金髪美女への偏愛が傑作サイコホラーを生んだ!? 映画界最強のバディムービー『ヒッチコック』

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実在の連続殺人鬼エド・ゲインをモデルにした恐怖映画『サイコ』の撮影風景。
その舞台裏を『ヒッチコック』は再現していく。
 シャワーを浴びている裸の女性が殺人鬼のナイフによって斬り刻まれる―映画史上もっともショッキングなシーンで知られる『サイコ』(60)。ヒッチコック監督の刃物のように研ぎ澄まされた演出が冴え渡り、不朽の名作ホラーとして今なお人気を誇る。公開から50年以上経った今でも強烈なインパクトを放ち続けているのは、連続殺人鬼は実在したという衝撃だけではない。金髪女性への異常なまでの執着心、下着フェチ、覗き見趣味、入浴中の裸女への抑えがたい欲情、強度の潔癖性、人間の暗部を象徴するかのような底なし沼への憧憬、マザーコンプレックス、変身願望、警察への嫌悪感……。ヒッチコック自身が抱えていた内面的なネガティブ要素がすべて作品の中に吐き出され、それらが一編の美しい映画として結晶化したという奇跡に驚嘆させられる。ヒッチコックは人間なら誰しもが隠し持っている心の中の劣情を巧みに映画化してみせることで人気監督となりえた。映画監督という職業に就いてなければ、ヒッチコック自身が変質者の烙印を押されていたのではないか。アンソニー・ホプキンス&ヘレン・ミレン共演による実録映画『ヒッチコック』は、サイコサスペンスの原点『サイコ』がどのようにして生み出されたのかを描いていく。  本作を監督したのは、これが劇映画デビュー作となるサーシャ・ガヴァシ。落ち目のヘビメタバンドの復活ツアーを追い掛けたドキュメンタリー『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』(09)の監督として注目を集めたイギリス人だ。脚本家としてスピルバーグ監督の『ターミナル』(04)、キアヌ・リーブス主演の『フェイク・クライム』(10)などのコメディタッチの作品に参加している。『アンヴィル!』も『ターミナル』『フェイク・クライム』もガヴァシ作品の主人公たちは境遇がよく似ている。周囲からは頭のおかしな変人、異邦人としか思われていないが、自分の信念に基づいて愚直に生きる男たちだ。『ヒッチコック』も同系統のものとなっている。周囲から理解されることはないが、自分の信じる美学に従い、最高傑作を生み出そうと四苦八苦する主人公のドラマである。  『アンヴィル!』がギターのリップスとドラムのロブの腐れ縁の2人が組んだひとつのバンドだったように、ガヴァシ監督は本作の中で“ヒッチコック”はひとつのチームだったと解釈してみせる。ヒッチコックはひとりの監督ではなく、藤子不二雄のような2人でひとつの存在だったと。『見知らぬ乗客』(51)『裏窓』(54)『ハリーの災難』(55)『めまい』(58)などの傑作サスペンスを次々と放ったアルフレッド・ヒッチコックだが、ヒッチコックがヒッチコックでありえたのは、公私にわたるパートナーのアルマ・レヴィルがいたからこそ。アルフレッドが映画界入りする前から、アルマは助監督、脚本家、編集技師として活躍していた。むさ苦しい撮影所できびきびと働く小柄なアルマに新入りスタッフだったアルフレッドは惚れ、アルフレッドが監督に昇進するのを待ってから1926年に2人は結婚した。アルフレッドはそれまで母親との同居生活を続けていたが、結婚を機に独立。ここからチーム・ヒッチコックの快進撃が始まる。切り裂きジャックをモチーフにした初期の代表作『下宿人』(27)で独自のスタイルを確立させ、売れっ子監督への道を走り出した。
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二人三脚で映画を作り続けたアルフレッド(アンソニー・ホプキンス)と
妻アルマ(ヘレン・ミレン)。2人そろって“ヒッチコック”だ。
 母国イギリスからハリウッドに渡り、アルマの名前が作品にクレジットされることは減っていくが、アルマは妻として母としてヒッチコック家を切り盛りし、そしてヒッチコック映画のいちばんの理解者として作品選び、脚本の手直し、編集の仕上げなどに協力し続けた。アルフレッドは判断に悩むと、アルマにアドバイスを求めた。アルマは本人以上に彼の才能を理解し、どうすればその才能が作品の中で生きるかを的確に助言した。アルマがいなければ、ひとりぼっちのアルフレッドは気難しく、わがままで、若いブロンド美女が大好きな子どもみたいなメタボオヤジにしか過ぎなかった。  本作のストーリーは、ノンフィクション本『アルフレッド・ヒッチコック&ザ・メイキング・オブ・サイコ』(白夜書房)をベースにしたもの。アルフレッド・ヒッチコック(アンソニー・ホプキンス)の『北北西に進路を取れ』(59)が興行的な成功を収め、映画会社の重役たちはご満悦。だが、アルフレッドはヒットメーカーゆえの不安に取り憑かれていた。観客はもう自分のスタイルに飽きているのでは? 「あッ」とみんなが腰を抜かす斬新な作品は作れないものか? そんなアルフレッドが強く惹かれたのが、1950年代の全米を震撼させた連続殺人鬼エド・ゲインの存在だった。ウィスコンシン州の寂れた農場で孤独に暮らしていたエド・ゲインは、女性の死体の皮を剥いで仮面を作っていた正真正銘のサイコパス。エド・ゲインをモデルにしたロバート・ブロックの犯罪小説『サイコ』の映画化を思い立つ。猟奇殺人を題材にした暗い映画よりも人気スターたちを配した明るい娯楽作品を撮ってほしいと映画会社は反対し、仕方なくアルフレッドは自宅を担保にして自費で低予算B級ホラー映画の製作に着手する。味方であるはずの妻アルマ(ヘレン・ミレン)でさえ「悪趣味映画」と見下して関心を示さない。それでも、夫が「ヒロインは途中で殺されちゃうんだ。すごいだろ?」とネタを振ると「殺るなら30分以内で殺るべきね。その方が観客は驚くはずよ」と反射的に閃いたアイデアを提供する。作品ごとに契約する俳優やスタッフと違って、アルマだけがチーム・ヒッチコックの信頼できる仲間だった。  殺人鬼の餌食となる美女マリオンにはジャネット・リー(スカーレット・ヨハンソン)、消息を絶った姉マリオンを探しに向かう妹ライラにはヴェラ・マイルズ(ジェシカ・ビール)がキャスティングされる。殺人鬼となるノーマン・ベイツ役はホモ男優のアンソニー・パーキンス(ジェームズ・ダーシー)。ブロンド女優を偏愛したアルフレッドの特別のお気に入りがヴェラ・マイルズだった。『間違えられた男』(56)に続いて『めまい』(58)のヒロインに起用したが、私生活にまで口出しするアルフレッドから逃げ出すようにヴェラは妊娠を理由に『めまい』を降板。『ダイヤルMを廻せ!』(54)や『泥棒成金』(55)のグレース・ケリーみたいな大スターとして売り出すつもりだったアルフレッドを失望させた。それでも未練がましく、『サイコ』でヒロインの妹役に配役する。自分の圧倒的な才能を見せつけたい、作品の中で彼女を思うようにコントロールしてやりたい。ひとりの男のよこしまな情熱が作品を突き動かす原動力として点火される。女性に対する愛情とその裏返しである憎しみが渾然一体となり、シャワーシーンで演技指導するアルフレッドの表情が鬼気迫る。このシーンを演じたアンソニー・ホプキンスの迫力は、『羊たちの沈黙』(91)に匹敵するもの。俳優アンソニー・ホプキンスの肉体を通して、ハンニバル・レクター、エド・ゲイン、ノーマン・ベイツ、そしてアルフレッド・ヒッチコックの狂気が繋がっていく。
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初代“絶叫クイーン”ジャネット・リー役にスカーレット・ヨハンソン、
巨匠監督のパワハラに悩むヴェラ・マイルズ役にジェシカ・ビール。似てる?
 かくして1か月で撮り終わった『サイコ』はかつてない恐怖映画になるはずだった。ところが、関係者を集めて試写を開いたところ、想像していたものとはまるで違うものとなっていた。「とんでもない凡作だ」とアルフレッドは愕然とし、劇場公開は諦めてテレビ映画として放映することを考えたほどだった。こんなときこそ、名編集技師であるアルマの出番である。アルマは客観的な視点から生きたショット、死んだショットを見事に選別し、映倫が文句を付けてくるだろう問題カットを除きつつ、テンポよく巧みにフィルムを繋ぎ合わせていく。夫が反対するのを説き伏せて、シャワーシーンにバイオリンの効果音を加える。ダイヤモンドの原石がカッティングされて輝きを放ち始めるように、『サイコ』はまさしく最高の恐怖映画として完成した。今さらながらアルフレッドは妻アルマに頭が上がらない。  『サイコ』が空前の大ヒットとなったアルフレッドは、次回作として動物パニック映画『鳥』(63)の準備に取り掛かる。『鳥』のヒロインに抜擢されたのはCMモデルだった新人ティッピ・ヘドレン。ブロンド好きなアルフレッドは続いて『マーニー』(64)にもティッピを起用して、尋常ならざる愛情を注ぐことになる。ヴェラ・マイルズから袖にされたのに、このオッサンはちっとも懲りてない。“サスペンス映画の神様”として崇められるアルフレッドだが、カメラが回っていないとどうしようもなく性格の歪んだ醜悪な神様だった。  『サイコ』は母親への思慕と若い女性への嫌悪感から心が2つに引き裂かれた殺人鬼の哀しい物語だが、アルフレッドはアルマと心をひとつにすることで“ヒッチコック”という映画史に名前を刻む偉大なるアイコンとなりえた。アルフレッドは最大の理解者アルマと出会えた、映画史上もっとも幸運な男だった。ガヴァシ監督のデビュー作『ヒッチコック』は、映画界最強のバディムービーと称するべきだろう。 (文=長野辰次) Hitchcock4.jpg 『ヒッチコック』 原作/スティーヴン・レベロ 脚本/ジョン・J・マクロクリン 監督/サーシャ・ガヴァシ 出演/アンソニー・ホプキンス、ヘレン・ミレン、スカーレット・ヨハンソン、ジェシカ・ビール、ダニー・ヒューストン、ジェームズ・ダーシー、トニ・コレット  配給/20世紀フォックス映画 4月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー (c)2012 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved  <http://www.foxmovies.jp/hitchcock> ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第216回]えっ、小泉麻耶が身障者専門のデリヘル嬢に!? “性”のバリアフリー化『暗闇から手をのばせ』 [第215回]サイエントロジーをモデルにした『ザ・マスター』人間は何かに依存しなくては生きていけない? [第214回]閉塞化した世界を笑い飛ばす、常識破りの怪作! メタメタおかしい底抜け脱線ホラー『キャビン』 [第213回]若松孝二監督が銀幕に遺した“高貴で穢れた楽園”芸能ものの血が騒ぐ男たちの饗宴『千年の愉楽』 [第212回]裏方スーパースター列伝、あの超絶技が蘇る!『セックスの向こう側 AV男優という生き方』 [第211回]いつもヘラヘラしていた変なヤツ『横道世之介』和製『フォレスト・ガンプ』を思わせる青春回顧録 [第210回]奥西死刑囚は“村社会”を守るための生贄にされた!? 名張毒ぶどう酒事件の闇に迫る再現ドラマ『約束』 [第209回]9.11テロの首謀者ビンラディン抹殺作戦の全貌! アメリカの夜明けは遠く『ゼロ・ダーク・サーティ』 [第208回]チェルノブイリ“立ち入り制限区域”で撮影敢行! オルガ・キュリレンコ主演の社会派作品『故郷よ』 [第207回]“明るい不登校児”のガラパゴスな団地ライフ! 中村義洋監督の箱庭映画『みなさん、さようなら』 [第206回]いつまでもバカやって、尻を追っかけていたい! ぬいぐるみの『テッド』は“永遠のエロ中学生” [第205回]石原慎太郎原作の異色ミステリー『青木ヶ原』ままならない人生の中で出会った恋人たちの行方 [第204回]陶酔と記憶の向こう岸にある世界に3Dで迫る! 松江哲明監督の『フラッシュバックメモリーズ』 [第203回]あの低視聴率ドラマ『鈴木先生』が映画版に! “鈴木式教育メソッド”は世界を変えられるか? 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CGなしの狂乱劇再び『マッハ!弐』 [第48回]全米"オシャレ番長"ズーイー、見参! 草食系に捧ぐ『(500日)のサマー』 [第47回]市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化 [第46回]押井守監督、大いなる方向転換か? 黒木メイサ主演『アサルトガールズ』 [第45回]ドラッグ漬けの芸能関係者必見!"神の子"の復活を追う『マラドーナ』 [第44回] 暴走する"システム"が止まらない! マイケル・ムーア監督『キャピタリズム』 [第43回]"人は二度死ぬ"という独自の死生観『ガマの油』役所広司の監督ぶりは? 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[第25回]白熱! 女同士のゴツゴツエゴバトル 金子修介監督の歌曲劇『プライド』 [第24回]悪意と善意が反転する"仮想空間"細田守監督『サマーウォーズ』 [第23回]沖縄に"精霊が暮らす楽園"があった! 中江裕司監督『真夏の夜の夢』 [第22回]"最強のライブバンド"の底力発揮! ストーンズ『シャイン・ア・ライト』 [第21回]身長15mの"巨大娘"に抱かれたい! 3Dアニメ『モンスターvsエイリアン』 [第20回]ウディ・アレンのヨハンソンいじりが冴え渡る!『それでも恋するバルセロナ』 [第19回]ケイト姐さんが"DTハンター"に! オスカー受賞の官能作『愛を読むひと』 [第18回]1万枚の段ボールで建てた"夢の砦"男のロマンここにあり『築城せよ!』 [第17回]地獄から甦った男のセミドキュメント ミッキー・ローク『レスラー』 [第16回]人生がちょっぴり楽しくなる特効薬 三木聡"脱力"劇場『インスタント沼』 [第15回]"裁判員制度"が始まる今こそ注目 死刑執行を克明に再現した『休暇』 [第14回]生傷美少女の危険な足技に痺れたい! タイ発『チョコレート・ファイター』 [第13回]風俗嬢を狙う快楽殺人鬼の恐怖! 極限の韓流映画『チェイサー』 [第12回]お姫様のハートを盗んだ男の悲哀 紀里谷監督の歴史奇談『GOEMON』 [第11回]美人女優は"下ネタ"でこそ輝く! ファレリー兄弟『ライラにお手あげ』 [第10回]ジャッキー・チェンの"暗黒面"? 中国で上映禁止『新宿インシデント』 [第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』 [第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』 [第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』 [第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』 [第5回]三池崇史監督『ヤッターマン』で深田恭子が"倒錯美"の世界へ [第4回]フランス、中国、日本......世界各国のタブーを暴いた劇映画続々 [第3回]水野晴郎の遺作『ギララの逆襲』岡山弁で語った最後の台詞は...... [第2回]『チェンジリング』そしてイーストウッドは"映画の神様"となった [第1回]堤幸彦版『20世紀少年』に漂うフェイクならではの哀愁と美学

