小倉智昭のやりたい放題にスタッフも我慢の限界?(4月上旬の人気記事)

ranking0420.jpg  新年度を迎え、街にはフレッシュな新入社員さんたちの姿がちらほら。これから数カ月のうちに社会の荒波にもまれるかと思うと張り裂けんばかりの気持ちでいっぱいになりますが、それも社会人の宿命。めげずに頑張ってください。  さて4月上旬の芸能界のニュースは、斉藤和義の反原発ソング「ずっとウソだったんだぜ!」が反響を呼びましたが、それ以上に話題をさらったのが小倉智昭の傍若無人ぶり。画面で見るのと変わらず、実際も相当"オレ様"なんですね。  世情に反し、いつも通り下世話なネタ満載の人気記事ランキング、早速チェックしてみましょう! 第1位 「だったら辞めてやるよ?」『とくダネ!』小倉智昭の傍若無人にスタッフはブチギレ寸前!? 朝×オグさんほど相性の悪いものはないと思いますが。 第2位 「誰のための自粛なの?」乙武洋匡の"不謹慎厨"に対する思いとは!? 石原都知事のための? 第3位 「何様のつもりだよ?」再ブレイクの井川遥 実はキムタク共演NGだった!? 今さら暴露されちゃった~! 第4位 「ずっとウソだったんだぜ!」アーティスト斉藤和義の原発批判ソングがYouTubeに これで斉藤和義ファンが増えたってウワサ。 第5位 「自家用車に"ひばく"とスプレー書きも」嫌がらせを受ける東電若手社員の本音 若手には罪はないのだけれど。 次点 「都知事選はただの宣伝!?」漏れる本音......東国原英夫候補の狙いは、やはり国政か プロモーション的には大成功? 次々点 ついにロリマンガ消滅へ 業界団体が示した「自粛案」の苛烈さ 「18禁でしょうか? いいえ誰でも」。

「頑張って」はもういらない! 被災者支援、急ぐべきはカネと家と安心

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「週刊ポスト」4月29日号
第1位 「『がんばって』と言うな!」(「週刊ポスト」4月29日号) 第2位 「東京電力レベル7『福島第一原発』の反乱」(「週刊文春」4月21日号) 第3位 「福島第二原発『封印された倒壊現場』」(「フライデー」4月29日号)  3位は「フライデー」。最初、福島第一原発の写真だと思っていた。施設は倒壊し、津波に押し流された車が折り重なり、トレーラーが横転している。2号機と3号機の建屋のクレーンの折れたアームがぶら下がったままである。  ひでーな。そう思ってタイトルを見ると、これは福島第二原発の写真なのだ。第二原発から10キロメートル圏内の住民には、今も避難指示が出されている。  これで第二原発は大丈夫なのだろうか? こちらの情報は何も出ていない。  別ページだが、第一原発から20キロ圏内に放置されている馬や牛、犬などの死骸写真が哀れである。  私も4月13日と14日にかけて福島へ赴き、第一原発の正門まで車で行ってきた。その場所では、ガイガーカウンターで測った「車内」の放射線量が100マイクロシーベルトを超えた。とても外に出る気にはならない。  20キロ圏外でも、場所によって土の上では600マイクロシーベルトを超えるところがある。途中、放たれた牛たちが群れを成し、野犬がエサを探してうろついているのに何度も出会った。  蛇足だが、「小泉孝太郎『超高級会員制クラブホステスと蜜愛』」もいいよ。  第2位は「文春」の一連の東電関連の記事。今や反東電の旗頭になった「文春」、今号の「大放言30分! 藤本副社長を直撃」も面白いが、「もうやってられねえッ!」といって東電本社幹部を怒鳴りつけた、福島第一原発吉田昌郎所長の話が興味深い。  彼は「免震棟」と呼ばれる、復旧に全力を傾けている男たちが居る棟の責任者である。  4月8日から、水素の濃度が高まった原子炉内で爆発が起こるのを防ぐため格納容器に窒素を注入する作業が始まったが、これに至るまでに吉田所長と東電幹部との間で激しいやりとりがあったというのだ。  アメリカの進言によって、1号機への窒素注入を指示した東電幹部に対して、予想もつかないことをやるのは大きなリスクとなるから、今はやるべきではないと、吉田所長は強く反対した。  技術者としてのプライド、アメリカ側からの突然の横やりに対して反乱を起こし、ついにこう言ったというのだ。 「それでも窒素注入をやれと言うのなら、オレたちはこの免震棟から一歩も出ない! ここで見ている!」  この反乱の裏には、積もり積もった幹部たちへの憤まんがあった。 「本社はいつも、頑張れ、頑張れ、と言うだけだ!」  そう吐き捨てて、「もう、やってられねえッ!」と言い放ったのだ。  東電本社は何とか吉田所長を説得し、渋々ながら吉田所長も窒素封入を決断したのだが、以来、両者の間では微妙なコミュニケーション不足が続いているという。  この反乱の原因がアメリカからの"進言"に端を発したことに注目し、本来は菅直人総理が決断すべき国家の意思決定プロセスに、アメリカを介入させていいのかと、「文春」は疑問を呈する。  国家の危急存亡の時、当事者の東電内が一枚岩ではなく、リーダーシップのない政治家たちは国民に「頑張って」としか言えない国とは、いったい何なのだろうか。  さて、「原発危機をあおりすぎる」という「ポスト」の「現代」批判は、「新潮」にも取り上げられたが、確かに「現代」の表紙を見ていると、これでもかというほどの「危機」のオンパレードである。  「原発列島ニッポンの恐怖」「レベル7 現実は想像を超える」「静岡浜岡原発 まるでフクシマ」などなど。  「ポスト」の、もう少し冷静にという編集姿勢は買える。だが、売れるのは「現代」の方である。そこで苦肉の策だろう、「ポスト」は早々とSEX特集を復活させた。  「大研究 夜這いとSEX」がそれだが、まだ時期尚早だと思うがね。  今号の巻頭「極秘資料入手!『原発完全停止』でも『停電』なし」は、「揚水発電」という夜間の余剰電力を利用して下貯水池から上貯水池にポンプで水をくみ上げ、日中の電力消費の多い時間帯に水力発電をする仕組みだが、これを使えば1,050万キロワット増える。その上、もともと東電には7,800万キロワットの供給能力があるのに、それを隠ぺいして、計画停電に踏み切るのは「偽装」ではないかと追及している。  この背景には、原発を推進したいアメリカや原発大国フランスの思惑があり、菅総理は操られているのではないかとも批判する。  確かに計画停電の「脅し」は、これだけ原発の危機が目の前にあるにもかかわらず、原発やめろという国を挙げての大合唱にならないことからも、功を奏しているのは間違いない。  原発の生みの親である正力松太郎を元社主に持つ読売新聞が、「原発支持が56%」という世論調査を掲載したのは驚かないが、朝日新聞の世論調査(4月18日)でも、原子力発電の利用には「賛成」が50%というのを見ると、呆然とするしかない。  この国の人間は、どこまでいけば懲りるのだろうか。  他誌とはひと味違う誌面作りをしている「ポスト」で、私が注目したのは「『がんばって』と言うな!」という特集である。短いのが不満だが、多くの人がおかしいと思っているところを突いている。  大震災が起きた当初、ACジャパンのCMばかりが流れて批判が出た。このCMでは、大震災で被災した人たちを励ます「頑張って」「一人じゃない」という善意と応援のメッセージがあふれているが、この言葉を被災した人たちがどんな気持ちで聞いているのかに、思いをはせるべきだという記事である。 「長引く避難所生活の中で、"頑張って"と言われても、どう頑張ればいいのか。他人事だからそんな風に言えるんだって、正直、ムカついてくる」(30代男性) 「期待を持たせるような言葉はもう要りません。"一人じゃない"なんて甘いことより、むしろもう"ダメならダメ"と、はっきり言ってほしい」(福島浪江町の50代女性)  テレビCMの「あいさつの魔法」が流れると「すぐに消す。あのCMを見ると、俺の目の前で津波に巻き込まれて行った家族の姿が甦るんだ」(40代男性)  気仙沼の50代男性は、2週間ぶりに遺体が発見された父親の通夜の席で、「遺体が見つかって良かったですね」と参列者に言われ、「死んだのに"良かったね"なんて、人に言われたくないんです。逆の立場だったらどんな気持ちがするか考えてみてほしい」と話す。 「一片の悪意がなくとも、畢竟"上から目線"を帯びてしまう。私たちはそれを複雑な思いで受け止める被災者がいることに、鈍感であってはならない。一人一人に深い想像力が問われている」と結んでいるが、その通りである。  私も、南相馬市の津波被害の現場を見た時、言葉を失った。絶望の底にいる、被災し、身近な人を失った人たちに、頑張ってなどという軽い言葉など掛けることはできない。  有名人を登場させ、君たちと一緒に日本を信じてやっていこうという非被災者のむなしい言葉を、被災者はどう聞いているのかに、彼や彼女たちは気付いていないのだろう。  だいぶ前に「同情するよりカネをくれ」というフレーズが流行ったことがあったが、心底、被災者が欲しいのは「カネと家と安心」であろう。それをこそ急がなくてはならないはずだ。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
PRAY FOR JAPAN‐3.11世界中が祈りはじめた日 祈ってるだけじゃ変わらない。 amazon_associate_logo.jpg
福島第一原発事故 アメリカ大使館の動向が東京脱出のバロメーター? 「日本人よ、声をあげろ!」直言居士・嵐山光三郎が吠える 新聞・テレビが伝えない 週刊誌"震災特集"の底力

