今年もこの季節がやってきた! 冬のTENGAが3大衝撃発表!!

今年もおしゃれなTENGAがたくさん!
 RESPECT YOURSELF──自分を大切にするということ。それは性感染症につながるリスクの高いSEXをしないということ。 「正しい性欲のコントロールがHIV感染の拡大を防ぐ」  そんな理念のもとに集まったブランド・アーティストたちが、それぞれにデザインしたTENGAを発表するのが、『RESPECT YOURSELF PROJECT』だ。3年目を迎える今年はroar、Roen、SWAGGER、VANQUISH、XLARGE®の国内アパレル5社をはじめとして、アーティストの会田誠、マンガ家の井上三太(SANTASTIC!)、さらに海外からアメリカの4社(CHARI&CO NYC/HUF/MARRIED TO THE MOB/OPENING CEREMONY)、中国の1社(BLACKSENSE)を加えた全12社のデザインTENGAを各国で発売する。  これらRYP TENGAの発売はいずれも12月1日の世界AIDSデーから始まっている。詳細は公式サイト(http://www.tenga.co.jp/ryp2012/)で確認してほしい。 ■海外では女性にも大人気! EGGラバーズが登場  また、12月6日にはTENGA EGGのシリーズ最新作・EGGラバーズの発売が開始される。 nhtdoeuo.jpg  かわいらしいハートのパターンがあしらわれたラバーズ、通常の使用はもちろん、海外では電マやディルドにかぶせて使用する女性用のアクセサリーとしても人気なのだという。 ■ホールに最適な新ローションもリリース!  TENGAを楽しむのに欠かせないのが、ローション。もちろん、TENGAではホールのアビリティを最大限引き出す専用のローションを開発している。 j7t2e9n6.jpg  しかも、それぞれにフィールの違う4種類がリリースされており、ひとつのホールでも何通りもの快感を楽しめるのだ。  クリスマスまで1カ月となった今、淋しい夜もTENGAとともにパラダイスを探す旅に出よう!

まるで昼ドラ!? あゆ新恋人のドロ沼騒動で加速するファン離れ(11月下旬の人気記事)

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 11月下旬の人気記事を紹介する、日刊サイゾー人気記事ランキング。今クールは、浜崎あゆみの新恋人“マロちゃん”をめぐるドロドロ離婚裁判がらみのネタが人気を集めました。不倫、隠し子などなど、まるで昼ドラのような展開が繰り広げられていますが、次はマロちゃんからどんなボロが出るのか、目が離せません! それでは、早速ランキングをチェックしていきましょう! 第1位 「海外の通信社があゆを撮影なんて、あるわけない」仕込みツーショットも虚しく……浜崎あゆみに迫る“退場の日” 往生際が悪いぞ! 第2位 「泥沼離婚裁判中の男との不倫なのに」浜崎あゆみとマロちゃん“真剣交際宣言”のシラケ度 昼ドラプロデューサーもビックリ!? 第3位 「CMは絶望的、紅白も微妙に……」堂々不倫宣言した浜崎あゆみの大誤算 お先真っ暗! 第4位 「高額ギャラをもらってるのに」AKB48大島優子の『悪の教典』批判騒動に、関係者の怒り収まらず これだからAKBは……。 第5位 「これで再起不能か……」NHK『紅白』落選の小林幸子 このまま表舞台から消えてしまう!? テレ東での大逆襲が楽しみです。 次点 「いったい誰なの!?」知名度ゼロのNYCが『紅白』4年連続出場の深いワケ 毎年、この時期にしか話題にならないUMAアイドル。 次々点 「『PRICELESS』もクール1位は絶望的?」キムタクドラマ“敗北”の歴史を振り返る そろそろ脇役で渋く行こうよ。