“おしゃべりクソ野郎”品川祐 テレビ露出減の原因はやっぱりあの事件?(3月下旬の人気記事)

ranking0402.jpg  3月下旬に話題になった記事を紹介する、日刊サイゾー人気記事ランキング。菅野美穂と堺雅人、仲里依紗と中尾明慶の電撃結婚や、新垣結衣と関ジャニ∞錦戸亮の交際報道など、芸能界にも春の嵐が吹いております。とりわけ、これまで“清純派”で売っていたガッキーに対する失望の声は多く、今後の仕事への影響も心配されています。結局、ガッキーも普通の女の子。イケメン好きだったんですね。それでは早速、ランキングをチェックしていきましょう。 第1位 “おしゃべりクソ野郎”品川祐の嫌われっぷりがハンパじゃない! 置き引き被害も同情の声なし さすが、おしゃクソ! 第2位 「“清純派”じゃなかった」新垣結衣が“超・遊び人”関ジャニ∞錦戸亮との熱愛報道でイメージ壊滅!? 三浦春馬ならまだ許せるけど、よりによって錦戸って……。 第3位 「稲垣吾郎もあの芸人も玉砕していた」“電撃結婚”堺雅人を決断させた菅野美穂の強すぎる結婚願望 モテるね! 第4位 「このままだと確実に寿命が……」加藤茶の愛妻への深すぎる愛情と食生活を周囲が危惧 2時間ドラマのネタになりそう。 第5位 NHK朝ドラ主演で“崩壊”した夏菜 オファー激増もヤル気なし!?「台本も見たくない」 仕事があるうちが華だよ。 次点 沢尻エリカを超えた!? 紗栄子の意味不明な“ハミ尻”披露に3万人がア然! そして失笑も…… 見たくない。 次々点 “ポスト浜崎あゆみ”だったのに……misonoにオファー激減の現実「性格がネガティブすぎて」 いろいろめんどくさいヤツだね。

