SMマニアとSF愛好家との深くて親密なる関係性、壇蜜主演の特撮コメディ『地球防衛未亡人』

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SMの女王からSF界のニューヒロインへ華麗なる転身を遂げた壇蜜。地球の命運は地球防衛軍のエースパイロット・ダン隊員に託された。
 知性と痴性はよく似ている。まるで双子のようにそっくりだ。進学祝いに辞書を買い与えられた中学生は、接吻、手淫、淫売、肉欲といった熟語を夢中になって調べ始める。痴性を磨くことで知性がぐんぐん高まっていく。そんな知性と痴性との狭間にポンッと花開いた名花が今をときめく壇蜜である。壇蜜主演最新作『地球防衛未亡人』は知性と痴性が、狂気と狂喜が、SMとSFがせめぎあう快感ファンタジーワールドとなっている。  『私の奴隷になりなさい』(12)『甘い鞭』(13)とSM映画に主演することで現代のセクシーアイコンとなった壇蜜をSF映画のヒロインに起用したのは河崎実監督。筒井康隆原作『日本以外全部沈没』(06)やベネチア映画祭に公式出品された『ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発』(08)など特撮パロディを撮り続けているバカ映画界の巨匠だ。河崎監督の商業デビュー作『地球防衛少女イコちゃん』(87)はロリ系美少女とSF要素を融合させたもので、萌えカルチャーの先駆的作品として知られる。カリスマフードル・可愛手翔を主演にした学園コメディ『飛び出せ!全裸学園』(95)は記録的セールスとなり、そのオープンマインドな発想はSODの全裸シリーズへと受け継がれた。AKB48人気に便乗したガールズムービー『地球防衛ガールズP9』(11)は“ギミック映画の帝王”ウィリアム・キャッスルへのオマージュ作だった。その時代を象徴するアイドルを起用して、おかしな世界を作り上げ、壊してみせるのが河崎監督の流儀である。そして現代は熟女の時代。河崎ワールドに壇蜜が大人の女の色香を注入している。
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世の殿方を魅了する壇蜜の喪服姿。芸能デビュー前、葬儀関係の専門学校に通っていただけに、喪服の着こなしも決まっている。
 『地球防衛未亡人』は、ラクウェル・ウェルチ主演『女ガンマン 復讐のメロディ』(71)、ユマ・サーマン主演『キル・ビル』(03、04)と同じく、復讐に燃える女の物語だ。今回の壇蜜はボンテージファッションではなく、『ウルトラマン』の科学特捜隊を思わせるオレンジ色の隊員スーツをキリッと着こなす。地球防衛軍に中途採用されたダン隊員(壇蜜)にはかつて最愛の婚約者がいた。向島で芸者をしていたダンだが、婚約者とは結婚式までは清い関係でいようと約束を交わしていた。そんな矢先、宇宙怪獣ベムラスが東京に現われ、婚約者はあっけなく踏み潰されてしまう。私の初夜を返して! 処女のまま未亡人となったダンは復讐を誓い、地球防衛軍に入隊。血の滲むような努力の末にエースパイロットとなっていた。そしてヤツが再び現われた。ベムラスは日中間の領土問題で揺れる東シナ海の孤島に出現、さらに日本列島に上陸し、核廃棄物が山積みされた原発へと迫る。ついにダン隊員が搭乗する最新戦闘機に出撃命令が下る。未亡人と怪獣との戦いの火ぶたが切って落とされた。  的確なミサイル攻撃で怪獣を追い詰めるダン隊員だったが、そんなとき彼女の体に異変が起きる。怪獣を攻撃する度にダンの全身をかつてない快感が貫く。コクピット内でハァハァしてしまうダン。思わぬ醜態を晒してしまい、戦闘機はあえなく撃墜。一命は取り留めたダンだったが、こっそり受けた精神科医(モト冬樹)の分析結果にさらなるショックを受ける。「あなたは立派な変態です」。婚約者の仇を討つために地球防衛軍に入ったのに、そんな自分がただの変態だったなんて。精神科医の投げ掛けた言葉がダンの脳内にエコーする。「あなたは変態です」「あなたは変態です」「あなたは変態です」。  ダン隊員が精神分析を受けるこのシーンは、三島由紀夫の小説『音楽』が元ネタだと河崎監督は語る。増村保造監督によって映画化もされている『音楽』は、「音楽が聴こえない(音楽=エクスタシーの暗喩)」と訴えてきた美女を精神科医がカウンセリングを重ねることで「音楽が聴こえる」ようになるまでを描いた官能系ミステリー小説だ。社会風刺、未亡人、喪服、深層心理、三島文学……。壇蜜というセクシーアイコンを手に入れた河崎監督の痴性溢れる遊び心がまんべんなく施されている。
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精神科医(モト冬樹)のカウンセリングを受けていたダン隊員の様子がおかしなことに……。三島文学へのオマージュシーンです。
 振り返ってみれば、特撮の世界はフェチズムでいっぱいだ。『ウルトラマン』ではフジ隊員が巨人化(ジャイアンテス)し、子どもたちを妙な気分にさせた。『ウルトラセブン』の人気ヒロイン・アンヌ隊員はサイズの小さい隊員スーツを着せられ、いつもムチムチ感を漂わせていた。そんなアンヌ隊員の個室に忍び込んだペガッサ星人はアブない宇宙人だった。『仮面ライダー』に登場するショッカーの怪人・蜂女のおっぱいを見て、うずまきフェチに目覚めた男子も少なくない。『仮面ライダーストロンガー』のミニスカ姿で戦う電波人間タックルの弱々しさには背徳感が満ちていた。SMの世界とSFワールドは人間の深層心理の部分で深く太く繋がっていることが分かる。  精神分析の結果に落ち込み、呑んだくれていたダン隊員だったが、ある言葉に勇気づけられる。「変態だっていいじゃないか。だって人間だもの」。そう、生きている人間は誰もが何かしらの変態なのだ。ただ自分の変態性に気づいていないか、気づいていないふりをしているだけ。世間の常識とは多数派の変態たちの見解にすぎないことを『地球防衛未亡人』はやんわりと教えてくれる。変態であることを含めて自分のアイデンティティーを受け入れたダン隊員にとって、もはや怪獣は恐るべき存在ではなくなっていた。怪獣と、壇蜜と、そして三島由紀夫、みんなちがってみんないい。 (文=長野辰次) cbmiboujin04.jpg 『地球防衛未亡人』 プロデューサー・脚本・監督/河崎実 ユニフォームデザイン/藤原カムイ、怪獣デザイン/麻宮騎亜 特撮/特撮研究所 出演/壇蜜、大野未来、福田佑亮(超特急/ユースケ)、福本ヒデ(ザ・ニュースペーパー)、ノッチ(デンジャラス)、沖田駿一、モト冬樹、堀内正美、森次晃嗣 配給/トラヴィス 2月8日(土)より角川シネマ新宿ほか全国順次公開  (c)2014「地球防衛未亡人」製作委員会  <http://cbm-movie.com>

おバカタレントから「驚くほど美しい妻」へ 里田まいに学ぶ、正しい自己プロデュース術

ranking130201.jpg  『明日ママ』騒動が依然として世間をにぎわす中、今期は女性タレントの話題も人気を集めました。里田まいが米メディアに「驚くほど美しい妻」と持ち上げられれば、板野友美はEXILEファンに「整形女のクセに」とコケにされ、喜多嶋舞のヤリマン伝説がまたひとつ暴露されるなど、悲喜こもごも。それでは早速ランキングをチェックしていきましょう! 第1位 三浦春馬主演『僕のいた時間』大好評なのに“視聴率1ケタ転落”のワケ タイミングが悪かった、に尽きる。 第2位 CM自粛で日テレ悲鳴……芦田愛菜主演『明日、ママがいない』は「松嶋菜々子のドタキャン」の産物だった!? 大本の原因はデーベルマンか! 第3位 ニューヨーク・ポストで「驚くほど美しい妻」報道も……里田まい“B級タレント”からの成り上がり人生 いまや独身女性の憧れ。 第4位 元AKB48・板野友美との同棲報道で、EXILE・TAKAHIROに大打撃!? 「彼に迷惑かけないで!」とファン激怒 整形してても、家庭的なんだって! 第5位 テレビ東京『路線バスの旅』が『めちゃイケ』超えで、追い詰められるフジテレビの苦悩 ついに、来ました。 次点 “父親候補”に名前が出なくてひと安心? 若き日の喜多嶋舞に袖にされた2人の大物俳優 ぜひ、messyに出てほしい。 次々点 成海璃子だけじゃない! 小雪、松たか子、加護亜依……女性芸能人に喫煙者が多いワケとは? タバコくらい、いいじゃない。

