかなりの確率で迷う。
●『ART MAP in 阿佐ヶ谷』
<http://www.laputa-jp.com/school/artmap2011/>
(取材・文・写真=朝井麻由美)
甘党にはたまらん! 「オリゴ糖、黄身と和えて、ようかん食った」
料理の数だけダジャレがある――。ダジャレをこよなく愛する男が考案する、笑えるおいしいレシピ。
――― 長年の友人が、数年ぶりの帰国を果たした。
私 「友よ。おかえり。甘党のお前との再会を記念して、ぜひ一緒に食べたいものがあるんだ」
友 「おお、何を食べさせてくれるんだい?」
私 「オリゴ糖」
友 「オリゴ糖? 確かに甘いけど......」
私 「そして卵の黄身」
友 「???」
私 「さらにようかん」
友 「ようかんは懐かしいし大好きだけど......。ごめん、まったくつながりが分からない」
私 「これら全部を和えて食べよう。それが俺からのメッセージだ!」
友 「え、オリゴ糖と黄身と和えて......分かった!」
私&友 「オリゴ糖、黄身と和えて、ようかん食った(ありがとう、君と逢えて、よかった)!」
■材料
・オリゴ糖 適量
・卵黄 適量
・ようかん 適量
■作り方
1、オリゴ糖と卵の黄身を混ぜる。
2、鍋にボールを浮かべて1を湯煎しながら、粘りが出るくらいまで練る。
3、角切りにした羊羹と和える。
■玉置メモ
・甘いようかんをコーティングする、卵とオリゴ糖の甘いソース。濃いめの緑茶との相性ばっちりです。
・このソースはダジャレが言いたいがために初めて作ってみたのですが、コクがあっていいですよ。ゆるめに作ってパンやホットケーキに塗っても、カスタードクリーム風でおいしいです。
・洋風が好きな人は、バターをプラスしたソースはどうでしょう。「オリゴ糖、黄身とバター和えたな(ありがとう、君とまた逢えたな)」となります。
■男のダジャレレシピ・バックナンバー
【第9回】捌けなくても大丈夫! 包丁要らずのカンタン鍋「捌き無知鍋」
【第8回】惚れてしまいそうな大人の味「バーレーン・タイ キッシュ」
【第7回】3分で出来るお祝い料理 「脂肪コーン、5を書く!」
【第6回】正月ボケに効果てきめん 「意外! タイなら七臭粥」
【第5回】気分次第でアレンジ可能 「麻婆茄子! 干し芋乗っかっちゃう!」
【第4回】三つの味が楽しめる豪華ディナー 「三択ロース」
【第3回】贅沢の極み! 「いい肝のカワハギのいい肝ばかり」
【第2回】ひと手間かければ豪華な一皿! 「タンカレー ナンバナナ天」」
【第1回】甘くて辛い 大人のおつまみ 「マスタードナッツ」
「正しいパニックを起こそう」 未曾有の原発危機に広瀬隆氏が提言

「週刊朝日」3月25日号
第1位
「福島原発で本当に起きていること 広瀬隆」(「週刊朝日」3月25日号)
佳作
「伊集院静『被災地・宮城から見たこの国』」(「週刊現代」4月2日号)
先週末から関西へ疎開して、今朝(3月22日)東京に帰ってきた。疎開というのは嘘だが、よんどころない仕事があって京都へ行くことになり、それならばと、土曜日に東京を離れることにした。三連休に原発問題があるので、東海道新幹線のキップがとれるか心配したが、11時東京発の新幹線のぞみは空席が目立っていた。
疎開気分を味わおうとしたわけではないのだが、用事で外出した以外は部屋に閉じこもり、原稿を書いて、メシは旅館のすぐ近くの居酒屋とうどん屋で済ませた。
雨が降っていて、ホテルのすぐ裏が墓地ということもあるのだろう。三条京阪駅や先斗町も近いのだが、京都も町全体がどんよりして、活気や華やかさが感じられないような気がしたが、これはこちらの心象風景の投影だろうか。
その間に、新聞2紙と週刊誌2誌から電話があり、「日刊サイゾーを読んだが、地震が起きた日は中国・北京にいて、東京電力のえらいさんと一緒だったというのは本当なのか」と聞かれた。
こちらもメディアの端っこにいる人間だから、事実関係については話をした。この旅行は以前から決まっていた日中友好旅行で、われわれは上海、南京、北京と回ってきたのだが、彼らは北京で合流した。
地震が起こった3月11日、彼らも至急帰国しようとしたのだろうが、成田空港が封鎖され、関空に行っても新幹線は運休だから東京へ帰る術がなかった。そのため、翌日早朝の飛行機で帰ってきたようだ。
だが、「文春」によれば、東京電力・清水正孝社長も所用で名古屋にいて、ヘリで至急帰ろうとしたのだが、空港で止められ、仕方なく防衛省に頼み込んで、夜中に東京へ戻ったとある。
素人判断だが、原発事故で大事なのは、地震や津波による破損や障害の程度を把握して、即刻どうするかを決断する「初動」の速さであろう。
日本でもそうだったように、北京でも夜中まで携帯電話は繋がらなかった。瞬時に判断を下さなければいけないトップの人たちが東京にいなかったことは彼らにとっても不運だが、日本人にとっても不幸だったということにならなければいいのだが。
各誌総力戦で被災地を取材し多くの写真を掲載している。どれを見ても胸が張り裂けそうなものばかりだが、「現代」のカラーグラビアに目が止まった。「宮城県仙台市」とある。津波が引いたあと自宅の階段で発見された犠牲者の写真。逃れようとして階段を上がろうとしたところを津波にのみ込まれた老女だろうか。
今回の死者は2万人を超えるという報道もあるが、その犠牲者の多くが、津波によるものであろう。東海大地震が予想されているようだが、国が早急に進めなくてはいけないのは津波対策である。10メートル以上の津波に備える防波堤をつくることはできるのか。できないとすれば、海から何キロ以内には住んではいけないとする法律を作るのか。そんなことが可能なのか。島国日本の最重要課題である。
さて、被災地ルポも各誌力を入れているが、これはテレビには敵わない。週刊誌に望むのは、なぜ被災地に食料などが届かないのか、菅直人をはじめ枝野や仙谷は、なぜ十全な手を打たないのか、打てないのか、なぜ東京電力は原発の被害状況を正確に発表しないのかなど、国民の疑問を徹底取材し、読者に知らせることである。
有名人たちの手記がいくつか載っているが、中では、仙台在住で地震を体験した伊集院静氏のものが一番読み応えがあった。
地震の描写はさすが手馴れたものだが、それよりも興味深いのは、現地に住んでいる人ならではの怒りや悲しみが、よく伝わってくることだ。
たとえば、地震発生から4日目、ようやく電気が通じ、テレビを点けたときのことである。
「東日本の、被災した人々が共通して思ったこと。それは『この人たちは私たちを見捨てているのか』という驚きと失望ではなかったのか。テレビのキャスターの一人が、『あの波が押し寄せる光景はまるで映画を見ているようです』と口にした。(中略)君にとってこの惨事は劇場の椅子にふんぞり返って眺めるものなのか。言葉の間違いというより、人としての倫理観の欠落、無人格以外の何物でもなかろう。日本人はここまで落ち果てたか」
「唯一の被爆体験を持つ国の一企業が、その怠慢で事故の報告を曖昧にし、原発のことを何一つ勉強していない政治家が右往左往している現状。『計画停電』報道のこの無神経さは何だ? 被災地には夜に光さえない。少しは我慢できないのか。株を投げ売りし、コンビニに買い出しに殺到し、ガソリンも入れるだけ入れておこうとする日本人、いったいいつからこんな国民になりさがったのだ」
地震が起きた夜、彼が空を見上げると「驚くほど星があざやか」だったそうだ。
さて、福島原発の危機はいまだに去ったわけではない。東電の職員をはじめ、自衛隊員などが命がけで作業しているが、安心していい段階まで行くには、まだ時間がかかるはずだ。
関東でも野菜や牛乳に放射能が検知され、相当な放射線物質が空中に飛散していることは間違いない。
広瀬隆氏は、1970年代からずっと原発の危険を訴えてきた人である。私は、広瀬氏が原発の危機を強調したいがために、やや牽強付会なところも目立ったため、このところ、この人の本を読まなくなったのだが、今回のような未曾有の原発危機には、この人の言葉に耳を傾けないわけにはいかない。
ニュース専門チャンネル 「朝日ニュースター」でも広瀬氏がインタビューされているが、「正しいパニックを起こそう」という言葉が腹にしみ込んだ。政府や東電は本当のデータを公表したらパニックが起こることを心配している、という報道があるが、これは間違いだとして、いまは全部公開して、正しいパニックを起こすことが必要なところまできていると言い切る。
「朝日」でも、今回の事故は、炉心溶解が進行し、最後に燃料棒全部が溶け落ち、鋼鉄製の原子炉の容器を溶かしてしまう、いわゆる「チャイナ・シンドローム」が起きるのではないかと、悲観的にならざるを得ないと話している。
この談話は、IAEA(国際原子力機関)が、今回の事故をスリーマイル島の原発事故と同じレベル5に引き上げる前である。
彼は、このような大津波は予想していなかったという東電に、ほんの100年ほど前に明治三陸地震が起きていて、このとき岩手県沿岸の津波が38メートルを記録したとあるではないかと、批判する。
また、13日に、福島原発の周辺で1時間あたり1557.5マイクロシーベルトを記録したのに、枝野官房長官や専門家が、微量だから健康に影響はないといっているのは大嘘だと怒る。
「これに24時間と365日を掛けて年換算すると、通常の年間被爆量の1万3千倍を超えます。それで平気なのでしょうか。レントゲンや航空機に乗ったときの被爆と比較するのは犯罪です」
当然だが、彼も「何とかこの危機を回避してほしい」と願っている。全国にある54基の原発をやめても、電力量には支障ないという。「日本中にある工場の自家発電を全部動かせば、原発分の電気をまかなえるのです」と言い、テレビでも、いまの水力と火力で十分だと言っていた。
こうした彼の言い分も、今後、東電側にすべてデータを公表させた上で、国民が判断すべきことだろう。のど元過ぎれば熱さを忘れるのは、日本人の一番悪いところである。
原発はCO2を出さないから、世界に日本の原発を売り込みたいといった、鳩山由紀夫というアホな首相がいたことも決して忘れてはいけない。
(文=元木昌彦)

撮影/佃太平
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
「あのころ、ネットがなくて本当によかった」【小明】中2のままのアイドルライフ
元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが自らカメラマンとして可愛い声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の10回目なのですが、なんと今回は私! 小明がルンルンに写真を撮られてインタビューまでされてしまっています! そしてインタビュアーには、なんと津田大介さんが! 忙しいのに! もったいない!
