『けいおん!!』修学旅行のエピソードでファンの脳内舞台設定が大混乱

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TBS『けいおん!!』HPより
 絶好の好天に恵まれた今年のGWだが、録りためた今期の新番組を光の速さで消化したアニメファンも多いのではないだろうか。もしまだ未見なら『けいおん!!』(TBS)の第4話を視聴することをオススメする。別に「!」がひとつ増えた2期のクオリティが1期を凌駕しているからだとか、そういう当たり前の話ではない。ある理由でこの回が妙な注目の仕方をされているからだ。  第4話の筋書きは「修学旅行!」のサブタイトル通り、唯たち三年生が2泊3日の修学旅行で京都へ向かうというもの。新幹線の窓からは富士山が見える。この成り行きにネットの実況民から多くの「?」が上がった。 「あれ? 京都住みなのに京都に修学旅行に行くの?」  第1期『けいおん!』では、第1話の放映直後から「OPで4人が飛び跳ねているのは賀茂川、出町柳の飛び石」などと、ロケ先が京都であることを視聴者が次々に特定。その後も唯がギブソン・レスポールスタンダード2008を購入した楽器店のモデルがJEUGIA三条本店であることが明らかになるなど、ファンの間では『けいおん!』の舞台=京都という刷り込みがなされ、校舎のモデルとなった滋賀県の豊郷町立豊郷小学校とともに、聖地巡礼の対象となっていた。  唯たちは京都府民ではなかったのだろうか? 「原作のマンガには背景が描かれていませんし、公式に京都が舞台であるとアナウンスされたこともない。修学旅行のエピソードも、アニメ1期放映開始後のエピソードである三年生になって原作にようやく出てきたくらい。それにしても、舞台が京都ではないということがわかっただけで、相変わらず彼女らがどこに住んでいるかは謎のままです」(アニメライター)  言われてみれば......。しかし京都駅へ着くなり、「関西弁しか喋っちゃいけないゲームやで」と関西弁縛りを始める律を観て衝撃を受けたファンは少なくないのではないだろうか。兵庫県出身の寿美菜子が演じる紬が流暢な京都弁を披露する場面がかえって違和感、という演出。そういえば彼女らは常に標準語だったではないか。萌え萌えキュン、なんてアキバだし......。京都タワーや金閣寺を観てはしゃぐのは関東在住者の特徴。唯たちは首都圏の学生だったのか......。  いったいどこが真の住処なのか。 「まあ、劇中でも"地元"としか言っていませんしね。モデルとなった土地が特定されることはあっても、設定上の地名が明らかにされることはないでしょう」(前述のライター)  しかし"特定"と聖地巡礼が当然のアニメ鑑賞作法となった現状に、今回のささやかな騒動は一石を投じることにはならず、むしろ特定のスピードと精度は上がるばかり。第4話ではGoogleマップで住宅地を特定する者まで出現した。設定上の地名がどこだろうが、ファンのマニアックな捜索は永久に続きそうだ。 (文=高園寺三楼)
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世界各国から秀作が勢揃い G.W.はミニシアターへ行くべし!

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『17歳の肖像』配給: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
G.W.よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
 今年もいよいよゴールデンウィークに突入。映画業界にとっては正月や夏休み、春休みと並んで重要な書き入れ時で、5月のこの大型連休を"ゴールデンウィーク"と呼ぶようになったのも、映画業界が発祥と言われている。『名探偵コナン』『クレヨンしんちゃん』といったG.W.の定番アニメ映画はもちろん、今年は『アリス・イン・ワンダーランド』『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』『シャッター アイランド』『第9地区』といった話題作が公開中だ。  そうした全国公開規模のヒット作に並び、いわゆるミニシアター系の映画には、世界各国の良質な映画が出揃っているので、連休にまとめて観るには打ってつけだ。  まず、今年の第82回アカデミー賞で助演女優賞、脚色賞を受賞したアメリカ映画『プレシャス』(リー・ダニエルズ監督)は、1987年のニューヨーク・ハーレムで、両親の虐待を受けながら希望のない日々を生きる黒人少女プレシャス・ジョーンズ(ガボリー・シディベ)の人生を描いたドラマ。プレシャスは過酷な環境のなか、拙い文章で自らの心情を日記に綴ることで、ひたむきに人生の希望を見出していく。マライア・キャリー、レニー・クラビッツという大物アーティストが出演していることも話題で、主演のシディベはルックスこそ強烈だが、演技経験ゼロで本作に抜擢。アカデミー賞主演女優賞候補にまでなったシンデレラガールだ。  そのシディベと並び、今年のアカデミー主演女優賞にノミネートされたキャリー・マリガンが主演するイギリス映画『17歳の肖像』(ロネ・シェルフィグ監督)も公開中。舞台は60年代前半のロンドン。オックスフォード大学を目指す優等生のジェニーが、倍も年の離れた男性と恋に落ち、それまで知ることのなかった刺激的な世界を体験していく姿を、当時の階級社会の厳しさも背景に盛り込み描く。『アバウト・ア・ボーイ』『ハイ・フィデリティ』で知られる小説家のニック・ホーンビィが、初めて自作以外の映画脚本を担当。マリガンは映画デビューして4年足らずだが、初主演作にしてアカデミー賞ノミネート。オリバー・ストーン監督最新作『ウォール・ストリート』(2011年正月第2弾公開)にも抜擢されるなど、いま最も注目度が高い若手女優のひとりとして見逃せない存在だ。  もちろん、アカデミー賞関連ばかりではない。韓国からは、世界の映画祭・映画賞で25の賞を獲得した『息もできない』(ヤン・イクチュン監督)が、3月の封切から現在もロングランヒット中。父への怒りと憎しみを抱いて社会の底辺で生きるチンピラの男が、同じく家族に苦しみ、傷ついた心を隠して生きる女子高生が出会ったことから大きく運命を変えていく姿を真正面から描く。公開前から各種メディアや批評家から絶賛の声が相次ぎ、公開後も口コミで評判が拡大。メイン劇場の東京・渋谷シネマライズには韓国のメディアがそのヒットぶりを取材に訪れるほどになっている、今年注目の一作だ。  そしてアート系映画と言えば、やはりフランス。同国製の映画では、落ちぶれた元天才指揮者が、かつての仲間たちとともに再起を賭けて奔走する『オーケストラ!』(ラデュ・ミヘイレアニュ監督)が公開中。80年、ロシア・ボリショイ交響楽団から多くのユダヤ人が連行され、それに反対したことで楽団を解雇された指揮者のアンドレイは、それから30年間、劇場清掃員として働きながら、いつか復職する日を夢見ていた。そんなある日、パリのシャトレ座から送られてきた出演依頼を見つけたアンドレイは、偽のオーケストラを結成し、芸術の都パリへ乗り込むが......。チャイコフスキー、モーツァルトなどの数々の名曲とともに、負け組人生を歩んでいた男が奇跡の逆転劇を演じる痛快さ、そして彼が企むもうひとつの目的が意外なドラマを生み、決してクラシック音楽好きだけが楽しめる映画にはなっていない。  洋画不況と言われるなか、これだけ世界各国の秀作が見られることは映画好きとしてはうれしいかぎり。G.W.は映画三昧といきたい。 (eiga.com編集部・浅香義明) 『プレシャス』作品情報 <http://eiga.com/movie/55097/> 『プレシャス』ガボリー・シディベ インタビュー <http://eiga.com/buzz/20100423/25/> 『17歳の肖像』作品情報 <http://eiga.com/movie/55161/> 『17歳の肖像』キャリー・マリガン インタビュー <http://eiga.com/buzz/20100416/20/> 『息もできない』作品情報 <http://eiga.com/movie/54947/> 『息もできない』ヤン・イクチュン監督 インタビュー <http://eiga.com/buzz/20100326/23/> 『オーケストラ!』作品情報 <http://eiga.com/movie/55164/> 『オーケストラ!』ラデュ・ミヘイレアニュ監督 インタビュー <http://eiga.com/buzz/20100416/21/ >
映画館(ミニシアター)のつくり方 頑張れ、ミニシアター! amazon_associate_logo.jpg
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MMORPG「ルーセントハート」に本格派アイドルダンスユニットがデビュー!

