目指したのはオシャレサブカル! 自主制作DVDマガジン『NICE IDOL(FAN) MUST PURE!!!』

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『NICE IDOL(FAN) MUST PURE!!!』
 世はまさにアイドル戦国時代。8月7日、8日には、東京・品川において、アイドリング!!!をはじめ、ももいろクローバー、東京女子流など、総勢40組近いアイドルグループが出演する、史上初のアイドルフェスティバル「TOKYO IDOL FESTIVAL 2010」が開催された。  こうしたイベントの成功やAKB48の隆盛など、歌ものアイドルユニットが中心となっている現在のアイドルブームだが、ドラマや映画に主演する若手女優や、雑誌の表紙を飾る多くのグラビアアイドルたちもまた、入れ替わりの速度を日増しに上げている。  一方で、「美し過ぎる○○」などとしてアイドル的活動を始める素人女性がいるかと思えば、オタクであることをアピールするアイドルたちも存在し、さらには、ネット上で"一億総アイドル評論家"のごとき分析を繰り広げているアイドルオタクたち──。   こうして、メジャーとマイナー、プロとアマチュアの間でカオス化とボーダレス化が進んだ現在のアイドルシーンに一石を投じるような、興味深いDVDがリリースされた。  そのDVDとは、『NICE IDOL(FAN) MUST PURE!!!』。ジャケットにある「アイドルファンのアイドルファンによるアイドルファンのためのインディペンデントDVD-MAGAZINE」というコピーが示すように、アイドルシーンの"今"を切り取ったこのDVDは、自主制作ながらAmazonのアイドルDVDランキングで最高位で3位を獲得し、現在もヒットを続けている。  制作したのは、アイドル関連ものを中心にライターとして活躍しているアイドルライターの、エリンギ氏と岡島紳士氏の2人だ。いったいなぜこのようなDVDを制作したのか? その目的は? 2人に話を聞いた。 ──DVDを制作したきっかけはなんだったんですか? エリンギ(以下、エ) アダルト系ライターの安田理央さんが『No1 in HEAVEN』というDVDマガジン(紙ではなく、DVD1枚に収録された映像のみで表現された"雑誌")を制作され、しかもそれが売れているということを知ったんです。同じライターとして、「こうしたDVDマガジンは、この出版不況を乗り越えるひとつの突破口になるのでは?」と、ガラにもなくやる気を出してしまいまして(笑)。ライターと兼業で簡単な動画編集の仕事もしていたので、ちょうどいいかなと考えたんです。 岡島紳士(以下、岡) 僕は僕で、趣味的な動画制作はそれまでもぽつぽつとやっていて、ちょうど、もう少し本格的にやってみようかというタイミングだったんです。それなら、それに「DVDマガジン」っていう付加価値をひとつ乗っけてみてもいいのかなと。
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エリンギ氏(左)と岡島紳士氏(右)。
 自主制作で雑誌を1冊作るより、DVDのほうが簡単にできそうだっていうのも、安田さん(記事参照)に直接話をうかがってわかったので。 ──なぜ、アイドルをテーマに選んだのでしょう?  アイドルのことが好きすぎるから。2人でやるなら、それしかないだろうと。 岡 あと、今までのメディアにおけるアイドル文化の切り取り方に、画一的なものを感じていたんです。だから、やるべきことも大きく残っているだろうと。  完全に自由にやるには、自主制作という選択肢しかなかった。 岡 アイドル文化っていうのは、アイドルに対するファンの側のおどろおどろしい思い、というものが重要なポイントなんですが、そこには、あまり正当な形ではスポットライトが当たってこなかったように思うんですね。  その部分を表現することに対する時代のニーズも来ているのかなとも感じて。それと、アイドルファンの間には昔からミニコミ文化があったので、自主制作DVDという形式にも、アイドル文化への親和性が十分にあるんじゃないかと思いました。 ──それぞれの役割分担は?  それぞれ個人で勝手に作ったコンテンツもありますが、基本的には、僕が出したアイディアを2人で話し合ってまとめて、出演を希望するタレントさんの所属事務所などにオファー。取材、撮影は2人で行いました。  編集は、すべてを自分たちだけでやるのは技術的にも労力的にも厳しかったので、一部仕上げを業者に頼みました。それ以外は2人で分担しましたが、取材までの事務作業を岡島が担当した分、僕の編集量が多い、というバランスでしたね。 ──こだわった点はありますか?  デザインですね。とにかくシャレオツ(オシャレの意)にしようと頑張りました!  ファンの側に力点を置いたアイドル文化を表現しようとすると、どうしたって気持ち悪くなるので、パっと見だけでも誤魔化さなければならないと思いました。目指したのは、90年代後半の渋谷系サブカルです。「あ、アイドルオタクってカッコイイんだ!」という誤解を与えようと。バックに流れる音楽も、クラブミュージックっぽいものを使ったりして、精一杯カッコつけました。 Still0624_00003.jpg  中身に関しては、我々は名もないアイドルライターでしかないので、限られた人脈の中で、なるべく有名な人に出てもらおうとしました。人気コスプレイヤーのうしじまさん、日テレジェニック2009の小泉麻耶さん、掟ポルシェさん。それから、「サイゾー」でも活躍しているアイドルライターの小明さんと、"藤川優里後援会会長"で、「ブブカ」(コアマガジン)などでも活躍中の「佐々木会長」。アイドルユニット・ももいろクローバーのイベントに参加してもらう、「"ハニカミ"ももクロイベントデート」という企画も作りました。  それと、自分たちからはアイドルに対する評論・分析はしない、ということ。そこを避けた表現に落とし込むほうが、結果として、ダイレクトに現在のアイドルシーンを切り取ることができると考えたので。  あとは、とにかく企画の面白さで勝負しようと。「(アイドル)ライターという仕事は、このまま続けていくことができるのか?」というのもテーマのひとつではあったので、ドキュメンタリー的に自らをさらけ出すことによっても成立するようなコンテンツを作りました。予算もなく、当然広告費もないわけで、今でも、採算は取れるのかと不安でしょうがないです。 ──現在、Amazonで販売されていますが、今後、ほかでの流通は考えていますか?  自主制作系の商品が多数置いてある東京・中野のショップ「タコシェ」には置いてもらう予定です。今後、ほかのDVDショップにもかけあっていきます。  あと、基本的に我々はアイドルオタクなので、アイドルのイベント会場にいる時なんかに声をかけてもらえれば、手売りで即売します。そのあたりは、随時Twitterなどで告知していきます。 ──今後の展望は?  CSのアイドル専門チャンネル『エンタ!371』『PigooHD』を運営するつくばテレビさんから声をかけてもらったので、そこで何か企画がやれればと。現在検討中です。  やりたいことはたくさんあるんです。「最強オタ決定戦」と題して、ある特定のアイドルのオタクたちに相撲で戦ってもらったりとか。  「なんのオタクが最強か?」という戦いも見たいですね。「アニオタvsアイドルオタで、料理対決」とか。「玉子焼き、どっちがうまく焼けるかな?」みたいな。アイドルオタクの親へのインタビューもやりたい。  それと「顔をさらせるアイドルライター募集」ですね。一緒にものを作って、「我々と一緒に夢を見ませんか?」と言いたいです。悪夢かもしれませんけど。  あとは、アイドルをテーマにしたショートフィルム・アニメなどの、アートっぽいコンテンツを入れたいので、作れる方を募集中です。  そして、先に挙げた『No1 in HEAVEN』で話題になった安田さんと同じく、「DOMMUNE」(映像作家・宇川直宏氏による、Ustream配信プログラム)にたまらなく出たいです。とにかく、もっとオシャレなサブカルだと思われたい!  まあでも、次号が出るかは今号の売れ行き次第なので......。とにかく、たくさんの方に観てもらえればいいなと思っています。 ・オフィシャルブログ <http://nifmp.blog57.fc2.com/>  ・Twitter <http://twitter.com/nifmp>
NICE IDOL(FAN) MUST PURE!!! 雑誌媒体を中心にアイドル記事を寄稿する、エリンギと岡島紳士の2人の若手アイドルライターが発起人となり、新たなるアイドル文化の可能性を模索すべく制作した、自主制作のアイドルDVDマガジン。Amazonのほか、中野ブロードウェイのサブカルショップ・タコシェでも販売中。 出演/うしじまいい肉、小泉麻耶、掟ポルシェ、小明、佐々木会長、柚原凪、tofubeatsほか 価格/1500円 販売元/NI(F)MP編集部 時間/117分 amazon_associate_logo.jpg
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エレクトロポップの新星・Mizcaインタビュー Perfumeは意識してる? してない?

