「ヒーローは宮崎駿と奈良美智」シンガポールの多重人格アーティスト

ten-years-of-work-for-every.jpg
「Ten Years Of Work For Every Minute On Stage」(C) MessyMsxi
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第18回 アーティスト/イラストレーター MessyMsxi(メッシー・ミス シー)  シンガポールで活躍するアーティスト&イラストレーター、MessyMsxi(メッシー・ミス シー)。さまざまなスタイルを駆使して描かれた彼女の作品のテーマは、私たちのごく身近にある食のスタイルや肥満への悩みから、世界的な環境問題まで、驚くほどレンジが広い。こうしたテーマに光を当てる理由は、「まず自分に刺さってくる話題」を描くことが、彼女にとって一番しっくりくる手段だからだという。  「日本文化との遭遇」の思い出を、MessyMsxiは楽しそうに語ってくれた。 「子どものころ、両親はオーチャード・ロード(シンガポールの目抜き通り)界隈で働いていました。高島屋シンガポール店がオープンしたてのころです。毎週末、そこにある日系スーパーマーケットに出掛けては、日本のスナックやキャンディーのパッケージに目を輝かせたものです。私にとっては、パッケージのイラストやデザインそのものが宝物のように思えました。でも、実はお散歩コースの中で一番のお気に入りは、スーパーの後に必ず行く、ハロー・キティやマイ・メロディ、バッドばつ丸のおもちゃや文房具であふれたサンリオ・ショップです。子どもですから、高いものには手が届かず、お小遣いが入るたびに、小さなシールやら鉛筆やらをちょっとずつ買い集めていました」
51QNjf+qXWL._SL500_AA300_.jpg
『千と千尋の神隠し』
(ブエナ・ビスタ・ホーム・
エンターテイメント)
 そんな彼女は、日本にヒーローが2人いるという。 「漫画は特に好きではないのですが、宮崎駿だけは別です。『千と千尋の神隠し』は、もう7、8回は見たでしょうか。見るたびに新しいメッセージを発見しては驚いています。彼の作品はどれも、隠された意味が層をなし、たくさんの視点が織り込まれています。コンセプトも新鮮で、本当にわくわくします」  もう一人のヒーローであるアーティストの奈良美智にいたっては、彼の持説である「始めたころの精神を忘れるな」という言葉に感動し、17歳の時からそれに従って生きて来たという。
junk_food_benny_1s.jpg 
junk_food_benny_7s.jpg junk_food_benny_8s.jpg
<画像をクリックすると拡大します>
「Junk Food Benny」(C) MessyMsxi
 SMAPが出演するSoftBankのCMでも、とびきりゴージャスで景気のいいシーンが登場するなど、シンガポールは今、日本でも最も注目を浴びている場所の一つだ。この場所に対するMissMsxiの視点は、しかし、冷静そのものだ。 「守られた環境で、お粗末な金メッキのかごに入れられているような感じがして、時々イラっとくるんです。この都市の安全な現代性がもたらす単調さは、私たちの創造性を枠にはめてしまいかねません」  彼女は、予測不能な環境の中でこそ、人は変化に対して敏感になり、日々の生活の絶え間ない流れを漂う創造力が生まれてくるのでは、という。
Coccogelo_2.jpg
「coccogelo」(C) MessyMsxi
An-effort-most-futile-_1.jpg
「An Effort Most Futile」(C) MessyMsxi
「もちろん、シンガポールでアーティスト/イラストレーターであることは、確かにそれだけでアドバンテージがあります。ここでの活動は、以前イギリスにいたころより、遥かに大きなものを私にもたらしましたし。そうはいっても、どこにいようと、私の作品は、ある主題への共感から生まれるものですし、結果、多くの人々にインスピレーションを与えるものでありたいと思っています」  今、手掛けているプロジェクトのテーマは「Breakfast(朝食)」。 「実は、"朝食大事主義者"なんです。新しい1日に向かって、自分を準備するための"ウェルカム・ミール"を食べることが、単純に大好きということなのですが」  朝食もまた、彼女に「刺さってきた」テーマなのだ。ちょっとユニークな「朝食プロジェクト」が彼女によってどのように調理されていくのか、報告が待ち遠しい。 (取材・文=中西多香[ASHU]) mmm.jpg ●MessyMsxi アーティスト、イラストレーター。シンガポール生まれ。2006年、シンガポール政府の奨学金を得て、ロンドンのセントラル・セント・マーチンズでイラストレーションを専攻。2010年、ロンドン・クリエイティブ・インターナショナル・コンペティションの「New Talent of Year」を受賞。同年、シンガポールのJUICEマガジンより「Best Illustrator 2010」を受賞する。現在はシンガポールをベースに、フルタイムのアーティスト、イラストレーターとして活動中。 <http://www.messymsxi.com/> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
千と千尋の神隠し 世界の名作。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.17】「ルーツは『天空の城 ラピュタ』」ウォン・カーウァイに見い出された香港の若き才能 【vol.16】怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回る! ヤン・ウェイの妖魔的異界 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

ともちんに続きあっちゃんも公開処刑? 『イケパラ』大コケでAKB48人気は失速か(7月下旬の人気記事)

ranking110803.jpg  高岡蒼甫のフジテレビ批判が世間を騒がせていますが、むしろ、想像以上に多くの人がテレビを見ているという事実にビックリさせられました。"若者のテレビ離れが加速している"なんて常套句がいたるところで聞かれますが、みんなやっぱりテレビっ子なんですね。  ということで、7月下旬は高岡騒動の他、あっちゃん主演の『イケパラ』の低視聴率っぷりや、先日不可解な死を遂げた元X・TAIJI氏の記事が人気を集めました。  それでは、人気記事ランキングをご覧ください! 第1位 視聴率が6%に急落『イケメン☆パラダイス』があぶり出す現代の連ドラの問題点 打ち切り間近? 第2位 人気バラエティー番組出演目前に......"自殺未遂"報道の元X・TAIJI、衝撃の半生 他殺の可能性も......? 第3位 フジロック「出演拒否」騒動の制服向上委員会 実は公式オファーなかった...... これが売名行為ってヤツっすね。 第4位 大河ドラマ『八重の桜』綾瀬はるかキャスティングに見るNHK上層部の癒着体質 日本人は仲良しごっこが大好き♪ 第5位 「韓国のTV局かと思う事も」宮崎あおいの夫・高岡蒼甫がTwitterでフジテレビ批判 あおいちゃん、どうするの? 次点 嵐のメタボ二宮和也 ファンが「佐々木希との破局を求める署名」120人分を事務所に送付 ファンにとっては一大事! 次々点 「ついに主演ドラマがゼロに!」テレビドラマ界の"ジャニーズ離れ"が止まらない!? だってみんなダイコンなんだもん。

