
「週刊文春」10月24日号 中吊広告より

■エロバカ企画の殿堂「men's egg」が休刊!? 当サイト「日刊サイゾー」や雑誌「月刊サイゾー」を読んでいるような、引きこもり文化系男子たちとは縁遠い、イケイケなギャル男やチャラ男たちをターゲットにしたメンズファッション誌を毎月レビューしているこの連載ですが、「メンズファッション誌レビュー」と言いつつ、ファッションについて言及することは皆無。暑いか寒いか以外の評価基準で服を選んだことなんてないですからね、わたしゃ。 ……というわけで、この手のメンズファッション誌でなぜか毎号特集されている、ギャル男たちの短絡的なオチンチンの欲求を満たすためのエロバカ企画ばっかりを紹介してきました。 中でも(ファッション誌としてはどーかと思いますが)エロバカ企画のクオリティが群を抜いて高かったのが「men's egg」。イケメンの読者モデルが「マンカスを食べながらのオナニーが至高」と言い放ったり、ウンコをボディクリーム代わりに全身に塗りたくってプレイしているというカップル、5年で3000人とヤッて、ハメ撮り相手の写真はフォルダ分けして整理しているという最強ヤリマン……等々、トンデモない人たちが登場したりと、質・量ともに他のメンズファッション誌の追従を許さない、どーかしている企画を次々と送り出しています。 しかしそんな「men's egg」が、なんと今月発売の「men's egg」11月号をもって休刊することに……ガーン! 一応、「廃刊ではなく休刊」とのことですけど、休刊から復活を遂げた雑誌ってあんまり聞いたことないですからねぇ~……。ま、とにかくメンエグ&エロバカ企画の復活を願いつつ、休刊ラスト号をかみしめながらレビューしていこうと思います。 ■イケメンが脱糞を……驚愕のエロバカ企画ヒストリー メンエグ最終号を本屋で手に取って、まず思ったのが「薄ッ!」ということ。触って分かるくらい、今までの号と比べて明らかにページ数が少ないんですよ。 考えてみれば、雑誌不況の昨今じゃあ「今回で休刊します!」と有終の美を飾れる雑誌なんてごく一部で、前の号で「来月号に続く!」とか書いていながら、忽然と姿を消してしまう雑誌なんていくらでもありますからね。 メンエグの場合、「最終号」をキッチリ発行することはできたものの、今まで通りのページ数で出す余裕はなかったということなんでしょうか? そんな満身創痍の状態で我々メンエグ・ファンの元に届けられた一冊……涙なくして読めませんよ! さて、ギリギリの魂を振り絞って作られたメンエグ最終号、果たしてどんなメッセージが刻まれているのかというと……まあメモリアル号のお約束として「FOREVER men's egg」みたいな感じで、過去にメンエグモデルとして活躍していたJOYや田中大地、植竹拓(ピロム)らのインタビューや、ギャル男、センターGUY、デリッカー、アメカジ、ブラックスタイルといった渋谷系ファッション遍歴と、まあ一応ファッション誌らしいヒストリーも紹介してはいるんですが、そこはエロバカ企画の殿堂「men's egg」。これまでやらかしてきたエロバカ企画の振り返りにも、かなりのページ数を割いています。さすが! 当時のエロバカ企画ページはかなり縮小されてバーッと紹介されているため、残念ながら細かい内容までは読むことはできないものの、それでも見出しを見ているだけで、国会図書館にダッシュしてバックナンバーをチェックしたくなってしまうほど破壊力満点のバカ企画ばかり。 たとえば、イケメンの読者モデルたちがゴムボートで多摩川を下って海を目指したり、動物園や自衛隊で働かされたり、ホームレス体験させられたり、母乳を飲まされたり、爆竹で犬のウンコを爆破したり……。 さらに、読モたちのセックステクニックを競う「S-1グランプリ」では、なぜか女役を務めているのがみんな男性編集者! セックステクを披露……というよりは、単にホモ丸出しのページが繰り広げられております。 また、読モたちは1万円でどこまでムチャをするのか!? という「実録1万円チャレンジ」では、1万円をゲットするために全裸になったり、犬のクソを素手でわしづかみにしたり、さらにはカメラの前で脱糞をかましてしまう剛の者まで。いやぁ、メンエグって昔っから……いや、昔のほうが、よりイカレた企画バンバンだったんですね。 メンエグの発行元だったミリオン出版では、かつてこんな感じのバカ企画ばっかり掲載していた「GON!」というサブカル雑誌を出していたものの、後にただのエロ本と化してしまい、その後継誌として「実話GON!ナックルズ」→「実話ナックルズ」と歴史が続いているわけですが、バカ方面での「GON!」正統継承者は、むしろ「men's egg」と言えるんじゃないでしょうか? ■いつか復活するのを待ってます! ……エロバカ企画込みで
もちろん過去を振り返ってばかりではなく、休刊最終号でも手を抜かずに新たなエロバカ企画を生み出しています。
新旧・読モ対抗の体を張ったガチンコ対決「ファイナル格付けSHOW」では、これから職を失う(?)という読モたちに容赦なくチューブのワサビを一気飲みさせたり、ザリガニに鼻を挟ませたり、重りを入れたペットボトルから伸びる洗濯ばさみに乳首を挟んで、そのペットボトルを思いっきり放り投げさせたりと、相変わらずやりたい放題。最後の最後までメンエグ編集部は「読者モデル」という言葉の意味を理解できなかったようです。
この最終号でも「マンカス大好き」で(ボクの中で)おなじみの変態読モ・たあはむが大活躍しています。二人羽織で(もちろん、たあはむが前)激辛&激熱の鍋を食わされ、手が滑ってアツアツ鍋がチンポにクリティカルヒット。股間に取り付けたパチンコのような装置(キャンタマシーン)でキャンタマを強打。顔だけ見るとホントにイケメンなのに、こんなアホな企画に体を張りまくって……ステキです、たあはむ!
ちなみに、みんなが気になっているであろう、たあはむの動向ですが「今後はどんなことするのー?」との問いに「(新宿)二丁目!!」と高らかに答えていました。どこまで芸人魂にあふれてるんや、あんたってヤツぁ……。まあ、最近では姉妹誌「egg」のエロバカ企画にも顔を出しているようで、これからは「egg」のほうで元気なたあはむを見られるのかもしれませんけど。
いやぁー、しかしコレだけ笑えて、読みどころ&ツッコミどころ満載のエロバカ企画を次々と生み出してくれていたメンエグが休刊になっちゃって、この「メンズファッション誌レビュー」自体の存在も、かなり危ういものとなっています。来月からネタあるのかな……?