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 ギャルの持つケータイなどでよく見られる「デコ」。これを、自身のアーティスト活動にまで取り入れているのが、"デコ・クイーン・シンガー"のMizca。彼女、マイクやマイクスタンドなどをデコりまくることで話題を集め、エレクトロ・ポップの新星として要注目なのだ。  彼女を手掛けるプロデューサーは、1999年にアート集団GROOVISIONSのキャラクターChappieのプロデュースを、最近では"エヴァ芸人"として知られる桜 稲垣早希をボーカルに迎えたシングル「はつ恋」を手掛けるなど、幅広く活躍しているミュージシャンpal@pop。  7月21日にリリースされたMizcaの1stアルバム『(ハート)UFUFU(ハート)』も、pal@popらしいキャッチーな曲調にMizcaのキュートな歌声が乗り、非常にポップな仕上がりを見せている。  そんなMizcaに、ニューアルバムのこと、"デコ"のことなどについて話を聞いた。 ──Mizcaさんは「デコ・クイーン・シンガー」という肩書きをお持ちですが、いつ頃から身の周りのものをデコり始めたんですか? 「3年前、ハタチの頃からですね。最初はケータイから始めて、それをきっかけに他のものもデコったら可愛いかなと思って。名刺入れやパソコン、マイク、マイクスタンド......身の回りのいろんなものを今ではデコりまくっています!」 ──結構、時間かかるんじゃないですか? 「今のケータイはデコり始めて4代目なんですけど、2時間くらいかかりました。お店に頼むと3万円位するんじゃないかな。やっぱり女の子なので、キラキラしているものを持ってると楽しいし、やり終わった後に達成感があるんですよね。やめられません」 mizka002.jpg ──今年の1月にデビューされましたが、エレクトロ・ミュージックにはもう慣れました? 「最初はエレクトロっていうジャンルがイマイチ分からなかったし、そこに挑戦することで不安や迷いはありました。でも、ライブを経験したり、持ち曲も増えてきて......今では親しみを感じています。私はまだ曲数も限られてるし、今まではインストアイベントなどが多くて、1人でステージを最初から最後まで作るということをしたことがないんです。でもアルバムリリースをきっかけに、そういうこともできたらいいかなって。"聴くライブ"より"観るライブ"が好きなんです。ダンスで魅せたり、セットや衣装にもこだわりたい。終わったあと、お客さんの中に余韻が残るようなライブを作り上げたいですね」 ──アルバム『(ハート)UFUFU(ハート)』の聴きどころを教えて下さい。 「1曲目の『キラキラ☆』に、早口で歌うパートがあるんですが、そこは苦労しましたね。結構噛みました(笑)。全体的には、シングルとしてリリースしたキャッチーな曲もあり、マニアックな曲調のものもあり、1枚でMizcaっていうキャラクターがいろいろと楽しめるかなと思います」 ──歌詞に関してはどうですか? 「高野さん(高野健一/pal@popの本名)の想像する女の子の気持ちが分かって、面白いです。女の子をこういう風に見てるんだなって。基本的に、女の子による上から目線の歌詞が多いんですけど、それは私にSキャラっていうイメージがあるかららしいんです。実際はそんなことないんですけど(笑)」 ──pal@popさんの書く世界って、女の子がアニメキャラっぽいというか、空想の世界の女の子、という印象があります。そういった、男性から女の子への、妄想のような過剰な愛情をぶつける歌詞って、ぶっちゃけ気持ち悪いとかは思いませんでした?(笑) 「そんなことないです(笑)。私も歌詞を書きますけど、私には書けないテイストのものなので、純粋に楽しんでます。高野さんの歌詞は情景がはっきりしていて、ドラマのワンシーンを見ているようで、面白いなって思います」 ──アルバムには、初回生産分1万枚に、Mizcaさんが生キスをしたトレーディングカードを封入されているそうですね。 「ほんとに大変でした! 12時間もかかって、終わった頃には唇が痛くて腫れちゃってました。クレンジングしても口紅が落ちなくなっちゃうし、きつかったですね。打ち上げの焼肉を楽しみにして、頑張りました!」 ──エレクトロ・ミュージックというと、最近はPerfumeフォロワーのアーティストとしてひとまとめにされがちです。意識はされていますか? 「特に意識はしてないですね。Mizcaとしてのテイストは、キャッチな歌謡曲テイスト。これからもこの路線を守りつつ、なおかつ誰が聴いても"私っぽいもの"を作れればいいなって思います。音楽だけじゃなくて、ビジュアル面でも、ほかのアーティストさんとは差別化していきたいです」 ──どんなアーティストを目指したいですか? 「今はまだはっきりとは見えてないんですけど、Mizcaとしてのジャンルを確立していければなって思います。自分にしかできないことを。まずはワンマンでライブをやりたいですね。Mizcaなりの世界観を表現してみたいです」 (取材・構成=岡島紳士<http://oshinshi.web.fc2.com/>) ●Mizca(みつか) 1986年8月14日、愛知県生まれ。身長154cm。05年に3人ユニットの一員としてデビュー。07年には自身の引きこもり体験を歌うシンガー・光岡昌美としてソロデビュー。そして今年1月にMizcaとして3度目のデビューを果たした。趣味/お菓子作り、ぼーっとすること、家具探し、部屋の模様替え、映画鑑賞、海に行くこと 特技/ネイルアート、詩を書くこと。 オフィシャルサイト<http://www.mizca.jp/> オフィシャルブログ<http://ameblo.jp/mizca-smile/>
UFUFU 数々のアーティストを手掛けてきた人気クリエイターpal@popが世に送り出す、エレクトロポップの新星Mizcaのファーストアルバム。エレクトロミュージック界初の卒業ソング「キラキラ☆」から2ndシングル「ダメよ(ハート)」などを、全12曲を収録。エレクトロポップなのにキャッチな歌謡曲テイストというMizcaが創りだす音楽観が、存分に満喫できる作品。この夏、話題沸騰なること間違いなし!? amazon_associate_logo.jpg
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「2日で30万部増刷!」宝島社の独走に大手三社も追随! 激化する雑誌"付録"戦争

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宝島社の公式サイト「宝島チャンネル」より
 7月3日に初版30万部を発売した顔用小型マッサージ器『スッキリ美顔ローラー』が好調な売れ行きを見せている宝島社。発売からわずか2日で30万部の重版も決まり、同社お得意のブランドムックの売り上げも絶好調だ。 「そのせいか、この夏のボーナスはひとりあたり数百万円だったそうです。出版社の中では、ボーナスが高いと言われる講談社よりも断然上だったそうです」(ファッション誌ライター)  まさに、宝島社の"ひとり勝ち"状態の出版業界。そんな中、大手三社(集英社、小学館、講談社)も指をくわえて見ていたわけではなかった。 「特に集英社は、ファッション誌の付録を何とか宝島社レベルまで引き上げたいというのが会社命題のようで、すでに宝島社で決まっていたブランドを、横取りしたなんてウワサも聞いたことがあります」(前同)  不穏な動きはそれだけではないそうで、 「実は、付録のサイズは決まっているんです。厚さが3センチ以上だとダメだとか、雑誌よりはみ出てはダメだとか、かなり細かいんです。それを判断する第三者機関のようなものがあって、宝島社はそれに従っていたのですが、集英社はことごとく無視していたようです。それで、宝島社からもクレームが入って、最近は修正しているみたいですけどね」(大手出版関係者)  まさになりふり構わない状態の大手出版社。 「また、宝島社には創刊間もない女性誌があるのですが、すでに集英社と講談社のライバル誌の部数を抜いたそうなんです。それで、集英社と講談社は代理店に『クライアントに広告を入れないようにしてくれ』って頼んでるって話も聞きました」(前同)  大手の牙城を崩しにかかった宝島社。どう対抗するのか見ものである。
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ドリームワークス歴代トップ評価を獲得! 3Dファンタジー『ヒックとドラゴン』

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How to Train Your Dragon (TM) & (C) 2010 DreamWorks Animation L.L.C. All Rights Reserved. 配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン 公式サイト:http://hic-dragon.jp 
