「“生まれ変わってもヤクザになる”は過半数!」ヤクザ100人に聞きました

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「週刊現代」1月4・11日号
今週の注目記事 第1位「『餃子の王将』創業家の『カネとオンナ』問題」 (「週刊現代」1月4・11日号) 第2位「NHK新会長・籾井勝人氏が語る『偏向報道』と『九州人脈』」 (「週刊文春」12月26日号) 第3位「現役100人ヤクザ世論調査」 (「週刊ポスト」1月1・10日号) 第4位「佐野眞一特別寄稿『猪瀬直樹君への手紙』」 (「週刊ポスト」1月1・10日号) 第5位「ビートたけしの『妄想AVネーミング大賞』」 (「週刊ポスト」1月1・10日号)  「有馬記念」のオルフェーブルの勝ち方は見事だった。調教は動かず、パドックでもおとなしすぎて心配されたが、走ってみれば8馬身差の圧勝だった。これでディープインパクトと並んだといってもいいだろう。  あとは、オルフェの仔どもたちがディープを超えられるかが次の勝負になる。3年後、オルフェとディープの仔がダービーで競う姿を想像すると、今からワクワクする。  ワクワクではなく腹が立ってしょうがないのは、安倍晋三首相だ。早速できたばかりの「国家安全保障会議(NSC)」で武器輸出三原則をいとも簡単に打ち壊し、南スーダンにいる国連部隊に「銃弾1万発」を提供することを決定してしまったのである。安倍首相は、この大量の銃弾がどれだけの人命を奪うかに思いを馳せることはないのだろう。この御仁、早く戦争がしたくて仕方ないとしか思えない。来年早々には集団的自衛権を容認させ、アメリカから手を貸せといわれればイランでもシリアへでも兵を差し向け、自分は安全な塹壕に隠れていて、自衛隊員に「天皇のために死んでこい」といえる男なのだろう。この男の“きな臭さ”は本物である。  今週は、そんな憂さを忘れさせてくれるものを選んでみた。ここには載せなかったが、週刊女性が報じた、俳優・大沢樹生が元妻で女優の喜多嶋舞との間に産まれた16歳の長男のDNA鑑定をしたところ、父子確率0%という結果が出たという記事はショッキングである。  DNA鑑定した経緯は省くが、ということは、この長男は結婚1年ぐらいして産まれているから、喜多嶋が他の男と不倫して作った子どもで、それを知らずに大沢は育てていたということになる。  この報道をワイドショーで女房と一緒に見ていた亭主たちは、多くが女房の顔を思わず見たに違いない。喜多嶋のコメントが聞きたいものである。  さて、手元にポストの綴じ込み付録「日本一美しい春画絵巻」という小雑誌がある。冒頭の月岡雪鼎の「幻の肉筆絵巻」は色遣いも美しく、男が自分自身をオンナのアソコに挿入しようとしている瞬間が鮮やかに描かれている。  またポストには「2014年版『性生活の知恵』」という特集もある。この元本である謝国権著『性生活の知恵』(池田書店)が出たのは1960年。たちまち大ベストセラーになった。  私は高校生だった。この本を買って授業中にクラスで回覧し、女生徒たちのひんしゅくを買ったことをよく覚えている。  いま見ればピノキオみたいな人形が足を開いたり、上向きになったりしているだけだが、こういうものでも興奮した時代であった。それが今はヘア・ヌードはもちろん春画に外性器である。だが、忘れないでほしい。こうした時代が到来したのはそう遠い昔ではないということを。  私が週刊現代で「ヘア・ヌード」という言葉を作った1990年代の初めは、ヘア・ヌードグラビアを載せる一般週刊誌など、一冊もなかったのである。  ヘア・ヌードという言葉が人口に膾炙し、それにつれてヘアの露出も増えていったが、警視庁の人間からは「取り締まるとすれば、現代かポストだ」と言われ続けていた。  刑法175条のわいせつの基準は、何一つ変わっていない。取り締まる側の胸三寸でいつでも二昔前に戻るのである。  わいせつ表現の自由の闘いは、出版の歴史でもある。私が入社した頃も、ずいぶん日が経ってからも、自分がやっている雑誌に春画を載せられる日が来るなどと思ったことはなかった。  わいせつ表現の自由は報道の自由のように、お上から与えられたものではない。私の先輩たちが闘い勝ち取ったものである。そんなことを春画を眺めながら考えた。  このところ文春、新潮の木曜発売組に精彩がない。月曜発売の現代、ポスト、特に今週はポストに面白いものが多い。  まずはビートたけしの「21世紀毒談」スペシャル版「妄想AVネーミング大賞」からいこう。  まずは今年の流行語からお題を頂戴して、「絶世の美女・滝川クリ●リスさんがあの手この手を使って男性委員を口説き落とす『クリちゃんのお・も・て・な・し』」 「現代文のスペシャリストが言葉攻めで女をとろけさせる『イクなら今でしょ』」 「視聴率40%超えの『半勃ち直樹』の『パイ返し』」  NHK朝ドラからは「ナマちゃん」が登場。「作品のクライマックスでは挿入歌の『潮吹きのメモリー』が流れる」  自転車のサドルばかりを200個盗んで捕まったという変態事件から、エロのトレンドはどんどん細分化して行かなきゃダメなんだよといいながら『サドルを舐めたい』をノミネート。  時事ネタからは『イノセクンの5000マンお借りします』。「人妻を一晩お借りして5000人斬りを達成する実録ドキュメント」。「後で不貞を追及されると、“奥さんを貸してくれるなんて親切な人だと思った”という名ゼリフを吐く」  宮崎駿監督最後の長編作品『風立ちぬ』はシンプルに『カリ勃ちぬ』。アニメで大ヒットした「進撃の巨人」からは『進撃の巨チン』。放送中止になった問題番組からは『ソコ×勃て』。  結局、たけし審査委員長の「第一回妄想AVネーミング大賞受賞作」は『サドルを舐めたい』に決定!  こうした“毒”のあるものをやらせると、たけしはうまい。  お次もポスト。ノンフィクション作家・佐野眞一氏の「猪瀬直樹君への手紙」である。  佐野氏は約1年前、週刊朝日に書いた橋下徹大阪市長批判で轟々たる非難を浴び、連載を1回で中止した。またポストに連載した創価学会論「化城の人」に他人からの盗用疑惑があると指摘され、訴えられて現在訴訟中である。  佐野氏が批判されていたとき、猪瀬氏も批判の列に加わっていた。佐野氏と猪瀬氏は20代の頃から仕事を一緒にしてきた古い仲間である。  世の批判を受けていた頃、佐野氏は「私はいわば生ける屍も同然だった」と書いている。  だが氏は、その時の復讐を猪瀬氏にしたいためにこの一文を書いたのではないと断っている。そして、こう記している。 「『いくら身から出たサビとはいえ、ここまでマスコミの晒し者になってしまった猪瀬が気の毒だなあ』という正直な思いだった。そういう気持ちになれたのは、私が大きな失意を体験し、立ち上がったばかりだったからかもしれない。猪瀬の徳洲会問題と私が休筆を余儀なくされた問題は、もちろんまったく次元の異なる問題である。だが、私から言わせれば、一年を経ずして起きた二つの出来事に、猪瀬と私の間の巡り合わせを感じざるをえなかった。先輩たちが孜々(しし)営々として築き上げたノンフィクションの信用を裏切ったという点では、猪瀬問題も私の問題も変わらないではないか。ノンフィクションに関わる後輩たちにそう思われるのが、私には一年前の古傷に塩をもみこまれるようで、一番つらい」  猪瀬氏の都知事辞任はやむを得ないものの、この事件の本質は別のところにあると、こう続ける。 「徳洲会事件の背後には、猪瀬の後ろに隠れて甘い汁を吸った“巨悪”がいることは、ほぼ間違いない。それを放っておいて、猪瀬という批判しやすい“小物”ばかりを攻撃するマスコミは、どう考えても健全とはいえない。それは一時代前の“トップ屋”と同じやっつけ仕事の匂いがする。私がこの事件は同世代として悲しいと言ったのは、そういう意味である。(中略) 心ある都民は猪瀬の弁明にもならない弁明にみな呆れ返っている。釈明をすればするほど、猪瀬はもう晩節を汚すだけである」  1年ばかりの間にノンフィクション界の大物2人に、あってはならないスキャンダルが持ち上がった。  ただでさえ取材費が嵩み売れないノンフィクションに、出版社は手を出そうとしなくなっている。そうした中で、ノンフィクションの信用までも失墜させた2人の責任は重大である。  彼らは次なる作品で自らの汚名を晴らすとともに、ノンフィクションの真価を見せなくてはならない。  この“猪瀬事件”関連でいえば、現代は猪瀬辞任の陰にもっと大きな疑惑があると書いている。 「東電病院疑惑は、あくまで猪瀬氏と徳洲会の問題。