軍の暴走か? 習近平体制へ向けた組織強化か? 中国海軍が人事刷新で組織の若返りへ

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中国にとって初の空母となったワリャーグ。
その性能に疑問符をつける専門家は少なくな
いが、日本の国防・外交に影響を及ぼすこと
は間違いない。(画像はWikipediaより)
 中国初の空母「ワリャーグ」の試験航行を8月10日に実施した中国人民解放軍。中央日報は16日付けで「中国空母時代の開幕を宣布した」と大々的に報じた。  実はそれより少し早い時期に、中国海軍で幹部を中心にした人事の刷新が行われ、大幅な若返りが図られたていたという。人民解放軍の幹部と関係が近い日本人A氏が次のように言う。 「まだ中国でも報じられていないようですが(8月17日現在)、7月下旬か8月初旬に海軍の上層部、特に大将クラスの人間が一気に刷新され、大幅な若返りが図られたようです。副主席である習近平氏が2012年には国家主席になることが確実視されていますが、今回の人事はその準備の一環と見ていいかもしれません」  人民解放軍の人事といえば今年1月、いわゆる「四大総本部」と呼ばれる「総参謀部」「総政治部」「総装備部」「総後勤部」で大規模な人事異動が行われたと報じられた。中でも習副主席に近いとみられている劉源氏が総後勤部の政治委員に昇進したことが、習体制へ向けた布石として注目された。今回の海軍人事はその流れの中にあるとA氏は言う。 「高速列車事故の原因を見ても分かるとおり、ずさんな工事や安全対策の裏には、長老の幹部たちが利権にまみれて腐敗しきっているという実態があります。実は軍も全く同じで、能力がない人間が高い役職について私腹を肥やし、組織力の弱体化が懸念されています。これに危機感を抱いていた習副主席が、先を見据えて若く優秀な人材を着々と配下に置いていると考えられます」  一方、軍事ジャーナリストの清谷信一氏は、今回の人事について未確認との前提のもと、「可能性としては十分考えられる」としながらもやや別の見方をする。 「今年1月にアメリカのゲーツ国防長官が訪中した際に、中国側がステルス戦闘機『J20』の試作機のデモ飛行を行いましたが、これを共産党のトップらが把握していなかったことが話題になりました。これが意味するところは、『党の軍隊』であるはずの人民解放軍を共産党が掌握できていない、人民解放軍が党の言うことを聞かなくなってきているということで、北朝鮮の『先軍政治』のようになる可能性も考えられます。来年政権につく習氏がこうした事態に危機感を持つのは当然ですが、逆に言えば現時点で習氏が軍を十分にコントロールできていないとみることもでき、今回の人事も習氏の意思がどれだけ反映されているかは不透明です。むしろ、軍の独断に近い形で行われた可能性も否定できないでしょう」  ところで、胡錦濤国家主席の後継者である習近平副主席とはいかなる政治家なのか。80年代に中国民主化運動に携わり、07年に日本に帰化した評論家の石平氏は、かつて筆者の取材に対して習氏の印象を次のように語っている。 「習副主席はリベラル派と評されることも多く、政権を担うまでは自分の色を強くは出さないでしょうが、もともと江沢民派が推した人物ですから、対日政策は胡錦濤より強硬に出る可能性は高いと考えられます。特に、彼にとって今の課題は権力基盤の強化ですから、軍の支持を全面的に取りつけるためには対日政策は強く出たい。今後も尖閣諸島のような事件が繰り返される可能性は高いでしょう。なにしろ中国は、尖閣や沖縄、将来的にはグアム近辺までを支配したいと考えている国です。日本人はその本質と向き合いながら警戒心を持たないと大変なことになりますよ」  これについてはA氏も同意見だ。 「先の尖閣諸島沖での漁船衝突事件も、軍との信頼関係を構築するために習近平氏が裏で絵を描いたミッションだとも言われています。今回の人事刷新の主導権がどこにあるにせよ、人民解放軍の組織力強化の延長線上には日本に対する強硬姿勢があるわけですから、日本はそこにもっと危機感を持つべきです」  数年先を見越した権力強化を着々と進め、そのためには他国の領海すら意図的に侵犯させる中国の指導者。かたやその中国に抗議も制裁もできない日本の首相。両国の外交力に圧倒的な差が露呈している今、今回の人事刷新が意味するものが何なのかを注視していく必要があるだろう。 (文=浮島さとし)
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収入格差と"デジタル・デバイド"の関係 ネット社会に求められるものとは?

 総務省が、2011年版の「情報通信白書」を公開。その中で、世帯年収別のインターネットの利用率を公表し、改めて、世帯収入によって情報格差が発生する"デジタル・デバイド"の存在が浮き彫りとなった。あるIT業界紙の記者はこう語る。 「"デジタル・デバイド"は、インターネットの情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間に生じる情報格差。年齢、地域、世帯収入などによって、格差が生まれます。今回の調査では、年収2,000万円以上の層のインターネット利用率が90.6%であるのに対し、200円万未満の層の利用率は63.1%と低く、世帯収入による大きな格差が浮き彫りとなりました。さらに、年齢別のネット利用率にも大きく差があり、20~29歳が97.4%なのに対し、65~69歳が57%、80歳以上では20%となっています」  東日本大震災発生時にも、電話はつながらないものの、Twitterでは連絡が可能となるなど、いまやインターネットは生活に欠かせないツールとなっている。情報格差について、前出の記者は次のように続ける。 「今話題のフジテレビの韓国報道問題も、テレビの地上波ではほとんど報じられないため、何が起きているのかさえ知らない層も実は多い。ネットユーザーの間で情報の先鋭化が行われ、格差は広がるばかりとも言えます。電波は公共の財産であるため、私的占有はあってはならない。だが、テレビ局も営利企業のため、スポンサーの言いなりになってしまう面がある。一方、インターネットはそのような"しがらみ"がないため、自由に情報を発信できる。大手マスコミ離れはさらに加速するでしょうね」  「情報通信白書」では、趣味・娯楽としての「インターネットを重要」と捉える割合が2005年が43.4%だったのに対し、09年では、60.8%と急増している。  TwitterやFacebookなど、誰もが自由に情報を発信することができるようになった現代。だが、その中には、真偽不明の情報も膨大にある。ネット社会が進展する中、情報に踊らされずに冷静に判断力を身に付けることがさらに重要となりそうだ。
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【震災5カ月】先の見えない状態がさらに不安をあおる……宮城県石巻市現地レポ

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商店街から数分歩いただけで手付かずの光景。
 東日本大震災発生から5カ月が経過する中、いまだ震災のつめ跡が深く残る宮城県石巻市。地震と津波によって、死者数は3,153人、行方不明者849人(8月11日現在/県発表)という甚大な被害を受けた。駅周辺には、石ノ森章太郎の「石ノ森萬画館」があり、「いしのまきマンガロード」として『仮面ライダー』『サイボーグ009』などのキャラクターの像が立ち並ぶ。だが、商店街にはいまだに手付かずの商店などが多数あり、街中にまだ津波で流されたヨットが放置されている。
