「取次や再販制度はどうなる……!?」TPP参加は日本出版界壊滅への序曲か


 少し前まで経済ネタとして盛んにマスコミで報じられていたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)。シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド、アメリカ、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、ペルーの9カ国が参加している経済協定で、当初は農業関係と誤解されていたが、後にすべての品目が対象になることが広く知られるようになり、国内経済に多大な影響を及ぼすとして激しい賛否両論を巻き起こした。特に反対派は、さらなる規制緩和とグローバル化によって、国民生活が深刻な状況になると猛反発している。  そうした意見が飛び交う中、一部で取り沙汰されているのがTPP参加による出版に対する影響である。複数の出版関係者は、「TPPで日本の出版界が、まったくの手つかずということは考えられないのではないか」と話す。 「日本の出版業界は、再販制度にしろ取次にしろ、流通の点だけとっても特殊な形態になっています。これに対して、アメリカが規制緩和や市場解放を求めてくることは十分に考えられます」(中堅出版社の編集者)  日本の出版社は再販制度や取次業者による流通などによって、ある部分では保護されている。だが、それらも日本がTPP参加ということになれば、劇的に変化する可能性が否定できないわけだ。  かつて、1990年代後半に始まった規制緩和によって、各地の商店街などの商業関係は大打撃を受け、ほかにも雇用や労働環境も劣悪な状況になってしまった。そうした経験を我々は知っているからこそ、さらに大きな規制緩和であるTPPが現実のものとなれば、かつての悲劇がまた繰り返されるのではないのか危惧する声が出てきてもおかしくはない。  また、気になる情報もある。外資系の某大手ネット書店では、出版社に対してある契約を提示しているという。 「電子書籍についての契約なんですが、販売に関してはネット書店側が版元の決めた価格に対して一定のマージンを版元に支払うとしている。ところが、販売価格はネット書店側が決めるというのです」(前出・編集者)  ここには2つの要素が読み取れる。まず、販売側が自由に価格を設定できることは再販制度の事実上の無効化である。さらに、販売価格にかかわらずマージンを払うということは、場合によってはネット書店側が赤字になる可能性もある。赤字覚悟ということは、それなりの意図があるということ、例えばシェアの獲得ということが考えられる。  このように、わずかな一端ではあるが変革の兆しは少しずつ現れてきている。  ところが、出版関係者の中には、この話題に興味を示す向きはむしろ少ない。TPPに関しても、「出版には関係ない」などと無関心というケースも多い。しかし、その根拠を尋ねても明確な答えはほとんど返ってこない。  少し前、インターネットが出版に対して脅威になるのではという問いに、「やっぱり情報は紙でしょう。ネットは出版に勝てない」などと根拠もなく豪語していた出版関係者は少なくなかった。だが、今やインターネットの普及と充実に、出版は危機に立たされている。  TPPが長らく続いてきた出版業界の慣習について息の根を止めるのか、それともたいした影響もないのか、それはまだわからない。だが、日本の出版が大きな曲がり角に来ていることは事実だ。その変革のきっかけが、TPPなのか、それとも何か別の要因になるのか。いずれにせよ、現在の不況を見る限りではさらに厳しい状況が来ることは避けられないだろう。 (文=橋本玉泉)

TPP亡国論 どうなるの? amazon_associate_logo.jpg
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空自の次期主力戦闘機はF-35決定でホントに大丈夫?

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空自の次期主力戦闘機に正式決定した「F-35」。
カタログデータ通りなら性能は文句なしだが......。
 航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)が、大方の予想通り米ロッキード・マーチン社のF-35A(以下F-35)に決定した。防衛省では平成24年度予算案に、完成機4機分の費用600億円(関連器材205億円含む)を計上。正式発注がされれば28年度中に最初の機体が日本に届く。前評判が最も高かったF-35の決定に多くの専門家は肯定的だが、選考過程に多くの疑問が残されているのも事実だ。機体の納期遅れも懸念されており、同じくF-35の導入が決定しているオーストラリアでは、既に契約済みの2機を除く残りの12機について、調達計画を見直して保留すると発表。はたして日本の決定は大丈夫なのか? 航空専門誌『エアワールド』の竹内修編集長に、F-35決定までの過程と今後の展望を聞いた。 (聞き手/浮島さとし) ――航空自衛隊の次期主力戦闘機がようやくF-35に決まりました。 竹内氏(以下、竹内) F-35の導入自体には、私も異論はありません。