オリエンタルラジオさんの至言「"変わってるって思われたい自分"も見透かされてる」(中編)

akari_oriradi02_s.jpg前編はこちらから ――おお......そんな相方を隣で見守る気持ちは? 中田 まあ、ありがたいなと思っていますけど、そういうものですからね、消費は早いですから。頑張ってくれ!(あっさり) 藤森 ......。 ――えっと、おふたりはブレークしてからずっとメディアに出続けていますけど、何か秘訣はあるんでしょうか? 藤森 やっていて分かったんですが、確かに僕らは番組がすぐに終わったりはしても、まったく仕事がなくなったことはなくて。自分でなんとなく振り返ってみると、その時々に、自分の核となるネタがあったんですよ。「とにかく大御所の芸能人とお付き合いをしてみよう」とか、「今度は女の子と遊ぼう」とか。そういう風にやっていたら、今のチャラ男になった。これはさんまさんが言ってたことなんですが、「3カ月に1回ブレークせなあかん」みたいな。それを意識したわけではないですけど、なんとなく仕事が調子よくもらえる時って、核となるネタがあるんです。だから、それを作り続けていかなきゃいけない。ネタは舞台で見せるものだけじゃないから。だからチャラ男の次は......。 ――えっ! もうチャラ男の次を考えているんですか!? チャラ男、面白いのに!! 藤森 もちろん、それは分かっていますから。人って飽きますもの。変わり続けなきゃ。 中田 でも、全部ゼロになるわけではないですから。今もたまに武勇伝をやると喜んでもらえるし、そういうのがありつつ、新しいものを作っていくというか......変わろうというよりも、ただ一生懸命いい形になって生きようと思ってます。 ――おふたりとも顔で損をしたことはないですか? お笑いの世界だと、イケメンだとハードルが高くなりそうです。 中田 それは両極端です。両方あるんですよ。単純に僕らの外見が好みで見てくれる女の子もいるから、スタートダッシュは早い。ただ男性の反感もある。僕も昔、モテなかった時はロンブーさんが大嫌いでしたしね(笑)。ちょうどロンブーさんが売れ始めた頃、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)が始まって、通学の登下校で渋谷駅にどデカいポスターに「ロンドンブーツが出てきた!」って書いてあった時は悔しさがすごかったんですよ。「お笑いでスタイリッシュだったら、こちらに寄るすべがない!」と、非常に毛嫌いしていたんです(笑)。そういう気持ちはすごく分かるので、僕らのことも「嫌われているな~」っていうのは分かりましたね。でも、それは大人になるにつれてなくなる感情だし、気にならなくなりましたね。見た目がよくても面白い人は面白いし、ブサイクでも面白くない人は面白くないですから。 ――なるほどー。中田さんはお笑い以外でも、絵を描かれたりもしてますよね。「どういう精神状態でこれを?」っていう、グロテスクな絵を......。 中田 でも、僕は普通の人間だなって思います。ああいう絵を描くことで"変わってるって思われたい自分"も出ているでしょうし、それも見透かされるでしょうし......。ただ、すごく暴力的なものを描きたくなるんですよ。首が切れていたり、怪我していたり、よく分からないんですけど、描きたいんですよね。 ――DVDでも、びっくりするくらい血のりが出てきたりしていますよね。ちょっとしたホラーよりも血まみれ! 中田 DVDなんかを作る時に、「これがウケるだろう」と思って作る頭もあるんですけど、結局、衝動がないとパサパサなものになってしまうんです。衝動に忠実であろうとしてはいるんですけど、そうなるといつも暴力にいってしまう。ケンカしたこともないんですけどね(笑)。 ――ケンカしない分、内面にそうとうな暴力性が秘められていそうです! おふたりのエッセーにはよくコンプレックスという言葉が出てきますが、どのようなコンプレックスをお持ちなんですか? 中田 藤森くんは、イチモツに変なイボがある。 ――......えっ。 中田 あとは趣味が長続きしないのと、自分を持っていない。ペラペラである。この4つがコンプレックスだと思う。 藤森 はいはい。僕のはいいですよ。 中田 僕のは......すごいいい人になりたいと思うんです。 ――今は、いい人じゃないんですか? 中田 いい人じゃないですね。この業界に入って、「なんであんなにいい人なんだろう」って思う人が多くて。ベッキーとかを見ると、「なんでまだ国民栄誉賞を得ていないのか!?」と思います。いい人であろうとしても、絶対に嫌な一面が露呈してしまうのが人間の常なので、もしキャラを作っているとしたら、逆に反動の闇が気になるんです。誰だってスーパーマンのままではいられないですから、ベッキーはどこで人間になるのか? だから、僕は核シェルターの中でベッキーが何をしているのかを考えると、涙が出てくる。だから、僕もいい人になりたい。すごく。 藤森 「いい人になりたい」って言っているうちはダメなんですよ。ベッキーは自分のことを「嫌な奴」って言いますから。たぶん、僕らの次元では考えられない何かで形成されているんだ。 ――あはは! ベッキーは本当に毎朝、Twitterで全人類の幸せを祈ったりしていますもんね。そして中田さんはそれをお気に入りに入れている(笑)。Twitterに関しては、おふたりともかなり真面目ですよね。たまに若くてかわいい女の子をズラーってフォローしてたりする人もいるけれど、チャラ男キャラの藤森さんは全然そうじゃない。 藤森 そうですね。あっちゃんは尋常じゃない数フォローしてますけど。 中田 僕は3万人フォローしてますから。人とかかわろうと思って。 藤森 でも、ほとんどブロックするじゃない、あなた。 中田 僕は極端なので、「私をフォローしてください」「フォローミー」ってのがすごく多かったんですよ。「うるせえな! じゃあお前ら全員フォローしたらどんな気持ちになるんだよ!」って、3万人の限界までフォローしたんですよ。タイムラインも本当に高速で流れるようになって......。でも、中には、友達がいなくてフォローされている人がゼロの人も多いわけですよ。で、つぶやきはすごくたくさんあったりして......。それって池に向かってずっと石を投げている状態じゃないですか。そんな時に僕がフォローするだけで、仮に僕が読んでなくても、僕が読んでいる感があるんでしょうね。本当に感謝される。そして、そのフォローを外した時、ものすごく悲しそうな顔をするんですよ。一度、フォローしてる最中に「やっぱりやめよう」と思ったら、外した人たちから「なんで外すんですか?」「中田さんがいなかったらゼロなんです。私のつぶやきはどこに投げればいいんでしょうか!」って言われて......。そういう人たちが多いんだと思ったら、ガーッと3万人をフォローすることになりまして、その上で、ブロックにおきましては、"カジュアルブロック"というのを推奨してまして。 ――中田さんってけっこう優しい......ん? なんです? その"カジュアルブロック"っていうのは? 中田 何気なくブロックしちゃう。流れてくるつぶやきを見て、「僕はこの言い回しはイヤだな」と思うのと、カジュアルにブロックする。 藤森 ぜんぜんカジュアルじゃないけどね! 人に制裁を加えるのが好きなんです。嫌な人! 中田 最近は、自分のことをフォローしてない奴をブロックしてるんですよ。"オリラジ"で検索して、「この人ちょっと違うな~」と思ったら、先んじてブロックしておくんです。そしてその人が2~3年後、何かの事情で僕のつぶやきを読みたいと思った時に、「なぜ読めない?」とパニックになる。そして、「2~3年前のあの発言だったのか!」と気づいて欲しい。ということで、先んじてブロック。僕らはそれをやります。 藤森 僕はそんなことしないですよ!! 中田 最近、ちょびちょび危険な時がありますけど、もう少しであなたも僕にブロックされますよ。 藤森 相方までも? 中田 カジュアルブロックあるよ。気をつけていただきたい。 藤森 ......。 (後編につづく/取材・文=小明) ●おりえんたるらじお 中田敦彦と藤森慎吾からなるお笑いコンビ。2004年結成。翌年、「武勇伝」ネタで大ブレーク。以降、数々のテレビレギュラーをこなしつつ、トークライブ活動なども精力的に行っている。11年11月より『おまかせ!アニマックスNAVI』放送中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
オリエンタルラジオ 全国漫才ライブツアー 才(ザイ) 武勇伝だけじゃない! amazon_associate_logo.jpg
小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第30回】 大槻ケンヂさんの至言「ネガティブを売りにすると自家中毒に陥るんです」 【第29回】 辛酸なめ子さんの至言「なんか、つい交尾の話とかしちゃうんです」 【第28回】 みうらじゅんさんの至言「アイドルライターってなんなの?」 【第27回】 山路徹さんの至言「バラエティーが怖いようでは戦場に行けないですよ」 【第26回】 浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