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内科医院までもが3.11のまま。
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津波が人々の営みを一変させた。
 駅付近の飲食店の男性店主にその理由を尋ねると、「手がついてない家や店は、家主がまだ消息不明だから。見つかってないと、行政もどうすることもできない。誰も手を出せない」と言う。壁がはがれかけ、"落下注意"と書かれた家もまだあるが、しばらくはまだこの状態が続くようだ。
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いつはがれてもおかしくない危険な状態のまま。
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大きく景色が変わった日和山からの景色。
 店主が営む飲食店は、昨年12月に開店したばかりで、開店資金を支払い終わらないまま、3月11日に震災が発生。店主は「まだオープンしたばかりだし店をやるしかないから、4月18日から再開しました。最初はガスが来てなかったから、ホットプレートでたこ焼きを焼いて、カセットコンロでうどんを作って出していた。でも、店舗や事業所には今のところ震災の救援金などが出ないんですよ。仙台市や気仙沼市は知事権限だけど、石巻市は市長権限で状況が違う。市の対応も後手後手に回っている」と状況を語った。  駅周辺の片付けなどは進んでいるものの、夏休みに入り新たな問題が発生しているという。飲食店に来ていた客のひとりが語った。 「夏休みになって、ボランティアとも冷やかしとも言えない"バカチン"が増えた。手伝いに来てくれたのはいいけど、すぐに『疲れたから帰る』とか文句を言う。観光客も来てくれてお金落としてくれるならうれしいけど、『(被害が)一番ヤバイのどこっすか?』と聞かれたことがあって、そういう無神経な行動はやめてほしい」  交通機関も復旧したことから新たな騒動も起きているようだ。実は震災発生当初に、こんなトラブルもあったという。前出の店主は次のように続ける。 「震災後、被災地のマナーは良かったと報じられたけど、泥棒はかなりあった。ウチの店の片づけをしていたら強盗が来て、店員を強盗仲間と間違えたのか『何かいいのあったか?』と聞かれた。返事をしたら、一目散に逃げていったけど。もう当時は『北斗の拳』の世界みたいでしたよ。コンビニのATMから強盗した若者もいて、それは逮捕された。でも、そういうことは地震が起きた直後だったら言えなかった。直後にそれが報じられていたら、もっと泥棒が増えたかもしれないから」  今だから話せる当時の真相だ。だが、石巻の人々は長い将来を見据えて、やはり不安を抱いているという。地元の女性はこう心情を吐露する。 「みんな不安が増してきていると思います。地震が起きた当初は、がむしゃらに頑張るしかなかった。でも、事態が長期化して、これからどうなるのか分からないという先の見えない不安を抱えていますね」
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橋は渡れるものの津波のつめ跡はそのまま。
 長期化への不安、怒りをぶつけられないもどかしさ......。抱えきれない思いを胸にしながらも、石巻の商店街の人々は自ら立ち上がり、別の場所で仮店舗として営業を再開した商店も多い。ある飲食店は、現在は避難所に身を寄せながらも「ここで再建します」というメッセージを店頭に掲げていた。今なお、石巻市では2,600人を超える人々が避難所で暮らすなど、苦境とも言える状況は続いている。これからも日刊サイゾーでは、震災を風化させないように現地の最新情報を伝えていく。
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再建を決意する看板。下に小さく「食べに来ます!」と客からの文字も。
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「日本の侵略戦争が……」苦情殺到の「まんべくん」Twitterが中止へ 長万部町長が謝罪

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「まんべくん」公式Twitterより
 8月14日に、Twitter上で「どう見ても日本の侵略戦争が全てのはじまりです」「日本の犠牲者三百十万人。日本がアジア諸国民に与えた被害者数二千万人」などと発言し、問題視されていた北海道長万部町のゆるキャラ「まんべくん」について、長万部町の白井捷一町長がWEB上に「お詫び」を掲載。「まんべくん」のTwitterが中止されることが明らかになった。  「まんべくん」Twitterは長万部町に委託された業者の男性が更新作業を行っており、上記の発言について町長は「お詫び」の中で「まんべくんのキャラクターの商標を許可している株式会社エム社のコメントであり、長万部町の公式な発言でありませんので、ご理解を頂きたいと存じます」としながらも、「町のキャラクターである『まんべくん』の発言であり、皆様にご心配ご迷惑をおかけいたしましたことを重ねて深くお詫び申し上げます」と謝罪。当該業者に対して「まんべくん」の使用許諾を禁止するとともに、「まんべくん」Twitterを中止することを明言した。 「『まんべくん』は、町の公式キャラクターには似つかわしくない過激な発言で人気を集めていました。過去にも問題発言をして謝罪騒動を起こしたことがありましたが、そうした騒動もキャラクターと長万部町の"知名度アップ"には確実につながっていました。そうした経緯から、今回の件も賛否を呼ぶことは織り込み済みでの発言だったのでしょうが......」(ネットに詳しい記者)  町は今後、更に今回の状況を調査し適切な対応をしていくという。人気キャラとして一躍有名になった「まんべくん」、このままお蔵入りとなるのだろうか。
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口座データが消滅! 職員が謎の退職!! ゆうちょ銀行のずさんなデータ管理が裁判沙汰に発展

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ゆうちょ銀行本社のある日本郵政ビル(東京都千代田区霞が関=Wikipediaより)
 政府が全額出資する「日本郵政株式会社」。その傘下にある日本最大の金融機関といえば、「株式会社ゆうちょ銀行」である。総資産約200兆円と預金残高175兆円は、他のメガバンクをはるかにしのぐ規模だ。そんな実質的な国営銀行で、個人口座の記録が消失する事態が発覚。不審に思った関係者がゆうちょ銀行を相手に訴訟を起こしていたことが分かった。  ゆうちょ銀行については、郵便貯金時代からデータ管理のずさんさが指摘されており、今回の事態も氷山の一角だと分析する専門家は少なくない。日本最大規模の金融機関で何があったのか。  騒動のはじまりは平成19年10月。大阪府八尾市で要介護5状態だった元金融業経営のAさんが病死した。次男・二郎さん(仮名)が、遺産相続の手続きを進めるうちに、不可思議な事実が次々と明らかになる。  まず戸籍を調べてみると、長男・一郎氏(仮名)の妻が、いつの間にか死んだ父と養子縁組を結んでいたことが判明。晩年、心神喪失状態に近かったAさんが、死の直前に長男の妻を養女にするという不自然な行為に、当然ながら二郎さんは一郎氏を問いただした(後に裁判で養子縁組の無効が確定)。  また、一郎氏の娘がゆうちょ銀行に勤務していたこともあり、「一郎が娘を使って父の金を使い込んでいたのでは」と疑いを持った二郎さんは、その旨も長男に問いただした。