冷蔵庫が迷惑メールの送信に悪用される!?  「スマート家電」が抱える、今後の課題

a0002_003093.jpg
イメージ画像(「足成」より)
 2013年末から、スマート家電から大量の迷惑メールが送信されている。統合型メッセージサービスを提供する「プルーフポイント」によると、10万以上の家庭用機器が被害に遭い、75万通以上の迷惑メールが送信されたという。PCやスマホではなく、インターネットに接続しているテレビや冷蔵庫といったスマート家電が踏み台にされているため、注目を集めている。  スマート家電とは、さまざまな家電をインターネットに接続することで新たなサービスを提供しようというもの。冷蔵庫であれば開閉回数をカウントしたり、外出先から冷蔵庫内の映像をチェックして重複買いを防ぐといったことが可能になる。エアコンであれば、帰宅途中に動作させて帰るころに暖かくしておくとか、乾燥機のフィルターが目詰まりする前に掃除するようメールが来るといったことが可能。家電の利便性を高め、付加価値を付けるために、今後はどんどん広がっていくことだろう。富士キメラ総研の調査によると、2017年のスマート家電市場は7兆4610億円規模になる目算だという。  しかし最近では、スマート家電が持つセキュリティリスクが取り上げられるようになってきた。冒頭で述べたように、冷蔵庫などが迷惑メールをばらまく足がかりにされてしまうのだ。PCやスマホであれば、ユーザーがセキュリティ対策を取ればいいのだが、家電だと限界がある。こうした家電への不正アクセスに対し、“個人情報が詰まっているわけではないので、問題はない”と考えるのは早計だ。  迷惑メールの踏み台になっているだけとはいえ、犯罪に利用されれば警察に踏み込まれる可能性も出てくる。すぐに疑いが晴れればいいが、昨今の捜査事情を見ていると、冤罪の可能性も拭い切れない。また、スマート家電に不正アクセスされれば、冷蔵庫の中身から使っている電気代、在宅しているかどうかまですぐにわかってしまう。その機器が無線LAN機能を備えているなら、将来ネットワーク上にあるデータを送信されてしまうという被害も出るだろう。  さらに怖いのは、スマート家電に不正アクセスすると、PCなどとは異なり、物理的な被害を与えることができる点だ。イタズラで家電全部を稼働させ、電気代を跳ね上げさせることなどもできる。誰かがトイレを利用している時に、ウォッシュレットから冷たい水を放つことも可能だ。炊飯器やエアコンを誤動作させることができれば、火事だって起きかねない。  事はそれだけにとどまらない。大量のスマート家電をハックしている人間が、同時に炊飯器や暖房の電源を入れたらどうなるだろう? 規模にもよるが、大規模停電だって引き起こしかねない。スマート家電のセキュリティは、PCやスマホなどと同様に重要なのだ。  PCと違って、ユーザーが行える対策は多くない。できることといえば、製品マニュアルに従って、きちんと運用したり、自宅で使っているルーターのセキュリティ設定を見直すといった程度。ネットにつなぐということは、利便性を得る代わりにリスクを抱えるということを把握しておいたほうがいい。デジタル愛好者である筆者でさえ、家の家電すべてをネットにつなぐのはまだ怖くて実現できていないのだから。 (文=柳谷智宣)

感染する“暴力”の恐怖『KILLERS/キラーズ』日本製殺人マシンとインドネシア産毒蛇の邂逅!

killers01.jpg
暴力に取り憑かれた人間のおぞましさを描いた『KILLERS/キラーズ』。不快な効果音、揺れる映像が不気味さを増長している。
 日本とインドネシアとの初合作映画『KILLERS/キラーズ』は、誰にでも簡単に手に入る麻薬を題材にしている。その簡単に手に入る麻薬とは、“暴力”という名の非常に中毒性の強いドラッグのことだ。暴力によるサディスティックな悦びを一度覚えてしまうと、その快感を忘れることができなくなってしまう。暴力を振るううちに脳内物質が過剰分泌され、中毒症状に陥ってしまうのだ。まるでスナック菓子を食べ始めた手が止まらなくなるように、際限なく暴力を振るうようになっていく。しかも、この映画はその中毒性の強い暴力がネットを介して連鎖していくという、さらなる恐怖を描いている。  本作は合作映画らしく、東京パートとジャカルタパートとの2つのドラマが同時進行していく。東京パートの主人公はしゃれたスーツを着こなすダンディな男・野村(北村一輝)。洗練された外見とは裏腹に、野村は快楽殺人鬼というおぞましい素顔を持っていた。街角にひとりで佇む若い女性や街娼を自分の車に誘い込んでは、自宅の監禁部屋へと拉致する。獲物にじっくり恐怖を味わせた上で、様々な凶器を使って血祭りにする。さらに、その様子をネットで中継するという完全なる精神異常者だ。今日も獲物を求めて、野村は夜の街へと繰り出していく。
killers02.jpg
サイコパスである野村(北村一輝)の監禁部屋には様々な凶器と拷問用具一式がそろっている。若くて美しい女性が野村のターゲットだ。
 ジャカルタパートの主人公はフリージャーナリストのバユ(オカ・アンタラ)。好景気に湧くインドネシアでは、お金を稼いだ人間が成功者として賞讃されている。金と権力にモノを言わせる街の有力者・ダルマの悪行をバユは暴こうとするも、逆に仕事を干されるはめに。激しいフラストレーションを抱えたバユは、ふとネット上で野村の殺人動画を見てしまう。常規を逸した映像にショックを受けるのと同時に、過激な映像を最後まで見たがっている自分がいることに気づいた。ある晩、深夜タクシーに乗ったバユはひと気のない場所に連れていかれ、強盗団から銃を突き付けられる。その瞬間、何かが弾けた。これは正当防衛だ。バユは奪い取った銃を強盗団に向けて発砲する快感に酔いしれる。チャットでコンタクトするようになる野村とバユ。野村は自分の仲間が見つかったとはしゃぐ。生まれながらのモンスターが潜在的なモンスターを目覚めさせてしまったのだ。  インドネシアの伝統的格闘技シラットが全編にわたって炸裂するアクション快作『ザ・レイド』(11)が世界的大ヒットとなったギャレス・エヴァンス監督が製作総指揮。続編『ザ・レイド GOKUDO』を製作中のギャレスが本作の監督に推したのは、インドネシアの新進クリエイターコンビであるモー・ブラザーズ。食人一家を主人公にした『マカブル 永遠の血族』(09)で長編デビューを果たしたティモ・ジャヤントとキモ・スタンボエルという若手2人組だ。ティモはギャレスとの共同監督名義で『V/H/S ネクストレベル』(1月24日公開)の中でカルト宗教団体の集団自死事件を題材にした凶烈エピソードを撮っている。相方のキモは中田秀夫監督の『リング』(98)をはじめとする日本映画に多大な影響を受けたと話す。日本とインドネシアとの初合作プロジェクトを進めたのは、日活の千葉善紀プロデューサー。園子温監督の大ブレイク作『冷たい熱帯魚』(11)や今年の映画賞レースを賑わす実録犯罪映画『凶悪』(13)などの問題作を次々と放っている要注意人物だ。野村とバユ同様に非常に危険な顔合わせとなっている。
killers03.jpg
ペンの力では悪を倒せないことを思い知らされたフリージャーナリストのバユ(オカ・アンタラ)は、直接的な暴力で訴えるようになる。
 影響を受けた日本映画に『リング』を挙げるモー・ブラザーズだが、本作も貞子の呪いのビデオのように、野村がネット上にアップした殺人動画が感染源となって現実世界で暴力が広まっていく。呪いのビデオは超常現象だが、本作で扱われる“スナッフ映像”はかつては都市伝説だったものがネット文化の普及によって実際に見ることができるようになったものだ。情報だけでなく、暴力も手軽にダウンロードできる時代になってしまった。平和主義者を自認していたバユは、社会悪であるダルマを制裁するという大義名分を見つけたことで暴力に手を染めていく。口実さえあれば、誰もが簡単に暴力の虜になってしまうのだ。また、人間の中には根源的な暴力性が潜んでいることも否定できない。他の種を上回る暴力性・攻撃性があったからこそ、人類は地上に生き残ってきたのではないか。その反面、人類の歴史は自分たちの体の中に流れる暴力性をいかに抑制するかを試行錯誤してきた歴史でもあったはずだ。暴力とどう向き合うかは、いわば人類に架せられた永遠の命題なのだ。  クールな日本製殺人マシンである野村とインドネシア社会に巣食う宿痾を凝縮した毒蛇と化したバユは、やがて運命的な邂逅を果たす。そのとき、一体何が起きるのだろうか? インドネシアと日本との合作である『キラーズ』は、毒と毒を掛け合わせた開発中の新薬のような劇毒ムービーとなっている。暴力に取り憑かれた人間の狂気を疑似体験させてくれるが、観た人にどんな副作用をもたらすか分からない。勇気ある人は新薬実験の治験のように試してみてほしい。 (文=長野辰次) killers04.jpg 『KILLERS/キラーズ』 製作総指揮/ギャレス・エヴァンス 監督/モー・ブラザーズ 脚本/ティモ・ジャヤント、牛山拓二 出演/北村一輝、オカ・アンタラ、高梨臨、ルナ・マヤ、黒川芽以、でんでん、レイ・サヘタピー  製作・配給/日活 R18+ 2月1日(土)よりテアトル新宿ほか全国公開  (c)2013 NIKKATSU/Guerilla Merah Films <http://www.killers-movie.com> 『V/H/S ネクストレベル』 監督/エドゥアルド・サンチェス、ギャレス・エヴァンス、ティモ・ジャヤント、ジェイソン・アイズナー、アダム・ウィンガード、サイモン・バレット、グレッグ・ヘイル 配給/クロックワークス R18+ 1月24日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開  <http://vhs-horrormovie.com>