「ヤクルトとカップヌードルに洗礼?」MOJOKOのユーモラスな世界

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Attack on Golden Mountain(c)MOJOKO
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第23回 アーティスト MOJOKO(モジョコ)  数年前、"シンガポールの裏原宿"と呼ばれる"ハジ・レーン"という小さな路地にある、地元の若者が経営するオシャレブティックで、フリーペーパー「Kult」 を手にしたときの衝撃。ローカルなのか無国籍なのか判然とせず、うさん臭くて尖っている、なのに愛嬌のあるユーモラスな世界に一瞬で引き込まれた。「シンガポールでこんな"変なこと"をしているクリエイターがいる」と、妙にうれしくなった。  その頃、ファンククリス・リーたちの「地元の飲み会」で、いつもゆるゆると和んでいるイギリス人、スティーブ・ローラーがいた。そして彼がイラン生まれの香港育ちで、MOJOKO(モジョコ)というアーティスト名でシンガポールをベースに活動し、さらに「Kult」のクリエイティブ・ディレクターでもあると知ったときの2度目の衝撃。だが同時に、いろいろなことが腑に落ちた。
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『ガンダム30thアニバーサリー
コレクション
機動戦士ガンダム』
(バンダイビジュアル)
 子ども時代を過ごした香港で、MOJOKOはほかの香港人の子どもたちと同様、日本のコミックカルチャーの洗礼をもろに受けて育ったという。その最初の記憶は、テレビで流れる日本のアニメーション。ガンダムやドラえもん、タツノコプロの『ゴールドライタン』や『宇宙の騎士テッカマン』の超ハイパーカラーは、今も鮮明に覚えている。 「僕の人生における最重要品目は、ヤクルトとカップヌードル。それとスーパーマーケットにディスプレイされていた、日本語の商品広告やポスター。意味は全然分からないけど、パッケージやポスターに印刷されているグラフィカルな文字の形に惹かれました。カラフルで生き生きして、子どもの僕にはたまらない刺激だった」  広告であれ娯楽であれ、日本の「グラフィックに妥協しない姿勢」は、彼の作品作りに大きく影響しているという。
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Megadeath02(c)MOJOKO
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Trasher(c)MOJOKO
「特に日本のゲームはすごい。香港の大きなゲームセンターには、カプコンの最新ゲームを宣伝するグラフィックスが店中に飾られていた。僕は、ほとんどの時間をゲームセンターで過ごしていたから、強烈な体験として残っているし、初期のテレビゲームカルチャーや、任天堂のスーパーファミコンには、今でもすごく影響を受けていると感じるんだ」  MOJOKOの手法として知られる、東西津々浦々の大量のグラフィックや文字のコラージュ。ひとつひとつはてんでバラバラのスタイルや意味を持つものが、作品の上では、不思議な統一感を醸し出す。「みんな違うけど、みんなどこか同じ」ということを視覚的に感じる驚きや楽しさ。それは、多くの国で暮らした経験を持つMOJOKOからのメッセージでもある。"MOJOKO語"は、世界共通の"見ることで通じる"言語なのだ。
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CultureFuck(c)MOJOKO
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Nodody can save us(c)MOJOKO
 MOJOKOにとって、アジアで暮らすことは「驚きに満ちあふれたもの」だという。 「古いもの、新しいものに限らず、素晴らしいタイポグラフィやパッケージ、職人の技、建物の装飾などなどが至るところに存在している。シンガポールなんか、一つの標識に、タミル語、マレー語、英語、中国語が書かれているんだよ。みんな、そういうものに普通に囲まれて暮らしているんだ。そんなふうにすさまじくミックスされたカルチャーが、ハイブリッドなアイデアを大量に生み出していく力になるのだと思う」  プロジェクトを構想するときには、現地のカルチャーや感受性に目を配りながら、かつ国際的な視点を持つことが大切だというMOJOKO。 「そのイメージソースは、香港とシンガポールの広告。多文化、多国籍の人たちが暮らす場所だから、広告も言語の壁を越えた多くの人々に狙いを定めている。つまり、そういうものを日常的に見ている人たちは、視覚的なリテラシーが高いということ。僕は"イメージという言語"を探求したい。そしてグラフィックによって、文化や言語を越えて、僕のアイデアを伝えたいと思っているんだ」
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Kult magazine
 これからも「Kult」の活動はもちろん、これまでも数多くこなしてきた展覧会のキューレーションも続けていきたいという。 「アーティストとしては、インドやブラジル、日本で展覧会をするのが夢です。インタラクティブ・アートの展示をしてみたい」  地元のクリエイティブ界でもすっかり"顔"になりながら、そこで収まることなく、飄々と国籍や文化を越えてフィールドを拡げていく。世界中のどこにいても"MOJOKO語"を目にする日は近いかもしれない。 (取材・文=中西多香[ASHU]) Mojoko_portrait.JPG ●スティーブ・ローラー イラン生まれ。シンガポール・ベースの英国人アーティスト。イタリアのファブリカ、ニューメディア部門での訓練後、商業的、個人的な実験的プロジェクトに多数従事。現在Kult magazineのクリエイティブ・ディレクターであると同時に、現地のアンダーグラウンドな活動に、キュレーター、アーティストとして関わっている。グラフィック&インタラクティブ・デザインのバックグラウンドを持つ彼の最近の作品は、世界中のマスメディアに現れる現代における衝撃的なイメージを反映させたもので、世界中の多くのメディアで紹介されている。 <http://www.mojoko.net.> <http://www.stevelawler.com> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
ガンダム30thアニバーサリーコレクション 機動戦士ガンダム 『機動戦士ガンダム』劇場3部作の第1弾。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.21】「狂気とポップカルチャーが融合!? 香港のアーティストが追求する"不完全な美" 【vol.22】「人間の欲望を視覚化?」香港人気キャラの生みの親が追求する"醜さの美学" 【vol.20】「故郷・ボルネオ島での原体験が創造力の源」世界で活躍するマレーシアの"ケンヂ" 【vol.19】「人生に起きるすべてのことを細かく観察したい」中国ネット世代のアーティスト 【vol.18】「ヒーローは宮崎駿と奈良美智」シンガポールのマルチスタイル・アーティスト 【vol.17】「ルーツは『天空の城 ラピュタ』」ウォン・カーウァイに見い出された香港の若き才能 【vol.16】怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回る! ヤン・ウェイの妖魔的異界 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