しかし、一郎氏の娘はこの直後、ゆうちょ銀行を突然退職。長男からは「娘は行方不明でどこにいるか分からない」(長男・一郎氏)という納得しがたい回答が返ってくるだけだった。  途方に暮れた二郎さんが、父Aさんの遺品を今一度整理してみると(この頃には一郎氏があらかた持ち去ってしまっていたという)、Aさん名義の4通の郵便貯金の通帳を新たに発見(編注:ここでは通帳【1】~【4】とする)。中身を確認すると、3通(【1】~【3】)は既に解約されており、1通(【4】)については残高が538万8,494円残されていた。  しかし、高額納税者で知られたAさんの遺産が一口座だけのはずがないと思っていた二郎さんは、過去に父・Aさんの担当をしていた元ゆうちょ銀行職員に非公式に聞いてみた。すると、「Aさんからは2つの定期口座や『●●●』など、少なくとも●千万円を預かっていた」との証言を得ることができた(編注:元局員の希望により具体的な数字や表記は伏せる)。  元職員によれば「2つの定期口座」とは、限度額1,000万円、10年満期で半年複利という利便性が極めて高い郵便貯金の主力商品の一つ。しかし、この定額貯金は郵便貯金法により一預金者につき一口座しか開設できないと決められている。2つの口座が存在したのはなぜか。これについては、関東のある特定郵便局に10年以上の勤務経験がある別の男性(44)が説明する。 「確かに一人一口座と決められてはいますが、かといって2つ、3つ作れないかというと、民営化前はどこの局でも普通に作ってました。特に地方では、本人確認も台帳管理もかなりいい加減で、資産持ちの高齢者を相手に架空名義でバンバン作ったものです」  元職員の証言が正しければ、Aさん名義の口座は手元の4通の他にも複数存在する可能性が高い。二郎さんはそう考え、次にような行動に出た。 「証言にある定期口座などに加え、おそらく長男やその娘が使い込んだ口座が他にも複数存在していると確信を持ちました。仮に長男らが既に解約していたとしても、任意の日付を指定してデータの照会をかければ、過去に存在した口座が浮かび上がるはずです。残高のあるなしはともかく、まずはどんな口座がいくつあったか、事実を一つ一つ整理しようと考えました。そうでないと、父も浮かばれないと考えたんです」  まず二郎さんは、平成20年12月に、「平成17年6月1日」と「平成18年2月1日」時点における(この日付はランダムに指定した)Aさん名義の口座の照会をかけてみた。返ってきたのは、[通帳【4】=残金538万8,494円]だけが存在したとの回答だった。  諦めきれない二郎さんは翌月、今度は「平成16年1月10日」時点での照会をかけてみた。というのも、[通帳【1】]は平成16年12月に解約されてはいるものの、記帳記録を見る限り、平成16年1月10日の時点では約990万円を残してまだ存在しており、さらに、この時点では[通帳【4】]も約590万円を残して存在していた(画像参照)。つまり、「平成16年1月10日」を基準とした照会に対しては、少なくとも[【1】]と[【4】]の2つの口座の存在が確認できるはずである。
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通帳【4】の記帳記録は平成16年1月16日現在に
約600万円の残高があったことを示している。
 ところが、ゆうちょ側から返ってきたのは「(口座は一つも)発見できませんでした」という、「絶対にありえないはずの回答」(二郎さん)だった。 「通帳【1】が出てこないとおかしいのは当然ですが、つい先月の照会で確認されたはずの【4】も出てこないというのはどういうことなんでしょうか。『先月はあったと回答したじゃないか、なんで今回は出てこないんだ!』と窓口で聞いても、『こちらでは分からない』としか答えない。データ管理が恐ろしいまでにでたらめなんですよ」  業を煮やした二郎さんは、今度は「平成15年1月10日」時点での照会をかけてみた。記帳記録を見る限り、やはり[口座【1】]も[口座【4】]も存在していたはずの日付である。しかし、ここでの照会でも[【1】][【4】]のデータはなぜか確認できなかった。しかし、【4】については今日現在も残高が残っていて、言うならまだ"生きている"口座である。いったい"国営銀行"のデータ管理はどうなっているのだろうか。
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平成20年12月の照会で確認できた通帳【4】 が、
なぜか翌1月の照会では検出されなかった。
 一連の対応のずさんさから、ゆうちょ銀行に強い不信感を持った二郎さんは平成21年11月、事実関係の説明や口座【4】の残高の支払いなどを求めてゆうちょ銀行を提訴するが、十分な証拠を示すことができずに昨年取り下げている。これについて、企業の危機管理や企業間の訴訟問題に詳しい武蔵野学院大学客員教授の平塚俊樹氏は、「金融機関でこの手の話は、実はけっこうあるんです。特にゆうちょ銀行は、私が受けた相談だけでこれで3件目です」と、驚くべき実態を明かしながら、二郎さんのような立場の人間が訴訟で勝つ難しさを次のように説明する。 「大原則として、ゆうちょの口座はゆうちょしか管理できません。仮に二郎さんが訴訟を起こし、システム管理会社を介して立ち入り調査をしても、裁判所がシステムを調べるのには技術的に限界があるわけです。ゆうちょが『ない』で通せば追及の方法はなく、立証はできない。立証できなければ裁判には勝てないんです」  また、金融事情に詳しい経済ジャーナリストの須田慎一郎氏は、「あくまで一般論」としたうえで「ゆうちょには昔からこの手の話が全国的にたくさんある」と言いつつ、次のように指摘する。 「地方の郵便局では、おじいさんやおばあさんの通帳と印鑑を顔見知りの職員が預かって、事実上の一任管理をしてしまうというのはよくある話です。その結果、局員が使い込んでいたなんていう話も珍しくありません」  また、データ管理のずさんさにも苦言を呈す。 「ゆうちょと他の民間銀行では、同じオンライン処理でも制度や管理の質に雲泥の差があるんです。ゆうちょは、昔の台帳管理からオンラインに移行する際に、田舎の小さな特定郵便局まで徹底できずに、相当の混乱があったはずです。どれだけ緻密に名寄せができたかは疑わしい。ただ、裁判で立証するのは極めて困難で、真相は藪の中となるパターンが多いようです」  二郎さんがあきれながら言う。 「調べ方によって口座が出たり消えたり、こんなずさんな管理の金融機関に金を預けて大丈夫なのかということです。長男の娘がゆうちょ銀行を突然辞めているのも不自然な話で、もし彼女が不正にかかわっているとしたら、組織としての責任も問われるはず。なのに調べる気配もない。この調子では、震災のドタバタでうやむやにされてしまった口座は多いのではないでしょうか。被災地の遺族が聞きに行っても『ない』と言われたらおしまいですからね。3月にみずほ銀行がシステム障害でバッシングされてましたけど、ゆうちょのデタラメぶりはその比じゃないですよ」  ゆうちょ銀行は二郎さんからの問い合わせに対し、データ管理については「住所が異なる場合には同姓同名の第三者として扱われるため、検索結果に反映されません」などと回答。口座【3】が出たり消えたりした理由については明確な回答がないという。 (文=浮島さとし)
ゆうちょ銀行 ネーミングからは想像がつかないほどドス黒い。 amazon_associate_logo.jpg
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【サッカー女子W杯・現地ルポ番外編】取材帰りにロシアでまさかの軟禁!