静岡朝日テレビ・牧野結美×NHK沖縄・竹中知華 キー局の人気アナドルを凌駕する「地方女子アナ論」 

makinoy.jpg
牧野結美 プロフィール|静岡朝日テレビ
テレビ不況の昨今、ギャラがかからない女子アナはキー局の頼みの綱。似て非なる彼女たちの魅力を、女子アナウォッチャーが語り尽くす!  インターネットが普及したことにより、昨今は地方局に在籍する女子アナにもスポットが当たるようになった。その中にはキー局の女子アナを超えると評判の逸材も見られ、ネット上の女子アナ関連のスレでは盛んにキャプチャー画像がアップされている。そこで今回の「女子アナ名鑑」では、地方アナの魅力について考察する。  まず、地方アナが全国区になる要因のひとつが「ルックス」であり、これまではキー局のように洗練されていない、どこか親しみやすさを感じさせるような“癒やし系”が人気を集めてきた。しかし近年は、キー局の人気アナドルと比べて遜色のないルックスで、かつ、ミスコンやタレント活動などの美貌を裏付ける経歴の持ち主が登場している。  その中でも特に話題なのが、2012年に静岡朝日テレビへ入社した牧野結美アナで、同志社大学在学中に「ミスキャンパス同志社2010」のグランプリを獲得したほか、日本テレビ系の『恋のから騒ぎ』やウェザーニューズの携帯電話向け動画配信コンテンツ『おは天』に出演していた過去がある。そのアイドル顔負けのルックスから、入社1年目のときに「FRIDAY」(講談社)や「週刊プレイボーイ」(集英社)で取り上げられ、2年先輩の広瀬麻知子アナに「新人(牧野アナ)の人気が脅威的」と揶揄された。また、入社後に初鳴きしたニュースが動画サイト「YouTube」にアップされると、わずか5日間で25万回再生という記録を叩き出し、まさに“脅威の新人”と呼ぶにふさわしい偉業を達成した。現在は『とびっきり!しずおか』のリポーターやお天気コーナーなどの小さな仕事をメインとしているが、近い将来、局を背負って立つ逸材になることは間違いないだろう。 「ルックス」のほか、もうひとつの要因は身体的な魅力。端的に言えば「巨乳」である。過去には“スイカップ”と騒がれた元NHK山形の契約キャスターの古瀬絵理、“しゃちほこカップ”と呼ばれた元テレビ愛知の荒井千里など、その類いまれなるバストで全国区の知名度を獲得している。そして現在も、「巨乳」で騒がれる地方アナは多く、上述の静岡朝日テレビの広瀬アナもまた、体にぴったりとフィットした社交ダンス衣装のときのふくらみがネットで注目を集めた。  そんな巨乳の地方アナの中でいま最も注目されているのが、NHK沖縄の契約キャスター・竹中知華アナだろう。彼女はもともと青森朝日放送の女子アナだったが、結婚を機に退職。三浦という姓に変わり、フリーアナとして岩手朝日テレビの番組に出演。その後、姓を竹中に戻して現職に就くという、結構な紆余曲折を経ている苦労人でもある。そんな彼女が担当する朝の情報番組『おはよう沖縄』では、ごく普通の衣装に身を包んでいながら、驚くほどのふくらみを披露。ネットでは「放送事故レベル」や「推定Hカップ」といわれていて、あくまで私見だがキャプチャー画像を見る限り“スイカップ”よりも大きいのではないかと思われた。おそらく、今後も規格外の巨乳アナとしてネットを中心に注目を集めていくはずだ。  地方に住んでいない限り、これら人気の地方アナはもっぱらネットの画像や「YouTube」のような動画サイトでしか目にすることができない。しかし、地方アナは「かわいい」や「エロい」という限定された情報だけしか目にできないため、キー局アナに比べて人気が低迷しやすいということもある。彼女たちのような地方の逸材は人気を武器に地方から全国へと羽ばたき、より多くのファンを魅了するフリーアナとしてぜひ活躍してもらいたい。 (文=百園雷太)

こってりでもあっさりでもない、あんなモノが食べられる天下一品

 友達同士で、「天下一品のラーメンは“こってり”と“あっさり”どっちが好き?」なんて話題になったこと、一度はあるだろう。店によっては中間の“こっさり(こてあさ)”なんてメニューもあるらしいが、記者が見つけたのはラーメン屋とは思えないもっとすごいメニューのある天下一品だった。  大阪市営地下鉄谷町線の喜連瓜破(きれうりわり)駅前にある天下一品の店先に出ていた看板を見て驚いた! なんと、この天下一品ではハンバーガーが食べられるのだ!
R0020056.jpg
店頭にはバーガーメニューが張り出されている。
 店頭に出ているバーガーメニューは、チキン竜田バーガーにビーフカツバーガー、ベーコンエッグバーガーなど6種類。写真を見る限りではファストフードチェーンのバーガーよりかなりウマそうだが……。
R0020136.jpg
一番人気のチキン竜田バーガーは売り切れだった(泣)。
 全ての読者は絶対忘れているだろうが、実は、この珍級グルメ第一回目のネタが「ラーメンバーガー」だった。  ま、あれはあれで、アレな結果だったが、本物のラーメンとバーガーの組み合わせってどうなの? 定番のこってりラーメンとビーフカツバーガーをコラボさせてみた。  こってりラーメン着丼のあと数分してバーガーが提供される。バンズのてっぺんが少し焦げているが、これくらいがウマいのだ。単品だと480円するだけに、トマトスライスにレタスもたっぷり入っていて、見た目は色も良く豪華である。  まずは先輩メニューであるこってりさんに敬意を表して、スープと麺をひとくちズズっ。
R0020145.jpg
中華と洋食の垣根を越えた庶民レベルの見事な食のコラボ。
 喉がスープで潤ったところで、いざ、大口開けてバーガーにかぶりつく。と、バンズの香ばしさと柔らかさ、続いてレタスのシャキシャキ感とトマトの酸味が口に弾ける。そして最後にビーフカツのサックサクの食感とソース、牛肉の肉肉しさが口内に溢れ返った! 「ウマ~いっす!」  ありがちなバーガーの薄っぺらいパティーより、肉の味がガツンとやって来る。    正直、鶏がら白湯スープと合うとは思えないけど、単品なら全然アリ。全国展開すれば、ラーメンバーガーよりは人気出るとおもうのだが。あっ、こっちが売れすぎて本業がアレってことかも……。  うもうございました。 天下一品喜連瓜破店 ビーフカツバーガー480円 見た目 ☆☆☆ 味   ☆☆☆     店   ☆☆★
R0020138.jpg
鶏がら白湯スープのこってりラーメンはいつものあのウマさ。
★「珍級グルメハンター」の過去ログはこちらから