 8月に入り、夏休み映画の公開もいよいよ後半戦。夏休みと言えば家族で楽しめるアニメ映画が定番で、先月封切られたディズニー/ピクサーの『トイ・ストーリー3』、スタジオジブリの『借りぐらしのアリエッティ』が興行でも元気。しかし、なにもアニメはディズニー/ピクサー、ジブリだけじゃない。この2作に負けず劣らず、家族で楽しめるオススメアニメが、ドリームワークス・アニメーションSKGのファンタジー『ヒックとドラゴン』(8月7日 新宿ピカデリー他全国で公開)だ。  『リロ&スティッチ』(03)のディーン・デュボア&クリス・サンダース監督が、英国人作家による児童書をCGアニメ化。遠い昔、北方の海に浮かぶバーク島に暮らすバイキングの一族は、家畜を奪いに来るドラゴンたちとの戦いを長年繰り広げていた。荒くれのバイキングたちを束ねる偉丈夫の族長を父に持つ、なぜかひ弱で頼りない息子ヒック。村の役に立ちたいとの思いから、新奇な武器を発明してはドラゴン退治に挑戦するものの、いつも失敗してばかり。  そんなヒックの前に、天敵のドラゴン・トゥースが現れる。一度も捕らえられたことのない伝説的なドラゴンだが、ヒックの武器により翼の一部に傷を負い、人里離れた山奥で飛べなくなっていた。初めは互いに警戒する「ふたり」だったが、次第に距離を縮め、密かに友情を築いていく。ふたりの絆は、やがてバイキング一族の運命をも変えていくのだった......。  自信を持てず疎外感に悩む主人公が、他者と出会い、友情を築き、才能を開花させる過程で精神的に成長していくという筋書きは、ファンタジー作品で定番とは言え、家族で安心して楽しめる大切な要素。手に汗握る大冒険の後に、ヒックが経験する「喪失」も、ほろ苦い香辛料のようにハッピーエンドをピリッと締めていて、リスクを取ることの痛みと成長することの喜びを絶妙な味付けで教えてくれる。  ドリームワークスSKGと言えば、かつてディズニーの映画部門トップだったジェフリー・カッツェンバーグが、経営陣との確執から同社を離れてスティーブン・スピルバーグ監督らと設立したスタジオ。そんな経緯もあって、ドリームワークス・アニメーションの作品群はアンチ・ディズニー的な毒気を含むことが多く、アクの強いキャラクター造形が観客に敬遠されることもあったが、本作は物語もキャラも親しみやすく、幅広い年代に受け入れられる内容に。世界的に有名な映画批評サイト「ROTTEN TOMATOES(ロッテントマト)」による全米マスコミの集計で、ドリームワークス・アニメ歴代トップの98%という驚異的な高評価を獲得している。  3Dでも上映される『ヒックとドラゴン』は、ドリームワークスとインテルの提携による「イントゥルー3D」技術が導入された第2弾。第1弾の『モンスターVSエイリアン』(09)から3D映像の立体感と奥行き感が大幅に向上しているのが一目瞭然だ。ヒックがトゥースの背中に乗って大空を駆けめぐるダイナミックな楽しさから、毛髪や毛皮、金属の繊細な質感の美しさにいたるまで、3D映像の魅力を堪能できる作品としてもオススメしたい。 (文=eiga.com編集スタッフ・高森郁哉) 『ヒックとドラゴン』作品情報 <http://eiga.com/movie/54255/> 『ヒックとドラゴン』作品情報 ディーン・デュボア&クリス・サンダース監督インタビュー <http://eiga.com/movie/54255/interview>
ヒックとドラゴン〈1〉伝説の怪物 これはこれで面白い。 amazon_associate_logo.jpg
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巨大ロボットがダイナミックに大暴れ! 幻の韓国アニメ『テコンV』が日本公開

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多くの韓国人が郷愁を覚える劇場アニメ『テコンV』。韓国のCMでは独島(竹島)を守る守護神としてテコンVが活躍した。現在、韓国の誇る国産スーパーヒーローとして3DCG化が進められている。(C) 1976 Robot Taekwon V Co.,Ltd. All Rights Reserved.
 日本のアニメファンの間で長らく、"伝説のアニメ"と呼ばれてきた韓国産ロボットアニメ『テコンV』が、ついにその全貌を現わすことになった。キム・チョンギ監督による長編アニメ『テコンV』は1976年7月に韓国で公開された劇場作品。韓国初の純国産ロボットアニメとして、韓国の子どもたちに熱狂的に受け入れられた。その後シリーズ化され、70~80年代に韓国で少年期を過ごした世代にとっては忘れられない作品となっている。主人公フンが操縦する巨大ロボット・テコンVが韓国の国技テコンドーを駆使して、世界征服を企む悪の組織"アカ帝国"の操る悪のロボット軍団を撃破するという韓国のお国事情を感じさせるストーリーが何とも味わい深い。だが、やはり日本人にとって気になるのは『マジンガーZ』(72年/フジテレビ系)にそっくりなメカデザイン。知的財産権の概念がアジアに広まったのは90年代後半からとはいえ、ここまでマジンガーZに瓜二つなロボットが韓国でダイナミックに暴れていたとは! 『テコンV』の摩訶不思議なる魅力を掘り下げるべく、トホホ映画評論家、韓国出身の映像プロデューサーにコメントを求めた。  大畑晃一氏はテレビアニメ『一騎当千Great Guardians』『一騎当千XTREME XECUTOR』のシリーズ監督などを務める他、『世界トホホ映画劇場』『世界トホホ映画劇場2 アニメ&特撮大作戦』(共に小学館)といった著書を持つ"トホホ映画評論家"としても知られ、世界各地のトホホ映画に造詣が深い。日本と韓国におけるアニメの歴史についてこう語る。 大畑 日本と韓国のアニメーションビジネスの関係は、『妖怪人間ベム』(68年/フジテレビ系)の制作の際、日本のスタッフが韓国で作画指導したことから始まったと言われています。その後、テレビアニメの量産に合わせて、日本は人件費が安く済む韓国に下請け作業を発注するようになったんです。70~80年代に日本で次々と作られたスーパーロボットアニメの設定資料は当然、韓国の制作会社にも流れていたと思いますし、またキム監督自身も『マジンガーZ』の影響を受けたことを認めています。でも、剽窃問題は別にして、『テコンV』は韓国のオリジナルアニメを作ろうという意欲とエネルギーが溢れている作品であることは確かです。
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ずっこけギャグで笑いを誘う"ヤカンくん"。
日本の懐かしのアニメ『ロボタン』に似ていると
の声も。
 大畑氏がトホホ映画の世界に魅了されるようになったのは、キム監督のもうひとつの代表作『スペースガンダムV』(83)をビデオで観たことがきっかけだったと語る。 大畑 "ガンダム"とタイトルに謳ってありますが、登場する巨大ロボットは『超時空要塞マクロス』(82年/TBS系)のバルキリーにそっくり(笑)。バルキリーが巨大ドブネズミと戦うというストーリーがあまりにインパクトが強烈で面白く、トホホ映画の虜になってしまった。既視感のあるキャラクターたちなのに、オリジナルの設定と全く異なるご当地ならではの発想とストーリーに変わっているというギャップが大きく、新鮮な魅力がありました。『テコンV』シリーズで、やはりキム監督の『テコンV90』(90)という作品があるのですが、これはドラマ部分を俳優が演じ、ロボットの登場シーンだけアニメになるという実写とアニメの融合作品。ストーリーは第1作『テコンV』とほぼ同じで、美少女アンドロイドをキュートな金髪(かつら)女優が演じているほか、背が低く頭が大きいことを学会で笑われたことがトラウマになった悪の博士もアニメとまんま同じキャラクターの男優が演じています。一生懸命に作られている作品なんですが、やっぱり何処かオカシイんですよ。客観的に見れば、アニメ作品としてのクオリティーは決して高くはありません。でも、いちばん大事なのは、キム監督の作品はバカバカしい部分も含めて、"ストレートに面白さを追求している"ってことなんです(笑)。  大畑氏は庵野秀明氏の監督デビュー作『トップをねらえ!』(88)にロボットデザイン担当として参加している。『トップをねらえ!』はさまざまなアニメ作品のパロディーだが、庵野監督のクリエイターとしてのセンスが溢れ出した作品でもある。創作という行為は、多種多様な要素が影響しあって進化していくもの、というのが大畑氏の持論だ。 大畑 物を作るということは、何らかの影響を受けたからできるものであって、全くのまっさらな状態から物が生まれることはまずありません。『スター・ウォーズ』(77)が公開され、世界中でそれこそ有象無象に『スター・ウォーズ』のイミテーションが作られました。でも、だからといって『スター・ウォーズ』の価値は下がっていない。同じように『マジンガーZ』の原作者である永井豪先生も、フランスをはじめ世界中で絶大な人気を誇る偉大な作家です。韓国では国全体で『テコンV』を盛り上げ、実写化リメイクの企画も進んでいるそうですから、負けずに日本でも、永井先生原作のダイナミック系ロボットアニメが国家レベルで評価されてほしいですね。その上で、マジンガーZとテコンVが対決したらどうなるんだろうとか頭の中で考えると楽しいじゃないですか(笑)。
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悪のロボット軍団を結成したカープ博士。頭が大き
いことを学会で笑われたことから世間への復讐を
誓うのだった。
