明日は尖閣か沖縄か!? 中国がタジキスタンから領土割譲

 世界3位の領土面積を誇る中国に、新たな領土が加わった。昨年、タジキスタンから割譲されることが決まっていた、パミール高原の1,158平方キロメートルの土地について、領土引き渡し式が行われたことを、建国記念日にあたる10月1日の国慶節に、中国政府が発表したのだ。  今回解決を見た両国間の領土問題は、元を辿れば130年前にまでさかのぼる。清朝後期、イスラム教徒による反乱が続発していた現在の新疆ウイグル自治区にロシア帝国が進駐。清とロシア帝国は紛争状態となった。その後、両国は1881年にイリ条約を結び、広大な土地がロシアに割譲されることになったのだ。その後、この土地は旧ソビエト連邦から独立したタジキスタンに引き継がれることとなった。しかし、その直後から中国はイリ条約を「不平等条約」と主張しはじめ、割譲された2万8,500平方キロメートルの土地を「中国固有の領土」として返還を求めていたのだ。   当初の要求と比べれば、今回引き渡された土地はごくわずか。中国が大幅に譲歩したこととなる。これには、中国国内でも不満の声が出ている。  しかし、中国取材を続けるルポライターの奥窪優木氏は、今回の領土引き渡しを「中国の外交勝利」だと話す。 「初めに本来要求したいもの以上の無理難題を吹っかけ、最終的には本来の要求を飲ませるというのは、中国人の典型的な交渉術です。例えば会社の給与交渉などにおいても、まずは希望給与の3倍くらいを提示するのが中国流。中国の狙いは、新領土の地下に豊富に眠っているとされる金やウランなどの鉱物資源なのです」  これはどこかでも聞いたような話ではないか。中国は、日本との間に東シナ海のガス田開発問題が表面化して以降、尖閣諸島はおろか沖縄に関してまでも「中国領土説」を展開している。日本がいつか「沖縄は無理だけど尖閣くらいなら」と言い出すのを、中国は虎視眈々と待っているのかもしれない......。 (文=高田信人)
タジキスタン:パミール高原の歌と音楽 中国って感じの雰囲気じゃなくね? amazon_associate_logo.jpg
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大型連休に沖縄を訪れた中国人が帰国後「中国帰属論」を展開中!

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首里城で展示されている「冊封使儀礼」の
模型を見る中国人観光客。
 10月1日、建国記念日にあたる国慶節を迎えた中国では、その後1週間の大型連休となっ た。中国旅遊研究院が発表したところでは、この連休を利用して海外を訪れたのは約220万人と見られ、前年同期比で10%以上の増加となる。  中でも今年、海外の旅行先として注目されたのが沖縄だ。  日本政府は今年7月1日より、沖縄で1泊以上滞在することを条件に、3年間回数無制限で日本に入国できる観光数次ビザを中国人に交付し始めたばかりだ。加えて9月1日には、単次ビザ取得の発給要件から「職業地位」が撤廃された。  こうした日本政府による中国人へのビザ発給が緩和されてから、初めての大型連休となった国慶節休みには、中国各地と那覇を結ぶチャーター便が続々と運行し、沖縄は多くの中国人旅行者で賑わった。  震災と原発事故から訪日外国人数が低迷している中、これはまさに歓迎すべき客、といいたいところだが、予期せぬ事態も起きている。沖縄を訪れた複数の中国人が帰国後、沖縄の「中国帰属論」を唱え始めているのだ。  中国版Twitterの「微博」には、沖縄と中国との文化的類似点を挙げ、琉球は中国の一部だったと主張するこんなつぶやきが。 「沖縄料理は、味も調理法も福建料理とほとんど同じだった」 「沖縄の伝統的建築物群を見たが、南陽市(河南省)の集落と類似点が多い」  さらにこんな強引な主張まで。 「首里城には明朝の冊封使を琉球王が下座で迎えている模型があった。沖縄県民は、琉球が中国の属国だったことを認め、日本からの解放を望んでいるということの現れではないか」  昨年9月には、共産党系新聞「環球時報」で在日中国大使館に勤務歴のある研究者が、「沖縄は、中国の属国だった琉球を明治政府が不法に侵略したもので、現在の日本には沖縄の領有権はない」「沖縄住民の75%が日本からの独立を望んでいる」などといったトンデモ論文を発表したことが記憶に新しい。  外国人旅行者が遠のいた日本の観光業回復に、中国人観光客が無視できない存在であることは確か。しかし、何らかの対策も講じられなければ「庇を貸して母屋を取られる」という事態にもなりかねない!? (文=高田信人)
TRAVEL・STYLE沖縄 2012 「めんそーれ」も中国語ですか? amazon_associate_logo.jpg
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ジョブズ氏の死をきっかけに密かに広がる「サムスン不買」の輪

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アップル公式サイトより
 IT業界のカリスマ、スティーブ・ジョブズの死去が全世界に衝撃を与える中、その前日に発表されたばかりのiPhone4Sは予約が殺到。未発売のジョブズの伝記も、予約段階で米Amazon第1位となっている。さらに、ジョブズが愛用していた黒いタートルネックまで売り切れ続出となるなど、ジョブズ氏にまつわる商品を対象に、"追悼買い"ともいえる現象が起きている。  その一方で、アップルと特許侵害に関する訴訟合戦を繰り広げて来たサムスン電子の製品には、不買運動の輪が広がりつつある。  熱狂的なMacユーザーが集まる米サイトの掲示板には、ジョブズの死後、「サムスンとの訴訟問題がなければ、アップルからもっと素晴らしい製品が世に出ていたかもしれない」というサムスンバッシングや、「ジョブズを弔うため、サムソン製品を廃絶しよう」という呼び掛けが書き込まれている。  また近年、反韓ムードが高まっている中国ではさらに辛らつだ。中国版Twitter「微博」には、 「サムスンのアップル製品の剽窃は、病に伏せるジョブズを苦しめた。人が弱ったところに攻撃を仕掛けるとは、韓国人のやりそうなこと」 「ジョブズ氏に哀悼の意を表し、今から家にあるサムスン電子製品を残らずたたき潰す!」  といったつぶやきが寄せられている。  当のサムスン電子は、10月11日に予定されていた、最新版のアンドロイド「アイスクリーム・サンドイッチ」を搭載した新型スマートフォン「Nexus Prime」の発売を延期した。また同社は、ジョブズの葬儀中はアップルに対する訴訟活動を停止するとも発表した。ともに、「ジョブズ氏に敬意を表するため」としているが、密かに広がる不買運動が過熱化することを警戒した措置だったのかもしれない。  死してなお宿敵を牽制するジョブズの存在感は、やはりカリスマといったところだ。 (文=高田信人)
スティーブ・ジョブズ I R.I.P amazon_associate_logo.jpg
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ハンマーでぶっ壊された上海ミスドが裁判で勝てない理由とは?