「あと3年……」フィギュア高橋大輔が走り続けてきた、ソチ五輪までの長いマラソン

daisuket0223.jpg
『それでも前を向くために be SOUL 2』(祥伝社)
アスリートの自伝・評伝から読み解く、本物の男の生き方――。 「あと3年」  2011年のモスクワ世界選手権終了後、男子フィギュアスケーターの髙橋大輔はそう心に決めた。  8位に終わった06年トリノ五輪から成長を遂げた高橋は、右膝のケガを乗り越え、10年のバンクーバー五輪で日本男子シングルとして初となる銅メダルを獲得。一躍、日本のトップフィギュアスケーターとしてその名を轟かせた。だが、その直後となる10-11年シーズン、思わぬスランプが彼を襲った。 「その後(バンクーバー後)の1年は、『オリンピックメダリストとして勝たなければ』という強迫観念と、『キレイな引き際にしたい』という欲と、『バンクーバーオリンピックでやめておけばよかったのかも…』という迷いがあった」(『それでも前を向くために be SOUL 2』祥伝社)  戦績を見れば、3回の優勝を飾った10-11年シーズンも決して悪くないものだった。しかし、自身としては、納得がいく演技ができなかったのだろう。モスクワ世界選手権を5位で終えた時、高橋は「あと3年」という目標を自らに打ち立て、現役続行の道を選んだ。  11年春にボルト除去手術をして1カ月間スケート靴が履けないブランクを過ごしたが、「3年」という目標を立てた彼は、その期間をすがすがしい思いで過ごした。3年間におよぶ長い「調整期間」、ひとつひとつの試合を「自分を試す場」に設定し、苦手意識のあったバレエにも挑戦。華やかなジャンプだけでなく、スケートのそもそもの滑り方までも抜本的に見直した。結果を急がず、ゆっくりと時間をかけることによって徐々に気持ちは変わっていく。「迷いと濁りが消えて、すっきりと素直にスケートに向けるようになった」。すると、高橋はあることに気づいた。 「やっとスケートが生きがいになった」  12年からは、手術をした膝の痛みが再発する。課題としている4回転ジャンプも、パーフェクトに決めることができない。また、高橋らが男子フィギュアを牽引したことによって、羽生結弦をはじめとする若手のレベルは格段に上がっており、心には不安や焦りの気持ちも湧いてくる。だが、目標は3年後だ。まるでマラソンを走るかのように、遠いゴールに向かって一歩ずつ歩みを進めていった。11-12シーズンはすべての試合で3位以内につけ、続く12-13シーズンも極度の不調に陥った2試合以外はすべて優勝か準優勝という試合を続けていったのだ。  五輪シーズンとあって、各選手の活躍に一層の注目が注がれた今シーズン。「いったい誰が代表に選ばれるのか」と、周囲はかたずをのんで見守っていた。高橋は10月のスケートアメリカこそ4位に終わるも、NHK杯で見事優勝し、五輪という目標に近づいた。しかし、11月26日、練習中に右足を負傷し、2週間の安静を余儀なくされてしまう。その結果、さいたまの全日本選手権では5位というふがいない結果に終わってしまった。それでも、日本スケート連盟が選出した五輪代表選手は高橋大輔だった。「あと3年」その決意が実り、再び大舞台への切符を手にした瞬間だった。  高橋は、ソチを最後に現役引退を表明しているわけではない。しかし「人生の岐路に立っている」と告白する。彼は、ソチ五輪に向けて、こう語っている。 「結果がどうあれ、有終の美でなくても、悔しくても充分やり切った、と思えれば理想。でもあくまでも理想。僕はたとえいい結果でも、もっとできたはずと思うだろうし、どこかに絶対に悔いは残るし、完全に満足も納得もしないものだと思っている。『自分自身の納得』は一生しないと思うから、もうそれは求めない」(『それでも前を向くために~』)  ソチで彼はいったいどのような結果を残すのか? そして、ソチ後、彼はいったい何を選択するのだろうか? 高橋の「3年間」は、この2月に区切りを迎える。 (文=萩原雄太[かもめマシーン])

同業者、マネジャー、一般人……過去のデータから分析「声優と結婚できる職業」とは?

rips.jpg
『LISP1st写真集~LIS☆Photograph~』(主婦の友社)
「ご報告」  それは声優ファンにとって、最も気がかりなワードの一つです。ある日、普段から応援している声優のブログを何気なくのぞいてみた時、最新記事のタイトルがこう書かれていた場合、その内容はほぼ「結婚のご報告」だと言っても過言ではありません。そのご報告を知った声優ファンは、大好きな声優の幸福を大いに祝福しながらも、今まで応援してきた声優が誰かのものになってしまったことに一抹の寂しさと切なさを覚えるものです。先日も、『ひだまりスケッチ』や『翠星のガルガンティア』『のんのんびより』など人気のアニメに数多く出演する女性声優・阿澄佳奈が「普通のおやじ」(ブログより抜粋)との結婚を発表。多くの祝福の声と慟哭が、ネット上に噴出したものです。  ところで、声優の結婚相手にはどんな人が多いのでしょうか? もちろん、声優もひとりの人間です。さまざまな職業、経歴のパートナーと出会い、結婚することは間違いないのですが、それでも特殊な仕事柄、ある程度出会いやすい職業の傾向というものもあるのではないでしょうか?  そこで今回は、全声優ファンが気になる、「声優と結婚できる(かもしれない)職業」というものを、過去のデータから探ってみたいと思います。 ●声優  声優と結婚できる(かもしれない)職業として、最も可能性が高いのが同業者です。 「やはり普段からスタジオやイベントで共演することも多く、同じ職業ということで仕事の相談などもしやすいのでしょう」(声優・アニメ系ライター)  というわけで、数多くのカップルが声優業界には存在しています。しかし、その一方で離婚も多いのがこのパターンです。 「芸能人ということで、自己主張が強い人や個性の強い人が多いんでしょうね。性格の不一致での離婚も少なくありません」(同) とのこと。出会いのチャンスは多くとも、幸福に添い遂げるのも難しいパターンかもしれません。もちろん、末永く幸福な家庭を築いている声優カップルもちゃんといますので、そこはお間違いなく! ●マネジャー  ありそうで意外とないのがこのパターン。 「一般芸能界に比べて、マネジャーとタレントの結びつきが弱いのが声優業界の特徴です。そのため、あまりマネジャーと声優がくっつくことはないようです」(同)  ひとりのマネジャーが同時に複数の声優を管理することが多い声優業界だけに、一人一人とそこまで密接な関係を結ぶことは難しいのかもしれません。 ●雑誌編集者・ライター  声優グラビア誌も複数存在する現在。専門誌の編集者やライターになれば、声優とお近づきになれる機会も増えるのでは?                                                            「確かに仲良くなれる可能性もあります。時には打ち上げなどで、同席することもありますからね」(同)  かつて、雑誌編集者が自身がファンの某声優の担当になり、そのままゴールインするという事例もあっただけに、狙い目の職業かもしれません! ●一般の会社員  意外と多いのが「一般の会社員」という肩書のパートナーです。しかし、一般の会社員と声優はどこで出会うのでしょうか? それはアニメ、ゲームなどを制作する現場で出会うのです。 「アニメ制作会社もゲーム制作会社も、等しく一般の会社です。そこで働くスタッフも一般の会社員です。つまり、一般の会社員とは、声優が仕事で携わったメーカー、制作会社のスタッフというわけ」(同)  なるほど~。そういえば百合を売りにしていた某女性声優もあっさりと結婚し、ファンを驚かせていましたが、そのお相手も(ゲームメーカー勤務の)一般会社員だとか。こういう話を聞くと、世の中、捨てたもんじゃないなと希望も湧いてきますね!  ほかにもまだまだ声優と出会える職業はあると思いますが、代表的なところだとこんなものでしょうか。もし、「こんな職業なら声優さんと出会えるよ!」という情報をお持ちの方は、ぜひ教えてください。僕も思い切って、そこに転職してみようかなと思います! (文=龍崎珠樹)