そういえば、冒頭で「休刊から復活を遂げた雑誌ってあんまり聞いたことない」と書いてしまいましたが、考えてみればメンエグの姉妹誌「egg」は2000年に一時休刊に追い込まれたものの、しばらくして奇跡的に復活、現在でもギャル誌のトップランナーとして突っ走ってるんですよね。
……というわけで「men's egg」もこれで終わりじゃなく、いつの日かミラクル復活を果たしてほしいものです。もちろんその際には、これまで以上の超・エロバカ企画をひっさげて。待ってます!
(文・イラスト=北村ヂン)
10月14日、視聴した動画のタイトルをツイートするサービスが広まり始めた。「plays "~動画タイトル~" liveplaylist.net/playsnow/html5~」といった本文なのだが、そのURLをクリックすると「Plays Nowがあなたのアカウントを利用することを許可しますか?」という認証画面が開く。ここで許可をすると「LivePlay」という動画サイトが表示され、視聴した動画のタイトルが投稿されるようになるのだ。
現在、このサービスがウィルスのように爆発的に広まっている。有名人や教師、アニメの公式アカウントまで、根こそぎ引っかかり、エロ動画やグロ動画の視聴履歴を全世界に公開することになった。しかも、連続して視聴すると、どれだけ必死になっているかも丸わかり。アニメの公式アカウントは「関係者の操作ミス」として謝罪。多くの人たちは、該当ツイートを削除するだけでなく、Twitterから退会するはめになった。
「Plays Now」アカウントと連携する際、明確に「ツイートする」という動作の許可を求められており、それに同意しているのだから、これは不正アクセスの類ではない。個人情報が漏洩した、と怒るのは情弱の極みだ。騒ぎと関係ない人たちにとっては笑って終わりだが、当人は永遠に名前と動画タイトルのセットがネットに残ってしまう一大事だ。
もし「Plays Now」と連携してしまったら、すぐに解除しよう。Twitterのホーム画面から設定を開き、「アプリ連携」を表示。その中から「Plays Now」の「許可を取り消す」をクリックすればよい。スマホ版では表示されないので、PCで操作しよう。どうしてもスマホで連係を解除するなら、ブラウザアプリの「Chrome」であればPC版を表示できる。
「plays」で検索をかけると、顔と本名を出したアカウントが18日現在でも大量に見つかる。しばらく騒動は収まりそうにない。SNSを運用するにあたり、最低限のITリテラシーを持っていないと、人生を狂わすことになるので注意していただきたい。
まるでこれから田植えでも始まるかのようなぬかるみ状態の会場。雷鳴まじりで断続的に降り続ける豪雨。ステージ上の機材は浸水のためトラブルの連続。当然ながら出演アーティストの演奏はベストコンディションには程遠いものだった。そんな悪条件ながら、いや最悪の状況だったからこそ、参加者たちの記憶に刻まれたロックライブがあった。フジロックフェスが始まる以前、1987年8月22日に九州の南阿蘇で開かれた「BEATCHILD1987」がそれだ。出演アーティストがあまりにも豪華すぎる。ザ・ブルーハーツ、RED WARRIERS、BOOWY、THE STREET SLIDERS、尾崎豊……。もう2度とありえない顔ぶれが集ったオールナイトイベントだった。LIVEドキュメンタリー『ベイビー大丈夫かっ BEATCHILD1987』は、ロックムーブメントに湧いた80年代の熱気と野外フェスならではの悲惨な状況をそのままタイムカプセルに閉じ込めたレアものの映像記録だ。その封印が26年ぶりに解かれる。 出演アーティストが発表された時点で、大変な反響を呼んだロックイベントだった。3万人の動員を予定していたイベント会場のアスペクタには、7万2000人もの若者たちが全国から集結した。日本版ウッドストックだと騒がれた。阿蘇山麓の雄大な大草原の中で、さわやかな夜風を感じながら、星空に彩られた夢のロックフェスになるはずだった。だが、山の天候はあまりにも無情だった。夕方6時の開演を前に土砂降りのスコールが降り、ステージ前の客席スペースを濁流が流れる有り様となる。こんな状況でオールナイトイベントができるのだろうか?豪雨の中で決行されたオールナイトイベント「BEATCHILD1987」。ズブ濡れになって歌う尾崎豊の姿に7万人の観客は陶酔し、一体感を覚えた。
イベント関係者も観客も抱いていた不安な気持ちを、スコ~ンと蹴り飛ばしてみせたのはオープニングを飾るザ・ブルーハーツだった。ブルーハーツはこの年の5月にメジャーデビューを果たしたばかり。雨の中、会場入りしたヒロトがカメラに向かって笑う。「最高だな、おい!」。このヒロトのひと言と笑顔がこのドキュメンタリーの“核”となる。ロックとはポピュラー音楽のいちジャンルを指した言葉ではない。不満だらけの現実を爆発するエネルギーに転換させる強烈な思考性こそロックなのだ。ドブネズミみたいにずぶ濡れになった観客に、ブルーハーツの名曲「リンダリンダ」が捧げられる。こうして長い長いオールナイトイベントの幕が上がった。 続くRED WARRIERSの演奏中こそ小降りとなっていたが、“和製プリンス” 岡村靖幸が歌い始めると再び雨足が強くなっていく。岡村の「君とセックスしたいんだッ」という叫びが暗闇に溶けて消えてしまう。悲惨さを極めたのは白井貴子のステージだった。機材が水浸しでまるで使いものにならない。ドラムのドスドスッと響くリズムだけで、白井貴子はステージを乗り切らなくてはならなくなった。星降る夜空のもと、バラードをじっくり歌い上げようと考えていた白井貴子の目論みは完全に豪雨と共に流れ去ってしまった。頭からバケツで水を被った白井貴子はヒット曲「CHANCE!」を懸命に歌う。ボロボロのステージだったが、観客を気遣いながら最後までステージを勤め上げるプロ意識が焼き付く。ステージを降りた彼女のこぼした涙は、満足なライブを提供できなかった悔しさからか、それともステージを何とかやり遂げた安堵感からか。 夜更けになり、寒さがどんどん増していく。売店で用意されたタオルもTシャツもすべて売り切れ。悪寒と疲労を訴える観客が次々と救護スペースへと運ばれていく。そんな中で驚異的なパフォーマンスを披露したのはBOOWYの氷室京介だった。布袋寅泰のギターとの掛け合いの懐かしさもさることながら、雨の中でもヒムロックは普段とまるで変わらずに体をくねらせ続ける。悪条件に左右されない、恐ろしいまでの集中力だ。真夜中の2時に登場した尾崎豊に至っては、ステージ上でぐしょぐしょになって「シェリー」を歌う姿がとても自然に感じられてしまう。疲れきった観客たちを相手に、会場全体を支配してみせた尾崎のカリスマ性はハンパない。BOOWYはこの年の12月に解散を宣言、尾崎は5年後に26歳の若さで夭折する。80年代後半のロックブームを牽引したザ・ブルーハーツ。ステージ上を飛び跳ねるヒロトのエネルギッシュさに観客は引き込まれていく。
