パクリ? オマージュ? 人気街道驀進中の『ラブライブ!』に突如降りかかったパクリ騒動

lovelive0520.jpg
『ラブライブ!』公式サイトより
 現在放送中のアニメ『ラブライブ!』にパクリ疑惑が発覚し、ネット上で大炎上中だ。  『ラブライブ!』とは、以前にもこの連載でも取り上げたこともあるアイドルアニメで(記事参照)、美少女総合エンタテインメントマガジン「電撃G’s magazine」(KADOKAWA刊)、アニメソング中心に展開する音楽レーベル・ランティス、アニメーション制作会社・サンライズの3社による合同プロジェクトである。  本作は、アニメ、雑誌連載、Webラジオ、CDリリース、コンサートなど多角的なメディア展開を繰り広げ、今年2月にさいたまスーパーアリーナで開催された2日間のライブは両日とも1万人以上を動員し、大成功。現在放送中のアニメ第2期も好調で、オープニング主題歌「それは僕たちの奇跡」のシングルCDがオリコン週間シングルチャート2位にランクインし、初動で6万枚以上の売上を達成。5月13日には、同シングルがゴールドディスクに認定されるといった具合に、まさに今が旬の話題作である。  5月11日放送の第6話「ハッピーハロウィーン」も、劇中でヒロインたちが自分たちの個性を出すべくアメリカのロックバンド・KISSのコスプレをするシーンが話題となり、ファンがTwitter上に該当シーンをアップ。それを見つけたKISSボーカリストのジーン・シモンズが、自らのアカウントでリツイートしたことから、「ついに『ラブライブ!』が世界に羽ばたいた!」と多くのファンが喝采の声を上げた。  しかしその一方で、ライブ用の衣装を自分で作ることに対して「損な役回り」と不満を漏らすにこに対して、ことりが「それぞれの役割をこなすことが大事だ」という趣旨のセリフで答えるというシーンについて、海外ドラマ『glee』の「パクリでは?」という声も上がり始めた。元ネタといわれている『glee』では、合唱大会に向けてチームがそれぞれ自分の持ち場で仕事を進める中、衣装係をやらされ不満を言うメンバーに、ほかのメンバーが「力を合わせることが大切だ」と諭すシーンが存在。「これはあなたのよ」とメンバーに衣装を見せるシーンやカット割りがそのままであることから、ほどなくしてTwitter上で一気に「パクリ疑惑」が噴出した。  個人的な感想となるが、にこは口は悪いところはあるものの、実はメンバー一面倒見のいいキャラのはず。第2期では弟たちの面倒を見るいいお姉ちゃんというそれまでにない表情を見せるエピソードがあったほか、ドラマCDでもダウンしてしまったメンバーの海未をかいがいしく介護するシーンがあっただけに、該当シーンの言動に違和感を覚えたのは事実である。同エピソードの別のシーンでも、『glee』から引用したと思われる演出が発見されたほか、昨年放送された第1期第1話などにも『glee』を下敷きにしたと思われるシーンが続々と発見され、現在も延焼中。  さらに京極尚彦監督が、過去に「自宅で休んでいましたがコンテは描いてました。どなたかアニメ以外で面白いドラマあれば教えて下さい、うまくパクる…いや引用できる演出があればと…個人的には海外の方がハングリーな作りの作品が多い気がしています」(原文ママ)というツイートをしていたことが発覚。今回のパクリは意図的なものだったのでは、という声も上がっており、鎮火の気配はいまだうかがえない。  ちなみに『ラブライブ!』は今回以外にも、発表されている多数の楽曲が既存のJ-POPや洋楽のパクリではないか、という声が以前から多く上がっていた。しかし、アニメ化のはるか以前に行われていたイベントにおいて、『ラブライブ!』制作プロデューサーは「『ラブライブ!』は、それぞれの時代を彩った音楽やアイドルの元ネタを盛り込んでいる。μ’s(『ラブライブ!』のアイドル・グループのこと)が歌うならこうなる、というのがコンセプト」という趣旨の発言をしていたことがあるほか、アニメソングのクリエイター事情に詳しい関係者によると「『ラブライブ!』は楽曲を発注する際に、“こういうイメージの曲でやってほしい”という非常に詳細なオーダーが来るそうです。そこでは元ネタの名前も具体的に出ることもある」そうだ。  そう考えると、今回の騒動においても「パクリ」というよりも、元ネタを『ラブライブ!』流に料理するとこうなる――。というコンセプトの元に行われていた、ある種のオマージュである可能性も捨てきれない。  ともあれ、「みんなで叶える物語」というテーマの下、ハイペースで急成長してきた本作にとって、今回の騒動は冷や水を浴びせることになりかねない。ちょうど物語は折り返し地点を過ぎたところである。クライマックスに向けて、誰にも文句を言わせないオリジナルの感動を期待したいところである。 (文=龍崎珠樹)