「渡辺謙ネタはいまだにタブー」『ごちそうさん』絶好調の杏が抱える父との確執

motokiik120xs.jpg
「週刊文春」1月23日号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位 「細川担いで安倍潰し“原発ゼロ愉快犯”小泉の野望と勝算」(「週刊文春」1月23日号) 「『通俗陶芸家・脱原発元総理』連合対『絶倫政治学者』」(「週刊新潮」1月23日号) 第2位 「杏はそれでも父・渡辺謙を許さない!」(「週刊文春」1月23日号) 第3位 「バレンティン“妻への暴行・逮捕”私は見た!」(「週刊文春」1月23日号) 第4位 「安倍首相を悩ませる前門の小泉後門の持病」(「週刊ポスト」1月31日号) 第5位 「DNA鑑定したら『4人に1人は夫の子じゃない』って本当!?」(「週刊ポスト」1月31日号) 第6位 「児童買春で捕まった『読売記者』の家庭」(「週刊新潮」1月23日号) 第7位 「50歳童貞教授からの批判『高齢者のSEXは無謀だ』本誌からの3つの反論」1月31日号)  辺野古移設に反対する稲嶺進氏が、名護市長選で圧勝して再選を果たした。特定秘密保護法に対する批判も収まらず、40以上の地方議会が「撤廃や凍結」を求める意見書を可決し、慎重な運用や反対を表明した地方議会は合計で68議会に上る。  これで都知事選で細川護煕氏が当選すれば、4月の消費税アップを前にして早くも安倍政権の基盤が揺らぐことになるのは間違いない。  それについては後ほど触れることにして、まずはポストの軟らかい記事を紹介しよう。  文春が先週号に掲載した現代、ポストの「老人セックス特集」への批判だが、これにポストが反駁している。これが今週の第7位。  この論客は気鋭の思想家・仲正昌樹氏(金沢大学法学類教授)なる人物だが、文中で50歳近くにして童貞だとカミングアウトもしているのだ。  これに対して、ポスト側は素早く反応した。 「賛否両論の本誌『死ぬほどセックス』特集だが、『週刊文春』1月16日号『誰が読むの? 『現代』『ポスト』の老人セックス特集』という記事にはたじろいだ」  と、相当ショックだったことを隠さない。  その気鋭の思想家・仲正氏と全面対決したというが、内容的には仲正氏のご意見拝聴で終始している。仲正氏の言い分はこうである。 「『ポスト』のような社会派の雑誌が毎号、高齢者にセックスを勧めることに何か社会的意義があるのでしょうか。高齢者がセックスすることや性について語ることがタブーになっているなら、それを打ち破る意味がありますが、その種のタブーがあるとは思えない。つまり、すでにしている人は勝手にしているわけで、ことさら取り上げる意味がどこにあるのか。風俗雑誌ではない『ポスト』が高齢者の声を取り上げるなら、別のアプローチがあるはずです。たとえば、老人ストーカーや高齢者のエイズ問題を取り上げ、その中で高齢者特有の恋愛心理や性の技術を取り上げるならまだわかる。しかし、そうした記事はお飾り程度で、実際にはただセックスを煽っているだけに見えます」  そう、ポストや現代は、ただセックス煽っているだけなのだ。だが、それのどこがいけないのか筆者にはわからない。  ポストは、セックスを体験しないと一人前じゃないという考え方もありますが、と50歳童貞の仲正氏に聞いている。 「そういう社会的プレッシャーを乗り切れば、しなくてもいいという人はいると思います。実際、50歳までセックスの経験がない人って、よく聞きますよ。50歳の男性のうち間違いなく数パーセントはいる。若い人の場合、実際の性欲以上に、そういう社会的プレッシャーに動かされ、セックスするのだと思います。特に、女性経験を武勇伝的に語りたがる安保世代や全共闘世代にはその傾向が強かった。ただ、彼らが社会の一線から退き、社会的プレッシャーが弱まっているからこそ、若い人の草食化が進んでいるのだと思います。高齢者のセックス特集には、そういう世代の最後の悪あがきという側面もあるのでは?」  最後に仲正氏は一生童貞を続けるのか、という不躾な問いには、 「相手によります。セックスを排除しているわけではないので。ただ、そうなる確率は低いと思います。(中略)それに、もしそうなっても考えは変わりません。セックスは絶対不可欠ではないって」  仲正氏には失礼だが、こうしたちょっと風変わりな人に、セックスこそ最高の人生の楽しみなどと説いても馬の耳に念仏だろう。  だが、こうした意見に「たじろぐ」なら、後ろめたさがあるのだから、やめたほうがいいかもしれない。「たかがセックス、されどセックス」と割り切らなければ、読者もついてこないと思う。  お次は、新潮の読売新聞記者のスキャンダル記事。1月9日付の読売新聞朝刊・社会面に「本紙記者を逮捕 児童買春の疑い」という記事が載った。  新潮によれば、逮捕されたのは、西部本社経済部のT記者(本文では実名)、44歳である。  同紙の社会部記者によれば、 「昨年夏、都内の繁華街を援助交際目的でふらついていた16歳の女子高生が警視庁の少年センターの職員に補導された。彼女の携帯電話などを調べるうちv、インターネットの掲示板でTと接触していたことが判明。女子高生に3万5000円を渡し、わいせつな行為をしたそうです」  新潮は、読売新聞が書かなかったことがあるという。それは彼の父親についてだ。 「彼の場合、何と言っても父親が大物の元大蔵官僚ですからね。経済記者であれば知らない者はいません。その上、実兄も現役のキャリア官僚と聞いている。ですから、今回の突然の逮捕劇に、社内でTさんを知る人はみんなビックリしています」(読売幹部)  父親(76)は東大法学部卒業後、1961年にトップの成績で大蔵省に入り、事務次官候補と言われた。理財局長、銀行局長などを経て、95年、国税庁長官を最後に退官している。  T記者は三男で、大学卒業後、読売に入したのは95年。新人時代は新潟支局で過ごし、01年に東京本社の経済部へ異動。05年からは中国総局に勤務して再び経済部に戻ってきた。  だが、このT記者、女性関係は派手だったようである。 「新潟支局時代に同僚記者と結婚した。お相手の女性は帰国子女で、英語も堪能だった」と、先の読売幹部が語っている。しかし、T記者は経済担当の北京特派員として赴任。時を同じくして、妻も海外支局の勤務になると、 「T君は中国語ができないので、特派員として仕事を始める前、現地の女性に中国語を習っていた。ところが、その女性とデキてしまい、子どもまで作ってしまった。結局、奥さんとは離婚し、その中国人と一緒になったのです」(同)  だが、最近はその中国人妻との仲も悪くなって、別居していたそうだ。「女子高生とホテルに行ったのも、寂しさを目紛らわすためだったのかもしれません」と、大蔵省OBが語っている。  こうしたマスコミ人間たちの転落の記事を読むと、腹立たしいよりも、もの悲しさを感じてならない。外には天下国家を声高に言い立てたりしているが、内心は小心翼々、女子高生にカネを払って押し倒すことでしか鬱憤を晴らすことができないとは、何をかいわんやである。  お次は、DNA鑑定したら4人中1人は夫の子じゃないという“衝撃”の結果があるというポストの記事。  数々の離婚相談を受けてきた行政書士の露木幸彦氏によればこうだ。 「最近、DNA鑑定を希望する男性が増えています。実際に疑惑を持っている人が鑑定に踏み切るという前提はありますが、ほとんどの場合、鑑定の結果は黒。つまり、夫は子の父親ではありませんでした」  この火付け役の「婦人公論」編集長の三木哲男氏は、高名な産婦人科医から聞いた話だとこう話す。 「読者アンケートでは60.5%の妻が『浮気したことがある』と答えました。このうち『罪悪感がない』と答えた妻は70%を超えました。浮気した夫の80%が罪悪感を感じたとの回答と比べると正反対の結果です。妻側はほとんど後ろめたさを感じていない。妻からすると、夫の浮気は汚らわしいけど、自分のはやむにやまれぬ純愛であり、悲劇のヒロインのような感覚でいるようです」  ちなみに、「浮気をされたことありますか?」の問いに、「ある」と答えた妻が46.3%なのに対し、夫はわずか5.5%。ほとんどの夫は妻の浮気に気づいていないそうだ。  夫としては、余程疑わしければDNA鑑定するが、多くの場合は何も知らずに、別の男の子どもを自分の子として懸命に育てているという現実があるそうだ。知らぬは夫ばかりなり。大沢樹生と喜多嶋舞のDNA鑑定騒動は余波を生んで、まだまだ拡がりそうである。  都知事選よりも気になる安倍首相の健康問題を報じたポストの記事が第4位。  