「お笑い界のルールをぶっ壊せ!」嫌われ西野に贈る『ゴッドタン』流のエール

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『ゴッドタン』テレビ東京
<嫌われ界のパンドラの箱。いろいろ問題あるけれど、理由はともかくマジ嫌い。そこのけそこのけアイツが通る。絡めばお前も嫌われる。呪いの嫌われパンデミック> と紹介されたのは、キングコング西野亮廣だ。今月1日深夜に放送された『ゴッドタン』(テレビ東京系)の名物企画「マジギライ1/5」、記念すべき15回目に満を持して登場したのだ。「マジギライ1/5」は、自分を嫌っているという5人の女性の中から本当に嫌っている一人を見抜けるのか? という企画である。  しかし、この日は何やら様相が違った。「僕自身もなんで嫌われてるか、分かってないんですよ」と西野がMC陣にこぼすと、すかさず劇団ひとりが「調子乗ってっからだよ!」と断罪。劇団ひとり、おぎやはぎはおろか、アナウンサーの松丸友紀までもが、西野が嫌いだと公言するのだ。 「MCのほうが僕を嫌いって、話が違ってくる……」 とつぶやく西野を尻目に、モデルや女優、アイドル、キャバ嬢といった5人の女性たちが登場する。普段であれば5人のうち、本当に嫌っているのは一人だけだから、何人かは「嫌いな理由」を問われると、「顔が嫌い」だとか「生理的に嫌」とか、薄い理由になりがちだ。しかし、さすが『アメトーーク!』(テレビ朝日系)でも「好感度低い芸人」でダントツの強さを見せた「嫌われ界の大物」だ。彼女たち5人から浴びせられる悪口の数々は、どれも芯を食ったものだった。 「自分は『嫌われ界のサラブレッド』じゃないけど、嫌われ界で売れてるって思ってるけど、お前言うほど嫌われ界背負ってねぇからな。嫌われ界で存在感ないから」 「カメラ回ってない時、超普通じゃん。たぶん、『オン・オフはっきりしてる俺、カッコいい』って思ってる」 「応援してるファン無視して、ネットの悪口ばっか意識してんじゃねえよ。ネットとかに書かなくても、応援してくれてる人間はいるんだよ!」 「テクニックがあったとしても、感情がないと思うんだよね」  そんな身をエグられるような悪口にも、西野は怯まない。いや、一見、動揺し傷つき叩きのめされているようにも見える。だが、一方でまったく揺るがない自信もうかがわせる。その危ういアンバランスさが、西野が嫌われる理由であり、魅力でもあるだろう。  続いて「逆に好きな部分」を女性たちから聞き出し、「キングコングで漫才やってる時は西野のこと大好き」「やっぱりMCはうまい」「男の人としてほっとけない。まっすぐだけど不器用」などと褒められた時のリアクションが、そんな西野のアンバランスさを強調し、過剰な自信とは裏腹な、自己承認欲求の満たされなさを浮き彫りにしていく。テクニックだけではない、感情をあぶり出していくのだ。  そしてこの日も決定的な役割を果たしたのが、「マジギライ」のレギュラーである、キャバ嬢のあいなだ。そもそも「マジで嫌い」な人を見抜くという企画に、レギュラーがいるというのはおかしな話だが、その矛盾を抱えてもなお起用したくなるほど、彼女の言語感覚とお笑い脳は抜群だ(第1回に出演した際、あまりの面白さに、この企画のレギュラーに抜擢された)。ある意味で、あいなは『ゴッドタン』を象徴する人物と言っても過言ではない。 「今テレビに出てる芸人さんって、頭いいと思うんですよ。だから、空気読みすぎちゃってるなって。だけど西野は、芸人だからこういうことやらなきゃとか、こういうことを芸人でやったら寒い、みたいなのを“壊したい人”なんだと思う。そういう考え方を」  「ライターばりの分析力」と、思わず西野が唸るような的確な批評を、あいなはいつものように繰り広げる。 「だから絵描いたり、芸人さんがやらないところをやってみたりとか。でも、そういう時って(周囲と)ちょっと揉めたりもすると思うんですよ。だけど、それはルールに立ち向かおうとした結果だから別にいいと思うの、私はね。今、タモリさんとか鶴瓶さんとかにもかわいがられてるらしいじゃん。あの二人って、お笑い界のルールを破ってきた人たち。ぶち壊してきた人たち。本人は言わないと思うんだけど、たぶん西野に、同じにおいを感じてるんだと思うよ。だから、かわいがってるんだと思う。タモリさんや鶴瓶さんに認められてるなら(辞めずに)維持すべき。自信持って。そうやってれば、絶対いつかパーンってくると思うから」  それは『ゴッドタン』から西野へ贈るエールであるのはもちろんだが、同時に、ずっと今のテレビのお笑い界のルールの限界に挑戦し続けてきた『ゴッドタン』という番組へのエールのようにも聞こえてくる。  同番組の作家を務めるオークラは言う。 「今まで舞台などでは、いかに成立させるかを考えてネタを作ってきたんですが、『ゴッドタン』では成立してないものをやろうという気持ちがあるんです。ちょっと破壊的なことをやろうって。セオリーとしてやらなきゃいけないをやらないことで、新しいものが生まれる瞬間があるんです」(『お笑いパーフェクトBOOK』/キネマ旬報社)  『ゴッドタン』はいつだってフルスイングだ。だから空振りだってある。悪ふざけが過剰すぎて、面白くなくなってしまう時すらある。そんなことを続けていたら、いつの間にか『ゴッドタン』としか呼びようのない世界観ができ上がっていた。あいなのような番組内スターが次々と生まれるのは、その証明だ。番組の平均視聴率はわずか1%台。それでも、その1%の人たちが絶対に離れず、熱烈に応援し続けている。『ゴッドタン』は周囲の雑音など気にせず、そんなファンに向けて作られている番組なのだ。  頭が悪くてもいい。空気を読まなくてもいい。閉塞感をぶち壊すためには、自信を持ってフルスイングを維持し続けることしかないのだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

「ナムコ黄金期の『ゼビウス』で始めたかった」原案・脚本の佐藤大が語る、『ノーコン・キッド』制作秘話

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 普段はアナログ系ホビーを取り上げているこの連載だが、やはり80年代のホビーを語る上で無視できないのがデジタル系ホビーの代表「コンピュータゲーム」だ。ファミコンやアーケードゲームが続々と登場し、子どもたちのハートをわしづかみにしていた80年代は、現在以上にコンピュータゲームに対して夢と希望が満ちていた時代だった。日進月歩で進化するグラフィックと、次々飛び出す工夫を凝らしたシステム。そして耳に残るサウンドに、僕らは胸を躍らせまくっていた!  今回は「バック・トゥ・ザ80’s」番外編として、そんなコンピュータゲームの進化とともに青春を送った少年・少女たちの青春を描き、大きな話題を呼んだテレビドラマ『ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~』(テレビ東京系)の原案・シリーズ構成・脚本を手掛けた佐藤大氏に、ドラマの制作裏話と80年代のゲームに対する思い出を語ってもらった。 ■ゲームに対する世の中の認識を変えたかった! ──まずは、企画の発端を教えてください。 佐藤 もともと10年以上前からゲームセンターを舞台にした青春物語をやりたいと思っていたんですけど、実際に動き出したのは3年ほど前です。最初は映画でやるという話でスタートしたんですが、テレビ東京のプロデューサー・五箇公貴さんに、ぜひテレビシリーズでやらないか、というお話をいただいたんです。 ──そもそもなぜ、ゲームを題材にしたドラマを作りたいと思うようになったんですか? 佐藤 僕の原体験が、まさにゲームセンターで遊んでいた友達との付き合いや思い出なんです。ゲームって、「ゲーム脳」とか「コミュニケーション不足になる」とか言われて、定期的に悪者になるじゃないですか。でも、僕はゲームを通じて友達を作ったという実感があるんです。だから、そういう世間の意識をなんとか変えたかったんです。  そのほかに、僕は昔『ポケットモンスター』を作ったゲームフリークという会社に所属していたんですが、社員の半分くらいが当時のハイスコアラー(ゲームで高得点を獲得する達人のこと)だったんです。そこでスターゲーマーたちのエピソードを聞くことが多くて、それが本当に面白かったんです。そのエピソードをドラマ化したかった、というのもあります。 ──ゲームプレイヤーたちのドラマという構成は新鮮でした。 佐藤 今までもゲームを題材にしたドラマというのはいくつかありましたが、クリエイターの話とかゲームが脇役に回っている話が大半だったので、今回はゲームの実機を使ってプレイヤーの話を描きたかったんです。そこが、今回の企画の根幹でしたね。 ──本作は実際に当時の筐体(アーケードゲームのセット一式のこと)や、ゲーム画面が登場するところも話題になりましたが、出てくるタイトルのチョイスが絶妙でした。登場ゲームのコーディネートは、どう行われたのでしょうか? 佐藤 ドラマの大枠ができたところで、まず私と『ゲームセンターCX』(フジテレビONE/TWO/NEXT)も担当されている酒井健作さんとほかのプロデューサーたちで、出したいタイトルをリストアップしました。でも、「あれを出したい」「これを出したい」って全然収拾がつかなかったので、ジャンルで分けることにしたんです。RPG、アクション、シューティング、格ゲー、恋愛とジャンルに分けたら、わりとストーリー展開とすり合わせられるようになりました。もし入れたいゲームの許可が取れなかった時も、ジャンルが同じならドラマを先行させてほかのタイトルに差し替えることもできるので。 ──多数のゲームが登場するということで、各メーカーへの許可取りも大変だったのではないでしょうか? 佐藤 そうなんです。今回のドラマで一番大変でした。本作は原作がないオリジナル物なので、「ゲームがどういう扱われ方をするかわからないので、まずは脚本を見せてください」と皆さんおっしゃるんですが、こちらも許可が下りないと脚本を書けない。自分としては、絶対に第1話に『ゼビウス』を出したかった。『ゼビウス』を根幹にして『ドラクエ』『バーチャファイター』を使いたかったので、これらのタイトルが使えなかったらヤバいと思っていたんですが、まずバンダイナムコさんにOKしていただき、第1~3話をナムコゲームで作ることができました。80年代序盤から中盤は、本当にナムコ黄金期でしたからね。この3本の脚本を持って他社さんに許可をいただきに行く、という形で今回の企画が実現しました。  だから、ストーリーをまとめることと、制作進行上の都合という2つの意味でジャンル分けを行いつつ、あの時代をどう象徴するジャンルなのかというところを考えながらタイトルをチョイスしました。あの時代のナムコは、神がかっていましたからね。
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■コイン投入は「変身」で、ゲームシーンは「バトル」! ──やはり、80年代前半のナムコへの思い入れは強いですか? 佐藤 強いですね。本当は、『パックマン』は物語開始時点よりちょっと前の時代のゲームだったのですが、絶対に出したかったですし、『ポールポジション』もいわゆるリアビューのレースゲームとしては最初にヒットしたという点でポイントでした。ただ筐体があまり残ってなかったので、ミカドさん(高田馬場にあるレトロゲームに強いゲームセンター)に動いてもらえてよかったです。  また、ナムコに限らず、各メーカーに当時のポスターとかポップって、もう残ってないんです。そこで、SNSなどを通じてコレクターを探して、お借りしたんです。でも、すごく大事な物なので、そのまま使えない。ということで、それを撮影してプリントし直し、ポスターとして使いました。 ──すごい手間ですね! そのこだわりから、あのゲームセンターのリアリティが生まれていたんですね。 佐藤 筐体も各メーカーに残ってないので、それも全部探して回りました。これはもう、ゲームコーディネートで参加していただいた安部理一郎さんとか、ナツゲーミュージアムさん(秋葉原にあるレトロゲーム系ゲームセンター)やミカドさんたちがいてくれたおかげですね。やはり、エミュレーターは使いたくなかったんです。それは見る人が見たら、絶対にわかっちゃいますから。結果的に見る人が見ないとわからない感じになっちゃいましたけど、テレビ東京の深夜ドラマだからこそできた、という感じがあります。そこはプロデューサーも含め、皆さんがわかってくれていたということですよね。  それと、シリーズ監督の鈴村展弘さんの力が非常に大きかったですね。彼はもとも「平成ライダー」シリーズとか『アキバレンジャー』とか撮られている方で、ゲームのバトルシーンをすごく丁寧に演出していただきました。普通の監督ならゲームのシーンを省いちゃうところを、コイン投入のシーンは「ヒーローの変身シーン」。ゲーム対決のシーンは「変身後のバトルシーン」という意識で、1~3話のゲームシーンをしっかり撮ってくれました。そんな鈴村監督にいいスタートアップを作っていただき、その後、いろんな監督にぶち壊してもらうという、すごくいいバランスで制作してもらえました。 ■自分自身と向き合うきっかけになった『ノーコン・キッド』 ──80年から90年代初頭といえば、ゲームとサウンド系のカルチャーをクロスオーバーさせる試みが、細野晴臣やいとうせいこう、スチャダラパーらによって何度も行われていた時代です。その中で佐藤さんも、クラブにモニターとゲームを持ち込み、クラブカルチャーとゲームカルチャーの融合を試みる「東京ゲーマーズナイトグルーヴ」というイベントを開催していました。劇中でも、そのイベントを下敷きにした「東京G2ナイトグルーヴ」というクラブイベントが出てきましたね。自身の活動がゲームの歴史として描かれた時は、どう思われましたか? 佐藤 気恥ずかしかったですよ(笑)。本当は避けたかったんですけど、企画を練る時間は10年くらいあったんですが、企画が通ってからは1カ月半で全部仕上げなきゃいけなかった。とにかく時間がなかったので、もう自分の引き出しを開けるしかありませんでした。加えて、最近ノスタルジックにゲームが扱われる際に、ゲームとクラブ文化やファッション文化を結びつける文脈が省かれがちなんですが、原案・シリーズ構成を自分がやる上で、このあたりを題材にしたら「自分らしさ」って出せるんじゃないかなと。  それと今回、砂原良徳さんが音楽を担当していて、彼にも一回ドラマに出演してもらいたかったんですよ。その時に、クラブDJっていうポジションが一番自然かなと思ったんですよね。そういう複合的なところから、クラブのエピソードが生まれました。観客のエキストラも、友達に電話しまくって、当時の衣装で来てもらったんです。当時の衣装を大切に持ってくれているのは、彼らしかいないので。 ──まさに、人脈とキャリアを総動員して作られた作品ですね。 佐藤 本当に低予算だったので、手弁当でやる部分が大きかったです。だから使えるものは自分の過去も使う、という感じでした。確かに恥ずかしい部分もあるのかもしれないけど、こういうものがドラマとしてフィルムに残ることなんてなかなかないので、これはこれでいいのかなと思います。 ──堀井雄二さんや遠藤雅伸さんをはじめ、ゲーム業界の伝説的クリエイターも数多く出演されていて驚きました。 佐藤 僕らにとって神みたいな存在の方たちなので、出演してくださった時は本当にうれしかったです。 ──ゲーム業界人すら巻き込んで制作された『ノーコン・キッド』は、佐藤さんにとってどんな作品ですか? 佐藤 どうなんでしょう(笑)。結果論として、過去の自分と向き合わないといけなくなり、一回しか使えないアイデアで作ったドラマになりました。アニメーションをやりながらゲームの脚本もやってきたこれまでの自分のキャリアが、各メーカーさんたちが協力してくれた理由の一部になりましたし。当時は何者でもなかった友達を総動員した作品にもなっているので、そういう意味でも特別な作品です。 ──佐藤さんの、ゲームと共に歩んできた人生が結晶になったという感もありますね。 佐藤 結果論ですが(笑)。最初から俺の結晶を見てほしい、という気はまったくありませんでしたが、そうなっちゃったなと(苦笑)。ちょうど今年で45歳なんですけど、砂原さんとは「40を過ぎてからでないと、こういうのは作れないよね」みたいな話をしてたし、主題歌を歌ってくれたTOKYO No.1 SOUL SETも、自分たちの昔に向き合うような曲を作ってくれました。だから当時、音楽的にもお世話になった方たちと仕事ができたということで、今回はゲームだけでなくクラブシーンで遊んでいた頃の自分とも向き合えましたし、たくさん映像作品を見てきた監督さんから、これからすごくなるだろうという若い世代の方とも一緒にやれて、新旧入り乱れた現場になりました。これもある意味、僕らしいのかなと。 ■ラストのゲーセンは、すでに実現している! ──さて、そんな『ノーコン・キッド』ですが、かなり希望に満ちたラストシーンで物語は終わりました。現在、ゲームセンター業界はかなり厳しい状況という話はあちらこちらでいわれていますが、本作のラストは佐藤さんの「ゲームセンターは今後こうあってほしい」という希望ですか? 佐藤 そうですね。ゲーセンに対するノスタルジーだけで、「あの頃はよかったね」で終わったらすごく悲しいので、僕らなりの理想を表現してみました。古いものも新しいものも、それこそアーケード版『ぷよぷよ!!クエスト』みたいなスマホ的なものも全部詰め込んで、それらがつながっていくようになったらいいなと思っています。いろんなゲームが一つの場所に集まって、お互いの顔を見ながら遊べる場所があってもいいんじゃないかなと。今回取材に行ったミカドさんは、けっこう理想形に近かったですね。店長さんもキャラが立っているし。  それこそ『ゼビウス』とか『ポールポジション』みたいな古いゲームが現役である一方、新しいゲームがあって、イベントをしょっちゅう開催して、ニコニコ動画で中継して、でもその場に行かないとできないこともある。だから、今回のドラマでは、ミカドさんをけっこう参考にさせていただきました。放送終了後、「最後に出てきたゲーセンなんて、ありえないよ」とよく言われたんですが、「いやいや、実際に取材してここはアリだなと思ったから、ああいう形にしたんだけど」って言いたいですね。ナツゲーミュージアムさんもあるし、地方にもそういうゲーセンはまだ残っている。今はSNSとかいろんな情報網があるので、皆さんもそれを使って実際にゲームセンターに行って、ワンコイン入れてみてほしいです。 ──最後になりますが、ドラマは97年頃以降のゲーム史が省略されています。今後、この時代のゲームを扱うような続編はありえるのでしょうか? 佐藤 本当にやりたいですし、ネタ的にもいろいろあったんです。この直後に音ゲーブームが始まって、恋愛シミュレーションの人気が爆発して、現在のオタク文化につながる。それと重なる時期に弾幕系ゲームが登場して、シューティングゲームが再びブレークする。さらにFPSという、ものすごい文化が海外からやってくるんですよね。格闘ゲームももっと盛り上がって、ウメハラ(梅原大吾)さんみたいなプロゲーマーも出現する。ネタは山ほどあるし、できれば映画版も作りたいのですが、これはもうDVDとBlu-rayの売り上げいかんによりますね。いろんな意味で、売れてくれたらいいですね(笑)。 (取材・文=有田シュン/文中敬称略) ●『ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~』公式サイト  <http://www.tv-tokyo.co.jp/noconkid/> ----------------------------------------------------------- ●「バック・トゥ・ザ・80's」トークライブVOl.1 開催! 「バック・トゥ・ザ80's」で取り上げたホビーを、開発者、関係者を招いて語り尽くすトークライブ開催決定。第1回は、連載12回でも取り上げた伝説のボードゲームシリーズ「パーティジョイ」をプレイバック。ここでしか聞けない、ナマの裏話が飛び出す!? ◇日時:2014年2月8日(土)18:30オープン/19:00スタート ◇会場:GAME CAFE&BAR Ninety ◇入場料:2000円(1ドリンク付き) ※1ドリンク以降のオーダーはキャッシュオンにて販売を行います。 ◇チケット予約:キャパには限りがございますため、予約いただいたほうが確実です(※キャンセル料などは発生致しません)。 ◇イベント公式サイト <http://claricedisc.com/ev/20140208/partyjoy01.html>

