新しくなった東京拘置所でムショ飯を食う

01kouchisyo.jpg
やって来たぜ、東京拘置所!
珍奇なものをこよなく愛するライター・北村ヂンが、気になったことや場所にNGナシで体当たり取材していく【突撃取材野郎!】。第19回は、「東京拘置所」に行ってきました。 ■拘置所の敷地内に入れるイベントが!  拘置所や刑務所に対して、どんなイメージを持っているだろうか?  拘置所、刑務所なんて、安部譲二の小説『塀の中の懲りない面々』や花輪和一の漫画『刑務所の中』、はたまた映画『ショーシャンクの空に』など、小説や漫画、映画の世界では結構なじみがあるものの、普通に生活している一般人にとってはまず縁のない世界だろう。とはいえ、ちょっと魔が差したりしたらイヤでも入れられてしまうんだけど。まさに日常と壁一枚へだてたワンダーランドだ。  そんな拘置所や刑務所の中に入ることのできる機会があったとしたら……イヤイヤ、ガチで収監されるのはイヤだけど、ちょろっと中をのぞける機会があったら、のぞいてみたいでしょ?  つーわけで、今年の3月に新庁舎が完成したばかりの東京拘置所の敷地内に一般人が入ることができる初のイベント「東京拘置所矯正展」が開催されると聞きつけ、早速突撃してきた。 ■チー様に拘置所が熱狂  大幅な改修工事後「周囲に威圧感を与えないように」ということで外塀が取り払われており、かなり開放的な印象……だが、肝心の庁舎自体は脱走等をガッチリ防げそうな、ズドーンとそびえ立つ「要塞」といった感じの建物。うーん、カッコイイ! 普通に観光スポットとしても成り立ちそうなほどナイスな建造物だ。
02kouchisyo.jpg
まさに要塞……カッコイイ。
 さて、この「矯正展」だが、全国の刑務所で受刑者が制作した「刑務所作業製品」の展示・即売などを行うことによって、拘置所や刑務所といった矯正施設への理解を深めてもらうためのイベント……という情報を聞いていたので、わりと真面目でおごそかなイベントなのかなと予想しながらやって来たのだが、到着した会場は妙な熱気でムンムンだった!
03kouchisyo.jpg
拘置所でのイベントなのに大熱狂。
03-2kouchisyo.jpg
イベントの趣旨が……。
 集まった来場者たちからは「千春ーッ!」「チー様!」といった声援が上がっているし……。そう、今回の矯正展ではオープニング・テープカットのゲストとして歌手の松山千春さんが招かれていたのだ(しっかし松山千春のこと、ファンは「チー様」って呼ぶんだねぇ)。
04kouchisyo.jpg
松山千春が登場! 連行されてるわけじゃないよ。
「いやー暑いですね、お前らは髪の毛があるからいいけど、オレは直接日光が当たるから暑くて暑くて……」  お上の施設でやってるイベントとは思えない、いきなりのツルッパゲ・ジョークで会場は、はやくもつかみはオッケーのドッカンドッカン状態。たたみかけるようにチー様は、 「今日は別に、オレが収容されるってわけじゃないですからね」 「この新しくなった東京拘置所も、塀もなくなって気軽に立ち寄れるようになってね……気軽に立ち寄っちゃマズイか」  などと、職員たちがビミョーに苦い表情を浮かべる中、拘置所ギャグを飛ばしまくり。ご機嫌になったチー様は、唐突に名曲「大空と大地の中で」をアカペラで歌い上げる。
05kouchisyo.jpg
チー様熱唱!
「いつの日か幸せを自分の腕をつかむよう〜♪」  予定していなかった歌の披露にちょっといい雰囲気にはなったものの、そこまでのトークをフォローしきれてはいなかった気が……。  その後、チー様が各ブースを回って刑務所作業製品を視察するという予定になっていたのだが、ウワーッと殺到した熱狂的なファンたちで大混乱状態に。途中で中止となり、早々に帰っていった。普段、受刑者たちをビシビシ仕切っている職員さんたちも、熱狂的なファンには勝てなかったようで。
06kouchisyo.jpg
ザ・パニック
■受刑者のアイドル・オン・ステージ  もちろん、チー様が帰ってからもみどころは満載。まず向かったのが、メインステージで行われていたPaix2(ぺぺ)という女性デュオのライブ。なんでも、刑務所などへの慰問活動(プリズンコンサート)をメインに活動しており「受刑者のアイドル」なんて呼ばれているんだとか。シャバでライブを観る機会はあまりなさそうだし、これは観るしかッ!
07kouchisyo.jpg
「Live in Tokyo」の間違いじゃないの? と思いきや、
「Live in 東拘(東京拘置所)」ってことか。
 ……と、思ったもののPaix2のライブ時間になった途端、急に大雨が降り出したのだ。野外ステージ前で待機していた観客たちも屋根のある場所に避難してしまい、ステージ前はガラガラに。タイムテーブルは決まっちゃってるので、そんな状況でもライブをはじめるしかないのだけれど、さすがにコレはやりづらい。
08kouchisyo.jpg
突然のどしゃ降りだが……。
 しかしそこは、さらにライブをやりづらい刑務所での慰問で鍛えられているふたり(刑務所では座席を立つことも、声を出すことも禁止されてるらしいから……)。大雨などモノともせず、満面の笑みで元気いっぱいライブを開始。「テントの中からでもいいから手拍子して下さ〜い!」などと盛り上げていく。  やがて雨も収まっていき、ステージ前にお客さんが少しずつ戻ってきた。そこで最後の曲。刑務所でもいつも歌っているというキラーチューン「元気だせよ」。……刑務所で元気だせるかなぁ?
09kouchisyo.jpg
げーんーきーだーせーよー!
 ところでライブ中、すごく気になったのはステージ前に陣取って振り付けを完全コピーしているおじいちゃんがいたこと。ま……まさか塀の中でライブを観てファンになった方なのではッ!? ■オレんちの食事よりもウマいぞ「プリズン弁当」  続いてのお目当ては、この手のイベントでの定番「B級グルメ」。最近のブームのせいで、どこのお祭りに行ってもいろんな地方のB級グルメの屋台が出ているが、さすが東京拘置所でのイベント、ほかでは絶対にお目にかかれないB級グルメ(?)が販売されていた。その名も「プリズン弁当」!
10kouchisyo.jpg
 おそらく、刑務所内で受刑者たちが食べているメニューを模した弁当ということなのだろう。麦まじりのご飯に豚の味噌焼き、切り干し大根、漬け物と、町のお弁当屋さんでもかなりオカズが豪華になっている昨今において、相当ショボイ。350円と安めな値段であることを考えても、町中で売られていたらおそらく買わないであろう内容。  ところが、完全にネーミングの勝利! ほかの有名B級グルメを差し置いて、信じられないような大行列ができていた。えーっ、みんなあのショボイ弁当(失礼)そんなに食いたいの!? まあ、ボクも「プリズン弁当」という名前のみに惹かれて30分並んで買ったけどね。(「何かくれるの? 何かくれるの?」と、タダで何かもらえると勘違いして並んでたオバハンも結構いたけど)
11kouchisyo.jpg
すさまじい行列が……ショボイ弁当なのに。
 さて、肝心の味はというと……見た目のショボさに反してすごく美味しいの。本当にこの通りのメニューが刑務所内で出されているのかどうか定かではないけど、このレベルのメシがコンスタントに出てくるなら「とりあえず屋根があってメシが出てくるから……」と何度も犯罪を繰り返して刑務所に戻ってきてしまう人がいるっていうのもちょっと納得してしまう。  ……だって、ビンボー男子のひとり暮らしの食生活なんて、コレよりはるかに悲惨よ。
12kouchisyo.jpg
これが「プリズン弁当」だ!
■ボクの犯罪的な性格が白日の下に……!?
13kouchisyo.jpg
各刑務所で製作された「刑務所作業製品」が販売されている。
14kouchisyo.jpg
こんな芸術的な製品も。サイズ等、オーダーメイドできるらしいですよ。
15kouchisyo.jpg
どさくさに紛れて自動車も売られていたけど……
コレは刑務所関係ないよね?
 ブランニュー・東京拘置所の初イベントということで、かなり気合いを入れて開催された「矯正展」だけに、ほかにもいろんな催し物が盛りだくさんだったのだが、中でも特に心をわしづかみにされたのが「性格検査体験コーナー」。  要は、受刑者の性格診断で使用されているのと同じ検査方法によって自分の性格を知ることができるということなんだけど、コレ、心の中のものすごーくヤバイ部分が白日の下にさらされちゃったりするんじゃないの!? こ……怖いわー!
16kouchisyo.jpg
せ……性格検査……。
 知りたいような、知りたくないような自分の心の中。でもまあ、取材だからと覚悟を決めて検査を受けてみることに。  検査の方法は、「どんなひどいことをされても相手をうらまない」「どんなに腹が立ってもいつもニコニコしている」といった質問に対し、マークシートで「はい」「いいえ」「?」を選んでいくというもの。コレ、「いいえ」にマークしたら明らかに結果が性格悪い方向に行くと思うんだけど……でも「どんなひどいことをされても相手をうらまない」「どんなに腹が立ってもいつもニコニコしている」ヤツなんているか!?  そんな感じで「こっちにマークしたら性格悪いことにされるだろうなぁ……」と思いつつも、正直にマークしていく。さて、その結果は……コレがなかなか出てこなかったんだ。マークシートを読み込む係の人が機械に慣れてないんだか、機械が調子悪いんだかで全然結果をもらえやしない! イライライライラ! 会場を再び一回りして戻ってきてもまだ結果が出ていない。結局、1時間近く待たされてやっと結果の紙をもらうことができた。……ったく! ……ったく!  そんで、その結果は……。
17kouchisyo.jpg
「怒りっぽさ」「良く見せたい気持ち」が最高レベル……当たってるやんけ!
 とまあ、いろいろな催し物があって予想外に楽しめた「東京拘置矯所正展」。ただひとつ残念だったのは、拘置所の敷地内や周辺施設には入ることができたものの、肝心の庁舎や受刑者が収容されている部屋に入ることができなかったということ。まあ、セキュリティーとかいろいろ問題があんでしょうけど、それでもせっかく東京拘置所でやってるイベントなんだから、そこまで見たいよ!  うーん、やっぱりさらに詳しく中までウォッチするためには実際に収容されるしか……それはイヤだーっ。
18kouchisyo.jpg
こんな模型は展示してありましたけど、やっぱり実物が見たいよ!
i01kouchisyo.jpg (取材・文・写真・イラスト=北村ヂン) ●「突撃取材野郎!」バックナンバー 【第18回】想像を超えるミラクル・ショー! ロボットレストランに潜入 【第17回】東京に宇宙人がいた!? 宇宙村レポート 【第16回】東京スカイツリー開業! その時、東京タワーは…… 【第15回】着ぐるみってどうやって作ってるの? 着ぐるみ制作会社に潜入! 【第14回】プロマイドの殿堂・マルベル堂で俺プロマイドを作る 【第13回】名古屋駅より徒歩5分。1泊1,500円〜のバカ安ホテルに泊まる 【第12回】大阪にそびえ立つ変な形の謎タワーに登ろうとしてきた! 【第11回】藤子不二雄Aだらけの町・富山県氷見市! 【第10回】ファン狂喜乱舞モノ!?  藤子・F・不二雄ミュージアムに行ってきた 【第9回】男だけど女声を使いこなす"両声類"になりたい! 【第8回】SM雑誌だらけの図書館!? 風俗資料館 【第7回】 テレクラは今こんなことになっている2010 【第6回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(後編) 【第5回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(前編) 【第4回】手塚、藤子、赤塚、石ノ森......漫画界の巨匠たちも食べた伝説のラーメン屋 【第3回】「激安宿に泊まりたい!」ドヤ街で一泊1,000円代の宿に泊まってみる 【第2回】「甘酸っぱい思い出のシンボル......」僕らの愛したブルマーは今どこに 【第1回】アイドル小明と行く、サブカル魔窟『中野ブロードウェイ』

押収されたPCには未成年とのハメ撮り動画も!? GACKT、タレント生命の危機 

motoki0925.jpg
「週刊新潮」9月27日号 中吊り広告より
グランプリ 「新婚『松田聖子』と元愛人が『深夜のコンビニ』で買ったもの」(「週刊新潮」9月27日号) 佳作1 「橋下徹は日本の救世主か?」(「週刊新潮」9月27日号) 佳作2 「釈由美子は10年間GACKTの“通い妻”でした」(「週刊文春」9月27日号) 佳作3 「貫目が足りない『石原伸晃』おバカの伝説」(「週刊新潮」9月27日号)  PHP研究所へ、電子書籍の現状とこれからについて取材に行ってきた。角川書店や講談社と並んで電子書籍に熱心な出版社である。その中で、アマゾンとは契約内容の詰めを行っていて難しいところも残っているようだが、アマゾンの書籍専用端末「キンドル」がようやく10月上旬に日本でも発売されると示唆してくれた(同様のニュースは日経でも報じられている)。  だが、楽天の「kobo」がそうであるように、コンテンツの品揃えは充実したものとはいえないようだ。電子書籍に前向きな出版社がまだ少ないこと、著作隣接権などが認められないと出版社にハッキリしたメリットがないこと、プラットフォームをアマゾンに牛耳られることへの警戒感など、先行きは不透明である。ましてや出版社にとって電子書籍がビジネスになる日が来るのは、取材した感触では、まだまだ先のことのようだ。  今週は尖閣諸島をめぐる日中間の緊張が高まる中、中国の現地報告を含めて各誌大きく取り扱っている。「日本人よ、戦いますか 中国が攻めてくる」(現代)、「日中一触即発!」(文春)、「日中冷戦 経済戦争勃発」(週刊朝日)、「袋叩きにされる『日本人』現地報告」(新潮)、「中国政府が扇動する反日デモの『白髪三千丈』」(週刊ポスト)。どれも似たり寄ったりの情報で、代わり映えがしないが、朝日と現代は、下手をすると日本経済が破滅に向かう可能性があると書いている。  現代でビジネス・ブレークスルー大学の田代秀敏教授が、こう語っている。 「日本の不買運動だけでも、日本企業は恐ろしいほどの損害を被っています。たとえば中国側の発表によると、この8月の北京、上海、広州の3地点での日系企業のカラーテレビの売り上げは、前月比で東芝が40・3%減、三洋が44・3%減、パナソニックが23・4%減と著しく減少しました」  中国の日本法人が現地で部品を調達する割合は59・7%もあり、レアアースはほとんどを依存している。日中貿易の総額は約27兆円、全貿易量の約20%を占めている。このままの状態が続けばダメージは日本のほうが遙かに大きい。そう考えれば、日本が取るべき方法は自ずと決まってくるはずだと思うが。    同じ特集の中で、2週間にわたって姿を消していた習近平が、胡錦涛に「軟禁」されていたという情報を載せている。9月1日、「中央党校」という大学で行った習の挨拶が胡錦涛を怒らせたというのだ。 「中国共産党は、図らずも党の根本理論にそぐわない『失われた10年』を過ごしてしまったが、この秋からは正しい指針を持った新時代を迎えるであろう」  こう話したというのだ。つまり、胡錦涛政権時代を否定したのだから、逆鱗に触れてもおかしくはない。そのため、中南海で軟禁生活を余儀なくされていたというのである。中国内部の権力争いは、日本など及ぶところではない。これが事実だとすれば、これからも胡と習の暗闘は、江沢民と胡がそうであったように、長く陰湿に続いていくのであろう。 今週はグランプリが1本で、後はどんぐりの背比べなので、佳作3本を選んでみた。  自民党総裁選が大詰めを迎えているが、文春、新潮は石原伸晃が総裁に一番近いと考えたのか、同じようなタイトルでやっている。ちなみに、文春は「石原伸晃よ『軽くてパー』にもホドがある」。どちらも総理の器ではないという点で一致している。内容はほぼ同じだが、新潮のタイトルが優勢と見た。  パーだおバカだといわれる理由は、親と叔父・石原裕次郎の七光りのもと「他力本願」で生きてきたから哲学がない、決断ができないからだろう。  新潮によれば、1981年に慶応大学を卒業して日本テレビ報道局で記者をしていたが、当時の同僚に「仕事に対する熱意やガッツがまったくなかった」と酷評されている。運輸省(当時)を担当していた時代に驚くべきことがあったと、別の同僚が語る。 「85年8月に日航ジャンボ機が御巣鷹山に墜落した際のこと。伸晃君は休暇中の連絡先を知らせずにイタリア旅行中で、僕らは八方手を尽くして、やっと連絡をつけたのですが、彼は“あとはよろしくお願いします”と電話で答え、旅行を続けたんです。これは今もなお、日本テレビ報道局史上に残る致命的失態といわれています」  こんな人間がトップになって原発事故でも起きたら、小沢一郎のように自分だけさっさと逃げかねない。人材不足ここに極まれり。いやはや困ったものである。  佳作2は、文春が火をつけたミュージシャン&俳優GACKTの連続追及第3弾である。  もともとGACKTのファンだった釈由美子は、紹介者を入れて食事をし、早速意気投合して懇ろになったようだ。定期的に釈がGACKTの家を訪ねる“通い婚”。だが時には、運転手つきの愛車の中で、後部座席は暗幕で仕切られていたとはいえ、釈がGACKTの膝の上で○○○(本文にはハッキリ書いてある)っていた」と事務所関係者が証言している。  地下2階にはプレイルームがあり、そこで頻繁に釈を目撃したという。 「びっくりするほどいやらしいカラダをしていた」(事務所関係者)  プレイルームのテーブルにはアダルトグッズ一式が並んでいたという。その上、 「実は国税に押収されたパソコンの中には、十八歳未満の少女とハメ撮りをした動画があり、本人はそれを一番心配しています」(GACKTの知人)  ここまで醜聞がダダ漏れするのは、身近にいた人間が離れ、取材に答えているからであろう。GACKTのタレント生命は絶体絶命のようだ。  連載といえば、新潮の「秋元康研究」第2弾は、秋元の想像を絶するギャンブル好きに焦点を当てている。ルーレットに、一度に300万円賭けるそうだ。秋元の仕事仲間は「ラスベガスでトータル15億円も負けた」と、10年ほど前に秋元が漏らしていたと話している。そうした「疑惑」に対して秋元は、15億円なんてないと否定している。だが、一ケタの億単位で負けたことはあるのではないかと聞かれ、こう答えている。 「それは……累積だったらあるかも知れない。ただ、それも、金額とかは言いたくないんですよ。書き方や読み手によっては、すごい湯水の如くお金を使う人にも見えてしまうでしょうし……」  どう言い訳しても、そう見えてしまうのは当然であろう。少女たちから吸い上げた大金がギャンブル場に吸い込まれていくというのは、何か一幕ものの喜劇を見ているようで、もの悲しい。  橋下徹大阪市長の「日本維新の会」はまだそれなりの人気を保っているようだが、現代を除いては、多くの週刊誌が反橋下のようだ。今週は文春でもやっているが、これも新潮のほうが性根が据わっている。  新潮では、橋下が司法修習生を終え「イソ弁」として所属していた事務所の樺島正弁護士が、橋下のことをこう語っている。 「橋下は本質的には弁護士という職業を嫌っていたと思います。彼は弱い者の側に立つのが嫌いです。(中略)彼は、弱い人間を見ると腹が立つのだと思います。自分はそういう苦境から這い上がってきた。だから、負けたままの人間には虫唾が走るのでしょう」  また、「日本維新の会」が経済だけでなく、教育などあらゆる分野で競争を加速させると言っていることに、榊原英資元大蔵省財務官はこう批判する。 「話が逆。いま、日本に限らず、世界の政治家がやらなければならないことは、先ほども触れた格差是正なんです。非正規雇用者をどう減らすかといった課題が政治に託された大きな責務なのに、競争を煽り、格差を拡大させてどうするんですか。総じて『維新八策』は、各論なき総論でスローガンの羅列。いくら総論を訴え続けても、各論がなければ実現まで辿り着けません」  作家の佐藤優は、韓国大統領の竹島上陸にからんで、慰安婦問題にも言及したことを、こう難じている。 「慰安婦問題で、韓国に向けて『論戦したらいい』と言い放ちましたが、そんなことを始めたら収拾がつかなくなります。また、『強制連行があったかどうかの確たる証拠はなかったというのが日本の考え方だ』とも述べていますが、日本政府の考え方、すなわち河野談話では、強制を認めている。聞きかじりの耳学問で、外交ブレーンがいないのでしょう」  さらに、3ページにわたって橋下全語録をやっている。尊敬しているのが、ゴキブリなんだそうだ。 「僕が虫の中で一番尊敬しているのはゴキブリ。新聞紙を丸めたら後ろにパッと逃げる。危機感がすごい」  だが、不思議なことに現代でも取り上げていたテレビタレント時代の発言、「徴兵制賛成」「核兵器を持て」という重大なものが抜けているが、どうしたのだろうか? もしかして、新潮はそれについては賛成なのだろうか。  今週の栄えあるグランプリに輝いたのは、あの松田聖子を徹底して追いかけた新潮の記事。書き出しはこうである。 「9月9日、日曜日。東京・有楽町の『東京国際フォーラム』では、熱いステージが繰り広げられていた。米ジャズ界の大御所として知られるボブ・ジェームスがメインを務めた『東京JAZZ』。その終盤、スペシャルゲストとして松田聖子(50)が登場したのだ。そして1時間あまり、純白のマーメイドドレスでジャズナンバーを熱唱。左手薬指には、大きなシルバーリングが光っていた。   終演後、都心のホテルで関係者と会合をし、日付が変わった午前1時前。後部座席に聖子、助手席に男性マネジャーを乗せた迎えのワンボックスカーは、自宅のある世田谷区成城方面に走り出す。(中略)  が、車は何故か自宅近くのコンビニ駐車場に吸い込まれていく。(中略)大きなマスクで口を覆ってはいるが、紛れもない聖子本人だ。そして助手席のマネジャーを従えて、店内に入っていく。(中略)2人はカップの冷やし中華などが並ぶ棚の前で立ち止まり、しばし思案……。  すると今度は、お隣のおにぎり棚に移動し、再び思案。(中略)傍から見ている限り、まるで恋人同士かおしどり夫婦にしか見えない。(中略)結局、カゴには冷やし中華とおにぎりが2個ずつ」  天下の聖子が新しい夫のために買ったのがこれか? だが、事実は小説より奇なり。その後、2人は聖子の自宅である豪邸へ帰り、聖子はその中へ入り、マネジャーは隣の2階建ての民家に入る。な~んだ、それだけか。  ところが新潮によれば、この2つの建物は奥で行き来できるようになっていて、「その夜、両方の電気はそのまま消えた」というのである。意味深な書き方である。  聖子が慶応大学病院歯科・口腔外科の河奈裕正准教授と3度目の結婚をしたのは6月。 仲睦まじく冷やし中華とおにぎりを食べたのかと思いきや、自宅には夫の影が見えないというのだ。しかも、コンビニへついていったマネジャーは8年越しの聖子の愛人で、結婚するのは彼とだろうと周囲で思われていた人物なのだ。 「結婚してみたものの、マネジャーと聖子の関係にも頭を痛め、早くも別居しているのではという見方すらある」(芸能デスク)  河奈准教授はもともとプライベートなことは明かさないタイプだったそうであるが、それにしても新妻を放っておいて、どこへ隠れているのだろう。  さらに河奈の父親は取材に対し、聖子が夫の実家に挨拶にも来ていないことを認めている。奇妙な夫婦生活だが、松田聖子らしいともいえる。グラビアに写っているコンビニでの2人の仲睦まじい姿を見ていると、恋多き女の面目躍如である。  彼女のような「自立した女」を女房にするには、よほど寛容で剛胆な男でないと務まらないだろうが、これまで彼女が相手にしてきたのはそれとは正反対の男たちである。オスを食ってさらなる高みを目指すからこそ、中年のオンナたちにはたまらない格好いい存在なのだろう。聖子、健在である。  (文=元木昌彦)
motokikinnei.jpg
撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか   

