食料も燃料も絶たれた"グレーゾーン"で苦悩する被災者たち

人の気配が消えた県道「豊間―四倉線」。地元の建設業者がガラを
道の両脇に寄せてようやく通れるようになったが......。
 東日本大震災の発生から早くも2週間が経過した。東京電力福島第一原発は、いまだ予断を許さない状態が続いている。原発施設から半径20キロ圏の地域に「避難勧告」、20キロから30キロ圏に「屋内退避指示」が出されていることは周知の通りだ。  一方、原発施設からおよそ35キロ前後に位置する福島県いわき市四倉(よつくら)町は、今回の大地震とそれに伴う津波で甚大な被害を受けた地区のひとつ。国から避難勧告や屋内退避指示は出ていないものの、一部の住民は放射能汚染を恐れて"自主的に"県外へ脱出。残された多くの住民は、自宅や避難所で"自主的な"屋内退避に務めているのが実情だ。町の多くのエリアはひっそりと静まり返り、商店や住宅があったはずの県道382号線を車で走ると、人の気配はほとんど感じられないという状態である。  そんな状況下にありながら、乾物屋を営む鈴木式子(すねこ)さん(80歳)は、今日も「営業中」の紙を店頭に貼りだし、野菜や干物などを細々と売り続けている。11日の地震発生時は、いつものようにこの店で営業をしている最中だったという。 「揺れたねぇ、びっくりしたよ。ただ、ここらは津波がそれほどじゃなかったのでよかったんだ。腰くらいまで水が襲ってきたけど、そこの金網(店の前にある幅5mほどの金属製フェンス)につかまって助かったんだ。これがなかったら終わりだったな(笑)」  かろうじて流されずに残った商品を売り始めたのは、地震発生から3日ほどたってからだという。
今年80歳になる式子さん。被災したとは思えないほどの明るい笑顔が
印象的。お話を伺っている最中も震度5の余震があった。
「逃げる場所なんてないし、これからも四倉に住み続けるよ。今ある商品だけでも売っていれば、少しは日銭も入るしね」  そう明るく語る式子さんだが、地震直後はカップラーメンや菓子パンを求めて客が押しかけたものの、保存の効く「非常食類」が売切れた後は客足はほぼ途絶えた。福島県産の一部の野菜から暫定規制値を超える放射性物質が検出された事実も逆風になった。訪れる観光客が間違いなくゼロという現状で、地元民が買いに来なければ商売にはならない。この日、トマトとじゃがいも、干物を購入した我々に対し、「今日の客はあんた(筆者)とあんた(カメラマン)で3人目だ」と式子さんは笑った。  また、運送業者らが「汚染地区」のレッテルを貼られたいわき市に来たがらないとの情報もあり、物資が市下全域に十分に入ってこない状況が続いている。必然的に式子さんの店でも仕入れが全くできていない状態だという。商品が売れても売れなくても、商売をいつまで続けられるかは不透明だ。  「津波はもう来ないよ、大丈夫だ」と話していた式子さんだが、「放射能は心配じゃないのですか」との問いには、数秒の沈黙の後に「私らは最後までここにいるよ」と静かに答えた。  一方、息子の久幸さん(53歳)も、津波の発生時は式子さんと共にフェンスにしがみついて難を逃れた一人。30キロ圏から外れる四倉地区を「グレーゾーンだ」と表現し、おっとりした口調ながら、見通しの立たない今後への不安と苛立ちを隠そうとしない。
手書きの「営業中」の紙を貼り出し、わずかに残された野菜や乾物を
今日も売る。取材に対して一気に思いのたけを吐き出した。
「20キロは逃げろ、30キロは自宅にいろって、じゃ、31キロの人間はどうすればいいのかという話ですよね。逃げるも居続けるも自分で勝手に決めろと言われてるわけでしょう。そんなこといっても、情報もないしどうしていいかわからない。政府が責任をもって、『こういう理由でこれだけ危険、だから逃げなさい、その負担は国や県が持つ』とはっきり言ってくれないと、住民は財産もなくして逃げる力もない。そもそもガソリンが全然ないんですから」  そう不安げに語る久幸さんの本業は漆職人だ。実は、福島第一原発から10キロ圏内にある神社から昨年メンテナンスを依頼され、漆や金箔の張替え工事を終えたばかり。リフォームを終えた神社の鳥居や建物が、地震の被害でどんな状態になってしまっているか、「気がかりでしょうがない」と顔を曇らせた。  おりしも枝野幸男官房長官は25日の会見で、「屋内退避」が出ている30キロ圏の住民について、「物流などで停滞が生じ、社会生活の維持継続が困難になりつつある」との認識を示しながら、「自主的に退避をしてもらうことが望ましい」とコメント。ことここに至っても、国は被災者に<自己責任で努力せよ>との方針を貫くようだ。30キロ圏外については推して知るべしである。  通りかかった四倉地区に住む別の男性が、吐き捨てるように言う。 「国に何でもしてくれなんてお願いするつもりはないんですよ。せめて、移動用のバスだけでも用意してもらえないんですかね。なぜ無理なんでしょうか。そんな難しいことですか? 自分で逃げろといったって、ガソリンがなければできるはずがない。被災地に燃料がないなんて、日本人全員がわかってることじゃないですか」  そもそもが根拠のあいまいな「30キロ」という国指定のあいまいなゾーン。そして、そこからも漏れた"グレーゾーン"で、不安におののきながら選択を迫られている住民たち。彼らの肉体的、精神的ストレスは限界にきている。追い詰められた住民の声に、国はいつ真剣に耳を傾けてくれるのだろうか。 (文=浮島さとし)
北茨城・磐城と相馬街道 文化の宝庫。 amazon_associate_logo.jpg
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「倫理観は大丈夫?」一転して都知事選出馬の東国原英夫 その打算と拭えない女癖

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政治って、浮ついた心でもできる
んだね。