“ウルトラタカ派”石原慎太郎もビックリ!? トンデモ発言連発の安倍晋三の不確かな未来

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「週刊現代」12月15日号
グランプリ 「衝撃の選挙結果が判明『ナマ数字』ぜんぶ見せます!」(「週刊現代」12月15日号) 第2位 「維新149人の素顔」(「AERA」12月10日号) 「櫛の歯が欠けるように『維新』から降りた『元候補者』の言い分」(「週刊新潮」12月6日号) 第3位 「『安倍総理じゃダメだ!』大合唱早くも噴出」(「週刊文春」12月6日号)  選挙戦開幕である。自民党圧勝か、維新の台頭か、未来の党はどうなるのか。  今週は各誌の選挙記事を採点して、3位まで計4本を選んでみた。  週刊ポストは巻頭に、「新総理の条件」というジャーナリスト・櫻井よしこの文章を持ってきた。「日本がまともな国に復活するには、強いリーダーが必要」と考える櫻井が推す新総理は安倍晋三自民党総裁で、それ以外は見当たらないとしている。  彼女はTPPへの参加は、経済面でも中国の覇権拡大を牽制する意味でも、絶対に必要だと説く。  櫻井には『中国に立ち向かう覚悟』(小学館)という近著があるくらいだから、中国の脅威に対しては断固とした態度をとり、自衛隊を国防軍にするという安倍総裁の考えに賛同し、中国へ気兼ねをして公式参拝しない民主党歴代の総理のようにではなく、首相に就任したら「ごく自然に参拝してほしいと思います」(櫻井)といい、「中国に立ち向かう覚悟を持って、日本を真っ当な国家として再生してくれることを願っています」とエールを送っている。  この文章を巻頭に持ってきたのだから、ポスト編集部の考えとも近いのだろう。櫻井の考え方に賛意を示す人もいるだろうが、私はそうした考えには与しないので、これを選ばなかった。  サンデー毎日は東京都、大阪府、愛知県、福岡県で政党投票先を1,427人に電話で回答してもらって、そのランキングを発表している。  上位を見てみると、東京都は自民党22.5%、民主党14.7%、日本維新の会9.6%。大阪府は日本維新の会26.7%、自民党18.5%、公明党8.8%。愛知県は自民党21.6%、民主党15.6%、日本維新の会8.3%。福岡県では自民党22.0%、民主党14.0%、日本維新の会8.7%となっている。  面白いのは、この調査の前日に発表した日本未来の党が、4都道府県合計では公明党の6.6%に続いて6.1%で、6位に入っていることだろう。反原発を鮮明にすれば、東北だけではなく、全国的に無党派層を取り込めるかもしれない。  さて、第3位に選んだのは文春の安倍批判の記事である。  その中で安倍語録を拾ってみよう。 「日銀の独立性についてよく言われるけど、今は野党の党首だから何を言ってもいいんだよ。オレだって総理になったらそんなことは言わないよ。政策目標は言うけど、手段は言わない。それで今、言ってるんだ」 「政権に復帰したら経済諮問会議を復活させる。事務局を財務省にしたら終りだよね。消費税についても、上げなくてもいいんじゃないの。来年の四~六月期がマイナス成長になったら上げないよ」 「訪米は真っ先にする。中国は後回しでもいいだろう。集団的自衛権については、安保基本法で解釈を変える。ただオバマ政権なので訪米のタイミングではなく、参議院選挙までとっておいてもいいかな」 「猪瀬は世論調査の数字が良くて『オレの数字良かったでしよ』と菅(義偉・幹事長代行)に言ってきてさ。それを聞いて猪瀬って嫌な奴だなぁと思ったけど、勝たないといけないしね」 「総理になったら、(新聞、テレビ記者による)ぶら下がり取材は受けない。毎日、ひたすらFacebookで発信する!」  憲法改正、集団的自衛権の行使など、ウルトラタカ派の石原慎太郎・日本維新の会代表を凌ぐ過激な発言と、経済政策への言及が多い。だが、ナンバー2の石破茂幹事長は、自民党内で一番人気があるのは俺だと、ポスト安倍を虎視眈々と狙っているそうだ。  安倍総裁はFacebookにたいそう熱心で、ネトウヨと呼ばれるネット右翼からは熱烈歓迎されている。  だが、インフレ政策をとると公言しているので、総理になってからの「安倍不況」が心配だと、経済ジャーナリストの荻原博子がこう指摘する。 「インフレは、物価と同じように賃金も上がらなければ、増税と一緒です。ただ国際競争が激しい経済情勢で物価と同じように賃金を上げられるかと言えば、かなり難しいでしょう。また年金も物価と同じようには上がりません。派遣で働く人たちや、年金生活者などは大きな打撃を受けます」  景気がよくなっても、賃金が上がらなかったのは、前回の安倍政権時も同じだったと続ける。 「安倍さんが総理だった○六年から○七年は、いざなぎ景気を超える戦後最長の景気拡大期間で、富裕層は好況でしたが、民間給与は下がりっぱなしでした。この十年で平均給与は四十万円も減っています。給料に跳ね返らない景気回復が、前回と同じように起こるかもしれません」  安倍の唱える2~3%のインフレに近い状態になったのが、08年6月だった。この時、消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)が前年同月比で1.9%アップしたが、原因は、原油や穀物の国際価格の高騰だった。その結果、食料品が高勝、中でもスパゲティが約3割、鶏肉が約1割値上がりし、企業は内容量を減らすなどで対応しようとしたが、消費者の購買意欲は大きく落ち込んだ。インフレは、主婦にとっても厳しいと文春は書いている。  大手銀行アナリストがこう嘆いている。安倍の経済政策をそのまま実行することは、日本国民をモルモットにした壮大な社会実験だが、失敗する確率が圧倒的に高く、その代償として国債暴落やハイパーインフレを起こし、日本を壊滅させるリスクが大きすぎるというのだ。  ちなみに新潮は、妻のアッキーこと昭恵のやっている居酒屋が大繁盛していると報じているが、「周囲の忠告に耳を貸さず、Facebookというネット空間での人気に酔う安倍氏」の危うさを指摘している。  2位には、今回の選挙で一番注目されている維新関連の記事を2本選んだ。  AERAは出馬選挙区が決まった維新の候補149人の経歴や肩書き、備考を一覧表にして掲載している。  維新の候補で目立つのは政治経験のない無名候補の多さだが、維新は比例区に重複立候補する際の供託金も含めて、すべてを自腹でまかなうため、医師や経営者など、資金に余裕のある公認候補が多い。  多くは政治素人だが、地方議員・首長から国会転身を狙う候補が29人、参議院からの鞍替え組と前衆議院議員が14人、落選している浪人が26人と合計69人もいる。  意外に少ないのは女性候補で、12人しかいない。だがその中には、国民的美魔女コンテストに出場歴のある海老沢由紀(38、茨城1区)や元グラビアアイドル佐々木理江(30、東京2区)など異色の候補がいる。  多くが縁もゆかりもない選挙区での落下傘候補が多く、佐々木の選挙事務所では、選挙区である各市の地図が開かれないまま置いてあるとAERAが書いている。  全額自腹のため資金がなくて候補を辞退する者も相次いで、すでに7人になる。  新潮に、維新の候補になったが降りてしまった東京都内の会社員・斎藤洋一郎(32)の話が載っている。  彼は維新が10月17日から始めた候補者の第2次に応募した。締め切りは11月1日。書類を送ったのはギリギリの10月31日だった。 「書類選考通過の連絡を受けた斎藤氏が面接のために大阪に赴いたのは11月17日。維新のスタッフ2名による約30分の面接を受け、その4日後の21日、再び大阪を訪れた彼は早くも公認決定を告げられたのだ」(新潮)  斎藤がこう語る。 「21日の最終面接ではさすがに橋下さんか石原さんに会うのかと思っていたのですが、違う人でしたね。驚いたのは、小選挙区の候補を4つ挙げられ“どこにするか決めてくれ”と言われたことです。僕の故郷の岐阜県は入っていなくて、静岡7区と静岡4区など。静岡7区を選んだのは、その中で比較的岐阜に近かったからです」  その日に慌しく写真撮影や選挙に関する簡単な説明会が行われ、供託金300万円と広報費100万円の計400万円を党に振り込むよう記した用紙も配られた。  早速知人が一人もいないところで活動を始めた彼に、翌日、維新から電話があり「静岡7区ではなく4区にしてほしい」といってきたというのだ。  彼はその翌日に辞退を申し出た。  選挙戦が始まる前からこのていたらくでは、選挙が始まると意外に維新は苦戦するかもしれない。  今週の選挙報道部門のグランプリは、現代にあげたい。自民党と維新の議席数が多すぎるとは思うが、全体的にバランスがよく、選挙記事とは違うがユニクロの柳井正社長の政治批判も面白く読めた。  現代は11月23日~26日にわたって、民間の調査会社を使って全国300選挙区で各100人の有権者から、インターネットで調査を行った。  合計3万人になる。このところ部数好調だと聞く現代だからできる大型調査であろう。  そうすると驚くべき結果が出たというのだ。自民党が294議席、民主党が26議席、維新が97議席、みんなの党が22、日本未来の党が16である。  いくらなんでもと思うが、まだ投票先を決めていない人が50%もいる。  そこで、数値を修正するなどしたシミュレーションが隣に載っている。50%もの人たちがどう投票するのかを入れ込んでシミュレーションすると、自民党は174に激減する。だが民主党は19とさらに減って、維新が何と183になるというのだ。みんなの党が43、日本未来の党が37となっている。  維新は候補者の数を追い越してしまっているのだが、これはどうしたことだろう。  次の総理には誰がいいかという質問には、小泉純一郎元首相という回答が61人もいたそうだ。  第2部「橋下が苦手 安倍がキモイ 野田は論外で 小沢だけは許せない」の中で内田樹神戸女学院大学名誉教授はこう語っている。 「二大政党時代になれば、『合従連衡』などという言葉は死語になると思っていましたが、ならなかった。この離合集散傾向は選挙の後も続くでしょう。それはこれからの日本にはもはや政策上の選択肢の幅があまりないということを意味しています。  解散時点での第1党や、第2党は原発と財政についてはほぼ同じ政策。外交についても言葉遣いの違いしかありませんでした。旧い第三極と新しい第三極──どう呼び分けたらよいのか──は新党を結成しては解党し、政策を『日替わり』にしている。『どんな政策を掲げれば選挙に勝てるのか』が優先的に配慮されており『勝とうが負けようが、これだけは譲れない』というような政策に殉じる気はなさそうです。社民党と共産党は『議席数より綱領の一貫性』を選択してきましたが、それを『立派だ』と賞賛する声は聞こえてきません」  要は、官僚、財界、検察がメディアまでをからめとり日本全土を覆い尽くしているから、誰が政権をとっても代わり映えしないと有権者が思ってしまっている。これではまた民主党政権の時と同じ失敗を繰り返すのではないだろうか。  この特集とは別に、ユニクロの柳井社長が政治批判を声高に語っている。  まずは民主党政権批判。 「現在の日本の政治は酷すぎる。もはや数々の『愚政』に、黙ってはいられません。とくに民主党政権を振り返って思うのは、『政治家であってはいけない人が政治家だった』ということです。政治家は、自分の言動に対して、責任を持たなければならない。民主党政権を担った政治家たちには、責任感がまったくなかったように思います。鳩山(由紀夫・元総理)さんが衆院選への出馬を見送ったことがニュースになりました。彼は政治家にまるで向いていなかった。評論家ならいいのかもしれませんが、言うなれば『夢想家』でしかなかった。政治家は国民のために政治をしなければならないはずです。しかし、その『国民のため』という感覚が、鳩山さんにはまるで見られませんでした(中略)民主党の政治家たちは、マニフェストの実現に命をかけるなんて言って、誰一人として命なんかかけていない。大嘘つきばかりですよ」  次には安倍自民党総裁をバッサリ。 「安倍(晋三・自民党総裁)さんは、右翼的なところと、自民党的な『バラマキ体質』が良くない。発言が軽すぎるし、もっと考えて発言したほうがいい。『国防軍』のようなタカ派的な発想や、『国土強靱化』を掲げて公共事業を増やすと公言したことで、支持率は落ちるのではないかと思います」  返す刀で橋下徹大阪市長と石原慎太郎日本維新の会代表も斬る。 「橋下(徹・大阪市長)さんには、以前は期待をしていました。彼は日本の統治機構を変えるという姿勢や、実行力を持っている。小泉純一郎(元総理)さん以来の強いリーダーかもしれないと。  しかし、石原(慎太郎・日本維新の会代表)さんと、主義主張が違うのにくっついてしまった。あれは良くない。橋下さんは目立つ存在だし、他の人に利用されてしまうのでは、と心配です。  石原さんは、根っこのところで、文学者なのではないかと思います。政治家ではない。非常に思想的です。国民と一緒に、という部分が欠落している。戦争してもいい、と言っているように聞こえますが、自分一人で立ち向かうのとは話が違います。政治家が、とくに日本を代表しようという人が、好戦的な発言をするというのは理解できません」  そしてこう結ぶ。 「国民のために政治をしようと、本心から思っている人に政治をして欲しいですね。今のままでは、日本は悪くなるばかりです」  タイトルにある「日本人よ もっと必死で カネを稼ごう」という主張には全面的に頷けないが、政治に対する考え方は頷ける。今の経団連の米倉弘昌会長に代えて、彼を会長にしたほうが日本のためにいいのではないか。 (文=元木昌彦)