「赤いきつね」がロボットに変形!? カップ麺が僕らのご馳走だった時代のヒーロー「テレコマ戦士」!

01terekoma_.jpg
アナログとデジタルの過渡期であった1980年代。WiiもPS3もなかったけれど、ジャンクでチープなおもちゃがあふれていた。足りない技術を想像力で補い、夢中になって集めた「キン消し」「ミニ四駆」「ビックリマンシール」......。懐かしいおもちゃたちの現在の姿を探る!   貧乏学生や独身社会人の主食の一つとしてすっかり定着しているカップ麺だが、自転車さえあればどこまでも遠出できた、やたらとカロリー消費の多かった幼き日の僕らにとってもカップ麺は「主食」であり「ご馳走」だった。  やたら甘いゼリーや、あまり味のしないのしいかなど、リーズナブルだけれど味もそれなりだった駄菓子に対して、カップ麺のお値段は100円くらい。そのちょっぴり割高な価格設定もさることながら、麺とスープを割り箸(もしくはフォーク)ですするというシークエンスが、食に対する満足感とロープライスな駄菓子をほおばるほかの子どもたちに対する優越感を僕たちにもたらしていた。放課後、友達と詰め掛けた駄菓子屋さんの店頭で、ガシャポンを回しながらカップ麺をすすった記憶のある読者も少なくはないだろう。  そんな子どもたちにとって身近な存在だったカップ麺が、ロボットに変形してしまう! というオドロキのおもちゃが1985年にタカラ(現・タカラトミー)から発売された「テレコマ戦士」シリーズである。  どんぶり型カップ麺から腕がニョキっと生えてロボットになるという、至極シンプルな変形ギミックながら、丸いカップから短い手足が伸びるというかわいらしさと凛々しいフェイスのギャップ。そしてリアルにプリントされたフタや手のひらサイズなど、コレクション性あふれる要素に心をくすぐられた子どもたちの間で「テレコマ戦士」は大ヒット。中でも「赤いきつね」「緑のたぬき」の2体は、シリーズ後半にパワーアップ版と称して再販されるほどの人気を誇った。
02terekoma.jpg
カップ麺やお菓子の箱が……。
03terekoma_.jpg
なぜかロボットに変形! おもしろカッコいいぜ!
 シリーズ当初のどんぶり型カップ麺が変形する「どんぶりマン」以降も、カップヌードルのような縦長カップ麺が変形する「カップマン」、スナック菓子のパッケージが変形する「スナックマン」、ペプシコーラなどのジュース缶が変形する「ドリンクマン」、コロコロコミックなど子どもたちが大好きな雑誌が変形する「ブックマン」など続々と新シリーズを展開。最終的に55弾まで発売されるロングシリーズへと成長したのである。  余談だが、シリーズ当初はテレコマ戦士のボディにどんぶりマークの真っ黒なシールが貼られており、およそ24℃で「一味」「七味」「とうがらし」「ラー油」といったスパイスの絵柄が浮き出る仕組みになっていた。そのスパイスはじゃんけんのような四すくみの関係となっており、友達と「どんぶりマン」を使った簡単な勝負ができるようになっていたが、極意書(説明書)によると「君のアイディアでルール等を決め、君達の対決法(遊び方)を考えて遊ぼう」という、実にアナログな時代らしいゆるい記述が。  また、「スナックマン」「ブックマン」にはチョロQのようにプルバックで走行するギミックが搭載されていた。お菓子の箱や漫画雑誌が疾走する意味はよくわからないが、「とにかくロボットに何かギミックを盛り込むべし」の精神は実にタカラらしい。  このマインドがかつて「ダイアクロン」「ミクロマン」「トランスフォーマー」といった変形ロボ玩具群を生み出し、80年代後半にはアニメ『魔神英雄伝ワタル』の『プラクションシリーズ』や、90年代から現在もシリーズが続いている『ビーダマンシリーズ』などにつながっていったのではないだろうか。  ちなみに、テレコマ戦士誕生以前の1983年、カップ麺型のミニチュアを使った神経衰弱ゲーム「ぴったしめんめん」が、今はなき野村トーイより発売され大ヒットを記録していたほか、1988年には伝説の駄菓子「ケンちゃんラーメン新発売」(これが正式名称である)がサンヨー食品より新発売されていたことを考えると、やはり80年代は今以上にカップ麺が身近なおやつとして子どもたちに認識されていたように思える。
04terekoma.jpg
おもちゃには極意書が付属。遊び方やほかのテレコマ戦士が紹介されている。
 片や、現在カップ麺は大人の主食として堪えられるように大型化したり、より本確的な味を求めてラーメン専門店とタイアップすることで高額商品となる一方。お手軽に子どもがおやつとして食べられる商品ではなくなりつつある。「テレコマ戦士」は、まだカップ麺がジャンクな駄菓子だった時代だからこそ生まれたキャラクターなのだろう。  昨今のリバイバルブームに乗っかって、ぜひとも復刻してほしいものだが、タカラトミーの広報担当者によると、 「『テレコマ戦士』は他社のデザインやライセンスも関わってくる商品なので、復刻は難しいんです」 とのこと。80年代こども文化をそのままパッケージングした「テレコマ戦士」をこのまま埋もれさせておくのは非常にもったいない気がするのだが、シリーズ復刻のために超えるべきハードルもまた非常に高そうである。  ところで「テレコマ戦士」という名称だが、おそらくは「テレビコマーシャル戦士」の略称なのだろう。そういえばあの頃は、テレビで新しいお菓子やカップ麺のコマーシャルが流れると、無性にワクワクしていたなあ……。  静かにたたずむ不格好なロボットたちを眺めながら、ふとそんなことを思ったりもした。 (取材・文=有田シュン) ●【バック・トゥ・ザ・80'S】バックナンバー 【Vol10】「なんでもあり」な80年代を象徴するツッパリキャッツ! なめ猫今昔物語 【Vol9】貼って貼られて貼り返されて!? 「ビックリマンチョコ 悪魔VS天使シール」今昔物語 【Vol8】 "懐かしのおもちゃ"から"スポーツ"へ 「ルービックキューブ」今昔物語 【Vol7】練り続けて25年! 家族の絆を繋ぐ遊べるお菓子「ねるねるねるね」秘話! 【Vol.6】合体のロマンに全国の男子がハマりまくった! 「合体シリーズ」「ミニ合体シリーズ」今昔物語 【Vol.5】男子だって着せ替えしたいんです、プロテクターを! 「聖闘士聖衣大系」今昔物語 【Vol.4】学校で唯一読めたコミック! 『エスパークス』今昔物語 【Vol.3】ゲームの可能性を広げた80年代のミッキーマウス 「パックマン」今昔物語 【Vol.2】世代を超えて愛される地上最速ホビー「ミニ四駆」今昔物語 【Vol.1】手のひらに広がる大冒険!「ゲームブック」今昔物語