尾崎、ハウンドドッグらマザーエンタープライズ所属のアーティスト出演パートだけで構成されたテレビ番組が過去にローカル放送されているが、主要アーティストたちをほぼ網羅したバージョンは本作が初となる。バンドの解散や所属事務所の移籍などあり、権利問題をクリアすることが困難なことからDVD化やテレビ放映は予定されていないとのこと。当時、南阿蘇まで辿り着けなかったファンにとっても、会場入りしたものの全ステージを楽しむことができなかった観客にとっても貴重な追体験の場となりそうだ。 トリを務める佐野元春のステージと共に冷たい雨がようやく止み、阿蘇の山麓に朝日が差し込む。夢の宴が終わった後、泥沼と化した会場から難民さながらの姿になった観客たちがぞろぞろと引き揚げていく。その様子をカメラは執拗に延々と映し出す。疲れきった若者たちの重い足取りを、バブル経済崩壊後のズタボロになる日本社会と重ね合わせているのだろうか。いや、ひと晩中、雨に打たれ続けた彼らの体内には泥と乳酸だけでなく、ロックの遺伝子も注入されたはずだ。伝説のロックフェスから四半世紀が過ぎ、タイムカプセルを開けるにはいい時期なのかもしれない。ヒロトの「最高だな、おい!」という笑顔が乾いた胸に染みる。 (文=長野辰次)この年、日本武道館に初進出を果たしたTHE STREET SLIDERS。ブームに左右されることなく、硬派なスタイルを貫いたバンドだった。
LIVEドキュメンタリー『ベイビー大丈夫かっ BEATCHILD1987』
監督/佐藤輝 音楽監督/佐久間正英 出演/ザ・ブルーハーツ、RED WARRIERS、岡村靖幸、白井貴子、ハウンドドッグ、BOOWY、THE STREET SLIDERS、尾崎豊、渡辺美里、佐野元春(出演順) 配給/ライブ・ビューイング・ジャパン、マイシアター 10月26日(土)よりイオンシネマ、TOHOシネマズ、Tジョイほか全国ロードショー (c)BEATCHILD1987製作委員会 <http://www.beatchild.jp>
10月上旬に人気を集めた記事を紹介する、このコーナー。秋ドラマも続々スタートし、話題豊富な今クールですが、なんといっても注目はキムタク主演の『安堂ロイド』(TBS系)! 前クールの『半沢直樹』の後枠というプレッシャーに打ち勝ち、その独特な世界観でお茶の間の支持を得られるのか!? そしてついにアンドロイドにまでなったキムタクはどこへ向かうのか!? 早速ランキングをチェックしていきましょう!
第1位
「ほぼ置き物状態……」“名ばかり司会者”みのもんたが『秘密のケンミンSHOW』に出続けるワケ
本当は黒いマスコットなんです。
第2位
“肉体派の人気芸人X”がシャブ逮捕秒読み情報!「武井壮ではない」と関係者
で、誰なの?
第3位
オードリー若林まさかの号泣!『日曜×芸人』で何が起きたのか?
若林ってなんなんだろか。
第4位
杏主演『ごちそうさん』22%好発進も「15分が退屈」「原田泰造が原田泰造にしか見えない」の声
もっといい俳優、いっぱいいるよ!
第5位
庵野秀明からダメ出しの嵐! キムタク主演『安堂ロイド』が心配すぎる!
そういうのも全部ひっくるめて楽しもう!
次点
「タレント」という呼び名が私を変えた~デヴィ夫人がどんなオファーも断らない理由~
すごいお家でした!
次々点
「伝える力は、伝えたいという愛情に尽きる」生粋の“てれびバカ”西田二郎が語る、テレビの未来
テレビ愛、ひしひし伝わってきました。
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今週の注目記事 第1位「週刊朝日新編集長が“セクハラ常習”で更迭」 (「週刊文春」10月17日号) 第2位「バラまかれた『復讐ポルノ』の残酷」 (「週刊ポスト」10月25日号) 第3位「飛鳥涼独占告白3時間」 (「週刊文春」10月17日号) 第4位「アメリカ発世界同時株安に気をつけよ」 (「週刊現代」10月26日号) 第5位「安倍政権が狙うクビ切り特区 ブラック企業『合法化』の恐怖」 (「週刊朝日」10月25日号) 週刊朝日が大変なことになっているが、それは後述するとして、朝日が、安倍首相が進めようとしている「クビ切り特区」はブラック企業を後押しする政策だと難じている。これが第5位。 日本の経営者側が、従業員を解雇しやすくしてほしい、そうでないと雇用の移動が円滑にできないし、これが経済成長を阻んでいるという“身勝手な”いい分を取り入れ、9月20日、安倍首相が産業競争力会議に指示した考えである。 ワーキンググループの八田達夫座長がこの会合に提出した資料によると、こうである。 「(1)有期契約で5年以上働いても、契約社員が無期契約になれる権利をあらかじめ放棄できる (2)入社時に解雇の要件や手続きを明確にする (3)一定の年収などがある人が希望すれば労働時間の規制を外せる」 こうした憲法違反とも思える特区を作り、全国へ拡げていこうというのが安倍首相の考えのようだが、こんなことが特区といえども許されていいはずはない。クビを切りやすくするすることが景気回復に役立つとでも思っているのだろうか。日本総研の山田久チーフエコノミストが批判する。 「雇用制度の変更は、労使の合意が前提でしょう。そのうえで政府が、企業側には産業振興、労働者側に賃上げと失業対策を講じる。この3点セットで議論しないと、日本経済は活力を取り戻しません」 その通りであろう。だが私は、この特区が成立する可能性はほとんどないと思う。それは反対する側のネーミングのうまさにある。「クビ切り特区」に賛成する議員は、次の選挙で選挙民から見放されるのは確実だからである。 お次は、アメリカが大変だというお話。国家のデフォルトとは、その政府が発行している国債などの借金を返せるなくなることだが、アメリカがその危機に直面しているのである。 現代でニューヨーク市立大学名誉教授霍見芳浩氏がこう言っている。 「もし米国がデフォルト(債務不履行)したら……。