サッカー釜本邦茂氏が苦言「本田よ、“裸の王様”中田英寿になるな!」

0519hung.jpg
「週刊ポスト」5/30号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位 「釜本邦茂『<裸の王様>本田圭佑なら日本は負ける』」(「週刊ポスト」5/30号) 第2位 「医療界の猛抗議、高圧力で『血圧147は健康値』が潰された!」 「うつ病患者数は10年で倍増、抗うつ薬市場は8倍、その裏側で何が起きていたか」(「週刊ポスト」5/30号) 第3位 「『LINEいじめで中1の娘は自殺した』母の慟哭」(「週刊文春」5/22号) 第4位 「『高すぎる食べ物』味覚探訪記」(「週刊新潮」5/22号) 第5位 「土俵外なら横綱より格上 遠藤バブルはいつまで続くのか?」(「週刊新潮」5/22号) 第6位 「これが世界のSEX産業だ!」(「週刊ポスト」5/30号) ワースト 第1位 「またも当たった!東大名誉教授驚異の『地震予測』はこうすれば読めます」(「週刊ポスト」5/30号) 第2位 「朴槿恵大統領が安倍首相に『二人の秘密』と泣いて口止めした“親日”素顔」(「週刊文春」5/22号)  ついに、と言うべきであろう。人気デュオ「CHAGE and ASKA」のASKA(本名 宮崎重明・56)が、覚せい剤所持容疑で逮捕された。 「警視庁がASKA容疑者の尿を検査した結果、覚せい剤と合成麻薬MDMAの陽性反応が出たことがわかった。自宅からは覚せい剤やMDMAとみられる違法薬物が押収されており、同庁は使用の疑いでも調べる。ASKA容疑者と知人の会社員栩内(とちない)香澄美容疑者(37)は4月6日と12日ごろ、東京都港区南青山3丁目の栩内容疑者の自宅マンションで覚せい剤を所持していたとして、覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕された」(朝日新聞5月18日付より)  ASKAの覚せい剤疑惑は、文春(8月8日号)が「シャブ&飛鳥の衝撃」と報じていた。そのとき私は「文春の『シャブ&飛鳥』はタイトルもさることながら、内容的にも衝撃度は高レベルである」と書いた。しかし、その後、ASKAが同誌のインタビューで「覚せい剤なんかやっていない」と否定したこともあって、このままうやむやになるのかと心配していたが、慎重に内偵をしていたのだろう。  ASKAは警察官に「覚せい剤を所持しているね」と聞かれ「SAY YES」とは答えなかったようだが、文春によればASKAは「相当な末期麻薬中毒者」だという。これからが大変だろう。  大物逮捕で、芸能界の覚せい剤汚染が一気に明るみに出るかもしれない。  佐村河内守スキャンダルも見事だったが、文春の情報力と取材力には感服する。  昨年後半(7~12月)のABCによる雑誌の販売部数が公表されたが、文春が週刊誌部門で堂々第1位なのも当然である。  文春46万8,910部、現代が36万6,829部、新潮が35万454部、ポストが31万9,528部、FRIDAYが15万1,723部、週刊朝日が11万2,600部、今回からABCに入ったFLASHが11万354部となっている。  この中で、前年同期比100%を超えたものはポストだけで100.43%。現代は86.33%、FRIDAYは91.58%、朝日は86.56%である。現代と朝日の落ち込みが目立つ。  その好調なポストだが、飯田昌宏編集長が6月で替わるという話がある。これまでのポストとは違う路線を作ってきた名編集長だけに、ここで替わるのは惜しい気がする。  さて、今週は大きなスクープ記事は皆無。みんな小粒だが、少しはピリリとする記事を取り上げてみた。  その前に、これはいかがかなと思う記事を2本。  朴槿恵韓国大統領批判を強めている文春だが、その朴大統領が本当は安倍晋三首相とは親しく、よく話をしているという記事である。  しかも、それを自国民に知られたくなくて、安倍首相に泣いて口止めしたというのだ。韓国政府関係者がこう明かしている。 「じつは昨年十月にバリ島で行われたAPEC関連会議で、朴大統領と安倍首相は、親しく話しています。夕食会のテーブルが隣同士だったのですが、会場に日本の『上を向いて歩こう』が流れると、朴大統領から『これは日本の有名な曲ですね』と微笑んで話しかけた。それに対して安倍首相も『私も韓国の曲を知っていますよ。江南スタイルという曲が流行っていますね』と乗馬ダンスの真似をしながら答えたのです。他にも安倍首相は、『韓国料理は好きでよく食べます』『韓国ドラマも妻が好きで見ています』などと大変和やかに話していました」  文春も「にわかには信じがたい親日ぶり」だと驚いている。だが、安倍首相の側近も、これを裏付けるコメントをしている。 「APECだけでなく、昨年九月のニューヨークでの国連総会でも二人は話をしています。総理は『朴大統領は反日じゃない。二人で話す時は、まったく頑なな態度ではない』と言っています。ただ、朴大統領は会話の最後になると、目に涙を浮かべながら『こうして親しく話したことは二人だけの秘密にしてください』と口止めするそうです」  夕食の席で歌の話や食べ物の話をしたからといって、親密さを裏付けることにはなるまい。隣同士になれば、それぐらいの話をしないほうがおかしい。  その程度の話を、自国民に知られたらいけないと泣いて朴大統領が安倍首相に頼むなんて、あり得ない話だと、私は思う。おそらく、情報源は安倍首相の周辺だろう。朴大統領よりうちの親父のほうが上なんだよという“情報”を流して、朴大統領の悔しがる顔でも見たいのだろうか。  次は今週頑張っているポストだが、先週大々的にやって“当たった”から今週もやっている東大名誉教授の地震予測記事は、この人が関わっているメールマガジンのパブ記事のようで気に入らない。  ポストは村井俊治東京大学名誉教授が顧問になっているJESEA(地震科学探査機構)で出しているメルマガで、4月9日、16日、23日と3回にわたって首都圏で地震が発生する可能性について言及していたと前号で書いた。  その上「首都圏直撃地震からわずか8日後の5月13日午後8時35分、再び首都圏を地震が襲った。埼玉県南部や神奈川県東部で震度4を記録。東京都でも震度3を記録した」が、それもメルマガで「可能性を予測」していたから、編集部宛に問い合わせが殺到したという。  そこで、月額216円のメルマガを購読する手続きを写真入りで紹介しているのだが、ここまでやる必要があるのだろうかと、疑問に思う。  まあついでだから、警戒が必要な地域に言及している村井教授の言葉を引用してみよう。 「2月7センチにも及ぶ地表の上下動が観測されていた高山を中心に、ゴールデンウィーク頃から地震が増えている岐阜県周辺は引き続き注意が必要です。(中略)現時点で注意が必要なのは、北海道の函館の周辺です。今、全国的に基準点の短期の動きはほとんど目立たないのですが、今週届いた記録では函館にだけ動きが確認されました。函館だけではなく道南の広い地域で警戒が必要です」  また、津軽海峡を隔てた青森でも注意が必要だと村井氏は語っている。注意するに越したことはないが。  今週の7位は、ポストお得意のSEXグッズ記事。今週は世界最先端のラブグッズを生産する、スウェーデンにあるLELO(レロ)を取り上げている。  従業員は500人。ミロスラブ・スラビッチCEOが哲学と戦略を語っている。 「製品の見た目とクオリティーが同じであることが重要です。いくら見た目がよくても中身がない製品はたくさんありますから。デザインとクオリティにおいてLELOより優れている企業はありません。その証拠に、新製品をリリースすると、必ず1週間以内に爆発的に売れます」  過去に一番売れた製品は、LUNA BEADSだそうだ。 「球体を膣の中に入れる製品です。女性に快感をもたらすだけではなく、出産で緩んだ膣の筋肉を鍛えることもできます。世界中で売れた、LELO最大のヒット商品です。最近では、女性がオーラルセックスの快感を得られるORAが売れています。発売2週間で35万人がネットでこの製品の動画を再生しました」  そして、快感は基本的人権だと宣う。 「ネガティブな潮流は変わりつつあります。快感を求めることは人間の基本的人権です。これまでラブグッズを使ったこともなかった人が、抵抗なく使える製品を今後も作り続けます」  それにしても魅力的な形をしたラブグッズばかりだ。これなら使ってみたくなる気持ちもわかるが、そうなると男はグッズの添え物になるのか?  大リーグに行った田中将大やダルビッシュ有が大活躍しているが、忘れられた大相撲にも久しぶりの人気者が登場した。遠藤である。  新潮は「夏場所初日が『満員札止め』になるのは、“若貴時代”以来17年ぶりだという。人気の理由は、“13年ぶりの3横綱”もあるだろうが、やはりこのイケメン力士の“初髷”見たさだろう」と書いている。  日本相撲協会関係者が、初日の取り組みに懸けられた懸賞は鶴竜らを凌ぐ14本と、過去最多だった先場所の145本を上回る勢いだと話している。  チケットも近年にない売れ行きで、場所前に初日、7日、8日、14日、千秋楽の前売りが完売になったそうだ。 「“遠藤バブルに乗れ”とばかりに、協会も必死です。両国国技館には“お姫様抱っこ”の撮影ができる写真パネルが設置され、グッズも旧来の“ザンバラ髪”バージョンと新“髷”バージョンの2パターンが売られる特別待遇。売れ行きは、さすがに大横綱白鵬には及ばないまでも、鶴竜、日馬富士を大きく引き離す“超横綱級”です」(同)  その上、「髷騒動」まで勃発していたという。  初めてテレビで髷を公開したのは5月1日のTBS『NEWS23』だったが、その前の4月上旬には永谷園のCM撮影で髷を結っていたのだという。  だが、4月24日の番付発表では「まだ結えない」とウソをついたというのだが、大騒ぎするほどのことではない。  遠藤のすごいところは、これだけ騒がれても相撲ではきっちり結果を残していることである。4日目の鶴竜戦では金星を上げた。ようやく角界にもスター誕生のようである。めでたいめでたい。  新潮が、総予算50万円で「高すぎる食べ物」を食べ歩いた味覚探訪記をやっている。これが今週の4位。世の中には高い食べ物があるものだと驚く。ここに出ているものを挙げてみよう。  まずは石川県白山市鶴来地区。安土桃山時代から続く老舗「菊姫酒蔵」には一升瓶で5万円の日本酒「菊理媛」がある。  北九州市小倉南区湯川にある「卵家」の1本1万800円のカステラ。  お次は、大阪北新地にあるイタリアン・レストラン「ノノピアーノ」の2斤で1万円の食パン。  京都の清水寺に近い石畳の坂道に沿って店を構える「総本家 ゆどうふ 奥丹清水」。1635年創業の老舗だが、その地下の豆腐工房で作られた豆腐が1丁7万円。  大阪府八尾市の住宅街にある喫茶店「ザ・ミュンヒ」のコーヒーは40ccで7万5,000円也。  名古屋市名東区にある「高針めんや」には1万円のラーメンがある。白髪ネギに金箔、キャビアが添えられ、伊勢エビやどでかいステーキがのっているそうだ。  東京・五反田駅から徒歩5分ほどのところにあるステーキ屋「カサローエモ」。ここには200グラム15万円のステーキがある。  ジャニーズのタレントがよく来るとネットにはあった。とても15万円のステーキは食べられないので、昼に確か4,000円くらいだったと思うが、ハンバーグステーキを食べに行ったことが一度だけある。普通の喫茶店のような店の入り口に「ステーキ15万円」となにげなく書いてあるのだ。最初に見たとき、間違いだろうと何度も見直した。  おいしかったことはおいしかったが、神田神保町の「キッチン南海」で食べるハンバーグのほうが、なんぼか私にはうまい。  カネを捨てたくてたまらない人間が行けばいいのだ。食べ物は、身の丈に合ったリーズナブルな値段の店がいい。そう思うのは、「京味」や「あら皮」へ行けなくなったひがみもあるかもしれない。だが今の私には、場末の居酒屋の隅で冷や奴を肴に「黒霧島」の水割りを呑んでいるほうが居心地がいい。  文春は「LINEのいじめ」で自殺者が増えているという記事をやっている。これが3位。  文春によれば「LINEとは、二〇一一年六月にLINE株式会社(当時は、NHN japan株式会社)が提供を始めた無料のネットサービスである。国内利用者は五千万人を超え、米国、韓国、スペインにも利用者が拡大し、今年四月に世界での利用者は四億人を突破。その企業価値を一兆円と見積もる報道もある」そうだ。 「今年四月、総務省情報通信政策研究所が発表した『平成二十五年度、情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』によると、十代のLINE使用率は七〇・五%に達する。SNSの利用率はメールのほぼ倍にあたり、コミュニケーション手段はメールからSNSに完全に移行したことがわかる。また三月に情報セキュリティー会社のデジタルアーツが発表した調査によると、スマホや携帯の一日の使用時間は中学生は男女とも一・八時間、高校生は男子が四・三時間、女子高生は六・四時間という結果になった。なかには十二時間以上の利用も一割を超え、ほとんどが『YouTube』のような動画視聴やLINEなどSNSの利用者だと考えられている」(文春)  しかし、それにつれてLINEを使ったいじめやトラブルも頻発するようになっているそうだ。  LINEで知り合った自衛隊員が、女子高生に裸の写真を送らせて、児童買春ポルノ禁止法違反容疑で逮捕された。  広島県でLINEでのやりとりに腹を立てた16歳の少女が、友人の16歳女子生徒を殺害。慶応大学の男子学生が交際相手にLINEで「お願いだから死んでくれ」と繰り返し送信。女性が飛び降り自殺し、大学生は自殺教唆容疑で逮捕された。  文春は奈良県橿原市の中学1年生A子さんが昨年3月28日、市内のマンションから飛び降り自殺をしたが、これも原因はLINEを使ったクラスメートのいじめだったと報じている。  その中学生の母親はこう語っている。 「昔のいじめは学校の中で終わっていたと思うんです。それが今はLINEで家の中まで追いかけてくる。自分の悪口を言われていないかと、あの子はずっと不安でしょうがなかったんやないかと思ってます」  文春も「LINEのいじめがなくならないのは、いじめている加害者の認識が薄いからだ。手軽に文字で『死ね』と言っただけでしかない。しかし送られた方は、複数の人間から毎日届くメッセージに追い詰められていく。普通のいじめなら学校に行かなければ遮断できるが、LINEは家の中まで、夜中でも追いかけてくる」と、LINEいじめの深刻さを衝いている。  駅でも歩道でも、スマホを見ながらふらふら歩いている中学生や高校生を見ると、後ろからどついてやりたくなる。こんなにいい季候なのに、花も空も眺めずちっぽけな世界だけで毎日を過ごしていていいのか。スマホを捨てよ! 美しい日本の姿を目に焼き付けろと言いたいね。  いい加減食傷気味だが、日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が4月初旬に発表した「新たな検診の基本検査の基準範囲」がまだ話題のようだ。  最初にこの問題を取り上げたのはポストだが、今週も、この新基準値を医学界や製薬業界が潰しにかかっていると批判している。これが2位。  結論としては、この中で泉孝英・京都大学名誉教授が言っているように、「基準値を厳しくすることで病気は“作られる”。年齢や性別による違いすら加味しない現行の基準に、科学的根拠はあるのか。本来はそこが問われるべき」なのだ。  しかし、長年基準値を厳しくすることで稼いできた医療の世界の住人たちが、それを許しはしなかった。  その結果が、いまや39兆円(11年度)にも上る医療費の増大である。その恩恵に与したのが臨床系の専門学会の医師や製薬会社だが、反対に煽りを食ったのが、今回人間ドック学会とともに調査を行った健保連(健康保険組合連合会)だった。サラリーマンが加入する健康保険組合の全国組織である。 「健康基準については、我々としては常々なんでどんどん厳しくなるのかと感じていた。しかも、各学会の出してくる基準がどれだけ妥当なものなのかが判然としない。そこで本部は人間ドック学会と一緒に研究をした」(健保連の地方連合会職員)  今回、人間ドック学会と健保連は発表に先立ち、昨年末の時点で一度各専門学会にパブリックコメントを求めている。  事前に各学会に対して根回しまでした上で発表した数字だったのだが、インパクトが強すぎたため各学会から猛烈な抗議を受けることになってしまったのだ。  ポストは「この国の医療を管轄する厚労省自体が、医師と製薬会社の癒着構造の一員と化している」と批判している。  さらにポストは、新薬が出ることで患者が増える実態をうつ病で検証している。患者数は10年で倍増、抗うつ薬市場は8倍になったが、その裏側で何が起きていたのか?  99年に画期的な抗うつ薬が“上陸”したために、うつ病が大発生したという。 「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)。99年に初めて日本で認可されたこの薬は、セロトニンの血中濃度を高めることによって、うつ症状を軽減させようというものだ」そうだ。現在、4種類のSSRI系の薬が認可されている。  「これらSSRIの登場によって、日本のうつ病を巡る環境は一変した」と、フジ虎ノ門健康増進センター長の斉尾武郎氏が言う。 「従来型の抗うつ薬は薬価(薬の価格)が安かった。だから、製薬会社にしてみれば“売ってもあまり儲からない”ということで、精神科医を営業の対象にはしていなかった。それが、従来の抗うつ薬に比べて3~5倍も値段が高いSSRIが認可されると、抗うつ薬市場は一気に製薬業界にとって“オイシイ”マーケットになって、精神科医は大のお得意様になった」  確かにうつ病患者は10年前の2倍でしかないのに、薬市場の売り上げは8倍強になっているのだ。基準値を厳しくしたり、高い薬をつくることで医療業界はボロ儲けできるのだ。こんなことを許しといていいはずはない。そのためには病気にさせられないよう、一人一人が知識を持つしかないのだが、言うは安く行うは難しである。  今週の1位は、ポストの釜本邦茂氏のインタビュー。サッカーのブラジルW杯はもうすぐ開幕だが、ファンに冷水を浴びせる「<裸の王様>本田圭佑なら日本は負ける」発言の真意はどこに。  日本代表の最多得点記録保持者であり元日本サッカー協会副会長の釜本氏は、サッカーW杯で勝つためにはどうするかを提言している。 「ザッケローニ監督は温情主義で選んだのだと思う。W杯予選を一緒に戦ってきたメンバーが多く含まれているのがその証拠だ。しかし内田篤人、吉田麻也、長谷部誠はいずれもケガでここ最近、ほとんど試合に出ていない。こうした故障明けメンバーが、ぶっつけ本番のW杯で本当に仕事ができるのか。(中略)世界的にはまだまだ力の劣る日本が、強い相手から勝ち点を奪うには、しっかり守ってカウンターで得点を狙う堅守速攻の道しかない。だが、DF陣が明らかに手薄である。(中略)そのためFW1トップの動きがさらに重要になってくる。問題はこのFW1に、誰を据えるか。私はあえて、本田圭佑を推したいと思う。(中略)  本田の持つ最大の長所は、『外国人DFに当り負けしないボールキープ力』『体勢を崩しても枠内にシュートを打てる技術』だ。本田を起点にして相手を牽制しつつ2列目の岡崎や柿谷、そして香川といった選手が、相手DFの裏側に出て『3番目の動き』をすれば、日本の攻撃に幅も生まれだろう。ただ本田には注文がある。もっと謙虚にならなければならない。自分のスタイルを前面に出すのはいいが、それは周囲の者が理解してこそだ。それに私は、他の選手たちにも責任があると思う。チームが本田の言い分を素直に受け入れすぎているように見えるのだ。本田に対して『それは違う』と反論する者が、現在の代表にはいないのではないか。彼は紛れもない日本の中心選手だ。しかしだからこそ、彼を『裸の王様』にするようなことがあっては、日本は崩壊してしまう。それは中田英寿の時に、痛いほど経験したはずだ」  ブラジルで待つのは敵のチームばかりではない。「工期の遅れ」「反W杯への高まり」など、多くの難問が待ち構えている。ベスト8まで行くのは至難だろうが、楽しい試合を期待したい。 (文=元木昌彦)