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 星座をモチーフとしたMMORPGとして人気のオンラインゲーム「ルーセントハート」。2008年のサービス開始以来、会員登録数は50万人を突破、「Online Game Award」(2008年はWeb Money Award=ユーザーの一般投票によって人気のゲームタイトルを選出するオンラインゲームの祭典)では、2年連続「Best Games賞」を受賞するほど、オンラインゲームファンから熱い支持を得ている。  このゲームの一番の魅力と言えば、RPGでありながらダンスバトルが楽しめる「ダンスシステム」だ。ダンスを実行すると音楽が流れ、キャラクターが自動で踊るほか、プレイヤー同士でダンスバトルをしたり、100種類以上のステップを組み合わせてオリジナルダンスを創ることもできる。
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ぷりますてら
 そして今回、このダンスシステムに、アイドルダンスユニット「ぷりますてら」と「シューティングスター」の2組がデビューすることになった。  「ぷりますてら」は女の子3人組ユニット。デビュー曲「恋ゴコロ」は、ダンサブルでPOPな曲だ。一方の「シューティングスター」はイケメン3人組ユニットで、デビュー曲「We are lucency」はセツナ系ラブソング。2組とも、歌い手は某有名動画サイトで人気を集めているシンガー達で、オンラインゲームと言えども楽曲は本格派。4月28日からは、音楽配信サイト(レコ直やドワンゴ、iTunseなど)でも配信される。  実は、この2曲の正式なステップはまだ決まっておらず、現在サイト上では「ベストステップコンテスト」を開催、曲に合ったダンスステップ動画をユーザーから募集している。見事ベストステップ賞を獲得した作品は、デビュー曲の「正式ステップ」としてゲーム内で実装されるということなので、詳しくはサイトを見てみよう。
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シューティングスター
 このダンスシステム以外にも、「ルーセントハート」を盛り上げるシステムはいろいろ。   ◆「キューピッドシステム」 「ルーセントハート」独自の恋人システム。1日3回相性のいい異性のパートナーが自動選出される。選ばれたパートナーと「ほしとも」になれば、チャットしたり、レアアイテムが獲得できたりする。 ◆「星盤システム」 星盤に刻まれた14個の惑星の中から、自分の好みに会ったスキルを習得することができる。また、星座ごとに存在する12種類の専用装備に変身することでステータスが上がる。 ◆「ウィズダムシステム」 毎日固定の時間に、全チャンネルの全プレイヤーが一斉にクイズ大会が行われる。問題形式は4択問題のみ、全40問。問題に正解するとスコアを得られ、問題が進むごとに獲得スコアに応じた個人ランキングが更新される。 ◆「ラビリンスシステム」 モンスターやアイテム、張り巡らされた罠を突破して、仲間と共に迷宮の宝探しや謎解きに挑む。 ◆「生産システム」 プレイヤーが自分で装備やアイテムなどを作成できるシステム。鍛冶、錬金、機械、彫金、裁縫、カードの6種類から選べる。  機械と魔法の組み合わさったファンタジーな世界観は、他のオンラインゲームでは味わえないルーセントハートならでは面白さ。数千通りのストーリーモデルから、たった一つのストーリーを創るのはあなた自身だ。さあ、夢と冒険の旅へと出かけよう。 ルーセントハート公式サイト <http://lh.gamania.co.jp/index.aspx> ぷりますてら&シューティングスター公式サイト <http://lh.gamania.co.jp/news/etc/lh_unit/>

「缶詰は、世界が詰まった宝箱」缶詰博士・黒川勇人のおだやかでラジカルな日常

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缶詰博士こと黒川氏。
 2010年4月某日。お台場、東京カルチャーカルチャーにて、『春の缶詰祭り!』が行われた。その内容は、"缶詰博士"こと黒川勇人氏と、缶詰クイーンのタカイチカ氏が、ひたすら缶詰の楽しみ方や味について語り、さらには缶詰の製造法に深く感心する、という非常にマニアック、かつ、缶詰愛に溢れたもの。しかし、意外にも集まったお客は20代から40代頃の働き盛りの男女で、大盛況だった。
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イベントの様子。
「去年辺りから缶詰に対する"熱い視線"を感じますね」  と語るのは、黒川氏。缶詰に特化したブログ「缶詰blog」が話題となり、最近では"缶詰博士"として雑誌やテレビにも登場している。自宅には、世界中の缶詰が常備300缶以上ストックされ、1日1食は缶詰料理を食べるという。気になる缶詰工場には、実際に足を運ぶ熱心さだ。黒川氏がそれほどまでにハマる、缶詰の魅力について語ってもらった。 ――まずは、缶詰を好きになったきっかけを教えてください。
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ストックは常時300缶以上!
黒川勇人氏(以下、黒川) 出会いは4歳です。父親とキャンプに行ったとき、鍋で沸かしたお湯で温めた楕円形の缶詰をパカっと開けると、出来たてのご飯が入っていて、「これ、なんだろう?」と。改めて缶詰がいいな、って思ったのは、ブログを始めた2004年の6月。当時は、まだひとり暮らしで、冷蔵庫のない暮らしが何年か続いて、ご飯を炊いて、缶詰をおかずに朝晩食べるという生活。ところが、一向に缶詰に飽きることがなく、秋刀魚の蒲焼きに小麦粉をまぶして香ばしく炒めたり、いろいろとアレンジをしているうちに、『これをブログで紹介したら面白いかも』と。毎日記事にまとめていくうちに、自分がいかに缶詰好きかということを改めて実感しました。 ――缶詰に関する記憶が鮮明ですね(笑)。毎日食べても飽きない、黒川さんを虜にする、缶詰の魅力は何ですか?
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黒川 モロッコやイランなど、何を食べているのか分からないような地域のものでも、数百円で世界中の食材が手に入ること。それからサバの水煮みたいに、子どものころ自分が食べていたものを食べると、郷愁が蘇ってきてね。開缶した瞬間に立ち昇る匂いと、目に映る食材の光景。それが何十年という時間を越え、さまざまな記憶をどっと沸き上がらせるんです。缶詰は、ひとつの宝箱ですね。 ――名言が飛び出しましたね。ところで、匂いという話が出ましたが、缶詰にはあまり匂いがないような気がしますが......。 黒川 それはね、常温だから。缶詰は加熱すると食材の匂いが出てくるので、魚と肉に関しては大抵加熱した方が美味しい。とくに、サバや秋刀魚など青魚は、身に脂が乗っているので、加熱すると、口の中でふわっと脂が溶けていく。さらに、旬の野菜を使ってアレンジすると、季節感が出て、缶詰としての格が上がりますよ。 ――格が上がる(笑)。そういえば、野菜も一緒に入った缶詰はあまり見かけませんが、缶詰にすることは難しいんですか?
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高木商店の「ねぎ鯖」と「ごぼういわし」。
野菜と魚という異なる食材を組み合わせ、
それぞれの食感をちょうどよい状態で残すこと
に成功。酒のつまみにも最高。(各320円)
黒川 例えば、青魚の缶詰は、基本的に生の状態の魚を缶に入れ、蓋を閉じて缶ごと加熱しています。そこに野菜を入れると、2つの食材を両方ともちょうど良い食感にするのが難しいんです。高木商店さんが魚と野菜を組み合わせた「ねぎ鯖」と「ごぼういわし」という商品を出していますが、これは本当にすごいですよ。ねぎもごぼうも歯ごたえが残っていて、それでいて味もしみ込んでいる。加熱つながりで言うと、缶詰は加熱殺菌をして、缶の中を無菌状態にし、食材を腐らせないようにするので、保存料を一切使っていないんです。その上、旬の時期に獲れたての食材を使用しているから栄養価が高く、健康にも良いですよ。 ――なんだかいいことづくめですね。缶詰がとても上質な食材に見えてきました。ですが、せっかくなので、ちょっと変わった缶詰も教えてください!