福島第一原発事故 アメリカ大使館の動向が東京脱出のバロメーター?

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「ニューズウィーク日本版」4月13日号
第1位 「『フクシマ』差別が始まった」(「ニューズウィーク日本版」4月13日号) 第2位 「内田樹 街場の原発論」(「サンデー毎日」4月24日号) 第3位 「いま話題の告発レポート『原子力発電所で私が見たこと』」(「週刊現代」4月23日号)  この国は完全に統治能力を失ってしまった。避難地域、屋内退避を原発から20~30キロ地域にしたときも、何ら明確な根拠を示さなかった。また今度も、住民に何ら説明もなく、福島第一原発から半径30キロ圏外にある福島県飯舘村などを計画的避難区域としたのだ。  また12日朝には、「経済産業省原子力安全・保安院と原子力安全委員会は、これまでに放出された放射性物質が大量かつ広範にわたるとして、国際的な事故評価尺度(INES)で『深刻な事故』とされるレベル7に引き上げた。原子力史上最悪の1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故に匹敵する」(asahi.comより)  スリーマイル島原発事故でさえレベル5だったのに、国民にどれほど深刻なのかも知らせず、いきなり最悪のレベルに引き上げ、それでも国民はパニックを起こしてはいけないというつもりなのか。ふざけるなである。  11日夕方、「ニューヨーク・タイムズ」のM・ファクラー東京支局長と対談した。「NYT」は被災地の現地ルポをはじめ、原発に関するスクープを数々ものにしている。  私は彼に聞いた。アメリカ政府は当初、80キロ圏内の日本にいるアメリカ人に対して、そこから離れるよう指示を出した。また外国メディアやドイツなど多くの大使館員が関西へ移転しているが、「NYT」はなぜそうしないのかと。  彼はにこやかに、いま福島第一原発事故の正確な情報を持っているのはワシントンだ。日本の主権に留意して全部明らかにはしていないが、アメリカ大使館が東京を離れていないことでワシントンがどう考えているのかが分かると話してくれた。  そうか。日本政府はもとより、東電や保安院の言っていることなど信用できないが、アメリカ大使館の動きを注視していれば危機が迫っているかどうか分かるのだ。だが、レベル7に引き上げたことで、アメリカ大使館に動きが出るのではないか、心配である。あとで大使館に電話してみよう。  さて、原発の危機をあおりにあおる「現代」が売れ行き好調である。今週も全部読むと日本からすぐに逃げだしたくなる記事が満載だが、それに待ったをかけているのがライバル誌「ポスト」である。  今号で「ポスト」は、「現代」の書き方に冒頭からクレームをつけている。4月16日号で「現代」が書いた「福島第一は2週間を超えた。しかも、チェルノブイリ以上に巨大な炉が4つ同時に放射能漏れを起こしている」について、「チェルノブイリは炉心ごと爆発したので、問題となったのは放射線ではなく、『放射性物質』の漏出だった。福島第一についても、やはり問題は『放射性物質』が漏れていることだ」と、放射能、放射線、放射性物質の違いぐらい理解して記事を書けと言っている。  「ポスト」の言うように、いたずらに危機をあおることはやるべきではないという意見も、いまだからこそ必要だとは思うが、「現代」や「朝日」の記事を読むと、やはり不安の方が大きくなるのである。  私は寡聞にして知らなかったが、「現代」によればネット上で話題になっているレポートがあるそうだ。  その筆者は平井憲夫氏で、福島原発や浜岡原発などの建設や定期検査における配管工事の監督をやってきた人である。だが彼は1997年に亡くなっているから、この文章は20年以上前に書かれたものだ。しかし彼は当時から、大地震が原発事故を引き起こしかねないことを危惧していたのである。  平井氏は、原発の設計ほど優秀なものはないとするが、これは設計までで、施工・造る段階でおかしくなってしまうのだという。なぜなら、現場には職人が居なくなり、作業者から検査官まで、みんな素人たちによって造られるようになってしまったからなのだ。  中でも、原発には網の目のように何十万本もの配管が走っているが、その一本でも破断したら大事故に結びつく。だが、70年代から80年代前半に建設された26の原発は、配管を支えるサポート取り付け金具が、コンクリート壁に打ち込んであるだけなので、大地震が直撃したときには配管を支えきれずに壊れてしまうと言っている。  また原発の耐震設計もひどくいいかげんだった。その上、素人ばかりの作業員。原発現場の過酷な実情。そして彼は「内部被曝を私は百回以上もして、癌になってしまいました」。そこで、「原発のことで、私が知っていることをすべて明るみに出そう、それで、私の責任で被曝させてしまった人が一人でも助かればいい、そう思ったのです」と、告発した動機を書いている。  平井氏は58歳で亡くなっているが、彼が命を賭して日本人にのこした遺言である。東電や原発にかかわる人間が、彼の言葉に耳を傾けていたら。そう思わざるを得ない。  2位は、いまや日本に何か起きたとき、意見を聞いてみたい人ナンバーワンになった内田樹氏への原発についてのインタビューである。  彼は、原発事故で日本は変わるという。なぜなら、原発事故は人災だから。「ここから何を学ぶかは日本の未来にとって死活的に重要なことだと僕は思います」。東電という営利企業にリスクと安全を判断する仕事を任せてはいけなかった。電力会社といかなる利害関係も持たない専門家が、原発の安全な管理運営のルールを制定すべきだったが、日本には「原発がなくなると失業する」学者ばかりで、そうした人間たちに原発の安全性について議論させること自体が間違っている。  では、誰の言うことを信じていいのか分からないという情報環境に投じられてしまった日本人はどうしたらいいのか。 「どうしていいか分からないときは、直感的に自分で判断して行動するしかない。ことリスクに関しては、リスクを過大評価して失うものと、過小評価して失うものでは、失うものの桁が違います。『想定外のこと』が起きるかもしれないと思っている人間の方が、『想定外のこと』は起こらないと思っている人よりは生き延びる確率は高い。単純な話です」  その上で、原発問題は長期戦になるから、自助能力の低い幼児や妊婦、老人と病人だけでも、とりあえず交通インフラが整っているうちに、安全な地域に「疎開」させたほうがいいと説く。  東京一極集中は日本の社会システムを危険にさらすことに、いいかげん気付くべきだとして、こう結ぶ。 「首都機能を地方に分散するというにとどまらず、東北の被災地へ優先的に資源を集中して、そこを日本再生の拠点にするというくらいの発想の転換が今こそ必要だと思います」  いいこと言うじゃん、このおっちゃん。  「ニューズウィーク」は時々いいルポをやるが、今回の「フクシマ差別」もそうである。  記者がルポしたのは、福島第一原発から30キロほど北に位置する福島県南相馬市。今も市内に残る住民は約9,800人。その多くが、被曝線量を検査するために列を作る。そこで、人体に特段の影響はないという「証明書」欲しさに。  この証明書がないと、事故のあった原発周辺の住民に対する「差別」が始まっているため、県外のホテルや旅館で宿泊拒否に遭ったり、東京などで福島ナンバーのクルマがガソリンスタンドで追い返されたり、区域外の診療所で証明書がなければ診察してくれなかったりすることもあるのだ。 「避難指示区域内にある工場の経営者が、記者に明かした。福島県内から東京などに避難した子どもたち、特に原発周辺地域の子どもたちが、避難先の子どもたちから仲間外れにされるなど、いじめに遭っているという」  私の友人の弁護士が、福島でボランティア活動をしている。懇意にしている原発近くの住民が、原発から離れた県内のある町に避難しているのだが、そこでも同県人から、放射能を浴びた人間とは付き合わないとか、自分の子どもは一緒に遊ばせないという差別が起きていると聞いた。  地震と津波で被災し、地元を離れて避難しなくてはならなくなった人たちに、差別という困難が襲っている。こうした現実をこの国の為政者は何も知らないか、知っていてもなすすべもない。未曾有の大震災や原発の深刻な事故は、人の心まで傷めてしまうのだ。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2011年 4/13号 そして今日も揺れている。 amazon_associate_logo.jpg
「日本人よ、声をあげろ!」直言居士・嵐山光三郎が吠える 新聞・テレビが伝えない 週刊誌"震災特集"の底力 元「FRIDAY」「週刊現代」編集長が提言「いま週刊誌がやるべきこと」とは