実はその背後には、もっと巨大な構図の、まさに隠された疑惑があると指摘するのは、自民党閣僚経験者の1人だ。『それは、このところ急速に実現の機運が高まっている『カジノ』利権に関する問題だ。  猪瀬氏はもともと強力なカジノ推進派で、これまでも国内にカジノを設置すべきだと繰り返し発言し、安倍政権にも積極的に働きかけてきた。猪瀬氏とカジノ関連会社との付き合いは、かなり深いというのが当局の見解。しかしこの“カジノサークル”の本丸は、猪瀬直氏ではない。政権与党である自民党の問題だ』」  東京・お台場などを候補地に、国内初のカジノを設置する法案は、安倍首相や細田博之幹事長代行ら自民党幹部の肝煎りで推し進められ、次期通常国会での成立が期待されているという。現代によれば、 「仮に都議会で百条委員会が開催されたら、猪瀬氏はその周辺を洗いざらい調査され、偽証や証言拒否も不可能になる。そうなれば、徳洲会問題だけでなく、このカジノ利権の疑惑追及にも、一気に火がつく可能性があった。そんなことになれば、猪瀬氏1人のクビでは足りないだろう」 というのである。興味深い指摘である。  週刊朝日はポスト猪瀬は百花繚乱で、都知事選は女の戦いになると書いている。  朝日によれば、自民党で最初に取り沙汰された候補は、橋本聖子参議院議員だったという。冬季、夏季計7回の五輪出場を誇り、2014年2月のソチ冬季五輪の日本選手団団長にも決まっているから、東京五輪の顔としても最適だというのだ。それ以外でも、小池百合子元総務会長も虎視眈々と狙っている。  東国原英夫元宮崎県知事も出る模様だが、こんな秘策があるのではないかと、自民党関係者が語る。 「橋下市長が都知事選に出馬し、空いた大阪市長の椅子に東国原氏が座る、との合意がすでにあるというウワサが流れています。落ち目の2人が一度、立場をリセットしようというものです。そんなに簡単に行くとは思いませんが」  ふざけるなであるが、本命不在であることは事実である。  3位もポストの記事。ヤクザ100人に世論調査をしたという。  対象は山口組、住吉会、稲川会といった広域団体をはじめ、全国の指定暴力団に限定してあるという。  役職の内訳は一次団体のトップである代紋頭1名、一次団体幹部6名、二次団体幹部67名、一般組員が26名。  まず「景気は回復していると思いますか?」という問いに、「いいえ」が94%。暴力団側の言い分はこうだ。 「今のヤクザの景気は飛行機の尾翼だ。上がるのは最後で落ちるときは最初」(56歳、東京)  「安倍政権を支持しますか?」では、「いいえ」が81%にもなる。その理由を聞いてみると、 「目が死んでる。線が細すぎる。死ぬ気でやってるとは思えない。本気で喧嘩ができるようにも見えない」(66歳、中国)  意外にも「自宅は持ち家ですか? 賃貸ですか?」には、持ち家が73%もいる。  「月々の飲食費はいくらですか?」には、0~5万円が41%、5万~10万円が25%、それ以上使うヤクザが34%もいる。  「去年と比較して年収は上がりましたか?」には、「いいえ」が96%と、ほぼ全員が暴力団排除法などの影響を受けて収入は下がっているようである。  「結婚していますか?」という問いには、「はい」が56%もいる。「生まれ変わってもヤクザなりますか?」というのには、なんと「はい」が60%もいるのだ。しかも、若いヤクザに多いというのである。 「俺はヤクザという生き方が好きなんで、何度でもヤクザをやる」(25歳、中部)  「はい」と答えた暴力団員の9割は20代の若手組員だったそうだ。「NO」と即答したのはすべて年配の経験豊富な上層部だったという。  こんな面白い世論調査は、週刊誌にしかできない。  第2位は文春の記事。安倍首相がゴリ押しし、意のままに動く人間に交代させようと画策していたNHKの新会長が決まった。  やはり下馬評通り、日本ユニシス前社長の籾井勝人氏(70)である。文春はその籾井氏に、決定直前にインタビューしている。そこで氏は、こう語った。 「それはNHKに限らず、テレビの報道は皆おかしいですよ。例えば、『反対!』っていう人たちばかり映して、『住民が反対している』と。じゃ何人がデモに来ていたかというのを言わない。僕は言うべきだと思っている。賛成と反対があるならイーブンにやりなさい。安倍さんが言っているのはそういうことですよ。何も、左がかってるから右にしろと言ってるわけではないと僕は理解しています。中国が安倍さんのことを右傾化していると言っていたけど、何を言っているのかと。それで言うと中国なんかはもっと右じゃないか。それのことを日本のメディアはもっと考えてもらわないと困る」  やれやれである。時の政権にとって都合のいい「中立公正報道」がNHKに蔓延していくのだろう。先の特定秘密保護法のときもNHKは、この法案がどれほど危険なものかを論評せず「客観報道」に終始した。これからはもっと「安倍さまのためのNHK」になること間違いない。  さて、今週の第1位は、現代の取材ものだ。もう現代はカネがかかる事件取材はやらないのかと思っていたが、編集長交代で取り組む姿勢を見せている。拍手したい。  餃子の王将の社長・大東隆行氏(享年72歳)が早朝、何者かに「22口径ベレッタ」で射殺された事件は、いまだ手がかりがつかめないようである。  大東社長は人望もあり、酒も飲まず、人に恨みを買うような人柄ではないといわれている。  そこで現代は、創業家に注目し取材を進めていくうちに「カネとオンナ」問題があることを突き止めたという。創業者の加藤朝雄氏が京都で小さな中華料理店を始めたのが1967年。大東氏は創業者の義弟で、店を手伝い始めた。順調に成長してきた王将だったが、93年に朝雄氏が68歳で急死した後からおかしくなるという。  1年間のサラリーマン社長時代をはさみ、94年6月に長男の潔氏が社長に就任した。  同社の元幹部がこう明かす。 「バブルの末期、カネの流れが不透明な不動産投資や融資が増えたんです。先代(朝雄氏)から付き合いのある京都の不動産会社Kを通してのものでした。なかでも問題になったのは、99年に大阪国税局に申告漏れを指摘された、いわゆる『戎橋事件』でした」  89年2月に大阪市中央区の王将戎橋店の調理場で火災が起こり、店が入るビルの上の階に住んでいた、ビル所有者の夫婦が焼死する事件が起きてしまった。 「この夫婦の遺族と損害賠償で揉め、先代の指示もあって、そのトラブル処理をKに依頼した。そのためにKに支払った謝礼は1億円。Kは乱脈融資で大問題になった住専(住宅金融専門会社)からも100億円以上引っ張っていた、問題の多い会社でした。社長が潔さんに代替わりしてからの97年、王将は結局、戎橋のビルと土地を8億5800万円で買い取ることになります。その時に、Kに支払った解決金1億円を、不動産取得の経費として計上した。国税はこれに目をつけたんです」(元幹部)  さらに、元幹部が続ける。 「戎橋の土地取得と相前後して、王将は福岡のゴルフ場運営会社に約90億円もの多額の貸し付けをしている。そして、このゴルフ場運営会社と、不動産会社の社長は同一人物だったのです。バブル期によくあった構図ですよ。何かをキッカケに企業が怪しい勢力に取り込まれ、際限なくカネを引っ張られるという。王将の場合、これらはすべて創業家とKのつながりで行われていた。こうした状況に義憤を燃やしたのが、当時副社長の大東さんを筆頭とする古参幹部たちだったのです」  限界だと判断した幹部社員たちは、件の90億円融資を世間に公表し、その経営責任を取らせる形で、00年4月に潔社長を退任に追い込んだというのだ。  そのことと今回の事件が関係しているのかどうかは、現代も追及できてはいない。  さらに王将創業家にはこんな問題も起きていた。  ウクライナ出身の加藤カチェリーナさん(30)が潔氏の長男・貴司氏と結婚したのは03年のことだった。  ところが、この結婚は悲劇に終わる。子どもを連れて逃げるようにウクライナに帰ったカチェリーナさんを、貴司氏が追ってきた。そして「3人で暖かいところに行こう」と妻子をエジプト旅行に誘い出し、そこで、息子と共に忽然と姿を消してしまったというのだ。  以後、2人は杳として行方知れずだというのである。カチェリーナさんはもう6年近く、息子に会っていないと嘆く。  急速に成長した餃子チェーンの内情は、どうもスッキリ味というわけにはいかないようである。 (文=元木昌彦)

『アイカツ!』のステルスしないマーケティングに感服! クリスマス商戦の堂々たるグッズプロモーション!