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!  東国原英夫前宮崎県知事が、東京都知事選告示直前になって出馬を表明。24日の告示日に正式に届け出た。  4選出馬をしないと言っていた石原慎太郎都知事が、お得意の後出しで出馬表明した時点で、東国原は出馬を断念すると思っていた筆者にとっては意外な展開だった(参照記事)。東国原は「震災後、出馬を表明するのは不適切だったから」と遅れた理由を説明したが、筆者にはそうは思えない。  東日本大震災下でも「天罰」発言といった暴言を吐き続ける石原都知事は、さすがに都民に見限られるのではないか、今なら勝てる可能性が高まった、という手ごたえを掴んだからこそ出馬に踏み切ったのではないか。もしくは、今回の都知事選と、菅政権の凋落に伴い近々行われる公算が高かった衆議院選を天秤にかけ、より当選確率の高い衆院選に出るつもりだったが、今回の震災の影響により、衆議院選が直近で行われることがなくなったため、知事選で落ちても国政があるという保険をかけられると思ったのではないか。  いずれにせよ、ギリギリでの出馬表明は、日和見的な打算の表れだ。東国原の"裏の顔"を見てきた筆者からすると、そんな彼に一言言わずにはいられない。  東国原のお笑いの師匠であるビートたけしは、2月27日に開かれた「東京スポーツ映画大賞」の授賞式終了後の囲み取材で、東国原の都知事選出馬の質問に「東が都知事になれたら、青少年健全育成条令を外したほういいね」とジョークを飛ばしたが、健全な都民にとってはシャレでは済まされない。  ご記憶の方も多いだろう。1998年、都内でイメージクラブの経営者が未成年を雇っていたとして、児童福祉法違反ならびに青少年健全育成条令違反で逮捕された。その際に、当時16歳だった少女は「店で性的サービスをした」と東国原の名前を挙げたことで警視庁から聴取を受けた。東国原は「未成年とは知らなかった」と釈明し、摘発もされなかったが、女子を売り買いする違法な場所に出入りしていたのは紛れもない事実。今では自虐ネタに使うこともあるようだが、こうした乱れた倫理観はそう簡単に払拭されるものだろうか。  不倫の噂は何度も流れた。女性に対するルーズさも一因で、かとうかず子と離婚。宮崎県知事に就任してからは、"宮崎県のセールスマン"として活躍したが、その一方で女性との噂も絶えなかった。  東国原は、宮崎県知事時代、毎週のように東京に来てメディアに露出していたが、お笑い関係者によると、東京にいる女性に会いに来る目的もあったという。独身の身であるから恋愛は自由であるが、一方、宮崎県内のスナックで「宮崎県は遊ぶところがないからつまらない」とつぶやいていたという情報も入ってきた。こうしたエピソードを聞いたとき、東国原には本当に郷土愛があるのかと疑問に思ったが、案の定、口蹄疫問題からの復興の最中、県民の高い支持率にも背中を向け、宮崎を離れた。彼の態度は、県民の信頼を裏切るものだったのではないだろうか。  09年には、自民党の選挙対策委員長を務めていた古賀誠議員から衆院選出馬を要請されたことに対して、「総裁候補にすることが条件」と色気を示したことがあった。しかし、この姿勢に世論から逆風が吹いたことで、たけしに直接「やめておいたほうがいい、髪の毛が全部抜けるほどの逆風だぞ」と諭され、政財界に隠然たる力を持つ人物からは「大衆をなめるな」と一喝されて、断念した経緯を筆者は目の当たりにした。  前述した通り、打算の上に出馬表明した東国原は、いまだ大衆をなめきっているように思えてならない。こんな男に知事は任されない。かといって"老醜をさらす石原都知事の4選は歓迎できない。このままでは都民は苦渋の選択を迫られそうだ。 (文=本多圭)
東国原首相YES WE CANどげんかせんといかん Tシャツ もはや死語。 amazon_associate_logo.jpg
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募金詐欺にご注意を!? 震災後マスコミに届いた怪しすぎる"寄付"メールの正体

 大震災から3日後の3月14日、慌ただしく動く報道関係者に届いたメールがあった。  「Japan Earthquake Emergency Team」と名乗る団体からなのだが、内容は日本語の文章がおかしなもので、外国人が翻訳サイトを通して訳したようなものだった。 「日本の地震で何らかの方法でどこからでも助けなければならないなら、地元のボランティアは日本中で助けに現場です。外の救援の努力に滞在する場所か他の支援を提供するのを手伝うことができるなら、協力してください。短期間支援にさえ大いに感謝します」(原文ママ)  おそらくは被災地への支援を募っているのではないかと思われるが、不思議なのは、なぜか報道関係者ばかりに送られたことだ。「天罰」発言が話題になった石原慎太郎都知事の会見場で、携帯電話やノートパソコンで同じメールを同時に受け取った記者が複数いた。その後に分かったのは、テレビ局ディレクターや雑誌編集者まで幅広く受け取っていたことだ。  さらにメールは続く。 「水、食物、缶詰、インスタント食品、寝袋、毛布、テント、および発電機や、仙台や、福島などの救援物資の補給における救助活動におけるサイトをしています。そのうえ、貯蓄のための20リットルのガソリンのためのドラムもすぐに十番目に、ガソリン不足のためあった状態で少なくとも必要です」(原文ママ)  物資を送れということなのだろう。仙台市内の住所と携帯電話番号が記載してあり、その住所を調べると今回の被災で閉館されているホールのものだった。そして、文末のURLをクリックすると、いきなりクレジットカードの決済画面で寄付を募る画面が表示された。  団体の所在住所などもなく、記載の電話番号に電話すると、カタコトの日本語を話す外国人と思わしき男性が出た。 「ジャパン、タイヘン。キフ、オカネ、クダサイ。イマ、オクル。センダイ、ダイジョウブ」  男はジョセフと名乗ったが、こちらの質問には答えず、金を送れと繰り返すのみ。  この団体のメールはその後も同じものが何度も届いており「8通も届いた」と話す記者もいる。 「名刺に書いてあるアドレスだけに来ているので、何らかの会見などで報道関係の名刺を大量に持っているのでしょう」と同記者。  実際に被災地を支援をしている団体なのかもしれないが、きっかけが心当たりのないメールで、応答にも話が通じないのでは寄付する側としては不安だ。  海外では募金をするのは当局への届け出が必要な国もあるが、日本では規律はない。各地で募金詐欺が起こっているいま、国民が正しい判断をするためにも、法整備が必要になってきているのではないか。 (文=鈴木雅久)