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中国版Twitter「微博」には、店舗を破壊
されて呆然とするミスド側スタッフと思われ
る男性の画像がアップされていた。
 上海市のミスタードーナツ(以下、ミスド)の店舗が、ビル管理会社にハンマーで破壊されてしまった「あの」事件。テレビで現地映像が繰り返し流れると、早速ネット上には「ふいたwww さすが中国」「やるやるとは聞いてたが......w」「ドーナツてるの?」など、いかにもな中国的騒動にコメントが殺到した。  こうした出来事を「中国ではいつものこと」と話すのは、上海にも事務所を持ち、中国事情に詳しいコンサルティング会社のA氏だ。契約期間が残っている段階で店子が大家から追い出されたり、追い出しを拒否すると店や家を破壊されたりするトラブルは、中国では珍しくないとA氏は言う。 「分かりやすい例では、北京オリンピックや上海万博の際、会場用地の確保のために、政府や政府系ディベロッパーらによる地上げや追い出しが横行しました。一応は別の土地を用意して引越しをさせるなどの措置も講じるのですが、そういう土地は交通の便が悪い辺鄙な場所が多い。それで民もあきらめるわけですから、それだけ『いつものこと』というわけです。その証拠に、この事件は中国より日本の方が詳しく報じていますよ」  そもそも、共産主義国家の中国ではすべての土地は国有となる。不動産として取引がなされているのは「所有権」ではなく「使用権」である。不動産業者は政府系のディベロッパーや投資会社などから長期賃借で借り上げ、その「使用権」を取引する。仮に政府が地代を一方的に上げるようなことがあれば、不動産業者も家賃を上げざるを得なくなり、ときには追い出しという事態にもなるという。 「大家の"横暴"を規制する条例も出てきていますから、マシにはなっている。とはいえ、この手の話では公安(日本の警察)を呼んでも、契約上の問題として民事扱いされて何もしてくれません」(A氏)  「民事扱い」ということは、言い換えれば民事訴訟を起こせば勝てるということか。今回は契約期間が4年残っていたといい、ミスド側も『契約期間中に立ち退きを要求する場合は3カ月以上前に書面で連絡をする義務がある』と主張。事実、同社では民事訴訟を起こす構えだと現地メディアは報じている。しかし、これにもA氏は厳しい見方をする。 「勝てる可能性もないことはないでしょう。ただ、裁判所も政府の影響を強く受けるというのが中国という国ですから、貸主が『政府系』だと厳しい戦いにはなりそうですね」  では、中国の法律家はこの点をどう見るのか。上海に事務所を構えるある中国人弁護士は、この「ミスド事件」を筆者からの問い合わせがあるまで「知らなかった」と答えた。 「中国ではもっと重大で甚大な権利侵害の事件が多いですから(笑)、このくらいの話ではメディアも大きく扱いませんしね。全然知りませんでした」(同弁護士)  民事訴訟を起こした場合の見通しについては、「契約内容の詳細を見ていないため、あくまで一般論でしか言えませんが」との前提のもと、「楽観視はできない」として次のように説明してくれた。 「まず基本的な構造として、中国では『貸す側』の方が『借りる側』より立場が強い。不動産需要がまだまだ強いこの国では、借り手がうるさいことを言うなら別の人に貸せばいいと大家は考えます。その力関係で契約書が作られてしまうので、どうしても貸す側に有利な内容となる場合が多いのです。また、今回の事件でビル管理会社側は、消防当局の指導に基づいて安全上の理由で避難通路の確保に迫られたと主張しています。これが本当なら、当局からの要請による不可抗力とみなされる可能性もあります」(同)  さらに、仮に勝訴した場合でも、どの程度の賠償金を得られるかは別問題だという。 「借り主はドーナツ屋さんですので、請求のポイントは『退去させられなければ得られたであろう店の利益』になるかと思いますが、そうした損害の発生や因果関係の立証は非常に難しく、ドーナツ屋側が期待する金額を認めさせるのは難しい。少なくとも日本やアメリカで起きた場合のような結果は望めないと思いますよ」  訴訟で勝っても負けても、ミスド側にとって見通しは厳しいというのが実情のようだ。ところで、無残にも破壊された店舗はいまどうなっているのだろうか。中国人関係者によれば「10月11日現在、ドーナツ屋の2階には新しくカラオケ店ができていて、元ドーナツ屋だった場所はただの通路になっている」とのこと。なんと、9月の"破壊"から1カ月未満の突貫工事でカラオケの新店舗ができてしまい、近日中に開店を控えているのだという。しかも、「日本の報道があまりに大きくて現地でも反響が出始めたので、警備員が4人も店の前に常駐している」という。つまり、そのカラオケ店を急遽作るために消防法上の理由から避難通路が必要になり、通路を作るために邪魔になったミスドが追い出されたという図式だ。  ちなみに、一般に中国でいう「カラオケ」とは、日本でいうキャバクラに似たサービスを提供する店が多く、中には「売春行為を斡旋している店もある」(前出の関係者)。今回のカラオケ店設営に政府系ディベロッパーが一部関与していることから、現地では「この店が政府関係者の接待用に使われるのではとのうわさもたっている」(同)という。  今回の店舗に関して売春のうわさが事実かどうかはさておき、契約を無視して追い出されたミスドとすれば、到底納得できる話ではない。まさに法が通用しない(?)「人治国家」中国。中国で飲食店を数店舗展開する日本人経営者は、「これがあるからこの国は怖い。すべてが政治マター。他人事ではない」と今後を懸念する。もっとも、今回、上海の弁護士を紹介してくれたある中国人記者は、「日本だって小沢(一郎)関連の裁判は、検察ファッショの要素が大きい。しかも、日本の記者は(記者)クラブに出禁にならないように、検察批判を書けないとも聞いている。言論の自由なんてないではないか。あまり中国ばかりたたかないでほしい」と反論されてしまった。「中国も問題は多いけど、日本もいろいろ見直すべき点があると思う」との指摘には、謙虚に耳を傾ける必要があるかもしれない。 (文=浮島さとし)
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ジョブズ氏追悼番組で茂木健一郎が「Windows大嫌い」 元マイクロソフト副社長がマジギレ

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 アップルの前CEOのスティーブ・ジョブズ氏が亡くなり、6日、ニコニコ生放送で『追悼スティーブ・ジョブズ』と題された特番が放送。2ちゃんねる元管理人・ひろゆき、アスキー創業者で元マイクロソフト副社長の西和彦、脳科学者の茂木健一郎らがジョブズ氏の功績を讃えた。だが、その席での茂木の発言に西がマジギレ。追悼番組らしからぬ波乱の展開となった。  熱狂的なマカー(マックユーザー)である茂木は「(マイクロソフトの)MS-DOSもWindowsは大嫌い」と断言。続けて「これがすごい大事なポイントでコンピューティングって、アルゴリズムの優劣がコンピューティングじゃなくて、人間の脳からするとエクスペリエンス(体験)全体がコンピューティングなわけ。だから、例えばiPhoneの作り込み、これがコンピューティング。それがアップル以外の会社にはあまり理解されていないんだと思う。だからWindowsは、とにかく使っている時間に比例して嫌になっちゃうんですよ。もう耐えられない。ユーザーインターフェースの悪さから」とまくしたてた。  直感的な操作が可能だと評されるマックを評価するあまりヒートアップする茂木。それに対して、激昂したのが隣に座っていた西だった。  「さっきからいい加減なことを言うなよ。気分悪いこと言うなあ。そんなこと言い続けるなら帰るよ。あなたが勝手にそういうこと考えるならいいけど、テレビで言うなよ。気分悪いな。馬鹿野郎。自分で(OSを)作ったことないのにそんなこと言うなよ」  西は次第に語気を強め、スタジオは不穏な雰囲気に。ニコ生だが、テレビと表現してしまうほど西は、怒りを抑えられなかったようだ。それに対して、茂木は「僕の考えだからいいじゃないですか」と自分を正当化したのだった。あるITジャーナリストは次のように明かした。 「西は、過去に自身のコラムで2ちゃんねるを『便所の落書きみたいなもの』と評し、ウィキペディアを『真実と嘘と無知と偏見と嫉妬と虚栄が混じったネットの肥溜みたいなもの』を表現。彼はネットの悪評などに過敏で、過去には自ら掲示板・1ch.tvをプロデュースしたこともあるほど(現在は閉鎖)。茂木もまた、京大入試問題漏洩事件の際に『クズ新聞、クズテレビ、クズ大学』とTwitterに書くなど、感情に流されやすいタイプ。ジョブズ氏の追悼番組で醜態をさらして、どっちもどっちですね」  それぞれ権威のある二人が追悼番組で見せた愚かさ。だが、優れた研究者や開発者にはこのようにあえて空気を読まず自分の主張を口にすることを重要なのかもしれない。ジョブズ氏もこの二人に草葉の陰でこう見守っているかもしれない。「Stay hungry,stay foolish.(ハングリーであり続けろ、愚か者であり続けろ)」と。