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壁に張られた注意書き。
日本語だけでなく、英語、スペイン語、フランス語、韓国語など
さまざまな言葉で表記されている。
 航空運賃約4万円をケチったツケを、こんな形で払わされるとは......。  モスクワでまさかの軟禁!? すべては「安かろう悪かろう」と言われるロシアのアエロフロートを利用したのが運の尽きだったか。  7月下旬、ドイツでサッカー日本女子代表、なでしこジャパンの世界一の瞬間を取材した帰りのことだった。フランクフルトを午後2時05分に出て、午後7時05分にモスクワ着。8時05分にはモスクワを発って、成田へ戻る予定だった。しかし、フランクフルトの出発が3時間ほど遅れ、トランジットに失敗。モスクワのシェレメーチエヴォ国際空港で足止めを食らったというわけだ。  出発が遅れた時点で、嫌な予感はしていた。なぜなら、アエロフロートのモスクワ―成田便は1日1便。すでに同日に日本へ戻れないことは分かっていたからだ。  日本人がモスクワへ入国する(空港を出る)ためにはビザを取得しなければならないが、筆者は持っていないので、いったいどうなるのか、機内でそんなことを考えながらモスクワに到着した。  飛行機を降りると、さっそく係の人がなにやらリストのようなもの持って寄ってきた。そこには7人の名があり筆者の名もあった。ただし、係の人はほとんど英語がしゃべれずに、その場ではリストが何を意味するかはまだ分からなかった。  7人が集まったところで、ようやく分かった。乗り継ぎに失敗したにもかかわらずビザを持っていない者の集まりだったのだ。  だが、説明によれば、空港傍のホテル「ノボテル」に宿泊できるという。そして、そのままイミグレーションを通ることなく、裏口から逃げるように空港を出て、バスでホテルまでの送迎がついた。  一時はフランクフルトに帰されるか、はたまた翌日のフライトまで空港で待機なんていう最悪の事態も考えたが、それだけは免れた。  しかし、安堵したのも束の間。ホテルに宿泊できるとはいえ、外出はもちろん、ホテル内を自由に歩くこともできないという。筆者を含めた"ビザなし7人組(女4人、男3人)"に対し、与えられた部屋は3つで、筆者は成田へ向かう28歳の台湾人ビジネスマンとシェアすることに。辛うじて部屋には入れたものの、見ず知らずの、どこの誰とも分からない人同士が同じ部屋に押し込められたのだ。フロアには常に複数の監視がおり、エレベーター前の分厚いドアは厳重にロックされている。オマケに食事以外に与えられたモノはペットボトル1本の水だけ。それは紛れもなく"軟禁"だった。  そして、壁にはこんな張り紙があった。 「ロシア移民法によると、あなたは、ビザフリーゾーンに配置されている3階に位置~~~省略~~~次にモスクワにいらっしゃる際には、私どものホテルを十分にご利用いただくためにもロシアビザをお取りになることをお勧めします」  つまり、ビザがないんだから3階から動くな。もし次に来るなら、ビサをお忘れなく。そもそも、ロシアの航空会社の都合で、筆者たちはこのホテルに連れて来られたというのに......。さすがに、この張り紙を見たときには、多国籍の陣容が、いっせいに「二度と来る訳ないだろ!」と声を揃えた。  食事は決められた時間に1部屋に集められて摂り、まるで配給のようで、アルコールのサービスすらないのだ。それでも約20時間、夕・朝・昼と食事をともにした7人は、「こんな映画見た気しない?」、「タイトルはグレート・エスケープ(大脱走)? こっから逃げたらどうなんの?」なんて冗談を飛ばし合いながら、それなりに打ち解け合った。  予想外の展開だったが、さすが軍事国家ロシアというべきか。確かに、モスクワ経由のアエロフロートは他のヨーロッパの航空会社と比べれば格安だ。それでも、安さには理由がある。乗られる方は、トランジットにご注意を! (取材・文=栗原正夫)
第1回ロシア美少女301人コンテスト/ナーシャ 美人は多い。 amazon_associate_logo.jpg
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『マンガ嫌韓流』の作者・山野車輪がお台場の「嫌韓デモ」に首をかしげる理由とは

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お台場・潮風公園で「フジテレビを日本人の手に取り戻そう!」と
叫ぶ参加者たち。
「TV局の韓国おし無理。けーPOP、てめーの国でやれ」  俳優・高岡蒼甫のTwitterと、それに起因する事務所解雇を発端に、にわかに高まりを見せはじめている"嫌韓ブーム"。8月7日(日)には、2ちゃんねるやTwitterの呼び掛けで集まった数百人が「嫌韓流デモ」と称してフジテレビへ抗議の声を上げた。日章旗を持った元自衛隊員を名乗る男性は、「日本のテレビ局は韓国資本に乗っ取られている」と憤り、30代の子連れ主婦は「私の周りに韓流ファンなんていない」と、韓流ブームそのものを否定した。  ところで、「嫌韓」というフレーズはもともと、漫画家・山野車輪氏の代表作である『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)から派生していることは明らかだ。同作が日韓問題を真正面から論じた問題作で、発行部数が累計100万部を超えたのは周知の通り。実は筆者はこの日、山野氏とお台場で同行しながらデモ現場を見学していた。当の『嫌韓流』作者である山野氏は今回の動きをどう見たのか。デモ終了後、新橋の居酒屋で山野氏に一連の騒動について聞いてみた。(聞き手/浮島さとし=フリーライター) ──おつかれさまでした。まずはデモのご感想を。 山野氏(以下、山野) 人数が多かったのに驚きました。道路の反対側から見た個人的な印象では、300人から500人くらいはいたように見えましたね。その後、ネットを見ると、2,000人くらいいたという情報もありましたし。主催者とすれば成功と言えるんじゃないでしょうか。 ──ただ、Twitterを拝見する限り、山野さんは今回の騒動に懐疑的なようですが。