お坊さんは隠れた名カウンセラー? お寺で人生相談

tera01.jpg
悩みを聞いて下さった野坂さんと。
ひたすら励まされ続けた1時間
お坊さんは励ましのプロでした。
ゆるいものならなんでも大好き♪ ロリ顔ライター・朝井麻由美が気になるスポットをご案内します。  このところ、にわかに仏教旋風が巻き起こっています。「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)7月2日号では「仏教・神道 大解剖」の大特集を、「週刊SPA!」(扶桑社)7月19日号でも「ブームの[仏教プチ修行]をやってみた!」の特集が組まれていました。ならば私も流行に乗っかって、何らかの仏教に触れたい! 煩悩を振り払いたい! ご利益にあやかりたい! そしてゆくゆくはバラ色の人生を送りたい! そんな不純な動機から今回の"散歩場所"に選んだのは「日蓮宗大本山 池上本門寺」。お目当ては、誰でも無料で受けられるという「人生相談」です。  早速、意気揚々と電話予約を入れようとしたところ、"取材"と伝えた途端、先方の声色が変わり、しぶられてしまいました。 お寺の担当者 「私どもの"人生相談"を、面白おかしく記事という形で多くの人に広められるのはいかがなものかと思いまして。というのも、"人生相談"には、みなさん深刻に悩んだ末にいらっしゃるので」  ......ごもっとも。ぐうの音も出ません。「そこをなんとか!」と、もう少し食い下がってみたところ、 お寺の担当者 「そうですね、あなた自身に本当に相談したい悩みごとがあるのであれば、お断りすることはできませんし......。なので、いらっしゃるからには冷やかしではなく、ちゃんと悩みを相談して下さいね」  どうにかお許しを得られて一安心。言いつけ通り、本気で悩みを相談してきます!
tera02.jpg
この大きな門をくぐって人生相談をしに行く、のではなく、
門の前の道を右に進み、お寺に併設されている施設「朗子会館」で
お坊さんが相談に乗って下さいます。
 人生相談の会場である「日蓮宗大本山 池上本門寺」の「朗子会館」に足を踏み入れると、学校の教室のような部屋に通されました。祭壇や仏具に囲まれて正座をしながら粛々と悩みを語る、といったイメージを抱いていたのですが、良くも悪くも"お寺らしさゼロ"の空間です。
tera03.jpg
放課後の教室を彷彿とさせる部屋。
この懐かしい感じのする空間は、悩み相談には最適かも?
 さて、今回ガチで相談する悩みのテーマは、"ライターをやっていて悶々としたこと"です。「冷やかしではなく、ちゃんと悩みを相談して下さいね」とのお達しをいいことに、自分の中のヘタレで気弱な部分をこれでもかとぶつけてしまいましょう。この気持ちを受け止めて、お坊さん!
tera04.jpg
流行りのTwitter日本語ハッシュタグ風に言えば、
「#ライターあるある」な内容です。
――えーと、仕事柄、書いた記事に辛らつな批判コメントをいただくことがたまにありまして......。紙媒体だとそうでもないですが、Webの記事だと特に。 池上本門寺・野坂法行さん(以下、野坂) 「なるほど。でも、あなたが書いた記事は、あなたの持ってる感性が捉えたことだから、人にとやかく言われるものではないでしょう。批判されるのは、それだけ注目されてるってことなんだから、喜べばいいんじゃない?」 ――手放しで喜べるほどメンタルがタフではないんです(泣)。しかも、私は有益でジャーナリスティックなことを書いているわけではなく、お気楽なエンタメ系の記事を担当することが多いので、例えば、「コイツこんなの書いて金もらってるのかよ」という類のコメントを書き込まれると、かなりグサッとくるんですよ。 野坂 「お気楽なエンタメ系と言っても、書くからには読者を楽しませようと思いながら書いてるわけでしょう?」 ――それはもちろんです! 野坂 「そういった批判コメントの中にも、悪意を持って書き込まれているものとそうでないものがあるはず。前者は、ただ単に読み手が感情的になって批判しているだけだから、それはスルーしてしまえばいい。でも、中には「痛いところ突かれた!」という鋭い意見もあるかもしれないね。そういう意見は素直に認めて、それを栄養として、人間的に成長していけるわけだから、『いい指摘をくれてありがとう』と大きい度量を持って受け止めればいいんです」 ――そうですよね......。ただ、自分の名前を出して書いてる分、乱暴な言葉を浴びせられたときの落ち込みもまたひとしおで。 野坂 「でも、編集部の人が『あなたに書いてほしい』と思ってあなたに依頼しているわけだからね。自信を持っていい。特に、インターネットは顔が見えない分、人間の悪意や凶暴性が表出しやすい特性があるから」 ――はい......。とはいえ、批判コメントを書き込む方々は、私の書いた記事の何らかの部分が気に入らなかったわけですよね。批判をスルーするばかりで、そういう反対意見や相容れない考え方を無視してはいけないな、とも思うのです。 野坂 「まあ、だからって、書いた記事に対して、100%の人が同意してくれるってことはあり得ないよね。何をやっても、どんなものを書いても、反対意見を持つ人は必ず出てくる。結局、朝井さんはあなたらしく書いて、あなたらしく生きる、それしかないですよ。自分が心から思うこと、心から納得してることを書けばいい。それが、あなたという人間なのだから」  ライターに限らず、ネット上で何かを発表する人にとって、この悩みはつきものかもしれません。私も、"ライター"を名乗っているからには、ウジウジと悩まずに、日々、筆を進めてゆきたい所存です。グスッ。 ●自信回復度 ★★★★☆ 終始イジイジとヘタレ感満載の今回でしたが、お坊さんに話を聞いていただいた直後の気持ちの軽さときたら! 野坂さんは「お坊さんは檀家さんの愚痴や悩みを普段から聞いているので、名カウンセラーなんですよ(ドヤッ)」と豪語していましたが、まさしく。御見それいたしました。 ●日蓮宗大本山 池上本門寺 <http://honmonji.jp/index.html> 人生相談を受けたい場合は、HPに記載されている電話またはフォームから予約。その際に、大まかな相談内容を伝えた上で、日程の調整を行う。相談の内容によって、最も適任なお坊さんをあてがってくれる。 ※今回は、記事にする都合上ライター朝井自身の悩みの内容を公開しましたが、本来、ここの人生相談で話した内容には秘匿の義務があるため、外部に流出することは一切ありません。 (取材・文・写真=朝井麻由美)
哲学としての仏教 こんなご時世、頼るべきは宗教? amazon_associate_logo.jpg
【散歩師・朝井がゆく!】バックナンバー 【vol.4】"ライター"のプライドを懸けて「売り込みナイト」にガチで挑戦! 【vol.3】なんとも言えない高揚感に体が火照る!? 話題のアニソンバーで熱唱! 【vol.2】ベタなトルコをお気軽エンジョイ! 「東京ジャーミイ&トルコ文化センター」 【vol.1】サブカルイベントゆえのゆるさ!? 『ART MAP in 阿佐ヶ谷』を歩いてみた

献心的に尽くした前妻よりもやっぱり若い娘? 加藤茶、ギョーテンの45歳差婚!