ポストによれば、安倍首相の国会審議に対応する時間を減らしてくれという「国会改革」が自民党から提案されているが、これは自民党国対幹部の説明によると、安倍首相の健康問題についての深刻さを表しているのだという。 「総理の国会出席日数を減らせというのは官邸からの強い要請だ。総理は最近、トイレに行く回数が増えているらしい。外遊同行筋などの情報では、総理に返り咲いた頃は数時間に1回だったが、このところ1時間ごとに行くときもあると聞いている。だから長時間の国会審議で首相席に座り続けることを非常に嫌がっている。その点、1時間の党首討論なら毎月やっても問題ない」  難病指定されている潰瘍性大腸炎という持病を抱える安倍首相にとって「トイレの回数」は健康のバロメーターである。  安倍首相自身が、退陣後に文芸春秋(08年2月号)に寄せた手記でこう書いている。「腸壁が刺激されるたび、三十分に一度くらいの頻度で便意をもよおします。夜もベッドとトイレの往復で、到底熟睡などできません」  小泉氏が講演で原発ゼロを打ち上げた昨年11月に、官邸関係者の一部で「ケネディ駐日大使の表敬訪問すっぽかし」と呼ばれる出来事が起きたという。  ケネディ大使の表敬訪問があるのに出席せず、その間、空白の1時間5分があるというのである。「極秘に都内の病院で診察を受けたようだ」という情報が飛び交ったというが、真偽のほどはわからない。  だが、首相ウォッチャーの大腸専門医は、匿名を条件に安倍首相の健康管理にこう疑問を呈している。 「潰瘍性大腸炎を悪化させる要因は3つある。1つはストレスで、2つ目は家庭環境、3つ目が酒だ。総理大臣という職務は健康な人でも大変な重圧だろうが、難病を患う安倍さんは、よほど節制しないとストレスが健康な人の何倍も心身をむしばむことになる。安倍さんが会合でビールやワインを何杯も飲むと聞くと、心配になります。 そもそもアルコールは潰瘍性大腸炎の画期的な特効薬といわれるが、完治させる薬ではない。また、手記によれば安倍さんの患部は大腸の中でも肛門近くと見られ、薬が届きにくい可能性もある。ストレスが溜まって炎症が起き、時々ステロイドを服用して症状を押さえているのかもしれない」  大きなストレスを抱え、家庭内野党を声高にいう昭恵夫人がおり、それらを忘れるために酒を飲むのは悪循環である。今年は安倍首相にとって本当の試練の年になる。くれぐれも身体にはご注意を。  王貞治のホームラン記録をあっさり塗り替えたヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が、離婚協議中の妻への暴行、監禁の疑いで米フロリダ州マイアミの自宅で1月12日に逮捕されたというニュースには驚いた。  文春ではモノクログラビアで、その事件の時、夫人の取材のために自宅を訪れていて、犯行から逮捕までの一部始終を目撃したジャーナリスト・三山喬氏がレポートしている。 「夫人によれば、夫婦仲は一年ほど前から深刻な危機に陥っていたようである。バレンティンは奔放な女性関係を隠そうともせず、『こんなに楽しくやってるぜ』という愛人との写真の数々をメールで送付。夫人が『娘のことをほったらかしてどうする気?』と詰問すると、『娘なんか、お前のケツの穴に突っ込んでおけ』などと罵倒したり、ピストルの写真とともに『撃ち殺してやる』というメッセージや、不倫相手の局部の写真まで送りつけてきた。その一方で本塁打記録を塗り替える二日前には、夫人に突然、『裸の写真を送れ』と言ってきたことも。 罵詈雑言を繰り出すバレンティンに対し、現地の裁判所は『妻の許可なく自宅に入ってはならない』という命令を下していた」  バレンティンは保釈された翌日の16日に会見を開き、「今の状況は恥ずかしい。自分の失敗。家族やチーム、日本のファンに謝りたい。できれば日本で野球をするチャンスを与えて欲しい」と話したという。 「会見に同席した担当弁護士は詳細の説明は避けたが、『法に触れることはしていない』と主張した。24日に裁判所が米国からの出国を認めるかどうかの判断を下す予定で、認められれば、来日して2月1日に始まるヤクルトの春季キャンプに合流することが可能となる」(17日付朝日新聞より)  だが、そうスンナリいくのだろうか。三山氏はこう書いている 「夫人は『彼の二面性を知ってほしい』と私に語っていたが、確かに家族の前での凶暴さと、警察官の前での従順ぶりにはギャップを感じた。連行されていく際、夫人が『(本塁打の)タイトルがあの男を狂わせたのよ』と語っていたのが印象的だった」  野球ファンの夢を壊した「落ちた偶像」が日本で再び輝くことはないのではないか。たとえ今シーズン日本でプレーできたとしても、相手投手たちは、こんなヤツに打たしてたまるかと本気で向かってくるはずだ。  野球もそうだと思うが、格闘技は相手を本気にしたらダメである。王はホームランを打っても決して相手投手を小馬鹿にしたり挑発することはしなかったから、相手投手も“敵意”を抱かなかった。だから長い間、ホームランを打ち続けることができたのだ。  さて、NHK朝の連続ドラマ『ごちそうさん』が好調なようだ。主役を務める渡辺謙の娘・杏の魅力によるものらしいが、実生活は父と娘の深刻な葛藤が続いていると文春が報じている。これが今週の第2位。  1月7日のNHK大阪放送局で『ごちそうさん』の収録が再開された。だが、この日の撮影現場では杏(27)と東出昌大(25)の熱愛の話題で持ち切りだったそうだ。 「6日発売の『女性セブン』に、2人が正月2日に埼玉県にある東出の実家から出てくる写真が掲載されたのです。2人は東出の運転する車で近所のホームセンターやコンビニで買い物していた。正月を相手の実家で過ごすのだから、“家族公認”の付き合いなのでしょう」(女性誌デスク)  だが、杏の現実の家族のほうは、ドラマのような展開を迎えてはいないという。今もなお、家族のもとを去った父・渡辺謙(54)との確執が続いているというのだ。  87年、渡辺はNHKの大河ドラマ『独眼竜政宗』の主役に異例の大抜擢され、これを契機に一気にスターへと駆け上がる。しかし、その矢先の98年に急性骨髄性白血病を発症して長く厳しい闘病生活に入る。一度は復帰するも94年に再発。芸能ジャーナリストがこう話している。 「当時、渡辺の仕事は激減し、幼子二人を抱えた一家の生活は困窮しました。夫の献身的な看病を続ける一方で、藁にもすがる思いの由美子さんは95年頃に、歌舞伎俳優板東三津五郎の紹介で、巨漢の怪僧で『釈尊会』会長の小野兼弘(故人)に出会う。(中略)由美子さんは渡辺の療養に関する相談に乗ってもらっていたところ、病気は完治したため、次第に帰依していった。夫妻で宗教行事に参加、渡辺は小野からもらった護符を身に付け、法水を飲むなどしていたといいます」  しかし、渡辺の病と怪僧との出会いは、その後の家族に暗い影を落としていった。  01年、渡辺の自宅が税金滞納で差し押さえられていると報じられた。原因は由美子さんが作った巨額の借金だった。 「由美子さんは子供たちの学校の保護者にまでカネを無心し、借金を膨らませていったのです。渡辺は借金の理由を問いただし続けたが、由美子さんは一切語ることはなかった」(先の芸能ジャーナリスト)  翌年3月には夫妻の別居が発覚。そして7月に渡辺は離婚の成立と子供の親権を求めて由美子さんを東京地裁に提訴したのだ。  公判で、由美子さんの借金のほとんどが釈尊会と小野に送金されていた事実が発覚する。  当時、長男の大は文春で「息子から父・渡辺謙へ せめて学費を払って」(04年1月1・8号)と題する手記を書いている。その中で、こう打ち明けている。 「妹は急に高校中退してしまいました。借金を返せない要因に学費がある。それなのにのうのうと学校に行っていたら失礼だ、というのが杏の意見でした。そしてまた妹は、『男はやはり大学へ行って卒業するべきだ』と、僕には『辞めるな』と言いました」  家族が崩壊していく中でも杏は一貫して母親の由美子さんに寄り添い続けたという。  そして、両親の離婚訴訟の最中に、杏は芸名を本名の渡辺杏から杏と改めた。芸能関係者は「渡辺謙の娘だと思われたくないという杏の明確な意思表示だ」と語る。  離婚訴訟の結審からたった9カ月後に渡辺が再婚する。相手は芥川賞作家・辻仁成の元妻で女優の南果歩(49)である。 「杏は相当ショックだったようです。『結局、お母さんと離婚した原因はあの人なのか。お父さんを取られた』というところでしょう。また、渡辺は会見で杏へエールを送ったりしているのですが、杏はいまだに公の場で父親についての発言はしない。杏に会見で父親に関する質問をするのは現在もタブーなんです」(芸能ジャーナリストの二田一比古氏)  私は『ごちそうさん』を見ていないが、杏の意志の強そうなところは顔にも出ている。