これが全米を熱狂させた“USA版バトル・ロワイアル”! 殺人リアリティーショー『ハンガー・ゲーム』

h_game1.jpg
三部作での公開が決定した映画版『ハンガー・ゲーム』。
24人の少年少女たちが最後のひとりになるまで殺し合う様子がテレビ中継される
 戦争のない近未来。命の大切さ、暴力の愚かさを全国民が噛み締めるために、年に一度の盛大なる祭りが開かれる。その聖なる祭りに直接参加できるのは、全国各地から選ばれた24名の10代の少年少女たち。栄えある代表として選ばれた24人はひとつの会場に集められ、最後の1人になるまで殺し合う。これが今年5月に全米で公開され、爆発的大ヒットとなった映画『ハンガー・ゲーム』のゲーム概要だ。青少年への影響をめぐって国会を巻き込む騒ぎとなり、佐世保少女刺殺事件の際にも取りざたされた『バトル・ロワイアル』(00)と内容が類似していることからも波紋を呼んでいる本作がいよいよ日本で公開される。  最後に戦争が起きたのは74年前。北米中で内戦が広まり、国力はひどく低下した。内戦平定後は独裁国家パネムとなり、現在は大統領スノー(ドナルド・サザーランド)が12に分かれた隷属地区を支配している。血を流す愚かな戦争はやめ、代わりに各地区を代表する12歳から18歳までの若者たちを男女ひとりずつ生け贄として選び出し、厳粛なセレモニーが開かれる。第12地区から選ばれたのは、狩猟生活を営んでいた16歳の少女カットニス(ジェニファー・ローレンス)と同級生でパン屋の息子ピータ(ジョシュ・ハッチャーソン)。12歳の妹に代わって志願してきたカットニスは弓矢が得意だが、お坊ちゃん育ちのピータは取り立てて特技はない。名誉ある第12地区の代表者としてカットニスとピータは、ハンガー・ゲームの開催地である首都キャピトルへと送り出される。過去のゲーム優勝者であるヘイミッチ(ウディ・ハレルソン)の指導のもと、2週間にわたるサバイバル訓練を受けた2人は、いよいよゲームに出場。うやうやしくもド派手に、全国民に視聴が義務づけられた殺人リアリティーショーの幕が開く。
h_game2.jpg
16歳の少女カットニス(ジェニファー・ローレンス)は、
12歳になったばかりの妹に代わってゲームに出場することに。
 同級生同士が殺し合いを命じられた『バトル・ロワイアル』と違って、『ハンガー・ゲーム』は全国各地から集められた、見も知らぬ少年少女たちが命を奪い合うというもの。テレビ中継されていることから、視聴者受けのいいプレイヤーはスポンサーから優遇され、薬品などの追加アイテムをゲットすることができる。ぎくしゃくした関係にあったカットニスとピータだが、ゲーム前のテレビ番組でサプライズが発生。みのもんた似のインタビュアーに対し、ピータは「ボクには想いを寄せている女の子がいます。ゲームが終わった告白するつもりでした。その子はカットニスです!」とカミングアウト。一方的な発言に激怒するカットニスだが、ピータは「悲劇の恋人同士であることをアピールしておけば、ゲームが優位に動くはず」と説く。例え最終的に殺し合うことになっても、少しでも長生きしたいという、弱者ならではのアイデアだ。ハンガー・ゲームの参加者はただ殺傷能力が高いだけではなく、マスメディアにどう巧く対処できるかも重要な生き残りポイントとなっている。今どきの小中学生たちが自分自身をキャラクター化して、クラス内での居場所を確保するのにも似ている。  2008年にハードカバーの初版本が出版された『ハンガー・ゲーム』の原作者スーザン・コリンズによると、「書き上げるまで、『バトル・ロワイアル』の存在は知らなかった」とのこと。テレビをザッピングしていたら、人気リアリティー番組とイラク戦争のニュースが交互に映し出されたことから思い付いたそうだ。また、スーザンが6歳のときに父親がベトナム戦争に兵役で赴いたことも大きく影響している。10代の少年少女が武器を手に殺し合うことから残酷な印象を受けるが、日本もおじいちゃんおばあちゃんたちが若かった頃は世界を相手に戦争をやっていた。若者たちは片道分の燃料だけ積んだ潜水艇や戦闘機に乗って、敵軍に突撃するよう命じられた。米国は石油利権を確保するため、中東に度々派兵している。米兵の多くは就職先が見つからなかった下流層の若者たちだ。先進国に輸出するレアメタルなどの地下資源をめぐって、アフリカでは戦火が絶えない。紛争地における少年兵・少女兵の数は25万人に及ぶと推測されている。『ハンガー・ゲーム』で描かれていることは特別なことではない。人間は自分たちの生活を維持するためなら、戦争が起きることはやむを得ないと考える生き物なのだ。いや、むしろハンガー・ゲームは視聴している国民たちにとって日常の不満を解消する“ガス抜き効果”がある。国民の苛立ちを海外に向けさせて不用意に戦争を始めるよりも、最小限の犠牲者数で済む。極めて理知的な血のセレモニーである。
h_game3.jpg
同じ第12地区からはカットニスの同級生ピータ(ジョシュ・ハッチャーソン)
も選ばれた。敵か味方かよく分からん。
 信州の諏訪地方で開かれる“御柱祭”は6年に一度開かれる勇壮な祭りだ。山の急斜面を氏子たちが大木に股がって滑り落ちていく“木落し”は毎回のように死傷者や重傷者を伴うが、それでも御柱祭は絶大な人気を誇り、古代から連綿と続いている。危険であることを承知で、地元の男たちはこの祭りの放つ膨大なエネルギーに引き寄せられていく。また、木落しの瞬間をひと目見ようと集まる見物客やマスコミの数もハンパない。地元警察署の統計によると、御柱祭の開かれる年は少年犯罪が激減するとのこと。生死を賭けた壮大な宗教セレモニーは、人々の心を浄化する作用があるようだ。独裁国家パネムが開催するハンガー・ゲームにも、それに通じるものがあるのだろう。  『ウィンターズ・ボーン』(10)で幼い弟たちの世話を焼く健気な少女を演じた若手女優ジェニファー・ローレンスを主人公に映画化したのは、ゲイリー・ロス監督。トム・ハンクスの出世作『ビッグ』(88)の脚本家として売り出し、ちょっとエッチなファンタジーコメディ『カラー・オブ・ハート』(98)や競馬というゲームに身を投じた男たちを描いた『シービスケット』(03)などのヒューマニズム溢れる作品を手掛けてきた人物だ。ゲイリー監督は『ハンガー・ゲーム』を残酷ショーとして取り上げず、10代の少年少女たちにとって痛みを伴う“通過儀礼”の場として描いている。絶体絶命の状況の中で、どうすれば新しい局面を切り開くことができるのか。カットニスは最後の最後まで絶望することなく、冷静に現実を見つめて、突破口に向かって走っていく。純真な少女からタフな女へと成長していく。『バトル・ロワイアル』しかり、『ハンガー・ゲーム』しかり、新しい“通過儀礼”の場を欲している若者たちは少なくない。 (文=長野辰次)
h_game4.jpg
『ハンガー・ゲーム』 原作・脚本/スーザン・コリンズ 監督・脚本/ゲイリー・ロス 出演/ジェニファー・ローレンス、ジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース、ウディ・ハレルソン、エリザベス・バンクス、レニー・クラヴィッツ、スタンリー・トゥッチ、ドナルド・サザーランド PG12 配給/角川映画 9月28日(金)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー <http://www.hungergames.jp> (C)2012 LIONS GATE FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED. ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第188回]行き詰まった人生の扉を開く鍵は“銭湯”にあり? 内田けんじ監督のオリジナル作『鍵泥棒のメソッド』 [第187回]大家族の伝統料理から超手抜きレシピまで勢ぞろい! 台所から見えてくる中東の家庭事情『イラン式料理本』 [第186回]“世界的な絶滅危惧種”である独裁者に愛の手を!? 政治ネタ&下ネタ満載コメディ『ディクテーター』 [第185回]障害者の性処理も介護の重圧も、すべて笑い飛ばせ! 男たちのバリアフリーな友情ドラマ『最強のふたり』 [第184回]人類を生み出した“創造主”との遭遇!! リドリー・スコットが物語るSF神話『プロメテウス』 [第183回]“校内格差社会”に出現した異分子(ゾンビ)たち! 青春のカタルシス『桐島、部活やめるってよ』 [第182回]カメラマンは法を犯してもかまわない!? 国家の暗部を暴く男の情念『ニッポンの噓』 [第181回]“学校”という名の密室ではびこる児童虐待の事実! 子どもたちは教師を訴える『トガニ 幼き瞳の告発』 [第180回]“神様”との出会いと別れ、そして旅からの帰還  ドキュメンタリー『アニメ師・杉井ギサブロー』 [第179回]親友=お金を貸してくれる、女友達=SEXさせてくれる!? 品性お下劣男の青春『苦役列車』 [第178回]“沢尻エリカ”という名のアトラクションムービー『ヘルタースケルター』が描く無常の世界 [第177回]毒カレー、オウム真理教、光市母子殺害……“悪魔の弁護人”と呼ばれる男の素顔『死刑弁護人』 [第176回]“芸能生活30周年”ニコラス・ケイジの会心作! 被災地に流布する暗号『ハングリー・ラビット』 [第175回]やめろと言われても、今では遅すぎたッ! 妻夫木聡&武井咲主演の過剰なる純愛劇『愛と誠』 [第174回]年間自殺者数3万人を越える現代社会への提言 自殺対策の現状を追った『希望のシグナル』 [第173回]“三島割腹事件”を若松孝二監督が映画化!『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』 [第172回]実在の事件を題材にした“命の授業”『先生を流産させる会』がついに劇場公開! [第171回]自由社会に順応できない“脱北者”の過酷な現状 無垢なる季節との決別『ムサン日記 白い犬』 [第170回] 世界興収100億突破のSF大作『ロボット』はあらゆる既成概念を破壊する!! [第169回]“エンタの神さま”ツイ・ハークが大復活! B級映画マニアの心を焦がす『王朝の陰謀』 [第168回]人はお下劣な分だけ、強く優しくなれる!? 結婚を控えた女たちの本音『ブライズメイズ』 [第167回]行きすぎたシステム社会に警鐘を鳴らす“ユナボマー・マニフェスト”の映画化『モンスターズクラブ』 [第166回]祭りの終わりと新ステージの幕開け、3部作完結『サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』 [第165回]すばらしき“コーマン野郎”の世界!『コーマン帝国』、愛と欲望の歴史 [第164回]懐かしき香り漂う、新感覚サスペンス 破滅へ突き進む男の悲劇『ドライヴ』 [第163回] 災害に備えた地下シェルターは必要? 心理ホラー『テイク・シェルター』 [第162回] 森田芳光監督の最終列車『僕達急行』人生は出会いと旅立ちのリフレイン! [第161回] 鬼才キム・ギドクの"多重人格ショー"セルフドキュメンタリー『アリラン』 [第160回]映画創成期に散った"殉教者"への聖歌 3D映画『ヒューゴの不思議な発明』 [第159回]これはホラー? それともコメディ? 勘違い女が爆走『ヤング≒アダルト』 [第158回] ピラミッドは古代からのメッセージ!? 歴史ミステリー『ピラミッドの謎』 [第157回] 韓国映画の名匠が明かす"創作の極意"イ・チャンドン監督『ポエトリー』 [第156回] ローカル局で"伝説となった男"の生涯『木村栄文レトロスペクティブ』 [第155回] 米国に半世紀も君臨した"影の大統領" FBI初代長官『J・エドガー』 [第154回]犯罪者たちに学ぶ"人心掌握術"の奨め『アニマル・キングダム』『預言者』 [第153回]"地獄"からの生還者・板尾創路の凄み 古典落語を過激に脚色『月光ノ仮面』 [第152回]早くも2012年ベスト1映画が登場!"代理殺人"を巡る恐怖『哀しき獣』 [第151回]父殺し、自分殺し、そして再生の物語 園子温流ラブストーリー『ヒミズ』 [第150回]米国お笑い横断旅行『宇宙人ポール』人間のちっぽけな悩みはETが解決! [第149回]70年前と変わらない日本人の精神構造『聯合艦隊司令長官 山本五十六』 [第148回]追悼......"永遠の反逆児"原田芳雄さん幻の主演作『原子力戦争』がDVD化 [第147回]"ファスト風土"を舞台にした犯罪喜劇 J・アイゼンバーグ主演『ピザボーイ』 [第146回]"正義のゾンビ"が犯罪者を貪り喰う! イラク戦争奇談『ゾンビ処刑人』 [第145回] "時代の寵児"の未ソフト化作品上映!「松江哲明グレイテスト・ヒッツ」 [第144回]原発事故を描いた『カリーナの林檎』と今関あきよし監督の背負った贖罪 [第143回]"窮屈なモラル"を脱ぎ捨てた裸の女たち 園子温監督の犯罪エロス『恋の罪』 [第142回]ノーベル賞作家・川端康成が夢想した新風俗『スリーピングビューティー』 [第141回]横暴な上司は有志社員が制裁します!『モンスター上司』のブラックな笑い [第140回]"クソみたいな社会を変えたい!"高校生テロリストの凄春『アジアの純真』 [第139回] うつ病なんかヘーキ!? 宮崎あおい主演作『ツレがうつになりまして。』 [第138回]"神話"が生まれる瞬間を目撃せよ! 人類への黙示録『猿の惑星:創世記』 [第137回]刑務所で食する至高の味『極道めし』ヒロインの後ろ姿に、むせび泣き! [第136回]"理想の恋人"という偶像を破壊せよ 深夜番長の劇場デビュー作『モテキ』 [第135回]"城定秀夫監督、ブレイク前夜の予感! 闘争本能を呼び覚ます『タナトス』 [第134回]"人間失格"の道を選んだ映画監督の業 林由美香の最新主演作『監督失格』 [第133回]ホラ吹きのホラを見破る特異な職能 ポランスキー監督『ゴーストライター』 [第132回]芦田愛菜、6歳にして危険な魅力!? 子連れで全力疾走『うさぎドロップ』 [第131回]元"暴走族"が書いた旧友への鎮魂歌 青春懺悔録『アメイジング グレイス』 [第130回]V・ギャロ主演のサバイバルグルメ!? 『エッセンシャル・キリング』 [第129回]『キック・アス』より悪趣味で泣ける 中年男の悪ノリ暴走劇『スーパー!』 [第128回]この夏の清涼剤、地方少女のダンス成長記『あぜみちジャンピンッ!』 [第127回]竹ヤリで世界進出"スシタイフーン"『エイリアンVSニンジャ』ほか逆上陸 [第126回]イーモウ監督、久々のアイドル映画 中華的妹萌え『サンザシの樹の下で』 [第125回]ナタリー・ポートマン vs. ヘビメタ野郎 人気女優の隠し球『メタルヘッド』 [第124回]黒澤明の名作『生きる』のラテン版! ヤモメ男が残した遺産『BIUTIFUL』 [第123回]北国で93年間営業を続ける"大黒座"と町の記録『小さな町の小さな映画館』 [第122回]新幹線がすれ違う瞬間、願いが叶う? 小学生の目線で描かれた『奇跡』 [第121回]理想と情熱がもたらした"痛い現実" 青春の蹉跌『マイ・バック・ページ』 [第120回]胸に響く金言"プロとは手を抜くこと" 職人秘話『アトムの足音が聞こえる』 [第119回]危険な出会い、井口昇ミーツ仲村みう 悪夢の遊園地『富江 アンリミテッド』 [第118回]ナタリー・ポートマン"第1章"の終幕 虚実が攻め合う『ブラック・スワン』 [第117回]"セカイ"を旅立った少女の地底探検記 新海誠監督の新作『星を追う子ども』 [第116回] 美少女たちの輝きが脳裏から離れない。青春ムービー『魔法少女を忘れない』 [第115回] 恋愛が与える"陶酔"とリアルな"痛み"サブカル活劇『スコット・ピルグリム』 [第114回]妄想、空想、そして現実からの大脱走 美少女革命『エンジェル ウォーズ』 [第113回]"3.11"後の新しい映画モデルとなるか『劇場版 神聖かまってちゃん』の挑戦 [第112回]マスコミが讃えた"楽園"のその後、ひとりの少女の成長記録『愛しきソナ』 [第111回]閉鎖的な"村社会"をブチ破ったれ! 韓流サバイバル劇『ビー・デビル』 [第110回]"粋"を愛したフランスの伯父さん J・タチ主演『イリュージョニスト』 [第109回]自分にとって家族は敵か、味方か? オスカー2冠受賞『ザ・ファイター』 [第108回]コーエン兄弟『トゥルー・グリット』40年で変化した"米国のヒーロー像" [第107回]ジョニー・デップが愛した"極道記者" 『GONZO』奇人がスターだった時代 [第106回] 巨匠イーストウッド監督の異色作! "あの世"はあるか?『ヒア アフター』 [第105回] キレ味、喉ごしが違うアクション! 黒帯美少女の"涙拳"が炸裂『KG』 [第104回] 高齢化するニートはどこに行くのか? "戸塚校長"のその後『平成ジレンマ』 [第103回]堀北真希&高良健吾主演作『白夜行』闇に生きる"影男"の密やかなる喜び [第102回]園子温の劇薬ムービー『冷たい熱帯魚』"救いのない結末"という名の救い [第101回] NHKが放映しない"裏プロジェクトX" AV界のカリスマ監督『YOYOCHU』 [第100回]エロスとタブーを交配した"至高の美女" 禁断のサイエンスホラー『スプライス』 [第99回]2010年に活躍した女優を勝手に表彰! 満島ひかりに"面倒くさい女"大賞を [第98回]大人だって"ドラえもん"にいて欲しい 残念男の逆転劇『エリックを探して』 [第97回]平凡な高校生デイヴは2度変身する!原点回帰のヒーロー『キック・アス』 [第96回]村上春樹の超絶ベストセラーの映画化『ノルウェイの森』はどこにある? [第95回]実在した"奇妙な高額バイト"の顛末 心理サスペンス『エクスペリメント』 [第94回]"アル中"カメラマンの泣き笑い人生『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』 [第93回]朝ドラと異なる映画『ゲゲゲの女房』ゴールなき"貧乏耐久"2人3脚走 [第92回]バラエティーでの実績は通用するか? テリー伊藤の初監督作『10億円稼ぐ』 [第91回] 不謹慎なる社会派エンタテイメント『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』 [第90回]"世界のナベアツ"大阪府知事に就任! 政治コメディ『さらば愛しの大統領』 [第89回]自分の恋愛もプロデュースする女優、ドリュー・バリモア主演『遠距離恋愛』 [第88回]スタローンが立ち上げた"筋肉共和国"男たちの祭典『エクスペンダブルズ』 [第87回]元"おはガール"安藤聖の再起動ドラマ 就職氷河期を生きる『バカがウラヤマシイ』 [第86回]マイノリティーは"理想郷"を目指す。筒井文学の金字塔『七瀬ふたたび』 [第85回]清純派・佐藤寛子が美しく"変態"! 官能サスペンス『ヌードの夜──』 [第84回]死を意識して、ギラギラ輝く男たち! 三池節、大バクハツ『十三人の刺客』 [第83回] 女を食い物にする男どもは全員処刑! モダン社会の闇を暴く『ミレニアム』 [第82回] "企画AV女優"たちの青春残酷物語 性なる鎮魂劇『名前のない女たち』 [第81回]猫を見れば、人間社会が見えてくる! 世界の人気猫大集合『ネコを探して』 [第80回]原恵一監督の新作は辛口ファンタジー 退屈な"日常生活"を彩る『カラフル』 [第79回]米軍に実在した"超能力部隊"の真実!? ムー民、必見『ヤギと男と男と壁と』 [第78回]戦場から帰還した夫は"芋虫男"だった! ヤクザ監督の反戦映画『キャタピラー』 [第77回] 白ユリの花開くガールズの妖しい世界 H系ホラー『ジェニファーズ・ボディ』 [第76回] 爽やか系青春ゾンビ映画にホロリ......夏休みは『ゾンビランド』に集結せよ [第75回] "生きる"とは"見苦しい"ということ 藤沢周平の時代活劇『必死剣 鳥刺し』 [第74回]初恋の美少女は200歳の吸血鬼だった! 北欧産のホラー映画『ぼくのエリ』 [第73回] "三億円事件"の真相を解き明かす! 桜タブーに挑んだ『ロストクライム』 [第72回/特別編] 上映反対で揺れる問題作『ザ・コーヴ』"渦中の人"リック・オバリー氏の主張 [第71回] 女子にモテモテになる方法、教えます。軟派少年の実話物語『ソフトボーイ』 [第70回] 下町育ちの"北野少年"が見た現代社会 人間同士の食物連鎖『アウトレイジ』 [第69回] "リアルと虚構の狭間"を生きる男、アントニオ猪木初主演作『アカシア』 [第68回] ヒーローも神もいない現代社会の惨劇 井筒監督の問題作『ヒーローショー』 [第67回] アイドルが地獄で微笑む『戦闘少女』ギャグ×血しぶき×殺陣の特盛り丼! [第66回]アナーキーな"社歌"で生産性アップ! 満島ひかり大進撃『川の底からこんにちは』 [第65回]超ヘビー級なシリアス劇『プレシャス』"家族"という名の地獄から脱出せよ [第64回]乱れ咲く"悪の華"ゼブラクイーン! 仲里依紗が過激変身『ゼブラーマン2』 [第63回] オタク王が見出した"夢と現実"の接点 ティム・バートン監督作『アリス──』 [第62回] バッドテイストな感動作『第9地区』 アナタはエビ人間とお友達になれるか? [第61回]スコセッシ監督の犯罪アトラクション『シャッターアイランド』へようこそ! [第60回]宮崎あおいの"映画代表作"が誕生! 毒を呑んでも生き続けよ『ソラニン』 [第59回]"おっぱいアート"は世界を救えるか? 母乳戦士の記録『桃色のジャンヌ・ダルク』 [第58回]現代に甦った"梶原一騎ワールド"韓流ステゴロ映画『息もできない』 [第57回]命知らずの変態レポーター、中東へ! 史上最大のどっきり?『ブルーノ』 [第56回]仲里依紗がアニメから実写へと跳躍! 母娘2代の時空旅行『時をかける少女』 [第55回]ビグロー監督はキャメロンより硬派! 人間爆弾の恐怖『ハート・ロッカー』 [第54回] "空気を読む"若者の悲劇『パレード』楽しいルームシェア生活の行き先は? [第53回]社会の"生け贄"に選ばれた男の逃亡劇 堺雅人主演『ゴールデンスランバー』 [第52回]『男はつらいよ』の別エンディング? "寅さん"の最期を描く『おとうと』 [第51回]ひとり相撲なら無敵のチャンピオン! 童貞暴走劇『ボーイズ・オン・ザ・ラン』 [第50回]ヒース・レジャーが最後に見た夢の世界 理想と欲望が渦巻く『Dr.パルナサスの鏡』 [第49回]トニー・ジャーは本気なんジャー! CGなしの狂乱劇再び『マッハ!弐』 [第48回]全米"オシャレ番長"ズーイー、見参! 草食系に捧ぐ『(500日)のサマー』 [第47回]市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化 [第46回]押井守監督、大いなる方向転換か? 黒木メイサ主演『アサルトガールズ』 [第45回]ドラッグ漬けの芸能関係者必見!"神の子"の復活を追う『マラドーナ』 [第44回] 暴走する"システム"が止まらない! マイケル・ムーア監督『キャピタリズム』 [第43回]"人は二度死ぬ"という独自の死生観『ガマの油』役所広司の監督ぶりは? [第42回]誰もが共感、あるあるコメディー! 2ちゃんねる発『ブラック会社』 [第41回]タラとブラピが組むと、こーなった!! 戦争奇談『イングロリアス・バスターズ』 [第40回]"涅槃の境地"のラストシーンに唖然! 引退を賭けた角川春樹監督『笑う警官』 [第39回]伝説の男・松田優作は今も生きている 20回忌ドキュメント『SOUL RED』 [第38回]海より深い"ドメスティック・ラブ"ポン・ジュノ監督『母なる証明』 [第37回]チャン・ツィイーが放つフェロモン爆撃 悪女注意報発令せり!『ホースメン』 [第36回]『ソウ』の監督が放つ激痛バイオレンス やりすぎベーコン!『狼の死刑宣告』 [第35回]"負け組人生"から抜け出したい!! 藤原竜也主演『カイジ 人生逆転ゲーム』 [第34回]2兆円ペット産業の"開かずの間"に迫る ドキュメンタリー『犬と猫と人間と』 [第33回]"女神降臨"ペ・ドゥナの裸体が神々しい 空っぽな心に響く都市の寓話『空気人形』 [第32回]電気仕掛けのパンティをはくヒロイン R15コメディ『男と女の不都合な真実』 [第31回]萩原健一、松方弘樹の助演陣が過剰すぎ! 小栗旬主演の時代活劇『TAJOMARU』 [第30回]松本人志監督・主演第2作『しんぼる』 閉塞状況の中で踊り続ける男の悲喜劇 [第29回]シビアな現実を商品化してしまう才女、西原理恵子の自叙伝『女の子ものがたり』 [第28回]"おねマス"のマッコイ斉藤プレゼンツ 不謹慎さが爆笑を呼ぶ『上島ジェーン』 [第27回]究極料理を超えた"極地料理"に舌鼓! 納涼&グルメ映画『南極料理人』 [第26回]ハチは"失われた少年時代"のアイコン  ハリウッド版『HACHI』に涙腺崩壊! [第25回]白熱! 女同士のゴツゴツエゴバトル 金子修介監督の歌曲劇『プライド』 [第24回]悪意と善意が反転する"仮想空間"細田守監督『サマーウォーズ』 [第23回]沖縄に"精霊が暮らす楽園"があった! 中江裕司監督『真夏の夜の夢』 [第22回]"最強のライブバンド"の底力発揮! ストーンズ『シャイン・ア・ライト』 [第21回]身長15mの"巨大娘"に抱かれたい! 3Dアニメ『モンスターvsエイリアン』 [第20回]ウディ・アレンのヨハンソンいじりが冴え渡る!『それでも恋するバルセロナ』 [第19回]ケイト姐さんが"DTハンター"に! オスカー受賞の官能作『愛を読むひと』 [第18回]1万枚の段ボールで建てた"夢の砦"男のロマンここにあり『築城せよ!』 [第17回]地獄から甦った男のセミドキュメント ミッキー・ローク『レスラー』 [第16回]人生がちょっぴり楽しくなる特効薬 三木聡"脱力"劇場『インスタント沼』 [第15回]"裁判員制度"が始まる今こそ注目 死刑執行を克明に再現した『休暇』 [第14回]生傷美少女の危険な足技に痺れたい! タイ発『チョコレート・ファイター』 [第13回]風俗嬢を狙う快楽殺人鬼の恐怖! 極限の韓流映画『チェイサー』 [第12回]お姫様のハートを盗んだ男の悲哀 紀里谷監督の歴史奇談『GOEMON』 [第11回]美人女優は"下ネタ"でこそ輝く! ファレリー兄弟『ライラにお手あげ』 [第10回]ジャッキー・チェンの"暗黒面"? 中国で上映禁止『新宿インシデント』 [第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』 [第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』 [第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』 [第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』 [第5回]三池崇史監督『ヤッターマン』で深田恭子が"倒錯美"の世界へ [第4回]フランス、中国、日本......世界各国のタブーを暴いた劇映画続々 [第3回]水野晴郎の遺作『ギララの逆襲』岡山弁で語った最後の台詞は...... [第2回]『チェンジリング』そしてイーストウッドは"映画の神様"となった [第1回]堤幸彦版『20世紀少年』に漂うフェイクならではの哀愁と美学

長いゴボウのキューピーハニー(永井豪のキューティーハニー)!