こんな募金箱に寄付してはいけない よく考えて。 amazon_associate_logo.jpg
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ディズニーリゾート「大きな損傷なし」は事実か 大手マスコミが伝えない首都圏の震災被害

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東京ディズニーランドHP
 猛烈な津波が押し寄せ、死亡・行方不明者が2万人を超えるなど最悪の惨事となった東日本大震災。被災地帯の真ん中に当たる福島原発は次々と破壊され、空中に飛び散った多量の放射性物質が関東地方を襲うのではないか――大手マスコミはそんな懸念を伝え、都会に住む人々の不安を煽っている。  だが、震災の「揺れ」そのものが、首都圏にもたらした被災状況は意外と伝わっていない。たとえば、東京と千葉の都県境にある巨大な埋め立て地を抱える浦安も深刻な事態に見舞われ、あの東京ディズニーリゾートの営業再開の見通しが全く立っていないという。 「震災発生当初、津波をかぶったわけでもないのに、ディズニーリゾートの駐車場が水浸しになっている映像が一時テレビで流れました。埋め立て地特有の『液状化』を起こしたんです」(地元記者)  このニュースは、その後、震災報道が東北地方に集中したせいでほとんど伝わっていないが、ディズニーリゾートがある千葉県浦安市では20日午前8時現在、1万9,000戸が断水し、減水も1万4,000戸で発生。修復作業をしていたら、新たな漏水も発生するといういたちごっこの状態が続き、復旧の具体的なメドはたっていないという。 「液状化の影響で、地下に埋まっている配水管が破損したんです。ガス管も壊れて都市ガスの供給もストップ。液状化で地面から土砂が噴き出してあちらこちらにあふれ、ライフラインは壊滅状態です」(前出・地元記者)  当のディズニーリゾート側は「施設内は断水していない。建物や施設に大きな損傷はなく、駐車場の一部を除いて液状化現象はない」と説明しているが、浦安市のホームページを見ると、ディズニーリゾートを取り囲む形で断水やガスの供給ストップが広範囲にわたっており、アジアナンバーワンのテーマパークも、今や「陸の孤島」と化している。もちろん、液状化の被害は浦安市内各所に及び、事態は深刻だ。  今回の震災を受け、統一地方選を延期する特例法が18日に成立しているが、対象となるのは東北各県や茨城などの被災地に限られる見通し。だが、現実には浦安の例にもわかる通り、首都圏でも被災地と呼べるところはある。通常の市民生活を送れない中で、有権者が冷静に選挙などに望めるだろうか。浦安市選管も選挙の延期を訴えている。さらに、計画停電の対象地域にも入っている。人知れず起きている震災の惨禍。大手マスコミが伝えない事実を今後も紹介していきたい。
ねんどろいど ミッキーマウス 浦安復興のシンボルになってほしい。 amazon_associate_logo.jpg
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東日本大震災「現場はもう限界だ!」メーリングリストで叫ぶ医師たちのSOS

 死者・行方不明者が1万9,000人を超えた東日本大震災は、医療施設にも壊滅的な打撃を与えている。医薬品や燃料、治療に当たる医師や看護師らも不足する中で、現場からは「もう限界を超えている」との声が次々とあがっている。  窮状を訴えているのは、被災地の医師や現地に派遣された医療関係者らによるメーリングリスト(以下ML)「地震医療ネット」。過酷な状況下で命を落とす患者も後を絶たない中、追い詰められた現場医師らがこの15日に自然発生的に立ち上げたとされている。そのメールの中身は、どれも極めて深刻だ。救援物資が被災地へ届き始めたことを伝えるニュース映像をたびたび目にする一方で、その流れからまったく取り残されて「今日、明日が限界」と切実に訴える医療機関が数多くあるのだ。以下にそのMLのごく一部をご紹介する。まずは、ネット上で「茨城の情報がテレビでほとんど流れない! どうなってんだ!?」との声も聞かれる茨城県の病院から。 「病院機能低下の要因は断水と物流です。水不足は透析、手術、臨床検査などをストップさせ、物流麻痺は医薬品、医療材料、重油などの供給をストップさせました。電話がつながりにくく、病院間の連絡に支障をきたしています。断水地域でロタウイルス腸炎が増えてきました。ガソリン不足によるアクセス不良で小児の受診タイミングが遅れ始めています。余震とテレビにおける災害画像の反復が子どもの心へ影響を与え始めています」(茨城県霞ヶ浦の土浦共同病院・小児科医師 3月18日9:19のメールより)  この医師によれば、茨城県内の病院小児科29施設のうち、今回の地震で1施設が入院受け入れを現在中止し、10施設(34%)が外来機能を一部制限、さらに16施設(55%)が手術を制限せざるを得ない状態にあるという。これにより、地域の子どもたちの命が重大な危機にさらされているのである。  また、実際には深刻な事態に陥っていながら、避難勧告エリアに入っていないなどの理由で「物資が素通りして」いる施設も少なくない。