ユニクロはやっぱりブラック!? 日本有数のグローバル企業のお寒い内情

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「週刊現代」4月13日号
注目記事 第1位 「『ユニクロ』『ワタミ』はなぜ新入社員が次々やめるのか」(「週刊現代」4月13日号) 注目記事 第2位 「『石原慎太郎』脳梗塞説を漏らした『菅直人元首相』」(「週刊新潮」4月4日号) 注目記事 第3位 「世界的スクープ『中国猛毒食品』生産農家を直撃!『死んだ豚を川に捨てたのは俺だ』」(「週刊文春」4月4日号) 注目記事 第4位 「震災瓦礫受け入れ『表明して撤回』でも10自治体に176億円!?」(「週刊ポスト」4月12日号) 注目記事 第5位 「仮出所の夜、新生ホリエモンが明かした野望『本音は政治をやってみたい』」(「週刊朝日」4月12日号)  長嶋茂雄に国民栄誉賞が贈られるという。ふざけるなである。それも松井秀喜と一緒にというのだから、開いた口が塞がらない。  国民栄誉賞第1号は、1977年、本塁打世界記録を達成した王貞治である。本来なら日本のプロ野球を王と一緒にリードしてきた長嶋も、同時に受賞させるべきだったのだ。しかし、ときの福田赳夫総理が判断ミスをしたことで、長嶋の栄誉を称える機会を逸してしまった。  あとは美空ひばりや大鵬のように、亡くなったあとに授与するのだろうと、大方の人は考えていたはずである。  残念なことに国民栄誉賞はときの権力者のオモチャになり、在任中に恣意的なイベントとなり、私から見て、もらうべきではない人や団体に、次々に受賞させ、賞の権威を貶めてしまった。  今回の安倍首相の推薦の言葉は「戦後最大のスーパースター」だからだそうだが、なぜ今なのか、なぜ松井秀喜と同時なのか、まったく理解できない。松井に贈るなら、日本人選手が大リーガーへ挑戦する道を切り開いてきた野茂英雄にこそ、贈るべきではないか。  第一、戦後レジームからの脱却を言い募っている安倍首相に、「戦後最大のスーパースター」などと言ってもらいたくはない。  私が長嶋の身内やブレーンだったら、丁重に辞退したほうがいいと進言する。通算1065盗塁を達成した福本豊は「そんなんもろたら、立ちションもでけへんようになる」と断っているし、イチローも何度か打診されたが受諾していない。長嶋にふさわしいのは、彼が亡くなったとき、ときの首相が音頭をとって「国民葬」にすることである。  日本の至宝に、為政者が自己顕示欲や参議院選目当てのために、手垢にまみれた賞をくれてやろうなどというのは、長嶋という人物がどれだけ戦後という時代を照らし、子どもたちに夢を与えたのかを知らない人間のやることである。安倍首相よ、松井に与えるのはいいとして、長嶋さんにはよしてくれ。  講談社が女性ファッション誌「Grazia」と「GLAMOROUS」の2誌を、7月6日発売の8月号をもって休刊することを発表した。  光文社発行の「JJ」は最盛期に78万部を出していたが、今は7万部程度だそうである。講談社の「with」は22万部、集英社の「MORE」も32万部だという。さらに深刻なのは広告であろう。「with」の最盛期には号当たり4億円ともいわれていた。  幻冬舎が創刊した「DRESS」というアラフォーを狙う雑誌は、発行部数30万部で創刊号の広告が2億5,000万円入ったという。見城徹社長は実売7割確保すれば採算は取れるというが、厳しいのではないか。  部数はともかく、広告は創刊号をピークに落ちていく。号当たり1億円が歩留まりではないか。そうすると毎号完売しなければ、待っているのは休刊である。雑誌はリスクが高い。今の幻冬舎には、何年も持ちこたえられる体力はない。見城社長は本作りに優れた才能はあるが、雑誌「GOETHE」を見る限り、雑誌作りにはそれほどの冴えは見られない。  マガジンハウスや光文社が傾いたのは、広告に依存し過ぎたためだが、雑誌は「売ってなんぼ」という原点に立ち返り、読まれる雑誌づくりができるかどうか、そこにかかっていると思う。  このところ毎回言っていることだが、新聞広告を見て買いに走ろうという記事がほとんどない。アベノミクスへの賛否は、もう少し時間がたてば自ずから答えは出る。読みたいのはそんなことではない。そこを取り違えているとしか思えない記事作りが多すぎると思うのだが。  ホリエモンこと堀江貴文(40)が仮出所した。96キロぐらいあった体重が67キロぐらいに減ったそうで、失礼だが貧相になってしまった。  昔、私がお付き合いしていた「地産」の竹井博友氏は、34億円の所得税法違反で逮捕され収監されて出てきたとき、こう言っていた。 「元木さん、刑務所はいいよ。規則正しいし、食事が質素だから、糖尿病が治ってしまった」  娑婆に戻ったホリエモンがふっくらとするのに、時間はかからないだろう。  彼は週刊朝日のインタビューに、これからは「まずは宇宙事業、ロケット開発に全力で取り組みたい」と答えている。彼のメルマガは月840円で読者は1万人以上いるというが、それでも年間1億円程度。どこにそんな金があるのだろう。彼は損害賠償訴訟を起こされているはずだが、仮に700億円といわれる請求が認められたとしても、ホリエモンは自己破産してチャラになるといわれているようである。  自己破産しても隠した金は使えるのか? こうしたところを追及してほしいのだが、朝日は突っ込んではいない。  宇宙開発以外にも「世の中で起こっていることを端的に解説する記事が載ったニュースサイトが必要なんです」と言っているところを見ると、新しいメディアを作りたいらしい。政治にも興味があるらしいから、そのうち橋下徹大阪市長とホリエモンが会って、「日本維新の会」から出馬なんてことも、将来ありうるのかもしれない。これが今週の5位。  ポストの注目記事は震災の瓦礫に関する、環境省の金のバラマキ追及記事。震災瓦礫の処理や焼却の協力をしてくれた自治体には、産廃処理場の建設費や改修費が交付され、瓦礫の受入量に応じて1トン当たり3万から8万円。総額336億円の拠出を決め、そのうちの約176億円が支払われた。  だが、おかしなことに環境省が見積もった「瓦礫量」が当初より少なかったことが判明した。そのため、申し込んだ21団体中14団体が除外されたにもかかわらず、交付金は返さなくてもいいというお触れが回っていたというのである。これでは「やるやる詐欺」ではないかとポストは憤るが、当然であろう。もらった自治体も困惑を隠さない。  中には神奈川県秦野市伊勢原市環境衛生組合のように、最初から「瓦礫は受け入れない」と表明していたにもかかわらず、勝手に押し付けられたところもある。  なぜ、こんな不可解で理不尽なことが起きたのか。それは環境省が2001年発足と歴史が浅く、予算が少ないため、東日本大震災と原発事故は、自らの存在意義を世に示す好機と捉え、巨額の予算を獲得するチャンスと考えたのだと、ポストは解説している。 「事実、震災前に2000億円規模だった同省の予算は、震災後、瓦礫処理のための復興予算約1兆円が加えられて一挙に6倍に膨張し、1300人の小世帯は震災1年後の12年1月に200人以上も増員された」(ポスト)  国民の浄財を環境省が被災地の復興と無関係に使っている現状は、納税者への裏切りだと「環境総合研究所」の池田こみち顧問が批判しているが、その通り。怒るポストは健在である。  今週の第3位は文春の「中国猛毒食品」第2弾。  今年3月に上海市黄浦江に1万体といわれる大量の豚の死骸が漂流した「事件」を追いかけ、「捨てたのは俺だ」という農民の証言をとっている。この農民は、浙江省嘉興市の東端にある嘉善県で豚を飼っている楊さん(仮名)。彼が怒りをこうぶちまける。 「この地区では五百頭ほど豚を飼っていたが、旧正月前の急激な寒波で三百頭以上が死んだ。例年はこんなことはないよ。豚舎の中は日中は摂氏三十度にもなるけど、夜は0度近くになる。気温差の激しさに成長する前の豚がついていけず、肺炎に罹ったりしたんだ。で、この地区の村人はみんな、死骸を川に捨てたんだよ。捨てるに決まってるだろ!」  豚が死んだら村長を通じて地方政府の担当部署に報告して、一頭当たり80元(約1200円)ほどの補助金をもらえるはずなのだ。その金で消毒して穴に捨てるのだが、その金が農民の手元にこないで役人が途中で自分のポケットに入れてしまうのだそうだ。  悪いとわかってはいても、農民たちは川に捨てるしかない。  病死した豚を売買する闇市場への取り締まりが厳しくなったことも、川へ捨てた原因になっているという。これまで中国では、伝染病などで病死した豚でも一頭数十元で取引され、ミートソースなどの加工品に流用されてきたのである。  下流に住む上海の50代の男性は「最近では、豚を含めた肉は一切買わないようにしているよ」と話す。20代の男性は「水が心配で、ミネラルウオーターしか飲んでいない。政府の言うことなんて誰が信じる?」と言っているが、こうした危険な食品が日本人の口にも入っている可能性が高いと、文春は書いている。  中国最大の農作物生産地である山東省沿岸部でできた農作物の4分の1は、日本へ輸出される。そこのビニールハウス群に流れる汚水には製紙工場からの排水が流れ込んでおり、人体への影響が心配されるという。当然ながら、農薬とホルモン剤も濫用されている。 「日本に輸入されている中国汚染食品リスト」が掲載されているが、それを見るとそら恐ろしくなる。  例えばソーセージ(豚肉加工食品)。「日本の法律では、加熱した豚であれば輸入が可能となっているため、病気で死んだ豚を使っている悪質な業者も。亜硝酸塩などの有害物質も使われており、安易に中国産の豚肉に手を出すのは禁物」  鶏肉も「中国では養鶏場のダニを殺すため、有機リン系の殺虫剤を撒いて鶏肉が汚染される。今年、中国KFCは山東省の業者から成長促進剤を投与した“速成鶏”を仕入れたことが発覚。日本のファーストフードも中国産の鶏を使用しており、要注意だ」  中国のニラは冷蔵庫に半年入れても状態が変わらないそうだが、09年に、遼寧省で有機リン系の殺虫剤が使われた毒ニラを食べた6歳の女の子が死亡した。  中国だけではない。安全基準が異なる国から来る農作物をすべてチェックするのは、今の体制では難しい。TPPが結ばれれば、輸入食品の量はさらに増える。食の安全をこれ以上他国任せでいいのか。国民的な論議が必要であろう。  第2位はいち早く石原慎太郎氏の病状を伝えた新潮。この記事が出た後すぐに石原氏が退院したのは、この話が広がることを恐れたのであろう。  記者会見を開いて大丈夫だとアピールしたが、「軽い脳梗塞」だったことは認めた。新潮の記事を見てみよう。  政界関係者なる者が、入院中と伝えられる石原慎太郎氏の病状が相当深刻で、菅元首相情報によると脳梗塞ではないかというのである。 「菅元首相は周囲に“慎太郎は脳梗塞”と漏らしているようですね。彼がどこからそれを聞いたのかは不明ですが、維新には元民主党の議員が複数いますから、その辺りが情報源なのかもしれません」  政治ジャーナリストがこうも言っている。 「すい臓が悪い、あるいはすい臓がんとの情報は都庁幹部、自民党東京都連幹部、公明党幹部から出ています」  最悪の事態ではなかったようだが、80歳という年齢から考えても、今までのようにはいくまい。一代の風雲児・石原慎太郎が静かに政界から引退する日も近いのかもしれない。一抹の寂しさはあるが。  今週の注目記事第1位は、久々に現代が奪取した。「ワタミ」には失礼だが、論じる価値はあまりないと思うが、天下の「ユニクロ」が“ブラック企業”のようなところがあるというのは興味津々である。  冒頭、現代はショッキングな数字を示す。09年に「ユニクロ」に入社した新卒新入社員の「3年内離職率」が、なんと53%にもなるというのである。しかも、ここ数年間も50%前後で推移しているというのだ。  11年に入社して昨年退社したA君が、こう語る。 「採用活動自体は、エントリーシート、筆記試験、面接数回、という他の企業と変わらないものでした。ただ、内定後からとたんに厳しくなった。まず研修。僕のときは、夏休みにホテルに2~3日軟禁状態にされ、23カ条に及ぶ長い社訓を丸暗記させられました。  最後の日にテストをするんですが、一字一句間違えてはいけない。かなりの数の内定者が合格できず、居残りで勉強させられた。営業部長クラスの社員が指導に当たっていたんですが、『ふざけてんのか』『やめたい奴は今のうちに言っておけ』と常にプレッシャーをかけられていましたね」  入社してからが、さらにきつかったという。店長になるための昇進試験を受けさせられるのだが、そのために、会社が作っているマニュアルを覚える。門外不出のため、店を閉めてから勉強を始めるから深夜に及ぶこともある。  A君は見事一発で店長試験に受かり、わずか半年で店長になる。しかし、試験に受かっていない年上の部下と、スーパーバイザーと呼ばれる上司との板挟み、売上げ目標の達成が至上命令で、半年ぐらいで「うつ病」と診断され、結局退職する。  仕事量は多く、新入社員は残業代が出るが、店長は管理職扱いだから、朝から夜中まで働いても残業代は出ない。  しかも、幹部社員全員の口調が柳井正社長にソックリで、恐ろしくなったと、元社員のB子さんが話している。  こうした個人企業は得てして宗教団体のように、一人のカリスマの下にひれ伏してしまうようになりがちだ。それ自体が悪いとは言わないが、今どきの新入社員はそうしたものに馴染めずに辞めていくのだろう。  学生側の甘えの体質にも問題はある。だが、早すぎる管理職登用は、安く社員をこき使おうという会社の意志だと思われても仕方あるまい。日本有数のグローバル企業のお寒い内情は、柳井社長が率先して反省し、変えていくしかないはずである。  「ユニクロ」は週刊誌にとって大事なクライアントではないのかもしれないが、天下の「ユニクロ」に噛みついた現代の心意気やよしである。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