IMGP9320.jpg 料理の数だけダジャレがある――。ダジャレをこよなく愛する男が考案する、笑えるおいしいレシピ。  「ただいまー。友人から、この長いゴボウを使った素敵なレシピを教えてもらったよ」  「へー、ゴボウなんてキンピラくらいしか思いつかないわ。どんな料理?」 IMGP9263.jpg  「なんでも、この頃はやりの料理らしいぞ。ということで、こっちを剥いてよ、ハニー」  「あらやだ、急にハニーだなんて(照)。ゴボウの皮を剥けばいいのね」  「皮を剥くというより、泥を落とすくらいでいいかな。お願い、お願い、傷つけないで~。そうしたら斜めに切り、濃いめの塩水で柔らかくなるまで茹でる」 IMGP9295.jpg  「茹でている間に、白ゴマを軽く炒って、すりゴマを作っておく。ちょっと手間だけど、炒りたてのすりたては味が全然違うよ」  「このひと手間が大切なのね」 IMGP9300.jpg  「そしてこの料理のポイントとなるのが、これとこれ!」 IMGP9276.jpg  「マヨネーズとハチミツ?」  「そう。マヨは銘柄指定でキューピーマヨネーズ。これをすりゴマとしょうゆ少々と混ぜてソースにします」 IMGP9312.jpg  「そこに茹でたゴボウを合わせて、お好みで一味唐辛子をダイナミックにかけたら完成!」  「さすが人に教えてもらったレシピだけあって、いつもよりまともな料理ね! で、料理名は?」  「長いゴボウ、キューピーマヨネーズ、そしてハチミツといえばハニー。ということは……」 父&母 「長いゴボウのキューピーハニー(永井豪のキューティーハニー)!」  「わぉ、ハニーフラッシュ!(カメラのフラッシュを光らせて)」 IMGP9349.jpg ■材料  ・長いゴボウ ・キューピーマヨネーズ ・ハチミツ ・白ゴマ ・しょうゆ ・一味唐辛子 ・塩 ■作り方 1、ゴボウの泥を落とし、斜め薄切りにしたら、塩を多めに入れたお湯で茹でる。 2、ゴマを軽く炒って、すっておく。 3、すりゴマ、キューピーマヨネーズ、ハチミツ、しょうゆを混ぜ、茹でたゴボウと和える。 4、お好みで一味唐辛子や黒胡椒をかける。 ■玉置メモ ・このレシピは、人気ブログ「ツジメシ」(http://tsujimeshi.exblog.jp/8201307/)に掲載されている、「新ゴボウのキューピーハニー(β)」をお借りしました。まさかのレンタルダジャレ。 ・キューティーハニーを意識した表情での撮影もしたのですが、写真が痛々しくて採用を見送りました。 ・このキューピーハニーソースはなんにでも合いますが、やはり「長いゴボウ=永井豪」でしょう。 ■告知■
tamaokihon.jpg
 突然ですが、『私的標本 捕まえて食べる話』という自主制作本を作成しました。ウナギやザリガニやホタルイカやサメを捕まえて食べる話が、全10話掲載されています。ダジャレは控えめとなっていますが、よろしければご購入ください。 <http://yaplog.jp/hyouhon/category_23/> (文=玉置豊) ■男のダジャレレシピ・バックナンバー 【第29回】ガリガリ君でスタミナアップ!?「ガ~リガ~リック♪」(しょうがとニンニクのチャーハン)  【第28回】生レバー難民必見! 食感と滑らかさの絶妙ハーモニー「生レバー丼」 【第27回】新感覚スウィーツ!?  夏はICECREAMで「アイススーパーカップヌードル」 【第26回】初夏の新定番! スパルタンな「カツオの100タタキ」 【第25回】勝手にコラボ! ケンタッキーフライドチキンラーメン 【第24回】炊飯器で作る簡単ピラフ!「SPAM × SPAM」(SMAP×SMAP) 【第23回】北北西を向いてガブリ!「......え、フォー巻き!」 (恵方巻き) 【第22回】アラフォーはちょっとツラい!? 「とってもジューシー(牛脂)な格安すき焼き 」 【第21回】悪い酔いスウィーツで年忘れ!「レディーボーデン会 」(女子の忘年会) 【第20回】万能味噌を使った魔法の料理「西京の相性は黄身」(最強の相性はキミ) 【第19回】旬のサンマをギニア風に「イイコブ、ニコム、サンコン!」(イッコン、ニコン、サンコン) 【第18回】永谷園で作る秋の味覚「松タケご飯 」(まつたけご飯) 【第17回】アジ釣りで大漁! 「アジしめちゃいました」(味占めちゃいました) 【第16回】うなぎと乗り切れ! "ダシ"が違う夏のひつまぶし 【第15回】夏にピッタリ! 旬の魚で手軽にできちゃう「狂う水」(クールビス) 【第14回】蒸し暑い時期にピッタリ! 梅干しの酸味が効いた「上を向いて歩こう」(梅と麦とアルコール) 【第13回】レストランにも行きたくない出無精なあなたに「大型連休ギュウギュウ詰め」(O型レンコン牛牛詰め) 【第12回】旬の素材が盛りだくさん「ネギに大葉 ヤマウド・ノビル 初鰹」(目には青葉 山ほととぎす 初鰹) 【第11回】スタミナ満点! よくばりどんぶり「ごはんと胃・レバー・牛たくさん」(ゴホンと言えば、龍角散) 【第10回】甘党にはたまらん!  「オリゴ糖、黄身と和えて、ようかん食った」(ありがとう、君と逢えて、よかった) 【第9回】捌けなくても大丈夫! 包丁要らずのカンタン鍋「捌き無知鍋」(サバキムチ鍋) 【第8回】惚れてしまいそうな大人の味「バーレーン・タイ キッシュ」(バレンタイン・キッス) 【第7回】3分で出来るお祝い料理「脂肪コーン、5を書く!」(志望校合格) 【第6回】正月ボケに効果てきめん「意外! タイなら七臭粥」(胃が痛いなら七草粥) 【第5回】気分次第でアレンジ可能「麻婆茄子! 干し芋乗っかっちゃう!」(まーボーナス! 欲しいもの買っちゃう) 【第4回】三つの味が楽しめる豪華ディナー「三択ロース」(サンタクロース) 【第3回】ぜいたくの極み! 「いい肝のカワハギのいい肝ばかり」(『いきものがかり』のいきものばかり) 【第2回】ひと手間かければ豪華な一皿! 「タンカレー ナンバナナ天」(タンカレー No.10) 【第1回】甘くて辛い 大人のおつまみ「マスタードナッツ」(ミスタードーナツ)

裏カジノ、振り込め詐欺にクリカラモンモンまで!? AKB48創設者の黒い過去

motoki0918.jpg
「週刊新潮」9月20日号 中吊り広告より
グランプリ 「『人形遣い』の錬金術 時代の寵児『秋元康』研究」(「週刊新潮」9月20日号) 第2位 「73歳『松下忠洋』金融担当大臣 痴情果てなき電話と閨房」(同) 第3位 「仰天スクープ撮!国民的アイドル前田敦子 深夜の『お姫様抱っこ』」(「週刊文春」9月20日号) 次点 「服用者が自殺していた!有名禁煙薬で意識障害」(「週刊朝日」9月28日号)  中国の反日デモが、日ごとに激しさを増してきている。中国にある日本のスーパーや日本製自動車が壊され、日本領事館や大使館前に群衆が押しかけ、警察や軍隊まで出動する騒ぎになっている。日本レストランは軒並み休業し、日本人と親しい中国人から「日本語は話すな」と忠告され、外出もままならないそうだ。  これでは反日デモではなく、反日テロではないか。竹島をめぐって韓国にも反日気運が高まっている。これだけの非常事態だというのに、政界は代わり映えのしない代表選や総裁選にうつつを抜かして、有効な手を打つことができていない。  こういうときこそ、一時休戦して臨時国会を開き、対応について全党で話し合うべきではないのか。また、野田佳彦首相は国内で犬の遠吠えを繰り返すだけでなく、直接、韓国、中国の首脳に連絡して、事態打開の方策を話し合うべきであろう。  為す術のない大臣たちが、アメリカの威を借りようと来日したパネッタ米国防長官にすがったが、「尖閣諸島への日米安保条約の適用については『我々は条約上の義務を守る』と述べたうえで、『主権に関する対立では特定の立場をとらない』」(朝日新聞9月18日付より)と、体よくあしらわれてしまった。自分の頭のハエは自分でどうにかしろということだ。  中国や韓国のメディアは日本非難の論調で沸き立っているようだが、日本の週刊誌は意外に静かである。  今週めぼしいのは、文春の「李登輝×阿川佐和子『尖閣は日本の領土です』」だけである。  尖閣諸島を政府に売った「地権者」について扱ったものが多い。文春が「尖閣『地権者』の正体」、新潮が「『石原都知事』に恥をかかせた『尖閣地主』が恐れるもの」、サンデー毎日が「地権者の弟・栗原弘行氏激白『恫喝まがいに島売却を迫った政府』」などである。  尖閣諸島は国が20億5,000万円で手に入れるようだが、文春は地権者代表としてメディアにしばしば登場する栗原弘行の娘と元妻が、彼には虚言癖があり、女にだらしなく、尖閣交渉を長引かせたのも高く売りつけるためだと、容赦のない批判をしている。  義兄で尖閣の所有者である國起が尖閣諸島を購入したのは72年のこと。石油などの海底資源があるという噂を耳にし、現金で5,000万円払ったという。  いまの評価額は5億円ぐらいだそうである。それがつり上がり、新潮は、栗原家の手元に残るのは15億1,800万円だと試算している。  これほど多額の税金を使い、中国との関係を悪化させてまで購入する必要があるのか。私にはいまだ疑問に思えてならない。  さて、今週の次点には週刊朝日の記事。私は煙草を吸わないので縁がないが、ファイザーが販売するチャンピックスという禁煙薬は「魔法の薬」と呼ばれるほど売れていて、全世界の年間売上が約7億2,000万ドル(約560億円)にもなるそうだ。  2006年から米国で販売が始まり、08年から日本でも、保険が適用される医師による処方薬として販売がスタートした。俳優の館ひろしがCMに出たことで知名度を上げ、国内での累計服用者は約120万人に上る。  この薬、飲んで脳に直接作用するタイプで、効き目が評価されているようだが、実はかなり危険な副作用があるというのだ。  8月2日、東日本に住む30代の男性会社員が自宅で首をくくって死んでいるのが発見された。警察は自殺と見ているが、その男性の両親が話すには、前の晩の息子の様子がおかしかったというのである。  そして息子の部屋で見つけたのが、チャンピックスと患者に渡される禁煙手帳だった。  今のところ因果関係はハッキリしていないようだが、チャンピックスには、死にたいと思う自殺念慮や攻撃的行動などの副作用の疑いがあり、そのことはファイザーから医療機関に渡される添付文書に記載されている。自殺念慮やうつ、心疾患などを引き起こしたとして、患者1,200人が米ファイザーを相手に訴訟を起こしていると谷直樹弁護士が語っている。  厚労省の独立法人・医薬品医療機器総合機構によれば、08年度から12年度までに「自殺念慮」が18件、「自殺既遂」が2件など、自殺に関わる事例は計28件あるという。これはファイザーに報告された数である。だが、ファイザーが運営するサイト「すぐ禁煙JP」では自殺について一切触れられていない。  朝日はファイザーや国をこう批判している。 「思い起こされるのは『薬害肝炎』や『薬害エイズ』の問題だ。これらの問題では、国がやるべきことをやらない『不作為』によって、多数の犠牲者が生まれた。チャンピックスでは“犠牲者”がどれだけいるか見当もつかないが、注意喚起などの状況を見る限り、『不作為』が現在進行形で行われているように思えてしまう」  この問題は、タバコを吸わない人間にも無関係ではない。厚労省はチャンピックス服用後に起きた『運転中の意識障害』が、2011年9月までに少なくとも12件あったと公表している。  公共機関やトラックの運転手に意識障害が起きたら大惨事は免れない。米国では米連邦航空局や全米トラック協会が、パイロットや運転手に対してチャンピックスの服用を禁止している。  日本の航空業界は、業務前の健康チェックで服用が認められた場合は業務につかせないそうだが、他の業界は手つかずだ。  昔、「私はこれで禁煙しました」というCMが話題になったことがあったが、「私はこれで禁煙しましたが、事故を起こしました」では何もならない。  3位はAKB48を卒業した国民的アイドル・前田敦子(21)の某夜の「事件」をグラビアと記事でねちっこくやっている文春の記事。  9月5日、前田の卒業記念アルバム『前田敦子AKB48卒業記念フォトブック あっちゃん』(講談社)の発売記念のイベントの後、六本木で打ち上げの会が開かれた。  23時半、打ち上げがお開きになった前田は、事務所のクルマで麻布十番の高級カラオケカフェ「M」へ向かう。  そこにはAKB48の大島優子や人気俳優の佐藤健(23)ら5人がいた。6人でテキーラを30杯ほど飲んだあと、午前3時半過ぎ、泣きながら前田がそこを飛び出し、タクシーを捕まえて消えてしまう。  だがその後、再び前田が戻って来る。やがて他の4人が帰り、佐藤と前田の二人が残った。身体を密着させながら二人が部屋から出てくると、前田がまた嗚咽を漏らし始め、次第に声をあげて泣き出したというのである。  しばらくして佐藤は前田を抱きかかえ、待たせていたタクシーに乗り込む。  前田の住んでいるマンションに行き、酔っぱらったのかグッタリしている前田を佐藤が抱きかかえるのだが、支えきれず「国民的アイドルのスカートはまくられ、お尻丸出しのあられもない姿に」なる。このシーンがグラビアに載っているが、一見の価値ありだ。  この後の展開を期待させるが、AKB48の仲間が助けに来て、佐藤が見送り、前田は背負われて中へ入ってしまったのだ。  佐藤という俳優は、07年の『仮面ライダー電王』に主演して人気を集め、いま公開中の映画『るろうに剣心』がヒットしている。  一見草食系に見られそうだが、そうではないと、六本木の飲食関係者がこう語る。 「タケルは西麻布・六本木界隈じゃ有名。海老蔵事件で有名になったバルビゾンビルのバーも常連だったし。(中略)一番派手に遊んでる」  女性関係も相当なものだそうだ。  この記事を読む限り、二人の関係は相当いいところまで進んでいるようだし、前田のほうが佐藤にお熱である。  前田の「ある夜の出来事」をグラビアと記事で逐一見せた、文春の執念を感じさせる記事である。  第2位は新潮が掲載した話題の記事。松下忠洋金融担当相(73)の長年の愛人だった時任玲子(70)の告白である。  この記事が出ることに悩んだのか、松下金融担当相は発売2日前の9月10日に自室で首つり、自殺してしまったのだ。  報道によれば、室内から「密葬にしてくれ」などとする、首相、閣僚、妻宛計3通の遺書が見つかったそうである。  これまでも週刊誌には数多の男女のスキャンダルが掲載されたが、自殺者を出すというケースは稀である。彼が死を選ばなくてはならないほどの内容が新潮に書かれていたということか?  愛人だった時任が松下と初めて会ったのは、91年1月のこと。彼女は鹿児島の高校を出て水商売に入り、神戸の大型キャバレーでトップになって、80年にラウンジバーを始めた。そこへ、当時建設省砂防課長だった松下が二人の共通の知り合いに連れてこられ、同郷ということで意気投合する。  当時の彼女と現在の写真の二枚が載っているが、新潮の書いているように加賀まりこ似の美人である。  二人は10月に「東京で出会った時、ホテルで男女の仲になりました」(時任)  松下に妻子がいたとしても、ここまではよくある男女関係に過ぎない。  だが、続いてそのころ、彼が彼女に出した手紙の全文が載っている。 「玲さま いつもこまやかな心のこもったお便りありがとう いつも3回ほど、繰り返し読んでいます。そして、初めて肌を重ねた熱いニューオータニの朝のベッドを胸キュンで思い出しています。そして加納町のオリエンタルホテルで朝まで過ごしたダブル(×)シングルベッド、いつの間にかおなかを出して、スキだらけで眠ってしまっている玲子姫の白い肌をドキドキして思い出しています」  寝ている彼女の大切なところにキスしていたことなどを書き連ねている。  その後、建設族のドンといわれた金丸信元副総裁のバックアップで、93年の衆院選に自民党候補として出馬し、初当選する。  二人の不倫関係はその後も続く。時任は彼とのSEXをこう語っている。 「松下さんのエッチは品がなく、乱暴でした。自分本位ですごく慌ただしいんです。体位をコロコロ変えるし、動きが素早かったですね。手で激しく責めてくるんです。(中略)  部屋を出る際に、松下さんは“お化粧代”としてお金を渡してくれました。だいたい5万円から10万円、多くて30万円でした」  二人の逢瀬は年に2~3度しかなかったそうだ。  松下は一度落選するも、09年に国民新党から立候補して政界復帰を果たし、鳩山由紀夫内閣で経済産業副大臣になる。  その年、彼女は神戸のラウンジを閉めて鹿児島に戻る。  そのころから、松下がテレホンセックスを求めるようになったと、彼女は語っている。 「松下さんから“電話をちょうだい”というメールが入ると、それが合図になって、しました。だいたい朝4時から5時が多かったですね。(中略)松下さんは電話でエッチをする時はすごく優しくなるんです。口数もいつもより増えますし、何か慣れている様子で、私に対して触る場所を優しく指示してくれました」  彼が彼女に送ったメールを2通載せている。一つにはこうある。 「早く一つに繋がりたいです。いろいろ貴女を探検したいです」  だが、だんだん松下からの連絡がなくなり、地元へ帰って来たときも、翌日の新聞やテレビで知ることが多くなった。  2011年3月11日の東日本大震災が起き、松下は原発現地対策部長として福島に入り、多忙を極めるようになる。  だが、3月30日未明に「電話を下さい」というメールが彼から届く。  彼女は、鹿児島に来たのに知らせてくれなかったのはなぜかと問い質すが、一方的に電話を切られてしまう。  縁あって好きになった二人なのに、別れ話もしないまま自然消滅みたいなやり方をする彼のことが許せない、と彼女は弁護士を通じて手紙を出す。しかし、彼の対応は不誠実だと感じた彼女は、何度かやり取りの末、今年の5月に彼と対面する。  だが、高い金を要求するのはおかしいと難じたり、これまで「化粧代」として払っているじゃないかと言い募り、最後に80万円入りの封筒を差し出したそうだ。 「結局、私は都合の良い女だと思われていたんです。お金を出せとも言わないし、表舞台にも出ようともせず、陰で支えてくれるし、他の男に目移りしないくらいに自分に惚れていてくれる……。私自身、女は男の後ろをついていくのが当然だと思っていたんですよ。でも、いまはそのことにあぐらをかいてきた松下さんが許せないんです。今頃になって、“私は貴女をズッと好いていました。惚れていました。愛している”なんてメールを送ってきますが、私の思いに真摯に向き合っているとは到底思えません。どうにか時間稼ぎをして、逃げようとしているのがミエミエです。たかが女一人のために大臣の座を降ろされたらたまったもんじゃないと思っているんでしょうね」  彼女と会った9日後に、彼は金融・郵政民営化担当大臣に就任する。  松下は新潮の取材を受けてこう語っている。 「私が彼女を無視するようになったと言っているようですが、それは全く違う。福島に打ち込んでいて、全く外界との関係がなくなってしまい、彼女ともそうなってしまった」  男女の関係だったことも認め、今でも愛していると話している。これを読む限り誠実な人柄のようである。  前立腺がんを発症していたそうだが、治療を受けており、命には別状なかったそうだから、病気が自殺の動機ではないようだ。  政治家の女性スキャンダルですぐに思い出すのは、宇野宗佑、中川秀直、山崎拓であろう。宇野はスキャンダルもあって、あっという間に総理の座から滑り落ちた。  中でも愛人に衝撃的な告白をされたのは山拓であろう。その上、愛人が外国特派員協会で記者会見まで開いてしまったのだ。将来の首相候補だった山拓は落選し、その後も出馬するが、当選する可能性はほとんどない。だが、私が彼の元愛人に博多でインタビューしたとき、彼女は「まだやる気満々ですよ、あの人」と笑って話していた。  宇野、中川、山崎は自殺せず、中川衆院議員はいまだに永田町で大きな顔をして生き延びている。彼らと松下金融担当相を分けたのは何だったのか。  時任の模泰吉弁護士が言っているように、「松下氏の女性の扱い方がヘタだったと言われても仕方ない」ところはある。  セックスのテクニックやテレホンセックスのことをバラされ、晩節を汚されたと思ったのかもしれないが、「その歳でよう頑張ってはる」という見方もあるのではないか。  私は、自殺の動機は政治家という職業にあると思う。大野伴睦は「猿は木から落ちても猿だが政治家は選挙に落ちればタダの人だ」といった。  総選挙は間近であるが、松下が所属する国民新党も苦戦が予想されている。ましてやこのスキャンダルが出ては、当選する見込みはほとんどない。  中川、山拓には、もう一度永田町に戻るという強い意欲があったが、松下にはそれが弱かった。このスキャンダルが明るみに出てしまうことで、生きる意欲まで失ってしまったのではないか。  朝日は松下の別の愛人にインタビューしている。二人のことは2003年4月に写真誌「FLASH」で報じられているが、今回の自殺に対して、信じられないとこう疑問を呈している。 「女性問題というのは表のことであって、もっと根深い何かに思い悩んでいたんじゃないでしょうか」  今週のグランプリは新潮の青沼陽一郎と取材班が、AKB48の生みの親・秋元康の研究を始めた連載第1回に贈りたい。  今回は秋元と一緒に「AKS」を立ち上げた窪田康志と芝幸太郎のうち、芝について多くを割いているが、だいたいはこれまで文春が報じてきたことである。  芝と窪田は、六本木にあった芝が経営する「裏カジノ」で知り合った。芝は強引な取り立てで社会問題化した「商工ファンド」に入り、日本一の営業成績を収めるようになった。「貸します詐欺」や「振り込め詐欺」のあくどい仕事に手を染めていたなどである。  今回面白いのは、まず、芝のかつての上司にこう言わせていることである。 「芝の背中には一面に龍の刺青が入っている。赤や青のハデな色合いで、その龍の周りには鯉もからみついている絵柄だ」  AKB48を創り上げた一人がクリカラモンモンを背負っているというのだ。  もう一つは、AKB48の48という数字の謎についてである。この48はメンバーの数ではない。では、何を指すのか?  かつて芝は、芸能関係の仕事を始めるとき「office48」という会社を立ち上げたことがある。ここにも48が使われているが、これは「芝=シバ=48」を指しているというのである。  新潮は「このアイドル発掘プロジェクトに参画した芝の元手は、“振り込め詐欺”や裏カジノの収益ではないのだろうか」と疑問を投げかけている。  芝は取材に対して、詐欺や裏カジノについては否定したが、刺青に関してはプライベートなことだと返答を拒否したという。  秋元はインタビューに対して、「アイデアということでは100%僕。お金ということでは100%窪田君」と答えている。  芝にそういう過去があることはまったく知らなかったと話し、知っていたら一緒にやらなかったという。芝はいまはAKB48から手を引いていて関係がないとも話すが、劇場支配人も衣装担当者も、秋元才加らAKB48数名の所属事務所も芝の会社になっているではないかと、新潮側は指摘する。  こうした闇の人脈と手を組むことになった秋元の謎は、「彼の生い立ちを追う過程で明らかになるだろう」と、次回への含みを持たしている。何だろう? 楽しみである。  文春の前田敦子や新潮の記事を読むと、そろそろAKB48人気にも綻びが出てきたことを感じるのだが。 (文=元木昌彦)
motokikinnei.jpg
撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか 