小明 ギャー! ほんとに津田さんが来た!! 忙しいのにすみません!! 津田さんの貴重なお時間を私なんぞに使わせてしまってすみません!!
津田 いえいえ。初めまして、ですよね。
小明 本当は以前インターネットの番組でご一緒するはずだったんですが、道中でダウンしてしまって......よくあるんですよ。先日も駅のホームで白目を剥いていたら駅員さんに声をかけられてしまって。
津田 よくあるんだ(笑)。でも人生って、生きていて楽しいこともあれば、辛いこともあるわけじゃない。例えば、この1年は楽しいことと辛いことのバランスはどれくらいでした?
小明 8-2くらいで辛いような......。でも、それなりに良いこともあるからなんとかなってます。最近、あまりにも寂しくて、わびしくて、「このままじゃ死ぬかもしれない」と思ったら、Amazonでマンガを買うんです。本屋じゃなくAmazonで。なぜなら、それを待ってるときと、ポストにマンガが入ってるときと、それを読むとき、本棚に入れるとき、何回も楽しいじゃないですか。だからいっぱい買いすぎちゃって、どんどん貧しくなっていくんですよ~。
津田 そうは言っても、小明さんはすごくいろんなメディアを使って表現しているわけじゃないですか。文章を書いて本を出したり、インタビューもするし、インターネットで生放送もすれば、ブログもTwitterもやる。自分では、どれが一番自分に向いてますか?
小明 向いている......? たぶんどれひとつ向いてないです。
津田 そのわりに、すごくいろんなことをしっかりやってるなって印象がある。
小明 他に何もできないからじゃないですかね......私、普通に働こうと思ったら絶対に使えないと思うし......。
津田 自分で営業はするんですか? 仕事を取ってくるための。
小明 営業はできないです。自分を売り込むのができないんですよ。「私はこれができます! 得意です!」っていうのがないので......。
津田 じゃ、このサイゾーなんかも含めて、いろんな表現をやってみて、それを「面白い」と思った人から声がかかるっていう。
小明 それだと一番助かります。だから、とりあえず仕事の間口だけは広げておかないと、と思って、TwitterとかUstreamとかもやってみてるんですけど、いまいち使いこなせてないような......。自分で営業に行くとなると、「私、なんでもできます!」って言わなきゃいけない気がして、なかなか行けずにいるんですよ。
津田 普通は言うんですか? 「何でもできます」って。
小明 グラビアアイドルで事務所に所属していたときに、そっちの方が可愛がられると思って、初めは「何でもやります! がんばります!」って姿勢だったんですけど、私はがんばり方を、事務所はがんばらせ方を間違えたみたいで、精神的な疲労だけがたまって、頭がハゲたり鬱になって文句と自虐しか言えなくなったりで、誰も得をしない状態に......。だから、「何でもやります!」って言わないほうがいいのかなって思ってます。不得意分野を頑張ることが力になる人と、鬱になる人がいるから。
津田 今は、インターネットを使っていろいろやってますけど、初めて自分専用のPCを持ったのはいつごろですか?
小明 それは高校、大学くらいですね。遅いほうですよ。今の子は前略プロフとかモバゲーとか、本当に幼いうちからいろんなツールがあるから、自分の恥ずかしい黒歴史を残しがちじゃないですか。恥ずかしい日記や写真をフルネームつきで晒してる人も多いし......私がひきこもってた中2のころにそれがなくて本当によかった。携帯もパソコンも持ってなくて命拾いですよ。
津田 やっぱり、痛いことを考えたり、鬱々したポエムとか書いたりしてた?
小明 完全にひきこもりのオタクだったので......。とにかくマンガが好きで、当時は『るろうに剣心』とか『幽☆遊☆白書』とか、皆が一周して飽きてきた頃にハマりだす、みたいなのが多かったです。ひねくれてるんで、流行ってるときには手を出せずに、ちょっと過ぎてから読んで「面白いじゃん!!」みたいな。だから、3年後くらいに「今、『ワンピース』が超熱い!」とか言ってそうです。
津田 オタクをやめなきゃ、という反動があって芸能界を目指したってことなのかな。
小明 反動というか、中3のときに、ひきこもりから脱するためにも、お気に入りのマンガを全部ダンボールに入れて厳重に封印したんです。ほら、二次元にハマッて、更にひきこもりだと、現実と妄想の区別がつかなくなってくるじゃないですか?
津田 いいえ? 僕はそういうことはないですけど......。
小明 本当ですか!? へぇー!! そういう人もいるんですね!!
津田 ......はい。そのときは、世の中や社会はどのような物だと思っていました?
小明 そんなのは、自分の部屋から出ないから、分かるわけがないです。インターネットもなかったし。とにかくマンガだけは毎週出てくるし、夜になれば外出もできて単行本も買いに行けるから、それだけで幸せでした。もしあのころネットがあれば、ハードな2ちゃんねらーかネトゲ廃人になってたと思います。
津田 学校にはまったく行ってなかったんですか?
小明 中2はほぼ行ってないですね。3年になって、「このままじゃ二次元の世界から帰ってこられなくなる」という危機感があって、現実に帰ろう、高校に行こう、と。まずは塾に通わせてもらって、女子高に受かって、高校デビューです。
津田 高校デビューはどのような形で?
小明 ひきこもりオタク時代の私を知ってる人がいないので......いっちょまえに社交して、友達もいて、カラオケに行ったり、プリクラを撮ったり、ファーストフードでダベッたり......あれが人生の春でしたね。青春と呼べる日々でした。『あずまんが大王』みたいな、良いバカな女子高生でしたよ。
津田 部活とかは?
小明 部活、ダメ、怖い。
津田 怖い? クラスとかには仲のいい人もいたでしょ?
小明 一年先に生まれた人が絶対的な権力を持っていて、それに屈さねばならないのが理解できなくて......高校デビューでそこそこの社交性はアップしたものの、部活に励むほどの協調性はまだなかったんだと思います。仲の良い子もいましたよ!
津田 高校のときは、オタク趣味は?
小明 マンガは好きでしたね~! 同じ巻を何冊も持ってましたね!
津田 ......ごめんなさい、ちょっと意味がよく分からない。
小明 気に入った巻を何冊も持ってたんです。
津田 例えば、『るろうに剣心』の12巻が最高だよねと思ったら、それを何冊も持っていたと。
小明 ええ、ええ。ちなみにその時は『幽☆遊☆白書』の7巻、8巻、13巻、あと確か......。
津田 (無視して)何のために? 保存用、観賞用、布教用みたいな?
小明 布教する友達もいないので、完全に自己満足ですね。あとは、弱い私を支えてくれた、漫画家さんを支えたい、とも思って。
津田 尊敬するクリエイターに恩返し! ませた子どもですね。そんな子がなぜ芸能界に......?