ロシアや中国がそれぞれT-50、J-20という高いステルス性を持つといわれている機種の開発を進めている以上、F-35を日本の装備に加えることは必須だとも考えています。ただ、選定過程において疑問視せざるを得ない点がいくつかあるのも事実です。 ――具体的にはどんなことでしょうか。 竹内 防衛省は今回の選定で、候補に挙がっていた機種を4つの項目に分けて、それぞれ点数を割り当て、総合点数の最も高かった機種を選択するという方法をとりました。具体的には、【1】性能に50点、【2】経費に22.5点、【3】国内企業参画に22.5点、【4】後方支援に5点で、仮に満点であれば100点ということになります。 ――やはり性能面の配分が最も高いわけですね。 竹内 そうです。「性能」に関しては、飛行性能やステルス性といった機体性能や火器管制レーダーの目標処理能力やミサイルの同時管制能力などを評価した上で、日本の装備体系に組み込まれた際に十分に能力を発揮できるかなどをシミュレーションし、その結果が50点満点という大きな配点で反映されたわけです。このシミュレーションは「オペレーションズ・リサーチ」という、軍事分野において最もポピュラーな手法が使われているのですが、問題はこれに用いられた数値なんです。 ――シミュレーションに使われたデータに問題があったということですか。 竹内 3候補のうち、F/A-18Eとユーロファイター・タイフーンは既に実戦部隊に配備されていますし、実戦も経験していますから、そこで得られた数値でシミュレーションをしたと考えられます。ところが、ご承知の通りF-35はまだ実戦配備されておらず、実戦も経験したことがありません。では、どこからデータを持ってきたのか。実は防衛省はそれを明らかにしていません。考えられるのは、開発サイドが発表している目標値の類ですが、実戦経験から得たデータと、期待値でしかないカタログデータを同じ土俵で比べた結果に大きなウェイトを置くことが、はたして適切だったのかという問題です。 ――必ずしもカタログデータ通りとは限らない。 竹内 実際に米国防総省のある高官が、「F-35のステルス性はカタログデータほどではない」と指摘したことが、米軍の機関紙「スターズ・アンド・ストライプス」で報道されています。既にF-35に関しては、試験中に機体に亀裂が生じたという問題が昨年12月に発覚して物議を醸しましたが、こうした一連の事態を受けて、F-35プログラムの開発責任者の一人は、「多くの問題が解決するまでF-35の生産ペースを落とすべきだ」と「AOLディフェンス」の電子版で提言していますし、今年1月4日のロイター通信によれば、国防総省の複数の高官も生産ペースの見直しを示唆したと報じており、その場合に120機以上の生産が遅延すると警告しています。さらに、アメリカは今、国防予算の大幅な削減を行っています。F-35の開発自体は継続していく方針ですが、生産ペースは落とす方向のようです。そうなった場合、最初に発注する4機はともかく、それ以降の発注分は1機あたりの価格が大きく膨らむ可能性が指摘されています。 ――防衛省は平成28年度に最初の4機を導入する計画ですが、仮に遅延した場合の補償など、国は契約を遵守させるための手段を講じているのでしょうか。 竹内 実はアメリカ側からは誓約書を一筆書いてもらうという話以外に何も決まっていないのです。具体的にいうと、「取得段階および運用段階においても厳守する」という誓約書を、航空幕僚長宛に提出させるということのようなのですが、アメリカが誰の名前でそれを書くのかも決まっておらず、その文書に法的効力もありません。従って、今の段階では万が一遅延しても何も補償を得ることはできないということです。 ――責任の所在も曖昧な単なる紙きれだけしか策を講じていない。 竹内 もう一つ気になるのが、空自のパイロットが試乗した評価が、今回の選定にまったく反映されていないという点です。防衛省では、試乗した少数のパイロットの感想を反映させてしまうと公平性が保てないと説明しています。一見合理的に見えますが、過去のFX選定では、どの程度それが反映されたかは別にして、試乗を行ってきています。日本と同時期に新戦闘機の選定作業を行ったスイスやインドでは、候補機を自国に持ち込んでテストを行っています。気象条件や運用環境の異なる環境で、カタログデータ通りの性能が発揮できるかどうかを見極めるのは当然のことですから。 ――性能も納入時期も不安が残る段階で決めてしまったわけですが、導入を予定している他の国はどのような対応をしているのでしょうか。 竹内 日本と同様にF-35の導入を決定しているオーストラリアは、納入遅延に備えて既に導入済みのF/A-18Fの追加導入を検討していると報じられてきました。最悪の事態を想定した対策を講じておくのは、危機管理の原則からいっても当然なのですが、日本の政府がそれをしてきたという話は聞こえてきません。また、オーストラリアは1月30日のスミス国防相の会見で、調達を保留するとの決定を発表しましたが、日本の田中防衛相は先の国会で「日本の配備時期に一切変更はない」と答弁しています。これがどこまで状況を理解したうえでの発言かはわかりませんが、正確な情報を掴んだ上で、あらためてしっかりとした議論をしてほしいところです。 ――F-35決定でFX問題は終わったかのような報道が多いですが、問題は山積みですね。 竹内 終わりどころか、ある意味では、ようやく始まったとさえいえる段階です。そもそも、F-35は従来の戦闘機とは一線を画する兵器システムで、その持てる高いポテンシャルを最大限に引き出すためには、法整備を含めた運用体系の見直しも必要です。例えば、F-35の特徴の一つはステルス性能ですが、これは敵に気づかれないうちに目標に接近して先制攻撃する際に能力を発揮します。つまり、専守防衛の原則下では宝の持ち腐れになりかねないということです。そのうえで、F-35を中心に据えた航空自衛隊の編成や、さらには陸海空の自衛隊全体のシステムの再構築が必要となるでしょう。いずれにせよ、空自のFX問題については今後も推移を注意深く見守っていく必要があるでしょう。 ※インドは1月31日、次期戦闘機に仏製のラファールを126機購入すると発表。同機はアフガニスタンやリビアでの作戦で実績がある。完成機18機が3年以内に納入され、それ以降は全てインド国内でのライセンス生産となる。技術移転による国産化にインド経済界からの期待は大きい。
1/144 F-35A ライトニングII 空軍型 試作2号機 ヴィジュアルはイケてる。 amazon_associate_logo.jpg
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知事「見てきたから安心」発言も……対話進まぬ神奈川の被災地がれき受け入れ問題

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「対話の広場」はUSTREAMでも配信された。
画面は参加者の質問に応じる神奈川県知事・黒岩氏
 1月30日夜、東日本大震災で生じたがれきの受け入れを表明している神奈川県の黒岩祐治知事は、県民への説明会を横浜市中区の県庁で開催した。こうした説明会は過去2回開かれているが、黒岩知事が県民と直接対話することで県民の理解を得ようという趣旨だったものの、約220人の参加者のほとんどが受け入れ反対の立場なだけに今回も物別れに終わった格好だ。それどころか、参加者からは「論点をそらすばかりで、こちらの質問にまったく答えていない」「全然対話になっていない噴飯ものの説明会」などと批判が相次いだ。  「緊急開催! 黒岩知事との対話の広場」と題されたこの説明会だが、開始早々から場内から怒号が飛び交う騒然とした雰囲気。ヤジで県側の説明も聞こえないほどで、興奮した参加者同士が小競り合いを始める場面も見られた。登壇したのは黒岩知事のほか、神奈川県の担当者や前川和彦・東大名誉教授、被災地の岩手県関係者らだったが、横浜市在住の40代の男性参加者は次のように憤る。 「がれきの処理で生じる放射線量の安全性を訴えるのにレントゲンや飛行機に乗ることによる被ばくを例に持ち出すなんて、今どき子どもだましですよ(苦笑)。とにかく、まず"受け入れありき"の県側のスタンスに不信感を持ちましたね。大体、前川教授なんて原子力安全研究協会の御用学者じゃないですか。黒岩知事にしても『自分は実際に被災地へ行って見てきた。安心だ』と、科学的に無根拠なことを繰り返すばかり。『見てきた』なんて、大体、放射能が目に見えるのかという話ですよ!」  "対話の広場"と謳う割には主催者側の説明ばかりが続き、実質的な質疑応答の時間も短かった。説明会そのものは2時間にわたって行われたが、質疑応答に当てられた時間はわずか30~40分程度。質問は1人1問で3分以内のため、質問者は10人にも満たない上、追加の質問ができないので対話は一向に深まらない。しかも、参加者らの厳しい追及に対して論点をそらし、まともに応じようしないので、彼らのフラストレーションも溜まるばかり。 「質問しようと放射能問題に精通していそうな市民運動関係者が挙手しても、司会者がスルーしていましたからね。面倒臭そうな人は最初からしゃべらせる気がなかったようです。それと、記録のためと称して説明会の様子を撮影していましたが、なぜかヤジを飛ばしたりしている人たちを中心に撮影していました。撮影者も県の職員じゃないような気がしましたね。とにかくイライラばかりが募る説明会で、質問者の口調も自ずと厳しくなってしまい、終盤では黒岩知事もしどろもどろになって答えていました」(同参加者)  黒岩知事側としては、神奈川県民と直接対話することでがれき受け入れに対する不安を払拭しようという思惑があったのかもしれないが、これではまるで逆効果。"シャンシャン総会"を目論んではみたものの失敗して荒れてしまった企業の株主総会のようだった。黒岩知事は「今後も地元のみなさんと膝を突き合わせて丁寧に説明していく」と意欲をみせているが、現状を見る限りでは県民の理解を得るのは困難だといえそうだ。 (文=牧隆文)
がれきの中で本当にあったこと ウラ金? amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・【シリーズ・震災遺体(上)】釜石市、市長たちが語る遺体安置所の光景「住民票を移すか、子どもを関東に戻すか」原発事故 自主避難家族に迫られる理不尽な選択「復興支援は新たなステージに」これからの被災地支援のカギとは?