motoki110801.jpg
「週刊ポスト」8月12日号 中吊り広告より
第1位 「加藤茶が、23歳美女と再婚していた」(「週刊ポスト」8月12日号) 第2位 「石川遼『書類送検』父勝美氏が女性記者を恫喝した!」(「週刊文春」8月4日号) 第3位 「行き先が明確な『寄付金』『義援金』『ファンド』」(「週刊現代」8月13日号)  今週は大ネタ(大特集)に見るべきものがない。  巻頭の特集を並べてみると「菅直人と朝日新聞の薄気味悪い『交響曲』」(「週刊ポスト」)、「『放射能汚染牛』宮城県第一号農家が告発する『致命的な無策』」(「週刊文春」)、「新聞・テレビが報じない中国『恐怖の新幹線』その裏側で」(「週刊現代」)、「プロ13人が注目する31銘柄 日本株来年には1万5千円も!」(「週刊朝日」)、「『仙谷由人官房副長官』に『疑惑の金』の動かぬ証拠」(「週刊新潮」)、「『汚染がれきが』が拡散する」(「AERA」)、「『総理・代表』分離論浮上 菅が橋下府知事と手を組む」(「サンデー毎日」)。  「新潮」を除けば、どれもタイトルを見れば内容が類推できるものばかりである。今どき「朝日」がやっている株の記事を読むのはどんな読者なのだろう。私のような由緒正しい貧乏人の関心の埒外にある記事であることは間違いない。  「新潮」の記事は、2010年4月20日に、不動産の業界団体である「社団法人 全日本不動産協会」から仙谷由人の個人口座に「大臣就任祝金」として20万円が振り込まれていたという告発記事である。  これが政治資金規正法で禁止されている「個人献金」に当たるのではないかというのだ。興味がある方は読まれたらどうか。私には、仙谷由人という人間は、策士策に溺れるタイプで、一時もてはやされたような「政界のドン」になれる力量があるとは思えない。  「ポスト」の記事は、朝日新聞がこのところ菅直人首相"擁護"の論陣を張り、「お庭番」のようになっていると批判する。  朝日幹部は菅とたびたび会い、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)のアメリカ追随、脱原発路線(3.11以前は菅も朝日も原発推進派だった)、消費税10%増税支持と、菅と一体になったかのような論調は大メディアとしていかがなものかと指弾している。  「ポスト」の朝日新聞批判は聞くべきところが多いと思うが、批判だけで終わってしまっているのが物足りない。もう一歩突っ込んでほしいものだ。  今週の3位は、東日本大震災でかなりの額の義援金が集まったが、そのおカネがなかなか被災者に届かない、ならば、どうしたらいいかという「現代」のひと味違った切り口の記事である。  将来、医療人を目指す高校生や専門学校生を対象に、毎月1万5,000円を3年間にわたり支給(返還不要)する「NPO法人AMDA(アムダ)」。  宮城県女川にコンテナハウスを26棟設置し、そのうち8棟を「おながわコンテナ村商店街」としてオープンさせた「NPO法人難民を助ける会」も、自分が寄付したおカネが目に見えるかたちで使われるのが分かるという点では、ユニークな活動だ。  独自に除染や放射線量調査を行っている「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」などもある。  楽天やアマゾンがやっている支援は、被災地の学校などがネット上に要望するものを載せ、それを一般の消費者が代わりに購入するサービスである。  飯舘村を長期的に支援していこうという「NPO法人エコロジー・アーキスケープ」。NPOバンクを利用して、地元の木材と工務店を使って、冬までに仮設ではない住宅を提供するファンド「天然住宅バンク」などもある。  日本赤十字のように3,000億円近い義援金を集めるところもあるが、自分のおカネがどのように使われたのかを知ることはできない。たとえわずかなおカネでも、目に見えるというのはうれしいものである。  もちろん、ネット上には詐欺を目的にしたサイトも多くある。小さな善意を生かすために、ここにリストアップされているところを参考にしたらいかがだろう。  第2位は、無免許運転をスクープした「文春」が、またまた石川遼の父親に噛みついた記事。  日曜日(7月31日)に終わったサン・クロレラクラシックは池田勇太が接戦をものにしたが、石川は今期3度目の予選落ちだった。  今一つ波に乗れない今期の石川だが、その理由の一つに、無免許運転を指摘され、埼玉地裁に書類送検(7月20日)されたことがあるのかもしれない。  かつてはイチローや横峰さくらのパパが出しゃばりすぎてひんしゅくを買ったが、いまは遼パパがダントツであろう。  書類送検の件で聞こうと集まった記者たちに、試合中だから聞くなというのは理解できるとしても、こう言い放つのはいかがなものか。 「遼がいなければ男子ゴルフなんて書くことないだろう。あなたたちは遼のおかげで原稿を書いているんだから」  さらに、こうも言った。 「こっちは、あなたたちみんなの上司を知っているんだ。俺が言えば、ゴルフ担当から外すことだってできるんだ」  自宅近くでコメントをとろうとしていた全国紙の女性記者には、名刺を出させ、顔写真を撮った後「これからあんたに付きまとって、嫌がらせしますからね」と"脅迫行為"まがいのことまでやったそうである。  この遼パパの方こそ、息子のおかげでいまの自分があることを忘れているようだ。  それにしても、全英リコー女子オープンで優勝した台湾のヤニ・ツェンは強かった。女の中に一人だけ男が混じっているような力強いスイングと300ヤードの飛距離。いま石川遼とマッチプレーをやっても勝てるんじゃないかな。  今週のグランプリは、「ポスト」の加藤茶(68)再婚スクープ。再婚した妻は23歳、年の差は45歳になる。  7月8日号で映画監督・鈴木清順(88)が48歳年下の女性と結婚していたことをスッパ抜いたのも「ポスト」だった。年寄りの色恋に強い記者でもいるのだろうか。  彼女は広島出身で、地元で幅広く会社経営をしている名家だそうで、結婚式や披露宴はやらなかったそうだが、親戚を大勢招いて結納をしたという。  それにしても加藤は、5年前に解離性大動脈瘤という難病に罹り、生死の境をさまよった。その時、親身になって看病し、見舞客の応対をしたのは離婚した前妻だった。  退院後も、前妻に炊事洗濯までしてもらっていたが、彼女との結婚が決まってからは「一線を引くことにした」そうだ。  昭和の笑いを引っ張ってきた盟友・志村けん(61)も独身で、夜ごと女性同伴で飲み歩いているようだが、こちらも周囲に「結婚願望」を語り始めているという。  私はこの二人のファンである。円熟味を増し、チャップリンの『街の灯』のような、ペーソス溢れる喜劇を見せてくれるのではないかと期待している。 (文=元木昌彦)
motokikinnei.jpg
撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
ズンドコ伝説 またひとつアップデート。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 元・名物編集長がエール「山本太郎よ、日本のジョージ・クルーニーを目指せ」 あおり派週刊誌に宣戦布告!? 「ポスト」覚悟の総力大特集、その中身とは? 「井戸端会議で話題にもできない」"ホットスポット"で闘う母親たちの苦悩

「その名もEXILEピラミッド!」EXILEが一大帝国を形成 芸能界を席巻か?

exiledance0727.jpg
ピラミッドの頂点に立っていらしゃる
EXILEのみなさんです。
 今年も11月26日の京セラドームを皮切りに5大ドームツアーが決まるなど、隆盛を誇る14人組のヴォーカル&ダンスユニット・EXILE。そんな彼らが"EXILEピラミッド"として、ジャニーズ帝国のような一大エンタテインメント集団を形成しつつあるという。 「EXILEはJ Soul Brothersとして1999年に活動を開始し、01年にEXILEに改名。09年に、07年に結成された二代目J Soul Brothersが合流。14人グループとなりました。その後、一部のメンバーが二代目と重複する三代目J Soul Brothersを結成。ドラマ『検事・鬼島平八郎』(テレビ朝日系)の主題歌に起用されたシングル『On Your Mark~ヒカリのキセキ~』(rhythm zone)は週間チャート3位を記録しました。また、EXILEは、ヴォーカル&ダンサー養成学校・EXPGを04年から開設しており、全国7カ所と台北にも開校。その学校からこの度、10代中心の男性新グループ・GENERATIONS結成に向けて、ショッピングモールなどを回る"武者修行"を開始しました」(音楽雑誌の編集者)  ダンスグループの他に、演劇中心の「劇団EXILE」も展開。所属する青柳翔主演で人気漫画『ろくでなしBLUES』の舞台版公演を行ったが、現在同作は同じく青柳主演でドラマ化されるなど、活動は多岐にわたっている。さらに、EXILEのリーダー・HIROが代表を務める所属事務所LDHには、女性グループも所属している。 「LDHの意味であるLove、Dream、Happinessを冠したグループがおり、Loveは2人組ボーカルユニット、Dreamは00年にdreamとしてデビューしたグループが形態を変えて現在は5人組で活動。Happinessは"EXILEの妹分"として今年デビューし、平均年齢15歳ながら激しいダンスを披露。さらに、4人グループのFLOWERのボーカルオーディションを『週刊EXILE』(TBS系)で開催。いずれもダンスの実力はあるものの、アイドル的ではなく、B系のカッコイイ路線なので男性の支持層が少なく、人気もまだまだです」(同)  "EXILEピラミッド"としてダンス、歌、演劇に注力した男性グループを輩出し、また、"EXILEの妹分"を育成しているEXILE。養成学校出身者をプロに変えていくのは、ビジネスとしても有益なはずだ。各グループが互いを刺激し合い、ジャニーズ帝国あるいは、吉本興業のNSCのようなブランドを築いていけるのか、今後の展開に注視したい。
choochooダンサーかつらセット これであなたもEXILE! amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 「ギャラは交通費程度!?」志望者激増&仕事激減で苦悩するダンサー業界の実情 Jポップ界は"黒いイケメン"だらけに!? EXILEビジネスが増殖するワケ 「社長業はフェイク!?」上戸彩をゲットしたEXILE・HIROの意外な評判