小明 姉がすごい美人でモデルだったんです。なので、中学に入ったあたりから、いろんな人に「あれ、妹らしいよ」「うそ、ぜんぜん似てないじゃん」「お姉ちゃんはカワイイのにね」って言われて。私はまったくかわいくなかったので、まー、ひどいもんですよ。
津田 比較の対象だったんですね。
小明 そうですね、昔、母に「集金のお金払っといて」って言われて財布を見たときに、財布に家族の写真を入れてるのを見つけて。おお、家族愛、と思ってみたら、私と姉が写ってる写真なのに、私の顔が半分切れてるんですよ。カメラに向かって笑ってるのに、フレームに入れてもらえてない。それってつまり、母が美人の姉を職場なりなんなりで自慢するときに「これが娘で......」って出す写真なわけじゃないですか。私、何? とショックで。「これは私が美しくないせいだ。でも、私だってプロに撮ってもらえばかわいく写るはず」と思って、グラビアを始めたのかなぁ......。
津田 プロに撮ってもらえば、というのは確かにそうかもしれないですね。でも、それで事務所に所属してアイドルに、っていうプロセスに飛躍があるような気が......。
小明 調子づいてましたね。女子高生って制服着てたら多少かわいいじゃないですか。それがまぁね、失敗だったんですけどね、売れませんで。
津田 結果的には、辞めようと思ってフリーになって。例えば、事務所を辞めるっていうときに、もっといい事務所があるんじゃないか、私の魅力を引き出してくれるところがあるんじゃないか、とは思わなかった?
小明 もう、そういう気力がなかったです。頭はハゲてるし、パニック発作みたいなのも持ってたし、鬱こじらせてたしで、「移籍したって、もうアダルトビデオに出るくらいしか道はないだろう」と。
津田 芸能界って、どうでした?
小明 怖かったです。
津田 どこらへんが?
小明 人と信頼関係がうまく築けない人だったみたいで......アットホームな事務所だったので、親戚みたいに思って、信頼とか信用をしてたんですけど、それがすごく独りよがりなものなんだな、と気付いたときには、もう事務所のお荷物になってた。若かったし、そういうの、難しくって......。
津田 うまくやれなかった。でも、それで完全に引退して、大学に行って普通のOLさんを目指すっていう選択肢もゼロじゃなかったでしょ。それでもフリーになって、あえて活動を続けようと思ったのは?
小明 なんでだろう。たぶん、社会に出るのが怖かったんじゃないかな。あと、グラビアアイドルになろうと思って芸能界に入ったから、「辞めるんだったらひと花くらい咲かせてから辞めたいよね!」みたいに思っていたのもあって、まぁ咲かなかったんですけどね、咲かないまま、ずるずるとまだ続けているんだと思います。
津田 いつか咲くかもしれないって。
小明 なんとなく、咲かないタイプの植物っぽいな、というのは分かってきましたが。
津田 今、客観的にアイドル業界、グラビア業界、芸能界、ネット、出版、どこか分からないですけど、自分の立ち位置というか、自分の職業は何だと思いますか?
小明 今は、「アイドルライター」という微妙な肩書をいただいてるんですけれど、アイドルの仕事もたいしてやっていないので、いつまでこの肩書きが使えるのだろうか、という危機的状況です。
津田 それは客観的に見えているんですね(笑)。例えば、今26歳っていう年齢で、30歳という区切りの年齢があるときに、これくらいはできるようになろうとか、30になったときにこれができていたらいいな、という目標はありますか? 目標を立てずに漫然と生きていると、時間はバーっと過ぎるので。
小明 目標......? 「死なない」とかかな......。生きているのに、精一杯で。一応、毎年の目標が「現状の斜め上」なんですよ。それでやっと現状維持って感じで。私は本当に自虐でも、卑下でもなくクズなので、特に「これになりたい!」と思うことが、おこがましいと思ってしまう。どうすれば良いんですかね......。
津田 とにかくTwitterやニコ生をガンガンやって、今の素のままを拡大していって、いろんな人に巻き込まれて、結果的に収入が増えていた、というのを目指すのがいいのかもしれないですね。だから、まずは自分のベーシックな活動場所を作ったうえで、広げていくという。
小明 ひとつ自分のね、しっかりとした背骨になるような活動がほしいです。
津田 でも、僕にもそういう「背骨」がないから、どうしようかなって最近思ってますよ。
小明 津田さんが? 本当に? 思ってないでしょ! そんなこと!
津田 いやいや「ジャーナリスト」って名乗ってるくせに書くのが本当に辛いので......。
小明 もうライターさんになられて10年以上なんですよね、大先輩だ! 今、Twitterから巻き起こった津田さんムーブメントがあるじゃないですか。「tsudaる」もそうですけど、自分の名前がそういう使われ方をするのはどうですか?
津田 嫌に決まってるでしょ! 本当に「tsudaる」という単語だけは廃れてほしいな......。
小明 津田さんでもお辛いんですね。津田さんくらい成功してる人が辛いんなら、もうどうやったって辛いんでしょうね。どうやって生きていけばいいんだ。
津田 見通しは......?
小明 どうやっていこうかな......。
津田 だったら「どうやって生きていこうかなぁ、と悩み続けているんです」っていうのを、そのまま1億2,000万人くらいの人に知ってもらえる活動をするべきだと思いますよ。結局、小明さん他人には答えを求めてないでしょ? ぐるぐるぐるぐる回って、最後にはバターンって倒れるかもしれないけど、話聞いた感じまだまだバターンとはいかなそう。だから、むしろそれをもっと活かして、より過激にぐるぐるすればいいんじゃないですか。ぐるぐるしている様を見せればそれが「コンテンツ」になる。今よりもっとぐるぐるする。まだぐるぐるが足りない! ニコニコ生放送とかを自分ではじめて、ぐるぐるすればいい!
小明 ニコニコ生放送かぁ、ちょっと怖いけどやってみようかなぁ......。あっ、申し訳ないです。インタビューしていただいて、アドバイスまでいただいてしまいました。
津田 いえいえ、もっともっとぐるぐるしてください。
小明 ぐるぐるします! ぐるぐる!(回りながら帰ってゆく)
(聞き手=津田大介/写真=宍戸留美/構成=編集部/2011年2月9日収録)
●つだ・だいすけ
1973年、東京都生まれ。ジャーナリスト。早稲田大学在学中からライター活動を始め、コメンテーターとしても活動している。2006年~08年、文部科学省文化審議会著作権分科会専門委員。近著に『Twitter社会論』(洋泉社)『未来型サバイバル音楽論 - USTREAM、twitterは何を変えたのか』(中公新書ラクレ=共著)
●ししど・るみ
1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動。フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。
下北沢発インターネット音楽市場【Majix】
ニューアルバム「CHERBOURG→BRIGHTON」
新曲「ミルク」1曲100円で配信中!!
公式HP http://rumi-shishido.com/
●あかり
1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。
ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>
サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流
津田さんありがとうございました!

【声優 on FINDER!】バックナンバー 【vol.09】「悩んだら、バーッっときてグワーン!」【中川里江】1回泣いて全部忘れるヒロインサイド 【vol.08】「"声優"の仕事の幅広さにびっくり」【稲村優奈】10年に詰まったスクランブルデイズ 【vol.07】「ビキニを着たこともないんです」【蝦名恵】3カ月目のヴァージン・シュート 【vol.06】「生き急いだ分、戻ってやり直しができると思う」【江里夏】10歳で見たデイドリーム 【vol.05】「何でも出来るって、とりあえず言っちゃう」【矢野明日香】360度のワークフィールド 【vol.04】「考えてると、寝ちゃうんです......」【窪田涼子】東経135度のモラトリアム 【vol.03】「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド 【vol.02】「いつもどこかで、なんとかなるさ」【片岡あづさ】22歳のセカンドフェーズ 【vol.01】「Twitter始めるまで、いつも泣いてた」【宍戸留美】20年目のセルフポートレート
津田 そうは言っても、小明さんはすごくいろんなメディアを使って表現しているわけじゃないですか。文章を書いて本を出したり、インタビューもするし、インターネットで生放送もすれば、ブログもTwitterもやる。自分では、どれが一番自分に向いてますか?
小明 向いている......? たぶんどれひとつ向いてないです。
津田 そのわりに、すごくいろんなことをしっかりやってるなって印象がある。
小明 他に何もできないからじゃないですかね......私、普通に働こうと思ったら絶対に使えないと思うし......。
津田 自分で営業はするんですか? 仕事を取ってくるための。
小明 営業はできないです。自分を売り込むのができないんですよ。「私はこれができます! 得意です!」っていうのがないので......。
津田 じゃ、このサイゾーなんかも含めて、いろんな表現をやってみて、それを「面白い」と思った人から声がかかるっていう。
小明 それだと一番助かります。だから、とりあえず仕事の間口だけは広げておかないと、と思って、TwitterとかUstreamとかもやってみてるんですけど、いまいち使いこなせてないような......。自分で営業に行くとなると、「私、なんでもできます!」って言わなきゃいけない気がして、なかなか行けずにいるんですよ。
津田 普通は言うんですか? 「何でもできます」って。
小明 グラビアアイドルで事務所に所属していたときに、そっちの方が可愛がられると思って、初めは「何でもやります! がんばります!」って姿勢だったんですけど、私はがんばり方を、事務所はがんばらせ方を間違えたみたいで、精神的な疲労だけがたまって、頭がハゲたり鬱になって文句と自虐しか言えなくなったりで、誰も得をしない状態に......。だから、「何でもやります!」って言わないほうがいいのかなって思ってます。不得意分野を頑張ることが力になる人と、鬱になる人がいるから。
津田 今は、インターネットを使っていろいろやってますけど、初めて自分専用のPCを持ったのはいつごろですか?