ニクいぜ、グリコ! 話題の「グリコピア・イースト」でわくわく工場見学

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“ゴールインマーク”と一緒に記念撮影!
ゆるいものならなんでも大好き♪ ロリ顔ライター・朝井麻由美が気になるスポットをご案内します。  「工場見学」という仕組みを考えた人を胴上げしたい、と常々思っている。それくらい、工場見学の面白さに絶対の信頼を寄せているのだ。工場見学がなぜ楽しいって、企業側が全力で来場客を楽しませようと、渾身のホスピタリティを発揮してくるからである。商品ができるまでのまあまあカッコいいマシンを見せて、食品系の場合はいいにおいを嗅がせ、開発における泣かせるヒストリーを聴かせ、見学が終わる頃には購買意欲ゲージが満タンになる。いい気分になった見学客は、帰りにショップでしこたま買い込んで機嫌よく帰る。お互いが幸せな気持ちになる素敵なサイクルではないか。いいようにノセられているとしても、それでいい。好きだ、工場見学。  そんな筆者の工場見学への異常な愛情を満たしてくれそうな施設を発見した。グリコが10月、埼玉県にオープンした『“わくわくファクトリー”グリコピア・イースト』だ。なんと、オープン以来予約が途切れることなく、来年1月までほぼ埋まっている状況だという。“わくわくファクトリー”だなんて、名前からして楽しくないわけがない。文字通り、わくわくしながら取材の日を迎えた。
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入り口には、いきなりチョコレートの川が流れていました。わくわく。
■「ポッキーストリート&プリッツストリート」  工場見学といえば、創業者のドキュメンタリーが流れて、たいてい機械の説明があって、というのがお決まりのパターン。「グリコピア・イースト」でもその流れにのっとり、創業者・江崎利一氏の苦労話ドキュメンタリーから始まった。続いて、チョコレート菓子の工場といえば欠かせない、カカオ豆からチョコレートを練るまでの過程の紹介映像。これらを15分近く見た後、プリッツ、ポッキーのそれぞれの工場(「ポッキーストリート&プリッツストリート」)へ。
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「グリコピア・イースト」のアテンダントは軒並み美人。
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こねられた生地がパスタのように流れてきた。
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45mのオーブンで約4分間焼かれたプリッツがこんがりお目見え。
ホースの先にあるノズルから調味料をかけて味付け。
■レトロ体験&展示「グリコタウン」  『グリコピア・イースト』では、20人程度のグループで見学するのだが、ポッキー・プリッツ工場では、機械の一挙一動に子どもが大はしゃぎする一方、大人は「社会科見学を思い出すわ」とでも言いたげにクールな顔でさらりと見て回っているのが印象的だった。それが、この『グリコタウン』では攻守交代である。グリコ名物「映画付きグリコ自動販売機」(昭和6年のものを復元)が置いてあるのに思わず頬が緩む中年以上。しかも、実際に当時の硬貨である10銭を入れれば、約20秒間映画が流れた後にちゃんとグリコが出てくる。
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「グリコを続けて5~6個買うと、映画を最後まで見ることができました」
とアテンダントさん。商売上手な仕組みである。
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グリコと2銭のお釣りが出てきた。自販機で買うと、
通常10銭のところが割引で買えるのだ。
 さらに、追い打ちをかけるように、大正10年から現在に至るまでのグリコのおもちゃを、年代順に1500点展示。よくよく観察していると、それぞれ自分が遊んだことのある年代の場所で足を止めているようだった。 ■クイズ番組を体感! 『スタジアムホール』  ニクい演出ですっかり全員が童心に帰ったところで、ファンシーな映像を見ながらのクイズにチャレンジ。2人1組で席に着き、おとぎの国へ出発するとクイズスタート。クイズ内容は、「今までの見学をしっかり聞いていたかナ?」と言わんばかりのグリコ知識問題の連発だった。全然ファンシーじゃない……。「ファンタジープラネットに着きましたよ! さあ、最初のクイズを探しましょう!」とメルヘンなアナウンスに油断していると、筆者のようにポカミス連発で参加者ランキングで最下位になるので注意が必要である。
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クイズは3択で、目の前にあるボタンを押す。
クイズ番組にありそうなグラフィックで乗り物を操作するようなシーンもある。
 最後に、「フォトスタジオゾーン」にそびえ立っていた“ゴールインマーク”と一緒に記念撮影をしてシメ! と、思ったのだが……  なんと、芸が細かいことに、帰り際に寄ったお手洗いまで“ゴールイン”していたのだった。 guri_9.JPG
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赤ん坊も“ゴールイン”。
●わくわく度 ★★★★★ 工場の様子もさることながら、昔を再現した「グリコタウン」に、本格的なCGクイズが体験できる『スタジアムホール』とわくわく続き。やはり、工場見学というレジャーにハズレはないのだ。ちなみに、下の写真は、唯一の有料コーナー「ミニファクトリー」でポッキーをデコレーション中の様子。チョコペンやデコレーションシュガーを駆使して張り切ってデザインしたものの、結果はこの通り。我ながらコメントのしようがない微妙すぎる出来に心底困惑……。「ワクワクさーん……その変なポッキーなぁに~?」
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自分だけのオリジナルポッキーを作れます。
guri_11.JPG (取材・文=朝井麻由美) ●“わくわくファクトリー” グリコピア・イースト < http://www.glico.co.jp/glicopia/east/ > 埼玉県北本市中丸9-55。JR北本駅よりバスで10分。受付時間は9:30~16:30、毎週金曜日・お盆休み・年末年始は休館。案内時間は9:30・11:00・12:30・14:00の4回。所要時間約70分。入館料は無料(一部有料コーナーあり)。完全予約制のため、まずは電話(048-593-8811)かネットで。 ※本記事での見学コースは一例です。内容は同じですが、回る順番はグループによって変わります。(1回の定員は80人までで、基本4グループに分かれて見学) ※「ミニファクトリー」でのポッキー作りのみ有料(500円・所要時間30分)。中学生までのお子様が優先で、定員26人に満たない場合は大人も参加可能。定員を超えた場合は抽選。 「散歩師・朝井がゆく」過去記事はこちらから

単なるすごろくを超えた、プレイヤー同士の白熱バトル「パーティジョイ」今昔物語

アナログとデジタルの過渡期であった1980年代。WiiもPS3もなかったけれど、ジャンクでチープなおもちゃがあふれていた。足りない技術を想像力で補い、夢中になって集めた「キン消し」「ミニ四駆」「ビックリマンシール」......。懐かしいおもちゃたちの現在の姿を探る!   ガンダム、キン肉マン、スーパーマリオといった人気キャラクターや、探偵、怪談、冒険など子ども心をくすぐるテーマで作られたボードゲームを、わずかB5サイズのボックスに凝縮した「パーティジョイ」シリーズを覚えている者は幸せである。心豊かであろうから……。  というわけで、今回振り返るのは、株式会社バンダイが80年代初頭から90年代初頭にかけて発売していたボードゲーム「パーティジョイ」シリーズだ。1000円というお手ごろな価格や、さまざまなテーマや題材をありとあらゆるアイデアでゲーム化した「パーティジョイ」シリーズは、およそ10年の歴史の中でなんと130タイトル以上も発売。ボードゲームのブランドとしては驚異的なロングランシリーズとして、僕たちを大いに楽しませてくれた。  今回はそんな「パーティジョイ」シリーズ初期から終焉まで、数多くのタイトルを制作していたひとりである野村紹夫氏に「パーティジョイ」の裏話を聞いてみた。 ■白熱のゲームを生み出した、「本気」の制作現場
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 野村氏がまず見せてくれた代表作は「キン肉マン」シリーズ。厚紙で実際にリングを組み立てて、その上でプレイヤーたちが火花を散らす……という「キン肉マン・ザ・ファイナル・ウォーズ」や、縦に伸びる立体的な盤面が特徴的な「キン肉マン・地獄のタイトルマッチ」など、単なるすごろくゲームと言い切ることのできない、原作のテイストを多分に盛り込みつつ、ビジュアル的に楽しく、何よりプレイヤー同士の熱い駆け引きを実現したタイトルばかりだ。  「パーティジョイ」シリーズの魅力といえばコレである。「パーティジョイ」シリーズには、原作のテイストを盤上に再現するべく、ただのすごろくに終わらない制作者の創意工夫と熱意がこれでもかとばかりに凝縮されていたのだ。そんな懐かしさと色あせないゲームの魅力に満ちた「パーティジョイ」シリーズに野村氏が関わるようになったのは、20番の頃からだそうだ。 「最初は参加していなかったので分からないのですが、シリーズ20番くらいから100番あたりまでは非常に盛り上がってましたね。売り上げも比較的良かったですし、バンダイの担当者の方も本気でしたから、中途半端なものを持っていったら『ふ~ん、こんなもんか』って鼻で笑われてしまうんです。その顔が見たくないからこっちも本気でやるという感じで、必死で作りましたね」
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 野村氏は、当時を懐かしむようにそう語る。そんなゲーム好きなスタッフ同士のガチンコのぶつかり合いから「パーティジョイ」は生まれていたそうだ。 「『パーティジョイ』を指揮していたのはバンダイ栃木工場で、実際に制作を受け持っていたのは自分が当時働いていたM社(今はもう存在していない)とS社の2社でした。聞いた話では、S社は1つのゲームをチームで担当するスタイルで、主に正統派なすごろくゲームの発展型を作っていたのですが、うちは基本的にひとり1タイトルずつ担当していました。だからなのか、わりと作家性の強い、実験作みたいなものが多かったと思います」  そんな「パーティジョイ」のリリースペースは、ほぼ月1~2本というハイペース。必然的にゲームの制作ペースも早くなる。 「同時にいくつも並行していたので正確なところは分かりませんが、概ね3カ月かからないくらいで1本作っていました。ゲームを出そうという企画が立ち上がって最初の1カ月以内にゲームルールと説明書原稿を作って、次の1カ月でデザインから版下までを作って、最後の1カ月で生産という流れでした。何かウケそうな話題があれば、とりあえずそれで『パーティジョイ』を出すという雰囲気はありましたね。『パーティジョイ』って、そのキャラや題材が売れるかどうか、様子を探る斥候みたいなもんだったんですかね」  「パーティジョイ」に携わっている期間、野村さんは年がら年中ゲームばかり作っていたという。 ■最大のライバル「ファミコン」の出現
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 野村さんの思い出の作品は、1984年に発売された、初めてひとりで制作したというオリジナルタイトル「日本全国ミケ猫トマトの配達屋さんゲーム」だそうだ。宅配ドライバーになったプレイヤー同士で荷物を奪い合い、目的地に届けるというシンプルながらエキサイティングな内容は、社内でも非常に高い評価を得たらしい。本作のキモは、なんといっても「ギリギリの駆け引き」だそうだが、その精神はほかのタイトルにも息づいている。  当時、急激に勢いを増しつつあったファミコンを題材にしたゲームも多数制作されたそうだが、その中でも特に自信作なのが、同名のファミコンゲームを題材とした「ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境」。妖怪が左右から襲ってくるというスピーディな横スクロールアクションゲームをボードゲーム化する際、野村氏はほかのプレイヤーが振った目で妖怪も動く、というアイデアを盛り込んだ冒険ゲームに仕上げた。  その結果、自分以外のプレイヤーの番でも目を離すことができないという、原作のゲームとはひと味違う非常にスリリングな展開が可能となった。
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「ファミコンはファミコンだから面白いんです。ただマップを進んで敵がいたから倒しました、というボードゲームにしても面白くならない。だから、絶対に目を離せない恐怖に駆られるゲームを作りたかったんです。一晩中ファミコンをプレーして、鬼太郎の“怖い”ってなんだろうというのを考え抜いて、ゲームで出せる怖さを追求しました。そんなふうにボードゲームならではの面白さを出すために、題材とするファミコンゲームとは異なるテイストに変えさせてもらうこともありましたね」  ボードゲームを作る上でのこだわりとプライドが感じられる一方で、こんな言葉も飛び出した。 「ボードゲーム屋としては、そもそもファミコンに負けるっていうのは分かっていました。80年代半ば頃には、すでにボードゲームは時代遅れだったんです。そんな中でコンスタントにシリーズとして発売していたのはバンダイくらいで、ほかのメーカーはそんなに力を入れているわけではない。やっぱり紙ものってそんなに高級感もないし、いざとなったら自分でも作れるだろう、みたいな意識があったのか、バンダイ社内でもそんなに評価はされてなかったですね。むしろ、ファミコンにいつまで対抗できるかという勝負なところはありました。ただ、バンダイの歴代担当者にどれだけ情熱があったかはわかりませんが、我々は1本1本に誇りを持って作っていました」  そんな敗色濃厚な戦いに挑んだ野村氏をはじめとする「パーティジョイ」スタッフだが、シリーズはファミコン全盛期の80年代を生き抜き、スーパーファミコンの時代となった90年代初頭まで存続。結果的に次世代ゲームの時代まで孤軍奮闘し、ひっそりと終焉を迎えた。 「たぶん対抗できていたのは85~86年くらいまでではないですかね。ただ、ファミコンはひとり1台買えば楽しめましたけど、『パーティジョイ』は1個あれば最大4人遊べますから。そういう意味では、売れた個数「×4」でカウントすれば、いい勝負をしていたと思います(笑)」  そう野村氏は、激戦を戦い抜いた戦士のような穏やかな口調で語った。 ■「パーティジョイ」の終焉と、その後  ドンジャラやルーレットゲームなど、その他大勢のパーティゲームとは一線を画すブランドとして存続していた「パーティジョイ」だが、次第にこだわりを持つ関係者が減っていったことや市場の縮小、バンダイ側も含めた体制の変化もあり、シリーズは「すーっと終わっていった」そうだ。
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「ファミコンなんかのデジタルなゲームに押されるボードゲームの火を絶やさない、なんて意識もありましたけど、独りよがりですよね。実際、世の中にボードゲーム待望の空気はありませんでした。作っている僕らはボードゲームが好きだし、子どもたちからも『パーティジョイクラブを作りました』というお便りをもらったこともあるくらい手ごたえはあったのですが、だんだんそういう子たちも卒業していって、ファミコンで育った子達と世代交代して『パーティジョイ』なんか知らない子たちが増えて、やがて消えていくんだろうなと、そういう意識の中であがいてました」  そんなボードゲーム愛と確実に存在するユーザーへの思いを糧に、「パーティジョイ」を作り続けた野村氏だが、現在もボードゲームを追いかけているゲームファンから「当時遊んでいた」という声をもらうことがあるそうだ。
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野村紹夫氏
「当時僕たちがつけちゃった火が、まだくすぶっている人たちが多くいるんですよね。当時、他社は簡単なすごろくばっかりだったんです。でも、マスに止まったらそれっぽいことが書いてあるだけっていうのが、すごく嫌だったんです。『キン肉マン』のゲームならキン肉マンになりたいんであって、お話をマスでなぞりたいんじゃない。だから安易なすごろくは作らないと心に決めていました。ただ、周囲の一部から、子どもには難しいんじゃないかとか、もっと単純にしないと面白くないんじゃないかとは言われていましたね。そういう言葉に必死に抵抗していたのですが、今になって『やっぱりこだわってよかった』って思います。あれがただのすごろくだったら、今まで引っ張ってもらえなかったと思います。大人げないですけど(笑)」  野村氏を含むゲームデザイナーたちが、さまざまな相手と戦い生み出した数々の「パーティジョイ」の魂は、今も多くのゲームファンの心に焼き付いているのだ。  現在、大手玩具メーカー以外にもインディーズ系のメーカーや同人サークルからさまざまなタイトルが発表され、密かに盛り上がりつつある日本国内のボードゲームシーンだが、その源流はもしかしたら「パーティジョイ」にあるのかもしれない。  取材の終盤、今はボードゲーム制作からは遠ざかっている野村氏に、今後再びボードゲーム制作に挑戦する予定はないのかと尋ねてみた。 「自分も、またゲームを作ろうかなと思っています。去年から考えてはいるんですけど、仕事が忙しくて……。ただ頭の中ではアイデアを温めています」  この盛り上がりを知る野村氏も、ボードゲーム熱が再燃しつつあるようだ。その日を待ちながら、久しぶりに友達と顔を突き合わせて「パーティジョイ」でガチンコ勝負するのも一興かもしれない。 (文=有田シュン) 「バック・トゥ・ザ・80'S」過去記事はこちらから