男だけど女声を使いこなす"両声類"になりたい!

ryousei04.jpg
簡単そうに見えて意外と難しい!
珍奇なものをこよなく愛するライター・北村ヂンが、気になったことや場所にNGナシで体当たり取材していく【突撃取材野郎!】。第9回は、ネットで話題の両声類教室に行ってきました。 ■両声類になって自家製エロテープを作ろう!?  「両声類」という言葉をご存じだろうか。最近、ニコニコ動画などを中心に使われている言葉なのだが、まあ字面からも予想できるように、男性なのに女性のような声、逆に女性なのに男性のような声......と、両性の声を自由に使い分けることができる人、もしくはそのような人がパフォーマンスしている動画のジャンルを指して使用されている。  さて、この「両声類」。ちょろっとネットで検索をかけてもらえば多数の動画が見つけられると思うが、そのどれを見ても「えーっ、コレが男の声!? 完全に萌え&キュートな女子の声じゃん!」などとビックリしてしまうものばかり。  実はボク、エロいものを渇望して止まなかった中学生時代に、自らの裏声を駆使した女(気分の)声のアッハーンウッフーン・ボイスをテープレコーダに録音して自家製エロテープを制作していたことがあったのだが、ありゃあ、どんなに豊かな想像力をフル活用しても、ただ単に頭のおかしい童貞が「ハンハン」言ってるようにしか聞こえなかった。あのテープ、今となってはどこにいったのやら見当もつかないが、万一、実家で親なんかに発見されて聞かれちゃった日には即座に自殺したいランキング上位入賞間違いナシの代物だ。
ryousei01.jpg
「エ」はエロテープの目印でした。
 そんなことを考えていたある日、日刊サイゾーの編集K女史から「両声類になるための教室があるみたいですよ」との情報をゲット。これはまさに渡りにフネ! 突撃取材してみることにした。  さて、今回やって来たおそらく世界初・男性のための女声ボイストレーニング教室「あかねの両声類教室」は、女装した男子、いわゆる「男の娘」が接客してくれるバー「若衆バー・化粧男子」に併設されている教室とのこと。確かに普段から女装をして接客をしている人だったら、いかに女声を出すかというノウハウもバッチリ持っていそうだ。 ■男性が女声を出すための教室があった  ......ということで早速、東京・上野の裏通りにある、ちょっとアヤシゲな雑居ビルの地下にあるという教室に向かったのだが、そこで出迎えてくれたのは、清楚な雰囲気のお姉さん......なのか!? オトコノ娘バーに併設された教室なので、女装した男子がいることは予想していたのだが、それにしてもリアルに女性っぽすぎる。男!? 女!? どっち? 「どうもー、今日はよろしくお願いします!」  声を聞いてようやく......いや、まだ分からない。パッと聞いた感じでは完全に女声にしか聞こえないのだ。取材に同行したK女史に至っては「この人は女性ですよねぇ?」なんて言い出す始末。男の娘バーなんだから、ホントの女性がいるわけないだろ! と思いつつも、万一、経理か何かをやっているリアルな女性だった場合「いやあー、すごいですねえ。ホントに女の人なのかと思いましたよー」なんて言っちゃったら失礼なことこの上ナシ。  慎重に観察して男か女か見分けようとするものの、どうにもこうにも判断がつかないので、とりあえずうやむやな状態で名刺交換に持ち込むことに。すると...... わー! この人が「両声類教室」の先生・あかねさんだったのかッ! つまり男にしてこのルックス&ボイスということ。これは思った以上にガチな女声だぞ。
ryousei02.jpg
左から井上魅夜さん(♂)、あかねさん(♂)。
 驚愕したまま、講師のあかねさんと「若衆バー・化粧男子」および「両声類教室」プロデューサーである井上魅夜さん(♂)に話を聞いてみた。 --------いやあ、ビックリしました。あかねさんは、男性としてのもともとの声も高かったりするんですか。 あかね 「いや、素の声はこんな感じですからね(超・男らしい声)」 --------げっ! すごい男前な声じゃないですか。もともとそんな声なのに、普段から女声を使っていて疲れないんですか。 あかね 「今はもう、裏声と地声の区別もなく自然に出せるようになっています。声帯に負担を掛けずにこの声を出せるようにするのが目的のトレーニングですから」 --------どういうきっかけで女声を出せるようになったんですか。 あかね 「もともと女性の服を着るのが好きだったのですが、どんなに女性っぽくしていても、しゃべると男だってバレちゃうんですよ。だから女声を出せたらいいなって思って、完全に独学で試行錯誤して2年くらいかけてこの声を完成させました」 --------男性でも女声を出せるように、という「両声類教室」って面白い試みですよね。 魅夜 「昨年末に『若衆バー・化粧男子』をオープンしたんですが、お店の隣の部屋も空いていたので荷物置き場や更衣室として借りていたんですね、でも、それだけで使うのにはスペースがもったいないので、何か面白いことがやりたいなと。そこで、あかねさんがこういう声を出せるので、それを教える教室をやったら、性同一性障害で真剣に女性の声を出したいと思っている人や、カラオケで女性ボーカルの曲を歌いたい人たちに興味を持ってもらえるかなって。私自身も教えてもらいたいって思いましたからね」
ryousei03.jpg
店内に『キャンディキャンディ』のいがらしゆみこ先生の絵が飾られていました。
なんと先生の息子さんも男の娘として活動しているんだとか。
■さっそく行ったボイトレの成果は......  ではここで、あかねさんに女声を出すコツを教えてもらうことに。本気でやろうとするとすごく時間が掛かるそうなので、とりあえずさわり程度のものを。 ・自分が出すことのできる一番高い声をなるべく長く出し続ける(裏声を安定させる)。 ・自分が出すことのできる一番高い声をなるべく小さな声量で出し続ける(小さい声だと裏声がかすれてきてしまうので、それを安定させる)。 ・一番高い声から一番低い声までなめらかに音程を変える(裏声と地声の境目を目立たなくする)。 ・裏声から地声に変わるギリギリの声を持続して出し続ける(裏声、地声の境目の声を安定させる)。  初級編でのトレーニングでは、とにかく裏声と地声をどちらも同じように出せるようにする、というのがポイントらしい。まあ、話が声のことなので文字だけじゃ伝わりにくいと思い、今回は動画も撮らせてもらっているのでご覧頂きたい。  うん、我ながら完全にどーかしている映像......。コレくらい恥も外聞もなく声を出してかないとボイストレーニングにならないんでしょうが。ちなみに、カメラが手ぶれしまくっているのは、撮影をした編集K女史が、バカな声を出しているボクを見てゲラゲラ笑っていたせい。ひ、ヒドイよ。  それにしても、コツを教えてもらったわりに女声にぜーんぜんなっていないのだが、どれくらいトレーニングすればそれっぽい声を出せるようになるのだろうか。 「うーん、とりあえず半年くらい頑張ってください」  あー、半年かー。やっぱ、それくらい継続してやらないと声なんて変わらないんだろうな。  ちなみに基本的には自宅でトレーニングしてもらい、教室へは確認のために月一回くらい通ってもらうのが効率的とのこと。ボクもヒマを見て通ってみようかな。そして合コンの二次会で人気者になりたい!  余談ながら、帰り際に編集K女子が女装男子にメイクのダメ出しをされていたのには笑った。声からメイク、スタイルまで、あらゆる面においてリアル女子を凌駕している男の娘......すごい人たちです。
ryouseii01.jpg
(取材・文・写真=北村ヂン) ●あかねの両声類教室 曜日:毎週土曜日・日曜日(完全予約制) 料金:入会金2,000円、1回券 2,500円、5回券1万円 場所:スタジオ「化粧男子」(東京都・湯島) <http://cosme-boy.com/voice/
おと★娘 VOL.4 付録にスク水が付いちゃう時代。 amazon_associate_logo.jpg
●「突撃取材野郎!」バックナンバー 【第8回】SM雑誌だらけの図書館!? 風俗資料館 【第7回】 テレクラは今こんなことになっている2010 【第6回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(後編) 【第5回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(前編) 【第4回】手塚、藤子、赤塚、石ノ森......漫画界の巨匠たちも食べた伝説のラーメン屋 【第3回】「激安宿に泊まりたい!」ドヤ街で一泊1,000円代の宿に泊まってみる 【第2回】「甘酸っぱい思い出のシンボル......」僕らの愛したブルマーは今どこに 【第1回】アイドル小明と行く、サブカル魔窟『中野ブロードウェイ』