話題の音楽サービスは二極化? 「iTunes Match」VS「Spotify」日本戦がついに開幕か

20140516b.jpg
Apple公式サイトより
 アップルのiCloudを利用した音楽サービス「iTunes Match」の日本語版が、5月2日にスタートした。米国では3年前からあるサービスで、日本での利用料金は年間3,980円となる。 「iTunes Match」の特長は、ユーザーが持っている楽曲をiCloudで預かってくれる点。ネットにつながっていれば、PCやスマホなどすべての端末で音楽を楽しめるようになる。従来でも、PCに音楽を取り込み、個別の端末と同期すれば可能だったが、その手間がなくなるのだ。加えてユニークなのが、ユーザーがCDから取り込んだ音楽まで対象になる点。これまでレンタルCDなどを利用してiTunesに取り込んだ楽曲も、iCloudにアップロードできるのだ。とはいえ、ここまでなら他のクラウドサービスだけでも実現できるかもしれない。「iTunes Match」で注目を集めているのが、取り込んだ楽曲のマッチング機能。ユーザーの曲を解析し、iTunes Storeで扱っている曲と同じ場合はアップロードしなくて済むのだ。iTunes Storeの音楽ファイルはAAC形式でビットレートは256kbps。以前はもっと音質の悪いMP3で、低ビットレートで取り込んでいた人が多いはず。つまり、CDから取り込んだ曲が、手間をかけずに高音質になるというわけだ。  iTunesで音楽を楽しんでいる人にとって、手持ちの音楽がすべての端末で手軽に利用できるようになり、音質もアップするのであれば、月当たり332円というコストは安いと感じるはず。楽曲を同期することなく、さまざまな端末で音楽ライブラリを再生できるのも楽しい。Apple TVも対応しているので、リビングのBGM再生もはかどることだろう。ストリーミング再生が可能になるので、iPhoneやiPodの容量を圧迫しなくなるのもうれしいところ。あらかじめiCloudからダウンロードしておけば、従来通りオフラインでの再生も可能だ。  ただ注意したいのは、CDから取り込んだ楽曲は2万5,000曲までしか対応しない点。長年音楽を楽しんでいるユーザーだと、オーバーすることもあるだろう。そんな時は、ALACやWAVといったロスレスで取り込んだ楽曲や、256Kbps以上のビットレートの楽曲をライブラリから外す手がある。これらのファイルはiCloudにアップロードされる際には256kbpsのAACファイルになるので音質が下がるためだ。とはいえ、お気に入りの曲であれば、別扱いは面倒。あまり聴かないアルバムを外して、2万5,000曲以下にするといいだろう。
20140516.jpg
 これまであまりCDから音楽を取り込んでいないなら、「iTunes Match」はそれほど魅力的に感じられないかもしれない。そこで注目されているのが「Spotify」だ。2008年にスタートしたスウェーデン初の音楽聴き放題サービスで、ユーザー数は2,400万人、有料会員も600万人以上と人気を集めている。楽曲は洋楽を中心に2,000万曲以上を網羅しており、現在55カ国で展開している。著作権処理が面倒な日本では例のごとく遅れているが、それでもそろそろスタートしそう。「Spotify」(https://www.spotify.com/int/why-not-available/)のホームページではメールの登録が可能で、サービス開始を連絡してもらえるようになっている。  無料アカウントでは、数曲再生するたびに広告が流される。有料アカウントは広告なしで、月額はPC向けが4.99ドル(約500円)、PC/モバイル向けが9.99ドル(約1,000円)となる。膨大な音楽ライブラリから好きな音楽を好きなだけ聴けて、月額約1,000円というのは魅力的。無料でもそこそこ楽しめるので、若いユーザー層を多く獲得している。  日本でも低価格で提供し、「LINE」や「Facebook」といったソーシャルメディアに絡めて展開すればブレークする可能性は高い。Spotifyによると「今年に入ってから100万人の新規ユーザーを獲得し、iTunesの売上を超えるのは時間の問題」という。近いうちに、ダウンロード販売と「iTunes Match」でユーザーのライブラリを充実させるAppleと、ライトユーザーや音楽にお金を払わなくなった人たちを取り込む定額の聴き放題サービスの日本戦が始まる。どちらを選ぶかは、自分の音楽ライフのスタイルに合わせて決めよう。 (文=柳谷智宣)