小明 それは高校、大学くらいですね。遅いほうですよ。今の子は前略プロフとかモバゲーとか、本当に幼いうちからいろんなツールがあるから、自分の恥ずかしい黒歴史を残しがちじゃないですか。恥ずかしい日記や写真をフルネームつきで晒してる人も多いし......私がひきこもってた中2のころにそれがなくて本当によかった。携帯もパソコンも持ってなくて命拾いですよ。
津田 やっぱり、痛いことを考えたり、鬱々したポエムとか書いたりしてた?
小明 完全にひきこもりのオタクだったので......。とにかくマンガが好きで、当時は『るろうに剣心』とか『幽☆遊☆白書』とか、皆が一周して飽きてきた頃にハマりだす、みたいなのが多かったです。ひねくれてるんで、流行ってるときには手を出せずに、ちょっと過ぎてから読んで「面白いじゃん!!」みたいな。だから、3年後くらいに「今、『ワンピース』が超熱い!」とか言ってそうです。
津田 オタクをやめなきゃ、という反動があって芸能界を目指したってことなのかな。
小明 反動というか、中3のときに、ひきこもりから脱するためにも、お気に入りのマンガを全部ダンボールに入れて厳重に封印したんです。ほら、二次元にハマッて、更にひきこもりだと、現実と妄想の区別がつかなくなってくるじゃないですか?
津田 いいえ? 僕はそういうことはないですけど......。
小明 本当ですか!? へぇー!! そういう人もいるんですね!!
津田 ......はい。そのときは、世の中や社会はどのような物だと思っていました?
小明 そんなのは、自分の部屋から出ないから、分かるわけがないです。インターネットもなかったし。とにかくマンガだけは毎週出てくるし、夜になれば外出もできて単行本も買いに行けるから、それだけで幸せでした。もしあのころネットがあれば、ハードな2ちゃんねらーかネトゲ廃人になってたと思います。
津田 学校にはまったく行ってなかったんですか?
小明 中2はほぼ行ってないですね。3年になって、「このままじゃ二次元の世界から帰ってこられなくなる」という危機感があって、現実に帰ろう、高校に行こう、と。まずは塾に通わせてもらって、女子高に受かって、高校デビューです。
津田 高校デビューはどのような形で?
小明 ひきこもりオタク時代の私を知ってる人がいないので......いっちょまえに社交して、友達もいて、カラオケに行ったり、プリクラを撮ったり、ファーストフードでダベッたり......あれが人生の春でしたね。青春と呼べる日々でした。『あずまんが大王』みたいな、良いバカな女子高生でしたよ。
津田 部活とかは?
小明 部活、ダメ、怖い。
津田 怖い? クラスとかには仲のいい人もいたでしょ?
小明 一年先に生まれた人が絶対的な権力を持っていて、それに屈さねばならないのが理解できなくて......高校デビューでそこそこの社交性はアップしたものの、部活に励むほどの協調性はまだなかったんだと思います。仲の良い子もいましたよ!
津田 高校のときは、オタク趣味は?
小明 マンガは好きでしたね~! 同じ巻を何冊も持ってましたね!
津田 ......ごめんなさい、ちょっと意味がよく分からない。
小明 気に入った巻を何冊も持ってたんです。
津田 例えば、『るろうに剣心』の12巻が最高だよねと思ったら、それを何冊も持っていたと。
小明 ええ、ええ。ちなみにその時は『幽☆遊☆白書』の7巻、8巻、13巻、あと確か......。
津田 (無視して)何のために? 保存用、観賞用、布教用みたいな?
小明 布教する友達もいないので、完全に自己満足ですね。あとは、弱い私を支えてくれた、漫画家さんを支えたい、とも思って。
津田 尊敬するクリエイターに恩返し! ませた子どもですね。そんな子がなぜ芸能界に......?
小明 姉がすごい美人でモデルだったんです。なので、中学に入ったあたりから、いろんな人に「あれ、妹らしいよ」「うそ、ぜんぜん似てないじゃん」「お姉ちゃんはカワイイのにね」って言われて。私はまったくかわいくなかったので、まー、ひどいもんですよ。
津田 比較の対象だったんですね。
小明 そうですね、昔、母に「集金のお金払っといて」って言われて財布を見たときに、財布に家族の写真を入れてるのを見つけて。おお、家族愛、と思ってみたら、私と姉が写ってる写真なのに、私の顔が半分切れてるんですよ。カメラに向かって笑ってるのに、フレームに入れてもらえてない。それってつまり、母が美人の姉を職場なりなんなりで自慢するときに「これが娘で......」って出す写真なわけじゃないですか。私、何? とショックで。「これは私が美しくないせいだ。でも、私だってプロに撮ってもらえばかわいく写るはず」と思って、グラビアを始めたのかなぁ......。
津田 プロに撮ってもらえば、というのは確かにそうかもしれないですね。でも、それで事務所に所属してアイドルに、っていうプロセスに飛躍があるような気が......。
小明 調子づいてましたね。女子高生って制服着てたら多少かわいいじゃないですか。それがまぁね、失敗だったんですけどね、売れませんで。
津田 結果的には、辞めようと思ってフリーになって。例えば、事務所を辞めるっていうときに、もっといい事務所があるんじゃないか、私の魅力を引き出してくれるところがあるんじゃないか、とは思わなかった?
小明 もう、そういう気力がなかったです。頭はハゲてるし、パニック発作みたいなのも持ってたし、鬱こじらせてたしで、「移籍したって、もうアダルトビデオに出るくらいしか道はないだろう」と。
津田 芸能界って、どうでした?
小明 怖かったです。
津田 どこらへんが?
小明 人と信頼関係がうまく築けない人だったみたいで......アットホームな事務所だったので、親戚みたいに思って、信頼とか信用をしてたんですけど、それがすごく独りよがりなものなんだな、と気付いたときには、もう事務所のお荷物になってた。若かったし、そういうの、難しくって......。
津田 うまくやれなかった。でも、それで完全に引退して、大学に行って普通のOLさんを目指すっていう選択肢もゼロじゃなかったでしょ。それでもフリーになって、あえて活動を続けようと思ったのは?
小明 なんでだろう。たぶん、社会に出るのが怖かったんじゃないかな。あと、グラビアアイドルになろうと思って芸能界に入ったから、「辞めるんだったらひと花くらい咲かせてから辞めたいよね!」みたいに思っていたのもあって、まぁ咲かなかったんですけどね、咲かないまま、ずるずるとまだ続けているんだと思います。
津田 いつか咲くかもしれないって。
小明 なんとなく、咲かないタイプの植物っぽいな、というのは分かってきましたが。
津田 今、客観的にアイドル業界、グラビア業界、芸能界、ネット、出版、どこか分からないですけど、自分の立ち位置というか、自分の職業は何だと思いますか?
小明 今は、「アイドルライター」という微妙な肩書をいただいてるんですけれど、アイドルの仕事もたいしてやっていないので、いつまでこの肩書きが使えるのだろうか、という危機的状況です。
津田 それは客観的に見えているんですね(笑)。例えば、今26歳っていう年齢で、30歳という区切りの年齢があるときに、これくらいはできるようになろうとか、30になったときにこれができていたらいいな、という目標はありますか? 目標を立てずに漫然と生きていると、時間はバーっと過ぎるので。
小明 目標......? 「死なない」とかかな......。生きているのに、精一杯で。一応、毎年の目標が「現状の斜め上」なんですよ。それでやっと現状維持って感じで。私は本当に自虐でも、卑下でもなくクズなので、特に「これになりたい!」と思うことが、おこがましいと思ってしまう。どうすれば良いんですかね......。
津田 とにかくTwitterやニコ生をガンガンやって、今の素のままを拡大していって、いろんな人に巻き込まれて、結果的に収入が増えていた、というのを目指すのがいいのかもしれないですね。だから、まずは自分のベーシックな活動場所を作ったうえで、広げていくという。
小明 ひとつ自分のね、しっかりとした背骨になるような活動がほしいです。
津田 でも、僕にもそういう「背骨」がないから、どうしようかなって最近思ってますよ。
小明 津田さんが? 本当に? 思ってないでしょ! そんなこと!
津田 いやいや「ジャーナリスト」って名乗ってるくせに書くのが本当に辛いので......。
小明 もうライターさんになられて10年以上なんですよね、大先輩だ! 今、Twitterから巻き起こった津田さんムーブメントがあるじゃないですか。「tsudaる」もそうですけど、自分の名前がそういう使われ方をするのはどうですか?