山路徹さんの至言「バラエティーが怖いようでは戦場に行けないですよ」(後編)

IMG_4286_.jpg前編はこちらから ――あの、ちなみに、もう聞かれ飽きたとは思うんですが、麻木さんと大桃さんのあの騒動で世間を賑わせていた時は、「ジゴロ」とか「ヒモ」とか、本業の戦場ジャーナリストとはまったく関係ないひどい話題で週刊誌にバンバン出てましたけど、書いてあることがほとんどデマだったっていうのは本当ですか? 山路 そうですね、それはもう、僕の不徳の致すところでもあって......。というか、ああいうことが起こると、あらためて「これをしゃべったのはあいつで、こっちの記事はあいつだな」っていうのが分かるなぁと思いました。要は、モテる奴はそういうことをしゃべらない。「どうしようもないな」って奴に限って、ベラベラしゃべるわけ。自分が不幸を背負ってると、人の不幸で笑いたくなるんですよねー。 ――耳が痛いです! 私も完全に他人を妬んでひがんで生きている側の人間ですけど、さすがにデマをリークしたりはしないですよ! ひがむだけで足は引っ張らないのがポリシーですので!! 山路 ただ、今までの人生を振り返って、僕はわりかし同性からは嫌われてるんですよ。例えば僕が『ニュースステーション』(テレビ朝日系)にいた時は久米宏さん、『ニュース23』(TBS系)の時は筑紫哲也さんや鳥越俊太郎さん、そういう目上の人たちが僕をかわいがってくれて、引き上げてくれたのね。それが同世代の人たちは気に入らないみたいですよ、何でかね? 僕なんかいつも自分のことで精いっぱいで、わざわざ他人に関心をもつ余裕も時間もないですよ。だって、つまらないでしょ? 他人のことなんて。 ――まぁ、自分の人生がつまらなすぎると、人の不幸に乗っかるという嫌な遊びをするようになるんですよ、心の貧しい人は......。それにしたって、ミャンマーで身柄拘束までされてたのに、ぜんぜん関係ないところで話題になってびっくりされたんじゃないですか? 山路 そうですよ、本業の方がずっと公益性が高い内容なのに、そっちはほとんど報道してくれなくて、僕らの個人的な、まったくもって下世話な、犬も食わないようなものばかりを(笑)。 ――テレビの前でせんべい食べながら「最低~」って言いやすいからでしょうね。まぁ、私も見てたんですが。 山路 ははは。でも、そういう「最低~」って言ってホッとしたり、ストレスを解消したりする人が少なからずいるってことですからね。メディアというのは、世の中を映す鏡ですし、それが今の日本なのかな......。 ――特に「週刊文春」(文藝春秋)は「最低の戦場ジャーナリスト」なんて言ってずいぶんいろんなバッシングをしてましたけれど、コンビニの18禁棚にあるゴシップ誌ならまだしも、あんなしっかりとした名前のある雑誌に書かれたら、つい信じてしまいますよ! 山路 週刊誌はね、多かれ少なかれそういうところはありますよ。でも、これも経験だなって。テレビもそうですよ。報道番組でも「あ、そんないいかげんなこと言うんだ」ってこともありますし。痴漢の冤罪なんかもそうですよね。裁判官が下した有罪判決が間違いということは、被告にしか分からない。だから、僕が最近思うのは、すべてのストレスや悩みの根源は、「自分を分かってもらえない」という部分が大多数なんですよ。「分かってほしい」「なのに分かってくれない」という気持ち。恋人同士や家族にしても、個人と世間にしても、もう「分かってもらう」ってこと自体が無理。そういう気持ちを捨てたら、ものすごく楽になりますよ! ――うーん、でも、そんなに簡単に捨てられますか? それってすごく難しくて寂しいような......。 山路 だって、いくら説明したって分かんないことは分かんないし、分かり合えないのが当たり前なんだから、その中でどう共存していくかを考えないと。 ――割り切った上で、どう居心地良く共存するかですね。やっぱり難しそう......。けど、そう考えると山路さんはあの騒動以降、バラエティーに出たりしていい具合にメディアと共存していますね! バラエティー番組でいじられることに対して、抵抗はなかったんでしょうか? 山路 前に『サンジャポ』(TBS系)に出た時、爆笑問題の太田光さんとエレベーターが一緒になって、太田さんに「山路さん、よく出ましたねぇ、『サンジャポ』」って言われてね。「バラエティーが怖いようでは戦場には行けないですよ」って答えましたよ(笑)。バラエティー出るなんて、戦場でぶっ殺されるかもしれない怖さに比べたらなんてことないですよ! ――そんな危険地帯と比べられたら、もう何も言えないですよ! 山路 僕も今まで、2回3回仕事の現場で死にかけたのね。銃口を突き付けられて、「もうダメだ」っていう瞬間に何をイメージしたかって言うと、自分が撃たれて倒れてる姿と、「え? 俺の人生ここで終わるの? カウントダウン? まだ何もしてないのに!!」っていうことなわけ。僕はその時点で、番組を作ったり本が売れたり、かなり他の人とは違う経験をしてきたはずだよ。なのにそう思うってことは、どんなに素晴らしい人生を送っても、最期はそう思うものなんだよ。だから、あんまり小さいことにこだわってウジウジしていると、前に進めないどころか、自分の人生を台無しにしてしまうよ。それなら、僕は自分の身に起きることをすべて人生のスパイスとして楽しんでしまおうと思うしかなくてね。あの騒動があって、このまましゅんとして、「不倫ジャーナリスト」「ヒモ」「ジゴロ」と言われたままにしていたら、そこで終わっちゃうわけでしょ? ――確かに、ワイドショーや週刊誌は、そういうおいしいところだけ騒いで、悪いイメージだけ残して撤収するけど、山路さんはテレビにも雑誌にもネットにも残ってるというか、むしろ出まくってますよね。 山路 バラエティーだって何だって、面白そうじゃない? 多少は遊ばれたりいじられたりするんだろうなって思うけど、僕は自分がテレビを作ってきた人間だから、自分がどう演じたらいいか分かるし、どうやったら視聴者が喜ぶかも、何となく見えるし。おかしな仕事がたくさんあるんだけれど、そういうものも含めて楽しんじゃう。 ――なんだかすごい人生になってきましたね! 山路 そもそも、僕は計画的に人生を歩んでこなかったから、それが良かったのかもそれないね。もし一流大学を出て官僚になって、政治家になるのを夢見てきた人だったら、あの騒動の時に「俺、終わったな」って思うだろうね。でも、元から計画してない僕の場合は「悪いけど、俺はそんなもんじゃないよ!」って自分でチャンスに変えたり、踏み台にして大きくなることも出来るわけですよ。何かトラブルや大きな出来事があった時こそ、何かを学んで成長できるんだから、無計画なのも悪いことじゃないんだよ。そのぶん人生のアップダウンは激しいけど、楽しいよ! ――山路さんのはレアケースすぎますけどね! しかし、本当にエンジョイしていらっしゃって、お話しているだけで元気が出てきました! トラブルを利用して成長かぁ。実践したいけど、今のところ人生が平坦すぎて......ちょっとその辺のホテル街を一緒に腕くんで歩いてもらって良いですか? 多分すぐに誰かが「山路徹が女とホテル街に!!」って、Twitterにアップしてくれますから、売名させてください。 山路 ははは! 最近は写真まで貼られるからね! 面白そうだ、いつでも協力しますよ! ――女性的にも大桃さんに麻木さんっていういい女の次はかなりプレッシャーですが、次回の結婚のご予定はないんですか? 山路 結婚はいつだって視野に入れてるよ。たいてい「いやぁ、もうしばらくはちょっと......」って言うでしょ? そんなの、つまんないですよ! 今までがどうかは関係ないって! 魅力は人それぞれ違うもんね! ――じゃあ、そのうち私も、猫耳つけて傷だらけのメイクで自宅前に行き倒れに行くので、ちゃんと保護してくださいね! 山路 はいはい、喜んで(笑)。 (取材・文=小明) ●やまじ・とおる 1961年、東京都生まれ。ジャーナリスト。テレビ番組制作会社を経て、92年に独立系通信社「APF通信」を設立し、同代表取締役に就任。世界各国の紛争地域を中心に精力的に取材している。近年はワイドショー、バラエティー番組にも多数出演中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
ゴン太ごめんね、もう大丈夫だよ! 小さな命も大事な命。 amazon_associate_logo.jpg
小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第26回】 浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