 もうひとり、ユニークな情報バラエティー番組として人気を集めた『鈴木タイムラー』(04~05年/テレビ朝日系)のプロデューサーを務めたカン・ヨンミン氏にもコメントを求めた。カン氏は71年韓国生まれ、少年期に『テコンV』シリーズをリアルタイムで観ていた世代だ。 カン 『テコンV』シリーズは韓国のオリジナルアニメということで、夏休みや冬休みにクラスごとに小学校全員で映画館へ観にいきました。韓国の小学生たちの間で大変な人気がありました。当時は子どもだったこともあり、テコンVという巨大ロボットが本当に開発され、韓国軍が保持しているものと思い込んでいたんです。韓国の巨大な競技場の地下にテコンVは格納されており、グランドが2つに分かれて、テコンVが出動するんだと子どもたちの間で噂していました(笑)。  韓国では98年から日本の大衆文化の開放が段階的に始まったが、それ以前の70~80年代の韓国のテレビ事情はどうだったのだろうか。 カン ボクが子どもの頃、テレビはカラー化されていましたが、まだ終日放送ではありませんでした。朝の放送の後、昼間は放送がなく、夕方4時30分か5時くらいからテレビ放映が再開されたんです。まず韓国の国歌が流れ、ニュースをひとつはさみ、それから子ども向きのアニメ番組が始まりました。韓国の子どもたちは国歌を口ずさみながらアニメが始まるのを待っていたんです。『新造人間キャシャーン』『マッハGoGoGo』、手塚治虫先生の『鉄腕アトム』『リボンの騎士』、それに『銀河鉄道999』『千年女王』といったアニメが韓国語に吹き替えられて放映されていました。『宇宙戦艦ヤマト』も別の題名(『戦艦V号』)で放映されています。日本製アニメとは、その頃はまったく気づきませんでしたね。でも、中学に進学すると、次第にアニメは観なくなりました。多分、韓国の子どもの多くはそうじゃないですか。その後、ボクは高校、大学、兵役を経て、93年から日本に来たんですが、『マジンガーZ』を観たときには驚きました。「あれ、テコンVにそっくりなロボットが日本にもあるぞ」と(苦笑)。『マジンガーZ』が先に放映されていたことは後から知りました。ですから、自分のように映像関係の仕事をしている韓国出身の人間にとって、『テコンV』は懐かしい気持ちになるのと同時に、非常に複雑な思いを抱く作品なんです。
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テコンVのパイロット・フンに想いを寄せる美少女
アンドロイドのメリー。"アカ帝国"との板挟
みになる彼女の健気な行動にホロリとさせ
られる。
 韓流ブームの先駆けとなった『冬のソナタ』の脚本家は、やはり子どもの頃に韓国で放映された『キャンディ・キャンディ』(76~79年/テレビ朝日系)が好きだったという。日本と韓国の文化は国境を越え、さまざまな形で影響し合ってきたようだ。最後に『テコンV』を観る際の楽しみ方を大畑氏に伝授してもらおう。 大畑 仕事で韓国に行った際に、韓国のスタッフたちから聞いたのですが、韓国の男性はアニメや漫画が好きでも、兵役に行くことで否応なく子ども時代に別れを告げることになるようです。日本のように30歳や40歳を過ぎてもキャラクター商品を集め、アニメや漫画に熱中しているほうが、他国の人から見れば特殊なことに見えるのかも知れない。ですが、空想の世界で遊ぶことができなくなったら、人間は心の余裕をなくし、ただ生活に追われるだけの人生になってしまうのではないでしょうか。韓国アニメを鑑賞する際は、多少理解できない部分があっても自分の心の中で作品世界を妄想し、補完しながら日本アニメとのギャップを楽しむことです。いわば、観客参加型の作品です。ですから、『テコンV』を現代の日本の劇場で楽しむということは、とても幸せな体験になると思いますね。 (取材・文=長野辰次) tekon05.jpg ●『テコンV』 格闘技大会の準優勝者が次々と拉致されるという事件が発生。拉致された準優勝者たちは"アカ帝国"によって洗脳され、悪のロボット軍団のパイロットと化していた。テコンドーのチャンピオンであるフンは父親が開発した巨大ロボット・テコンVに乗り込み、正義の鉄拳をお見舞いするのだった。 監督/キム・チョンギ 声の出演/キム・ボミ、キム・ボヨン、キム・ヨンチャン、ナム・ドヒョン、チョン・チファ 配給:キングレコード+iae 8月7日(土)よりシアターN渋谷にてレイトショー公開ほか全国順次公開
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鈴木タイムラー オフィシャルセレクション Vol.1【職業編】 新感覚バラエティー amazon_associate_logo.jpg
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音のない世界でのフットボール! もうひとつのなでしこジャパンが過ごした暑い夏

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(C)アイ・コンタクト製作委員会2010
 FIFAワールドカップが大盛り上がりのうちに閉幕。その余波を受けてJリーグの観客動員が好調な様子だが、勢いがあるのはプロばかりじゃない! 実は障害者スポーツの分野でも、サッカーがにわかに注目度を高めているのである。  日本電動車椅子サッカー協会、日本視覚障害者サッカー協会、日本脳性麻痺7人制サッカー協会、日本ろう者サッカー協会(男子、女子)、日本知的障がい者サッカー連盟......といった団体が活動しており、国内だけでなく、国際大会に向けた動きが目立つようになってきた。  ブラインドサッカー日本代表は、8月14日からフットボールの母国・イングランドで開催されるIBSA世界選手権2010に出場決定。そして知的障がい者サッカー日本代表は一路、ワールドカップが行われたばかりの南アフリカへと飛ぶ予定だ。資金不足に悩まされながらも8月23日から開催される第5回INAS-FIDサッカー世界選手権2010への出場を決めたのだ。  大会へ向けた壮行イベントが多数行われるなか、地味に公開されようとしているのが、ドキュメンタリー映画『アイ・コンタクト』。実はこの映画、4年前に世界選手権ドイツ大会に出場した知的障がい者サッカー日本代表を描いた『プライド in ブルー』の監督、中村和彦氏による最新作。  写真でも分かるように、年相応にオシャレでかわいい女子のサッカーに密着したようにしか見えないが、実は彼女たち、難聴なのである。 icon02.jpg  耳が聞こえない、あるいは聞こえにくい「ろう者」とは、そもそもどんな存在なのか? 冒頭からの数十分はひたすら、その実像に迫るインタビューに費やされる。ろう者サッカー女子日本代表メンバーとその家族に密着。ろう者と言っても、聴こえない度合いは様々。彼女たちがどのように難聴を捉え、対処しているかも一人ひとり違う。補聴器をつけている人もいれば、小さいときに試してみて使わなくなった人もいる。中村監督は言う。 「とにかく、いろんな人がいるんだということを伝えたいのがいちばんですね」 「ただ聴こえない人とだけ、簡単に片付けられることが多いので。(ろうにしても)いろいろな人がいるのだと伝えるには(それを描くだけの長めの尺が)どうしても必要だと思いました。聴こえないレベルもいろいろだし、手話をおぼえた時期もいろいろ。(通っているのも)ろう学校だったり、健聴者の学校だったり。より正確に、等身大の姿を描きたかったんです。特に前半の30分」 「育ってきた時代にもよるし、補聴器を早くから使い始めると少し聴こえがよかったりする。それをひとことで描き表そうとすると、おかしなことになってしまう」  代表チームの合宿に行ってみたが、それだけでは彼女たちを理解するには不十分だった。時間をかけて信頼関係を築き、慎重に、丁寧に描こうとカメラを構えた。  その甲斐あってか、全編に女の子の溌剌とした笑顔が溢れている(率直に言ってかなりかわいい)。ろう者としての本音も聞ければ、結婚についての反応もうかがい知れる。  メンバー全員とそのご家族の"キャラ"を十分に把握した観客は、台湾で開催されるデフリンピック2009(4年に1度おこなわれる聴覚障害者のオリンピック)の舞台へと、チームとともに心を持って行かれる。  女子サッカー部門のグループステージ。日本代表は自分たちよりも遥かに体が大きく脚の速いイングランド、ロシアらと対峙。本気の世界レベルと接し、厳しい戦いの渦中に飛び込んだ彼女たちは、コミュニケーションを本質とするサッカーが持つそもそもの難しさを味わう。  そして同時に、耳が聴こえないがゆえの壁にぶつかり、突貫工事で対策を練ることになる。  その先に待ち受けるアスリートとしての覚醒が見ものだ。負けることに慣れていた女の子たちが、真の悔しさを知り、負けたくないと思うようになる。  クライマックスの戦いは、サッカーの名勝負で何度となく繰り返されてきた緊張感のリフレインである。 「最初から聴こえなければ、それを辛いと思いようがなかったりする。それは聴こえる人のおごりというか、そういう側面もある」 「サッカーは好きだけど、ろう者の世界に興味がない、という人に見てほしい映画でもある」  彼女たちと中村監督の共通点は「サッカーが好き」だという気持ち、ただ一点だという。そこを介して未知の世界を丹念に探った成果が、この映画には溢れている。9月18日公開。 (取材・文=後藤 勝)   9月18日からポレポレ東中野で公開決定 <http://www.pan-dora.co.jp/eyecontact/>