kandume05.jpg 黒川 変わり物と言えば、マケドニアの缶詰『HALVA』。ナッツや砂糖など、天然の素材で作ったカリカリした触感の不思議なお菓子。一見、ケーキのように見えるんだけど、砂糖でコーティングしてあってすごく甘い。ものすごい高カロリーです。

kandume06.jpg 黒川 韓国産のカイコのサナギ缶『SILK WORM CHRYSALIS』。恐くてまだ食べてないんだよね(笑)。ものによってはすごく臭いのがあるという噂があって、それだったらどうしようと思って開けてない。たぶん、これからも食べないんだろうな(笑)。

kandume07.jpg 黒川 世界一臭いと言われる、スウェーデン産の『シュールストレミング』。ブログでも開缶の様子を動画でアップしていますが、これは、発酵させたニシンの缶詰で、硫化水素の匂いがすごくてね。周りに人がいないところで開けないと、事件になっちゃいます。それに加え、バキュームカーの匂いも。僕が開封するときに風下に立っていた知人は、急に「アハハ」とか笑い出しておかしくなっちゃって。よく見ると、缶のラベルに『風下に立たないで下さい』と注意書きが書いてあるんだよね(笑)。 ――世の中には、信じられないような缶詰が存在しているんですね(笑)。勉強になりました。最後に、缶詰への熱い思いと読者へのメッセージをお願いします。 黒川 缶詰は、"たかが缶詰"と思われがち。けれど、野菜入りの缶詰もそうですが、実はものすごいノウハウが詰まっています。缶詰の定番・シーチキンに、高級志向の「シーチキンとろ」という商品がありますが、それがもてはやされるようになったり、雑誌や新聞で缶詰にひと手間かけて食べる特集が組まれたりと、缶詰界が活気付いています。缶詰が、けっして間に合わせの食べ物ではないことを知ってほしいですね。 (取材・文=上浦未来) ・黒川勇人(くろかわ・はやと) 1966年生まれ。福島県出身。東洋大学文学部印度哲学科卒業。数年間会社員生活を送り、出版社勤務等を経てフリーライターとして独立。2004年6月に世界中の缶詰を紹介する「缶詰ブログ」を立ち上げ、『はなまるマーケット』(TBS)など、テレビ、ラジオ、イベントで"缶詰博士"として活躍中。 缶詰Blog <http://club-amigo.blog.ocn.ne.jp/blogcans/> ・イベント情報 『缶詰講座』 日時:5月8日(土)、6月12日(土)/午後7時から8時30分 場所:埼玉のイオンレイクタウン内・JTBカルチャー倶楽部 受講料:2,625円 講座内容: 5/8「斎藤茂吉とうな蒲缶の関係。世界にはこんなに面白い缶詰がある!」 6/12「大人の缶詰工場見学! 缶詰はこうして作られる」 申込方法:JTBカルチャー倶楽部048-990-1305(午前10時から午後9時30分) 定員:最大60名、先着順。
『カラー版 うまい!酒の肴になる! おつまみ缶詰酒場』 開けるだけで、ビールでも焼酎でも熱燗でもどんなお酒にもピッタリな極上の「おつまみ缶詰」。"缶詰博士"こと黒川氏が、思わず飲みたくなるおつまみ缶詰の世界をこってりとご紹介。 著:黒川勇人/アスキー・メディアワークス刊/980円 amazon_associate_logo.jpg
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Production I.G×XEBEC ハイクオリティ手描きロボットアニメ『ブレイク ブレイド』起動!!