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デモに集まった数は主催者発表によると2,500人(約500人と報じたメディアも)。
山野 まぁ、フジテレビが韓国のコンテンツを使うのは、安くてそこその数字が取れるという経営的な判断からだと理解してます。もし韓国コンテンツを排除したいのであれば、それに代わる、安くてそこそこの数字が取れるコンテンツの代案を出さないといけないと思うんですが、それが今回ないですよね。単にデモをするだけでは建設的ではないように思います。 ──CP(コストパフォーマンス)を考えたら韓国モノを使うのも無理ないと。ただ、デモに参加した人たちの主張には、「フジテレビが韓国資本に株式を支配されているため、韓国の圧力で番組編成が行われている」というものもあるようなのですが。 山野 そういう事実があるかないかは、はたから見ても分からないんですよね。分からないことを「ある」と批判しても仕方ない。 ──山野さん自身は、韓国からの圧力で番組編成が行われていると思いますか。 山野 僕は、あるかないかは分からないです。ただ、もし「ある」と批判するのなら、まずはそれを証明する必要があると思います。 ──ひろゆき氏も指摘していますが、フジテレビの株式の外国人直接保有比率が、電波法に抵触する20%を大きく超えている(約30%)ことについては。 山野 それはそれで問題だと思いますが、それをもって「韓国からの圧力」の証明にはなり得ませんしね。繰り返しになりますが、関連性があるのなら証明する必要があるということです。
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デモの様子を遠巻きに見る警官2人。
このあと警官は参加者たちから罵倒されることになる。
──山野さんも『マンガ嫌韓流』で韓国に批判的なことを書くためにかなりの調査をしているわけですよね。 山野 『マンガ嫌韓流』では、根拠が証明できない批判は書いていません。すべて立証できることを書いています。実は『マンガ嫌韓流』の記載内容について訴訟を起こされたこともあるのですが、結果的に高裁判決で完全勝利したのもそういうことからなんです。 ──あの裁判では『マンガ嫌韓流』が公益性を目的に書かれたという点も認められました。 山野 判決文に「本件書籍の目的は、もっぱら公益を図ることにあったということができる」と記載されています。韓国批判そのものが目的でないということが、裁判所に認められたということです。 ──批判意見の中身に戻るのですが、韓国政府が国策として日本にコンテンツを輸出していること自体を批判する声もあります。 山野 国策として海外にコンテンツを輸出することは悪いことではないと思いますよ。韓国の番組を使うかどうかは日本のテレビ局の問題で、それをもって韓国や韓国の番組を批判するのは違うんじゃないかと思いますよ。 ──まさにそういう趣旨でデモに参加した人も多かったようです。主催者の一人も「人種差別的な行動は絶対にしないでほしい。偏向するフジテレビの襟を正すのが目的で、韓国を批判することが目的ではない」と現地で一所懸命説明していました。 山野 その考え方には賛成できます。日本の放送局の姿勢としていかがなものかという批判はアリでしょう。だからこそ、今回のデモを含め、高岡氏の発言から続くこの一連の問題には、韓国批判はもちろん、「嫌韓流」という表現も、使われるべきではないと思います。ネット上ではそういう表現をよく見掛けますからね。 ──批判の中には「韓国のコンテンツは質が低い」というのもあります。 山野 それもどうかなぁと思います。高いのも低いのもあるでしょうけど、日本の番組と比較して、ものすごく劣っているのかと。私、テレビ持っていないので分かりませんけどね。 ──その一方で、茂木健一郎さんのように「韓国コンテンツの増加を批判するのはグローバリズムに反する」という人もいますが。 山野 それもおかしいですよね。グローバルっていうのは別に韓国化することじゃないですから。いろんな国の文化、番組を取り入れるという動きがグローバル化であって、それが今進んでいるとはまったく思えませんから。むしろ、グローバリズムという言葉を悪用して、韓国コンテンツの増加を擁護する主張に見えますけどね。 ──デモに肯定的な人の中には、『マンガ嫌韓流』作者の山野さんは無条件に味方だと思っている人も多いと思いますが、作者としては困惑しているというのが実感ですか。 山野 そうですね。あの作品で伝えていることは、日韓の間に横たわっているさまざまな問題を全部知った上で、認めるべきは認め、言うべきことはしっかり言って、その上で日韓友好を目指そうということなんですよ。その旨を、1巻の「まとめ」でちゃんと書いています。「嫌韓流」という言葉の意味を理解しておらず、単に韓国を非難するだけの意味で使っている人も見受けられるんですよね。それは作者としては非常に残念だと思ってます。逆に、「嫌韓流」の意味をちゃんと理解している人ほど、「日韓友好を目指す山野はけしからん」と、僕の考えを非難するんですけどね(笑)。
マンガ嫌韓流 再読。 amazon_associate_logo.jpg
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【現地中国人記者の激白 第二弾】鉄道事故は第二の天安門事件に発展する!?