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男性顔負け! アンジーがクールにキメるスパイ・アクション『ソルト』

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 「美しすぎる女スパイ」ことアンナ・チャップマンらロシア人スパイ団が先月米国内で逮捕された事件は、各国のメディアに取り上げられ世間の関心を大いに集めた。今月に入り米ロのスパイ交換で一応の決着をみたが、あれって本当は米政府が加担したハリウッド映画の前宣伝だったんじゃないの? と疑いたくなるくらい、絶妙のタイミングで封切られる女スパイものの映画がある。アンジェリーナ・ジョリー主演、フィリップ・ノイス監督のスパイ・アクション『ソルト』(7月31日公開)がそれだ。  アンジーが演じる主人公イブリン・ソルトは、表向き民間企業の社員だが、実は優秀なCIAエージェント。ある日CIA本部で尋問した初老のロシア人の告白により、ソルトが幼少からロシアでスパイ教育を受け、要人暗殺のために送り込まれていた二重スパイだと疑われる。本部から逃走してCIAから追われる身となったソルトは、ロシア大統領が参列する米副大統領葬儀に変装して潜入。世界を震撼させる大事件を起こす。直後に逮捕されるが、護送中の車から再び逃走、ロシア工作員らと接触したのち、さらにホワイトハウスの米大統領に接近する......。    脚本の初期段階で男性として設定されていたソルト役に、『トゥームレイダー』シリーズや『Mr.&Mrs. スミス』(05)、『ウォンテッド』(08)で男勝りのアクションを披露してきたアンジーは最高のキャスティング。息つく間もなく続くガンファイト、格闘、爆破、カーチェイスをクールにキメるヒロインの凛々しい美しさは、人気ジャンルのスパイ・アクション映画に新たな魅力を加えている。  ソルトが謎めいた存在なのも、観客が引き込まれる大きな要素。濡れ衣を着せられたCIA職員か、男が告白した通りのロシア側のスパイなのか、それとも......? と疑問を抱きながら、ミステリーを解くカギを見逃すまいとスクリーンを注視することになる。ソルトが時折見せる女性らしい表情も、本心なのか偽装なのか、探りながら見入ってしまうはず。  基本的に男の世界であるアクション系映画において、超ハードなアクションをこなせる身体能力とゴージャスな美貌を兼ね備えたアンジェリーナ・ジョリーは貴重な存在。女優が主演の恋愛映画などは例年春や秋の公開が多いこともあり、この夏の公開作品を一通り眺めてみても、男性スターの主演作が並ぶ中、『ソルト』には紅一点ともいうべき華やかさがある。  アクションの興奮と謎解きの面白さに加え、女性の強さと美しさも堪能できる本作。アクション映画好きの男性はもちろん、仲良く盛り上がりたいカップルや、タフなヒロインに元気をもらいたい女性たちにもおすすめだ。 (文:eiga.com編集スタッフ・高森郁哉) 『ソルト』作品情報 <http://eiga.com/movie/55104/> 『ソルト』特集 <http://eiga.com/movie/55104/special/>
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"製作委員会"映画の悪しき構造欠陥を行動的評論家・江戸木純が一刀両断!

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人気連載"日本映画縛り首"の単行本化第2弾
『日本映画空振り大三振 くたばれ!
ROOKIES』(洋泉社)。映画関係者、
映画愛好家は必読だね。
 映画雑誌「映画秘宝」(洋泉社)の人気コーナー「バッド・ムービー・アミーゴスの日本映画縛り首」の3年間にわたる連載が今春で終わり、物寂しさを感じている映画マニアは少なくないだろう。それほどまでに、ガース、エド、クマちゃんの3人が毎月3本の厳選したダメダメ日本映画をメッタ斬りにする様は爽快感に満ちていた。今年6月に発売された『日本映画空振り大三振 くたばれ!ROOKIES』は、前作『バッド・ムービー・アミーゴスの日本映画最終戦争!〈邦画バブル死闘編〉2007-2008年版』に続いて、2009年に公開されたサイテー日本映画46本を俎上に上げ、単に作品を酷評するではなく、映画業界の問題点について言及したもの。連載分に加え、3人によるまとめ対談なども加筆されている。3人の処刑人を代表して、エドこと映画評論家の江戸木純氏にご登場願った。インド映画『ムトゥ 踊るマハラジャ』(95)、スウェーデン映画『ロッタちゃん』シリーズを日本でヒットさせたことで知られる配給・宣伝マンでもある江戸木氏に、日本映画界の内情について語ってもらおう。 ──3年間にわたって、サイテー日本映画をぶった斬ってきたわけですが、連載を終えた現在の心境は? 江戸木純(以下、エド) もう、精神はもちろん全身が疲弊しきっています。滝に打たれて過ぎておかしくなった状態ですね(苦笑)。毎月3本の作品を誌面で取り上げてきましたが、実際はそれよりもっと多くのダメ映画を観てきたわけです。ですから取り上げた作品は、極めつけのダメ映画ぞろいです。ガース(映画評論家・柳下毅一郎氏)は趣味と実益を兼ねていた部分もあるようだけど、ボクはできれば避けて通りたかった作品ばかりでしたね。人生、時間が限られているわけですから、観なくていい作品はできれば観たくなかった(笑)。連載中は基本的に映画館でチケット代を払って観ていたんですが、連載が終わった今では完全に拒絶反応が出て日本映画はほとんど観ていません。当然ですが、『踊る大捜査線THE MOVIE3ヤツらを解放せよ!』も観ていません。多分、一生見ない。 ──"少しでも日本映画が良くなれば"という志から始まった連載だったんですよね? エド もちろん、最初はそういう志がありました。思い切った批評をブチかますことで、業界に反応が起きれば......と。でも、途中からそれは無理だと気づき、荒んだ連載になってしまいました(苦笑)。監督の演出や俳優の演技のレベルではなく、日本映画の病巣はもっと根深かった。この3年間で日本映画はサイテーの状態に陥ったんじゃないですか。それは作っている人たちに映画的な才能がないからだけど、それを喜んで観る人たちがいるから、『ROOKIES 卒業』(09)みたいな作品が85億円以上を稼ぐわけです。観客のレベルが極端に下がってきて、それに合わせた作品が作られるようになってきていることは明らか。これは映画業界の問題というより、教育の問題。まっとうな映画を鑑賞する若い層がここ十数年間育っていないので、映画がビジネスとして成り立たなくなっている。学級崩壊どころじゃなくて、国家崩壊の危機です。 ■責任者の顔が見えない"製作委員会" ──連載が続いたこの3年間は、テレビ局主導の製作委員会方式で作られたシネコン映画が全盛を極めた時期にあたるかと思います。
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LAのフィルムマーケットを訪問中の"エド"こと
江戸木純氏。
エド もはや昔から映画と呼ばれてきたものと、テレビ局が作った『ROOKIES 卒業』や『20世紀少年』(08~09)は別物ですよ。本来の映画とは区物したほうがいい。『踊る大捜査線』シリーズ(98、03)は、完全なテレビ映画ですから、映画と呼ばなくていいと思います。我々映画ファンの人生に必要のないものでしょう。テレビ局の作る映画は、人を映画館にまで足を運ばせ入場料を取れば終わり。作品が面白いかどうかは、テレビ局には関係ないんです。そもそも許認可事業であるテレビ局が自分たちで作った商品を自局でばんばん宣伝していることから問題がある。これに関しては、国がちゃんと取り締まるべきですよ。 ──本作の帯にあるように、"映画はテレビ屋のオモチャじゃねーんだよ!"ということですね。 エド でも、これはテレビ局のせいというよりも、映画屋のだらしなさの表れです。映画を作っている人たちの企画力、戦略、才能のなさ、その全てが露呈している。それでテレビ局におんぶにだっこ状態になってしまった。それが一番の問題点です。テレビ局が作るテレビ映画のダメなところは、自局で放映することを前提に作られているということ。本来は、1,800円払って劇場でしか観ることのできないものを作るのが映画屋の誇りだったはずです。テレビ局を絡めずに作った『告白』が今年ヒットしたことは意外でしたが、製作委員会方式で作られる限りは、本来の意味での映画が作られることはかなり難しいでしょうね。日本で大ヒットした作品が海外でまともな賞を獲ることはほとんどありません。作り手の意志が製作委員会に勝利した『おくりびと』(08)のような例外も中にはあるけど、世界的なレベルで見ると、今の日本映画のレベルは信じられないくらい低いです。 ──海外にも"製作委員会方式"は存在するんでしょうか? エド ハリウッドでも、どの国でもプロデューサーがいろんな企業からお金を集めてくることでは同じなんですが、日本の製作委員会のダメな点は、作品のクリエイティブ・コントロールも、失敗した場合も、誰が責任者か分からないこと。