以下は福島県「村松総合病院」医師のメールより。 「こちらは『他の地域ほどの惨状ではない』という印象をもたれており、報道されることもないのですが、非常に困惑しています。県には報告しておりますが、こちらの窮状が伝わらず、今のところ何もしてくれません。(略)物流が悪く、まだ先が見えません(略)食料も限界に近づいています。特にレトルト食品をせめて送ってもらえれば助かります」(3月18日12:20のメール)  こうした過酷な状況は、患者はもちろん医師たちにも大きなストレスとなって蓄積している。 「じわりじわりと、そろそろ職員の間でも健康障害を訴える人が出てきました(略)震災から一週間がすぎ、職員が倒れかけています。一般市民と同様に、職員も家族をなくして、それでも懸命に働いておりますので、疲労とともに精神状態もかなり不安定になってきています。現状では職員のケアまで手が回る状態ではなく、ボランティアで来てくださるカウンセラーの団体等の(心のケアの)情報を必死で求めている状態です」(3月18日16:38 秋田社会保険病院)  この他にも「(医師の)不用意な発言によりパニックになったナースがいる」(施設名不明)など、医療従事者らの精神状態は限界に近づいている。  さらに「石巻赤十字病院」からは次のような信じたくない声も届いている。 「避難所への支援が遅れているため、市内の店や住宅で略奪が頻発しています。日本でですよ!」(3月19日0:20のメールより)  まさに修羅場と化している被災地の医療現場。こうした現状を専門家はどう見るのか。「株式会社医療タイムス社」の元取締役で、医療問題に詳しいフリー記者の小野貴史氏は次のように言う。 「私の実家の茨城県の家屋も被災しました。不眠不休で懸命に治療にあたっている医療従事者には心から敬意を表します。これだけ想定外の事態となれば、政府の指揮命令系統には期待しないほうが現実的でしょう。柔軟な対応が必要です。有事において手続き原理主義は被害を拡大させるだけですから。情報は現場にあり、最も的確な判断ができるのは現場です。行政をあてにせずに民間同士・専門家同士のネットワークとフットワークをフルに活用する仕組みが有効です。その意味で、『地震医療ネット』のようなネットワークの情報を、関係者らは即座に活用して被災地の救援に動いてほしいと思っています」  おりしも厚労省は、病院同士で許可なく薬や医療機器のやりとりをしても薬事法違反にならないという特例を、地震発生からようやく一週間が経過したこの18日に定め、各都道府県に通知して被災地への援助を遅まきながら後押しした。これを受けて、医師の中には個人的な人脈を駆使し、地方議員を動かしながら地元のタクシー会社やバス会社を使い、病院から病院への医薬品の輸送を始めている例もあるという。「地震医療ネット」に関わる関係者は、この惨状を多くの人が知り、情報が拡散することで、輸送手段や人員を確保する道筋が開けることを期待している。患者や医療従事者に残されている体力にもはや余裕はない。 「疲労のピークである。休息のない仕事はミスも呼ぶ。人手が欲しい」(石巻市・相馬中央病院)  今も現場からは血の叫び声が届いている。 (文=浮島さとし) 【関連記事】 首都圏「食品や水は心配ない」スーパー・コンビニの品不足にメーカー回答 「暴走する善意」拡散か? 静観か? Twitterで助けを求められたらあなたならどうする? 災害現場の困ったちゃん!? ボランティアに求められる自己責任の大原則

事故ひとつで高額賠償も? 停電で激増のにわか自転車通勤者がはらむ危険と解決策

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くれぐれもご注意を。
 今週は、自転車の交通事故がうなぎ昇りなのではないだろうか。  計画停電で不遇に置かれているのが、都内に通勤する人々だ。震災に加えて原発事故は先行きが見えないにも関わらず、会社は通常通り営業中。行きは、いつも以上に酷いラッシュに四苦八苦、帰りも帰りで電車は、まともにやってこない。  そこで急に増えているのが、にわか自転車通勤者たち。試しに、筆者も早起きして自転車でオフィス街へ走ってみたが、そこかしこに自転車、それもママチャリの姿が目立っている。  しかし、にわか自転車通勤者たちの自転車の交通マナーは、かなり悪質だ。もっとも目立つのは、歩道を猛スピードで疾走する人々。歩行者の間を、すり抜けて走る様子を見ていると、いつ衝突事故を起こしてもおかしくはなさそうだ。  かと思えば、歩行者を避けて路側帯を走っている自転車もいるのだが、両耳にイヤホンをはめたまま我が物顔で走っている若者、一歩でも会社に近づこうと信号待ちの車の間を、必死ですり抜けているママチャリのおじさんなどなど、いつ接触事故が起こるか見ているほうがハラハラしてしまう。  都内のタクシー運転手に聞いたところ「路上駐車している車があると、それに沿って自転車も隣の車線にはみ出してくるので、特に危ない。いつもよりも、運転には気を使っている」という。  突然の自転車通勤者の増加が、道路事情を悪化させているのは間違いない。 ●歩行者との事故で高額賠償も  恐ろしいのは、自動車よりも歩行者との接触事故だ。自転車が絡む交通事故は09年のデーターで15万6,373件と交通事故全体の21.2%を絞めている(警察庁調べ)。うち、自転車の過失が大きいと認められた事故は2万4,627件。多くは、無謀な自転車が歩行者に衝突し負傷させたものなのだが、そうした場合、高額な賠償が迫られる。中には、訴訟となり5,000万円超の高額賠償を命じられたケースもある。道路交通法で自転車は「車両」とされており車道走行が原則。歩道を走行している時点で、どんなに歩行者に非があっても自転車側の過失の割合が高くなってしまうのだ。  近年ブームに乗って増加してきた自転車通勤だが、事故を防ぐためにもヘルメット、グローブの着用は必須。