統一教会系団体が靖国神社で慰霊祭

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宗教、洗脳、自己啓発セミナー、悪徳商法……身近に潜むニッポンのカルトな風景に「やや日刊カルト新聞」の藤倉善郎がゆる~く切り込む!  世界基督教統一神霊協会(統一教会)といえば、壺や印鑑を高額で売りつける「霊感商法」で有名ですが、一方で反共産主義活動を展開して日本の保守系人脈とも交流が強いことで知られています。ところが韓国の教団本体は、関連企業を使って北朝鮮で商売をしたり、日本人信者たちが韓国で「(日本の)従軍慰安婦問題」について謝罪してみせるパフォーマンスをするなど、日本での政治的スタンスとは逆のことをしていたりします。そんな統一教会の関連団体が、3月7日に靖国神社で「戦没者と東日本大震災犠牲者」の慰霊祭を行うと聞き、行ってみました。 ■反日カルトが靖国で?  統一教会は1960年代から、勝共連合という関連団体を使って反共運動を展開してきました。その関係から、日本の保守系人脈とも関係が深く、かつて安倍晋三首相などが統一教会の合同結婚式に祝辞を送ったことなど、自民党議員の関係もしばしば指摘されます。  一方で統一教会は、共産主義国家である北朝鮮で関連会社による観光事業や自動車の製造販売を展開しています。また2012年に韓国で、従軍慰安婦問題について「日本人たちが謝罪する」というイベントが行われているのですが、そこで「日本人代表」として謝罪した日本人参加者たちは合同結婚式で韓国人と結婚した日本人妻信者だと韓国メディアから指摘されています。  共産国で商売をし、韓国で反日活動に関わったとされる宗教が靖国神社で慰霊祭をするというのですから、まるで悪い冗談みたいな話です。  東日本大震災についても同様です。震災から半年ほどたった頃、統一教会では信徒組織の代表者(当時)が東日本大震災について、「このくらいしたら日本が本当に悔い改めるはず」「このくらいすれば真の御父母様(教祖・文鮮明夫妻)の入国もさせる」という意図で起こしたものだと講演していました。震災を、自分たちの宗教的な正統性を主張するネタにしているわけです。  また統一教会は、地震発生の数日後には、信者の全家庭に対して1世帯40万円の献金を指示しました。当時まだ存命中だった教祖・文鮮明は、被災地に義捐金1億4000万円を寄付したとされていますが、40万円で割ると350万世帯分です。統一教会でははるかに多くの日本人信者が合同結婚式で結婚していることになっているので、被災地に送ったカネより多くのカネが集まっていそうなのですが。
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■「左翼じゃない」認定もらいました  3月7日に靖国神社で慰霊祭を行ったのは、宗教新聞社と平和大使協議会という2つの統一教会関連団体です。慰霊祭のタイトルは「戦没者並びに東日本大震災犠牲者の追悼慰霊祭」で、今年で2回目。  共産国にすり寄り、韓国での反日活動に関わり、東日本大震災に際して被災者を愚弄した統一教会の関連団体が、靖国神社で戦没者と震災犠牲者の慰霊祭を行う。取材に行くまでもなく無茶なイベントです。  前日に事務局に「取材で入りたい」と電話したところ「会場がもういっぱいなのでお断り」と言われてしまいました。当日、受付でも、一旦は入場を断られたのですが、受付の前で慰霊祭参列者とおしゃべりをしていたら、主催者からこう言われました。 「あ、この人は入ってもらって大丈夫ですよ。左翼じゃないですから。いま下(会場の1階)に左翼がうろついていますが、この人は違います」 「昨日お電話くださった藤倉さんですか? 断ってすいませんでした。左翼の方が中に入ろうとしていたので警戒していたんです」  なんだかよくわかりませんが、私が左翼ではないことは確か(だと思う)なので、ありがたく慰霊祭を取材させていただくことにしました。 ■神道・仏教・キリスト教が揃い踏み  出席者は主催者発表で約100人。司会は宗教新聞代表・前田外治氏です。まずは国歌斉唱。左翼ではない私は、日本国民として日の丸に礼をして君が代を歌いました。  続いて、靖国神社の元宮司・湯沢貞氏が「宗教新聞の立場から」と称して挨拶に立ちました。 「(靖国神社には戦犯が祀られていると言われているが)日本の法律上、“戦犯”というものはありません。日本の政治家の中にも“戦犯”という言葉を使う人がいるが、もっと勉強してほしい。石原慎太郎氏が国会で安倍晋三首相に対して、“靖国に行かなくていいから、陛下に行っていただくように進言を”と言っていた。両陛下に揃って(靖国に)参拝してほしい」  その後、神道、仏教、キリスト教の聖職者が順番に出てきて、慰霊の儀式を執り行いました。  会場では式次第も配られず、慰霊を執り行う宗教者たちの所属・氏名が書かれたものも配られませんでした。慰霊の際に司会が所属や氏名を読み上げたのですが、取材後、筆者は主催者から「個人攻撃を受けるから、個人名や所属宗派などは記事にしないでほしい」と言われました。批判を浴びるであろう自覚はあるようです。  今回の慰霊祭、参列は事前申し込み制で、事前に申し込んで断られた人もいました。一般には公開しない仲間内イベントのようなので、私としても宗教者の個人名を晒すまでのことはないかなと思うのですが、宗派等の所属団体くらいは公にしておくべきだろうと思います。少なくとも会場では所属宗派も読み上げられた上で慰霊を執り行っているわけですから、単なる個人活動ではなく、宗派の看板が統一教会系イベントに並んだともいえるからです。
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【神道】 にっぽん文明研究所3名 茨城県と長野県の神社の神職3名 【仏教】 法華宗真門流1名 真言宗智山派1名 浄土宗1名 【キリスト教】 カトリック1名 日本基督教団1名 ?1名  統一教会を名乗る宗教者はいませんでしたが、カトリックを名乗るキリスト者は、統一教会のネット放送でキリスト教講座を担当していた人物でもあります。 ■祈りの言葉で「中国ガー」「北朝鮮ガー」  慰霊を行った宗教者のうち、キリスト教による祈りが最も扇情的でした。 「全能の父なる御神、慈愛に満ち溢れたもう天のお父様。私たちはここに、先の大戦で戦火に倒れた方々の鎮魂と、東日本大震災で亡くなられた方々の慰霊のために集まりました。これらの方々は、間違いなく日本のために犠牲になられた方々だと思います。先の大戦で亡くなられた方々は、新生日本の布石となられ、その犠牲において戦後日本の67年に及ぶ平和が作られました。感謝いたします。言葉では言い尽くしえぬ感謝です。しかし、その尊い犠牲によってもたらされた平和も、軍事大国の道をまっしぐらに進む中国や核武装を急ぐ北朝鮮、領土的野心を捨てないロシアなどの動きによって、日に日に危ういものとなっています。67年の栄誉栄華に酔いしれた日本には、公徳心を失い、国を守る気概も覚悟も持たない、愚かな民となり、滅びの時をただただ指を咥えて見ている、情けない姿を呈するようになりました。おお神よ、この国を救い給えと祈らざるをえない状況でありました。このような危機的な状況の中で、あなたは日本に覚醒の一撃を与えました。さる3月11日に起こった東日本大震災は、そのようなものであったと信じます……」  靖国神社で日の丸を前にして日本人の公徳心を語り、「中国ガー」「北朝鮮ガー」と神に祈る、憂国のクリスチャン。カッコイイですね。  それにしても、統一教会系イベントにこうやって参加して宗教儀式までやってしまった各宗教者たち、大丈夫なんでしょうか。統一教会が反日カルトだということ以前に、霊感商法や偽装勧誘、多額の献金等で社会問題化している宗教団体なんですが。 「カルトなニッポン見聞録」過去記事はこちらから ●ふじくら・よしろう 1974年生まれ。東京出身。0型の乙女座。宗教やスピリチュアル団体をめぐる「カルト問題」を取材するフリーライター。ニュースサイト「やや日刊カルト新聞(http://dailycult.blogspot.jp/)」主筆。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社新書)。