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『アイカツ!』公式サイトより
 いよいよ迎えたクリスマス! 世間は浮かれモード一色に染まり、非リア充な僕たちはなんとも肩身が狭い今日この頃。いかがお過ごしでしょうか? 二次元なら僕らの心を癒やしてくれるはず……。と思ってテレビをつけてみても、大きなお友達が好んで見るような深夜アニメの大半は、続々と最終話ラッシュに突入! なんとも切ない気持ちになること、この上ありません。もはや我々の心の最後の砦は、1年以上の長いサイクルで放送されることの多い、朝方、夕方に放送される児童向けアニメだけだ!  そんな割とどうでもいい気分で夕飯前にアニメを見ていて、とある作品で衝撃を受けてしまったので、今回はそのお話です。そのアニメとは『アイカツ!』。本作は、バンダイが発売するトレーディングカードを使用した、女児向けアーケードゲームを原作とするアニメです。  プレイヤーはトップアイドルを目指してオーディションに挑戦する、というストーリーの原作ゲームは、リズムに合わせてボタンを押すリズムゲーム要素のほかに、さまざまな衣装が描かれたカードをゲーム機に読み込ませて、自分の作ったキャラに実際に着せることができるという、着せ替え人形遊び的な要素。また、自分のキャラクターがどんどん成長していくという育成ゲーム的要素が組み込まれた、なかなかに奥の深い内容。ちなみにそのカードは、ゲームプレーでゲットする以外に、お菓子やヘアバンド、シュシュといった小物からゲームに登場する衣装と同じデザインのアパレルなどにも封入されており、よりレアなカードを入手しようと思うならば、そういった関連グッズも購入しないといけないというシステムになっています。イオングループのようなショッピングモールに行けば、『アイカツ!』グッズに身を包んだ大勢の女児が何枚ものカードを握りしめながらゲームをプレーしている姿を目にしたこともあるのではないのでしょうか?  その人気は、いわゆる大きなお友達(主に男性)にも波及しており、ネット上では彼らは「アイカツおじさん」と呼ばれており、その経済規模は70億円とも80億円ともいわれています。  そんな大人気ゲームを原作とするアニメ版『アイカツ!』ですが、先週放送された第62話「アイドルはサンタクロース!」では、通年放送アニメでは恒例のクリスマスエピソードが描かれました。クリスマス、とは言っても、ほとんど男性キャラの登場しない本作。30分、ひたすらアイドルたちの微笑ましい姿が描かれるだろう……と思っていました!  今回のエピソードは、アイドルたちがファンを招いてのクリスマスイベントを開催するという内容。特大ケーキを作ろうということになったのですが、そこで出てきたケーキのデザインが主人公・星宮いちごがケーキの真ん中に立つというもの。これだけ聞くと、「まあ、あるわな」という程度の感想なのですが、そのデザインがコンビニエンストア「セブン-イレブン」で予約受付中のクリスマスケーキとまったく同じデザインだったのです。これはすごい!  言ってみれば、『アイカツ!』は今回のエピソードにおいて30分丸ごと使って「クリスマスケーキ」のプロモーションをやってのけたわけです。そこを一切隠すつもりを感じさせない一方、ちゃんとお話としても面白いっていうんだから、スタッフのプロフェッショナルな仕事ぶりに脱帽です。  いや~、これを見たら全国の女児先輩(アイカツおじさんに対して、『アイカツ!』をたしなむ女児の皆さんのことをこう呼ぶそうです)も、「お母さん、買って!」コールを言わざるをえないでしょう! 正直、僕も一瞬「予約しなくちゃ! いちごたん!」と思っちゃいました。もちろん『アイカツ!』カードもついてくるそうです。  実は、このエピソードを最初に見た時は、「また一部のアニメファンが、ステマうんぬんと騒ぐんじゃないか?」と気になってしまったのですが、ネットの反応を見てみると、多くの視聴者が全然ステルスしていないマーケティングぶりを逆に楽しんでいる様子。「ほら、楽しいでしょう!」「これ、欲しいでしょう!」という、非常にあっけらかんとした作品での扱われ方が功を奏したといえるでしょう。そういえば、現在放送中の『ガンダムビルドファイターズ』も延々とガンプラの宣伝をしているようなもんですが、視聴者の反応はかなり好意的です。  どちらの作品にも共通しているのが、売りたいグッズを「買え!」と押し売りするのではなく、作品を楽しんだ延長上にグッズ購入をさせる、というよく考えてみたら当たり前の要素なのではないでしょうか。僕たちはグッズを買うためにアニメを見ているのではなく、アニメを見て、その世界をもっと楽しみたいからグッズを買うのです。  そんなわけで、『アイカツ!』第62話は、なぜここまで多くの人々に作品が受け入れられているのか、好意を持って受け取られるタイアップとはどういうものなのか、を少しだけ感じることのできた、色々な意味でインパクトの強いエピソードだったといえるのではないでしょうか? (文=龍崎珠樹)

ビットコインのレートが急落! 「バブル崩壊」で“後追い組”が大ヤケド?

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ビットコインの取引所「Mt.Gox」のサイト
 ビットコインとは、2009年に誕生したP2Pの仕組みを利用した仮想通貨のこと。どこかが所有しているサービスではなく、ネットワーク上にのみ存在する通貨で、強固な偽造防止機構を備えている。メリットとしては、決済の際に手数料が不要な点が挙げられる。これは、夢のような話で、すでにビットコインで決済できるネットショッピングやレストランが登場している。1~3%の手数料が不要なので、ショップ側は大歓迎だ。世界共通の仮想通貨なので、国をまたいだ送金にも大きな効果がある。通常は、銀行で通貨を交換し、送金する手続きを取るが、その両方で大きな手数料が発生する。ビジネスで取り扱う場合は、バカにできない金額だ。だが、これもビットコインなら一瞬で決済できる。  メリットだけ聞くと、すごい仕組みに思える。しかし、P2Pによる高い匿名性は、マネーロンダリングやドラッグの売買に利用される可能性がある。もっと危険なのは、ビットコインの価値も為替と同じように変動するということ。ほんの3年前、1ビットコインは0.3セントの価値だった。その後、各マスメディアで紹介されるごとに高騰を続け、1200ドルまで上がってしまった。こうなると、為替や株と同様、ビットコインが投機の対象になる。  バブルはいつかはじける、という歴史の教訓に気がつかない人がいる。そもそも、政府や中央銀行が裏付けていないデータに金銭的な価値をつけるということが危険という判断がつかないのもおかしい。ギャンブルとしては面白いが、大まじめに貯蓄や利回りを期待した投資と考えるのは情弱といえる。  そもそも、ビットコインの仕組みを考えたナカモト・サトシという人物が誰なのかさえわかっていない。彼は100万ビットコインを保有しているといわれているが、この量はビットコイン市場を破壊するパワーを持っている。虎の子のお金を突っ込む前に、ビットコインの信頼性を検討しなかったのだろうか?   結局、ビットコインは12月18日に大暴落した。アメリカが規制するというニュースが流れた上、中国の中央銀行がビットコインの金融サービスを禁止。これは、中国で新たにビットコインを購入することが困難になったためだ。現在は、1ビットコイン約740ドル。短期間に価値が半減した所有者の修羅場は想像に難くない。  この手の投機対象は、イケイケだと新聞に出たら終了。その前に始めている情強だけが儲かるようになっている。今年後半から手を出した人が大ヤケドをするのは、当然の流れだ。  世界通貨の新しい形を見せてくれたビットコインの功績は大きい。ただし、ビットコインそのものが今後主流な通貨になる可能性はとても低い。ギャンブルするのであれば、チャートをよく見て短期売買することをオススメする。 (文=柳谷智宣)