「金メダルを獲るまでは、絶対に辞められない」スキージャンプ・葛西紀明を奮い立たせた、長野の雪辱

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葛西紀明オフィシャルブログより
アスリートの自伝・評伝から読み解く、本物の男の生き方――。  1998年に開催された長野オリンピック。スキージャンプ団体で、日本代表は2位のドイツを30ポイント以上引き離す驚異的な記録で金メダルをものにした。その活躍は、72年の札幌五輪の「日の丸飛行隊」を彷彿とさせ、日本中を熱狂の渦に巻き込んでいった。この快進撃の中心地となったのは長野県・白馬ジャンプ競技場。しかし、このジャンプ台の横で、歯を食いしばりながら彼らのジャンプを見ている男がいた。  彼の名は葛西紀明。今年41歳を数える、日本のトップスキージャンパーだ。  長野の4年前、94年に開催されたリレハンメル五輪で、銀メダルを獲得していた葛西。その実績も実力も、団体代表選手として出場するには申し分ないものだった。しかし、オリンピックシーズンに足首を捻挫し、その後、無理を押して試合に出場し続けたことが災いした。結局、本調子が戻らぬまま長野五輪を迎えた葛西は、ノーマルヒルこそ出場メンバーに入れたものの、小野学ヘッドコーチ(当時)はラージヒル個人、ラージヒル団体で彼を選手として選ばなかった。そして、その読みは見事的中し、日本チームはラージヒル個人で船木和喜の金メダルと原田雅彦の銅メダル、ラージヒル団体での金メダルを獲得したのだ。  当時を振り返るとき、葛西は平常心ではいられない。 「長野五輪で金メダルを取れなかったというのが、僕の人生の中で一番悔しい思い出なんです。五輪が近くなるとあの映像が流れるから、その度に腹が立ってくるんです。みんなが金メダルを持っているのに、W杯の成績では負けていない自分が持っていないのは許せなくて……それでモチベーションがすごく上がるんです。『金メダルを獲るまでは、絶対に辞められないぞ!』と思うんです」(『日本ジャンプ陣 栄光への挑戦!』世界文化社)  あの苦い経験から16年がたち、ソルトレイクシティー、トリノ、バンクーバーという3回の冬季五輪が開催された。しかし、欧米系の選手に比較して体格の小さい日本人選手には不利になるルール改正などが影響し、金メダルはおろか、メダル争いにすらも絡むことはできなかった。そして、いつの間にか葛西は40歳の大台を越えていた。  普通の選手ならば、当然引退を考えるだろう。しかし、葛西は違った。その肉体を極限まで酷使し、若い選手も舌を巻くような体力を維持し続けた。その筋力は、40歳を越えた今でも、ウエイトトレーニングで軽々と100kgを持ち上げているほどだ。 「自分の体をいじめるのが好きなんですね。だから毎日走ってるし、家の中にもウエイトルームを作っているんです。(中略)そういうところでは僕が一番、陰のトレーニングをしていますね」(同)  その結果、今年1月、オーストリア・バートミッテルンドルフで行われたスキージャンプW杯では、史上最年長優勝の記録を更新した。W杯での通算16勝は、日本人選手として船木の15勝を上回り、歴代トップ。世界ランキングでも4位をマークしている。  ソチ五輪を前に、“レジェンド”の称号で知られるようになった葛西。今回は、日本選手団の主将として、そして最年長選手として、若い選手たちを取りまとめる責任を背負っている。彼が念願の金メダルを奪取すれば、ほかの選手もまた奮起せずにはいられない。葛西の活躍に、日本選手団全体のモチベーションがかかっているのだ。  もはや、「人間離れ」という言葉が適切すぎるほど適切な41歳。長年の酷使によって膝の関節はボロボロになった。鍛えているとはいえ、全盛期ほどの体力を維持できているわけではない。だが、そんな状況でも彼は決して後ろを振り向かない。 「40歳を越えてしまうと、『いつ辞めようが同じかな』という感じですね。(中略)ここまで来たらやれるところまでやってみたいというか、気持ちが先に萎えるか、自分の膝が壊れるのか……。そこまで付き合ってみたいなと思っているんです」(同)  悲願の金メダルを手にするまで、葛西の伝説は終わらない。 (文=萩原雄太[かもめマシーン])