現在、10月20日前後が、米国政府のキャッシュフローが尽きる限界点だと言われています。デフォルトすれば、米国債の信用がガタ落ちして買い手が付かなくなるわけですから、一気に金利が上昇して大混乱に陥る。2008年はリーマンブラザーズの破綻によってウォール街が崩壊し、金融危機が起こりましたが、デフォルトはそれ以上の影響が出ることになります」 株式市場ではカタストローフィ(破滅)、ブラックオクトーバー(暗黒の10月)、ブラッドオクトーバー(血の10月)などの言葉が飛び交い始めたそうだ。 リーマンショックを振り返るまでもなく、アメリカの破綻は日本の破綻に結びつく。東京五輪で日本が復活すると騒いでいた現代の“迷走”は、日本の“迷走”の表れである。 ワシントン在住の金融アナリストの伊藤貫氏は、デフォルトの可能性は低いとしながら、現在の米国が抱える問題をこう語ってる。 「米国ではここ30年間で、高卒労働者の生活レベルが2割低下しています。米国の労働者のうち、高卒クラスは6割を占めます。つまり、おおよそ6割の米国人の収入や生活が2割悪化してるというわけで、大きな問題です。その一方で、米国のGDPは同じ期間で2倍になっています。経済規模が2倍になっているのに6割の人の生活が苦しくなっているのは、それだけごく一部の富裕層に富が偏重していることを示しています。この格差に対する国民の怒りは大きく、米国政府に反対する共和党の強硬派=ティーパーティが強気に出る背景になっている」 アメリカの新聞やテレビの報道では、ギリギリまで共和党側は延ばすだろうが、指導力の低下しているオバマ大統領がどこかで譲って決着するのではないか、という見方が多いようであるが。 現代は、米国プリンストン大学教授で、08年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏にインタビューしている。彼は安倍首相の「決める政治」を評価しているとして、こう話す。 「これまで、『金融緩和で日本経済を回復することは不可能だ』という議論が繰り返されてきました。もちろん、金融緩和がすべての問題を解決するわけではないのですが、一定の条件が満たされればインフレが起こり、望ましい状況がもたらされます。その条件とは、『国家の経済は将来的に落ち込まない』『中央銀行が実際に金融緩和を実現に移す』と人々が“信じ”、“期待する”ことです。(中略)一つだけ苦言を呈するのであれば、今回8%の消費増税を決定したことにはがっかりしました。もし私が安倍首相から相談されていたら、『もう少し待て』と言ったでしょうね。97年に消費税を3%から5%に上げた際、景気が後退したことはみなさん知っているでしょう。本来なら、デフレを完全に脱却してからやった方が安全です。いま、ちょうど光が見えかけていたのに、増税によって消費が落ち込む可能性がある。消費税が上がっても消費を落ち込ませないためには賃金アップが必要ですが、景気が良くなってもそれが賃金に反映されるのは最後の段階ですから。急速に少子高齢化が進んでいる日本では、今後さらに所得税よりも消費税のほうが重要になってくることは確かです。そうした状況を踏まえれば、たとえば一定年収以下の所得税を減らすことを提案したい。収入が一定以上ある世帯は、消費税が上がっても消費が極端に減ることはないので、消費が落ち込むこともないでしょう」 やはり、経済学の泰斗も消費税を上げたことには疑問を呈している。 「世界の多くの国が固唾を呑んでその行方を見守っている。いま、世界経済を救うために、日本が必要とされているのです」 こう氏は語るが、日本には重荷なのではないか。 「覚せい剤なんて、僕は一度もやったことはありませんよ。ずっと“無菌状態”で育っていますから。実は、僕が使っていたのはアンナカです。『安息香酸ナトリウムカフェイン』といって通称アンナカと言われる薬なんですけど、2000年頃から病院で処方されて飲んでいました。詞を書く時には本当に助かってる。今日は絶対に寝ちゃいけない時ってあるでしょ。眠かったり、ダルかったり。アンナカを一包飲むと、2~3時間は目が覚めるんですよ。(中略)昨年夏過ぎ、そんな話を山本にしたところ『アンナカなら手に入るよ』って言われたんです。その後、いきなり山本がアンナカをプレゼントで自宅に持ってきてくれて、『ちょうだい、ちょうだい』ってなったんです。どこから入手しているのかはわかりませんけどね。(中略)これが僕の認める唯一の汚点で、薬事法違反ですよね。そこに関しては認めます。でも、病院で処方してもらえる薬ですし、自分としてはそこまで罪悪感はなかった。しかも、毎月受け取っていたわけじゃない」 文春でこう語っているのは、人気大物デュオ「CHAGE and ASKA」のASKA、飛鳥涼(55)である。 2カ月ほど前にここでも紹介した文春の記事「シャブ&飛鳥の衝撃 飛鳥涼は『覚せい剤吸引ビデオ』で暴力団に脅されていた!」は大きな話題を呼んだ。それから2カ月が過ぎた9月30日に、文春記者の携帯電話にASKAから突然電話がかかり、「男と男の話し合いをしよう」と言ってきたのだそうだ。 その夜、自宅に隣接するスタジオでASKA本人がインタビューに答えた。これが今週の第3位。 医者から処方されている合法的な薬だと説明するが、文春記者は納得できないようだ。ASKAの言うようにアンナカであったとしても、それにはこういう効用もあると、元覚せい剤中毒者が解説する。 「われわれの間では、アンナカはシャブの“混ぜ物”という認識。通常、シャブを使用すると男は性的不能になりますが、興奮剤のアンナカを混ぜることにより、勃起が促進され、ドラッグセックスが可能になる。闇ルートでは味の素で増量してある粗悪なジャブも出回っているので、アンナカ入りのものは“上物”とみなされています」 また「ASKAの主張通り、アンナカの吸引シーンを(山本から=筆者注)『覚せい剤吸引』と“捏造”され、多額の金銭を要求されたとすれば、これは悪質な恐喝以外の何物でもない。しかも、相手は小指が欠損した現役の暴力団組員である。しかし、ASKAは山本に対し、『悪い奴には思えない』『憎めない』と庇う様子すら見せるのだ」(文春) そこでASKAの友人が完全匿名を条件に、裏事情をこう明かしている。 「実は最近、ASKAは極秘裏に山本と“手打ち”をしたというのです。ASKAが言うように、そもそも山本とは共犯関係だから、本来ならば盗撮映像が世間に出ることはなかった。