「もうGLAYが本業かもしれない……」【栗田エリナ】座ってるだけのウィークエンド

 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとして可愛い声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の20回目です! 今回は、『はなかっぱ』のベーヤちゃんや、ももかっぱちゃんのお兄ちゃんでお馴染み栗田エリナさんが来てくれました! ちなみに妹のももかっぱちゃんを演じるのは宍戸留美さん……ももかっぱちゃんとお兄ちゃんのコラボですよー! ――はじめまして、今日はよろしくお願いします!  すみません、よろしくお願いします、すみません。 ――なぜ謝って……? 今までこういった取材や撮影の経験は?  あ、もう何もかも初めてです。まったく機会がなくて、撮影はプロフィールと、成人式とか。それっきりですね。 ――今日はがっつりよろしくお願いします! それにしても、容姿と声にギャップがありますね。昔から声優さんになろうと思っていたんですか?  そうですね。小ちゃい頃から夢でした。昔はアニメ自体がしゃべってたと思ってたんですけど、えーっと、年が軽くバレるんですけど、『セーラームーン』とか『幽☆遊☆白書』がボーンと流行った時に「中に人がいる……!」って事に気付いて(笑)。昔から学芸会とかで張り切るタイプだったんで、やってみたいと思って、大学の時から養成所に通って、最終的に居たのが今の事務所のワークショップで「東京に来ますか?」みたいな事を言われたんで、仕事を辞めて兵庫から東京に来ました。 ――東京はどうですか?  元々関西がすごく好きで、時間あったら帰るんですよ。だからいまだに東京よりもあっちの方が楽しいなって……。あんまり東京に友だちがいないんです。外にも積極的に出ないんで。 ――なるほど、肌の色もかなり白いですもんね。  そうなんですよ。これでもちょっと焼けてしまったんですけど。 ――何焼けですか?  GLAY焼けです。 ――えっ。そういえば、栗田さんのツイッターを見たら、わざわざGLAYのライブの前日にリハの音漏れだけを聞きに行ったりしてましたよね。GLAYの誰が好きなんですか?  TERUさん! もう日差しに負けながらうっすら聞こえる音で「あー早く明日になんないかなぁー」って思いながら。 ――あ、ライブにも行くのにリハも聞くんですね。それはもうなかなかハードな活動をされてますね。  はい。もう本業がGLAYかもしれない。 ――GLAYの他に、休みの日はどんなことされてるんですか?  ほぼ家で座ってます。 ――おおー。座ってるだけ偉いですね。だいたい横になっちゃいますもんね。  あ、そうですね。ちょっと盛り過ぎたかも。寝てます寝てます。 kuritaerina04.jpg ――なかなかダウナーな休日を過ごされてるんですね。でも、外出る方が気持ちが落ち込むこともありますしね。  そう、外でても特にする事がないなーって。 ――東京に来てからはよくおもちゃショーに行かれていると伺ったんですが、おもちゃが好きなんですか?  おもちゃが大好きだったんで、おもちゃショーに行くのが夢だったんです。あの広い国際展示場の中いっぱいにおもちゃが詰まってるって夢のような世界じゃないですか……! 学生時代におもちゃ屋さんでアルバイトしてて、店長さんがおもちゃショーのパンフレットをもらって帰ってくるんですけど、それをずーっと次のパンフレットが来るまでバァーっと見てました。小さい時から本当におもちゃへの執着が半端なかった。とにかくおもちゃが欲しかったけど、なかなか買ってもらえなかったから、百貨店とかスーパーのおもちゃ売り場の試供品で遊んだりとか友だちの家で遊んだり……あ、でもちゃんと買ってもらえてたっていうのも書いてもらわないと親に……最低限のものはちゃんと買ってもらえてました! ――あはは! そういう思いが強いと、大人になってから変に収集してしまったりしますよね。  そうなんですよ、収集癖もひどいですね~。最近はだいぶマシになったんですけど、やっぱり何かシリーズがあったら全部集めないと気がすまないタイプですね。 ――家がカオスになるんですよね。  本当に、もう、なんでこんなに物あるんだろうってくらい物に溢れてますね……。自分の生活圏が侵されていきますからね。それでも捨てられない。捨てようかなと思ったら、物が「やめてくれ」って言ってるみたいな。私、キティちゃんが好きで、妹が上京する時に大きいキティちゃんのクッションをくれたんですよ。使い勝手が良くってバンバン使ってたら、もう洗っても落ちないくらい汚れちゃったんですよ。なので、これはもう妹には申し訳ないけど、ほかそうって思ってゴミ袋にエイっと詰めたんですよ。そしたらクッションってフカフカだから、ボンって上がってくるんですよ。もうキティーちゃんがこっち見ながらどんどんどんどん「閉めないで閉めないで」って。「ごめん! ごめん!」て思いながら一生懸命ゴミ袋の口を縛った事が……。 ――ハートが痛くなるエピソードですね……目がついてる物は捨てづらいですよね、目が合うから……。  あと、ブライスっていう人形もめちゃくちゃ持ってるんですよ。実家に一学級くらいあるんですけど、それもそんなキレイに飾ったりできないんで……。 ――収集癖があるのにきれいに飾れないっていうのは、本当に残念な部屋になりますね。  そうです、ほんと残念なんです。さすがに一学級も東京に持って来たら私の寝る場所がなくなるんで、選抜して4~5人だけ連れて来て、後はもう実家にゴロゴロゴロって転がってるんですけど、『トイストーリー』とか見てて、あのブライスたちが命を持ったら真っ先に私を刺しにくるだろうな、と。だからもうダメだって思って……。 ――ブライスはリアルなんで、動いたら『チャイルド・プレイ』みたいで怖いですね……。あ、あと、写真も趣味なんですよね? ブログにピントの合ったハイクオリティな写真がたくさんあって綺麗でした。写真が趣味なんて良いじゃないですか!  ピントだけは合わせるのに命をかけてます。なんかもう、とにかくそういうもんで自分を目くらまししたい、みたいな。 ――目くらまし(笑)! いったい何をそんなに隠したいんですか?  何を隠したいんでしょうね。恥ずかしがり屋なんだと思います。 ――シャイだから、あえて派手な服を着たり、ごっついアクセサリーを付けるとか?  向かってくる目線を散らして散らして、でもちょっと目立ちたい、みたいな……。でも本当にすっごいシャイなんですよ。「ここだ!」って時は人よりも出ちゃうんですけど、そうじゃない時は全然目立たないところで気配を消すように生きています。 kuritaerina02.jpg ――そんな人が、なんでまた声優業界に!  はじめに思った事をずっと続ける性分みたいで……。“声優”っていうのも、やりたいなって思って、ずーっとじんわり夢を持ってそのままですし、GLAYもGLAYで、もう13~4年くらいずっとGLAYだけ好きなんですよ。 ――ちなみに、ご家族は今のお仕事は応援してくれてますか?  いやぁ、もう応援というか、心配しかしてないですね。大丈夫なのかって。 ――決して安定する業界ではないので、夢を続ける事も困難ですよね。「声優になる!」っていう事が目標なときとか、苦労のジャンルが違ってきそうです。  やっぱり実際なってみないと、そこは分からなかったところですね。もう、なれたらそれでパァーって毎日楽しい生活が待ってると思ってたら、別にそんなこともないっていうか、今までよりも地味になってるっていうか……。 ――将来とか、日々の生活に不安はありますか?  不安だらけですよ。2~3日先何してるかも分からない。 ――そういう時はどうされてますか? 不安の解消法というか。  そうですねー。同じ事しか言わないですけど、溜めて溜めてGLAYで発散みたいな。後はもう不安だなって思いながら、ただ転がってる。ただ「不安だなー」って転がりながら、『相棒』の再放送とか見て、「杉下右京の走り方は今日も面白いなぁー」と思ったり。朝、友だちにうっとしいメールを送りつけるとか。もう気が遠くなる。夢が見えない。先も夢も見えない。 ――あはは! 面白がってはいけないけれど、面白い!  それでも何か他に才能があればいいけど……写真も別に仕事になるわけでなく、知識もなく撮ってるだけですからね。だれもそんなの見たくないですよ。 ――なるほど、歌とかはどうですか?   今、ボイトレに……。私、本当に歌にコンプレックスがあって、去年『はなかっぱ』でストロベリーズってユニットをやったんですけど、その時も死ぬかと思ったんです。でも、バンドにはすっごい憧れてて、大学の時にちょっと中2病をこじらせて軽音のサークルに入ったんですよ。それで2回くらいサークルのライブに出て、歌とかギターとかやったけど、やっぱりあんまり上手くないっていうか……自分の好きな曲がキーが結構高めだけど、私こんな声なんで、高い声の出し方も分かんないから……。 ――好きと得意は別ジャンルですもんね。  そうそう。だから本当にやってても楽しいけど楽しくない……って感じでフェイドアウトして、カラオケも未だにすっごい苦手で、年に1回行けば「よく行ったなぁー!」って思う程度で。でも未だに「バンドがやってみたいなー!」って。でも何もできないから、誰も何も誘ってくれない。 ――そうとう現実と理想の差に喘いでますね。  そうなんですよ。もうほんとそれですよ。 ――しかしながら、今、小さい頃からなりたかった声優になってるわけじゃないですか。これからに自分はどのようになっていきたいですか?  ああ、なんか、すごい現実的な世界になってきたんで……この道を、今後、どうしていったらいいんだろう? ――今後の野望が疑問系って新しいですね。  皆さん、「何かその声でひとつ当たり役があったらいいよね」って言って下さるんですけど、それをもう10年近く聞いていて、今まで特に何もなく……。だから、誰か私を見つけて下さい。本当に色々回りの友だちとか親とかに迷惑かけまくってるので、みんなが喜んでくれるような未来が私に来たら。みなさんの幸せが私の幸せです(棒読み)。 kuritaerina01.jpg ――最後に、何か告知などあれば!  あ、本当に何もないです。『はなかっぱ』。『はなかっぱ』をくれぐれもよろしくお願いします。 ――今日はどうもありがとうございました! (撮影=宍戸留美/取材・構成=小明) ●くりた・えりな 誕生日: 9月14日生まれ 出身地: 兵庫県 身長: 153cm 血液型: B型 主な出演作品:『はなかっぱ』(ベーヤちゃん、ももかっぱちゃんのお兄さん、他 )『夢喰いメリー』『クイーンズブレイド』『クローザー4』他 ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 http://rumi-shishido.com/ 5/9NEWアルバム「女」発売! 2sd05qbe.jpg ※ニューアルバムの発売と同時にiTunes、Amazon、着うた等の配信サイトで インディーズでリリースしたアルバム4作品を配信!!

●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中。ニューシングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。 【声優 on FINDER!】バックナンバー 【vol.19】「ずっと体育会系なんです!」【杜野まこ】私服ゼロだったスクールデイズ 【vol.18】「ホラーの吹き替えは楽しいですよ!」【園崎未恵】15年目のメジャーシーン 【vol.17】「生きてるとすごいことがある」【ささきのぞみ】父と2人のキャッチボール 【vol.16】「私の前世はマイクかもしれないんです」【高本めぐみ】小6で描いたマイクロフォンの夢の中 【vol.15】「左手の薬指の爪にしか自信がなくて......」【山咲智美】100点満点少女のメランコリー 【vol.14】「ロングヘアーの男としか交際しない!?」【千葉千恵巳】犬1匹ネコ7匹とのおだやかでラジカルな日常 【vol.13】「今がいちばん精神状態が幼いかも(笑)」【吉田仁美】7歳でデビュー、逆行のライク・ア・チャイルド 【vol.12】「目立つの苦手、でもやっぱり歌って踊りたい」【水野愛日】12年ぶりのシングルリリース 【vol.11】「レトロな物が好きなんです」【井上直美】50年前のカブリオレを駆って 【vol.10】「あのころ、ネットがなくて本当によかった」【小明】中2のままのアイドルライフ 【vol.09】「悩んだら、バーッっときてグワーン!」【中川里江】1回泣いて全部忘れるヒロインサイド 【vol.08】「"声優"の仕事の幅広さにびっくり」【稲村優奈】10年に詰まったスクランブルデイズ 【vol.07】「ビキニを着たこともないんです」【蝦名恵】3カ月目のヴァージン・シュート 【vol.06】「生き急いだ分、戻ってやり直しができると思う」【江里夏】10歳で見たデイドリーム 【vol.05】「何でも出来るって、とりあえず言っちゃう」【矢野明日香】360度のワークフィールド 【vol.04】「考えてると、寝ちゃうんです......」【窪田涼子】東経135度のモラトリアム 【vol.03】「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド 【vol.02】「いつもどこかで、なんとかなるさ」【片岡あづさ】22歳のセカンドフェーズ 【vol.01】「Twitter始めるまで、いつも泣いてた」【宍戸留美】20年目のセルフポートレート

「もうGLAYが本業かもしれない……」【栗田エリナ】座ってるだけのウィークエンド

 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとして可愛い声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の20回目です! 今回は、『はなかっぱ』のベーヤちゃんや、ももかっぱちゃんのお兄ちゃんでお馴染み栗田エリナさんが来てくれました! ちなみに妹のももかっぱちゃんを演じるのは宍戸留美さん……ももかっぱちゃんとお兄ちゃんのコラボですよー! ――はじめまして、今日はよろしくお願いします!  すみません、よろしくお願いします、すみません。 ――なぜ謝って……? 今までこういった取材や撮影の経験は?  あ、もう何もかも初めてです。まったく機会がなくて、撮影はプロフィールと、成人式とか。それっきりですね。 ――今日はがっつりよろしくお願いします! それにしても、容姿と声にギャップがありますね。昔から声優さんになろうと思っていたんですか?  そうですね。小ちゃい頃から夢でした。昔はアニメ自体がしゃべってたと思ってたんですけど、えーっと、年が軽くバレるんですけど、『セーラームーン』とか『幽☆遊☆白書』がボーンと流行った時に「中に人がいる……!」って事に気付いて(笑)。昔から学芸会とかで張り切るタイプだったんで、やってみたいと思って、大学の時から養成所に通って、最終的に居たのが今の事務所のワークショップで「東京に来ますか?」みたいな事を言われたんで、仕事を辞めて兵庫から東京に来ました。 ――東京はどうですか?  元々関西がすごく好きで、時間あったら帰るんですよ。だからいまだに東京よりもあっちの方が楽しいなって……。あんまり東京に友だちがいないんです。外にも積極的に出ないんで。 ――なるほど、肌の色もかなり白いですもんね。  そうなんですよ。これでもちょっと焼けてしまったんですけど。 ――何焼けですか?  GLAY焼けです。 ――えっ。そういえば、栗田さんのツイッターを見たら、わざわざGLAYのライブの前日にリハの音漏れだけを聞きに行ったりしてましたよね。GLAYの誰が好きなんですか?  TERUさん! もう日差しに負けながらうっすら聞こえる音で「あー早く明日になんないかなぁー」って思いながら。 ――あ、ライブにも行くのにリハも聞くんですね。それはもうなかなかハードな活動をされてますね。  はい。もう本業がGLAYかもしれない。 ――GLAYの他に、休みの日はどんなことされてるんですか?  ほぼ家で座ってます。 ――おおー。座ってるだけ偉いですね。だいたい横になっちゃいますもんね。  あ、そうですね。ちょっと盛り過ぎたかも。寝てます寝てます。 kuritaerina04.jpg ――なかなかダウナーな休日を過ごされてるんですね。でも、外出る方が気持ちが落ち込むこともありますしね。  そう、外でても特にする事がないなーって。 ――東京に来てからはよくおもちゃショーに行かれていると伺ったんですが、おもちゃが好きなんですか?  おもちゃが大好きだったんで、おもちゃショーに行くのが夢だったんです。あの広い国際展示場の中いっぱいにおもちゃが詰まってるって夢のような世界じゃないですか……! 学生時代におもちゃ屋さんでアルバイトしてて、店長さんがおもちゃショーのパンフレットをもらって帰ってくるんですけど、それをずーっと次のパンフレットが来るまでバァーっと見てました。小さい時から本当におもちゃへの執着が半端なかった。とにかくおもちゃが欲しかったけど、なかなか買ってもらえなかったから、百貨店とかスーパーのおもちゃ売り場の試供品で遊んだりとか友だちの家で遊んだり……あ、でもちゃんと買ってもらえてたっていうのも書いてもらわないと親に……最低限のものはちゃんと買ってもらえてました! ――あはは! そういう思いが強いと、大人になってから変に収集してしまったりしますよね。  そうなんですよ、収集癖もひどいですね~。最近はだいぶマシになったんですけど、やっぱり何かシリーズがあったら全部集めないと気がすまないタイプですね。 ――家がカオスになるんですよね。  本当に、もう、なんでこんなに物あるんだろうってくらい物に溢れてますね……。自分の生活圏が侵されていきますからね。それでも捨てられない。捨てようかなと思ったら、物が「やめてくれ」って言ってるみたいな。私、キティちゃんが好きで、妹が上京する時に大きいキティちゃんのクッションをくれたんですよ。使い勝手が良くってバンバン使ってたら、もう洗っても落ちないくらい汚れちゃったんですよ。なので、これはもう妹には申し訳ないけど、ほかそうって思ってゴミ袋にエイっと詰めたんですよ。そしたらクッションってフカフカだから、ボンって上がってくるんですよ。もうキティーちゃんがこっち見ながらどんどんどんどん「閉めないで閉めないで」って。「ごめん! ごめん!」て思いながら一生懸命ゴミ袋の口を縛った事が……。 ――ハートが痛くなるエピソードですね……目がついてる物は捨てづらいですよね、目が合うから……。  あと、ブライスっていう人形もめちゃくちゃ持ってるんですよ。実家に一学級くらいあるんですけど、それもそんなキレイに飾ったりできないんで……。 ――収集癖があるのにきれいに飾れないっていうのは、本当に残念な部屋になりますね。  そうです、ほんと残念なんです。さすがに一学級も東京に持って来たら私の寝る場所がなくなるんで、選抜して4~5人だけ連れて来て、後はもう実家にゴロゴロゴロって転がってるんですけど、『トイストーリー』とか見てて、あのブライスたちが命を持ったら真っ先に私を刺しにくるだろうな、と。だからもうダメだって思って……。 ――ブライスはリアルなんで、動いたら『チャイルド・プレイ』みたいで怖いですね……。あ、あと、写真も趣味なんですよね? ブログにピントの合ったハイクオリティな写真がたくさんあって綺麗でした。写真が趣味なんて良いじゃないですか!  ピントだけは合わせるのに命をかけてます。なんかもう、とにかくそういうもんで自分を目くらまししたい、みたいな。 ――目くらまし(笑)! いったい何をそんなに隠したいんですか?  何を隠したいんでしょうね。恥ずかしがり屋なんだと思います。 ――シャイだから、あえて派手な服を着たり、ごっついアクセサリーを付けるとか?  向かってくる目線を散らして散らして、でもちょっと目立ちたい、みたいな……。でも本当にすっごいシャイなんですよ。「ここだ!」って時は人よりも出ちゃうんですけど、そうじゃない時は全然目立たないところで気配を消すように生きています。 kuritaerina02.jpg ――そんな人が、なんでまた声優業界に!  はじめに思った事をずっと続ける性分みたいで……。“声優”っていうのも、やりたいなって思って、ずーっとじんわり夢を持ってそのままですし、GLAYもGLAYで、もう13~4年くらいずっとGLAYだけ好きなんですよ。 ――ちなみに、ご家族は今のお仕事は応援してくれてますか?  いやぁ、もう応援というか、心配しかしてないですね。大丈夫なのかって。 ――決して安定する業界ではないので、夢を続ける事も困難ですよね。「声優になる!」っていう事が目標なときとか、苦労のジャンルが違ってきそうです。  やっぱり実際なってみないと、そこは分からなかったところですね。もう、なれたらそれでパァーって毎日楽しい生活が待ってると思ってたら、別にそんなこともないっていうか、今までよりも地味になってるっていうか……。 ――将来とか、日々の生活に不安はありますか?  不安だらけですよ。2~3日先何してるかも分からない。 ――そういう時はどうされてますか? 不安の解消法というか。  そうですねー。同じ事しか言わないですけど、溜めて溜めてGLAYで発散みたいな。後はもう不安だなって思いながら、ただ転がってる。ただ「不安だなー」って転がりながら、『相棒』の再放送とか見て、「杉下右京の走り方は今日も面白いなぁー」と思ったり。朝、友だちにうっとしいメールを送りつけるとか。もう気が遠くなる。夢が見えない。先も夢も見えない。 ――あはは! 面白がってはいけないけれど、面白い!  それでも何か他に才能があればいいけど……写真も別に仕事になるわけでなく、知識もなく撮ってるだけですからね。だれもそんなの見たくないですよ。 ――なるほど、歌とかはどうですか?   今、ボイトレに……。私、本当に歌にコンプレックスがあって、去年『はなかっぱ』でストロベリーズってユニットをやったんですけど、その時も死ぬかと思ったんです。でも、バンドにはすっごい憧れてて、大学の時にちょっと中2病をこじらせて軽音のサークルに入ったんですよ。それで2回くらいサークルのライブに出て、歌とかギターとかやったけど、やっぱりあんまり上手くないっていうか……自分の好きな曲がキーが結構高めだけど、私こんな声なんで、高い声の出し方も分かんないから……。 ――好きと得意は別ジャンルですもんね。  そうそう。だから本当にやってても楽しいけど楽しくない……って感じでフェイドアウトして、カラオケも未だにすっごい苦手で、年に1回行けば「よく行ったなぁー!」って思う程度で。でも未だに「バンドがやってみたいなー!」って。でも何もできないから、誰も何も誘ってくれない。 ――そうとう現実と理想の差に喘いでますね。  そうなんですよ。もうほんとそれですよ。 ――しかしながら、今、小さい頃からなりたかった声優になってるわけじゃないですか。これからに自分はどのようになっていきたいですか?  ああ、なんか、すごい現実的な世界になってきたんで……この道を、今後、どうしていったらいいんだろう? ――今後の野望が疑問系って新しいですね。  皆さん、「何かその声でひとつ当たり役があったらいいよね」って言って下さるんですけど、それをもう10年近く聞いていて、今まで特に何もなく……。だから、誰か私を見つけて下さい。本当に色々回りの友だちとか親とかに迷惑かけまくってるので、みんなが喜んでくれるような未来が私に来たら。みなさんの幸せが私の幸せです(棒読み)。 kuritaerina01.jpg ――最後に、何か告知などあれば!  あ、本当に何もないです。『はなかっぱ』。『はなかっぱ』をくれぐれもよろしくお願いします。 ――今日はどうもありがとうございました! (撮影=宍戸留美/取材・構成=小明) ●くりた・えりな 誕生日: 9月14日生まれ 出身地: 兵庫県 身長: 153cm 血液型: B型 主な出演作品:『はなかっぱ』(ベーヤちゃん、ももかっぱちゃんのお兄さん、他 )『夢喰いメリー』『クイーンズブレイド』『クローザー4』他 ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 http://rumi-shishido.com/ 5/9NEWアルバム「女」発売! 2sd05qbe.jpg ※ニューアルバムの発売と同時にiTunes、Amazon、着うた等の配信サイトで インディーズでリリースしたアルバム4作品を配信!!