単なるすごろくを超えた、プレイヤー同士の白熱バトル「パーティジョイ」今昔物語

アナログとデジタルの過渡期であった1980年代。WiiもPS3もなかったけれど、ジャンクでチープなおもちゃがあふれていた。足りない技術を想像力で補い、夢中になって集めた「キン消し」「ミニ四駆」「ビックリマンシール」......。懐かしいおもちゃたちの現在の姿を探る!   ガンダム、キン肉マン、スーパーマリオといった人気キャラクターや、探偵、怪談、冒険など子ども心をくすぐるテーマで作られたボードゲームを、わずかB5サイズのボックスに凝縮した「パーティジョイ」シリーズを覚えている者は幸せである。心豊かであろうから……。  というわけで、今回振り返るのは、株式会社バンダイが80年代初頭から90年代初頭にかけて発売していたボードゲーム「パーティジョイ」シリーズだ。1000円というお手ごろな価格や、さまざまなテーマや題材をありとあらゆるアイデアでゲーム化した「パーティジョイ」シリーズは、およそ10年の歴史の中でなんと130タイトル以上も発売。ボードゲームのブランドとしては驚異的なロングランシリーズとして、僕たちを大いに楽しませてくれた。  今回はそんな「パーティジョイ」シリーズ初期から終焉まで、数多くのタイトルを制作していたひとりである野村紹夫氏に「パーティジョイ」の裏話を聞いてみた。 ■白熱のゲームを生み出した、「本気」の制作現場
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 野村氏がまず見せてくれた代表作は「キン肉マン」シリーズ。厚紙で実際にリングを組み立てて、その上でプレイヤーたちが火花を散らす……という「キン肉マン・ザ・ファイナル・ウォーズ」や、縦に伸びる立体的な盤面が特徴的な「キン肉マン・地獄のタイトルマッチ」など、単なるすごろくゲームと言い切ることのできない、原作のテイストを多分に盛り込みつつ、ビジュアル的に楽しく、何よりプレイヤー同士の熱い駆け引きを実現したタイトルばかりだ。  「パーティジョイ」シリーズの魅力といえばコレである。「パーティジョイ」シリーズには、原作のテイストを盤上に再現するべく、ただのすごろくに終わらない制作者の創意工夫と熱意がこれでもかとばかりに凝縮されていたのだ。そんな懐かしさと色あせないゲームの魅力に満ちた「パーティジョイ」シリーズに野村氏が関わるようになったのは、20番の頃からだそうだ。 「最初は参加していなかったので分からないのですが、シリーズ20番くらいから100番あたりまでは非常に盛り上がってましたね。売り上げも比較的良かったですし、バンダイの担当者の方も本気でしたから、中途半端なものを持っていったら『ふ~ん、こんなもんか』って鼻で笑われてしまうんです。その顔が見たくないからこっちも本気でやるという感じで、必死で作りましたね」
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 野村氏は、当時を懐かしむようにそう語る。そんなゲーム好きなスタッフ同士のガチンコのぶつかり合いから「パーティジョイ」は生まれていたそうだ。 「『パーティジョイ』を指揮していたのはバンダイ栃木工場で、実際に制作を受け持っていたのは自分が当時働いていたM社(今はもう存在していない)とS社の2社でした。聞いた話では、S社は1つのゲームをチームで担当するスタイルで、主に正統派なすごろくゲームの発展型を作っていたのですが、うちは基本的にひとり1タイトルずつ担当していました。だからなのか、わりと作家性の強い、実験作みたいなものが多かったと思います」  そんな「パーティジョイ」のリリースペースは、ほぼ月1~2本というハイペース。必然的にゲームの制作ペースも早くなる。 「同時にいくつも並行していたので正確なところは分かりませんが、概ね3カ月かからないくらいで1本作っていました。ゲームを出そうという企画が立ち上がって最初の1カ月以内にゲームルールと説明書原稿を作って、次の1カ月でデザインから版下までを作って、最後の1カ月で生産という流れでした。何かウケそうな話題があれば、とりあえずそれで『パーティジョイ』を出すという雰囲気はありましたね。『パーティジョイ』って、そのキャラや題材が売れるかどうか、様子を探る斥候みたいなもんだったんですかね」  「パーティジョイ」に携わっている期間、野村さんは年がら年中ゲームばかり作っていたという。 ■最大のライバル「ファミコン」の出現
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 野村さんの思い出の作品は、1984年に発売された、初めてひとりで制作したというオリジナルタイトル「日本全国ミケ猫トマトの配達屋さんゲーム」だそうだ。宅配ドライバーになったプレイヤー同士で荷物を奪い合い、目的地に届けるというシンプルながらエキサイティングな内容は、社内でも非常に高い評価を得たらしい。本作のキモは、なんといっても「ギリギリの駆け引き」だそうだが、その精神はほかのタイトルにも息づいている。  当時、急激に勢いを増しつつあったファミコンを題材にしたゲームも多数制作されたそうだが、その中でも特に自信作なのが、同名のファミコンゲームを題材とした「ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境」。妖怪が左右から襲ってくるというスピーディな横スクロールアクションゲームをボードゲーム化する際、野村氏はほかのプレイヤーが振った目で妖怪も動く、というアイデアを盛り込んだ冒険ゲームに仕上げた。  その結果、自分以外のプレイヤーの番でも目を離すことができないという、原作のゲームとはひと味違う非常にスリリングな展開が可能となった。
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「ファミコンはファミコンだから面白いんです。ただマップを進んで敵がいたから倒しました、というボードゲームにしても面白くならない。だから、絶対に目を離せない恐怖に駆られるゲームを作りたかったんです。一晩中ファミコンをプレーして、鬼太郎の“怖い”ってなんだろうというのを考え抜いて、ゲームで出せる怖さを追求しました。そんなふうにボードゲームならではの面白さを出すために、題材とするファミコンゲームとは異なるテイストに変えさせてもらうこともありましたね」  ボードゲームを作る上でのこだわりとプライドが感じられる一方で、こんな言葉も飛び出した。 「ボードゲーム屋としては、そもそもファミコンに負けるっていうのは分かっていました。80年代半ば頃には、すでにボードゲームは時代遅れだったんです。そんな中でコンスタントにシリーズとして発売していたのはバンダイくらいで、ほかのメーカーはそんなに力を入れているわけではない。やっぱり紙ものってそんなに高級感もないし、いざとなったら自分でも作れるだろう、みたいな意識があったのか、バンダイ社内でもそんなに評価はされてなかったですね。むしろ、ファミコンにいつまで対抗できるかという勝負なところはありました。ただ、バンダイの歴代担当者にどれだけ情熱があったかはわかりませんが、我々は1本1本に誇りを持って作っていました」  そんな敗色濃厚な戦いに挑んだ野村氏をはじめとする「パーティジョイ」スタッフだが、シリーズはファミコン全盛期の80年代を生き抜き、スーパーファミコンの時代となった90年代初頭まで存続。結果的に次世代ゲームの時代まで孤軍奮闘し、ひっそりと終焉を迎えた。 「たぶん対抗できていたのは85~86年くらいまでではないですかね。ただ、ファミコンはひとり1台買えば楽しめましたけど、『パーティジョイ』は1個あれば最大4人遊べますから。そういう意味では、売れた個数「×4」でカウントすれば、いい勝負をしていたと思います(笑)」  そう野村氏は、激戦を戦い抜いた戦士のような穏やかな口調で語った。 ■「パーティジョイ」の終焉と、その後  ドンジャラやルーレットゲームなど、その他大勢のパーティゲームとは一線を画すブランドとして存続していた「パーティジョイ」だが、次第にこだわりを持つ関係者が減っていったことや市場の縮小、バンダイ側も含めた体制の変化もあり、シリーズは「すーっと終わっていった」そうだ。
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「ファミコンなんかのデジタルなゲームに押されるボードゲームの火を絶やさない、なんて意識もありましたけど、独りよがりですよね。実際、世の中にボードゲーム待望の空気はありませんでした。作っている僕らはボードゲームが好きだし、子どもたちからも『パーティジョイクラブを作りました』というお便りをもらったこともあるくらい手ごたえはあったのですが、だんだんそういう子たちも卒業していって、ファミコンで育った子達と世代交代して『パーティジョイ』なんか知らない子たちが増えて、やがて消えていくんだろうなと、そういう意識の中であがいてました」  そんなボードゲーム愛と確実に存在するユーザーへの思いを糧に、「パーティジョイ」を作り続けた野村氏だが、現在もボードゲームを追いかけているゲームファンから「当時遊んでいた」という声をもらうことがあるそうだ。
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野村紹夫氏
「当時僕たちがつけちゃった火が、まだくすぶっている人たちが多くいるんですよね。当時、他社は簡単なすごろくばっかりだったんです。でも、マスに止まったらそれっぽいことが書いてあるだけっていうのが、すごく嫌だったんです。『キン肉マン』のゲームならキン肉マンになりたいんであって、お話をマスでなぞりたいんじゃない。だから安易なすごろくは作らないと心に決めていました。ただ、周囲の一部から、子どもには難しいんじゃないかとか、もっと単純にしないと面白くないんじゃないかとは言われていましたね。そういう言葉に必死に抵抗していたのですが、今になって『やっぱりこだわってよかった』って思います。あれがただのすごろくだったら、今まで引っ張ってもらえなかったと思います。大人げないですけど(笑)」  野村氏を含むゲームデザイナーたちが、さまざまな相手と戦い生み出した数々の「パーティジョイ」の魂は、今も多くのゲームファンの心に焼き付いているのだ。  現在、大手玩具メーカー以外にもインディーズ系のメーカーや同人サークルからさまざまなタイトルが発表され、密かに盛り上がりつつある日本国内のボードゲームシーンだが、その源流はもしかしたら「パーティジョイ」にあるのかもしれない。  取材の終盤、今はボードゲーム制作からは遠ざかっている野村氏に、今後再びボードゲーム制作に挑戦する予定はないのかと尋ねてみた。 「自分も、またゲームを作ろうかなと思っています。去年から考えてはいるんですけど、仕事が忙しくて……。ただ頭の中ではアイデアを温めています」  この盛り上がりを知る野村氏も、ボードゲーム熱が再燃しつつあるようだ。その日を待ちながら、久しぶりに友達と顔を突き合わせて「パーティジョイ」でガチンコ勝負するのも一興かもしれない。 (文=有田シュン) 「バック・トゥ・ザ・80'S」過去記事はこちらから