懲りないバーガー屋が生んだ 炭水化物のバケモノ『大勝軒 元祖つけ麺バーガー』

 あのロッテリアがまたやりやがった!  1年前、麺屋武蔵とのコラボでラーメンバーガーを期間限定販売したが、口の中の水分を容赦なく奪い取るそのモソモソ感に、さすがのロッテリアン(ロッテリアのファン?)たちからもディスられたはずだったのに……。  今回、発売したのはなんと、アノ、元祖つけ麺屋である『東池袋大勝軒』監修による『大勝軒 元祖つけ麺バーガー』だ。しかし、記者はその炭水化物の固まりを喰らう前からアタマに来ていた。  その理由は、当初、5月20日から発売の予定だったものが、問い合わせ殺到により、18日に前倒しして発売が開始されていたのだ! それを知ったのは、18日のももクロの24時間Ustreamでのこと。事前に期間問い合わせのメールをしているにも関わらず、その相手にメールで知らせてくれないなんて、こりゃきっとそうとうデキの悪い商品に違いないとロッテリアに乗り込んだ。
daishoken.jpg
 注文したのは『大勝軒 元祖つけ麺バーガー』のもちろん特盛り。「10分ほどお時間いただきます」といわれ、ほどなく着丼ならぬ着バーガーしたのがコレだった。
daishoken2.jpg
看板の写真と実物が違うのは、風俗やキャバクラとも共通したお約束だ。
 バンズの間に3段に積み重ねられたつけ麺。その脇にあるのはつけ汁である。ちょっと彩りは寂しいが、見た目はまずまず。つけ汁の具は、大きなチャーシューを筆頭に、メンマにナルト、ネギといったオーソドックスなもの。本家大勝軒ではこの他にゆで卵も乗っているが、そこまで求めるのは酷か? 
daishokens3.jpg
予想外に大きなチャーシューに驚いたが、もう少し柔らかいとさらに嬉しい。店内で食べるとスープ割りも可能。
 そして、いよいよつけ麺バーガー実食……ってどやって喰うんだよ?  ももクロのメンバーも同じこと言ってたけど、特に特盛りだとつけ汁の容器に3段のつけ麺バーガーを浸けることができないのだ。  しかたなく1段分の麺のみをつけ汁に浸け、添えられた割り箸で固まった麺をほぐしながらすすり上げた。 「ふ~む……」  本来なら魚と豚の風味が一気に口から鼻に抜けるはずだが醤油の風味がつよく、麺も焼きそばみたい。これならいっそ、回転寿しみたいにバーガーじゃなくて、普通に“ラーメン”作っちゃえばいいのに。  ちなみに、庶民舌の記者のベストバランスは、バンズにつけ麺1段を挟んでつけ汁に浸けてかぶりつく普通の食べ方だった。『大勝軒 元祖つけ麺バーガー』は“並”を喰うべし! ロッテリア『大勝軒 元祖つけ麺バーガー』 並650円大盛り700円特盛り750円 意外性 ☆☆☆! 味   ☆   店   無評価
IMG_0717.JPG
東池袋大勝軒前にて。『大勝軒 元祖つけ麺バーガー』の販売期間は約2週間とのことだ。

「失敗こそが人生さ」開き直った『バイキング』の新たな船出

viking0519.jpg
フジテレビ『バイキング』番組サイト
 『笑っていいとも!』の後番組ということで何かと注目される『バイキング』(フジテレビ系)だが、視聴率では苦戦が強いられている。そんな中でも、サンドウィッチマンの「地引き網中継」をはじめ、圧倒的なデタラメっぷりの月曜日は各所で絶賛されている。  だが、月曜日だけではない。その余波は、徐々にほかの曜日にも広がっている。たとえば、藤あや子がゲスト出演した火曜『バイキング』(5月13日分)。レギュラーの友近に代わり、観客席には“大物演歌歌手”水谷千重子が。そのまま番組に参加してデタラメなコメントをし続け、「なんてったってアイドル」を演歌調で歌ったり、やりたい放題だった。  そして、おぎやはぎが司会を務め、唐橋ユミ、美保純、ケンドーコバヤシ、川栄李奈(AKB48)、関口メンディー(GENERATIONS、EXILE)、やしろ優、森泉がレギュラーという異色のキャスティングで、お笑い好きから最も期待されていた水曜日。放送開始当初は、正直、おぎやはぎの持ち味である“いい加減さ”が乏しく、メチャクチャなキャストも生かされていない、おとなしい印象を受けた。だが、回を重ねるごとに、それぞれの個性がかみ合い始めた。 その起爆剤になったのは、バナナマン設楽統だった。 『バイキング』は、5月5日~9日までを「スペシャルウィーク」と銘打ち、キャンペーンを行っていた。その週の水曜『バイキング』にゲストとして登場したのが、おぎやはぎと若手時代から苦楽を共にした盟友の設楽だ。放送前、設楽が司会を務める『ノンストップ!』に、番宣を兼ねておぎやはぎが出演。そこで「スペシャルウィークで設楽さんがゲストって、弱いかも」とおぎやはぎが口走ると、設楽は「俺、行かねーぞ! 行かねえからな! もう行かねえ!」「うるせえな、メガネ、メガネ!」と悪態をつきながら、「だったら直太朗、呼ぼうよ」と提案した。  直太朗とは、もちろん森山直太朗。小木が直太朗の姉と結婚しているため、直太朗は小木の義弟に当たる。その直太朗を急遽、電話で呼ぼうというのだ。  そして、『バイキング』のオープニング。矢作に「(直太朗)来るの?」と問われた小木は「今確認したら、向かってるって」と答えると、「『さくら』とか『夏の終わり』とか、いいとこだけ歌ってもらおう」などと勝手なことを言う設楽は、カメラに向かってさらに「日村も来なよ!」と呼びかけた。  まさに、深夜ラジオのノリだ。もともと、直太朗と設楽は誕生日が同じという縁で、『JUNKバナナマンのバナナムーンGOLD』(TBSラジオ)に毎年、ゲスト出演してもらっている仲なのだ。  番組開始から10分ほどで直太朗が登場した。「遅いよ、バカ」と兄貴風を吹かす小木。「急に電話があって、義理の兄から」と状況を説明する直太朗。「俺はイヤだって言ったんだけど、そうしないと設楽さんがすごい怒るって(笑)」。「じゃあ、歌っていく?」「行っちゃう? 駆けつけ『さくら』」と、軽く歌うよう振るおぎやはぎに寝起きの直太朗は応えて熱唱するも、その途中で小木は「やめろ!」と制す、雑な扱い。さらに、「水曜バイキングの歌、作ってよ」と矢作が言うと、小木も「やる? どうする?」と追い込む。直太朗は「無理ですよ。正直、この番組に思い入れがないんで」とぶっちゃける。「正直言っていいですか? すげぇ、イヤです!」。  それでも仕方なく了承した直太朗は、レギュラー陣から歌詞になるようなフレーズを出してもらい、即興ソングを作り始めるのだった。 「呼ばれた! 呼ばれた! どうしよう!」  『バイキング』のオープニングで、自分の名前が呼ばれたことに慌てた日村。実は、日村は『ノンストップ!』も見ていて、自分ではなく直太朗の名前が呼ばれたことに悔しがっていたという。すぐに着替え、番組終了15分ほど前にスタジオにやってきた日村。手土産まで持参するという、完璧なパフォーマンスだった。その翌日深夜の『バナナムーンGOLD』では、呼びかけに即座に応じた日村の行動を「さすがだな」と絶賛した設楽に、日村も「愛情感じましたよ」と褒め合い、冗談っぽく笑っていたが、実際そういったムチャぶりにも即座に対応する柔軟さが、面白さにつながっていくのだ。  「即興ソングを作って」というムチャぶりをされ、時間内にそれを作り上げた直太朗も同じだ。そのタイトルは「いつか必ずつかメンディー」。レギュラーの関口メンディーが、番組内で多用するフレーズを使ったタイトルだ。  「お昼の荒波に飛び出した 水曜バイキング♪」と歌い出すと、一気に森山直太朗のステージへと変わる名曲だった。  この翌週の放送では、メンディーのダイオウイカ捕獲ロケに小木が志願し、ダイオウイカこそ釣れなかったものの、巨大なアブラボウズを釣り上げたり、ケンドーコバヤシと唐橋ユミに仕切り役を任せた新コーナーができてケンコバがイキイキとふざけ出したりと、どんどんデタラメっぷりが増してきている。直太朗は「いつか必ずつかメンディー」で「失敗こそが人生さ♪」と歌った。  番組開始当初、失敗を恐れ、何重にも保険をかけた企画が多かった。だが、それは逆に番組のダイナミズムを奪ってしまった。せっかく頭のおかしなキャスティングをしているのだから、それをそのまま生かせばいい。そう開き直ることこそ、成功への近道だと、この2週の水曜『バイキング』は確信させる放送だった。そして、それは『バイキング』の新たな船出を予感させてくれるのだ。 「ダイオウイカよりでっかいハート いつか必ず つかメンディー♪」 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

氷川きよし、NON STYLE……創価学会との関係がウワサされる芸能人の評判

ranking130516.jpg  またまた「週刊文春」(文藝春秋)のスクープで明らかになった、氷川きよしの「パワハラ、セクハラ、暴行」騒動。演歌界のプリンスとして、おばさまたちから絶大な人気を誇ってきた氷川の強烈スキャンダルに、ファンはもとより、業界も騒然。同誌では、創価学会員とされる氷川の、元マネジャー男性に対する勧誘行為にも触れられていますが、最近、新たに学会タレント疑惑が浮上しているのが、お笑いコンビ・NON STYLE。現在売れっ子の彼らの仕事のいくつかは、“学会マター”というウワサも。芸能界での人気と信仰心の強さは比例しているのでしょうか?  それでは早速、5月上旬の人気記事をチェックしていきましょう! 第1位 東京女子流の「パックリ衣装」にファンも物議……“ストリップ化”する中高生アイドルたち こんなのアイドルじゃない! 第2位 女性誌に悲鳴! 「暴行・セクハラ言動・創価学会……」醜聞噴出の氷川きよし、ショックで雲隠れ!? ドSなんだって。 第3位 高級スパで性的サービス要求発覚! 公私ともに“ソロ活動”で、山下智久のストレス爆発寸前!? ここ最近、残念な話題しかない。 第4位 NON STYLEの井上が「好きな芸人アンケート」で1位に! その裏でささやかれる創価学会との接点 ソウダッタノカ。 第5位 長澤まさみフルヌード、太田光『アナと雪の女王』で炎上、加護亜衣率いる新グループ……葛藤抱える芸能人 人生いろいろ。 次点 ビッグダディは本当にビッグなのか 『バイキング』(5月6日放送分)における全言動を徹底検証! バラエティタレントの仕事ぶりにフィーチャーする新連載。 次々点 「アニメがあったから、道を踏み外さなかった」“世界最強のオタク”を目指す格闘家・岡倫之の壮絶な半生 泣ける……!