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中国のすべてのメディアは今、6月から内陸部
で続いている大雨の記事をトップに報じてい
る。列車事故はなかったかのようである
(写真のサイトと記事中の記者とは直接関連
ありません)。
 中国高速鉄道事故の政府対応に不満を抱く民衆とメディアの怒りが飽和状態に達している中国で、いよいよ本格的な言論統制が開始されている。7月30日を境に大手全国紙は新華社通信の記事一色に塗り替わり、高速鉄道事故の情報は中国の紙面上からは完全に抹殺された状態だ。  筆者は前回、ある共産党系メディアの担当者に電話インタビューを行い、「ここ数年の共産党指導部は以前のように露骨な言論統制はしにくくなっている。これは中国の変化だ」とのコメントを取っていた(記事参照)。今回の動きはその直後に起きた、いわば「変化の中の変化」と言えそうだ。今回は、政府に批判的な独自報道が多いある中国タブロイド紙の記者と接触し、報道規制がなされている社内の様子や現場の記者たちの声を聞いた。(聞き手=浮島さとし/フリーライター) ――強行な報道規制が始まったと日本では報じられています。 「もともと北京の宣伝部から鉄道事故についてはあまり報じないようにという『要請』は来てはいましたが、29日の終わりごろに急激に強化され、30日に紙面から完全に消えた状態です」 ――「要請」は具体的にどういう形で現場に届くのですか。 「『要請』というのは事実上の『命令』なんですが、通常は政府の宣伝部の人間から社の上層部に文書や電話がきて、そこからデスクを通して現場の取材陣に降りてきます。また、記者が事故車両や遺体などの悲惨な写真を撮影して帰ってきても、政府から『この写真を使うように』と送られてくれば、それは『これ以外の写真は使うな』という規制を意味することになります」 ――上層部やデスクからはどんな言い方をされるのですか。 「たとえば、紙面を組んでいる最中にデスクがやってきて、『今回はこの記事に差し替えよう』と、全然関係ない事件を持ってきたりします。そうなると、『あ、圧力がきたな』と察するわけです。先日、日本の地下鉄でエレベーターの事故(注:7月26日に東京メトロ平和台駅で起きた落下事故)がありましたよね? この間はその記事に差し替えられましたよ。日本のエレベーターの事故なんて今の中国になんの関係もないんですけどね」 ――そのような諸々の規制を受けて、現場の記者たちはどういう反応なのでしょう。 「そりゃあ、冗談じゃないとみんな思っていますよ。なにしろ今回の事故の諸悪の根源は汚職にまみれた鉄道部とそれに起因する欠陥工事であることは明らかです。民衆の命もないがしろにされている。私は今回、鉄道部のAさん(仮名)という技術者から現地で話を聞くことができましたが、『安全面がおざなりのままに作られてしまい、非常に懸念していた』と、開発当事者がそう証言しているんですからね。それを現場で記者は聞いているわけですから」 ――現場の記者たちの間には不満が鬱積している状況であると。 「記者だけでなく、デスクも含めて現場は怒りが充満しています。取材しても載せられないし、遺族の悲しみも現場で目の当たりにしている。その怒りの一部が、ネットの掲示板や微博(中国のTwitter)などへぶつけられるわけです」 ――ネットへは一般民衆だけでなく、プロの記者たちも書き込んでいるのですか。 「そうです。現場の記者は詳しい情報を持っているのにどこにも出せず、怒りもたまっているわけですから。書き込まれている内容を見れば『これは記者だな』と分かります。それを読んだ民衆の怒りがさらに増幅しているという状況です」 ――政府に対しての怒りはもちろんですが、社の上層部に対して不満はありますか。 「まぁ、彼ら自身も忸怩たる思いなんでしょうが、年齢が高くなって上層部になるほど保身に走るのは仕方ない。今クビになったら生活できませんから。それをするなら、フリーでやっていく覚悟を持つしかない」 ――中国のフリー記者はどういう活動をしているのですか。 「ネットに書き込みを続けている人間もいますが、それだと経済的な担保がありませんので、香港へ移って向こうのメディアに書き続けるという人間もいます。それだともう、記者というよりは運動家に近いですね」 ――事態の今度の見通しをどう捉えていますか? 「中国は今までも『飴とムチ』で国を運営してきましたが、今回も賠償金という飴で幕引きを図ることになるかもしれません。ただ、実際のところは誰もわかりません。民衆の怒りが収まるのか、爆発するのか、他の民族運動にまで波及するのか。政府も我々メディアも読めていません」 ――民衆の怒りが収まらず、第二の天安門事件に進展する可能性も? 「それはありえるでしょう。というのも、高速鉄道は鉄道部の管轄ですが、交通網というのは軍事に密接に関連するため、実は鉄道部も軍部の影響下にある組織なのです。軍には強硬派と言われる人間も多いですし、実際に天安門事件のときに弾圧に携わった人間が今も役職についています。そういう勢力が無理やり抑えつければ同じことが起こる可能性は十分ある。ただ、共産党中枢の人間たちは懐柔策を使いながら乗り切ろうと考えている。中国政府も意見は一つではないですから、政府の中でも対応策は分かれています。それにより結果は変わってくるでしょう」 ――先行きは本当に不透明ということでしょうか。 「正直、どうなるか本当に分かりません。ただ、取材現場で記者たちがよく話しているのは、仮に今回うまく幕引きを図ったとしても、近い将来に同じことが起こるだろうと。当然でしょう、事故原因が究明されていないのだから、安全面の問題は何も解決していない。中国の高速鉄道は大きな火種を抱えたまま、これからも走り続ける。問題が先送りにされるだけだということです」
天安門のパンドラ 日本も似たようなもんですけど。 amazon_associate_logo.jpg
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「この身体が、被災者のためになるなら」乙武洋匡 自分の感情よりも、美学よりも【1】

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写真=長谷川健郎