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 去る4月26日、都内で『劇場版 ブレイク ブレイド 第一章 覚醒ノ刻』の関係者・媒体向け完成披露試写会が行われた。多くの業界人が注視するなか初公開となった映像はProduction I.GとXEBECの作品らしく、緻密で手間のかかったもの。主人公とその搭乗メカが特別な存在である理由や、主人公メカを起動させる経緯の描写など、ロボットアニメのエッセンスを抽出したかのようなストーリーもさることながら、3DCGに頼らず物理的な重みを手描きで表現したビジュアルも、テレビのクオリティを凌駕。劇場用ならでは、という意気込みはひしひしと伝わってきた。  原作は5月25日に最新第8巻が発売される同名のコミックス(『ブレイク ブレイド』フレックスコミックス刊/吉永裕ノ介・著、『FlexComix ブラッド』連載中)。既刊1~7巻の発行部数が累計70万部を超えるロボットものだ。その面白さに着目したバンダイビジュアルが、Production I.GとXEBECを迎えてアニメ化した。総監督を『マクロス7』のアミノテツロ、監督を『蒼穹のファフナー』の羽原信義が務めている。
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(C)吉永裕ノ介・フレックスコミックス/
「ブレイク ブレイド」製作委員会
 物語の舞台は、魔力を機械の動力源とする独自の文明が発展したクルゾン大陸。そんな世界にあって100万人にひとりとも言われる希少な存在である"魔力を持たぬ者"ライガット・アロー(CV:保志総一朗)は、ある日学生時代の旧友でもある国王ホズル(クリシュナ9世、CV:中村悠一)に召喚され、王都へと赴く。  なぜ自分が呼ばれたのか──その疑問は、突如として突きつけられた驚愕の事実によって氷解する。そして拡大する戦乱の渦が、ライガット、シギュン、ホズル、ゼス、かつて固い友情で結ばれていたはずの4人を巻き込んでいく。  上映終了後には監督の羽原信義氏、メカニックデザインの柳瀬敬之氏、Production I.G代表取締役社長の石川光久氏、プロデューサーの大河原健氏が登壇。舞台挨拶を行った。 ◆舞台挨拶コメント 羽原信義監督(XEBEC) 「ロボットの描写を、いまCG全盛の時代にあえて手描きにこだわって、重さや肉弾戦をこまかく丁寧に描いています。キャラクターの表情も、通常より多くの枚数を費やして丁寧に。美術に関しても観ていただいたとおり、それがある場所に行って観てきたのではないかというくらい美しい。ぜひ劇場に来て、世界に浸っていただきたいと思います。もうひとつ、ドルビーサラウンド5.1chという音響システムを使っており、銃弾がうしろから前へ飛んでいくようなシーンもありますので、ぜひ劇場で楽しんでいただきたい」 柳瀬敬之メカデザイナー 「原作にあるロボットの雰囲気をいかに(アニメに)持ってこられるかを念頭に置き、原作者である吉永先生と(アニメ制作の)最初のほうでセッションし、先生が今回のロボットでこだわっているところをお聞きして、デザインのやりとりをしました。先生がこだわられたのは、いままでにない設定とバランスで、しかもかっこいい、というところ。従来のロボットとは違う雰囲気を出したいというところのセッションを重ねてデザインしました。ディテール一個一個まで先生はこだわられたので、正直な話、テレビでは絶対にできない線の量を、これでいく、と。劇場に耐えられるディテールをさらに動かしているところがすごい」 大河原健プロデューサー(バンダイビジュアル) 「このご時世、手描きのロボットアクションを毎週テレビで放映するとなると、スタッフの負担になるというのと、個人的にはクオリティをきちっと(高く)やっていくことが、作品がヒットに結びつくことを信じているので、約50分の短編を6本、2~3ヵ月おきに公開するイメージでいます。2章を6月に公開したあと少し期間が空きますが、現場は1年、シナリオ打ちを含めればもっと長い間スタッフには携わってもらっている。そういったチャレンジをやらせていただけるだけの企画である、と思います」  XEBECとの関わりあいについて、『ブルーシード』と同じく頭とおしりが「ブ」と「ド」で縁起がいい、と珍説を披露したり、「I.Gとしては(XEBECに失礼のないよう)一大決心をして、I.Gのスーパーアニメーターと呼ばれている後藤(隆幸氏)と西尾(鉄也氏)の給料を20%カットした」などと冗談を言って場を和ませた石川氏も、最後は真剣な面持ちでこう語った。 「社運を賭けるということはどういうことか。第1章だけではなく、2章3章4章5章6章と全部観ていただいて、これがほんとうにXEBECとI.Gが社運を賭けた作品だと、観ていただいたみなさんから言われる作品にするつもりで作っています。期待していてください」  小規模劇場公開のアニメーション作品が激増し、一大ムーブメントとなっている今年、『劇場版 ブレイク ブレイド』も5月29日からの全国順次ロードショーの後、Blu-rayディスクを販売するという発表形態をとっている。ここで注目したいのは上映時間と回数。1章50分、全6章での公開を予定している。これはテレビシリーズのような続き物を意図し、かつ、テレビではなしえない質の高さを実現するための取り組みだ。  テレビに替わる、シリーズ作品の新しい発表形態へのトライアルを、『劇場版 ブレイク ブレイド』は行なおうとしているのである。  過去にテレビシリーズ11話+劇場用前後編の『東のエデン』、全7章の『空の境界』などの例はあるが、まだまだ劇場用シリーズ作品という仕組みが確立したとは言い切れない。今年公開される数多くの劇場用アニメーションにしても、殆どは「単品」として成立する長編である。  その意味でも『劇場版 ブレイク ブレイド』は注目を集めている。メディア環境が激変していくさなか、劇場公開という「お試し」で作品の質に納得したファンがパッケージを購入するというサイクルが確立されれば、今後もアニメを供給していける、あるいは享受できるという確信が得られるかもしれない。 「新しい酒は新しい皮袋に」を地でいく『劇場版ブレイク ブレイド』。5月と6月に公開される1章と2章の完成度に期待が高まる。 (取材・文・写真=後藤勝)
ブレイク ブレイド 8巻 5月25日発売 amazon_associate_logo.jpg
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『とろ鉄』『なっちゃん』 鉄工所マンガBIG2が語る奥深き溶接の世界