「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター

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「B_Lee1」 (c)Stephen Lau
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どもの頃、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第15回 マルチ・クリエーター Stephen Lau(ステファン・ラウ)  ステファン・ラウ(Stephen Lau)は、マレーシア生まれ。現在、クアラルンプールをベースに活動するマルチ・クリエーターだ。自らをビジュアル・グラフィック・デザイナーと称し、アーティスト・デザイナー・イラストレーターとして、インターナショナルなクライアントのコマーシャル作品を制作する傍ら、自身のファッションブランド Jam Divisionや、デザインスタジオMinor Playerのオーナー&クリエーティブ・ディレクターも務める。マレーシアでは彼の作品だけでなく、そのマルチな活動スタイルにあこがれるフォロワーが続出している。
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『DRAGON BALL 1 』
(集英社)
 ステファンの作風は多彩で、「一人の作家の作品なのか」と驚かされることが度々だ。彼の創作のインスピレーションは、どのように形成されてきたのだろう。 「子どものころは、日本のアニメとディズニーのアニメに夢中でした。だけど、より強い影響を受けたのは、日本のカルチャーです。宮崎駿(『となりのトトロ』『天空の城ラピュタ』『風の谷のナウシカ』......)、『ドラゴンボール』『ドラえもん』『鉄腕アトム』『仮面ライダー』『ウルトラマン』『鉄人28号』『ストリートファイター』『スーパーマリオブラザーズ』、大友克洋、手塚治虫、『マジンガーZ』に『ガイキング』......好きな作家や作品が、とにかくたくさんありすぎて言い切れません!」 「子どものころに見た、あるいはもっと古くからある日本のコミックやアニメのキャラクターは、すべて僕の作品の中に生きています。想像力・ストーリー・絵のテクニックとか、色使い、ロボットやおしゃれなキャラのデザインなど......。特に、かわいい女の子やかっこいい男の子をどう描くかを、日本のキャラクターから学びました」
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「John_Lennon_War」(c)Stephen Lau
 マレーシアは、マレー系・中華系・インド系の民族が共存する多文化国家。そうした背景を、ステファン自身はどうとらえているのだろうか。 「マレーシアで生まれ育ちましたが、ローカルの文化にインスパイアされたとはあまり感じていません。ただ、何年か前に、中国のカルチャーにすごく感化されたことがあります。筆を使った創画の技術とか、中国的なモチーフとか」  最近の彼の作風からは、また別な印象を受ける。 「今、マイブームが、"西洋的ミニマリズム"なので。だけど、ちょっと暗い感じとか、エモーショナルな感じは、やっぱり自分の変わらない要素として時々顔を出します。僕には決まったスタイルがないんです。常に変化を求めて、その時の気持ちに一番合ったスタイルで表現したいと思っているから。だけど、"僕らしさ"を出すために、譲れないことがある。それは音楽やファッションの要素、それと、自分が好きな彩色の技術です」  年末に向けて、クアラルンプールにおける初の個展の計画が進行中だという。 「これまでの作品の集大成になると思います。地元の人たちが、自分の仕事をどのぐらい支援して、受け入れてくれているか、それを見てみたいという気持ちがすごく強い。それ以外にも、いくつかのコラボレーションプロジェクトが同時に動いていますが、本音では、数カ月後にリニューアルオープンするJam Divisionのコレクションに集中したいなと......」  自分を「複数の文化のバランスを取ることに長けているとは思わないし、そこに踏み出すには、もう少し時間が必要」というステファンだが、その実、見事にマルチな活動の舵取りを行っているようだ。 (取材・文=中西多香[ASHU]) ■画像ギャラリー(画像をクリックすると拡大します/(c)Stephen Lau)
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  StephenLau.portrait.jpg ●ステファン・ラウ ビジュアル・グラフィック・デザイナー、イラストレーター。マレーシア生まれ。10年前に出身高校から壁画を依頼されたことがきっかけで、アーティストとして目覚める。現在はクアラルンプールを拠点に活動。カシオ、ナイキ、タイガービール、UNIQLO、GAP、コンバース、コカコーラ、MTVなど、国際的クライアントのコマーシャル作品も多く手掛けてきた。ファッションブランドJam Division、デザインスタジオMinor Playerを主宰・運営。 <http://www.stephenlau.co> <http://www.facebook.com/stephenLCO> <http://www.facebook.com/thejamdivision> (ウェブサイトは、鋭意制作中とのこと) ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
DRAGON BALL 1 今こそ悟空の力が必要だよ。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