米国に半世紀も君臨した"影の大統領" FBI初代長官『J・エドガー』

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歴代大統領を脅し、マスコミを巧みに操作して、半世紀にわたって
FBI長官の座を守った怪人物J・エドガー・フーバーの生涯を、
レオナルド・ディカプリオが嬉々として演じている。 (C) 2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
 77歳で亡くなるまで、FBI(連邦捜査局)初代長官の座に居座り続けた男、J・エドガー・フーバー。その在位期間は禁酒法の時代1924年からニクソン大統領がウォーターゲート事件を引き起こした1972年までの約半世紀にもわたる。罷免権を持つ米国大統領でさえ、彼には逆らうことができず、米国の"影の大統領"と呼ばれた。FBIの組織づくりに手腕を発揮し、科学的捜査方法を導入するなどの功績を残す一方、生涯独身だったためにホモ説が囁かれる謎多き怪人物でもあった。1930年生まれのクリント・イーストウッド監督は最新作『J・エドガー』の中でエドガー・フーバーの生涯に迫ると同時に、犯罪やスキャンダルに満ちた米国の裏面史を振り返っている。スクリーンの中で自分が決めた掟にのみ従うアウトローを演じ続けてきたイーストウッドが、米国の"正義"を守り続けてきたエドガー・フーバーをどのように描いたのか興味深い。  歴代大統領たちは当然ながら目の上のたんこぶ的存在であるエドガー・フーバーを権力の座から引きずり降ろそうとしたが、その度にエドガー・フーバーはFBI名物である"機密ファイル"をちらつかせて大統領たちを黙らせた。機密ファイルには要人たちの極秘情報が記録されており、ルーズベルト大統領夫人の不倫相手、ケネディ大統領の海軍時代からの女性関係などもしっかり収めてあった。人間だれしも、他人には知られたくない過去があるもの。あの手この手で成功を収めた権力者ならなおのこと。エドガー・フーバーは8人の大統領のもとでFBI長官を務めたが、誰ひとり彼に引導を渡すことができなかった。エドガー・フーパーはマスコミ関係者の詳細な素性も調べ上げた。エドガー・フーバーは情報収集力で民主国家・米国を支配した"闇の王様"だった。
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20代にしてFBI初代長官に就任したエドガー
・フーバーは、捜査官たちに規律と身だしなみ
を求める。
 なぜ、そこまでしてエドガー・フーバーは、権力の座にこだわり続けたのか? 自分の信じる"正義"を貫くためだとイーストウッド監督は説いている。エドガー・フーバーが長官に就任して間もないFBI創設期に起きたのが、リンドバーグ愛児誘拐事件。世界初となる大西洋横断飛行に成功した国民的ヒーローであるチャールズ・リンドバーグの2歳に満たない息子が1932年に誘拐された事件だ。エドガー・フーバーはこの事件をきっかけに指紋照合システムを作成し、それまでの誘拐犯罪の捜査が州単位で行なわれたのを米国全域で捜査できるリンドバーグ法の成立に情熱を注ぐ。市民の生活を犯罪者たちの恐怖から守るという大義名分によって、FBIは大きな力を持つようになった。一方、エドガー・フーバーの意欲とは裏腹に、誘拐事件は哀しい結末を迎える。科学捜査によって逮捕した犯人も、冤罪の可能性が高いと言われている。  だが、エドガー・フーバーの信念は頑として変わらない。厳格な家庭で育てられたエドガー・フーバーは卑劣な犯罪者が許せない。法を犯すギャングたちをヒーローのごとく扱うマスコミも許せない。米国を揺るがす共産主義者たちは徹底的に排除する。自分に従わない人間はとことん痛めつける。FBIの権力をますます強めていく。すべては己の信じる"正義"を守るためだ。そのためにはキレイごとは言ってられない。電話の盗聴や内部告発を装ったタレ込みも厭わない。民衆への影響力が大きい政治家や映画スターたちのスキャンダルを握り、犯罪のない国家づくりへと邁進する。イーストウッド監督が人間の心の闇まで見つめて映画をつくるように、エドガー・フーバーも人間社会の暗部を監視することで米国を牛耳ったのだ。  『J・エドガー』では、レオナルド・ディカプリオが理想に燃える青年期からぶよぶよになる晩年の姿まで怪人物エドガー・フーバーをひとりで演じ切る。ディカプリオ演じる晩年のエドガー・フーバーは自分の老いを認めたくなく、"強壮剤"という名のドラッグを常用する。正義一直線で生きてきた彼は、口述筆記で輝かしい自分の回顧録を残そうとする。教育熱心だった母親(ジュディ・デンチ)との絆、リンドバーグ愛児誘拐事件の苦い顛末、ジョン・ディリンジャーをはじめとするギャングスターたちとの抗争と人気絶頂期、キング牧師のノーベル平和賞受賞妨害工作......さまざまな時代の出来事がエドガー・フーバーの脳裏を駆け巡る。老いのせいかドラッグのせいか、都合のいいエピソードがジグゾーパズルのようにバラバラにシャッフルされて渦巻く。イーストウッド監督は、ひとりの人間の一生はそうそう簡単に分かるもんじゃないよとでも言いたげだ。
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毎年クリスマスは母親と過ごす、孝行息子の
エドガー・フーバー。その横には副長官
クライド・トルソンが寄り添った。
 ゲイであることを公表して、マイノリティーのための公権運動に取り組んだハービー・ミルクの伝記映画『ミルク』(08)で知られる脚本家ダスティン・ランス・ブラックが関係者への入念な取材を重ねて、本作のシナリオを担当。生涯を独身で通し、FBI副長官のクライド・トルソン(アーミー・ハマー)と毎日欠かさず食事を共にしていたことからホモ説、バイセクシャル説が噂されたエドガー・フーパーだが、本作では彼の私生活をスキャンダラスな視点から暴くことはしていない。公私にわたってエドガー・フーバーに寄り添ったクライド・トルソンとの関係を"尊敬"と"信頼"の最上級形のものとして捉えている。2人の男の熱い関係を、男臭いキャラクターを演じてきたイーストウッド監督がどのように描いているかも見どころとなっている。  エドガー・フーバーの個人秘書を務めたヘレン・ガンディ(ナオミ・ワッツ)も実在の人物。エドガー・フーバーをFBI長官就任以来ずっと支え続けた女性だ。恋愛感情で結ばれた男女の多くが一生の愛を誓いながらも、熱が醒めるのと同時に別れていくのに対し、エドガー・フーバーとヘレン・ガンディは尊敬できるボスと忠実な秘書という関係を終生通した。世間的な恋愛関係や婚姻関係とは異なるが、これも一種の愛の形なのかもしれない。  価値観やモラルが時代によってどんどん変わっていくように、歴史上の人物の評価も時代によって大きく変わっていく。どれだけの名声を手に入れたかという生涯人気度数よりも、本人がどれだけ自分の信じた道を突き進むことができたかという信念走行距離のほうに、イーストウッド監督は人物評価において重きを置いている。権力の座に固執し続けたエドガー・フーバーは、若かりし頃に自分が掲げた"正義"の旗印がすっかりドドメ色に変色してしまっていることに気づかない。共産主義者の排斥に努めながら、彼自身が共産国の独裁者のような恐怖政治を強いることになった。客観的に観れば、あまりにも"痛すぎる人生"だ。でも、エドガー・フーバーはどんなに時代が変わろうとも、醜聞まみれになろうとも、自分が死ぬ前日まで仕事に打ち込み、自分が頑なに信じる"正義"を貫いた。自分が信頼を寄せる部下たちを家族同然のように愛し、生涯を共にした。自分の人生を全力でまっとうしたひとりの男として、イーストウッド監督はある種の敬意を込めて描いている。 (文=長野辰次) edgar04.jpg 『J・エドガー』 製作・監督/クリント・イーストウッド 脚本/ダスティン・ランス・ブラック 出演/レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマー、ジョシュ・ルーカス、ジュディ・デンチ  配給/ワーナー・ブラザース映画 丸の内ピカデリーほか1月28日(土)より全国ロードショー <http://wwws.warnerbros.co.jp/hoover>
FBIフーバー長官の呪い 盗聴マニアにして同性愛者。 amazon_associate_logo.jpg
●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第154回]犯罪者たちに学ぶ"人心掌握術"の奨め『アニマル・キングダム』『預言者』 [第153回]"地獄"からの生還者・板尾創路の凄み 古典落語を過激に脚色『月光ノ仮面』 [第152回]早くも2012年ベスト1映画が登場!"代理殺人"を巡る恐怖『哀しき獣』 [第151回]父殺し、自分殺し、そして再生の物語 園子温流ラブストーリー『ヒミズ』 [第150回]米国お笑い横断旅行『宇宙人ポール』人間のちっぽけな悩みはETが解決! [第149回]70年前と変わらない日本人の精神構造『聯合艦隊司令長官 山本五十六』 [第148回]追悼......"永遠の反逆児"原田芳雄さん幻の主演作『原子力戦争』がDVD化 [第147回]"ファスト風土"を舞台にした犯罪喜劇 J・アイゼンバーグ主演『ピザボーイ』 [第146回]"正義のゾンビ"が犯罪者を貪り喰う! イラク戦争奇談『ゾンビ処刑人』 [第145回] "時代の寵児"の未ソフト化作品上映!「松江哲明グレイテスト・ヒッツ」 [第144回]原発事故を描いた『カリーナの林檎』と今関あきよし監督の背負った贖罪 [第143回]"窮屈なモラル"を脱ぎ捨てた裸の女たち 園子温監督の犯罪エロス『恋の罪』 [第142回]ノーベル賞作家・川端康成が夢想した新風俗『スリーピングビューティー』 [第141回]横暴な上司は有志社員が制裁します!『モンスター上司』のブラックな笑い [第140回]"クソみたいな社会を変えたい!"高校生テロリストの凄春『アジアの純真』 [第139回] うつ病なんかヘーキ!? 宮崎あおい主演作『ツレがうつになりまして。』 [第138回]"神話"が生まれる瞬間を目撃せよ! 人類への黙示録『猿の惑星:創世記』 [第137回]刑務所で食する至高の味『極道めし』ヒロインの後ろ姿に、むせび泣き! [第136回]"理想の恋人"という偶像を破壊せよ 深夜番長の劇場デビュー作『モテキ』 [第135回]"城定秀夫監督、ブレイク前夜の予感! 闘争本能を呼び覚ます『タナトス』 [第134回]"人間失格"の道を選んだ映画監督の業 林由美香の最新主演作『監督失格』 [第133回]ホラ吹きのホラを見破る特異な職能 ポランスキー監督『ゴーストライター』 [第132回]芦田愛菜、6歳にして危険な魅力!? 子連れで全力疾走『うさぎドロップ』 [第131回]元"暴走族"が書いた旧友への鎮魂歌 青春懺悔録『アメイジング グレイス』 [第130回]V・ギャロ主演のサバイバルグルメ!? 『エッセンシャル・キリング』 [第129回]『キック・アス』より悪趣味で泣ける 中年男の悪ノリ暴走劇『スーパー!』 [第128回]この夏の清涼剤、地方少女のダンス成長記『あぜみちジャンピンッ!』 [第127回]竹ヤリで世界進出"スシタイフーン"『エイリアンVSニンジャ』ほか逆上陸 [第126回]イーモウ監督、久々のアイドル映画 中華的妹萌え『サンザシの樹の下で』 [第125回]ナタリー・ポートマン vs. ヘビメタ野郎 人気女優の隠し球『メタルヘッド』 [第124回]黒澤明の名作『生きる』のラテン版! ヤモメ男が残した遺産『BIUTIFUL』 [第123回]北国で93年間営業を続ける"大黒座"と町の記録『小さな町の小さな映画館』 [第122回]新幹線がすれ違う瞬間、願いが叶う? 小学生の目線で描かれた『奇跡』 [第121回]理想と情熱がもたらした"痛い現実" 青春の蹉跌『マイ・バック・ページ』 [第120回]胸に響く金言"プロとは手を抜くこと" 職人秘話『アトムの足音が聞こえる』 [第119回]危険な出会い、井口昇ミーツ仲村みう 悪夢の遊園地『富江 アンリミテッド』 [第118回]ナタリー・ポートマン"第1章"の終幕 虚実が攻め合う『ブラック・スワン』 [第117回]"セカイ"を旅立った少女の地底探検記 新海誠監督の新作『星を追う子ども』 [第116回] 美少女たちの輝きが脳裏から離れない。青春ムービー『魔法少女を忘れない』 [第115回] 恋愛が与える"陶酔"とリアルな"痛み"サブカル活劇『スコット・ピルグリム』 [第114回]妄想、空想、そして現実からの大脱走 美少女革命『エンジェル ウォーズ』 [第113回]"3.11"後の新しい映画モデルとなるか『劇場版 神聖かまってちゃん』の挑戦 [第112回]マスコミが讃えた"楽園"のその後、ひとりの少女の成長記録『愛しきソナ』 [第111回]閉鎖的な"村社会"をブチ破ったれ! 韓流サバイバル劇『ビー・デビル』 [第110回]"粋"を愛したフランスの伯父さん J・タチ主演『イリュージョニスト』 [第109回]自分にとって家族は敵か、味方か? オスカー2冠受賞『ザ・ファイター』 [第108回]コーエン兄弟『トゥルー・グリット』40年で変化した"米国のヒーロー像" [第107回]ジョニー・デップが愛した"極道記者" 『GONZO』奇人がスターだった時代 [第106回] 巨匠イーストウッド監督の異色作! "あの世"はあるか?『ヒア アフター』 [第105回] キレ味、喉ごしが違うアクション! 黒帯美少女の"涙拳"が炸裂『KG』 [第104回] 高齢化するニートはどこに行くのか? "戸塚校長"のその後『平成ジレンマ』 [第103回]堀北真希&高良健吾主演作『白夜行』闇に生きる"影男"の密やかなる喜び [第102回]園子温の劇薬ムービー『冷たい熱帯魚』"救いのない結末"という名の救い [第101回] NHKが放映しない"裏プロジェクトX" AV界のカリスマ監督『YOYOCHU』 [第100回]エロスとタブーを交配した"至高の美女" 禁断のサイエンスホラー『スプライス』 [第99回]2010年に活躍した女優を勝手に表彰! 満島ひかりに"面倒くさい女"大賞を [第98回]大人だって"ドラえもん"にいて欲しい 残念男の逆転劇『エリックを探して』 [第97回]平凡な高校生デイヴは2度変身する!原点回帰のヒーロー『キック・アス』 [第96回]村上春樹の超絶ベストセラーの映画化『ノルウェイの森』はどこにある? [第95回]実在した"奇妙な高額バイト"の顛末 心理サスペンス『エクスペリメント』 [第94回]"アル中"カメラマンの泣き笑い人生『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』 [第93回]朝ドラと異なる映画『ゲゲゲの女房』ゴールなき"貧乏耐久"2人3脚走 [第92回]バラエティーでの実績は通用するか? テリー伊藤の初監督作『10億円稼ぐ』 [第91回] 不謹慎なる社会派エンタテイメント『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』 [第90回]"世界のナベアツ"大阪府知事に就任! 政治コメディ『さらば愛しの大統領』 [第89回]自分の恋愛もプロデュースする女優、ドリュー・バリモア主演『遠距離恋愛』 [第88回]スタローンが立ち上げた"筋肉共和国"男たちの祭典『エクスペンダブルズ』 [第87回]元"おはガール"安藤聖の再起動ドラマ 就職氷河期を生きる『バカがウラヤマシイ』 [第86回]マイノリティーは"理想郷"を目指す。筒井文学の金字塔『七瀬ふたたび』 [第85回]清純派・佐藤寛子が美しく"変態"! 官能サスペンス『ヌードの夜──』 [第84回]死を意識して、ギラギラ輝く男たち! 三池節、大バクハツ『十三人の刺客』 [第83回] 女を食い物にする男どもは全員処刑! モダン社会の闇を暴く『ミレニアム』 [第82回] "企画AV女優"たちの青春残酷物語 性なる鎮魂劇『名前のない女たち』 [第81回]猫を見れば、人間社会が見えてくる! 世界の人気猫大集合『ネコを探して』 [第80回]原恵一監督の新作は辛口ファンタジー 退屈な"日常生活"を彩る『カラフル』 [第79回]米軍に実在した"超能力部隊"の真実!? ムー民、必見『ヤギと男と男と壁と』 [第78回]戦場から帰還した夫は"芋虫男"だった! ヤクザ監督の反戦映画『キャタピラー』 [第77回] 白ユリの花開くガールズの妖しい世界 H系ホラー『ジェニファーズ・ボディ』 [第76回] 爽やか系青春ゾンビ映画にホロリ......夏休みは『ゾンビランド』に集結せよ [第75回] "生きる"とは"見苦しい"ということ 藤沢周平の時代活劇『必死剣 鳥刺し』 [第74回]初恋の美少女は200歳の吸血鬼だった! 北欧産のホラー映画『ぼくのエリ』 [第73回] "三億円事件"の真相を解き明かす! 桜タブーに挑んだ『ロストクライム』 [第72回/特別編] 上映反対で揺れる問題作『ザ・コーヴ』"渦中の人"リック・オバリー氏の主張 [第71回] 女子にモテモテになる方法、教えます。軟派少年の実話物語『ソフトボーイ』 [第70回] 下町育ちの"北野少年"が見た現代社会 人間同士の食物連鎖『アウトレイジ』 [第69回] "リアルと虚構の狭間"を生きる男、アントニオ猪木初主演作『アカシア』 [第68回] ヒーローも神もいない現代社会の惨劇 井筒監督の問題作『ヒーローショー』 [第67回] アイドルが地獄で微笑む『戦闘少女』ギャグ×血しぶき×殺陣の特盛り丼! [第66回]アナーキーな"社歌"で生産性アップ! 満島ひかり大進撃『川の底からこんにちは』 [第65回]超ヘビー級なシリアス劇『プレシャス』"家族"という名の地獄から脱出せよ [第64回]乱れ咲く"悪の華"ゼブラクイーン! 仲里依紗が過激変身『ゼブラーマン2』 [第63回] オタク王が見出した"夢と現実"の接点 ティム・バートン監督作『アリス──』 [第62回] バッドテイストな感動作『第9地区』 アナタはエビ人間とお友達になれるか? [第61回]スコセッシ監督の犯罪アトラクション『シャッターアイランド』へようこそ! [第60回]宮崎あおいの"映画代表作"が誕生! 毒を呑んでも生き続けよ『ソラニン』 [第59回]"おっぱいアート"は世界を救えるか? 母乳戦士の記録『桃色のジャンヌ・ダルク』 [第58回]現代に甦った"梶原一騎ワールド"韓流ステゴロ映画『息もできない』 [第57回]命知らずの変態レポーター、中東へ! 史上最大のどっきり?『ブルーノ』 [第56回]仲里依紗がアニメから実写へと跳躍! 母娘2代の時空旅行『時をかける少女』 [第55回]ビグロー監督はキャメロンより硬派! 人間爆弾の恐怖『ハート・ロッカー』 [第54回] "空気を読む"若者の悲劇『パレード』楽しいルームシェア生活の行き先は? [第53回]社会の"生け贄"に選ばれた男の逃亡劇 堺雅人主演『ゴールデンスランバー』 [第52回]『男はつらいよ』の別エンディング? "寅さん"の最期を描く『おとうと』 [第51回]ひとり相撲なら無敵のチャンピオン! 童貞暴走劇『ボーイズ・オン・ザ・ラン』 [第50回]ヒース・レジャーが最後に見た夢の世界 理想と欲望が渦巻く『Dr.パルナサスの鏡』 [第49回]トニー・ジャーは本気なんジャー! CGなしの狂乱劇再び『マッハ!弐』 [第48回]全米"オシャレ番長"ズーイー、見参! 草食系に捧ぐ『(500日)のサマー』 [第47回]市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化 [第46回]押井守監督、大いなる方向転換か? 黒木メイサ主演『アサルトガールズ』 [第45回]ドラッグ漬けの芸能関係者必見!"神の子"の復活を追う『マラドーナ』 [第44回] 暴走する"システム"が止まらない! マイケル・ムーア監督『キャピタリズム』 [第43回]"人は二度死ぬ"という独自の死生観『ガマの油』役所広司の監督ぶりは? [第42回]誰もが共感、あるあるコメディー! 2ちゃんねる発『ブラック会社』 [第41回]タラとブラピが組むと、こーなった!! 戦争奇談『イングロリアス・バスターズ』 [第40回]"涅槃の境地"のラストシーンに唖然! 引退を賭けた角川春樹監督『笑う警官』 [第39回]伝説の男・松田優作は今も生きている 20回忌ドキュメント『SOUL RED』 [第38回]海より深い"ドメスティック・ラブ"ポン・ジュノ監督『母なる証明』 [第37回]チャン・ツィイーが放つフェロモン爆撃 悪女注意報発令せり!『ホースメン』 [第36回]『ソウ』の監督が放つ激痛バイオレンス やりすぎベーコン!『狼の死刑宣告』 [第35回]"負け組人生"から抜け出したい!! 藤原竜也主演『カイジ 人生逆転ゲーム』 [第34回]2兆円ペット産業の"開かずの間"に迫る ドキュメンタリー『犬と猫と人間と』 [第33回]"女神降臨"ペ・ドゥナの裸体が神々しい 空っぽな心に響く都市の寓話『空気人形』 [第32回]電気仕掛けのパンティをはくヒロイン R15コメディ『男と女の不都合な真実』 [第31回]萩原健一、松方弘樹の助演陣が過剰すぎ! 小栗旬主演の時代活劇『TAJOMARU』 [第30回]松本人志監督・主演第2作『しんぼる』 閉塞状況の中で踊り続ける男の悲喜劇 [第29回]シビアな現実を商品化してしまう才女、西原理恵子の自叙伝『女の子ものがたり』 [第28回]"おねマス"のマッコイ斉藤プレゼンツ 不謹慎さが爆笑を呼ぶ『上島ジェーン』 [第27回]究極料理を超えた"極地料理"に舌鼓! 納涼&グルメ映画『南極料理人』 [第26回]ハチは"失われた少年時代"のアイコン  ハリウッド版『HACHI』に涙腺崩壊! [第25回]白熱! 女同士のゴツゴツエゴバトル 金子修介監督の歌曲劇『プライド』 [第24回]悪意と善意が反転する"仮想空間"細田守監督『サマーウォーズ』 [第23回]沖縄に"精霊が暮らす楽園"があった! 中江裕司監督『真夏の夜の夢』 [第22回]"最強のライブバンド"の底力発揮! ストーンズ『シャイン・ア・ライト』 [第21回]身長15mの"巨大娘"に抱かれたい! 3Dアニメ『モンスターvsエイリアン』 [第20回]ウディ・アレンのヨハンソンいじりが冴え渡る!『それでも恋するバルセロナ』 [第19回]ケイト姐さんが"DTハンター"に! オスカー受賞の官能作『愛を読むひと』 [第18回]1万枚の段ボールで建てた"夢の砦"男のロマンここにあり『築城せよ!』 [第17回]地獄から甦った男のセミドキュメント ミッキー・ローク『レスラー』 [第16回]人生がちょっぴり楽しくなる特効薬 三木聡"脱力"劇場『インスタント沼』 [第15回]"裁判員制度"が始まる今こそ注目 死刑執行を克明に再現した『休暇』 [第14回]生傷美少女の危険な足技に痺れたい! タイ発『チョコレート・ファイター』 [第13回]風俗嬢を狙う快楽殺人鬼の恐怖! 極限の韓流映画『チェイサー』 [第12回]お姫様のハートを盗んだ男の悲哀 紀里谷監督の歴史奇談『GOEMON』 [第11回]美人女優は"下ネタ"でこそ輝く! ファレリー兄弟『ライラにお手あげ』 [第10回]ジャッキー・チェンの"暗黒面"? 中国で上映禁止『新宿インシデント』 [第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』 [第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』 [第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』 [第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』 [第5回]三池崇史監督『ヤッターマン』で深田恭子が"倒錯美"の世界へ [第4回]フランス、中国、日本......世界各国のタブーを暴いた劇映画続々 [第3回]水野晴郎の遺作『ギララの逆襲』岡山弁で語った最後の台詞は...... [第2回]『チェンジリング』そしてイーストウッドは"映画の神様"となった [第1回]堤幸彦版『20世紀少年』に漂うフェイクならではの哀愁と美学