大阪人はコロンブスか!? 単純アイディアが驚愕のパフェ

 今年もアッという間にクリスマス。商店街や繁華街にはジングルベルの鐘の音とクリスマスツリーが並ぶシーズン真っ盛りだ。  だからってわけじゃないけど、今回の珍級グルメのテーマはケーキ。あれっ、パフェかな? どっちが正解なのかよくわからないけど、コレだ! R0019963.jpg  どうよコレ! ベリーベリーのケーキがパフェグラスの上にドカンとそのまんま乗っかったイージーなコンビネーション。  普通なら、どうやってかわいらしくパフェの上にケーキを飾りましょうか? なんて、パテシエが苦労して考えるはずの絶妙なバランスを、見事なまでに一切考えず、単純にオン・ザ・パフェしているだけだ。  それなのに、これはこれでアリっちゃぁアリ。男目線で言うなれば、スイーツ界のラーメン二郎や~。アイディアと商才に長けた大阪商人らしい発想じゃないですか! コレ考えた人、きっとB型に違いない……。 R0019965.jpg  しかし、そんな男っぽいスイーツなのに、お一人様でむしゃぶりつく記者には、まわりの視線がチクチク刺さってかなり痛い。  しかし、ドM男の本領を発揮すれば、その針の視線すら官能的な甘味料に。しかも、ケーキの甘酸っぱいベリーやパフェの生クリームが、ナンバや心斎橋を歩き回った疲れを癒してくれる。  もちろんケーキは、店内ショーケースにあるケーキなら、どれでもオン・ザ・パフェできるそうなので、お好みのコンビネーションが楽しめる。周囲の視線を快感にすら感じられるドMさんならどうぞ。 R0019969.jpg  ちなみに、無理矢理乗せた状態なので、食べ方によってはトッピングが転げ落ちたり、ケーキ自体が崩落したりすることもあるので要注意。  大阪は珍カルチャーの発信源だけに、東京のケーキ屋さんでもやればいいのに。  うもうございました。 (文=よしよし) R0019973.jpg 大阪市中央区 MIOR 船場店 ケーキパフェ各種 見た目 ☆☆★ 味   ☆☆★     店   ☆☆★ ★「珍級グルメハンター」の過去ログはこちらから

「ああいう馬に巡り合いたい……」名騎手が忘れられない真の名馬・シンボリルドルフ

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JRA公式サイトより
 芝2,500mのレースで争われる有馬記念ならば、タイムはおよそ2分30秒あまり。その一瞬一瞬に、冷静な判断力で馬を操るのが騎手の仕事だ。そんな厳しい競馬の世界で、岡部幸雄は1967年から2005年にかけて38年間、1万8646レースを戦い続けた。G1レースの勝利数は38勝、通算成績は2943勝。この勝利数は、武豊に次いで歴代2番目の数字となっている。岡部は日本競馬会に輝かしい実績を残した騎手だ。  71年からたびたび海外を訪れ、各地の競馬を学んだ岡部。現在でこそ、多くの騎手が海外遠征で修業を積んでいるが、当時まだそんな事例は少数派だった。騎乗実績としては、アメリカを中心に12カ国で騎乗し、98年にはタイキシャトルに騎乗して仏・ジャック・ル・マロワ賞に勝利。このほかにも、彼は乗馬フォームや調教時のジーンズの着用、エージェント制度の導入など競馬にまつわるさまざまな事柄を学び、日本に導入していった。保守的な日本競馬会において、岡部の導入する斬新なスタイルを「アメリカかぶれ」と罵る声も上がったが、現在では、その多くが日本でも定着しているのだ。当代一のスタージョッキーである武豊ですら、インタビューで「岡部さんの偉大さがつくづくわかりました。僕があの人の影響をすごく受けていた、ということにも気づいた」と、その影響を語っている。  そんな岡部にとって、忘れられない馬が「皇帝」の異名を付けられた名馬・シンボリルドルフだ。  84年の皐月賞、日本ダービー、菊花賞の3冠をはじめ、有馬記念、ジャパンカップ、天皇賞など、圧倒的な強さでG1レースを手中に収め続けたシンボリルドルフ。そのすべてのレースで、鞍の上にまたがったのが岡部だった。彼は38年間の長きに渡る騎手生活を過ごせた理由として、シンボリルドルフとの出会いを語る。 「また、ああいう馬に巡り合いたい。もう一度、ああいう馬をつくりたい――。ルドルフに出逢ってからは、そんな想いに取りつかれてしまったのである」(『勝負勘』/角川oneテーマ21)  では一体、シンボリルドルフの何が特別だったのだろうか?   例えば84年の日本ダービー。第3コーナーを回って、第4コーナーを過ぎても、シンボリルドルフの位置取りは7〜8番手。いくら岡部がムチを入れても、シンボリルドルフは本気で走ろうとはしなかった。最後の直線になり、焦る岡部は強めのムチを入れる。しかし、皇帝はまだ動こうとしない。だが、「さすがのシンボリルドルフもここまでか……」と誰もが思った残り400メートル。突如としてルドルフのエンジンに火がつくと、あっさりと先行馬を抜き去って、先頭でゴールに飛び込んでしまった。  レース後にビデオを見返した岡部は、残り400メートルの地点が「仕掛けのタイミングとしてピッタリだった」ことに驚く。騎手ではなく、馬が勝手にレース展開を読み、勝利までの最短距離を計算していたのだ。 「ルドルフは私の指示をそのまま聞くのではなく、自分でレースをつくったのである。そして私は、それによって理想の仕掛けのタイミングを学ぶことができた」(『勝負勘』)  シンボリルドルフが出走したレースは16戦。岡部の生涯戦績のわずか1000分の1にも満たないものだ。しかし、若き日の岡部にとって、ルドルフとともに戦った16戦で得た喜びや悔しさが、その後の騎手人生を送るための大きな財産となった。そして、彼は歴史に名を残すトップジョッキーに成長していく。おそらく岡部にとって、後にも先にもルドルフ以上の馬はいなかっただろう。  引退後、岡部は、北海道に暮らしていたシンボリルドルフの元を訪れている。いつも、気性が荒いシンボリルドルフは、傍に来た人間に対して悪戯をするのだが、岡部が近づいていってもおとなしく過ごしていたという。2011年、「皇帝」の異名を持つ名馬は30歳でその生涯に幕を閉じた。 (文=萩原雄太[かもめマシーン]) ●おかべ・ゆきお 1948年群馬県生まれ。84年、シンボリルドルフで無敗のクラシック3冠達成をはじめ、数々の名馬でGI制覇を成し遂げた。その見事な手腕は「名手」と称される。85年からほぼ毎年、海外のレースに参戦する国際派ジョッキーとしても活躍。競馬関係者からは畏敬の念をこめて「ジョッキー」の通り名で呼ばれる。05年3月20日、「生涯一騎手」の人生を貫き、38年間の騎手生活に終止符を打つ。