スタミナ満点! よくばりどんぶり「ごはんと胃・レバー・牛たくさん」

IMGP4149.jpg 料理の数だけダジャレがある――。ダジャレをこよなく愛する男が考案する、笑えるおいしいレシピ。  「ゴホン、ゴホン、ゴホゴホゴホ」 母 「あら、どうしたの? 風邪?」  「ゴホン、ゴホン。うん、なんだか咳が止まらなくて」 IMGP4129.jpg  「春といっても、まだ肌寒い日が多いから気をつけてね。食欲はあるのかしら?」  「うん、胃腸は大丈夫みたい。ゴホゴホ。何か咳が止まる料理を作ってよ。ゴホン、ゴホン、ゴホゴホ」 IMGP4134.jpg  「咳の止まる料理って言われてもねえ......。あっ、いいのがあるわ! ご飯に牛の胃とレバーをたくさん乗せたスタミナ丼。これで咳は止まるはずよ」  「確かに体力はつきそうだけど、ゴホ、なんで咳が止まるんだい。ゴホン」  「ほら、昔CMでやっていたじゃない?」  「ご飯に胃とレバーと牛......ゴホンゴホン......分かった!」 父&母 「ごはんと胃・レバー・牛たくさん(ゴホンと言えば、龍角散)!」 IMGP4168.jpg  「すごい! ピタッと咳が止まったよ」  「私のキムチ(気持ち)が入っているからね!」 ■材料 IMGP4112.jpg ・牛の胃(ミノ、ハチノス、センマイ、ギアラのどれか) 適量 ・牛レバー 適量 ・牛肉(切り落としやカルビ、ロースなど) たくさん ・キムチ 適量 ■作り方 1、牛の胃(今回はミノを使用)をごま油、塩、こしょうで和えておく。 2、牛レバーをしょうゆとコチュジャンに漬けておく。 3、牛肉は、市販の焼肉のたれにニンニクを混ぜ、それに漬けておく。 4、それぞれを牛脂かごま油で炒めて、アツアツのごはんに乗せ、キムチをトッピング。 ■玉置メモ ・3種類の肉を、それぞれ別の味付けで焼くのがポイント。フライパンを2つ用意し、1つは胃とレバーが混ざらないように焼き、もう1つで牛肉を焼きます。 ・牛の胃が手に入らなければ、代わりにいいレバーを使ってください。「ご飯といいレバー、牛たくさん(ゴホンと言えば、龍角散)」となります。 ・付け合わせはニンジンのナムルなんてどうでしょう。「キャロットナムル(けろっと治る)」ということで。 (文・写真=玉置豊) ●たまおき・ゆたか へんな料理研究、マイナーアウトドア、狩猟採取が趣味のWEBディレクター、ときどきライター。「デイリーポータルZ」、「地球のココロ」、「@ニフティ つり」など で連載中。 < http://www.hyouhon.com/>
とびっきりの、どんぶり どうすか、ケンタロウさん。 amazon_associate_logo.jpg
■男のダジャレレシピ・バックナンバー 【第10回】甘党にはたまらん! 「オリゴ糖、黄身と和えて、ようかん食った」 【第9回】捌けなくても大丈夫! 包丁要らずのカンタン鍋「捌き無知鍋」 【第8回】惚れてしまいそうな大人の味「バーレーン・タイ キッシュ」 【第7回】3分で出来るお祝い料理 「脂肪コーン、5を書く!」 【第6回】正月ボケに効果てきめん 「意外! タイなら七臭粥」 【第5回】気分次第でアレンジ可能 「麻婆茄子! 干し芋乗っかっちゃう!」 【第4回】三つの味が楽しめる豪華ディナー 「三択ロース」 【第3回】贅沢の極み! 「いい肝のカワハギのいい肝ばかり」 【第2回】ひと手間かければ豪華な一皿! 「タンカレー ナンバナナ天」」 【第1回】甘くて辛い 大人のおつまみ 「マスタードナッツ」