NHK新会長 前代未聞の大放言で危惧される、“言論機関”NHKの行く末――

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「週刊新潮」2月6日号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位 「舌禍は時間の問題!『籾井勝人』NHK新会長の履歴書」(「週刊新潮」2月6日号) 第2位 「くすぶる非正規の恨み」(「AERA」2月10日号) 第3位 「ビビりまくりの安倍に小泉が仕掛ける『2月8日』の最終爆弾!」(「週刊現代」2月15日号) 第4位 「専門家が警告 糖質制限ダイエットで『寝たきり』が続出」(「週刊現代」2月15日号) 第5位 「デヴィ夫人に殴られた女性は後藤田代議士の“不倫相手”だった」(「週刊文春」2月6日号)  このところ何度か書いているが、フライデーに元気がない。今週号も「滝川クリステルと小澤征悦 老舗そば屋で『大人の恋』」というのは多少引きはあるが、右の大特集が「アベノミクス最後の砦『株価と景気』崩れ始めた」では買う気にならない。  読者は、一般週刊誌と同じものをフライデーで読みたいと思うだろうか? 写真週刊誌は「写真」で勝負しなくてはならないはずである。「アベノミクスに翳り」でも「特定秘密保護法反対」でもいいが、できる限り驚きのある一枚写真で見せてほしいものである。  写真で勝負する雑誌が、時代に遅れをとっていることも心配だ。このところ、法廷内の写真や動画までがYouTubeに上がっているという。  私が編集長の頃、開かれた法廷にすべきだという大義名分で、オウム事件の麻原彰晃被告(当時)の法廷内写真を撮ろうと何度か試みたことがある。結局、たいした写真は撮れなかったが、当時、携帯電話の機能がもっとよくなっていたら、法廷内からの生中継なども携帯を通してやれたはずである。  すでにそうしたことを“素人”さんたちにやられてしまっているのに、フライデーが何もしないのでは、写真誌の存在理由を問われかねない。一層の奮起を望みたい。  まずは、デヴィ夫人の一見バカバカしい騒動が暴き出した、テレビ現場の「ヤラセ」を報じた文春の記事。  デヴィ夫人には、二度ばかり会ったことがある。週刊現代編集長時代だからだいぶ前になるが、彼女が定宿にしていたホテルの部屋だったと記憶している。  会った印象は、“気の強い女性だな”という、ごく当たり前のものだった。無理もない。インドネシアの利権をもらおうと画策した政商たちのために、スカルノ大統領に“貢ぎ物”として差し出され、第三夫人にまでのし上がった「戦後の裏面史」を生きてきた人なのだから、生半可な女性ではない。  スカルノ亡き後、インドネシアを離れ日本に舞い戻ってきた彼女の心中は、いかばかりであろう? だが、そうした怒りや哀しみを押し隠し、テレビのバラエティで“悪役”を演じ、怒りをぶちまけているのは、自分を“売った”祖国への恨みを晴らしているのではないか?  彼女の出ているテレビを見ながら、そんなことを考えることがある。  その彼女が、またワイドショーをにぎわしている。番組出演中に出ていた素人の女性に、平手打ちを喰らわせたというのだ。文春を見てみよう。  事件の舞台となったのは、バラエティ特番『奥様はモンスター2』(TBS系/1月15日午後7時放送)だった。 「収録は一月九日、世田谷のレモンスタジオで行われました。司会はお笑い芸人ブラックマヨネーズの二人、ひな壇にはデヴィ夫人、西川史子、奈美悦子、吉本芸人トリオのパンサーらが並びました」(番組関係者)  この番組にモンスター妻役として出演したのは、現役クラブホステスのA子さん(33)だった。 「彼女の設定は女王様。主夫の旦那はナンバーワンホステスの妻にかいがいしくマッサージをして癒やし、妻がお茶と言えば深夜でもコンビニに走る。しかし、いくら尽くせど妻が浮気する……という再現VTRが流れた後で夫が現れました。いかにも尻に敷かれそうな気弱な男性です」(同)  ふてぶてしく座るA子さんは、ディレクターの指示通りに、デヴィ夫人に絡み始めた。「私もホステスやってますが、デヴィ夫人も、赤坂の『コパカバーナ』にお勤めでしたね。どうやってインドネシア大統領夫人という玉の輿に乗れたんですかぁ?」  小バカにした言い方で挑発するA子さん。すると、デヴィ夫人の顔はみるみるこわばったという。 「その瞬間、デヴィ夫人は席を立ちツカツカとA子さんに歩み寄り、黙って右手を上げ、A子さんの顔めがけて振り下ろしたのである。右、左、右と三発、さらに四発目の拳を振り上げた時、飛び出してきたスタッフたちに羽交い締めにされた」(文春)  デヴィ夫人はそのまま帰ってしまったが、その後、A子さんは成城署に被害届を出し、大騒ぎになったのだ。  デヴィ夫人が暴力を振るったのは大人げないが、このA子さんも相当したたかな女性であることが判明する。  フライデー(11年6月17日号)に、自民党のイケメン政治家・後藤田正純代議士(44)の不倫が報じられたが、その相手がAさんだったのだ。  御曹司政治家を手玉にとったというのである。  担当刑事が示談を勧めたが、交渉は難航した。デヴィ夫人の知人はこう憤る。 「A子は示談金をふっかけ、なんと1億要求してきた。結局、両者は示談金200万円で和解した」  しかし、ことはそれだけでは収まらないと文春は追及している。  そもそもこの番組は、ヤラセだった可能性が極めて高いというのだ。 「確かに二人は一時期恋人同士で、同居していました。しかし、番組が二人に出演依頼した当時、すでに別れていました」(A子さんの周辺人物)  番組は「完全実話」と銘打って放送されているから、これが事実ならば「ヤラセ」である。  さらに、こんな証言もあるという。 「実はA子さんに支払われた示談金200万円の一部は、TBS側が負担しているのです。収録現場は制作会社に任せきりで、局側の担当者が不在だった。それが露見したら、もっと大きな問題になる。他局の芸能ニュースではこのネタで持ち切りなのに、TBSでは完全無視なのはそのためです」(TBS関係者)  実話だと思って見ている視聴者をバカにした話ではないかと怒ってみても、テレビでは日常的に行われているのだから、腹を立てるだけバカバカしい。デヴィ夫人の暴力沙汰が起きなければ、こうした内情が知られることはなかったのだから、バカバカしい騒動も怪我の功名か。  お次は、最近ブームといわれる「糖質ダイエット」への疑問を呈した現代の記事。ポストでも同じようなものをやっているが、やや“肯定的”なので、現代のほうを取り上げた。  このダイエットのやり方はシンプルで、ご飯やパン、イモ、果物などの炭水化物に含まれる糖質の摂取量を一日130グラム以下に抑えるというものだ。  炭水化物を極力減らせば、おかずはなんでも好きなだけ食べていい。もともとは、糖尿病や重度の肥満患者に対する食事療法として考案されたものだそうだ。私の友人の中にもやっているのがいるが、安全なのだろうか?  糖質制限ダイエットは危険だと、糖尿病の世界的権威、関西電力病院院長の清野裕医師がこう解説する。 「人間には一日170gの糖が必要とされています。そのうちの120~130gは脳で消費され、30gは全身に酸素などを運ぶ赤血球のエネルギー源として消費されます。糖質は、生命を維持するために欠かせない栄養素なのです。糖質を制限してしまうと、代わりにタンパク質を構成しているアミノ酸を、肝臓が糖に作り変えるというシステムが働き始めます。タンパク質を糖に変えられるなら、肉を食べれば問題ないのではないかと思う方もいるでしょう。しかし、人体の維持に必要なエネルギーをタンパク質や脂質でまかなおうと思ったら、毎日大量の肉を食べなければなりません。数kgもの肉を毎日食べ続けることは現実的に不可能です。糖エネルギーが不足すると、それを補うために、体は自分の筋肉を分解してアミノ酸に変えていきます。結果、筋肉量がどんどん減っていってしまうのです」  このダイエットをやっていた70歳の男性が、ある日、尻もちをついて尾てい骨の骨を折ってしまった。調べたら、骨密度がたった1年半で10%も落ちていたことがわかったという。  現代によれば、寝たきりの原因ナンバー1の脳卒中も、糖質制限ダイエットと深い関わりがあるということが、最新の医療調査で明らかになったという。某医師が、こう話している。 「一般的に、糖質制限をするとカロリーを補うために脂質やタンパク質を大量に摂るようになります。すると、血管に悪玉コレステロールが溜まっていく。その結果、血管が痛んだり老化が進んだりして、脳梗塞や心筋梗塞を起こす可能性がどんどん高まっていくんです」  過度の制限をするのではなく、こうしたらいいと、食物学学術博士の佐藤秀美氏が言う。「高齢でも、体型がどうしても気になる、という人はたくさんいると思います。そういった人は、甘い菓子などの炭水化物の間食をやめるだけで、大きな効果が得られるはずです。(中略)高齢者は糖質制限をすれば、内臓組織の原料となるタンパク質が不足し、体はどんどん老化します」  ポストは、北里大学北里研究所病院糖尿病センターの研究チームが日本人の糖尿病患者24人を対象に食事療法の比較研究を行い、「日本人にも糖質制限食は有効だ」とした論文が今年1月、医学誌に掲載されたと報じている。  しかしポストも、タンパク質過剰摂取による腎臓悪化や成人病リスクが高まるという批判があると警告している。  国立国際医療研究センター病院の糖尿病研究連携部は、昨年1月に糖尿病でない人の糖質制限食に関する海外の複数の論文を分析し、対象者約27万人の死亡率は糖質制限していない人の1.31倍という分析結果を発表したと書いている。  糖質制限ダイエットは効果が大きい分、極端な制限は体の負担も重い“両刃の剣”という指摘もあるというのである。  それでも、あなたは「炭水化物」をやめますか?  第3位は、今週日曜日(2月9日)に投開票の都知事選挙の話題。多くの新聞の調査では舛添要一氏が細川護煕氏を引き離して有利な戦いをしていると出ているが、現代は、細川側はまだギブアップはしていない、大勢逆転の「秘策」があると報じている。  では、勝負の行方を決定付ける驚くべきシナリオとは何か? 細川陣営の選対幹部がこう明かしている。 「小泉さんと細川さんの脱原発活動はこの都知事選で終わらず、これから予定されている知事選や地方選でも脱原発候補を擁立し、全国を応援演説で回るつもりです。だったら、都知事選の選挙期間中に新党の発足を発表してしまえばいい。舛添氏不支持を表明した小泉進次郎さんが新党の党首に就任。投票日直前に細川氏の隣で演説をすれば、インパクトは絶大です」  さらに、こう続ける。 「そのまま進次郎さんが都の副知事に、脱原発を具体的に進める『エネルギー戦略会議』の議長には小泉純一郎さんが就任。東京五輪・パラリンピックに向けた2期目の選挙で細川さんが都知事の椅子を進次郎さんに禅譲すれば、全世界に向けて若きリーダーの姿を発信できる。これが今、われわれが思い描いている最高のシナリオです」  進次郎氏は、東京五輪開催時でもまだ39歳。そこから中央政界に戻ったとしても、「小泉新党」を後ろ盾に総理の目は十分にある。その頃には、自然エネルギーを根幹とした「原発ゼロ社会」が実現しているに違いない、と現代は書いている。  さらに政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、宇都宮健児氏が納得すれば、脱原発で候補者を一本化するウルトラCもありえるという。舛添氏と細川氏の一騎打ちの構図になれば都民の関心も盛り上がり、細川氏の逆転勝利の可能性は高まるというのである。  私はまんざらありえないことではないと、読んでいて思った。脱原発新党を旗揚げし「ストップ・the・安倍」を掲げれば、もはや都知事選ではなく国政選挙並みのインパクトを与えるはずだ。  もはや細川はお飾りで、小泉対安倍の戦争になっているのだから、進次郎を巻き込んで一大決戦をしてもらいたいものだ。そうすればアベノミクスで呆けている東京都民も目を覚ますと思うが、果たしてそうなるのだろうか? 期待薄だが、小泉ならやるかもしれないという期待感があることは間違いない。  マルハニチロの冷凍食品に農薬「マラチオン」を混入させた容疑で阿部利樹容疑者(49)が逮捕されたが、その容貌や奇矯な日常が関心を集めている。  文春によると、阿部容疑者は妻と長男の3人で群馬県大泉町で暮らしているが、自宅周辺ではちょっとした有名人だったらしい。  改造したビッグスクーターに乗り、大音量の仮面ライダーの歌をかけて走り回っていたという。  そのほかの趣味は、アニメのコスプレとカブトムシの養殖だった。高校卒業後は自動車部品を扱う会社や新聞配達などを転々とし、8年前からアクリフーズ群馬工場で冷凍食品の製造に関わることになったという。  同社の従業員の話では「愛想がよくて、たまにほかの製造ラインに現れては、冷凍する前の揚げたてのコロッケを、よく“つまみ食い”していました」というから、根暗なタイプではなかったようだ。  文春のモノクログラビアに、逮捕時の写真が出ている。醜悪な中年オヤジそのもので、いかにも悪いことをやりそうな悪相だが、動機はなんなのだろう?  AERAは「非正規の恨み」だと報じている。これが今週の第2位。  2年ほど前、アクリフーズ群馬工場の事務棟2階で給与制度の変更に伴う説明会が開かれたという。  白い作業着を着た工場の契約社員約100人が、スーツを着たアクリフーズ本社の人事担当者2人と向き合うような形で座った。  人事担当者は「努力して評価を高めていただければ、時給が上がるため、当面は年収に大きな変化はない」といい、新制度では「頑張った人が報われるんです」と繰り返したそうだ。だが、契約社員にとって、その実態は違うものだった。  この集会に参加していた契約社員はこう言う。 「ウソばっかりですよ。私も時給は上がりましたが、年収ベースでは約20万円下がった。60万円下がった同僚もいます」  会社側の説明によれば、阿部容疑者は勤務態度に問題はなく、時給は契約社員のうち、真ん中だったという。  だが、2012年4月から賃金体系が「年功制」から「能力型」へと変更されたため、阿部容疑者の年収は約200万円に下がったという。  前出の契約社員は、阿部容疑者がロッカールームで「こんな会社もうやめる」「こんなクソ会社どうなってもいい」と、たびたび不平不満を口にしているのを耳にしたという。  さらに元同僚は、阿部容疑者に同情を感じるとまで言っている。 「会社の幹部が記者会見で『従業員からの不満はなかった』と話すのを聞いた時は、怒りが込み上げてきた。表向きは会社が被害者なのだろうが、待遇を考えると、引き起こした原因は会社にもあるのでは、と思わざるを得ない。他の人が事件を起こしていたかもしれない」  首都圏青年ユニオン事務局次長の神部紅さんによれば、ここ数年、アクリフーズのような新評価制度の導入に伴って給与が大幅に下がったという相談が増えているという。 「露骨に下げると反発を招くので、方便として評価制度を装っていますが、企業側は最初から人件費削減の目的で導入しているのです」  したがって「今も現場に不平不満の種は残り続けている。セキュリティー強化が根本的な解決になるのだろうか」と、AERAは疑問を呈している。  こうした視点の記事が、週刊誌にはもっとあってほしい。阿部容疑者が犯した罪は断罪するとしても、その背景にある非正規雇用者の待遇や収入の問題を改善しなくては、こうした事件がこれからも起きることは間違いないのだから。  アベノミクスなどは、一部の大企業と富裕層のものでしかない。非正規雇用の割合は2012年に35.2%と過去最高になったとAERAが書いている。大企業優遇、軍備増強を推し進める安倍首相の暴走を止めるために、週刊誌はもっと批判してもいいはずだ。  NHKの新会長になった籾井勝人氏(70)の就任会見での“放言”が国際問題になっているが、これも安倍首相の人事介入に端を発しているのだ。新潮の特集が一番読み応えがあった。これが今週の第1位。  おさらいしておくと、戦時の従軍慰安婦について問われた新会長は、こう話したのである。 「戦争をしているどの国でもあったでしょ。独仏にありませんでしたか。そんなことはない。じゃあ、なぜオランダに、今ごろまだ飾り窓があるんですか。僕が一番不満なのは、韓国が今やっていること。日本だけが強制連行したみたいなこと言っているからややこしい。『カネ寄越せ、補償しろ』と言っている。全て、日韓条約で解決しているのに、なぜ蒸し返されるのか」(新潮より)  このほかにも、問題発言はまだある。 「尖閣諸島・竹島などの領土問題で、一部経費を国が負担する海外向け放送による政府見解の発信強化に意欲を見せ『政府が右ということを左というわけにはいかない』と述べた」(1月28日付朝日新聞より)  この御仁、三井物産で鉄鋼一筋でやってきて、役員、米国法人の社長、02年には専務に昇格し、一時は次期社長かといわれたことがあったという。  だが、籾井氏が通っていた銀座のオーナーママによると、物産の社長になれないとわかったとき、会社のデスクをひっくり返して暴れたという。  そのバーでも酔って暴れて出入り禁止になったというから、粗暴の人のようである。  子会社の社長になっても実績を残せず、終わったと思われていたのが、今回の抜擢人事で有頂天になり、 「俺が会長として、放送をひいてはメディアを変えてやる」(NHK幹部) と意気込んでいたようだが、ハナからつまずいてしまった。  メディアの長たる者が、権力者に阿(おもね)って韓国批判をしたついでにヨーロッパの国名を挙げて中傷するなどは、前代未聞である。メディアのイロハもわからず、権力のポチになり下がった人間にNHKを委ねていいはずはない。  三井物産は過去にも元会長の池田芳蔵氏がNHK会長になったが、わずか9カ月で辞任に追い込まれたことがある。今回はいつまで持つのだろう?  今ひとつ、気になることがある。NHKの会長人事は12人の経営委員会で決定される。昨年12月に安倍首相は、そこへ自分と親しい4人の経営委員を送り込み、籾井氏が選ばれたのだが、そのひとりである作家の百田尚樹氏が、この件についてこうツイートしたといわれる。 <毎日新聞では、籾井氏の発言に対し、「経営委員側からは『外交問題に発展しかねない。選んだ側の責任も問われる』と失望の声がもれた」とあるが、少なくとも経営委員である私は何も言っていないぞ。誰が失望したんや!名前書けや>  また、百田氏は都知事選に関して、こうもツイートしているそうだ。 <私は関西在住だが、舛添にも細川にも、東京都の知事にはなってほしくないと思っている。もし私が東京都民だったなら、田母神俊雄氏に投票する>  誰を支持するのも勝手だが、こういう考えの人間たちが大メディアであるNHKを支配しているのかと思うと、情けなくなる。  このままではNHKは言論機関ではなくなってしまう。そうした危機感が内部から出てこなければいけないはずであるが、今のところ聞こえてこない。 (文=元木昌彦)