オリエンタルラジオさんの至言「"変わってるって思われたい自分"も見透かされてる」(前編)

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モテない、金ない、華もない......負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第31回のゲストは、オリエンタルラジオさんです! [今回のお悩み] 「アラサーなのにグラビアがやりたい......」 ――よろしくお願いします! ギャー! 芸能人のオーラがすごい! ええっと、おふたりはアニマックスの『おまかせ!アニマックスNAVI』に出演されていますし、アニメはお好きなんですよね? 藤森 僕はいわゆる王道の、『ドラゴンボール』とか『幽☆遊☆白書』とかが好きで、あっちゃんはもっとコアな、『エヴァ』だったり『攻殻機動隊』だったりに詳しくて、共演の日南響子ちゃんは執事系とか萌え系が好きみたい。 ――3人とも好きなジャンルがカブらないからいい感じに補完し合えそうですね! 日南響子ちゃんといえば話題の超絶美少女ですが、初収録はどうでしたか? 藤森 すごくかわいかったですよね! これから仲良くなっていければと(笑) 中田 ......掴めないですよね。まだ、どういう子なのか。干支が一回り違うし、それ以上に17歳の女の子なんて、どう捉えたらいいのか......。もっとキャッキャしている感じだと分かりやすいんですけど、ものすごくおとなしいんですよ。藤森さんどうでした? 藤森さん、モデルさんのお友達多いじゃないですか。 藤森 はい(笑)。でも、10代はさすがに知らないから! 中田 ああ、藤森さんはもうちょっとスレた感じの......。 藤森 普通に23~24歳の子ね! だから僕は新鮮でしたよ。話を聞いたらインドア派で家でアニメを見ていることが多いって言ってたから、興味が湧きましたね。 中田 心を開いてくれるまで時間がかかるだろうな......。 藤森 あっちゃんの場合、お互いに心を閉じているからね。僕は結構話せたと思います! ――中田さんもアニメ大好きじゃないですか? オタク同士、話が弾んだりはしないんでしょうか? 中田 オタク同士って仲良くなれないんですよね。オタクって排他的であることをアイデンティティーにしているじゃないですか? 「自分はほかと違う」というのがあるので、同じ趣味で同じアニメが好きでも相容れなかったり、「え? そういう見方するんだ」っていうのがあったり......。 藤森 そうなんですよね。だから同じのが好きでも、わりと意見が違ったりして、「ここはそうじゃない」「ここは好き!」っていうズレが、すごく楽しいというか......まぁ日南ちゃんが単純にかわいいのでね(笑) ――いいですね。私もオタク寄りなんですけど、10代の頃なんてもう目も当てられなかったですよ......! おふたりが10代の頃はどんなことをしてたんですか? 中田 惨憺たるものですよ。携帯電話も持っていなかったし......。というのも、友達がいないのを認識するのが嫌だったんですよ。アドレス交換する人もいないのに、なんの通信のために買うの? 放課後に誰かと遊んだこともないし、カラオケに行ったこともなかった。ひとりで神保町の本屋に行ってアイドルの写真集の表紙だけ見たり......。買えないのでね......。フフ......。 ――わぁ、分かります。私も古本屋で背表紙ばかり見てました。あと、屋上に上るのがお好きとのことで。 中田 屋上上りは好きでしたね! オススメは外階段! 外階段を上ると、徐々に怖くなっていく感覚が分かるんですよ。足がすくんでいくのがまた......(ニヤリ)。 藤森 変態! なんでそういう考えになるんだろうねー? 中田 小説の影響もあるのかな。やたら主人公が屋上に行くシーンが頭に残っていて、それがトレンドでスタイリッシュだと思ってた。なので、外階段を見つけてはひとりで上ってました。 ――うへぇ、スタイリッシュとは思っていなかったですけど、私も屋上は大好きです。単純に高いところに行って広い空を見ると、気持ちがいいからなんですが。 中田 やっぱり、屋上って惹きつけるものあるよね! 藤森 ......心、晴れることがあるんですか? ――「あ、大丈夫、自分はこんなに小さいから、悩みとかたいしたことないな」という......。 中田 開放感あります! 藤森 僕には分からないですけど......。僕は長野の高校生だったから、何もしてなかったですね~(笑)。ただただズボンを腰履きして、親におねだりしてグッチのローファーを履いたり、そういうのをステータスにしてたね。結構な大金をはたいて昭和第一高校のカバンを買ったり(笑)。田舎だったから、どうやって東京からカバンを入手するか考えてましたよ。 中田 僕は、パラシュート生地のトートバック。お店の人に「パラシュートの生地だから絶対に丈夫です」って言われて......。 藤森 生地はどうでもいいよ。高校生から生地の強度は気にしないでいいよ。 ――中に凶器でも入れていたんですか? 中田 そういうわけじゃないんですけど、何が流行っているのかよく分からなかったから。制服も着崩し方が分からなかったよね。紺色で銀色のボタンの、いい学ランだったんですよ。それにパラシュート生地のカバンで......。 藤森 変態だよね! 中田 そんな人いっぱいいるよ! 藤森くんは東京に行きたくて受験勉強を頑張って、丸坊主にしたんだよね。 藤森 そうそう。高校は1年の時からずっと遊んでいて、成績もどんどん落ちてたから、3年生の夏前に「坊主にして欲をなくそう」って。それでなんとか東京に来れた! ――禁欲生活!? それで童貞を捨てたのが18歳の頃だったんですね! 藤森 そうです、大学来てから。僕らは遅いんですよ。あっちゃんの方が3カ月くらい早い。 中田 そう、僕の方がヤリチン。10代でやっちゃうっていう破天荒な生活をしていました。 藤森 10代は普通だよ! 中田 で、まあ、高3のガリ勉の時、ちょうどお笑いにも目覚めてたんだけど、実はDVD育ちで......。シティボーイズさん、千原兄弟さん、バナナマンさん、ラーメンズさんがすごい好きで、エッジの効いたコントばかり見ていたんです。でも、まさか自分たちが、ああいう形でデビューするとは思ってもみなかった。 ――武勇伝! でも、オリラジさんも武勇伝でドカンとブレークした後、80分以上の漫才のツアーをやってましたよね。あのDVDは大変見応えがありました。特典映像もツアー中のおふたりにずっと密着してて、『情熱大陸』(TBS系)みたいでしたよね。 中田 ストイック感を出したかったんですよね。そんなに頑張ってる感を出さなくていいよっていうくらい頑張ってました。 ――藤森さんも全然チャラ男に見えない頑張り方でした。実はすごく真面目な方なんじゃないでしょうか。 藤森 もともと、そういうノリが好きな部分もあったけど、そこをフィーチャーして大げさに表現するようになったからなぁ。 ――昔の彼女(みんな有名芸能人)を暴露した『しゃべくり007』(日本テレビ系)、最高でしたよ! 藤森 あの番組がターニングポイントだったかなぁ。あそこからプライベートを荒削りする日々が始まりましたね。もうないです。すっからかん。むしろ朝も夜もなく仕事をするようになって、あまり遊びに行けなくなってしまったんで、もう夜遊びのネタがない......。 中田 トラックで売ってるケバブがあるじゃないですか? 仕事する藤森くんを見るたびに、行列ができて細くなっていくケバブを連想しますね。藤森くんがほっそくなってく。 藤森 肉が追加されないんだよ......(遠くを見ながら)。 (中編につづく/取材・文=小明) ●おりえんたるらじお 中田敦彦と藤森慎吾からなるお笑いコンビ。2004年結成。翌年、「武勇伝」ネタで大ブレーク。以降、数々のテレビレギュラーをこなしつつ、トークライブ活動なども精力的に行っている。11年11月より『おまかせ!アニマックスNAVI』放送中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
オリエンタルラジオ 全国漫才ライブツアー 才(ザイ) 武勇伝だけじゃないんす。 amazon_associate_logo.jpg
小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第30回】 大槻ケンヂさんの至言「ネガティブを売りにすると自家中毒に陥るんです」 【第29回】 辛酸なめ子さんの至言「なんか、つい交尾の話とかしちゃうんです」 【第28回】 みうらじゅんさんの至言「アイドルライターってなんなの?」 【第27回】 山路徹さんの至言「バラエティーが怖いようでは戦場に行けないですよ」 【第26回】 浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