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「本を通じて何ができるか」凸版印刷・ブックワゴンと仮設住宅のいま

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図書館としてのクオリティーも高いブックワゴン。
 凸版印刷をはじめとするトッパングループが行っている、東日本大震災被災地域の仮設住宅を巡回する移動図書館「ブックワゴン」の活動がまもなく4カ月目を迎える。これは、普段から本や印刷物を身近に感じ、本好きが多い印刷会社としてできる復興支援をしたいという社員の声から始まった活動だ。マイクロバスを改造した2台のブックワゴンにそれぞれ2,500冊ほどの本を積み込み、仙台市内の仮設住宅10カ所を巡回している。ワゴンを運営するのは、もちろんトッパン社員。社内公募で選ばれたスタッフが週交代で業務に当たっている。「本と人がふれあう場を提供する」というコンセプトのもと行われているこの活動は、いま仮設住宅において重要課題となっている"コミュニティーづくり"のひとつのきっかけになるのではないか。トッパンブックワゴン事務局に話を聞いた。 ――移動図書館「ブックワゴン」は7月からスタートし、現在までに約3,000名が利用されているそうですが、この話が社内で持ち上がったのはいつごろなんですか? ブックワゴン東京事務局 櫻田かよさん(以下、櫻田) 震災直後からトッパンとして被災地にどのような支援ができるのか社内でいろいろと話し合っていたんですが、その中でこのプロジェクトの発起人である2名の社員から、こういうことをやってみたらどうかというアイデアが出てきたんです。 CSR推進室 山本正己さん(以下、山本) ブックワゴンは弊社としても初めての取り組みだったんですが、3月末には一度現地に入り、震災から1カ月経たないうちに具体的に動き出しました。ブックワゴンを始めるにあたり、トッパンらしい活動であること、全社員が参加できる活動であること、長期的に活動すること、という3つの指標を決め、企画を進めていきました。
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ワゴンの製造風景。
――ワゴンが動き出すまで準備期間が3カ月ありました。この時期を選んだのには何か特別な理由があるのですか?  山本 移動図書館という本を読んでもらう行為が、現地の復興のフェーズに対してどうフィットするのか分からなかったのでタイミングを見ていたという面もありますが、仮説住宅が立ちあがる時期をひとつの目標にしていました。まだみなさんが避難所にいる段階ではなく、仮設住宅に入って少しでも気持ちが落ち着いたときでないと、この活動の意味がないのではないかと思いまして。 ――全国のトッパングループ社員から約2,000冊の本が寄贈されたそうですね。 櫻田 限りなく新刊に近い本で、社員一人一人が仮設住宅に入居されている人に読んでもらいたい本を選んで寄贈してほしいということをお願いしました。本のおすすめポイントや感想などが書き込めるフォーマットを用意し、それを本の表紙裏に貼って寄贈してもらっています。当初は1,000冊くらいを目標としていたんですが、最終的には倍以上集まりました。中には一人で10冊以上送ってくれた社員も。売れ筋の本だけでなく、印刷会社ならではのマニアックな本もありましたね。その他にも、「<大震災>出版対策本部」をはじめとする、さまざまな団体・企業のみなさまからも寄贈をいただき、幅広いジャンルの本を収集することができました。
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全国から集まった社員の寄贈本。
一冊一冊、メッセージが添えられている。
――週交代で4人のスタッフがワゴンに乗り込み活動されているそうですが、どのような方が参加されているのですか? 櫻田 このプロジェクトは現段階で2012年3月末まで行うことが決まっているんですが、計132名が参加予定です。1、2日では現地の状況や仕事に慣れないまま行って帰ってくるだけで終わってしまうので、1週間すべて参加できる人に限って応募してもらっています。男女比はちょうど半々くらい。20代中盤から30代前半くらいの社員が比較的多いですね。募集枠に対して応募人数の方が多いんですが、いまブックワゴンをご利用いただいているお客様は、小さなお子さんからご高齢の方まで本当にいろんな方がいらっしゃるので、現地でさまざまなニーズに対応できるよう年齢層や性別がバラけるように留意しています。ブックワゴン事務局は東京と仙台にあり、仙台には3名のスタッフが常駐しています。現地で活動するスタッフには、本の貸し出しや本を探すお手伝いをしたり、現地の方との会話を通じて、ほっとやすらげる空間づくりをしてもらうよう、お願いしています。 ――プロジェクトを立ち上げる上で、一番苦労したのはどんなところですか? 櫻田 現地の方々との調整ですね。すごくデリケートな部分だったので時間を要しました。最初は本当に何も分からず、仮設住宅それぞれを管理されている方がいるのかどうかも分からない状況でした。今回は現地で復興支援活動をされている「NPOみやぎ・せんだい子どもの丘」「株式会社デュナミス」の方々にご協力いただいてワゴンを運営しているんですが、彼らと一緒に巡回する予定の仮設住宅に住んでいらっしゃる方の家を一軒一軒まわって、「今度こういうのをやるんですが、どうですか?」と話を聞くこともありました。  実際に現地に行くまではこのプロジェクトがどう受け止められるか、その温度感がまったく分からず不安はありましたし、仮設住宅にはすごくたくさんのボランティアの方が来ていたので、その中でどう会話を切り出していいのか、今後どう住民の方々と交流を持っていけばいいのか戸惑いましたね。
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オルゴールの音を鳴らして、ワゴンの到着を知らせる。
――現地の方々の反応はいかがですか? 櫻田 こちらが思っていた以上に、みなさん最初から好意的に受け入れてくださいました。そういう意味では、タイミングがすごく重要だったのかなと思いますね。NPOのみなさんも、「なんだかんだいっても、来てくれて何かしてくれるのはうれしいよ」「企業が自ら行動を起こして何かをやってくれるのはありがたい」と言ってくれています。 ――ブックワゴンに参加したスタッフの感想が現在ホームページにアップされていますが、「本が住民の方々の心のサポートにとても役立っていることを実感した」「本が日常に戻るきっかけをつくってくれている」など、本の力を感じた、という意見が多いですね。 櫻田 本というのはモノとしての価値だけではなくて、本と出会うことで記憶が蘇ったり、本を読むことで気持ちが楽になったり励まされたりするんですよね。もともと本を届けるというよりは、本を通じて生まれるコミュニケーションを届けようというのが活動のベースにあったのですが、現地の方々とコミュニケーションを取っていく中で、やっぱりそちらの方が大事だと気付かされました。 ■仮設住宅の様子 ――現在は仙台市内10カ所の仮設住宅を巡回していますが、巡回先はどのようにピックアップされたんですか? 櫻田 弊社の事業部が仙台にあるので、まずは仙台から一緒に盛り上げていきたいという思いがありました。巡回先10カ所は、NPOの方々に相談しながら、仮設住宅の入居率や、物理的にこのワゴンを駐車するスペースがあるかなども加味して決めました。巡回している仮設住宅の規模はさまざまで、一番大きい「あすと長町」は約240戸、一番小さい「高砂1丁目」は約30戸ですね。 ――仮設住宅の周辺はどのような環境なんですか? 櫻田 場所によって違いますが、だいたい元々ある公園の敷地内に建てられているケースが多いので、住宅地の真ん中だったり、隣接した場所にあります。あとは商業施設の建設予定地や小学校の建設予定地のグラウンドなども。元々人が住んでいるエリアに被災者の方々がバラバラに一気に引っ越してきた感じなので、当初はご近所づきあいもなにもない状況のようでした。 ――お互いコミュニケーションを取りたくてもどうしたらいいのか分からない、という面もありますよね。それこそ、ブックワゴンがそういったつながりを持つ場として機能しそうですが、仮設住宅以外に住む人もブックワゴンを利用しているんですか?
