“燃え尽き症候群”から大逆転の代表選出 サッカー大久保嘉人を奮起させた、父の遺書

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『情熱を貫く』(朝日新聞出版)
アスリートの自伝・評伝から読み解く、本物の男の生き方――。  2010年6月29日、サッカーW杯・南アフリカ大会。パラグアイとの一戦で、日本代表はPK戦の末に敗れた。日本代表にとって初となる決勝トーナメント進出を懸けた戦いだったが、あと一歩のところで、ベスト8の称号はするりと逃げていった。そして、初めて日本代表としてW杯に出場した大久保嘉人の戦いも終わった。 「俺、もう代表はないから」(『情熱を貫く』朝日新聞出版)  日本代表の青いユニフォームを脱いだ大久保は、妻に向かってこう語った。W杯で持てる力のすべてを出し尽くし、すでにその精神は限界を迎えていたのだ。  日本に帰国した後、大久保は、ひどい倦怠感に襲われた。ボールを蹴ることも、走ることもできなくなり、慌てて病院で検査を受けるも、体調に問題は見当たらない。カウンセリングの結果、医師は、大久保に「オーバートレーニング症候群」という診断を下した。それは、別名「燃え尽き症候群」とも呼ばれている心の病。人生を懸けた戦いの後には、これまで味わったことのないような苦しみが待っていたのだ。  サッカーができなくなってしまった彼は、過去に痛めた左膝半月板の手術をし、療養先として長崎県・五島列島を選んだ。テレビも見ず、携帯電話の電源を切った大久保の目的は、左膝以上に、心を治療することだった。豊かな自然に囲まれた五島列島に、大久保は逃げ場を求める。そうしなければ、心がもたなかったのだ……。  サッカーに携わる誰もがそうであるように、大久保もW杯の大舞台に憧れていた。1994年に開催されたアメリカ大会。ブラジルのロマーリオ、イタリアのバッジョ、アルゼンチンのマラドーナ、世界最高のスター選手たちが、小学6年生の大久保を魅了していた。そして、彼らに魅了されたのは大久保だけではなかった。父・克博もまた、W杯という檜舞台のとりこになった。いつしか、親子は「W杯出場」という夢を抱くようになった。  だが、大久保は、2006年のドイツ大会の日本代表の座を、あと一歩のところで逃してしまう。悔しさに打ちのめされながら、テレビの前にかじりつき、1分2敗で戦いを終えた日本代表の姿を見る。そして、2010年までの4年間を、日本代表の座をもぎ取るために捧げることを決心したのだった。ドイツ・ヴォルフスブルクに移籍したにもかかわらず、出場機会が少なかったことから、わずか半年で帰国。世間から「失敗」という目で見られても構わない。彼はブンデスリーガに所属するという名誉よりも、W杯でベストパフォーマンスができるよう、日本のクラブチームを選んだのだ。  そして2010年、岡田ジャパンの一員として、大久保は念願のW杯初出場を果たした。出国前日、「後悔のないように。頑張ってこい」そう言って父は息子を送り出す。父は、その試合を、酸素マスクをつけながら病室のテレビで見ていた。その時、父の体はがんに侵されていたのだ。  そして、大久保は、南アフリカ大会で日本代表のすべての試合に出場した。ゴールネットこそ揺らすことはできなかったが、その夢は現実になったのだ。そして、夢の後遺症は大きくのしかかった。 「お前はバカか!」 「そんなことは、あっちゃならん!」(同)  大久保が代表引退の意向を伝えると、酸素マスクをした父は、息子を怒鳴りつけた。彼にとって、息子の弱音は何よりも我慢ならなかったのだ。けれども、心に穴が開くほど深い倦怠感にとらわれた大久保には、もう、青いユニフォームを着て走るモチベーションは残されていない。 「お父さん、ごめん。俺はもう、これ以上、走れない」(同)    大久保は、そんな言葉をそっと胸にしまった。何年もがんと戦っている父に向かって言える言葉ではなかったのだ。  南アフリカ大会から時を経て、大久保の精神は徐々に回復。なんとかサッカーをできるレベルにまではたどり着いた。所属していたヴィッセル神戸では中盤を任されることも多くなり、プレーの幅も増えていく。しかし、FWとして、得点を挙げ続けてきた大久保には、釈然としない気持ちが残っていた。大久保は、2013年、愛着のあるヴィッセル神戸から川崎フロンターレに移籍。そして、移籍から3カ月後、父は静かに息を引き取った。  危篤の知らせを聞いた大久保は、試合を終えると一目散に故郷である小倉に向かった。父は、大久保が病院に到着すると、まるでそれを待ち構えていたかのように昏睡状態から目を覚ます。医師が言うには、それは奇跡のような出来事だった。しかし、奇跡も二度は続かない。父が亡くなったのは、大久保が到着した翌日の5月12日午後1時33分だった。  最愛の父の病室を片付けていると、姉が白い封筒を持って立っていた。テレビ台の引き出しの2段目に入れられていたその封筒の中には、病床の父が書いた、震えた文字が記されていた。 「日本代表になれ 空の上から見とうぞ」(同)  幼少の頃、大久保の家庭は、その日の食事に困るほどの貧しい家だった。にもかかわらず、父は借金をしながら、サッカーの名門・国見高等学校サッカー部総監督だった小嶺忠敏が作った「小嶺アカデミースクール」に入る大久保の背中を後押しした。父は、その人生を、息子がサッカー選手として活躍するという夢に懸けたのだ。父の最後の言葉は、再び大久保を奮起させた。目標を得た大久保は、初めてJリーグの得点王に輝き、誰もが認める活躍を収めていった。もう一度日本代表に、もう一度W杯に――。それは大久保の願いであり、父の願いでもあった。  父の命日である2014年5月12日、ザッケローニ監督が読み上げた代表メンバー23人の中に、大久保の名前はあった。   ブラジルの空の上で、父は背番号13を見守っているだろう。 (取材・文=萩原雄太[かもめマシーン])

朝日新聞「吉田調書」をめぐる報道から考える、大メディアの影響力

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「週刊ポスト」6/20号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位 「朝日新聞の『吉田調書』スクープは従軍慰安婦虚報と同じだ」(「週刊ポスト」6/20号) 第2位 「『スマホ1日1時間以上』で子供の成績が下がる!」(「週刊文春」6/12号) 第3位 「W杯目前に緊急手術発覚!本田圭佑 本誌が報じていた『深刻な病名』」(「週刊文春」6/12号) 「実は『1次リーグで敗退濃厚』のブルーな現実」(「週刊新潮」6/12号) 第4位 「“便乗値上げ”摘発リストを公開する」(「週刊ポスト」6/20号) 第5位 「山岸舞彩“本命アスリート”『深夜キス&抱擁1時間』撮った!」(「週刊文春」6/12号) 第6位 「北朝鮮拉致再調査 安倍側近が漏らした『帰国候補者』の名前」(「週刊文春」6/12号) 「日本政府が『横田めぐみさん』生存を絶対確信する証拠」(「週刊新潮」6/12号)  まず、今週の週刊現代と週刊ポストを見比べ、違いについて書いてみたい。現代の巻頭特集は「『人口4300万人』ああニッポン30年後の現実」、ポストは「朝日新聞『吉田調書』スクープは従軍慰安婦虚報と同じだ」。私はポストの記事を1位にあげたが、それは大メディアの報道の怖さを検証した重要性を勘案した結果である。  現代のほうも大テーマではあるが、今この時期にやらなければならないことかどうか疑問が残る。現代はそのほかに、日産ゴーンの年棒10億円に疑義を呈し、霞ヶ関の7月人事の動向や映画『アナと雪の女王』がなぜ空前の大ヒットしたのか、出生前診断で間違えた医者の責任をどう考えるかなどが載っている。  ポストは“便乗値上げ”摘発リストを公開したり、森永卓郎氏他に「認知症予備軍テスト」を受けさせてみたり、定年男たちに「オレたちを無職と呼ぶな!」と怒らせたりしている。  ジェネリックバイアグラを使って「仁王立ち!」はご愛敬で、W杯のSEX得点王は誰かはひねりすぎの企画ではあるが、読者の身近な関心や疑問、怒りに答えるのが週刊誌の大きな役割だとすれば、ポストのほうに軍配を上げないわけにはいかない。  だが週刊誌、それも出版社系週刊誌で、安倍首相が「集団的自衛権の閣議決定を今国会中にやってしまう」という暴挙を批判、反対する記事がほとんどないのは残念だ。日本が大きく間違った方向へ舵を切ろうというのに、週刊誌がいま、無気力であっていいはずはない。  さて、安倍首相は「北朝鮮政府との間で、拉致被害者を含むすべての行方不明者の全面的な再調査で合意した」と発表し、経済制裁の一部解除に踏み切ったが、焦点は横田めぐみさんが帰ってくるかであろう。  週刊文春では、めぐみさんが帰ってくる可能性があると報じている。  元警察最高幹部によれば、そもそも北朝鮮の言う再調査など必要ないという。 「北朝鮮では外国人、中でも日本人は、保衛部が所在を完全に把握している。あとは交渉に応じて『誰をどの順番で出すか』だけの話です。おそらく、一度に複数の被害者は帰さず、『小出し』にしてくるでしょう」  しかし、北朝鮮側がすでに死亡していると言っていためぐみさんが帰ってくれば、日朝関係が激変する可能性もある。安倍総理の側近は、期待感を露わにしてこう語っている。 「じつは官邸は、横田さんの件で『ある感触』を得ています。モンゴルでウンギョンさんに会わせたのも、そのシグナルのひとつと見ています。めぐみさんを帰すことで、北が一気に日本との距離を縮めてくる可能性も否定はできません」  週刊新潮に至っては「再調査で4人帰る」とし、日本政府はめぐみさんの生存を「絶対確信している」と報じている。  当初、北朝鮮は彼女について、うつ病で精神が不安定になり、93年3月、病院で自殺したと説明していた。もっとも、死亡証明として提出してきた証拠は嘘にまみれていたが、拉致問題に取り組んだ実績のある閣僚経験者はこう力説する。 「少なくとも2012年の段階では、外務省も拉致問題対策本部も、めぐみさんは生存していると確信していました。というのも、日本政府は、拉致問題の全容を把握する極めて有力な大物幹部を情報源に持っていた。その大物高官が、“生きているのは間違いない”と断言していたからです」  だが、帰せないのだという。 「めぐみさんを含め、向こう側が死亡認定した拉致被害者を返還できないのは、国家機密に関わる情報を知る“大事な人”だからです。とりわけ、めぐみさんは、“ロイヤル・ファミリー”の中枢部分すら垣間見てしまっている。(中略)彼女は94年からの2年間、金正日の次男・正哲、そして当時10歳で、今や権力を継承した三男・正恩の日本語家庭教師を務めていた」(「救う会」の西岡力会長)からだというのだ。  にわかには信じがたい「めぐみさん帰還説」だが、北朝鮮側が日本に歩み寄ってカネをせしめ取ろうというのだから“可能性”はあるような気もする。  だが、安倍首相は焦って前のめりになる前に、曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんの「忠告」にも耳を傾けたほうがいい。 「北が日本との交渉に応じるのは、日本から何がもらえるかを見通しているからだ。(中略)安倍総理に電話して、“北朝鮮はいつもお前を利用しているぞ!”と警告したい。私は北に39年もいたんだ、北のやり方は知っている。安倍総理には、こう言いたい。“北朝鮮が結果を持ってくるまで、何一つあげるんじゃない”と。北は受け取れるものを先に受け取って、最後にこう言うだろう。“拉致被害者は見つかりませんでした”と」  次は、文春の張り込みネタ。人気女子アナ(なんだそうだ)・山岸舞彩が男と車内で接吻をしていたというのだ。 「五月二十二日午前〇時四十分。『NEWS ZERO』の放送後、日本テレビを後にした山岸舞彩(27)。その夜、彼女は自宅には直帰せず、送迎車は近所のファミレスの駐車場に滑り込んだのだった。クルマを降りた山岸は、しばらく送迎車を見送ると、店の入り口ではなく、駐車場内の一台のクルマに向かって歩いていく。(中略)エンジンを切った車内で待っていたのは、小誌記者も見覚えのないイケメン男性だ。(中略)山岸がシートを倒すと、男性は一気に彼女の肩に手を回した。じゃれ合う二人の距離がどんどん近づき、遂には“ZERO”に──。深夜一時十分、二分間もの熱烈なキスを交わした二人。その後も、互いの首や背中に手を回し、絡みつくような熱い抱擁が始まった。途中で身体が離れそうになるが、今度は山岸の方から口付ける」(文春)  文春の取材によると、彼はアイスホッケー選手の菊池秀治(27)。身長174センチ、体重84キロで、ポジションはディフェンスだそうだ。がっちりした分厚い胸板と、丸太のような太ももが特徴のアイスホッケー界のスター選手。  2人とも東京生まれの東京育ち。2人の接点は6年前にさかのぼり、山岸が08年にゼビオグループのCMに出演し、10年1月には同社提供のスポーツ番組で菊池と共演したことからだという。  菊池の知人がこう話す。 「秀治は今年の初めまで、同じ大学出身の元フィギュアスケーターと交際していました。でも、確かに山岸さんは顔も体も彼のタイプ。彼は特にお尻フェチなんですよ(笑)」  文春が山岸に直撃して、「菊池さんとお付き合いをされているんですね」と聞くと、こう答えている 「ああ、その件はまだ何もお答えすることができないので……。ここまで来ていただいて申し訳ないんですけど、ちょっとお答えすることができないんです」  肉食系と言われる彼女らしくない戸惑った受け答えだが、恋をすると女は弱くなるのか?  ところで読者諸兄は、このところ物価がどんどん高くなっていると思わないだろうか。消費税分が値上がりしたのは仕方ないとしても、「便乗値上げ」が過ぎると思うのだが。そうした怒りを、ポストが代弁してくれている。これが今週の第4位。 「消費増税を機に、あらゆる商品の“便乗値上げ”が広がっている。今年4月の消費者物価の上昇率は3.2%(前年同月比)に達した。『税率が3%も引き上げられたのだから仕方ないか』そう考えるのは間違いだ。消費税には非課税品目があるため、税率のアップがそのまま物価上昇率になるわけではない。日銀は消費増税の物価上昇率の影響を1.7%と試算している。差の『1.5%』、つまり物価上昇の半分近くは増税のタイミングに合わせて商品価格そのものが値上げされたといっていい」(ポスト)  私も一番怒っているのは、スーパーでも「外税」がまかり通っていることである。 「4月の増税実施当初、消費者がうっかり勘違いさせられたのが値札の『内税』から『外税』表示の変更だった。スーパーに行くと、それまで『105円』(税込)と表示されていた商品に同じ値段の値札が付いている。『価格据え置きなんだ』なと思って買ったら、精算のときレジで『113円です』と言われる。よく見ると、レジの脇に、〈当店の価格は全て税抜き表示となっています。レジ精算時に別途消費税相当額を申し受けます〉(中略)政府が今回の消費増税にあたって、企業や商店が価格転嫁をしやすいように、従来は禁止されていた『外税』表示を期限付きで認める措置を決めたからだ」(同)  こうした姑息な手を使うのは許せん。その上、公共料金の値上げがラッシュだ。 「自治体では、札幌市が4月から小学校の給食費を月額250円(6.8%)上げたのをはじめ、練馬区や文京区も値上げ。JRや東京メトロ、都営地下鉄も初乗り料金を10円値上げした(ICカードを使用しない場合)。いずれも消費増税分以上だ」  ICカードを使用しないでJRやバスに乗ると、3%ではなく5%の値上げになる。これを便乗値上げと言わなくてなんと言う。  初診料(窓口負担は3割)は、4月の診療報酬改定で2,700円から2,820円に引き上げられた。4.4%もの大幅値上げになる。  日本大学、早稲田大学、明治大学など私大の授業料も上がり、この7月からは国と民間損保が共同で運営する地震保険の保険料は最大で30%も上がるそうだ。  まだまだある。光熱費である。すでに東京電力の料金は、原発が一基もない沖縄電力を上回っている。このペースでは、中部電力や関西電力などの料金も沖縄を超えるのは時間の問題で、最初から原発がなかった沖縄が全国で最も電気代が安いということになりかねないのである。都市ガス各社の料金も、7月は3月から比べると376円アップ(東京ガス)になる。  安倍内閣や財務省、大企業の「詐欺」のような手口に対して怒らない“羊のような日本人”を叱咤するのは週刊誌しかない。ポスト頑張れ!  さて、いよいよサッカーW杯が始まる。強化試合のコスタリカ戦、ザンビア戦に逆転勝ちして意気上がる日本代表だが、文春に気になる記事がある。  6月2日発売の日刊スポーツが、サッカー日本代表の本田圭祐(27)が手術をしていたと報じたが、文春によれば、以前同誌が報じたバセドウ病の手術だというのだ。  帝京大学医学部名誉教授の高見博氏は、こう言っている。 「この手術痕であれば、バセドウ病と考えて間違いないでしょう。傷が正中にあるので、腫瘍とかそういう類ではありません。(中略)バセドウ病になると、本来は激しい運動は控えないといけない。(中略)本田選手の様なアスリートの場合は運動を前提にしている。メルカゾールなどの抗甲状腺剤を服用してプレーしていたのでしょうが、本当に大変だったと思います」  チームの大黒柱だけに、気になる情報ではある。  新潮も、メディアの前評判はいいが「実は1次リーグで敗退濃厚」だと、お祭り騒ぎに冷水を浴びせている。 「5月8日に発表された最新のFIFAランキングによれば、日本は47位。これに対し、1次リーグ対戦相手の3カ国はそれぞれ、コートジボワール21位、ギリシャ10位、コロンビア5位と、すべて“格上”だ。それどころか出場32カ国中、日本は豪州、韓国、カメルーンに次いで4番目に低い序列にあるのだ」(新潮)  スポーツ誌サッカー担当記者が、こう解説する。 「FIFAランキングの算出法は99年、それまでの試合を重ねると順位が上がっていくシステムが改正され、06年には地域間の不公平も是正されたことで、より実力に近い順位が出されるようになりました。“3連勝で1位通過”といった報道もありますが、普通に考えれば3連敗しても不思議ではなく、日本が1次リーグを突破するだけでも驚きといえるのです」  そう甘くはないことは、確かであろう。  さて、スマホはすっかり生活必需品になったが、道路や駅でスマホを見ながらノロノロ歩く若い連中を見ると腹が立つのは私だけだろうか。  私は、早稲田大学の学生が多く降りる駅からオフィスに通うから痛感するのだが、電車を降りてから改札を出るまでの間もスマホの画面を見ながらフラフラ歩く学生たちに、毎朝イライラさせられている。  文春にスマホを1日1時間以上見ている子どもは成績が下がるという特集があるが、私に言わせれば当たり前である。だが読んでみると、ちょっと視点が違うようだ。  山梨県の公立中学校の教師が、こう語っている。 「保護者から『スマホやめろと言ってもやめない。どうすればいいのか』という相談を受けることは珍しくありません。子供のスマホに頭を悩ませている保護者は本当に多い。使用時間の聞き取り調査を行っていますが、一日七時間以上と答える生徒が全学年にいました。私が調べたところ、スマホを一日二~三時間使う生徒の試験の点数は、平均的に八点ほど下がる傾向にありました」  これは当然であろう。「脳トレ」の監修を手がけた川島隆太教授らの調査結果によると、 「これまで、成績が悪い生徒は『スマホを長時間いじっていて勉強の時間がないから』と考えられてきました。ところがまったく違う結果が見えてきたのです。つまり、家でちゃんと勉強している生徒でも、スマホを使う時間が長ければ、家で勉強しない生徒よりも学力が下がっている傾向が統計的に表れたのです」  平日に2時間以上家庭で勉強している層のグラフで比べると、スマホの利用時間が1時間未満の生徒の平均点が75点に対し、4時間以上利用する生徒の平均点は57.7点と、17.3点の開きが出たそうだ。  勉強時間が30分未満の層では、スマホの利用時間が1時間未満の場合が63.1点、スマホを4時間以上利用する生徒は47.8点と、15.3点の差がついたという。  つまり、2時間以上勉強してもスマホを4時間以上使っていると、勉強は30分未満だがスマホの利用時間が1時間未満の生徒の方が平均点が高いという結果が出たのだ。  この調査は、仙台市の私立中学生約2万4000人に対して行われた「仙台市標準学力検査」と「仙台市生活・学習状況調査」を元に分析されたそうだ。  川島教授はその理由をこう語る 「テレビを見たりテレビゲームをしている時、脳の中の前頭前野という部分は安静時以上に血流が下がり、働きが低下することが分かっています。また、ゲームで長時間遊んだ後の三十分から一時間ほどは前頭前野が麻痺したような状態となり、機能がなかなか回復しません。この状態で本を読んでも理解力が低下するというデータもあります。また、テレビの長時間視聴を三年続けた五~十八歳の子の脳をMRIで解析すると、前頭前野の思考や言語を司る部分の発達が、長時間視聴していない子に比べ、悪くなる傾向はこれまでの研究で確認できています。つまり、スマホを長時間利用することは、ゲームで遊んだりテレビを長時間視聴した後の脳と同じような状態になって、学習の効果が失われるのではないかと考えられます。前頭前野の具体的な働きは、記憶する、学習する、行動を抑制する、将来の予測をする、コミニケーションを円滑にするなど、人間ならではの心の働きを司どっています。(中略)ですからスマホの長時間利用が脳に与える影響は、これまでの脳の研究データが示すストーリー上にあると考えても外れていないと思うのです」  さらに川島教授は続ける。 「グラフを見ると分かりますが、スマホの利用時間が一時間未満と答えているグループの平均点は、スマホをまったく利用しないグループよりも点数が高い。恐らく、気分転換や息抜きの道具としてスマホを上手に使うことができれば、良い作用をもたらしているのではないかと考えられます。(中略)スマホを使いすぎると子供の脳にどのような影響があるのか。私はこの研究にあまり時間をかけてはいられないと考えています。いま、電車の中では大人もみなスマホをいじっています。窓の外で桜が咲いていることにも気づいていないのでは、と思うほど画面しか見ていません。(中略)大人のこうした様子を見て子供もどんどんスマホ依存に陥っていくのです。今回の結果は、スマホの長時間利用の規制を真剣に考える時期にきていることを示唆しているのではないでしょうか」  昔テレビは人間を「総白痴化する」と言った評論家がいたが、スマホは確実に「亡国のオモチャ」かもしれない。  少なくとも、子どもには制限時間を過ぎたら使えなくする。学校や駅等の公共機関では電波を遮断する。クルマの運転中も同じ。そうした規制を早くするべきだと、私も考える。  今週の第1位はポストの朝日新聞批判。朝日新聞がスクープした福島第一原発事故の対応に当たって獅子奮迅の活躍をした吉田昌郎所長の「調書」だが、この報道の仕方が「従軍慰安婦虚報と同じだ」と、ノンフィクション作家の門田隆将氏が書いている。  このタイトル通りだと私は思わないが、確かに週刊誌的な行き過ぎた表現があるようだ。  5月20日付朝日新聞で、木村英昭記者はこう書いている。 「東日本大震災4日後の11年3月15日朝、第一原発にいた所員の9割にあたる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、10キロ南の福島第二原発へ撤退していた。その後、放射線量は急上昇しており、事故対応が不十分になった可能性がある。東電はこの命令違反による現場離脱を3年以上伏せてきた」  これを読んで私も、なんだ韓国のセウォル号と同じじゃないかという感想を持った。このスクープを受けて、外国紙は「福島原発の作業員は危機のさなかに逃げ去った」(英・BBC)などと報じた。韓国のエコノミックレビューもこう書いた。 「福島原発事故は“日本版セウォル号”だった! 職員90%が無断脱出…初期対応できず」  しかし門田氏は、「肝心の当の朝日新聞の記事には、調書の中で『自分の命令』に違反して『職員の9割』が『福島第二原発に逃げた』という吉田氏の発言は、どこにも存在しない」と言っているのだ。  もう一度吉田調書を読み直すと、吉田所長は確かに福島第二(2F)へ行けとは言っていない。「線量の低いようなところに1回退避して、次の指示を待てと言ったつもりなんですが」とある。だが、その後、みんなが2Fに行ったことを知って吉田所長はこう述べているのだ。 「確かに考えてみれば、みんな全面マスクしているわけです。それで何時間も退避していて、死んでしまうよねとなって、よく考えれば2Fに行った方がはるかに正しいと思ったわけです」  門田氏は「朝日新聞にかかれば、これが『命令違反による退避』ということになるのである。その根拠の薄弱さと歪みについては、もはや言うべき言葉がない」と憤っている。  確かに、命令とは違った行動を東電職員たちが取ったことは間違いないが、吉田所長も「伝言ゲーム」のように、伝言を受けた人間が「運転手に、福島第二に行けという指示をしたんです」と話している。  吉田氏は生前、門田氏のインタビューに「あのままいけば事故の規模はチェルノブイリの10倍になっていただろう」と語ったという。それほど絶望的な状況で、吉田氏は一緒に死んでくれる人間について考えていたという。吉田氏は門田氏にこう話した。 「それは誰に“一緒に死んでもらおうか”ということになりますわね。こいつも一緒に死んでもらうことになる、こいつも、こいつもって、顔が浮かんできましたね」  その結果、残ったのが外紙が報じた「フクシマ・フィフティ(実際の数は69人だった)」だったという。しかし、朝日の報道によれば、「吉田自身も含め69人が福島第一原発にとどまったのは、所員らが所長の命令に反して福島第二原発に行ってしまった結果に過ぎない」ということになるではないかと、門田氏は批判する。 「東電が憎ければ、現場で命をかけて闘った人たちも朝日は『憎くてたまらない』のだろう」(門田氏)  門田氏の取材に対して、朝日新聞広報部はこう答えている。 「吉田氏が“第二原発への撤退”ではなく、“高線量の場所から一時退避し、すぐに現場に戻れる第一原発構内での待機”を命令したことは記事で示した通りです」  だが、それに加えて「事実と異なる記事を掲載して、当社の名誉・信用を傷つけた場合、断固たる措置をとらざるを得ないことを申し添えます」とあるのは、門田氏ならずともいただけない。  韓国のセウォル号事故が世界中から非難を受けているときに、福島第一原発事故当時も、所長の命令を聞かず「現場を逃げ出したのが9割もいた」と読者に思い込ませる記事の書き方は、「東電お前もか」と思わせるほうへ“誘導”した記事だと指摘されても致し方ないかもしれない。  大混乱した現場で、吉田氏自身も事故処理をどうしていいかわからなかった状態で命令がうまく伝わらなかったのだ。しかも、結果的には吉田氏も「正しい判断だった」と認めている。平時のときなら「吉田氏の待機命令に違反」という書き方はあり得るかもしれないが、この場合は当てはまらないのではないか。  新聞の影響力はまだまだ強い。福島第一原発事故当時、東電の職員は9割が所長の言ことを聞かず逃げ出したというフレーズが一人歩きしてしまうことの“怖さ”を、朝日新聞はどう考えているのだろうか。 (文=元木昌彦)

「完全にやりにいった」TBS『水曜日のダウンタウン』の悪意と愛

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『水曜日のダウンタウン』TBS
「完全にやりにいってしまった」  『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で、「ストッキング被って水に落ちるやつ、誰がやっても面白い」説を検証するために、ストッキングを頭に被ったままプールのウォータースライダーをすべるという実験が行われた。  アンガールズ田中、髭男爵ひぐち君に続いて、「面白さとは程遠いイケメン俳優でも面白くなれば、“ストッキングで水落ち”の面白さが実証されるはず」だと挑戦したのが、俳優の中村昌也だった。そこで中村は、確信犯的に足を大きく開き、息苦しさを大げさにアピールする過剰なリアクションを取った。その映像につけられたのが、冒頭に引用したナレーションだった。  さらに、一度立ち上がったのに自ら顔をわざとプールに沈めたことを「顔を理由なき二度づけ」と断罪。「とんだ串カツ野郎」とまで言い放った。スタジオのダウンタウンも「これ、悪意あるなぁ」「このナレーションあかんやろ」と呆れつつも、大笑いだった。  『水曜日のダウンタウン』は放送開始当初、「アカデミックでありながら、くだらないトーク&情報エンタテインメント番組」を名乗っていたが、「アカデミック」は回を追うごとに見当たらなくなり、「くだらない」ばかりが目立つようになった。  それもそのはず。かつて「クイズ番組」のかさに隠れ、やりたい放題の限りを尽くした『クイズ☆タレント名鑑』(同)の藤井健太郎が演出兼プロデューサーを務めているのだ。ダウンタウンと藤井Pの組み合わせがどんな化学反応を起こすのか、放送前から大きな注目を集めていた。  番組では、ゲストが持ち寄った「説」をプレゼン、それについてスタジオでトークしつつ、実験などで検証していくという構成。その構成だけを聞けば、確かに「アカデミック」なのだが、その「説」がズバ抜けて「くだらない」。  たとえば、小籔千豊が「みんなの説」として提唱したのは、「ロメロスペシャル 相手の協力なくして成立しない」説。ロメロスペシャルは、「吊り天井」とも呼ばれるプロレスの大技だ。確かに、受ける相手が協力しないと成立しないように見える。「それはダメでしょ、それを言ったらダメ」と関根勤が苦笑いするように、触れるのは野暮な部分だ。  だが、番組は実際にそれを検証する。ロメロスペシャルの使い手のひとりであるプロレスラー、獣神サンダー・ライガーに、抵抗する相手にかけてもらおうというのである。最初の標的になったのは、肉体派芸人のサバンナ八木。何も知らない八木に襲いかかるライガー。スタッフに「逃げて!」「技かけられないで」と言われ、必死に抵抗する八木だが、ライガーは見事技をかけることに成功するのだった。ある意味、感動的なその光景を尻目に、ナレーションは「八木には絶対にかからないだろうとロメロをなめていたスタッフは、徐々に相手を弱くしようと、もう2人、芸人を用意していた」と悪意を隠さない。  おぎやはぎ矢作は、共演していた勝俣州和本人を前に勝俣を絶賛する。誰とでも絡め、トークの引き出しも数多い、と。そして、スタッフのやってほしいことを全部やってくれる“企画成立屋”なのだと持ち上げる。そんな矢作が唱えた「説」が、「勝俣州和 ファン0人」説だ。知名度やスタッフからの信頼は抜群だが、勝俣個人の「ファン」は「人っ子一人いない」のだと。本人を前に、悪意たっぷりに主張したのだ。さらに番組は、その悪意に乗っかり「というわけで、そんな人いるわけがないと思いますが、万が一いらっしゃれば」と、ホームページで勝俣ファンを募集するのだった。  『水曜日のダウンタウン』は「完全にやりにいって」いる。確信犯的に過剰な悪意を思いっきり振りかざしている。よく「お笑い」には、対象個人への「愛」が不可欠だといわれる。果たしてそうだろうか? 「芸能界一肌がキレイなのは綾瀬はるか」説という一般的にも興味を惹きそうな説から、「理科室の人体模型ただのインテリア」説という、うっかり社会の闇に切り込んでしまった「説」、「鎖鎌 最弱」説というマニアックすぎるものまで検証される「説」は多種多様で統一感がない。  だが、これらに一つ共通点があるとすれば、それは「説」を唱える人が、真剣にその現象を「面白い」と思っているということだ。番組は、その「面白い」を丁寧に形に変えていく。この番組が対象に向けるのは「悪意」だ。けれど、「面白い」ことに対する愛情は深い。勝俣本人に対してではなく、「勝俣のファンがいない」という現象自体を愛し、それを最大限面白く表現しようとする努力を惜しまない。いわば対象ではなく、現象にこそ愛情を注いでいるのだ。結果として、その対象も輝きを放つ。  『水曜日のダウンタウン』は「藤井Pとダウンタウンが組むと『悪意』が倍増され、『面白い』に変換される」説を実証し続けている。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

謎に包まれた短時間での凶行……“不気味な兆候”から、少女を全身メッタ刺しにした真犯人に迫る

tsuyama_jiken_.jpg 何かが狂ってしまった現代社会。毎日のようにニュースに流れる凶悪事件は尽きることを知らない。そして、いつしか人々はすべてを忘れ去り、同じ過ちを繰り返してゆく......。数多くある事件の中でも、いまだ犯人・被疑者の捕まっていない"未解決事件"を追う犯罪糾弾コラム。 第25回 津山小3女児殺害事件 (2004年9月)  2004年9月3日。子どもたちにとっては、夏休みが明けて間もない金曜日。岡山県津山市総社地内に住む津山市立北小学校3年生で、当時9歳の筒塩侑子(つつしお・ゆきこ)ちゃんが、自宅で何者かに全身をメッタ刺しされ、遺体となって発見された……。  津山は美作(みまさか)の中心地として、古代から長きにわたって発展を続けてきた。江戸時代初頭に津山城が築城されて以来、美作国津山藩の城下町として、さらには出雲街道の宿場町としても知られている。  この地域における歴史の闇として語り継がれているのが、1938年に発生し、30人もの死者を出した「津山事件」である。事件の犯人・都井睦雄(とい・むつお)は、命乞いをする近隣の住民を躊躇なく日本刀と猟銃で殺害。横溝正史の小説『八つ墓村』のモデルといえば、ピンとくる人も多いのではないだろうか。  日本犯罪史に残る凄惨な殺戮劇から66年。同じ津山の地で、ひとりの少女の命が奪われた──。  延べ4万人を超える捜査員が投入され、家族の要請によりテレビ番組で“超能力捜査”まで行われたものの、犯人の足取りはつかめず、すでに事件発生から10年がたとうとしている。なんの罪もない少女を殺めた凶悪犯は誰なのか、そして、解決のヒントはどこにあるのか……。事件の顛末を追ってみたい。  その朝、侑子ちゃんは普段と変わりなく登校したという。彼女が家を出たあと、兄も中学校に登校し、母親はパートタイマーとして勤務する職場へ。父親・姉・祖母も外出していたため、筒塩さん宅は侑子ちゃんが帰宅するまで誰もいない状態だった。  母親が仕事に出かけたのは午後1時45分。その約1時間後の午後2時40分頃、学校で「帰りの会」を終えた侑子ちゃんは家路につく。午後2時47分頃には自宅から700mほど離れた場所で、午後3時5分には自宅まで約200mのところを歩いている姿が目撃されている。  そして、午後3時35分頃に帰宅した姉が、自宅の玄関付近の8畳間で、うつぶせになって血を流している侑子ちゃんを発見……。長女からの悲痛な電話を受け取った母親が119番通報し、午後3時53分に救急隊員が到着する。  このとき、侑子ちゃんは胸に負った3カ所の刺し傷から大量に出血しており、すでに意識も脈もなかったという。制服姿のまま倒れていた彼女には、抵抗したり逃げようとした形跡は一切なく、着衣に乱れもなし。凶器はナイフのような小型の刃物で、死因は失血または窒息によるものと断定。侑子ちゃんは、帰宅してからわずか30分ほどの間に、何者かに襲われたのである。  現場は、カゴに入っていたはずの飴玉が散らばっていたものの、とくに室内を物色された様子もないため、“殺すことが目的”の猟奇殺人の線が濃厚。事件発生直前、通学路にある高架下で「帰宅途中の侑子ちゃんと見られる女児に向かって、薄笑いしていたボサボサ髪の若い男がいた」という情報が警察にもたらされたが、決定的な証言にはならなかった。  さらに捜査が進む中、事件の核心に迫る、ある重大な証言がもたらされる。それは、筒塩さん宅の“自宅の鍵”についての重要な情報だった。  事件当日の午後1時55分、筒塩さん宅を訪れたメール便の配達業者が、チャイムを押しても返答がなかったが、「玄関のドアが開いていたため、配達物を玄関の中に置いた」と証言。また、午後2時前後には訪問販売員が訪れ、玄関のドアを開けて「誰かいませんか?」と声をかけたという。  母親は、パートに向かう際に鍵を閉めたことを記憶している。これらの情報をすべて合わせて考えると、母親の外出後、約10~15分の間に何者かが筒塩さん宅の鍵を開けたことになる。実は、筒塩さん宅では、外出する際にスペア用の自宅の鍵を玄関脇の牛乳受けに入れていたのだ。  つまり、配達業者と訪問販売員が来宅した際、犯人はすでに筒塩さん宅にいた可能性が高い。そして、しばらくして帰宅した侑子ちゃんを殺害したのではないだろうか? これなら、短時間の凶行にも説明がつく。  警察の家族への聞き取りによれば、事件発生の半年前、自宅の駐車場に置いてある自動車のタイヤホイールのボルトがすべて緩められ、もう1台の自動車のワイパーがもぎ取られるといった嫌がらせがあったという。  そのほか、「筒塩さん宅の付近に停車している不審な乗用車を見た」という目撃情報も、近隣住民から多数寄せられている。犯人は、筒塩さん宅を念入りに調査した上で、犯行に及んだ可能性が高い。  侑子ちゃんが生きていれば、今年は二十歳を迎える記念の年になっていた。自宅の棚には、彼女が大好きだったぬいぐるみが、還らぬ主をいつまでも待ち続けている。 (取材・文=神尾啓子) <情報提供先> 津山警察署 0868-25-0110 警察本部捜査第一課 086-234-0110 ◆「日本"未解決事件"犯罪ファイル」過去記事はこちらから

老けない漫画家『ジョジョ』荒木飛呂彦 VS 年齢判定アプリ 衝撃の結果に「やっぱり波紋の使い手」の声

ヲタ系ITライターと日刊サイゾー新米編集者が、ここ最近、ネットで話題になったいろいろな出来事について語るコーナーです。
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ブログ「まだ東京で消耗してるの?」
■プロブロガー・イケダハヤト氏が高知移住でネットが大騒ぎ ITライター・Dr.T アキちゃんはイケダハヤトさんを知ってる? 新米編集者・アキ 1960年に内閣総理大臣に就任し、所得倍増計画を打ち出して日本の高度経済成長を推進した、広島県出身の政治家でしたっけ。 Dr.T えらい詳しいな! って、その池田勇人じゃないから! アキ え、ほかに私が知ってそうなイケダハヤトっていましたっけ? Dr.T プロブロガーのイケダハヤトさんだよ。プロブロガーっていうのはプロのブロガー、つまり「ブログを書くことでお金儲けして生活している」ってことだね。ちょっと古い情報だけど、彼はブログだけで年収500万円を稼ぎ出しているそうだよ。もしかしたら、今はもっと儲かっているかもね。 アキ へええ! ブログって、そんなにお金が稼げるものなんですか!? 私もやろうかな。えっと、ブログタイトルは「アキのBLヨモヤマ話」……と。 Dr.T ちょっと待って! ブログでそんなにお金が稼げるのなんて、ほんの一部だよ。僕も昔ブログを書いて広告を張ったことがあるけど、月に1,000円も稼げなくてがっかりしたよ。 アキ なんだ、つまりイケダハヤトさんが特別なんですね。で、そのイケダハヤトさんがどうしたんですか? Dr.T それがね、聞いてびっくり! イケダハヤトさんが東京から高知に引っ越すらしいんだよ!(http://www.ikedahayato.com/20140601/6301963.htmlアキ ……え、それだけですか? Dr.T うん。 アキ ……死ぬほどどうでもいいニュースですね……知らない人の引っ越し話なんて、Dr.Tの昨日の恋バナくらい興味が湧かない話題ですよ……。 Dr.T 僕の恋バナには、もうちょっと興味持ってよ! と、とにかく、このイケダハヤトさんの移住がネットでは大きな話題になったんだ。というのも、イケダハヤトさんは、引っ越しについて「イケダハヤトは高知県に移住します。ブログタイトルを変えました→」という記事を書いているんだけど、その中に「ぼくが東京で消耗するのがイヤになって、高知県に移住することにしたからです」とか、「『クリエイター移住』を波にしたいんですよねぇ」といった刺激的な言葉が並んでいるんだよね。これがネットユーザーの「ひとこと言ってやりたい欲求」に火を付けたみたいなんだ。ネットでは、イケダハヤトさんの移住に言及した記事がたくさんアップされているよ。応援の声もある一方、「東京は住みにくくない」とか「田舎を甘く見すぎ」みたいに反論する内容も多いね。 アキ みんな暇ですね。 Dr.T まぁ、もともとイケダハヤトさんは、こういう方法で記事を広めるのが抜群にうまい人だからね。たとえ反感を持たれようと、拡散されて名前が売れたほうがプロブロガーという職業としては、メリットがあると考えているんじゃないかな。 アキ それにしても「高知に移住します」だけで、そんなに盛り上げることなんて、普通できないですよ。イケダハヤトさんなら「昨日のご飯はカレーでした」だけでも炎上できるんじゃないですか? Dr.T もはや才能だね、これは。
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YouTube「TEDxTalks」チャンネルより
■TEDxTokyoにサザエbot登場 Dr.T 5月31日に行われた「TEDxTokyo」にサザエbotが登場したみたいだね。 アキ 「TEDxTokyo」ってなんですか? Dr.T 簡単にいうと、著名人や識者を講演者に招いて行われる大規模なカンファレンスだね。もとはアメリカでスタートしたイベントで、今は世界中で開催されているよ。その日本版が「TEDxTokyo」なんだ。過去には、脳科学者の茂木健一郎氏や将棋棋士の羽生善治氏、テノール歌手のジョン・健・ヌッツォ氏などが登壇しているね。講演者はバラエティに富んでいて、どんなジャンルでもありなんだ。スピーチはネットで中継されているから、誰でも聴くことができるよ。 アキ なるほど。けっこう高尚な感じのするイベントですね。 Dr.T そう。そこに今回、サザエbotが登壇することが発表されたから、ネットは騒然となったんだ。 アキ サザエbotって、名言っぽいツイートをサザエさんの口調で流しているTwitterのアカウントですよね? 何度かリツイートで回ってきたことがあります。じゃあ、“中の人”が登壇したんですか? Dr.T みんなもそれを期待していたんだけど、残念ながら中の人が姿を現すことはなく、なんとマネキンとボイスチェンジャーによる音声でスピーチが行われたんだ。 アキ えー! それは徹底してますね……。どんなことを語ったんですか? Dr.T 24万人のフォロワーを持つサザエbotが“SNS仕掛け人”としてこれまでに行ってきた企画や、どうしてこれほどの影響力を持つに至ったのかという部分の解説だね。ただ、このサザエbotの登場に、ネットの評価は分かれているみたいだよ。 アキ どうしてですか? Dr.T サザエbotは、昔から「パクリツイート疑惑」などで批判されている経緯があるんだ。たとえば2010年には、「マトリョシカ」などの人気ボカロ曲の作曲者「ハチ」さんとしても知られるアーティスト・米津玄師さんが自身のツイートを無断転載されたとして苦言を呈しているよ(http://togetter.com/li/46818)。 アキ そりゃあ、オリジナルの名言なんて、そうポンポン出てくるものでもないですよね。 Dr.T そもそも、サザエさんという国民的キャラクターの人気と、そのサザエさんらしからぬツイートのギャップで人気が出たわけで、同じ内容を中の人が個人的なアカウントでつぶやいても特に面白くはないわけだからね。サザエさんの公式アカウントならともかく、完全に便乗アカウントなわけだから、ちょっとどころじゃなくグレーだよね。たとえば同じことをテレビや雑誌の企画でやったら、一発でクレームだと思う。 アキ でも、Twitterでは人気なんでしょう? Dr.T まぁ、そういうところまで考える人は少ないからね……。
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「ジョジョの奇妙なニュース」より
■漫画家・荒木飛呂彦(53)が年齢判定アプリで20代と診断される Dr.T 『ジョジョの奇妙な冒険』で知られる漫画家の荒木飛呂彦先生といえば、ネットでは「まったく老けない漫画家」としてもおなじみだよね。 アキ 知ってます! テレビで見たことありますけど、本当に若いですよね。 Dr.T 画像検索すると写真がいろいろ出てくるけど、たぶん知らない人に見せたら30代前半~中盤くらいって答える人が多いんじゃないかな。 アキ 「実は、そこそこ年のいってる人なんじゃ?」っていう疑いの目で見たとしても、40代までしか発想に出てこないですよね。まさか50代だなんて……。 Dr.T そんな荒木先生の写真を年齢自動判定アプリにかけてみたら、果たして何歳だと診断されるのかを実験したブログ記事が話題になっていたよ。 アキ うわ、面白そう! で、結果は……? Dr.T なんと、別の写真を使って5回判定したところ、28歳、28歳、25歳、29歳、25歳という衝撃の結果が……。海外のアプリだから、日本人ってことで若く判定されたとしても、さすがに20代は衝撃だよね……。 アキ 機械にまで若く見られる荒木先生……やっぱり波紋の使い手……。 Dr.T ま、元ブログの「ジョジョの奇妙なニュース」(http://atmarkjojo.org/archives/13761.html)さんが断っているように、あくまでも「ネタ」ではあるんだけど、でも根拠のない年齢判定ではないからね。1枚だけならまだしも、5枚とも20代っていうのはすごすぎる。 アキ またひとつ、荒木先生の伝説が加わったわけですね! Dr.T 老けない秘訣を教えてほしいよ、いやホント。 (構成=Dr.T) ●Dr.T 24時間ネットをウォッチするヲタ系ITライター。チキンなのでネットの揉め事には参加しない。好きな食べ物はガリ。 ●アキ ネットのコアなニュースに疎い新米編集者。よく天然と言われるが自覚はない。ちょっぴり辛口で、BLが好きな腐女子。

惚れた女の数だけ傑作残すウディ・アレンみたい 今泉力哉監督の新感覚コメディ『サッドティー』

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「正しい恋愛」とは存在するのか? カフェの店員・棚子(青柳文子)の視点から大人になれない若者たちの恋愛事情を描いた『サッドティー』。
 心がちょっとささくれたとき、さっと飲むお茶。それがサッドティーだ。本気で交際していた相手との別れは、体が引き裂かれそうなほど辛い。そんなときは、ひとり酒をあおって失恋の痛みが癒えるのをじっと待つしかない。では、恋人と呼ぶにはまだ早い段階の相手との別れは全然辛くないかとゆーと、思っていた以上に動揺している自分がいることに気づく。相手の存在がすでに心の中にまで侵蝕していたらしい。とは言っても、酒を飲むにはまだ日が高い。そんなとき、さっと飲むのがサッドティーだ。ほんの少しだけ、気持ちが軽くなった気がする。“ダメ恋愛映画の旗手”今泉力哉監督の恋愛群像劇『サッドティー』は、今までの恋愛映画が描くことのなかった様々なタイプのビミョーな恋愛感情が実に軽妙に描き出されている。  映画の世界で描かれるラブストーリーは、主人公の男女が障害を乗り越えて結ばれるハッピーエンドか、もしくは永遠の別れが待っている号泣系のラストシーンであることがほとんど。白か黒かの世界だ。だが、人間がA型、O型、B型、AB型の血液型4種類では到底分類できないように、人間の抱く恋愛感情はもっと複雑で多岐に及んでいる。「全然タイプじゃなかったけど、夏服に着替えた途端にときめいてしまった」みたいな小さな感情が膨れ上がって、いつの間にかその子のことが気になって仕方なくなってしまう。この感情はどうにも抑えがたい。『サッドティー』に登場する12人の男女は、それぞれ茶碗にぷかぷかと浮かぶ茶柱のようにプラトニックな恋愛感情とよこしまな浮気願望との狭間を漂い続ける。  『サッドティー』の軸となる人物は、二股交際している映画監督の柏木(岡部成司)。いつも変な寝ぐせヘアなくせに、女性にはよくモテる。同棲している恋人の夕子(永井ちひろ)がいながら、洋裁学校に通う緑(國武綾)のアパートにちょくちょく泊まる。といっても柏木は肉食野獣系ではなく、女性から「つきあって」と迫られると断るのが面倒という優柔不断男。柏木には高校以来の友人・朝日(阿部隼也)がいるのが、朝日は10年前に引退したマイナーなアイドル・いちごちゃんのことを一途に想い続けている。彼女が芸能界を去った記念日になると毎年海に出掛けて花束を捧げる儀式を欠かせない。かなり変わったヤツだが、柏木はひとりの女性を想い続けられる朝日のことがちょっとだけ羨ましい。一方、芸能界を辞めたいちごちゃん=夏(内田慈)はダメ男を渡り歩く人生。ようやく結婚することになった相手はDV男(吉田光希)。夏はネットで自分のことを今も想い続けているファンがまだいることを知り、結婚前に一度逢ってみようと思い立つ。浮き足状態の男たち女たち。みんないい年齢だが、未だに「ちゃんと好きになる」ことがよく分からない。そんな男女の恋愛曼荼羅がカフェの店員・棚子(青柳文子)の目線から描かれる。
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映画監督の柏木(岡部成司)は脚本が書けずにいるが、かわいい女の子とのおしゃべりは欠かせない。今泉監督自身を投影したキャラクターだ。
 本作を撮った今泉監督は、モト冬樹が主演した恋愛コメディ『こっぴどい猫』(12)が高く評価された次世代の注目監督。福島県出身、名古屋市立大学芸術工学部卒業後、大阪のNSC(吉本総合芸術学院)に1年間通ってネタづくりを学んだこともあり、コメディづくりに並々ならぬ情熱を注いでいる。『こっぴどい猫』はモト冬樹以外オーディションで選んだキャストの新鮮さが魅力的だったが、ワークショップ形式で製作にじっくり手間ひまを注いだ『サッドティー』も若手キャストのアンサンブルと展開の読めないオリジナルストーリーで楽しませてくれる。  今泉監督作品の主人公たちは、毎回のようにみんな浮気性であるか浮気願望を抱えている。『サッドティー』で脚本づくりに頭を悩ませている映画監督・柏木も2人の女性の間を行ったり来たりする。ウディ・アレン監督が“現役”バリバリだった頃の『マンハッタン』(79)あたりを連想させるキャラクターだ。今泉作品はコメディ映画の巨匠ウディ・アレンと作風が似ているというよりは、お気に入りの女優と出会う度に傑作を生み出すウディ・アレンの創作スタイルに通じるものを感じさせる。そのことを伝えたところ、今泉監督は大きくうなずいた。 今泉「創作活動する上で、女の子の存在ってすっごく大きいと思います。モチベーションが違ってきますから。それこそ、僕が映画監督を目指した理由はモテたくて(笑)。まぁ、映画をつくっているうちに“モテたい”より“面白いものを”の気持ちが強くなりますけど。僕が初めて映画賞をもらった『微温』(07)という短編映画があるんですが、僕が勤めていた映画館のバイト仲間に出てもらって撮った作品なんです。僕はその職場にいた女の子に一度告白して振られたんですが、ダメもとで出演交渉したらOKしてくれた。それで撮影が終わってからテンションが上がってもう一度告白したら、また振られてしまった。同じ子に二度も振られた(苦笑)。でも、一度好きになった人って、嫌いにはなれないんですよね。自分が好きだった子が出てるから下手な作品にはできないと気合い入れて編集した覚えがあります(笑)。傑作と呼ばれる作品が誕生する背景には、監督の創作意欲を刺激する存在があるんだと思います。今回の『サッドティー』でいえば、棚子役の青柳文子さんがその存在。青柳さんはモデルとしても活躍しているけど、人間的にも面白くて魅力的な女性。僕は結婚して子どももいるので実際に浮気はしないけれど、僕の短編映画に何本か出てくれた青柳さんと長編映画でがっつり仕事がしてみたいという気持ちが今回は強かったように思いますね(笑)」
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『大川端探偵社』(テレビ東京系)の第3話でデリヘル嬢を好演した内田慈がゲスト女優として参加。ダメ男ばかり引いてしまう元アイドル役。
 女優をきれいに撮る監督は信用できる。だって、自分の本能にすごく正直な人だから。今泉監督にとって記念碑的な作品となった『微温』だが、後日談がある。沖田修一、前田弘二ら若手人気監督を輩出してきた水戸短編映像祭で『微温』がグランプリを受賞した際、結婚する前の奥さん(映画監督の今泉かおりさん)から「(告白した彼女のことが)また気になってるんじゃないの?」と冗談っぽく言われたそうだ。普段はひょうひょうとした今泉監督だが、この何気ないひと言がきっかけで「僕はこれからも自分が魅力的だと思う人を撮り続けていくつもりだよ。それがダメなら、もう別れよう」とマジで大ゲンカになったらしい。今泉監督夫婦の場合は大ゲンカから大逆転して結婚というゴールテープを切ることになったわけだが、男と女の間には白か黒かで判別できないビミョーな感情の海が大きく横たわっているようだ。  新感覚の笑いに溢れ、女の子の最高にかわいい瞬間が収めてあって、そして従来の映画では描かれることのなかったレアな感情を紡いでいく今泉力哉監督。これからのブレイクが楽しみな存在なのだ。まぁ、奥さんは大変だと思いますけど。どうぞ、ご家族ご円満に。 (文=長野辰次) sadtea04.jpg 『サッドティー』 監督・脚本・編集/今泉力哉 音楽/トリプルファイヤー 出演/岡部成司、青柳文子、阿部隼也、永井ちひろ、國武綾、二ノ宮隆太郎、富士たくや、佐藤由美、武田知久、星野かよ、吉田光希、内田慈 配給/SPOTTED PRODUCTIONS 5月31日よりユーロスペース他にて全国順次公開中  (C)2013 ENBUゼミナール  http://www.sad-tea.com

石塚英彦が笑顔で隠す驚異の食レポ術 『メレンゲの気持ち』(5月17日&24日&31日放送)の「通りの達人」徹底検証!

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「笑っているよ」(tearbridge)
毎回、1人の「バラエティタレント」にスポットを当て、地味ながらも優れた彼らの仕事ぶりを考察する連載。  食レポ。いわゆるグルメレポートである。「飯を食べて感想だけ言ってりゃいいんだから、楽なもんだ」と思われる節もあるかもしれないが、もちろんそんなわけはなく、食レポという仕事の難易度は極めて高い。ロケとしての自由度が高く、また原則としてカメラの台数も少なく編集でのごまかしも利かないため、タレントとしての素の実力が最も試される場所だといえるだろう。さらにその上で、自分の個性や長所を出さないと次に呼ばれるという保証もない。食レポタレントとは、そういったシビアな場所で日々戦っている人種なのである。  2014年現在の“食レポ三羽がらす”といえば、ってそんな言葉はないのだが、作ってしまえば、おそらく彦摩呂、阿藤快、そして本日取り上げる石塚英彦になるのではないか(関西にはタージンという怪物もいるが、あまりにも特殊なスタイルなので、ここでは取り上げない)。中でも石塚英彦は『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)内のコーナー「通りの達人」を2000年1月からスタートさせており、食レポの第一人者といっていいだろう。パイオニアであり、かつ現役のチャンピオンでもある、偉大なる食レポーターだ。  それではなぜ、石塚英彦は10年以上にわたって食レポの王者で居続けることができるのだろうか? 今回は『メレンゲの気持ち』を3週間にわたって調査し、1つの確証を得た。石塚英彦の食レポは、極めて周到に考えて造り上げられた作品である。  石塚英彦の食レポ、そのリアクションや発言は、大きく分けて以下の3つに分類される。「(1)キャラクター」「(2)ナンセンス」「(3)詩的表現」以上の3つだ。これがいわば、石塚英彦がその笑顔に隠した、3つの罠である。それでは1つずつ確認していこう。 (1)キャラクター  石塚英彦といえば見て分かる通りデブキャラであり、たいていの日本国民にとっては周知の事実だろう。だが「通りの達人」において、石塚英彦はしつこいほどにそのデブというキャラクターを前面に押し出している。実際の発言を見てみると、 ・「デブ暦的に夏はもう始まってるね」(5月17日放送) ・「日向をデブが歩くと目がくらむ」(5月24日放送) ・「(エスカレーターで2階に上がり)まったくヒザから嫌な音がしないで2階に上がってきました」(5月31日放送) などなど、10分少々のコーナーで最低でも2回から3回は自分のデブを笑いにしている。これはもちろん笑いが取りやすいという背景もあるのだろうが、それ以上に視聴者に対する目線づけの意味合いが大きい。つまり石塚英彦は「これは、食いしん坊なデブがおいしいものをおいしく食べるロケである」ということを視聴者に伝えているのだ。そして実際、視聴者はそのようにしてVTRを見ることになる。  この結果、2つの副産物が生まれる。まず1つは、そのデブキャラに応じた笑いを作れるということであり、「まいう~」という決めゼリフはまさにその象徴だといえる。そしてもう1つ、実はここが重要なのだが、取り上げる情報に対してのハードルが一気に下がる。食いしん坊なデブである石塚英彦が何かをおいしそうに食べれば、そこでロケが成立するからだ。最新スポット情報や珍しい料理である必要はなく、どんな場所でも撮れ高が期待できる。これは制作サイドにとってもかなりのメリットでもあり、石塚英彦が長年食レポの第一人者で居続けられるのは「食レポのキャラクター化」に成功したからだと言ってしまってもいいだろう。 (2)ナンセンス  石塚英彦といえばダジャレというイメージは強いが、確かにナンセンスで下らないジョークもロケ中に多用している。実際にこの3週間でも、 ・「(冒頭で)みなさんこんにちは、ミランダ・カーです」(5月17日放送) ・「これはやられた。やらレターフロムカナダだよ」(5月24日放送) ・「(「新ゴボウ」に引っ掛けて)こんばんは。森新ゴボウです(森進一の口調で)」(5月31日放送) など、実に頻繁にこういった発言を繰り返しているのだが、あらためて注意して見てみると、予想以上に適当であった。「新ゴボウ」から「森新ゴボウ」というのは、さすがにだいぶ無理があるんじゃないか。大丈夫なのか、石塚英彦。果たして、大丈夫なのだ。実は、これらの発言はあくまでもフリにすぎない。これらの発言によって石塚英彦は言葉を無効化する。なんのために? 次に述べる「詩的表現」を、視聴者に対して自然に聞かせるためにだ。 (3)詩的表現  実は、石塚英彦の食レポの真骨頂は、まさにこの「詩的表現」である。一般的に食レポとは、食べたあとの感想やリアクションが重要だと考えられている。なぜならば視聴者が最も知りたいのは、その味だからだ。料理の見た目は視覚で認識できるが、テレビは味覚を伝えることができない。だからこそ、食レポーターは存在している。というのが定説だが、石塚英彦の食レポは、その概念を根底から覆す。石塚英彦の食レポの特殊性は、食べる前の料理に対する言葉での表現にこそあり、それはほとんど「詩」と言っていいほどに、見事に確立されている。5月17日の放送から抜粋しよう。 ・「(スープに浸かったハンバーグを見て)うまそうなカルデラ湖が出てきましたよ」 ・「(ガパオガイランチプレートの上に乗った半熟卵をつぶして)世界で一番ずるいイエローですね」 ・「(生春巻きに包まれた海老に対して)見てください。シースルーのドレスの中に海老ですよ」  どこかの歌の歌詞で出てきてもおかしくないくらいに、見事としか言いようがない表現である。食べ物に対してこれほどまでに詩的な表現ができるタレントは、おそらく2014年現在、石塚英彦をおいてほかにはいないだろう。そして繰り返すが、特筆すべきはこれらの表現が、食べる前、料理を見た段階でなされているという事実だ。石塚英彦は、食レポの概念を変えた。その笑顔に騙されてはいけない。にこやかに笑みを浮かべながら、石塚英彦は、食レポという戦場で当たり前のように革命を起こし続けているのだ。 【検証結果】  食べるという行為は、人間活動において根源を成すものである。誰もが経験している行為であり、だからこそ食レポが職業として成立するためには、不断の努力が必要となる。石塚英彦はおそらくプライベートにおいても食事の際には、この食べ物に対してどんな表現ができるかを考えているだろう。そうでなければ、これほどまでに見事な詩的表現を当たり前のようにすることなどできはしない。食べることを職業として選んだタレントは、常に仕事から離れることができないのだ。その覚悟と、プロフェッショナルとしての矜持が下敷きにあるからこそ、「まいう~」という言葉は私たちの胸に響くのだろう。 (文=相沢直) ●あいざわ・すなお 1980年生まれ。構成作家、ライター。活動歴は構成作家として『テレバイダー』(TOKYO MX)、『モンキーパーマ』(tvkほか)、「水道橋博士のメルマ旬報『みっつ数えろ』連載」など。プロデューサーとして『ホワイトボードTV』『バカリズム THE MOVIE』(TOKYO MX)など。 Twitterアカウントは @aizawaaa

4兆円の血税が注がれた“国営企業”東京電力会長が、送迎車付でゴルフ三昧!?

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「週刊ポスト」6/13号 中吊広告より
今週の注目記事 ・「安倍電撃訪朝で『拉致被害者3人連れて帰る』」(「週刊ポスト」6/13号) ・「税金4兆円投入の東電數土文夫会長が運転手つき高級送迎車で連日ゴルフ豪遊!」(「フライデー」6/13号) ・「『がん保険』がんになってもカネは出ない」(「週刊現代」6/14号) ・「『すき家・鍋の乱』を“対岸の火事”で済ませられるか」(「週刊ポスト」6/13号) ・「AKB握手会大流血 ノコギリ男凶行を許した『運営責任』」(「週刊文春」6/5号) ・「元気な『100歳』1万人のビッグデータ分析」(「週刊新潮」6/5号)  日曜日(6月1日)の「ダービー」は、横山典弘騎乗のワンアンドオンリーがイスラボニータに競り勝ち、蛯名正義の悲願を打ち砕いた。レース終了後、蛯名が悔しそうに語っていたが、これは枠の有利不利が出ただけで、7枠13番からあそこまで粘ったイスラは力負けではない。  私が期待したトーセンスターダムは直線で内ラチに激突し、故障。もう一頭のレッドリヴェールも、減り続けている体重が戻らず、惨敗してしまった。  ふて寝して、早朝の男子ゴルフツアー『メモリアル・トーナメント』(NHK・BS)を見た。松山英樹はトップタイだったが次第にスコアを落とし、最終ホールでホールアウトしていたケビン・ナ(米)に1打差付けられていた。  難しいパー4だが、それでも松山は2打目をピンそばにつけて見事なバーディでプレーオフに持ち込み、ツアー初優勝した。それもバッバ・ワトソンやアダム・スコットら強豪を退けての快挙である。ようやく日本のゴルフ界から世界に通用するプレーヤーが現れたことを祝したい。  今週の週刊誌は、おおむね低調である。特に、文春と新潮にこれといった特集がないのが残念だ。そこで今週は、順位をつけないことにする。  ポストは「死ぬまでSEX」大特集の第2弾。現代も負けじと「史上初! 超過激ぶち抜き大特集 この進化するヴァギナを見よ」と12ページ。  ポストは「江戸の性の指南書」や「大正女性の性生活報告書」、「パイパンやあげまん、数の子天井などの言葉のルーツはどこからか」など、性のうんちく集のような趣。  現代は、日本女性のヴァギナがどう変わってきたのかを微に入り細をうがち書いているが、“もよおす”度は低い。読み終えていつも感じるのだが、毎号毎号この企画を担当する編集者には「ごくろうさん」と声をかけてやりたくなる。    新潮は、元気な100歳1万人のビッグデータを分析して「長寿の秘訣」がわかったと特集している。    まず、食卓には必ず肉と卵と牛乳を置くべし。睡眠時間は9時間以上とれ、年取ったから眠れないはウソだという。私の睡眠時間はだいたい6時間。もう少し寝なきゃダメか。  体型はやせ型が○。糖尿病は×。私は太っているほうではないが、血糖値が高いからダメだな。運動面ではゴルフ、登山は×で、全身運動の水泳は◯。私は泳げないから×だ。  酒とギャンブルと老いらくの恋は○。ギャンブルは毎週競馬をやっているから○だが、最近とんと恋には縁がないな。それに、酒は一合までとは殺生な。  長生きする職業は、農業林業は×。会社員は○。教員は◎。高学歴は○。ホワイトカラーも◯。  さて、AKB48のメンバーが握手会で男に切りつけられた事件は、AKBブームの終焉を感じさせた。文春によれば事件はこうだ。  5月25日午後4時55分、岩手県滝沢市の岩手産業文化センターで行われていたAKB握手会の6番レーンで悲劇は起きた。  黒の上下ウインドブレーカーを着た梅田悟容疑者(24・無職)は、テントに入るなり、手提げバックから刃渡り20センチの折りたたみ式のノコギリを取り出すと、先頭にいたAKB48の人気メンバー・川栄李奈 (19)と入山杏奈(18)、止めに入ったアルバイトの男性スタッフを切りつけたそうだ。  川栄、入山は右手の指を骨折、入山は頭部にも深い傷を負い、搬送された病院で3時間もの手術を受けたという。AKBの担当記者がこう話す。 「運営側は、事件当初から穏便に済ませようと画策していました。事件が起きるなり、『センセーショナルな表現はやめてほしい』と各マスコミに通達したり、『我々はテロには屈しない』と訳のわからないことを言い出して翌日以降のイベントを強行しようとする動きもありました」  このAKB運営側の人間は、年端もいかぬ少女たちが切りつけられ大ケガを負ったというのに、金づるである翌日の「握手会」を強行しようとしていたとは、人間としていかがなものか。  文春によれば、AKBにとって握手会は生命線だという。ファンが特典である握手券を求めてCDを大量購入することで、AKBはミリオンヒットを連発してきたからだ。 「握手会自体は大赤字です。一億円近い持ち出し金で会場を借りることもザラ。シングルを出す度に協力させられるレコード会社はヒーヒー言ってます」  事件当日は、握手会に参加した約5000人のファンに対し、運営側は100人の警備体制を敷いていたことを強調しているが、穴はあったそうだ。 「地方の握手会では、スタッフの多くが、現地で時給八百円前後で雇われるアルバイト。未経験者も多いので監視体制はザルです。かつて悪さをしてAKB公演を出禁になったファンも簡単に入れてしまう。会場には金属探知機や持ち物検査もなく、手の平チェックのみ。これはかつてメンバーに体液を付着させて握手した輩がいたからです。“ハガシ”と呼ばれるスタッフもいるのですが、これは握手の制限時間を守らないファンをメンバーから“剥がす”ため。要するに運営が一番気にしているのは時間通りに握手会が終わることなんです」(元スタッフ)  文春の言うとおり「どんな事情があるにせよ、梅田容疑者の強行は許されることではない。だが、異性に対する想像をたくましくする青少年たちを相手にした、『握手会』というビジネスモデル自体が、日常的に少女たちを危険に晒してきたのも否めない事実である」。こうしたあくどい商法を「新しいビジネスモデル」などと持ち上げ、秋元康をはじめとするAKBを“売り物”にしてきた連中に媚びへつらってきたメディアも同罪である。    新潮では、AKBに詳しいライターがこう語っている。 「メンバーは作り笑顔で握手を続け、時に罵倒されるうちに“私、何やってんだろう”と思ってしまい、中には精神的に病んでしまった子もいます。今回の事件をきっかけに拒否反応を示すメンバーがさらに増え、握手会自体がなくなる可能性もあると思います」   握手会はもちろん、バカ騒ぎする「総選挙」も止めたほうがいい。無知で純情な若い男たちだって、自分たちがいいように操られ、カネをむしり取られていることに気付き始めているはずだ。  ところで、現代のカラーグラビア「読者が選ぶ『AKB 55』グラビア総選挙」に1位になった指原莉乃のセクシーな下着姿が特写されている。テーマは「昭和の団地妻」。なるほど、なかなか魅力的な体だが、顔や雰囲気はどこの田舎町にもいそうな平凡な娘っ子である。彼女が本番の「総選挙」でもトップ間違いなしというのが、私には解せない。  お次は「ゼンショーホールディングス(HD)」が運営する牛丼チェーン最大手の「すき家」で、アルバイトたちによる反乱が広がっている。  ポストによれば、今年3月ごろから「パワーアップ工事中」という張り紙が都内を中心に「すき家」の店舗で目につくようになったという。繁華街の中心にもあり、そのほとんどは事実上休業しているのだそうだ。  原因は、バイトが一斉に離職してしまったために生じた人員不足からで、その引き金を引いたのは、「すき家」が2月からライバルの「吉野家」に続いて発売した「牛すき鍋定食」だった。  元アルバイトの学生が、こう憤りを込めて語っている。 「すべてはワンオペが原因です。あんなメニューが出たら、1人じゃ絶対に店を回せない。それでも、当初は皆ガマンして何とか頑張っていたが、そのうちに耐えられなくなり辞めてしまった」  ほかの牛丼チェーンでは、1店舗につき社員を含む2名以上の店員を配置しているのが一般的だが、「すき家」ではアルバイト1人だけで店舗を仕切る「ワンオペレーション」という運営システムが導入されているそうだ。    確かに時々近くの「すき家」へ行くが、込んでいるときでもほとんど1人で回している。  さらに、ワンオペは防犯上の問題もはらむという。「すき家」では2010年ごろから強盗事件が多発し、11年に発生した被害は未遂も含めると78件で、牛丼チェーン総被害総数のうち9割近くを占めたという。  アルバイト活用コンサルタントの植竹剛氏がこう話す。 「過重労働が問題視され始めた30年前は、まだ泣き寝入りするか、仲間意識も強いので何とかみんなで労働環境を改善しようという職場が多かった。それが今では“安い給料でこき使いやがって。困らせてやろう”という報復型に変質しつつある。1人ではできなくても、ネットのSNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及で仲間を募ることができるようになり、連帯感が生まれた」  こうした問題は「すき家」のような牛丼チェーンだけではなく、コンビニや居酒屋チェーンでも抱えている。今は少しぐらい時給を上げてもアルバイトが集まらないために「ワタミ」なども頭を抱えているそうである。  そのうち人間は誰も居ずに、自動販売機でメニューを選び、窓口の差し込み口に券を入れるとロボットの手が出てきて「はい、お待ち~」と自動音声とともに牛丼や酒のつまみが出てくるシステムになるのだろう。味気ないがね~。  私も以前からがん保険に入っているが、こうした保険会社がいざという時、本当にカネを払ってくれるのだろうかという心配はしている。  なんだかんだと難癖をつけて払わないのは、マイケル・ムーア監督の映画『シッコ』を見て知っているだけに不安だが、現代がこの問題を追及している。 「東京都在住の68歳の男性は、こう憤る。昨年、健康診断で体調に異常が見つかり、内視鏡手術で切除した。医師からは、『早期の大腸がんです』と告げられた。男性は、45歳からがん保険に入っていた。会社の上司が肺がんを患い、長期入院の末、退職せざるを得なくなったことがきっかけだ。加入したのは、がんと診断されたら一時金として200万円、入院1日につき1万円がもらえる保険。月に8000円弱の出費となったが、『収入がなくなり、治療費で貯金が取り崩されることを考えれば必要経費。安心をカネで買ったようなもの』だった。  それから23年。ついに『その日』が訪れた――と思ったら、自分のがんは『対象外』と冷たく見放されたのである。がんを患ったという事実に加え、保険金が支払われないという二重の衝撃に、当初、絶望するしかなかったという。 『保険会社に抗議の電話をすると「お客様のがんは、ごく早期のがんで、ご加入のがん保険では対象外となります』と取り付く島もない。約款にはきちんと書いてあるというのです。でも、そんなこと加入当初に説明された覚えはありません』」(現代)  私を含めて多くの人たちが不安に思っていることが、この男性の身に降りかかったのである。といって、今さら約款を読み直すほどの気力もない。どうすりゃいいのか。  がんの保険金が出ないケースは、大きく次の5つに分けられるという。 (1)保険金が支払われない種類のがんがある。(2)加入後、すぐにがんになったらアウト。(3)入院しないと保険金が出ない。(4)病歴告知をミスすると保険金が出ない。(5)再発したらアウト。  それでも、2人に1人ががんで死ぬといわれるのだから、万が一のための保険として、がん保険に入っておきたいと思う人も多いはずだ。だが、これが大いなる間違いだと現代は言うのだ。 「国立がん研究センターが出しているがん罹患リスクを年代別に見てみると、例えば50歳の男性が10年後までにがんにかかる確率は5%。60歳の男性でも、10年後までにがんになる確率は15%。つまり、現役世代だと、がん保険は90%ほどの確率で出番がないと思われます」(一般社団法人バトン「保険相談室」代表理事・後田亨氏)  では、高齢者はがんになる確率が高いから入っていたほうがいいのだろうか? ファイナンシャルプランナーの内藤真弓氏はこうアドバイスする。 「60歳以上の人が新たにがん保険に入る必要はないと思います。高齢者の場合、体に負担のかかる治療はできなくなる可能性もありますし、70歳以降は医療費負担も下がります。預貯金が少ない場合は、定期付き終身保険を解約して、返戻金を受け取り、それを治療費に充ててもいい。つまり、高齢者はがんになる確率が高まるけれど、がん保険の必要性は低くなっているわけです」  すぐ解約しようか。ここまでかけてきたんだから、今さらな~。保険というのは、“騙される”リスクも背負い込むということなのだろうか。読んだらますます不安になってきた。  さて、久しぶりにフライデーが軽いスマッシュヒットを飛ばした。東電の數土(すど)文夫会長が、運転手付き高級送迎車で連日ゴルフ豪遊しているというのだ。  5月17日土曜日、安倍首相が福島の飯坂町、桑折町など、いまも原発事故の風評被害に苦しむ福島の各地を視察に訪れた、まさにその時、「ナイショーッ」というかけ声が千葉市若葉区の京葉カントリー倶楽部に響き渡ったそうである。そこには、東電・數土会長(73)の姿があった。  數土会長は白いポロシャツにベージュのズボンといういでたちで、朝7時半に到着。知人とプレーを楽しんだという。自宅から車で30分とかからないほどの距離だが、自家用車を使わず運転手付きの車で行き来し、ゴルフバックも運転手が運んでいた。  それもこの日だけではなく、今年4月に東京電力会長就任後、毎週末にはゴルフ場で豪遊している姿が目撃されているのである。  しかも數土氏の会長就任については、東電社内にも懐疑的な声があったそうだ。 「數土さんは、4月の会長就任後一度しか福島に行っていない。会長専用の高級車を乗り回し、出所しても夕方に退社して『オレの夜の行動は詮索するな』と宣言したという話も聞く。社内では、數土氏の発案で、5月23日を期限に1000人以上の希望退職を募っていました。しかしその当人がプライベートはやりたい放題というのでは納得は得られない」(東電社員)  運転手付き高級送迎車での數土氏のゴルフ場通いは、フライデーが目撃しただけでも、5月17日のほか4月27日、5月18日の計3回あるという。 「數土氏は、平日の5月2日にも北海道でゴルフを楽しんでいます。前日の5月1日に札幌入りし、北大の同窓生らとパーティーを開き、3日に帰京という2泊3日の日程でした」(同)  この數土会長が乗り回す高級車や運転手の費用、ゴルフ代は誰が負担しているのだろうか。  東電広報部は「數土会長はプライベートでゴルフを行っております。当社はその費用を負担しておらず、社用車を使用した事実もありません」と答えている。 「それではプライベートを含めた數土氏の多額の車代を、どの企業・団体が払っているのか。原子力損害賠償支援機構を通じて4兆円以上もの国費を受け取る『国営企業』の会長として問題はないのか。さらに、福島には一度しか足を運ばず、運転手つき高級送迎車でゴルフに明け暮れるのは、東電のトップとしてふさわしい行動なのか。きわめて疑問だ」(フライデー)  至極もっともな考え方である。それも、數土会長がゴルフで遊んだ4月27日の夜、東京・八王子・日野・町田などの30万戸で大規模な停電が発生し、東電は対策に追われたのだ。  こんな会長がいると、東電への風当たりはますます強くなるに違いない。  今週の最後は、ポストの「安倍訪朝」の可能性について報じた記事。 「スウェーデンのストックホルムで5月26日から開催されていた日朝局長級協議終了後の29日、安倍首相は『北朝鮮政府との間で、拉致被害者を含むすべての行方不明者の全面的な再調査で合意した』と発表し、経済制裁の一部解除に踏み切った。官邸にとっては、今回の再調査合意も、今年の3月から動き出した『首相の電撃訪朝シナリオ』の一幕に過ぎない。実は、安倍首相はすでに3月末、政府専用機を運用する航空自衛隊に対して、『北朝鮮のフライト準備』を指示していた」(ポスト)  今回、北朝鮮サイドから「調査の落とし所として生存者リストを提出する」という確約が取れたので、制裁解除まで踏み切ったのだと外務省筋が語っている。    さらに、外務省筋は「北朝鮮はこれまで名前が挙がったことのない人物を含め、3人ほどリストに挙げてくるという感触を得ている」と明かす。  たった3人と思うが、それは置いておいても、北朝鮮が歩み寄ってきたのは相当困っているに違いない。  中国が親中国派の張成沢を金正恩が粛正したことに怒り、北朝鮮への物流をストップしたことで、平壌でもストリートチルドレンが出ているといわれる。  北朝鮮は、庇護者だった中国と事実上の冷戦状態にあり、韓国との関係も最悪。アメリカとは、核開発をめぐる6カ国協議再開のめども立っていない。  それを見た安倍政権は今、アメとムチを使い分けて北朝鮮に決断を迫っているというのである。  アメは、北朝鮮がこだわる朝鮮総連本部ビルの保全だ。政府とつながりのある民間企業に意を含めてビルを買わせておき、将来は北朝鮮大使館として使わせてやってもいいというサインだと公安筋が語っている。  一方のムチは、この5月に入って神奈川県警、京都府警などが総連関連企業に一斉に不正輸出の容疑で強制捜査をかけたことだそうだ。  それに、安倍首相のほうにも事情があるという。経済面ではアベノミクスが息切れの上に、消費税増税不況が忍び寄り、外交では米中韓との関係悪化を乗り切る道筋が見えていないからだ。  安倍側近議員がこう語る。 「日朝国交正常化は総理の看板の『戦後レジームからの脱却』の大きな一歩になる。オバマ大統領はこれまでに北の核開発問題解決に何の成果も上げていないから、総理が道筋をつけることができれば、それこそ大嫌いなオバマ大統領の鼻を明かすことができる。そのためにはなんとしても訪朝したいと並々ならぬ意欲を燃やしている」  安倍首相は、よほどオバマ大統領が嫌いのようだ。オバマ大統領を見返したい安倍首相と、中国の習近平主席に一矢報いたい金正恩だから。話が合うというわけだ。  ともに3代目の「お坊ちゃん政治家」でもある。安倍首相は最近、周囲に「俺はオバマより、金正恩のほうが気が合う」とこぼしているが、まんざらジョークでもないのだろうとポストは書いている。  しかし、安倍訪朝が実現したとしても、それが本当の外交的評価につながるかは別問題だと、「コリアレポート」の辺真一氏がこう指摘する。 「現実問題として、被害者が本当に死亡していたとしても、遺族や国民が納得するような解決は非常に難しい」  功を焦る安倍首相が、金正恩の術中にはまるのではないか。したたかさでは、年は若いが、金正恩のほうが上だと思われる。この時期を選んで北朝鮮の国家安全保衛部Xが安倍首相に接触してきたことを考えても、そう思わざるを得ないのだが。  

ASKA覚せい剤事件の裏で、長澤まさみがビッチ化「もう誰にも止められない……」

nagasawaaska.jpg  覚せい剤所持で逮捕されたASKA容疑者関連の記事一色だった5月下旬。一緒に逮捕された“シャブ愛人”の正体や、暴力団にハメられた説、さらには2009年に起こった「押尾事件」とのつながりなど、逮捕から半月あまりが過ぎた現在も、さまざま情報が錯綜しています。  そんな中、日刊サイゾーでは、長澤まさみネタがフィーバー中! 一度は破局が報じられた伊勢谷友介との交際継続が発覚し、いろいろ解放されちゃったのか、「ビッチ化」「ヌード解禁」「ワキ毛ボーボー」など、清純派を売りにしていたとは思えないほど暴走しているようです。どうしちゃったの、長澤まさみ。  それでは早速、ランキングをチェックしていきましょう! 第1位 ASKAと一緒に逮捕された知人女性は一体何者なのか? 往年のアイドルグループ「T」のYとの接点も!? たのきんのよっちゃんでした!(本人は否定) 第2位 「シャブセフレ」ついに判明! ASKAと一緒に逮捕された栩内香澄美容疑者の“正体と接点” パソナのイメージが変わりました。 第3位 なぜこのタイミングで大量の薬物を!? 「ASKAはハメられた」と主張する関係者の存在も…… Why? 第4位 遊びに夢中で“ワキ処理もしない”長澤まさみに、事務所もあきらめムード「妊娠だけはしないで……」 たまたま忘れちゃったんだよね? 第5位 「ダメンズ・イケメン」を求め続ける長澤まさみの“暴走”は、もう誰にも止められない!? ビッチ化は大歓迎。 次点 地元ヤカラとの戦い、難航する嫁探し……ケンコバと宮川大輔の“ほっこり”できない勝手気まま旅!! ほんまもんですわ。 次々点 「なるべくちっちゃいことのほうがいい」あばれる君が生み出す“パンチライン”の秘密 芸人やる前はラッパー。

中国の暗部をえぐる実録犯罪集『罪の手ざわり』“格差社会”が招いた哀しき犯罪者たちの慟哭!

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悪徳商人、不正役人は許すまじ! 梁山泊の義賊に想いを馳せるダーハイ(チァン・ウー)は自分を嘲笑した村人たちに次々と天誅を下していく。
 2010年にGDP(国内総生産)ランキングで日本を抜いて、世界第2位に躍り出た中国。2020年代には米国も追い抜き、世界最大の経済大国になることが予測されている。計画経済から市場経済に移行し、わずかな期間で目覚ましい経済成長を遂げた中国だが、その反面では社会格差も著しく生じている。安価で豊富な労働力が経済成長を支えてきたわけだが、一方的に搾取され続けている労働者たちの怒りと不満は爆発する寸前だ。“中国映画第六世代”の旗手ジャ・ジャンクー監督の新作『罪の手ざわり』は、現代中国で起きた4つの実在の事件を題材にしたもの。社会格差が陰惨な事件を誘発している現状を生々しく暴き出している。昨年のカンヌ映画祭で脚本賞を受賞し、世界40か国以上で配給が決まっているものの、中国本土では公開の目処が立っていない問題作だ。  最初に描かれるのは、2001年に中国北部・山西省の小さな村で起きた大量殺戮事件。村のトップである共産党支部書記をはじめ、71歳から10歳までの14人がひとりの男によって射殺された。事件の発端は、村の共有財産だった炭坑の採掘権がいつの間にか実業家の手に渡っていたことだった。炭坑で働く中年男のダーハイ(チァン・ウー)は、「社長のジャオが炭坑の利益をひとり占めしているのはおかしい」と村長らに訴えるが相手にされない。ダーハイとジャオは学生時代は同級生だったが、市場開放を機にジャオは成功を収め、今や勝ち組の代表。負け犬となったダーハイがいくら正論を吐いても誰も見向きもしない。北京にある中央規律委員会に告訴状を送ろうとするも、ダーハイはその住所を知らなかった。郵便局員からは「住所が書いてない郵便物は受け取れない」と告訴状を突き返されてしまう。きっと村長も郵便局員もみんなジャオから口止め料をもらっているに違いない。広場で上演されていた京劇『水滸伝』を観ていたダーハイは「自分こそは現代の義賊だ」と思い込み、猟銃を持って村役場、そしてジャオ社長のもとへと向かう。家族も希望もないダーハイは引き金を引くことを躊躇しなかった。死体の山を築き、返り血を浴びたダーハイは実に満足げな表情を浮かべる。  第二幕の主人公となるのは、出稼ぎ労働者から連続強盗殺人鬼へと変貌した平凡な男チョウ・コーホワ。中国西部・重慶出身のチョウ(ワン・バオチャン)は最初こそは真面目に働いて、田舎で暮らす家族にせっせと仕送りしていたが、働いても働いても生活は楽にならない。いつしかチョウは『山月記』の人虎のように平気で人を殺して、財布をいただく冷血鬼となっていた。強盗殺人を生業とするチョウだが、旧正月に故郷へ帰るときだけは家族想いの優しい男に戻る。妻は仕送り額が急に増えたことから、夫が危ない仕事に手を出していることに感づいている。だが、今さら元の生活に戻ることはできない。束の間の休みを終え、再び強盗業を再開するチョウ。銀行から出てきた裕福そうな夫婦に目をつけ、白昼の市街地で平然と銃弾を放ち、現金を奪い去る。この後、チョウはA級指名手配され、2012年8月に警察隊に射殺されることになる。
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セクハラ役人殺傷事件の加害者は、中国のネット上で女侠客として人気を集めている。演じるのはジャ・ジャンクー作品の常連女優チャオ・タオ。
 第三幕と第四幕は、中国の性風俗ビジネスが舞台だ。華中・湖北省の「夜帰人」という風俗サウナで受付係として働くシャオユー(チャオ・タオ)は、台湾系の縫製工場で工場長を務める男と長年にわたって愛人関係にある。男はいつまで待っても離婚する気配がない。女ひとりの稼ぎで食べていける豊かな時代になったものの、幸福な家庭とは程遠い侘しい生活しか手に入らなかった。そんな折、いかにも成金風の男性客たちがサウナを訪れ、シャオユーに「金は払うから、お前が特別マッサージをしろ」と執拗に迫る。「私は受付係で、娼婦ではない」と断るシャオユーの顔を男性客は札束で叩く。忍耐の緒が切れたシャオユーは男性客を果物ナイフで刺殺し、サウナを赤い血で染める。2009年に起きたセクハラ公務員殺傷事件がモデルで、実際はマッサージ室に置かれていた魚の目を取るための刃物(修脚刀)が凶器として使われた。  もうひとつの舞台は、中国南部・広東省にある高級クラブ「中華娯楽城」。ここでは若くて容姿端麗な女の子たちがコスプレ姿で男性客を楽しませてくれる。指名料とチップを弾めば、お気に入りの女の子が個室でスペシャルサービスもしてくれる。縫製工場で働いていた青年シャオホイ(ルオ・ランシャン)は賃金の安さが嫌で退職し、華やかそうな夜の世界へと飛び込んだ。「中華娯楽城」のボーイとなったシャオホイは同じ湖北出身の女の子リェンロン(リー・モン)と懇意になるが、自分の惚れた女が小金持ちのオヤジたちの性のオモチャとなっているのを直視できない。「ここを出よう。君と一緒ならどこでもいい」とリェンロンに告白するが、彼女は故郷に小さな子どもがおり、仕送りを送らなければいけない身だった。お金がなければ、恋をすることも未来を夢見ることもできない。絶望感に覆われたシャオホイは、強烈な破壊衝動に駆られる。  北京にある華やかなテーマパーク、でも張りぼての世界で働くコンパニオンを主人公にした『世界』(04)、三峡ダムの建設で沈みつつある『三国志』ゆかりの地・奉節で撮影した『長江哀歌』(06)など、ジャ・ジャンクー監督は中国の激変ぶりを庶民の視点から一貫して描き続けている。社会の変化に対応できないスリ師を主人公にしたデビュー作『一瞬の夢』(97)はベルリン映画祭ほか世界各地の映画祭で高く評価されたが、国の許可なく海外の映画祭に出品したことを監督仲間や当局から咎められ、長年にわたって中国国内での活動禁止処分を喰らっていた気骨ある映画監督だ。中国で表立った活動ができなかったジャンクー監督を支え続けてきたのが、「東京フィルメックス」のプログラム・ディレクターとして知られる市山尚三氏。市山氏が所属するオフィス北野が資金面や海外セールスをサポートしてきたことで、ジャンクー監督は映画製作を続けることができた。『罪の手ざわり』も市山氏がプロデューサー、オフィス北野の森昌行社長が製作総指揮に名を連ね、日本ではオフィス北野とビターズ・エンドが配給を手掛けている。ジャンクー監督初のバイオレンス映画といえる本作だが、北野武監督作品でおなじみキタノブルーに彩られたオフィス北野のオープニングロゴがすごくよく映える。
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風俗店でボーイとして働くシャオホイ(ルオ・ランシャン)は、同じ店に勤める同郷のリェンロン(リー・モン)と恋仲になっていくが……。
 下町育ちの北野監督が過激なバイオレンス描写で現代人の空っぽな哀しみを切々と伝えるように、ジャンクー監督もまた経済成長の代わりに多くのものを失った中国人の心の虚ろさをひりひりと描いてみせる。『罪の手ざわり』に登場する4つの犯罪エピソードの中でも、北野作品に通じる哀愁を強く感じさせるのは第二幕の連続強盗魔チョウだろう。ずっと家を留守にしたままで、たまに家に帰ってきても父親らしいことを何もできずにいるチョウは、まだ幼い息子の手を引いて夜の散歩へと出掛ける。旧正月を祝う花火が打ち上げられるのを息子は黙って眺めているだけだ。そんな息子に「花火を上げたいか?」と優しく問い掛けるチョウ。懐の奥に隠し持っていた商売道具の拳銃を取り出し、夜空に向かって銃声を響かせる。チョウの望郷の念とこれまで重ねてきた罪の色と息子の将来を案じる想いが複雑に入り交じった淡く切ない花火だった。多分、チョウの息子は父親の顔は忘れても、この夜に見た花火のことだけは生涯忘れることができないだろう。この花火は、ジャンクー監督が変わり果てていく祖国に向けた弔いの送り火でもある。ジャンクー監督の哀しみと北野作品のバイオレンス性が激しく共鳴する1シーンだ (文=長野辰次) tsuminotezawari04.jpg 『罪の手ざわり』 監督・脚本/ジャ・ジャンクー 出演/チャオ・タオ、チァン・ウー、ワン・バオチャン、ルオ・ランシャン、チャン・ジャイー、リー・モン、ハン・サンミン、ワン・ホンウェイ 配給/ビターズ・エンド、オフィス北野 5月31日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー (c) 2013 BANDAI VISUAL, BITTERS END, OFFICE KITANO http://www.bitters.co.jp/tumi