「日本人よ、声をあげろ!」直言居士・嵐山光三郎が吠える

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「週刊朝日」4月15日増大号
第1位 「コンセント抜いたか 嵐山光三郎」(「週刊朝日」4月15日号) 第2位 「スクープ 4号機内で社員2人の遺体を発見」(同上) 第3位 「東日本大震災ノンフィクション 遺されて 石井光太」(「週刊ポスト」4月15日号) 次点 「日本ユニセフ協会『被災者に渡らない募金』が暴かれた」(同上)   今週、一番笑ったのは「現代」のタイトル「『使用済み菅燃料』と官邸で嘲笑される総理大臣の不甲斐なさ」である。短い記事だが、使用済み菅燃料とはうまい!  自粛、自粛の大合唱だ。花見まで自粛せよと、私の住んでいる街の駅前商店街も花祭りの看板とちょうちんを取り外してしまった。おかげで酔客の胴間声を聞かないで花見がユックリできそうだからいいが、花見ぐらい少し騒いでもいいではないか。  「文春」の立花隆氏との対談で堺屋太一氏が、「私が危惧するのは、大震災と原発事故に過剰反応して『自粛不況』が起きることです。世の中が暗くなると、復興はさらに遅れる」と言っているが、その通りである。  最近よく、「日本人は敗戦後、焦土の中から立ち上がり、見事に復興してきたのだから今度も大丈夫だ」と"無責任"に語る人がいることも気になる。  これほど見当違いな考えはない。戦争が終わり、みな貧しくとも光が見えた時代と今では、心の底から湧きたってくる何かが決定的に違うのだ。  本田靖春氏は『「戦後」――美空ひばりとその時代』(旬報社)で、その時代の雰囲気をこう書いている。 「人々は飢えていた。私の場合は住む家がなく、納屋の暮らしから戦後の生活が始まった。着る物がなく、履く靴がなく、鞄がなく、教科書がなく、エンピツがなく、ノートもなかった。しかし、人々は桎梏から解放されて自由であった。新しい社会を建設する希望に満ちていた」  「小沢一郎よ、平成の後藤新平になれ」という"小沢待望論"もやかましい。だが、震災から2週間以上も地元岩手に行かなかった小沢氏が、被災者に希望を与えられるわけがないではないか。  さて、今週は力作ぞろいであったが、まずは「ポスト」の日本ユニセフ(以下、日ユニ)の記事から取り上げよう。  発端は、日ユニが震災3日後に「東日本大震災緊急募金」を告知したが、ただし書きに、必要な資金を上回る金が集まったら、他国・他の地域への復興支援に活用させてもらうと書いたことだった。  これでは「ユ偽フではないか」と募金者から批判が殺到し、慌てて集まった金は全額被災者に渡すことを表明したのだが、後の祭り。  そもそも、日ユニは国連ユニセフの日本支部ではない。その活動を支援する財団法人なのだが、寄付しているボランティア団体でさえ、誤解しているところが多い。  また、日ユニは職員36名で、集めた募金の最大25%が運営経費と認められ、2009年度の事業活動収入は約190億円で、そのうちの27億円を自由に使え、法人税はなし。  01年に東京・高輪に5階建てのユニセフハウスを建設し、大新聞にたびたび広告を掲載して、評議員には朝日や毎日の社長らが名前を連ね、政治界とも密だという。  芸能人の抱き込みにも力を入れ、中でも「日本ユニセフ協会大使」として有名なのがアグネス・チャンである。  震災以降、募金をかたる詐欺行為が続発している。日ユニがそうだとは言わないが、「ポスト」が言うように「もう少し疑惑をもたれないための改革が必要なのではないか」。  被災地ルポは数多くあり、有名人を起用したものも多い。「AERA」の写真家・藤原新也氏もそうであるが、私は、「ポスト」の石井光太氏のルポを写真(一部共同通信)共々、興味深く読んだ。中にこういうくだりがある。  宮城県奥松島の海辺で出会った初老の夫婦。40歳になる娘と孫の遺体を探しているという。  夫は、「せめて、遺体がひどく傷まないうちに見つけ出してあげたいのですが、うまくいきません」と言うが、妻は、「そんなに簡単にあきらめないでください。(中略)まだ、どこかで生きていたらどうするんですか。私、そう思うとあの子たちに申し訳なくて......」と小声で言う。  彼女が、生まれたばかりの孫が生きていると信じる理由は、娘の優しさだった。娘はきっと、自分を犠牲にしても孫を助けたはずだ。きっと避難所か病院で行方不明になっているから早く見つけ出したいのに、夫は娘ばかりでなく孫まで死んでいると耳を傾けてくれないと嘆く。  そして「せめてあなただけは孫が生きていることを信じてください」と、行きずりの石井氏に懇願するのだ。  今度の大震災で、こうした悲劇は数多くあったに違いない。その中の一組の夫婦の物語だが、読み終わった後、いつまでも波の音が心に聞こえていた。やや感傷に流されすぎたきらいはあるが、こういうルポが私は好きだ。  2位は、スクープとはあるが、遺体発見の情報はごくわずかである。だが、ここにあるように、地震発生以来行方が分からなくなっていた東電の社員2人が、3月30日午後3時頃、懸命の復旧作業が続く福島第一原発で見つかったが、「東電は2人が見つかった事実を、発見から3日が過ぎた2日夜の時点でも明らかにしていない」のだ。  ようやく3日になって、「東京電力は3日、福島第一原発で行方不明になっていた社員2人が4号機タービン建屋の地下で遺体で見つかった、と発表した」(asahi.comより)。  2人は当日、勤務中に地震と津波に襲われ、3週間近くも高い放射線量が懸念される「爆心地」に閉じこめられていたのだ。  「朝日」が書いているように、「2人はどのような状態で見つかったのか。放射線量はどのぐらいだったのか。また遺体はどのようにして安置されたのかといった情報はなんの手がかりも得られず、祈る思いで近親者を捜す周辺住民にとっても貴重な情報だ」。事実を速やかに公開しない東電の姿勢には、「朝日」ならずとも疑問が残る。  こうした不透明な東電や政府の在り方に不満を持っている日本人は多いと思う。それなのに、Twitterや掲示板に誹謗中傷して、腹膨るる思いを吐き出して事足れりとする人間のいかに多いことか。  今怒らずして、いつ怒るのか。そんな思いを軽妙な筆遣いながら、痛烈に批判してくれたのが、今週の第1位、嵐山光三郎さんの連載コラムである。  嵐山さんは、彼が敬愛する作家・山口瞳さんがそうだったように、言うときははっきり言う直言居士である。山口さんの、他国に征服されてもいいから武力は持たないと言い切った『卑怯者の弁』や『私の根本思想』(ともに新潮社)が好きな人である。  嵐山流は、「どこかで春が」という童謡を口ずさむところから始まる。まずは、テレビでやたら流れているACのCM批判。「『電気を節約しよう』といっているから、あのCMが出るたびにテレビの電源を切った。ACのCMにいら立つのはやたらと親切だとか思いやりとかの道徳をふりかざすからだ。公共広告機構というのは、道徳おしつけ協会で、この非常時に及んで大きなお世話である」とバッサリ。  さらに、「東日本大震災は『千年に一度』の大震災だというから千年前にはなにがあったかと調べると『源氏物語』が書かれた時代だった。ははあ、源氏は原子のことで、『原子物語』ってわけか。光るウランが数多の女たちを被曝させていった。桐壺が一号炉で、帚木が二号炉、空蝉が三号炉、夕顔が四号炉、以下五十四帖あるから、いまある原子炉と奇しくも同じである。紫式部が千年後の日本を予知して原子を源氏とおきかえて書いたとすれば、超能力のなせる技だ」と展開していく。匠の筆である。  身の安全を脅かされているのに日本人はパニックを起こさないし、略奪行為も起こさないことが美談として外国メディアに報じられているが、「ようするにバカにされているわけです。悲惨な状況に必死で耐えることを賞賛されるのは、声をあげて叫ばない民族だと見なされている次第で、危険事態を外国メディアが代弁すると『風評被害』として片づける。(中略)政府の対応の遅さが原発被害の拡大を招いているのに、日本人は『仕方がない』とあきらめている」のはおかしい! そしてこう結ぶ。  「強者に対して弱すぎる。原爆を落とされて、『ああ許すまじ原爆を』と謳っても、平和利用という名目を与えられると『ああ許すまじ原発を』とは謳わない。原爆の恐ろしさを知ったから、平和利用ということで、逆に『原発』を信仰してしまった。(中略)値の安い原発のおかげで電気をジャブジャブと水道水のように使って安逸な生活をしてきた。そのしっぺ返しがきた」のだから、ネオンを消し、通販やACのCMは中止し、居酒屋はランプで営業しようと説く。まったくその通りである。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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新聞・テレビが伝えない 週刊誌"震災特集"の底力 「正しいパニックを起こそう」 未曾有の原発危機に広瀬隆氏が提言 元「FRIDAY」「週刊現代」編集長が提言「いま週刊誌がやるべきこと」とは

「せっかくフリーになったのに……」羽鳥慎一アナが新境地で早くもピンチ!?(3月下旬の人気記事)

ranking110401.jpg  ぼちぼち桜も咲き始め、春らしくなってきました。  さて、芸能界では、日テレの安月給に耐えられなくてフリーに転向した羽鳥慎一アナが、早くも苦境に立たされているようです。好感度ナンバー1アナウンサーの羽鳥さんですが、スタッフに嫌われてしまったら元も子もありませんね。  では、話題の記事が一目で分かる人気記事ランキング、早速ご覧ください! 第1位 「羽鳥が来るなら俺は辞める」テレ朝紛糾! 新"朝の顔"羽鳥慎一に強烈な逆風 前途多難。 第2位 【再掲】災害現場の困ったちゃん!? ボランティアに求められる自己責任の大原則 何かしたい、っていう気持ちは分かるよ。分かるけど......。 第3位 「"あたしが時代よ"ってアイドルはオーラが全然違う」 篠山紀信が明かすアノ人の素顔 紀信サンってこんな人だったのね。 第4位 「確信犯? それともガチ?」"ハイパー・メディア・フリーター"黒田勇樹を直撃! このまま突っ走ってもらいたいものです。 第5位 交際発覚の若手大物カップル「TAKAHIRO×佐々木希」と海老蔵事件のつながり "大物"なのかは定かではない。 次点 「救済ライブの告知も掲載させない」エイベックスの徹底的なJYJ潰しが始まった! エイベさん、これはやりすぎでしょ。 次々点 「逮捕は暴力団への"圧力"だった!?」小向美奈子不起訴の背景とは 永住権申請しちゃうなんて、そんなにフィリピンが好きだったの?