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右から産報出版の馬場信氏、たなかじゅん氏、野村宗弘氏。
 世界三大国際溶接展示会のひとつと言われる国際ウエルディングショー。今年の「2010国際ウエルディングショー」は4月21日から24日まで、東京ビッグサイトにて開催された。  はたして溶接の展示会にどれほどの人が訪れるのかと思いきや、モーターショーやゲームショウに勝るとも劣らぬ大盛況! 最先端の産業用ロボットがグイーーーンと動き回るその様は、サイバーパンク映画の未来都市が湾岸に出現したかのよう。商談がほとんどとはいえ、溢れる熱気は驚かされるほどのものだった。  かような光景が繰り広げられた東2・3ホール中央に鎮座していたのは、マンガ『とろける鉄工所』(野村宗弘・著/講談社・刊)と『ナッちゃん』(たなかじゅん・著/集英社・刊)のブース。
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 かつては鉄工・溶接というと「ガテン」「3K」のイメージが強かったが、近頃では『アメトーーク』(テレビ朝日系)の「町工場芸人」などエンタメ系コンテンツでも注目を集めるようになり、以前よりも親しみのある業界になってきている。  『とろ鉄』『ナッちゃん』は、そんなアツい鉄工所ムーブメントの中核で、さらに溶接の人気を押し上げている一大要因。『ナッちゃん』は鉄工所で使う機械の構造に着目したものづくりマンガとして定評があるし、後発の『とろ鉄』は鉄工所の日常を笑いに昇華させてファンを増やしている。国際ウエルディングショーに両手を挙げて歓迎されるのも当然の事態なのだ。  そんな鉄工所系マンガBIG2の作者おふたりがショー3日目の23日、産報出版の馬場信氏を司会進行役に迎え、対談を行った。産報出版は国際ウエルディングショーを主催している、溶接業界の雄とも言うべき出版社。鉄工所で働いた経験を持つ野村氏も産報出版のテキストで溶接を学んだというから、馬場氏は司会としてはまさに適任。実に落ち着いた物腰でたなか氏と野村氏から言葉を引き出していく。 ■『とろ鉄』は溶接の応援歌  鉄工所でもあまりなじみのない旋盤より、分かりやすい溶接を前面に押し出した『とろ鉄』には、もちろん3K的なキツさを描いた部分もある。そこを「溶接を応援してくれているのか、溶接工になったら大変だぞと言っているのか、不安になったんですが、ずっと読んでいくとやはり溶接の応援歌みたいな気がしてきて、大変ありがたい」と馬場氏が感想を述べると、野村氏はこう答える。 「たとえば、ボクシングマンガで(登場人物のボクサーが)目を傷めるシーンが描かれていたとしても、ボクシングをやりたい人はケガを負ってもボクシングを楽しむのだ、と描くのが、ボクシングマンガの面白いところだと思います。溶接も正直、まったくしんどくないわけじゃないです。それでもおもしろき、どうしたらええ、というのが『とろ鉄』です」  最新4巻にもなると溶接に対する扱いが優しくなってきたと馬場氏が言うと、それはある業界筋からお叱りを受け、考え直した点があるからでもあると、野村氏は答えた。
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 作者よりも知識や経験に自信を持つ製造業の人々が『とろ鉄』を読むと、ひとこと言いたくなるのだろう。この点はたなか氏も同じ意見だった。 「作家としては怖いんですよね。プロの人が読んでいるからドキドキする。そういう人たちに会って話すときに、大丈夫かな、みたいな。(『ナッちゃん』連載の)初期には、よくツッコまれました。また、各鉄工所でやり方が違うわけなんですよ。各々ご自身のやり方が正しいと主張されるので、それは違う、と言われることもしばしばです」  たなか氏の実家は1階が工場。昔はアーク溶接ばかりで鉄臭かったという。これを受けて司会の馬場氏が、ウエルディングショーも10年前は実演していて臭かったが、いまはほとんどヒューム(※溶接ヒューム。蒸発した金属やフラックスが冷えて固まり、発生する粉塵のこと)の出ない溶接になっていて、これは技術開発の成果だ、と胸を張る。これは冒頭に記したエッヂな光景を見れば納得のひとことで、最新機材を揃えられる工場であれば、そこにはもはや3Kのイメージは存在しないだろう。  もっとも、ひと昔前の溶接を当たり前のものとして働いていた野村氏は「小さい鉄工所でも負担にならずに買える、安いこのような製品ができないものか、と思いました」とも言っていた。言い換えれば、昔ながらの世界観の工場も、まだまだ世の中にはあるということでもある。 「とにかく"すごい、おもしろいんじゃ"というのを描いたほうが、絶対におもしろいと思うんですよ。ものづくりって、プロ意識ももちろん重要ですけど、とにかくおもしろい作業なんですよ。特に、溶接だけでなく図面から最後の塗装までを担った仕事はむちゃくちゃおもしろいんですよ。これは仕事と言っていいんかな、というくらい」と、野村氏は言う。しんどい思いしかせずに鉄工所を辞めていく人も多いだけに、ものづくりのおもしろさを知らしめることも重要なのだろう。 yousetsu03.jpg ■しんどいだけではなく、おもしろい  テレビなどメディアでのステレオタイプな鉄工所の取り上げ方には、現場から見れば不満が募る。司会の馬場氏がそう水を向けると、たなか氏も口を揃えた。 「それを非常に強く感じていまして、いままでのドラマや映画では、鉄工所のマイナスイメージ"しか"描いていなかったんですよ。なぜかというと、苦労をしているというイメージを演出するのに、いちばん分かりやすい絵面なんですね。オヤジは鉄工所で苦労した、汗まみれになって働いた、という。そういうものが、どんどんメディアから溢れてくる。一方でニュースでも、不況になると町工場に行ったらそういう映像を撮ってきて垂れ流す。そこ(苦労話の部分)だけ切り取りますから。マイナスイメージが蔓延している。それに対して描きながら憤りを感じていたので。もちろん苦労をする部分もあるのですが、実際にものを作ることは楽しいですから、そこはもっと描いていかなくちゃいけない」  しんどいだけでなく、おもしろい。生半可な決意で鉄工所で働いてみるというわけにはいかないだろうが、『ナッちゃん』『とろ鉄』を読めば、溶接や鉄工の世界を気軽に味わえる。知れば知るほど深いその魅力を、鉄工所ムーブメントをきっかけに楽しんでみてはいかがだろうか。  (取材・文・写真=後藤勝)
下町鉄工所奮闘記ナッちゃん 東京編 3 まずは。 amazon_associate_logo.jpg
とろける鉄工所(4) 次は。 amazon_associate_logo.jpg
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37人の田中宏和! 今、田中宏和だらけの「田中宏和運動」が熱すぎる!?