山路徹さんの至言「バラエティーが怖いようでは戦場に行けないですよ」(前編)

IMG_4309_.jpg  モテない、金ない、華もない......負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第27回のゲストは、福島第一原発周辺で「犬猫救出プロジェクト」活動を行っている戦場ジャーナリスト・山路徹さんです! [今回のお悩み] 「もう私も保護してください......」 ――初めまして! Twitterで『原発20キロ圏内 犬猫救出プロジェクト』を見させていただいてます! 私の家にも犬と猫がいるので、残された犬や猫のことはずっと気になっていたんですけれど、知識も経験もないのでボランティアに行っても邪魔になるだろうと、ただ余震に震えるばかりで......山路さんの行動力には本当に頭が下がります! 山路徹氏(以下、山路) だいたいみんな、いろいろ考えて「どうしよう、どうしよう」って言ってるうちに事態が変わっていっちゃうからね。 ――そうなんですよ。で、「私、結局募金くらいしかしなかったな......」って自己嫌悪が......。 山路 そうなっちゃうわけですよね。でも、それも十分立派なことですよ。 ――でも、山路さんは専門的な知識もないのに行かれたじゃないですか。しかも原発から20キロ圏内に。 山路 目的が分かっていれば、知識とかは関係ないもんね。自分にできないことは人にやってもらえばいいわけだし。 ――専門家の方も山路さんのTwitterを見て来てくれたんですよね! そしてまず「犬猫と仲良くなるにはどうしたらいいんですか?」と聞いたという......。専門家の方も「え? そこから!?」って驚いてましたよね(笑)! 山路 いやぁ、怖い柴犬がいてさ、僕も自分なりに考えて、ムツゴロウさんみたいにゴローンって寝転がってお腹を出してみたりしたんだけど、ダメだねぇ。餌は食いに来るけど、そのご家庭の事情もあったりして、なかなか保護が出来ない。浪江町の20キロ圏内の誰もいないところで、僕たちはひたすら"ムツゴロウさん作戦"をやってるわけですよ。 ――な、なかなかシュールな絵面ですね......。山路さんの救出チームが書かれた『ゴン太ごめんね、もう大丈夫だよ!』(光文社)を読んだんですけど、やっぱり怪我をしながらも残された牛と鶏を守っていた犬のゴン太には、涙が止まりませんでした。うちにもゴールデンレトリバーがいるんですけど、すごく優しくておとなしくて......。ある晩、家に泥棒が入って、偶然トイレに起きた私が部屋のドアをガラッと開けたらちょうど廊下で泥棒とご対面っていうことがあって......。 山路 ......え? あなたが? 犬は? ――おとなしく寝てました......。なので、こういう感動的な犬の話を読むたびに、「うちのは駄目だ......!」って思います。だから、より一層守らねば、と、こういう災害時は極端なくらい気にしてしまっています。 山路 ははは! でも本当にね、ちっちゃな命を救えない社会が、なんで人間を救えるんだって話だよね。僕らは、社会が真価を問われていると思ってますから。自分たちで行動を起こすことで、「社会は大丈夫だ」ってアピールしなきゃいけない。3月11日から、もうずいぶん時間も経ってるでしょ? そうすると、これから起きる事態は人災ですよ。人間の責任としてやらなきゃいけない。現地の犬や猫たちは当然お腹が空いてるわけですよ。だから餌を出すんだけど、すぐには餌に行かないんだよね。まずは人恋しいから僕らから離れない。「分かったから、食え食え!」って言って、やっと食べて、不安そうな顔でこっちを見て、車に乗せてあげると、みんな安心して眠っちゃうの。イビキなんかかいたりして。 ――おお......先日、同じく日刊サイゾーの企画で、作家の町田康さんにお話をうかがう機会があったんですけど、あの方も保護団体から猫をたくさん預かって、総勢10匹の猫と暮らしてるんですって。山路さんもこんな怯えただけの女でなく、町田さんと対談にすれば良かったのに、こんな女で申し訳ないですよ......! 山路さんも、保護された猫ちゃんと暮らしてるんですよね。 山路 うちの猫ちゃんかわいいよ! ホラ、これがとら。南相馬から連れてきて、医者にも「今日明日の命です」って言われて、朦朧として真っ直ぐ歩けない状態だったから、いま元気になったことも信じられない。けど、それを僕がTwitterでつぶやいてたら、皆が見守ってくれて、応援してくれて、とても力になりましたよ。こっちが神奈川で保護された捨て猫のマロ。毎日写真をTwitterにアップしててね、うふふ......。 ――ギャー! かわいい!! 山路 そう! もう食べちゃいたいの! これがピアノの上に載ってるマロで、これはいたずらを怒られて反省中の......(略)。 ――溺愛しまくりじゃないですか! いいですね、なんか、私も山路さんに保護されたいですよ......。 山路 えー? 何を言ってんのよ(笑)! ――やっぱりモテる理由が分かるっていうか......。なんというか、山路さんは愛が多そうですよね。 山路 そんなことないですよ! 例えばどのへん? ――麻木久仁子さんと大桃美代子さんの際の会見で、どちらも傷付けず、後々どちらの言い分にも合わせられるように気を使って、いろいろ黙っているように見えたもので。 山路 まぁそうですよ、会見の時もお互いの言ってることが180度違ったからね(笑)。あれは僕が受け止めないと。だって、最初の記者会見もその反論も、僕はテレビでじーっと見てたんですよ。「あー、こんなことまで言い出した。これはモメるなぁ......」って。次は俺のところに来るっていうのは目に見えてたから、逃げずに全て吸収して、皆なんとなく納得したような、しないような......。 ――でも本当にすごかったですよ! どちらの女性も系統が全く違うじゃないですか! 山路 君、するどいね! 「同じようなタイプ」ってよく言われるけど、ぜんぜん違うの! ――ですよね! 私はどっちかと言うと、メンタルが弱めの大桃さんタイプで......。 山路 さびしんぼうなのねー。 ――次の結婚をしてることを言わないのは山路さんの優しさなんだけど、それが逆に残酷で......あんな形で知ったらTwitterでうっかり狼狽するのも仕方ないですよー! 山路 ねー、うふふふ。まあね、でもね、うん......。 ――でも、それもミャンマーで拘束さえされなければ分からなかったんですよね。 山路 そうなんだよなー、なんであれで出ちゃったかねー? ――Twitterって、怖いですよね......。 山路 怖いねー......。 ――......でもそのTwitterのおかげで犬猫救出も本当に広まったというか、えーと! ね! 山路 ね! やっぱりね、そういう新しいツールを、どうやって生かすかですよね! ははは! (後編につづく/取材・文=小明) ●やまじ・とおる 1961年、東京都生まれ。ジャーナリスト。テレビ番組制作会社を経て、92年に独立系通信社「APF通信」を設立し、同代表取締役に就任。世界各国の紛争地域を中心に精力的に取材している。近年はワイドショー、バラエティー番組にも多数出演中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
ゴン太ごめんね、もう大丈夫だよ! 小さな命も大事な命。 amazon_associate_logo.jpg
小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第26回】 浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