ところが、にわか自転車通勤者たちは「たかが数日のこと」と思っているのか、自分の身を守ることも不十分だ。都内の自転車専門店に聞いてみたが「ヘルメットやグローブの売り上げには、さほど変化はない」とのこと。ママチャリでは仰々しく見えてしまうかも知れないが、万が一のためにヘルメットは着用しておきたいものだ。  にわかに急増したことで、ちょっと混乱を引き起こしている自転車通勤者だが、彼らばかりに非があるわけではない。日本では、自転車専用レーンを設置する道路は少なく、自転車はこれまでも自動車と歩行者の狭間で不便を強いられてきた。自転車が電車を乗り継ぐよりも便利な移動手段であることは間違いない。これを好機として、自転車通勤者が増加し、インフラが整備されることも期待したい。  ただ、我が身を守るのは必要最低限の行為、歩道走行をせず、ヘルメット等を着用すると共に、日本サイクリング協会等の自転車保険に加入することはしておきたい。
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辞任の前原誠司前外相 銀座のクラブで暴力団とズブズブ"黒い交際"

maehara0317.jpg 芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!  次期総裁候補の最有力と言われていた前原誠司外相(当時)が外国人献金問題で3月6日にあっさりと辞任した。表向きは、在日韓国人からの献金だが、実際に引き金となったのは「週刊文春」(文藝春秋)3月10日号で、過去に脱税で摘発されたことがある問題企業と暴力団人脈からも献金を受けていたという"黒い献金スキャンダル"ではないだろうか。この大問題がおおごとになる前に、比較的小さいな問題で身を引き、潔さをアピールしたかったのだろう。それくらい、前原前外相にとっては、"黒い交際"は触れられたくないところだったのだ。  筆者は、昨年5月に「週刊新潮」(新潮社)が大相撲の野球賭博をスクープして時点で、前原元外相と暴力団の"黒い交際"情報を入手していた。情報元は、夜の銀座だ。  思い返せば約35年前、「週刊ポスト」(小学館)の記者時代から、筆者は夜の銀座にはスクープが転がっていると確信して、情報収集に事欠かない日々を送っていた。金銭的にもさることながら、「よく体が続くわね」と店の人間にすら嫌味を言われながら、一方で家族には迷惑をかけながらも、ひたすら銀座に通ってきた。  おかげで、芸能人と暴力団の"黒い交際"をはじめ、数々の男女のスキャンダルもスクープ取材してきた。  一昨年の8月、元俳優の押尾学被告が起こした事件についても、誰よりも先に情報をつかむことができた。なぜなら、押尾被告に合成麻薬MDMAを飲まされて変死した銀座ホステスの田中香織さんが勤めていたクラブ「ジュリア」(昨年7月に押尾事件に関する風評被害を受けて閉店)の客のひとりだったからだ。  それだけに、遺族はもちろんこと、同僚ホステスや従業員の押尾被告に対する怒りや悲しみは痛いほど理解できた。しかし、押尾被告は保護責任者遺棄致死罪に問われず、保護責任者遺棄罪のみで、懲役2年6月の判決。納得がいかない。それでも「刑が重い」と押尾被告は控訴。3月22日に控訴審が開かれる。"押尾事件"については、あらためて控訴審後に報告したい。  肝心の前原元外相と暴力団の"黒い交際"の話に戻ろう。筆者は、大相撲の野球賭博が発覚した時点で、以前から、相撲取りと暴力団幹部が夜の銀座のクラブで一緒に飲んでいる現場を何度も目撃したことがあったので、親しいクラブ関係者に情報提供を求めた。すると、「政治家だって、暴力団の幹部と飲んでますよ」という情報を得たのだ。しかも、暴力団幹部とクラブで豪遊していたのは民主党の元代表である前原だというのだから、びっくりした。この暴力団幹部とは、2004年に約2億円の脱税で逮捕された競馬予想会社の実質的な経営者だったS氏。今回「文春」が報じた人物と同一人物だった。  親しいクラブ関係者は「S氏は、今は暴力団ではないかもしれませんが、前原と一緒に飲んでいた当時は、銀座のクラブ関係者の認識だと暴力団の幹部でしたよ。一緒に来ていた日は、前原が民主党の代表を降りた日の晩でしたから、今でも鮮明に覚えてますよ」と言う。  06年、民主党の代表を務めていた前原は、"偽メール事件"の責任を取って、3月31日に代表の座を降りている。その晩に、前原は銀座8丁目にある、座っただけでひとり5万円以上は取ると言われている超高級クラブ「M」でS氏と豪遊したという。ちなみに、当時、「M」は銀座のクラブ関係者の間では、"暴力団御用達クラブ"と言われていた。  「M」の元従業員は「前原さんとS氏、それにS氏の取り巻きが6人くらいいましたかね。他にも、銀座のスキヤ通りにある有名クラブにも、全員で行きました」と証言してくれた。  このエピソードだけ取っても、前原元外相と元暴力団幹部のS氏はズブズブの関係だったと言わざるを得ない。そうでないとしたら、どのような関係だったのか、なぜ銀座で一緒に豪遊していたのか、なぜ政治献金を受けていたのかなど、自ら説明すべきだろう。  東日本大震災に紛れて、真相をうやむやにすることは許されない。 (文=本多圭)
民主党政権は、なぜ愚かなのか でも枝野官房長官だけは応援したい。 amazon_associate_logo.jpg
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首都圏「食品や水は心配ない」スーパー・コンビニの品不足にメーカー回答