サムスンの躍進を止められるか!? 落日パナソニックに迫られる刷新の時

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「週刊文春」1月26日号より
第2位 「衝撃スクープ 金正男 独占告白!『金正恩、わが宿命の弟よ』」(「週刊文春」1月26日号) 第2位 「落日パナソニック」(「週刊東洋経済」1月28日号) 第3位 「M8M9大地震 そのとき最悪の場所にいても『生き延びる』方法を教えます」(「週刊現代」2月4日号)  この原稿を書く朝は、その日発売される週刊誌の新聞広告のタイトルを、ワイドの一本一本まですべて見て、あらかじめこれはと思う記事を絞っておく。  だが実際に読んでみると、羊頭狗肉の記事だったりすることもある。また、予期しなかった記事が面白くて読み耽ってしまうことがある。  今週でいえば、「東洋経済」は「暴力団対策と企業」という特集が読みたくて買ったのだが、パナソニックの記事が面白くて全20ページを一気に読み通した。  これについてはあとで触れるが、まずは「現代」の地震の記事から。  今朝(1月23日)の読売新聞1面にこんな記事が載った。 「マグニチュード(M)7級の首都直下地震が今後4年以内に約70%の確率で発生するという試算を、東京大学地震研究所の研究チームがまとめた。(中略)昨年3月11日の東日本大震災をきっかけに、首都圏では地震活動が活発化。気象庁の観測によると12月までにM3~6の地震が平均で1日当たり1.48回発生しており、震災前の約5倍に上っている。同研究所の平田直(なおし)教授らは、この地震活動に着目。マグニチュードが1上がるごとに、地震の発生頻度が10分の1になるという地震学の経験則を活用し、今後起こりうるM7の発生確率を計算した」  先日、政府の地震調査研究推進本部が発表した「首都直下を含む南関東の地震の発生確率は30年以内に70%程度」と比べて、はるかに早く大地震が起こると予測している。  このところ「現代」ばかりでなく、サンデー毎日「覚悟すべき巨大地震と本当の備え」、週刊文春「『M8M9大地震予知』を一挙公開」、プレイボーイ「四連巨大地震急接近中!」と、各誌取り上げだした。  いつかは必ず来る首都圏直下型大地震。もはや悠長に構えている場合ではないのかもしれない。  「現代」はモノクログラビアで、日本列島が「地震の巣」と化していると図解している。気象庁は、この1年間に発生した震度1以上の地震は9,723回で、前年の7.4倍にもなっていると発表した。  京都大学防災研究所・地震予知研究センターの遠田晋次准教授はこう語っている。 「3.11以降、地震に対しもっとも注意すべき地域は、首都圏だと思っています」  M9という日本史上最大級の地震により、大陸間プレートや断層が押し合う力に変化が生まれ、以前よりも地殻のストレスが増してしまった場所がある。  首都直下は1855年の「安政江戸地震」以来およそ150年起きていないが、3.11の地震の影響で再発時期が早まっている可能性があるというのである。危険度は震災前に比べて2~3倍に増したという。  大地震の激しい揺れをどこで迎えるのかは生死にかかわるが、そればっかりは選べない。地下鉄、高層ビルで被災したらどうすればいいのかを、特集で解説している。  まずは地下鉄。3.11のときは東京メトロ飯田橋駅につながる地下道に水が流れ出した。0メートル地帯や河川のそばにある地下鉄出口は危険性が高い。  和田隆昌災害危機管理アドバイザーによれば、水かさが増す前に線路に降りて、とにかく高いところへ逃げることだという。トンネル内にはエリアによってかなりの高低差があるから、低い駅から高い駅に1駅移動するだけで被害を免れる可能性がある。  地下鉄内には「非常口」がないから、駅を目指すしかないのだ。  東京スカイツリーの展望台で地震に遭遇したら、ゆっくりとした大きな揺れが長く続く長周期地震の影響を受ける可能性もあるので、窓辺から離れ、なるべく建物の中心に近い場所にある手すりなどを掴んで揺れに対処する。  高層ビルのエレベーターに閉じこめられたら、床に座り扉を叩いて救助を呼ぶ。そのとき役に立つのがレジ袋だそうだ。閉じこめられている間の排泄物入れに使える。  同じように比較的安全だといわれるトイレに閉じこめられたら、水を流さず、タンクの水をいざというときの飲料水としてとっておくのがいいそうだ。  その他に、手術前は、手術中だったら、動物園で猛獣の前にいたらと、懇切丁寧に教えてくれているが、このようなことが役に立たないように祈るしかない。  「東洋経済」の大特集「暴力団対策と企業」は、暴力団の実態や暴力団排除条例とはどういうものかというQ&A、主要企業・業界団体へ「暴排条例」アンケートなど充実した内容で、企業の総務担当者は必読だろう。  これを読もうと買ったのだが、パナソニックの記事を読み始めたら止まらなくなってしまった。  SONYやパナソニックのような大企業が韓国のサムスン電子などに押されていることは知っているが、ここまでひどいのかとため息をつかざるをえない。  クルマでも韓国の現代自動車が躍進していて、トヨタも日産も安穏としてはいられないそうである。  たしかに韓国の企業の躍進ぶりは目覚ましいが、パナソニック落日の要因は、歴代経営者たちの判断ミスが大きいようだ。  これまでのような周期で社長交代があるとすれば、今年2月下旬に交代が発表されるのではないかといわれている。3人の有力候補がいるそうだが、中でも「この男ならば」と社員やOBたちにいわれているのが津賀一宏(55歳)だそうだ。  技術畑で出身で04年に最年少で役員に就任。彼は上に対しても直言することで有名で、パナソニックの主力であるプラズマテレビのパネルをつくるために2,100億を投じた尼崎第3工場を、すぐ閉めるべきだと主張したことがある。  その工場は1年半前に稼働させたばかりの最新鋭工場だったが、津賀の発言から3カ月後に停止された。また40型のプラズマテレビなどの不採算部門から撤退し、テレビ部門の55歳超の社員を2011年内に全員退職させたのも彼だった。  彼の「執行力」に経営者としての資質ありとみているようだ。ただネックは55歳という若さだという。  今の株価は611円(1月17日)。サムスン電子の時価総額はパナソニックの1.5兆円に対して10兆円。勝負あり。  こうしたパナソニックの凋落の原因を「経営の失敗」だと断じる。中村邦夫という存在が大きすぎて世代交代を遅らせてしまったこと、組織風土が旧態依然の思考様式から脱却できないことだと手厳しい。  中村院政の下、今の大坪文雄社長は「工場長型であって経営者ではなかった」という批判が社内にある。  柱であるテレビ事業の躓きは、中村がぶちあげた「プラズマテレビに社運をかける」というプラズマ拡大路線だったが、液晶との戦いはパナソニック側の無惨な敗北となってしまった。  中の2ページコラム「中村邦夫という聖域」で、中村がビジョンに優れたリーダーだったら院政を敷いてもよかったが、彼にはそれがなかったため、軌道修正ができず、誤った方向へパナソニックを走らせてしまったとしている。  パナソニックが世界で勝てる商品は「僅少」だ。カーナビ、冷蔵庫、家庭用エアコン程度しかない。次世代テレビといわれる有機ELテレビでもサムスンに大きく水をあけられ、パナソニックは「不戦敗」。  ブランド力が低下し、グローバル展開もままならず、高齢化(平均年齢44.6歳)に悩むかつての巨人の姿は、トヨタの将来を暗示しているようでもある。  次世代のクルマといわれる電気自動車においても苦境に立っている。なぜならパナソニックの生産しているのはニッケル水素電池で、車載用電池はリチウムイオン電池が主流なのだ。まさに四面楚歌。  特集の最後をこう結んでいる。 「車搭載用リチウムイオン電池の開発は、世界で始まったばかりである。パナソニックにも等しく与えられたチャンスを生かせるかは、ひとえに、首脳陣の決断にかかっている」  「東洋経済」という経済専門誌がこうした特集を組んだことに拍手したい。今でもパナソニックは、国内最大級のシェアを誇る広告出稿企業である。一般週刊誌でこれだけの厳しい批評力をもって特集が組めるだろうか。  編集者はみんな、この特集を読むべきだと思う。  「文春」が「金正男 独占告白!『金正恩、わが宿命の弟よ』」をやっている。これは"世界的スクープ"だが、残念ながら東京新聞編集委員の五味洋治が文藝春秋から出す『父・金正日と私』(1月20日発売)のパブ記事であるために、東洋経済と同じ第2位とした。  五味は金正男(40)に過去2回、延べ7時間のインタビューをし、約150通のメールのやりとりをしたそうである。  正男は金正日総書記に溺愛され9歳の頃からスイスに留学したが、その後、正日が再婚して子どもができたためそちらへ愛情が移り、外国に置かれたまま放任されているうちに、本人曰く「完全な資本主義青年」になったそうである。  そのためか父・正日にも直言することができ、核実験やミサイル発射実験したときには、国際社会が憂慮していると言ったという。  彼が1月3日に送ってきたメールにはこうあった。 「この世界で、正常な思考を持っている人間なら、三代世襲を容認はできません」  正男は正恩とは一度も会ったことがないそうだが、正恩のことをこう心配している。 「祖父(金日成主席)に容貌だけ似ている弟の正恩が、どれだけ北朝鮮の人々を満足させられるか、心配です」  さらにこう注文をつける。 「(後継者として)何をやるかが問題でしょう。北朝鮮の住民が潤沢に、豊かに暮らしていけるようにしてほしいと願います。兄としてです。この言葉を受ける度量があると信じています」  金正恩体制のこれからについては、彼を象徴として存続させ、既存のパワーグループが引き継いでいくと見ている。  五味によれば、正男という男ただの放蕩息子ではなく、忠臣蔵の大石内蔵助のように、わざと遊び人のふりをしているのだそうだ。  一つ間違えば弟から粛正されかねない孤独な兄。正男がこれからどのように動くのかが、北朝鮮を見る上で重要になることは間違いないようである。 ***  蛇足ですが、嵐山光三郎さんや坂崎重盛さんたちと、江戸の食や老舗のお店、街歩きの楽しみを紹介して、江戸創業の食の老舗一覧も掲載した『江戸東京 味の散歩道―歩き味わう歴史ガイド』(1,680円/山川出版社)を出しました。よろしくお願いします。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
江戸東京 味の散歩道―歩き味わう歴史ガイド よろしくね♪ amazon_associate_logo.jpg
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アラフォーはちょっとツラい!? 「とってもジューシー(牛脂)な格安すき焼き 」


