今年一番話題を集めたのは……? 2011年日刊サイゾー人気記事ランキング

ranking2011all.jpg  歴史に残る事件や災害が立て続けに起こった2011年。日刊サイゾーでは、ときに真面目に、ときにライトにさまざまな情報をお届けしてきました。来年も、みなさまにご愛読いただけるよう、スタッフ一同頑張りますので、ぜひともよろしくお願いいたします!  ということで、2011年の人気記事が一目で分かる日刊サイゾー人気記事ランキング、始まりまーす。 第1位 上原美優さん衝撃自殺の裏に見え隠れする「関東連合と島田紳助」の影 大家族貧乏アイドルとして人気を集めた上原美優さんの突然の死。先日閉鎖された彼女のブログには、死後もファンからのコメントが書き込まれていました。 第2位 「羽鳥が来るなら俺は辞める」テレ朝紛糾! 新"朝の顔"羽鳥慎一に強烈な逆風 今年4月からフリーになった羽鳥アナ。"日テレの朝の顔"から"テレ朝の朝の顔"へと、業界タブーお構いなしの華麗なる転身を遂げました。 第3位 「確信犯? それともガチ?」"ハイパー・メディア・フリーター"黒田勇樹を直撃! 俳優・黒田勇樹が芸能界を一時引退し、"ハイパー・メディア・フリーター"として活躍中の黒田さん。なんか、すごいことになってます。 第4位 「だったら辞めてやるよ?」『とくダネ!』小倉智昭の傍若無人にスタッフはブチギレ寸前!? なんだかんだで今年も降板しなかったオグさん。でも、スタッフもお茶の間も、そろそろみんな限界だよ。 第5位 ショック! AKB48・板野友美がソロデビュー曲熱唱もメンバー全員無表情 AKB48初のソロデビューを果たしたともちん。このニュース以外にもCM発表会で公開処刑されちゃったり、前途多難です。 第6位 オセロ中島知子の深刻な近況を現場が証言「突然キレだすことも......」 一部では占い師に洗脳されているとの報道もあるともちゃん。一方、相方・松嶋は無事長男を出産で幸せいっぱい......。解散のXデーは間近? 第7位 「誰のための自粛なの?」乙武洋匡の"不謹慎厨"に対する思いとは!? Twitterでの発言がたびたび注目を集めた乙武さん。来年も期待しています。 第8位 「ずっと紳助を切りたかった!?」吉本に"親密メール"を持ち込んだ闇人物とは 今年の芸能界最大のニュースといえば、紳助の芸能界引退。いまだにモヤモヤ感は消えないですが、来年あたり、ひょっこり復帰したりして? 第9位 嵐・大野智の"大麻3P疑惑"当事者女性 故・AYAさんの自殺真相が明らかに! 今年、国民的アイドルに急成長した嵐のスキャンダル。若気のいたりとはいえ、5人中4人が穴兄弟とは......。 第10位 「ヤリたい奴おったら紹介したろか」島田紳助の"都合のいい女"だった小林麻耶の苦悩 最近テレビで見かけないと思っていたら、へんなところから名前が出てしまった小林麻耶。TBSの看板女子アナだったころが懐かしい......。

今年一番話題を集めたのは……? 2011年日刊サイゾー人気記事ランキング

ranking2011all.jpg  歴史に残る事件や災害が立て続けに起こった2011年。日刊サイゾーでは、ときに真面目に、ときにライトにさまざまな情報をお届けしてきました。来年も、みなさまにご愛読いただけるよう、スタッフ一同頑張りますので、ぜひともよろしくお願いいたします!  ということで、2011年の人気記事が一目で分かる日刊サイゾー人気記事ランキング、始まりまーす。 第1位 上原美優さん衝撃自殺の裏に見え隠れする「関東連合と島田紳助」の影 大家族貧乏アイドルとして人気を集めた上原美優さんの突然の死。先日閉鎖された彼女のブログには、死後もファンからのコメントが書き込まれていました。 第2位 「羽鳥が来るなら俺は辞める」テレ朝紛糾! 新"朝の顔"羽鳥慎一に強烈な逆風 今年4月からフリーになった羽鳥アナ。"日テレの朝の顔"から"テレ朝の朝の顔"へと、業界タブーお構いなしの華麗なる転身を遂げました。 第3位 「確信犯? それともガチ?」"ハイパー・メディア・フリーター"黒田勇樹を直撃! 俳優・黒田勇樹が芸能界を一時引退し、"ハイパー・メディア・フリーター"として活躍中の黒田さん。なんか、すごいことになってます。 第4位 「だったら辞めてやるよ?」『とくダネ!』小倉智昭の傍若無人にスタッフはブチギレ寸前!? なんだかんだで今年も降板しなかったオグさん。でも、スタッフもお茶の間も、そろそろみんな限界だよ。 第5位 ショック! AKB48・板野友美がソロデビュー曲熱唱もメンバー全員無表情 AKB48初のソロデビューを果たしたともちん。このニュース以外にもCM発表会で公開処刑されちゃったり、前途多難です。 第6位 オセロ中島知子の深刻な近況を現場が証言「突然キレだすことも......」 一部では占い師に洗脳されているとの報道もあるともちゃん。一方、相方・松嶋は無事長男を出産で幸せいっぱい......。解散のXデーは間近? 第7位 「誰のための自粛なの?」乙武洋匡の"不謹慎厨"に対する思いとは!? Twitterでの発言がたびたび注目を集めた乙武さん。来年も期待しています。 第8位 「ずっと紳助を切りたかった!?」吉本に"親密メール"を持ち込んだ闇人物とは 今年の芸能界最大のニュースといえば、紳助の芸能界引退。いまだにモヤモヤ感は消えないですが、来年あたり、ひょっこり復帰したりして? 第9位 嵐・大野智の"大麻3P疑惑"当事者女性 故・AYAさんの自殺真相が明らかに! 今年、国民的アイドルに急成長した嵐のスキャンダル。若気のいたりとはいえ、5人中4人が穴兄弟とは......。 第10位 「ヤリたい奴おったら紹介したろか」島田紳助の"都合のいい女"だった小林麻耶の苦悩 最近テレビで見かけないと思っていたら、へんなところから名前が出てしまった小林麻耶。TBSの看板女子アナだったころが懐かしい......。