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 東日本大震災の影響で首都圏では"想定外"の食品不足が起きている。現在、スーパーやコンビニなどの棚から水やパン、ラーメンなど一部の食品がほぼ消える事態が頻発しているのだ。ところが品薄となった食品のメーカーに確認すると、その供給能力が極端に落ちたというワケではない様子。一部で「水道水が汚染されるから飲んではいけない」といった流言飛語やお騒がせメールなども飛び交うなか、人々の不安感が募り「万が一何かがあったら」と大量に買いだめする人々が増えているのが"食品消失"の主な原因となっているようなのだ。  「すみません、もう売るものがほとんどないんです」  都内は世田谷区内にある大手スーパー「SEIYU」の一店舗では14日、駐車場の入り口を閉め、ガードマンが訪れる顧客にこう説明して帰している。  首都圏のスーパーやコンビニなどでは、11日の地震の直後から「水やラーメンなどを大量に買い込むお客さんがいた」(スーパー店員)という。そして後から来た消費者も、品薄となった棚を見て不安にかられることで「念のために」と買い込むことになり、さらに需給がひっ迫する悪循環に陥っているようなのだ。  特に不足が目立つのは、非常用ともなる水やラーメン、パンなどだ。  実際、スーパーで水を買いそびれた主婦は「知人から石油化学工場の火災や原子力発電所の爆発などで水道水が汚染されるから飲んではいけない、といった内容のメールが回ってきたりしています。それで、まさかとは思うけど、やっぱり心配なので、少し水を多めに買っておこうと思って来たのだけど......。でも皆さん同じこと考えているんですね」と話すと、違う店へと脚を向けた。  そのうえ14日には、東京電力が計画停電に踏み切ったことなどを受け、昼間に店を閉める大手スーパーなども出始め、その結果、スーパー周辺の小売店やコンビニなどにも通常以上に人が流れて、地場の小さな食料品店などでも一部の品物が消えてしまった。  水やパンが完全に売り切れていたコンビニで店長は、パンなどは地震の直後から「発注した品物が十分に入らなくなった」と語り、水やスポーツ飲料が消えた14日からは「残っていたお茶の類も急に売れ始めた」という。また今後も「うーん、次の入荷がいつになるか分からないんですよ」(店長)と苦笑した。  だが、店内の棚がガラガラ状態で、出入り口で顧客の出入りの制限までしていた小規模な食品店で話を聞くと、意外な答えが返ってきた。 「いやぁ、うちの倉庫に品物は十分にあるし、新しい品物も入って来ている。ただ、お客さんが一時的に殺到し過ぎたんで、品物が補充できなかった。それで今、少し入店を待ってもらっているだけ。全然、心配ないですよ」  そこで、多くの店から消えていた水、パン、ラーメンについて、それぞれの大手企業に供給能力の確認してみると、やはり大規模な生産停止などは起きていないようだ。  飲料水の「天然水」で30%近いトップシェアを持つサントリーは、「天然水」を製造している山梨県の白州水工場について、「地震による被害はなく、生産が落ちているということはありません」(広報担当者)と断言。もちろん関西地方の工場にも問題はない。  ただ、同社では自主的に東北を中心とした被災地に100万本の飲料水を送ることを決めるなど、他社も含めて被災地への供給が優先されている部分があるほか、地震のせいで「物流に多少混乱が出ている」(同)ことなどで、首都圏での流通に支障が出ている可能性は否定できないという。  とは言え、水不足の一番要因は「この1日~2日、お客様がお店に殺到したことではないでしょうか」(同)とも話しており、基本的に生産能力が落ちているわけではないので、時間が経てば品不足は解消されると見るべきだろう。  パンについては、製パン業界トップの山崎製パンに話を聞いた。すると、確かに被災地にある「仙台工場が停止している」(広報)という。ただし、仙台で作られたパンが流通していた「東北の販売店網もほぼ壊滅してしまった」(同)ため、反対に、それが首都圏の流通に影響する話ではないのだという。  同社では、その他、東日本で地震が発生した金曜と土曜に操業を停止していた工場もあるともいうが、仙台を除けば、いずれも日曜以降、生産を再開している。  このため、首都圏でのパン不足について「他社さんのことまでは分かりませんけど、供給能力の不足というよりも、お客様の買う量が増えていることの影響が大きいのではないでしょうか」(同)と話している。  今後についても、被災地への出荷を優先することや計画停電の影響など不確定な要素があり、首都圏への供給が「減ることも考えられなくない」とはいうのだが、やはり根本的に生産能力が失われたわけではないので、多少の混乱はあっても品不足はいずれ収まると見るべきだろう。  一方、即席めん最大手の日清食品では、国内にある4つの工場のうち、茨城県の取手市にある関東工場が、地震の被害で生産を停止しているという。  また、東北から関東の各地にある倉庫や物流の拠点で「商品の荷崩れや水没などがあったことで供給が減少したところもありました」(広報担当者)ともいう。  関東工場については、今週半ばから来週の操業再開を目指して「復旧作業を進めています」(同)という状況だ。  確かに即席めんの国内シェアで約40%を誇る同社の主力工場の一つが停止すれば、その影響は小さくはないのかもしれない。だが、国内の即席めんメーカーは数多く、すべてのメーカーの即席めんが売り切れるのは消費者の買いだめのせいとみるべきで、日清食品の生産量も近々には戻る見通しだ。  気象庁がマグニチュード7.0クラスの余震への警戒を訴え、福島の原発事故も収束のするメドが立たない今、確かに「備えあれば憂いなし」と食品を買いだめする心理も分からなくはない。しかし、こうした非常事態だからこそ譲り合いの精神も必要だろう。  未曾有の事態に、どこかの業者が買占めでもしている可能性なども含め、食品流通の混乱はしばらく続くのだろう。そして、こうした状況を早期に改善する大きな要素は、一人ひとりが過度な買いだめを控えることと思われるのだが......。
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「暴走する善意」拡散か? 静観か? Twitterで助けを求められたらあなたならどうする?