“食べることと、ただ殺すことはまるで違う!”レース未勝利馬の数奇な運命を追う『祭の馬』

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福島で被災した馬たちの行方を追った『祭の馬』。ドバイ国際映画祭のアジア・アフリカ・ドキュメンタリー部門でグランプリを受賞した。
 勝つことが義務づけられた競走馬として生まれながら、負け続けることで生き残った不思議な元競走馬がいる。2007年青森県生まれの牡馬ミラーズクエストは、10年に中山競馬場でデビューするも16頭中16位に終わった。その後も負け続け、競走馬としての成績は4戦0勝、獲得賞金0円という結果だった。11年1月には地方競走馬登録を抹消され、肥育馬として福島県南相馬市の馬主のもとへと引き取られる。肥育馬とは食肉用に育てられる馬のことだ。性格的に難のあるもの、怪我をしたもの、勝ち運から見放されたもの、競走馬の多くは遅かれ早かれミラーズクエストと同じ道をたどる。同年3月、東日本大震災が起き、ミラーズクエストたちのいる厩舎も津波に呑まれた。震災を奇跡的に生き延びることができたミラーズクエストだが、今度は“被災馬”というレッテルを張られることになる。一頭の元競走馬の足取りを追ったドキュメンタリー映画『祭の馬』は、カート・ヴォネガットのSF小説『スローターハウス5』を思わせるブラックな笑いと社会風刺に満ちた内容となっている。  震災直後から南相馬市に通い続けたのは『相馬看花 第一部 奪われた土地の記憶』(12)を撮った松林要樹監督。「テレビのニュースから省かれたものこそ、ドキュメンタリー映画にしたい」というのが松林監督の信条だ。『相馬看花』では福島第一原発から20km圏内にある自宅に一時帰宅を許された夫婦が持ち出す品物をめぐってケンカを始める様子をユーモラスに映し出していたが、今回もテレビのニュース番組では使われることがないショットがスクリーンに大写しとなる。主人公である牡馬ミラーズクエストのおちんちんが真っ赤に腫れ上がり、ずっとぶらぶらしたままなのだ。
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震災を生き延びたミラーズクエスト。ほかの被災馬たちと共に、避難所となった馬事公苑でひっそりと暮らすことに。
 笑いごとではない。ミラーズクエストは大津波をサバイブし、仲間の馬たちが次々と餓死していく悲惨な状況を何とか耐え凌いだものの、傷を負ったペニスが細菌感染によって肥大化してしまったのだ。神経が麻痺して、どうやら元には戻らないらしい。「同じ男として他人事とは思えなかった」と松林監督は厩舎の清掃を手伝う傍ら、ミラーズクエストをカメラで追うようになる。松林監督はミラーズクエストの大きくなった男性器を見て、福島第一原発3号機が爆発したときのキノコ雲を連想したという。スクリーン上に並ぶ、腫れ上がった馬のペニスと不気味なキノコ雲。原発事故が人間だけでなく自然界全体の生態系に大きな影響を及ぼすことを訴えた、あまりにも痛々しくブラックすぎるモンタージュを松林監督は盛り込む。  震災を生き延びたミラーズクエストたちだったが、原発から20km圏内の経済動物は殺処分するようにと県からの要請が届く。しかし、ここで馬主の田中伸一郎さんは頑なに拒否する。肥育馬として体が大きくなったら屠殺される運命にあったミラーズクエストだが、被災馬となったことから食肉にすることができなくなった。内情を知らない部外者は、食用として屠殺するのと殺処分するのにどう違いがあるのかと思ってしまうが、“馬喰”と呼ばれる職業に就く田中さんからしてみれば、それはまるで違うことなのだ。肥育馬は食べられるために生きているのであって、ただ殺されるために生きているのではない。そこには大きな違いがある。「生きているものをただ殺すわけにはいかない」という田中さんの言葉がずしんと響く。食肉産業に従事する馬主の葛藤と矜持を伝える重要なシーンとなっている。  被災馬となったことで皮肉にも生きながらえることになったミラーズクエストだが、収入の当てを絶たれた馬主の生活は苦しい。南相馬市は地元の祭「相馬野馬追」に参加する伝統行事馬として扱う特例を認めてくれた。市内の馬事公苑で、ひっそりと避難生活を送るミラーズクエストら被災馬たち。しかし、ここも彼らにとっては決して楽園ではなかった。放射性物質が含まれた草を食べないよう放牧が禁止され、狭い馬房での生活を強いられる。ストレスからか、病気で亡くなる馬が相次ぐ。そんな不健全な状況を見かねて救いの手を差し伸べてくれたのは、馬の産地として有名な北海道日高市だった。フェリーに乗ったミラーズクエストたちは北の大地へと降り立つ。草原へ放牧され、野を駆け巡る馬たちが美しい。生命力に溢れた馬たちの躍動感がスクリーンいっぱいにみなぎる。馬房の中で哀しげな表情を浮かべていた姿はそこにはなかった。北海道での伸び伸びとした生活によって、ミラーズクエストのあの腫れ上がったままだったペニスは元のサイズに戻っているではないか。馬は環境に左右される、とてもナイーブな生き物であることが分かる。
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平将門の時代から続く伝統行事「相馬野馬追」。騎馬武者スタイルとなった地元の人たちによって戦国絵巻が再現される。
 松林監督は、タイとビルマの国境近くで暮らす日本人未帰還兵たちを3年がかりで取材した労作『花と兵隊』(09)でデビューを果たした気骨あるドキュメンタリー作家だ。異国で亡くなった同胞たちのために未帰還兵が建てた慰霊塔の清掃を松林監督は手伝いながら、インパール作戦の撤退時に日本兵同士でのカニバリズムが行なわれた事実を本人の口から聞き出している。本作でもまた、松林監督は人間が生きるということ、自分たちが生きるために他のものを喰らうという命題に向き合うことになる。人間社会は原発や家畜も含め、様々な犠牲の上で成り立っているという事実が浮かび上がる。肥育馬が屠殺され、食肉となっている実情については、本作の公開に合わせて松林監督が執筆したノンフィクション本『馬喰』(河出書房新社)が詳しい。映画『祭の馬』に加え『馬喰』を併読することで、人間と馬との長く深いかかわり合いがより立体的に見えてくるはずだ。  北海道で元気を取り戻したミラーズクエストたちだが、やがて福島へ帰る日が訪れる。1000年にわたって続く神事「相馬野馬追」に参加するためだ。祭の馬として、彼らは生きることを許されていた。かつては野生馬を捕らえ、神に捧げていた「相馬野馬追」は、南相馬市を代表する伝統行事だ。震災の起きた2011年も規模こそ縮小したが、例年通り7月に行なわれた。地元の人たちにとっては心躍るハレの場だが、祭が終わると共に祭の馬たちはその役割を無事に果たしたことになる。例年通りなら、祭を終えた馬たちは屠殺業者の手に渡ることになる。ここまで生き延びてきたミラーズクエストは一体どうなるのか……。  人間の都合によって、二転三転するミラーズクエストの運命。彼の大きな瞳には、果たして何が映っているのだろうか? (文=長野辰次) umanomatsuri04.jpg 『祭の馬』 監督・撮影・編集/松林要樹 プロデューサー/橋本佳子 製作/3JoMa Film、ドキュメンタリージャパン、東風  配給/東風 12月14日より渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開中  (c)2013記録映画『祭の馬』製作委員会  <http://matsurinouma.com> ■松林要樹監督の新著『馬喰(ばくろう)』が河出書房新社より発売中。ドキュメンタリー映画『祭の馬』のメイキングエピソードに留まらず、さらに福岡の屠場を取材するなど知られざる馬肉産業の実情を掘り下げている。また、『相馬看花 第一部 奪われた土地の記憶』では被災地に救援物資を届けることで被災所で暮らす人たちと友好関係を結んだ松林監督だが、震災から一定の時間が経過し、復興過程中にある被災地の人間関係に戸惑う様子も盛り込まれている。本著を読んでから『祭の馬』を観ると、草原を駆ける馬たちの躍動感がより目に染みるはずだ。1680円。