須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」(後編)

IMG_1751_.jpg前編はこちらから ――確かに、幸せならおおらかな気持ちで他人にも優しくできますしね。口の悪い私を含めて、みんな満たされてないんだ......。しかしアイドルって基本、人に幸せを与える仕事のはずなのに、私はイラ立ちとか悪意ばかりを与えて申し訳ないな......もっとしっかりしなくては。須藤さんにも「この人、苦手だな」っていう人いますか?  いないですね、そういうエネルギーはもったいないですよ。若いころはありましたよ。でも、無駄遣いですよ。だって、イマジネーションは現実に作られてしまうわけじゃないですか? で、その人のことを考えていると、その人が実際、現実に現れてきちゃうんですよね。エネルギーの深度数が低下して物質化するので。 ――......あー、すっぴんでボサボサにスウエットでコンビニにいて「今は人に会いたくないなー」って時に同級生に会ったりしますもんね! そういうのがシンクロニシティっていうんですか?  ......(困惑しつつ)そうですね。シンクロはいろいろありますからね。 ――じゃあ、「あいつ嫌だなー」って思ってたら、その人も自分を嫌ってたりするアレも?  そういうのはバレていますからね! ――やっぱりバレてるのかぁ。まず、この「人が嫌いなくせに人からは好かれたい」みたいな性格をなんとかしなくては。もう、こういう自分のネガティブな、ぐるぐるした性格がうっとうしくて、ツラくなるんです。だから夜になると明るくて幸せそうなアイドルのブログを巡回して、「来世はこうなろう......」とか思ってます。だって、現世では困難そうで......。  やはり"気づき"は個人的な問題ですし、「こういう自分はもういい、こういう自分は嫌だ!」と決意しないと治らないですよね。だから、まずはそういう自分にどっぷり浸からないと分からないですし、痛い目を見て気づくこともあります。叡智というのは痛みを伴ってやってきて、しかも少しずつしか手に入らない。この世界っていうのは、必ず痛みを伴ってやってくるんですよ。そこで気づくんです。ある意味、人生は苦行ですよね。 ――今って、うつ病やノイローゼが本当に近くにある時代だし、私も含め、その"気づき"に行く前の苦行の段階で、「こんなに苦しすぎる人生はここでやめてしまおう」ってなってしまう人も多いと思うんですよ。須藤さんはどうやって"気づき"に行き着いたんですか?  その時に「ポン!」となるのではなく、ジワーッと、ティッシュの上に水滴を垂らすように、ジワーっと浸透していくものです。だから、これというものはなく、いつの間にか、昔の自分と変わっている。まず、人に対するリアクションが変わるんですよ。「昔だったらこう言って、こうなっていたな」と。そうすると、自分が変わってきたっていうのが分かる。 ――私、嫌なことがあったときに、一応、自分を俯瞰するようにしているんです。その渦中にいると「ワー!」ってパニックになってしまうから、自分が置かれている状況がどんなもので、どう動くべきなのか、一度俯瞰して整理する。でも、結局どうしたらいいか分からなくて、俯瞰しても「ワー!」なんですけど......。須藤さんも、そういうときに頭の上にもう一人の自分がいるのを想像して、ネガティブな感情を断ち切るんですよね。  そうですね。でも、想像するというのは、まだ頭の中のことなので少し違って、本には「第2の注意力」と書いていますけれど、もう一人の自分ができるようになってくるんです。もう一人の自分が自分の左側や、頭上にいるようになる。やはり問題があったとき、同じステージで考えると見えないですから。そこから離れないと、答えが見えない。 ――うまくできるようになるかなぁ。現状の私が二人いても、うっとうしさ2倍だし......。須藤さんは、そういう小さな迷いから解き放たれて、もうかなり満たされている状態ですよね、すごいです。  う~ん、どうですかね~。 ――仕事もあって、北海道にログハウスを建てて、奥様や可愛い猫たちと暮らしておいて、どうですかね、ですと......!?  早く隠居したくて(笑)。 ――その奥様について聞きたいんですけれど、新刊に、ノート一冊を「ありがとう」で埋めたらCMが決まったり、奥様と出会えたと書かれてましたね。私もうつ病の時にノートいっぱいに「大丈夫、大丈夫、大丈夫......」と書き殴った完全に大丈夫じゃないノートがありますけど、特に運命は運ばれてこなかったですよ! 「ありがとう」じゃなかったからですかね? 奥様とは、やっぱりかなり運命的な出会いだったんですか?  運命的というか、きっかけは、本にも書いてあるとおり、声かけて、ナンパして付き合って......。 ――須藤元気にナンパされて結婚できる人がいるんですね......何、それ! うらやましい!  いや、どうしようもないっすよ、僕は。中途半端で、適当で......。まぁ、毎日ボコボコにされていますけどね(笑)。 ――須藤元気をボコる奥様、超強い! モデルさんとか、タレントさんとか、そういう華やかな人とお付き合いしてた方だと、女性に対するハードルがかなり上がってそうで......奥様はどのような方で......?  そんなには付き合ってないですよ! ちょっと盛ってます(笑)。でも、やっぱり、自分が変わったんでしょうね。やはり、人間はその時によってぜんぜん違うじゃないですか? 例えば小明さんが高校生の時に好きだった物や人は、今とぜんぜん違うのであって、自分が変わるとフォーカスするところが変わるのであって、好みの男性のタイプなんかも......変わらないですか? ――好みの男性のタイプが定まっていなくて、多方面にわたって失敗を繰り返している次第です!  それを楽しんでいるところもあるんじゃないですか? ――うーん、でも、今までびっくりするほどモテなかったんですけど、最近になって、男性に誘われる機会が増えたんですよ。これはなぜか、と考えてみたら、誘ってくれる人って、「女全般が好きで、とにかく女ならオッケー!」っていうタイプばかりだったんです! 「君でいい」と「君がいい」は違うじゃないですか? なのに、大体、「あの人は誰でも口説くよね~」って言われてる人で、もう、「あの子もこの子もダメだったけど、コイツならイケるんじゃないかな」っていう妥協が見えて、なんか、なんか違うんです! 私も運命的に出会いたいんです......!!  小明さんの場合、きっとパーソナルスペースがちょっと狭いんですよ。 ――......はい。確かに部屋は狭いです(分かっていない)。  ......いや、アイドルでカワイイけど、「ちょっと暇だから飲みに行こうよ!」って、男子が構えずに言いやすいキャラクターだってことですよ。だから、気になる人がいたら、パーソナルスペースを広げてみてください。 ――パーソナルスペースって、どうすれば広がるんですか? 須藤さんの本にある、「いらないものを1日1個捨てていく」っていうの、私それができなくて、どんどんものがたまっていくんですよ。だからスペースが狭いんですかね(まだよく分かっていない)。  ......そうですね、とりあえず周りのものを循環させるといいかもしれないね。 ――もう一切循環させてなくて、むしろ沈殿してて、ほんと掘り返すと室内なのに地層レベルで......。  ......話を聞いていると、小明さんがそれを望んでいる感がありますよね。結構、コメントコメントがすごく自虐的で、その自虐的なキャラクターが、面白いし安心する。この世界は逆説的ですから、そうやって自虐的になればなるほど、人気が出ますよ。アハハ! ――そうかなぁ、アハハ! ......でも、口を開けば悪いことしか言わない私も、実は動物にだけは毎日「ありがとう」を言うようにしてるんですよ。  すごい! いいじゃないですか! ――飼ってる猫をかわいいな、と思うたびに、「こんな飼い主で気の毒だ」という気持ちもあって、「ありがとう! 猫、ありがとう!」と......。  はい! もう、猫族の僕としては、男どもにはキツいことをビシバシ言ってもらって構わないんで、猫にだけは優しくしてやってください! ――ビシバシ言う相手の男もいないですけどもね! 須藤さんの『Let's 猫』って本を見たときは、店頭で悶えましたよ。  ああ~、もう、ね、うれしいです! ――うちは実家に犬が1匹と猫が2匹で......。  いいですね~! ――あと、一人暮らしの部屋にも猫1匹で、うちの猫は模様が須藤さんちのプーちゃんと似てて......。  本当に? かわいいですねぇ~、名前はなんて? ――えへへ、うちは朔ちゃんっていって、アメショで......(以下、猫トークにて時間終了)。  須藤さん、本当にありがとうございました! (取材・構成=小明) ●すどう・げんき 1978年、東京都生まれ。拓殖短期大学卒業後に格闘家としてデビュー。02年から06年まで「K-1」を主戦場に活躍。現在、拓殖大学でレスリング部の監督を務 める傍ら、作家・タレント・ミュージシャンなどとして幅広い活動を続けている。09年にはダンスパフォーマンスユニット「WORLD ORDER」を立ち上げ、そのPVは海外からも注目を集めている。(http://www.youtube.com/user/crnaviofficial●あかり 1985年栃木県生まれ。02年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
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美は肉体に宿る 須藤元気、とは。 amazon_associate_logo.jpg
小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」(前編)