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「対話の広場」はUSTREAMでも配信された。
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 1月30日夜、東日本大震災で生じたがれきの受け入れを表明している神奈川県の黒岩祐治知事は、県民への説明会を横浜市中区の県庁で開催した。こうした説明会は過去2回開かれているが、黒岩知事が県民と直接対話することで県民の理解を得ようという趣旨だったものの、約220人の参加者のほとんどが受け入れ反対の立場なだけに今回も物別れに終わった格好だ。それどころか、参加者からは「論点をそらすばかりで、こちらの質問にまったく答えていない」「全然対話になっていない噴飯ものの説明会」などと批判が相次いだ。  「緊急開催! 黒岩知事との対話の広場」と題されたこの説明会だが、開始早々から場内から怒号が飛び交う騒然とした雰囲気。ヤジで県側の説明も聞こえないほどで、興奮した参加者同士が小競り合いを始める場面も見られた。登壇したのは黒岩知事のほか、神奈川県の担当者や前川和彦・東大名誉教授、被災地の岩手県関係者らだったが、横浜市在住の40代の男性参加者は次のように憤る。 「がれきの処理で生じる放射線量の安全性を訴えるのにレントゲンや飛行機に乗ることによる被ばくを例に持ち出すなんて、今どき子どもだましですよ(苦笑)。とにかく、まず"受け入れありき"の県側のスタンスに不信感を持ちましたね。大体、前川教授なんて原子力安全研究協会の御用学者じゃないですか。黒岩知事にしても『自分は実際に被災地へ行って見てきた。安心だ』と、科学的に無根拠なことを繰り返すばかり。『見てきた』なんて、大体、放射能が目に見えるのかという話ですよ!」  "対話の広場"と謳う割には主催者側の説明ばかりが続き、実質的な質疑応答の時間も短かった。説明会そのものは2時間にわたって行われたが、質疑応答に当てられた時間はわずか30~40分程度。質問は1人1問で3分以内のため、質問者は10人にも満たない上、追加の質問ができないので対話は一向に深まらない。しかも、参加者らの厳しい追及に対して論点をそらし、まともに応じようしないので、彼らのフラストレーションも溜まるばかり。 「質問しようと放射能問題に精通していそうな市民運動関係者が挙手しても、司会者がスルーしていましたからね。面倒臭そうな人は最初からしゃべらせる気がなかったようです。それと、記録のためと称して説明会の様子を撮影していましたが、なぜかヤジを飛ばしたりしている人たちを中心に撮影していました。撮影者も県の職員じゃないような気がしましたね。とにかくイライラばかりが募る説明会で、質問者の口調も自ずと厳しくなってしまい、終盤では黒岩知事もしどろもどろになって答えていました」(同参加者)  黒岩知事側としては、神奈川県民と直接対話することでがれき受け入れに対する不安を払拭しようという思惑があったのかもしれないが、これではまるで逆効果。"シャンシャン総会"を目論んではみたものの失敗して荒れてしまった企業の株主総会のようだった。黒岩知事は「今後も地元のみなさんと膝を突き合わせて丁寧に説明していく」と意欲をみせているが、現状を見る限りでは県民の理解を得るのは困難だといえそうだ。 (文=牧隆文)
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新宿署に"殺された"信助さんの冤罪事件を風化させないために考えるべきこと

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昨年12月で事件発生から早くも2年。裁判が始まってから10カ月が経とうとしているが、警察はいまだに"証拠"VTRを提出しようとしていない
 当サイトでも複数にわたり取り上げ、高い関心を呼んでいる「新宿署違法捜査自殺事件」(参考記事1)。違法捜査の疑いが強い警察対応が原因で一人の青年が自殺した同事件を背景に、この国が抱える警察と司法の構造的な問題を考える「繰り返される冤罪の背景 警察と司法の問題点を考えるシンポジウム」が2月4日(土)、東京都千代田区の「たんぽぽ舎」で開催される。  大学職員の原田信助さんが、JR新宿駅構内で通りすがりの大学生グループに痴漢の容疑をかけられ、激しい暴行をうけた後に、新宿警察署の違法性の強い取り調べなどが原因で自らの命を絶ったのは2009年12月。警察はその1カ月後、被疑者死亡のまま迷惑防止条例違反(痴漢容疑)で信助さんを書類送検した。  しかし、遺族の母・尚美さんらの懸命な調査の結果、被害者を名乗る女子学生が信助さんを犯人と「見間違えた」と警察に証言していたことがわかり、新宿警察署が証人もいないままに痴漢事件をねつ造し、新助さんを犯人にでっちあげて書類送検までしていた疑いが極めて強くなっている。  母・尚美さんは、新宿警察署の捜査の過程に数々の違法行為があったとして、昨年4月に東京都を相手取り国賠訴訟を提起。公判は先の1月17日で4回目を終えたが、被告である警察は、信助さんを痴漢犯人と認定した証拠と主張する防犯カメラの映像を、原告側が再三にわたり提出を求めているにもかかわらず、いまだに応じようとしていない(参考記事2)。それどころか、その他の捜査関係書類についても「全て検察に送付済であるため、控えすら手元にない」との言い逃れに終始している。  動かし難い証拠が仮に存在するならば、警察は一体なぜその証拠を提出しないのか? また、裁判所は警察の不誠実な裁判対応を許しながら、なぜ公判に無用な時間を費やすのか。