父殺し、自分殺し、そして再生の物語 園子温流ラブストーリー『ヒミズ』

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自己模倣に陥ることなく、園子温監督が自身の新しい可能性を切り開いた『ヒミズ』。主演の染谷将太と二階堂ふみはベネチア映画祭で新人賞を受賞。
(c)「ヒミズ」フィルムパートナーズ
 暗黒の荒野に、ちっぽけな灯りをともす映画だ。園子温監督の最新作『ヒミズ』は、園監督らしく暴力と絶望に覆われている。しかし、暴力と絶望がガレキの山のように積み重なった現実社会の最果てに、主人公はようやく希望を見出す。その希望は誰かに与えられたものでもなく、また道端に都合よく落ちていたものでもない。のたうち回り、泥まみれ血まみれになりながら、自分の体を雑巾のようにギリギリまで絞り込むことで染み出てきた一滴のシズクにすぎない。でも、その一滴のシズクの価値を分かち合える存在が現われる。そして、その相手はシズクが体中を満たすまで待つという。ヒミズ(モグラの仲間)のようにずっと世間に背を向けて暗い世界で生きてきた主人公に、初めて朝が訪れる。
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中学生の茶沢景子(二階堂ふみ)は変わり者の同級生・住田のことが気になって仕方ない。住田語録を書き溜めている。
 2011年、『冷たい熱帯魚』『恋の罪』と立て続けにヒットを飛ばした園監督。低迷する邦画界にあって、ひとり気を吐く存在だ。連続殺人鬼(でんでん)が人間の肉体だけでなくモラルさえもバラバラにしてしまう『冷たい熱帯魚』では救いのないバッドエンディングを用意することで、「愛とか希望とかに囚われずに生きてみろ」と力強いメッセージを発信した。突き抜けた演出の『冷たい熱帯魚』を撮り上げたことで、園監督自身もサイアクな精神状態から立ち直ることができたと語っている。続く『恋の罪』では『熱帯魚』と同様に猟奇殺人事件を描きながらも、坂口安吾の『堕落論』のごとくドン底まで落ち切ることでようやく地に足を着けて生きることに成功するヒロイン(神楽坂恵)の変身ぶりを描いてみせた。そして『ヒミズ』は、『熱帯魚』『恋の罪』に続く完結編に位置する物語といっていい。『熱帯魚』でモラルから解き放たれ、『恋の罪』でドン底まで落ちる覚悟を決め、『ヒミズ』に至ることでついに前に進むことができる。
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住田の家に、居場所を失った人々が集まる。住田は血の繋がった家族ではなく、新しい仲間たちに支えられる。
 園監督は代表作である『紀子の食卓』(06)、『愛のむきだし』(08)などで、人間社会を構成するいちばんの基本単位である"家族"は、もうスカスカの空っぽであることを繰り返し描き続けてきた。温かくて愛に満ちた家庭なんて、ただの幻想にしか過ぎないと。映画というフィクションで、現実社会に横たわる形骸化した家庭像を打ち壊してきた。その破壊作業は『熱帯魚』『恋の罪』の興行的、作品的成功で一応の成果をみたといっていいだろう。だが、夢とか希望とかを徹底的に否定してきたものの、否定しきれないものが手元に残った。暴力と絶望だけでは破壊しきれない、ほんの小さな希望の種が見つかった。監督自身の厳格だった父親との死別をモチーフにした『ちゃんと伝える』(09)にも予兆が感じられたが、生身の人間として、クリエイターとしての心境の変化というヤツだろう。今まで家族を否定する作品を撮り続けてきたが、『恋の罪』の公開時に『熱帯魚』に続いてヒロインを演じた神楽坂恵と入籍している。12月20日に放映された生トーク番組『スタジオパークからこんにちは』(NHK総合)では、自身の結婚のことを「人生の実験」と称した。  固定観念に囚われないのが園監督の魅力だ。これまでオリジナル脚本にこだわってきた園監督だが、『ヒミズ』は古谷実の同名コミックが原作。ここにも園監督の心境の変化が感じられる。ストーリーはおおむね原作に沿った形で進む。だが、クランクイン前に東日本大震災が起きたことから、舞台設定が首都圏のある地方都市から3.11後の被災地へと大きく変わった。主人公は中学生の住田(染谷将太)。家は河川敷で貸しボート屋を営んでいる。震災で家や仕事を失った人々(渡辺哲、吹越満、神楽坂恵)が家の裏に住み着き、小さなコミュニティーを築いている。学校では教師が「夢を持て」「住田、がんばれ」とうるさい。でも、住田はもう充分にがんばっている。それに夢を持てば、失望して落ち込むだけではないか。夢も希望も持たずに、平凡に生きるのが住田の夢だ。学校で浮いている住田の存在が気になってしかたないのが、クラスメイトの茶沢景子(二階堂ふみ)。ストーカーばりに、住田の言動を追い掛ける。『愛のむきだし』のユウとヨーコの立ち場を入れ替えたような関係だ。
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『冷たい熱帯魚』で注目を集めたでんでんが今回もキーパーソン役で出演。世直しを考える住田に拳銃をプレゼントする。
 住田の父親(光石研)はアル中で放蕩生活を送り、たまに帰ってきては金を無心して、息子である住田に「お前が死んでいれば保険金が手に入ったのに」と残酷な言葉を浴びせる。母親(渡辺真紀子)は愛人と一緒に姿を消した。"フツーに生きる"という住田のささやかな夢さえも、あっけなく崩れる。フツーに生きたい。でも、フツーに生きることはとてつもなく難しい。好奇心から住田に付きまとっていた茶沢さんが、ここから俄然大きな存在となっていく。他人に迷惑を掛けずにフツーに生きる、という自分のルールにがんじがらめになっていく住田のことが放っておけない。住田は住田自身が考えている以上に、とても純粋で真っすぐな人間なのだ。  茶沢さんは住田に殴られても、川に突き落とされても、メゲずに住田におせっかいを焼き続ける。住田にかまうことが茶沢さんの生き甲斐となる。いつしか、茶沢さんのおせっかいは大きな愛となって、住田を包み込む。自分で自分を傷つける住田の無垢なる魂を救い出したい。はっきりいって、余計なお世話である。でも、愛とは余計なお世話なのだ。また、時には相手のことを信じてじっと待つ行為も愛である。住田に対してガチンコでぶつかり続けることで、茶沢さんは恋に恋する少女から、母性愛に満ちた大人の女性へと変貌していく。  土手を転げ落ちてパンツ丸見え状態となり、汚水の流れる川に顔まで浸けられてズブ濡れとなる茶沢役の二階堂ふみが輝いている。園監督の現場といえば、俳優が何も考えられなくなるまでダメ出しを続ける過酷な演出で知られるが、ベネチア映画祭から帰国した二階堂に聞いたところ、「愛に満ちた現場だった」「園監督は優しかった」「染谷くんと本気でやり合えばやるほど、楽しかった」と撮影時を振り返った。園監督は俳優が中途半端に抱えている先入観や常識を叩き壊すためにダメ出しをするわけだが、まだ10代と若く柔軟な感性を持つ染谷と二階堂は、園監督が用意したフィクションの世界でより自由に羽ばたくことができたのだろう。暴力と絶望だらけの物語なのに、不思議なことに爽快感、開放感が溢れているのだ。  ノーフューチャーな物語のはずが、主人公ふたりの放つ生命力のキラメキが絶望や孤独感を上回り、別の意味を持つ物語へと昇華している。同じことが劇中の台詞にもいえる。序盤、教師が口にしていた「夢を持て」「住田、がんばれ」というウザったい台詞が、母性愛に目覚めた茶沢の口からこぼれることで全く異なる宝石のような言葉となって住田に降り注ぐ。言葉には意味がない。茶沢の住田への一途な想いが、言葉に形を借りて心臓から飛び出してきたのだ。住田は初めて言葉の意味を知る。そして、とても不確かで曖昧なものだけれども、言葉にはならない"愛"というものが地上にあることを知る。それと同時に自分は自分が作った檻の中に閉じ篭っていたことに気づく。  保険金が手に入らなかったことを後悔し、それでも空っぽになった家から離れることができない住田の父親は、3.11以前の価値観や幻想を振りまき続ける古い社会システムのメタファーだろう。住田はそんな父親を自分の手で葬り去った。父親の存在がなくなれば、問題が解決するわけではない。むしろ、すべては自分の責任として押し寄せてくる。物語のラストで銃声が響き渡る。それは住田が再生するために放たれた号砲である。 (文=長野辰次)
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『ヒミズ』 監督・脚本/園子温 原作/古谷実 出演/染谷将太、二階堂ふみ、渡辺哲、吹越満、神楽坂恵、光石研、渡辺真紀子、黒沢あすか、でんでん、村上淳、窪塚洋介、吉高由里子、西島隆弘(AAA)、鈴木杏  配給/ギャガ PG12 1月14日(土)より新宿バルト9、渋谷シネクイントほか全国ロードショー http://himizu.gaga.ne.jp
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●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第150回]米国お笑い横断旅行『宇宙人ポール』人間のちっぽけな悩みはETが解決! [第149回]70年前と変わらない日本人の精神構造『聯合艦隊司令長官 山本五十六』 [第148回]追悼......"永遠の反逆児"原田芳雄さん幻の主演作『原子力戦争』がDVD化 [第147回]"ファスト風土"を舞台にした犯罪喜劇 J・アイゼンバーグ主演『ピザボーイ』 [第146回]"正義のゾンビ"が犯罪者を貪り喰う! イラク戦争奇談『ゾンビ処刑人』 [第145回] "時代の寵児"の未ソフト化作品上映!「松江哲明グレイテスト・ヒッツ」 [第144回]原発事故を描いた『カリーナの林檎』と今関あきよし監督の背負った贖罪 [第143回]"窮屈なモラル"を脱ぎ捨てた裸の女たち 園子温監督の犯罪エロス『恋の罪』 [第142回]ノーベル賞作家・川端康成が夢想した新風俗『スリーピングビューティー』 [第141回]横暴な上司は有志社員が制裁します!『モンスター上司』のブラックな笑い [第140回]"クソみたいな社会を変えたい!"高校生テロリストの凄春『アジアの純真』 [第139回] うつ病なんかヘーキ!? 宮崎あおい主演作『ツレがうつになりまして。』 [第138回]"神話"が生まれる瞬間を目撃せよ! 人類への黙示録『猿の惑星:創世記』 [第137回]刑務所で食する至高の味『極道めし』ヒロインの後ろ姿に、むせび泣き! 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超豪華"B級"文化人がロリコンで釣ってやりたい放題『ヘイ!バディー』終刊号