“日本のケネディ家”石原ファミリーに最大の危機! 三男・宏高衆院議員に裏金疑惑

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「週刊文春」3月28日号 中吊り広告より
注目記事 第1位 「石原慎太郎とカジノの帝王 疑惑の『フィリピン出入国記録』」(「週刊文春」3月28日号) 注目記事 第2位 「ボーナスが上がる会社 上がらない会社」(「週刊ポスト」4月5日号) 注目記事 第3位 「『田原総一朗』がドタキャンした『暴力団組長80人』討論会」(「週刊新潮」3月28日号) 注目記事 第4位 「華麗なるエリザベス・テイラー」(「週刊新潮」3月28日号) 注目記事 第5位 「安倍さん、日銀・黒田新総裁は財務省の犬かも」(「週刊現代」4月6日号) 注目記事 第6位 「『スワッピング・サークル』で大暴走! 熟年カップル『飽くなき欲望』(「週刊文春」3月28日号)  桜の時期は忙しいが、今年は特に大車輪で都内の桜を見て回っている。これほど開花から満開が早い年は記憶にない。例年、桜は開花しても花冷えの日が続いたりして満開までに日があり、満開になっても寒さがぶり返したりして、一昨年、昨年などは、3週間ぐらい楽しめたのではないか。  今冬は寒さが厳しかったが、暖かくなると一気に5月上旬の陽気まで温度が上がり、東京の開花予定日の25日よりも大幅に早く花が開き、一気に満開までいってしまったから、さまざまなことを思い出している暇がない。  週半ばに井の頭公園近くの花を愛で、土曜日(3月23日)は新宿御苑、千鳥ヶ淵と回って夕刻、隅田川の川沿いで夜桜見物。日曜日は中野通りの桜を観て、新井薬師を参拝して近くの公園で花見の小宴。  今日(25日)は江戸川橋公園の神田川沿いの桜を肴に花見で一杯。まだ八芳園、飛鳥山、六義園にも行きたいし、根津神社から近い立川談志師匠のお墓参りをかねて、門前にある桜を見たいと思っている。ああ忙しい。  今週の新潮、文春の巻頭特集に見るべきものがなかった。新潮は「霧の中の『TPP』20の謎」だが、記事そのものが霧の中にあるようである。文春は「あなたが食べている『中国猛毒食品』厚労省摘発60品目最新リスト」も週刊朝日で少し前にやっていた「危険な輸入食品」を中国に絞っただけで新味はなかった。  そこで今週は、目についた小品を取り上げてみたい。まずは、文春のスワッピング・サークルのお話。  連載「ワイセツ前線異状あり」。面白かったが、今週で終わりである。ちょっぴり残念。私が週刊誌の編集者をやっているとき、何度かスワッピングの取材をしたことがある。あの頃は隠微で卑猥な雰囲気があったが、これを読むと、アッケラカンとした中高年のお楽しみとなっているようである。今では60歳以上専門の「シニア掲示板」も作られているというから、かなりの需要があるようだ。  風俗誌編集者はこう言う。 「やはりネットの普及が大きいですね。中高年専門の出会い系サイトの盛況ぶりは言うに及ばず、今ではスワッピングのネット掲示板には全国から多くのユーザーが集まっています。(中略)劇的にその裾野が広がっている。それを支えているのが熟年層であるのは間違いありません」  最近スワッピングパーティを主催した男性が、その模様を語っている。喘ぎ、息を弾ませている女性が、傍らで見ている男性にビデオ撮影を頼む。後で夫と観て楽しむのだそうである。妻を他人に差し出すのに抵抗はないのかと聞かれ、こう答える。 「妻は夫の所有物ではないので“差し出す”ものではありません。(中略)そもそも結婚した頃は妻の肌に触れるだけでも新鮮な喜びでした。三十代から四十代は子育てで走り続け、ようやく夫婦の時間が取れる時期になりました。この現役のうちに妻との性生活において全てを試してみたいという思いもあります。外国人男性や複数男性だとか、私との性生活だけでは経験できない快感を、妻に味わってもらいたいという気持ちも強い」  私はスワッピングの経験はないが、一歩踏み出せば、案外スーッと入っていけるのかもしれないと、昔取材していて感じたことがある。今はもっとその境が低くなり、越えやすくなっているのだろうか。  週刊現代はあまりにアベノミクスを煽りすぎたと思ったのか、今週の巻頭は「中国と日本『宿命の対決』」と目先を変えてきた。相も変わらずの中国叩きではあるが、だいぶ前に尖閣問題で中国と日本がもし戦わば「日本が勝つ」と威勢がよかったが、今週は「『尖閣で開戦』日本は負ける」と弱気になったのはどうしてなのか。  米中首脳会談でTPP参加を安倍首相が表明したことを、3月18日の中国国営新華社通信は、こう厳しく批判したそうである。 「TPPは単純な経済協定の枠を超え、政治的軍事的領域に拡張されている。アメリカと日本は、TPPという名を借りて、アジアの経済を一体化させ、地域の主導権と発言権を掌握しようとしている。それによって中国の影響力を抑え込み、各国の中国依存態勢をストップさせる。そして中国包囲網を敷き、中国を混乱させ、中国の東アジア戦略を壊滅させようということだ」  さらに、PM2.5ばかりではない巨大な脅威が日本を襲うというのである。 「エイズ禍拡大です。UNAIDS(国連合同エイズ計画)およびWHO(世界保健機関)と中国当局の合同調査では、中国のHIV罹患者とエイズ患者はあわせて78万人とされていますが、これでも信じられないほど控えめな数字。英TIME誌は累計800万人と推測しています。  なにしろ売春婦が1,000万人と推定される国なので、ありえる数字でしょう。その売春婦がすでに日本に大挙してきてあちこちで営業しています。非衛生だが、格安ということで、利用する向きが多い。あまり騒がれていませんが、日本ではHIV罹患者がじわりと増えている。中国の影響で、拡大する恐れもあるのです」(評論家・宮崎正弘氏)  「郵便ポストが赤いのも~」式の中国バッシング記事だが、このように日本人の中の反中国感情を煽って、その先に何があるというのであろう。それよりもメディアがやるべきは、安倍首相よ、今すぐ習近平と会って胸襟を開いて語り合えと訴えることではないか。  アベノミクスと黒田新日銀総裁を合わせて「アベクロ」と呼び、これで日本経済は万々歳だと喜んでいた現代なのに、こちらも風向きが変わったのか、今週は「黒田新総裁は財務省の犬かも」と危惧しだしている。  元経産相のキャリアだった古賀茂明氏がこう言っている。 「もし日銀の審議委員やエコノミストたちを論破できないとなると、黒田さんの場合、否応なく古巣・財務省の威光を借りてしまうこともあり得ます。財務省の力をチラつかせ、『黒田総裁に逆らうと財務省を敵に回す』と思わせ、反対派を黙らせるわけです。  ただしそうなると、黒田さんは自然と財務省の顔色を窺わざるを得なくなります。その後にもし、政策の転換を行う必要が出たときに、財務省や政府の圧力に抵抗できるのか。土壇場で官僚としての弱さが出てしまう懸念もある」  現代は続ける。 「そもそも黒田氏がアジア開発銀行の総裁を務めていたのも、そこが財務省の天下りポストだったから。歯に衣を着せない一言居士として知られる黒田氏ではあるが、財務省という巨大かつ強力な傘の下で庇護されてきた“お役人”であることは変わらない」  不安材料はまだあるという。黒田氏がリーダーシップを発揮するためのバックボーンとなっている、安倍政権の内情の問題を自民党のベテラン議員がこう話している。 「3月21日に黒田氏が初会見を行う直前、麻生太郎副総理兼財務相が『(アベノミクスが標榜する)2%インフレ目標の達成は難しいかもしれない』と発言し、一時的に為替が円高に振れる場面がありました。麻生氏は、安倍総理と必ずしも経済政策の面で一致していない。これから具体的に政策を実行していく上で、両者の亀裂が深まっていく兆候が出ています」  私も、このところのデフレ克服の筋道について、麻生副総理と安倍首相の「言葉の違い」は気になっている。財務官僚が麻生を後ろで動かし主導権を握ろうとする権力争いが始まっている、と読むのは穿ちすぎだろうか。  4位は三回忌を迎えるエリザベス・テイラーの特集。リズは世界一美しい女優といわれた。結婚歴は8回。遍歴の始まりは15歳のときの共演者だったと、作家の井上篤夫氏が書いている。 「欲しいものは、今すぐ手に入れる。それがすべて」。かつて彼女はそう語っていたという。  映画『クレオパトラ』で共演したリチャード・バートンとはW不倫だった。バートンとは5度目の結婚。お互い多額の慰謝料を払ったが、世間から彼女は「他人の夫を盗む常習犯」と罵声を浴びた。  齢40歳半ばを超えてからは事実上引退し、激太りとダイエットを繰り返した。痛みを和らげるための薬物乱用やアルコールの過剰摂取が深刻化し、入院生活を余儀なくされた。その病院で知り合った20歳年下のハンサムな元建設作業員と結婚する。リズ59歳だった。  しかし夫から飽きられ、下着が汚い、いびきがうるさいという理由で離婚訴訟を起こされ、男から初めて「三行半」を突き付けられてしまうのである。  新潮が珍しく巻頭カラーでリズの特集を組んでいる。リズ24歳のときのものだというヌードがある。美しい顔と完璧な乳房。男を引きつけて離さない腰から太腿にかけての線。  今の若い人に、リズの美しさをもっと知ってほしいと思う。  評論家の田原総一朗氏が新潮に叩かれている。これが3位。  山口組ナンバー2の高山清司若頭と1月半ばに、麻布で「密会」したのだそうである。会ったのは「暴力団組長80人を集めて討論会」をやるための下打ち合わせだそうだ。  こんな討論会が開かれネットで生中継されれば、大きな話題になることは間違いない。  討論会が3月27日に開かれるという情報は神戸新聞に載り、秘密会ではなくマスコミへの公開も検討していると書いてある。  その討論会を仲介する人物と田原氏とで、高山若頭と麻布で会ったことは田原氏も認めている。討論会をやる主旨をこう話している。 「ジャーナリストとして、山口組がこれからどうしようというのか、というのを単刀直入に聞きたい、と」  ジャーナリストなのだから、首相と会おうが暴力団の大幹部と会おうが、それ自体はとやかく言われることはない。だが、それならば密室ではなく、ホテルのロビーなどのようなところにすべきであったとは思う。  その後、おかしなことになる。テレビ朝日関係者がこう語る。 「テレ朝の社内では、田原さんは『朝生』でも山口組との討論会の様子についても触れるのではないかと囁かれていたのです。それに頭を悩ませた社の幹部は会議を重ねた。そして、田原さんに対して通告を行うことを決めたのです」  その内容は、討論会は暴力団排除条例に抵触する可能性があるので、開催された場合、今後局としてお付き合いしないというものだった。  テレ朝側は、田原さんが暴力団排除条例に批判的なので、討論会の中で、暴力団を利するような知恵をつける発言をするのではないかと、心配したのである。すると、田原さんらしくないと思うのだが、あっさりと「山口組取材は止める」とテレ朝幹部に連絡をしてきたというのだ。  その際、幹部に対して「中止の理由は病気ってことにすれば、何も言ってこないよな」というようなことを述べたと、先のテレ朝社員が語っている。  再度の新潮の取材に、田原氏は「仲介者に聞いてくれ」と言うばかり。  田原氏は信念の人だと、私は思っている。今回の討論会もジャーナリストとして聞いてみたいことがあったのだろう。それをテレビ局にいわれて止めてしまうというのは、どうも解せない。  田原氏は2月の中頃に転倒し、その後食中毒がわかって聖路加病院に入院した。私が見舞いに行ったのが2月26日。やややつれた様子だった。退院したのはもう少し後だから、新潮が最初にインタビューした少し前になろうか。  病気で気弱になっていたのかもしれない。体力、気力がなくては山口組組長80人の討論会は仕切れまい。体調を整えて、ぜひ再チャレンジしてもらいたいと思う。  さて、ポストはますます不思議な雑誌になっているように思う。この2位の記事もそうである。巻頭のこの特集と「3か月で4億円稼いだ33歳個人投資家ほか億万長者が続々誕生中」というタイトルを見ると、アベノミクス喝采派のように思える。  だが、内容を読んでみるとそうではない。ならばもっと直截にアベノミクスを批判するタイトルを付けたらいいと思うのだが、凡人にはうかがい知れない深謀遠慮があるのだろう。  ポストは有名企業65社に今年のボーナスを「徹底調査」したそうである。このところ自動車業界をはじめとして景気のいい話が出ている。回答した中で自動車産業や三菱重工、カシオ計算機などの過半数34社が前年よりボーナスをアップしたと答えているが、4割近くの24社ではボーナスが前年よりダウンしたという結果が出た。  そもそも自動車業界は企業努力で1ドル=70円台でも黒字が出るところまで業績を回復させていたので、アベノミクス効果ではないのではないかと疑問を呈する。  トヨタ労組の鶴岡光行執行委員長は「(アベノミクス効果は)申し訳ないが、ない」と話しているし、ホンダ広報部も「アベノミクスの影響で一時金がアップしたわけではありません」と答えている。  さらにトヨタの場合、利益をボーナスに還元するのはほんの僅かで、利益の大半は内部留保として積み上げてしまうのである。  かくしてポストはこう書く。 「業績回復しても企業が社員に思い切って還元しようとしない現在のやり方が続くなら、アベノミクスもいずれ、国民の生活を豊かにしない“陽炎景気”と呼ばれることになるだろう」  さらに矛先は大メディアへと向かう。 「奇妙なのは、大メディアが今回のボーナス増額を、まるで給料が大幅アップされるように誇大な賃上げ報道を展開していることだ。日本経済新聞は春闘の一斉回答が出された翌日の朝刊(3月14日付)で、『「賃上げ」物価目標超え年収増、相次ぎ2%上回る』との見出しでこう報じた。〈組合要求の年間一時金約205万円に満額回答したトヨタ。定昇維持分と満額回答の年間一時金を合わせると、組合員平均で5.5%の年収増になる〉  トヨタのボーナスアップ額は平均24万円で、従業員平均年収の『3.2%』だ。定期昇給部分は現状維持だから賃上げになっていないし、現状維持であれば企業側の人件費負担は原則変わらない(定年などで退社する人員と新入社員など入社人員の構成次第)。それなのに、日経は社員の年齢が上がれば当然もらえるはずの定昇まで『賃金上昇分』に計算して、あたかも労働者に還元されているかのように伝えているのである。  賃上げの原資がないわけではない。  日本ではバブル経済末期の97年をピークに、労働者の平均賃金が下がり続けている。10年以上の長期にわたって賃金が下がっているのは先進国で日本だけだ。国税庁の民間給与実態調査によると、大企業(資本金、10億円以上)の従業員の平均年収は2001年の約615万円から11年には約436万円へと3分の2まで落ち込んでいる。しかも、その間に企業は内部留保を貯め込んでいた」  私はポストの報道姿勢は買うが、それならばタイトルではっきりそれとわかるつけ方をしたほうがいいと思うのだが、編集長、いかがだろう。  今週の第1位は、朝日でも「石原ファミリーの落日」というタイトルで特集を組んでいる、石原慎太郎家についての文春の記事。  朝日新聞が追及を始めた石原慎太郎氏の三男・宏高衆院議員(48)と大手パチスロメーカー「ユニバーサルエンターテインメント」(以下UE社)との疑惑を追っている。  この2人の疑惑とは、こうである。 「昨年十二月の衆院選で宏高氏陣営がUE社に支援を要請し、同社の社員に選挙運動をさせたことを指摘。これが公選法違反の疑いがあると(朝日新聞が=筆者注)報じた」  石原親子はカジノ解禁論者で、石原氏は都知事在任中に「お台場カジノ構想」をぶちあげたこともある。UE社の岡田和生会長(70)は現在フィリピンで巨大なカジノリゾートに取り組んでいるそうである。石原親子は、2010年の6月にベニグノ・アキノ大統領の就任式に出席したが、その折も岡田氏はフィリピンに行っており、親密さが表れていると書いている。  問題の宏高衆院議員とUE社の関係だが、11年6月から毎月100万円のコンサルタント契約を結んでおり、昨年1月までに少なくとも1,800万円が宏高衆院議員に支払われていたと報じている。  ここへきてカジノライセンス収得にあたってUE社の「裏金疑惑」が噴出しているそうだが、それに関連してUE社がおよそ4,000万ドルをフィリピンに送金し、そのうち1,000万ドルが日本へ環流していたことが内部告発で明るみに出た。  そのカネが日本の政界工作に使われたという証言もあり、「カネの行く先は慎太郎氏だ」というウワサまで流れているというのである。  公選法違反が適用されるのかが気になる三男。長男の伸晃環境相は当事者能力が問われているし、当の慎太郎氏は2月27日から体調を崩し、都内の病院に入院中である。石原家に近い永田町関係者は「病状はかなり重篤なのだと思います」と言っているが、石原事務所側は「日々回復しており、近く退院する見込みです」と答えている。  どちらが正しいかは判断しかねるが、日本のケネディ家ともいわれる石原ファミリーが最大の試練の時を迎えていることは間違いないようである。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