IMGP1708.jpg 料理の数だけダジャレがある――。ダジャレをこよなく愛する男が考案する、笑えるおいしいレシピ。  「ただいまー。今日の夕飯はすき焼きだよー」  「やったー! お肉だー!」 IMGP1679.jpg  「でも、すき焼きっていっても、鶏肉とか豚肉なんでしょ?」  「今日はすごいぞ。なんと高級和牛100%! 今作るから待っていろ。まずは牛脂を溶かして......」  「あなた、ずいぶん牛脂を入れるわね」 IMGP1695.jpg  「ん? これでいいんだよ。牛脂に火が通って脂がたっぷりとにじんできたら、そこに割り下と具を入れて完成だ」  「ちょっとちょっと! 肝心のお肉はどうしたの?」 IMGP1700.jpg  「入ってるだろ、高級和牛の脂肪100%が。まずは、脂がたっぷり溶けた割り下で煮た野菜や豆腐を食べて、最後に味の染みた牛脂を食べるんだ」  「えー。牛脂を食べるのー」  「いいから。はい、あーん」 IMGP1715.jpg  「あーん。もぐもぐ。あら、柔らかくておいしいじゃない!」  「どんな味かと聞かれたら、牛脂だけに......」 父&母 「とっても牛脂ー!(ジューシー)!」  「でも、若いころならいくらでも食べられたかもしれないけれど、この歳じゃそんなに食べられないわ」  「あはは。ちゃんと普通の肉も用意しているよ」 IMGP1687.jpg  「いやーん。うれしー。抱きついちゃう!」 父&母「牛だけに、牛(ギュー)!」 ■材料  IMGP1684.jpg ・牛脂 たっぷり ・割り下(水 300cc、醤油 100cc、酒・みりん・砂糖 各50cc) ・ネギ、春菊、しいたけ、焼き豆腐、シラタキなど ・生卵 ■作り方 1、鉄鍋で薄切りにした牛脂をしっかりと焼く。 2、牛脂に火が通って脂がたっぷりとにじんできたら、割り下を注ぎ、具を入れて煮る。 3、煮えた具から、お好みで溶き卵を絡めながらどんどんと食べ、最後に味のしっかりと染みた牛脂をいただく。 ■玉置メモ ・牛脂はお肉屋さんで買い物をするときにお願いすれば、だいたいタダでもらえます。 ・最初に脂身をしっかりと焼くことがポイントです。割り下の味はお好みで調整してください。少し甘いくらいがおいしいです。 ・脂身を食べるなんて気持ち悪いと思うかもしれませんが、最高級霜降り肉だと思いこめば違和感なく食べられます。アラフォーの胃袋には若干厳しいですが、10代、20代だったら、ご飯と一緒にガツガツ食べられると思いますよ。

黒毛和牛★高級霜降り肩ロース ポチっとな。 amazon_associate_logo.jpg
■男のダジャレレシピ・バックナンバー 【第21回】悪い酔いスウィーツで年忘れ!「レディーボーデン会 (女子の忘年会)」 【第20回】万能味噌を使った魔法の料理「西京の相性は黄身(最強の相性はキミ)」 【第19回】旬のサンマをギニア風に「イイコブ、ニコム、サンコン(イッコン、ニコン、サンコン)!」 【第18回】永谷園で作る秋の味覚「松タケご飯(まつたけご飯) 」 【第17回】アジ釣りで大漁! 「アジしめちゃいました(味占めちゃいました)」 【第16回】うなぎと乗り切れ! "ダシ"が違う夏のひつまぶし 【第15回】夏にピッタリ! 旬の魚で手軽にできちゃう「狂う水(クールビス)」 【第14回】蒸し暑い時期にピッタリ! 梅干しの酸味が効いた「上を向いて歩こう(梅と麦とアルコール)」 【第13回】レストランにも行きたくない出無精なあなたに「大型連休ギュウギュウ詰め(O型レンコン牛牛詰め)」 【第12回】旬の素材が盛りだくさん「ネギに大葉 ヤマウド・ノビル 初鰹(目には青葉 山ほととぎす 初鰹)」 【第11回】スタミナ満点! よくばりどんぶり「ごはんと胃・レバー・牛たくさん(ゴホンと言えば、龍角散)」 【第10回】甘党にはたまらん!  「オリゴ糖、黄身と和えて、ようかん食った(ありがとう、君と逢えて、よかった)」 【第9回】捌けなくても大丈夫! 包丁要らずのカンタン鍋「捌き無知鍋(サバキムチ鍋)」 【第8回】惚れてしまいそうな大人の味「バーレーン・タイ キッシュ(バレンタイン・キッス)」 【第7回】3分で出来るお祝い料理「脂肪コーン、5を書く!(志望校合格)」 【第6回】正月ボケに効果てきめん「意外! タイなら七臭粥(胃が痛いなら七草粥)」 【第5回】気分次第でアレンジ可能「麻婆茄子! 干し芋乗っかっちゃう!(まーボーナス! 欲しいもの買っちゃう)」 【第4回】三つの味が楽しめる豪華ディナー「三択ロース(サンタクロース)」 【第3回】ぜいたくの極み! 「いい肝のカワハギのいい肝ばかり(『いきものがかり』のいきものばかり)」 【第2回】ひと手間かければ豪華な一皿! 「タンカレー ナンバナナ天(タンカレー No.10)」」 【第1回】甘くて辛い 大人のおつまみ「マスタードナッツ(ミスタードーナツ)」