うなぎと乗り切れ! "ダシ"が違う夏のひつまぶし

IMGP1262.jpg 料理の数だけダジャレがある――。ダジャレをこよなく愛する男が考案する、笑えるおいしいレシピ。  「しかし今日も暑いねー。晩御飯はスタミナを付けるために、うなぎを買ってきたよ」  「やったー! 夏はやっぱりうなぎよね」 IMGP1138.jpg  「今年の猛暑、このうなぎと乗り切ろうじゃないか。今、準備するから待ってて」 IMGP1124.jpg  「あら、ノリなんて切ってどうするの?」  「だから、うなぎと乗り切ろうと......」  「ああ、"うなぎ"と"ノリ"を切ろうってことね」  「そういうこと。はい、夏のひつまぶしの出来上がり!」 IMGP1180.jpg  「わー、おいしそう。ひつまぶしって、最初はこのまま食べて、途中で混ぜて食べて、最後にダシをかけて食べるんでしょ?」  「そうそう。このひつまぶしは夏限定のスペシャル版。かける"ダシ"が普通と違うんだ」  「あら、ダシにこだわるなんて素敵じゃない。どんなダシなの?」  「こんなダシ!」 IMGP1154.jpg  「何これ?」  「知らない? 夏野菜を刻んだ山形の料理で、"だし"っていうんだけど。これをひつまぶしにたっぷりとかけて、よく混ぜたら出来上がり!」 IMGP1260.jpg  「なるほど、確かにダシが違うわね!」 ■材料  ・うなぎのかば焼き ・ノリ ・ご飯 ・ダシ ■作り方 1、うなぎのかば焼きを1センチ幅に切り、電子レンジなどで温めてタレと和える。 2、ノリを細く切る。 3、キュウリ、ナス、ミョウガ、シソなどの生で食べられる夏野菜をできるだけ細かく刻み、めんつゆ、酢、おろししょうがなどで好みの味を付ける。 4、丼にご飯を盛り、うなぎ、ノリをたっぷりと乗せる。 5、食べている途中で、だしを加えてよく混ぜる。 ■玉置メモ ・うなぎだけだとちょっと胃がもたれる感じがしますが、途中からだしを加えることで、最後まで飽きることなく食べられますよ。 ・ノリは自分で切らなくても、刻みノリという便利なものが売っています。時間のある人は、ひつまぶしだけに、ひまつぶしに自分で切りましょう。 ・だしは山形では一般的な食べ物で、家庭によって味が違います。ご飯にかけたり、冷奴にかけたりと、夏には最高の常備菜です。うなぎにかけるというのは聞きませんけどね。 (文・写真=玉置豊) ●たまおき・ゆたか へんな料理研究、マイナーアウトドア、狩猟採取が趣味のWEBディレクター、ときどきライター。「デイリーポータルZ」、「地球のココロ」、「@ニフティ つり」など で連載中。 < http://www.hyouhon.com/>
逃避めし うちも書籍化狙ってます! amazon_associate_logo.jpg
■男のダジャレレシピ・バックナンバー 【第15回】暑い夏を乗り切れ! 旬の魚で手軽にできちゃう「狂う水(クールビス)」 【第14回】蒸し暑い時期にピッタリ! 梅干しの酸味が効いた「上を向いて歩こう(梅と麦とアルコール)」 【第13回】レストランにも行きたくない出無精なあなたに「大型連休ギュウギュウ詰め(O型レンコン牛牛詰め)」 【第12回】旬の素材が盛りだくさん「ネギに大葉 ヤマウド・ノビル 初鰹(目には青葉 山ほととぎす 初鰹)」 【第11回】スタミナ満点! よくばりどんぶり「ごはんと胃・レバー・牛たくさん(ゴホンと言えば、龍角散)」 【第10回】甘党にはたまらん! 「オリゴ糖、黄身と和えて、ようかん食った(ありがとう、君と逢えて、よかった)」 【第9回】捌けなくても大丈夫! 包丁要らずのカンタン鍋「捌き無知鍋(サバキムチ鍋)」 【第8回】惚れてしまいそうな大人の味「バーレーン・タイ キッシュ(バレンタイン・キッス)」 【第7回】3分で出来るお祝い料理 「脂肪コーン、5を書く!(志望校合格)」 【第6回】正月ボケに効果てきめん 「意外! タイなら七臭粥(胃が痛いなら七草粥)」 【第5回】気分次第でアレンジ可能 「麻婆茄子! 干し芋乗っかっちゃう!(まーボーナス! 欲しいもの買っちゃう)」 【第4回】三つの味が楽しめる豪華ディナー 「三択ロース(サンタクロース)」 【第3回】贅沢の極み! 「いい肝のカワハギのいい肝ばかり(『いきものがかり』の『いきものばかり』)」 【第2回】ひと手間かければ豪華な一皿! 「タンカレー ナンバナナ天(タンカレー No.10)」」 【第1回】甘くて辛い 大人のおつまみ 「マスタードナッツ(ミスタードーナツ)」