こうしたつらい経験が、彼女を大女優にするのかもしれない。  今週の第1位はやはり都知事選挙関連記事。この選挙は大都市東京の今後を占うというだけではなく、安倍首相の政権運営や彼の考える「原発推進」「戦争の出来る普通の国」に対して「NO」を突き付けるか否かの大戦になるのである。  したがって細川氏とそれを担ぐ小泉氏が圧勝すると見る向きと、いやそうではないという派に分かれるのは当然である。  今週は、ポストのように圧勝派ではないが、やや細川氏寄りの文春と、そんなことはない派の新潮を取り上げた。  文春によると、細川・小泉連合の原発政策についてのブレーンは元経済産業省の古賀茂明氏だそうだ。  古賀氏は1月9日付のTwitterrでこう書いている。 「『脱原発』が都知事選のテーマになって来ました。でも、脱原発だけでは争点としては不十分。『原発ゼロ』でもまだ不十分。『原発即ゼロ』かどうかが本当の争点です。今既に原発ゼロ状態。即ゼロでなければ、再稼働を認めることになります」  その古賀氏を中心に細川陣営では、こんな公約が検討されていると陣営関係者が明かしている。 「安倍政権が進める国土強靭化による土建国家とは一線を画す、環境重視で反原発の五輪を細川陣営は目論んでいます。例えば、原発による電力を一切使わず、自然エネルギーをふんだんに使った五輪を謳ったらどうなりますか。仮に細川氏が都知事に当選し、世界各国を五輪関連で行脚する際に、原発ゼロの自然エネルギー五輪を説けば、反対する国などないでしょう。そうなれば、安倍政権は原発再稼働、原発海外輸出の路線から、大きな転換を余儀なくされるのではないですか」  文春によれば、すでに選挙スタッフやボランティアのジャンパーなどに使われるテーマカラーも「グリーン」に決定しているという。  何やら早くも細川氏の一人勝ちのようだが、そうではないと真っ向から反対するのは新潮で、対抗馬の舛添要一氏も含めて、どっちも大俗物だと批判している。  当然ながら東京には大きな問題が山積していて、脱原発だけを争点にするのはおかしいという声がある。  新潮で政治評論家の浅川博忠氏がこう指摘する。 「都は少子高齢化対策など喫緊の課題として、『介護施設の整備拡充』『託児所の増設など待機児童問題の改善』の他、『直下型地震への防災対策』『物価の安定や食品の安全など都民生活の防衛』という4本の柱を抱えている。本来ならこうした都民に直結するテーマが争点にならなければならないのに、小泉人気をバックに脱原発のワンイシューを訴える細川さんは的外れと言わざるを得ない」  これはその通りで、細川陣営でも「脱原発」以外の政策は出さないということはなかろう。  新潮の批判は、陶芸家としても名高い細川氏の「芸術家としての力量」まで批判している。  美術評論家の藤田一人氏は、彼は基本的にアマチュアで、陶芸家が持つスタイルを持っていないと語る。だが、値札のほうはトップクラスのようである。  細川氏が庵を結ぶ湯河原にある某博物館の売店では「信楽茶碗75万円」の値札が付いているというし、個展を開くとすぐに完売してしまうそうだ。  最近は襖絵に凝っているようで、このほうも相当な評価を受けていると文春では報じている。正伝永源院(京都市)の襖絵がそれだという。  同院の真神仁宏住職がこう言っている。 「京都の春夏秋冬を描いていただきました。昨年末に完成した『冬』は、建仁寺や清水寺が雲間から顔をのぞかせている雪景色で、それは精緻なものです。『誰かに描かしてるんちゃうか』と冗談半分に思っていたんですが、サイズが足りない部分を私らの前でササっとうまいこと描いていましたわ(笑)。暮れにお会いした時は『次の作品は三年ぐらいかかる』と言ってはりました」  次の作品とは1300年の歴史を誇る奈良・薬師寺の襖絵のことだそうだ。これで素人というのは無理があるのではないだろうか。  だが、当然ながら細川氏といえども叩けば埃のでない身体ではない。  やはり出てくるのは、総理在任中に出てきた世にいう「佐川急便1億円借り入れ問題」である。新潮によればその実態は猪瀬直樹前都知事と全く同じか、むしろ金額は2倍でより悪質だったのだと指摘している。 「発行人の名前も印もない手書きの領収書。この紙切れ1枚で当時、細川氏は事態収拾を図ろうとした。(中略)徳洲会からの5000万円裏金疑惑に揺れた猪瀬前知事が、不自然極まりない借用書で事実を覆い隠そうとした構図とキレイに重なる」(新潮)  そのとき追及の急先鋒となった深谷隆司元通産相がこう語っている。 「我々は闇献金疑惑として追及しましたが、彼は82年に借りたお金で、すでに返済したと主張した。熊本市の細川邸の山門や土塀の修繕費として2300万円、元麻布のマンション購入に7700万円を使ったと説明しました。しかしマンションは借入前の購入で、細川邸の修繕は、1~2年後。この点を衝くと、彼の答弁は二転三転した。そのうち、佐川から貰った領収書の一部の控えが本社に残っていたと言い出した。それで示したのが、問題の領収書でした。ご覧の通り、インチキな代物です。しかも1000万円分しかないという。お粗末ぶりは猪瀬さんと一緒でした」  それで嫌気がさしたか、すぐに総理の座を放り出してしまったのである。在任わずか9カ月。こうしたところは気になるところではある。  細川氏の資産は5~6億円あるといわれるそうだが、すぐに動かせるまとまった現金がないと、彼の知人もいっている。今回の選挙資金はどうするのだろう。  新潮はまた、かつて“細川の女”と噂された博多屈指のクラブの元ママに「殿のせいで1億円も損したわ」といわせている。  新潮の追及は細川氏を応援する小泉氏にも向けられる。  小泉氏の脱原発理論の中でよく使われる「原発は核廃棄物最終処分場建設の目処が立たないトイレなきマンション」という考えは明確に不勉強だと批判している。  東工大の澤田哲生助教曰く、「原発を即ゼロにするにしても、既にある使用済み核燃料を処分しないといけないことに変わりはありません」。そもそも“糞”は既に存在していて、その“トイレ”は着々と整備されつつあるというのである。  この点はぜひ選挙の中で論戦を戦わせてほしいものだ。  さらに小泉氏の「エロエロ」話にまで新潮は“八つ当たり”する。昨年の12月17日、小泉氏は東京赤坂の日本料理店「佐藤」にいたという。ここは自民党のお歴々が愛用するところで、安倍晋三総理や森喜朗元総理らも参集していた。  これは小泉氏も所属していた清和会(町村派)出身の叙勲受賞者を祝う会だった。そこにいた清和会幹部がこう明かす。 「小泉さんはいつもの調子で下ネタを繰り出した。“俺の男は炉心溶融している”“信なくば立たずと言うが、漢字が違う。芯なくば勃たずだ。だから、脱原発なんだよ”と。要は自分の男性機能はもはや喪失しているというわけですが、それを原発に擬えるなんて、小泉さんにとって脱原発はその程度のことなんじゃないですか」  いわれている細川圧勝に対しても異を唱える。舛添要一元厚労相を支える政府自民党は強気だというのだ。官邸関係者がこう打ち明ける。 「1月の第2週、ある報道機関が都民数百人を対象に世論調査を行い、それが菅(義偉)官房長官の手に渡っているからです。彼は官邸のスタッフに向かって、“細川恐るるに足らず”だとほくそ笑んでいました」  この世論調査には、こんな数字が記されていたという。舛添38パーセント、細川16パーセント。  さらに、先の浅川氏は「東京には約70万の創価学会票があると言われていて、自民党とともに舛添氏に回る学会分の票差は埋め難い。舛添280万票対細川210万票が妥当。(中略)昨年の参院選における両党の都内得票率等を加味すると、340万票対150万票の大差で舛添氏が勝つ可能性もある」  だがポストは自民党幹部らが大手紙ベテラン政治部記者とともに情勢分析をした数字があると報じている。それによれば、投票率55%という前提で、舛添氏は自公の基礎票の目一杯で約230万票、細川氏は250万票前後になるという結果が出たという。  しかも投票率55%というのは少なく見積もった数字であり、それより高くなれば無党派層の票が入り込み、細川氏にさらに有利になるというのである。  私は今回の都知事選だけは「脱原発か否か」の“国民投票”でいいと思っている。3・11以降、国政選挙で原発問題はまともに論議されてこなかった。  それをいいことに安倍首相は原発再稼働を宣言し、加害者の東電が原発太りしそうな現状に、みな怒りをもっているのだ。  そんなことを許してはなるまい。福島第一原発事故から3年を迎えるとき、初めて国民の審判が下るのだ。もちろん原発はいらないが圧倒的多数であること間違いない。 (文=元木昌彦)