あなたも億万長者になれる方法、教えます! NY金融道『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

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冗談みたいなジョーダン・ベルフォードの実話を映画化した『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。年収49億円のリッチライフがあなたのものに。
 「この映画さえ観れば、あなただって億万長者になれるんです」。ドヤ顔でこちらを見つめるレオナルド・ディカプリオの口から、そんな言葉が聞こえてきそうだ。ディカプリオ主演作『ウルフ・オブ・ウォールストリート』には自己啓発セミナー的な面白さがある。元手がなくても、学歴がなくても大丈夫。ほんのちょっとしたコツを覚えて、ポジティブ思考さえ身に付けさえすれば、たちまち大金が転がり込んできて、美女にモテモテのウハウハ人生を送ることができるようになるんですよ。ウソじゃありませんって。だって、これは実在した伝説の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの成功談なんですから。 1)すべてのピンチはチャンスと思え!  ディカプリオ演じるベルフォートは、いかにして20代で“ウォール街の狼”と呼ばれる男となりえたのか。ベルフォートが最初に勤めた職場、投資銀行の上司ハンナ(マシュー・マコノヒー)が成功への扉を開く鍵を握っていた。ハンナはチョー変人だ。ランチタイムにベルフォートを誘って高級レストランに行くが、食事は注文せずに昼間からテキーラを頼む。平気な顔して、鼻からコカインを吸引する。それも、とてもスマートに。コカインをキメることで頭がシャープになり、仕事の能率がアップするという。さらに1日2回は会社のトイレでオナニーするよう勧める。1日中株価を追い、セールスの電話ばかりしていると頭がバクハツしそうになるから。オナニーすることで血の巡りが良くなり、体がすっきりするというのが彼の持論。オナニーを怠ったばかりに自殺に追い込まれた部下がいたらしい。オナニーをバカにするな。はい、ここ大事です! 上司からブローカーとしての心得を教わり、目をランランと輝かせるベルフォート。ところが入社して半年、1987年10月19日、世に言うブラックマンデーが起きる。株価は暴落し、会社は倒産。上司ハンナともそれっきり。ベルフォートはプー太郎となるも、やる気マンマン! もぐりの株屋に再就職し、快進撃の始まり始まり。
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ディカプリオの相棒役を演じたジョナ・ヒルのアドリブ演技がサイコー! 『グッドフェローズ』のジョー・ペシを思わせる名優ぶりだ。
2)セールスの基本は笑顔と安心感。商品の中身は関係なし!  青木雄二の漫画に出てきそうな、詐欺まがいの株屋で再スタートを切ったベルフォート。ここでは“ペニー株”と呼ばれる安いけれどリターンの見込みのないうさん臭い株を扱っている。すでにウォール街でトーク術を学んだベルフォートは、巧みなセールストークでビンボー人にペニー株を売りつけまくる。ビンボー人は株についての知識がないから、ペニー株の実体を知らずにホイホイ買ってしまう。ゴミをゴミ回収車に手渡す感覚だ。ビンボー人からお金を巻き上げるのはチョー楽勝。とはいえ、いつまでもビンボー人を騙し続けるのはしんどい。そこでベルフォートは気の合うドニー(ジョナ・ヒル)らゴロツキ仲間たち6人で新たに証券会社を設立。警戒心の強いお金持ちを相手にするのはビンボー人相手より難しいが、財布さえ開かせてしまえば後は簡単。だってお金持ちはビンボー人よりも強欲だから。最初だけディズニー株など“ブルーチップ”と呼ばれる優良株を紹介し、安心させてから“ペニー株”を大量に売りつける。ベルフォートはこのとき26歳。会社は瞬く間に成長し、ベルフォートの年収は何と49億円に! 3)金髪美女を侍らせろ。仕事の意欲がぐんぐん湧くぞ!  ブローカーたるもの、常にイケイケドンドンでなくてはならない。ベルフォートにドニー、会社の幹部そろって仲良くドラッグをキメる。重役会議はみんなハイハイハイ! かつての上司ハンナは1日2回オナニーしろと言ったけど、忙しくて手が離せないので、アシスタントの女の子に抜いてもらう。男性社員は誰もがこの子のお世話になった。社員みんなでスキンシップ♪ さらに社員への福利厚生として、ストリッパーやコールガールたちを職場に呼び込む。オフィスはもはや乱交パーティー状態だ。でも、そのぐらいのハイテンションさをキープしていないと、ウォール街でのし上がっていくことはできない。金持ちからお金をむしり取るベルフォートのことをマスコミは「現代のロビンフッド」と評する。ゴージャスな美女ナオミ(マーゴット・ロビー)と再婚し、大豪邸への帰宅は深夜タクシーならぬ深夜ヘリコプター、豪華クルーザーを海に沈めても平気なベルフォート。腰が痛くても、ドラック依存症になっても、決して弱音は吐かない。ギンギンギラギラ、株を売って売って売りまくれ~!
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2番目の妻ナオミを演じたマーゴット・ロビーは豪州出身の23歳。ゴージャスなスーパーボディを惜しみなく披露してくれる。
 本作を撮ったのは、ディカプリオとは5度目のタッグとなるマーティン・スコセッシ監督。前作『ヒューゴの不思議な発明』(11)で好々爺化したかと思いきや、ベルフォートたちを金融界のギャングスターに見立てることで傑作『グッドフェローズ』(90)や『カジノ』(95)ばりのクレイジーさが復活! 男たちは金の亡者となり、女たちはすっぽんぽんで、み~んな欲望丸出しの世界。敬虔なカトリック信者であるスコセッシ監督が描く、現代のソドムの市ですよ。とことん下品だが、ベルフォートら登場人物はみんな自分の欲望に正直に生きているという清々しさがある。ディカプリオが資金を集め、スコセッシ監督が撮りたいように撮れる製作環境をセッティングしたとのこと。ディカプリオ自身も出世作『ギルバート・グレイプ』(93)以来と思われる好演技を見せている。世間の常識や社会的倫理観にさえ縛られなければ、人間にはとんでもない可能性がまだまだ隠されていることを本作は教えてくれるのだ。  結局、ベルフォートは株価の不正操作とマネーロンダリングの罪を問われて、36歳で金融界を去ることになる。裁判で有罪判決を受けるものの、監視のいちばんユルい収容施設で3年間おとなしく過ごすことで釈放された。今回、ディカプリオが役づくりするのにベルフォート本人が協力したそうだ。スピーチが得意だったベルフォードは全社員をフロアに集めて、こう言ったという。 「オレのやり方をクレイジーだと思うか? そう思うヤツは今すぐ、この会社から出ていけ。そしてマクドナルドでアルバイトでもしてろッ」。人に扱き使われる人生とクレイジーな人生、あなたならどっちを選ぶ? (文=長野辰次) wows04.jpg 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』 原作/ジョーダン・ベルフォート 製作/マーティン・スコセッシ、レオナルド・ディカプリオ 監督/マーティン・スコセッシ 出演/レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マシュー・マコノヒー、マーゴット・ロビー、ジャン・デュジャルダン、ロブ・ライナー、ジョン・ファブロー、カイル・チャンドラー 配給/パラマウント ピクチャーズ ジャパン R18+ 1月31日(金)より全国ロードショー  (c)2013 Paramount Pictures.All Rights Reserved <http://www.wolfofwallstreet.jp>