シンポジウムではこうした問題点を浮き彫りにしていく。  進行役は、90年代の薬害エイズ訴訟などでも広く知られ、今回の国賠訴訟で原告側の弁護を務める清水勉弁護士。パネリストに数々の冤罪事件や警察問題の取材に定評のあるジャーナリストの寺澤有氏、林克明氏の両氏を迎え、杜撰な捜査を続ける警察と司法の根深い関係性に迫りながら、過去に生み出された数々の冤罪の背景を構造的に掘り下げていく。参加費1,000円で誰でも参加可能。当日の詳細については下記関連サイトをご参照のこと。不明な点は下記メールアドレスまでお問い合わせいただきたい。 会場: 「たんぽぽ舎」JR水道橋駅 徒歩5分 (千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル5F) 参加費: 1,000円(資料代含む) 主催: 原田信助さんの国賠を支援する会 関連サイト:「原田信助さんの国賠を支援する会問合せ先 harada-kokubai@excite.co.jp 【短期集中連載】発生から1年「新宿駅痴漢冤罪暴行事件」の闇 ・痴漢冤罪で命を絶った青年が録音していた「警察の非道」なぜ、JRは「息子の死」の真相を追及する母の想いを踏みにじるのか事件を密着取材していた民放キー局取材班の不可解な動き追跡レポートをOA直前に封印したテレビディレクターの謎の行動

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昨年12月で事件発生から早くも2年。裁判が始まってから10カ月が経とうとしているが、警察はいまだに"証拠"VTRを提出しようとしていない
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盟友・三宅久之氏が語る渡邉恒雄の本当の(?)顔「傲岸不遜なだけでトップなんて務まらない」

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三宅久之氏
 清武英利元巨人軍GMと渡邉恒雄会長の法廷闘争が、いよいよ2月2日から東京地裁で始まる。騒動の一連のあらましや裁判の行方についてはすでにお伝えしてきた通り(※記事参照1)。特に、元読売新聞社会部記者でジャーナリストの大谷昭宏氏からは、読売OBの視点も交えながら、渡邉氏に対する厳しい声を伝えてもらった(※記事参照2)。  一方、毎日新聞OBで政治評論家の三宅久之氏は、政治記者として、デスクとして、渡邉氏と同時代を生き抜いてきた一人。渡邉氏の最大の理解者とも見られている三宅氏は、刎頚の友である渡邉氏の今回の騒動をどう見ているのか。(聞き手/浮島さとし) ――いわゆる「清武問題」をどうご覧になりますか。 三宅久之氏(以下、三宅) 最初は「重要なコンプライアンス違反の問題により文部省で会見」だなんて聞いたので、大変なことになると思いましたよ。とっさに浮かぶのは脱税か暴力団、もしくはドラフトの裏金あたりだから。そしたら、なんてことはない、社内人事のコップの中の嵐みたいな話でね。世間様に公表する話ではない。上司とソリが合わなきゃ独立するか、女房子どものために我慢するしかない。 ――このことについて渡邉会長と話はされましたか。 三宅 当然、詳しく聞きましたよ。清武氏から見せられた書類というのも見たけど、5枚のうちの最初の3枚が巨人軍改革に関するコンセプトか何かで、後ろ2枚が人事について。コーチが誰々とかね。そのときナベちゃんは6時過ぎに出なければならない用事があったので、簡単に聞いて「わかった、そこに置いといてくれ」と。細かに聞いたわけではないと言うんだね。江川(卓)の件については、それより早い時期に原監督のほうから「ヘッドコーチにしたい」と持ってきたと。「江川のほうが年上じゃないか」と聞くと、原監督は「かまいません」と。ただ、ヘッドはすでに岡崎(郁)がいるから、「助監督ではどうだ」と聞くと、「それでもいい」と。つまり、監督がそういうふうに訪ねてくることもあるし、時間があれば誰とでも会うし、いろんな話をする。コンプライアンスなんて次元の話じゃないと。それが彼の説明でしたね。 ――三宅さんからご覧になって、渡邉会長とはどんな人物ですか。 三宅 テレビでしか彼を知らない人たちは「ナベツネは傲慢だ」としか見ていないようだけど、彼は大変な勉強家でインテリですからね。記者時代から彼はとにかく勉強していた。政治部に入って4〜5年で政治の専門書を3冊出していますし、政治学界にも通用する本を楽々と書ける知識人なんですよ。たしかにテレビで、彼がパイプをくわえてる姿なんか見ると、まるで傲岸無礼がネクタイ締めてるみたいだけど(笑)、あれは意識的に悪ぶって半分楽しんでますね。本当は、神経が細やかな人間。義理人情に非常に厚いしね。 ――「傲慢」のイメージが強い渡邉氏が実は義理人情に厚いと聞くと、意外に感じる人も多いと思います。 三宅 「山里会」という政治評論家の勉強会がありましてね、今では政治家も山里会へ呼ばれれば一人前と言われるくらいになったんですが、元は私とナベちゃん、早坂茂三、俵孝太郎ら昔のライバル記者だった連中が4〜5人で集まって酒なんか飲んでたのが始まりだったんです。早坂はかつて東京タイムズの記者で、あそこは小さい会社で社用車なんかなかったから、ナベちゃんや我々が車で取材に行くときに、東京タイムズを回って早坂を拾ってあげたりしていたんですよ。 ――ライバルでありながら助け合っていた。 三宅 そう。