昼と夜、“2つの顔”を持つエリートOL 彼女を襲った魔の手が生み出した“2つの悲劇”真犯人の手がかりは?

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『東電OL殺人事件』(新潮文庫)
何かが狂ってしまった現代社会。毎日のようにニュースに流れる凶悪事件は尽きることを知らない。そして、いつしか人々はすべてを忘れ去り、同じ過ちを繰り返してゆく......。数多くある事件のなかでも、未だ犯人・被疑者の捕まっていない"未解決事件"を追う犯罪糾弾コラム。 第21回 渋谷・東電OL殺害事件 (1997年3月)  東京都渋谷区円山町。ラブホテル街としても知られるこの地域は、喧騒に満ちた渋谷・道玄坂にほど近い、都内屈指の高級住宅地である松濤の南側に近接している。  1997年3月9日、渋谷という土地の持つ両面の狭間とも言うべきこの街で、惨劇が起きた。とあるアパートの空室で、女性の遺体が発見されたのだ。死後10日ほどたった遺体の首には絞められた跡があり、警察は他殺と判断した。  この事件が世間の耳目を集めることになったのは、殺害された女性の華麗な経歴と、昼と夜のまったく異なる“2つの顔”にマスコミが食いついたからである。被害者の女性は、東京電力に勤務する渡邉泰子さん(39)。彼女は、これぞエリートといえる華々しい経歴の持ち主である。慶應義塾女子高校を経て慶應義塾大学経済学部を卒業し、東京電力に入社。彼女の父親も東京電力の社員だった。彼女自身、同社初の総合職に就いた女性社員であり、エコノミストとして発表した経済論文で賞を授かったほどの才媛である。しかし、彼女には驚くべき夜の顔があった。  東電本社で勤務を終えると、彼女は決まってSHIBUYA109のトイレで着替えをした。そして、夜の円山町に赴いて街娼として客を引き、近隣のホテルで売春を行っていたのである。ちなみに彼女は、1日に4人の客の相手をするノルマを自分に課していた。“夜の仕事”を終えると、京王井の頭線神泉駅から終電で自宅のある西永福に帰宅。さらに土日も、五反田のホテトル嬢として働いていたという。捜査資料によれば、泰子さんが売春を始めたのは殺害される数年前。東電という大企業の社員であり、管理職にも就いていた彼女が金銭的に困窮していたというのは考えづらい。実際、借金の記録なども残されていない。この世を去ることになった彼女が売春に走った理由は現在も謎に包まれたままだが、このようなスキャンダラスな背景が明るみになり、事件は世間の大きな注目を集めた。  この事件は、泰子さんの死のほかに、“冤罪”というもう1つの悲劇も生み出した。遺体発見から2カ月がたった97年5月20日、警視庁は不法滞在中のネパール人男性、ゴビンダ・プラサド・マイナリさんを強盗殺人容疑で逮捕。ゴビンダさんは、同じく不法滞在していたネパール人4人と殺害現場の隣のアパートに住んでいて、泰子さんが売春した相手の1人でもあった。これで事件は解決に向かうかと思われたが、犯人を特定する証拠を著しく欠いたため、取り調べは難航。不特定多数の人間が出入りする街、泰子さんの謎に包まれた行動とプライベートの交友関係の不透明さ、そしてゴビンダさんという“格好の容疑者”の存在が、真犯人到達への道を一層険しくした。  事件が発生した日、泰子さんの身に一体何が起こったのだろうか。同日、泰子さんはいつものように客を引き、19時13分に円山町のホテルに入り、22時16分にはチェックアウトしている。その後、円山町の複数の場所で目撃され、23時45分に彼女と男性が話をしているところを見たという証言もある。これが目撃された彼女の最後の姿ということになるが、この男性が誰だったのかは、現在もわかっていない。  2000年の第一審では、殺害現場に別の人物の体毛が残されていたことなどから証拠不十分となり、ゴビンダさんは無罪判決を受ける。しかし、同じ現場に残されたコンドームに彼のものと思われる精液と体毛が付着していたことに加え、事件発生前に彼が所持していた以上の額のお金を事件後に知人に渡していたことなどから、同年の控訴審では一転して無期懲役の有罪判決が下った。このとき、ゴビンダさんは法廷で「神様、僕はやっていない」と叫んだ。  月日は流れ、11年。弁護側の要請により、殺害現場で採取された物証のうち、今までDNA鑑定が行われていなかったものの鑑定を東京高等検察庁が実施。その結果、泰子さんの遺体に残された精液は、ゴビンダさんのものではなく、現場に残された別の人間の体毛と一致することが判明したのだ。12年6月7日。東京高裁は事件の再審開始を認めるとともに、ゴビンダさんの刑の執行を停止する決定を通達。同日、ゴビンダさんは15年ぶりに自由の身となった。  では、泰子さんの命を奪い、ゴビンダさんの人生を大きく狂わせたのは誰なのか。振り出しに戻ったこの事件だが、真犯人の足取りに結びつく可能性のあるものが1つある。それは、殺害された泰子さんの定期券である。事件判明から数日後、豊島区巣鴨にある民家の敷地に、彼女の定期券が投げ捨てられていたのである。このことから、真犯人は近隣地域に土地勘のある人物ではないかと捜査関係者の間で語られている。  筆者は、この事件が発生当初から取材を続けているジャーナリストから、とても興味深い情報を入手した。かつて、円山町の居酒屋に“巣鴨に住んでいる男”が頻繁に出入りしていて、殺害された泰子さんと金銭トラブルを起こしていたというのだ。その男が真犯人であるのか否か、現時点では不明だが、「なんらかの事情を知っている可能性はあるかもしれない」とジャーナリスト氏は話す。ちなみに、事件発生以降、その男は円山町に現れなくなったという。  人間と街の持つさまざまな顔、表と裏が交錯するこの事件。被害者の鎮魂、そしてゴビンダさんの名誉回復のためにも、再捜査の進展を祈るばかりである。 (取材・文=神尾啓子) 「日本"未解決事件"犯罪ファイル」過去記事はこちらから

「キターッ!」ゲイタウン“不動産王”発覚の織田裕二 もう言い逃れできない!?