●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中。ニューシングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。 【声優 on FINDER!】バックナンバー 【vol.19】「ずっと体育会系なんです!」【杜野まこ】私服ゼロだったスクールデイズ 【vol.18】「ホラーの吹き替えは楽しいですよ!」【園崎未恵】15年目のメジャーシーン 【vol.17】「生きてるとすごいことがある」【ささきのぞみ】父と2人のキャッチボール 【vol.16】「私の前世はマイクかもしれないんです」【高本めぐみ】小6で描いたマイクロフォンの夢の中 【vol.15】「左手の薬指の爪にしか自信がなくて......」【山咲智美】100点満点少女のメランコリー 【vol.14】「ロングヘアーの男としか交際しない!?」【千葉千恵巳】犬1匹ネコ7匹とのおだやかでラジカルな日常 【vol.13】「今がいちばん精神状態が幼いかも(笑)」【吉田仁美】7歳でデビュー、逆行のライク・ア・チャイルド 【vol.12】「目立つの苦手、でもやっぱり歌って踊りたい」【水野愛日】12年ぶりのシングルリリース 【vol.11】「レトロな物が好きなんです」【井上直美】50年前のカブリオレを駆って 【vol.10】「あのころ、ネットがなくて本当によかった」【小明】中2のままのアイドルライフ 【vol.09】「悩んだら、バーッっときてグワーン!」【中川里江】1回泣いて全部忘れるヒロインサイド 【vol.08】「"声優"の仕事の幅広さにびっくり」【稲村優奈】10年に詰まったスクランブルデイズ 【vol.07】「ビキニを着たこともないんです」【蝦名恵】3カ月目のヴァージン・シュート 【vol.06】「生き急いだ分、戻ってやり直しができると思う」【江里夏】10歳で見たデイドリーム 【vol.05】「何でも出来るって、とりあえず言っちゃう」【矢野明日香】360度のワークフィールド 【vol.04】「考えてると、寝ちゃうんです......」【窪田涼子】東経135度のモラトリアム 【vol.03】「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド 【vol.02】「いつもどこかで、なんとかなるさ」【片岡あづさ】22歳のセカンドフェーズ 【vol.01】「Twitter始めるまで、いつも泣いてた」【宍戸留美】20年目のセルフポートレート

行き詰まった人生の扉を開く鍵は“銭湯”にあり? 内田けんじ監督のオリジナル作『鍵泥棒のメソッド』

kagidorobo1.jpg
内田けんじ監督、4年ぶりの新作『鍵泥棒のメソッド』。
ままならない人生は環境のせいではないことを、
じんわり教えてくれます。
 パチパチパチンッとパズルのピースがハマっていく面白さが内田けんじ監督の作品にはある。時間軸を組み替えた『運命じゃない人』(05)、誰の立ち場に立つかで世界が違って見えてくる『アフタースクール』(08)と凝りに凝ったオリジナル脚本で独自のポジションを築いている。堺雅人、香川照之、広末涼子の3人をメーンキャストに迎えた最新作『鍵泥棒のメソッド』はビンボーアパートで暮らす売れない役者と高額報酬を受け取る裏社会の仕事人が生活環境を交換したらどーなるかという人生入れ替え喜劇だ。さらに男2人の物語に婚活中の女性編集者が加わることでラブコメ的要素もブレンド。オセロゲームと知恵の輪を同時にクリアするような爽快感がラストに待ち受けている。  30歳なかばで夢破れた男の悲劇がオープニングのシークエンスとなっている。桜井(堺雅人)は舞台役者として地道に頑張ってきたが、生活力が追いつかない。所属していた劇団は解散してしまい、いつかは売れっ子俳優になって籍を入れようと考えていた元同棲相手は別の男との結婚を決めた。このまま役者を続けても、桜井のサイコロからは“勝ち目”が出てくる可能性はない。桜井はオンボロアパートでの自殺を思い付くが、自殺すら満足にできない。財布の中にはもう小銭しかないものの、ふと銭湯の回数券が1枚だけ残っていることに気づく。もったいないから銭湯に行ってから自殺の続きをしよう。自殺を先送りにしたことから、桜井の人生は大きく変わっていく。銭湯に出向いた桜井は、脱衣場で自分の新しい人生のキーマンとなる男・コンドウと出会う。
kagidorobo2.jpg
売れない役者の桜井(堺雅人)は自暴自棄に
なって自殺を考える。劇団出身の堺にとって、
他人事とは思えなかったそうだ。
 銭湯には場違いなダークスーツを着た男・コンドウ(香川照之)の職業は、裏社会の仕事人。ヤクザたちに頼まれ、借金などの問題を抱える人物を次々と消していく汚れ仕事の専門家だ。ひと仕事を終えたコンドウは穢れた自分の体を清めるために銭湯に立ち寄った。ところが洗い場でコンドウは足を滑らせて頭をしたたかに打ち、意識を失うという大失態。この様子を見ていた桜井は姑息にもコンドウの着ていたスーツ、財布類を頂戴して走り去る。何という低レベルな犯罪! 桜井はコンドウの持っていた財布の中の札束を失敬して、劇団時代の仲間に借りていた借金を返してまわる。犯罪者のくせに律儀なヤツ。一方、病院に運ばれたコンドウは記憶喪失と診断され、違和感を覚えつつも桜井の着ていたジーンズとトレーナーを着て、桜井のゴミ箱同然の部屋で生活を始める。岩井俊二監督の『花とアリス』(04)のような記憶喪失をネタにしたドタバタ展開だが、この大ボラを成立させているのが香川照之の力技。6月に市川中車として46歳での歌舞伎デビューを果たした香川だが、銭湯シーンでは狂言の「釣り狐」ばりの大跳躍にすっぽんぽんで挑んでみせた。香川が思い切ってカブクことによって、本作は喜劇として発進する。  ジャッキー・チェン主演の『ツイン・ドラゴン』(92)やジョン・ウー監督の『フェイス/オフ』(97)しかり、お互いの人生を入れ替えることで相手の生き様が浮き彫りになるのがこの手のドラマの妙味。役者としてはまったくのビギナーであるコンドウだが、エキストラとして参加したVシネの撮影現場で独特の凄みを発揮する。記憶はないものの、これまで裏社会で培ってきた態度や仕草が悪役を演じると滲みでる。タイトルの由来となっているスタニスラフスキーの演技メソッドをコンドウは図らずも実践することに。また仕事に関しては前準備をしっかりする性格なので、演技理論を学び、脚本も丁寧に読み込む。コンドウに入れ替わってからの役者・桜井の評判は上々だ。さらに病院で知り合った女性編集者の香苗(広末涼子)は、記憶喪失ながら前向きに役者稼業に取り組むコンドウにほだされていく。ここまで見ていると、桜井がダメだったのは才能や環境のせいではなかったことが判明する。仕事への取り組み方が甘く、何よりもプロとして大人として“腹が括れてない”ことがいちばんの問題点であることが分かってくる。
kagidorobo3.jpg
恐ろしく散らかっていた桜井の部屋が、
コンドウ(香川照之)が暮らし始めると快適
空間に。女性編集者・香苗(広末涼子)
ともいい感じ。
 生きることにも死ぬことにも中途ハンパな桜井。だが劇中では、そのハンパさが幸いする。コンドウに成り済ました桜井は、高級マンションで暮らすコンドウが裏社会でヤバい金を稼いでいることに遅ればせながら気づく。コンドウの携帯電話に新たに殺しの依頼が掛かってくるが、売れない役者にすぎない桜井に殺しが出来るはずもない。逃げればいいのに、どうにかしてターゲットを安全な場所に誘導しようとあれこれ細工を施す。置き引きというセコい犯罪に手を染めたものの、子どものような純真無垢さが桜井という男を30歳すぎまで支えてきたことが分かる。だが残念ながら、無垢なだけでは大人の世界は生き抜けない。また、プロの仕事人であるコンドウも、そのまま裏社会で暮らしていたらお嬢さん育ちの香苗と知り合うこともなかっただろう。やがてコンドウは記憶を取り戻すが、コンドウと桜井はお互いに自分が持っていないものを相手が持っていることに気づく。  前作『アフタースクール』から4年間のインターバルを要した内田監督。今回の企画が決まってから1年半掛けて脚本を練り上げ、撮影中も最後まで脚本の修正を続けたそうだ。往年のハリウッド的エンターテイメントを標榜する内田監督の脚本には、大変な手間ひまが注がれている。現在の映画界において、オリジナル脚本で映画を撮ることができる監督はごくわずか。製作委員会方式が日本映画界の主流となり、ベストセラー小説や話題のコミックを原作にした作品が圧倒的に多い。成功の保証のないオリジナルストーリーは、すっかり製作委員会というシステムから敬遠されるようになってしまった。11月2日(金)公開の『のぼうの城』はもともと新人シナリオライターの登竜門・城戸賞を2003年に受賞した和田竜氏の『忍ぶの城』が原作だが、予算のかかる時代劇なこともあり、和田氏自身が脚本を小説化した『のぼうの城』として07年に出版してから、08年に正式に映画化が決まったという経緯がある。オリジナル脚本がいかに受難の時代であるかを物語るエピソードだろう。  でも、内田監督作品の素晴らしさは、そーゆー苦労を作品からは感じさせないところ。サンフランシスコ州立大学芸術学部に留学して脚本づくりのノウハウを身に付けたこともあり、日本映画特有のジメジメさがない。あれよあれよと事件に巻き込まれるお人好しを毎回主人公にし、作風はカラッとしていて明るい。前作『アフタースクール』では人間の裏側ばかり見てきた私立探偵に救いがないという唯一不満だった点も、『鍵泥棒のメソッド』では解決されている。堺、香川、広末の3人の芝居とストーリーの妙味を味わう、今どき珍しいエンターテイメント作品なのだ。ままならない人生にヘコみがちな人におススメの1本。新しい扉を開く鍵が、意外なところで見つかるかも。 (文=長野辰次) kagidorobo4.jpg 『鍵泥棒のメソッド』 監督・脚本/内田けんじ 主題歌/「点描のしくみ」吉井和哉 出演/堺雅人、香川照之、広末涼子、荒川良々、森口瑤子 配給/クロックワークス 9月15日(土)より渋谷シネクイントほか全国公開 <http://kagidoro.com>  (c)2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会 ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第187回]大家族の伝統料理から超手抜きレシピまで勢ぞろい! 台所から見えてくる中東の家庭事情『イラン式料理本』 [第186回]“世界的な絶滅危惧種”である独裁者に愛の手を!? 政治ネタ&下ネタ満載コメディ『ディクテーター』 [第185回]障害者の性処理も介護の重圧も、すべて笑い飛ばせ! 男たちのバリアフリーな友情ドラマ『最強のふたり』 [第184回]人類を生み出した“創造主”との遭遇!! リドリー・スコットが物語るSF神話『プロメテウス』 [第183回]“校内格差社会”に出現した異分子(ゾンビ)たち! 青春のカタルシス『桐島、部活やめるってよ』 [第182回]カメラマンは法を犯してもかまわない!? 国家の暗部を暴く男の情念『ニッポンの噓』 [第181回]“学校”という名の密室ではびこる児童虐待の事実! 子どもたちは教師を訴える『トガニ 幼き瞳の告発』 [第180回]“神様”との出会いと別れ、そして旅からの帰還  ドキュメンタリー『アニメ師・杉井ギサブロー』 [第179回]親友=お金を貸してくれる、女友達=SEXさせてくれる!? 品性お下劣男の青春『苦役列車』 [第178回]“沢尻エリカ”という名のアトラクションムービー『ヘルタースケルター』が描く無常の世界 [第177回]毒カレー、オウム真理教、光市母子殺害……“悪魔の弁護人”と呼ばれる男の素顔『死刑弁護人』 [第176回]“芸能生活30周年”ニコラス・ケイジの会心作! 被災地に流布する暗号『ハングリー・ラビット』 [第175回]やめろと言われても、今では遅すぎたッ! 妻夫木聡&武井咲主演の過剰なる純愛劇『愛と誠』 [第174回]年間自殺者数3万人を越える現代社会への提言 自殺対策の現状を追った『希望のシグナル』 [第173回]“三島割腹事件”を若松孝二監督が映画化!『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』 [第172回]実在の事件を題材にした“命の授業”『先生を流産させる会』がついに劇場公開! [第171回]自由社会に順応できない“脱北者”の過酷な現状 無垢なる季節との決別『ムサン日記 白い犬』 [第170回] 世界興収100億突破のSF大作『ロボット』はあらゆる既成概念を破壊する!! [第169回]“エンタの神さま”ツイ・ハークが大復活! B級映画マニアの心を焦がす『王朝の陰謀』 [第168回]人はお下劣な分だけ、強く優しくなれる!? 結婚を控えた女たちの本音『ブライズメイズ』 [第167回]行きすぎたシステム社会に警鐘を鳴らす“ユナボマー・マニフェスト”の映画化『モンスターズクラブ』 [第166回]祭りの終わりと新ステージの幕開け、3部作完結『サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』 [第165回]すばらしき“コーマン野郎”の世界!『コーマン帝国』、愛と欲望の歴史 [第164回]懐かしき香り漂う、新感覚サスペンス 破滅へ突き進む男の悲劇『ドライヴ』 [第163回] 災害に備えた地下シェルターは必要? 心理ホラー『テイク・シェルター』 [第162回] 森田芳光監督の最終列車『僕達急行』人生は出会いと旅立ちのリフレイン! [第161回] 鬼才キム・ギドクの"多重人格ショー"セルフドキュメンタリー『アリラン』 [第160回]映画創成期に散った"殉教者"への聖歌 3D映画『ヒューゴの不思議な発明』 [第159回]これはホラー? それともコメディ? 勘違い女が爆走『ヤング≒アダルト』 [第158回] ピラミッドは古代からのメッセージ!? 歴史ミステリー『ピラミッドの謎』 [第157回] 韓国映画の名匠が明かす"創作の極意"イ・チャンドン監督『ポエトリー』 [第156回] ローカル局で"伝説となった男"の生涯『木村栄文レトロスペクティブ』 [第155回] 米国に半世紀も君臨した"影の大統領" FBI初代長官『J・エドガー』 [第154回]犯罪者たちに学ぶ"人心掌握術"の奨め『アニマル・キングダム』『預言者』 [第153回]"地獄"からの生還者・板尾創路の凄み 古典落語を過激に脚色『月光ノ仮面』 [第152回]早くも2012年ベスト1映画が登場!"代理殺人"を巡る恐怖『哀しき獣』 [第151回]父殺し、自分殺し、そして再生の物語 園子温流ラブストーリー『ヒミズ』 [第150回]米国お笑い横断旅行『宇宙人ポール』人間のちっぽけな悩みはETが解決! [第149回]70年前と変わらない日本人の精神構造『聯合艦隊司令長官 山本五十六』 [第148回]追悼......"