その早坂が2004年に死んだとき、事情があって葬式が出せなかったんですよ。早坂には戸籍上の奥さんがいたけど長く別居状態で、別の女性と事実上の夫婦生活を送っていましてね。そして彼が死んだとき、同居していた女性が喪主になることを正妻がどうしてもOKしなかった。葬儀も出さないと。そしたらナベちゃんが「おい、久ちゃん(三宅氏)、我々で友人葬をやってやろうよ、骨を折ってくれないか」と言うわけです。それで私が早坂の家に電話をかけ、「いろいろ事情もおありだと思いますが、我々でやらせてもらえないか」と頼んだんだけど、どうしても首を縦に振らない。結局、東京では葬儀が出せなかったんですが、ナベちゃんは最後まで気にかけていた。彼をよく知る我々にとって、渡邉恒雄というのはそういう人物なんですよ。傲岸不遜なだけで新聞社のトップなんて務まるものではない。 ――その一方で、裏切った人間には冷酷な仕打ちをするという話も聞きます。 三宅 彼は昭和43年にワシントン支局長になるんですが、この人事は社内の序列でいえば栄転なんだけど、政治部長を目指していた彼にとっては事実上の左遷だったんですね。当時の政治部内には「渡邉派」と呼ばれるグループがあって、アメリカ在任中もナベちゃんに手紙で社内の情報を知らせていた人もいた。こういう人たちを、ナベちゃんは帰国後に政治部長を経て段々に偉くなり、実権を握ってから、みんな要職につけましたよ。その反面、「渡邉の時代は終わった」と去って行った連中には冷たかったね。まぁ、そういう面もすべて含めて渡邉恒雄だということなんですよ。 ●関連書籍/『別冊宝島1846 渡辺恒雄の虚像と実像』 <http://tkj.jp/book?cd=20184601>
渡辺恒雄の虚像と実像 (別冊宝島) 裸の王様? amazon_associate_logo.jpg
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盟友・三宅久之氏が語る渡邉恒雄の本当の(?)顔「傲岸不遜なだけでトップなんて務まらない」

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三宅久之氏
 清武英利元巨人軍GMと渡邉恒雄会長の法廷闘争が、いよいよ2月2日から東京地裁で始まる。騒動の一連のあらましや裁判の行方についてはすでにお伝えしてきた通り(※記事参照1)。特に、元読売新聞社会部記者でジャーナリストの大谷昭宏氏からは、読売OBの視点も交えながら、渡邉氏に対する厳しい声を伝えてもらった(※記事参照2)。  一方、毎日新聞OBで政治評論家の三宅久之氏は、政治記者として、デスクとして、渡邉氏と同時代を生き抜いてきた一人。渡邉氏の最大の理解者とも見られている三宅氏は、刎頚の友である渡邉氏の今回の騒動をどう見ているのか。(聞き手/浮島さとし) ――いわゆる「清武問題」をどうご覧になりますか。 三宅久之氏(以下、三宅) 最初は「重要なコンプライアンス違反の問題により文部省で会見」だなんて聞いたので、大変なことになると思いましたよ。とっさに浮かぶのは脱税か暴力団、もしくはドラフトの裏金あたりだから。そしたら、なんてことはない、社内人事のコップの中の嵐みたいな話でね。世間様に公表する話ではない。上司とソリが合わなきゃ独立するか、女房子どものために我慢するしかない。 ――このことについて渡邉会長と話はされましたか。 三宅 当然、詳しく聞きましたよ。清武氏から見せられた書類というのも見たけど、5枚のうちの最初の3枚が巨人軍改革に関するコンセプトか何かで、後ろ2枚が人事について。コーチが誰々とかね。そのときナベちゃんは6時過ぎに出なければならない用事があったので、簡単に聞いて「わかった、そこに置いといてくれ」と。細かに聞いたわけではないと言うんだね。江川(卓)の件については、それより早い時期に原監督のほうから「ヘッドコーチにしたい」と持ってきたと。「江川のほうが年上じゃないか」と聞くと、原監督は「かまいません」と。ただ、ヘッドはすでに岡崎(郁)がいるから、「助監督ではどうだ」と聞くと、「それでもいい」と。つまり、監督がそういうふうに訪ねてくることもあるし、時間があれば誰とでも会うし、いろんな話をする。コンプライアンスなんて次元の話じゃないと。それが彼の説明でしたね。 ――三宅さんからご覧になって、渡邉会長とはどんな人物ですか。 三宅 テレビでしか彼を知らない人たちは「ナベツネは傲慢だ」としか見ていないようだけど、彼は大変な勉強家でインテリですからね。記者時代から彼はとにかく勉強していた。政治部に入って4〜5年で政治の専門書を3冊出していますし、政治学界にも通用する本を楽々と書ける知識人なんですよ。たしかにテレビで、彼がパイプをくわえてる姿なんか見ると、まるで傲岸無礼がネクタイ締めてるみたいだけど(笑)、あれは意識的に悪ぶって半分楽しんでますね。本当は、神経が細やかな人間。義理人情に非常に厚いしね。 ――「傲慢」のイメージが強い渡邉氏が実は義理人情に厚いと聞くと、意外に感じる人も多いと思います。 三宅 「山里会」という政治評論家の勉強会がありましてね、今では政治家も山里会へ呼ばれれば一人前と言われるくらいになったんですが、元は私とナベちゃん、早坂茂三、俵孝太郎ら昔のライバル記者だった連中が4〜5人で集まって酒なんか飲んでたのが始まりだったんです。早坂はかつて東京タイムズの記者で、あそこは小さい会社で社用車なんかなかったから、ナベちゃんや我々が車で取材に行くときに、東京タイムズを回って早坂を拾ってあげたりしていたんですよ。 ――ライバルでありながら助け合っていた。 三宅 そう。その早坂が2004年に死んだとき、事情があって葬式が出せなかったんですよ。早坂には戸籍上の奥さんがいたけど長く別居状態で、別の女性と事実上の夫婦生活を送っていましてね。そして彼が死んだとき、同居していた女性が喪主になることを正妻がどうしてもOKしなかった。葬儀も出さないと。そしたらナベちゃんが「おい、久ちゃん(三宅氏)、我々で友人葬をやってやろうよ、骨を折ってくれないか」と言うわけです。それで私が早坂の家に電話をかけ、「いろいろ事情もおありだと思いますが、我々でやらせてもらえないか」と頼んだんだけど、どうしても首を縦に振らない。結局、東京では葬儀が出せなかったんですが、ナベちゃんは最後まで気にかけていた。彼をよく知る我々にとって、渡邉恒雄というのはそういう人物なんですよ。傲岸不遜なだけで新聞社のトップなんて務まるものではない。 ――その一方で、裏切った人間には冷酷な仕打ちをするという話も聞きます。 三宅 彼は昭和43年にワシントン支局長になるんですが、この人事は社内の序列でいえば栄転なんだけど、政治部長を目指していた彼にとっては事実上の左遷だったんですね。当時の政治部内には「渡邉派」と呼ばれるグループがあって、アメリカ在任中もナベちゃんに手紙で社内の情報を知らせていた人もいた。こういう人たちを、ナベちゃんは帰国後に政治部長を経て段々に偉くなり、実権を握ってから、みんな要職につけましたよ。その反面、「渡邉の時代は終わった」と去って行った連中には冷たかったね。まぁ、そういう面もすべて含めて渡邉恒雄だということなんですよ。 ●関連書籍/『別冊宝島1846 渡辺恒雄の虚像と実像』 <http://tkj.jp/book?cd=20184601>
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読売社会部OBでジャーナリストの大谷昭宏氏が勧告する「ナベツネ辞任のススメ」

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大谷昭宏氏
 昨年11月の清武英利元読売巨人軍GMの突然の会見に端を発した「清武の乱」。闘争の舞台はいよいよ法廷へ移されることに。東京地裁が第一回口頭弁論の期日を2月2日に指定したのは既報の通り(記事参照)。裁判の争点は、清武氏を解任した読売新聞社側の行為に正当性が認められるかどうかに絞られそうだ。  清武氏といえば、かつて読売新聞社会部記者として大企業の暗部に潜り込み、数々の経済スキャンダルをスッパ抜いてきた武勇伝の持ち主。今回の清武氏の「乱」がそんな記者魂の発露から来ていると指摘するのは、同じく元読売新聞社会部記者でジャーナリストの大谷昭宏氏だ。同じ読売OBでジャーナリストの大谷氏の目に、今回の騒動はどう映っているのか。都内某所で大谷氏に聞いた。(聞き手/浮島さとし) ――いわゆる「清武の乱」をどうご覧になりますか。 大谷氏(以下、大谷) 私は渡邉(恒雄)会長に問題があったと考えています。報道ではコーチ人事について、「清武君とは会ったけど詳しくは聞いていない」と言い訳しているようですが、これはずるいやりかたでね。事実は認めて本質は認めない。彼はいつもこのやり方をするんだけど、渡したほうは相手が当然見るものと理解するんであって(編注:昨年10月20日に清武氏が桃井前オーナーとともに渡邉会長を訪ねて提出した、来季の巨人軍コーチ人事等を記した文書のこと)、見てないなら「詳細は後日議論して結論を出そう」くらい言わなければ、部下はたまったもんじゃない。どこの会社にもいるじゃないですか、「俺は聞いてねえよ」って言い逃れして責任を下になすりつけるバカな上司が。それと同じですよ。 ――清武さんも大谷さんも読売新聞の社会部出身です。 大谷 といっても、彼はどちらかというと企業の内情や不正を書いたりする世界。第一勧業銀行総会屋事件や山一證券の破たんスクープなどが有名ですね。私は捜査一課の担当で、切った張ったの人殺しの世界だから(笑)。だから記者としてジャンルは違うんだけど、理解できる部分はありますよ。彼が記者時代に書いたスクープで、証券会社や金融機関のトップの首が飛んだわけですが、こうした情報は企業内部でわずかな良識派とも言える人たちの勇気ある告発がもとになっている。そういう取材を続けてきた彼が、「ナベツネが相手だから」と自己保身に走ってしまったら、かつて告発してくれた人たちからすれば、「お前の社会正義は何だったんだ」という話になる。つまり、彼自身が企業政治にどう挑むのかという、その答えが今回の「乱」だったのではないか。彼の記者としてのDNAが目覚めたんだと、私はそう理解していますけどね。 ――渡邉恒雄という方は、敵が多い反面、ファンも多いように感じます。 大谷 「じじい」特有のかわいさがあるんですよ(笑)。新聞記者に揉みくちゃにされて「清武より暴力的だ!」なんて言ったりしてるけど、VTRをよく見ると「君らの苦労もわかる。おれも記者だったし、散々やってきたよ」なんて最後に言ってるわけ。そうすると記者はホロっときて「なかなかいい爺さんじゃねえか」となる。まさに食えない「じじい」というわけでね(笑)。昔から人たらしなんですよ。政治部の若手記者時代は大野伴睦さんという大物代議士を転がし、中曽根康弘さんを転がし、散々「じじ殺し」をしてのしあがってきた。そういう人心掌握術は、(田中)角栄さんに似ているところがあるね。 ――大谷さんは元大阪読売の記者でしたが、渡邉さんはどんな方でしたか。 