海外の場合は成功しても失敗してもプロデューサーが背負いこむ。それに対して日本の製作委員会方式は、首謀者が誰か分からないようにした円形の"連判状"と同じなんです。失敗しても誰も責任を取らず、「じゃあ、次の企画に移りましょう」となる。すごく日本的なシステムですよね。こういうケースは海外ではないはず。結局、映画は作品にしても宣伝にしても、30人近く集まって会議をやっていては、意見はまとまりません。もし、まとまったとしても当たり障りのないつまらないものに落ち着く。映画はやっぱり独裁的に作られたものじゃないと面白くないですよ。製作委員会は作品がいいか悪いかではなく、どうすれば一円でも多く収益を上げるかしか考えない人たちの集まりです。もちろんビジネスですからそれが一概に悪ということではないのですが、娯楽にせよ芸術にせよ、いかに質の高いものを作るための話し合いというのは委員会では基本的にはないのです。 ──連載中に映画会社からクレームが来たことは? エド 直接的に苦情が来たことはないですね。他の雑誌の記事で編集長がある映画会社に呼び出しを喰らったことはありますけど。あとは、ワーナーから1年間くらい試写状が届かないということがあったくらいかな。『スシ王子! 銀幕版』(08)、『L change the WorLd』(08)、『ICHI』(08)などのワーナー作品が「第2回はくさい映画賞」を賑わした頃でした。ワーナー側によると試写状が届かなかったのは事務処理上のミスだということでしたけど(笑)。まぁ、日本映画は試写室ではほとんど観ないので構いませんけど。最近は、事前に原稿を見せることに同意しないと試写を見せない映画までありますよ。 ──日本には批評文化も存在しないと......。 エド 少なくとも評論の影響力がもの凄く弱まっているのは事実です。特に全国公開規模の作品に関してはまったく機能していないのが現実でしょう。新聞や雑誌は、シニア層しか読まなくなりましたしね。テレビでやっている情報番組は自局が映画を製作しているから、映画コーナーは「凄い! 面白い!」しか言えない。「日曜美術館」みたいな感じでNHKあたりが映画批評の番組をやれば、まだ可能性はあるかもしれません。 ■閉塞的な時代こそ、ブルース・リーが必要!
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7月に発売された『世界ブルース・
リー宣言 龍教聖典』(洋泉社)。
──江戸木さんはインド映画『ムトゥ』やスウェーデン映画『ロッタちゃん』シリーズを買い付け・配給・宣伝して渋谷シネマライズや恵比寿ガーデンシネマでロングランヒットさせたことが伝説のように語られていますが、今の日本の映画状況ではもう不可能でしょうか? エド 今の日本では無理でしょう。90年代から00年代前半までは、まだミニシアターの人気があり、若いOL層が足を運んでいた。また目利きが選んだ選りすぐりの秀作ぞろいだったんです。それがミニシアターブームということで各社が乱入し、レベルが下がっていった。全体の7割を占めていた若いOL層は今ではもっぱらエステにお金を使うようになり、ミニシアターから消えています。インディペンデント系の配給会社は成り立たない状態です。ボクが手掛けた『ムトゥ』だって、物珍しさが功を奏したビギナーズラックに近いものです。珍しいものでも観たいと思う余裕が観客側にあったんです。でも、「これからはインド映画がトレンドだ」と勘違いした人が多かった。『ムトゥ』の後に、180度タイプの異なるスウェーデンの児童映画『ロッタちゃん』を手掛けたのも、「みんなと同じことをやってないで、それぞれ違ったことをやろうよ」という意味合いを込めていたんですけど、残念ながらその意図は伝わらなかった(苦笑)。映画ビジネスは、そのギャンブル性の強さを認識していないと大けがをします。基本勝率1割程度と考え、9敗してもやりつづけられる規模の勝負をする余裕と、多少損してもいい映画を見せたいという志、そしてここ一番の勝機を見抜くギャンブル運がないと続けられないんじゃないでしょうか。 ──江戸木さんは配給利益で、ムトゥ御殿を建てたのでは......? エド いやいや、とんでもない。共同事業の母体となった会社が驚くほどいい加減なとことろで、『ムトゥ』と『ロッタちゃん』のヒットでボクが得た利益なんてほんの少しでした。わずかな利益もその後、調子に乗って中国との合作『王様の漢方』(02)、山中貞雄監督の名作時代劇をリメイクした『丹下左膳・百万両の壺』(04)の映画製作で全部消えました(苦笑)。そもそも配給はよほどヒットしないと儲からない仕組みなんです。劇場側と配給側の取り分は基本ほぼ50/50ですが、買付け費用はもちろん宣伝費もすべて配給側が負担することになっています。また、映画が外れた場合は通常のアベレージ分まで配給側が補填しなくちゃいけない場合もある。映画の本数が多いため、映画館が作品を選べる立場なので、どうしても映画館に有利な条件になっているんです。これだけ観客が少なくなっている現状では、中小の配給会社はほとんど続けていけないですよ。海外でおしゃれにパーティーを開いていたワイズポリシーが潰れ、ザナドゥの社長は消息不明のまま、叶井俊太郎のトルネードフィルムも倒産。数年前の邦画バブルの頃は年間800本以上の映画が劇場公開され、その約半分が邦画でしたが、これは異常過ぎたんです。今では現像所にお蔵入りした邦画のフィルムが何百本も眠っているそうですよ。映画のスタッフもちょっと前までみんな忙しそうだったのに、今では製作本数激減で仕事がなくなって町をさまよい歩いています。邦画バブル崩壊後の焼け野原状態ですよ。 ──そんな閉塞的な時代こそ、"ブルース・リー"のようなポジティブなバイタリティーとクリエイティブなエネルギーが必要だと江戸木さんは説いているわけですね。 エド 強引な展開ですねぇ(笑)。でも、確かにそうなんです。『燃えよドラゴン』(73)をはじめとするブルース・リー映画とボクは出会ったことで人生が大きく変わった。映画って上映中だけ楽しめばいいというものじゃなくて、人間の人生を大きく変えてしまうくらいのエネルギーがあるものなんです。そのエネルギーが、今の時代には不足している。ボクの場合はブルース・リー映画だったわけですが、誰にでもその人にとってのブルース・リー的な映画が存在すると思うんです。ブルース・リーの魅力はマーケティングなどで分析できるものではありません。世界中の誰が観ても面白いというブルース・リーの"開かれた魅力"、今までになかったエンタテイメント作品を生み出そうという"飽くなきチャレンジ精神"は忘れてはならないものです。 ──7月17日に発売されたばかりの著書『世界ブルース・リー宣言』(洋泉社)に収録されているブルース・リー映画に対する江戸木さんの評論も過剰なまでのエネルギーに溢れています。 エド 映画評論は評論家自身が前面に出ているものが多いけれど、やはり映画評論は読んだ人がその映画を「観たい!」という熱い気持ちにさせるべきものだと思っています。ボク自身も、"縛り首"の連載を終え、『世界ブルース・リー宣言』の執筆にここ数か月集中していたんですが、安全な場所からあーだこーだ発言しても事態は変わらないということを痛感したので、行動的批評活動に再び取り組むつもりです。やっぱり、何か事を起こすには自分でもリスクを背負わなくちゃいけない。昨年、ロサンゼルスの映画マーケットで、"7,000円で作った感涙のゾンビ映画"と言われる『コリン』というイギリス映画を買い付けました。無名の新人監督が1台のデジカメで撮った作品ですが、低予算で撮ったと思えないほどクオリティーが高い。日本のビデオメーカー数社がボクよりも高値で交渉していたようですけど、「日本でも絶対に劇場公開すべき!」というボクの提案に監督が賛同してくれたんです。映画界をたったひとりで変えていったブルース・リーの熱い志を現代に甦らせるためにも、面白い形で日本での宣伝・公開を考えているところです。『世界ブルース・リー宣言』を書き上げたばかりでボロボロ状態ですが、エネルギーを充填次第やりたいですね。面白い映画を宣伝・配給するのも、けっこーエネルギーが必要なんですよ(笑)。 (取材・文=長野辰次) ●えどき・じゅん 1962年東京都生まれ。東北新社、ギャガで洋画の買い付けや宣伝業務を行ない、『死霊の盆踊り』(65)、『ベルリン忠臣蔵』(85)などのカルト作品を発掘。独立後は映画評論家としての執筆活動の傍ら、"行動的批評"として『ムトゥ 踊るマハラジャ』(95)、『ロッタちゃんと赤いじてんしゃ』(92)、『ロッタちゃんはじめてのおつかい』(93)、『処刑人』(01)など既存の配給会社が扱わない知られざる映画を日本に紹介している。『カブキマン』(01)、『王様の漢方』(02)、『丹下左膳・百万両の壺』(04)などの映画製作も経験済み。主な著書に『地獄のシネバトル』(洋泉社)、共著に『映画突破伝』(洋泉社)、『関根勤×江戸木純シネマ十番勝負』(富士見書房)など。『バッド・ムービー・アミーゴスの日本映画最終戦争!〈邦画バブル死闘編〉2007-2008年版』『日本映画空振り大三振 くたばれ!ROOKIES』(共に洋泉社)に続いて、ブルース・リー映画の評論集『世界ブルース・リー宣言』(洋泉社)が発売されたばかり。
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「完全に舐められている」ボクシング 亀田オヤジ控え室乱入も"大甘処分"の予感