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『ヘイ!バディー1985年11月号』
(発行 白夜書房/発行人 中沢慎一/
編集人 高桑常寿)
 最新の「現在」を知るならインターネットで事足りる。けれど、ちょっと昔のことを調べようと思うと大変だ。1970年代から90年代の大衆文化を知りたくても、ネットの海にはわずかな情報しか存在しない。頼りになるのは雑誌だが、雑誌専門図書館である「大宅壮一文庫」でも所蔵は限定的だ。「国立国会図書館」でも所蔵していない雑誌は山のようにあるし、オタク文化のアーカイブとなることを期待している「明治大学米澤嘉博記念図書館」も、事業は始まったばかり。多くの出来事が歴史の記録から忘れ去られようとしている。  この連載は、誰もが忘れてしまったであろう雑誌や、そこに掲載された記事、消えた漫画家やら、小説家、ライター、文化人、サブカルスタァを記録することを目的としている。おそらく「これは面白い!」とピンとくるのは100人くらいだと思うけど、ネットにデータとして残しておけば5年後、10年後に役立つのではないかと期待している。  さて、第1回目に何を紹介しようかと本棚を見ていて、偶然手に取ったのが『ヘイ!バディー』の1985年11月号(発行:白夜書房)。「とにかく終りだよ~ん ロリコンの時代は終わった 次はティーン・エイジだ!!」のキャッチが輝く終刊号である。  この雑誌、地方の古本屋のエロ本コーナーではグラビア雑誌に混じってホコリをかぶって棚に差しっぱなしになっていることもあるようだが、売っていたら犯罪である。なにしろ「ロリコン情報誌」なのだから。終刊号たる本号でも、少女ヌードグラビアと盗撮写真が満載である。  ところが、本誌が現在でも"知る人ぞ知る雑誌"として語り継がれているのは写真が理由ではない。モノクロページの記事が80年代のB級(失礼!)文化人で占められているからだ。本号にも、漫画家・いしかわじゅんが挿絵を添える高取英が「パープーテレビ論」、南伸坊が挿絵の流山児祥の連載「現代女優論ノート」が掲載されている。さらに、『危ない1号』で知られる故・青山正明も連載を寄せているし、本サイトで「コミック怪読流」を連載中の漫画評論家・永山薫は、日本航空123便墜落事故の生存者・川上慶子のエロティシズムについて分析している(この少し前に「週刊文春」(文藝春秋)に掲載された救出中の写真がパンチラショットだったので話題になっていた)。90年代終盤くらいまでエロ本製作を貫いていた思想「読者はエロい写真見たさに買うのだから、他のページは何やったっていいだろう」を、とことん追及している雑誌といえるだろう。
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「マスコミは何を考えているのか!」って、
こんな企画を思いつくほうが何を考えているんだ。
 「ヘイ!バディー」が突然の終刊を迎えてしまったのは、当局の取締りが原因である。この少し前に白夜書房が発行した「ロリコンランド8」が"少女のワレメはワイセツにあたる"として発禁に。そのあおりを受けて"自主的に"廃刊することになったわけである。廃刊は突然の事態だったらしく、本号で予定されていた読者アンケートを見ながらの座談会は突如「廃刊記念座談会」に。  記事の冒頭では「バディーの読者像にせまる、という座談会が、突然廃刊記念座談会という皮肉な結果になりました。長い間バディーご愛読ありがとうございました。これからは少女のワレメを写真で見る事ができない世の中になります。いつかそういう日が来るのではないか、と思っていた事が現実になったわけです。みなさん、お元気で」と、半ばヤケクソな謝辞が記されている。  図らずも廃刊記念となった座談会は、もはや再現は不可能な豪華さである。参加メンバーは高取英、青山正明、永山薫、小野寺チエ、戸山優、佐藤勝範。さらに、のちに出家したりして話題になった伝説のロリコン・蛭児神建も参加。こんな面子の座談会をまとめた編集長の高桑常寿は、相当苦労したのではなかろうか。  座談会は本誌を「なんかワケのわからん雑誌だった。お笑い雑誌だと思ってた」と、やたら挑発的な蛭児神、「民主主義は~」「儒教は~」「売春防止法は~」と、やたら論理的に説明を始める高取(現・京都精華大学教授である、念のため)「引っ張って行かれるのは髪が長くてムサイ格好したのとか、太ったのとかですよ」と近親憎悪を思わせる戸山の発言とかで、とりとめもなく続いていく。  座談会の内容はともかく、元ネタの読者アンケートは秀逸だ。その一部を紹介すると「童貞ですか? いいえ45%」「自分はロリコンだと思いますか? はい86%」「あなたは将来結婚するつもりですか? する79%」「少女とSEXしたいですか? 強姦してでもしたい15% 相手の同意を得てしたい 67% 親に知られなければしたい 41%」「20才位の肉感的な女性に迫られたらどうしますか? 喜んでお相手する 69%」といった具合である。
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論壇誌に載ってそうな記事だけど、これロリコン雑誌ですから。
 今や世間は「処女厨」やら「二次元嫁」といった言葉、「ロリコンなので大人の女性には興味ないんです」と、ネタだかマジだかわからない振る舞いがはびこっている時代である。けれど、このアンケートを見ていると「オマエラ、チャンスさえあれば"中古"だろうと"三次"だろうと、こんな機会は二度とないと励むんだろ」と思っていた自分が正しいと確信する。  さて、廃刊にあたり多くの人がコメントを寄せているが、このページの豪華さも、やはり目を見張る。いくつかを抜粋してみよう。 「残念な事である、おそらく帝国主義が悪いのだろう」(朝倉喬司) 「自由な表現のための再生に向けてあらん限りの智恵をふりしぼってほしい」(岡留安則) 「結局、僕は最後までロリコンがよくわからなかったけど、楽しかったよ」(高杉弾) 「『ヘイ!バディー』同志編集者諸君、しばらくは羽をやすめたまえ。そして再び鳥のように自由に翔ぼうじゃないか......」(竹中労) 「廃刊とは、全く残念至極!!また新しい雑誌で、性の伝道者となって下さい」(なぎら健壱) 「変な雑誌がツブれると原稿料が入らないので困る。悪い世の中にしたい」(松田政男)  ......このほかにも、板坂剛、川本耕次、ねぐら☆なお、丸尾末広などの錚々たる「弔辞」が並ぶ。正直、このメンバーに「好きなこと、書いて下さい」と原稿頼んだら、ロリコンじゃなくても、それなりに売れる雑誌ができたのではなかろうか。  ロリコンの是非はともかくとして、現代は窮屈さが増しているのは間違いない。世の中は、明らかにお行儀がよくなった。個人情報だかプライバシーとかに誰もが熱心で、余計なことを書けば、すぐに抗議だ裁判だのと言われてしまう。妙に礼儀正しさとか、立ち位置だとか、ものすごく狭いルールを押しつけられるし、無駄なく、失敗なくを要求されてしまう。で、その先に明るい未来はまったく見えない。「ヘイ!バディー」の編集長を終えた高桑は、その後はカメラマンが本業となったようで、筆者が編集プロダクションで働いていたころ、SEX体位の記事かなんかの撮影で会ったことがある。そのとき、カメラなんて素人の筆者に6×7判カメラのフィルムを交換しろとか無茶な注文をされて焦った記憶が。当時は、この雑誌の編集長と同一人物だとは知らなかったので単に「無茶な人だなぁ」と思ったが、その後、知ったときは妙に納得した。  無茶な人々が大活躍する世の中と、システムの中に取り込まれているけどそこそこ面白いものが絶え間なく供給される世の中と、一体どっちが面白いのだろうか? う~ん、どちらもイヤかも。 (文中敬称略/文=昼間たかし)
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米軍イラン攻撃、富士山噴火、紳助復帰……"賢者"が2012年を大胆予言!