津田 嫌に決まってるでしょ! 本当に「tsudaる」という単語だけは廃れてほしいな......。
小明 津田さんでもお辛いんですね。津田さんくらい成功してる人が辛いんなら、もうどうやったって辛いんでしょうね。どうやって生きていけばいいんだ。
津田 見通しは......?
小明 どうやっていこうかな......。
津田 だったら「どうやって生きていこうかなぁ、と悩み続けているんです」っていうのを、そのまま1億2,000万人くらいの人に知ってもらえる活動をするべきだと思いますよ。結局、小明さん他人には答えを求めてないでしょ? ぐるぐるぐるぐる回って、最後にはバターンって倒れるかもしれないけど、話聞いた感じまだまだバターンとはいかなそう。だから、むしろそれをもっと活かして、より過激にぐるぐるすればいいんじゃないですか。ぐるぐるしている様を見せればそれが「コンテンツ」になる。今よりもっとぐるぐるする。まだぐるぐるが足りない! ニコニコ生放送とかを自分ではじめて、ぐるぐるすればいい!
小明 ニコニコ生放送かぁ、ちょっと怖いけどやってみようかなぁ......。あっ、申し訳ないです。インタビューしていただいて、アドバイスまでいただいてしまいました。
津田 いえいえ、もっともっとぐるぐるしてください。
小明 ぐるぐるします! ぐるぐる!(回りながら帰ってゆく)
(聞き手=津田大介/写真=宍戸留美/構成=編集部/2011年2月9日収録)
●つだ・だいすけ
1973年、東京都生まれ。ジャーナリスト。早稲田大学在学中からライター活動を始め、コメンテーターとしても活動している。2006年~08年、文部科学省文化審議会著作権分科会専門委員。近著に『Twitter社会論』(洋泉社)『未来型サバイバル音楽論 - USTREAM、twitterは何を変えたのか』(中公新書ラクレ=共著)
●ししど・るみ
1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動。フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。
下北沢発インターネット音楽市場【Majix】
ニューアルバム「CHERBOURG→BRIGHTON」
新曲「ミルク」1曲100円で配信中!!
公式HP http://rumi-shishido.com/
●あかり
1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。
ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>
サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流
津田さんありがとうございました!
【声優 on FINDER!】バックナンバー 【vol.09】「悩んだら、バーッっときてグワーン!」【中川里江】1回泣いて全部忘れるヒロインサイド 【vol.08】「"声優"の仕事の幅広さにびっくり」【稲村優奈】10年に詰まったスクランブルデイズ 【vol.07】「ビキニを着たこともないんです」【蝦名恵】3カ月目のヴァージン・シュート 【vol.06】「生き急いだ分、戻ってやり直しができると思う」【江里夏】10歳で見たデイドリーム 【vol.05】「何でも出来るって、とりあえず言っちゃう」【矢野明日香】360度のワークフィールド 【vol.04】「考えてると、寝ちゃうんです......」【窪田涼子】東経135度のモラトリアム 【vol.03】「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド 【vol.02】「いつもどこかで、なんとかなるさ」【片岡あづさ】22歳のセカンドフェーズ 【vol.01】「Twitter始めるまで、いつも泣いてた」【宍戸留美】20年目のセルフポートレート
嵐・大野"大麻3P疑惑"再び! 暴露本の老舗出版社・鹿砦社がついに動いた(3月上旬の人気記事)
「も~お腹いっぱい!」って思うのに、やっぱり気になってしまう沢尻エリカの離婚騒動。一連のマスコミアピールも会見での涙も、「計算だろ?」って分かってはいるんですが、それでも次はどんな作戦で来るのかと期待しちゃうんですね。目立った動きがないともの淋しいし......。完全にエリカ中毒!
さて、そのほかの芸能ニュースでは、嵐・大野智の"大麻3P疑惑"が再び蒸し返されています。もう数年前のことだし、若気の至りということで大目に見てあげてもいい気もしますが、これも国民的アイドルの宿命なのでしょうか。
では、そのほかの人気記事をチェックしてみましょう。
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沢尻エリカ会見 たかの友梨と『ミヤネ屋』の露骨な"出来レース"はどこへ向かうのか
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【再掲】災害現場の困ったちゃん!? ボランティアに求められる自己責任の大原則
「なにかしたい」という気持ちは分かりますが、よく考えてから行動を。
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【再掲】地震や洪水のとき、愛犬はどうなるの? 地震大国日本でペットを守るための絶対ルール
大事なのは飼い主のしつけ。
元「FRIDAY」「週刊現代」編集長が提言「いま週刊誌がやるべきこと」とは
※日刊サイゾーは省エネ運転中です。
●第82回(特別版)
地震の報は旅行中の中国・北京で聞いた。外交部の副司長と面会に行くバスの中でiPadを開いた瞬間、東北地方でマグニチュード7.7の大地震が発生というニュースが目に飛び込んできた。
私は、すぐ後ろにいる二人に、そのニュースを見せた。その二人は、東京電力のトップである。
我々は一行は約20人、民間の日中友好団体で、上海、南京と周り、前日に北京へ来たのだ。
東電の二人は青ざめたが、停電の報がないのでやや安堵したようだ。しかし私は、ニュースの中に「九段会館の天井が崩れ負傷者が出ている」というニュースを見つけ、東北地方だけではない広範囲にわたる地震ではないかという予感がした。
日本語が堪能な副司長との面談も気がそぞろで、終わるや否や、全員が携帯でニュースを食い入るように見る。マグニチュードも8.8に引き上げられ、10メートルの大津波が沿岸を襲っているというニュースに、悲鳴のような声が上がった。
「福島原発はどうなるのか」という声も聞こえる。
各自、携帯で日本へ連絡するがまったく繋がらない。東電の二人は、日本へ戻る飛行機がないか秘書に探させているが、成田空港はすでに閉鎖されていて、関西空港へ出るしかない。だが、旅客機はもちろんのこと新幹線が動いていないから、東北へ行く交通手段はない。日本の事情を聞くためだろう、北京の東電支社へ行ために、あわただしくバスから降りていった。
訪中はだいぶ前から決まっていたことだが、彼らは、こんなとき日本に居られないことに、居ても立ってもいられなかったことだろう。
訪中団をガイドしている中国の人間から、北京空港などに連絡を取ったが、日本行きは全便ストップしていると伝えられる。明日は、成田空港が再開されれば帰国できるとは思うが、何時になるか分からない。そのため、できる限り早く北京空港へ行って待機してもらうと付け加えた。
その夜会った中国人の一人から、北京でも、その時間に揺れを感じたと聞かされた。どれほどの規模なのか? 想像もつかない巨大地震であることが、ネットを通じた日本の報道で次々に分かってくる。
体験してはいないが、揺れた瞬間の恐怖が、体の奥底からこみ上げてくるようだ。
団の中には、仙台に居を構えている者もいるが、いまだに携帯はつながらない。夜のスケジュールを終えると、全員一目散にホテルへ戻る。
ホテルでは、日本の放送を見ることができるからだ。テレビをつけるとNHKのBSだろう、地震の惨状をライブ中継している。映像は、想像を超えるすさまじさである。
食い入るように見つめながら、都内の家人にメールを打つ。すぐに返事があり、家ではなく駅近くのビルにいたが、揺れが激しく長かった。築40年になる家が潰れているのではないかと心配して戻ったが、本やCD、ファイルが崩れ落ちたぐらいで、大きな損傷はないことを伝えてきた。
次の朝、6時半に北京空港へ向かう。朝が早いことと、この時期、日本人の旅行客が少ないこともあるのだろう、空港内は予想外に閑散としていた。
予定通り、9時過ぎに飛行機は飛び立ち、1時半ごろ成田空港へ着陸。しかし、それからが大変だった。
電車のキップを買うために並んでいると、後ろの母娘が、「あと少しでオランダに行けたのにね」と話しているのが耳に入った。どうしたのかと聞いてみると、彼女たちは11日、午後2時45分の飛行機でオランダ旅行に出かける予定だった。やや出発が遅れたため地震が発生、飛行機は飛ばず、帰ることもできないため、空港近くのホテルに一泊したのだそうだ。
明るい二人は、「あと5分、地震が遅れてくれれば行けたのに」とは言いつつ、さばさばした表情で話してくれた。
JR成田エキスプレスはいつ動くか分からないし、高速道路は閉鎖。結局、京成の各駅停車で八千代台まで行き、上野行きに乗り換え、日暮里で山手線に乗り換えて帰ることになったが、乗客のほとんどが大きなバックを運んでいるため、社内は終戦直後の満員電車もかくやという大混雑。