※日刊サイゾーは省エネ運転中です。  未曾有の被害となった今回の巨大地震。携帯電話がほとんど使えなくなる一方、TwitterやSkype、Viberといった比較的新しいネットツールが活躍した。特にTwitterでは、各ユーザーの安否情報だけでなく、避難所や公共交通機関の運行情報など、さまざまな情報の共有の場としてフル回転している模様だ。  その一方でとんでもないデマや災害関連のチェーンメールも数多く発生。中でも、ある人物を発信元とした"事件"がネットユーザーを賑わせた。 「余震が......腹の怪我が激痛を発し始めた。死んでしまう。痛い。サーバーの角が、破れた腹にめり込んでいるのがわかる(略)死にたくない。痛い。痛みで発狂しそうだ。俺はサーバールームにいる」  そんなつぶやきをTwitterで発信し、これを見た多くのユーザーがリツイートで拡散。最終的には消防車が出動する騒ぎに。さらに当の本人は謝罪どころか、別のアカウントで「だからRT(リツイート)嫌いなんだよ。お前等どんだけ連鎖させてんの。馬鹿だなー。」と開き直り、これにブチ切れたネットユーザーが激しく反応したのは言うまでもない。  この人物は以前から真贋の紛らわしい情報をネット上に流布しており、当初より一部のネットユーザーの間ではそのツイートに疑問符が投げかけられていたが、なぜこんな大きな騒動になってしまったのか? メディア論に詳しい荻上チキ氏が呆れながら言う。 「安易にリツイートをして情報拡散する"情弱(情報弱者)"も同罪だ、というのでしょう。もちろんソースの確認は常に欠かせませんが、『自分を助けてくれ』という情報を受け取れば、慌ててしまうのが当たり前。まず責められるべきは、そんなくだらないデマを流した当人です。絶対に騙されない人なんておらず、デマを信じる人が一定数生まれるのも避けがたいこと。ですから本当に"情強"なら、弱者が一定数存在してしまうことを前提にした上で、情報共有をしてあげるための方法を考えるべきです。笑いものにしても意味はありません。ましてや、今回のようなものは論外と言うしかない」  また、地震や原発の不安に包まれているような現状では、基本的にこうしたデマが非常に広がりやすい環境にあるという。 「情報が不足し、災害への不安感情も高まっている今のような状況では、情報をポンと放り込むと多くの人が簡単に飛びつく傾向があります。結果、デマが非常に流れやすい構造になっていると言えます。ネットで出回ったチェーンメールや書き込みを、現地の人が見て、さらなる不安を抱えてしまう、ということが実際に起きています。ネットだけの問題では済まされないのですから、十分に警戒してください」  あるITライターも言う。 「拡散して必死で広げようとする人って『人のために役立ちたい』とか『自分がなんとかしたい!』という人たちがほとんどなんですよね。テレビのニュースで被災地の悲惨な事態を見続けて、何もできない、せめてTwitterで困っている人を助けたい、そんな一心で、ひたすらリツイートやチェーンメールの拡散を続けているわけです。善意と言えば善意なんですが、それだけに厄介でもありますね」  事実、筆者のところにも地震翌日の夕方頃、「コスモ石油に勤めてる知り合いからの情報です」とのメールが届き、「製鉄所の火災の影響で首都圏では科学薬品(注:化学薬品ではない)の含まれた雨が降ることが予想されます」という文面。文末はお約束の「広めて!とりあえず広めて!」という締め文句。送信者を見ると、高校時代の同級生でかれこれ5年は交流がなかった主婦のA子だった。  即、折り返し電話を5年ぶりにして「そのコスモ石油の友人とやらに話を聞きたいので紹介してくれ」と頼むと、返ってきたのは「知らない。そのまま転送しただけ」との返事。悪びれるどころか、「用心に越したことはないから送っておいた」となぜか得意気だった。聞けばこの20分の間に、筆者以外にも6人の知人に送ったと言い、さらに小学生の娘さんをせかして同級生5人に送らせ、ついでにそのお母さん仲間全員にも送ったという。恐るべきは"善意"の主婦である。  では、こうした情報に遭遇したとき我々はどう対処すべきなのか。先の荻上氏が言う。 「その情報が、本当に自分という立場の人間こそが拡散すべき情報なのかを、一旦立ち止まって考えてみるべきですね。脊髄反射でポンとリツイートする人が多いので、クリックする前に深呼吸するなんてのも案外効果があります。また、付加情報が特にない場合は公式リツイートを使ってソース元へのリンクを常に確保しておくことです。でないと、問題が解決して発信元がつぶやきを削除しても、リツイートされたつぶやきはその後も大量に残ることになってしまい、そこから新たな誤解や問題が発生してしまうとも限りません。情報はいずれ古びます。その古びた情報を遅れて取得する人への配慮も重要です。そうしたことができる自信がないという方は、わざわざツイートなどせず、募金など、自分にできる活動で被災者を支えてあげてください」  人を助けたいと思う気持ちそのものは尊いもの。しかし、「自分の助けこそが必要だ」というケースは極めて少ないはずと荻上氏は言う。また、可能であれば"当事者"に直接聞くなど一次情報に接する努力も必要だ。今後もしネット上で該当する情報にぶつかった場合は、 1.自分がすべき問題なのか考える。 2.一次情報の獲得に務める。 3.公式リツイートを使う。  以上3点肝に銘じたい。尚、この問題については荻上氏のブログに詳しい。ぜひご参照されたい。 (文=浮島さとし) ◆「荻上式BLOG」(荻上チキブログ)http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/
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災害時の携帯電話との接し方について「利用者ができること」を専門家に聞いてみた