アラフォーはちょっとツラい!? 「とってもジューシー(牛脂)な格安すき焼き 」

IMGP1708.jpg 料理の数だけダジャレがある――。ダジャレをこよなく愛する男が考案する、笑えるおいしいレシピ。  「ただいまー。今日の夕飯はすき焼きだよー」  「やったー! お肉だー!」 IMGP1679.jpg  「でも、すき焼きっていっても、鶏肉とか豚肉なんでしょ?」  「今日はすごいぞ。なんと高級和牛100%! 今作るから待っていろ。まずは牛脂を溶かして......」  「あなた、ずいぶん牛脂を入れるわね」 IMGP1695.jpg  「ん? これでいいんだよ。牛脂に火が通って脂がたっぷりとにじんできたら、そこに割り下と具を入れて完成だ」  「ちょっとちょっと! 肝心のお肉はどうしたの?」 IMGP1700.jpg  「入ってるだろ、高級和牛の脂肪100%が。まずは、脂がたっぷり溶けた割り下で煮た野菜や豆腐を食べて、最後に味の染みた牛脂を食べるんだ」  「えー。牛脂を食べるのー」  「いいから。はい、あーん」 IMGP1715.jpg  「あーん。もぐもぐ。あら、柔らかくておいしいじゃない!」  「どんな味かと聞かれたら、牛脂だけに......」 父&母 「とっても牛脂ー!(ジューシー)!」  「でも、若いころならいくらでも食べられたかもしれないけれど、この歳じゃそんなに食べられないわ」  「あはは。ちゃんと普通の肉も用意しているよ」 IMGP1687.jpg  「いやーん。うれしー。抱きついちゃう!」 父&母「牛だけに、牛(ギュー)!」 ■材料  IMGP1684.jpg ・牛脂 たっぷり ・割り下(水 300cc、醤油 100cc、酒・みりん・砂糖 各50cc) ・ネギ、春菊、しいたけ、焼き豆腐、シラタキなど ・生卵 ■作り方 1、鉄鍋で薄切りにした牛脂をしっかりと焼く。 2、牛脂に火が通って脂がたっぷりとにじんできたら、割り下を注ぎ、具を入れて煮る。 3、煮えた具から、お好みで溶き卵を絡めながらどんどんと食べ、最後に味のしっかりと染みた牛脂をいただく。 ■玉置メモ ・牛脂はお肉屋さんで買い物をするときにお願いすれば、だいたいタダでもらえます。 ・最初に脂身をしっかりと焼くことがポイントです。割り下の味はお好みで調整してください。少し甘いくらいがおいしいです。 ・脂身を食べるなんて気持ち悪いと思うかもしれませんが、最高級霜降り肉だと思いこめば違和感なく食べられます。アラフォーの胃袋には若干厳しいですが、10代、20代だったら、ご飯と一緒にガツガツ食べられると思いますよ。
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■男のダジャレレシピ・バックナンバー 【第21回】悪い酔いスウィーツで年忘れ!「レディーボーデン会 (女子の忘年会)」 【第20回】万能味噌を使った魔法の料理「西京の相性は黄身(最強の相性はキミ)」 【第19回】旬のサンマをギニア風に「イイコブ、ニコム、サンコン(イッコン、ニコン、サンコン)!」 【第18回】永谷園で作る秋の味覚「松タケご飯(まつたけご飯) 」 【第17回】アジ釣りで大漁! 「アジしめちゃいました(味占めちゃいました)」 【第16回】うなぎと乗り切れ! "ダシ"が違う夏のひつまぶし 【第15回】夏にピッタリ! 旬の魚で手軽にできちゃう「狂う水(クールビス)」 【第14回】蒸し暑い時期にピッタリ! 梅干しの酸味が効いた「上を向いて歩こう(梅と麦とアルコール)」 【第13回】レストランにも行きたくない出無精なあなたに「大型連休ギュウギュウ詰め(O型レンコン牛牛詰め)」 【第12回】旬の素材が盛りだくさん「ネギに大葉 ヤマウド・ノビル 初鰹(目には青葉 山ほととぎす 初鰹)」 【第11回】スタミナ満点! よくばりどんぶり「ごはんと胃・レバー・牛たくさん(ゴホンと言えば、龍角散)」 【第10回】甘党にはたまらん!  「オリゴ糖、黄身と和えて、ようかん食った(ありがとう、君と逢えて、よかった)」 【第9回】捌けなくても大丈夫! 包丁要らずのカンタン鍋「捌き無知鍋(サバキムチ鍋)」 【第8回】惚れてしまいそうな大人の味「バーレーン・タイ キッシュ(バレンタイン・キッス)」 【第7回】3分で出来るお祝い料理「脂肪コーン、5を書く!(志望校合格)」 【第6回】正月ボケに効果てきめん「意外! タイなら七臭粥(胃が痛いなら七草粥)」 【第5回】気分次第でアレンジ可能「麻婆茄子! 干し芋乗っかっちゃう!(まーボーナス! 欲しいもの買っちゃう)」 【第4回】三つの味が楽しめる豪華ディナー「三択ロース(サンタクロース)」 【第3回】ぜいたくの極み! 「いい肝のカワハギのいい肝ばかり(『いきものがかり』のいきものばかり)」 【第2回】ひと手間かければ豪華な一皿! 「タンカレー ナンバナナ天(タンカレー No.10)」」 【第1回】甘くて辛い 大人のおつまみ「マスタードナッツ(ミスタードーナツ)」

かわいいメイドさんの正体はガンマニア!? シューティングメイドカフェ

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特別な日にだけお店で撃てる『チェイタックM200』。
全長140cmほど。ほふく前進の格好で撃つ。
ゆるいものならなんでも大好き♪ ロリ顔ライター・朝井麻由美が気になるスポットをご案内します。  ヲタの聖地・秋葉原に、メイドさんと射撃ごっこができるカフェがあるという。その名も『シューティングめいどCafé&Bar ふれんどりぃふぁいぁ』。店内では、「お帰りなさいませご主人様、お射撃の準備ができました」「ご主人様のハートをエアガンで撃ち抜いちゃうゾ☆」といったプレイが繰り広げられているのでしょうか。オラ、ワクワクしてきた!  ......と、思ったのですが、どうも様子が違うよう。店の入口や店内の至るところには、射撃におけるさまざまな規約・注意書きがベタベタと貼られ、入店時にはメイドさんに「規約に同意いただけますか?」と問われる徹底ぶり。心なしか、他のメイドカフェの店員さんよりも、眼光が鋭いような気すらしました。お店で扱っているのはエアガンとはいえ、銃は銃。ゆるふわッとしたおっとりメイドさんでは務まらないのかもしれません。"撃ち抜いちゃうゾ☆プレイ"は期待できなさそう。無念。
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メイドさんお手製の張り紙。女の子のイラスト付きで
「守ってね」と書かれているが、
そのイラストも若干ゴツい。
 聞けば、その日お店にいたメイドさんたちは誰も彼もが「もともと趣味でエアガンを集めてた」「海外で実弾射撃の経験がある」と、見事なまでにガンマニア系女子! これでは、ゆるふわ成分が薄くなるのも無理ありません。店員さんは業務時間外に射撃の練習にいそしんでいる模様で、店長の青木政志さんによると「お客さんもメイドも、日々この店で腕を磨いているので、ちょっとした部活のようなものですね」とのこと。どうやったら正確に的に当たるかを常に試行錯誤するストイックなタイプほど、上達は早いそう。それにしても、"部活"とな。どうしよう、普通のメイドカフェに毛が生えた店程度に思っていたのに(失礼)、メイド要素よりも射撃要素のほうがずっと濃いようです。
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飲食スペースの奥にある射撃場。銃マニア垂涎の超レアモノ
もあるらしいが、筆者にはよく分からず。
 ここまででも十分この店の射撃への本気度はうかがい知れますが、メニューを開いて確信しました。分厚いメニューの半分以上はガンカタログ。ああ、この人たち、本気です。ドイツ連邦軍や米軍で正式採用されているモデルから、映画『あぶない刑事』シリーズやアニメ『GUNSLINGER GIRL』など、なんらかの作品に登場した銃まで、実に22種類の銃を借りることができます。しかし、それぞれの銃の写真とともにスペックの詳細が書かれているメニューをパラパラめくったところで、見たこともない専門用語の嵐に何がなんだかちんぷんかんぷん。仕方がないので、「とりあえずレアな銃と、打ちやすい銃を撃たせてください」とボンヤリしたオーダーをすることに。かわいいメイドさんとエアガン持ってキャッキャウフフできるカフェだと軽い気持ちで入店した私が悪うございました......。 ■32万円相当の銃で的がボロボロに  まず、"レアな銃"としてお勧めされたのが、『M134 Minigun』(レンタル料・2500円~)。1秒間に約70発も発射する暴れん坊で、買おうとすると約32万円もする高級品とのこと。例によって私にはその価値がサッパリ分かりませんでしたが、本来32万円の銃を2,500円で触らせてもらえてると思うと悪い気はしません。
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非常に重いため、台に置いて撃つ。
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的は人の上半身のような絵が描かれたA4サイズの紙。
 銃を準備してくれたメイドさんの、「撃った際の衝撃が相当強いので、しっかり踏ん張って立ってください」の言葉におおいに怯えつつ引き金を引くと......ドガガガガガと轟音をたててBB弾が大量に発射。的に当てるのは思った以上に難しく、壁や床に弾がそれて、ヒョウが降ってきたような音でバチバチ弾が飛び散りました。いやはやしかし、この豪快な撃ち心地は、なかなかに爽快。射撃、楽しいじゃないの。
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射撃後。的は見るも無残な姿に......。ベテランが撃つと、
紙の原型をとどめないほどにまでなるそうだ。
■拳銃はトレイで運びます  32万円相当のじゃじゃ馬を手なずけて気が大きくなったところで、次はメイドさんに対戦を申し込むことに。 対戦相手のメイド・ゆうなさんは、初心者でも打ちやすい銃として、拳銃の『ベレッタM92F』を持ってきてくれました。なんと、トレイにのせて。拳銃をトレイで運んでくるシュールなパフォーマンスには少しテンションが上がります。そこは"メイドカフェ感"をしっかり出していくのね。
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「こちらの銃でよろしいでしょうか?」と、
あくまで生真面目なメイドさん。
よろしいんだけど、拳銃をトレイにのせるそれ、変だよ。
 そして、ゆうなさんの案内に従って射撃スペースへ移動、銃の弾込め等の準備もしてくれます。
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「お嬢様が戦場に向かわれます。ゆうな(メイド本人の名前)、同行します!」
 安全確認の方法や照準の合わせ方をゆうなさんから教わり、対戦開始。先に5個の的を倒せた方が勝ちというルールで撃ち合うのですが、先ほど撃たせてもらった1秒間撃てば70発も弾が出る『M134 Minigun』と違い、一回撃つにつき一発しか弾が出ないため、狙いを定めるのに苦心。まごまごしているうちに、ものの20秒程度でゆうなさんは的を撃ち尽くしてしまいました。......容赦ない。
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瞬殺。手加減のての字も見当たりませんでした。
 ほとんど的を撃てずじまいでションボリしていた私をよそに、ゆうなさんは対戦に使った『グロック18C』を触りながら、「このエアガン、私の手の形に合っていてお気に入りなんです。それに、撃ったときの反動が強くて、充実感があるんですよ」とウットリしていました。  あくまでもストイックに、射撃のみを愛するメイドさんたち。たとえ相手が客だろうと、手加減は一切なしのガチ対戦。ふわっとメイドさんにもてなしてもらおうなどと甘っちょろいことを考えてる"ご主人様&お嬢様"は、撃ち抜かれちゃうゾ☆ ●メイド度 ★★☆☆☆ "メイドカフェ"の名前に惹かれて行くと痛い目を見るので若干の注意が必要。「シューティング」「メイド」「カフェ」の3要素の割合は、それぞれ65%、20%、15%程度と、メイド成分はやや低めだ。お店では毎日、射撃のスピードを競うシューティングマッチを開催。また、気まぐれ不定期で設定される「ミリタリーDay」には、メニューに載っていないレアな銃を撃たせてもらえる。本記事の冒頭の写真『チェイタックM200』もそのひとつ。 (取材・文=朝井麻由美) ●『シューティングめいどCafé&Bar ふれんどりぃふぁいぁ』公式ブログ < http://ameblo.jp/friendly-fire-akihabara/ > 射撃場のレンタル料は500円/10分~。マイ銃の持ち込みも可能で、常連さんのほとんどはマイ銃で射撃を楽しむ銃マニア。この店がきっかけで射撃にハマったお客さんも多い。お店の銃を借りる場合は、500~3500円でレンタルできる(値段は銃の種類による)。お店主催のサバイバルゲームもあり、次回は2月26日(日)に千葉県で開催予定。 ※お店でミリタリー衣装の貸出は行っていません。 ※射撃の際には、必ずゴーグルを着用します。
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【散歩師・朝井がゆく!】バックナンバー 【vol.9】ドヤ顔からてへぺろまで!? 自分にそっくりな石像が見つかる「五百羅漢」 【vol.8】ドラクエ好き女子ライターが教える、ドラゴンクエスト展のマニアな楽しみ方 【vol.7】麺の気持ちになれるアトラクションまで!? 「カップヌードルミュージアム」が楽し過ぎる! 【vol.6】「舌の上でプチプチと......」知られざる珍味"蝉フルコース"にチャレンジ 【vol.5】お坊さんは隠れた名カウンセラー? お寺で人生相談 【vol.4】"ライター"のプライドを懸けて「売り込みナイト」にガチで挑戦! 【vol.3】なんとも言えない高揚感に体が火照る!? 話題のアニソンバーで熱唱! 【vol.2】ベタなトルコをお気軽エンジョイ! 「東京ジャーミイ&トルコ文化センター」 【vol.1】サブカルイベントゆえのゆるさ!? 『ART MAP in 阿佐ヶ谷』を歩いてみた

大間のマグロ漁の影にも原発マネー 口には出せない漁師の本音とは?