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少しずつ、横のつながりができ始めている。
櫻田 最初は仮設住宅に住む人にご利用いただきたいと活動していたので周辺住民の方には宣伝していなかったんですが、活動が安定してからは近くの児童館にご協力いただいて、児童館に来ているお子さんたちに広めてもらったりしました。現在では近隣の人も利用してくれています。  トッパンスタッフが現地に行ってみなさんのお話を聞くことも重要だとは思っていますが、わたしたちは半永久的にここで活動ができるわけではないので、現地の方々同士がどうしたらコミュニケーションをより図れるようになるのか、そういったことを考えながら活動することが大事だと思っています。 ――他のボランティアの方はどのような活動をされているのでしょうか? 櫻田 仮設住宅にはそれぞれ集会所か談話室というみなさんが集えるスペースが設けられていているのですが、そういった場所を利用してお茶会や交流会を行い、住民の方のお話を聞いたり、木の板に表札を書くボランティアや、仮設住宅内の使い勝手が悪いところを直す地元の大学生の団体もいましたね。 ――ボランティアとして現地で活動する中で、仮設住宅の問題点はどこにあると思われますか? 櫻田 個人的な意見になりますが、少しずつコミュニティーができ上がる一方で、いつかみんなここを出て行かなければならない。住民のみなさんそれぞれが住宅を出るタイミングには差が出てきます。どんどん人が出て行くのは喜ばしいことではあるけれど、残される人が受ける心の傷はとても大きいですし、そういった方々がどういうモチベーションで自立に向けて歩んでいくのかというのは、すごく難しい問題だと思います。2年間という期限が設けられた中でどう関係性を築いていくのか。若い世代が先に出て、高齢者ほど遅くなる。高齢者だけになってしまったときに出てくる問題というのもあると思います。ただ、現在仮設住宅にいらっしゃるみなさんはおそらく復興住宅に入っていくことになると思いますので、コミュニティーをつくるという過程や経験、つくられたコミュニティーがいかに大切かということは、復興住宅でも活きていくものだと思います。 ■今後の課題 ――現在はワゴン2台、仙台市内10カ所のみでの活動ですが、今後エリアを増やしていく予定はあるんですか?
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本日も巡回中です。
櫻田 ちょうど検討しているところです。だいぶ運営も慣れてきたので、要望があるところや、ニーズがありそうなところを広げていければと思っています。 ――このプロジェクトの核は「仮設住宅の新しいコミュニティーづくりや、さまざまな団体の活動のきっかけをつくる」ということでもありましたが、その手ごたえを感じていますか? 櫻田 ブックワゴンのようにいろいろな人が集まってこられる場所を持つことによって、新しいつながりができたり、会話が生まれたりするので、住民の方同士のコミュニケーションづくりには非常に効果があるのではないかと思っています。これから先、仮設住宅の中で自治組織ができ上がって住民の方たちが一歩先に進まれる中で、ブックワゴンとして何ができるのかということはもっと深く考えていかなければならないと思っています。本というのは、空いてしまった心の溝を埋めることもできますし、それぞれの方が今後、自立して元の生活に戻っていくにあたって必要な実用的な知識を届けるということもできます。復興のフェーズに合わせて、わたしたちがどういう本を届けていったらいいのか考えていくことは、みなさん同士のつながりやコミュニティーづくりに貢献できるのではないかと思います。  今後はわたしたちだけでなく、ほかの企業や自治体、あるいは地域の図書館という可能性もあるかもしれませんが、さまざまな方と連携して何かできればいいなと思っています。ただ、わたしたちは、「本を通じて何ができるか」ということに最後までこだわって活動していきたいですね。 (取材・文=編集部) ●ブックワゴン トッパングループが行っている、東日本大震災被災地域の仮設住宅を巡回する移動図書館。2台のブックワゴンが、本と人とがふれあう場を提供している。2011年7月~2012年3月末まで社員自らがスタッフとして同乗し、活動を行う。 <http://bookwagon.jp/
ぼくのいい本こういう本―1998‐2009ブックエッセイ集 応援したい。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 「写真はここで生きていたという証」被災者の思い出を取り戻す、被災写真洗浄ボランティア 【6.11 SHARE FUKUSHIMA】大破したコンビニでチャリティーライブ 被災地"圏内"に響く歌声 日本科学未来館に聞く、3.11の教訓とこれからの科学

「本を通じて何ができるか」凸版印刷・ブックワゴンと仮設住宅のいま

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図書館としてのクオリティーも高いブックワゴン。
 凸版印刷をはじめとするトッパングループが行っている、東日本大震災被災地域の仮設住宅を巡回する移動図書館「ブックワゴン」の活動がまもなく4カ月目を迎える。これは、普段から本や印刷物を身近に感じ、本好きが多い印刷会社としてできる復興支援をしたいという社員の声から始まった活動だ。マイクロバスを改造した2台のブックワゴンにそれぞれ2,500冊ほどの本を積み込み、仙台市内の仮設住宅10カ所を巡回している。ワゴンを運営するのは、もちろんトッパン社員。社内公募で選ばれたスタッフが週交代で業務に当たっている。「本と人がふれあう場を提供する」というコンセプトのもと行われているこの活動は、いま仮設住宅において重要課題となっている"コミュニティーづくり"のひとつのきっかけになるのではないか。トッパンブックワゴン事務局に話を聞いた。 ――移動図書館「ブックワゴン」は7月からスタートし、現在までに約3,000名が利用されているそうですが、この話が社内で持ち上がったのはいつごろなんですか? ブックワゴン東京事務局 櫻田かよさん(以下、櫻田) 震災直後からトッパンとして被災地にどのような支援ができるのか社内でいろいろと話し合っていたんですが、その中でこのプロジェクトの発起人である2名の社員から、こういうことをやってみたらどうかというアイデアが出てきたんです。 CSR推進室 山本正己さん(以下、山本) ブックワゴンは弊社としても初めての取り組みだったんですが、3月末には一度現地に入り、震災から1カ月経たないうちに具体的に動き出しました。ブックワゴンを始めるにあたり、トッパンらしい活動であること、全社員が参加できる活動であること、長期的に活動すること、という3つの指標を決め、企画を進めていきました。
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ワゴンの製造風景。
――ワゴンが動き出すまで準備期間が3カ月ありました。この時期を選んだのには何か特別な理由があるのですか?  山本 移動図書館という本を読んでもらう行為が、現地の復興のフェーズに対してどうフィットするのか分からなかったのでタイミングを見ていたという面もありますが、仮説住宅が立ちあがる時期をひとつの目標にしていました。まだみなさんが避難所にいる段階ではなく、仮設住宅に入って少しでも気持ちが落ち着いたときでないと、この活動の意味がないのではないかと思いまして。 ――全国のトッパングループ社員から約2,000冊の本が寄贈されたそうですね。 櫻田 限りなく新刊に近い本で、社員一人一人が仮設住宅に入居されている人に読んでもらいたい本を選んで寄贈してほしいということをお願いしました。本のおすすめポイントや感想などが書き込めるフォーマットを用意し、それを本の表紙裏に貼って寄贈してもらっています。当初は1,000冊くらいを目標としていたんですが、最終的には倍以上集まりました。中には一人で10冊以上送ってくれた社員も。売れ筋の本だけでなく、印刷会社ならではのマニアックな本もありましたね。その他にも、「<大震災>出版対策本部」をはじめとする、さまざまな団体・企業のみなさまからも寄贈をいただき、幅広いジャンルの本を収集することができました。