“義妹萌え”をポップでフェティシュに実写化!『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』

imocho_movie01.jpg
人気コミックの実写化『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』。高校生の美月(橋本甜歌)の股間に貞操帯(T・S・T)が妖しく食い込む。
 最近、角川映画のようすがちょっと気になるのだが。角川書店と合併してKADOKAWAに社名変更し、現在はブランド名としてのみ残る角川映画だが、壇蜜の初主演作『私の奴隷になりなさい』(12)がロングランヒットを記録して以降、かなりの独自路線を突き進んでいる。『私の奴隷』は壇蜜の写真集やメイキングDVDも同時期にリリースするという角川映画の伝統芸・メディアミックス効果もあり、“壇蜜”という一種の社会現象を生み出した。続いて佐々木心音主演の官能ファンタジー『フィギュアなあなた』(13)、さらに過激さを増した壇蜜主演のSM映画第2弾『甘い鞭』(13)、桜庭一樹原作のライトノベルを芳賀優里亜主演で映画化した『赤×ピンク』(6月18日DVDレンタル開始)とR指定の異色作を次々と公開。どれも主演女優が大胆なフルヌードを披露していることで共通している。5月17日(土)より劇場公開される恋愛コメディ『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』は、『天才てれびくんMAX』(NHK教育)などで活躍した元ジュニアアイドルの橋本甜歌を主演に抜擢。テレビアニメ版ではヒロインの自慰シーンなどがBPO(放送倫理・番組向上機構)で審議された問題作に、橋本甜歌はまさに裸で勝負している。  『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』、略称『妹ちょ。』は、高校生の美月(橋本甜歌)と同じ高校に通う夕哉(小林ユウキチ)が親同士の再婚によって同じ屋根の下で暮らし始めるというベタすぎるくらいベタな“義妹萌え”の世界だ。家族が増えたことを素直に喜ぶ夕哉に対し、人づきあいが苦手な美月はよそよそしい態度しかとれない。両親が別れれば、また孤独な生活に戻ることになる。それなら最初から仲良くしないほうがいいと。そんな美月に、交通事故に遭ったものの成仏できないという自称幽霊の寿日和(繭)が取り憑いてしまう。内向的な美月に比べ、日和は幽霊と思えないほどポジティブな性格。優しい夕哉に恋心を抱いており、この想いが叶えられれば成仏できるとのこと。日和が憑依した美月は、素っ裸で夕哉の寝床に潜り込むなど“危ない妹”に大変身。しかも、股間には日和が成仏しないと外れないという貞操帯(T・S・T)が装着されている。ビザール調の貞操帯が、美月の股間で妖しい黒光りを放つのだった。  実写化するには、あまりにもベタすぎる『妹ちょ。』の世界。この企画を成立させるために呼ばれたのが、人気カメラマンの青山裕企氏だった。『スクールガール・コンプレックス』『絶対領域』『パイスラッシュ −現代フェティシズム分析−』などフェティッシュな写真集で知られる青山氏を監督に起用したことで、『妹ちょ。』は下世話なエロ映画になるギリギリのところでポップさと思春期の危うさを漂わせる作品に踏み止まった。共同監督を務めたのは伊基公袁(IGGY COEN)氏。日大芸術学部監督コース卒業、TVディレクターを経て、AV監督になったというプロフィールの持ち主。エロティックさとコメディを両立させる演出力が評価され、青山氏と共に監督デビューを果たすことになった。
imocho_movie02.jpg
両親が仕事で家を空け、美月は義兄の夕哉(小林ユウキチ)と2人っきりで暮らすことに。血は繋がっていないから近親相姦にはならない?
 青山監督のフェティッシュな世界観と伊基監督のコメディタッチの演出との相乗効果によって、橋本甜歌が演じるヒロイン・美月が3D映像のように二次元の世界から飛び出してきた。内向的な性格の美月と日和が憑依したことで萌えキャラに突然変異する、橋本甜歌の一人二役ぶりがとても自然に感じられる。陰と陽の二面性を持つキャラクター像は、いかにも10代の女の子らしい。また決して芝居がうまいわけではないが、橋本甜歌というタレントにとっても二面性を演じ分けることは自然なことのように映る。『天才てれびくんMAX』にレギュラー出演していた時期は“いい子”として愛され、その後はギャルブロガー“てんちむ”としてぶっちゃけキャラへと変貌を遂げた。多分、どちらも彼女のリアルな一面なのだろう。日和を演じたグラビアアイドル・繭の女性らしい成熟したボディに比べると、20歳そこそこの橋本甜歌の裸体はさほどエロスを感じさせるものではない。だが、ラストシーンで見せるヘアヌードには、思わずときめいてしまった。ヘアでこんなにも胸が高鳴ったのは、宮沢りえの写真集『サンタフェ』以来ではないか。  『妹ちょ。』や一連のR指定作品を手掛けているKADOKAWAの大森氏勝プロデューサーは、橋本甜歌を主演にキャスティングした経緯を以下のように語る。 「ヌード、しかもフルヌードになって、そこそこの製作費を回収できる女優さんを探さなくてはいけないのがこの手の企画の難しいところです。演技が巧くても無名では難しく、かといって有名な女優さんは無理。初脱ぎで、かつキャラクターがたっていて、知名度もある……ということをいつも念頭において探しています。『妹ちょ。』の場合は、妹っぽい属性をもった子でなくてはいけないので、タレント性がないと難しいのではないかと思っていました。そんな時、コンビニの成人誌のコーナーで、橋本さんのグラビアが掲載されている雑誌を見たんです。確か、赤いビキニを着て、まだ少女のような幼さの残る顔と胸、そしていまどきの長い足。とてもナチュラルなグラビアで、これまで見たことのないタレント性を感じました。主役の格がある、と一瞬で思ったんです。調べたら、子役で人気を博し、少女時代を綴った『中学生失格』がベストセラーになったてんちむ=橋本甜歌さんだと分かった。すぐスマホで調べて所属事務所に電話して、原作と企画書をもって伺ったところ、子役で有名だった彼女がギャルタレントから大人のナチュラルなイメージへ転身するのに、大きなきっかけを求めているタイミングだったんです。青山監督も伊基監督も彼女に会って、ぴったりだと印象をもった。そしてなにより、橋本さんが原作のファンで、ご本人が『やりたい!』という意思が明確だったのが、いちばんの決め手だったと思います」
imocho_movie03.jpg
自称幽霊の日和(繭)に取り憑かれた美月。原作やテレビアニメ版とは異なる映画版としてオリジナルの結末が用意されている。
 脱いでくれる女優なら「誰でもOK!」なわけではなく、企画の特性とイメージチェンジを図る女優側とのタイミングがうまくハマらないと映画として成立しないとのことだ。それにしても、メジャー系とは一線を画する角川映画のこの独自路線はどこまで続くのだろうか。7月19日(土)には、お菓子系アイドルとして人気を博した木嶋のりこ主演作『ちょっとかわいいアイアンメイデン』の公開が控えている。名門女子高の拷問部を舞台にしたR15作品で、YouTubeに予告編がアップされてすぐに削除されたというかなりの過激さが売りだ。エロくて、ポップでフェティッシュという新分野は果たして確立できるのか。ライトノベルというジャンルから直木賞作家・桜庭一樹ら本格派の作家たちが育ったように、表現の自由度が高いR指定路線から新しい才能が飛び出していけば面白い。サブカルシーンからメジャーへのジャンピングボードとしての機能を果たす新しい角川映画に期待しよう。 (文=長野辰次) imocho_movie04.jpg 『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』 原作/松沢まり 監督/青山裕企、伊基公袁 脚本/伊基公袁、港岳彦 音楽/ハジメンタル 主題歌/神前美月「HOW’S IT GOING?」 出演/橋本甜歌、小林ユウキチ、繭、矢野未夏、葉山レイコほか 配給/KADOKAWA R-15 5月17日(土)より池袋シネマ・ロサほか全国公開  (c)2014「最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。」製作委員会  http://imocyo.jp