ダサくて古い、けどクセになる『天誅』のこってり味

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『天誅 闇の仕置人』フジテレビ
「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。  金曜の午後8時がこってりしている。  テレビ東京では 北大路欣也、泉谷しげる、志賀廣太郎という濃厚なおじさん俳優たちが主演する『三匹のおっさん』が放送中。そしてフジテレビでは『天誅~闇の仕置人~』というドラマが始まった。  「戦国時代から現代にタイムスリップした女忍者とその用心棒たちが、現代にはびこる悪に敢然と立ち向かい活躍する姿を描くアクションドラマ」という設定もスゴいが、何より目を引くのが、その胃もたれしそうなキャスティングだ。  古武術師範の竜次に京本政樹、元空き巣でどんな鍵でも8秒で開ける弁当屋の辰に柳沢慎吾、七色の声を持つスナックのママ・ミツ子に三ツ矢雄二と、なんとも漫画チックでコントみたい。主演の女忍者・サナには、連続ドラマ初主演の小野ゆり子を抜擢。大森南朋の妻で、前クールの『刑事のまなざし』(TBS系)での好演が記憶に新しい実力派女優だが、主演が一番地味だ。極めつきは、サナを世話することになる正子役に泉ピン子。かなりのこってり具合である。  1月24日に放送された第一話は、冒頭から選挙演説に通りかかったピン子の「何が庶民を助ける党だよ」という悪態から始まる。「アンタ、あたしたち党立ち上げない?」などと友人と軽口を叩いていると、突如、通り魔が住民を襲い始める。「キャー」という悲鳴に反応したピン子は「キムタクでも来てるんじゃないのぉ? ロケで!」と間の抜けた勘違いで現場に駆け寄り、「ええっ?」と過剰に驚くのだ。なんともダサい。古い。そこにフードを目深にかぶった女が、建物の上からムダに回転しながら降りてくる。「殺すなら、私を殺せ……」とつぶやきながら。女は華麗なアクションで通り魔から子どもを助け、去っていくのだ。  その後、道端で空腹で倒れていたその女を家に連れて帰ってきたピン子。「アンタさ、水戸黄門の由美かおるみたいね。忍者みたい。私、村田正子。アンタ、名前は?」と尋ねると、女は「サナダ……サナだ」と答える。すると、「裏切り、欺瞞、嘘。この世に人がいる限り悪ははびこる。なぜなら人の欲望こそが悪の正体だから。彼女の名はサナ。雇い主の命令によってしか生きられぬ悲しい運命(さだめ)を背負った女。だが、彼女がどこから来てなぜここにいるのか、その答えは誰も知らない」という余貴美子によるナレーションが入りオープニングクレジットが流れるという、どこか懐かしい80年代の大映ドラマを彷彿とさせる演出。  サナは言う。 「(今まで)契約をしてきた。飯をもらう代わりに。なんでも言うことに従う。命じられたことはなんでも。人を殺せと言われればそれも。そうやって生きてきた」  物語は、夫の暴力に悩む妻が逃げこんできたDVシェルターでボヤ騒ぎが起きたところから始まる。夫のDVや嫌がらせはエスカレートしていくが、警察は逮捕に消極的で頼りにならない。そうこうしているうちに、ついに夫が妻を襲いにやってくる。彼女の悲鳴を聞きつけたサナは、またしても街をムダに回転しながら救出に走る。そしてピン子は叫ぶのだった。「サナ、契約!」と。「承知!」と返事をしたサナは「どけよ、正義の味方のつもりか?」と声を荒げるDV夫に向かってこう言い返す。「正義など私にはない。握り飯、1つ分の仕事をする。それだけ」。激しいアクションの攻防の末、DV夫に“天誅”を下したサナ。しかし、助けられた妻はなぜかその後、自殺してしまう―――。  痛快な人情モノだと思っていたら、まさかの後味の悪いエンディング。その意外性を含め、すべてが過剰だ。NHK朝ドラ『あまちゃん』では、アキ(能年玲奈)が「ダサいくらいなんだよ、我慢しろよ」と言ったが、その言葉がピン子の声で脳内に再生されてしまう。能年ちゃんに言われる分には構わないが、ピン子に言われるとすると、なかなか受け入れがたいものがあるのだけど……。  ダサくて古くてTOO MUCH。人は新しくてカッコいいものばかりに惹かれるわけではない。この『天誅』のアクの強いこってり味には、どうしようもなく引き寄せられてしまう魔力がある。クセになってしまいそうだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

超豪華エンタメ作からヤマカン最新作まで! 2014年冬クール“極私的”おすすめアニメ

anime127.jpg  1月ももうおしまい! 2014年冬クールアニメも一通り出そろったということで、極私的おすすめアニメを羅列してみたいと思います! 「あれがない」「これがない」というクレームは受け付けません! 極私的だもんね! ■『スペース☆ダンディ』  レトロフューチャーなビジュアルが印象的な本作は、伝説的アニメ『カウボーイビバップ』に参加したスタッフをはじめ、大友克洋、田島昭宇、円城塔、ロマン・トマ、大河原邦夫、宮武一貴など豪華クリエイターが参加。音楽面も菅野よう子、岡村靖幸、やくしまるえつこ、ミト(クラムボン)、川辺ヒロシ(TOKYO No.1 SOUL SET)、☆Taku Takahashi(m-flo)など、そうそうたる面々が集結した超豪華な作品です。  その内容は、絵が動く動く! お話もコミカルで、派手なアクションあり、映画のパロディあり、お色気ありと、なんでもアリな内容。アニメーションの持つ想像力の自由さは無限大だということを再認識させてくれる、エンタテインメント作品となっています。本作を一言で言うなら、「クール」です! ■『バディ・コンプレックス』  来ました来ました来ましたよー! サンライズお得意の、リアルロボットアニメ最新作です。『ガンダム』シリーズをはじめ、多数のロボットアニメを生み出してきた同社の若手スタッフ中心の編成となっており、作品全体にも心なしか勢いが感じられます。  見どころはなんといっても「カップリングシステム」でしょう。渡瀬青葉と隼鷹(じゅんよう)・ディオ・ウェインバーグのイケメン主人公2人が、戦闘中にお互いの乗り込むロボット(劇中ではヴァリアンサーと呼ばれる)を接近させ、「プロポージング!」のセリフを叫ぶと、2人は感覚や操縦技術を共有。さらに機体も変形し、パワーアップしてしまうこのシステム。  ボーイズラブ要素をにおわせる名称が気になりますが、単純にバディものとして見てもなかなか熱い設定です。特に、ピンチのシーンで2人が肩を寄せ合ってからの一発逆転という展開は、ヒーロー物の王道。作画のクオリティも非常に高く、手描きのロボットがグリグリと空中戦を繰り広げる様は痛快です。ロボットアニメ好きなら、チェックして損はありません! ■『いなり、こんこん、恋いろは。』  ふとしたきっかけで変身能力を授かった女子中学生・伏見いなりが、その能力を通じて恋愛や友情を育むというストーリーの本作。本作の魅力を語るなら、とにかく美麗な風景とキャラクターのかわいらしさ。そして、非常に丁寧な人物描写でしょう。二転三転するストーリーの中で、生き生きと動き回るキャラクターたちは、みな素直で優しく、温か。そこで展開するちょっぴり不思議な人間ドラマは、どこか懐かしくもあり、老若男女楽しめる上質なファンタジーです。  この雰囲気は何かに似ているな~と思ったら、80年代にスタジオぴえろが制作していた『魔法少女』シリーズです。あえて言うなら、『魔法のスター マジカルエミ』の空気感に近いのかなあ。  制作を担当するのは、AICから独立したスタッフによって設立された新会社・プロダクションアイムズ。同社初の元請作品となります。 ■『みんなで集まれ!ファルコム学園』  すみません。僕、日本ファルコムのゲームが大好きなんです。『イース』シリーズやら『英雄伝説』シリーズやら、日本ファルコムのゲームキャラたちが集まってドタバタやってるだけで満足なんです。ストーリーとか作画とか、そういうのはどうでもいんです。リリアが、エステルが、ティオが毎週動いてしゃべって、何かワチャワチャやってるだけで感無量なんです。そんな僕らのための作品です。ま、2分枠アニメなんで多くを求めてもね。 ■『となりの関くん』  今期のベスト花澤さんアニメです。毎回、授業中に隣の席で予想外の行動を取る関君に対し、花澤香菜演じる横井るみがすさまじいテンションでツッコミを入れまくる姿は、それだけで笑えます。  また、エンディングテーマ「Set Them Free デスクトップドラムver.」では、カシオペア、熱帯JAZZ楽団で知られるドラマー・神保彰がドラム演奏で参加。関君のコスプレをした神保が、実際に机の前に座り、この曲に合わせて筆箱や茶わんなどを叩いている姿が自身のFacebookで公開され、大きな話題を呼びましたが、とにかく遊び心あふれる本作。一日の最後に、何も考えずゲラゲラと笑えることをお約束します! ■『WakeUp,Girls!』  いろいろな意味で世間に話題を振りまく、ヤマカンこと山本寛監督の最新作です。内容は、東北を舞台にしたローカルアイドルの活躍を描く、といったもの。アイドル物アニメというと、すでに飽和状態と思われていましたが、ヤマカンはどこまでも泥くさく、リアルな「芸能」の姿を描こうとしています。社長の資金持ち逃げから始まり(その後、なし崩し的に元のさやに戻りますが)、スーパー銭湯での水着ライブ&接待、パンチラをも辞さないライブ……。とにかく華やかではなく、露悪的なまでに泥くさい芸能の世界が描かれます。  正直、最初は冷やかし半分で見ていたのですが、第3話まで見た時になぜか感動し「もっと見ていたい」と思っている自分がいました。本作の魅力はどこにあるのでしょうか?  なんの武器も持たず、ビジュアルという時限式の資本だけで芸能界に飛び込んだアイドルたちは、毎回さまざまな「現実」と直面します。芸能界という「現実」、自分たちの知名度という「現実」、男性が自分たちをどう見ているのかという「現実」、そして震災以降の東北という「現実」……。と同時に、そういったシビアでリアルな現実の中で、少女たちは誰かにとっての希望かになれるかもしれないという、自分たち自身の「希望」に気づいていきます。  そういう「少女たちの目覚め」を描こうとしている本作は、ファンがアイドルに何を期待しているのか。アイドルを求める我々は、何に絶望し、何に希望を抱いているのかを浮き彫りにしてくれるのかもしれません。そういったリアルなドラマと、地に足の着いた感動が本作の魅力なのではないでしょうか。  ただ、残念ながら本作が大ヒットに至ることはないかもしれません(だって、作画面が絶望的にダメダメなんです……。これは致命的!)。しかし、だからといって「ダメアニメ」の烙印を押すには惜しすぎる……。本作が内包するテーマとドラマ性に、一抹の期待を感じずにはいられません。 ***  以上、勝手に思うままに書きなぐってみました。ほかにもこんな面白い作品があるよ! という方はぜひ教えてくださいね! ではっ! (文=龍崎珠樹)

東電解体、キャロライン駐日大使……細川・小泉陣営、都知事選大逆転のシナリオとは?