keitaidenwanotsukaikata.jpg ※日刊サイゾーは省エネ運転中です。  国内観測史上最大の地震となった「東北地方太平洋沖地震」。地震発生直後から携帯電話は各キャリアとも利用不能となり、「被災地の家族と連絡が取りたい」という血の叫びにも似た書き込みで、Twitter上は一時埋め尽くされた。もちろん、連絡が取れずに一番辛い思いをしているのが現地の被災者であることは言うまでもない。過去の大きな災害時では、瓦礫の狭間で生き延びながら、救援を求めてつながらない携帯電話を必死でかけ続けていたという被災者も少なくない。  こうした際に必ず出るのが「いくらなんでも、いざというときにケータイ使えなさ過ぎ!」「不便は覚悟するが、もうちょっとなんとかならんのか!」といった悲痛な叫び。あるSNSでは「国民全員が一斉に電話してもビクともしない体制は作れないものなのでしょうか」という、素朴とも無茶ともとれる直球な疑問も見受けられた。  実際、災害時でも過不足なく携帯電話を使えるようにすることは不可能なのだろうか。携帯電話の業界動向に詳しい武蔵野学院大学准教授の木暮祐一氏は、「各キャリアがとんでもなく莫大な設備投資をすれば理論上は可能ですが」とした上で、「現実的には難しい」という理由を次のように説明する。 「莫大な設備投資をすれば、当然ながら料金にも跳ね返ってきます。現行サービスはあくまで、平常時で過不足なく使えることを前提に設備投資し、そのうえで料金を設定しています。仮にピーク時のスペックで巨額のインフラ整備するとなると、その設備能力は平時ではまったく無駄になってしまいます。それ以外にも、総務省から割り当てられている周波帯の問題もありますが、今回それを考慮から外したとしても現実的には難しいでしょう」  あるシステム開発者もこれに同意する。 「もしJRや私鉄が今の100倍、200倍の輸送量を、365日24時間体制で実現しようとすれば、極端に言えば線路そのものを何本も新たに敷設したり、車両を2階建て、3階建てにするなどして、キャパも100倍にしないと無理です。工事費はもちろん、維持費や安全対策費、人件費も莫大に膨らみますが、一年のほとんどは電車がガラガラという状態になるでしょう。それでも『一年中その状態で走らせろ』という声に応えようとすれば、料金を一区間5,000円とか1万円とかにしないと維持できません。それと似たような話です」  物理的には可能だが事実上無理というのが、現時点での答えのようだ。また、前出の木暮氏はNTTが電電公社だった時代を振り返りながら、電話の社会的な位置づけの変化を指摘する。 「昔は電話も、電気やガスと同じ公共インフラとしての認識が今以上に強く、本当に必要なときだけ電話で話すべきだという風潮がありました。ところが民営化してNTTになると、トレンディドラマをスポンサードするなどして、電話を現代人のコミュニケーションツールとして前面に打ち出し始めました。同時に、さまざまな手段で利用者の意識を煽りながら利用料金の拡大に務めてきたわけです。ブームになった『帰るコール』なんて、いわば無駄な電話の典型です。民間会社としては必然という部分もありますが、実際に緊急事態で電話を使えずに命の危険にさらされている人がいるわけですから、公共インフラとしての認識を、サービス会社も利用者も双方があらためて持つ必要はあるでしょうね」  一方、一連の不満の声で多く見られたのが、「災害用伝言ダイヤル(171)が通じない」というもの。これは「地震、噴火などの災害の発生により、被災地への通信が増加し、つながりにくい状況になった場合に」(NTT東日本のHPより)利用できる緊急ダイヤルで、2005年8月の宮城県沖地震での調査では、回答者の9割がその存在を認知していたというほど定着が進んでいる。今回の地震でも、一部の全国紙ではこの171を「固定電話からも携帯電話からも使えるサービス」と紹介している。ところが実際には「171が全然通じない!」という声がTwitterやSNSで氾濫した。  これについて木暮氏は、171そのものへの誤解があると説明する。 「たとえば、auからdocomoへというように、他のキャリアへ電話をかけるときは『ゲートウェイ』と呼ばれる電話会社同士が接続する関門局を通過するのですが、混雑時はこのポイントでどうしてもつながりにくくなります。『171』のサービスはauでもdocomoでもなく、NTT東日本という別の電話会社が運営しているわけですから、どの携帯電話からも混雑時には基本的につながりにくくなります。混雑が収まれば携帯からももちろんつながりますが、緊急時では固定電話で使うサービスだと基本的に認識しておいたほうがいいでしょう」  たしかに、NTT東日本のHPでは、「171」を利用できるのは固定電話や公衆電話、ひかり電話などが基本とした上で、「携帯電話、PHSからも利用できますが、詳しくはお客様がご契約されている通信事業者へご確認を」と説明している。携帯電話からの利用は、各キャリアが推奨しているウェブサービス「災害用伝言板」を利用するのが正しいようだ。  以上をまとめると、災害時での携帯電話については 1.災害時につながらない状況は今後も大幅に改善される見通しはない。 2.したがって混雑時は当事者以外は携帯の利用を控える。 3.各キャリアの災害用伝言板サービスを活用する。  という、極めてシンプルな点の再認識が必要となりそうだ。  「そんなことはあたりまえだろ!」と言うことなかれ。災害直後のネット上では「会社に何回もかけまくってんだけど、全然つながらない」「さっきからバイト先に20回くらいかけてる」そんなカキコミが散乱していたのも現実。これについて木暮氏が言う。 「普段あまり意識されていませんが、電波というのは限られた枠をみんなで分け合って使っているという現実があります。災害時のような緊急時には不要な電話は控え、本当に必要としている人たちのために譲る考え方を周知する必要があるでしょう。たとえば、公衆電話は実は固定電話よりもつながりやすく設定されていますので、移動中に会社へ連絡するときは、公衆電話から会社の固定電話へかければ携帯の周波帯は使わなくて済みます。被災地の大変な状況はまだ続きますので、今後もしばらくは配慮が必要でしょう」 (文=浮島さとし)
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