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"田中宏和"のみなさん。
 「田中宏和運動」をご存じだろうか? ありふれた名字"田中"と、少なくはないだろうが決して多くもなさそうな"宏和"という名前。そんな"田中宏和"さんたちが、自分と同姓同名の"田中宏和"さんを集めよう! というのが「田中宏和運動」の正体だ。これまでに、書籍『田中宏和さん』(リーダーズノート)を出版したり、「田中宏和のうた」を着うたやiTunesなどの音楽配信サイトで販売したり、4月3日には東京カルチャーカルチャー(東京都港区)でイベント『田中宏和運動全国大会』を開催するなど、活動は精力的。一体彼らは何をもくろんでいるのか!? 4月某日、5人の田中宏和さんに集まってもらい、「田中宏和座談会」を開催した。 「はじめまして。ほぼ幹事の田中宏和です」 「どうも。作曲の田中宏和です」 「こんばんは! 理事長の田中宏和です」 「あ、エンジニアの田中宏和です」 「渋谷の田中宏和です」  当然ながら、田中宏和だらけの奇妙な自己紹介。それぞれ、職業や特徴などから"ほぼ幹事の"や"作曲の"といったあだ名を持っているそうだ。今から遡ること16年前、ひとりの田中宏和さん(=ほぼ幹事の田中宏和さん)の個人的活動からそれは始まった。  ほぼ幹事の田中宏和さん(以下、幹事) 1994年秋のドラフト会議で、近鉄バッファローズの第一位指名が"田中宏和"投手だったんですよ。それまで自分の名前は月並みだと思ってたのが、名前が同じというだけで、「小さい頃からの夢が叶った!」と(笑)。それで、95年の元旦に、いかにも自分がドラフト一位指名されたかのような年賀状を作ったんです。さらに94年の年末には、「文学界」(文藝春秋)の誌面で"田中宏和"さんが書いた本の広告を発見してもいたので、96年にはそのネタで年賀状を作りました(笑)。こんなに短期間で続くってことは、これは意外と同姓同名の人は多いのかも、と考えたわけです。 ──その後も続々と"田中宏和"さんを見つける出来事が続いた、と(笑)。 幹事 ええ、毎年ひとりは必ず見つかりました。そして、地道に毎年"田中宏和"年賀状の作成を続け、03年に「ほぼ日刊イトイ新聞」の企画でこれまでの年賀状を紹介したら、田中宏和さんご本人、もしくは知人や家族が田中宏和だというメールが10通くらい来て。それがきっかけで初めて、見知らぬ"田中宏和"さんと対面を果たしました。 渋谷の田中宏和さん(以下、渋谷) それが僕です。たまたま『ほぼ日』を見ていたら、自分と同じ名前の人が出ていて、あろうことか同姓同名の人を募集してる! これはメール送らなきゃ、と(笑)。 幹事 "渋谷の田中宏和さん"は、自宅も会社も渋谷にあった上に、僕と初めて会った場所も渋谷で、もう渋谷だらけだったので、じゃああだ名も"渋谷の"でいいよね、となった。その後に、朝日新聞の取材企画を通して会うことになったのが"作曲の田中宏和さん"です。 作曲の田中宏和さん(以下、作曲) 『ポケットモンスター』の歌や、ゲームの『MOTHER』の曲を作っていたことから、あだ名が"作曲の"になりました。 エンジニアの田中宏和さん(以下、エンジニア) 僕は、朝日新聞の記事を見て、ほぼ幹事さんのTwitterのアカウントを探してコンタクトを取りました。以前から、田中宏和を探す運動がある、というのはネットで見て知っていたのですが、なんかちょっと......怪しいなと思ってて(笑)。 一同 (笑)。 エンジニア だから、参加をためらってたんですが、朝日新聞を見て、面白そうだと思って連絡を取ってみました。 幹事 初めてTwitterで出会ったメンバーですね。Twitterでフォローされると『○○○さんがあなたをフォローしました』と通知メッセージが来ますが、『田中宏和さんがあなたをフォローしました』と通知が来たので、インパクトありましたね(笑)。 作曲 でも、エンジニアさんは、Javaの本も出されてて、エンジニア界で有名だったので、元から知ってました。知人に、「いつの間にJavaの本出したの?」と勘違いされたこともありましたし(笑)。 理事長の田中宏和さん(以下、理事長) 僕は、『新知識階級クマグス』(TBS系)を観てた友達から電話がかかってきて、『今すぐTBS見ろ』って言われて。やっぱり僕もエンジニアさんと同じで、最初見たときはちょっと何がしたいのか分からなかったっていうか......(笑)。 一同 (笑)。 理事長 でも、ポケモンの曲を作った"田中宏和"さんの存在は知ってましたし、小学生だった当時、「この曲作ったの俺だぜ~」と自慢してたりもしたので(笑)。それで、連絡を取ることにしました。 幹事 理事長さんは大学生で、サークルで"理事長"をやっているからこういうあだ名に。ご飯をご馳走したときなんかに、『今日、理事長にご馳走した』と思うと気分がいいです(笑)。ここ最近、いろいろなメディアで取り上げられ、4月3日にはイベントも開催して、爆発的に増えました。今メンバーは37人いて、上は65歳、下は17歳の高校生、北は茨城、南は岡山まで揃っています。 ──今後は「田中宏和運動」としてどんなことをしたいと考えてるのですか? 幹事 「田中宏和のうた」を着うたやPCのダウンロードサイトで配信してますが、今、ほかに3曲作っているので、ミニアルバムを発売できればとも考えています。 作曲 全然儲かんないけどね(笑)。間違ってビジネスになるくらい当たれば相当嬉しいけど。 幹事 趣味だから(笑)。楽しけりゃいいです。 理事長 僕は田中宏和っていうラベルの日本酒を作りたいです。これならできそうじゃないですか!? 渋谷 "酒蔵の田中宏和さん"とかいればね。 作曲 "ダッシュ村"みたいに、みんなで米作ってやるのもいいね。 幹事 あと、今"酪農業の田中宏和さん"からメールをいただいていて。牧場で"田中宏和チーズ"とかの乳製品を作りたいんですよ。"作曲の牛"とか、"エンジニアの牛"とか牛に名前をつけて、自分のアバターみたくするのもいいですね(笑)。 エンジニア 僕は田中宏和の皆さんと野球をやりたいですね。 作曲 相手チームもみんな田中宏和でね。 エンジニア 『田中宏和に変わりまして、田中宏和』っていうアナウンスを入れたいです(笑)。 渋谷 僕はmixiアプリなんかで、同姓同名を集めるゲームを作りたいですね。 作曲 俺はみんなで写真集作りたい。制服、野球のユニフォーム、看護師、警察官とかのコスプレをして。もちろん水着もね(笑)。 幹事 ちょうど先日、カメラマンの田中宏和さんもメンバーに加わりましたしね。 作曲 あとは......そうだ。健康診断で採血して、どれがどの田中宏和の血か混乱させたいな(笑)。 渋谷 選挙に全員で出て、選挙ポスターを田中宏和で埋め尽くすのもいいですねぇ。 幹事 いいですね。この運動は、田中宏和という名前の価値をあげる活動ですから(笑)。  4月3日のイベント『田中宏和運動全国大会』に33人(欠席者が4人いたため、メンバーは現在37人)の"田中宏和"が集まったことから、「同姓同名の人が最も多く集まったパーティー」として、現在ギネスにも申請中だそう。また、「僕たちの活動に魅力を感じてもらって、生まれてくる子どもに"宏和"という名前をつけてもらいたい」と、次世代の田中宏和を増やしていくのも野望のひとつだとのこと。全国の田中夫妻さん、お子さんの名前を"宏和"にした際にはぜひご一報を! (取材・文=朝井麻由美) 「田中宏和.com」 <http://www.tanakahirokazu.com/> ほぼ幹事の田中宏和さんのTwitterアカウント <http://Twitter.com/tanakahirokaz>
田中宏和さん 山田太郎さんより、多そうです。 amazon_associate_logo.jpg
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「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点