日本の被曝医療構造はピラミッド型? 切り捨てられる低線量被曝

12833.jpg
「週刊朝日」7月29日号
第1位 「福島第一原発"最高幹部"が語るフクシマの真実(後編)『新工程表はデタラメ』」(「週刊朝日」7月29日号) 第2位 「被曝医療 市民の検査はできません」(「AERA」7月25日号) 第3位 「独占スクープ告白『わが子のオシッコからセシウムが出て』」(「週刊現代」7月30日号)    福島の子どもたちを夏の間だけでも北海道あたりへ「疎開」させる運動を、仲間と始めようと思っている。  これは先週(7月13日)、大阪・熊取にある京大原子炉実験所へ小出裕章氏を訪ね、話し合ったことがきっかけになった。  小出氏はかつて原発の平和利用に憧れを抱き、大学で原子力工学を学んだが、その後、原発の危険性に気が付き、現場に踏みとどまり、反原発の先頭に立っている人である。  小出氏の主張は一貫している。低線量でも人体には必ず影響がある。どんなにわずかな被曝でも、放射線がDNAを含めた分子結合を切断・破壊することは、これまで放射線の影響を調べてきた国際的な研究グループが認めている。  しかし、時間を戻せない以上、私たち大人は、放射線によって汚れてしまった環境の中で、汚染された食べ物を食べながら生きるしかない。  だが、放射線への感度が高い子どもたち、原発に何の責任のない子どもたちには、安全なものを食べさせてほしいし、できれば即刻、放射線量の少ないところへ避難させてあげてほしいと語った。私を見つめる目は「深刻」であった。  「現代」の記事は、福島市に住む子ども10人のオシッコを検査した結果、全員からセシウム134と137が検出されたことを受け、その親たちにインタビューしたものである。  この報を受けた斑目春樹原子力安全委員長や高木義明文科相は、健康への影響は考えられないと一顧だにしなかった。  政府のあまりにも無責任な対応に怒り、一人の親は、息子2人を兄の住む街に避難させることを決め、もう一人は、妻と息子を新潟の佐渡へ避難させた。  彼らが選んだ苦渋の決断は、多くの迷っている親たちに勇気を与えたはずである。  本来は、県や市町村、もっと言えば、国がやるべきことであるはずだ。しかし、権力争いに明け暮れるバカな政治家たちに期待しても無駄であろう。  そこで、まずは100人ぐらいの単位で、小学生以下の子どもを北海道へサマーキャンプに行かせ、思う存分自然と遊ばせてあげようという計画である。  苦しい避難生活ではなく、楽しい疎開生活をさせる。それがきっかけになって、多くの親たちが動き出し、国に疎開を求めていけば、いくら無責任な政治家でも動き出さずにはいられないはずだ。  親の世代や高齢者は、戦中のようにその場に踏みとどまり、放射能で汚染されたものを食べながら生き抜いていくしかない。それが原発を止められなかった者の責任と覚悟であると、小出氏から学んだ。  余談になるが、小出氏のところを辞する間際に、電話がかかってきた。そうした時間はないとすぐに切ったが、誰からですかと尋ねると、海江田万里経産相からだと教えてくれた。  面識はないと言う。菅直人に反旗を翻した海江田が、何用あって反原発のカリスマのところへ電話を寄こしたのだろうか。  第2位は、読んでいるうちに腹が立ってしょうがない「AERA」の記事である。  福島県二本松市の三保恵一市長は、独自に放射線量を測っている。原発事故発生当初は毎時5~8マイクロシーベルトもあり、最近は少なくなってはいるが、7月2日は毎時1.30マイクロシーベルトで、福島市や郡山市を上回っている。  悩んだ市長は、子どもたちの外部、内部被曝を調べ、どういう医療を施せばいいのかを検討するため、ホールボディカウンター(全身測定装置、WBC)で調べてもらおうと、福島県立医科大学付属病院に懇請したが、「一般市民の検査はできない」と、あっさり断られてしまったのだ。アメリカでは、被曝医療は感染症対策と同じように、普通の公衆衛生行政として扱われている。  拒否した理由は、日本の緊急被曝医療体制にあるというのだ。被曝医療は厚労省ではなく文科省の担当である。  現在のような緊急被曝医療体制が作られたきっかけは、1999年9月に起きたJCO東海事業所での臨界事故による。多量の放射線を浴びた作業員3人のうち2人が死亡した(この2人のうち、大量の被曝をした大内久さんの、83日間にわたる壮絶な闘病と医師の必死の救命活動を記録した、新潮文庫のNHK東海村臨界事故取材班の『朽ちていった命』をぜひ読んでいただきたい)。  この事故に狼狽した原子力安全委員会は、「緊急被ばく医療のあり方について」という報告書をまとめ、緊急被曝医療を担う医療機関を、初期的・救急的診察をする原発近辺の医療機関を1次にするなど3段階に分けたのである。  今回、診察を断った福島県立医大付属病院は2次機関に位置付けられ、断った理由は、原発構内の高線量被曝者や半径20キロ圏内での警察や消防関係者への対応が役割だからだというのだ。  先の報告書では、放射線によって健康不安を抱く住民への精神的ケアを施すことを促してはいるが、低線量被曝は緊急医療の対象とはしないという原則が明確にされていると、記者は追及している。  さらに、低線量被曝を切り捨て、ピラミッド型の被曝医療構造を文科省に置いたままにしたのは、原発推進派に都合のいい被曝医療体制の構造作りに医学界が協力したのだと言及している。  それは今回のように、大人口が被曝し、医療需要が極端に膨れあがったら、その騒ぎだけで反・脱原発の機運を高めることになる。そのことを恐れてのことだろうと推測している。  数千人以上の被曝者に接してきた肥田舜太郎氏は低線量被曝についてこう語っている。 「微線量でも障害が生じる可能性があることは、海外の医学界の常識です」  こうした医学界ぐるみの原発擁護と重大な情報の隠ぺい体質が、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)のデータ一時隠ぺいや、年間20ミリシーベルトの被曝まで許容するという許し難い校庭利用基準が、文科省から福島県側への通知だけで事足れりとすることに表れているのである。  これほどの事故が起こっても、いまだに原発を守り、東電を存続させようと画策する、政治家、官僚、財界の悪のトライアングルを破壊しない限り、福島の住民はもちろん国民の健康は顧みられることはない。  今週も第1位は、「朝日」の「最高幹部が語るフクシマの真実」の後編である。  前編がきっかけとなり、他のメディアも福島第一原発の現状や、工程表のいい加減さを競って取り上げている。  今回は、東電が4月19日に発表した工程表は、現場の意見を無視したものだったということが明らかにされる。フクイチの現場からは1年半というスケジュールを出したのに、これでは菅総理が納得しないと本社が9カ月に短縮してしまったのだ。  現在の作業を妨げている最大の要因は、汚染水。もし核燃料がメルトスルーしているならば、汚染水は非常な高濃度になっているから、チェルノブイリで日本の技術がしたように、地下にトンネルを通し、セメント、ベントナイト(粘土鉱物)などを注入して固めてしまう方式にしたいが、国土交通省と経産省の連携がうまくいかず、適切な対応策が講じられていないという。  さらに1~4号機から白い煙が出ている。あれは水蒸気だが、その「湯気」の中にはやはり、放射性物質が含まれていると言っている。  また、3月11日午後3時36分に1号機で水蒸気爆発が起きたが、その後の政府の避難指示のやり方が拙かったと率直に話す。 「現場ではもっと広い範囲、少なくとも半径50キロは避難していると思った。(中略)避難範囲が半径30キロ圏内と聞いたときも、『大丈夫か?』と思ったのが正直な印象ですね。(中略)爆発が相次ぐ中、当時私自身、半径30キロどころか、青森から関東まで住めなくなるのではないかと思ったほどです。本社と政府の話し合いで決まったんだろうけど、余震の危険性などを考えれば、最低でも50キロ、万全を期すならば半径100キロでも不思議はなかった。(中略)いま原発は何とか安定していますが、放射性物質がかなり飛散しているのが実態です。避難地域の見直しが必要だと思います。実際、もう半径20キロ圏内は戻れないと、そろそろ発表してもいいんじゃないか。子どもたちが学校に通うのは無理です。最初からもっと広範囲で避難させていればと悔やまれます」  最高幹部は、フクイチから上げられる膨大な量の情報のうち、国民に公表されているのはその10%、いや、1%かもしれないというのである。  現場と本社は衝突ばかりで、情報公開を巡り、本社幹部は、「そんな情報が保安院や政府に分かると、大変なことになる」と言い放ち、最後にこう言ったそうだ。 「私の立場や出世はどうなるんだ。キミは分かっているのか!」  原発を担当してきた官僚たちの責任追及、東電解体をしてからでなくては、脱原発、再生可能ネルギー政策を考えるわけにはいかないと、私は思うのだが。 (文=元木昌彦)
motokikinnei.jpg
撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
朽ちていった命―被曝治療83日間の記録 放射能の恐ろしさ。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 あおり派週刊誌に宣戦布告!? 「ポスト」覚悟の総力大特集、その中身とは? 「井戸端会議で話題にもできない」"ホットスポット"で闘う母親たちの苦悩 経産省ではスキャンダルは出世に響かない!? 愛人発覚・西山審議官の厚顔無恥ぶり