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「週刊現代」1月7・14日号
第1位 「北朝鮮 次は『金正恩暗殺』『軍部クーデター』の異常事態」(「週刊現代」1月7・14日号) 第2位 「賢者51人 知りたい 知りたくない大予言」(「サンデー毎日1月1・8日号) 第3位 「化城の人 池田大作と創価学会の80年」(「週刊ポスト」1月1・6日号)  ブエナビスタが泣いた。  彼女にとってのラストラン・有馬記念が終わり、引退式の直前、暮れなずむ中山競馬場の空から雪が舞い降りてきた。  関係者たちに歩み寄ってきたブエナビスタの顔がアップになると、両目に涙が溢れ、右目からこぼれた一粒が光っていた。  その涙は、GI競走6勝の女傑が3歳の若駒・オルフェーブルに負けた悔しさか、まだ走れるレースへの未練だったのだろうか。  勝者オルフェーブルには何もやるな。敗れ去ったが、記憶に残る名馬ブエナビスタは、3.11の大震災で萎えそうになった日本人に勇気を与えてくれた名牝として長い間語り継がれるであろう。  その宵、中山競馬場全体がブエナのための「メリークリスマス」になった。さらばブエナビスタ、感動をありがとう。  ところで、ソニーが電子書籍専用端末「リーダー」を講談社の人間全員に配ったという。  電子書籍2年目でもなかなか進まない電子書籍市場にインパクトを与えようというものだろうが、この程度ではたいしたインパクトにはならないだろう。  講談社の中でも、配られて1度か2度見ただけで机の中に放り込む者、印鑑を持って取りに行かなければならないので面倒くさいという者それぞれだが、さほど関心は高くないようだ。  楡周平の『虚空の冠』(新潮社)は電子書籍のプラットホーム争いを描いた傑作小説だが、ソフトバンクの孫正義がモデルと思われるベンチャー企業の社長がアマゾンの「キンドル」のような端末を100万台無料で配ることを考え、実行する。  それに危機感を持った読売新聞の渡辺恒雄がモデルらしきメディアの帝王が、通信キャリアや大手出版社を巻き込んで、やはり無料で端末を大量に配り、電子書籍のプラットホーム戦争に勝利するというストーリーだが、これぐらいの台数を無料で配るぐらいの英断をしないと、この市場の先行きはまだまだ暗いだろう。  12月25日付の朝日新聞によれば、iPadなど新端末向けの売上額が2009年度の4倍の約24億円になったそうだ。携帯電話やパソコンを含めた電子書籍の販売額は約650億円だから、書籍売り上げ全体の1割弱だが、そのほとんどはマンガの売り上げである。  私が以前から言っているように、文庫本を超える優れた端末(ハード)が出てこない限り電子書籍の市場は大きく広がらない。  その点では「リーダー」も「キンドル」もまだまだ使い勝手が悪い。電子書籍に対する大手出版者側の腰の引け方を見ても、ビジネスモデルにはならないと踏んでいることが分かる。2012年も電子書籍に関しては暗中模索、試行錯誤が続くと思う。  さて、今週の3位には佐野眞一の新連載を挙げる。連載がこの賞の対象になることはほとんどないが、この「化城の人」には注目である。  なぜなら、池田大作創価学会名誉会長が公式の場から姿を消して、すでに1年半あまりが経つ。普通に考えれば病状が深刻化しているとしか考えられないが、創価学会側はだんまりを決め込んでいる。  池田名誉会長についてのノンフィクションを書こうとしているライターは、私が知っているだけで数人はいる。  創価学会という新興宗教についての面白さもさることながら、池田大作という人物への興味は尽きない。創価学会を日本最大の宗教団体にし、公明党という政党まで作り政界進出をし、あわよくば日本を創価学会一色にしてしまおうという野望は果たされることはなかったが、今こそ徹底的に検証してみるべきだろう。  矢野絢也という男がいる。公明党の委員長まで上りつめて学会の幹部でもある。  かつては池田の熱烈な信奉者であり忠臣であった。その彼が、今や反池田の急先鋒である。  そこへ至るには長い池田・学会との葛藤の歴史があるのだが、今回はそこまで書く紙幅がない。  確実に池田創価学会は瓦解し始め、後継者が誰になろうともこれまでのような一枚岩の体制を維持していくことができないのは、北朝鮮と似ているかもしれない。  佐野眞一がノンフィクション・ライターとして秀でているところは、獲物を捕らえるタイミングを外さない鋭い嗅覚にある。  池田大作創価学会名誉会長時代の終わりを告げようとしている今、彼が何をどう書こうとしているのか注目せざるを得ない。  化城(けじょう)とは法華経の教えの一つで、苦しい悪路を行く旅人が、最終目的地があまりに遠いのであきらめないよう途中に神通力による架空の城、蜃気楼の城を造り、そこで一旦休んだ上、旅を再び続けさせるという説話からとられたという。  1回目は、池田が生まれた大田区大森にある池田家代々の墓に目を向ける。その寺「密厳院」という寺は日蓮宗ではなく、真言宗の寺だというのだ。 「自分の家族や一族でさえ折伏できなかった男が創価学会の会長におさまる。そればかりか、以後半世紀以上その組織のトップに居座り続ける。それが、池田創価学会の最大の謎である」  この大河ノンフィクションがどういう展開を見せるのか、池田という人間がどう描かれるのか、佐野のライターとしての力量も試されることになるはずである。  第2位には年末恒例の予測特集の中で、比較的面白いものがそろっていた「サンデー毎日」の記事を挙げてみた。  1月から12月までに分けて、その分野の"賢者"が予言している。1月は「米国がイラン攻撃開始」するという物騒なことを、佐々木良昭東京財団上席研究員が言っている。  その根拠は11年12月4日にイランが米軍の最新鋭無人偵察機「RQ170」を押収したことだという。これは最先端の技術を満載しているため、米国としてはその情報がロシアや中国へ流失しないよう破壊するしかないのだという。  2月。北朝鮮は2月16日に金正日の誕生70年を盛大に祝うそうだが、「金正日誕生日『拉致被害者帰国なし』」と朴斗鎮コリア国際研究所所長が予言している。  金正恩になっても表面上は何も変わらないようだ。  気になる項目を拾っていく。3月には、富士山が300年ぶりに噴火すると警告する木村政昭琉球大名誉教授の「『3・11』から1年 富士山大爆発は4年以内」。  小沢一郎が政治資金規正法違反の罪に問われている裁判で無罪が出る。その結果、検察審査会が解体されると予測しているのはジャーナリスト魚住昭。  島田紳助が春の特番で芸能界へ復帰するという仰天予言するのは元吉本興業の木村政雄。  5月22日にオープンする東京スカイツリーは地元にとって恩恵がまったくなく、併設されるショッピング街に出店する墨田区内の業者はゼロだそうだ。東武鉄道は年間2,500万人の客を見込むが、下町情緒を壊すだけの乱暴な開発は、観光客から飽きられるだろうと予言するのは西恭三郎共産党墨田区議団長だが、私も同意見である。  6月には「解散・総選挙 野田辞任、『枝野首相』」と読むのは政治ジャーナリストの歳川隆雄。  在沖縄米海兵隊のグアム移転が白紙になり、普天間飛行場の移設が断念される可能性が現実味を帯びてきた。  6月の沖縄県議選では、「沖縄独立論」を唱える候補が出てくるかもしれない。そうなると、尖閣列島領有権を主張している中国がこれを好機とみて、まずは"尖兵"としてチャイナマネーを沖縄に投入してくるのではないかと予言するのは政治評論家の丸山勝彦。  8月には「ロンドン五輪で金メダルは19個」と楽観的な見方をしているのはスポーツジャーナリスト二宮清純。  9月の項では、メジャーリーグ入りをしたダルビッシュが15勝すると予言するのは野球評論家の与田剛。ただし、これまでのような中6日ではなく中4日のローテーションに戸惑うと5勝程度かと。  11月には米大統領選挙が行われるが、再選が危ういといわれるオバマが逃げ切ると読むのは渡部恒雄東京財団上席研究員。  共和党は前マサチューセッツ州知事ロムニーが有力だとする。失業率7%を超えると再選できないというジンクスがあるが、10%台から8.6%まで回復させてきた実績と巧みな話術で、オバマは再選を果たすというのだ。  12月には14年ぶりに日本人横綱・稀勢の里が誕生すると読むのは相撲ジャーナリストの中澤潔。  日経平均1万1,000円を回復するという、これまた楽観的な見方を示すのはマネックス証券チーフ・エコノミスト村上尚己。成長率が11年のマイナス0.9%からプラス1.3%と大きく改善し、内需系の増資が続き、消費税などの増税が決まれば自動車や住宅などの駆け込み需要が出てくるので株価も上がるというのだが、それって、増税された後は再び落ち込むってことだよね。元の木阿弥じゃん。  とまあ、当たるも当たらぬも八卦だが、今年以上の大災害が起こらないように祈るしかないようだ。  金正日の突然の死と若すぎる後継者・金正恩への不安感は近隣各国へ大きく広がっている。野田佳彦総理が珍しく韓国、中国と急いで話し合いをもったのも危機感の表れである。  金正日の死後、各誌この問題を扱っているが、「週刊現代」の特集に見るべきものがあったのでこれをグランプリに推す。  「現代」によれば中国は10月24日、次期中国首相に内定している李克強副首相が平壌へ行った際、ワインをがぶ飲みする金正日を見て、この独裁者の最後は予想されているより早いものになるだろうと中国首脳たちに報告していたという。  そのとき金正恩とも握手を交わしたそうだが、北朝鮮内部に異変が起きていることに気づいた。  首脳会談にも晩餐会の席にも金総書記の側近中の側近、金永春人民武力部長(国防相)の姿がなかったのだ。  金正日の命を受けて数々のテロを実行してきたのは金永春だといわれている。さらに金正日は将来の金正恩体制を全面的に支えてもらうために金永春を人民武力部長に昇格させ、後見人に指名した。  しかし、正恩と永春2人の考え方がまったく違うために、首脳部に大きな亀裂が生まれていると見る。  金永春は金正恩がやろうとした「10万戸の住宅建設」や「デノミ政策」「朝鮮国家開発銀行の発足」などを、経済改革が国外に門戸を開き、相対的に軍部の力が弱体化すると嫌って、ことごとく潰してきたという。  2人の確執はさらにエスカレートしていったために、ついに金総書記は金永春を疎んじるようになったのだが、その裏で驚く決断を中国側はしていた。それは金正恩を後継者として無能だと断じ、金永春に対して、金総書記亡き後は中国人民解放軍が全面的に支援すると伝えていたというのだ。  さらに金正恩が中国への亡命の道を選んでも、受け入れるつもりはない。軍の傀儡か亡命か。どちらにしても金正恩に明日はないというのが「現代」の読みである。  情報源が明示されていないので、このまま信じるわけにはいかないが、後ろ盾を突然失った若いボンボンがこの国を率いていくためには軍の協力が不可欠である。しかし、軍がさらにその力を強めていくことになれば、人民の窮状はさらに深まること、これも間違いない。  そうなれば北からの難民があふれ出し、金王朝はあっという間に崩壊するのだろうか。  26年前、私がたった一人で北朝鮮・平壌に3週間招待され見聞した体験をもとに言わせてもらえば「ノー」である。  国民は金日成が作り上げた「主体思想」を学び、学校教育だけではなく、日常的にテレビや映画、オペラ(北朝鮮はオペラ大国である)で、日本やアメリカ帝国主義の悪辣ぶりを見せられ、日韓併合時代の悪夢を常に思い出させられている。  白頭山から白馬にまたがり日本帝国主義を打ち破った金日成は彼らの神であり、その一族への尊敬の念はそう簡単に消し去ることはできない。  今すぐ日本がやるべきことは、難民やテポドン、ノドンが飛んでくることを恐れるのではなく、金正恩と話し合うパイプを作り、時間をかけて北を解放していく「太陽政策」を取ることにある。先ごろ韓国側が従軍慰安婦問題を出してきたように、朝鮮の人たちの日本への反感は根強いものがある。また、韓国と北は同じ民族であるということを忘れてはいけない。  平壌滞在中に多くの北の人間に話しを聞いたとき、一様に彼らの悲願は「民族統一」である。かつて韓国の要人が私にいった言葉を思い出す。 「韓国人は北に感謝すべきだろう。なぜなら南朝鮮の人間は本来が怠け者なんだ。北の脅威があったから、北に負けまいとして頑張って働くことができ、経済的な繁栄を築くことができたのだから」  南北が統一されてしまえば、中国、朝鮮、台湾に囲まれた日本は孤立するしかない。  2012年こそアメリカの呪縛から逃れ、中国、韓国と話し合い、朝鮮半島を安定させるために日本が主導的な役割を果たすべき年である。いまの野田政権にそんなことを期待してもと、はなからあきらめないで、だめならできる政権を選び直して、させるしかないと、私は思う。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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米軍イラン攻撃、富士山噴火、紳助復帰……"賢者"が2012年を大胆予言!