えっ、小泉麻耶が身障者専門のデリヘル嬢に!? “性”のバリアフリー化『暗闇から手をのばせ』

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障害者専門の派遣型風俗店で働き始めた沙織(小泉麻耶)。
サービス内容はディープキス、フィンガーサービス、フェラチオ、ローションプレイ……。
 身障者専門のデリヘル嬢を主人公にした『暗闇から手をのばせ』が現在、渋谷ユーロスペースで公開中だ。グラビアアイドルとして抜群の人気を誇った小泉麻耶の体を張った演技とメジャー作品が扱わないテーマ性が高く評価され、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2013」オフシアター部門でグランプリ&シネガーアワードの2冠に輝いている。障害者プロレスを追ったドキュメンタリー『無敵のハンディキャップ』(93)、脳性麻痺を持つ重度身障者が殺人鬼を演じたバイオレンスホラー『おそいひと』(07)、ベストセラー作家・乙武洋匡原作&主演による熱血教師もの『だいじょうぶ3組』(公開中)など身障者を扱った映画はこれまでも話題を集めてきたが、本作のように“身障者の性”に正面から向き合った作品は非常に珍しい。  本作に風俗好きな常連客役で登場する“身障者芸人”ホーキング青山の著書『お笑い!バリアフリー・セックス』(ちくま文庫)を読むと、身障者にとってセックスは切実な問題であることが伝わってくる。ホーキングが通っていた養護学校では、男子生徒が暴れ出すと鎮静剤を注射されるか、男性教員がトイレへ連れていき手で抜かれていたそうだ。また、保健体育の授業では「身障として生まれてきた以上、刺激の強いもの(AV、風俗)にはできるだけ触れないように」と指導されていたという。だが、ホーキングは性をタブー視する息苦しい環境から飛び出し、高校生のときに原宿でフツーの女子高生のナンパに成功。その女子高生が非常にできた娘だったこともあり、無事に脱童貞を果たす。自信をつけたホーキングはその後もせっせとナンパに励み、トーク術を磨くことになる。「身障者とヤれる機会はそうそうないよ!」がホーキングの口説き文句だ。彼のそんなポジティブさに、女の子たちは身も心も許してしまう。
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初めての客は進行性筋ジストロフィー患者の水谷(管勇毅)。
体が思うように動かないため、沙織は騎乗位でサービスすることに。
 といっても、誰もがホーキング青山のようにオープンマインドの持ち主になれるわけではない。健常者と呼ばれる人でも傷つくことを恐れて、心を固く閉ざしたまま生きている人は少なくない。『暗闇から手をのばせ』の主人公・沙織(小泉麻耶)もそんなひとりだ。煩わしい人間関係を避けて生きているうちに、いつの間にか風俗の世界で働くようになっていた。身障者専門の派遣型風俗店を職場に選んだのは、「楽そうだし、体が動かないから怖くなさそう」という安易な理由からだった。介護に関する知識がまったくないまま、店長(津田寛治)の運転する車で予約客の待つマンションへと向かう。沙織にとって初めての客となったのは進行性筋ジストロフィー患者の水谷(管勇毅)。徐々に筋力が低下し、歩行や起立ができなくなる難病だ。20代で亡くなる患者が多い。全身にタトゥーを入れたコワモテ風の水谷だったが「オレ、34歳になっちゃった。いつまで生きられるかな?」と沙織に問い掛けてくる。自分の人生すらちゃんと考えたことのない沙織は返す言葉が見つからない。水谷の発射した精液がとても苦く感じられる。  悩む間もなく、沙織は次の客が待つラブホテルへと向かう。両手両足に障害を持つ中嶋(ホーキング青山)を電動車椅子からベッドへと移動させるのは難儀だったが、中嶋は底抜けに明るい性格。あまりに達者なトークに、ずっと緊張を強いられていた沙織は吹き出してしまう。調子にのった中嶋は「ホンバンやらせてよ」と何度もおねだりしてくるが、そこはデリヘル嬢としての矜持を守る沙織だった。中嶋も機嫌を悪くすることなく、沙織の懸命なプレイを満喫する。サービス終了後、ホテル街を中嶋と沙織は仲良く並んで歩く。束の間の恋人気分を味わった中嶋はとても幸せそうだ。お客たちは性欲の解消だけでなく、人と人との触れ合いを求めていることに沙織は気づく。  自分を必要とされる喜びを覚えた沙織だったが、3番目の客と出会い、再び厳しい現実を突き付けられる。健司(森山晶之)はバイク事故で脊髄を損傷した後天的な身障者。自分の身に降り掛かった不幸をまだ受け入れられず、自宅に引きこもったまま。性的な刺激を与えることで下半身の機能が回復するかもしれないと母親(松浦佐知子)が勝手に予約を入れたため、余計に機嫌が悪い。裸になった沙織は騎乗位でベッドに寝たきりの健司にサービスを尽くすが、彼の下半身はいっこうに硬くならない。沙織が汗だくで責めれば責めるほど、さらに不機嫌になっていく。自分の無力さに落ち込む沙織。たった1日の体験入店だけでフェードアウトしてしまっていいのか。それまで面倒なことは避けて生きてきた沙織だが、自分の知らない世界に足を踏み入れたことで次第に意識が変わり始めようとしていた。
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風俗好きな中嶋(ホーキング青山)。しかし、電動車椅子からベッドへの移動は容易ではない。
彼にとって風俗遊びは命懸けだった。
 自主映画として本作を完成させたのは、これがデビュー作となる戸田幸宏監督。出版社の編集者、漫画の原作者などを経て、現在はNHKの子会社である製作会社NHKエンタープライズに所属し、ドキュメンタリー番組を手掛けている。実は本作もドキュメンタリー番組にするつもりで、大阪にある障害者専門の派遣風俗店「ハニーリップ」を数回にわたって取材していた。「ハニーリップ」の経営者は介護施設の職員でもあり、同世代の若い身障者たちの最期を看取るうちに「あいつ、生きてるうちにキスくらいしたんやろか」と思うようになり、身障者向けの風俗サービスを考え付いた。身障者の家族たちからは「寝た子を起こすな」と罵倒されたそうだ。身障者の本音と身障者を取り巻く環境を赤裸々に描いたドキュメンタリー番組になるはずだったが、残念なことにNHKではこの企画は採用されなかった。でも「あるものをないことにはできない」と戸田監督は取材した内容を劇映画として構成し直す。  難航することが予測された主人公・沙織役のキャスティングだったが、グラビアアイドルとして活躍し、女優への本格的転身を図っていた小泉麻耶がこの難役のオファーを快諾した。自主映画ゆえスムーズに撮影開始とは運ばず、撮影までに生じた半年間の猶予を使って、小泉は風俗嬢らを自分から積極的に取材するなどして役づくりの時間に当てた。それまで漠然と生きてきた沙織だが、身障者専門のデリヘル嬢として働き始めたことをきっかけに、自分の中の眠っていた感情が湧き上がってくるのを実感する。小泉は「この役は私だ」と感じたそうだ。感情をあまり表に出さない沙織だったが、ホーキング青山演じる常連客のアドリブトークに思わず表情を崩す。演技ではない、小泉の素顔がさらされる。小泉にハグされたホーキングも本気でうれしそうだ。演技とはいえ、肌と肌を合わせた2人の表情がどんどん和らいでいく。  小泉麻耶やホーキング青山らが台本上のキャラクターに息を吹き込むことでフィクションともドキュメンタリーとも判別できないものへと膨らんでいき、戸田監督が当初考えていたイメージとは異なる作品に変わっていったようだ。身障者の性というタブー視されがちな題材を扱っているが、表情の乏しかった主人公が生活スタイルも人生観も多種多様な人々と触れ合い、心をバリアフリー化していく姿が心地よい。偏見と無知と性欲まみれのドブ池に、かれんなハスの花がぽんッと咲いた。そんな清涼感がラストに漂う。 (文=長野辰次) kurayamikara4.jpg 『暗闇から手をのばせ』 監督・脚本/戸田幸宏 主題歌・挿入歌/転校生 出演/小泉麻耶、津田寛治、森山晶之、管勇毅、松浦佐知子、ホーキング青山、モロ師岡 配給/SPOTTED PRODUCTIONS 3月23日より渋谷ユーロスペースにてレイトショー公開中 (c)2013戸田幸宏事務所 <http://www.kurayamikara.com> ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第215回]サイエントロジーをモデルにした『ザ・マスター』人間は何かに依存しなくては生きていけない? 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撮影=尾藤能暢
 スタイル抜群のモデル体型。一見クールな美女だけど、恥ずかしがり屋で、すぐに顔が赤くなってしまう……。そんなギャップが萌え~な松本明莉ちゃん。大好きなバンドに憧れて芸能界入りしたっていうくらい“フツーの女の子”な彼女が2月7日、1stイメージDVDでデビューしたのもつかの間、4月にはAVデビューが決定した! トントン拍子で大人の階段を上っていく明莉ちゃんに、今突撃インタビューをしちゃいました! ──まずは自己紹介からお願いします。 「松本明莉です。趣味はライブに行くことと、買い物です」 ──緊張してますか? 「はい。けっこう緊張するほうなので……」 ──初々しいですね~。明莉ちゃんはどんな女のコなんでしょうか? 「人懐っこいところがあるので、よくウザがられます(笑)。一度心を許すと、すごく甘えちゃいます」 ──なるほど。そんな明莉ちゃんですが、人気バンド「G」に会いたくてデビューしたそうですね。 「はい。自分が一番尊敬する、憧れの人に会えるんだったら頑張ってみようかなって。ファンとは違う目線で見てほしいというか、ファンとは違う立場になりたかったんです」 ──じゃあ、いずれPVに出演してみたいなとか? 「いやいや! それはファンのみなさんに殺されちゃうので、そこまでは……(苦笑)」 ──2月7日にイメージDVDでデビューされたばかりですが、心境は? 「実はまだ見てないので、ぜんぜん実感がないんです。“あ、出たんだ”みたいな(笑)。千葉県の九十九里などで撮ったんですが、とにかく寒かったです。今、美容系の学校に通っているので撮影をすることはよくあるんですけど、本格的なのは初めてで、ガチガチでした。パッケージを見ると、なんだか恥ずかしいですね(笑)。顔がすごいむくんでて、まるで違う人みたい」 ──DVDではどんな衣装を着ているんですか? 378A3361.jpg 「セーラー服と体操服です。プライベートでも時々コスプレするんですが、アリスの衣装とかメイド服なんかも着ます」 ──そんな明莉ちゃんですが、4月25日には『デビューなのに、こんなに感じてしまって…』でAVデビューされるそうですね。 「先日、一つ目のシーンを撮ったばかりなんです。最初はすごく不安が大きくて、撮影が始まってからもドキドキだったんですけど、スタッフのみなさんがいい人ばかりで、なんとか頑張れました」 ──プライベートでするエッチとは違いますか? 「ぜんぜん違いますね。男優さんはもちろん、スタッフのみなさんもすべて私のために動いてくれて、申し訳ないなと思うくらい」 ──男優さんとの初エッチはいかがでした? 「すごく優しかったです。『大丈夫だよ』って言ってくれたので……よかったです」 ──次の撮影への不安は、ちょっとは安らぎましたか? 「まだ少し不安はあるんですけど、頑張ります」 ──プライベートで印象深かったプレーとかはありますか? 「特にはなくて……本当に普通なんですよね。だから印象深いっていうのは……」 ──これからいろいろな経験を積んでいくというところなんですね。こういうことに挑戦したい、というプレーはありますか? 「えーっ(照)、人並み以上には……って感じです」 ──ちなみに、自分の体のアピールポイントはどんなところですか? 「う~ん、自分的には胸とかあまり好きじゃなかったんですけど、こういう仕事を始めて褒められるようになったので、少し自信を持てるようになりましたね」 ──今後、どんな活動をしていきたいですか? 「バンドに会うためなら、なんでもします(笑)」 ──最後に読者へのコメントをお願いします。 「まだ不安も大きくて、全然思うようにできないことばかりですが、自分なりにこれから成長していけたらいいなって思います。そして、もっともっと頑張りたいと思っているので、これからも応援よろしくお願いします!」 (文=有田俊) 378A3339.jpg