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「Boomシリーズ」より
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どもの頃、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火を付けていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第4回 アーティスト・マイケル・パンチマン  マイケル・パンチマン。本名マイケル・チョン。香港を活動拠点とするアーティストであり、売れっ子アート・ディレクターでもある。本人いわく、「パンチマン」とは、世の中の理不尽や、社会を漫然と襲う絶望感に対する怒りを、その拳(パンチ)に込めながら、「どろどろ」と渦巻く思いを抱えるマイケルの分身として生まれたキャラクターなのである!......だが、その見た目はちょっと「ゆるゆる」。よく聞けば、「香港では道を歩けばマイケルやチョンにあたるから(そのぐらいポピュラーな名であり姓であるということ)、他のマイケルと区別したいと思って」つけた、というのが本音らしい。
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「Punchman blue」 /「 Punchman red」
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 アーティストとしての活動を始めたのは2000年。02年にFRP(ファイバーグラス)彫刻作品として発表し、今も素材や形を変えて進化している「BOOM」シリーズは、昨年末に、シルバーアクセサリー/オブジェとして、高級セレクトショップ、ハーベイ・ニコラスで展示販売され、話題を呼んだ。「パンチマン」は、06年のシンガポール・アート・ビエンナーレのパブリック・アート・プログラムの参加作品に選ばれ、日本の伊東豊雄氏が設計した巨大商業施設VIVO CITYに設置されて、今でも施設のマスコット・キャラクターとして子どもたちに親しまれている。もっと継続的に作品を発表したいが、人気ディレクターゆえ、特に一昨年の北京オリンピックの時期には、あちこちから声がかかり、膨大なクライアント・ワークに忙殺されて、新作に取り組む時間がなかった、と苦笑いする。
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『ガンダム30th
アニバーサリー
コレクション
機動戦士ガンダムI』
 造形のインパクトもさることながら、マイケルの作品を特徴づけるのは、その鮮やかな色使いと、自分の作品の良さを最大限"魅せる"、卓越したプレゼンテーション・スキルだろう。マイケルによれば、こうした感覚や技を身につけたのは、『ガンダム』のおかげだという。 「中学生のころ、『機動戦士ガンダム』(広東語で『機動戰士高達』)に夢中になって、学校でも家でも、紙と鉛筆さえあれば、いつまでもガンダムを描き続けた。教科書が全部ガンダムだらけになっちゃって、先生がすごく怒ったなあ。母親は『子どもに勉強を忘れさせるアニメを作るなんて、日本はなんて悪い国なんだ!』って、逆ギレするし(笑)」
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「BOOM」
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 叱られても、絵の具を取り上げられても、マイケルはガンダムを描くことを諦めなかった。唯一、美術の先生だけは、「お前の色使いはユニークだ」と、背中を押してくれたという。そしてある日、「全香港青少年ガンダム絵画競技会」なる大会で、マイケルは優勝する。 「絵だけじゃなく、ガンダムのプラモデルもたくさん作ったんだけど、自分で工夫して着色したことで、色の組み合せの基礎や、絵の具に関する知識も蓄えられたんだ」  数年前のこと。マイケルがいつもFRP作品を共同制作している中国の工場が、納期をずらしてくれと言ってきたことがある。理由を聞くと、日本のメーカーからの緊急の注文で、なんと大型のFRP製ガンダムを制作することになり、ラインに割り込ませなければならなくなったという。 「他ならぬガンダムなら仕方ないよね。というか、むしろ光栄だったよ。やっぱり"縁"があるのかな、と」
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「百足(Scolopendra)」<クリックすると拡大されます>
 最近はボクシングにハマっており、見事減量も果たした。繰り出す拳に込められているのは、今は怒りではなく、「みんなの夢」だという。相変わらず忙しいクライアント・ワークの合間をぬって、自身のアートワークの一環として、ひそかに進めているプロジェクト、「Union Cult(ユニオン・カルト)」は、アジアを中心とした、世界中の才能あるアーティストたちの一大ネットワーク化計画だ。プロジェクト・ベースでチームを作り、ひとつのクライアント・ワークを企画/制作していくことで、個々のクリエイティビティを十分に発露させつつ、クライアントが満足する結果を提供し、同時にクリエイターへの収入も確保する。コマーシャルとアートがウィン-ウィンで結合する、理想の形。両方の分野での多くの経験とネットワークを持つ、マイケルならではの発想だ。クリエイティブ界を大いに刺激する、ユニークな「パンチ」に育ってほしい。 (取材・文=中西多香[ASHU])   mk09.jpgMichael Punchman (マイケル・パンチマン) 1967年香港生まれ。クリエイティブ・ディレクターとして多くの広告制作を手がける。00年よりコンテンポラリー・アートにも活動の場を拡げる。02に発表したFRP作品「Boomシリーズ」展は世界各国を巡回。06年「シンガポール・アート・ビエンナーレ」参加。 <http://www.michaelpunchman.com/> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com >
ガンダム30thアニバーサリーコレクション 機動戦士ガンダム 世界標準の人気モノ。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】  マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】 「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

佐藤秀峰、出版社にブチギレ!! 『ブラよろ』カバーイラストをボイコット

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佐藤秀峰「漫画on Web」
 『海猿』『ブラックジャックによろしく』で知られ、手がけた作品を一話10円から販売するオンラインコミックサイト『漫画 on Web』を展開するマンガ家・佐藤秀峰。『ブラックジャックによろしく』が「モーニング」(講談社)から「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)への移籍するてん末などを公式サイトで暴露してきた彼がまたしても出版社との確執を暴露。今度は、現在「スピリッツ」に連載中の『新ブラックジャックによろしく』のコミックス第9巻の表紙であるカバーイラストを描くことをボイコットしたという。佐藤は公式サイトの日記でその理由を次のような点だと指摘した。 「担当の編集者に『○月○日に、デザイナーとアートディレクターのスケジュールを押さえてあるので、その日にイラストがないと単行本の発売が遅れる』と言われたこと。約束の日にイラストを仕上げたけど、編集者が自分で言ったスケジュールを覚えておらず、デザイナーさんとアートディレクターさんのスケジュールを押さえていないばかりか、原稿も受け取らなかったこと。その結果、原稿を描く気が起こらず、雑誌の連載原稿の締め切りまでも落としてしまったこと。そもそもカバーイラストは原稿料がもらえず、仕事ではないこと、だからカバーはもう描かないこと...」  宿年のわだかまりに加え、締め切りを自ら忘れる編集者のズサンさに辟易してしまった佐藤。さらに「カバーイラストは描いても原稿料は出ないし、単行本は出版社の商品であって、僕の商品じゃないので、なぜ他社の商品のために無償で絵を描かなくてはいけないか理解できません」と綴り、単行本のカバーイラストは描いてもギャランティーが発生しないことを暴露。  出版社は表紙として雑誌掲載時に扉絵にカラーを付けて、カバーとしての流用を提案するも、佐藤は、「カバーイラストとしての原稿料を欲しい」としてこれも拒絶した。単行本を"他社の商品"と断言し、切り捨てようとしている様子だ。さらに彼のこの決断は"家庭不和"にも発展し、『ムショ医』などの作品で知られるマンガ家で佐藤の妻である佐藤智美と大喧嘩が勃発したという。佐藤は日記で以下のようなバトルを繰り広げたことを明かした。 妻「編集さんへの当てつけとは言わないけど、読者のことを考えたら、そんな判断にはならないよ。読者と編集者と、どっちを向いてるのよ?」 佐藤「読者に決まってんだろ...。そこがどうでもいいんなら、講談社から連載を移籍した時点で、とっくに漫画なんて、描くのをやめてるよ...。最後まで、読者に物語りを届けなければいけないと思ったから、見苦しくても描き続けてんだろ...? 小学館も講談社も変わりなんかないよ。あいつら、レ○プしといて、『オレが女にしてやった』って言うような奴らだぜ...」 妻「イラストの1枚くらい描きなよ。」 佐藤「1枚くらいって思ってるんでしょ? 編集者と同じことを言うんだね...。」 妻「他の漫画家さんだって、全員、タダでカバーを描いているじゃない...。あなたのやってることは、その漫画家さん達の行為を否定することでしょ? タダで絵を描くヤツはバカだって、言ってるのと同じよ。皆に嫌われて、お金の亡者だと思われるだけじゃない...。」 佐藤「じゃあ、どうすれば描けるんだよ...? 無理矢理、カバーを描くことは出来るかもしれないけど、そしたら、オレはもう、漫画は1枚も描けないよ...。 『たかが、イラスト1枚くらい』って言われることが、どんなに傷つくか想像できないの...? 『減るもんじゃないんだから、一発くらいやらせろ』って言われて、股を開ける? 濡れるの!? オレはせめて、お金をもらってやりたいね!」  長年連れ添い、同じマンガ家として互いの心情を理解し、苦楽を共にしてきた夫婦が故に、双方涙を流し、慟哭しながらの激論となった二人。最終的には、佐藤がボイコットに至った真相をすべて記すことで、妻も引き下がったという。カバーのギャラが出ないことに佐藤は「新人はお金の交渉は出来ないし、売れた漫画家はカバー代なんてもらえなくても、儲かってるから出版社とケンカしないし、『お金が発生しないのはおかしい』って、誰が大声で言えるんだよ...?」と問題提起。  さらに、佐藤はマンガ編集者の間では定説である『編集者は漫画家を3人潰して1人前』というクリシェ(決まり文句)の存在を嘆き、「(小学館刊行で2008年休刊の)ヤングサンデーが潰れて、漫画家は大量に連載を失ったけど、編集者は一人も退社してないじゃん。漫画家って、どんだけお人好しなんだよ」と述懐。「僕はもう紙の本に興味を失ってしまいました。この『漫画 on Web』が、僕の表現の舞台であり、僕はここで発表をするために、漫画を描いています」と宣言した。  佐藤の『漫画 on Web』には、「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)に『日本沈没』を連載していた一色登希彦、「YOU」(集英社)に『胡蝶伝説』を連載の池田ユキオらが作品を公開し、今後も掲載するマンガ家を増やしていく予定だという。ipad、Kindleなど電子書籍リーダーの誕生により、有史以来の岐路に立たされている出版社。佐藤の主張が正しいのか? 自ら告げた締め切りを忘れる出版社が正しいのか? その答えは"時代"が自ずと出すことだろう。 (文=本城零次) ◆佐藤秀峰「漫画on Web」 http://mangaonweb.com/
ムショ医 1 漫画家さん夫婦って意外に多い。 amazon_associate_logo.jpg
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根本敬が語る伝説の漫画雑誌「ガロ」と蛭子能収のアブない裏話