『明日、ママがいない』に見る、子役たちの生きる道

asumama.jpg
『明日、ママがいない』(日本テレビ)
「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。 「あのババア、過保護すぎて頭おかしいんだよ。知ってる? 娘の名前。“月の姫”って書いて『かぐや』って言うらしいよ。DQNだよ、DQN!」  そう言って、グループホーム「コガモの家」で暮らす子どもたちは笑った。  『明日、ママがいない』(日本テレビ系)は、さまざまな事情で親と離れて暮らすことになった「ワケありの子が連れてこられる」グループホーム「コガモの家」を舞台にした物語だ。ここでは、それぞれをあだ名で呼び合う。このドラマでは「名前」あるいは「呼び名」が重要な意味を持つモチーフとして使われている。  ピアノが得意な「ピア美」(桜田ひより)、貧乏だからこの施設に預けられた「ボンビ」(渡邉このみ)、そして赤ちゃんポストに預けられていた「ポスト」(芦田愛菜)。彼女たちがあだ名で呼び合うのには、ちゃんと理由がある。親からほぼ唯一もらったものである名前を自らの意思で捨て、自分で選んだ名前を名乗っているのだ。  主人公のひとりである真希(鈴木梨央)は、母親が恋人を鈍器で殴り、傷害事件を起こしたことがきっかけで入所。入所後、ポストたちに「ドンキ」とあだ名を付けられたが、それを受け入れられないのはもちろん、裕福な里親に引き取られ、幸せになりたいと願う彼女たちの言動にも反発していた。  このドラマの最大の魅力は、なんといっても当代の天才子役、芦田愛菜と鈴木梨央の共演だろう。鈴木はNHK大河ドラマ『八重の桜』で八重の幼少期を演じ注目を浴び、『Woman』(日本テレビ系)でメインキャストとして活躍した。そんな彼女が芸能活動を始めたのは『Mother』(同)で芦田の演技を見て「愛菜ちゃんみたいになりたい」と思ったのがきっかけだ。その芦田については、もはや説明不要だろう。彼女の子役としての完成度は、子どもらしからぬ完璧な演技や振る舞いからネット上などでは「芦田先輩」「芦田プロ」などと呼ばれ、有吉弘行からも「子どもの皮をかぶった子ども」とあだ名を付けられているほどだ。ポストは、芦田が演技がうますぎるゆえ、とても子どもには見えないという子役特有の矛盾を逆手に取ったような、大人びたキャラクターだ。 「よし、泣け!」  グループホームの施設長で「魔王」と呼ばれる佐々木(三上博史)は、朝食を前に子どもたちにそう言い放つ。 「どうした、芸のひとつもできないのか? そんなことじゃ、もらい手はつかんぞ。ここにいるお前たちは、ペットショップの犬と同じだ。ペットの幸せは飼い主で決まる。飼い主はペットをどうやって決める? “かわいげ”で決める。時に心を癒やすようにかわいらしく笑い、時に庇護欲をそそるように泣く。初対面の大人を睨みつけるようなペットなんて、誰ももらってはくれない。犬だって『お手』ぐらいの芸はできる。分かったら泣け。泣いたやつから食っていい」  もちろん、現実にそんな暴言を吐く施設長がいれば、それは虐待だ。だが、フィクションである以上、デフォルメし象徴的に描くのは珍しいことではないし、それが効果的であれば非現実的なものこそが現実をえぐることだってある。  うまく泣くことができない子どもたちを前に、魔王はポストに「見本を見せてやれ」と命じると、芦田演じるポストは「いくら?」と問いながらも、すぐにかわいらしく涙を流すのだ。魔王の言葉は里親と子どもとの関係性にとどまらず、子役と視聴者との関係にも通じるものだ。  第1話では里親を子どもたちが候補から選び、数日間の「お試し」を経て養子縁組を決めるというドラマ独自のシステムが、裕福な里親候補と「お試し」をするポストと、小さなラーメン屋を営む夫婦が里親になるダイフク(田中奏生)との対比を通して描かれている。  ラーメン屋の手伝いを強いられるダイフクは、やがて施設に逃げ帰る。しかし、その理由は、手伝いが嫌だったからではない。「お母さん」「お父さん」と呼ぶのが、まだどうしてもできなかったからだ。他人を「お母さん」と呼ぶのは「お母さんを裏切ること」であり、そんなことできないと安易にダイフクに共感する真希。その姿に舌打ちして魔王は言う。 「忘れるな、先に裏切られたのはお前らだ」  実際に、真希は母に裏切られることになる。施設にやってきた母は娘を前に、殴った恋人との復縁を宣言する。戸惑いながらも「みんなで楽しく暮らそう」と言う娘に、母は「それはダメ」と断言するのだ。 「真希は、ここで暮らすほうが幸せになれる」と。 「今日って生ごみの日だっけ? 1月18日、今日アンタがママに捨てられた日だ」 と言うポストに、真希は「違う」と反論する。そこでポストは、こう返すのだ。 「そう、違う。今日、アンタが親を捨てた日にするんだ」  自分たちは捨てられたのではない。自分たちが捨てたのだ。そう考えなければ前を向くことができない。母は女であることを選んだ。それを理解した時、ついに真希は自ら名前を捨てる。 「ドンキだよ、私の名前は今日からドンキ」  普通は親も名前も選べない。だけど、自分たちは(里)親も名前だって選ぶことができる。自らの帰る場所、すなわち生きる道を自分で選ぶことができるのだ。いや、自分で選ぶしかない。そんな子どもたちは痛々しくもたくましい。しかし一方で、ポストは泣きながら本音を吐露するのだ。 「本当のママが自分を愛してくれる――。それ以上の幸せって、なんなんだよ!」  これは、捨てられた子どもたちに限られた物語ではない。いかに厳しい現実を受け入れ、立ち向かっていくか。そして自分の生きる道をどのように選択していくかを問う物語だ。彼女たちの叫びや振る舞いに、子役たちの悲哀をも同時に感じてしまうのはうがった見方だろうか? (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