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 モテない、金ない、華もない......負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第23回のゲストは、新刊『今日が残りの人生最初の日』(講談社)を上梓された須藤元気さんです! [今回のお悩み] 「もう運命的な出会いが欲しい......」 ――すいません、バレンタインなんて大切な日に、こんな意味の分からない女の相談に乗らせてしまって!(2011年2月14日収録) これ、お荷物にならなければ......(チョコを渡す)。  わぁ! すいません、お気遣いを。 ――いえいえ、とんでもない。私、女子高だったんですけど、クラスで須藤さんの人気、すごかったんですよ。「強いしかっこいい!」って。まさかこうしてチョコを手渡しできる日が来るとは......!  いやいやいや......(困惑して)。 ――なのに、須藤さんの本には「学生時代は全然モテなかった」とか「二次元の女性が好き」って書いてあって、そんなもん絶対ウソじゃないですか!  全然、どうしようもなかったです......。女性とあまり話せなくて、初恋の子も、中1から3年間、一言も口を聞けないまま卒業の時に告白して撃沈したっていう。そりゃ一言も話さなかったら無理ですよね。 ――コンタクトゼロで告白は、むしろ勇気ありますね......。須藤さんは確か高校時代も3年間同じ女性に片思いしてフラれちゃったみたいですけど、著書によると、その後は有名になってタレントさんやモデルさんともお付き合いされてたわけじゃないですか。そういう華やかな方々とのお付き合いはどうでしたか?  楽しかったですね(笑)。それまでは、「モテたい!」と思って学生時代にナンパとかコンパもしましたけど、全然ダメでしたから(笑)。 ――割とアクティブに活動したのにダメって、何もせずにダメなことよりキツいですね?  そうなんですよ、やっぱり、空気が読めないからでしょうね。今もそんなには変わらないんですけど。本当にモテなかった反動で、「まず付き合おう!」ってなってしまって......有名になれば来る人も多いじゃないですか? それを拒まずにいたら、痛い目にもたくさん遭って(笑)。 ――お付き合いしても、フラられたことの方が多いとも書かれていましたけど、なぜなんでしょう? お世辞じゃなく、そんなふうには見えないんですが......。  そうですね、基本的に、僕オカシイですからね。う~ん、自分でも思うんですけど、頭オカシイですね。お付き合いすると分かると思います。 ――アハハ(じゃあ付き合ってくれと、のどまで出かかる)。私も基本フラれる側で、しかもその理由が「バカすぎる」とかなんですよ。  そうなんですか? でも、バカだったらライターは出来ませんから(笑)。 ――いや、正直、グラビアアイドルでデビューして、さっぱり売れませんで。流れ流れて現状なんで、そのアイドル的な冠がなかったらライターだってそうとう厳しいもんで......もう、日々ぐるぐる葛藤してますよ。  大丈夫ですよ。アイドルだけだとたくさんいますけど、そこでライターとして文章が書けるのは、それで差別化されているわけですから。 ――でも、それは完全な逃げじゃないですか......アイドルでやっていけないからライターやって、ライターでも厳しいからアイドルを捨てない、みたいな......。  逃げというか、ひとつの手法です。アイドルという主軸があるからライターとしても特殊なポジションにいる。頭が良いですよね。 ――頭が良いなんて......太字にして載せたいくらいですよ! 須藤さんは新刊の『今日が残りの人生最初の日』もそうですけど、今までもユリ・ゲラー氏と対談されてたり、『バシャール スドウゲンキ』(知的生命体バシャールとのテレパシーでの交信記録)だったり、そういう迷いから解き放たれている、崇高な印象です。  いえいえ! 僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ(笑)! でも、人間の魅力は振り幅ですからね。僕も現役時代に本を出して、「格闘家なのに本を出した」っていう振り幅があって。まず本を出せたのも、格闘技という主軸があったからやれてたんですよ。引退してからも書いてますけどね(笑)。 ――須藤さんの本って、もっと難しい精神論が書かれてるのかと思ってたんですけれど、意外と分かりやすくてびっくりしました。私の姉も一時期スピリチュアルにハマってかなり啓蒙されたんですけれど、「ギルツとタルキムスが......」とか、とにかく用語が難解すぎて「姉が違う星の生物になった......」って感じでしたもん。このくらい分かりやすく説明してくれたら、もう少し分かり合えただろうに......。  いやいや。小明さんもそういうことに興味はあるんですか? ――私はそんなにガッツリではないんですけど、"言霊"みたいなものはあると思っていて。私はすごくネガティブな性格で、いつも、「もうダメだー!」みたいなことを思ったり口に出したりしてしまうんです。そうすると本当にどんどんダメになっちゃって、精神的にキテる時は、ある人が憎すぎて「アイツを呪い殺したい......!」と日々悶々としてたら、「あの人、入院したらしいよ」って人づてに聞いて......。偶然だとは思いつつ、「すごい! 呪いが効いた!」と喜んでいたら、そのすぐ後に自分にも悪いことが起きて......。「人を呪わば穴二つ」とは言いますが、やっぱり自分の投げたボールは返ってくるんだな、と。いつか自分の邪気で自分が死にそうで、なんかもう怖いです。  ......そうなんですか(引き気味に)。 ――そこで須藤さんの本を読んだら、「人の悪口を言いたくなったら、その真逆の褒め言葉に変えてみる」っていうのがあって、なるほどな、と。「お前を一生呪ってやる!」だったら、「お前を一生祝ってやる!」でしょ? これは愉快ですよね。  言葉を変えるのは良いですね。思考のエネルギーより言語のエネルギーの方が強いので、言葉を変えることによって思考パターンが変わりますから。言葉にするとき、一回溜める。思考というのはずっと垂れ流しで考えていますけど、言葉っていうのは一回ワンクッション置けるんですよ。その言葉を言うべきか言わないか、いったん考える訓練をすると、自然に考えてから言えるようになってきて。言葉をコントロールしていくと、思考は変わります。 ――今の私の活動は、Ustreamとかニコニコ動画とか、ネットを使ったものが多いんです。そうすると、ネットの書き込みってストレートなんですよね、いいことも、悪いことも。私はネガティブな性格上、悪いことばっかり気になっちゃうんです。須藤さんも、ネットの掲示板の書き込みに一喜一憂していた時期があるんですよね。  デビューして10年たちますけど、当時はまだネットがそこまで普及していなかったので、一つ一つの書き込みが重かったんですよね。今は誰でも書いてますから、100人いれば100人の考え方が違うので、それをすべて受け取る必要はないですよ。それに小明さんの場合は、それも愛情表現じゃないですか? ――そうなのかなぁ、もっと甘いお菓子を与えるとかの愛情表現がいいなぁ。  アハハ(笑)。関心を持たれるっていうのは、そういうことですから。書いている人に小明さんという存在が引っ掛かっているから書き込みをするのであって、引っ掛からない人の方が多いですからね。 ――ああ、そういえばデビュー当時、「2ちゃんねるというものがあって、芸能人はそこにいろんなことが書かれているらしい」って知って、「最近デビューした小明って子、いいよね」とか書いてないかなぁ、と甘い期待をして検索してみたら、自分のスレッドすらなかったっていう悲しい出来事がありました。あのころと比べてみれば、マシなんですね、現状は。  良かれ悪しかれ、こういった仕事っていうのはネットに書かれるうちが花だと思った方が。それでネガティブなものは、その人の投影なので、結局は発言者自身の心の叫びなんですよ。満たされないから人を批判して、それで満たされると思っても、結局は満たされない。書き込む人が一番嫌いなのは、自分自身なんですよね、実は。 (後編につづく/取材・構成=小明) ●すどう・げんき 1978年、東京都生まれ。拓殖短期大学卒業後に格闘家としてデビュー。02年から06年まで「K-1」を主戦場に活躍。現在、拓殖大学でレスリング部の監督を務 める傍ら、作家・タレント・ミュージシャンなどとして幅広い活動を続けている。09年にはダンスパフォーマンスユニット「WORLD ORDER」を立ち上げ、そのPVは海外からも注目を集めている。(http://www.youtube.com/user/crnaviofficial●あかり 1985年栃木県生まれ。02年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
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小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