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「週刊ポスト」2月7日号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位 「選挙の魔術師・小泉純一郎が仕掛ける『大逆転の秘策』」(「週刊ポスト」2月7日号) 「衝撃の生データ 舛添が圧倒的勝利 これでいいのか!?」(「週刊現代」2月8日号) 「ニュースがやらない『都知事選』重大ニュース」(「週刊新潮」1月30日号) 「小泉進次郎は純一郎の操り人形か」(「週刊文春」1月30日号) 第2位 「芦田愛菜養護施設ドラマ放送中止騒動のウラ事情」(「週刊文春」1月30日号) 第3位 「バレンティン妻『私はあの男に殺される!』」(「週刊文春」1月30日号) 第4位 「ワタミ宅配弁当『イモ虫混入』報告書すっぱ抜き!」(「週刊文春」1月30日号) 第5位 「5000人超大アンケートでわかったセックス県民性2014最新版」(「週刊ポスト」2月7日号)  今週も注目記事の中心は都知事選だが、それを分析する前に、いくつか紹介しよう。  まずは、ポストの軟らかい記事。一般社団法人日本家族計画協会・家族計画研究センター所長の北村邦夫医師がコンドームメーカー・ジェクスの協力のもと「ジャパン・セックス・サーベイ2014」を実施したそうだ。  なかなか興味深いものがある。  10代での初体験率は1位が青森県、2位高知県、3位新潟県で最下位は山形県になっている。  正常位を最も好む割合は1位が北海道、2位が沖縄県、3位は徳島県で最下位は岡山県だ。  挿入時間が3分以内、いわゆる早漏県は1位が宮城県、2位が群馬県、3位が沖縄県で、最下位は千葉県。千葉県が遅漏県ナンバー1ということか。  オーガズムを感じたことのない女性が多いのは、1位が富山県、2位が意外にも東京都、3位が鹿児島県で、最下位は徳島県だという。  性感染症予防にコンドームを使用するのは1位が福島県、2位が東京都、3位が神奈川県で最下位は北海道となっている。  続いては、文春の記事が連続3本。  渡辺美樹参議院議員はワタミグループの創業者で、資産190億円ともいわれているそうだ。  そのワタミグループでトップの経常利益を叩き出す弁当宅配事業に、トラブルが頻発していると文春が書いている。ワタミの宅配弁当を製造する「ワタミ手づくりマーチャンダイジング」の社員がこう語っている。 「お客様から『お弁当の中に3cmほどのイモ虫が混入していた』というクレームが寄せられ、今回の異物混入が発覚しました」  文春が手に入れた「異物鑑定報告書」と題された内部文書には、この芋虫はカブラヤガの幼虫だったと記述されているという。  さらに、弁当を配達する「ワタミタクショク」の営業所長A氏は、 「ビニール片、木片、虫などが混入しているというお客様からのクレームは日常茶飯事です。過去には、輪ゴム、十円玉が混入していたなどのクレームもありました」  また昨年、社内で問題になったのは、賞味期限切れの弁当の誤配だという。関西の営業所などで複数発生し、社内メールでも再発防止のために注意が呼びかけられたそうだ。  これら一連の問題に対して、ワタミは文春に次のように回答している。 「当該工場でご指摘の異物混入が発生したこと、また昨年、前日分の弁当を誤って配送したことは事実です。(中略)全ての案件について原因を解明し再発防止策を講じております」  こうした宅配弁当を食べるのは、一人住まいの高齢者が多いはずだ。くれぐれも細心の注意を払ってもらいたいものである。  文春は前号に続いてジャーナリストの三山喬氏が、本塁打王・バレンティンの妻のインタビューをしている。  彼はインタビューの最中、バレンティンが自宅に乱入し、カルラ夫人と口論になり、彼女の腕を無理やりつかんで寝室に連れ込み、阿鼻叫喚の惨劇が続いたのを目撃していた。  さまざまな文書や携帯の画像記録などを提示しながらの夫人の訴えには、それなりの説得力が感じられたそうだ。しかし、いくつかの疑問も残った。  そこで三山氏はバレンティンの故郷キュラソーへ裏付け取材に行く予定でいたというのだが、そのことを夫人に明かすと、彼女は頑強に抵抗したというのである。  不審に思った彼は、ベネズエラの北約60キロ、人口約15万人の島、オランダ領キュラソーへ赴く。  この島では、本塁打記録を樹立したバレンティンを島ぐるみの歓迎パレードで迎えたり、市街地にバレンティン通りができたりと、熱狂的なブームに沸いていたという。  それだけに、バレンティン逮捕のニュースは、島に特大の衝撃をもたらしたそうである。  バレンティンの実母アストリッドさんや姉夫婦に話を聞くと、夫人とはまったく違う話が飛び出した。 「ココ(バレンティンの愛称)の性格の二面性を言うなら、彼女の人格のほうがもっとメチャクチャ。おっとりした性格のココをこんなに怒らせたのは、彼女のしつこい嫌がらせが原因だったに違いない」  さらに、こうも言ったそうだ。 「カルラがココの女遊びについて『女たちはみんなあなたのカネが目当てなのに』と咎めたことがあったの。そしたら、息子はこう言い返したのよ。『お前だってそうだろう』って」  どちらの言い分が正しいかわからないが、結局はカネをめぐっての醜い争いのようである。私のような持たざる者には、こうした揉めごとが起きる心配はないが、ヤンキースに行く田中将大は莫大な金額を手にするようだが、そっちのほうは大丈夫だろうか。いらぬお世話だが。  地元の裁判所からの決定が出て、バレンティン選手の出国が認められたそうだが、今回の汚名を晴らすには、昨季以上の活躍が求められよう。ムリだろうが。  さて、1月23日の「asahi.com」にこんな記事が載った。 「日本テレビ系ドラマ『明日、ママがいない』(水曜午後10時)のスポンサー、JX日鉱日石エネルギー(ブランド名エネオス)とキユーピーは、22日に放送された第2話で、CMの提供をしなかった。放送前、JX日鉱日石は『視聴者からのご意見をふまえ、CMの放送は控えさせていただきます』とコメント。キユーピーも前日、提供社名を外すことを協議しているとしていた。(中略)  芦田愛菜(9)主演同作は児童養護施設が舞台。これまで施設関係者を傷つける恐れがあるなどとして、『こうのとりのゆりかご』(赤ちゃんポスト)を設置する熊本市の慈恵病院のほか全国児童養護施設協議会、全国里親会が放送中止や表現の改善を求めている。慈恵病院は22日、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会に審議を求める申立書を送付した。またこの日、熊本市の幸山政史市長は会見で『過激な描写や演出、現実離れした表現が多く誤解を与えかねない。局は、施設当事者の声を真摯(しんし)に受け止めてほしい』と述べ、改善を求めた」  文春は、今号でいち早くこの問題を取り上げている。  今月15日にスタートしたこのドラマは、脚本家の野島伸司氏が脚本監修を務めている。  児童養護施設を舞台に、第1話では、鈍器で恋人を殴る傷害事件を起こした母親に見捨てられ、グループホームにやってきた少女が、施設でリーダー的存在の「ポスト」(芦田)に出会う。  赤ちゃんポストに預けられ、親を知らないまま育っているためについたあだ名だという。そして、新参者に付けられたあだ名は「ドンキ(鈍器)」だった。  その施設で“魔王”と呼ばれる冷酷非情な施設長から、朝ごはんの食卓を囲む子どもたちには、 「お前たちはペットショップの犬と同じだ」 「犬だってお手ぐらいはできる。わかったら泣け。泣いたヤツから食っていい」 などと罵倒される。  こうした扇情的な描写が功を奏したのか、初回視聴率は14%という好成績だったという。  この番組放映後、日本で唯一「赤ちゃんポスト」を運営する熊本の慈恵病院が物言いをつけたのだ。  同病院は「施設の子どもへの偏見を生む」として、日本テレビに放送中止や関係者の謝罪などを文書で求め、BPOへ申し立てをしたのである。  また文春によれば、日テレ関係者は養護施設について取材し、専門家の監修も受けていると言っているようだが、実際にこのドラマの「児童養護施設監修」を請け負った元養護施設長の岡本忠之氏は異を唱える。 「1話と2話の台本を読み、施設の実態とあまりにもかけ離れていることは、日テレにも伝えました。特にドラマに出てくる施設長について、『あんなふうな言動をしていたら、厚生労働省のほうから即刻注意されますよ』とアドバイスしました」  専門家からダメ出しがあったにもかかわらず、日テレの制作サイドは特に方針を変えることはなかったということのようだ。  さらに、日テレの局関係者は「結局、良くも悪くも話題作になった。視聴率を考えればガッツポーズです」と話している。  野島氏は『高校教師』や『人間・失格』『聖者の行進』(すべてTBS系)などで、タブーをテレビドラマに持ち込むことで知られている。『聖者の行進』の第4話には、知的障害者へのリンチ場面があり、こんなセリフがあったという。 「お前らは猿だ! 見せ物小屋の猿なんだよ!」  だが、ドラマの最後まで見なければ、脚本家が何を言おうとしているのかわからないのだから、日テレはCMが入らなくても続けるべきである。  やたらコンプライアンスなどが騒がれだし、少し過激な状況や表現を使うことを自粛したり、スポンサーが圧力をかけてくる状況を、私は苦々しく思っている。  少し前に『若者たち』という映画を再び見直した。両親のいない貧しい3人兄弟と長女の物語で、初めはTBSの連続ドラマであった。  60年代、安保闘争や学生運動が世の中を騒がし、まだ高度成長の波が届いていない貧困地域に暮らす若者たちには、頑固な長兄(田中邦衛)との壮絶なケンカが絶えない。  このドラマでは原爆後遺症で悩む青年や、在日朝鮮人の差別問題、学生運動とは何かなどがリアルに語られる。こうした社会性の強い番組が、テレビでもできた時代があったのである。  いたずらに過激な設定と言葉を並べ立て、話題にして視聴率を稼ぐだけなら、そんな番組は即刻中止すべきだ。日テレと脚本家は、なぜ今このドラマをやらなくてはならないのかを視聴者にわかってもらう努力をしなくてはいけない。  BPOが丸ごと正義であるはずはない。堂々と自らの正しさを、BPO委員たちの前で主張したらいい。そうしたことをおざなりにしてきたから、テレビは力を失い、視聴者は離れていったのだから。  さて、都知事選も中盤に差し掛かっているが、自公に連合の支持まで取り付けた舛添要一候補の優勢は揺るがないようである。  脱原発を争点にしない戦略はここまでは功を奏しているが、新潮は舛添候補の「原発好き」は持ち馬の馬名からもわかると報じている。 「舛添さんの本音は、原発の再稼働です。(中略)舛添さんは、脱原発の有権者を刺激したくなかったから曖昧なことを言っただけに過ぎません。