昔はこのくらい平気でした……伏せ字にする気のないヤバイ印刷所の実態『パソパラチャット』1998年12月号

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『パソパラチャット』1998年12月号
(メディアックス)
 いつの頃から、雑誌でヤバいネタを書きにくくなったような気がする。かれこれ30年くらい雑誌好きとして人生を送っていると、“雑誌=ちょっとくらい人の悪口を書いても平気なもの”というのが常識だと思っていた。読者はそれを求めているはずだし、ターゲットにされたほうも笑って許してくれる……。でも、もうそんな時代は終わっていた。先日、ある雑誌で筆が滑って、看板作家を喰って嫁にした某編集長の話とか、挨拶代わりに女性編集者のおっぱい揉んでも怒られなかった某編集部(すでに廃刊)の話とか書いて入稿したら「やめてください!」と速攻怒られた。う~ん、もう時代は変わってしまったのか。  そんな昔を懐かしみながら、今回紹介するのは『パソパラチャット』(メディアックス)1998年12月号である。この雑誌は、91年に日本初のエロゲー専門誌として創刊された『パソコンパラダイス』の姉妹誌である。エロゲーを扱う本誌に対して、こちらのメインになっていたのがエロライトノベルとエロアニメである。  思えば、当時はオタク向けのエロコンテンツが伸びまくっていた時代だった。今でもエロアニメの一大レーベルとして知られる「ピンクパイナップル」が誕生したのは94年(最初のリリース作は『同級生』『マジカルトワイライト』『美しき性の伝道師麗々』……時代を感じます)のこと。90年代の後半には、当時の親会社だったKSSは西五反田に自社ビルを建てて、1、2階にはCD・ビデオ・ゲーム販売店ソフトガレージを出店。当時、筆者は東急池上線沿いに住んでいて「エロアニメってのは、随分と儲かるんだな……」と思ったモノだ。もっとも、あんまり客は入っていなくて、近隣の大学生の遊び場と化していたのだが。
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梅津泰臣版のキャシャーンは今でも名作だと思っています。
乳揺れが……。
 そうした時代背景もあって成立していた本書。今読み返すと「『殻の中の小鳥』からメイドブームがこうなるとは、思わなかったなあ……」とか「『AKITE』はフツーに面白いアニメじゃったよ……(原作・脚本・キャラクターデザイン・監督すべてが梅津泰臣)」とか、懐古厨な感覚に陥っていく。
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かかしあさひろの名を聞いて思い出すのは、出版社の在庫処分の場だったコミケの企業ブースで
嫌そうな顔してサイン会していた姿。昔の企業ブースは面白かったなあ、
新声社が潰れた後とか。
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当時からインターネットの記事が掲載されているなんて考えてみれば最先端だね。
 でも当時、この雑誌の購買意欲をそそっていたのは、そこではなかった。この雑誌、エロアニメの情報を看板にしながら、モノクロページはやりたい放題だったのである。中でも際立っていたのが、この号にも掲載されているシリーズ連載「ヲタク国勢調査」である。この企画は、ヲタクの自虐趣味を全開にしながら人の悪口も書きまくるという、今だったら絶対に編集者がビビってやらない企画である。  クレジットには「文カいたヤツ:ヨッシーアイランド/絵カいたヤツ:かかしあさひろ」とある。  今じゃ、代表作は『暴れん坊少納言』になっているかかしだけど、当時はエロマンガ家で、更科修一郎とかと一緒にマンガ・雑誌批評同人の形態でヤバげなことばっかり書いてコミケの評論スペースを賑わしていた頃。  そんな人脈によって生まれたとおぼしき企画ゆえ、「夏の思い出し」のタイトルでコミケについて語るのかと思いきや、冒頭から「もう現役復帰不可能な事、萩原○至のごとしじゃよ~」と、仕事するのがイヤだというボヤきを延々と綴る。そんな調子で始まる企画でまずネタにされているのが、「ヤバい印刷所」。このネタ、印刷所の会社名を伏せ字にしながらも、まったく隠す気なんてない。  せっかくだから引用してみるが「(ヤバい印刷所の)栄光の一位に輝いたのはなんと栄○印刷」として「とりあえず印刷屋の親父のくせに愛人3人も囲うの禁止」と、こんなところでライター生命を削らなくても……と思ってしまうような無茶な「批評」を。まあ、愛人ネタならまだいいだろうけど、ほかの印刷所への言及はほとんど営業妨害のレベル。「○○○○館」には「名簿転売の元祖。本が上がらなかったり、原稿が帰ってこないくらいならまだ良いが、借金のかたに名簿の転売は勘弁」だし、「○陽社」には「乱丁、落丁、が多いのは愛嬌で済まされるが、払った金より安い紙になってんのは許せん」……過去の事情を知らない人が読んだら「そうだったのか!」と半ば信じてしまうこと請け合いである。
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ページをめくるごとに思うのは、こーゆーものばっかり見てたら、
こんなオッサンになっちまったという自省だよ。
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この頃から、こんな同人誌ばっかり買っていたら、人生がこうなったでござるよ……自省。
 以前、印刷機マニアな某印刷所の人に「印刷所の歴史って誰かまとめないんですかねえ」と話したら「みんなしゃべりたがらないんだよね」と返された体験がある筆者も半ば信じてしまったぞ(あくまで印刷所ネタは引用ですからね!)  さて、1998年のコミケの際にちょっと騒ぎになったのが、「某イ○○エ○大使館」が「○チスのコスプレ」に抗議したとかしなかったとかいう一件。一応、夏のコミケの総括企画ということもあってか、その点にも触れているのだが「2日目のミリタリーブースは、まるでA○DS患者の寄り合い所帯みたいな雰囲気だった」とか書いてある。いやいや、散々「炎上」している筆者であるが、もし「日刊サイゾー」にこんなこと書いたら、炎上じゃなくて出禁は間違いないよ(おそらく、校閲でストップだけどね)。  冒頭に、人の悪口が書きにくくなった現在について記したわけだが、この企画が清々しいのは基本的に噂と悪口をネタに昇華しきっていることにある。ゆえに「よく、こんなこと書けるな」と思うネタはまだまだ止まらない。「オールジャンルとは名ばかりのエロゲー専門即売会コミックキ○ッ○ル」が、悪名高い○ロッコ○ーから運営母体を変えた件に触れた部分では「○ロッコ○ーのK社長にしてみれば自社で安く買い叩いた版権グッズを高く売るための格付け用イベントだったはずなんじゃが、やり方を真似する会社が出てきてうまみが減って」云々とかと、まったく伏せ字の意味がない。そして、やり方を真似した会社に対しても「○-BOOKSは、経営者がガ○タンク君から変わった途端に攻めの経営姿勢ですな」とか。いや、文章がよっぽど攻めの姿勢なわけですが……。ほかにも本文で「最近トンと噂に上らぬプリンス黒メガネ」と書きつつ、挿絵で「RED」って王冠つけた王子が書いてあるしサ。  やっぱり、雑誌の価値はほかのメディアでは躊躇することをガッツリと文字にできることにあると再認識させてくれるこの記事。もう、こんな時代ってこないんだろうなあ。 (文=昼間たかし/文中敬称略)

サイエントロジーをモデルにした『ザ・マスター』人間は何かに依存しなくては生きていけない?