永遠の反逆児"原田芳雄さん幻の主演作『原子力戦争』がDVD化 [第147回]"ファスト風土"を舞台にした犯罪喜劇 J・アイゼンバーグ主演『ピザボーイ』 [第146回]"正義のゾンビ"が犯罪者を貪り喰う! イラク戦争奇談『ゾンビ処刑人』 [第145回] "時代の寵児"の未ソフト化作品上映!「松江哲明グレイテスト・ヒッツ」 [第144回]原発事故を描いた『カリーナの林檎』と今関あきよし監督の背負った贖罪 [第143回]"窮屈なモラル"を脱ぎ捨てた裸の女たち 園子温監督の犯罪エロス『恋の罪』 [第142回]ノーベル賞作家・川端康成が夢想した新風俗『スリーピングビューティー』 [第141回]横暴な上司は有志社員が制裁します!『モンスター上司』のブラックな笑い [第140回]"クソみたいな社会を変えたい!"高校生テロリストの凄春『アジアの純真』 [第139回] うつ病なんかヘーキ!? 宮崎あおい主演作『ツレがうつになりまして。』 [第138回]"神話"が生まれる瞬間を目撃せよ! 人類への黙示録『猿の惑星:創世記』 [第137回]刑務所で食する至高の味『極道めし』ヒロインの後ろ姿に、むせび泣き! [第136回]"理想の恋人"という偶像を破壊せよ 深夜番長の劇場デビュー作『モテキ』 [第135回]"城定秀夫監督、ブレイク前夜の予感! 闘争本能を呼び覚ます『タナトス』 [第134回]"人間失格"の道を選んだ映画監督の業 林由美香の最新主演作『監督失格』 [第133回]ホラ吹きのホラを見破る特異な職能 ポランスキー監督『ゴーストライター』 [第132回]芦田愛菜、6歳にして危険な魅力!? 子連れで全力疾走『うさぎドロップ』 [第131回]元"暴走族"が書いた旧友への鎮魂歌 青春懺悔録『アメイジング グレイス』 [第130回]V・ギャロ主演のサバイバルグルメ!? 『エッセンシャル・キリング』 [第129回]『キック・アス』より悪趣味で泣ける 中年男の悪ノリ暴走劇『スーパー!』 [第128回]この夏の清涼剤、地方少女のダンス成長記『あぜみちジャンピンッ!』 [第127回]竹ヤリで世界進出"スシタイフーン"『エイリアンVSニンジャ』ほか逆上陸 [第126回]イーモウ監督、久々のアイドル映画 中華的妹萌え『サンザシの樹の下で』 [第125回]ナタリー・ポートマン vs. ヘビメタ野郎 人気女優の隠し球『メタルヘッド』 [第124回]黒澤明の名作『生きる』のラテン版! ヤモメ男が残した遺産『BIUTIFUL』 [第123回]北国で93年間営業を続ける"大黒座"と町の記録『小さな町の小さな映画館』 [第122回]新幹線がすれ違う瞬間、願いが叶う? 小学生の目線で描かれた『奇跡』 [第121回]理想と情熱がもたらした"痛い現実" 青春の蹉跌『マイ・バック・ページ』 [第120回]胸に響く金言"プロとは手を抜くこと" 職人秘話『アトムの足音が聞こえる』 [第119回]危険な出会い、井口昇ミーツ仲村みう 悪夢の遊園地『富江 アンリミテッド』 [第118回]ナタリー・ポートマン"第1章"の終幕 虚実が攻め合う『ブラック・スワン』 [第117回]"セカイ"を旅立った少女の地底探検記 新海誠監督の新作『星を追う子ども』 [第116回] 美少女たちの輝きが脳裏から離れない。青春ムービー『魔法少女を忘れない』 [第115回] 恋愛が与える"陶酔"とリアルな"痛み"サブカル活劇『スコット・ピルグリム』 [第114回]妄想、空想、そして現実からの大脱走 美少女革命『エンジェル ウォーズ』 [第113回]"3.11"後の新しい映画モデルとなるか『劇場版 神聖かまってちゃん』の挑戦 [第112回]マスコミが讃えた"楽園"のその後、ひとりの少女の成長記録『愛しきソナ』 [第111回]閉鎖的な"村社会"をブチ破ったれ! 韓流サバイバル劇『ビー・デビル』 [第110回]"粋"を愛したフランスの伯父さん J・タチ主演『イリュージョニスト』 [第109回]自分にとって家族は敵か、味方か? オスカー2冠受賞『ザ・ファイター』 [第108回]コーエン兄弟『トゥルー・グリット』40年で変化した"米国のヒーロー像" [第107回]ジョニー・デップが愛した"極道記者" 『GONZO』奇人がスターだった時代 [第106回] 巨匠イーストウッド監督の異色作! "あの世"はあるか?『ヒア アフター』 [第105回] キレ味、喉ごしが違うアクション! 黒帯美少女の"涙拳"が炸裂『KG』 [第104回] 高齢化するニートはどこに行くのか? "戸塚校長"のその後『平成ジレンマ』 [第103回]堀北真希&高良健吾主演作『白夜行』闇に生きる"影男"の密やかなる喜び [第102回]園子温の劇薬ムービー『冷たい熱帯魚』"救いのない結末"という名の救い [第101回] NHKが放映しない"裏プロジェクトX" AV界のカリスマ監督『YOYOCHU』 [第100回]エロスとタブーを交配した"至高の美女" 禁断のサイエンスホラー『スプライス』 [第99回]2010年に活躍した女優を勝手に表彰! 満島ひかりに"面倒くさい女"大賞を [第98回]大人だって"ドラえもん"にいて欲しい 残念男の逆転劇『エリックを探して』 [第97回]平凡な高校生デイヴは2度変身する!原点回帰のヒーロー『キック・アス』 [第96回]村上春樹の超絶ベストセラーの映画化『ノルウェイの森』はどこにある? [第95回]実在した"奇妙な高額バイト"の顛末 心理サスペンス『エクスペリメント』 [第94回]"アル中"カメラマンの泣き笑い人生『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』 [第93回]朝ドラと異なる映画『ゲゲゲの女房』ゴールなき"貧乏耐久"2人3脚走 [第92回]バラエティーでの実績は通用するか? テリー伊藤の初監督作『10億円稼ぐ』 [第91回] 不謹慎なる社会派エンタテイメント『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』 [第90回]"世界のナベアツ"大阪府知事に就任! 政治コメディ『さらば愛しの大統領』 [第89回]自分の恋愛もプロデュースする女優、ドリュー・バリモア主演『遠距離恋愛』 [第88回]スタローンが立ち上げた"筋肉共和国"男たちの祭典『エクスペンダブルズ』 [第87回]元"おはガール"安藤聖の再起動ドラマ 就職氷河期を生きる『バカがウラヤマシイ』 [第86回]マイノリティーは"理想郷"を目指す。筒井文学の金字塔『七瀬ふたたび』 [第85回]清純派・佐藤寛子が美しく"変態"! 官能サスペンス『ヌードの夜──』 [第84回]死を意識して、ギラギラ輝く男たち! 三池節、大バクハツ『十三人の刺客』 [第83回] 女を食い物にする男どもは全員処刑! モダン社会の闇を暴く『ミレニアム』 [第82回] "企画AV女優"たちの青春残酷物語 性なる鎮魂劇『名前のない女たち』 [第81回]猫を見れば、人間社会が見えてくる! 世界の人気猫大集合『ネコを探して』 [第80回]原恵一監督の新作は辛口ファンタジー 退屈な"日常生活"を彩る『カラフル』 [第79回]米軍に実在した"超能力部隊"の真実!? ムー民、必見『ヤギと男と男と壁と』 [第78回]戦場から帰還した夫は"芋虫男"だった! ヤクザ監督の反戦映画『キャタピラー』 [第77回] 白ユリの花開くガールズの妖しい世界 H系ホラー『ジェニファーズ・ボディ』 [第76回] 爽やか系青春ゾンビ映画にホロリ......夏休みは『ゾンビランド』に集結せよ [第75回] "生きる"とは"見苦しい"ということ 藤沢周平の時代活劇『必死剣 鳥刺し』 [第74回]初恋の美少女は200歳の吸血鬼だった! 北欧産のホラー映画『ぼくのエリ』 [第73回] "三億円事件"の真相を解き明かす! 桜タブーに挑んだ『ロストクライム』 [第72回/特別編] 上映反対で揺れる問題作『ザ・コーヴ』"渦中の人"リック・オバリー氏の主張 [第71回] 女子にモテモテになる方法、教えます。軟派少年の実話物語『ソフトボーイ』 [第70回] 下町育ちの"北野少年"が見た現代社会 人間同士の食物連鎖『アウトレイジ』 [第69回] "リアルと虚構の狭間"を生きる男、アントニオ猪木初主演作『アカシア』 [第68回] ヒーローも神もいない現代社会の惨劇 井筒監督の問題作『ヒーローショー』 [第67回] アイドルが地獄で微笑む『戦闘少女』ギャグ×血しぶき×殺陣の特盛り丼! [第66回]アナーキーな"社歌"で生産性アップ! 満島ひかり大進撃『川の底からこんにちは』 [第65回]超ヘビー級なシリアス劇『プレシャス』"家族"という名の地獄から脱出せよ [第64回]乱れ咲く"悪の華"ゼブラクイーン! 仲里依紗が過激変身『ゼブラーマン2』 [第63回] オタク王が見出した"夢と現実"の接点 ティム・バートン監督作『アリス──』 [第62回] バッドテイストな感動作『第9地区』 アナタはエビ人間とお友達になれるか? [第61回]スコセッシ監督の犯罪アトラクション『シャッターアイランド』へようこそ! [第60回]宮崎あおいの"映画代表作"が誕生! 毒を呑んでも生き続けよ『ソラニン』 [第59回]"おっぱいアート"は世界を救えるか? 母乳戦士の記録『桃色のジャンヌ・ダルク』 [第58回]現代に甦った"梶原一騎ワールド"韓流ステゴロ映画『息もできない』 [第57回]命知らずの変態レポーター、中東へ! 史上最大のどっきり?『ブルーノ』 [第56回]仲里依紗がアニメから実写へと跳躍! 母娘2代の時空旅行『時をかける少女』 [第55回]ビグロー監督はキャメロンより硬派! 人間爆弾の恐怖『ハート・ロッカー』 [第54回] "空気を読む"若者の悲劇『パレード』楽しいルームシェア生活の行き先は? [第53回]社会の"生け贄"に選ばれた男の逃亡劇 堺雅人主演『ゴールデンスランバー』 [第52回]『男はつらいよ』の別エンディング? "寅さん"の最期を描く『おとうと』 [第51回]ひとり相撲なら無敵のチャンピオン! 童貞暴走劇『ボーイズ・オン・ザ・ラン』 [第50回]ヒース・レジャーが最後に見た夢の世界 理想と欲望が渦巻く『Dr.パルナサスの鏡』 [第49回]トニー・ジャーは本気なんジャー! CGなしの狂乱劇再び『マッハ!弐』 [第48回]全米"オシャレ番長"ズーイー、見参! 草食系に捧ぐ『(500日)のサマー』 [第47回]市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化 [第46回]押井守監督、大いなる方向転換か? 黒木メイサ主演『アサルトガールズ』 [第45回]ドラッグ漬けの芸能関係者必見!"神の子"の復活を追う『マラドーナ』 [第44回] 暴走する"システム"が止まらない! マイケル・ムーア監督『キャピタリズム』 [第43回]"人は二度死ぬ"という独自の死生観『ガマの油』役所広司の監督ぶりは? [第42回]誰もが共感、あるあるコメディー! 2ちゃんねる発『ブラック会社』 [第41回]タラとブラピが組むと、こーなった!! 戦争奇談『イングロリアス・バスターズ』 [第40回]"涅槃の境地"のラストシーンに唖然! 引退を賭けた角川春樹監督『笑う警官』 [第39回]伝説の男・松田優作は今も生きている 20回忌ドキュメント『SOUL RED』 [第38回]海より深い"ドメスティック・ラブ"ポン・ジュノ監督『母なる証明』 [第37回]チャン・ツィイーが放つフェロモン爆撃 悪女注意報発令せり!『ホースメン』 [第36回]『ソウ』の監督が放つ激痛バイオレンス やりすぎベーコン!『狼の死刑宣告』 [第35回]"負け組人生"から抜け出したい!! 藤原竜也主演『カイジ 人生逆転ゲーム』 [第34回]2兆円ペット産業の"開かずの間"に迫る ドキュメンタリー『犬と猫と人間と』 [第33回]"女神降臨"ペ・ドゥナの裸体が神々しい 空っぽな心に響く都市の寓話『空気人形』 [第32回]電気仕掛けのパンティをはくヒロイン R15コメディ『男と女の不都合な真実』 [第31回]萩原健一、松方弘樹の助演陣が過剰すぎ! 小栗旬主演の時代活劇『TAJOMARU』 [第30回]松本人志監督・主演第2作『しんぼる』 閉塞状況の中で踊り続ける男の悲喜劇 [第29回]シビアな現実を商品化してしまう才女、西原理恵子の自叙伝『女の子ものがたり』 [第28回]"おねマス"のマッコイ斉藤プレゼンツ 不謹慎さが爆笑を呼ぶ『上島ジェーン』 [第27回]究極料理を超えた"極地料理"に舌鼓! 納涼&グルメ映画『南極料理人』 [第26回]ハチは"失われた少年時代"のアイコン  ハリウッド版『HACHI』に涙腺崩壊! [第25回]白熱! 女同士のゴツゴツエゴバトル 金子修介監督の歌曲劇『プライド』 [第24回]悪意と善意が反転する"仮想空間"細田守監督『サマーウォーズ』 [第23回]沖縄に"精霊が暮らす楽園"があった! 中江裕司監督『真夏の夜の夢』 [第22回]"最強のライブバンド"の底力発揮! ストーンズ『シャイン・ア・ライト』 [第21回]身長15mの"巨大娘"に抱かれたい! 3Dアニメ『モンスターvsエイリアン』 [第20回]ウディ・アレンのヨハンソンいじりが冴え渡る!『それでも恋するバルセロナ』 [第19回]ケイト姐さんが"DTハンター"に! オスカー受賞の官能作『愛を読むひと』 [第18回]1万枚の段ボールで建てた"夢の砦"男のロマンここにあり『築城せよ!』 [第17回]地獄から甦った男のセミドキュメント ミッキー・ローク『レスラー』 [第16回]人生がちょっぴり楽しくなる特効薬 三木聡"脱力"劇場『インスタント沼』 [第15回]"裁判員制度"が始まる今こそ注目 死刑執行を克明に再現した『休暇』 [第14回]生傷美少女の危険な足技に痺れたい! タイ発『チョコレート・ファイター』 [第13回]風俗嬢を狙う快楽殺人鬼の恐怖! 極限の韓流映画『チェイサー』 [第12回]お姫様のハートを盗んだ男の悲哀 紀里谷監督の歴史奇談『GOEMON』 [第11回]美人女優は"下ネタ"でこそ輝く! ファレリー兄弟『ライラにお手あげ』 [第10回]ジャッキー・チェンの"暗黒面"? 中国で上映禁止『新宿インシデント』 [第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』 [第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』 [第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』 [第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』 [第5回]三池崇史監督『ヤッターマン』で深田恭子が"倒錯美"の世界へ [第4回]フランス、中国、日本......世界各国のタブーを暴いた劇映画続々 [第3回]水野晴郎の遺作『ギララの逆襲』岡山弁で語った最後の台詞は...... [第2回]『チェンジリング』そしてイーストウッドは"映画の神様"となった [第1回]堤幸彦版『20世紀少年』に漂うフェイクならではの哀愁と美学