実質0円に苦情殺到! スマホが格安で買えるワケ

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au公式サイトより
 9月にiPhone 5Sが登場したころから、実質0円とうたいながらも、契約時にauの有料オプションに加入させられたという文句がネット上を飛び交うようになった。これは、ソフトバンクやドコモのショップでもあることなのだが、客に有料オプションを契約してもらうとキックバックが発生する。このキックバックは支援金と呼ばれており、ショップにとっては大きな収入源になっている。  とはいえ、オプションはなかなかごつい。映画やアニメを視聴したり、雑誌を読める「スマートパス」は月額390円。それに加えて動画が見放題の「ビデオパス」が月額590円、音楽を聞き放題の「うたパス」が月額315円、本が読み放題の「ブックパス」が月額590円。それに、留守番電話や待ち歌などが利用できる「電話きほんパック」(月額315円)やau携帯への通話が無料になる「au通話定額24」(月額500円)なども加わる。人によっては、アップルの保証サービス「AppleCare+」(初回416円、2回目以降408円)への加入を求められるケースもある。  当然、全部を払っていたら、実質0円で得する金額をはるかに超えてしまう。そこで、ショップのスタッフも、「明日以降解約してくれて結構」だと説明する。とりあえず、支援金が欲しいので契約してほしいということだ。カラクリは理解できるだろう。それなのに、auだけが炎上しているのは、セールス方針がやや異なるためだ。  ソフトバンクやドコモは、オプションに加入すれば割引があるので、トータルで得になると説明する。auも公式回答としては、オプションへの加入は強制ではないとしている。しかし、auショップではほぼ強制でオプションを契約させられたという声が多く、また、すぐに解約してよいと言われたオプションも、手続き方法がわかりにくいというネックがあった。そこで、auは11月1日に各種サービスを簡単に解約できるページを公開。だが、「AppleCare+」は電話やウェブで解約できないので、後日またショップに行く必要があるのが面倒だ。さらに、炎上は飛び火し続け、結局、12月1日にはオプションによる支援金評価方針を見直した。とはいえ、「スマートパス」のキックバックは続行されたようで、根本的な解決にはなっていない。  支援金は成績によって、1店舗当たり最大月額100万円近くなる。2~3人分の人件費が浮くとなれば、ショップの経営者は強制するに決まっている。ショップ側のモラルというよりも、そういう仕組みを作って餌をぶら下げているキャリア側に原因がある。筆者としては、大きな割引をしてもらっているのだから、オプション1回分の金額を払ったり、翌月に解約する手間くらい、別にいいではないかと思う。しかし、強制は感じが悪い。「すぐ解約してもいいので契約してくれれば、○○円割り引きますよ」と言えば、ユーザーは飛びつく。強制するから反発するのだ。魚心あれば水心。ユーザー目線で、スマートな仕組みを作ってほしいところだ。 (文=柳谷智宣)

すべて綾菜のため……」“業界タブー”を犯した加藤茶が年下妻に食い潰される日(12月上旬の人気記事)

ranking1218.jpg  12月上旬に注目を集めた記事を、ランキング形式で紹介するこのコーナー。あゆ再婚のニュースに、“また話題作りか”と誰もが辟易していることと思いますが、今クールはそんなあゆを差し置き、浪費妻に馬車馬のごとく働かされる加藤茶やら、ネット人気急上昇中の剛力彩芽、“コミュ障”を売りにする芸能人のニュースなどが話題を集めました。 第1位 加藤茶が犯した“テレビ界の最大タブー”同時刻裏番組に出演! 妻・綾菜さんの浪費癖が原因か 昼ドラになりそう! 第2位 AKB48・峯岸に“笑い者”にされた剛力彩芽「マネしてくれて、うれしかった」発言に「叩いてごめん!」の声 やっぱりいい子みたい。 第3位 「渡辺麻友、板野友美はランク外……」2013年写真集ランキングから読み解くAKB48“本当の人気” もう十分でしょ? 第4位 きゃりーぱみゅぱみゅ、堀北真希、能年玲奈……“コミュ障”芸能人が大人気のワケ キャラ説もありますが……。 第5位 赤西仁の存在も足を引っ張り……『47RONIN』空前の大コケ“貸し切り状態”も多数報告の異常事態 「SPA!」赤西インタビューのかみ合ってなさがハンパなかったです。 次点 「魅力度最下位だけど、住むにはいい場所!」ボクたちが“未開の地・グンマー”を愛するワケ NO GUNMA,NO LIFE! 次々点 「大抵のテレビ番組が嫌い」テレビ東京“鬼才”ディレクターから見た“やらせ問題”とは 「やらせ」と「演出」の違いとは?