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「週刊文春」11月29日号 中吊り広告より
グランプリ 「織田裕二は『ゲイの街』8億円の不動産王だった!」(「週刊文春」11月29日号) 第2位 「国政にかまけて大阪市を疎かにした『橋下市長』の大罪」(「週刊新潮」11月29日号) 第3位 「『独立国家』を作った男・坂口恭平」(「週刊現代」12月8日号)  選挙戦突入直前、第三極の離合集散が目まぐるしい。各誌の議席予測を見てみよう。  文春は、久保田正志・政治広報システム研究所代表に予測をさせている。それによると、民主党86、自民党244、国民の生活が第一が16、みんなの党が21、維新が64と読んでいる。  週刊現代は「『橋下―石原維新』がこの選挙区でこんなに勝つ」の中で、前回選挙で自民党が獲得した119議席と同じぐらいの議席を得る可能性があると読んでいる。  週刊朝日は、政治評論家の森田実と田崎史郎に予測させている。森田は民主党93、自民党247、国民の生活が第一が19、みんなの党が23、維新が52。田崎は民主党110、自民党220、国民の生活が第一が10、みんなの党が30、維新が50である。  憲法改正、自衛隊を国防軍に名称変更など放言の目立つ安倍晋三自民党総裁のおかげで、野田民主党が当初よりも議席数を伸ばすのではないか。  維新は、橋下徹大阪市長がテレビに出て威勢のいいことをぶちあげてはいるが、石原代表の核兵器のシミュレーションをやるべきだなどという仰天発言で、ウルトラ右翼政党という顔が前面に出てきて、このままいけば人気は下降線をたどるに違いない。  維新は50議席前後というのが、私の周りにいる政治記者たちの感触である。  さて、今週の第3位は、一部では有名な人らしいが、政府に期待できないからと「独立国家」を熊本に作ってしまった坂口恭平(34)という痛快な男の話である。  建国のきっかけは原発事故。危険があるのに正確な情報を教えない、国民を守らない政府を見て、これは政府ではないと思い、生存権に特化した国と政府を作ってしまったのだ。 彼が目指したのは、土地と住宅からの解放。早稲田大学時代、建築学科に籍を置き、路上生活者たちの調査をした。彼らの中にはホームレスではなく、合法的に家を持っている人間がいた。調べてみると、係争の結果、誰も所有していない土地というのが都内にはいくつかあり、銀座にもあるということがわかった。それに、彼らにとって、段ボールハウスは寝室に過ぎないのだ。  図書館が本棚、公園は水場、スーパーは冷蔵庫。都市空間のすべてを自分の家と捉える発想があったことに気づいたという。そこから生み出したのがモバイルハウス。ベニヤ板だけで作った3畳間だけの小さな家だ。  モバイルハウスはリヤカーの車輪がついているのがミソで、これだけのことで車両扱いになる。建築基準法上の「家」ではないから、固定資産税はかからないし、建てるのに免許もいらない。 「実は僕も建築士の免許をもっているわけじゃない。これは『住む人自身が建ててみようよ』という提案なんです。モバイルハウスを売るのが目的じゃないので、図面もダダで配っています」  これなら材料費2~3万円だけで家が持てる。自分の生活はゼロから作れるんじゃないかと思い始めた。  昨年3月、坂口は東京を離れて故郷の熊本に戻った。福島第一原発事故で飛散した放射性物質を避けてのことだ。国民を守ろうとしない日本政府に愛想を尽かし、5月に新政府を樹立した。 「原発事故への対応を見て腸が煮えたぎったけど、不満は以前からあった。月給18万円の人がワンルームに住んで8万円も家賃を払うなんて異常。金のないやつは住む場所がなくてもいい、って話でしょう。もはや政府ではないと思った。だから、日本は無政府状態なんです。でも政府がないのはまずいから、自分が国を建てて、その国の内閣総理大臣になるしかないと」(坂口)  新政府は生存権を守るべく放射性物質からの避難を呼びかけ、0円で泊まれる避難場所を用意する。その中心がモバイルハウスだ。 使われていない土地を無償で借りてモバイルハウスを並べる。初期投資に2~3万円はかかるが、家賃はゼロ。井戸水を使い、自家発電を行えば、水道光熱費もゼロだ。  そこへ、構想に興味を持った熊本県知事直属の政策参与(現副知事)・小野泰輔が坂口を訪れる。新政府初の「外交」である。坂口はこう話す。 「モンテビデオ条約という国家の義務と権利について定めた条約があって、国家の条件は、国民、政府、領土、外交のできる能力の4つ、とある。僕はこれを本気で満たしてみようと思った」  坂口はTwitterのフォロワーを新政府の国民と定義していて、現時点で3万2,000人超、この半年で倍増したそうだ。  政府は作った。次に行ったのは、組閣。まず親交のある文化人類学者の中沢新一氏に電話し、文部大臣に任命。その後も、映画監督の鎌仲ひとみ氏を厚生労働大臣にした。近々、東京ミッドタウンにあるフリースペースの使用権を譲り受けて国会議事堂にするという。  坂口は、「ルールを破るのではなく視点をズラす」のだという。妻と4歳の子どもを持つ。収入は原稿料と、ドローイング(絵)の販売、それにカンパ。  面白い発想をする若者が出てきたものだ。  第2位は新潮の橋下大阪市長批判の記事。国政を目指すのはいいが、お膝元である大阪市が危うくなっているというのである。 「国政政党の代表が国会議員である必要はないと思っている」  そう強がってみせる橋下市長だが、その大阪で“二足のわらじ”を心配する市議は少なくないそうである。その上、選挙を前にして大阪市政は目に見えて滞り始めていると、中堅の市議はこう語っている。 「10月に開かれた“民生委員児童委員大会”は歴代市長が必ず出るのですが、橋下さんは政党回りを理由に欠席。また、大阪都構想を進める法定協議会の年内設置の見送りも早々に決めてしまったそうです。さらに改革の目玉にしていたバスの赤字路線の再編も来春に間に合わない。これでは、市政を後回しにしていると見られても仕方ありません」  橋下市長は、自分が忙しくなるのを見越してか府市統合本部に元官僚の古賀茂明や高橋洋一などのブレーン50人以上を送り込み、6月には自分の手足となる24人の区長を公募で選出したが、ベテラン市政担当記者によると、 「市長は市民のイベントなどにせっせと顔を出したりするものですが、橋下さんは端からそんな気はない。あの人は“仕組み”を変えるために市長になったのであって、本人の代わりを公募区長にやらせようと考えているのです」  市長の分身であるから、その力は強大だし、公募区長は副市長に次ぐ権限と予算を与えられている。給与も一般職職員の中で最高ランクの年収1400万円(市職員からの異動は1200万円)にもなるそうだ。  昨年12月に募集が始まると1,461人もの応募者が集まった。  最後は橋下市長や中田宏前横浜市長らが面接して選んだのが24人の新区長だが、彼らの評判がよくないと新潮は追及する。  城東の細井敦子区長(51)は、黒のピチッとしたミニスカートに濃い化粧、エルメスのバッグを提げて登庁するから、ついた渾名が「お水系」。  淀川の榊正文区長(44)は、笑福亭鶴瓶師匠に淀川の宣伝に一役買ってくれと頼み、自分は大阪でも淀川の人間でもないと断られたら、「偉そうにして。わしは淀川区長やど」と息巻いた。  都島の田畑龍生区長(37)は、区長公募で提出した論文に、東淀川区の同和地区を特定し、そこが原因で暗いイメージがあるかのような一文を書き、それが大阪市のホームページに載ってしまったのである。当然ながら部落解放同盟が見つけて、田端区長らを問い詰めている。  また浪速の玉置賢司区長(45)はTwitterに「近頃の日本は右翼があかん。政治家を殺したりせえへんようになった」「菅直人は殴らなあかん」と書き込んだことが明らかになった。  政治アナリストの伊藤惇夫は、橋下の動きを見ていると、今までやってきたことは国政に出るためのアリバイづくりではなかったのかと疑問を呈し、こう続ける。 「公募で決めた区長の評判がボロボロなのも、公募そのものが自分の名前を売るためのパフォーマンスだったからですよ」  衆議院選に出てくる維新の候補者は、大丈夫なのだろうか?  今週のグランプリは、織田裕二のゲイ疑惑(?)記事。  織田がゲイではないかというウワサは、以前からあったらしい。それは、彼がプライベートをまったく明かさないところからきているようだ。織田をよく知る映画関係者がこう話す。 「織田は私生活は親しい友人にも明かさないし、普段どんな暮らしをしているかもしゃべらない。本人も『ベタベタした人間関係は好きじゃない、馴れ合いはイヤだ』とはっきり言っていて、『共演者から住所を聞かれたんだけど、飲みに誘われたりするのを避けたいから、わざと嘘の住所を教えていた』と漏らしていました。かたくなで、他人を寄せつけないバリアはすさまじい」  文春は織田についてこう書いている。 「織田裕二、四十四歳。言わずと知れた、当代を代表する人気俳優である。『踊る大捜査線』シリーズの主演を務め、二○○三年公開の映画第二作目では日本映画歴代一位(アニメを除く)、百七十四億円の興行収入を叩き出している。今年九月に公開された『踊る大捜査線』のファイナル作も興行収入四十三億円を突破した。  一方、私生活は厚いベールに覆われており、親しく付き合っている芸能人も極めて限られている。二○一○年八月にモデルで美容研究家の野田舞衣子さんと電撃結婚しているが、その結婚生活もまったく見えてこない」  そんなプライベートを徹底して見せない織田が、はるか遠いアメリカ西海岸サンフランシスコの地にしばしば出没しているというのである。しかも、ここは有名なゲイタウンだというのだから、興味をそそられるではないか。  もう少し文春を引用してみよう。 「ゲイタウンというと、いわゆる『ゲイ・バー』のような店が並んでいる日本の新宿二丁目のようなイメージを持つかもしれないが、カストロストリートは、どちらかというと恵比寿や表参道のようなおしゃれな街にゲイ用のグッズショップなどが混在している。(中略)小誌記者が取材で訪れた際には、そのたもとの広場には、なんと、一糸まとわぬ全裸の男たちがたむろしていた。思わず目を疑ったが、この街では誰も驚かないし、眉をひそめる人もいない。日光浴なのか、一種のアピールなのか、定かではないが、ゲイの彼らは全裸にスニーカーという身なりで、新聞を読んだり、お茶を飲んだり、談笑したりして、“普段の生活”を楽しんでいるようだった。 『本来ならば、公然わいせつで警察が取り締まるのかもしれないけれど、そういうのはないですね。ここは開放的で自由。全裸のゲイは普通に見かける光景です。野放し状態だという批判もあるけれど、サンフランシスコはゲイのパワーが強いから、ある意味、権利として守られています』(カストロストリートの飲食店スタッフ)」  こうしたサンフランシスコに織田はたびたび現れ、スーパーマーケットで買い物をしたり、カフェで白人男性とお茶をしている姿が目撃されているという。  野田舞衣子との結婚も『踊る大捜査線』でタッグを組んだ仲間を含め、織田に近い関係者でさえ知らず、報道を見てみんな仰天したという。 「織田はお気に入りのサンフランシスコを自身の主演ドラマ『外交官・黒田康作』ロケ地にプッシュし、結婚発表後の一○年十月に現地で撮影をしたのです。共演の柴咲コウや香川照之らがダウンタウンにあるヒルトンホテルで撮影クルーと一緒に宿泊していたのに、織田だけは市内のどこか別の場所に泊まっていました。早朝集合場所に現れ合流し、ロケが終わるとなぜか別行動をとっていたのです」(現地のスタッフ)  そんな織田が足繁く通うサンフランシスコに何があるのだろう?  文春が現地で取材してみると、なんと織田は4棟もの高級アパートメントをそこに所有しているというのである。登記情報などによると、1997年10月から2008年にかけて購入していて、当時の為替レートで計算すると、総額8億1,950万円が投じられていると書いている。  そのいずれもが建築されてから100年も経っている年代物ばかりだから、不動産投機目的ではなく、相当なこだわりをもって織田が購入したことがわかる。地元不動産業者は、こうした物件はゲイの人たちが好みそうなものだと語っている。  入居している人間たちは一様に口を噤み、織田と共同で会社を設立している人間もノーコメントだ。  高倉健も撮影が終わると海外に出てしまう。日本より自由があるという理由だが、それだけではあるまいと憶測する人間も多くいる。  文春は織田がゲイ志向だと言っているわけではないが、人気者の気になる情報である。 (文=元木昌彦) 「週刊誌スクープ大賞」の過去記事はこちらから