 手足のない乙武くんが、プロ野球の始球式をやるらしい。  それはまるで、タチの悪い冗談みたいな話だった。デリケートな誰かが聞いたら「障害者を侮辱するな」と怒り出すかもしれないような、そんな類の戯言。あるいは、このところ乙武氏自身がTwitterで繰り返し発信しているような、とびきりブラックな自虐ギャグ――。  だが実際、5月6日の楽天イーグルス対西武ライオンズのナイトゲーム、Kスタ宮城のマウンドに乙武洋匡氏は立っていた。サウスポーから投じられたボールはふわりと弧を描き、ライオンズ片岡易之のバットはゆっくりと、その瞬間を慈しむかのように空を切った。  スタジアムは、割れんばかりの歓声に包まれた。「ただボールを投げる」という、健常者にとってはごく普通の動作が、やはりとことん普通ではなかったのだ。  この始球式が乙武氏にとって、震災後初の被災地入りの機会だったという。この日のKスタを含め、茨城、福島、宮城を回った彼の被災地訪問は『希望 僕が被災地で考えたこと』(講談社)という本になった。講談社26階の会議室に乙武氏を訪ねると、あの日ボールを投げた短い短い左腕を器用に操って、ごく普通に携帯電話でTwitterにメッセージを打ち込んでいた。 ──今回、被災地を訪れるにあたって「自分に何ができるのか」という、大きな葛藤があったそうですが。 乙武洋匡(以下、乙武) そうですね。震災が起こってから、ずっともどかしい思いがありました。Twitterを見ていると、友人たちが救援物資を持って被災地に行って、炊き出しのボランティアをしたり、がれきの撤去のお手伝いをしたりしていて。自分だって行きたい、という気持ちはあったけれど、いったい僕が行って何ができるんだ、かえって足手まといになるだけだろうと。ずっと悔しかったんですよ。でもだんだんと報道で、食料や必要最低限の生活物資が揃ってきたというのが分かったときに、今度は被災者の方々が前向きな気持ちを取り戻していくことが重要になっていくのかな、そのためのお手伝いなら僕にもできるのかもしれないな、と思えるようになってきた。それが4月の後半くらいですね。 IMG_8610.jpg ──ご友人で女優の水野美紀さんがボランティアに行った際に「自分がテレビに出ている人だから喜んでもらえた」と感じられたというお話がきっかけになったとか。 乙武 やっぱり水野さんと同じように、自分がテレビに出ている、知られている人間であるということのメリットというか価値のようなものもあると思うんですけど、また他の芸能人の方たちと僕が違うのは、僕が普通にしているだけで力を感じ取ってくださる方がいっぱいいるんですね。僕は小さいころから、普通にしているだけでほめられることが多かった。字を書いた、ご飯を食べた、歩いた、というだけで、「すごいね、そんなこともできるんだ」と。それはつまり、障害者だから何もできないだろうという前提があるからなんですが。  例えばね、僕、普段東京で町を歩いていて、突然おばあちゃんに拝まれたりするんですよ。おかしな話じゃないですか。でもきっとそれは、いろんな経験をされてきた方にとっては、こうしていろいろなものを失った身体で生きている人間を見ると、頑張っているんだな、自分もがんばらないとな、と思ってくださるものなんですよね。それは、これまでいただいたお手紙やメールでもすごく感じていて。 ──楽天の始球式を引き受けたのも、そうした思いから。 乙武 実際楽天からは、マウンド上にピッチングマシーンを設置して僕がそのスイッチを押すとか、逆に僕がバッターボックスに立ってプロのピッチャーに投げてもらうとか、相談の過程ではいろいろなアイデアがあったんです。でも、僕自身が「自分で投げさせてほしい」とお願いした。僕がこの短い腕とほっぺたの間でボールを挟んで投げる姿を見ていただくことで、乙武もいろんなものを失ったけれど、残された部分でああやってボールを投げてるんだ、私たちも確かにいろいろなものを失ったけれど、この残された命と残された人のつながりで、もう一度頑張っていこうと、そんな気持ちになってくださるなら......と。 ──その始球式をテレビで拝見しましたが、ものすごいビジュアルインパクトでした。正直に言えば、いろいろな感情があって、それはどこか後ろめたさ、あるいはこの風景を見て喜んでいいのか、という気持ちは湧いてきたんですけれど、それよりも、伝える力というか、ものすごく大きな感情が表現されていると感じたんです。でもそれは、これまで「自分は普通のことをしているだけだ」と言い続けてきた乙武さんが、ご自身の障害を利用することでもありましたよね。 乙武 今まではやっぱり、僕自身の感情とか思想、哲学のようなものの中では、それはきれいじゃないな、美しくないな、という思いがあったんですよね。でも今回いろいろ考えていくうちに、今優先されるべきは僕の感情でも思想でもなく、被災地の方々だなと思ったんです。そう考えたときに、僕の考えに多少そぐわなくても、僕自身がそこに対して拭いきれない気持ちがあったとしても、そんなことより優先されるべきは、僕がそれをすることで実際に力を与えられる人間がいるという事実なのかな、ということなんです。 ――それは今回の震災を経て、新たに芽生えた自覚というか、もしかしたら人生の中でも大きな転換点になるものなのでしょうか。 乙武 そのご質問で言うと、答えはまだ出ていないですね。この先も、被災地に対してだけでなく、普段の行動、普段の生活からそういった考えができるようになれば、それは人生の転機と言えるかもしれない。だけど、今回、被災地の方々に対して力になりたいという思いから、僕は特例的にそういうことをしたのかもしれない。今はまだ、ちょっと分からないです。 ──少なくとも今回に限っては、多くを失ったご自身の身体を見せることで、被災者に元気を与えることができた。 乙武 僕は二十歳のときに、なんで僕には手足がないんだろう、と考えたんですね。僕だけ違うということは、こういう身体を与えられた人間にしかできないことがあるんじゃないのかな、だから自分にしかできない活動をしていこう、それがここ15年間の僕のポリシーなんです。  ただ、そこで単純に「だから被害に遭われた方もそういう風に頑張ってください」とは言えないんです。僕は、最初からなかった。確かに結果論で言えば僕の身体はハンデが大きいし、周りの方とも大きく違う。だけど、同じ僕という時間軸の中で考えれば、最初からない、今もない、で、プラスマイナスゼロなんです。そこで何かを大きく失ったという喪失感はない。  そういった意味で、今回被害に遭われた方々は、あったものがなくなったという喪失感がすごく大きいと思うので、そこはやっぱり、僕と同じ土俵に上げて「僕もない中で頑張っているから、あなたたちも頑張って」という言い方は難しいんです。  ただ、現地の人がすごく喜んでくれたんですよね。自分たちが見放されてないんだ、こんなにみんなが、日本中から思ってくれてるんだっていう、そのことが伝わるだけでもやっぱりみなさん喜んでくださる。ほんとに、顔をくしゃくしゃにして「よく来てくれましたね」って言ってくださるんです。僕なんかが行くだけでもこんなに喜んでくださる方がいるんだな、というのは、すごく驚きでしたね。 (【2】へつづく/取材・文=編集部/写真=岡崎隆生) ●おとたけ・ひろただ 1976年、東京都生まれ。早稲田大学在学中に出版した『五体不満足』(講談社)が多くの人々の共感を呼ぶ。卒業後はスポーツライターとして活躍。その後、05年4月より、東京都新宿区教育委員会の非常勤職員「子どもの生き方パートナー」。07年4月~10年3月、杉並区立杉並第四小学校教諭として教壇にも立った。おもな著書に『だいじょうぶ3組』、『オトタケ先生の3つの授業』(共に講談社)など。 Twitterアカウント:@h_ototake
希望 僕が被災地で考えたこと いまできること。 amazon_associate_logo.jpg