東京直撃地震を的中させた、東大名誉教授が明言「今後注意すべきは岐阜県」

cover_gen20140524.jpg
「週刊現代」5/24号
今週の注目記事 第1位 「91歳の認知症夫が電車にはねられ、85歳の妻に賠償命令 実名と素顔を公開 この裁判官はおかしい」(「週刊現代」5/24号) 第2位 「スクープ! 人間ドック学会理事長がついに告白『高血圧なんて、本当は気にしなくていい』」(「週刊現代」5/24号) 第3位 「自民党元幹事長古賀誠インタビュー『右傾化速すぎ、危険な暴走だ』」(「週刊朝日」5/23号) 第4位 「消費増税の冷たい春に役人&議員だけが『賃上げ』に沸いている」(「週刊ポスト」5/23号) 第5位 「独占告白 杉良太郎『密室わいせつ演技指導』の口止め生録音テープ」(「週刊ポスト」5/23号) 第6位 「なぜ異端の東大名誉教授だけが東京直撃地震を予測できたのか」(「週刊ポスト」5/23号) 第7位 「札幌連続ボンベ爆発事件 北海道警『誤認逮捕』疑惑」(「週刊朝日」5/23号)  悔しい! 日曜日の競馬の話である。1番人気だが、1600メートルまでなら今一番強いと思うミッキーアイル(浜中騎乗)から馬単で7点流したが、17番人気のタガノブルグが2着に突っ込んできて馬券はただの紙屑になってしまった。  土曜日の京都新聞杯をハギノハイブリッドで的中させていたので、余勢を駆って一儲けと考えたのだが、競馬は一寸先は闇である。  一寸先は闇ということでいえば、北海道警が逮捕した「札幌連続ボンベ爆発事件」も闇が深そうである。  週刊朝日がこの事件を取り上げている。 「札幌市北区の商業施設や警察関連施設でカセットコンロ用ガスボンベによる爆発が相次いだ事件で、北海道警が道警官舎への爆発物破裂容疑で逮捕した無職・名須川早苗容疑者(51)の勾留理由開示の法廷が5月9日、札幌簡裁で開かれた。名須川容疑者の主張が始まると、その“爆弾発言”に法廷は凍りついた。『取り調べを受けていました』」(朝日)  札幌北署の駐車場で爆発が起きたのが、1月27日朝だった。名須川容疑者は別の窃盗事件の事情聴取のため、同署の取調室にいたと明かしたのだ。 「4月までの5件の爆発事件は同一犯としていた道警の主張が大きく揺らいだ瞬間だった」(同)  報じられているように、北海道内では名須川容疑者が逮捕されてからも、5月4日朝に道警の駐在所、6日には大型書店でガスボンベの爆発事件が発生している。  道警はこれについては模倣犯によるものと説明しているが、疑問は残る。名須川容疑者が語った1月27日の矛盾については、「取り調べを受けていたのは事実だが、5件が同一という見方は変わらない」としているが、こういう声もあると朝日は書いている。 「道警内からは、『もっと慎重にやればよかった。泥船だ』という声も漏れ聞こえる。拘留期限も迫っている。追いつめられた道警に、次なる一手があるのだろうか」  実に週刊誌的な事件だと思うが、取り上げている媒体は少ない。  さて、ゴールデンウィーク最中の5月5日朝5時18分。ゴルフに行こうと目が覚めたときドーンと下から突き上げられ、それからかなりの横揺れが続いた。  ついに首都直下型地震が来たかと思ったが、幸いなことにそこまでではなく、部屋のものも壊れはしなかった。  テレビをつけると首都圏を襲ったのはマグニチュード6.0で、千代田区では震度5弱を記録した。私の住んでいる中野区は震度4だった。だが東京・神奈川などで17人が負傷し、JRや私鉄などの交通網は終日混乱を来たした。  地震警報は震源が深すぎて鳴らなかった。地震調査研究関連の予算は年間100億円単位で投じられているというのに、いつまでたってもこれといった成果は上がっていない。  そんな中、地震研究の中枢からは大きく距離を置いているが、昨年からズバズバと地震予測を的中させている人物がいると、ポストが巻頭で報じている。これが第6位。  東京大学名誉教授で、1992~96年まで国際写真測量・リモートセンシング学会会長を務めた「測量学の世界的権威」である村井俊治氏だそうだ。  村井氏が顧問を務める民間会社JESEA(地震科学探査機構)が週一回配信する「週刊MEGA地震予測」で、4月9日号から3週にわたって、首都圏での地震発生の可能性を示していたというのである。  村井氏の手法は測量技術の応用だという。国土地理院は95年の阪神・淡路大震災を機に、各地のGPSデータを測定する「電子基準点」を全国約1,300カ所に配備しているという。これを使うそうだ。 「これほどのGPS網が張り巡らされている国は、世界でも日本だけです。このデータが02年から利用できるようになった。我々が00~07年に起きたマグニチュード6以上の地震162件全てのGPSデーターの追跡調査を行ったところ、地震の前に何らかの前兆現象が見られることに気がついたのです」(村井氏)  こうした分析に基づいて、昨年4月、淡路島で震度6弱の地震が発生したときも、その直後の4月17日に起こった三宅島地震(震度5強)も、東日本大震災の前にもその前兆をつかんでいたそうだ。 「しかしパニックになることを恐れて注意喚起ができなかった。その結果、1万8000人もの人々が亡くなられたのです。これは学者としての恥です。ですから名誉を失っても、恥をかいても、今後は自分の理論において異常なら異常と公表する、と決断した」(同)  そこで気になるのは、今後注意すべき地域はどこかということだろう。  村井氏が指摘したのは、ゴールデンウィーク中に群発地震が起きていた岐阜県だという。 「春先から飛騨・高山中心に20カ所くらいの電子基準点で大幅な上下動が観測されている。もっとも大きく動いているのは高山です」  当たってほしくはないが、気をつけるのに越したことはないはずである。  第5位は、ポストにしては珍しい芸能スキャンダルが入った。書き出しはこうである。 「身長178センチ、体重80キロ近い筋骨隆々の男は、両股を開いて座卓に腰かけ、目の前に正座させた若い女性を見下ろしている──69歳の男は芸能界有数の実力者、女は22歳の新人女優。おまけに彼女の顔色は真っ青だ。急性貧血でフラつく彼女を見下ろして男はこう命じた。 『もっと、こっちへ来い』  彼女は、少しだけ距離を詰める。 『もっと、もっとだ』  彼女は、おずおずと距離を詰める。顔の正面に、オレンジ色のジャージに包まれた男の股間が近づく。男は、彼女を強引に引き寄せると、閉じた唇に自らの唇を押し当てた。驚く彼女の頭を両手で押さえ、今度は閉じられた彼女の唇と上下の歯の間に、むりやり舌を差し入れディープキスを繰り返す。自らの左頬を、彼女の顔にピタリと付け、普段は聞かせない低く甘い声で、ささやく。 『好きって言ってみろ……。大丈夫。俺が守ってやる。俺だけを好きになって、俺の言うことだけを聞いていればいいんだ……』  彼女は硬直した」  杉良太郎は1944年、神戸生まれ。65年に歌手デビューし、NHKの時代劇『文五捕物絵図』の主役で人気を得た。その後、テレビ朝日の『遠山の金さん』で正義の味方として不動の人気者になり、その後、自ら座頭として数多くの舞台演劇を行い、来年で芸能活動50周年を迎える。  最近では社会活動でも広く世間に知られ、今年2月、安倍首相から感謝状を贈られている。長年、刑務所の慰問活動や、ベトナムの子どもたちに金銭的援助を行い、里親にもなっている。これまで、芸能界一の正義漢と目されてきたそうだ。  それだけに、彼女が受けたショックは大きかったという。先のことがあってから3日後の2月28日、彼女は杉に電話をしている。杉のマネジャーからかけるように言われたからだ。  彼女は自分の身を守るため、そのときの会話を録音した。その時間は約20分にもおよんだという。その中でこんな件がある。 「杉 言っとくんだけど、人には絶対言っちゃいけないんだよ。マネージャーに言ったりしてないの? おまえ」  ポストの電話取材に、杉は「演技指導」だと淡々と答えたという。男女の機微を知らない彼女の指導に、熱が入りすぎたというのだろうか。これからは、塾生たちみんなが見ている前で演技は教えたほうがいい。  安倍首相はゴールデンウィーク中に欧州歴訪をして大いに楽しんだらしいが、出発する前、代々木公園で開かれた連合主催の中央メーデー(4月26日)に出席し、こう豪語した。 「今、確実にデフレから脱却しつつある」  この発言に会場から「給料は上がってないぞ」というヤジも飛んだそうだが、安倍首相には現実が見えていないとポストが批判している。これが第4位。 「この4月から、国民への大増税とは逆に、国家公務員と国会議員の“賃上げラッシュ”が始まった。国家公務員の給料は平均8%引き上げられ、行政職平均のモデルケースでは月額約2万9000円、ボーナスを含めた年収では約51万円のアップだ。国会議員の歳費(給料)はもっと増え、5月分から月額約26万円アップ、年間421万円もの引き上げになる。 こうした大盤振る舞いは、『震災復興のために国民と痛みを分かち合う』と2012年から2年間の時限立法で実施されていた議員と公務員の給料削減を安倍政権が打ち切ったからだ」(ポスト)  しかし、震災復興は道半ばなのに早すぎる、という批判があるのは当然である。ポストはこう追及する。 「政府は東日本大震災の被害総額を16兆9000億円と試算し、5年間で19兆円の震災復興予算を組んで復興を終わらせる計画を立てていた。ところが、復興は遅々として進んでいない。にもかかわらず、19兆円のカネは2年あまりで底を尽き、安倍政権は新たに6兆円の国民負担を積み増しした。原因はシロアリ官僚たちが被災地とは関係ない天下り先の補助金や庁舎の補修、無駄な公共事業などの官僚利権を太らせるために復興予算を流用したからである。流用額は判明しただけでも2兆円を超える。ならば、そのカネは国家公務員の給料カットの継続で穴埋めすべきではないか。8%賃下げで捻出できる財源は年間およそ2700億円。彼らが流用した2兆円を穴埋めさせるために、あと7~8年、給与カットを続けるのが理の当然だろう」  民間サラリーマンは、大メディアが自動車など大手輸出企業のベースアップをあれほど煽ったのに、連合の集計(4月23日時点)では、春闘でベアが実施されたのは8752組合のうち、わずか5分の1(1818組合)に過ぎなかったのだ。 