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 作品の新しさや、独創性を重視した編集方針で白土三平や水木しげる、つげ義春、蛭子能収、みうらじゅん、内田春菊......等々、漫画界の異才、奇才を多数排出して一時代を築いた漫画雑誌「ガロ」(青林堂)。4月10日、高円寺・西部古書会館において、そんな「ガロ」を語るトークイベント「昭和のカルチャー、漫画、そしてガロ」が開催された。  出演者は、いわゆる「ガロ系」と呼ばれるアングラ漫画界においても極北に位置し、海外の現代アートシーンからも注目を受ける特殊漫画家・根本敬氏と、かつては「ガロ」副編集長であり、現在は実質的な後継誌である「アックス」(青林工藝舎)の編集長を務める手塚能理子氏。一応「ガロ」を切り口に昭和の漫画カルチャーを語るイベント......という予定だったのだが、このふたりのトークがまともなカルチャー話になるハズもなく、「ガロ」周辺の編集者、漫画家の暴露トークがバンバン飛び出した。 手塚能理子氏(以下、手塚)「ガロ」編集部の建物って本当にボロかったんですよ。材木屋の二階を借りていたんですけど、トラックが出入りするたびに建物全体が思いっきり揺れてましたから。 nemoto01.jpg 根本敬氏(以下、根本) しかも編集部の中に入るとものすごい量の返本の山があってさ。本当に床が抜けるんじゃないかっていう感じだったもんね。 手塚 ある時、本当にこれはヤバイということで大家さんに頼んで修繕してもらったんですが、どこを直したのかと思ったら、土台のコンクリートと柱の間にカマボコ板を打ち付けただけだったんですよ。 根本 かまぼこ板一枚で建物を支えていた(笑)。でもそういう、その場しのぎの精神っていうのが「ガロ」編集部にピッタリだよね。ヘタにそこだけちゃんと工事してたら、全体のバランスが狂ってたちまち崩れ落ちてたと思いますよ。  「ガロ」といえば、名物編集として知られる初代編集長・長井勝一氏の「儲かったら払う」という方針から、原稿料がほぼゼロだったというのは有名な話だが、そんな状況でも「ガロ」で作品を発表したいという漫画家は後を絶たなかったという。そこには「お金」には変えられない、描き手と雑誌との強い結びつきがあったのだ。 手塚 「お金がなさそうなのによく続いてますね」って言われるんですけど、ただ続けるだけなら実はそんなに難しいことではないんですよ。それよりも、こういう同じ皮膚感覚を持った仲間が集まる場所を作るっていうことの方が難しいですよね。 根本 「ガロ」や「アックス」って、学校の中で友達がいなかった、行き場がなかった人たちが吸い寄せられる場所だった。だから長井さんが新人漫画家を採用する時の基準って漫画自体の良し悪しとかじゃなく「とりあえずウチで何かやらせておかないと事件を起こしかねない」っていうことだったんじゃないかと思うんですよ。 手塚 「漫画なんか描いてれば誰でも上手くなるんだ」ってよく言ってましたからね。それよりも「人間」っていう部分を見ていたと思います。私も新人を入選させるかどうかの判断基準って「生命力」ですからね。 根本 それは一般に言われる体力とかそういうことじゃなくて、それ以前のところでの「生命力」だよね。たとえば蛭子(能収)さんなんて体力はないだろうけど、無人島で遭難したらみんなを食べ尽くして自分だけ生き残りそうな生命力は持っていますから。  そんな苦境から這い上がる生命力を持っている漫画家の例として挙げられたのが『刑務所の中』の花輪和一氏。改造モデルガンを所持していたということで、半ば見せしめのような形で懲役三年の実刑判決を受けたが、出所後、刑務所での経験を描いた『刑務所の中』で大ヒットを飛ばした。 nemoto02.jpg 手塚 実はあの頃、会社が倒産寸前まで行ってたんですよ。『刑務所の中』が爆発的に売れてくれたおかげで持ち直せたんですけど、ある意味犯罪者に会社を助けてもらったってことですよね(笑)。それから「『刑務所の中』に手塚治虫文化賞を」っていう話が来たんで、もっと売れるだろうな......と思ってたら、花輪さん「手塚漫画の影響を受けた覚えがないから結構です、入りません」って断っちゃって。 根本 「賞金200万円もらえるからもらっておけばいいじゃない!」ってみんな止めたんだけどね(笑)。これが蛭子さんだったら「あ、200万ですか! いいですよ、もらいます」ってなったろうに......。でも花輪さんと蛭子さんって行動パターンは真逆なんだけど、生き物としての強さを持っているという部分は共通してるんですよ。ふたりとも妖怪に近いですからね。  ここからは根本氏のイベントではもはや恒例、蛭子さんの邪悪話に突入。奥さんが妊娠したので堕ろさせようとしたら断られて「女の人って堕ろすの嫌いなのかな? ワシは女心が分からんからなぁ......」と相談しにきたなど、一般的に知られる蛭子さんのニコヤカなイメージからはかけ離れたダーク過ぎる本性に会場は爆笑の嵐だったが、さすがの日刊サイゾーでもアウトじゃないかというヒドイ話の数々だったので割愛。  とにかくこんな濃い人たちを長年に渡って一手に引き受けてきた漫画雑誌「ガロ」「アックス」ってすごいなぁ......と再確認させられたのだった。こんなディープな漫画の世界があるって知らなかった人たちも、是非一度足を踏み入れてもらいたい。 (取材・文=北村ヂン)
因果鉄道の旅 ついに文庫化! amazon_associate_logo.jpg
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