なにせ、一億円以上稼いだ馬の名前がアトミックサンダー(原子の稲妻)ですからね。そもそも彼は参院議員時代から親原発で、新聞に原発の必要性を説いた文章を寄せたこともあるほどです」  このコメントは、自民党関係者のものである。  私は知らなかったが、舛添氏は大変な競馬好きで、これまでに所有した競走馬は個人、共同、一口馬主を含めると少なくとも25頭にもなるという。そのうちの一頭が大化けしたそうだ。競馬記者がこう振り返る。 「東京の大井競馬場は、地方競馬では最大規模を誇ります。その最大のレースは東京ダービー。舛添さんの持ち馬が1997年、98年と2年連続で勝利したのです」  さらに、このアトミックサンダーは戸塚記念などでも勝利し、生涯成績は16戦8勝で、獲得賞金の総額は1億1,006万5,000円に上ったという。  「女性はともかく、馬を見る目は確かです」と、その競馬記者も太鼓判を押している。  確かに舛添氏は「東電全原発停止でどうなる電力危機」と題した文章を、2003年4月26日付の産経新聞に寄せている。 「京都議定書で掲げられた地球温暖化ガス6%の削減目標に到達するのは容易ではない。もはや、石油や石炭を多用するわけにはいかないのである。この点でもクリーンな原発の重要性を正当に位置づけるべきである」  文春は、福祉政策を前面に掲げる舛添氏の「反福祉的私生活」を、こう批判している。  1月14日の都知事選出馬会見で舛添氏は「私の政治の原点は母親の介護です」と言い放ったが、身内が反論しているというのである。舛添氏の姪がこう語る。 「祖母の介護のことをまた持ち出していましたが、事情を知る者にとっては本当に頭にきます。近所でも叔父の本当の姿を知っている人たちは、誰も良くは言わないし、私もとても応援する気にはなりません」  舛添氏は1998年に『母に襁褓(むつき)をあてるとき──介護 闘いの日々』(中央公論社)を出版した。認知症が進む母・ユキノさんを介護した体験と、介護をめぐって長姉夫妻と対立し、絶縁にまで至った経緯を赤裸々に描き、長姉のことを過剰なまでに罵った。  だがその後、長姉が文春の取材に答えて「要一が本で書いている内容は、全部反対の話だ」と反論し、近所に話を聞いてみたが、長姉の話を裏付けたようである。 「生活保護を受けていた姉の扶養を断る一方で、舛添氏は愛人の子供の教育費の減額を求めて調停を申し立てたこともある。安倍首相に都知事選の応援を求められた元妻の片山さつき氏から『障害を持つ婚外子に対する慰謝料や扶養が不十分だ。解決されていない』とダメ出しされたのも、宜(うべ)なるかな」(文春)  一方の細川護煕候補だが、心配されていた通りの優柔不断ぶりと小泉純一郎氏の陰に隠れてしまっている存在感の薄さが、支持を拡大させていないようである。  だが、細川支持を前面に出しているポストに続いて現代も「舛添が圧倒的勝利 これでいいのか」と、有権者に迫っている。  では、劣勢を挽回するうまい手はあるのか?  現代で、細川陣営の選対関係者が選挙戦術をこう明かしている。 「選挙期間中は小泉さんと2人でガンガンと街頭演説をします。さらに、投票直前の2月に入ったら、都内某所を借り切って数万人規模の集会も行う予定です。これだけ大きなイベントをすればメディアも取り上げざるを得ないでしょう」  では、自民党側は楽勝だと思っているのかというと、そうでもないようである。自民党幹部が戦々恐々としながら、こう語る。 「小泉さんは、国民世論が何を求めているのか、それを察知する能力が異様に高い。今回も脱原発を、都民や有権者が思わず食いつくような政策につなげて押し出してくるかもしれない。たとえば景気対策の一環として、『脱原発減税』などを掲げてくるかも。再生可能エネルギーを活用する企業や個人は、大幅な税の軽減措置が得られるとか。あるいは、都が東京電力の大株主であることを利用し、『東電を世界最大の自然エネルギー企業に生まれ変わらせる』とか言われても困る。東電については、破綻だとか税金泥棒だとか、とかくマイナスイメージが付きまとっていますが、そうやって超ポジティブな方向性を打ち出されると、東電解体を恐れているメガバンクや霞が関などが、『それはいい』と言って寝返ってしまうかもしれない」  現代は「脱原発は日本経済を破壊するのではない。この国を再生し、新たな発展を歩むための政策なのだ──。小泉氏が何度も語ってきたこの概念が、あと2週間でどこまで浸透するかが勝負の分かれ目となる。そして、それは十分に可能だろう」と書く。  細川氏が勝つには、政治ジャーナリスト鈴木哲夫氏が言うように「投票率が70パーセント近くになると、浮動票が流れ込み、細川氏が勝つ可能性が出てきます」ということだろう。  ポストは、選挙の魔術師・小泉氏には「大逆転勝利」への秘策があるとする。細川候補に成り代わって、大メディアが書き立てる原発ゼロ潰しに反論し、細川候補が首相辞任に追い込まれた佐川急便からの1億円借り入れ問題とNTT株取引疑惑についても「説明責任」を果たしている。  細川陣営にとっては、ポスト様々であろう。  現代同様、大逆転のシナリオがあるという。そのひとつが「原発即ゼロ」に対する抵抗勢力・東京電力の解体であるという。 「千葉にメガソーラー発電所、東京臨海部に画期的に低コストのガス火力発電所建設を打ち出す。もともと東京都には自前の発電所建設構想があったが、日本のメーカーは東電の支配下にあるから、高い見積もりになっている。そこで、海外メーカーからの機材調達でコストを大幅に引き下げ、東電支配を打破すれば、原発ゼロでも電力コストを下げることができることを、具体的な数字を交えて示す。そのうえで都民に高い電気代を払わせている元凶の東電は分割・解体すべきだと掲げる」 と、細川選対関係者が話している。  次なる秘策は、キャロライン駐日大使を使うことだという。ほとんど知られていないが、細川氏とケネディー家は、知的障害者の競技大会「スペシャルオリンピック(SP)夏季世界大会」を通じて、深いつながりを持っているというのである。  このSPの創設者はジョン・F・ケネディ大統領の妹のユーニス・ケネディーで、ケネディ家が全面的にバックアップしてきた。現在はキャロライン氏の従兄弟、ティモシー・シュライバー氏が国際本部会長を務めているそうだ。  一方、SP日本の創立者で、現在、名誉会長を務めているのが細川氏の夫人、佳代子さんなのである。  投開票日の1週間前の週末、キャロライン大使が「日本のSP夏季大会の招致を応援したい」と表明し、佳代子夫人と行動を共にするようなことがあれば、細川氏の強力な援護射撃になることは間違いないというのだ。  また、森喜朗元総理が「五輪のためにはもっと電気が必要だ。今から(原発)ゼロなら、五輪を返上するしかなくなる」と発言したが、これは「ウソ」だと反駁する。  なぜなら、オリンピック招致委員会は昨年1月にIOC(国際オリンピック委員会)に提出した「立候補ファイル」の中で、原発停止中の2012年7~8月の電力ピーク時にも東京電力には708万kwの予備電力があったことを詳しく説明し、〈2020年東京大会で発生する追加需要に対して、既に十分に対応可能な状況にある〉と、原発なしでも電力は十分足りることを報告していたからだ。  そのほかにも「原発ゼロなら毎年3兆円国富が流出する」、「原発ゼロなら電気代は3倍になる」などもウソだと反論している。  細川首相が辞任を決断したNTT株4億2000万円取引の真相についても詳しく記述し、細川氏を首相退陣に追い込んだ村上正邦氏(元自民党参院議員会長)に、佐川急便問題はでっち上げだったと言わせている。 「検察が押収していた佐川の貸付記録には、借りっぱなしになっている自民党の大物たちの名前が連なっていて、だからこそ、検察も資料が出せなかったんだ。(中略)追及する自民党側は佐川から金をもらったままだったんだから、無茶苦茶な話だよ」  週刊朝日では、こんな情報も載っている。  安倍晋三首相夫人の昭恵さんが、細川陣営のブレーンの1人である元経産官僚の古賀茂明氏と首相公邸で「密会」していたのだ。  しかも、昭恵夫人はFacebookに古賀氏と面会した時の写真を掲載して、さらに衝撃が広がったという。 「昭恵さんといえば、昨年は『脱原発』の主張を繰り返す『家庭内野党』として、注目を集めた人物である。古賀氏を直撃すると、『公邸で会ったのは事実だが、中身は話せません』とやけに口が重い」(朝日)  細川陣営の関係者は「細川支援を打診したのでしょう」と言っているが、そうだとしたら話は面白くなるが、可能性は低いだろう。  また、細川陣営のブレーンの1人は、こんなことを言っている。 「実は小泉、細川両氏は、細川氏が都知事を1期4年務めた後、進次郎氏に禅譲する案を持っている」  こうした「秘策」が本当に公表された場合、劣勢の細川氏の追い風になるのだろうか。  1月27日付の朝日新聞は、都知事選の動向をこう報じている。 「朝日新聞社が25、26両日に実施した東京都知事選の情勢調査で、舛添要一氏(65)が細川護熙氏(76)ら他の候補をリードしていた。自民党の支援で手堅く支持を広げる舛添氏に対し、細川氏の陣営では争点を『脱原発』に絞ることを見直す動きが出ている」  私は、見直す必要はないと考える。東京は、あれだけの大惨事を起こし、いまだに自分の住んでいた町や村に帰れない人が大量にいるのに、原発事故を「他人事」としか考えない人間たちの集団なのだろうか。  東京という一地方が国の原発政策に口を出すのはおかしいという声があるが、そんなことはない。  東京都の予算は特別会計等を含めると約13兆円もあり、黒字で、国からの地方交付税を受けていないから、国も東京都の意向は無視できないのだ。  もちろん福祉政策は大事だが、東京五輪がなぜ争点になるのか。五輪開催は決まったのだから、なるべくカネをかけず、細川・小泉陣営のいうとおり再生可能エネルギーを使う努力をして、世界初の「クリーン・オリンピック」を実現すれば、世界中から称賛されること間違いない。  原発がなければ日本経済が発展しないならば、そんな経済は原発事故が再び起こる前に破綻してしまえばいいのだ。  脱原発を高らかに宣言する絶好の機会を、都民はなぜ自ら示そうとしないのか、私には理解できない。  安倍首相よ、仮に舛添氏が勝ったとしても、脱原発を主張する細川氏と宇都宮健児氏の得票数を足して1票でも舛添氏を上回ったら、都民の“意思”は脱原発なのだから、再稼働は中止すべきだと思うが、いかがだろうか。  消費税値上げや円安、物価上昇で、国民の生活が苦しくなることは目に見えている。しかし、国政選挙は当分行われないから、民意を問う機会は都知事選を逃せばなかなか来ないのだ。  東京都民が、国や官僚たちの言いなりになるほどバカではないことを、都知事選で示そうではないか。 (文=元木昌彦)