「気分はもう戦争──?」特定秘密保護法成立の安倍政権下、週刊誌ができること

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「週刊現代」12月28日号
今週の注目記事 第1位「今度は『共謀罪』まで言い出した 安倍総理、気分はもう戦争」 (「週刊現代」12月28日号) 第2位「にわかに露出アッキーは官邸のイメージ戦略か」 (「AERA」12月23日号) 第3位「ヌードで赤裸々告白 優希まこと さんまさんのお家で……」 (「週刊現代」12月28日号)  長いことこの欄を受け持っているが、これほど読むべき記事が少ない週は珍しい。中でも文春、新潮は“冬枯れ”どころではなく、木枯らしが吹きすさぶ厳冬期のようだ。  たとえば、両誌がこぞってやっている韓国の朴槿恵(パククネ・61)大統領批判がある。  新潮が「身内に犯罪者『朴槿恵大統領』孤独の夜」、文春が「日本人は知らない 韓国マスコミが突いた朴槿恵大統領の『急所』」。  ともに朴大統領が対日強硬派であることを難じている内容であるが、他国の大統領をここまで批判するのは、何が目的なのであろう。  膠着状態にある日韓関係を憂い、首脳たちの対話を促すなら、こうした記事がマイナスに働くこと間違いない。それとも両誌は、日韓の緊張をさらに高めてほしいのだろうか?  ともあれ、新潮から見てみる。大手新聞のソウル特派員はこう話す。 「行政府、立法府から司法府まで、あらゆる勢力がコングロマリットの如く、反日を規範に行動しているのが今の韓国です。朴大統領の父親・朴正熙(パクチョンヒ)は、KCIA(中央情報部)の部長などを側近にして、16年にわたり独裁者として恐怖政治を敷きました。程度の差こそあれ、彼女もそのDNAを受け継ぎ、独断主義を通しているので、怖れられているわけです」  諫言できるブレーンもいなければ、彼女には夫もいない。では兄弟姉妹はどうかというと、これが醜聞だらけだという。  妹の朴槿令育英財団前理事長は、契約金名目で7,000万ウォン(約640万円)を騙し取ったとして、詐欺罪で有罪判決を受けている。また実弟の朴志晩は、覚せい剤使用で保護観察処分。しかも同罪での摘発が89年の初犯以降5回もあるというのである。新潮はこう書いている。 「心から頼れる身内もいない朴槿恵大統領。反日に凝り固まる彼女は、他の多くの政治家とは違い、夜の懇親会の会合は入れず、青瓦台で独りの時間を過ごすという。夜毎、ドラマを見ながら、ひとり酒を傾けつつ……」  さながら、寂しき青瓦台の女王といった趣である。  さらに、朴槿恵大統領が昨年の大統領選で目玉の公約に掲げたのは「国民幸福基金」という現代版徳政令と、「高齢者向け年金の給付」だった。  ジャーナリストの勝又壽良氏が、このように解説する。 「韓国は財閥企業による輸出依存型経済です。結果、個人より企業に富が集中し、貧乏人が増える格差社会になっている。個人消費が落ち込み内需が低迷し、10年ほど前からクレジットカードを利用しようというキャンペーンが起きました」  その影響で、個人債務者が急増してしまった。一般家庭の債務の総額は2002年で464兆ウォン(40兆円)だったのが、12年には963兆ウォン(84兆円)にまで増加したそうだ。勝又氏がこう続ける。 「韓国では04年以降、これまで負債減免政策は3回行われ、今回の『国民幸福基金』で4回目。過去3回の徳政令の元金減免率は30~50%だった。今回は一律50%で、生活保護を受給していれば、なんと70%も減額されるのです。これまでにない大盤振る舞いと言えます」  この非常識な経済政策で国内経済はガタガタだというが、私にはちょっぴりうらやましい気がする。  父は反共だったのに、なぜ朴大統領は中国べったりなのかとも批判している。それは、韓国の今年1月から10月の対中国輸出額が1500億ドル(約15兆3100億円)で、日本を抜いてトップになったから、中国におべっかを使っているというが、致し方ないのではないかと、私は思うのだが。  文春では、早くも朴大統領に退陣を要求するデモが拡がっていると報じている。  12月7日、ソウル中心部は、朴大統領の退陣を求めるデモ隊に埋め尽くされたという。「朴槿恵大統領は退陣せよ」という約2万3000人のデモ隊は、機動隊と衝突し、放水も行われた。 「就任1年目でここまでのデモが起こるのは異常です。任期はあと4年ありますが、レームダック(死に体)も早いかもしれません」(在韓ジャーナリスト)  さらには、かつて隠し子報道も飛び出したそうである。40歳年上の崔という牧師との関係がウワサされ、朴大統領は、07年の大統領選候補を選出するハンナラ党予備選挙で、こう言ったという。 「検証聴聞会で自らDNA鑑定の可能性に触れている。それは『わたしに隠し子がいるとの説が出回っている。もし実在するなら、その子どもを連れてきてみてはどうか。そうすればDNA鑑定を受けてもいい』というものだった」(朝鮮日報07年8月3日)  両誌を読み比べて、正直ため息が出た。こうした情報を欲しがり、韓国に対して怒りをもっている読者がいるのであろう。だが、こうして国内の反韓感情を高めれば高めるほど、両国関係は拗れ、歩み寄ることは難しくなる。  韓国も日本に負けず反日情報をまき散らしているのであろうが、それと同じところへ下りていくことはない、そう考える。  安倍政権の反韓・反中路線の核弾頭として批判しているのであれば、両誌が常々辛口で書いている大新聞の政権ベッタリ、大本営発表たれ流しと同じになりはしないか?  どちらにしても、このところの強圧的な政権運営で支持率が落ちている安倍政権と同じように、このままいけば部数も落ち込んでいくのではないかと心配している。  ポストは先週合併号なので、今週はお休み。よって、注目記事はどう拾っても上記の3本しかない。困ったものである。  まずは現代のカラーグラビア袋とじ。  先日フライデーされた明石家さんまの自宅お泊まり相手、優希まことがヘアヌードになって、さんまとのことを告白している。彼女はレースクイーンとして活動後、2010年にAVデビュー。瞬く間に人気ヌードルになったそうだ。  といっても、“赤裸々”なのはヌードのほうで、さんまとのことはほんのちょっぴりなのが残念だ。 「さんまさんは本当に優しくて紳士的。肌がきれいで60歳近くとは思えない体のキレが印象的でした。いろんな意味で、まさに大人の魅力、でしたよ(笑)。詳しい内容? うーん……、あまり話すと怒られちゃいそうだからなぁ。でもラブラブな雰囲気が好きみたい。すごくかわいいんです」(優希)  堂々たるヘアに、小ぶりなおっぱいがカワイイ。ベットではいい女だろうなと思わせる肢体。この体をさんまが愛でたというのは、少しうらやましい。  先週、安倍首相の奥さん、安倍昭恵夫人をインタビューした現代の記事を紹介したが、このところの彼女のメディア露出はすごいものがある。  AERAはその「放言」には官邸の陰が見え隠れしていると書いている。これが今週の第2位。  現代以外でもこう言っている。 「“50歳からの人生に向けて、安倍晋三の妻としてより、ひとりの女性・安倍昭恵としてどう生きるかを考えたい”と思ったのです」(「エクラ」14年1月号) 「(安倍首相にとって)一番大きいのが憲法改正なんだと思う。それが国会議員になって最もやりたいことだったんだろうと思う」(12月7日付「ウォールストリート・ジャーナル」電子版) 「自分の国で事故がきちんと収束していないのに、(原発を)海外に売り込むことに対し、私はやはり『どうなんだろうな』と思っている」「主人に『小さいところは本当に大変なので、消費税は上げないでください』と毎晩言っていた」(11月12日の北海道新聞東京懇話会)  現代では、石破茂自民党幹事長が「デモとテロはあまり変わらない」と発言したことに対しても、 「デモができるということは健全な社会である証拠ですから、それをテロと言うことはちょっと許されないと思います。私には原発反対デモをしている知人もいますし」 と、バッサリ斬っていたのは見事だった。  だがAERAによると、彼女の発言に官邸は痛し痒しで、こんなことをしていると官邸関係者が語っている。 「いま官邸にはチームアッキーの部屋があって、専属の女性秘書2人がついています。実質的には監視役。インタビューなどはすべて目を通してますし、官邸がコントロールしようとしているのは明白です。タカ派色を強める安倍首相に対して、アッキーの露出を増やすことでバランスを取ろうという意図も見え隠れします」  私も、アッキーの一連の反原発発言や消費税、特定秘密保護法反対の姿勢は、官邸の「意志」があると思っている。  安倍首相のタカ派路線、国会軽視の強硬路線が国民の反発を招くことは、首相周辺は重々承知しているはずである。  そこで、安倍首相の妻が、首相の考えをちょっぴり批判することで、タカ派イメージを薄め、あの奥さんがいるから安倍首相もそんな変なことをしないのではという「安心感」を与えようとしているのではないか。  特定秘密保護法案が出てきた頃と、多くのメディアに彼女が露出し始めた時期は重なる。彼女のすべての言葉が、自分の意と反する意見を言わされているとは思わないが、安倍首相周辺が黙っていることなどありえない。  そうでなく、現代で「政治家の夫婦って、一緒に外に出るときには仲の悪い素振りなんて見せられませんから」と言っていることが誠なら、この夫婦は「仮面夫婦」で、遠くない将来、小沢一郎のように、奥さんのほうから三行半を突き付けられることになるだろう。  今のところのアッキー発言は眉にツバをつけながら、少し割り引いて聞いていたほうがいいはずである。  編集長が交替して、かなり安倍政権への批判を強めようとしている現代だが、今週も巻頭で「安倍総理、気分はもう戦争」と小気味いい。これを今週の第1位に推す。  鈴木崇之編集長は「音羽の杜から」でこう書いている。 「いま自分たちも猛烈な砂嵐の中にあって、いつの間にかとんでもない事態になっているんじゃないか。特定秘密保護法に続き、共謀罪創設なんて話も聞こえてくる昨今。日本が戦争への道を進み、恐竜たちのように滅びるのは真っ平御免です」  現代によれば、EU(欧州連合)28カ国の在日本大使館の政治担当参事官が毎月1回集まり、世界情勢について意見交換する昼食会を開いているそうである。  その会合に先日、米国の政治参事官が呼ばれた。目的は安倍晋三総理がいま、何を考えてるのかを聞き出すためだったという。欧州の大使館関係者がこう語る。 「そこで米国の参事官が、安倍総理が中国と戦争するつもりではないかとの危惧を示したから会議が騒然としました。会合では今夏の麻生太郎財務相のナチス発言に触れて、いまの安倍政権の特定秘密保護法案への強硬姿勢も、まるでナチスと同じ手口ではないかという声も上がりました。要するに、いま欧米先進国の間では、安倍政権が戦争に突き進むのではないかとの不安が渦巻いてる。それほどまでに、日本は世界から『気分はもう戦争』という危険状態にあると見られているのです」  さらに驚いたのは、12月11日に「政府は共謀罪の新設検討」と朝日、日経新聞などが報じたことだ。共謀罪というのは殺人など重大犯罪の実行行為がなくても、謀議に加わっただけで処罰の対象とされるもので、現代の「治安維持法」として批判されてきたのだ。その悪法が、ここへきて急浮上してきた。 「安倍政権は11月末に『国家安全保障会議(日本版NSC)』創設関連法も成立させている。NSCは総理大臣、官房長官、外相、防衛相をメンバーとする『4者会合』を中核とし、外交・安全保障政策の司令塔となる組織。巨大な権限を持つことから、『戦争司令部』になりうると批判されているものだ。こうした既成事実を列挙すれば、確かに安倍政権は『戦時モード』へ突き進んでいるようにしか映らない」(現代)  現役米大使館幹部もこう話す。 「誤解されていますが、米国は秘密保護法に反対の立場です。東アジア情勢が安倍政権下で悪化する中で、なぜ戦時下の言論統制を連想させるような法案をあえて可決しようとするのかと、頭を抱えているほどです。オバマ大統領は、キャロライン・ケネディ駐日大使を通じて、安倍総理に『靖国だけには参拝するな』『これ以上中国を刺激して尖閣問題が再燃したら、米国は日本を助けない』とのメッセージも届けています。しかし安倍政権の動きを見ていると、忠告が全く響いていないように見える」  さらに現代は、安倍政権はこれに飽きたらず、戦時モードの強化へと突き進もうとしていると追及する。  NSC、秘密保護法はまだ序の口で、来年の通常国会では、本丸である国家安全保障基本法案が提出される見込みだというのである。 「昨年7月に自民党がまとめた法案の概要を見ると、戦争ができる国への一歩を大きく踏み出そうとしているのがよくわかります。例えば第3条では教育、科学技術など各内政分野は、国防を優先しろとの旨が書かれている。さらに第4条では『国民の責務』として『安全保障の確保に寄与』とある。早い話が国民も国防に協力しろという、国家総動員法まがいの内容です。さらに第10条では集団的自衛権を認め、第12条では武器輸出を解禁しようとしています」(弁護士の伊藤真氏)  国家安全保障基本法案がどれほど危険なものか。ビジネス情報誌「エルネオス」(13年10月号)で東京新聞編集委員の半田滋氏と対談したとき、半田さんはこう言っている。 「国家安全保障基本法案というのは去年の7月、自民党が野党だったときに総務会で決定しました。概略しか自民党はつくってませんけど、その中で自衛隊というものを法的に位置づけると言っていて、その中身を読んでいくと憲法とほとんど変わらないような規定なんです。たとえば『国民の責務』という項目があって『国民は、国の安全保障施策に協力し、我が国の安全保障の確保に寄与し、もって平和で安定した国際社会の実現に努めるものとする』と書いてある。  自民党の憲法草案にも似たような文章があって、要するに国防の義務を国民に負わせていくというような趣旨で、憲法九条の二項に『陸海空戦力をこれは保持しない』と書いてあるけれども、この中では『陸上・海上・航空自衛隊を保有する』と書いてあります。戦力という書き方じゃなくて自衛隊と明記した上で保有するとあって、国連には個別的・集団的の区分けがないところをうまく利用して、集団的自衛権の行使をやると書いている。  重要なのは、この法案は憲法よりは下だけれど国家安全保障の全体像を描いた上位法です。この法律だけでは漠然としてるので、下位法として集団自衛事態法をつくる。また自衛隊法を変えて集団自衛出動的任務規定を盛り込むということが書いてあります。それと国連の安保理制裁決議で武力行使が行われる場合には参加できるという項目もあるし、驚くべきことに武器の輸出ができるという規定まであります。  私がこの本(『集団的自衛権のトリックと安倍改憲』(高文研)=筆者注)を書いたときは、自民党の幹部の方が、これは議員立法でやりますと明言していたんです。三権分立ですから立法府としてこの法律をつくります。行政府、内閣はこの法律に従って自衛隊の活動を規定してくださいと要求していく。それによって自ずと自衛隊の海外における集団的自衛権の行使や武力行使ができるようにすると言っていた。  ところが今はシナリオがちょっと変わってきていて、安倍さんは内閣立法でやると言い出している。つまり安全保障は国の責任でやるべきだから閣法提出にすべきだ。それが内閣法制局長官の交代につながっているんです。つまり閣法で出すということは、内閣法制局で今の憲法解釈と齟齬がないか吟味してもらわなければいけません。これは合憲ですよと言ってもらわなければいけないわけで、イエスと言える法制局長官に差し替えて、万全の態勢で出していくという手続きが必要だと変わってきているんです」  内閣法制局長官を替え、体制は着々と整いつつある。これを阻止するには、民意の結集が必要である。  幸い、特定秘密保護法を無理やり通した後の世論調査では、NHKやJNNが10ポイントも下がって50%になり、共同通信などは47.6%にまで落ち込んでいる。  国民の怒りをくみ取り、安倍首相がしようとしている「戦争のできる普通の国」をやめさせるために週刊誌は何ができるのかを、真剣に考え誌面化しなくてはいけないこと、言うまでもない。 (文=元木昌彦)