オトタケ先生の3つの授業 こういう先生に教わりたかった。 amazon_associate_logo.jpg
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中国政府系メディアが暴露! 「共産党指導部はもはや民衆を抑えることはできない」

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事故を伝える現地メディアにも厳しい目が
向けられている。
 中国の高速鉄道事故における国民の爆発的な怒りを、中央政府が抑えきれない事態に陥っているようだ。事故翌日に処理部隊が車両の一部を埋めてしまったことに、ネット上では「真相の隠蔽だ!」と非難轟々。さらに、同日深夜に会見した鉄道省の報道官による「現場がぬかるみで、放置すると危険だと判断した」との説明に、納得できない記者たちが殺気立つ場面も。空気を読んだ報道官が、「隠蔽ではありません! 皆さんは信じないかもしれませんが、私は信じています......」と苦しいコメントで頭を下げる珍場面も見られた。  一方で、政府は25日までに、国内のメディアに対して独自取材をしないよう求める通知を発令。お得意の情報統制に打って出たものの、27日には犠牲者遺族約100人が横断幕を広げて抗議行動を敢行。共産党指導部の思惑に反し、ネットとリアルの両面で政府批判は強まるばかりだ。  「一党独裁」「言論統制」がキャッチフレーズ(?)の中国で今何が起こっているのか。中国の大手政府系メディアの担当者が、「絶対匿名で」を条件にインタビューに応じてくれた(聞き手=浮島さとし/フリーライター) ――インターネットの普及により、政府が民衆の不満を抑えきれなくなっているとの見方が、日本人の間で広がっています。 「確かにネット上で湧き上がる不満の声を、共産党指導部も止めることができなくなってきてます。その対応に躍起になっているという印象は、現場にいても感じます」 ――実際にどういう形で情報統制がなされているのでしょうか。 「中国では電波や新聞、雑誌、フリーペーパー、ネットニュースにいたるまですべて共産党の宣伝部の検閲を受けていますので、そこに露骨な政府批判の記事を見ることはありません。ただ、今の民衆は、こうした報道をほとんど信用していませんので、ニュースサイトの書き込み欄に怒りのコメントが大量に書き込まれるのがパターンです」 ――政府批判のコメントが大量に書き込まれると、やはり削除されるわけですよね。 「そうです。ただ、消しても次々と書き込まれるので対応しきれません。最近では微博(中国のTwitter)でリツイートされまくると、もう止めることは不可能ですね。それがさらに民衆の怒りを増幅する。そうなると政府も民衆に擦り寄るしかありません。今回、いったん埋めた列車を掘り起こしたのも、その流れだと見ていいでしょう」 ――BBSやサイトそのものが消されたりはしないのですか。 「そこが昔と今の中国の違いなのですが、かつてのように露骨な規制は、かえって民衆の怒りに火をつけるのでやりづらくなっています。そこは、ある意味で大きな変化でしょうね」 ――閉鎖が難しいといっても、中国では海外サイトがブロックされていて、見られるサイトが最初から制限されていますよね。 「確かに、政府はグレートファイヤーウォールで海外サイトをブロックしていますが、最近ではそれも、『vpn』というサービスを介すれば、Facebookなどの海外サイトも見られるようになっていて、そこで中国民衆が本音を共有できるようになってきました。その影響は大きいと思います」 ――ということは、やはり変化というものを実感されているのですね。 「そうです。まず、民衆が報道をまったく信じなくなった。『どうせ都合のいいことしか知らせない』というスタンスで見ている。また、政府も露骨な抑圧はしにくくなっている。今回の鉄道事故への対応でも、いったん埋めた車両を掘り起こしたり、被害者に前例のない多額の補償金を支払うとしている。そういう懐柔策をとるようになりました。これも大きな変化です」 ――先般、事故の関連で鉄道省の役人の会見があり、説明に納得しない記者が怒号を浴びせる場面がありました。ああいうこともかつてはなかったのではないでしょうか。 「その通りです。5年くらい前までは会見なんてものがほとんどなく、報道指示があるだけでした。あの鉄道省の説明は到底納得できる内容ではありませんでしたが、それでも開いた。そして、怒る記者に頭を下げるような形になった。こういうことは、かつてはなかったことです」 ――政府が国内の不満を抑えきれなくなりつつあることは理解できましたが、それと関連して、政府は不満が起こると、とにかく日本を敵に仕立てて問題をすり替えますよね。 「おっしゃる通りです。毒餃子事件のときもそうでした。悪いのは日本だと矛先を変える。今回の事故でも、人民日報が7月25日付けで『日本では中国の事故をあざ笑う報道をしている』などと報じています。『事故に特に敏感に反応しているのは日本』『事故が日本メディアを喜ばせている』『揶揄している』『嘲笑している』など、意図的な表現が見られますね」 ――報道する立場からご覧になり、民衆の不満は年々拡大しているとお感じになりますか。 「ひとことで民衆といっても、どの層を語るかにより違ってきます。都市部の富裕層にはそれほど不満はないでしょうが、地方の貧困層はインフレの進行でどん底の生活を強いられていますから、その不満はもはやピークでしょう。また、民主化の思想を持つインテリ層にも不満は蓄積しているようです」 ――日本に帰化した評論家の石平(せき・へい=シー・ピン)さんに先日お話を伺ったのですが、「民衆の不満が爆発するのは経済が停滞したときだ」とのご意見でした。経済の成長が止まるとすべての矛盾が噴出すると。 「はい、その傾向は既にいろいろなところに表れていると思います」 ――石平さんによれば、78年から09年までの30年間で中国の経済規模は92倍に拡大したが、それに対するマネーサプライは702倍にも膨らんでいると。常にお金を発行することで経済を支えてきたが、そんなやり方には限界があると。 「その指摘は正しいと思います。ただ、よく耳にする『不満が爆発する』というのが、具体的にどういう規模で、どんな形で起こるのか、それにより国そのものがどうなるかについては、正直誰もわからないと思います。いずれにしても、これからの中国は今までのような独裁政権での体制維持はだんだん難しくなるでしょう」 ――それはネットの普及で情報統制が維持できなくなってきたからですか。 「その通りです。独裁政権が体制を維持するには、なんといっても情報統制ですから。それがインターネットの普及でできなくなれば、政権の維持が困難になるのは必然でしょう。今回の列車事故の報道に対する民衆の怒りを見ていると、その動きは確実に始まっていると感じます」 (インタビュー方法は通訳を介した電話によるもの)
中国で汽車旅を 気軽にできない。 amazon_associate_logo.jpg
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