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亀田史郎オフィシャルブログ
 本当に懲りないオヤジだ。亀田ジムは今春、父親の史郎氏の暴言騒動で除名寸前の危機に陥ったが、25日に行われた兄弟の復活戦の直後、史郎氏がまたもやジムとボクシング界との"約束"を破り、兄弟の控え室に入り込んでしまった。 「うーん......完全にボクシング界は(史郎氏に)舐められてますよね......」  25日に興毅と大毅の試合が大阪府立体育館で行われた直後、リングサイドの席で"一般人"として観戦していた史郎氏は、JBCの管轄区域には立ち入らないというルールをアッサリと無視して、兄弟の控え室に入り込み約30分ほど居座ったという。  亀田ジムは今春、興毅の敗戦直後、史郎氏が控え室で、JBCの安河内剛事務局長らに「おのれのクビをとったる」などと暴言を吐いたことで、史郎氏のライセンスが無期限停止から永久追放に変わり、ジムそのものも協会から除名処分を受ける寸前にまで追い込まれた。  だが、なぜか大橋秀行会長が「除名しろ」と主張していた数多くの協会理事や一般会員の声を押さえ込み、結局、吉井慎次氏を新会長とすることなどでジムの復活を認める大甘裁定を下していた。その際、批判をかわすためなのか、吉井新会長から、今後また何か問題を起こした場合には「どんな処分も受けます」などと約した誓約書を提出させており、それを根拠に「なにかあったら厳しい処分をするだけです」(協会幹部)ともアピールしていた。  ちなみに当時の協会は、史郎氏へのその後の対応について、一般の観客としてチケットを買って兄弟の試合を観戦することまでは「法的に制約できない」(協会幹部)と判断していた。だが、JBCの安河内事務局長は、たとえ兄弟の試合会場であっても、主催者とJBC、さらに会場責任者の三者の合意などがあれば、史郎氏の会場への出入り自体を「防ぐことはできる」などと周囲に説明していたこともあった。  ところが今回、安河内事務局長はメディアの取材に「世界戦ではなかったので試合後まで注意していなかった」などと釈明。これに対して中堅ジムの会長は「問題は世界戦だからという話ではないでしょう」とあきれている。  さらに、安河内事務局長は「大人の世界だからジムが配慮すればいいと思っていたが甘かった。次からは常に監視できるような態勢を考えていかなければいけない」とも語っているが、中堅ジム会長は「そもそも出入りを禁じているのだから、たとえ世界戦であっても、JBCがわざわざ史郎氏の出入りを監視して防ぐという話じゃない」とも憤る。  すでに一部メディアでは、JBCが今後の兄弟の試合会場では、常に史郎氏を監視する"保護観察要員"を配置する案まで浮上しているが、そもそも史郎氏が"約束"を破ることを前提で監視をするという行為自体が、"約束"の意味を否定するナンセンスな行為だ。中堅ジム会長は「史郎氏は約束を破っても何とかなると思っているからやるんでしょう」と手厳しい。  一方、亀田ジム存続の条件として、史郎氏の行動も含めて厳重な管理監督責任を負わされたはずの吉井新会長だが、今回、大橋会長らから事情を聞かれると「自分の知らないところで起こってしまった」などと釈明したという。  なぜ試合直後の控え室でジムの会長が知らないことが起こってしまうのか......。  中堅ジムの会長は「以前から話しているように、たとえジムの会長の顔を変えても、お金を出すのは史郎氏。なのでそれまでと一緒だ。誰も史郎氏のクビに鈴をつけられないという状況はまったく変わっていないということ」とはき捨てた。結局、今回の史郎氏の行為は、"新生"亀田ジムの"支配者"が、やはり変わっていなかったことを証明しているようにみえるのだが、例によって、なぜか亀田に甘い大橋会長率いる協会の対応は鈍い。  吉井新会長の管理能力のなさも"判明"したわけだから、本来ならば誓約書通りに、すみやかに厳罰を科してもいいはずだが、協会は、とりあえず8月23日の理事会に吉井新会長らを呼んで詳しい事情聴取をした上で処分など検討するという。これについて老舗ジムの会長は、こう推測する。 「今春の騒動の際、大橋会長は亀田の騒動でほかの世界戦に注目が集まらなくなったらいけないということを大義名分として、しばらく亀田問題への表向きな対処を完全凍結して最終処分も先延ばしにし、関係者に『メディアに余計なことを話すな』と徹底的なかん口令まで出した。それで周囲の熱を冷ますと同時に、水面下では話の落としどころを探る時間稼ぎをした。今回もそれと同じだろう」  今回も、早くも業界内では「結局また亀田に甘い結論で終わるのだろう」(中堅ジム会長)といったあきらめムードが漂っているのだ。  ここ数年、亀田がルールや約束を破って大騒ぎとなりながら、最終的には復活を余地を残した甘い処分で終わるという茶番劇が繰り返されてきている。  毎回、「JBCや協会の対応は一本筋が通っていない」(若手のジム会長)といった批判も噴出するなかで、それでも事態が変わらないという、いわば底なし沼の状態はいつまで続くのか。「もう亀田なんてどうでもいいし、ボクシングには期待しません」といったファンのボクシング離れは着実に進んでいるというのだが......。 (文=原田翔)
闘育論 亀田流三兄弟の育て方 懲りない面々。 amazon_associate_logo.jpg
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さよなら&こんにちは、ピンク映画の殿堂「上野オークラ」新たなる旅立ち

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ピンク映画文化を守っていきたいと熱く語る斎藤支配人。
「AVと違ってピンク映画は絡みも演技。
AVとは異なるピンク映画の映画としての面白さを、
若い方にも知ってほしいですね
   『おくりびと』(08)の滝田洋二郎監督、『ヒーローショー』の井筒和幸監督、『BOX 袴田事件』の高橋伴明監督、『トウキョウソナタ』(08)の黒沢清監督、『それでもボクはやってない』(07)の周防正行監督、そして『キャタピラー』の公開を控える若松孝二監督......。日本映画界を支えてきた名監督たちは、み~んなピンク映画出身なのだ。『肉体の市場』(62)から始まったピンク映画は、『ピンク映画館の灯』(自由国民社)によると全盛期には全国に1,000館以上もの成人映画専門館を数えたとされる。中高生の頃はエロいポスターが貼られたピンク映画館の前を通る度にドキドキしたものだが、今ではピンク映画館の数は全国で70~80館程度に。レッドデータブックに登録されかねない状況となっている。そんな中、58年の歴史を誇る映画館「上野オークラ劇場」が8月1日(日)で閉館、さらに8月4日(水)から新館がオープンするという。ピンク映画館の新館が建てられるとは、このご時勢では非常にレアなニュース。上野オークラの名物支配人として親しまれている斎藤豪計支配人にことの真相を尋ねた。 ──"都会のオアシス"上野オークラが建て替えられると聞き、驚きました。それにしても、ずいぶん歴史のある劇場だったんですね。 斎藤豪計支配人(以下、斎藤) もともと「上野公楽座」という名称の東映の封切館として1952年に建てられた映画館なんです。『ALWAYS 三丁目の夕日』(05)で描かれていた時代ですから、かなりの歴史ですよね。70年頃から、今のようなピンク映画館になりました。当時の名称は「上野OP劇場」。いつから「上野オークラ劇場」となったかはハッキリしません(苦笑)。建物自体はしっかりしていて不都合はないんですが、お客さまの年齢が年々上がってきているので、ここで思い切って建て替え、バリアフリー化しようということなんです。今、建て直さないと、10年後に建て直すことができるかどうか分かりませんから。新館はすぐ隣に建てられ、3スクリーン。聴覚に障害がある方にはヘッドホンを貸し出します。シネコン並みに明るく清潔な内装でシートもかなり高級なので、若い方や女性の方にも気軽に入っていただきたいですね。 ──ピンク映画は1本あたり製作費300万円、かなり過酷な現場だと聞いていますが、配給・興行側は意外とお金があるんですか? 斎藤 いえいえ、当館は大蔵映画の直営館ですが、やはり興行部門も厳しいですよ(苦笑)。不動産部門、レジャー部門の均衡経営で成り立っているのが実情です。かつては日活をはじめ大手映画会社も成人映画を製作・配給していましたが、現在では大蔵映画、新東宝、新日本映像(エクセス)の3社だけです。大蔵映画は毎年36本の新作を公開していますが、新東宝とエクセスは昨年で10本程度。ピンク映画の製作本数は年々減っており、大蔵映画のメイン館である当館がなくなれば、ピンク映画の存在そのものが危うくなるんです。大蔵映画の社内でも、今後もピンク映画産業を守っていこうということでは考えは一致しています。とは言え、ボランティアではやっていけない。そこで新しい客層にアピールできるよう、新館オープンを起爆剤にしたいと考えているんです。 ──03年に斎藤支配人が就任されてから、ちらしをカラー化し、劇場のブログをほぼ毎日更新、人気女優や監督を招いてのトークイベントを催すなど、さまざまな営業努力を積み重ねています。斎藤支配人をそこまで突き動かしているものは何なのでしょうか?