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「週刊ポスト」1月27日号 中吊り広告より
第1位 「どうしても増税したい大メディアと野田官邸の『頭ン中』」(「週刊ポスト」1月27日号) 第2位 「独占スクープインタビュー 吉本興業創業家当主が初めて語る『紳助復帰?ありえない。本当のこと話します』」(「週刊現代」1月28日号) 第3位 「大間マグロと原発マネー」(「AERA」1月23日号)  年末年始から週刊誌に活気がない。誌面から立ち上ってくる勢いが感じられない。  東日本大震災の復興もいまだ手につかず、原発事故の収束の目処はたたず、政局も世界経済も混迷のままである。  こんなときこそ週刊誌がどんよりした世の中を目覚めさせるスクープに期待したいのだが、そうした記事にお目にかからないのは残念だ。  さて今週、あまり期待していなかったが読んで面白かったのはAERAの記事。  今週の1行コピーに「新編集長は一色、アエラは多色」というあまり感心できないコピーが載っているが、『報道ステーション』(テレビ朝日系)でコメンテーターをやっていた一色清が編集長に就任したようだ。たしか彼は2度目だが、部数減をくい止められるかな。  今やマグロの最高峰になった大間のマグロ。1月5日の東京築地市場で史上最高値の5,649万円(269キロ)を叩き出した。  地元で食べるマグロ丼でも3,000円するそうだ。その大ブランドのマグロの町・大間町は下北半島の突端に位置し、人口6,000人強で、長い間積雪と強風で隔絶された陸の孤島だった。  大間のマグロの名が全国に知られるようになったのは最近だという。ある時期、青函トンネル建設の影響か不漁が続き、多くの漁師が廃業に追い込まれた。  そこへ電源開発による原子力発電所建設の話が持ち上がり、1984年12月に大間町議会は誘致を正式決定する。  漁師たちは一斉に反発したが、「10年にわたる電源開発側の工作により、最後は多額の補償金で漁民は屈服させられた」と長年大間原発の取材をしているルポライター・鎌田慧が語っている。  組合員923人いる大間漁協には96億円が転がり込み、さらにプルトニウムを消費する「フルMOX」型に原子炉が変更されると、増量する温排水分として22億5,000万円が上積みされた。  この他、電源三法により10年度までに大間町には67億円が交付され、原発が完成すれば16年間にわたって440億円の固定資産税収入が見込まれているのだ。  そんな中で2001年の正月に築地市場で202キロの大間産マグロに2,020万円の値がつき、メディアが殺到した。00年のNHKの朝ドラ『私の青空』が大間町を舞台にしていたこともあって、ここから大間のマグロの快進撃が始まる。  07年に渡哲也主演のドラマ『マグロ』(テレビ朝日系)が決定打となり、大間のマグロのブランドは定着した。だが、なぜその番組に10億円の巨費を投じることができたのか、そのカネはどこから出たのか真相はハッキリしないという。そのドラマの中で当然ながら大間原発の存在が語られることはなかった。  大間町観光協会が主催する「超マグロ祭り」という人気イベントがある。目玉はマグロの解体ショー。この後援の一つが電源開発。  原発マネーで潤った漁師たちは、最先端の漁業設備を漁船に搭載したが、そのときも漁協から一人当たり2,000万円前後が支払われたといわれる。  高度な魚群探知機や針にかかったマグロに電気ショックを与えて気絶させ、鮮度を保ったまま水揚げできる大間独特の漁具も一気に進化した。  原発マネーが大間のマグロ漁を近代化させ、テレビによって全国ブランドとなっていったのである。  東日本大震災以降、大間漁協でもマグロの放射線量の検査を始めた。今のところセシウムなどは検出されていないが、マグロ漁を引き継いだ30代のAさんはこう言っている。 「漁業権を放棄した福島の漁師たちが声をあげることもできずに、無気力に浜に佇む姿が自分たちの未来と重なる。オヤジたちがもらったカネの意味がようやくわかりました」  原発事故以来、大間原発建設工事は止まっている。進捗率は38%。金澤満春大間町長は、「国のエネルギー政策を理解し、立地に協力してきた住民の思いは揺るがない」と工事再開への姿勢を崩していない。  原発誘致の話があった頃、大間のマグロが全国で注目を浴びていたら、国も電源開発も、ここに原発を造ることは断念していただろうと、ベテラン漁師が話している。  1月15日夜のNHKスペシャルは福島第一原発20キロ圏内の海の放射能汚染を調べる研究者たちを追っていた。案の定、海底の泥が500ベクレル/Kg以上を計測する箇所があちこちにあり、中には4,520ベクレル/Kgという驚くべき数値を示す超ホットスポットもある。  さらに取材班は東京湾を調べるが、ここでも驚くほど放射能汚染は拡がっていることが分かる。特に江戸川や荒川の河口付近では1,623ベクレル/Kgもの数値が出た。  調査している人間によると、2年2カ月後にはさらに汚染は深刻になるという。ここでも 「海に流れた放射能は拡散して薄まる」といった東電や保安院のウソが明らかになった。  大間原発に事故が起きれば大間のマグロは致命的なダメージを受ける。だが、マグロで暮らしていけるのだから原発はいらないとは口に出せない。こうした現実を私は知らなかった。同じ青森県にある六カ所の再処理工場と合わせて考えなければならないことである。  第2位は、あの島田紳助に「復帰してほしい」とラブコールを送った吉本興業の大崎洋社長の発言に、創業家の当主が「常識を疑う」と批判した「現代」の記事。  林正樹(40)は吉本創業の礎を築いた祖父、社長・会長の父を持つが、経営陣と創業家の争いがあったため、経営陣によって吉本を追われた。  吉本の経営のおかしさや、ここ半年、芸人のギャランティの支払いが遅れていることに言及しているが、彼の話の中で一番重大な点は、05年8月12日の出来事である。  その日はSHIBUYA-AXというライブハウスで吉本所属のFayrayという歌手のライブがあった。  Fayrayは大崎が自ら発掘し芸名もつけた。ライブの開演前に大崎は会場にいる20代前半と思しき女の子を指さしてこういったのだ。 「あれは五代目の娘や。歌手になりたいと言ってると、カウスさんから頼まれた。ウチでレッスン受けさして、R&C(註・子会社のレコード会社)からCDを1~2枚出したら満足するやろ」  この山口組五代目渡辺芳則組長の娘のデビュー計画は頓挫したらしいが、吉本側が担当社員もつけて歌唱レッスンをさせていたのである。  この事実だけで、大崎社長の首が飛んでもおかしくない。吉本と暴力団とのつながりは長く深く強い。歴代の社長たちが親しく暴力団と付き合ってきたから、カウスという準構成員のような芸人が幅をきかし、その下にいる紳助が同じことを真似て、おかしいとは思わない。  推測するに、大崎社長が紳助の復帰を堂々と公言するのは、紳助のバックにいる暴力団連中から何か言われたからではないか。  明石家さんまは「フライデー」の取材に対して「紳助、復帰してほしくないわ」と言っている。大崎社長は身内からのこの言葉を重く受け止めたほうがいい。さもないと、今はいうがままになっているテレビ側が目覚めて、吉本の芸人を一斉にテレビから締め出す事態だって起きかねないと思う。 NHKの大河ドラマは『平清盛』である。大崎社長へこの言葉を贈ろう。 「祗園精舎の鐘の声、 諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらはす。 おごれる者久しからず、 唯春の夜の夢のごとし。 たけき者も遂にはほろびぬ、 偏(ひとえ)に風の前の塵に同じ」  今週のグランプリはポストの大メディア批判記事。大メディアは増税すべしという論調でここまで来ているが、その裏には野田佳彦首相や官僚とメディアの癒着構造があると歯切れよく叩き切っていて小気味いい。  朝日新聞や読売新聞は社説でも野田首相の増税路線を支持しているが、大メディアは裏で、増税反対の論陣を張る元官僚やジャーナリストをパージし始めているのだ。  まずはカネのバラ撒きから。昨年12月4日付けの全国紙と地方紙71紙に、政府が社会保障と税の一体改革についてという全面広告を出したが、これに総額3億円の税金が使われた。  増税反対派の言論封殺の指揮をとっているとされるのは財務省の香川俊介官房長で、彼は「財務省の天皇」といわれる勝栄二郎事務次官直系である。  最初にターゲットにされたのが元経産官僚の古賀茂明。古賀自らが某テレビ局幹部に香川官房長官が電話を入れ、「古賀を出しているような局に安住淳大臣は出せない」と圧力をかけたことを明かした。  やはり元財務官僚の高橋洋一も「ブラックリストの筆頭」にあるといわれ、対談や討論番組への出演依頼後にキャンセルされることが何度かあったという。  また出演しても、増税論派を論破したところはカットされてしまった。  財務省が毎年年末に予算の政府原案がまとまると各紙の論説委員と経済部長を集めて「論説委員経済部長懇談会」を開くのだが、長谷川幸洋東京新聞論説副主幹は、突然そこから排除されてしまった。  また全国紙の中では唯一増税批判の姿勢をとってきた産経新聞には、昨夏、国税の税務調査が入った。そのためか税務調査後は「増税やむなし」という論が産経でも目立つようになったと、「ポスト」は書いている。  先の論説懇談会の夜、野田首相は東京港区の高級料亭で朝日新聞の星浩編集委員、毎日新聞の岩見隆夫客員編集委員、読売新聞の橋本五郎特別編集委員と酒食をともにしたのである。  星は1月8日の朝刊のコラムでこう書いている。 「権力監視が仕事であるメディアが『増税を容認すること』への疑問はあるだろう。しかし、先進国で赤字が膨らみ、危機からの脱出策を探っている現在、メディアの役割は『監視』だけでは済まない。国の再生に向けて、政治に『結果』を求めることが必要になってきた」  朝日新聞が増税推進であることの自己弁護のような書き方である。  さらに驚くのは、新聞協会が政府に対して、消費税が10%になっても、新聞はゼロにしてくれと裏取引をし、テレビはテレビで震災を口実に放送設備を新設するに当たって減税を要求しているというのだから、あきれた話だ。  しかし朝日新聞など大メディアの増税キャンペーンは功を奏さず、朝日の世論調査結果によると、消費増税の政府案に賛成は34%、反対派57%となり、反対が6割に迫ったのだ。  大メディアがいかに国民の感覚からズレているかという証である。こうした大メディア批判は最近「ポスト」の独壇場になった。読者目線で物事を考える。我々は先輩からそう教えられた。「ポスト」はそれを忘れていない。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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