駅で「文春」(文藝春秋)と「新潮」(新潮社)を買うが、もちろん地震情報はない。月曜日発売の「現代」(講談社)「ポスト」(小学館)も木曜日校了のため、菅直人総理批判や八百長の記事はあるが、地震情報はもちろんのこと、私が以前からい言っていたように、石原慎太郎氏の都知事選出馬表明も入っていない。
新聞社系の「朝日」(朝日新聞出版)と「毎日」(毎日新聞社)は普段ならギリギリ間に合ったはずだが、今号は恒例の「大学合格者高校ランキング」速報のため、先週土曜日発売だったからこれもダメ。かろうじて「AERA」(朝日新聞社)が「太平洋沖地震『想定外超巨大型』次は内陸が震源?」「ツイッターとコンビニだけが頼りになった」「東京23区『倒壊危険度』マップ」を掲載している。
中国旅行中、こんなこともあった。某月刊誌編集長と一緒だったのだが、7日(月曜日)だったと思うが、彼の携帯が何度か鳴った。
相手は、田母神俊雄元空幕長(62)か、その関係者のようだった。「新潮」にスキャンダルを書かれるがどうしようかというものだった。
彼によれば、田母神氏には若い彼女がおり、妻と離婚して、結婚したいそうだ。いい歳をしてとは言うまい。だが、彼女を講演先に同行し、妻だと紹介しているというのだから、バレるのは時間の問題だった。
たいした長い記事ではないが、「新潮」が「離婚前でもフィアンセを見つけた『田母神元空幕長』火宅的有事」で、その顛末が書いてあるが、田母神氏の細君は離婚を否定している。講演料50万円もふんだくる保守派論客の有事はまだまだ続きそうだが、ま、どうでもいい話しだ。
この原稿を、テレビの地震情報を流しながら書いているが、昨夜会った毎日新聞の朝比奈豊社長が言っていたように、死者が1万人以上になることは間違いないようだ。
さらに恐いのは、福島の原発が危険水域を越えそうなことである。枝野幸男官房長官が「格納容器の健全性は維持されている」といっても、国民を安心させるのは難しい。
14日の福島第一原発3号機の爆発で、専門家はこう言っている。
「技術評論家の桜井淳さんは『状況は非常によくない。これ以上怖いのは、3号機に冷却水を注入できなくなり、被覆管がボロボロになって圧力容器の底に落ちると、圧力容器が割れるかもしれない。格納容器まで破裂するかもしれない。そうすると、大量の放射能が環境中に放出される。スリーマイルよりひどい事態になるのでは』と推測する」(asahi.com3月14日より)
原発関係者が、これほどの大地震を想定していなかったなどと寝言をいっていたが、今後、徹底的に追及しなければいけない。原発の是非も、改めて国民的な議論をするべきである。原発の「安全神話」は完全に崩れたのだから。
戦後初めて直面する最大の国難をどう乗り切るのか。こうした未曾有の非常時に「空き菅」総理が居残っていたことは、この国の最大の不運だが、今さら嘆いてばかりいても仕方あるまい。国民一人ひとりが我がこととして、何をなすべきかを考えなくてはいけない。
原発情報の完全な透明性の確保。被災者への迅速で手厚い手当をして、二次災害を防ぐ。何よりもお粗末な、NTTを始めとする通信会社のインフラを早急に増強させ、速やかに携帯で安否確認ができるようにすること。
これから週刊誌がやらなければいけないことは、国や東電を始めとする電力会社が、重大な情報を隠していないか、復興のための膨大な費用をどのように捻出するのかを監視し、逐一伝えていくことだ。
新聞、テレビは、有事の際は国家の公報機関となってしまうこと、歴史が証明している。これからが週刊誌の力を示す正念場である。
今週は、当然ながらスクープ賞に値する記事はなかったため、私の中国旅行中の話を中心にまとめさせてもらった。
(文=元木昌彦)

撮影/佃太平
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
覗きを越えた見せたがる演出『Oh!透明人間』

(c)2010中西やすひろ/少年画報社/インターフィルム
アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。
●今回のお題
覗きを越えた見せたがる演出
『Oh!透明人間』
監督:右田昌万
女性主演:柳本絵美、村上友梨
この世に、"透明人間を"題材にした映画はいくつあるだろうか? その映画のほとんどが、消えるのは男性で、その男性が"透明"になることで興味を示す=日常を覗かれるのは女性という図式だろう。もちろん、それは女性の私生活を覗きたい、という欲求から来ている。透明人間の利点――つまり"見つからない覗き"である。

『Oh!透明人間』
荒方透留(標永久)は、親戚の家
に下宿する高校1年生。しかし、
この下宿先:萩谷家は、何と全員
女性のパラダイスだった! ある
日、夕食に嫌いなイクラが出され、
恐る恐る食べてみたところ、なん
と体が消えてしまった!? イクラ
を食べればいつでも透明になるこ
とができる不思議な能力を身に付
けた透留は、密かに思いを寄せる
次女の良江(柳本絵美)のムフフ
な秘密を覗こうと動き出す。さら
には、学校でも透留の欲望は暴走
し、エッチな事件を巻き起こす。
そんなある日、隣家の陽子(村上
友梨)宅へ出掛けたまま良江が行
方不明になってしまう。いてもた
っても居られなくなった透留は、
イクラ瓶を手に取り、良江を探し
に家を飛び出すのだが......果た
して、2人の運命は!?
<http://www.interfilm.co.jp/
tohmeiningen/>
今回紹介する作品は、1982~87年にかけて「月刊少年マガジン」(講談社)にて連載されたマンガ『Oh!透明人間』を原作とした映画である。その後も「スーパージャンプ」や「オースーパージャンプ」(いずれも集英社)で『Oh!透明人間21』として続編が発表された。
カルト的な人気はあるとは言え、講談社の続きが集英社で読めるとは。覗きの美学は大手出版社のマンガ誌が持つ閉鎖性を超えた、ということか......。しかもこの作品、殿方の"透明人間になりたい欲"を満たすため、ひじょーに分かりやすい設定だ。
女性だらけの家に下宿することになった主人公が、イクラを食べると体が消えてしまうことに気づく。事に乗じて主人公はエッチな妄想を実行に移す......うーむ、分かりやすい......。なぜイクラなのかというのは、この際どーでもいい。この映画はそんな設定にツッコミを入れる間を与えないほど、あることに長けている。想像してください。あなたが今、一番、プライベートが見たい女の子のことを。それは、グラビアアイドルでもいいし、好きな女の子でもいい。それこそ裸体を想像しやすいようにAVのお姉さんでもOK。あなたがイクラを食べて、体が消える。ターゲットの女の子の部屋へ入る。女の子は、体が消えているあなたがそこにいることを知らない。うひひひひ。も~~好き勝手に見放題~♪(30分経過)......うーむ、なかなか動かないぞ。思ったより暇だな。。。(1時間経過)......寝そべって友達と電話しながら、おっ! ようやく起き上がった!! つ、ついにって、おい、菓子食ってる場合じゃねーだろ! なんなんだよ! 女子のプライベートってこんなかよ! なんて具合になる。
もちろん、筆者の趣味は覗きではないが、自分の行動パターンを考えても、これが現実だろう。そんなにいつもいつも、しずかちゃんだって風呂には入りませんよ。そんなに簡単に女の子(男の子もそうだ!)が裸になるわけない。
なもんで、過去に映画化された透明人間ネタのほとんどが、透明中(どんな時間だ)に必ず、お風呂行ったり、着替えたりする。それを見て、「く~~~~!! 覗いてる気分~~~」......に、なりますか? なりませんよね?? だってそんなシーン、お色気系映画ならありがちのシーンだから。"覗き"がテーマの映画なら、まわりをぼかして覗いてるっぽい演出が出来ますが、透明人間なのでぼかす必要がないのでサービスカットが淡々とあるだけなんです。透明だろうが、何だろうが、映画で見る分にはカメラがその女の子の裸を映すだけ。
つまり、透明人間が意味を持たない。そんな透明人間ムービーがはびこる中(そんなにはびこってないけど)この作品はダントツに、見事に割り切った演出をしているのです。それはっ! 女の子たちの"見せ方"が抜群に上手い! 上手いというか、どうせ表現できないなら女の子たちは見せたがっちゃえ! という開き直りが凄いんです。
だって見えないはずの主人公に向かって、女の子の方から見せにくるんですよ! オイオイ、それはねーだろっていうくらい、お尻をわざと近づけてきたり、おっぱいも寄ってきたり! 「透明人間の追及!? ム~リムリ! どうせ無理なら開き直っちゃえ!」っていう一線を越えたバカバカしい演出がテンコ盛りなんです。
セリフもものすごくて、主人公が透明人間の状態でスカートめくりをした時のセリフが「もぅ、エッチな風さんねぇ~」
おい! 昭和だっ! "エッチな風さん"だって! 女の子がみんな可愛かったころの良き昭和だぁ!! エンコーやら、見せパンやら、ギャルやら、少子化やら、今の子、言いますか? 言いませんよね!!?? これです! この開き直りの局地! 見られる恥ずかしさではなく、見られたい女の露出感! そこに重点を置いた演出! お見事! たまんねぇっす!