“耳フェチ”には堪えられない青春官能ムービー!『耳をかく女』桜木梨奈の無印演技に癒やされたい

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“耳にこだわった映画”というオファーを受けて
堀内博志監督が撮った『耳をかく女』。耳かきの心地よさに思わず吐息が漏れる。
 映画にはさまざまなフェチズムが溢れている。その中でも忘れられないのが高倉健主演の『夜叉』(85)だ。ヤクザ稼業から足を洗った健さんは北陸の漁村で良き夫・良き父親として平穏に暮らしていたが、ふとしたことから飲み屋のママである田中裕子とホテルでひと晩を過ごす。田中裕子を抱きかかえた健さんはおもむろに彼女の耳たぶを甘噛みし、そのとき健さんはニヤッと笑う。「どうせ、お前も好きなんだろう?」と健さんに自分の性癖を見破られたような気がして、観ていてドキッとした。そんな耳フェチなら見逃せない映画が現在公開中だ。タイトルはずばり『耳をかく女』。耳かきサロンに勤めるヒロイン・桜木梨奈の鮮烈なるエロティズムが漂う青春映画の好編となっている。  他人の手で耳掃除をしてもらうと、思いがけず大きな耳垢の塊が発掘され、赤面したくなる恥ずかしさと同時に何とも言えない快感が込み上げてくる。耳のずっと奥に潜んでいる蝸牛管から喜びの潮が渦を巻きながら満ちてくる。あまりの気持ちよさに体ごとグルングルンと回り出してしまいそうだ。誰しもが経験したであろうあの喜びの瞬間が、『耳をかく女』ではノーカットモザイク処理なしで描かれる。スカーレット・ヨハンソン主演作『真珠の耳飾りの少女』(03)ではピアス穴を開ける瞬間が官能的に描かれていたが、やはり膝枕&耳かきに勝る快楽プレイはそうそうないだろう。
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就活に苦戦する絵菜(桜木梨奈)。自分が
社会からまるで必要とされていないように
感じられ、焦れば焦るほど空回りしてしまう。
 主人公の絵菜(桜木梨奈)は卒業を間近に控えた大学生。出版社への就職が決まっており、恋人(笹原紳司)の部屋で甘く楽しい学生生活の残りを楽しんでいた。その日も恋人の部屋でまったりと過ごしていたが、絵菜は今まで経験したことのない耳鳴りに襲われ、体の均衡が失われてしまう。それは絵菜だけが感じた衝撃ではなかった。巨大地震が起きたのだ。ベッドの横にいたはずの恋人は真っ先に逃げ出し、震災の影響で就職も取り消されてしまった。家を流されて家族を失った人たちに比べれば、このぐらいのことで泣き言なんて云ってられない。でも、マジメに学校を卒業して、きちんとした企業に勤めることしか考えてこなかった絵菜は、これからどうすればいいのか途方に暮れてしまう。とりあえず、リクルートスーツを引っ張り出して就職活動を再開するが、面接官の声がやけに遠い。絵菜はいつの間にか難聴を煩うようになっていた。補聴器が手放せなくなってしまう。見た目は以前と変わらない絵菜だが、震災以降、何かが自分の中で変わってしまったのだ。  いつまでも就職先が見つからない絵菜は、女友達の紹介で「耳かきサロン」で働き始めることに。性風俗まがいのいかがわしいサービスを強いられるのではないかと、不安げな表情のまま研修を受ける絵菜。先輩の耳かき嬢(広澤草)の膝に身を委ねた絵菜は、あまりの心地よさにうっとりする。先輩の手慣れた耳かきがリズミカルに外耳道の側面を刺激する。思わずエクスタシーに達した絵菜は、日々のストレスから自分が解放されていくのを感じる。こんなサービスが自分にもできるかしら。浴衣に着替えた絵菜はおぼつかない手つきながら、自分の膝の上に置かれたさまざまな形をした耳朶に対して慎重に慎重にマッサージを施す。彼女の初々しさに、男たちが行列をなすようになる。膝枕の温かさに童心に帰る客、日頃の愚痴をこぼすことでスッキリする客、耳掃除した後のティッシュを絵菜に嗅がせて喜ぶ客……。ストレスで悩んでいるのは自分ひとりではなかった。男たちが抱える疲れを癒やすことが、絵菜にとっての喜びとなっていく。ささやかながら社会との接点を持てたことが、時給以上に絵菜にはうれしい。
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絵菜は耳かきの研修を受けることに。主演に抜擢された桜木梨奈は
実際の耳かきサロンに通うなどして役づくりに励んだ。
 本作が映画初出演となる新人女優・桜木梨奈をオーディションで抜擢したのは、堀内博志監督。今年7月に『私の悲しみ』(11)で劇映画デビューを果たしたばかり新鋭監督だ。『私の悲しみ』は14人の男女がもつれ合う群像劇をロバート・アルトマン監督ばりに巧みにさばいてみせた演出手腕が見事だった。今回はその手腕がヒロインの揺れ動く心理を描くことにフォーカスが絞られている。堀内監督に聞いたところ、こんな耳より情報を教えてくれた。 「オーディション初日のいちばん最初に会ったのが桜木梨奈。オーディション会場は駅から5分の場所だったのに、彼女は30分掛けて現われ、焦りまくっていた。やる気はあるのに、つい空回りしてしまう。その様子は絵菜そのものでした(笑)。オーディションに参加してもらった女優のみなさんの耳を最後に拝見させてもらったんですが、彼女の耳の美しさは際立っていましたね。顔がきれいでも、耳とのバランスがとれている女性って意外と少ないんです。それにピアスの穴を開けてなかったことも、大きな決め手でした。演技経験はあまりないけど、彼女に賭けてみようと思えたんです」。  形の整った両耳と同じように、緩やかな曲線美を見せる桜木梨奈の裸体をカメラが捉える。オーディション時はドジっ娘ぶりを見せてしまった桜木だが、撮影現場では肝の座った演技を見せ、スタッフの期待に応えてみせた。中でも堀内監督の丁寧な演出とカメラマン・三本木久城の適切なカメラワークがうまくハマった後半の雨の海水浴シーンは秀逸。海中を漂う寄るべなきヒロインの姿が目に焼き付く。その昔、人間が海中に棲むアンモナイトのような原生動物だった頃の記憶が甦ってくるかのような、プリミティブな厳粛さと美しさが感じられるシーンになっている。  震災以降、コミュニケーション不全に陥っていた絵菜だったが、多くの人たちの耳たぶに触れ続けることで次第に落ち着きを取り戻していく。人間の体の中でもっとも柔らかい部位なのに、いつも剥き出し状態でさらされている耳のことが絵菜は愛おしく思えてくる。また、絵菜の耳の形の良さに心を惹かれているアマチュアカメラマンの川村(中田暁良)も、絵菜から「変態ですね」と言われながら自分が耳にこだわる理由に気づかされる。物語の進行と共に耳に関するさまざまなトラブルが集約されていき、それらの問題はずっと溜まっていた耳垢のごとく一気にラストで除去されていく。この爽快感が堪らない。  最後に映画とはまったく関係ない余談だが、髪からキレイな耳を出している女性を見かけると、うっとり見とれてしまうのと同時にほんの少し切なくなる。左右対象形の双子のような2つの耳は、両手や両足と違って一生出会うことがない。あんなに美しくて、そっくりな相似形なのに、お互いの存在を知らないままの一対の耳たち。多分、耳という部位の佇まいには孤独な美しさがあるのだ。そんなふうに耳のことを考え出すと、ついつい自分を失ってしまう。そして、その美しさに少しばかりの哀しみを覚える。 (文=長野辰次) mimiwokakuonnna4.jpg 『耳をかく女』 監督・脚本・編集/堀内博志 撮影/三本木久城 音楽/Satomimagase 出演/桜木梨奈、中田暁良、広澤草、宇野祥平、笹原紳司、正木佐和、安藤一人 配給/パーフェクトワールド 11月24日より新宿K’s cinemaにてレイトショー公開中 (c)スターボード <http://mimi-movie.perfect-world.me> ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第198回]ハリウッドの頑固オヤジがたどり着いた好々爺の境地! イーストウッド、4年ぶりの主演作『人生の特等席』 [第197回]この“明るいヘンタイ”っぷりがいいんじゃない!? 会田誠のアートなエロス『駄作の中にだけ俺がいる』 [第196回]三池監督ならではの“いのちの授業”が始まる! サイコパス教師と過ごす恐怖の文化祭『悪の教典』 [第195回]“絶対的価値”を求める男たちの翔んでもロマン! 井筒監督の犯罪サスペンス『黄金を抱いて翔べ』 [第194回]禁断の蜜が溢れるSM世界『私の奴隷になりなさい』セクシーアイコン・壇蜜がすべてをさらけ出した! 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ハリウッドの頑固オヤジが辿り着いた好々爺の境地! イーストウッド、4年ぶりの主演作『人生の特等席』