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全国から集まった社員の寄贈本。
一冊一冊、メッセージが添えられている。
――週交代で4人のスタッフがワゴンに乗り込み活動されているそうですが、どのような方が参加されているのですか? 櫻田 このプロジェクトは現段階で2012年3月末まで行うことが決まっているんですが、計132名が参加予定です。1、2日では現地の状況や仕事に慣れないまま行って帰ってくるだけで終わってしまうので、1週間すべて参加できる人に限って応募してもらっています。男女比はちょうど半々くらい。20代中盤から30代前半くらいの社員が比較的多いですね。募集枠に対して応募人数の方が多いんですが、いまブックワゴンをご利用いただいているお客様は、小さなお子さんからご高齢の方まで本当にいろんな方がいらっしゃるので、現地でさまざまなニーズに対応できるよう年齢層や性別がバラけるように留意しています。ブックワゴン事務局は東京と仙台にあり、仙台には3名のスタッフが常駐しています。現地で活動するスタッフには、本の貸し出しや本を探すお手伝いをしたり、現地の方との会話を通じて、ほっとやすらげる空間づくりをしてもらうよう、お願いしています。 ――プロジェクトを立ち上げる上で、一番苦労したのはどんなところですか? 櫻田 現地の方々との調整ですね。すごくデリケートな部分だったので時間を要しました。最初は本当に何も分からず、仮設住宅それぞれを管理されている方がいるのかどうかも分からない状況でした。今回は現地で復興支援活動をされている「NPOみやぎ・せんだい子どもの丘」「株式会社デュナミス」の方々にご協力いただいてワゴンを運営しているんですが、彼らと一緒に巡回する予定の仮設住宅に住んでいらっしゃる方の家を一軒一軒まわって、「今度こういうのをやるんですが、どうですか?」と話を聞くこともありました。  実際に現地に行くまではこのプロジェクトがどう受け止められるか、その温度感がまったく分からず不安はありましたし、仮設住宅にはすごくたくさんのボランティアの方が来ていたので、その中でどう会話を切り出していいのか、今後どう住民の方々と交流を持っていけばいいのか戸惑いましたね。
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オルゴールの音を鳴らして、ワゴンの到着を知らせる。
――現地の方々の反応はいかがですか? 櫻田 こちらが思っていた以上に、みなさん最初から好意的に受け入れてくださいました。そういう意味では、タイミングがすごく重要だったのかなと思いますね。NPOのみなさんも、「なんだかんだいっても、来てくれて何かしてくれるのはうれしいよ」「企業が自ら行動を起こして何かをやってくれるのはありがたい」と言ってくれています。 ――ブックワゴンに参加したスタッフの感想が現在ホームページにアップされていますが、「本が住民の方々の心のサポートにとても役立っていることを実感した」「本が日常に戻るきっかけをつくってくれている」など、本の力を感じた、という意見が多いですね。 櫻田 本というのはモノとしての価値だけではなくて、本と出会うことで記憶が蘇ったり、本を読むことで気持ちが楽になったり励まされたりするんですよね。もともと本を届けるというよりは、本を通じて生まれるコミュニケーションを届けようというのが活動のベースにあったのですが、現地の方々とコミュニケーションを取っていく中で、やっぱりそちらの方が大事だと気付かされました。 ■仮設住宅の様子 ――現在は仙台市内10カ所の仮設住宅を巡回していますが、巡回先はどのようにピックアップされたんですか? 櫻田 弊社の事業部が仙台にあるので、まずは仙台から一緒に盛り上げていきたいという思いがありました。巡回先10カ所は、NPOの方々に相談しながら、仮設住宅の入居率や、物理的にこのワゴンを駐車するスペースがあるかなども加味して決めました。巡回している仮設住宅の規模はさまざまで、一番大きい「あすと長町」は約240戸、一番小さい「高砂1丁目」は約30戸ですね。 ――仮設住宅の周辺はどのような環境なんですか? 櫻田 場所によって違いますが、だいたい元々ある公園の敷地内に建てられているケースが多いので、住宅地の真ん中だったり、隣接した場所にあります。あとは商業施設の建設予定地や小学校の建設予定地のグラウンドなども。元々人が住んでいるエリアに被災者の方々がバラバラに一気に引っ越してきた感じなので、当初はご近所づきあいもなにもない状況のようでした。 ――お互いコミュニケーションを取りたくてもどうしたらいいのか分からない、という面もありますよね。それこそ、ブックワゴンがそういったつながりを持つ場として機能しそうですが、仮設住宅以外に住む人もブックワゴンを利用しているんですか?
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少しずつ、横のつながりができ始めている。
櫻田 最初は仮設住宅に住む人にご利用いただきたいと活動していたので周辺住民の方には宣伝していなかったんですが、活動が安定してからは近くの児童館にご協力いただいて、児童館に来ているお子さんたちに広めてもらったりしました。現在では近隣の人も利用してくれています。  トッパンスタッフが現地に行ってみなさんのお話を聞くことも重要だとは思っていますが、わたしたちは半永久的にここで活動ができるわけではないので、現地の方々同士がどうしたらコミュニケーションをより図れるようになるのか、そういったことを考えながら活動することが大事だと思っています。 ――他のボランティアの方はどのような活動をされているのでしょうか? 櫻田 仮設住宅にはそれぞれ集会所か談話室というみなさんが集えるスペースが設けられていているのですが、そういった場所を利用してお茶会や交流会を行い、住民の方のお話を聞いたり、木の板に表札を書くボランティアや、仮設住宅内の使い勝手が悪いところを直す地元の大学生の団体もいましたね。 ――ボランティアとして現地で活動する中で、仮設住宅の問題点はどこにあると思われますか? 櫻田 個人的な意見になりますが、少しずつコミュニティーができ上がる一方で、いつかみんなここを出て行かなければならない。住民のみなさんそれぞれが住宅を出るタイミングには差が出てきます。どんどん人が出て行くのは喜ばしいことではあるけれど、残される人が受ける心の傷はとても大きいですし、そういった方々がどういうモチベーションで自立に向けて歩んでいくのかというのは、すごく難しい問題だと思います。2年間という期限が設けられた中でどう関係性を築いていくのか。若い世代が先に出て、高齢者ほど遅くなる。高齢者だけになってしまったときに出てくる問題というのもあると思います。ただ、現在仮設住宅にいらっしゃるみなさんはおそらく復興住宅に入っていくことになると思いますので、コミュニティーをつくるという過程や経験、つくられたコミュニティーがいかに大切かということは、復興住宅でも活きていくものだと思います。 ■今後の課題 ――現在はワゴン2台、仙台市内10カ所のみでの活動ですが、今後エリアを増やしていく予定はあるんですか?