女の子を露出狂にしただけでなく、ラストシーンなんて、透明人間なのに棒持って戦うから「......いや、その棒のおかげで、どこにいるのかバレてんじゃん」みたいなノリ! もう透明の意味なし! 無いから面白い♪ いいね~こういう開き直り。
実はこの映画で私が一番好きなシーンは、透明人間になって女子更衣室から逃げるシーンなんです。「こらまてー!」とか言って追いかけるのですが、その追いかけている女の子たちが、裸の子、ランジェリーの子! 体操着の子! スク水の子! うっひー! ブルセラコンプリートじゃないっすか!! この4種が一緒に一挙に学校内を走る!! なんたる衝撃!「レッドクリフ」で1万本の弓矢が飛んでくる時に等しい衝撃の嵐! そこだけでもいい! そこだけでもいいから見てください! 憧れるわぁ~~。
(文=梶野竜太郎)
(文=梶野竜太郎)
●かじの・りゅうたろう
映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。
短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。第2回したまちコメディ映画祭 in 台東にて、新作『魚介類 山岡マイコ』を上映。2010年に長編版として劇場上映が予定されている。現在、ニコニコ動画チャンネル『魚介類TV』(毎週日曜日20時~)に出演中。
詳しくは→http://mentaiman.com/
ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/
Oh!透明人間21 6 どうにかなれないものか。
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オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ……」(後編)
■前編はこちらから
――なんて難儀な性格......! でも、そういうある種の選民意識じゃないんですけど、「本当の私はこんなはずじゃない!」感がなければ、こういう世界に入らないですよね。大久保さんは、ずいぶんたくさんオーディションを受けていたって本に書かれていましたけど、どんなオーディションを?
大久保佳代子(以下、大) とにかく「何かしなきゃ!」と思って、『進ぬ! 電波少年』(日本テレビ系)の「15少女漂流記」とか、演劇だったら三谷幸喜さんか宮本亜門さんとか、「この人知ってるな」っていうだけで履歴書を出してました。
――大御所ばかり! けっこう自信があったんですね!
大 モテたことも、クラスで人気ものだったこともほとんどないけど、「私がいるとみんな笑っていたよな~」とか、そんなのを引っ張り出して捏造して、無根拠な自信で今もやっているところはありますよね。
――分かります! 自分のいい思い出を引っ張り出して、完成度が高いひとつのストーリーを作ってしまって、振り返ってみると「あの思い出、本物だっけ......?」ってことが、わりとあります。
大 ありますね! 私は「学生時代、私はマスコットガールでみんなから人気者だった」って思ってるんですけど、傍から見ると「それ、いじめられてたじゃん!」ってなるんですよ。学校に行ったら私の机だけ何故か校庭に出されていて、友達は「そんなことされたら死んじゃうよ......」って言うんですけど、私は「も~、みんな私のことをいじって楽しんじゃって~!」って思ってるので、机を取りに行ってクラスに戻るときも、どんなリアクションしたらみんなが笑うかを考えてて。
――アハハ! 「机が落ちてたんだけど交番に届けたほうがいいかな?」って言ったんでしたっけ! タフすぎる!
大 そんなのずっと考えながら(笑)。落ち込むこともいっぱいあるし、グジグジと執念深いんですけど、どこかで根っからのポジティブなのかも。
――私も小学生の頃は机にゴミを盛られたりして、多分いじめに遭ってたんですけど、「この子はきっと私が好きで意地悪をしているんだわ、男の子ってバカね!」って、ポジティブに考えて乗り切ってたことがあります。
大 一緒ですね、そうですよ。大丈夫、大丈夫。
――でも、テレビの露出なり『大久保佳代子劇団』なり、活動がどんどん増えていって、無根拠な自信が本物の自信になったんじゃないですか?
大 そうですね......。でも、『大久保佳代子劇団』も、1回目にやったときには私も舞台の経験があったり、脚本も光浦さんが書いているものだからセリフ覚えが良かったりとかで、「私、出来ちゃうな~」って思ったんですけど、2回目に意外と本格的な、小劇場とかで引っ張りだこの方々が出ることになって......。
――池谷のぶえさんとか、宮崎吐夢さんとか、豪華でした! でも、傍から見てる分には大久保さんも十分、馴染んでましたよ!
大 傍から見る分にはね......。今回はそういう本気の人たちが入ってきたので、「自分、そこまでたいしたことないな~」って落ち込みましたね。やっぱり、こう、突き詰めたものが何かないと、本物の人たちには通用しないな、と......。
――大久保さん、謙虚なんだかネガティブなんだか分かんないですね......。ちなみに、最近はそういうオーディションだったり、「今やらなきゃ!」っていう衝動はありますか?
大 今だと、合コンとか男関係がそうですけど、急に行動を起こしておいて、すぐ飽きちゃったり面倒くさくなったり。持続力がないんですよ。
――「とにかく何か!」って思いつきで行動しても、それに思い入れがあるわけじゃないから、努力し続けることが困難なんですよね。
大 困難ですね~。男関係だと、ひとりが楽なのも分かっちゃってるし。ひとりでも成立すると思ったら、わざわざ外部の人間と一からコンタクトをとって嫌な思いしたくないなっていう気持ちが強くなって。「これじゃイカン!」と思って合コンしたりとか。
――でも、ひとりでいる時間が長ければ長いほど、コミュニケーション能力がどんどん低下して、いざ「やるぞ!」と思ったときに、「あれ? 男の子と友達になるのってどうやるんだっけ?」ってなりませんか?
大 分からないですねぇ......。もう、しんどい。そう、男の人とちょっといい感じになったときにも、マンツーマンで飲みに行けばいいのに「マンツーマンって、きついな......」と思って、アラフォーの女友達4人くらい連れて行ったりして。
――アハハハ! なんの集いだか分からない!
大 夜、お酒飲みながら考えていると、「あの人いい人だったな~、また会いたいな~」って思うんだけど、お日様浴びちゃうと急にね~。"夜+お酒"っていう状況下じゃないとそうならないみたいです。
――分かります。分かります。逆に、朝はやたらやる気があるんだけれども、夜にはもうダメだったりとか。こういう現象は「生理前症候群」とも言うらしいですね。
大 そうですね、分かる。その女としての生物学的バイオリズムがすごく左右されるようになってきて。あるみたいですよ、本当に。生理が始まって終わるとすっきりしますしね。
――そう思うと、ものすごい憂鬱なときも「あ、生理前か~」と思えばちょっと楽になる。......あっ、あと、相談というより質問なんですが、大久保さんの本に「だんだん生理がしょぼくなって、もう高級懐石料理みたいな量しか(自主規制)」みたいなことが書かれてたんですが、あれは本当なんですか? 私も何かと他人事ではなく不安で......!
大 そうですね、上品な感じにね、懐石料理。でも、それも月によっての感じで、ドバッとバイキングの時もありましたし、うん、大丈夫でした!
――良かった! まだイケる!
大 ただ排卵の量は限られているから。最近は医療が進んでいろいろな方法があるけどねぇ......「そこまでして?」って思っちゃってねぇ。
――生々しいけど、確かに......あ、もう時間みたいです! なんかいろいろすみません!
大 え? これで大丈夫なの? 劇団の宣伝もちゃんとしてよねぇ?
――どうもありがとうございました! 『大久保佳代子劇団』、オススメです!
(取材・構成=小明)
●おおくぼ・かよこ
1971年、愛知県生まれ。92年に幼なじみだった光浦靖子とお笑いコンビ「オアシズ」を結成。長くOLとタレント生活を両立させていたが、10年8月に退職している。主演を務める「大久保佳代子劇団」第2回公演『村娘』(コンテンツリーグ)DVDが発売中。
●あかり
1985年栃木県生まれ。02年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。
ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>
サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
大久保佳代子劇団 「村娘」 お気づきでしょうが、当サイトは大久保さん推しです。
●小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」(前編) 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】 鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】 宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】 桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」
オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ……」(前編)
モテない、金ない、華もない......負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第22回のゲストは、大久保佳代子劇団『村娘』で主役を務めているオアシズの大久保佳代子さんです!
[今回のお悩み]
「まだ、逃げ道が欲しいんです......」
――ご無沙汰してます! 実は4~5年前にトークイベントでご一緒させていただいたんですが......私のこと、覚えてますか?
大久保佳代子(以下、大) ......あー、言われてみれば見覚えが。私、何しゃべってました?
――確か、私のかぶっていた帽子を「その帽子、後でくれない?」って真顔で言われて、「あげた方がいいのかな?」って悩んでいる間にすごい早さで帰っていかれて......あれはなんだったんでしょう?
大 本当? 私、言うだけ言って無責任に帰るってことが非常に多いので......ふふふ。それで、その後はどうしてましたか?