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球団から引退を勧告されたガス(クリント・イーストウッド)にとって
最後のスカウト旅行。ひとり娘のミッキー(エイミー・アダムス)が同行する。
 御年82歳となるクリント・イーストウッドの最新主演作『人生の特等席』を観ると、クリント・イーストウッド監督作がどれだけ凄いかということを改めて思い知らされる。ハリウッドで長年にわたって、決して死なないマッチョヒーローを演じ続けてきたイーストウッドだが、“俳優引退作”と銘打った『グラン・トリノ』(08)で壮絶な幕引きを済ませた。監督兼俳優として、やるべきことはやり尽くした。だが、それでも人生は続く。主演と監督の2役を兼ねるハードな役割からは降りたものの、徹底した健康管理のお陰で体はまだまだ元気。イーストウッドの個人スタジオ「マルパソ」でずっと裏方として支えてきてくれたロバート・ロレンツが監督デビューするのに丁度いい脚本があるから、ここはひと肌脱ごうじゃないか。かくしてイーストウッドが唯一の弟子として認めているロバート・ロレンツの監督デビュー作『人生の特等席』が製作された。人生のゴールが見えてきた老スカウトマンが次世代のメジャーリーガーを発掘するため、疎遠になっていた娘を伴って旅をする。万人が「いいね」とうなずきたくなる感動的な企画となっている。
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有能な弁護士として働くミッキーだが、幼い頃
に親戚に預けられたことを恨んでいた。
我が道をゆく父親へミッキーの怒りが爆発する。
 アトランタでひとり暮らしを続けるガス(クリント・イーストウッド)は、メジャーリーグのベテランスカウトマン。有望新人を次々と発掘してきただけでなく、自分がスカウトした選手がスランプに陥ると相談に乗り、怪我で実力が発揮できないまま引退した選手のことも思い遣る人情派だ。球団の若い幹部はコンピュータを使ったデータ分析に余念がないが、ガスは常に現場に足を運ぶことでドラフト候補となっている若者がプロの水に合うかどうかを見極めている。頑固ひと筋で通してきたガスだが、さすがに寄せる年齢の波は押し返せない。最近はオシッコの切れが悪いだけでなく、視力に支障が出てきた。周囲には隠しているが、古い付き合いの球団職員のピート(ジョン・グッドマン)はガスの体調が思わしくないことを察知している。ピートはガスのひとり娘・ミッキー(エイミー・アダムス)に連絡し、ガスの様子を見てほしいと頼む。母親を幼い頃に亡くしたミッキーにとって、ガスは唯一の肉親。弁護士として超多忙な毎日を過ごしていたが、視力の衰えた父親を放っておくわけにもいかない。携帯電話とノートパソコンを抱えて、ガスの車の運転手を務めることに。ドラフト会議までもうすぐ。深まりゆく秋のノース・カロライナの地方球場を、ガスとミッキー親子はぎくしゃくしながらも巡っていく。  枯れた男の味わいを見せるイーストウッド主演のロードムービーということで、決してハズれのない内容であることが予測できる。旅の相方を務めるのは、『ザ・ファイター』(10)での助演ぶりが印象的だったエイミー・アダムス。『ミリオンダラー・ベイビー』(04)のヒラリー・スワンク、『チェンジリング』(08)のアンジェリーナ・ジョリーと同じく、骨太タイプな女性だ。自分が決めたルールにこだわり続ける頑固オヤジと、仕事と結婚のどちらを優先するのかの選択を迫られる年齢に差し掛かった30代の娘とのドライブ旅行。旅を続ける中で、お互いの胸の奥に隠していた心情をぶつけ合い、親子のつながりを確かめ合う。地方のひなびた野球場、ホットドッグにビール、生バンドの演奏付き酒場、自然豊かな田舎のロケーション……。タイムスリップしたかのような、古き善き時代の米国の光景がスクリーンに広がる。選手たちが引き揚げていったグランドで、ガスとミッキーが数十年ぶりに2人きりでゲームに興じるシーンは文句なしに美しい。『フィールド・オブ・ドリームス』(90)のように野球が親子の溝を埋めてくれる。
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ライバル球団のスカウトマンであるジョニー(ジャスティン・ティンバーレイク)。
かつてはガスがスカウトした有望選手だった。
 しかし、イーストウッドの熱烈なファンは、少なからず不満を感じるかもしれない。イーストウッド主演の、いかにもイーストウッド作品らしいオールドアメリカンな風景が広がる。だが、そこには何かが足りない。ここでようやく、本作はイーストウッド主演作ではあるが、イーストウッド監督作ではないことを思い出す。幾つかのイーストウッド監督作を振り返るだけでも、何が足りないかは一目瞭然だ。『ミリオンダラー・ベイビー』の女性ボクサーにはリング上での栄光と引き換えに大きな代償を与えた。『硫黄島からの手紙』(06)では孤島での玉砕を命じられた日本兵たちの追い詰められた狂気を描いた。『J・エドガー』(11)に至ってはFBI初代長官に扮したディカプリオが存分に変態ぶりを発揮した。イーストウッド監督作の中では安直な駄作とされるバディアクションもの『ルーキー』(90)でさえ、イーストウッド演じる主人公の刑事が窃盗団の情婦(ソニア・ブラガ)に逆レイプされるというアブノーマルなシーンが盛り込んである。イーストウッドが主演を兼ねていると彼の颯爽としたかっこよさに目を奪われがちだったが、イーストウッド監督作のコア部分を形成しているのは猛烈なる“毒素”だったことが分かる。  ハリウッドきっての大物スターとして威厳と貫禄を漂わせるイーストウッドだが、私生活では必ずしも聖人君子で通してきたわけではない。『マンハッタン無宿』(68)『ダーティハリー』(71)でイーストウッドをスターに育て上げた“師匠”ドン・シーゲル監督とは『アルカトラズからの脱出』(79)以降、距離を置くようになってしまった。『ガントレット』(77)『ダーティファイター』(78)などで共演した女優ソンドラ・ロックとの“大人の関係”は泥沼裁判となり、イーストウッドを怒らせた女としてソンドラ・ロックは表舞台から消え去ることになった。『アルカトラズからの脱出』でイーストウッドに気に入られた脚本家のリチャード・タッグルは『タイトロープ』(84)の監督に抜擢されるが、撮影初日にまごついた仕草を見せたためにメガホンをイーストウッドに取り上げられてしまう。イーストウッドは離れた場所から眺めると眩しく輝く大スターなのだが、不用意に近づくと彼が体内に溜め込んだ猛毒を浴びるはめに陥る。イーストウッドは自分の中に抱え込んだ毒素をうまくコントロールすることで、神懸かり的な映画監督になりえた。聖人君子ではなく、あくまでも生身の表現者なのだ。  黒澤明監督に28年間師事した小泉堯史監督のデビュー作『雨あがる』(00)を観たときに、悪い映画ではないけれどアクのない精進料理みたいだなと感じた。『マディソン郡の橋』(95)で助監督に就いて以降、イーストウッド作品の製作スタッフを務めてきたロバート・ロレンツ監督のデビュー作となった本作にも同じものを感じる。映画監督としてのノウハウ的なことは現場を共にすることで盗むことができるが、イーストウッドが内面に抱え込んだ毒素まではロレンツ監督は受け継いでいないし、それは受け継ぐべきものではないだろう。ひどく遠回りになってしまったが、それゆえに『人生の特等席』は安心して観ることができる。表現者としての毒をほぼ出し切ったらしく、好々爺然としたイーストウッドが屈託なく笑う姿にホッとさせられる。それと同時に、イーストウッド監督は今のハリウッドにおいて非常に特殊な映像作家であることも再認識させてくれるのだ。 (文=長野辰次) jinseinotokutoseki4.jpg 『人生の特等席』 製作/クリント・イーストウッド 監督/ロバート・ロレンツ 出演/クリント・イーストウッド、エイミー・アダムス、ジャスティン・ティンバーレイク、ジョン・グッドマン 配給/ワーナー・ブラザース映画  11月23日(金)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー公開  (c)2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. <http://wwws.warnerbros.co.jp/troublewiththecurve> ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第197回]この“明るいヘンタイ”っぷりがいいんじゃない!? 会田誠のアートなエロス『駄作の中にだけ俺がいる』 [第196回]三池監督ならではの“いのちの授業”が始まる! サイコパス教師と過ごす恐怖の文化祭『悪の教典』 [第195回]“絶対的価値”を求める男たちの翔んでもロマン! 井筒監督の犯罪サスペンス『黄金を抱いて翔べ』 [第194回]禁断の蜜が溢れるSM世界『私の奴隷になりなさい』セクシーアイコン・壇蜜がすべてをさらけ出した! 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