大谷 僕は大阪の社会部育ちだけど、ナベツネという存在を意識したときは副社長になってたかな。もちろん彼は東京本社だし、立場上も直接やりとりすることはなかったけど、当時の社長は大阪本社を作った務台(光雄)さん。だから、彼は大阪をすごくかわいがってくれた。ところが、ナベツネからすれば、大阪は自分の言うことを聞かない。なので、次々と自分の息のかかった人間を大阪に送り込んできた。あと、彼の社会部嫌いは筋金入りで、「社会部帝国主義」なんて言ってみたり、社会部記者を「紅衛兵」って呼んでみたりね(笑)。自分を可愛がってくれた大野さんや中曽根さんを社会部が嗅ぎまわったり批判したりすると、「おまえら紅衛兵なんか糞の役にも立たねえじゃねえか、政治家なんて少々のことは目をつぶって育てていくんだ」と言ったりね(笑) ――読売批判をすると関連メディアから仕事が来なくなるというのは本当ですか。 大谷 僕は今でも大阪の読売テレビからは声がかからないんですよ。日本テレビには出るけどね。たまに事情を知らない読売テレビの若い人間がオファーしてくるんで、「上司に確認してみたか」と聞くと、数日してから「申し訳ありません......」と(笑)。別に渡邉さんが命令してるわけじゃない。部下が気を使って自主規制しているんでしょう。ただ、こういうことを部下にさせてしまうことが問題なんですよ。今、彼の周りにはイエスマンしかいない。今回の騒動で裁判なんて愚行に走ったのも、もし氏家(齊一郎・日本テレビ元会長)さんが生きてたら「ナベちゃん、やめとけ」くらいのことは言ったと思いますよ。そういう仲間や側近を育ててこなかったことが、彼の最大の罪なんですよ。 ●関連書籍/『別冊宝島1846 渡辺恒雄の虚像と実像』 <http://tkj.jp/book?cd=20184601>
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6,000円で自転車盗難事件を捏造した神奈川県警 ノルマ至上主義の呆れた実態

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神奈川県警HP
 神奈川県警は26日、自転車盗難事件を捏造し容疑者を検挙したとの虚偽の捜査書類を作成したとして、中原署地域課巡査の仲田正彦容疑者を虚偽有印公文書作成などの容疑で逮捕した。この事件は、かねてから取り沙汰されてきた警察のノルマ至上主義を図らずも露呈したものだと言えるだろう。  県警によると、仲田容疑者は友人の男性2人に犯人役と被害者役を依頼し、昨年9月に犯人役の男性に被害者役の男性が所有する自転車を無灯火で運転させて職務質問した上で、同署へ連行して虚偽の供述調書を作成した疑いが持たれている。犯人役の男性は逮捕や書類送検をしない微罪処分となっており、仲田容疑者から報酬として現金6,000円を渡されたという。まさに"捏造"と言える犯行で、仲田容疑者は容疑を認め「検挙した実績が欲しかった」と語っているというが、そこまでしなければならないほど警察のノルマは厳しいのか。 「警察はノルマの存在を絶対に認めようとしませんが、交通取り締まりに厳しいノルマがあるのは厳然たる事実です。過去に神奈川県警の交通取り締まりノルマの数字が発覚したことがあるのですが、そこには『取り締まりの目安』という名目で、"本部指定"や"署指定"によるさまざまな項目の交通取り締まりノルマの数字があったんです。たとえば05年で見ると、駐車違反の検挙目安が20万0,500件に対して実績が20万3,825件、信号無視が2万3,780件の目安に対して実績が2万2,695件と、どの項目も目安に近い数字の検挙が行われています。県警は『目安だ』と強弁しますが、これはノルマ以外の何物でもないでしょう。この背景には、反則金の徴収ノルマや捜査報償費による組織的な裏金づくりがあるのは言うまでもありません」(県警記者クラブ所属の新聞社社会部記者)  無灯火自転車の取り締りは、昨今相次ぐ自転車の暴走や歩行者との接触事故などによるところが大きい。意外と知られていないが、自転車の夜間無灯火には5万円以下の罰金が科せられる。頻発する自転車事故を防ぐためにも無灯火自転車の取り締りが必要なのは言うまでもないのだが、それとは別に今回の事件のように自転車盗難の捜査という側面もある。 「今回の事件が起きた昨年9月も取り締まり強化期間だったそうですが、無灯火自転車を見つけると片っ端から呼び止め職質をかけて人を泥棒扱いするもんだから、市民の不興を買っています。そもそも、神奈川県警というのは全国でも群を抜いて不祥事の多い警察で、特にこの20年は酷く、藤沢北署の巡査長が3年間にわたり交通違反の10代女性を取調室に呼び出してはレイプを繰り返したり、鎌倉署の巡査長が制服着用のまま公務中に空き巣を行うという日本警察史上初の犯罪を起こしたりと、普通ではあり得ない不祥事が多発しているんです。あまりの腐敗ぶりに、県警の不正を監視する市民団体が設立されたことがあるほど」(同社会部記者)  もちろん、ノルマそのものが悪いわけではない。捜査の効果を上げるためにも一定の目標は必要だ。だが、そのノルマも実情にそぐわないほどの高い目標値であったりするなら、安全や犯罪防止ではなくノルマ達成が目的化することにならないだろうか。ましてや、それが不祥事体質の神奈川県警だとしたら......。今回の事件が物語るように、その答えは火を見るより明らかである。 (文=牧隆文)
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