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「週刊現代」1月7・14日号
第1位 「北朝鮮 次は『金正恩暗殺』『軍部クーデター』の異常事態」(「週刊現代」1月7・14日号) 第2位 「賢者51人 知りたい 知りたくない大予言」(「サンデー毎日1月1・8日号) 第3位 「化城の人 池田大作と創価学会の80年」(「週刊ポスト」1月1・6日号)  ブエナビスタが泣いた。  彼女にとってのラストラン・有馬記念が終わり、引退式の直前、暮れなずむ中山競馬場の空から雪が舞い降りてきた。  関係者たちに歩み寄ってきたブエナビスタの顔がアップになると、両目に涙が溢れ、右目からこぼれた一粒が光っていた。  その涙は、GI競走6勝の女傑が3歳の若駒・オルフェーブルに負けた悔しさか、まだ走れるレースへの未練だったのだろうか。  勝者オルフェーブルには何もやるな。敗れ去ったが、記憶に残る名馬ブエナビスタは、3.11の大震災で萎えそうになった日本人に勇気を与えてくれた名牝として長い間語り継がれるであろう。  その宵、中山競馬場全体がブエナのための「メリークリスマス」になった。さらばブエナビスタ、感動をありがとう。  ところで、ソニーが電子書籍専用端末「リーダー」を講談社の人間全員に配ったという。  電子書籍2年目でもなかなか進まない電子書籍市場にインパクトを与えようというものだろうが、この程度ではたいしたインパクトにはならないだろう。  講談社の中でも、配られて1度か2度見ただけで机の中に放り込む者、印鑑を持って取りに行かなければならないので面倒くさいという者それぞれだが、さほど関心は高くないようだ。  楡周平の『虚空の冠』(新潮社)は電子書籍のプラットホーム争いを描いた傑作小説だが、ソフトバンクの孫正義がモデルと思われるベンチャー企業の社長がアマゾンの「キンドル」のような端末を100万台無料で配ることを考え、実行する。  それに危機感を持った読売新聞の渡辺恒雄がモデルらしきメディアの帝王が、通信キャリアや大手出版社を巻き込んで、やはり無料で端末を大量に配り、電子書籍のプラットホーム戦争に勝利するというストーリーだが、これぐらいの台数を無料で配るぐらいの英断をしないと、この市場の先行きはまだまだ暗いだろう。  12月25日付の朝日新聞によれば、iPadなど新端末向けの売上額が2009年度の4倍の約24億円になったそうだ。携帯電話やパソコンを含めた電子書籍の販売額は約650億円だから、書籍売り上げ全体の1割弱だが、そのほとんどはマンガの売り上げである。  私が以前から言っているように、文庫本を超える優れた端末(ハード)が出てこない限り電子書籍の市場は大きく広がらない。  その点では「リーダー」も「キンドル」もまだまだ使い勝手が悪い。電子書籍に対する大手出版者側の腰の引け方を見ても、ビジネスモデルにはならないと踏んでいることが分かる。2012年も電子書籍に関しては暗中模索、試行錯誤が続くと思う。  さて、今週の3位には佐野眞一の新連載を挙げる。連載がこの賞の対象になることはほとんどないが、この「化城の人」には注目である。  なぜなら、池田大作創価学会名誉会長が公式の場から姿を消して、すでに1年半あまりが経つ。普通に考えれば病状が深刻化しているとしか考えられないが、創価学会側はだんまりを決め込んでいる。  池田名誉会長についてのノンフィクションを書こうとしているライターは、私が知っているだけで数人はいる。  創価学会という新興宗教についての面白さもさることながら、池田大作という人物への興味は尽きない。創価学会を日本最大の宗教団体にし、公明党という政党まで作り政界進出をし、あわよくば日本を創価学会一色にしてしまおうという野望は果たされることはなかったが、今こそ徹底的に検証してみるべきだろう。  矢野絢也という男がいる。公明党の委員長まで上りつめて学会の幹部でもある。  かつては池田の熱烈な信奉者であり忠臣であった。その彼が、今や反池田の急先鋒である。  そこへ至るには長い池田・学会との葛藤の歴史があるのだが、今回はそこまで書く紙幅がない。  確実に池田創価学会は瓦解し始め、後継者が誰になろうともこれまでのような一枚岩の体制を維持していくことができないのは、北朝鮮と似ているかもしれない。  佐野眞一がノンフィクション・ライターとして秀でているところは、獲物を捕らえるタイミングを外さない鋭い嗅覚にある。  池田大作創価学会名誉会長時代の終わりを告げようとしている今、彼が何をどう書こうとしているのか注目せざるを得ない。  化城(けじょう)とは法華経の教えの一つで、苦しい悪路を行く旅人が、最終目的地があまりに遠いのであきらめないよう途中に神通力による架空の城、蜃気楼の城を造り、そこで一旦休んだ上、旅を再び続けさせるという説話からとられたという。  1回目は、池田が生まれた大田区大森にある池田家代々の墓に目を向ける。その寺「密厳院」という寺は日蓮宗ではなく、真言宗の寺だというのだ。 「自分の家族や一族でさえ折伏できなかった男が創価学会の会長におさまる。そればかりか、以後半世紀以上その組織のトップに居座り続ける。それが、池田創価学会の最大の謎である」  この大河ノンフィクションがどういう展開を見せるのか、池田という人間がどう描かれるのか、佐野のライターとしての力量も試されることになるはずである。  第2位には年末恒例の予測特集の中で、比較的面白いものがそろっていた「サンデー毎日」の記事を挙げてみた。  1月から12月までに分けて、その分野の"賢者"が予言している。1月は「米国がイラン攻撃開始」するという物騒なことを、佐々木良昭東京財団上席研究員が言っている。  その根拠は11年12月4日にイランが米軍の最新鋭無人偵察機「RQ170」を押収したことだという。これは最先端の技術を満載しているため、米国としてはその情報がロシアや中国へ流失しないよう破壊するしかないのだという。  2月。北朝鮮は2月16日に金正日の誕生70年を盛大に祝うそうだが、「金正日誕生日『拉致被害者帰国なし』」と朴斗鎮コリア国際研究所所長が予言している。  金正恩になっても表面上は何も変わらないようだ。  気になる項目を拾っていく。3月には、富士山が300年ぶりに噴火すると警告する木村政昭琉球大名誉教授の「『3・11』から1年 富士山大爆発は4年以内」。  小沢一郎が政治資金規正法違反の罪に問われている裁判で無罪が出る。その結果、検察審査会が解体されると予測しているのはジャーナリスト魚住昭。  島田紳助が春の特番で芸能界へ復帰するという仰天予言するのは元吉本興業の木村政雄。  5月22日にオープンする東京スカイツリーは地元にとって恩恵がまったくなく、併設されるショッピング街に出店する墨田区内の業者はゼロだそうだ。東武鉄道は年間2,500万人の客を見込むが、下町情緒を壊すだけの乱暴な開発は、観光客から飽きられるだろうと予言するのは西恭三郎共産党墨田区議団長だが、私も同意見である。  6月には「解散・総選挙 野田辞任、『枝野首相』」と読むのは政治ジャーナリストの歳川隆雄。  在沖縄米海兵隊のグアム移転が白紙になり、普天間飛行場の移設が断念される可能性が現実味を帯びてきた。  6月の沖縄県議選では、「沖縄独立論」を唱える候補が出てくるかもしれない。そうなると、尖閣列島領有権を主張している中国がこれを好機とみて、まずは"尖兵"としてチャイナマネーを沖縄に投入してくるのではないかと予言するのは政治評論家の丸山勝彦。  8月には「ロンドン五輪で金メダルは19個」と楽観的な見方をしているのはスポーツジャーナリスト二宮清純。  9月の項では、メジャーリーグ入りをしたダルビッシュが15勝すると予言するのは野球評論家の与田剛。ただし、これまでのような中6日ではなく中4日のローテーションに戸惑うと5勝程度かと。  11月には米大統領選挙が行われるが、再選が危ういといわれるオバマが逃げ切ると読むのは渡部恒雄東京財団上席研究員。  共和党は前マサチューセッツ州知事ロムニーが有力だとする。失業率7%を超えると再選できないというジンクスがあるが、10%台から8.6%まで回復させてきた実績と巧みな話術で、オバマは再選を果たすというのだ。  12月には14年ぶりに日本人横綱・稀勢の里が誕生すると読むのは相撲ジャーナリストの中澤潔。  日経平均1万1,000円を回復するという、これまた楽観的な見方を示すのはマネックス証券チーフ・エコノミスト村上尚己。成長率が11年のマイナス0.9%からプラス1.3%と大きく改善し、内需系の増資が続き、消費税などの増税が決まれば自動車や住宅などの駆け込み需要が出てくるので株価も上がるというのだが、それって、増税された後は再び落ち込むってことだよね。元の木阿弥じゃん。  とまあ、当たるも当たらぬも八卦だが、今年以上の大災害が起こらないように祈るしかないようだ。  金正日の突然の死と若すぎる後継者・金正恩への不安感は近隣各国へ大きく広がっている。野田佳彦総理が珍しく韓国、中国と急いで話し合いをもったのも危機感の表れである。  金正日の死後、各誌この問題を扱っているが、「週刊現代」の特集に見るべきものがあったのでこれをグランプリに推す。  「現代」によれば中国は10月24日、次期中国首相に内定している李克強副首相が平壌へ行った際、ワインをがぶ飲みする金正日を見て、この独裁者の最後は予想されているより早いものになるだろうと中国首脳たちに報告していたという。  そのとき金正恩とも握手を交わしたそうだが、北朝鮮内部に異変が起きていることに気づいた。  首脳会談にも晩餐会の席にも金総書記の側近中の側近、金永春人民武力部長(国防相)の姿がなかったのだ。  金正日の命を受けて数々のテロを実行してきたのは金永春だといわれている。さらに金正日は将来の金正恩体制を全面的に支えてもらうために金永春を人民武力部長に昇格させ、後見人に指名した。  しかし、正恩と永春2人の考え方がまったく違うために、首脳部に大きな亀裂が生まれていると見る。  金永春は金正恩がやろうとした「10万戸の住宅建設」や「デノミ政策」「朝鮮国家開発銀行の発足」などを、経済改革が国外に門戸を開き、相対的に軍部の力が弱体化すると嫌って、ことごとく潰してきたという。  2人の確執はさらにエスカレートしていったために、ついに金総書記は金永春を疎んじるようになったのだが、その裏で驚く決断を中国側はしていた。それは金正恩を後継者として無能だと断じ、金永春に対して、金総書記亡き後は中国人民解放軍が全面的に支援すると伝えていたというのだ。  さらに金正恩が中国への亡命の道を選んでも、受け入れるつもりはない。軍の傀儡か亡命か。どちらにしても金正恩に明日はないというのが「現代」の読みである。  情報源が明示されていないので、このまま信じるわけにはいかないが、後ろ盾を突然失った若いボンボンがこの国を率いていくためには軍の協力が不可欠である。しかし、軍がさらにその力を強めていくことになれば、人民の窮状はさらに深まること、これも間違いない。  そうなれば北からの難民があふれ出し、金王朝はあっという間に崩壊するのだろうか。  26年前、私がたった一人で北朝鮮・平壌に3週間招待され見聞した体験をもとに言わせてもらえば「ノー」である。  国民は金日成が作り上げた「主体思想」を学び、学校教育だけではなく、日常的にテレビや映画、オペラ(北朝鮮はオペラ大国である)で、日本やアメリカ帝国主義の悪辣ぶりを見せられ、日韓併合時代の悪夢を常に思い出させられている。  白頭山から白馬にまたがり日本帝国主義を打ち破った金日成は彼らの神であり、その一族への尊敬の念はそう簡単に消し去ることはできない。  今すぐ日本がやるべきことは、難民やテポドン、ノドンが飛んでくることを恐れるのではなく、金正恩と話し合うパイプを作り、時間をかけて北を解放していく「太陽政策」を取ることにある。先ごろ韓国側が従軍慰安婦問題を出してきたように、朝鮮の人たちの日本への反感は根強いものがある。また、韓国と北は同じ民族であるということを忘れてはいけない。  平壌滞在中に多くの北の人間に話しを聞いたとき、一様に彼らの悲願は「民族統一」である。かつて韓国の要人が私にいった言葉を思い出す。 「韓国人は北に感謝すべきだろう。なぜなら南朝鮮の人間は本来が怠け者なんだ。北の脅威があったから、北に負けまいとして頑張って働くことができ、経済的な繁栄を築くことができたのだから」  南北が統一されてしまえば、中国、朝鮮、台湾に囲まれた日本は孤立するしかない。  2012年こそアメリカの呪縛から逃れ、中国、韓国と話し合い、朝鮮半島を安定させるために日本が主導的な役割を果たすべき年である。いまの野田政権にそんなことを期待してもと、はなからあきらめないで、だめならできる政権を選び直して、させるしかないと、私は思う。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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「私の前世はマイクかもしれないんです」【高本めぐみ】小6で描いたマイクロフォンの夢の中