「アベノミクスによる本当の賃上げランキングは、1位が年収421万円増の国会議員、そして347万円アップの幹部外交官、さらに平均51万円アップの国家公務員で、民間サラリーマンは彼らの給料アップ分を消費増税で負担させられるだけなのである」(同)  まったく、ポストの言う通りである。  お次も、安倍首相批判の朝日の記事。2012年11月に政界を引退し、現在は派閥「宏池会」(岸田派)の名誉会長である自民党元幹事長古賀誠氏に「安倍首相の右傾化が速すぎる、危険な暴走だ」と言わせている。 「日本を取り巻く安全保障の環境が変わってきた、だから自衛隊の位置づけや憲法についての議論が起きてくることは否定しません。しかし戦後69年、あの荒廃から今日の繁栄がある根底に現行憲法があったということは紛れもない事実です。とりわけ憲法9条について私は『世界遺産』だと思っています。大切にしたいし、大切にしなければならない。歴代の政権も集団的自衛権については『憲法9条が許容する必要最小限の武力行使の枠を超えるもので行使しない』ことを長年積み上げてきました。それは非常に重たいものです。今は状況が変わって見直すというのであれば、定められた国会の手続きに従って憲法9条を改正してから、集団的自衛権の議論に入るのが本筋ではないか。政治は王道を歩むべきです。憲法解釈の変更というのは不十分な手続きだし、国民にとっても不幸なことだと思います」  古賀氏は2歳だった1942年(昭和17)年に父親が出征し、4歳の時にフィリピンのレイテ島で戦死した。焼け野原で苦しい生活を強いられた経験をした世代として、「平和ほど尊いものありません。憲法9条は絶対です。これらのことを次の世代に伝えていく責任があると思っています」と話している。  だが、安倍首相のチェックをするべき自民党が首相にへつらい、何も言わない。そんな自民党の中で野田聖子総務会長(53)が5月8日、国会内で記者団に「党内は必ずしも(集団的自衛権の行使容認に)一直線に行こうという人だけではない」と発言したのだ。  また、同日発売の月刊誌「世界」6月号のインタビューにも答えて「軍事的な役割を果たすことと引き換えに何がもたらされるのか、首相はもっと提示すべきだ」と注文をつけたのだ。それに対して、古賀氏はこう語っている。 「野田聖子は大したもんだよ。個人の意見というのではなく、総務会長という立場で総理にきちんと意見を言ったんですよ。党内ではなかなか言葉を発信できないけれども、みんなが何をいちばん心配してるのか──。彼女はそれを把握して総理にしっかり伝えたんです。上から言われたことを何でも『はい、はい』って言う人は、逆に頼りにならないじゃない。信用できないですよ。その点、野田さんは立派だと思います」  長老の野中広務氏や、かつてタカ派といわれた中曽根康弘氏も、安倍首相の右傾化には危惧しているという。もはやイエスマンばかりになった腑抜けた自民党の現職よりも、こうした長老たちに「安倍首相の暴走」を止めてもらうしかないのかもしれない。  日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が、4月初旬に発表した「新たな検診の基本検査の基準範囲」が大きな話題になっている。  この欄でも書いたが、そこに記されていた健康の基準値が現行の値とは大きく異なっていたためである。例えば高血圧の場合、従来の正常の上限値である129よりも大幅に緩い、147という新基準値が示されたのだ。  この問題はいち早く週刊ポストが取り上げたが、売れ行きがよかったらしく、各誌相次いでこの問題を載せている。週刊誌の読者層が健康に気を遣う団塊世代が多いことがわかるが、今週の現代は渦中の人間ドック学会理事長・奈良昌治氏(83)の直撃に成功している。これが今週の第2位。  奈良氏によれば「高血圧なんて、本当は気にしなくていい」んだそうだ。 「今回発表したのは500万人以上という膨大なデータに基づく数値ですから、精度には自信があります。しかし、すぐに基準値を緩めるというふうに誤解されてしまったことについては、説明不足であり、われわれの発表の仕方がよくなかった。反省しています」  奈良氏は、発表してから問い合わせが殺到し、日本高血圧学会や日本動脈硬化学会をはじめ、各専門学会からさまざまな「ご意見」をいただいたという。そこで、 「『今すぐ基準値を変えるべきだ』と言うつもりはありません。これから5~10年かけて、追跡調査を積み重ねていく予定です」 と、釈明している。基準値を緩められては患者を増産できない医療界、製薬会社、学会側からの相当な反発があったことがうかがえる。 「ここ数十年で、高血圧や高コレステロール、高血糖などの診断基準がどんどん厳しくなっているのは事実です。多少大げさに脅かしたほうが効果がありますし、日本など先進国では、コンビニやスーパーが普及して食べ物が簡単に手に入るようになり、肥満の人が増えている現状があります。ですから、現在の学会の基準が必ずしも厳し過ぎるとは思っていません。ただし、例えば血圧が130を超えたらすぐに『おクスリを飲みましょう』と言う医者は、いい医者とは思えませんね」 と、ジャブを放つのを忘れてはいない。血圧が高いからといってすぐにクスリを飲ませる風潮に憂慮し、その人間の体調や置かれた環境を考え、様子を見たほうがいいこともあるからだ。  昔は、場合によっては乳糖などでできた「偽薬」を出すこともあったという。病は気から、特に血圧は“気分”で上がったり下がったりするからだ。 「確かに以前は、高血圧は怖かったですよ。われわれが医者になった60年前は、日本人には脳出血が非常に多かった。ところが、今では栄養状態がよくなって血管が丈夫になり、血圧が上がってもそう簡単に血管は破れなくなった。むしろ血圧が下がったときのほうが危ないこともあるのです。(中略)特に人間は脳が心臓よりも高いので、脳に血液がいかなくなると深刻ですよ。駆け出しの医者が『血圧が高い、大変だ』ということでおじいさんにたくさん降圧剤を出すでしょう。すると脳に血がまわらず、あっという間にボケてしまう」  発表したこの基準値がすぐにこれまでのものと置き換わるのではなく、「ゆくゆくは、それぞれの学会と数値をすり合わせる必要も出てくるでしょう」という程度なのだそうである。  そんなことをされてはたまらないという“勢力”には、逆らえないということであろう。  ポストはその辺を見越して「『健康基準値』を操るだけで年間1兆円ボロ儲け 高血圧マフィアの『裁かれざる罪』」という特集の中で、カナダ人ジャーナリストのアラン・カッセルズ氏に「基準値変更の陰に大きな利権構造が存在する」と言わせている。 「アメリカでも最近まで、高血圧の基準値はどんどん引き下げられてきました。それにつれて、膨大な数の健康な人たちが病人の範疇に引き入れられることになった。たとえば、アメリカでは当初、正常な血圧の範囲は『上が140未満、下が90未満』とされました。その時点で約6500万人の“高血圧症患者”が出現することになった。さらに03年、『上が120未満、下が80未満』というガイドラインが策定されました。すると、一夜にしてさらに3000万人もの人たちが病気と判定された。“病人”が増えて得をする人たちは誰か。それは、患者たちを診察して処置を施す医師たちと、薬を売りつける製薬会社です。彼らは利益を生むための手段として、血圧の基準値を厳しくすることを利用してきた。まさに、『高血圧マフィア』と呼ぶにふさわしい利権構造です」  医療費を減らしたい厚労省の役人と、患者をつくりジャブジャブクスリ漬けにしたい医者と製薬業界のせめぎ合いは、新基準を「棚上げ」にすることで話がついたということなのだろう。  私のような血圧&血糖値の高い患者は、何も変わることなくクスリを飲み続けるしかないようである。  さて今週の第1位は、読者の素朴な怒りを代弁する重要な役割を果たした現代の記事である。  91歳の認知症の夫が電車にはねられ、85歳の妻に賠償命令が出た名古屋高裁の判決を取り上げ、現代は、この裁判官はおかしいと怒り、地裁、高裁の裁判官の実名と素顔を公開している。  事故が起きたのは、07年12月7日の夕方。愛知県大府市に住むAさんは00年から認知症の症状が出始め、この頃には要介護4と認定されるほど症状は進んでいた。  自分の名前も年齢もわからず、自宅がどこなのかも認識できない。昼夜を問わず「生まれ育った場所に帰りたい」と家を出てしまう。  それでも家族はAさんを必死に介護した。長男は月に数日、週末を利用して横浜から大府にやってきた。長男の嫁は単身、大府に転居し、義母と一緒に介護に当たったという。  それでも悲劇は起こった。妻がウトウトした隙にAさんは家を出てJR東海の線路に入り込み、快速列車にはねられてしまった。2万7000人の足に影響を与えたという。  だがJR東海関係者は、交通機関はこうした場合、機械的に遺族に損害賠償請求をするが、 「株主の手前、形式的に請求はしますが、本気で損害金を回収しようと思っていないケースも多い」 という。ところが今回、長門栄吉名古屋高裁裁判長は、妻に360万円の支払いを求めたのだ。  長門裁判長は、判決文の中でこう言っている。 「配偶者の一方が徘徊などにより自傷又は他害のおそれを来すようになったりした場合には、他方配偶者は、それが自らの生活の一部であるかのように、見守りや介護等を行う身上監護の義務があるというべきである」  私も、この判決を聞いたとき、それはないだろうと叫んだ。  だが、昨年8月の名古屋地裁の判決はもっとひどかったのだ。上田哲裁判長は、別居の長男にも720万円の賠償命令を下し、妻にも注意義務を怠ったと同額の支払いを命じたのである。  これからますます増える老老介護だが、こんな判決が出るのでは、認知症になった伴侶を殺して自分も死ぬしかないと思う老人が増えるはずだ。  25年前から認知症患者のケアをしている精神科医の和田秀樹氏も、こう憤る。 「地裁はAさんの4人の子供のうち、最も介護に腐心した長男の責任だけを認定しました。これでは、怖くて誰も親の面倒をみられなくなってしまう。正直者がバカを見ることになるからです。二審は妻の責任だけを認めましたが、老老介護の立場になったら、認知症になった連れ合いを捨てるか、心中してしまえと言わんばかり。家族の不安をひどく煽っています」  世間知のない裁判官ほど始末の悪い人間はいない。自分が老いていくことを考えたことはないのか。こういう裁判こそ、裁判員裁判でやるべきであろう。 (文=元木昌彦)