「首を傾け、イェイ♪」フィギュア・高橋大輔はやっぱりオネエだったのか(1月上旬の人気記事)

ranking117.jpg  1月上旬に話題を集めた記事を紹介する、この連載。泥沼化する大沢樹生・喜多嶋舞の“実子騒動”がマスコミの格好のネタとなっている中、日刊サイゾーでは、楽しんご&フィギュア・高橋大輔という、新旧オネエの話題がトップを独占。それでは早速、ランキングをチェックしていきましょう! 第1位 「お笑いは干され、サロンも閉店……」3カ月ぶりTiwtter投稿の楽しんご、収入激減で大ピンチ!? いざとなったら、2丁目で……? 第2位 集合写真がヤバすぎる! 高橋大輔にまつわる“アノ疑惑”が確信に変わった!? メダル取ったらカミングアウトしてね♪ 第3位 批判殺到のフジテレビ“悪趣味”巨大看板ついに撤去! 局は「予定通り」と回答 全社をあげて迷走中。 第4位 岡田准一主演『永遠の0』30億円突破! ますます広がる“グループ内格差”でV6解散へカウントダウン!? 健ちゃんが心配だよ。 第5位 「もう体を削るだけ!?」ビッグダディ元妻・美奈子“恩人”ベストセラー編集者にも見捨てられ、万事休すか しょせん、素人。 次点 『あまちゃん』カップルが現実に!? 「実はジャニヲタ」能年玲奈と、イケメン俳優・福士蒼汰に熱愛報道 「熱愛」より、「ジャニヲタ」にびっくり。 次々点 「1ケタ台連発、菅Pも退社で……」波紋呼ぶ、ダウンタウン浜田雅功“リタイア宣言”の本気度 菜摘が許さないよ!

コドクな青春が生み出した『ヌイグルマーZ』は大槻ケンヂ、中川翔子、井口昇の特撮愛の結晶!!

nuiguruma01.jpg
『エヴァンゲリヲン』の鶴巻和哉&コヤマシゲトがコスチュームデザインしたヌイグルマー(武田梨奈)。腰のくびれがキュートです。
 ぬいぐるみを解剖すると中には綿しか詰まっていないわけだが、その綿は単なる白綿ではないことに気づいたのが大槻ケンヂだ。ぬいぐるみは多くの子どもたちにとって初めての友達。ぬいぐるみの綿には子どもたちが感じるコドク感や恐怖心、前世の記憶、未来への憧れと冒険心、そういった諸々の想いがヴァージンオイルのように染み付いている。ぬいぐるみは子どもにとってサイコーの仲間であると同時に、やがて子どもが成長していくと忘れ去られてしまう哀しい定めを持ち合わせている。まさに、悪を倒して人知れず去っていく正義のヒーローそのものではないか。大槻ケンヂが2006年に発表したSF小説『縫製人間ヌイグルマー』が、中川翔子主演&井口昇監督作『ヌイグルマーZ』として映画化された。  大槻ケンヂ、中川翔子、井口昇の3人に共通しているのは、学校の休み時間を水飲み場でひとりぼっちで過ごしていたという過去。今でこそ特異な才能を発揮しまくっている3人だが、思春期の頃の彼らは特異な才能を表現する手段を知らず、コドクさに悶々としていた。3人のそんな想いをピンク色の糸でしっかりと縫い合わせてみせたのが、若きアクション女優・武田梨奈だ。井口監督とはホラーコメディ『デッド寿司』(13)でタッグを組み、中川翔子と同じくジャッキー・チェンの大ファン、また空手の黒帯であることから“史上最弱の空手家”大槻ケンヂとは格闘技つながりがある。武田梨奈がピンク色のコスチュームをまとった快人ヌイグルマーに変身することで、3人のコドクな思春期の思い出はひとつに重なり、莫大なエネルギーが生じる。死にたくなるほど退屈だったかつての日常風景は、豊饒すぎるワンダーランドへと変わっていく。本来は裏方であるスーツアクターの武田梨奈がキラキラと輝く。そう、ヌイグルマーが活躍する世界はコドクな人たちこそがイマジネーションたっぷりなリッチマンとなり、イジメや不登校といった暗い過去を持つ人が過去の重石から解き放たれて空さえ飛ぶことができる痛快なパラレルワールドなのだ。
nuiguruma02.jpg
宅配カレーで働くロリータ娘のダメ子(中川翔子)は、綿状生命体が宿るテディベアのブースケと合体することでヌイグルマーに変身する。
 原作のエッセンスをしっかり吸収した上で、中川翔子、武田梨奈ら女優陣の魅力が活きるように井口監督らしいオリジナル性が加えられた『ヌイグルマーZ』。天涯孤独で何をやっても失敗ばかりのダメ子(中川翔子)が唯一の肉親である姪の響子(市道真央)を守るために悪の組織と戦う物語となっている。両親のいない響子を見守っているのはダメ子だけではない。亡き母(平岩紙)から誕生日プレゼントとして渡されたテディベアのブースケ(声:阿部サダヲ)には宇宙から飛来してきた綿状生命体が宿っており、響子のことを“姫”として守ることを生き甲斐としていた。響子にゾンビの群れが迫る絶体絶命の瞬間、ダメ子とブースケは合体してショッキングピンクの快人ヌイグルマーへと変身するのだった。  ヌイグルマーと悪の組織が戦う舞台は“日本のインド”と呼ばれる杉並区高円寺。それゆえにインドで修業したターバン巻きの特撮ヒーロー『愛の戦士レインボーマン』の香りがどことなく漂う。ダメ子たちに襲い掛かる悪の組織は『レインボーマン』に登場した“死ね死ね団”によく似ている。悪の組織の幹部たちが実に魅力的なのだ。テレビ番組で一度だけインチキしたことからバッシングされた超能力少年キルビリー(武田梨奈2役)、井口監督の代表作『片腕マシンガール』(08)の姉貴分といえる片腕ロリータ(高木古都)、赤ちゃんなのにエッチ大好きな赤ちゃん人間(ジジ・ぶぅ)と味のあるキャラぞろい。死ね死ね団の女性幹部たちといい勝負できそうだ。
nuiguruma03.jpg
悪の首領・タケシ(猫ひろし)と女性幹部たち。世界中を平等な不幸にしてしまうことが彼らの目的だ。まずは高円寺から。
 そして悪の首領には、ロンドン五輪出場の夢を叶えることができなかった猫ひろし。彼の五輪出場の是非はともかく、マラソントレーニングで流した汗の量はホンモノだったはずだ。猫ひろしの破れ去った夢のむなしさの分だけ、ヒール役としてのまがまがしさが際立つ。悪の首領・タケシの願いはただひとつ。世界中の人たちを平等に不幸にすること。みんな不幸になれば、もう社会格差で悩むこともなく、他人の幸せを妬むこともなくなる。某健康食品のセールスのように、彼らは善意から人々を不幸にしようする。それが彼らにとっての正義であり、親切心なのだ。歪んだ善意を押しつけようとするタケシとすべての哀しみに寄り添おうとするヌイグルマーは、必然的に引き寄せ合うことになる。  この世界には言葉にならなかった想いや叶えられなかった夢の残骸といった、世間からはガラクタ扱いされてしまったモノで溢れ返っている。そんな不要品の感情や記憶を、ヌイグルマーはecoエネルギーへと変換する。無尽蔵のエネルギーを秘めたヌイグルマーは無敵の存在だ。コドクに打ち震える人たちに温かい勇気を与え、かつてコドクだった人たちの暗い過去を否定することなく、優しくふんわりと受け止めてみせる。今までにないフェミニンなニューヒーローの誕生である。ヌイグルマーはいつでも、どこにでも現われる。この世にコドクな人がいる限り。黒いボタンの瞳で、あなたのことをじっと見守っている。 (文=長野辰次) nuiguruma04.jpg 『ヌイグルマーZ』 原作/大槻ケンヂ 脚本/井口昇、継田淳 ヌイグルマーデザイン/鶴巻和哉、コヤマシゲト 主題歌「ヌイグルマーZ」特撮×中川翔子 出演/中川翔子、武田梨奈、市道真央、猫ひろし、高木古都、北原帆夏、ジジ・ぶぅ、斎藤工、平岩紙 声の出演/阿部サダヲ、山寺宏一 配給/キングレコード、ティ・ジョイ 1月25日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー  (c)2013ヌイグルマーZ/フィルム・パートナーズ  <http://ngz-movie.com>