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 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の16回目です! 今回は『いつか天魔の黒ウサギ』(テレビ埼玉ほか)のヒロインでおなじみ、高本めぐみさんです! ――高本さんは「第1回シグマ・セブン公開オーディショングランプリ」っていう華々しいデビューなのに、ブログもTwitterもやられてないですし、画像を検索しても完全に別人の写真が出てきたり、出回ってる情報が極端に少ないんですが、それは意図的に? 高元(以下、高) 情報をセーブしようという意図は全然なかったんですけど、オーディションに合格したときは大学生でしたし、レッスンの経験もまったくなかったので、外にアピールするより先に自分が内に得ないといけないもののほうが圧倒的に多かったんです。まだ足りない、まだ必要だと思っているうちにここまで来ちゃいました(笑) ――グランプリなのに、アイドル声優的なポジションには全然進まれなかったんですね。  私にはアイドル性がないですからね(キッパリ)。 ――おきれいなのに! 写真は苦手なんですか? 高 すっごい写るのヘタなので!!(笑) ――いやいや、透明感が半端ないですよ。 高 それは存在感が薄いだけだと思います......そのうち透けてなくなるかも?(笑) ――そういう意味での透明度じゃなくて......やっぱり色白だからですかね、普段どんなケアをされてるんですか? 高 至って普通なんですけど......室内にばかりいるからかしら......。 ――あんまり外には出ないタイプなんですか? 高 極端ですね。「今日は一歩も出ないぞ!」っていう日と、「今日は帰らないぞ!」という日があって。 takamotomegumi02.jpg ――帰らない日は何をして遊ばれるんですか? 高 散歩してます。 ――ずっと? 高 はい。歩くのが好きで、スタジオ移動も2~3時間とかなら平気で歩いちゃったりしてますね。一応、バレー部だったので基礎体力はあって......。 ――なるほど! そんなに細いのにどこにそんな体力が! 高 脱いだらスゴイんです(笑)。......だから脱げないですっ! ――でも、めちゃめちゃお肌もキレイですし、ここはいっちょ大胆に......。 高 やめてください! 全然地デジ対応できないんで(笑) ――いやいや、昭和の女優さんみたいな正統派の美人顔っていうか......。 高 そうですね、リアクションが昭和って言われますね(笑)。あと考え方が古風というか、「昔気質だよね」ってマネジャーさんから言われるんです。あれ、生まれる時代を間違えたかな~? ――どこまでも褒めさせないですね! 高 小心者なので、どうしても「いやいやいや」といった受け方しかできなくて。いつか自信を持って「ありがとうございます」と返せる自分を目指したいと思います。 ――でも、外見やプロフィールから、勝手に清楚で真面目な学級委員的な方なのかなぁと思ってたんですが、意外と、えーと、変わった方なんですね! だって趣味が歌・ピアノ・映画鑑賞・乗馬って......少女マンガの主人公みたいなプロフィールじゃないですか! 高 ね(笑)。でも、乗馬に関してはたまたまつけたテレビでディープインパクトの引退試合をやっていて、ついつい見守っていたら、終わった頃には涙が出ちゃって......あのごぼう抜きはすごかった!! ――初見のディープインパクトに影響されて乗馬を!? 競馬にハマるほうじゃなくてよかったです!  ベースは真面目なんですよ! ただイベントやラジオだと、「楽しんでもらわないと!」と意気込んだ結果、やる気が斜め上に走って残念な感じに......おかしいなぁ。 ――その部分はどんどん出してほしいです! ちなみに、声優を志されたのはいつ頃から? 高 小学校の卒業文集で、将来の夢を書くじゃないですか? それまでにもぼんやりとしたビジョンはあったのですが、固まったのはそのときだと思います。 ――どうして声優だったんでしょうか? 高 マイクとお芝居が好きだからです! まさに声優はドンピシャ! ――マイク好き!? マイク真木? 高 (笑)。とにかくマイクが好きで、前世はマイクだったのかもしれない。 ――......。おうちにいるときは、何をされているんですか? 高 本を読んでいるか、歌っているかですね。劇団☆新感線さんの『SHIROH』という作品を友だちに教えてもらったんですけど見事にハマっちゃいまして! 部屋でひとり「皆殺しだー!!!」とか歌ってるんで、外に声が漏れていたらちょっとマズイですね(笑)。 ――スゴい選曲! 演劇がお好きなんですか? 高 大好きです! 舞台ってすごい世界......! takamotomegumi03.jpg ――私から見ると、声優業界だって相当すごい世界ですよ! でも、演劇がお好きなのに演劇に進まずに声優さんの道へ行かれたのも、やっぱり人前に出るのが恥ずかしいから? 高 いや、マイクが......! ――あ、マイクないから!? なぜそんなにマイクにこだわりが! 高 ね、なんででしょうね......やっぱり、前世がマイクだったのかも......? ――......。えっと、学生時代はどう過ごされましたか? 高 高校までは、共学で、大学は女子大です。 ――女子大と言えば合コン! たくさん誘われたんじゃないですか? 高 誘われはしたんですけど、このお仕事を目指す上で「大学に行く、資格を取る」という親との約束があったので、4年間通してけっこう授業に追われてたんですよ。そして授業が終わってからお仕事へ向かうといった生活だったので、結局合コンは経験できずじまいでしたね(苦笑) ――だから資格をいっぱい持ってるんですね、司書と学芸員! 学芸員というのは、どういったことをする資格なんでしょう。 高 学芸員は、博物館に勤めることができる資格です。 ――ぎゃあ! かっこいい! こういう業界は決して安定しないものですけど、それだけ資格があると、将来に不安とかは少なそうですね。 高 いえいえ! ありますよ! あくまでも私がやりたいのは今の仕事ですから。今日も出掛けに「あっ......(凹)」って思いながら......。 ――えっ、出掛けに? 高 あと、夜中にハッと目が覚めて不安になって眠れなくなったりとか......。 ――そういうときはどうするんですか? 高 それこそ乗馬や好きなことをパーッとやって発散しちゃうとか、逆に泣ける音楽や映像、本などを見て思い切り泣いて不安ごと洗い流してしまうか。 ――好きな男性のタイプは? 高 理想は、自分の精神年齢がすごく低いので、それを許容してくれる人と......あと、誠実な感じ......? ――間口が広い! 高 だから、お見合い婚のほうがいいんだろうなぁ。穏やかで一途な方に出会いたい! ――昔気質! では婚活も含めて、イベントやライブなどの告知があればぜひ! 高 あ、特にないので、「何気にまだまだ頑張っていまーす☆」とかで! ――あはは! ずっといるじゃないですか! 高 いろんな時間帯でいろんな雰囲気の作品にご縁を頂いているんですけど、それぞれ視聴者層が違うらしくて「高本久しぶりに見た」って言われたりもするんですよ。あと、ナレーションだと事前情報が出ないことも多いので、何やら神出鬼没な人になりつつあるような気がします。それはそれで面白いんじゃないかなと思っているんですけど(笑) ――声優としての目標みたいなものはありますか? 高 ご縁を頂いた番組を生涯背負っていくこと! その仕事をしている瞬間瞬間に愛情を込めるのはもちろんですが、番組が終わった後にこそ、さらにその作品・キャラに対する責任を忘れないようにしたいんです。過去に恥じないように今を頑張ることができれば、少しずつでも前進できると思うので......。歩みは遅くとも、頑張りたいです! (取材・文=小明/写真=宍戸留美) takamotomegumi04.jpg ●たかもと・めぐみ 10月3日生まれ。千葉県出身。シグマ・セブン所属。主な出演作に『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』(ウィンリィ・ロックベル役)、『いつか天魔の黒ウサギ』(サイトヒメア役)等。宍戸さんとは『WHITE ALBUM』(澤倉美咲役)、『ジュエルペット てぃんくる☆』(アルマ役)で共演。現在『SKET DANCE』(丹生美森役)、『クロスファイトビーダマン』(稲葉ナツミ役)が放送中。その他J:COMで放送中の『ぶらかるちゃ』をはじめ、各種ナレーションでも活躍中。 ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 ☆魔性姉妹としてもミュージシャン森若香織と音楽活動開始!! http://www.loft-prj.co.jp/masho/ ☆7年ぶりのニューアルバム「CHERBOURG→BRIGHTON」発売中!! http://p.tl/rVTY ☆USTREAM音楽番組「宍戸留美×津田大介 Oil in Life」も絶賛放送中!! 公式HP http://rumi-shishido.com/ ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
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【声優 on FINDER!】バックナンバー 【vol.15】「左手の薬指の爪にしか自信がなくて......」【山咲智美】100点満点少女のメランコリー 【vol.14】「ロングヘアーの男としか交際しない!?」【千葉千恵巳】犬1匹ネコ7匹とのおだやかでラジカルな日常 【vol.13】「今がいちばん精神状態が幼いかも(笑)」【吉田仁美】7歳でデビュー、逆行のライク・ア・チャイルド 【vol.12】「目立つの苦手、でもやっぱり歌って踊りたい」【水野愛日】12年ぶりのシングルリリース 【vol.11】「レトロな物が好きなんです」【井上直美】50年前のカブリオレを駆って 【vol.10】「あのころ、ネットがなくて本当によかった」【小明】中2のままのアイドルライフ 【vol.09】「悩んだら、バーッっときてグワーン!」【中川里江】1回泣いて全部忘れるヒロインサイド 【vol.08】「"声優"の仕事の幅広さにびっくり」【稲村優奈】10年に詰まったスクランブルデイズ 【vol.07】「ビキニを着たこともないんです」【蝦名恵】3カ月目のヴァージン・シュート 【vol.06】「生き急いだ分、戻ってやり直しができると思う」【江里夏】10歳で見たデイドリーム 【vol.05】「何でも出来るって、とりあえず言っちゃう」【矢野明日香】360度のワークフィールド 【vol.04】「考えてると、寝ちゃうんです......」【窪田涼子】東経135度のモラトリアム 【vol.03】「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド 【vol.02】「いつもどこかで、なんとかなるさ」【片岡あづさ】22歳のセカンドフェーズ 【vol.01】「Twitter始めるまで、いつも泣いてた」【宍戸留美】20年目のセルフポートレート

狂気とポップカルチャーが融合!? 香港のアーティストが追求する"不完全な美"

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"the 161 series" (c)Tore
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第22回 アーティスト Tore Cheung (トーレ・チョン)  香港のアーティスト、Tore(トーレ)は現在27歳。絵はまったくの独学だが、大学卒業後、フリーで活動を始めると、すぐにその才能が認められ、イラストレーターとして雑誌や新聞で活躍するようになる。本人は「ビギナーズ・ラックだった」というが、その作風には、技術を超えた個性が際立っている。
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 少女漫画のようにきらきら星の目を持つ女の子たち。はっきりとした明るい色づかい。しかし、ポップだからこそ逆に危険な香りが際立つ背景の中で描かれた彼女たちの表情は、深い狂気をはらんでいる。  幼いころ、朝ご飯のときに必ずテレビで見ていたアニメ、『おにいさまへ...』(NHK、出崎統監督)。 「なんでその番組がついていたのかよく分からないんですが......とにかく毎日、朝ご飯を食べながらショックを受けていました」  自殺やドラッグ、レズビアンや暴力など、およそ子ども向けとはいえない要素がてんこもりだったそのアニメは、幼いトーレに、朝っぱらから大変な恐怖を与えたという。 「きれいで痩せっぽちで、イノセントな瞳を持つ女の子たち、クラシックでアンティークな装い......夢見るような美しさの裏には、暗いメッセージが隠されていたんです」
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"illustration for Jet Magazine" (c)Tore
 しかしそれは逆に、彼の世界観を広げることにもなる。 「人生っていろいろあるんだなと。僕が"かわいい、でも怖い"という矛盾したテーマを選ぶのは、この原体験がもたらしたものだと思います」  幼児期に既に「人生の暗い部分」を疑似体験した彼の1990年代は、日本のポップ・カルチャーとともにあった。カヒミ・カリィ、コーネリアス、ピチカート・ファイヴ。内田有紀や、ともさかりえ、広末涼子、PUFFY......「Zipper」(祥伝社)や「CUTiE」(宝島社)といった女性向けファッション誌は、安くなった古本を買い込み、サンリオが発行する「いちご新聞」(一体どこで手にいれたのか?)まで購読していたという。こうした「渋谷系」のアーティストと「ポップ・スター」やおしゃれガール雑誌は、日本がはじけていた頃の象徴でもある。トーレは「日本のカラフルで楽しいグラフィックやイラストを見るのが大好きだった」という。
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"Joystick_sticker project 2" (c)Tore
 その後、大人になったトーレが追いかけたのは、一転して「日本のダークサイドもの」。荒木経惟の写真、寺山修司の映画、椎名林檎や戸川純の音楽、丸尾末広の漫画、大竹伸朗のコラージュ......。 「僕の作風は、子どもの頃に体験した明るくてスィートな日本と、大人になって知ったダークな日本が混合したものなんです」  トーレの作品は、香港ではどのように受けとめられているのだろう。トーレによれば「香港人は、分かりやすいものにひかれる傾向がある」という。
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"new substance" (c)Tore
「アーティストにとってそういう状況は、複雑なアイデアを分かりやい表現に落とし込むという、挑戦しがいのある状況でもあります。ちょうどいいバランスに到達するのは、かなり難しいことだから」  つまりトーレは、そうした微妙なバランス感覚に優れた表現者なのだ。  最近、日本の「わびさび」に関する本を読んで感動したという。 「日本人が、"不完全で、永遠のものではない"美をいかに表現するのか、ということに、すごくインスピレーションを受けました」  かわいさ、怖さ、わびさび......。「来年は個展を開きたい」というトーレは、これからも絶妙なバランスの上で、その作風をより深化させていくのだろう。 tore-portrait.jpg●Tore Cheung 1984年香港生まれ。ドローイング、ペインティング、コラージュを制作するトーレは、香港理工大学でヴィジュアル・コミュニケーションを学び、その後フリーランスとして活動。雑誌やファッション、音楽などの分野で作品を発表している。現在は香港のファッションブランド、Daydream Nationでテキスタイル・デザインも担当。初の作品集は、2009年に出版された『Mexican Bun Crumbs』。 <http://tearmeboreyou.temptemps.com/> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
おにいさまへ...DVD-BOX1 アニメの枠を超えたアニメです。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.21】「人間の欲望を視覚化?」香港人気キャラの生みの親が追求する"醜さの美学" 【vol.20】「故郷・ボルネオ島での原体験が創造力の源」世界で活躍するマレーシアの"ケンヂ" 【vol.19】「人生に起きるすべてのことを細かく観察したい」中国ネット世代のアーティスト 【vol.18】「ヒーローは宮崎駿と奈良美智」シンガポールのマルチスタイル・アーティスト 【vol.17】「ルーツは『天空の城 ラピュタ』」ウォン・カーウァイに見い出された香港の若き才能 【vol.16】怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回る! ヤン・ウェイの妖魔的異界 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

狂気とポップカルチャーが融合!? 香港のアーティストが追求する"不完全な美"

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"the 161 series" (c)Tore
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第22回 アーティスト Tore Cheung (トーレ・チョン)  香港のアーティスト、Tore(トーレ)は現在27歳。絵はまったくの独学だが、大学卒業後、フリーで活動を始めると、すぐにその才能が認められ、イラストレーターとして雑誌や新聞で活躍するようになる。本人は「ビギナーズ・ラックだった」というが、その作風には、技術を超えた個性が際立っている。
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『おにいさまへ...DVD-BOX1』
(パイオニアLDC)
 少女漫画のようにきらきら星の目を持つ女の子たち。はっきりとした明るい色づかい。しかし、ポップだからこそ逆に危険な香りが際立つ背景の中で描かれた彼女たちの表情は、深い狂気をはらんでいる。  幼いころ、朝ご飯のときに必ずテレビで見ていたアニメ、『おにいさまへ...』(NHK、出崎統監督)。 「なんでその番組がついていたのかよく分からないんですが......とにかく毎日、朝ご飯を食べながらショックを受けていました」  自殺やドラッグ、レズビアンや暴力など、およそ子ども向けとはいえない要素がてんこもりだったそのアニメは、幼いトーレに、朝っぱらから大変な恐怖を与えたという。 「きれいで痩せっぽちで、イノセントな瞳を持つ女の子たち、クラシックでアンティークな装い......夢見るような美しさの裏には、暗いメッセージが隠されていたんです」
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"illustration for Jet Magazine" (c)Tore
 しかしそれは逆に、彼の世界観を広げることにもなる。 「人生っていろいろあるんだなと。僕が"かわいい、でも怖い"という矛盾したテーマを選ぶのは、この原体験がもたらしたものだと思います」  幼児期に既に「人生の暗い部分」を疑似体験した彼の1990年代は、日本のポップ・カルチャーとともにあった。カヒミ・カリィ、コーネリアス、ピチカート・ファイヴ。内田有紀や、ともさかりえ、広末涼子、PUFFY......「Zipper」(祥伝社)や「CUTiE」(宝島社)といった女性向けファッション誌は、安くなった古本を買い込み、サンリオが発行する「いちご新聞」(一体どこで手にいれたのか?)まで購読していたという。こうした「渋谷系」のアーティストと「ポップ・スター」やおしゃれガール雑誌は、日本がはじけていた頃の象徴でもある。トーレは「日本のカラフルで楽しいグラフィックやイラストを見るのが大好きだった」という。
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"Joystick_sticker project 2" (c)Tore
 その後、大人になったトーレが追いかけたのは、一転して「日本のダークサイドもの」。荒木経惟の写真、寺山修司の映画、椎名林檎や戸川純の音楽、丸尾末広の漫画、大竹伸朗のコラージュ......。 「僕の作風は、子どもの頃に体験した明るくてスィートな日本と、大人になって知ったダークな日本が混合したものなんです」  トーレの作品は、香港ではどのように受けとめられているのだろう。トーレによれば「香港人は、分かりやすいものにひかれる傾向がある」という。
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"new substance" (c)Tore
「アーティストにとってそういう状況は、複雑なアイデアを分かりやい表現に落とし込むという、挑戦しがいのある状況でもあります。ちょうどいいバランスに到達するのは、かなり難しいことだから」  つまりトーレは、そうした微妙なバランス感覚に優れた表現者なのだ。  最近、日本の「わびさび」に関する本を読んで感動したという。 「日本人が、"不完全で、永遠のものではない"美をいかに表現するのか、ということに、すごくインスピレーションを受けました」  かわいさ、怖さ、わびさび......。「来年は個展を開きたい」というトーレは、これからも絶妙なバランスの上で、その作風をより深化させていくのだろう。 tore-portrait.jpg●Tore Cheung 1984年香港生まれ。ドローイング、ペインティング、コラージュを制作するトーレは、香港理工大学でヴィジュアル・コミュニケーションを学び、その後フリーランスとして活動。雑誌やファッション、音楽などの分野で作品を発表している。現在は香港のファッションブランド、Daydream Nationでテキスタイル・デザインも担当。初の作品集は、2009年に出版された『Mexican Bun Crumbs』。 <http://tearmeboreyou.temptemps.com/> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
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■バックナンバー 【vol.21】「人間の欲望を視覚化?」香港人気キャラの生みの親が追求する"醜さの美学" 【vol.20】「故郷・ボルネオ島での原体験が創造力の源」世界で活躍するマレーシアの"ケンヂ" 【vol.19】「人生に起きるすべてのことを細かく観察したい」中国ネット世代のアーティスト 【vol.18】「ヒーローは宮崎駿と奈良美智」シンガポールのマルチスタイル・アーティスト 【vol.17】「ルーツは『天空の城 ラピュタ』」ウォン・カーウァイに見い出された香港の若き才能 【vol.16】怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回る! ヤン・ウェイの妖魔的異界 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

"懐かしのおもちゃ"から"スポーツ"へ 「ルービックキューブ」今昔物語


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アナログとデジタルの過渡期であった1980年代。WiiもPS3もなかったけれど、ジャンクでチープなおもちゃがあふれていた。足りない技術を想像力で補い、夢中になって集めた「キン消し」「ミニ四駆」「ビックリマンシール」......。懐かしいおもちゃたちの現在の姿を探る!   「3×3×3の立方体をガチガチっと組みかえて、一面を同じ色でそろえよう!」というこの上なくシンプルな立体パズル「ルービックキューブ」。  1974年に、ハンガリーの発明家にして建築家、エルノー・ルービックが考案したこの立体パズルは、1980年にツクダオリジナルより日本でも発売開始。それからわずか8カ月で約400万個以上という売り上げを記録した。  10万個売れればヒットといわれる玩具業界において驚異的なヒット商品となったルービックキューブは、日本全国に一大ブームを巻き起こし、81年1月31日には帝国ホテルにて「第1回全日本キュービスト大会」が行われるほどの大ヒット商品となった。  読者の中には、当時、なんとか一面だけでも色をそろえようと必死にカラフルな立方体をいじり倒した人もいるのではないだろうか。今回は、そんなルービックキューブの今を追いかけてみよう。 ■インターネット時代が追い風に
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「2000年代に入ってから日本国内のみならず、世界で大きなブームがきています」  そう語るのは、現在日本でルービックキューブを販売している株式会社メガハウスの広報担当・板垣有記氏だ。  05年に発売されたニンテンドーDS用ゲームソフト『脳を鍛える大人のDSトレーニング』(任天堂)に端を発する脳トレブームが追い風となり、知的玩具として大きな注目を浴びるようになったルービックキューブは、07年には日本国内のシリーズ年間出荷個数が90万個を記録。同年、国内累計出荷数が1,000万個を突破したそうだ。  また世界的に見ても、03年に82年の第1回以来約20年ぶりとなる世界大会がカナダ・トロントで開催されたのを皮切りに、以降2年ごとに世界各地で同大会が催されている。  世界的なムーブメントの理由として板垣氏は、 「親がルービックキューブを持っていたから......という事情もあるのでしょうが、動画投稿サイトの影響も考えられます。ルービックキューブ愛好家が続々と自分のプレー動画をアップロードし、それを面白いと思った若い世代が興味を持ってルービックキューブを手にすることが多いようです」
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2×2×4という変則的なデザインが印象的な「ルービックタワー」。
 と、インターネット時代ならではの隆盛の理由を語る。実際に大会の上位入賞者の顔ぶれを見ると、発売当初のブームを知るはずもなさそうな10代の若者が非常に多い。  彼らはルービックキューブを回転させるための特殊なテクニックを駆使して、1秒でも速くパズル完成を目指す。達人クラスともなれば親指から小指までを駆使して、一瞬で何回転もさせてしまうという。  こういったテクニックを習得するのは、もちろん一朝一夕にできるものではない。実に、4,325京2,003兆2,744億8,985万6,000通りも存在するブロックの配置から、すべてそろった状態に復元すべく、若きトップ・キュービストたちはルービックキューブを「懐かしのおもちゃ」ではなくスポーツ的な競技と認識し、日々鍛錬に明け暮れているのだ。 ■日本の中高生が活躍した2011年の世界大会!  さて、そんな奥の深いルービックキューブだが、世界大会ではどんな競技が行われているのだろうか。  有志のキュービストが集まり、日本国内でルービックキューブ普及活動を行っている「日本ルービックキューブ協会」のサイトによれば、「3×3×3」、「4×4×4」、「5×5×5」のルービックキューブの色をそろえるという標準的な競技のほか、「片手でそろえる」「両足でそろえる」といったアクロバティックな競技まで多種多様。中には「目隠ししたままそろえる」という神業レベルの競技まであり、過去には目隠ししたまま19個のルービックキューブを53分ですべてそろえた、という中国代表による驚異的な記録も残っているそうだ。
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ブロックの形状自体が変わっていく「ルービックミラーブロックス」。
 このような世界各国のトップ・キュービストが集う「ルービックキューブ世界大会2011」が、今年もタイにて開催されたことはご存じだろうか。  世界36カ国317名が参加した本大会に、日本からは過去最大の36名が参加。各部門で日本人選手が好成績を残す中、「3×3×3片手部門」で中学3年生の伏見有史君が15秒56で優勝を。そして高校3年生の田渕雄夢君が15秒57で準優勝を飾った。 「81年の第1回全日本キュービスト大会では46秒台だった3×3×3のベストタイムも、今や7秒台。タイムは日々更新され続けています」  という板垣氏の言葉からも分かるように、四半世紀を経てもなおルービックキューブを究めんとするキュービスト達の挑戦は続いており、日本の若者達がその最先端を走っているようだ。 ■進化し続けるルービックキューブ  日本での発売開始以来、基本的に一切変更点のないルービックキューブだが、そのアイデアを生かした新製品が毎年のように発売されている。
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初心者向け対戦型ゲーム「ルービックレース」
 スタンダードなモデルのほかに、2×2×4という変則的なデザインが印象的な「ルービックタワー」。ブロックの形状自体が変わっていく「ルービックミラーブロックス」という非常に高難度な上級者向けアイテムが好評を博す一方、 「今後は日本ルービックキューブ協会と協力して、子供や年配の方に向けてルービックキューブを定着させていきたいです」  そう板垣氏が語るように、先月発売されたばかりの初心者向け対戦型ゲーム「ルービックレース」など、魅力的なラインナップがズラリと並ぶ。国内での発売からおよそ30年を経た今日もなお、ルービックキューブは進化し拡大し続けているのだ。  人間の頭脳と手先に潜む無限の可能性に挑む立体パズルに、読者のみなさんもぜひとも挑戦してみてはいかがだろうか。 (取材・文=有田シュン)
ルービックキューブ 一度もそろった試しがないよ。 amazon_associate_logo.jpg
●【バック・トゥ・ザ・80'S】バックナンバー 【Vol7】練り続けて25年! 家族の絆を繋ぐ遊べるお菓子「ねるねるねるね」秘話! 【Vol.6】合体のロマンに全国の男子がハマりまくった! 「合体シリーズ」「ミニ合体シリーズ」今昔物語 【Vol.5】男子だって着せ替えしたいんです、プロテクターを! 「聖闘士聖衣大系」今昔物語 【Vol.4】学校で唯一読めたコミック! 『エスパークス』今昔物語 【Vol.3】ゲームの可能性を広げた80年代のミッキーマウス 「パックマン」今昔物語 【Vol.2】世代を超えて愛される地上最速ホビー「ミニ四駆」今昔物語 【Vol.1】手のひらに広がる大冒険!「ゲームブック」今昔物語