「めっちゃ楽しい」『THE MANZAI』で見せた、“人生すごろく”レイザーラモンの17年

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吉本興業株式会社 芸人プロフィール | レイザーラモン
「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。  『THE MANZAI』(フジテレビ系)決勝の「組み合わせ挑戦会」で、レイザーラモンRGは誰もが嫌がるトップバッターを選択し、『THE MANZAI』あるあるを歌い出した。「めっちゃ楽しい」と。そのあるあるの通り、2013年の『THE MANZAI』は「めっちゃ楽しい」大会になった。優勝したウーマンラッシュアワーはもちろん、最も鮮烈な印象を残したワイルドカード(敗者復活)の流れ星や、たけしイズムあふれる危険なネタを披露した東京ダイナマイトなど、“曲者”揃いの決勝大会は飽きることない楽しい空間だった。  その空気を作った大きな要因のひとつは、トップバッターのレイザーラモンだろう。一般的にレイザーラモンは、「フォー!」の“一発屋”ハードゲイキャラのHGと、「あるある」のRGという印象しかないかもしれない。だから、彼らの決勝進出は驚きだった。だが実は、レイザーラモンは昨年に続き2年連続で認定漫才師に選ばれている。着々と実力を付けてきていたのだ。 「人生すごろくや!」  かつて東野幸治は、レイザーラモンをそう評した。住谷正樹の「レイザーラモンHG」というキャラが大ブレークしたため、出渕誠がそのキャラをパクリ、「RG」となって便乗した。「お荷物」などと揶揄されながらも強心臓を武器に「あるある」を歌い続け、いつしかRGは「市川AB蔵」などのキャラでプチ・ブレークを果たした。ちょうどその頃になると、「HG」の人気は低迷。今度は「市川AB蔵」に便乗するように、HGが「市川CD蔵」に扮したのだ。それはまさに、「人生すごろく」と呼ぶにふさわしい変遷だった。  RGはその後も、「あるあるバスツアー」や「あるある」をオールナイトで歌い続けるライブなど個性的で精力的な活動で話題を振りまき続け、テレビでもワンポイントの切り札的出演でその場を「楽しい」空間に変えていった。一方、HGは持ち前の端正なルックスと肉体美でモデルとしても活動を開始。また、『バカソウル』(テレビ東京系)などで「吉本三大蜃気楼」として「一発屋」をネタにし始めていた。  そんな頃、大阪時代からレイザーラモンをよく知る構成作家に「2人で絶対漫才してください」と説得された。「俺らの漫才なんて、誰も見たないやん」というRGに、彼は「いや、やってください」と食い下がった。  漫才師に憧れていた。けれど、RGは「僕らはできるわけないと思って、ずっと逃げてた」。だが、HGも「やろうや」と言ってくれた。そしてレイザーラモンはキャラを脱ぎ捨て、スーツに着替え、再び漫才で勝負し始めたのだ。 「HGやりました、あるあるやりました、プロレスやりました。全部漫才のためだったのかなと」(「お笑いナタリー」インタビューより)  17年間、さまざまな変遷を経てきたレイザーラモン。決してお笑い芸人の「王道」とはいえない道を歩んできた。 「レイザーラモンとして求められてるものって、ぶっ壊すことだと思うので。漫才というフォーマットの中で、ぶっ壊すようなことをやりたいと思います」(同)  その言葉通り、レイザーラモンは日本一の漫才師を決める『THE MANZAI』で、モデルに扮したHGの服を脱がし、パンツ一丁にした。それはいま主流の、ボケの手数を詰め込んだ緻密な漫才とはまったく違っていた。センスのある発想とも無縁だった。レイザーラモンの17年間が凝縮された漫才は、ただ「楽しい」だけの漫才だった。  その漫才を見て、審査員のひとりであるオール巨人は「レイザーラモン君はね、個人個人でやってく力あるんですよ。そのほうが楽なんですよ。でも漫才で頑張って、漫才のキャリアとしては2~3年やと思うんですよ。正直、劇場でもウケてなかった(笑)。でもここまで来た。言うたやろ、舞台で裸になったら誰かに怒られるって。俺が怒る!」と、優しさあふれる言葉をかけた。  HGは漫才の最後、RGのボケに「セイでしょー!」とツッコんだ。「セイでしょ-!」というツッコミの、意味のわからなさ。けれど、そのわからなさの分だけ幸福感がにじみ出てくる。 「反則だろ! フランス座じゃないんだから」と相好を崩す最高顧問のビートたけしも楽しげだ。  「楽しい」という概念を人の形にするとレイザーラモンができあがる。そんな気さえしてしまうほど、バカバカしくてくだらない、そして愛おしい漫才だった。2人の漫才は、『THE MANZAI』を嫌な緊張感とは無縁の楽しい空間にしてくれたのだ。  トップバッターとしての役割を果たしたレイザーラモン。最後の優勝決定の瞬間、チラッと画面の片隅に映ったHGはまだ裸のままだった。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから