「俺のこと凡人だと思うなよ! 秀才の意地、見せてやるよ!」 南海キャンディーズの山里亮太は『もっとたりないふたり』(日本テレビ系)の打ち上げでそう宣言した。 『もっとたりないふたり』は、山里とオードリーの若林正恭が結成したコンビ「たりないふたり」が、自分たちの「社交性」「恋愛」「社会性」など「人としてたりない」部分を披露し合いながら、それを元に漫才を作っていくという番組だ。もともとこのユニットは『潜在異色』というライブ(のちにテレビ番組化)から生まれた。それが2012年4月から『たりないふたり』という番組として独立。その第2弾が、今年4月から始まった『もっとたりないふたり』だ。 初回は、いまテレビに「漫才がたりない」とばかりに、30分丸々、ふたりの新作漫才を披露。山里と若林という、当代屈指の漫才師のプライドを見せつけるかのようだった。 この番組では新しい趣向として、即興の漫才を作るという企画が数回放送されている。これは、ふたりとも多忙がゆえ「打ち合わせの時間がたりない」という問題を解決するための苦肉の策だったというが、観客が見守る舞台上でふたりが会議し、制限時間の40分を過ぎると、そのまま漫才を披露するというもの。その結果、ふたりの漫才の出来上がっていく過程を生々しく映す、リアルなドキュメントとなっていた。 冒頭に引用した山里のセリフは、企画の2回目の後に行われた打ち上げの際に発せられたものだった。山里は2回目の即興漫才企画の収録を「結局さ、今日の『たりないふたり』は、“笑わせてる若林と笑われてる山里”ですよ。若ちゃんが天才なのはみんな分かってる。山里が秀才だって伝わるにはどうしたらいいか……。今日の中で、正解のツッコミを出すことでしょ?」と振り返ったあと、「秀才の意地を見せる」と宣言したのだ。 若林も山里も本来、お互いのコンビでの役割はともにツッコミ。しかし、もともとはどちらもボケ担当だった。若林は相方の春日を最大限生かすためにツッコミに転身。山里もまた、たぐいまれな「大女」というしずちゃんのキャラクターを引き立てる「気持ちの悪い男」キャラを維持しつつ、自分の人生を振り返り「今まで目の前で笑い声が聞こえるときって、自分がツッコんでるときだ」と気付き、ツッコミ役に回った。その山里のツッコミは、若林をはじめとして、多くのツッコミ芸人に大きな影響を与えた。 「ツッコミで笑いを取ろうっていうのが、めちゃくちゃ増えた。“山ちゃん以前”、“山ちゃん以後”で漫才のツッコミの歴史が分かれている。潮目になっています」 若林はそう、山里のツッコミを評価している。 一方、一般的には“地味”なイメージのある若林。特に、テレビに出始めた当初、オードリーが披露していた漫才は春日のおかしさを引き立てるため、若林が目立つものではなかった。しかし、本来“クレイジー”なのは春日ではなく、若林のほうだ。「たりないふたり」でボケを任された若林は、そのクレイジーさを全開にしている。そんな若林の自在のボケに、山里は翻弄されてしまっていたのだ。 山里の冒頭の宣言を受けて、もともと2回で終わるはずだった「40分間で漫才を作る」企画の第3弾(6月6日深夜放送)が実現した。 若林は悪そうな半笑いを浮かべながら、そのテーマを「実写版『天才になりたい』」にしようと提案した。『天才になりたい』は、山里がかつて書き下ろした本のタイトルだ。「山里“ジーニアス”亮太」と「若林“クレイジー”正恭」の漫才を作ろう、と。 山里は過去の反省を踏まえ、「とんだサイコ野郎だぜ!」「この自由は尾崎豊が求めてないやつ」といった、「若林くん対策ツッコミ集」を準備していた。その中には、自分の中でボツにした「ドクターフィッシュになってかかと食べてやろうか」という、使いどころの分からないものもあった。 設定を王道の「結婚」に決めると、若林は「入場シーン」「司会あいさつ」「ケーキ入刀」「キャンドルサービス」「新郎が手紙を読む」「ブーケトス」と次々と自分がボケる部分をホワイトボードにメモしていき、それぞれの横に「山 セツ」と書き加える。そこに、山里の“センスツッコミ”を入れるということである。ここで打ち合わせ終了のブザー。構成だけは決まったが、具体的なボケやツッコミは一切決まっていないまま、漫才本番に突入するのだ。果たして、ふたりの漫才はただの雑談だったと思えた打ち合わせ中の会話なども伏線に使いながら、進んでいった。 若林は山里にムチャぶりしたり、山里の想像する方向を微妙にズラすトリッキーなボケで、山里を困惑させつつも、そのツッコミとしての天才性を引き出す見事な漫才を完成させたのだった。そして最後のオチは、使いどころが狭すぎてボツになったツッコミ「ドクターフィッシュになってかかと食べてやろうか」だった。 ふたりは以前、自分たちの世代には、ダウンタウンやウッチャンナンチャンのような世代を引っ張るような「突き抜けた存在」がいないと話していた。 「誰も先頭切ってるヤツがいない」 「『何やってんだ世代』なんじゃないか」 「俺たちの世代、がんばらなきゃダメだよな」(『オードリーのANN』) と、忸怩たる思いを語り合った。自分たちは「無難」にしようとするあまり「何かを起こしそうな気配がない」のではないか、と。だから彼らは決して「無難」ではないこの企画に挑戦しているのだろう。いまや、多くのテレビに出続け、一定の評価を受けているふたり。けれど、山里と若林にとって現状は、まだまだ芸人としての充足感が「たりない」のだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) ◆「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから『もっとたりないふたり ─山里亮太と若林正恭─ 』(バップ)
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中島哲也監督の“破壊衝動”が全編にほとばしる! 崩壊家族が織り成すポストホームドラマ『渇き。』
ベストセラーコミックの実写化『進撃の巨人』を降板した中島哲也監督にとって、4年ぶりとなる新作が『渇き。』だ。中島監督はこれまで『下妻物語』(04)や『嫌われ松子の一生』(06)などスタイリッシュな映像作品で人気を博し、前作『告白』(10)も暴力的な内容ながら極めて静謐かつ美しい作品に仕立ててみせた。東宝配給でヒット作を連発してきた中島監督だが、一度自分が積み上げてきたものを全部リセットしたくなったのではないか。そう思わせるほど、GAGA配給による『渇き。』は荒々しい破壊衝動に満ちている。まるで中島監督自身が巨人と化したかのように、スクリーンに映るものすべてを破壊して回る。家族も職場の人間関係も輝かしい記憶も、壊して壊して壊しまくる。 予兆はあった。2010年にAKB48がリリースしたシングル曲「Beginner」のプロモーションビデオを手掛けた中島監督は、ゲームの世界とはいえAKBの主要メンバーたちを血祭りにした。篠田麻里子が、渡辺麻友が、小嶋陽菜が、そして大島優子が次々と瞬殺されていった。多くの少女たちの犠牲の上で、前田敦子はゲームの世界から現実の世界へと覚醒を果たした。中島監督が構想していた実写版『進撃の巨人』も、そんな世界観の延長戦上にあったのではないだろうか。生きるか死ぬかのギリギリの世界。“痛み”を伴うことでしか得られない、生きていることの切実感を『渇き。』でも描こうとしている。 魔性のヒロインである加奈子役の小松菜奈をオーディションで抜擢した『渇き。』は、深町秋生のホードボイルド小説『果てしなき渇き』が原作だ。数カ月前までは刑事だった藤島(役所広司)のもとに、離縁した元妻・桐子(黒沢あすか)から連絡が入る。高校生の娘・加奈子(小松菜奈)が昨晩から帰ってこないので探してほしいという。世間体を気にする桐子は警察には届けることができず、藤島を頼ってきたのだ。久しぶりに藤島が自宅に戻ると、加奈子の部屋から高校生らしからぬ物が見つかる。覚醒剤と注射器のセットだった。加奈子がとんでもない事件に巻き込まれているのは間違いない。自分に似ず、品行方正で優等生だと思っていた娘がなぜこんなことに?「このミス大賞」を受賞した深町秋生の処女小説の映画化。暴力に満ちた社会を憎む加奈子(小松菜奈)は、暴力で社会に復讐しようとする。
警察をクビになり、家からも追い出され、サイアクの状態だった藤島だが、この事件を独力で解決することで、父親として夫としての威厳を取り戻そうとする。うまくすれば、復縁して家族としてやり直せるかもしれない。元刑事の勘と長年培った捜査のノウハウで娘の消息をたどり始める藤島。同じ高校に通う森下(橋本愛)、中学時代の同級生・遠藤(二階堂ふみ)、神経科医の辻村(國村隼)らと接触するが、どうも加奈子は単なる被害者ではないらしい。加奈子の名前を出すと、みんな祟り神を恐れるように口を閉ざしてしまう。一体、自分の娘は何者だったのか。藤島は調べれば調べるほど娘の正体が分からなくなる。やがて藤島は、中学生の頃に加奈子が親しくしていた緒方という男子生徒が自殺していたことを知る。だが、どこをどう探しても加奈子の姿を見つけることができない。それは仕事にのめり込んで家庭を省みなかった藤島への娘からの挑戦状でもあるようだった。 突然姿を消した娘の行方を父親が這いつくばって探し続けるというストーリーは、ポール・シュレイダー監督の『ハードコアの夜』(79)を彷彿させる。ポール・シュレイダーは『タクシードライバー』(76)や『モスキート・コースト』(86)など強迫観念にとらわれた男が常規を逸した破滅的行動に突っ走る物語をやたらと描きまくった人物だ。『ハードコアの夜』の保守的で超厳格な父親(ジョージ・C・スコット)は仕事を放り投げ、失踪した娘を執念の末に探し当てる。ところが、娘は何者かに拉致誘拐されたのではなく、息苦しい実家から自分の意志で逃げ出し、ポルノ映画界の住人として暮らしていた……。『ハードコアの夜』はそんな苦いオチが待っていた。だが、藤島家の親子には、『ハードコアの夜』以上にハードコアな闇が待ち受けている。 よくR18指定にならなかったなと思えるほど、『渇き。』はバイオレンスシーンとアブノーマルセックスのオンパレードだ。公安や裏社会からの様々な妨害に遭い、ボロボロになりながらも娘の痕跡を追い求める藤島。娘の置き土産である覚醒剤を自分の体に注射することで、娘の意識とシンクロしようとする。もはや藤島が追い掛けているものは、幻影としての温かい家庭と愛すべき娘でしかない。幻想だとわかっていながらも、藤島はそれを追うことしかできない。クソ野郎! ぶっ殺す! 罵詈雑言を吐きながら、藤島は娘を探し続ける。失踪した娘・加奈子の足取りを追う藤島(役所広司)。中学時代の担任教師(中谷美紀)から“3年前の事件”を契機に加奈子が変わったことを知らされる。
バイオレンスものを得意とする韓国映画などに比べると、暴力描写が必ずしもハマっているとは言いがたい。刑事役のキャスティングにも一部難がある。ポップでスタイリッシュだと称されてきた中島監督ならではの映像センスが、今回は悪趣味なものに映る。これまでの中島監督作品の完成度の高さに対し、荒削りな印象が強い。だが、そういった荒々しさなくしては描けない世界に中島監督は挑んだのだ。無惨なまでに砕け散った家族像を描くことで、新しいホームドラマの在り方を模索しているようにも感じられる。粉々に砕け散った後に、果たして一体何が残ったのか? クリエイターがどれだけ苦労したかに関わらず、すべてをエンターテイメントとして“消費社会”は一瞬のうちに食べ尽くしてしまう。まさに倒しようがない巨人のごとき存在である。CMディレクターとして業界でのキャリアをスタートさせた中島監督は、そんな巨人の恐ろしさを充分に知っている。それでも、中島監督は『告白』以上の猛毒を持って、貪欲な巨人と対峙しようとする。無敵の巨人に、一撃を加えんと立ち向かっていく。 この世界を支配する巨人に抗うためには、常識に縛られ、スタリッシュさや過去の評価にかまっていることはできない。もっと、もっと強烈な破壊衝動が必要だ。巨人を倒すには、自分自身が巨人化する覚悟がなくてはならない。また、巨人を倒した後の新しいビジョンも求められる。中島監督の手による実写版『進撃の巨人』を観ることは叶わなかったが、中島監督の体内に蓄積されていただろう破壊衝動は『渇き。』の中に充分感じることができる。巨人を引きずり倒せ! 巨人をぶっ潰せ! 巨人をバラバラに解体してしまえ! “巨人殺し”というテーマを、中島監督は今後も背負っていくのではないか。そんな予感を感じさせる。中島監督の渇きはまだまだ癒されていない。 (文=長野辰次)イジメられっ子のボク(清水尋也)と不良グループに属する遠藤(二階堂ふみ)。姿を見せない加奈子によって、みんな巧みに操られている。
『渇き。』
原作/深町秋生『果てしなき渇き』 脚本/中島哲也、門間宣裕、唯野未歩子 監督/中島哲也 出演/役所広司、小松菜奈、妻夫木聡、清水尋也、二階堂ふみ、橋本愛、オダギリジョー、中谷美紀ほか R15 配給/ギャガ 6月27日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー
(c)2014「渇き。」製作委員会
http://kawaki.gaga.ne.jp/
日テレ“女帝”木村優子アナだけじゃない! “女子アナの壁”を打ち破った「熟女アナ論」
先日、日本テレビのアナウンス部部長を務めていた木村優子アナ(53)が、子会社に出向になると報じられた。ほかにも同局では馬場典子アナ(40)が6月末で退社を発表。フジテレビでは2011~12年にかけて異動の嵐が吹き荒れ、木幡美子アナ(47)がCSR推進部、田代優美アナ(47)が総務局法務室、吉崎典子アナ(52)が編成制作局へ、次々とアナウンス室を去っている。30歳が定年といわれる“女子アナの壁”を打ち破った才媛たちにとって厳しい状況が続く中、それでも活躍を続けるベテランアナにスポットを当てる。 まず、局に残り続けるベテランアナの中には、若手時代に異例といえる行動を起こしたり、局内の風潮を変えるほどの大きな実績を残している人物が目立つ。 先輩の吉川美代子アナ(60)が定年退職したことで、名実ともにTBSの最年長となった長峰由紀アナ(50)もそのひとり。若手時代は「TBSの浅香唯」と呼ばれていたが、アナドルから脱却するために局外のフリーアナを対象としたオーディションを受け、見事に報道番組のポジションをもぎ取ったというツワモノでもある。その後は報道キャスターとしてのキャリアを重ねて、現在も日曜版の『Nスタ』でメインキャスターとして活躍を続けている。 ほかにも、フジ・阿部知代(50)アナ(現在はFCIニューヨーク本社に出向中)は、若手時代に女性アナのニュース番組への起用が極端に少ない現状を上層部に訴え、フジの女性アナとしては初めてとなるワンショットニュースへの出演を勝ち取った。また、日テレの最年長アナウンサーである井田由美アナ(56)も、同局女性初の生放送単独キャスター、民放初の帯番組女性アンカーという前例を築き、それぞれが自ら手にした仕事によって女性アナの起用の幅を広げている。 現在よりも女性アナウンサーの立場が弱かった時代にあり、それらの行動を起こすのは並々ならぬ苦労があったに違いない。しかし、そんな厳しい状況を覆してしまう意志と才能の持ち主であったからこそ、ベテランになっても局にとって貴重な存在であり続けているのだ。 そんなバリバリのキャリアウーマンという雰囲気の彼女たちとは一線を画しながら、それでもベテランとしての地位を築いているのが、テレ朝の大下容子アナ(44)だ。現在のレギュラーは98年から担当する『ワイド!スクランブル』と02年からの『SmaSTATION!!』で、実に12年間も週6で生放送に出演中。しかも、特番に起用されることもしばしばであり、四十路を越えて人気絶頂の若手アナドル顔負けの精勤ぶりを披露している。彼女のキャリアに裏打ちされた安定した司会ぶりと、“お局”という印象を感じさせない愛らしいキャラクターはベテランとして非常に独特であり、貴重なものといえる。視聴者からの好感度も高く、バラエティや報道というジャンルに関わらず起用できるのも、局にとって使い勝手のよいキャラクターなのだろう。 バラエティ偏重傾向にある現在の若手アナたちは、長峰アナや阿部アナのように報道分野での実績を作ることは難しいかもしれない。しかし、大下アナのように好感度の維持に努めたり、仕事の汎用性の高さを磨くことで、年齢を重ねても局から重用される可能性は十分にある。厳しいベテランの状況に悲観せず、女性アナウンサーたちには息の長い活躍の道を模索してほしいものだ。 (文=百園雷太)TBS公式サイトより
家系より農家系!? 初夏に涼しげなベジ&フルーツラーメン3選
蒸し蒸し蒸し蒸し蒸し蒸し蒸し蒸し……。
「夏前のこのムシムシした時季に、珍級グルメなんて喰いたかねーよ」
なんて言ってる読者もいるだろうけど、こんなラーメンならどお? ムシムシの梅雨からギンギラの盛夏でも食欲をソソリそうな珍級ラーメンを3つ選んでみた!
まずはコレ!
どーよ、真っ赤に染まったこの丼!
運ばれて来た瞬間から甘酸っぱい匂いが漂うのは、丸やら楕円やら、色も多少違う。そう、これは13種類のプチトマトを使った冷製のトマト麺だ。
「でも、これって、ラーメンじゃなくて冷製パスタじゃね?」
と思ったが、トマトスープの中に漂う冷やし中華の風味と、プチプチと弾けるような食感の麺は、オシャレな街のディナーにもよく似合う新しいラーメンの世界だ。プチトマトの中にひとつだけ隠れたイチゴを探すのも楽しみのひとつ。
トマトよりももっと酸っぱいラーメンが喰いたい! という方にはコレ!
見た目からして超スッパそうでしょ!?
カウンターの向こうから器を差し出された瞬間から爽やかな香りがしてきた。そう、その正体は、もちろんレモンラーメンだ!
レモン丸ごと一個分のスライスが浮かべられたラーメンは、見た目はめちゃスッパそう。でも、実はそうでもないんだよね~。スッパイのが苦手なら、食べる前にレモンを取り出しておけば、レモン風味の爽快なラーメンが味わえる。
そして、スッパイのが好きなら入れっぱなしにしておけばいいという、店主のアイディアラーメンだ。ちなみに、隣にあるのはオススメの鶏天。パリパリの食感がクセになる。
そして、スッパイ系が続いたあとに、まったり癒されたいのがコレ!
鮮やかな緑色の海に浮かぶ白ネギの島。スープはほうれん草? それともウワサのミドリムシ? 答えはNOだ。透明感ゼロの緑色のスープをひとくち飲むと、青菜の風味と生クリーム、香辛料の香りが広がった。緑色の正体は、小松菜だ。
これは、東京の東部が原産地とされる小松菜を、ふんだんに使った小松菜クリーミーラーメンで、なんと麺も同じ緑色!
クリームと香辛料が効いていて青臭さはほとんどなく、麺とスープのダブル小松菜でも抵抗なくズズッとすすれる。
そして、どんぶりの縁に見える茶色い棒は、レンゲの柄と思ってたら先っぽにオタマが付いてないし熱い! シナモンスティック? いやこれは、細長い春巻きで、その中身も小松菜がびっしり! ラーメンにうなずき、春巻きに驚いたけど、いちばん癒されたのは美人女将の笑顔でした(笑)。
3つとも、うもうございました。
汐留『ドゥエイタリアン』
冷製イタリア麺赤 1200円
意外性 ☆☆
味 ☆☆☆
店 ☆☆☆
大島『りんすず食堂』
レモンラーメン 650円
意外性 ☆☆☆
味 ☆☆
店 ☆☆
下総中山『中華ひろや』
小松菜クリーミーラーメン 800円
意外性 ☆☆☆
味 ☆☆☆
店 ☆☆☆
どーよ、真っ赤に染まったこの丼!
運ばれて来た瞬間から甘酸っぱい匂いが漂うのは、丸やら楕円やら、色も多少違う。そう、これは13種類のプチトマトを使った冷製のトマト麺だ。
「でも、これって、ラーメンじゃなくて冷製パスタじゃね?」
と思ったが、トマトスープの中に漂う冷やし中華の風味と、プチプチと弾けるような食感の麺は、オシャレな街のディナーにもよく似合う新しいラーメンの世界だ。プチトマトの中にひとつだけ隠れたイチゴを探すのも楽しみのひとつ。
トマトよりももっと酸っぱいラーメンが喰いたい! という方にはコレ!

鮮やかな緑色の海に浮かぶ白ネギの島。スープはほうれん草? それともウワサのミドリムシ? 答えはNOだ。透明感ゼロの緑色のスープをひとくち飲むと、青菜の風味と生クリーム、香辛料の香りが広がった。緑色の正体は、小松菜だ。
これは、東京の東部が原産地とされる小松菜を、ふんだんに使った小松菜クリーミーラーメンで、なんと麺も同じ緑色!
クリームと香辛料が効いていて青臭さはほとんどなく、麺とスープのダブル小松菜でも抵抗なくズズッとすすれる。
そして、どんぶりの縁に見える茶色い棒は、レンゲの柄と思ってたら先っぽにオタマが付いてないし熱い! シナモンスティック? いやこれは、細長い春巻きで、その中身も小松菜がびっしり! ラーメンにうなずき、春巻きに驚いたけど、いちばん癒されたのは美人女将の笑顔でした(笑)。
3つとも、うもうございました。
汐留『ドゥエイタリアン』
冷製イタリア麺赤 1200円
意外性 ☆☆
味 ☆☆☆
店 ☆☆☆
大島『りんすず食堂』
レモンラーメン 650円
意外性 ☆☆☆
味 ☆☆
店 ☆☆
下総中山『中華ひろや』
小松菜クリーミーラーメン 800円
意外性 ☆☆☆
味 ☆☆☆
店 ☆☆☆
第二の尼崎連続不審死事件か――謎を呼ぶ、筑後市連続失踪事件
今週の注目記事 第1位 「サラリーマン『残業代ゼロ』でも『役人だけは例外』の大謀略」 「主婦の年金を廃止するならサラリーマンの保険料を下げるのが筋だ」 「『女性は働け』の大号令で『麻生』と『パソナ』が大儲け」(「週刊ポスト」7/4号) 第2位 「筑後連続変死・失踪事件『大便のあとはシャワー!』厳命した『女王様妻と奴隷夫』の転落」(「週刊ポスト」7/4号) 第3位 「自衛隊は北朝鮮、そして中国と戦う」(「週刊現代」7/5号) 第4位 「入来祐作 用具係の日々に『この惑星には裏方の喜びもある』」(「週刊新潮」6/26号) 第5位 「ウソつきノバルティス社に協力した『疑惑の医師』を直撃!」(「週刊現代」7/5号) 第6位 「前田敦子『結婚宣言』も…尾上松也“裏切りの車中キス”」(「週刊文春」6/26号) 週末に中国・北京で遊んできた。雨、それも豪雨が多い季節だが幸い遭遇せず、PM2.5などどこにあるのかというような美しい青空が広がっていた。 前回訪れたのは2011年3月。11日の東日本大震災は、中国外務省の高官と会う直前にiPadで知った。慌ててホテルへ戻り、テレビに映し出される津波の映像を震えながら見ていたことを思い出す。 今回はたいした用事もなく、北京市内をバスと地下鉄を使って気ままに歩いて回った。街を歩いていてもレストランで食事をしても、反日ムードなど感じたことはない。バスや地下鉄に乗れば、座っている若者が席を譲ってくれる。聞けば、中国では若者が乗り物に乗るとき、まず年寄りがいないかを見回し、いないことを確認してから座るのだという。儒教の教えが行き届いているようだが、譲られるほうは何か気恥ずかしいものである。 なぜ私に声がかかるのかと車内を見回すと、意外にも年寄りの姿をあまり見かけないのだ。バスと地下鉄は日本のSuikaのようなプリペイドカードでタッチすればいい。バスはひと乗りが0.4元(約6~7円)だからとてつもなく安いのだが、週末だから、年寄りの姿が少なかったのであろうか。 地下鉄も、ホームには開閉式のドアがついていて安全に配慮されているし、ゴミもなく清潔である。駅のトイレも、以前とは比べものにならないくらいキレイなのは北京五輪のおかげであろう。 だが気になったのは、テロを怖れてのことだろうが、警戒が半端ではない。地下鉄に乗るのにも手荷物を検査されるし、天安門広場へ行ったときにも手荷物検査があり、そこここに「公安」たちが目を光らせている。 そのためか広場にいる人数は意外に少なく、広い広場がなおさら広く感じられた。1989年、天安門事件が起きる前日に、私はここにいた。夏を思わせるうだるような暑い日で、そこここでキャンデー売りの自転車に人が群がっていた。 だが、日本で伝えられているような緊張感はそれほど感じられず、このまま睨み合いが続くのだろうと思って、夕方そこを離れ帰国した。 間違いなく、中国政府の強硬派たちが怯えて軍を出動させ、若者たちを戦車で蹴散らすよう命令を出したのである。 今の北京を見ていると、習近平たち現政権が少数民族のゲリラ・テロを怖れていることがよくわかる。9.11以降、アメリカはイスラム過激派のテロに怯え、アメリカ人たちは海外に出ることをしなくなり、孤立主義を深めていった。 中国は虚勢を張ってはいるが、内心の動揺は町中に監視カメラと公安警察をあふれさせたことで見て取れる。 そんなことを考えながらブラブラ歩いたが、どうしても紹興酒を飲みたくなって「咸享酒店」(北京市朝陽区北三環東路19号)へ行った。ここは、週刊現代の友人に教えてもらった店である。 「紹興咸亨酒店」は中国浙江省紹興市にあり、文豪・魯迅の叔父が1894年に開業した造り酒屋と居酒屋がある。魯迅は毎晩、そこで紹興酒をどんぶりで飲んでいたという。 そこの支店かどうかはわからないが、店は本店とは違った豪壮な造りのレストランである。紹興酒の種類はさすがに多く、10年ものを頼んだがとろけるようなトロリとした味わいが絶品である。料理も酒に合うものがそろっており、値段もリーズナブル。紹興酒3本、料理をたらふく食って4人で約1万2,000円ほど。北京ではなかなか飲めない紹興酒が飲める貴重な名店である。 さて、サッカーW杯の1次リーグ突破が危うくなった日本代表だが、敗退が決定的になれば、お決まりの「戦犯」探しが始まるのであろう。現代は早くも「弱すぎた!1次リーグ敗退」とタイトルを打ち、「本田も、香川も、長友も、こんなものだったのか」と戦犯候補を挙げているが、新潮が予想していたように、当たる相手はみな格上なのだから、ハナから突破することは難しかったはずだ。実力通りの結果ではないかと、私は思うのだが。 さて、今週の第6位。文春お得意のネタ、元AKB48のセンターを務めた前田敦子(22)についての記事。 6月6日の夜、前田が青山で舞台を鑑賞した後、女優の高畑充希や俳優・池松壮亮、柄本時生らと居酒屋でダベっているのを、文春の記者が聞き耳を立てていたそうな。 すると、前田と交際していたが、破局したのではと報じられた歌舞伎界のニュープリンス・尾上松也(29)とのことをこう話していたというのだ。 「柄本『いま上手くいっているってこと?』 前田『うん、上手くいってるよ』 柄本『……そこまで言ったんなら絶対結婚しろよ、オマエ』 前田『うん、でも全然できるわ-。なんかすっごく好き』」 こう書き写していると自分がアホに思えてくるが、もう少しガマンしよう。恋多き女が結婚を考えているというのだから男冥利に尽きると思うが、そうではないようだ。 前田が結婚願望を口にした6日後の渋谷、深夜2時。男は噂の尾上で、連れの女性は40がらみの美人だというから、ずいぶん年が離れている。 2人はタクシーに乗り込み、女性の自宅に着く直前、尾上が彼女に熱いキスをしたというのだ(証拠写真がグラビアにあり)。 尾上は「裏切りの車チュー」をした後、その足で向かったのは前田の住むマンションだという。 この年上女性は、その筋では有名なラジオプロデューサーだそうだ。今が一番楽しい時期であろう尾上が、本気で前田と結婚する気になるのだろうか。 この話題は、19日朝のフジテレビ『とくダネ!』でもやっていた。前田がAKB48にいたら、秋元康の「威光」を怖れて扱わなかったと思うが、そこを離れたただのタレントには配慮する必要がないのだろう。 お次は第5位。製薬会社ノバルティスファーマ(以下、ノバ社)が血圧を下げる薬「バルサルタン(商品名・ディオバン)に脳卒中や狭心症などのリスクを下げる効果があるとして、2000年から大々的に販売してきたが、その効能は医学的には存在せず、実験データに不正があったことが判明し、厚労省が調査を続けてきた。 そしてついに6月11日、データ改ざんの実行犯として、同社元社員の白橋伸雄容疑者(63歳)が逮捕された。 だが、白橋一人でできるわけはない。京都府立医科大学で大規模な臨床試験を行っていた医師・松原弘明氏(57歳)と白橋容疑者が、二人三脚でやったのではないかといわれている。 だが、ディオバンが問題になりなり始めた昨年2月末、松原医師の姿は京都府立医大病院から忽然と消えてしまったのだ。 それを現代が追跡し、捕まえて直撃している。 彼は奄美大島の名瀬徳洲会病院にいた。病床数255床と島内有数の大規模病院である。 彼は質問に「もう疲れた。(白橋)一人でやったと思う」と、言を左右にして自分の責任は認めないが、東京地検から聴取を受けていることは認めている。 ノバ社は、ディオバンの効能を国際的な医学雑誌に発表した京都府立医大には3億8,170万円、東京慈恵会医大には1億8,770万円、5大学合わせてばらまいた総額は11億円を超えるという。 しかも、それらのカネの「実態は製薬企業が大学の先生に支払う『接待費』なんです」(大学病院に勤務する医師)。巨額な接待費を支払っても、ノバ社はディオバンで1兆2,000億円売り上げているから、大儲けである。 だが、高い降圧剤を処方されたために、数千億円の医療費がそのために支払われているという。 現代が言うように「製薬業界の不透明な手口を解明するためにも、まずはディオバンをめぐるノバ社と大学病院の責任を明らかにすることが求められる」はずである。 さて、かつてドラフトで1位指名された元巨人軍の投手・入来祐作(41)の缶コーヒーのCMが話題である。 96年に入団し01年には13勝を挙げている。その彼が日ハム、アメリカマイナーリーグ、横浜と渡り歩いて、現役を引退したのは08年だったと新潮が報じている。 横浜ベイスターズの打撃投手を務め、09年からは用具係をやっているというのには驚いた。てっきり、CM撮りのための役作りだと思っていたからだ。 CMの話があったのは、今春だそうだ。こんな経験は2度とできないだろうと引き受けたという。入来が今の仕事をこう語る。 「僕が管理しているのは、監督やコーチのノックバット、ヘルメット、選手が練習で使うボールなど諸々の備品です。1日におよそ900個から1000個のボールを扱い、使える物と使えないものを選別していくのも僕の仕事です。球団の予算の範囲内でそれらの管理をします。例えば、選手のユニホームが破れた時、補修するのか新調するのかを判断するのは僕です」 選手が球場に入る前に入り、全員帰った後に球場を出るから拘束時間は12時間ぐらいになる。だが、それを苦に思ったことはないという。 球場にいて選手を間近で見られる子どもみたいな気持ちだと話す。現役時代の自分は、今の彼の中にはないそうだ。現役時代の最高年俸は02年の9,000万円。 「給料の額面を見て、野球選手じゃなくなるということはこういうことなんだと自分で評価しています。男は、働けないことが一番辛いと思います」 ファンの喝采を浴びる日もあれば、屈辱で眠れぬ夜もあっただろう。だが野球が好きだから、どんなことをしてでも野球と関わっていたいのだ。 入来の最盛期を知っている巨人ファンとして、彼にはこう言ってあげたい。素晴らしきかな、野球バカ人生。 現代が安倍首相の「戦争のできる国」への変更は、自衛隊が血を流すことだと批判しているが、タイトルを含めて、なぜもっとハッキリ「安倍首相は自衛隊に死んでくれと言わないのか」とうたわなかったのか。 失礼だが、少し腰が引けた内容である。例えば「'93年の『核危機』の際、密かにアメリカ政府は『第二次朝鮮戦争』が仮に勃発した場合の試算を行っている。当時国防長官だったウィリアム・J・ペリー氏がのちに明かした内容は、次のようなものだった。『朝鮮半島で戦争が勃発すれば、最初の90日間で米軍兵士の死傷者が5万2000人、韓国軍の死傷者が49万人に上る。市民にも大量の死者が出る』」 集団的自衛権が容認されれば、自衛隊を含めた日本人の死者はどれぐらいになるのかを知りたいものだ。 「イラクやシリア、ウクライナ、南スーダン、リビア、ナイジェリアといった、現在紛争が起きている場所にはそれぞれ500~1000人規模の派兵を求められる可能性があります。当然、死傷者が出ることにもなるでしょう」(軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏) 死傷者が出ることになるのではなく、確実に死者が出るのだ。 「しかし、これから支払うことになる代償は決して小さくない」 「威勢がいいだけの安倍総理の言葉を無邪気に礼賛する若者たちは、本当にその覚悟があるのだろうか」 「おそらく安倍総理には、自分がそんな『暴力の連鎖』に足を踏み入れているという自覚はない」 代償は大きく暴力の連鎖は、アメリカや中国のようにテロに怯えて警察監視国家へとまっしぐらに突き進むはずである。 6月16日付の朝日新聞で、旧知の「月刊日本」主幹・南丘喜八郎氏がこう発言している。 彼は純粋右翼といっていい思想の持ち主である。私とは考え方が異なることが多いが、これは「正論」である。 「今日、集団的自衛権の議論で気になるのは『人を殺す』という認識の欠如だ。『戦争に巻き込まれる』『日本人が殺される』と受け身の発想ばかり。いざ戦闘になったら敵、人を殺すことが第一の任務になることを忘れてはならない。(中略)殺された側にも恨みが残る。恨みは連鎖する。それが戦争だ。指導者はその重みに耐え、決断し、背負っていく。最高指揮官たる安倍(晋三)首相に、その覚悟はあるのか。あると言うのなら、起こりうる現実を率直に伝え、『それでも日本には役割がある、耐えてくれ』と国民に訴えるべきだ」 朝日新聞の「朝日川柳」にこういうのがあったと、わざわざ新潮が紹介している。 「『安倍総理バンザイ』と散る自衛隊」 集団的自衛権について、自衛隊員の本音を聞きたいものだ。 安全性が担保されていない原発を世界に売り込み、武器輸出三原則を見直して兵器に転用されることが明白なものまで輸出できるようにし、憲法9条をないがしろにして戦争のできる国にしようと形振り構わず突き進む安倍首相の姿は、戦前の戦争を指導した人間たちの怨霊が乗り移っているのではないかと、夏も近いというのに寒気がするほどである。 福岡県・筑後市で起きた連続変死・失踪事件はその事件の異様さもさることながら、美人妻がなぜこのような事件を引き起こしたのかに関心が集まっている。 この事件はいち早くポストが「筑後連続失踪事件 福岡県警が半年間マークする『美形夫婦』謎の履歴書」(5月2日号)と題して報じていたもの。 妻の中尾知佐容疑者(45)は、瀬戸内海に浮かぶ人口3,000人ほどの離島で、9人の兄弟姉妹の長女として生まれた。 貧しい中、8人の弟や妹の面倒を見ていた彼女だが、高校を卒業すると島から離れていった。夫は伸也容疑者(47)。筑後市でリサイクルショップを経営する夫婦が福岡県警に逮捕されたのは、6月16日のことだ。 逮捕容疑は知人のキャッシュカードを使って現金を不正に引き出した窃盗容疑だが、その逮捕は夫婦周辺で起きていた連続失踪騒動を解明するための「別件逮捕」であった。 リサイクルショップの元従業員・日高崇さん(当時22)の骨の一部が、伸也容疑者の実家の庭から発見された。伸也容疑者は「妻に言われて暴行して埋めた」と供述しているという。捜査関係者は、彼女こそ事件のキーマンと見ているようだ。 夫婦はリサイクルショップを開くと、複数の従業員を住み込みで働かせた。暴力も常態化し、実態は軟禁に近かった。それだけではなく、従業員に借金を強要してカネを上納させたり、従業員の親に「息子が仕事でミスをして損害を与えた」などと言いがかりをつけ、数百万円を支払わせたことも判明しているという。 亡くなった日高さんの両親も息子と音信不通になった後、店の売上金を盗まれたと夫婦に詰め寄られ、300万円以上を支払っていた。 知佐容疑者が伸也容疑者と出会ったのは、彼女が働いていた福岡・中洲のクラブだったとか、筑後市にあるスナックだったなどとさまざまな証言があるようだ。 「シンちゃん(伸也容疑者)はチーちゃんに絶対に逆らえんと。チーちゃんって口は立つし頭がキレるけん、男相手でも平気で口喧嘩し、相手に逃げ道を与えずトコトン追い込む。ある時、シンちゃんが『(知佐は)怒ると手も出るし、足も出るとよ』と話しとった。喧嘩になるとシーちゃんから殴られたり蹴られたりしとったみたい。そやけんシンちゃんはいつもチーちゃんの顔色を窺っとるようなところがあった」(知佐容疑者のママ友) ポストは、そのやり方は尼崎連続不審死事件の角田美代子ファミリーを彷彿とさせると書いている。警察当局が注目しているのは、日高さんだけではない。 「日高さん、Kさん、そして知佐容疑者の妹の夫Hさんとその子供。伸也容疑者が『庭に埋めた』と供述した複数の遺体はこの4人とみられている。我々が最も注目しているのは、Hさんとその息子だ」 知佐容疑者は夫は違って、事件の話になると「何も知りません」と否認を貫いているという。尼崎の事件のように主犯は女性のようだが、なかなか手強そうである。 以前からポストの安倍首相批判、官僚批判は鋭く、見るべきものが多いが、今週は3本もあるのでまとめて今週の第1位だ! 初めは、安倍首相と財界が狙っている、サラリーマンの残業代をゼロにしろという策略について。 「安倍政権が、ついに本性を露にして国民生活に牙をむいた。サラリーマンの残業代をゼロにする『ホワイトカラーエグゼンプション』の導入を打ち出したことは、すでに大きな反発と波紋を呼んでいる。6月11日の甘利明・経済産業相、田村憲久・厚生労働相、菅義偉・官房長官の3大臣会合で『年収1000万円超』の準管理職のサラリーマンに残業代ゼロを適用することを合意し、6月末に発表する『新成長戦略』に盛り込む方針だ」(ポスト) ポストによれば、今回は「年収1000万円は労働者の(上位)3~4%に入るような明確に高い賃金」(甘利大臣)という言い方で、国民に「そんなに年収のある人ならいいか」と思わせようとしているそうだ。しかし、政府や経団連の当面の狙いはそこではなく、「年収600万円台後半」のサラリーマンへ拡大しようとしているというのだ。 さらに政府と財界の最終目標は、残業代ゼロの制度を「年収400万円以下」の社員にまで拡大することだという。 「特に許しがたいのは、民間サラリーマンにリスクを押しつけようとしている役人たちは、このホワイトカラーエグゼンプションが実施されても痛くも痒くもないことだ。元財務官僚の高橋洋一・嘉悦大学教授が語る。 『霞ヶ関の行政職の官僚は全員、労働時間規制の対象外で、いわばすでにホワイトカラーエグゼンプションが適用されているようなものだが、残業代は出ます。しかも、超過勤務手当の予算総額は決まっているから、個々の職員が実際に残業した時間ではなく、忙しい部署の職員には多く、そうでない部署には少なく配分される。私が忙しい部署にいたとき、1人だけ仕事を早く処理して先に帰宅しても残業代がついていました』 残業しなくとも残業代がもらえるとしたら特権というより“公金横領”だろう」(同) 支給される残業代は、国家公務員全体で昨年度の約1,428億円から今年度は約1,539億円へと、予算8%増の大盤振る舞いがなされているのだ。 サラリーマンには厳しい条件を平気で押しつけ、自分たちはのうのうと残業代ももらい天下りのし放題では、天が許さない。 さらに見逃してならないのは、「主婦年金廃止」の動きであるとポストは書いている。主婦は「第3号被保険者」として保険料を負担しなくても、将来、年金を受け取れる仕組みになっている。その「第3号」制度を廃止して、主婦にも月額約1万5,000円の保険料を負担させようという計画があるのだ。 「その中ではパート勤務の妻を厚生年金に加入させるよう制度変更(16年10月施行)して、約1000万人いる第3号被保険者を減らすことがハッキリと図で記されている。その先に狙われているのが『主婦年金』(第3号制度)廃止』なのだ。 年金官僚たちはこれまで『主婦は保険料を払わずに年金をもらえる。不公平だ』という説明を繰り返してきた。その真に受けた大新聞やテレビも『主婦はズルイ』と煽った。11年には、当時の小宮山洋子・厚労相が『(第3号制度は)本当におかしな仕組みだ』と語ったこともある。 本当におかしいのは、そういってきた者たちのほうだ。『不公平論』は真っ赤なウソなのである。年金博士としてお馴染みの社会保険労務士・北村庄吾氏が解説する。 『第3号制度が導入されたのは1986年です。当時財政の再計算が行われ、将来の給与が増える分、サラリーマンが加入する厚生年金の保険料率は10.6%から12.4%(労使合計)へ引き上げられた経緯があります』 つまり、主婦の保険料は夫の負担をアップさせることで補ったのだ。(中略) 『もし第3号制度を廃止するというなら、その分サラリーマンの保険料を下げるのが筋です』(北村氏)」 ポストは、年金の納付率もインチキがあると批判する。 「5月下旬、新聞各紙は『国民年金の納付率、4年ぶりに60%台に』と報じた。厚労省が発表している納付率は10年度に60%を割り込み、12年度は『59.0%』、それが13年度に回復したというのだ。手元に、一般には公表されていないA4版1枚の厚労省資料がある。そこに記された実際の納付率は60%どころか『39.9%』(12年度)となっている」 妻にも年金を払わせるという策略の裏には、彼女たちを社会に出させて少子化による若年労働者不足に苦しむ経済界が労働力として安く使おうというもくろみがあるというのである。 「安倍政権は『女性が輝く日本』を成長戦略の柱に据え、2020年までに企業の役員や管理職など社会の指導的立場で活躍する女性の割合を30%にするという目標を掲げた。しかし、そんなきれいごとを額面通りに受け取る者はいない。企業が欲しがっているのは管理職でも役員でもなく、明らかに目先の安価な労働力だからである」 今まで主婦をやっていた女性のうち、社会に出て主要な地位に就ける人などごくごくわずかでしかないこと、誰にだってわかる。安倍首相の二枚舌ならぬ三枚、四枚舌は、企業側の思うがままに言っているだけなのだ。 さらにポストは、300万人といわれるそうした主婦たちを職業訓練し、派遣するビジネスがこれから大儲けになる。そこに、安倍首相と親しい人材派遣業の大手「パソナ」と、麻生太郎副総理兼財務相のファミリー企業の1社「アソウ・ヒューマニーセンター」がおいしい汁を吸っていると追及する。経済ジャーナリストの萩原博子氏の批判は的を射ている。 「安倍政権の成長戦略はみんな個別企業の利益に直結しています。法人税引き下げやホワイトカラーエグゼンプションは経団連の大企業の利益に沿った政策であり、今年解禁された薬のネット販売は総理のプレーンである楽天の三木谷さんのビジネスでしょう。この事業も主婦の再就職を応援するといえば聞こえはいいが、税金を使ってブレーンの竹中さんの企業や麻生グループの商売に使われている。それは安倍さんの政策を決めているのが諮問機関の経営者やブレーンたちで、国民のためではなく、彼らの利権づくりのための政策でしかないからです。こんな発想で女性の社会進出といわれても、最後に割を食うのは女性や働く人たちです」 安倍政権はこの国の形を変えてしまうだけでなく、そこに住む人間たちに一部の大企業や政治家、官僚たちの意のままに動くことを強要する政権である。とすれば、“史上最悪”の首相と言っても言い過ぎではないはずだ。 かつて現代、ポストは「サラリーマンのための週刊誌」を売り物にしてきたが、今こそサラリーマンや高齢者の真の味方であってほしいと、切に思う。そうすれば、必ず部数もついてくる。 (文=元木昌彦)「週刊ポスト」7/4号 中吊広告より
妻と子を殺した男の足取りは“自殺の名所”で途絶えた「自殺か? 逃走中か!?」真実の行方は……
何かが狂ってしまった現代社会。毎日のようにニュースに流れる凶悪事件は尽きることを知らない。そして、いつしか人々はすべてを忘れ去り、同じ過ちを繰り返してゆく......。数多くある事件の中でも、いまだ犯人・被疑者の捕まっていない"未解決事件"を追う犯罪糾弾コラム。
第26回
八王子母子殺害事件
(2009年4月)
古くから避暑地として親しまれている栃木県日光市の中禅寺湖を水源とする華厳の滝は、紅葉シーズン以外でも観光客が絶えることはない。霧降の滝、裏見滝と併せて「日光三名瀑」に数えられている観光名所である。
ここを訪れる人々はみな、約97mもの落差を水が一気に流れ落ちる壮観な様に心を奪われる。その一方で、この地は明治時代から“自殺の名所”としても知られている。2009年4月、ひとりの男がこの地で消息を絶った……。
同月28日、東京都八王子市の閑静な住宅街に建てられたマンションの一室で、女性と幼児の他殺体が発見された。亡くなっていたのは、会社員の大沢咲子さん(当時27歳)と、長男の航也ちゃん(当時3歳)。リビングで遺体となって発見された咲子さんは、頭を鈍器で何度も殴られたような痕があり、血まみれの状態だった。室内には、凶器と見られる血のついたスパナが落ちていたという。また、隣の和室では航也ちゃんが何者かに首を絞められ、窒息死していた。
この家で、夫と3人暮らしだった咲子さんと航也ちゃん。第一発見者となったのは、夫の両親である。前日から一切電話がつながらないことを心配し、息子夫婦のマンションを訪れ、解錠業者にドアを開けてもらって室内に入ったという。そして、午前2時過ぎに2人の変わり果てた姿を発見したのだ。
捜査を開始した警察が、容疑者を特定するのに、さほど時間はかからなかった。玄関の鍵が閉まっていたことに加え、事件発生前後、マンションの防犯カメラに映っていたのが、咲子さんの夫だけだったからである。
警察は、家族以外の侵入の可能性は皆無として、2人を殺害した疑いで夫の大沢悠也容疑者(当時29歳)を緊急手配する。このとき、自分たちの息子が手にかけたかもしれない母子の遺体を見つけた夫の両親は、いったいどんな気持ちだっただろうか。
翌朝、警察は夫の足取りを、意外な場所で確認する。冒頭の華厳の滝の付近にある駐車場で、彼の運転していた軽自動車が発見されたのである。
しかし、そこは前述した通りの“自殺の名所”。悠也容疑者が2人を殺害したとすれば、その場所で投身自殺した可能性もある。実際、滝の近くの防犯カメラに車を運転する彼の姿が映っていたほか、滝の頂上付近からは、愛用のジャケット、財布、デジタルカメラが発見された。
観光客のいない早朝、警察は上流のダムの水門を閉めて滝の水を止め、一斉捜索を開始。しかし、滝つぼからは彼の着ていたシャツが発見されたものの、どれだけ探しても本人の遺体は見つからなかった……。
警察は「逃走の可能性あり」として、同年5月18日に同容疑者を殺人容疑で指名手配。しかし、有力な手がかりはまったく見つからなかった。
やはり、自責の念にかられた悠也容疑者は、華厳の滝に身を投じたのだろうか。それとも、自殺を偽装して、まだ逃走を続けているのだろうか。はたまた、第三者による犯行に巻き込まれ、身内による殺害に見せかけられたのだろうか……。ちなみに、関係者の証言では、大沢一家は華厳の滝と縁もゆかりもなかったという。
惨劇が起きる前、近所の公園では3人で散歩する姿がしばしば目撃されていた。咲子さんも生前、「夫は本当に優しい人」と友人らに語っていたといい、夫妻を知る人々はみな、「あんなに仲が良さそうだったのに……」と口をそろえる。
いったい、仲の良かったはずの一家3人に何が起きたのか?
真実を明らかにするため、生きて悠也容疑者が証言台に立つ日が来ることを信じて待ちたい。
(取材・文=神尾啓子)
<指名手配>
名前:大沢悠也(当時29歳)
身長:158cm
特徴:痩せ型、メガネをかけることもある
<情報提供先>
南大沢警察署
042-653-0110
SNS詐欺の被害が拡大中! オイシイ話はないと肝に銘じるべし
昔から詐欺師はいたが、現在、その主戦場はSNSになった。FacebookやLINEなどで、あの手この手を使った詐欺が跋扈しており、被害に遭うケースが報告されている。これらをケーススタディとして、読者は被害に遭わないように注意してほしい。自分は絶対に被害に遭わない、と思い込んでいる人こそ、さっくりだまされてしまうので注意が必要だ。今回は、Facebook広告について紹介しよう。 Facebookでは、画面のあちこちに広告が表示される。ユーザーの嗜好などを分析し、ターゲットを絞り込んでアプローチしてくる広告だ。企業からすれば効果を期待できるので、広く利用されている。しかし、しっかりと審査していないようで、怪しい業者による広告も多い。 よく見られるのが、サプリメントの広告。サンプル購入として、低価格で試すことができるというもので、価格は数百円とハードルが低い。しかし、細かい規約の中には目立たないように、一定期間後は定期購入に移行する、と書かれているのだ。そのため、2カ月後くらいに、数万円の請求書がカード会社から送られてくることになる。問題は、会社の登録が海外になっており、簡単には連絡がつかない点。ひどいときには、会社ごとなくなっていることもある。気がついたとき以降の引き落としは止められるが、最初の請求は泣き寝入りせざるを得ないことも。同じパターンで女性向けの美容品というケースもある。 また、本来であれば、Facebookの規約でNGのはずの、風俗サービスや偽ブランド品の広告も見かける。Facebook広告はユーザーが登録した嗜好に加え、投稿内容などさまざまなデータを分析し、ターゲットを決めている。年齢や性別、住所、趣味、交際状況、学歴など、登録している個人情報で絞り込むこともできる。そのため、悪意のある業者がカモを探す手段として活用されていることも。相手にされなくなった迷惑メールよりも、ずいぶん効率がいいのだ。 どの詐欺広告も、最初から大きな金額が発生するようなことは言わない。健康や美容、出会い、ブランド品といった興味をそそりそうな内容を、うまく打ち出してくる。「少額だから」と、個人情報やクレジットカード情報を登録してもらえれば、一丁上がり。スムーズに取れる金額をだまし取って、逃げるのだ。 今後は「Facebookの広告だから」「お試しのみだから」「後でキャンセルすればいい」、といった理由で気軽に購入するのは避けたほうがいい。大手サイトではないホームページで何かを購入するなら、業者の登録情報を確認したり、ネット上の評判をチェックすべき。詐欺業者の場合は、すぐに被害報告が見つけられるはずだ。そのサイトにしかないオイシイ話などないと思ったほうがいい。欲に目がくらむほど、詐欺の被害に遭いやすくなるのだ。 (文=柳谷智宣)イメージ画像
「破産のはずが、運転手付きのベンツで高層マンションに移動……」与沢翼 VS 探偵ファイル、仁義なき戦い勃発!
ヲタ系ITライターと日刊サイゾー新米編集者が、ここ最近、ネットで話題になったいろいろな出来事について語るコーナーです。
■ラノベ作家が炎上、「艦これ運営の圧力で潰された」発言で ITライター・Dr.T 燃えています。 新米編集者・アキ ……また? 今度はどこのプロブロガーですか? Dr.T いや、そんな毎回毎回プロブロガーが燃えてるわけじゃないから! 今回炎上したのは、ライトノベル作家の幾谷正氏だよ。どうも、自身の新刊が「艦これ運営からの圧力で潰された」という発言をツイートしたのがきっかけだったみたいだね。 アキ 『艦これ』って、あの『艦隊これくしょん』ですよね。去年くらいからすごいブレークしているゲーム。 Dr.T アキちゃんでも知っているんだから、相当な人気だよね。その『艦これ』の公式絵師さんであるコニシさんが、“ひよこ西”名義で幾谷氏の新作『アーマードール・アライブ』(講談社ラノベ文庫)の挿絵を担当したんだ。 アキ そこで何かトラブルがあったんですか? Dr.T 幾谷氏がブログ(現在は削除)に書いている経緯によれば、幾谷氏は担当編集の紹介でひよこ西氏を知り、編集を通じて仕事を打診。少し時間はかかったものの、新刊は無事、ひよこ西氏のイラスト付きで発売されたんだ。 アキ 特に問題なさそうですね。 Dr.T 問題はここから。幾谷氏は自身を「売れない作家」と称していて、このままではあまり売れないのではないかと懸念していたみたいなんだ。そこで幾谷氏は、編集を通じてひよこ西さんに「TwitterかPixivのような、目に付きやすい形で事前に告知してほしい」とお願いした。ところが、『艦これ』サイドから「絵師に対して告知のNGを出された」と幾谷氏はブログに書いている。その理由としては、ひよこ西氏の『艦これ』側の仕事が滞っており、「ほかで仕事をしていたなんて知られたくないからだろう」と予想しているね。一応、ひよこ西氏は別名義のブログで告知は出したそうなんだけど、幾谷氏にとっては、もっと閲覧者の多いTwitterやPixivで告知してほしかったという不満があったんだ。 アキ うーん、でも絵師さんにも事情があったわけだし、そこまで強要はできないですよね。 Dr.T ……と、周囲も思ったから、『艦これ』ファンはもちろん、ネットユーザーが幾谷氏のブログに押し寄せて、現在炎上しているというわけ。確かにラノベでは文章と同じくらいイラストも大事だから、そのファン層にアピールしたいという幾谷氏の気持ちはわからないでもないんだけど、それにしても今回の騒動でネットユーザーの共感を得ることは難しいだろうね。一部、フォローしているユーザーもいるみたいだけど、ネットの声は幾谷氏に99%批判的だよ。 アキ うう、やっぱり炎上って恐ろしい……幾谷さん、これからどうなっちゃうんでしょうか? Dr.T 担当編集ともこじれてしまったみたいだし、もともと精神的に追い詰められているところに、今回の炎上だからね。とりあえずは皮肉にもこれで有名になってしまった『アーマードール・アライブ』が、きちんと内容で評価されて今後につながるといいんだけどね。 アキ ラノベは出版不況でも比較的売れているジャンルって聞いてましたけど、こうして見ると、新人さんにとっては本当にイバラの道なんですね……。 Dr.T いい作品なら自動的に売れるってわけではないからね。作品の質はもちろん、“どうやって売っていくのか”が、ネット時代の作家には必須スキルになりそうだね。『アーマードール・アライブ』(講談社ラノベ文庫)
■家入一真氏の「インターネッ党」が活動停止状態に? Dr.T インターネットらしい出来事といえば、家入一真氏が立ち上げた政党「インターネッ党」が活動停止状態になっているという報道(http://www.huffingtonpost.jp/2014/06/08/internet-party-straying_n_5468758.html)が、一部で話題になったね。 アキ インターネッ党……? ダジャレ……? ネタ……ですか? Dr.T いやいや、大真面目だよ。インターネッ党を立ち上げた家入氏は、もともと「paperboy&co.」(現:GMOペパボ株式会社)の創業者で、社長を辞めてからもさまざまなサービスをリリースしてきた人なんだ。まだ35歳ながら、2月に行われた都知事選にも出馬していたんだけど、アキちゃんは知らないかな? アキ いましたっけ、そんな人……覚えてないですね……。 Dr.T ま、まぁ一般的な知名度はあまりなかったからね。とはいえ、都知事選では9万票近い支持を得て注目されていたんだ。そんな家入氏が選挙後に立ち上げたのが「インターネッ党」。家入氏が選挙で掲げた120もの政策を実現することを目標として、2020年までに東京23区すべての区長選挙に候補者を擁立することを宣言していたんだ。 アキ 一見、立派な感じがしますけど……。 Dr.T ところが、6月に行われた中野区長選挙には、インターネッ党の候補者は一人も出馬していなかった。公式サイトのメールマガジンも4月28日以降は発行されていないし、華々しくスタートしたインターネッ党は、いきなり活動停止状態になってしまったんだ。 アキ でもどうしてですか? まだ立ち上げて半年もたってないじゃないですか。まさか家入さんの身に何か……!? Dr.T いや、家入さんは至って元気に、今日もTwitterでつぶやいてるよ。活動停滞の直接の原因はわからないけど……ネットユーザーからは「飽きたんだな」「いつものこと」「期待を裏切らない」といったコメントが寄せられているよ。 アキ ……何か、応援コメントってわけでもなさそうですね。 Dr.T もともと家入さんは、飽きっぽいことで有名だったからね。社長だった頃はさすがにそういうわけにもいかなかっただろうけど、一人で活動し始めてからは、けっこういろんなサービスを途中で投げ出しているみたい。ただ、本人としては“投げ出している”つもりじゃないんだろうけどね。 アキ なんか、子どもみたいですね。 Dr.T 良く言えば、そういうところがアイデアの元になっているのかもしれないけど、一緒に仕事をするにはちょっと不安になる自由奔放さだよね……。 アキ インターネッ党は今後どうなるんですか? Dr.T 今回の報道を受けて、「週明けに協議し、今後の方針を決める」というリリースが14日に出されているよ。……もっとも、17日には「都合により延期しました」という新しいリリースが出されていて、先行きは不安だね。 アキ ある意味、期待通りですね!「ハフィントン・ポスト」より
■与沢翼 VS 探偵ファイル、仁義なき戦い勃発! Dr.T ネット業界の闇と闇がぶつかり合う、最終戦争(ハルマゲドン)勃発で、ネットユーザーたちが大盛り上がりになっているみたいだよ。 アキ な、なんですか? ハッ、まさかGoogle VS Amazon……あるいはTwitter VS Facebook……! Dr.T いやいや、その規模になると、もはやハルマゲドンでは済まないから! 与沢翼さんだよ、与沢翼さん! アキ ……なんだ、一気にスケールダウンしましたね。 Dr.T 少し前に、与沢氏の会社が税金滞納で事実上破綻したというニュースについて2人で話したじゃない? 与沢氏といえば、ネットで一気に成り上がったネオヒルズ族と呼ばれる一派のボス的存在。その彼が凋落したというニュースに驚かされたわけだけど、そんな与沢氏を「探偵ファイル」がリサーチしていたらしいんだ。 アキ 探偵ファイル? Dr.T 10年以上前からネットで人気を博してきたウェブサイトだよ。単なるニュースサイトじゃなくて、本職の探偵がいろいろな体当たり企画に挑戦したり、アングラで危険なネタもバンバン出してくるのが特徴なんだ。 アキ ずいぶん尖ったサイトですね。 Dr.T 本業はあくまで「探偵業」みたいだけどね。で、そんな探偵ファイルが、実は破綻告白後の与沢氏を見張っていたらしいんだよね。すると、破綻して一文無しになったはずの与沢氏が、運転手付きのベンツで移動し、高層マンションに高級家財を運び入れていたんだ! この光景は、ばっちり撮影されている(http://www.tanteifile.com/diary/2014/06/10_01/)。 アキ えっ……つまり? Dr.T もしかしたら破綻したというのは計画倒産で、財産は別の会社に移動済みなのでは……そんなふうにとらえたネットユーザーもいるみたいだね。とはいえ、与沢氏はこの件に関して探偵ファイルに抗議文を提出しており、それによると「ベンツは経営破綻する前の所有車」「(税金滞納での破綻の件は)私個人に対する納税義務ではない」といった主張をしているね。 アキ もはや何がなんだかわかりませんが……ひとつだけ言えるのは、こんな危なそうな話だからこそ、BL妄想がはかどるってことですね! Dr.T BL妄想できる要素がどこに!? (構成=Dr.T) ●Dr.T 24時間ネットをウォッチするヲタ系ITライター。チキンなのでネットの揉め事には参加しない。好きな食べ物はガリ。 ●アキ ネットのコアなニュースに疎い新米編集者。よく天然と言われるが自覚はない。ちょっぴり辛口で、BLが好きな腐女子。与沢翼 公式ブログより
イッツ・ア・セックスワールド! 閉館寸前の「鬼怒川秘宝殿」で、栃木のエロ郷土史のお勉強
東武鉄道で、東京からおよそ2時間。かつては「東京の奥座敷」としてにぎわいを見せた鬼怒川温泉は、関東有数の名湯だ。鬼怒川が生み出す風光明媚な景色と、ゆったりと流れる時間を求め、現在でも毎年200万人あまりの観光客が訪れている。美しい自然と、温泉の温もり、豊富な山の幸、そこを訪れた観光客たちは、目も、舌も、心も満足させられることだろう。あと、足りないものといえば……、そうエロスだ。 でも大丈夫。鬼怒川温泉を代表する景勝地「龍王峡」のすぐ近くには、「鬼怒川秘宝殿」がそびえ立っているのだ。 かつては、全国各地に存在した秘宝館。しかし、時代は変わり、現在では熱海とともに残り2館にまで減少してしまった。そして、この鬼怒川秘宝殿も、今夏の閉館を予定しているのだ。 国道沿いに建つ、潰れたパチンコ店のようにも見える秘宝館。「見る 知る 遊ぶ おもしろマル秘ワクワク大発見」と書かれた看板はペンキが色褪せており、うら寂しい風情を漂わせている。
館内に入ると、まず飛び込んできたのは秘宝殿のシンボルである「鬼怒川お竜」という女性の人形。着物がはだけ、おっぱいを露わにして来館者をお出迎えしてくれる。そして、その後ろには酒樽を乗せた神輿が2基。前面にはそれぞれ、天狗とおかめが貼り付けられており、よく見てみると、天狗の鼻は男性器を、おかめの口は女性器を模した形になっている。早速の歓迎ムードに、すでに期待値はうなぎ上り。しかし、ここはまだエントランス。いわば、秘宝殿の前戯にすぎない。
受付で、初老の男性に1000円の入館料を支払って館内に入ろう。
まず目に飛び込んでくるのは、いきり立つ男根「授かり御神木」だ。その大きさは、およそ1メートルくらいだろうか。固くて太い巨根に、思わず愚息と比較をしてしまう。木のすべすべとした質感には、誰もが思わず吸い寄せられてしまうらしく、先端の部分は浅黒くなっている。そのフォルムを見れば、触らずにはいられないのだろう。
そして2Fへ移動。ここからが、いよいよ本番だ。男根、男根、女陰、男根と、目に飛び込んでくるのは卑猥すぎる品々! うーん、男根崇拝は各地に残された民族風習とはいえ、ここまであっけらかんとチン列されるとエロスを通り越し、圧巻というほかない。しかし、よく見ると、それらが卑猥なだけではないことに気づくだろう。キャプションによれば、ここに並んでいるのは鬼怒川、宇都宮、日光など、栃木県内各地にある男根、女陰のレプリカ。看板にも「下野国風俗資料館」と書かれているように、鬼怒川秘宝殿は栃木の郷土を性によって再発見する場所であり、U字工事とならぶ栃木の親善大使なのだ。「ごめんねごめんね~」の断りもなしに、秘宝殿は栃木エロの奥深さを見せつけてゆく!
だが、そもそも、なぜ、こんな場所に秘宝館が建設されたのだろうか? それには、鬼怒川温泉の歴史が関係していた。ここ、鬼怒川温泉とさらに山奥に行った場所にある川治温泉では、毎年合同で「龍王祭」という祭りを開催。エントランスに展示された、男根神輿と女陰神輿をそれぞれの温泉街から出発させ、中間地点となる龍王峡で合体させる……。神輿は、温泉コンパニオンたちが担いでいたというから、まさに、それは性の祭典であり、ここ龍王峡は2基の神輿がまぐわう“性”地だったのである。
そして、男根・女陰が入り乱れる展示室を通り抜けると、いよいよ、鬼怒川秘宝殿のメインが待っている。
「ここからは、センサーが作動します」
いったい何が……!?
「カチッ」
という、センサーの作動音とともに、「ドンドコドンドコ」と激しい太鼓の演奏が鳴り響く。男女の半裸等身大人形が登場だ。その裏には、天狗とおかめの面をつけ、踊り狂う男女がスクリーンに映し出されている。女の胸を揉みしだき、股間に押し付けられる天狗の鼻。さらに、天狗にまたがり激しく腰を振るおかめ。いったい、これは……と思っているうちにエロ舞踊は終了する。あっけに取られながら次の部屋に足を踏み入れると、またしても「カチッ」という音とともに、和尚の後ろで、まぐわう男女や、戦に出征する前夜に妻を抱く武士など、さまざまなエロ人形たちが動き出す。もちろん、こちらもただエロいだけではない。栃木の歴史に微妙に絡んでおり、さながら「栃木のエロ郷土史」といった風情だ。
鬼怒川温泉の入浴中にコトを致してしまう男女や、天然記念物である日光杉並木でレイプされるうら若き娘、栃木名産のかんぴょう農家のセックス風景、はたまた、「栃木を通行したことがある」という理由だけで5Pの様子を描かれてしまう豊臣秀吉に至っては、もはや名誉毀損のレベル……。そう、ここには、ディズニーランドに負けない、栃木の「イッツ・ア・セックスワールド」が展開されていたのだった。レモン牛乳やとちおとめに育てられた大島優子(壬生町出身)や、手島優(足利市出身)、平山あや(那須塩原市出身)なども、時代が変わればもしや……と考えれば、思わず下半身が熱くなってしまう。
このほかに、ヒンドゥー教のエロ世界や、理研も舌を巻くであろう「ラブサイエンス」と名付けられた科学的なセックス分析、さらにはマリリン・モンローとおぼしき女性の人形などを通過して展示は終わり。おみやげコーナーには、バイブやオナホ、「セクシーショーツのUFOキャッチャー」など、秘宝館らしいグッズが並んでいた。中でも特筆すべきは、性技の数々がイラスト化された「48手てぬぐい」の素晴らしいデザイン。お値段は1000円也。
と、満足して秘宝殿を去ろうとしたところ、受付の男性に遭遇。インタビューを試みると、その裏事情を語ってくれた。
昭和56年から営業を行っている鬼怒川秘宝殿。「オープンから10年くらいはすごかった。ほかに娯楽施設らしいものもないので、大勢のお客さんが入ったんです」と男性。しかし、時代は昭和から平成に変わり、秘宝殿ももはや過去の遺産になってしまった。「閉館の理由は、やっぱり人が入らないから。このシーズンは平日でも10人くらいのお客さんが来るけど、冬になると、1日3~4人。0人なんていう日もあるんだよ」と肩を落としていた。しかし、閉館のニュースを知ってか、取材当日は若いカップルや女性2人組などの姿もチラホラ。昭和の雰囲気を懐かしむ若い世代には、まだまだ需要がありそうだが……実に惜しいことである。
なお、館内に展示されている人形は、33年前の当時で1体300~400万円。一つひとつ丁寧に石膏で型を取られた人形を制作した当時の写真を見せてもらうと、真剣な表情で男女の型取りをする職人たちの姿が映し出されていた。「中には変なお客さんもいてねえ、人形と一緒に裸で写真を撮ろうとする人や、館内に人目がないからセックスを始めちゃうカップルなんかもいたんだよ」。男性は、遠い目で秘宝殿の思い出を振り返った。
性におおらかな栃木の歴史を体験できるのは、この夏まで。そのフィニッシュに向け、鬼怒川秘宝殿は静かに高まっている。
(取材・文=萩原雄太[かもめマシーン])
これが史上空前の“お蔵入り映画”の全貌だ! 脳内麻薬が大噴出『ホドロフスキーのDUNE』
「ドラッグがなくてもトリップできるような映画、観た人の意識を変えてしまう映画をつくりたかったんだ」。“キング・オブ・カルト”アレハンドロ・ホドロフスキー監督はドキュメンタリー映画『ホドロフスキーのDUNE』の冒頭で高らかにのたまう。『エル・トポ』(70)や『ホーリー・マウンテン』(73)でカルト映画ブームを巻き起こしたホドロフスキー監督にとって、映画製作は金儲けの手段ではなく、世界中の人々の意識を変容させてしまう一種の芸術革命だった。未知なる世界をスクリーン上に生み出すことで、観る人々の意識をより自由なステージへと導くことを目指していた。果たして、そんな高尚かつアバンギャルドな映画を本当に完成させることができたのか? いや、ホドロフスキーが思い描いた理想の世界は、砂でつくった城郭のように脆くも崩れ去ってしまった。『ホドロフスキーのDUNE』は映画史に語り継がれる未完の大作『DUNE』の全貌を明らかにすると共に、ホドロフスキー監督の脳内イメージを観客が分かち合うという刺激的な内容となっている。 SF作家フランク・ハーバードが1965年にシリーズ第1巻を発表した大河小説『DUNE』は、デヴィッド・リンチ監督がカイル・マクラクラン、スティングらの出演で『デューン/砂の惑星』(84)として映画化したことで知られる。砂漠が広がる不毛の惑星デューンを舞台に、人間の意識を拡張するメランジという麻薬の利権をめぐって権謀術数が繰り広げられた。現代も続く中東諸国と英米との戦いを投影したような内容だった。『デューン/砂の惑星』は壮大なストーリーを2時間17分で強引にまとめたこともあり、興行的に大コケして終わる。これに懲りたデヴィッド・リンチは、その後は『ブルーベルベッド』(86)など低予算映画をもっぱら手掛けるようになった。 デヴィッド・リンチにとっても黒歴史となった『DUNE』だが、1975年に企画されていたホドロフスキー版のキャスト&スタッフが悶絶級にすんごい。銀河帝国の皇帝にはアート界の巨人サルバドール・ダリ。空飛ぶ悪徳貴族・ハルコンネン卿には『市民ケーン』(41)の天才監督にして伝説の名優オーソン・ウェルズ。スティングがパンツ一丁で演じたラウサには人気絶頂期のミック・ジャガー。音楽はTOTOではなくピンク・フロイド。そしてフランスコミック界のビックネームであるメビウスが絵コンテを描き、新進画家のH・R・ギーガーが美術デザイン……。名前を聞いているだけでクラクラと陶酔感を覚えるような顔ぶれによって製作準備が進められていたのだ。カメラを前にしたホドロフスキー監督は70年代にタイムトリップしたかのように、エネルギッシュに製作当時を振り返る。ホドロフスキーの口から目から鼻から耳から、そして体中の毛穴という毛穴から脳内麻薬がドクドクと溢れ出す。今年85歳となるアレハンドロ・ホドロフスキー監督。映画監督のみならず、コミックの原作者、タロットカード研究家など多方面で活躍している。
ホドロフスキー監督が世界各地を回って、スタッフ&キャストをスカウトするエピソードがサイコーに楽しい。サルバドール・ダリは出演OKするものの無理難題をふっかけてきた。プライドが高いダリは「君の映画に出演しよう。でもハリウッドでいちばんギャラの高い俳優に私はなる。撮影1時間につき10万ドルほしい」と要求してくる。お金に縁のない生活を送るホドロフスキー監督に時給10万ドルなんて払えるわけがない。当時28歳だった青年プロデューサーのミシェル・セドゥーでも無理だ。そこでここはトンチで切り抜けることに。完成した映画にダリが何分映っているかで時給換算することにした。銀河皇帝の出演パートはほんの数分程度だ。これなら充分払える。オーソン・ウェルズは彼の行きつけのパリのレストランへ押し掛けて出演交渉する。喰い道楽に堕ち、現場からすっかり離れていたウェルズは「もう映画には出たくない」と断るが、ホドロフスキーは「ギャラとは別に、このレストランのシェフを専属で雇う」と申し出る。パリの一流レストランのシェフが撮影スタジオで賄い料理をつくるという、うっとりする提案にウェルズは思わず出演OKしてしまう。 錬金術師を思わせるホドロフスキー監督の手八丁口八丁ぶりに、映画界のみならずアート界、音楽界からも偉人奇人変人たちが続々と集結する。ホドロフスキー作品にはフリークス集団が度々登場するが、ホドロフスキーにすればダリもオーソン・ウェルズも精神的な欠陥者だった。欠落した常識の代わりに、彼らの心には狂気が宿っていた。ホドロフスキーは自分が集めたそんなスタッフ&キャストを、敬意を込めて「魂の戦士」と呼んだ。世間の常識を打ち破るための仲間だった。映画史上前例のない壮大すぎる実験映画をホドロフスキーは打ち上げようとしていた。 ホドロフスキー監督は「魂の戦士」軍団を結成するが、哀しいかなそれでもハリウッドの牙城は突き崩せない。映画をビジネスとしてしか考えないメジャースタジオのお偉い方たちは、ホドロフスキーがSF大作を監督することをあまりにもリスキーだと考えた。結局、ホドロフスキーの映画革命はハリウッドから拒絶される形で無惨にも砕け散る。やはり、ホドロフスキーの偉大なる実験は大失敗に終わったのか。いや、そうではないと、本作を3年がかりで完成させたフランク・パヴィッチ監督はホドロフスキーの無謀な挑戦を極めてポジティブに解釈する。『DUNE』製作時のホドロフスキー監督とキャラクターデザインを手掛けたメビウス(右端)。ホドロフスキーに感化され、メビウスは数々の映画に関わる。
「魂の戦士」のひとりとして、ジョン・カーペンター監督のデビュー作『ダーク・スター』(74)で特殊効果を手掛けていたダン・オバノンが参加していた。ダリの推薦で、まだ無名だったスイス人画家のH・R・ギーガーも美術デザイナーとして加わっていた。『DUNE』の企画はクランクイン前に頓挫してしまったが、ダン・オバノンが脚本を書き、メビウスがコンセプトデザイン、ギーガーがクリーチャーデザインを担当することで人気SFホラー『エイリアン』(79)が誕生する。また、メビウスが描いた『DUNE』の詳細なストーリーボードはハリウッドの各メジャースタジオに台本代わりに届けられており、『DUNE』用に描かれていた様々なビジュアルイメージやアイデアはその後のSF映画に流用されることになる。『DUNE』の企画がなければ、『スター・ウォーズ』(77)も『レイダース/失われたアーク』(81)も『ブレードランナー』(82)も『ターミネーター』(84)も違ったものになっていただろうと本作は指摘する。 ホドロフスキー自身も、『DUNE』が史上最大の残念映画となったことを悔いてはいない。自分の脳内で閃いたイマジネーションが、多くの作品に有形無形な影響を与えたことを喜んでいる。もともとお金儲けのためではなく、人々の意識を変えることが目的だったからだ。『DUNE』は未完成ながら、ジャンルを越えた気鋭の人材を輩出し、また後進のクリエイターたちを大いに触発した。ホドロフスキーの当初の野望は充分に叶えられた。ホドロフスキー版『DUNE』は映画としての形をなすことなく幻に終わったが、『DUNE』に登場する秘薬メランジのように『DUNE』の企画に触れた人々の意識を次々と変容させていったのだ。 偉大なる失敗作『DUNE』の薫陶を受けたパヴィッチ監督は、ホドロフスキーにちょっとしたサプライズを用意する。『DUNE』の企画が立ち消えになって以降、音信を絶っていたプロデューサーのミシェル・セドゥーとホドロフスキーとの再会の場をセッティングしたのだ。2人とも「相手は怒っている」と思い込み、35年間にわたって距離を置いていた。だが、久しぶりに逢ってみるとお互いに映画製作への情熱が忘れられない「魂の戦士」同士だった。ホドロフスキーが新作を撮りたいと申し出ると、セドゥーは企画内容を聞かずに資金提供を約束した。そうして生まれたのが、今年85歳になるホドロフスキー監督の最新作『リアリティのダンス』だ。 『リアリティのダンス』はチリの小さな田舎町で生まれ育ったホドロフスキー監督の自伝的映画であると同時に、お金をめぐる寓話でもある。今年4月に来日を果たしたホドロフスキー監督はこう語った。 「お金はただの紙切れにすぎません。それなのにお金は恐ろしいことに人間を奴隷扱いしてしまう。今の貨幣システムは変えなくてはなりません。でも、もし変えられないのなら、お金をうまく使うことが大事です。個人的な欲望を満たすためにお金を消費するのではなく、もっと活きたものとして活用するのです」 『DUNE』で人間の意識をより自由な世界へと解放しようとしたホドロフスキー監督。瑞々しいイマジネーションに満ちた最新作『リアリティのダンス』では、貨幣制度に縛り付けられている現代人の傷ついた魂を救済しようと試みている。ホドロフスキー監督の映画革命は今なお進行中だ。 (文=長野辰次)H・R・ギーガーが描いた建造物のデザイン画。『エイリアン』を思わせる重厚かつ邪悪な雰囲気だ。5月に亡くなったギーガーへのインタビューも収められている。
『ホドロフスキーのDUNE』
監督/フランク・パヴィッチ 出演/アレハンドロ・ホドロフスキー、ミシェル・セドゥー、H・R・ギーガー、クリス・フォス、ブロンティス・ホドロフスキー、リチャード・スタンリー、デヴィン・ファラシ、ドリュー・マクウィーニー、ゲイリー・カーツ、ニコラス・ウィンディング・レフン、ダイアン・オバノン、クリスチャン・ヴァンデ、ジャン=ピエール・ビグナウ
配給/アップリンク、パルコ 6月14日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラスト有楽町、渋谷アップリンクほか全国順次公開中
(c)2013 CITY FILM LLC,ALL RIGHTS RESERVED
http://www.uplink.co.jp/dune
『リアリティのダンス』
監督・脚本/アレハンドロ・ホドロフスキー 衣装デザイン/パスカル・モンタンドン=ホドロフスキー 出演/ブロンティス・ホドロフスキー、パメラ・フローレス、イェレミアス・ハースコヴィッツ、アレハンドロ・ホドロフスキー、バスティアン・ボーデンホーファー、アンドレス・コックス、アダン・ホドロフスキー、クリストバル・ホドロフスキー
配給/アップリンク、パルコ 7月12日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンクほか全国順次公開
(c) “LESOLEIL FILMS”CHILE・“CAMERA ONE”FRANCE 2013
http://www.uplink.co.jp/dance