だが、山本サイドが映像をマスコミに売り歩き、情報をリークし、ASKAの“シャブ使用”が発覚。で、あの大騒動です。事が事だけに、もし逮捕されるような事態に発展すれば、双方が損をすることになる。しかしお互いが組んでしまえば、容易に言い逃れはできる。山本と話し合いがうまくいったASKAは、安心して『ドラッグをやってない』と声明文を出したのではないか」 なんのことはない、山本という暴力団員の思惑通り、文春を使ってASKAに脅しをかけ、それに震え上がったASKAが要求通りにカネを払ったという図式になるのではないか。 このインタビューで、ASKAの覚せい剤疑惑がすべて晴れたわけではなさそうである。ASKAは、こんな気になる発言もしている。 「クスリで唯一心当たりがあるとしたら、文春でも薬物疑惑が書かれたエイベックス社長の松浦(勝人)君。彼のパーティーなんかに呼ばれて行ったこともあるから、仲間だと思われたりしていたかもしれない。松浦君ともクスリの話はしたことはないけど、彼にそういう噂があるってことは知っていました。だから僕もその一派かと思われたのか、と思いますけど」 こうした芸能界の薬物汚染情報が次々に出てくるが、ASKAの場合も、麻薬取締官が事情聴取したという話は聞かない。事実無根なのか、現行犯逮捕でないと無理なので躊躇しているのだろうか。“火のないところに煙は立たない”のではないかと、私などは思うのだが。 東京・三鷹市でタレントの卵、鈴木沙彩さん(18)が殺された事件は、改めてストーカーからどうやって身を守ったらいいのかを考えさせることになった。現代も同じような視点で特集を組んでいるが、今週のポストは土曜日発売なので、ポストの早いもん勝ち。 ポストはストーカー殺人犯である池永チャールストーマス容疑者(21)が、鈴木さんにさらに卑劣なことをしていたと報じている。 「海外にサーバーが置かれている『ポルノ画像・動画投稿サイト』に10月2日、若い日本人女性の写真がアップされた。投稿したのは、女性の元交際相手。その数日後には、女性の動画も公開された。67枚の写真1つの動画。中には、一切の衣服を身につけていない女性の姿もあった」(ポスト) 事件が起きたのは10月8日16時50分頃、三鷹市の閑静な住宅街に住む私立高校3年の鈴木さんは、自宅内にいるところを、かつての交際相手だった池永容疑者に襲われた。 池永容疑者は昼ごろ、鍵のかかっていなかった2階の窓から鈴木さん宅に侵入、クローゼットに潜んでいた。 ポストで捜査関係者がこう明かす。 「池永容疑者は京都出身。フィリピン人の母親と日本人の父親をもつハーフで、日本国籍を持っている。(中略)身長は約180センチと大柄で、高校時代は柔道部に所属していた。沙彩さんは刃物で首や腹など4、5か所を刺され、首の動脈が斬られたことが致命傷になった。使用された凶器は、9月末に現場からほど近い吉祥寺の雑貨チェーン店『ロフト』で購入したベティナイフだったようだ。犯行は計画的で、残忍なメッタ刺しからは、強い殺意がうかがえる」 沙彩さんは、現代美術画家の母親と映像関係の仕事に携わる父親の一人娘。小学生の頃からタレントとして活動し、将来の夢は女優だった。3年前には映画『冷たい部屋』(平田大輔監督)でスクリーンデビューしている。大伯父は脚本家の倉本聡氏。 別の捜査関係者はこう言っている。 「沙彩さんは事件当日の朝、両親に伴われて悲壮な表情で地元の三鷹署を訪ねてきた。ストーカー被害の相談だった。本人の強い希望で、その場で警察官が署の電話から池永容疑者の携帯電話に連絡した。電話に出なかったので、“三鷹署まで連絡がほしい”と留守番電話を残した。その後、昼と夕方にも池永容疑者に連絡し、同様の留守電を残した」 三鷹署側は、対応に誤りはなかったと言いたいのだろうが、ストーカー被害を受けている若い女性を一人にしてはいけないのは常識であるのに、疑問も残る。 逮捕された池永容疑者は取り調べに対し「交際をめぐり恨んでいた。殺すつもりで刺した」と供述しているという。2人の間にどんなことがあったのか。 事件の6日前にインターネット上にばらまかれた写真は、沙彩さん自身の手で撮影されたものであるという。 「沙彩さんの自宅の部屋のなかで、ベッドの上や大きな鏡の前で撮られていた。背景に写っている壁には、画家である母親の作と思しき絵が飾られている。沙彩さんは、笑顔で、すましたような表情、時には恥ずかしそうな表情を浮かべて写っていた。(中略)いずれにせよ、誰かに見せるとしても、非常に親しい関係にある人にしか見せないようなものばかりだ。不特定多数に向かって写真が公開されるのは、沙彩さんへの脅迫が目的としか考えられない。(中略)さらにその2日後、同じユーザー名から沙彩さんが映る動画が投稿された。撮影された部屋は不明だが、ベッドの上だ。(中略)撮影者はその男だ。時折、男と笑顔を浮かべて会話してることからも、親しい関係がうかがわれる」(同) 池永容疑者は沙彩さんを刺殺し、逃走中の18時29分、ネット上の掲示板に画像のアドレスを掲載した上で、「被害者。無差別ではないです。恨みがありました。」と犯行動機の告白とも読める書き込みを行っていた。 振られた腹いせに元恋人の裸の写真や映像をネットに投稿する行為は「復讐ポルノ(リベンジポルノ)」といわれ、世界的な問題になっているようで、この10月、米カリフォルニア州議会では、嫌がらせを意図してヌード写真をネットに流通させた者には、最大で6カ月の禁固か1000ドルの罰金を科す法案を成立させたという。 桶川女子大生ストーカー殺人事件でストーカー法がつくられたが、その後もストーカー殺人は後を絶たない。法を生かす警察側の積極的な運用が必要なのではないか。 さて今週の第1位は、文春に掲載された朝日の記事である。 週刊朝日にまたまた不祥事が起こり、編集長が更迭されてしまったというのだ。それも文春が取材してから、慌てて処分を発表したのだから、朝日新聞のコンプライアンスはどうなっているのかと心配になる。 朝日は佐野眞一氏の「ハシシタ」で橋下徹大阪市長から猛烈な抗議を受け、当時の編集長が更迭され、朝日新聞出版社長が辞める大騒動になってしまった。 その立て直しを図るべく小境郁也氏が編集長になったが、その小境編集長が「セクハラ常習者」だったというのだから、お粗末すぎて開いた口が塞がらない。 朝日新聞出版関係者がこう話している。 「いまは朝日新聞社と朝日新聞出版に分社化されていますが、08年までは同じ会社だった。社員の行き来がある2つの会社のなかの何人かの女性が、小堺氏と関係を持っていたというのです。小境氏には妻子がいますが、長く別居していて現在は一人暮らし。ある女性記者と不倫関係にあったのは社内では有名だし、過去にも別の女性問題が取り沙汰されたこともありました」 別の朝日新聞出版関係者もこう語る。 「気に入っている女性がいると、『○○と飲んでるからおいでよ』と動誘いだし、女性が来ると同席していた人を帰らせて2人っきりになるのが常套パターン。酔った勢いで抱きついたり、いきなり胸を揉んだり無理やりチューしたり。テーブルの下で強引にスカート内に手を入れ、太ももの奥を触りまくることもありました」 今回はセクハラを受けていた女性が周囲の女性に相談し、これまで関係があった女性の名前などを書いた連判状のようなものを作り、朝日新聞本社に報告したという。 だが、文春の取材に対して朝日新聞側は「現在、事実関係を調査中」と悠長なことを言っていたのだが、文春が発売される前日に「週刊朝日編集長を懲戒解雇 重大な就業規則違反」と紙面で発表したのである。 「朝日新聞出版は、同社が発行する週刊朝日の小境郁也編集長(53)=朝日新聞社から出向=に重大な就業規則違反があったとして編集長を解任し、朝日新聞社は8日付で小境編集長を懲戒解雇処分にした。併せて朝日新聞出版は上司の監督責任を問い、9日付で青木康晋(やすゆき)社長を役員報酬減額、尾木和晴雑誌本部長を減給処分とする」 後任の編集長には、朝日新聞東京本社写真部の長友佐波子(ながとも・さはこ)フィーチャー写真担当部長が9日付で就いたという。女性ならセクハラはないだろうという朝日新聞らしい姑息な考えのように思えるのだが。 その長友新編集長は、今週号の挨拶でこう書いている。 「前編集長は重大な就業規則違反があり、8日付で懲戒解雇処分となりました。昨年、小誌は橋下大阪市長の差別記事を掲載した反省から『家庭で安心して読めるニュース週刊誌』を目指してスタートしたばかりでした。1年にも満たない時期での不祥事に読者の皆様の期待と信頼を再度裏切ることになりました。深くお詫びします。(中略)たいへん厳しい状況ではありますが、1922年発刊、92年目を迎えた週刊朝日が社会から信頼される雑誌となるために、編集部一同、初心に帰って努力していきたいと思います」 先週オフィスへ来た、AERAで働いたことのある人間がこう言っていた。 「小境編集長は以前から女性関係に問題のあることで有名でした。あんな人を橋下の不祥事のあった後に据えるのは問題だと言われていた。今度の長友編集長にも、そうした噂があると聞いています。なぜ朝日はそうした人を据えるのか。人材がいないのでしょうね」 次に何か起こせば確実に休刊となる。長友編集長には相当な覚悟で臨んでもらいたいものだ。それと、もっと面白い読みでのある雑誌にしてほしいと、お願いをしておく。 なんとか創刊100周年までは頑張れ! (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。「週刊文春」10月17日号 中吊広告より
身の回りにいそうでいない、ちょっと変わったことをしている人や、面白そうな場所に、文筆家のやきそばかおるが直撃取材! 『ものまね王座決定戦』(フジテレビ系)が好きで好きでしょうがなく、「ものまね王座決定戦データベース」(http://www.ze.em-net.ne.jp/~hdk/monomane/)というサイトを作った男がいる。名前は日髙大介さん。なぜ、そこまで『ものまね王座決定戦』にハマったのか、お話を伺ってきた。「ものまね王座決定戦データベース」では、トーナメント表を再現! こちらは日髙さんのお気に入り『第8回 爆笑!スターものまね王座決定戦』
「『ものまね王座決定戦』で一番多く“ものまね”された人は誰なのか?」
日髙さんが真剣に調べたデータベース。
やきそば 「なぜ、『ものまね王座決定戦』にまつわるサイトを作ろうと?」 日髙さん 「『第4回 爆笑!スターものまね王座決定戦』(1988年)の放送から録画し始めたんですけど、それ以前の映像がなくて……。ホームページを作ったら情報が集まるんじゃないかと思って、ちょうど10年前に立ち上げたんです」 やきそば 「合理的!」 日髙さん 「すると、全国の『王座』ファンから続々と掲示板に情報が集まってきました」 やきそば 「よかったですね~! サイトにあるトーナメント表が、いい味を醸し出してますね」 日髙さん 「ペイントソフトで作りました(笑)。ちなみに、『第3回 爆笑!スターものまね王座決定戦』のセットで使われたトーナメント表は、角の部分がほかの回に比べてカクカクしているので、そこも再現しつつ……」 やきそば 「細かい!(笑)」 日髙さん 「背景の色も、明るい歌ネタが多かった回は明るい色……というふうに、雰囲気で変えています」 やきそば 「ギャフン!」 ※とはいえ、まだまだ初期の放送に関しては情報が不足しているため、何かの情報やビデオ等をお持ちの方は、ぜひご連絡をお願いしますとのこと。 ■調査!「ものまねされた王座」決定戦ノートにもびっしりと記録してある。
日髙さんはビデオを見ながら、針すなお先生のイラストを鉛筆で再現。手書き文字のハートマークが、いかにも『ものまね王座』っぽい。
日髙さん 「放送内容の記録だけではなく、“一番多くものまねされた人”は誰なのかを知りたくて、一人でコツコツ調べました」 やきそば 「誰かに頼まれたわけでもないのに、調べるところが偉い(笑)」 日髙さん 「回数別に見ますと、1位は森進一さんで、2位は玉置浩二さん、3位は五木ひろしさんと続きます。ランキング上位はTwitterでも発表したんですけど、せっかくなので、『ものまね王座』でおなじみの針すなお先生のイラストを僕が再現して、その絵と共に発表しました」 やきそば 「ギャフン! ギャフン! 素晴らしい!」 ■熱烈! クリカンさん(栗田貫一さん)に憧れる! やきそば 「日髙さんが、ここまで『ものまね王座決定戦』にハマったきっかけは?」 日髙さん 「栗田貫一さんです。初めの頃は、親が『もしもシリーズ』などのネタで笑っているのを横目で見ていた程度だったんですけど、僕が小学5年の時に栗田さんの『ドレミの歌』のネタを見て、それはそれは衝撃を受けまして。ドから高い方のドまで、横1列に8本のマイクを立てて、マイクを移動しながら、『ド』なら郷ひろみさんのまねで『ド』を、『レ』は五木ひろしさんのまねで『レ』、同様に『ミ』は田原俊彦さん、『ファ』は森進一さん、『ソ』は沢田研二さん、『ラ』は近藤真彦さん、『シ』はシブがき隊のフッくん、高い方の『ド』は小林旭さんで、マイクごとに声を変えるというネタだったんです」 やきそば 「あ、かすかに覚えてます!」 日髙さん 「これがとにかくすごくて、結局、対戦相手のビジーフォーのエルビス・プレスリーに2点差で負けちゃうんですけど、テレビの前で『なんでアレで負けちゃうんだよー!』と憤ったのを覚えています(笑)。実は、今でも僕はマイクスタンドが8本欲しいんです。『SASUKE』(TBS系)の戦士が自宅の庭にセットを作るように、僕も実際にあの8本のマイクを家に並べて、実際に練習してみたい」 やきそば 「ギャフン! ギャフン! じゃあ、そこからクリカンさんを毎回応援するように?」 日髙さん 「そうです!『第4回 爆笑!スターものまね王座決定戦』からは、ビデオに録画して真剣に見るようになりました。ところが、その回で栗田さんはいきなり1回戦負け。その後、回をいくら重ねても、栗田さんはいつまでたっても優勝できないんです(涙)。『ものまね四天王』の一角を占めているのに、いつも2回戦までで姿を消してしまう。同点の場合はジャンケンで勝負をつけるルールなんですが、いつも、ここぞという時に同点でジャンケン、しかもいつも『グー』で負けちゃうんです。例えば、『第7回 爆笑!スターものまね王座決定戦』では、2回戦でトム・ジョーンズのまねをしたビジーフォーと、長渕剛のまねをした栗田貫一さんとの対決があったんですけど、史上初めて100対100の引き分けになったんです。そこで、じゃんけんをすることになったんですけど、やっぱり『グー』で負けてしまって……」 やきそば 「う、う~~~(涙)」 日髙さん 「でも、何度負けてもあきらめない姿に、子ども心に『クリカンさん、ガンバレ!!』と、とにかく熱中して応援を続けていました」 日髙さんがクリカンさんを応援し始めて、4年以上がたった頃。ついにその時が訪れる。ちなみに、針先生は中森明菜だけでも数パターンのイラストを描いているという。
日髙さん 「『第23回 オールスターものまね王座決定戦スペシャル』(1991年)で、栗田さんは4年ぶりに決勝に進み、桑田佳祐さんのまねで『愛の讃歌』を歌って優勝したんです!!!」
※準優勝は松居直美(石川さゆりのまねで『天城越え』)、3位はしじみとさざえ(シュガーのまねで『ウェディング・ベル』)
やきそば 「おお!!」
日髙さん 「この優勝をきっかけに、きんさんぎんさんや財津一郎さんのまねで100点をとったり、クリスタルキングの圧倒的高音の歌唱力で2回目の優勝を果たしたりして、僕が言うのもおこがましいけど、どんどん軌道に乗っていかれた記憶があります。その頃を思い出すと、今でも本当にうれしくて、僕は日本一の栗田貫一さんファンだと自分では思っています」
やきそば 「と、いうことは、今後の夢は?」
日髙さん 「いつか、栗田貫一さん(ご本人)にお会いして……あの頃のお話をいっぱい聞いてみたいですね!」
うう~~。なんていい話なんだ。クリカンさんに、この想いが届きますように。
■疑問! 「オールスター」と「爆笑!スター」の違い
『第16回 オールスターものまね王座決定戦』(1984年放送) 堀ちえみさん、柏原芳恵さんも。
やきそば 「そういえば、『ものまね王座』って、『オールスターものまね王座決定戦』と『爆笑!スターものまね王座決定戦』の2種類がありましたけど、その違いを知りたいです。子どもの頃からずっと疑問に思ってて、モヤモヤしたまま今日まで生きてきました」 日髙さん 「あ、まさに“ものまね王座ファンあるある”ですね(笑)。僕もハッキリした答えは分からないので、あくまでも推測ですが、『オールスター』の出演者はアイドルや演歌歌手が中心で、『爆笑!スター』は漫才ブームの頃(1985年)に始まりまして、芸人さんが中心です」 やきそば 「なるほど!『爆笑!スター』は、B&B、オール阪神・巨人、『オールスター』の方には、石川秀美さん、とんねるず、角川博さん、ラッツ&スターも出ていますね」『第1回 爆笑!スターものまね王座決定戦』(1985年放送) ヒップアップ、ビートきよしさんも。(共に『ものまね王座決定戦データベース』より)
■本業! 日髙さんは人気クイズ作家『クイズ番組・問題研究ノート』。日髙さんは、クイズ番組の問題文を一言一句書き写して、番組ごとの言い回し等の研究している。
ここまで読んで、「日髙さんが『ものまね王座決定戦』が好きなのは分かったけど、一体ナニモノ?」と思った方もいるかもしれない。実は、日髙さんは『全国高等学校クイズ選手権(高校生クイズ)』『パネルクイズ・アタック25(優勝経験あり)』など、数々のクイズ番組への出演を経て、現在は『高校生クイズ』『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』などで使用する問題を作っているクイズ作家だ。年間で作成する問題の数は、およそ1万問! やきそば 「ちなみに、奥様も『パネルクイズアタック25』の優勝者なんですよね」 日髙さん 「『プロポーズの言葉は、アタックチャンスですか?』って、何人もの人に聞かれます(笑)。いちいち切り返すのも面倒くさいので『はいはい』って返事をしてますけど(笑)」 ●「ものまね王座決定戦データベース」 <http://www.ze.em-net.ne.jp/~hdk/monomane/>日髙大介さん。『ものまね王座』について語り始めると止まらない。この日も2時間、しゃべりっぱなし。
●やきそば・かおる
山口県出身、東京都在住。ライター、構成作家、写真家。趣味は、変わった人に会って、変わった話を聞くこと。「相づちだけはうまいと言われます」(本人談)
Twitter@yakisoba_kaoru
「心の風邪をひいていませんか?」というフレーズに聞き覚えがないだろうか? 日本初のうつ病疾患啓発のTVコマーシャルとして2002年から3年間にわたってオンエアされたもので、このCMキャンペーンが成功し、日本における精神科への受診の敷居はずいぶん低くなったと言われている。その一方、1990年代までは年間150億円程度だった抗うつ剤の売上げが、現在では1000億円を越えるようになった。今や日本人の15人に1人はうつ病だという。どうしてこうも急激に日本で“うつ”は広まったのだろうか? 製薬会社のマーケティング戦略に日本人はまんまと乗せられたのだろうか? こうした疑問から日本でカメラを回し始めたのが、『サムサッカー』(05)『人生はビギナーズ』(10)といったハートウォーミングな作品で知られるマイク・ミルズ監督だ。ドキュメンタリー映画『マイク・ミルズのうつの話』(原題『DOES YOUR SOUL HAVE A COLD?』)は親日家であるミルズ監督が、東京で暮らす5人の男女とうつ病との関わりを丁寧に映し出していく。 映画に登場する5人の男女は、SNSサイト上でのミルズ監督の呼び掛けに応じた出演志願者たちだ。出演の条件は2つ。抗うつ剤を服用していること、日常生活をありのまま見せてくれること。自宅で暮らすミカは嫌いなお酢を毎日飲むことで精神力を鍛えている。タケトシはうつに関する本を熱心に読む努力家だ。Tシャツ工場で働くカヨコは犬を可愛がっている。プログラマーのケンは猫と同居中。エンジニアのダイスケは写真撮影、ジャズ鑑賞、サボテン栽培と多彩な趣味を持つ。5人はとても温厚そうで、派手さはないものの、マイペースに自分なりの生活を送っているようにカメラには映る。でも抗うつ剤が手放せない彼らの心の中には、様々な不安や疎外感、寂寥感が渦巻いているらしい。日本人の15人に1人は生涯に一度はうつ病を経験するという。『マイク・ミルズのうつの話』は抗うつ剤服用者の生活を記録したものだ。
大企業のCMを次々と手掛ける売れっ子クリエイターだった時期もあるミルズ監督。日本に友人が多く、生マジメな日本人が欧米系のグルーバル製薬会社が仕掛けたCMキャンペーンの犠牲になっているのではないかと心配だった。でも日本に来てカメラを回していくうちに、製薬会社の企みを告発することよりも、気取りのない5人の淡々とした生活そのものに惹かれていく。5人はみんな、あのCMに好感を覚えたと評価している。CMを見るまでは「精神科にかかったら人生は終わりだと思っていた」と振り返るタケトシ。彼は15年間もうつと付き合いながら、前向きに毎日を過ごしている。ミルズ監督は製薬会社をめぐる問題はとりあえず疑問として投げ掛けるだけにとどめ、個の問題へとフォーカスを絞っていく。5人の生活に寄り添うことで、人間と“うつ”との関わりを日常レベルで掘り下げていく。 本作は2006年に春から夏にかけて撮影されたもの。最初は社交辞令的な笑顔をカメラに向けていた5人だったが、誠実なミルズ監督の性格もあって心をオープンにしていく。数カ月後に会ったカヨコは勤め先をクビになり、症状が悪化したことを打ち明ける。本人的には体重が7キロ増えたことが気になるらしい。ミカは抗うつ剤の服用をやめようとしたが、禁断症状が出てダメだったことが分かる。気の合うカウンセラーになかなか出会えないともこぼす。大企業のトップや政治家へのアポなし突撃取材で一躍名を成したマイケル・ムーア監督とは異なる、ミルズ監督ならではのミニマムなアプローチ方法で“うつ”の現実がクローズアップされていく。うつを題材にした作品ながらさほど暗さを感じさせないのは、ミルズ監督の映像センスによるところが大きいように思う。 ごくごくフツーな5人の男女だが、その中であえて個性的なキャラクターを挙げるならプログラマーのケンだろうか。「いつも通りにして」とミルズ監督に頼まれ、カメラの前で眠り込んでしまうほど打ち解けた関係になっていく。そんなケンの口から、「趣味でSMショーに出ている」という言葉が出てきた。ミルズ監督はケンと共に彼が定期的に通うSM教室へと向かう。マンションの一室でブリーフ姿になったケンは体中を縄で緊縛され、今まで見せたことのない恍惚とした表情を浮かべる。職場では自分がうつだということを内緒にしているケンだが、SM教室で縄で縛られている瞬間だけ心が解放されていく。一連のプレイの後、ケンの表情はとても晴れ晴れとしている。ケンが買ってきたハーゲンダッツのアイスクリームを一緒に食べる縄師も人が良さそうだ。「縛りに癒しを求めにくるお客さんは、何故かうつの人が多い」と語る縄師の言葉が印象に残る。 こうして私はうつ病を完治しました、抗うつ剤と手を切ることができました的なドラマチックな展開が待っているわけではない。このドキュメンタリー映画は、ミルズ監督のデビュー作となった劇映画『サムサッカー』によく似ている。落ち着きがなく、親指をしゃぶる癖がやめられない高校生のジャスティンは催眠療法、薬物治療、マリファナ体験と様々な方法で克服しようとするが、最終的にはあるがままの自分を自分自身が受け入れることで折り合いをつけていく。ミルズ監督の体験が投影されているナイーブな主人公ジャスティンは試行錯誤した上で、自分の欠点を隠すことよりもっと大事なことがあると気づく。それは「答えがない人生をどう生き抜くか」ということ。試験問題と違って、人生には決まった答えは用意されていない。自分自身で答えらしきものを探りながら、少しずつ進んでいくしかないのだ。「ハッピーでなくてはならないという強迫観念は米国特有のもの」と考えるミルズ監督は2006年の春、夏と東京での取材を続けた。
10月5日、原宿のアートスペースVACANTで『マイク・ミルズのうつの話』の先行上映会が開かれ、カリフォルニア在住のミルズ監督とスカイプで会場が繋がった。司会者から「落ち込んだときに気分をアゲる秘訣は?」と尋ねられたミルズ監督。「(医学の専門家ではない)僕はみなさんにメッセージを届けるなんて立場ではないんだけど、僕も落ち込んでいた時期があります。落ち込んでいる自分の気持ちを自分でアゲるのはとても難しい。すごく基本的なことだけど、誠実であり、正直であることじゃないかな。自分の気持ちに対してもそうだし、他の人との関わりにおいてもそう。そうすることで自分なりの親密さを見つけていくことができるように思うよ」とミルズ監督らしい答えが返ってきた。客席には映画に出演していたミカさんも来ており、撮影の1年後には抗うつ剤をやめることができ、今はOLとして元気に働いていることをミルズ監督に報告した。ミルズ監督はスカイプ越しにうれしそうに手を振っていた。 (文=長野辰次)母親と実家で暮らすミカ。ドイツ映画『es[エス]』(01)を観たことが、症状を招くきっかけだったと語る。
『マイク・ミルズのうつの話』
監督/マイク・ミルズ 出演/タケトシ、ミカ、ケン、カヨコ、ダイスケ 配給/アップリンク 10月19日(土)より渋谷アップリンクほか全国順次公開
<http://uplink.co.jp/kokokaze>







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