――その当時は売れないアイドルで、そのまま順調に売れませんで、2年ほど前にかろうじて単行本を出せたぐらいです。今はアイドル界ではライターと言い、ライター界ではアイドルアピールをするという卑怯な逃げ道でなんとか生活を......。
大 ああ、良かったですね、お互い変わらずで(笑)。あ、日記形式の本なんだ、こういうの好き(『アイドル墜落日記』をめくりながら)。
――大久保さんはいつも女芸人のブログをチェックして、忙しそうにしているのを見ては嫉妬して、売れてなくて暇そうな芸人を見つけるまでネットサーフィンするって、『私、地味女』(大和出版)に書かれてましたね。私の本も、売れなすぎて毎日暇してゴネてる日記なので、もしお邪魔じゃなければ......。
大 やった、今日読みます。
――いやいや全然、お暇なときで!
大 いや、暇なんですよ。
――またまたそんな! OLさんお辞めになったばかりじゃないですか!
大 そうなんですよ。ただ、今までは、芸能界の仕事の合間にOLをやっていたから「このままじゃ体力的にもキツいし、ストレスで死んでしまう」と思っていたんですけど、いざOL辞めたら単純にその時間がポコっと空いただけなので、時間を持て余していますねぇ。
――でも、テレビを見る限りだと忙しそうですよね。
大 テレビの仕事が減ったってわけじゃないんですけど、収録が夕方からだったり、それも5~6時間で終わったりするじゃないですか。だから、午前中が毎日空いちゃって油断して前日飲んじゃうっていう、悪いサイクルに......。
――アハハ! 私、大久保さんを初めて『めちゃイケ!』(フジテレビ系)で見たとき、すごく短いスカートを履いてマッサージ嬢として登場されて、普段はOLっていうギャップがすごくって。だから、今、OLの肩書きがなくなったっていうのは、けっこう衝撃的ですよ!
大 うん、それこそさっき小明さんが言っていた、アイドルの中ではライターで、ライターの中ではアイドルっていう、そういう逃げ道をなくしてしまったことは、今の段階ではまだ「どうしよっかなぁ」って思ってますよ。本来なら辞めたことも公表を延ばせるだけ延ばして、「OLは休職中なんです~」って濁そうとしていたんですけど、ご丁寧に『めちゃイケ!』が、「区切りをつけて宣言したほうがいい」って言ってきたので......今まで私の人生にそんなに関心がなかったくせに......。
――......あの、今日は私の「アイドルライター」とか言ってる逃げをなくすべきか聞こうと思ってたんですが......もしかして大久保さんも「現役OL」っていう肩書は、本当は捨てたくなかったんですか?
大 捨てざるを得なかったんだよなぁ......。休職でよかったんだけど、退職に追い込まれたんですよ。そんなつもりじゃなかったのに......。
――かなり長いこと勤めてたはずですよね、なんでまた?
大 逆に長かったから、最初ちやほやしてくれた職場のメンバーも辞めつつあって、私のことを知っているメンバーも、私が触れてほしくないオーラをすごい出すから、「別にいてもいいんだけど、休むし、遅刻はするし、注意はできないし......」みたいな。みんな優しいから言わないけど、そういう空気は感じていたんですよね。だから私も大人だし、「辞めてあげましょうかね」と思ったけど、「どうなるか分からないから休職にしておこう」と思って、「今、もう1個の仕事が忙しくて......」って話をしたら「じゃあしょうがないですね!」って結構早い段階で休職じゃなくて退職の書類を出されちゃって......。辞めるなんて言ってないのに!
――ちょっと寂しいですね......。でも、これでよりいっそう芸能の仕事に力が入るんじゃ?
大 それで急に私が俄然やる気出して、どんな仕事でも「ちょっとちょっとー!」って前に出ても、おかしな話でしょ?
――確かに、決して自分から前に出るタイプではないですよね。
大 うん、うん。出れない。もう、自分から発言するのは他の人に任せて、振られたときに何か言えるようにしとこうって思うんですけど、それも難しいんですよね......。ボーッとしちゃうから。1時間くらい喋ってないと、よっぽどのこと言わないとダメでしょ?
――一つの発言で確実に狙わなきゃいけないのはプレッシャーかかりそうです......。『おねマス!』『ちょいマス!』(テレビ東京系)も、女の子たちがすごい面白いじゃないですか。
大 ね! あれも最近は普通の視聴者みたいに、スタジオに行って楽しんでいるだけになりましたけど、本来は「女の子に怒ってください」とか「ひがみを言ってください」って言われてたんですよ。でも、あの子たちどんどん自分で処理しちゃうから。
――若いのに、みんな見せ方もトークも上手すぎますよね。大好きな番組です! でも、大久保さんも彼女たちと同年代だった24~25歳の頃は劇団で活動されてたんですよね。
大 やってましたね。テレビの仕事がなくっても、変なポジティブシンキングで「いやいや、私はこんなところで終わるはずはない」って思って。ほら、劇団ってすぐ出来るじゃないですか? 自分でお金出して劇場借りて、人から「何やってる人なんですか?」って聞かれたら「俳優やってます~」って言えるし。アレはアレでいい経験になったなぁ。
――その経験が今の『大久保佳代子劇団』につながってるんですかね。新作の『村娘』は『めちゃイケ』新メンバーのたんぽぽのお二人も出ているし、共感できる卑屈なセリフがたくさんあって面白かったです!
大 ですよね、ブスを大量発注しただけありますよ。
――ブスの中でのヒエラルキーとか、美人の振る舞いにいちいち過剰に反応する卑屈な感じとか、学生時代を思い出しました。千葉の田舎でキラキラした同級生を憎んで生活していたもので。
大 光浦さんはそういう脚本を書くのが本当にうまいんですよ。心の叫びなんですよね。私も光浦さんも高校3年間男子とほぼ一言もしゃべらずに過ごしたんですよ、共学なのに。今年の正月に同窓会みたいなものがあって、まあ、高校時代のだから、かっこいいって言われていた男子たちとは喋ったこともないんだけど、会場に行ったらみんな私のことをチラチラ見るんですよ。私が芸能人だから。それで徐々に近寄ってきて、「活躍してますね~」ってお酌してくるんですよ。でも、みんなはとっくに結婚もして幸せな家庭もあるし......何もなかった。もっと何か特別なことがあるかな~と思ったんですけどね。
――そもそも火がつく焼けぼっくいもないですからね......。私もグラビアをやっていたときは、地元で偶然会った全然仲良くないヤンキーに「あいつアレじゃね? 中川翔子の友達じゃね?」「しょこたんと仲良いんでしょ? 紹介して!」とか言われるくらいでしたね。せっかく芸能界に入ったのに、「しょこたんの友達」ってことでしか話しかけられない自分に落ち込んで、傷つかないためにもそいつらを見下すようになって......でもそいつらも、もう家庭作って幸せそうにしてるんですよ! もう、見下したり羨んだりで、何もないのに頭の中が忙しいです。
大 卑屈ですねぇ......。小明さん、まだまだ大丈夫そうなのに。
――姉が元カリスマ読者モデルで、ほぼ同期の友達が超売れっ子で、私のすっぴんの写真が、コレですよ。(携帯を見せる)自意識過剰にもなりますよ。
大 これは......頑張ってますね! ここからここまで持ってくるのは立派ですよ! アハハ! 私の場合は光浦さんがそうだけど、分かりやすく比較できる人間が近くにいて、自分の方が下だったらツラいですよね。私も、「比較されない世界に行った方が精神的に楽だろうな」って思うけど、私の場合、もともと人を上下で見る人間だから、どこに行っても「この人は上だけど、こいつは下だ」ってランクを付け出すんですよね。それで、下の人にはやたらと余裕を持って接するっていう。だから、「この人、光浦さんと比較して私のことを下に見てる!」とか、そういう意識が出るのも、自分がそういう人間だからなんですよ。
――なるほど、残念だけど、分かる気がします。でも、それだと友達ぜんぜん出来ないですよね? 結局、自分と似たような人を周りに集めるのが一番平和なんでしょうか?
大 そうですね、でも私は似たような人の中でも、「ここならトップに立てる」って思っちゃう人間なので。そうすると、「私が卑屈なのはこいつらのせいじゃないのか?」って気になってきて、もっと上にあがろうとするんですよ。それでいざ上にあがると、「違う、この人達といると卑屈になる!」って、また下にさがったりして......ちょうどいい人がいないの。私の周りには。
(後編につづく/取材・構成=小明)
●おおくぼ・かよこ
1971年、愛知県生まれ。92年に幼なじみだった光浦靖子とお笑いコンビ「オアシズ」を結成。長くOLとタレント生活を両立させていたが、10年8月に退職している。主演を務める「大久保佳代子劇団」第2回公演『村娘』(コンテンツリーグ)DVDが発売中。
●あかり
1985年栃木県生まれ。02年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。
ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>
サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
大久保佳代子劇団 「村娘」 お気づきでしょうが、当サイトは大久保さん推しです。
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