行き詰まった人生の扉を開く鍵は“銭湯”にあり? 内田けんじ監督のオリジナル作『鍵泥棒のメソッド』

kagidorobo1.jpg
内田けんじ監督、4年ぶりの新作『鍵泥棒のメソッド』。
ままならない人生は環境のせいではないことを、
じんわり教えてくれます。
 パチパチパチンッとパズルのピースがハマっていく面白さが内田けんじ監督の作品にはある。時間軸を組み替えた『運命じゃない人』(05)、誰の立ち場に立つかで世界が違って見えてくる『アフタースクール』(08)と凝りに凝ったオリジナル脚本で独自のポジションを築いている。堺雅人、香川照之、広末涼子の3人をメーンキャストに迎えた最新作『鍵泥棒のメソッド』はビンボーアパートで暮らす売れない役者と高額報酬を受け取る裏社会の仕事人が生活環境を交換したらどーなるかという人生入れ替え喜劇だ。さらに男2人の物語に婚活中の女性編集者が加わることでラブコメ的要素もブレンド。オセロゲームと知恵の輪を同時にクリアするような爽快感がラストに待ち受けている。  30歳なかばで夢破れた男の悲劇がオープニングのシークエンスとなっている。桜井(堺雅人)は舞台役者として地道に頑張ってきたが、生活力が追いつかない。所属していた劇団は解散してしまい、いつかは売れっ子俳優になって籍を入れようと考えていた元同棲相手は別の男との結婚を決めた。このまま役者を続けても、桜井のサイコロからは“勝ち目”が出てくる可能性はない。桜井はオンボロアパートでの自殺を思い付くが、自殺すら満足にできない。財布の中にはもう小銭しかないものの、ふと銭湯の回数券が1枚だけ残っていることに気づく。もったいないから銭湯に行ってから自殺の続きをしよう。自殺を先送りにしたことから、桜井の人生は大きく変わっていく。銭湯に出向いた桜井は、脱衣場で自分の新しい人生のキーマンとなる男・コンドウと出会う。
kagidorobo2.jpg
売れない役者の桜井(堺雅人)は自暴自棄に
なって自殺を考える。劇団出身の堺にとって、
他人事とは思えなかったそうだ。
 銭湯には場違いなダークスーツを着た男・コンドウ(香川照之)の職業は、裏社会の仕事人。ヤクザたちに頼まれ、借金などの問題を抱える人物を次々と消していく汚れ仕事の専門家だ。ひと仕事を終えたコンドウは穢れた自分の体を清めるために銭湯に立ち寄った。ところが洗い場でコンドウは足を滑らせて頭をしたたかに打ち、意識を失うという大失態。この様子を見ていた桜井は姑息にもコンドウの着ていたスーツ、財布類を頂戴して走り去る。何という低レベルな犯罪! 桜井はコンドウの持っていた財布の中の札束を失敬して、劇団時代の仲間に借りていた借金を返してまわる。犯罪者のくせに律儀なヤツ。一方、病院に運ばれたコンドウは記憶喪失と診断され、違和感を覚えつつも桜井の着ていたジーンズとトレーナーを着て、桜井のゴミ箱同然の部屋で生活を始める。岩井俊二監督の『花とアリス』(04)のような記憶喪失をネタにしたドタバタ展開だが、この大ボラを成立させているのが香川照之の力技。6月に市川中車として46歳での歌舞伎デビューを果たした香川だが、銭湯シーンでは狂言の「釣り狐」ばりの大跳躍にすっぽんぽんで挑んでみせた。香川が思い切ってカブクことによって、本作は喜劇として発進する。  ジャッキー・チェン主演の『ツイン・ドラゴン』(92)やジョン・ウー監督の『フェイス/オフ』(97)しかり、お互いの人生を入れ替えることで相手の生き様が浮き彫りになるのがこの手のドラマの妙味。役者としてはまったくのビギナーであるコンドウだが、エキストラとして参加したVシネの撮影現場で独特の凄みを発揮する。記憶はないものの、これまで裏社会で培ってきた態度や仕草が悪役を演じると滲みでる。タイトルの由来となっているスタニスラフスキーの演技メソッドをコンドウは図らずも実践することに。また仕事に関しては前準備をしっかりする性格なので、演技理論を学び、脚本も丁寧に読み込む。コンドウに入れ替わってからの役者・桜井の評判は上々だ。さらに病院で知り合った女性編集者の香苗(広末涼子)は、記憶喪失ながら前向きに役者稼業に取り組むコンドウにほだされていく。ここまで見ていると、桜井がダメだったのは才能や環境のせいではなかったことが判明する。仕事への取り組み方が甘く、何よりもプロとして大人として“腹が括れてない”ことがいちばんの問題点であることが分かってくる。
kagidorobo3.jpg
恐ろしく散らかっていた桜井の部屋が、
コンドウ(香川照之)が暮らし始めると快適
空間に。女性編集者・香苗(広末涼子)
ともいい感じ。
 生きることにも死ぬことにも中途ハンパな桜井。だが劇中では、そのハンパさが幸いする。コンドウに成り済ました桜井は、高級マンションで暮らすコンドウが裏社会でヤバい金を稼いでいることに遅ればせながら気づく。コンドウの携帯電話に新たに殺しの依頼が掛かってくるが、売れない役者にすぎない桜井に殺しが出来るはずもない。逃げればいいのに、どうにかしてターゲットを安全な場所に誘導しようとあれこれ細工を施す。置き引きというセコい犯罪に手を染めたものの、子どものような純真無垢さが桜井という男を30歳すぎまで支えてきたことが分かる。だが残念ながら、無垢なだけでは大人の世界は生き抜けない。また、プロの仕事人であるコンドウも、そのまま裏社会で暮らしていたらお嬢さん育ちの香苗と知り合うこともなかっただろう。やがてコンドウは記憶を取り戻すが、コンドウと桜井はお互いに自分が持っていないものを相手が持っていることに気づく。  前作『アフタースクール』から4年間のインターバルを要した内田監督。今回の企画が決まってから1年半掛けて脚本を練り上げ、撮影中も最後まで脚本の修正を続けたそうだ。往年のハリウッド的エンターテイメントを標榜する内田監督の脚本には、大変な手間ひまが注がれている。現在の映画界において、オリジナル脚本で映画を撮ることができる監督はごくわずか。製作委員会方式が日本映画界の主流となり、ベストセラー小説や話題のコミックを原作にした作品が圧倒的に多い。成功の保証のないオリジナルストーリーは、すっかり製作委員会というシステムから敬遠されるようになってしまった。11月2日(金)公開の『のぼうの城』はもともと新人シナリオライターの登竜門・城戸賞を2003年に受賞した和田竜氏の『忍ぶの城』が原作だが、予算のかかる時代劇なこともあり、和田氏自身が脚本を小説化した『のぼうの城』として07年に出版してから、08年に正式に映画化が決まったという経緯がある。オリジナル脚本がいかに受難の時代であるかを物語るエピソードだろう。  でも、内田監督作品の素晴らしさは、そーゆー苦労を作品からは感じさせないところ。サンフランシスコ州立大学芸術学部に留学して脚本づくりのノウハウを身に付けたこともあり、日本映画特有のジメジメさがない。あれよあれよと事件に巻き込まれるお人好しを毎回主人公にし、作風はカラッとしていて明るい。前作『アフタースクール』では人間の裏側ばかり見てきた私立探偵に救いがないという唯一不満だった点も、『鍵泥棒のメソッド』では解決されている。堺、香川、広末の3人の芝居とストーリーの妙味を味わう、今どき珍しいエンターテイメント作品なのだ。ままならない人生にヘコみがちな人におススメの1本。新しい扉を開く鍵が、意外なところで見つかるかも。 (文=長野辰次) kagidorobo4.jpg 『鍵泥棒のメソッド』 監督・脚本/内田けんじ 主題歌/「点描のしくみ」吉井和哉 出演/堺雅人、香川照之、広末涼子、荒川良々、森口瑤子 配給/クロックワークス 9月15日(土)より渋谷シネクイントほか全国公開 <http://kagidoro.com>  (c)2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会 ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第187回]大家族の伝統料理から超手抜きレシピまで勢ぞろい! 台所から見えてくる中東の家庭事情『イラン式料理本』 [第186回]“世界的な絶滅危惧種”である独裁者に愛の手を!? 政治ネタ&下ネタ満載コメディ『ディクテーター』 [第185回]障害者の性処理も介護の重圧も、すべて笑い飛ばせ! 男たちのバリアフリーな友情ドラマ『最強のふたり』 [第184回]人類を生み出した“創造主”との遭遇!! リドリー・スコットが物語るSF神話『プロメテウス』 [第183回]“校内格差社会”に出現した異分子(ゾンビ)たち! 青春のカタルシス『桐島、部活やめるってよ』 [第182回]カメラマンは法を犯してもかまわない!? 国家の暗部を暴く男の情念『ニッポンの噓』 [第181回]“学校”という名の密室ではびこる児童虐待の事実! 子どもたちは教師を訴える『トガニ 幼き瞳の告発』 [第180回]“神様”との出会いと別れ、そして旅からの帰還  ドキュメンタリー『アニメ師・杉井ギサブロー』 [第179回]親友=お金を貸してくれる、女友達=SEXさせてくれる!? 品性お下劣男の青春『苦役列車』 [第178回]“沢尻エリカ”という名のアトラクションムービー『ヘルタースケルター』が描く無常の世界 [第177回]毒カレー、オウム真理教、光市母子殺害……“悪魔の弁護人”と呼ばれる男の素顔『死刑弁護人』 [第176回]“芸能生活30周年”ニコラス・ケイジの会心作! 被災地に流布する暗号『ハングリー・ラビット』 [第175回]やめろと言われても、今では遅すぎたッ! 妻夫木聡&武井咲主演の過剰なる純愛劇『愛と誠』 [第174回]年間自殺者数3万人を越える現代社会への提言 自殺対策の現状を追った『希望のシグナル』 [第173回]“三島割腹事件”を若松孝二監督が映画化!『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』 [第172回]実在の事件を題材にした“命の授業”『先生を流産させる会』がついに劇場公開! [第171回]自由社会に順応できない“脱北者”の過酷な現状 無垢なる季節との決別『ムサン日記 白い犬』 [第170回] 世界興収100億突破のSF大作『ロボット』はあらゆる既成概念を破壊する!! [第169回]“エンタの神さま”ツイ・ハークが大復活! B級映画マニアの心を焦がす『王朝の陰謀』 [第168回]人はお下劣な分だけ、強く優しくなれる!? 結婚を控えた女たちの本音『ブライズメイズ』 [第167回]行きすぎたシステム社会に警鐘を鳴らす“ユナボマー・マニフェスト”の映画化『モンスターズクラブ』 [第166回]祭りの終わりと新ステージの幕開け、3部作完結『サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』 [第165回]すばらしき“コーマン野郎”の世界!『コーマン帝国』、愛と欲望の歴史 [第164回]懐かしき香り漂う、新感覚サスペンス 破滅へ突き進む男の悲劇『ドライヴ』 [第163回] 災害に備えた地下シェルターは必要? 心理ホラー『テイク・シェルター』 [第162回] 森田芳光監督の最終列車『僕達急行』人生は出会いと旅立ちのリフレイン! [第161回] 鬼才キム・ギドクの"多重人格ショー"セルフドキュメンタリー『アリラン』 [第160回]映画創成期に散った"殉教者"への聖歌 3D映画『ヒューゴの不思議な発明』 [第159回]これはホラー? それともコメディ? 勘違い女が爆走『ヤング≒アダルト』 [第158回] ピラミッドは古代からのメッセージ!? 歴史ミステリー『ピラミッドの謎』 [第157回] 韓国映画の名匠が明かす"創作の極意"イ・チャンドン監督『ポエトリー』 [第156回] ローカル局で"伝説となった男"の生涯『木村栄文レトロスペクティブ』 [第155回] 米国に半世紀も君臨した"影の大統領" FBI初代長官『J・エドガー』 [第154回]犯罪者たちに学ぶ"人心掌握術"の奨め『アニマル・キングダム』『預言者』 [第153回]"地獄"からの生還者・板尾創路の凄み 古典落語を過激に脚色『月光ノ仮面』 [第152回]早くも2012年ベスト1映画が登場!"代理殺人"を巡る恐怖『哀しき獣』 [第151回]父殺し、自分殺し、そして再生の物語 園子温流ラブストーリー『ヒミズ』 [第150回]米国お笑い横断旅行『宇宙人ポール』人間のちっぽけな悩みはETが解決! [第149回]70年前と変わらない日本人の精神構造『聯合艦隊司令長官 山本五十六』 [第148回]追悼......"永遠の反逆児"原田芳雄さん幻の主演作『原子力戦争』がDVD化 [第147回]"ファスト風土"を舞台にした犯罪喜劇 J・アイゼンバーグ主演『ピザボーイ』 [第146回]"正義のゾンビ"が犯罪者を貪り喰う! イラク戦争奇談『ゾンビ処刑人』 [第145回] "時代の寵児"の未ソフト化作品上映!「松江哲明グレイテスト・ヒッツ」 [第144回]原発事故を描いた『カリーナの林檎』と今関あきよし監督の背負った贖罪 [第143回]"窮屈なモラル"を脱ぎ捨てた裸の女たち 園子温監督の犯罪エロス『恋の罪』 [第142回]ノーベル賞作家・川端康成が夢想した新風俗『スリーピングビューティー』 [第141回]横暴な上司は有志社員が制裁します!『モンスター上司』のブラックな笑い [第140回]"クソみたいな社会を変えたい!"高校生テロリストの凄春『アジアの純真』 [第139回] うつ病なんかヘーキ!? 宮崎あおい主演作『ツレがうつになりまして。』 [第138回]"神話"が生まれる瞬間を目撃せよ! 人類への黙示録『猿の惑星:創世記』 [第137回]刑務所で食する至高の味『極道めし』ヒロインの後ろ姿に、むせび泣き! [第136回]"理想の恋人"という偶像を破壊せよ 深夜番長の劇場デビュー作『モテキ』 [第135回]"城定秀夫監督、ブレイク前夜の予感! 闘争本能を呼び覚ます『タナトス』 [第134回]"人間失格"の道を選んだ映画監督の業 林由美香の最新主演作『監督失格』 [第133回]ホラ吹きのホラを見破る特異な職能 ポランスキー監督『ゴーストライター』 [第132回]芦田愛菜、6歳にして危険な魅力!? 子連れで全力疾走『うさぎドロップ』 [第131回]元"暴走族"が書いた旧友への鎮魂歌 青春懺悔録『アメイジング グレイス』 [第130回]V・ギャロ主演のサバイバルグルメ!? 『エッセンシャル・キリング』 [第129回]『キック・アス』より悪趣味で泣ける 中年男の悪ノリ暴走劇『スーパー!』 [第128回]この夏の清涼剤、地方少女のダンス成長記『あぜみちジャンピンッ!』 [第127回]竹ヤリで世界進出"スシタイフーン"『エイリアンVSニンジャ』ほか逆上陸 [第126回]イーモウ監督、久々のアイドル映画 中華的妹萌え『サンザシの樹の下で』 [第125回]ナタリー・ポートマン vs. ヘビメタ野郎 人気女優の隠し球『メタルヘッド』 [第124回]黒澤明の名作『生きる』のラテン版! ヤモメ男が残した遺産『BIUTIFUL』 [第123回]北国で93年間営業を続ける"大黒座"と町の記録『小さな町の小さな映画館』 [第122回]新幹線がすれ違う瞬間、願いが叶う? 小学生の目線で描かれた『奇跡』 [第121回]理想と情熱がもたらした"痛い現実" 青春の蹉跌『マイ・バック・ページ』 [第120回]胸に響く金言"プロとは手を抜くこと" 職人秘話『アトムの足音が聞こえる』 [第119回]危険な出会い、井口昇ミーツ仲村みう 悪夢の遊園地『富江 アンリミテッド』 [第118回]ナタリー・ポートマン"第1章"の終幕 虚実が攻め合う『ブラック・スワン』 [第117回]"セカイ"を旅立った少女の地底探検記 新海誠監督の新作『星を追う子ども』 [第116回] 美少女たちの輝きが脳裏から離れない。青春ムービー『魔法少女を忘れない』 [第115回] 恋愛が与える"陶酔"とリアルな"痛み"サブカル活劇『スコット・ピルグリム』 [第114回]妄想、空想、そして現実からの大脱走 美少女革命『エンジェル ウォーズ』 [第113回]"3.11"後の新しい映画モデルとなるか『劇場版 神聖かまってちゃん』の挑戦 [第112回]マスコミが讃えた"楽園"のその後、ひとりの少女の成長記録『愛しきソナ』 [第111回]閉鎖的な"村社会"をブチ破ったれ! 韓流サバイバル劇『ビー・デビル』 [第110回]"粋"を愛したフランスの伯父さん J・タチ主演『イリュージョニスト』 [第109回]自分にとって家族は敵か、味方か? オスカー2冠受賞『ザ・ファイター』 [第108回]コーエン兄弟『トゥルー・グリット』40年で変化した"米国のヒーロー像" [第107回]ジョニー・デップが愛した"極道記者" 『GONZO』奇人がスターだった時代 [第106回] 巨匠イーストウッド監督の異色作! "あの世"はあるか?『ヒア アフター』 [第105回] キレ味、喉ごしが違うアクション! 黒帯美少女の"涙拳"が炸裂『KG』 [第104回] 高齢化するニートはどこに行くのか? "戸塚校長"のその後『平成ジレンマ』 [第103回]堀北真希&高良健吾主演作『白夜行』闇に生きる"影男"の密やかなる喜び [第102回]園子温の劇薬ムービー『冷たい熱帯魚』"救いのない結末"という名の救い [第101回] NHKが放映しない"裏プロジェクトX" AV界のカリスマ監督『YOYOCHU』 [第100回]エロスとタブーを交配した"至高の美女" 禁断のサイエンスホラー『スプライス』 [第99回]2010年に活躍した女優を勝手に表彰! 満島ひかりに"面倒くさい女"大賞を [第98回]大人だって"ドラえもん"にいて欲しい 残念男の逆転劇『エリックを探して』 [第97回]平凡な高校生デイヴは2度変身する!原点回帰のヒーロー『キック・アス』 [第96回]村上春樹の超絶ベストセラーの映画化『ノルウェイの森』はどこにある? [第95回]実在した"奇妙な高額バイト"の顛末 心理サスペンス『エクスペリメント』 [第94回]"アル中"カメラマンの泣き笑い人生『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』 [第93回]朝ドラと異なる映画『ゲゲゲの女房』ゴールなき"貧乏耐久"2人3脚走 [第92回]バラエティーでの実績は通用するか? テリー伊藤の初監督作『10億円稼ぐ』 [第91回] 不謹慎なる社会派エンタテイメント『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』 [第90回]"世界のナベアツ"大阪府知事に就任! 政治コメディ『さらば愛しの大統領』 [第89回]自分の恋愛もプロデュースする女優、ドリュー・バリモア主演『遠距離恋愛』 [第88回]スタローンが立ち上げた"筋肉共和国"男たちの祭典『エクスペンダブルズ』 [第87回]元"おはガール"安藤聖の再起動ドラマ 就職氷河期を生きる『バカがウラヤマシイ』 [第86回]マイノリティーは"理想郷"を目指す。筒井文学の金字塔『七瀬ふたたび』 [第85回]清純派・佐藤寛子が美しく"変態"! 官能サスペンス『ヌードの夜──』 [第84回]死を意識して、ギラギラ輝く男たち! 三池節、大バクハツ『十三人の刺客』 [第83回] 女を食い物にする男どもは全員処刑! モダン社会の闇を暴く『ミレニアム』 [第82回] "企画AV女優"たちの青春残酷物語 性なる鎮魂劇『名前のない女たち』 [第81回]猫を見れば、人間社会が見えてくる! 世界の人気猫大集合『ネコを探して』 [第80回]原恵一監督の新作は辛口ファンタジー 退屈な"日常生活"を彩る『カラフル』 [第79回]米軍に実在した"超能力部隊"の真実!? ムー民、必見『ヤギと男と男と壁と』 [第78回]戦場から帰還した夫は"芋虫男"だった! ヤクザ監督の反戦映画『キャタピラー』 [第77回] 白ユリの花開くガールズの妖しい世界 H系ホラー『ジェニファーズ・ボディ』 [第76回] 爽やか系青春ゾンビ映画にホロリ......夏休みは『ゾンビランド』に集結せよ [第75回] "生きる"とは"見苦しい"ということ 藤沢周平の時代活劇『必死剣 鳥刺し』 [第74回]初恋の美少女は200歳の吸血鬼だった! 北欧産のホラー映画『ぼくのエリ』 [第73回] "三億円事件"の真相を解き明かす! 桜タブーに挑んだ『ロストクライム』 [第72回/特別編] 上映反対で揺れる問題作『ザ・コーヴ』"渦中の人"リック・オバリー氏の主張 [第71回] 女子にモテモテになる方法、教えます。軟派少年の実話物語『ソフトボーイ』 [第70回] 下町育ちの"北野少年"が見た現代社会 人間同士の食物連鎖『アウトレイジ』 [第69回] "リアルと虚構の狭間"を生きる男、アントニオ猪木初主演作『アカシア』 [第68回] ヒーローも神もいない現代社会の惨劇 井筒監督の問題作『ヒーローショー』 [第67回] アイドルが地獄で微笑む『戦闘少女』ギャグ×血しぶき×殺陣の特盛り丼! [第66回]アナーキーな"社歌"で生産性アップ! 満島ひかり大進撃『川の底からこんにちは』 [第65回]超ヘビー級なシリアス劇『プレシャス』"家族"という名の地獄から脱出せよ [第64回]乱れ咲く"悪の華"ゼブラクイーン! 仲里依紗が過激変身『ゼブラーマン2』 [第63回] オタク王が見出した"夢と現実"の接点 ティム・バートン監督作『アリス──』 [第62回] バッドテイストな感動作『第9地区』 アナタはエビ人間とお友達になれるか? [第61回]スコセッシ監督の犯罪アトラクション『シャッターアイランド』へようこそ! [第60回]宮崎あおいの"映画代表作"が誕生! 毒を呑んでも生き続けよ『ソラニン』 [第59回]"おっぱいアート"は世界を救えるか? 母乳戦士の記録『桃色のジャンヌ・ダルク』 [第58回]現代に甦った"梶原一騎ワールド"韓流ステゴロ映画『息もできない』 [第57回]命知らずの変態レポーター、中東へ! 史上最大のどっきり?『ブルーノ』 [第56回]仲里依紗がアニメから実写へと跳躍! 母娘2代の時空旅行『時をかける少女』 [第55回]ビグロー監督はキャメロンより硬派! 人間爆弾の恐怖『ハート・ロッカー』 [第54回] "空気を読む"若者の悲劇『パレード』楽しいルームシェア生活の行き先は? [第53回]社会の"生け贄"に選ばれた男の逃亡劇 堺雅人主演『ゴールデンスランバー』 [第52回]『男はつらいよ』の別エンディング? "寅さん"の最期を描く『おとうと』 [第51回]ひとり相撲なら無敵のチャンピオン! 童貞暴走劇『ボーイズ・オン・ザ・ラン』 [第50回]ヒース・レジャーが最後に見た夢の世界 理想と欲望が渦巻く『Dr.パルナサスの鏡』 [第49回]トニー・ジャーは本気なんジャー! CGなしの狂乱劇再び『マッハ!弐』 [第48回]全米"オシャレ番長"ズーイー、見参! 草食系に捧ぐ『(500日)のサマー』 [第47回]市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化 [第46回]押井守監督、大いなる方向転換か? 黒木メイサ主演『アサルトガールズ』 [第45回]ドラッグ漬けの芸能関係者必見!"神の子"の復活を追う『マラドーナ』 [第44回] 暴走する"システム"が止まらない! マイケル・ムーア監督『キャピタリズム』 [第43回]"人は二度死ぬ"という独自の死生観『ガマの油』役所広司の監督ぶりは? [第42回]誰もが共感、あるあるコメディー! 2ちゃんねる発『ブラック会社』 [第41回]タラとブラピが組むと、こーなった!! 戦争奇談『イングロリアス・バスターズ』 [第40回]"涅槃の境地"のラストシーンに唖然! 引退を賭けた角川春樹監督『笑う警官』 [第39回]伝説の男・松田優作は今も生きている 20回忌ドキュメント『SOUL RED』 [第38回]海より深い"ドメスティック・ラブ"ポン・ジュノ監督『母なる証明』 [第37回]チャン・ツィイーが放つフェロモン爆撃 悪女注意報発令せり!『ホースメン』 [第36回]『ソウ』の監督が放つ激痛バイオレンス やりすぎベーコン!『狼の死刑宣告』 [第35回]"負け組人生"から抜け出したい!! 藤原竜也主演『カイジ 人生逆転ゲーム』 [第34回]2兆円ペット産業の"開かずの間"に迫る ドキュメンタリー『犬と猫と人間と』 [第33回]"女神降臨"ペ・ドゥナの裸体が神々しい 空っぽな心に響く都市の寓話『空気人形』 [第32回]電気仕掛けのパンティをはくヒロイン R15コメディ『男と女の不都合な真実』 [第31回]萩原健一、松方弘樹の助演陣が過剰すぎ! 小栗旬主演の時代活劇『TAJOMARU』 [第30回]松本人志監督・主演第2作『しんぼる』 閉塞状況の中で踊り続ける男の悲喜劇 [第29回]シビアな現実を商品化してしまう才女、西原理恵子の自叙伝『女の子ものがたり』 [第28回]"おねマス"のマッコイ斉藤プレゼンツ 不謹慎さが爆笑を呼ぶ『上島ジェーン』 [第27回]究極料理を超えた"極地料理"に舌鼓! 納涼&グルメ映画『南極料理人』 [第26回]ハチは"失われた少年時代"のアイコン  ハリウッド版『HACHI』に涙腺崩壊! [第25回]白熱! 女同士のゴツゴツエゴバトル 金子修介監督の歌曲劇『プライド』 [第24回]悪意と善意が反転する"仮想空間"細田守監督『サマーウォーズ』 [第23回]沖縄に"精霊が暮らす楽園"があった! 中江裕司監督『真夏の夜の夢』 [第22回]"最強のライブバンド"の底力発揮! ストーンズ『シャイン・ア・ライト』 [第21回]身長15mの"巨大娘"に抱かれたい! 3Dアニメ『モンスターvsエイリアン』 [第20回]ウディ・アレンのヨハンソンいじりが冴え渡る!『それでも恋するバルセロナ』 [第19回]ケイト姐さんが"DTハンター"に! オスカー受賞の官能作『愛を読むひと』 [第18回]1万枚の段ボールで建てた"夢の砦"男のロマンここにあり『築城せよ!』 [第17回]地獄から甦った男のセミドキュメント ミッキー・ローク『レスラー』 [第16回]人生がちょっぴり楽しくなる特効薬 三木聡"脱力"劇場『インスタント沼』 [第15回]"裁判員制度"が始まる今こそ注目 死刑執行を克明に再現した『休暇』 [第14回]生傷美少女の危険な足技に痺れたい! タイ発『チョコレート・ファイター』 [第13回]風俗嬢を狙う快楽殺人鬼の恐怖! 極限の韓流映画『チェイサー』 [第12回]お姫様のハートを盗んだ男の悲哀 紀里谷監督の歴史奇談『GOEMON』 [第11回]美人女優は"下ネタ"でこそ輝く! ファレリー兄弟『ライラにお手あげ』 [第10回]ジャッキー・チェンの"暗黒面"? 中国で上映禁止『新宿インシデント』 [第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』 [第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』 [第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』 [第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』 [第5回]三池崇史監督『ヤッターマン』で深田恭子が"倒錯美"の世界へ [第4回]フランス、中国、日本......世界各国のタブーを暴いた劇映画続々 [第3回]水野晴郎の遺作『ギララの逆襲』岡山弁で語った最後の台詞は...... [第2回]『チェンジリング』そしてイーストウッドは"映画の神様"となった [第1回]堤幸彦版『20世紀少年』に漂うフェイクならではの哀愁と美学