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本日も巡回中です。
櫻田 ちょうど検討しているところです。だいぶ運営も慣れてきたので、要望があるところや、ニーズがありそうなところを広げていければと思っています。 ――このプロジェクトの核は「仮設住宅の新しいコミュニティーづくりや、さまざまな団体の活動のきっかけをつくる」ということでもありましたが、その手ごたえを感じていますか? 櫻田 ブックワゴンのようにいろいろな人が集まってこられる場所を持つことによって、新しいつながりができたり、会話が生まれたりするので、住民の方同士のコミュニケーションづくりには非常に効果があるのではないかと思っています。これから先、仮設住宅の中で自治組織ができ上がって住民の方たちが一歩先に進まれる中で、ブックワゴンとして何ができるのかということはもっと深く考えていかなければならないと思っています。本というのは、空いてしまった心の溝を埋めることもできますし、それぞれの方が今後、自立して元の生活に戻っていくにあたって必要な実用的な知識を届けるということもできます。復興のフェーズに合わせて、わたしたちがどういう本を届けていったらいいのか考えていくことは、みなさん同士のつながりやコミュニティーづくりに貢献できるのではないかと思います。  今後はわたしたちだけでなく、ほかの企業や自治体、あるいは地域の図書館という可能性もあるかもしれませんが、さまざまな方と連携して何かできればいいなと思っています。ただ、わたしたちは、「本を通じて何ができるか」ということに最後までこだわって活動していきたいですね。 (取材・文=編集部) ●ブックワゴン トッパングループが行っている、東日本大震災被災地域の仮設住宅を巡回する移動図書館。2台のブックワゴンが、本と人とがふれあう場を提供している。2011年7月~2012年3月末まで社員自らがスタッフとして同乗し、活動を行う。 <http://bookwagon.jp/
ぼくのいい本こういう本―1998‐2009ブックエッセイ集 応援したい。 amazon_associate_logo.jpg
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中国のネット文化が2ちゃん化!? 5億人のネットユーザーは共産大国を変えられるか

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中国版Twitter上に開設された「上海地下鉄10号線追突事故特設サイト」。
書き込みは早くも300万件を超えた。
 中国・上海で起きた地下鉄10号線の追突事故で、5億人といわれる中国ネットユーザーが不満を爆発させている。  事故の主な原因については、昨年の上海万博までの開業を当局が急ぐあまり、信号システムの竣工検査を十分に行わないままに運行を開始したためだと判明。現地報道によれば、10号線の工期は予定より8カ月も遅れていたという。ずさんな施工管理の全貌が明らかになるにつれ、ネット上では「この国は腐り切っている!」「政府の人間を全員クビにしろ!」など、辛らつな書き込みが殺到している。  中国では7月に浙江省温州市で高速鉄道の大事故が発生し、事故原因や死者数の真相究明を求めるネットユーザーにより、中国版Twitter「新浪微博」は政府批判で炎上した。今回もその「新浪微博」内に「地下鉄10号線追突事故特設サイト」が立ち上がるなどの盛り上がりを見せており、書き込み数は日本時間の29日正午現在で307万3,567件に達した。中には事故車両に乗り合わせていた乗客が、車内から事故直後の様子をリアルタイムで実況し、血まみれのケガ人を撮影した生々しい写メ画像をアップするなど、ネット上での波紋は広がるばかりだ。
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事故直後の様子は、多くのユーザーによりリアルタイムで中継された。
 一方、ストレートに怒りを爆発させるばかりでない。ネット特有のユーモアを交えて、政府批判や世相を風刺するユーザーも現れている。発端は、中国国営テレビのCCTVが、同事故を「上海地下鉄10号線で"軽度の"追突事故がありました」と報道してしまった一件。これがネット上での燃料投下となってさらに炎上を拡大させ、「そういえばわが国の高官は"軽度"に腐敗してるね」「物価が"軽度に"上がってる」など、ユーザーらの間では「軽度」という表現をパロディー化する遊びがブーム化しているという。  そこで、中国のネットユーザーがどんなセンスで政府批判をしているのか、現地コーディネーターに依頼してネット上から「軽度パロディー」を以下に拾い出してもらった。 ・国民は軽度に税金負担をする ・家の価格が軽度に高騰中 ・消費者物価指数が相変わらず軽度に上昇 ・都市建設では軽度に金の無駄遣いがされている ・司法官は軽度に賄賂を受けているらしい ・中国の統計は軽度に水増しされている ・国内ニュースは軽度に捏造 ・政府高官は軽度に腐敗 ・就職活動で軽度に父親につなぐつもり  以上はすべて中国版Twitter「新浪微博」から抽出したものだが、今回コーディネーターとして拾い出しをしてくれた中国人A氏(32歳)は、ネット上に今の中国社会の矛盾のすべてが反映されていると指摘する。さらに「日本の2ちゃんねるのような」(A氏)ユーモラスな風刺コメントが増えたことに、中国におけるネット文化の成熟さが見てとれて興味深いと言う。
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「追突事故後、ガラガラに空いた地下鉄に完全防備で挑む乗客」に扮した画像が
Twitterにアップされた。こうしたユーモアを交えた世相批判も
増えているという。
「中国は深刻なインフレに悩まされながらも、マンションの空室が一部で目立ち始めるなど、不動産バブルの崩壊もささやかれています。また、共産党幹部の腐敗や、メディア統制にも、国民は心底うんざりしています。それらの不満のすべてがネット上に拡散してますね。サンプルの最後にあげた『就職活動で軽度に父親につなぐつもり』は、日本人には少し理解しづらいかもしれませんが、中国では共産党幹部や富裕層など権力者の子息たちが、ことあるごとに父親の名前を使って世渡りする場面が見受けられます。本来、共産主義社会にはないはずの不公平に対するイラつきに、冗談を交えつつ怒りを表現しているわけです」  今や中国の国民は、テレビや新聞をまったく信用していないというのが一般的な見方。代わりに台頭したのがネット情報だ。「国家インターネット情報弁公室」の発表によれば、中国国内のインターネット普及率は40%に近づき、ユーザー数は5億人を突破した。中国のネットユーザーはTwitterなどのプラットホーム上に「真実」を求め、そこで行われるユーザー同士の情報交換を通して思考を形成しているのが特徴的だ。それに伴い、当局は高速鉄道の事故以降、ネットショッピングサイト「淘宝網(Taobao)」での仮想プライベートネットワーク(VPN)製品の販売停止命令を通知するなど、ネット規制を強固に推し進めている。「仮に第2の天安門事件が起こるとすればネットが起爆剤となることは間違いない」(A氏)と多くの関係者が指摘する通り、中国の未来を知るにはネット上の声をつぶさに観察し続ける必要がありそうだ。 (文=浮島さとし)
中国危うい超大国 危なすぎでしょ! amazon_associate_logo.jpg
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グルになって原告をダマす!? 弁護士と裁判官の"不適切な"関係

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東京地方裁判所。裁判官自ら同所内を