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ロードショー館「上野スタームービー」
跡に建てられた新館。3スクリーンで、
女性も入りやすいよう、明るい色使
いの劇場となっている。不忍池から
の風が心地よい立地だ。
斎藤 大蔵映画に入社して10年目になるんですが、03年に上野オークラの支配人になる前は、やはり大蔵映画が経営するロードショー館「上野スタームービー」に勤めていました。正直に言うと、それまではピンク映画のことはあまり知らなかった。でも、ピンク映画の世界に触れ、「なんて愛しい世界があったんだ」と感銘した。完全に洗脳されてしまったんです(笑)。ピンク映画は1本の上映時間が約1時間と気楽に楽しめる上に、濡れ場さえしっかり押さえていれば、あとは作り手の自由がある程度許されているんです。ドラマ、サスペンス、コメディ、パロディなど多彩な作品が作られている。大手の映画会社が作らないような、何でもないような男女の出会いや別れを描いたものもあり、けっこうホロリとさせられるんです。しかも、テレビや一般映画では省かれる男女の絡みがしっかりと描かれる。今年のピンク大賞で第1位に選出された『壷姫ソープ ぬる肌で裏責め』(09)はソープ嬢になった高校時代の同級生と主人公が再会する何気ない話ですが、もう胸がやばいくらいにキュンキュンしましたね(笑)。お客様の中には80歳に近いような年齢の方もおられるんですが、映画を観た後に「いいものを観せてもらったよ」と言いながら背筋をピンと伸ばして帰っていかれる。そういうのを見ると、何だか自分もうれしくなってくるんです。 ──毎年GWに開催している「OP映画祭り」は、女優や監督たちがピンク映画ファンと触れ合う機会として盛況ですね。
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上野アメ横近くにある"都会のオアシス"
上野オークラ劇場の斎藤支配人(44)。
大蔵映画に入社して10年。上野オーク
ラの支配人に就任して7年。トーク
イベントの司会を務めるなど、ピンク映
画ファンから愛される存在だ。
斎藤 今年で3回目なんですが、3日間連続のイベントを企画したところ、連日大入りでした。最近のピンク映画館は、全国的に見てもいい話題が少ないので、少しでも明るいニュースを当館から発信していきたいという思いですね。女優さんや監督のみなさんは多少の無理を押してでも快く参加してくれるし、ピンク映画ファンのみなさんがまた心優しい方ばかり。劇場内がとても温かい雰囲気になり、イベントの司会を務めているボクに握手を求めてくる方もおられるほど(笑)。皆様から喜ばれているイベントなので、これからもしっかり企画し、もっとファン層を広げていければと考えています。 ──斎藤支配人おすすめの監督、女優はいますか? 斎藤 滝田監督らが一般映画に次々と進出した80~90年代と状況は違うとは思いますが、若手監督では先ほど話した『壷姫ソープ』の加藤義一監督やピンク大賞の常連である竹洞哲也監督の新作はいつも楽しみにしています。新人女優ではAVでも活躍しているかすみ果穂さん。テレビのバラエティー番組(『おねだりマスカット』)では四股を踏んでみせたりしていましたが、あれはテレビ向けに作ったキャラクターだと思います。普段はとっても普通でとっても良い娘なんです。これまでもAVからピンク映画に来た女優さんは少なくありませんが、ピンク映画は1本を3~4日間で撮り上げる厳しい現場で、しかもAVと違ってギャラが低い。お芝居をするのが本当に好きな方じゃないと続かないんです。その点、かすみさんはすでに何本もピンク映画に出演されていて、とても頑張っていらっしゃるので、これからも大いに期待しています。 ──支配人として答えにくい質問かもしれませんが、ピンク映画館に対し"ハッテン場(男性同性愛者の社交場)"というイメージを抱く人もいるかと思います。その点はどうお考えですか? 斎藤 う~ん、それはナイーブな問題ですねぇ。確かにピンク映画館には居心地の良さからなのか、さまざまなお客さまが来られます。支配人としては「こういう人たちには来てほしくない」とは言いたくないんです。当館ではそちら系の方が一般のお客さまにちょっかいを出そうとしていると、スタッフが注意するようにしています。でも、そちら系の方たちは劇場で体調の悪いお客さまが出たときには背負って出口まで運んだりするような、優しい方が多いんですよ......。まず何よりも、みなさんが安心して映画を鑑賞できる劇場であるように今後もいっそう努めたいですね。
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昭和な雰囲気が漂う旧館のロビー。人気女優
たちのサイン会もこちらで行なわれてきた。
──最後に、8月1日の夕方で閉館となる旧館のクロージングイベント、8月4日から始まる新館でのオープニング情報について教えてください。 斎藤 旧館でのフィナーレには、ピンク映画第1号とされる『肉体の市場』に助監督として参加し、これまで400本以上のピンク映画を監督してきた大ベテランの小川欽也監督をフューチャーします。特に7月31日(土)には『新怪談色欲外道 お岩の怨霊四谷怪談』(76)、『怪談バラバラ幽霊』(68)といった貴重なお宝フィルムを1日限定で上映し、小川監督らのトークショーも予定しています。新館では8月1日に"女性限定のピンク映画鑑賞会"を開催します。ユーロスペースやポレポレ東中野といった一般映画館でのピンク映画の上映は女性のお客さまが多いので、新しい上野オークラにも足を運んでもらいたいですね。8月4日からのオープニングは加藤監督、池島ゆたか監督、竹洞監督の最新作の上映の他、人気女優たちの舞台挨拶やサイン会も実施する予定です。ピンク映画の新しい歴史をぜひ体感してください。  面倒な質問に対しても、誠実に答える斎藤支配人。さすが"都会のオアシス"をもり立ててきた好漢である。はたして"都会のオアシス"は今後どのように変わっていくのか。上野オークラの大いなる試みに注目したい。 (取材・文=長野辰次) ●上野オークラ劇場 JR上野駅不忍口から徒歩3分に位置する成人映画専門館。ピンク映画業界の最大手・大蔵映画のメイン館として、連日3本立てのオールナイト上映を週替わりで編成している。サラリーマンやシニアの憩いの空間。斎藤支配人が就任してからは、人気女優や監督を劇場に招いてのトークイベントなどを積極的に催し、サブカル好きな若い世代も足を運ぶように。近年の功績が認められ、10年5月にピンク大賞特別賞が上野オークラ劇場に贈られた。 住所/東京都台東区上野2-14-31 <http://uenookura.blog108.fc2.com/>
日本映画ポスター集 ピンク映画篇 これが日本のカルチャーです。 amazon_associate_logo.jpg
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