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新興宗教の教団一家を描いた『ザ・マスター』。
心理療法で人々を悩みから解放していくが、
教団が大きくなるにつれて在り方が変わっていく。
 トム・クルーズがセックス教団の教祖を演じた『マグノリア』(99)や石油王とうさん臭い伝道師との関係を描いた『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(07)など、ポール・トーマス・アンダーソン監督の作品では救済を願う主人公と信仰の関係が度々モチーフとなってきた。ベネチア映画祭監督賞を受賞した『ザ・マスター』に登場する“マスター”は、サイエントロジーの創始者であるL・ロン・ハバードをモデルにしたもの。戦場から帰国したものの自分の居場所を見つけることができずにいる主人公がカルト教団の教祖に出会い、ズブズブの関係に陥っていく様子が描かれる。  太平洋戦争が終わり、日本兵を相手に戦ってきた米国海軍兵のフレディ(ホアキン・フェニックス)は本国に帰還する。しかし、戦時中に機械油に柑橘類を絞ったオリジナルカクテルを発案し、すっかり自家製カクテルが手放せなくなってしまった。機械油を主原料にしたそのカクテルは通常のアルコールよりも強烈で、陰鬱な気分を一気に吹き飛ばすことができるが、体にいいわけがない。すっかりアルコール依存症になってしまったフレディは、ようやく見つけた職場で暴れてしまい、ホームレス状態となってしまう。たまたま出航しようとしていたクルーズ船に乗り込んでタダ酒にありつこうとするが、その船はカルト宗教団体「ザ・コーズ」のもので、教祖である“マスター”ことランカスター(フィリップ・シーモア・ホフマン)とフレディは対面。ランカスターは密航者であるフレディを歓迎し、しかも“メソッド”と呼ばれる心理療法で猛烈な虚無感に悩まされていたフレディの苦しみを和らげてくれた。お礼にフレディはオリジナルカクテルを振る舞い、ランカスターもその味の虜になる。年齢差のある2人だが、妙にウマが合い、フレディはそのまま教団に居着いてしまう。
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心的外傷を抱えるフレディ(ホアキン・フェニックス)は教祖ランカスター
(フィリップ・シーモア・ホフマン)の懐の深さに魅了されていく。
 心の問題を抱えた人々がランカスターの元に集まってくる。ランカスターは被験者に暗示をかけ、被験者の過去から前世へと遡っていき、不安の原因を探り当てていく。不安の原因が分かり、安堵する被験者たち。「単なる催眠術ではないのか?」と疑問を唱える記者が現われるが、その手の邪魔者は戦場帰りのフレディが有無を言わさず強制排除していく。悩める者たちを優しく救うランカスターが教団の表の顔、トラブルを力づくで処理するフレディが裏の顔となり、「ザ・コーズ」は信者数を増やしていく。教団においてフレディの存在は欠かせないものになっていく。  ランカスターの妻ペギー(エイミー・アダムス)は部外者の居候であるフレディのことを煙たく思うが、ランカスターはフレディを自分の片腕として寵愛する。教団が大きくなればなるほど、フレディが作ってくれるあのオリジナルカクテルを呑まずにはいられないからだ。多くの信者たちを悩みから解放していくランカスターだが、ランカスター自身の苦しみを理解し、分かち合ってくれるのはフレディしかいない。コドクな王様とそのコドクを癒す道化師のように、ランカスターとフレディは相互依存することで関係を深めていく。  ジョン・トラボルタ主演のトンデモSF映画『バトルフィールド・アース』(00)の原作者であるL・ロン・ハバードの素顔とサンエントロジーの内幕をバンバン暴いた実録ものかと興味津々で観始めたが、サイエントロジーはあくまでもランカスターが作った教団のモデルにとどめ、心的外傷を抱えた戦場帰りの男と新興宗教の教祖との風変わりな友情ものとしてドラマは展開していく。やがて教団が大きくなり、2人の関係は変わらざるを得なくなってくる。教団が社会に大きな影響力を持つようになったこともあり、ペギーはフレディに酒を断ち、教団の一員らしく規律を守るよう命じる。ランカスターもフレディに教団の後継者になることを望む。だが、それはフレディが求めていたものではなかった。より自由に、依存せずに生きられる広い世界へとフレディは飛び出していく。
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教団に息苦しさを感じ、飛び出してしまったフレディ。
だが、“マスター”なしでの生活は、フレディに虚しさを覚えさせるだけだった。
 「(新興宗教に)特に興味を持つことはなかった。多分、そういう人たちはある信条に賛同し、彼らは本当にそれを信じているんだろう。でも、ある時点で、権力に魅せられて堕落する者が出てくる。そういう人がグループを先導し、神と言われるものを作り出していく。それが僕の新興宗教に対する考えだ」。そうコメントしているのは、フレディ役を演じたホアキン・フェニックス。かつて両親が共に新興宗教「神の子供たち」の宣教師を務め、兄リヴァー・フェニックスを薬物の過剰摂取で失ったという過去を持つホアキン。ヤラセドキュメンタリー『容疑者、ホアキン・フェニックス』(10)で「罪深きこの人生やり直させてくれ♪」と自作のラップを披露する姿も、自分の中に巣食う苛立ちを持て余し続ける今回のフレディ役もホアキン自身の持つリアルな側面のように感じられる。  薬物、アルコール、セックス、過食、ギャンブル、職場、スマホ、占い……。現代人は大なり小なり、何かに依存せずには生きていけない。心の目を開いてくれるはずの宗教も盲目的に信仰するようになれば、それはただの宗教依存になってしまう。新興宗教を立ち上げた“マスター”ことランカスターも自分自身を救済してくれる存在を欲していた。ランカスターはエネルギッシュに人々に接する一方、自分の内面の弱さをちゃんと自覚していた。ランカスターのそんな部分も含めてフレディは人間味を感じていた。教団から束縛されることを嫌って放浪の旅に出たフレディだが、結局のところランカスター以上に心が惹かれる人物に出会うことはできない。物語の終わりに2人は再会する。英国に拠点を構えた教団はフレディの想像を遥かに上回る組織に成長を遂げ、かつて宗教家として人々の苦しみに耳を傾けていたランカスターは巨大企業のCEOのようになっていた。もはやランカスターはコドクに打ち震えるちっぽけな心はどこかに置いてきたのだろうか? それとも、もっと別な新しい依存の対象を見つけたのだろうか? (文=長野辰次) the_master4.jpg 『ザ・マスター』 監督・脚本・製作/ポール・トーマス・アンダーソン 音楽/ジョニー・グリーンウッド 出演/ホアキン・フェニックス、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムス、ローラ・ダーン R15 配給/ファントム・フィルム 3月22日(金)よりTOHOシネマズ・シャンテ、新宿バルト9ほか全国ロードショー  (C)MMXII by Western Film Company LLC All Rights Reserved. <http://themastermovie.jp> ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第214回]閉塞化した世界を笑い飛ばす、常識破りの怪作! メタメタおかしい底抜け脱線ホラー『キャビン』 [第213回]若松孝二監督が銀幕に遺した“高貴で穢れた楽園”芸能ものの血が騒ぐ男たちの饗宴『千年の愉楽』 [第212回]裏方スーパースター列伝、あの超絶技が蘇る!『セックスの向こう側 AV男優という生き方』 [第211回]いつもヘラヘラしていた変なヤツ『横道世之介』和製『フォレスト・ガンプ』を思わせる青春回顧録 [第210回]奥西死刑囚は“村社会”を守るための生贄にされた!? 名張毒ぶどう酒事件の闇に迫る再現ドラマ『約束』 [第209回]9.11テロの首謀者ビンラディン抹殺作戦の全貌! アメリカの夜明けは遠く『ゼロ・ダーク・サーティ』 [第208回]チェルノブイリ“立ち入り制限区域”で撮影敢行! オルガ・キュリレンコ主演の社会派作品『故郷よ』 [第207回]“明るい不登校児”のガラパゴスな団地ライフ! 中村義洋監督の箱庭映画『みなさん、さようなら』 [第206回]いつまでもバカやって、尻を追っかけていたい! ぬいぐるみの『テッド』は“永遠のエロ中学生” [第205回]石原慎太郎原作の異色ミステリー『青木ヶ原』ままならない人生の中で出会った恋人たちの行方 [第204回]陶酔と記憶の向こう岸にある世界に3Dで迫る! 松江哲明監督の『フラッシュバックメモリーズ』 [第203回]あの低視聴率ドラマ『鈴木先生』が映画版に! “鈴木式教育メソッド”は世界を変えられるか? 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【清野とおるの、キ○チ○ガ○イと呼ばないで】第12話「ホームレスごめんなさい物語」(後編)

13akabanehomeless.jpg ■前編はこちらから  確かにおじさんは、清野家の敷地の一部に勝手に足を踏み入れていたので不法侵入に該当するけれど、この時の横川くんが俺に提案した理由は、おそらく絶対「ただのノリ」だったと思う。  だって「不法侵入」なんて概念自体、なかったし。 14akabanehomeless.jpg  横川くんのノリに対して、俺もノリで返した。何故なら当時の俺は、「ショウガクニネンセイ」だったからだ。 15akabanehomeless.jpg  そして本当に110番通報した。 通報内容はあまり記憶にないけど、たぶんこんな感じだったと思う。 16.akabanehomeless.jpg  そしてすぐさまパトカーが到着し、おじさんは問答無用でパトカーに押し込まれた。  俺と横川くんは家から出ずに、小窓から顔を出して「そのおじさんです! 早く捕まえてください!」とか一丁前に指図していたような覚えがある。 17akabanehomeless.jpg  パトカーの中で、おじさんは警官に何かを必至に訴えかけるような素振りをしていたけど、内容は全然聞こえなかった。  子どもの一方的な通報……しかも「変だから」というような理由だけで大人が連行される訳ない、とお思いになられる方もいるかもしれないが、80年代は町中に変なおじさんがウジャウジャ生息していて社会問題にもなっていたので、割と簡単に連行されるシステムになっていたのだ。  パトカーが発車しようとした、その時…… 18.akabanehomeless.jpg 19.akabanehomeless.jpg  一瞬……でも明らかに、おじさんが俺たちのことを、鬼のような形相でにらんだのだ……。 20.akabanehomeless.jpg  そしてパトカーは、おじさんを連れて、去っていった……。 21.akabanehomeless.jpg 22.akabanehomeless.jpg  それにビビッた横川くんは、俺を残してそそくさと帰ってしまった。 23.akabanehomeless.jpg  その日からしばらくの間、眠れない夜が続いた。  俺の家も俺の顔も完全にバレてしまっていることだし、おじさんが警察から出てきたら絶対復讐される。俺だけじゃなく、お父さんもお母さんも弟も、皆殺しにされる……そう思ったのだ。  しかし、結局おじさんを見ることは、二度となかった……。 24akabanehomeless.jpg 25akabanehomeless.jpg 境内で向けられた優しい笑顔と、パトカーの窓越しに向けられた恐ろしい顔。 その二つの顔を思い出すと、何故あの時通報なんてしてしまったのだろうと、心底後悔する……。 1akabanehomeless2.jpg  だから大人になった今の俺は、なるべくホームレスには優しくしようと思っているのだ。  おじさん、この記事読んでますか?  絶対読んでないと思いますけど、もし読んでたら、あの時は通報してすみませんでした!  横川くんもあの後、すごく反省してましたんで! (文・イラスト=清野とおる) 1seinoprof.jpg ●せいの・とおる 1980年生まれ。東京都板橋区出身。地元・赤羽に生息する奇妙な人々を生き生きと描いた漫画『東京都北区赤羽』(Bbmfマガジン )が大ヒット中。 Twitter <https://twitter.com/seeeeeeeeeeeeno> 「キ○チ○ガ○イと呼ばないで」過去記事はこちらから