ガイドしてくれるツアーも実施している。
(画像はウィキペディアより)
「あなたね、私にこの証拠資料を全部読めって言うんですか? そんな暇ないですよ! 和解って言ったら、和解なんですよ!」  数年前にA氏(原告)が不当配置転換取り消しを求めて、勤務先である某大手メーカー(被告)を相手に起こしたある民事訴訟。A氏は、第1回と第2回口頭弁論の間に行われた裁判官、原告、弁護士による会議(後述参照)で、裁判官から和解を促されたが、「何とか判決を出してほしい」と嘆願していた。すると裁判官がバンバン机をたたきながら声を荒げ発したのが、冒頭の言葉である。A氏はその姿を見て、それまで抱いていた「冷静かつ公平な裁判官」というイメージが、一気に崩れたという。  ローソン子会社訴訟(5月判決)【註1】、JR西日本訴訟(7月判決)【註2】、オリンパス訴訟(8月判決)【註3】など、社員が勤務先の会社を相手に起こした民事訴訟で、原告側が勝訴する例が相次いでいる。しかし、これらのように原告の主張が認められ無事勝訴に至ることは未だに少なく、「その裏では、多くの原告が不条理ともいえる裁判の犠牲となり、泣き寝入りを強いられるケースが多い」(労働組合幹部)という。  その実態を探るため、前述のA氏の民事裁判を取材すると、そこには、裁判官と弁護士の"不適切"ともいえる関係が垣間見えてきた(なお、A氏のプライバシー保護のため、以降、一部曖昧な表現があることをご容赦いただきたい)。  まず、この裁判が始まって間もなく原告のA氏は、依頼人であるA氏の意向をことごとく無視する弁護士の姿勢に疑念を抱いたという。  「私の主張は、とにかく会社が私に行った一連の非人道的な行為の非を認めてもらいたい、不当配置転換を取り消して欲しいという点だけでした。ですので、それをA社が認めない限り、和解【編註:原告側と被告側が互いに譲歩し、争いを止める合意をすること。勝訴/敗訴の判決は出ない】などで妥協する気はまったくありませんでした。もちろん弁護士にも、その強い意向を伝えていましたが、弁護士はことあるごとに私に、『訴訟が公になったことで、あらぬ風評被害を会社側へ与え、ブランドを傷つけたことを詫びる』『配置転換を受け入れる』『和解金は受け取らない』という一方的に会社側が有利な内容で和解をするよう促してきました」(A氏)  こうして、原告と弁護士の意思疎通がぎくしゃくしたまま始まった裁判の途中で、弁護士は原告に対し、「和解は判決で勝訴を得るためのステップですので、戦略的に一旦和解しましょう」と提案してきた。A氏は「判決での勝訴を目指すのであれば」と、弁護士の言葉を信じて、その方向で裁判は進んだが、のちに弁護士は信じられない行為に及んだという。  「実は弁護士が和解して裁判を終わらせようとしていたことが判明し、弁護士に抗議しましたが、なんと弁護士は私の許可なく勝手に和解案を作成して、裁判官にFAXで送付するという暴挙に出たのです【編註:民事訴訟法上、和解が成立した時点で裁判は終了してしまうため、「和解成立後に再度判決を得るのは、実務上極めて困難」(労働問題に詳しい弁護士)】。正式な和解申し入れではなかったため、結局成立には至りませんでしたが、自分の味方をしてくれるはずの弁護士、裁判官、そしてもちろん被告側の全員が敵だと分かったときは、本気で自殺を考えました」(A氏)  そしてA氏は裁判を通じて、裁判官の驚くべき実態も知ることになる。  民事裁判は、原告と被告、及び両者の弁護士が裁判官をはさみ、法廷で主張や事実内容を争う「口頭弁論」が数回行われた後、最後の口頭弁論=結審を経て、通常その1〜2ヵ月後に判決が出される。実際にはその口頭弁論とは別に、法廷外の会議室などで、裁判官、原告、弁護士で裁判の争点や証拠の整理を行う会議(弁論準備手続きなど。通常、原告側と被告側に分けて別々に実施される)が開催される。第1回と第2回口頭弁論の間に実施された最初の会議で、裁判官もA氏に対してしきりに和解を勧めた。しかしその内容は、「配置転換を受け入れる」など到底合意できない内容であったため、A氏は和解ではなく判決を出してもらうよう求めたときの光景は、すでに冒頭で述べたとおりである。  「弁護士の『一旦和解』という偽りの戦術に乗ってしまったため、原告と被告双方が和解する前提で裁判が進み、結審を迎えようとしていました。しかし、弁護士にだまされていたことに気づいた私は、結審数日後に開かれた最後の会議で、和解を拒否し判決を求めたため、会議は大混乱となりました」(A氏)  A氏の話をもとに、その混乱模様を以下に再現してみよう。 裁判官(以下、裁)「それで、やはり和解はしないのですか?」 弁護士(以下、弁)「Aさんも十分に言いたいことは言いましたし、反省もしていますので、和解ということで......」 Aさん(以下、A)「ですから、和解はしません。判決を出してください」 「(裏返った声で)わがままを言うのも、いい加減にしなさい!」 「(Aをにらみ、机をたたきながら)ですから、和解! 和解しかないんですよAさん!」 A「裁判官、この人は私のただの代理です! 話を聞く必要はまったくありません! 今ここでクビにします! 私の話だけを聞いてください!」 「結構です。私は代理人を降ろさせていただきます!」 「(弁護士をにらみつける)」 「いや、ですから、そう意味ではなくて、降りるというのは撤回します......」  その後弁護士は、原告が裁判当初から何度も「払わせてくれ」とお願いしても、なぜか受け取りを拒んでいた着手金を、判決日直前にいきなり請求し、判決日の法廷に姿を現すことはなかった。もちろん判決の結果はいわずもがなであった。  ちなみに後日、裁判所に提出した証拠資料などを別の弁護士に見せたところ、「和解前提ではなく、判決で勝訴を得るための戦術を立てて普通に戦えば、間違いなく勝てたでしょう」と言われたという。 ■大手弁護士事務所は裁判官の"天下り先"!?  それにしても、なぜ裁判官と弁護士が一緒になって原告に和解を迫るなどという事態が起こるのだろうか? 不当解雇などの労働法関連の裁判に詳しい労働組合幹部と、企業のコンプライアンス制度に詳しい経営コンサルタントに尋ねると、「よくあることですよ」と口をそろえ、その理由を教えてくれた。 「社員対会社というA氏の事例のような労働法関連の裁判は、社員側が勝訴になる確率が低い上、たとえ勝訴しても賠償金は数百万円程度なので、弁護士にとってみればたいしたカネになりません。また、勝訴しても被告が控訴すれば、再びカネにならない裁判が延々続くので、判決まで行かずにさっさと和解で終わらせてしまった方が都合がいいのです。一方の裁判官も、労働法がらみの裁判は、判決を出しても負けた方が控訴するケースが少なくなく、控訴審で自分の判決を覆される可能性も出てくるため、できるだけ判決を出さずに済ませたい。結果として、裁判官と弁護士の利益が一致してしまうのです」(同労働組合幹部)  これでは、双方の弁護士と裁判官がグルになって、原告の訴えを潰そうとしていると言われてもおかしくない。そもそも、原告の利益を最大限優先するのが弁護士の使命ではないか? 「弁護士も裁判所あっての弁護士ですから。特に経験の浅い弁護士は、裁判官の機嫌を損ねてしまうと、裁判で必要以上に書類提出を求められたり、しつこく書類や手続きの不備をネチネチ指摘されたりといった意地悪をされてしまいます。また、裁判官の間で『アイツは勝たせてやらない』と裏でささやかれ、以降の裁判でなかなか勝てなくなってしまうこともあります」(同経営コンサルタント)  まるでテレビドラマでよく見る、お局様が新人OLをイジメる風景とまったく変わらないではないか......。  上記のような実態は果たして本当なのか? 裁判所職員OBのB氏に尋ねてみると「まー裁判官も人間ですからね」と答え、その背景にある現行の司法自体が抱える問題について説明してくれた。 