“聖なる儀式”としてのカニバリズム(人肉嗜食)! 伝統を尊ぶ一家に代々伝わる秘密のレシピ『肉』

nikumovie_main.jpg
田舎で暮らすパーカー家に伝わる“伝統料理”を題材にしたR18映画『肉』。みんなが同じ料理を食することで、家族の絆を固めている。
 降雨のシーンは映画の中で“浄化”を意味する。米国・ニューヨーク州郊外にある小さな田舎町を舞台にしたR18映画『肉』は、冒頭で延々と雨が降り続ける。よほど浄化されなくてはならない深い罪がこの町には隠されているらしい。この町では昔から行方不明者が後を絶たない。残された家族の悲しみが豪雨となって降り続けているかのようだ。氾濫した川は土砂を押し流し、深く埋められていた白骨死体が発見される。死体を調べてみると、人為的に解体され、しかも茹でられていることが分かった。静かなこの町には食人鬼がいる……! そして、この町は身を潜めて暮らす食人鬼にとって格好の狩猟場だったのだ。  子どもの頃に昔話『かちかち山』を読んで、おじいさんが“ばばぁ汁”を「おいしい、おいしい」と飲むくだりに衝撃を受けた人は少なくないだろう。楳図かずおの人気コミック『漂流教室』でクラス委員の大友くんが死んだ仲間を丸焼きにして食べるシーンはトラウマ級のインパクトがあった。人間が人間を食べる“カニバリズム”は、現代人が最も忌み嫌うタブー中のタブーだ。それゆえ、文学や映画の題材としてたびたび取り上げられてきた。武田泰淳原作の『ひかりごけ』(92)やイーサン・ホーク主演作『生きてこそ』(93)は実在の事件を再現し、人間の脳みそをソテーする『ハンニバル』(01)は大ヒットした。それこそホラー映画には多数の食人鬼が登場してきたが、トランスフォーマー配給の『肉』(原題『We Are What We Are』)が興味深いのは、カニバリズムを土着信仰や食文化の側面からアプローチしている点にある。
nikumovie_sub1.jpg
母親が亡くなり、パーカー家の伝統行事を受け継ぐことになったアイリスとローズ。幼い頃は当たり前だと思っていた習慣が姉妹を苦しめる。
 降り続ける豪雨の中、昔ながらの質素で慎ましい生活を送っているパーカー家のエマ夫人が不意に亡くなる。地元の医師は亡くなる直前のエマの手足がパーキンソン病の患者のように震えていたこと、またエマの死体を検死したところ、脳が部分的に萎縮していたことを知る。ニューギニアの奥地で暮らす食人族が狂牛病によく似た症状を患っていたのによく似ている。一体、パーカー家の人々はどんな食生活を送っているのだろうか。  母親のエマを失い、パーカー家の子どもたちは動揺していた。パーカー家では毎年この時期に断食を行ない、断食明けには家族そろって晩餐を囲むことになっている。晩餐用の料理は、これまでずっとエマが用意してきた。厳格な父親フランク(ビル・セイジ)は、うら若い美人姉妹アイリス(アンビル・チルダース)とローズ(ジュリア・ガーナー)に、エマに代わって晩餐の準備をするように命じる。地下室に繋がれた“生け贄”を屠殺し、食肉として調理しなくてはならないという、少女たちにとっては過酷すぎるパーカー家の伝統儀式だった。  パーカー家の人々が人肉を食するようになったのは、アメリカが独立して間もない18世紀後半にまで遡る。新大陸に移り住んだものの、未開の土地でパーカー家の先祖たちは食べる物に困り、餓死寸前だった。森へ出掛けた叔父が戻らず、そして体が衰弱していた母も姿を消した。代わりに新鮮な肉がそこには残されていた。こうしてパーカー家は苦難の時代を生き延び、その後は身内以外から生け贄を探し出して現在に至っている。パーカー家にとって食人行為は、一族の繁栄と家族の絆を確かめ合う大切な儀式だったのだ。父親に逆らうこともできず、まだ幼い弟もいるため家から逃げ出すこともできず、アイリスとローズは初代パーカーが書き残した秘伝のレシピを参考に人肉料理に取り掛かる。
nikumovie_rose.jpg
次女ローズを演じたジュリア・ガーナー。「ホラー映画は苦手だけど、この作品はシリアスな家族の繋がりを描いたユニークな作品」と語る。
 過酷すぎる宿命を背負ったパーカー家の長女アイリスを熱演したのは、『ザ・マスター』(12)で新興宗教の教祖一家の娘役を演じたアンビル・チルダーズ。アンビルは「モルモン教の家庭で育ち、子どもの頃の境遇によく似ていたわ。とても厳しい家で、家族の団結は強かったけれど、友達はできなかった」と自身の少女時代を振り返っている。次女ローズを演じたのは、カルト集団による洗脳の恐怖を描いた『マーサ、あるいはマーシー・メイ』(11)で女優デビューを果たしたジュリア・ガーナー。青白い顔が『ビートルジュース』(88)の頃のウィノナ・ライダー、『アダムス・ファミリー』(91)のクリスチーナ・リッチーを彷彿させる美少女だ。本作への出演を「チャレンジが好きだし、こういう変わった役をやるのは刺激的だった。怖いといえば、すべて怖かった(笑)。でもある意味、そのためにこの仕事を選んだようなものだから。怖いと思うからこそ、エキサイトしてチャレンジしたくなるのよ」と話す。これからの飛躍が期待できそうな逸材である。近代文明を拒絶した生活を送るアーミッシュを世間に知らしめた『刑事ジョン・ブック 目撃者』(85)のケリー・マクギリスが隣人役なのも興味深い。  厳粛なる儀式としてのカニバリズムを描いた本作を観ていると、キリスト教における“聖体拝領”を思い浮かべずにはいられない。カトリック信者たちが分かち合うパンはイエス・キリストの肉を、ワインはキリストの血を意味している。愛する者と一心同体化したいという願いがそこには込められている。アイリスとローズもまた、家を出ていく前に最後の晩餐を開くことを決意する。最後の晩餐の席で注がれるワインは、かつてなく濃厚で生温かい。生きていく覚悟と狂気が隠し味となったパーカー家最高のディナーが始まろうとしていた。 (文=長野辰次) nikumovie_sub2.jpg 『肉』 脚本/ニック・ダミチ、ジム・ミックル 監督/ジム・ミックル 出演/ビル・セイジ、アンビル・チルダーズ、ジュリア・ガーナー、ジャック・ゴア、ケリー・マクギリス  配給/トランスフォーマー R18+ 5月10日(土)より新宿武蔵野館にてレイトショーほか全国順次公開 ※新宿武蔵野館では手軽に楽しめる「肉食割引」「超人割引」を実施! (c)2013 We Are What We Are, LLC. http://niku-movie.com

ビッグダディは本当にビッグなのか 『バイキング』(5月6日放送分)における全言動を徹底検証!

bigdady0509.jpg
『ダディから君へ』(太洋図書)
毎回、1人の「バラエティタレント」にスポットを当て、地味ながらも優れた彼らの仕事ぶりを考察する連載。  強い父親が日本にいなくなって久しい。男はみな一様に草食化し、「イクメン」という耳ざわりだけが良い言葉がもてはやされる昨今。そんな日本社会に喝を入れるべく芸能界に飛び込んできたのが、ご存じビッグダディこと林下清志。身長以外はすべてビッグなこの男に、テレビ業界が飛びつかないわけはなく、この4月からスタートしたフジテレビ系『バイキング』の火曜レギュラーに抜擢されたのだった。  『バイキング』。フジテレビの命運を賭けたこの船に、強い男の代名詞でもあるビッグダディが選ばれたのは、言わば必然だったのかもしれない。もしくは「バンダナ姿が船乗りっぽいから」というシンプルな理由だけで選ばれた可能性もなくはないが、いずれにせよビッグなことだ。昼の帯番組のレギュラー出演というビッグな仕事を勝ち取っただけで、ビッグダディのビッグっぷりがよく分かる。  しかし聞くところによると、ネットなどでの評判は必ずしも良くないようだ。「全然しゃべってない」「置物みたい」という声も聞く。そんなバカな。それじゃ、全然ビッグじゃないじゃないか。本当はスモールなのか、ビッグダディ。というわけで筆者は、5月6日に放送された『バイキング』における、ビッグダディのすべての言動を検証してみた。そこで浮かび上がった結論とは……。  ビッグダディは、やっぱりビッグだった。 <12時00分>  この日はゴールデンウィークの最終日ということもあり、いつもは週替わりで出演しているEXILEのTAKAHIROとNAOTOがそろって出演。しかし中央に立つ2人よりも、一番下手にいるビッグダディが真っ先に目に飛び込んでくる。なぜだ? その理由はすぐに分かった。極端に背が低いため、逆に目立つのだ。やはりビッグだ。目立ち方がビッグである。そして、無表情のまま、ものすごく大きな音を立てて拍手しているビッグダディ。ADよりも大きな音で拍手をする出演者を、初めて見た。拍手もビッグだ、ビッグダディ。だがオープニングで、特に話を振られることはなかった。 <12時02分>  祝日ということもあり、今日のゲストは子役の小林星蘭ちゃんと谷花音ちゃん。ゴールデンウィークは何をしていたかという問いに対して、2人とも「仕事で忙しかった」と答えてトークは盛り上がる。そこで平成ノブシコブシ・吉村が動いた! 「うちのダディちゃんは何してたんですか?」 来たぞ、ビッグダディ。良いフリだ。2人の小学生が忙しかったという話のあとだ、「こっちはヒマでテレビばっかり見てましたよ!」とかなんとか答えればそこそこのウケが保証されている。さあ行け、ビッグダディ! しかし、ビッグダディはこう答えた。「……地味に仕事してましたよ」。笑いを取りに行く声のトーンなどは一切なく、「おじさんがおじさんの質問に答える」ときの普通のテンションだった。視聴者の予想をビッグに裏切ってくれた。さすがだ、ビッグダディ。 <12時06分>  Yahoo!での検索数が急上昇した単語から、最近のニュースを紹介して出演者がコメントするコーナー。ビッグダディはここでもビッグな態度を崩さない。世界卓球の話題になったら「結構アツかった」と、あまりにも普通すぎるがゆえに、逆にビッグに思えてしまうコメント。静岡県で壁画が発見されたというニュースの際は「静岡県民歴は11年もあります」と、ビッグな事実を明らかにするものの、そこから一切話題を膨らませようとしないのがビッグダディ流。このビッグな控えめさが、ビッグダディの魅力なのだ、きっと。  そして、どうか驚かないでほしい。ビッグダディはこの後、実に37分間にもわたって無言を貫いた。なんてビッグな精神力なんだ、ビッグダディ。いくらビッグとはいえ、テレビの出演者が37分間無言って、そんなビッグなことが許されるのか。許されるのだ。なぜなら、ビッグダディなのだから。この時間のトークテーマは「子どもの間で最近流行ってるもの」だったから、父親として息子や娘の間で流行ってるもの、流行ったものとか、そんな話いくらでもあるだろと思うのだが、そうはビッグダディの問屋がおろさない。会話に参加しようというそぶりさえ一切見せずに、悠然とした態度で座っている、その堂々とした雰囲気に、ビッグダディのビッグな真骨頂を見た気がする。それが許されるからこそ、ビッグダディはビッグダディなのだ。 <12時43分>  この日、ビッグダディの最後のビッグな見せどころがここだった。最近話題のブレイブボードという、乗るのがちょっと難しいスケートボードのようなものが紹介され、出演者が挑戦する流れに。ここでビッグダディがアオられる! 完全に素で嫌がるビッグダディだったが、ノブコブ吉村が強引に連れて行き、ブレイブボードに初挑戦! ビッグダディのビッグなリアクションが見られるに違いない! 誰もがそう信じる中、ビッグダディはブレイブボードに足をかけた……。そして、すぐに足を踏み外して、こう言った。「……いや、無理ですよ……」。ものすごく普通の、49歳男性の感想だった。ここまで普通だと、逆にビッグだ。そう、『バイキング』におけるビッグダディは、最後までビッグであった。 【検証結果】  番組に出演しながらも一切自分からは面白おかしくしようとせず、ただ堂々とそこにいる、という姿勢はまさしくビッグダディならでは。「俺はこういう人間だ!」というビッグダディイズムを、ビッグダディは今日も貫いている。ただひとつ、気になることがあるとすれば、あまりにもビッグすぎるのでテレビという枠におさまるスケールではないのではという気はしないでもない。『バイキング』という船をどうやって操縦していくのか、ビッグダディのビッグな今後に期待したい。 (文=相沢直) ●あいざわ・すなお 1980年生まれ。構成作家、ライター。活動歴は構成作家として『テレバイダー』(TOKYO MX)、『モンキーパーマ』(tvkほか)、「水道橋博士のメルマ旬報『みっつ数えろ』連載」など。プロデューサーとして『ホワイトボードTV』『バカリズム THE MOVIE』(TOKYO MX)など。 Twitterアカウントは @aizawaaa