新聞・テレビが伝えない 週刊誌"震災特集"の底力

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「週刊文春」3月31日号
スクープ大賞 「大震災関連特集」(「週刊文春」3月31日号)  日本テレビ会長の氏家齊一郎さんが3月28日、多臓器不全のため亡くなった。享年84歳。  氏家さんとはずいぶん長くお付き合いさせてもらった。読売新聞の経済部長、広告局長などを歴任し、「カミソリ氏家」とうたわれるほどの切れ者で、務臺光雄会長(当時)の後継者だと言われていた。  しかし、自分の座を脅かす存在になってきた氏家さんに、務臺会長はおびえ、日本テレビの副社長に降格させ、さらに、そこからも追い出してしまう。  務臺氏が亡くなり、1992年に日本テレビの社長に返り咲くまで、氏家さんは長い浪人生活が続いた。そのころに取材で知り合い、私のことを気に入ったのか、「おい、モッちゃん、呑まないか」とよく声が掛かり、一緒に呑んだものだった。  不遇の時に知り合ったためか、社長になってからも数カ月に一度は杯を交わし、「ナベツネ(渡邉恒雄・読売新聞主筆)は表の顔、政界の裏工作は俺がやってるんだ」と、政界の裏話を聞かせてくれた。  フジテレビを抜いて視聴率三冠王を奪い取った時、好調の秘訣はと聞くと、「オレは何も分かんねぇから、口を出さないことだ」と言ってニヤッと笑った。  だいぶ前に、氏家さんから「政界秘話」を本にする了解をもらっていたのに、約束を果たすことができなかったのが心残りである。いくつになっても背筋のピンとした格好いい人だった。  さて、福島原発の危機が日を追うごとに深刻になっている。いくら枝野官房長官が「ただちに健康への重大な影響はない」とバカのひとつ覚えのように繰り返しても、国民の大多数は、聞けば聞くほど、不信感と不安感が深まるばかりである。このままでは、日本人総うつ状態になってしまう。  先週号「ポスト」の「日本を信じよう」というコピーは共感を呼んだが、原発危機については何を信じればいいのだろうか。  「朝日」で始まった広瀬隆氏の緊急連載「原発破局を阻止せよ!」を読むと、「体内被曝」の恐ろしさに震え、すぐにでも海外逃亡したくなる。  そうした危機をあおる記事の多い中で、「ポスト」は「新聞・テレビも間違いだらけ『放射能と人体』本当の話」で、「甲状腺がんを誘発するというヨウ素131は、40歳以上は心配しなくていい」「セシウム137は数カ月もすれば体外に排出される」「チェルノブイリ原発事故では、放射性物質や核燃料で死亡した住民はいなかった。汚染された食料を子どもたちが食べてしまったために、甲状腺がんの発生率が激増したが、この病気は治癒できるため2006年時点で死亡したのは15人だった」「被曝者から生まれた子どもの死亡率、染色体異常の発生率、身長・体重などの異常は『全く認められない』という結論が出ている」「今回の事故処理に従事した東電社員より宇宙飛行士のほうが多く被曝している」などと書いている。  確かに生半可な知識で恐怖心をあおるべきではないが、これでは、放射能なんて心配することはないといわんばかりで、政府と東電の記事広告かと見紛うばかりである。「ポスト」さんどうしたの?  「ポスト」の記事はまれで、政府と東電と原子力安全・保安院の大本営発表と、テレビに出ている御用学者の真実から目をそらすコメントがけしからんという週刊誌が圧倒的である。  ならば、御用学者たち(NHKの山崎淑行科学文化部記者か水野倫之解説委員でもいい)と、それを痛烈に批判している広瀬氏やフォトジャーナリスト・広河隆一氏、元原子炉設計者で科学ライター・田中三彦氏らとの「激論対談」を誌上でやってほしいね。  福島原発の現状はどこまで深刻で、これからどう推移するのか。本当に5年後10年後に、健康被害は心配ないのか。原発がなければ日本の電力は賄えないのか否かを、雑誌の全ページ使ってやれば、みんな競って買うと思う。  「現代」の「外国人記者が見た『この国のメンタリティ』『優しすぎる日本人へ』」は好企画である。被災地を取材した外国メディアの記者たちは、多くの日本人があきらめではない、ピンチの時こそ一つになろうという意味で「仕方ない」という言葉を使って、必死で耐えていることに感銘を受けたとある。  そう、この世は仕方ないことばかりなのだ。現状を受け入れる潔さ、諦観こそ日本人の美徳ではある。  だが、その内向的な性向は、原発問題について、「日本政府の対応には問題があるし、日本政府の情報は信用できない。それなのに、日本人は政府を非難しようともしない」し、無責任な対応をする東電に対しても、「不思議と日本のメディアや国民の多くは、東電の責任追及を行う気がないようにも見えます」(「ニューヨーク・タイムズ」東京支局長マーティン・ファクラー氏)。こうした国難の時、優しすぎるのは美徳ではない。  今週のスクープ大賞は、「文春」の大震災関連特集にあげたい。質量ともに他誌を圧している。  巻頭の「御用メディアが絶対に報じない 東京電力の『大罪』」には、「自殺説も流れた清水東電社長」「『津波で原発の8割がダメになる』放置された致命的な欠陥」「佐藤栄佐久・前福島県知事決定的証言『東電が副知事を脅迫した!』」「首相を無視して直接米軍に支援を要請」「内部告発もモミ消す経産省、原子力保安院との黒い癒着」や青沼陽一郎氏のルポ「原発20キロ圏『見捨てられた町』を行く」もいい。  石原慎太郎氏の直言「菅総理はさかんに現地視察に行きたがっているが、市民運動家というのは、やはり御用聞きなんですな。『何かお困りのことはありませんか』と町内を回るだけで、大所高所からのリーダーシップや構想力を持ち合わせていない」は、言い得て妙である。  また一本一本が短いのが残念だが、「震災で消えた『16の事件簿』」もいい。「みずほ銀行ATM停止」「大相撲夏場所」「7月地デジ」「NZ地震」「千葉・鳥インフルエンザ」など、忘れてはいけないことがある。  こういう新聞、テレビがものを言えないときこそ、週刊誌の出番である。有事に強い週刊誌の底力を発揮して、国民の疑問に答えてくれ。 (文=元木昌彦) 
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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