「00〜10年の間、合格者の大幅増を目的のひとつとした新司法試験制度(06年開始)の影響もあり、弁護士の数は1.7倍に増えた一方、裁判官は1.3倍しか増えていません。加えて、06年以降消費者金融への過払い請求訴訟が急増し、扱わなければならない裁判の件数は、完全に裁判所の処理能力を超えています。例えば東京地裁の裁判官は、結論(判決、和解など)を出さなければならない事案が1人あたり月間平均40件もあり、みなさん土日も出勤して判決文を書いたりしています」  B氏によると、このように裁判官が激務を強いられている現状が、裁判官と大手弁護士事務所の癒着を生み出していると指摘する。 「はっきり言うと、裁判官は証拠資料をすべて読む時間的な余裕がないので、今回のAさんの裁判のように、原告と被告の主張が真っ向から対立する場合、会社側の代理人に大手弁護士事務所の弁護団がつくと、『大手だから信用できるだろう』と、安易に会社側の主張や証拠資料に基づいた事実認定【編註:証拠に基づき、判決を出すための事実を認定すること】を進めてしまいやすい。そして大手弁護士事務所側は、事務所のブランド力を高めるために毎年定年後の裁判官を一定数受け入れていますが、裁判を有利に進めるため、裁判官に定年後の"見返り"をちらつかせることもあります」  B氏によると、意外とこの方法は効くという。 「定年がない弁護士や、将来ヤメ検弁護士として活躍する道がある検察官と違い、裁判官の定年後の選択肢は狭い。そんな彼らにとって、大手弁護士事務所は、数少ない"おいしい"再就職先のひとつ。恥ずかしい話ですが、"天下り先"に目がくらみ、裁判官が裁判の過程でいろいろな手心を加えてしまうケースがあることは否定できません」  これから訴訟を起こそうと考えている人たちは、よく肝に命じておかなければならない。野田佳彦総理の大好きな相田みつを氏の言葉を借りるまでもなく、「"裁判官だって"人間だもの」という事実を。 (文=編集部) 【註1】 ローソンの完全子会社、九九プラスが運営する安売りコンビニエンスストア「SHOP99」の元店長が、権限のない「名ばかり管理職」として残業代なしの過酷な長時間労働で健康を壊したとして、未払い残業代と慰謝料の支払いを求めた訴訟。 【註2】 JR西日本が業務でミスをした運転士らを対象に行った「日勤教育(通常勤務から外れ、再発防止を教育する取り組みの通称)」で精神的苦痛を受けたとして、同社の運転士と車掌計258人が、同社に対し、損害賠償を求めた訴訟。 【註3】 社内のコンプライアンス窓口に通報したため不当に配置転換されたとして、オリンパスの社員が配転の無効確認などを求めた訴訟の控訴審。 
サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇 お世話になりたくない。 amazon_associate_logo.jpg
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柄谷行人、雨宮処凛らが緊急記者会見! 反原発デモで警察官が暴行!?

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記者会見の模様(画像は『USTREAM』より)
「デモでは、撮影しているのが警察官だとは知らず、カメラに向かって楽しそうにピースサインする若い参加者もいましたよ」  作家・雨宮処凛の言葉に、国内外の記者で埋まった会場が笑いに包まれた。  9月29日15時、東京・有楽町の日本外国特派員協会で、反原発とデモの自由を訴える「『デモと広場の自由』のための共同声明」を発表する記者会見が行われた。壇上には雨宮氏の他に、起草者である柄谷行人(文芸評論家)、鵜飼哲(一橋大学教授)、小熊英二(慶応義塾大学教授)という、日本のアカデミズムを代表するメンバーが顔を揃えた。  この声明の内容は、東日本大震災による福島第一原発事故が、すでに片づいたかのようにふるまう政府や経産省、東京電力の姿勢に加え、反原発デモを妨害する警察と、それを報じないマスメディアの姿勢に抗議するというものだ。  会見の冒頭、柄谷氏が声明を紹介するなかで、6月~9月に行われた「原発やめろデモ」に自らが参加した理由を語った。 「1980年代後半以降、それまではさかんに行われていた反原発デモがなくなり、マスメディア含め原発賛否の意思表示ができなくなってしまいました。こうした状況と、現在54基もの原発が日本に存在するという事実は、決して無関係ではありません。また、今回の震災では、被災地の方々の冷静なふるまいが海外メディアから賞賛を受けましたが、私は『なぜ日本国民は異様なほど怒らないのか?』と疑問を感じていました。昔はもっとみんな怒っていましたが、このような風潮はここ20年くらいで形成されました。そこで重要になってくるのがデモです。なぜならデモは、私のような素人や若者など誰もが参加でき、個々人が意思表示を行うことができるからです。つまりデモは国の成熟度を示すのです。そのようなデモに協力するのはとても面白いと思い、参加しました」  次にマイクを握った雨宮氏によると、6月以降都内で5回行われた「原発やめろデモ」の参加人数は計7万人以上にも及び、デモの現場では警察による妨害や参加者への暴行が行われていたという。 「9月11日のデモでは、正式に東京都に申請し承認されていた出発地やコースを、都は当日2日前になって変更を命令しました。当日も、トイレのためにデモの隊列を離れようとした女性を大勢の警官が取り囲み、沿道に出られないようにし、具合が悪くなる人が続出しました。隊列に大勢の警官が強引に割り込み、意図的に混乱状況をつくり出すなかで、警官から暴行を受け負傷した人もいます。結局、公務執行妨害などで12人が逮捕されました。私たちは、日弁連(日本弁護士連合会)に対し彼らの人権救済の申し立てを行う方針を決定しました」  しかし、こうした事実について大手全国紙などは、ベタ記事で短く報じるのみである。本誌がその理由について、今回の会見を外国特派員協会で行う理由と合わせて質問すると、小熊氏はこう答えた。 「記者クラブでの会見だと、国内大手メディアの記者しか参加できないにもかかわらず、彼らが会見内容を報道する可能性も低いからです。海外メディアの皆さんは信じられないかもしれませんが、日本の大手メディアには、『政治とは、政党内や政治家同士の駆け引きであり、一般市民のデモなどは報じるに値しない』という考えが未だに根強いと感じます」  会場の外国人記者たちは、小熊氏の言葉を聞きながらしきりにうなずいていた。  それにしても、会見で起草者たちは一様にデモの重要性を訴えていたが、TwitterやSNSなどネット上のコミュニティも広がり、情報を発信する手段が多数あるなか、なぜデモなのか? 会見終了後に柄谷氏に尋ねた。 「Twitterでの主張は発言者が見えない。つまり人権が伴っていないので、効力は限定的です。しかしデモには参加するのは生身の人間であるため、人権が伴っていますので、国家が最も嫌がります。それゆえ国家は、道路交通の安全などを理由に、デモをやらせまいとしてきました。しかし、国民の基本的人権より道路交通法が優先されるなど、あってよいのでしょうか? これは憲法違反です」  また、同様の質問について小熊氏はこのように答えた。 「デモには体温があるということです。個々人の自由意志で集まったさまざまな人びとが、リアルな行動を共にし、主張を発信することによる効果は、ネットとは比較になりません」  今回の起草者が参加する「原発やめろデモ」は、今後も定期的に行っていくという。 (取材・文=編集部) ●「デモと広場の自由」のための共同声明http://jsfda.wordpress.com/statement/●9月11日「原発やめろデモ」における警官と参加者の映像http://www.youtube.com/watch?v=xnruDaMxPO0
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