ドイツは欧州危機大歓迎!? したたかな欧米の為替戦略に翻弄される日本


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『為替占領 もうひとつの8.15 
変動相場制に仕掛らけれたシステム』
(ヒカルランド刊)
 欧州債務危機問題が一向に収束しない。その動きを反映して、2010年のギリシャ財政危機をきっかけにしたEUの通貨「ユーロ」安トレンドは止まらずに、現在、01 年6月以来、約10年半ぶりに1ユーロ=100円を割り込んでいる。一体、ユーロはどこまで安くなるのだろうか?   為替を中心に国際金融市場動向の分析をし、新刊『為替占領』(ヒカルランド刊)が市場関係者の間などで話題となっている、元為替ディーラーの金融コンサルタント・岩本沙弓氏に話を聞いた。 「ユーロ円相場の史上最高値は00年10月末の1ユーロ=88円台ですが、90円あたりが定常的に落ち着くターゲットになりやすいです。ユーロは短期的に売られすぎた分、買戻しが入ると思いますが、2016~17年までの長期スパンではダラダラとユーロ安が続いていくでしょう。一方ユーロの対ドルレートは、現在1ドル=0.75ユーロ(2月3日時点)前後ですが、近いうちに『1ユーロ=1ドル』時代に突入する可能性もあります」  欧州債務危機=ユーロ安がこれから長期間続くとなっては、輸出企業に打撃の円高ユーロ安に苦しむ日本にとっては、たまったものではない。欧州の中では経済が抜きん出る強国・ドイツが、財政危機のギリシャなどに救済の手を差し伸べることはないのだろうか? 「なぜドイツはギリシャ救済に躊躇しているのでしょうか? "自分たちが汗水垂らして働いている時に呑気に遊び暮らしていたギリシャ人を血税で助けてあげるなどとんでもない"というドイツの言い分もわかります。ですが、経済危機は放っておけば時間と共に深刻化しますから、なぜあえて危機を長引かせるようなことをするのか。そこには、ドイツの通貨戦略があります。あえて財政危機のギリシャをEU内に抱え込むことで、EUの通貨・ユーロを通貨安の方向に持っていこうという戦略に沿って動いているのです」  為替の世界では、通貨を発行する国の財政状況が悪化すれば、通貨安の方向に向かうというセオリーがある。一方で通貨安となれば、輸出入の視点では「自国に対する相手国の購買力増加→相手国への輸出量増加」につながる可能性が高い。  つまり、ドイツはギリシャをEU内に抱え込むことでユーロ安の方向に持っていき、輸出を拡大させようという通貨戦略をとっているのではないか、と岩本氏は裏読みをするのだ。 「1月3日付の英ファイナンシャル・タイムズは、昨年12月にドイツの失業率が、他国の高失業率をよそに著しく低下し、20年来の低水準6.8%になったことを伝えています。20年前といえば東西ドイツ統合で景気がバブル化していた頃ですから、それ以来の好景気を謳歌していることになります。記事の中では、製造業を中心に企業が高収益を上げ、特にドイツの大手自動車メーカー・アウディが、今年中の雇用増を言明していることなどを例として挙げています。この好調なドイツ経済を支えているのが輸出産業です。例えば、アジア市場でもドイツ車の販売は伸びているんです。日本でもドイツ車がますます売れていますよね」  つまり円高ユーロ安の還元セールは、ますますドイツ経済を好調にしているのだ。 「世界各国の国家戦略の中で重要な政策のひとつが通貨戦略なのです。例えばアメリカは、オバマ政権が打ち出した輸出倍増計画のために、(円高)ドル安政策をとっています。今年の大統領選で再選するために、オバマ政権はこの政策をますます推進させるでしょう。この動きを日本は指をくわえて見ているだけですが、アメリカとの輸出を競うドイツは、なんと財政危機のギリシャを利用してユーロ安の方向をつくり出しているのです」  アメリカの通貨戦略によって、1ドル=59円まで進みかねないといったアメリカの通貨戦略については、岩本氏の最新刊『為替占領』を読んでいただくとして、ドイツが欧州危機に対して積極的に関与しようとしない背景には「欧州危機はドイツにとって好都合」というカラクリがあるようだ。 (取材・文=松井克明) ●いわもと・さゆみ 1991年より日米加豪の金融機関にてヴァイス・プレジデントとして外国為替、短期金融市場取引を中心にトレーディング業務に従事。日本経済新聞社発行のニューズレターに7年間、為替見通しを執筆。金融機関専門誌「ユーロマネー誌」のアンケートで為替予想部門の優秀ディーラーに選出。現在、為替・国際金融関連の執筆・講演活動の他、国内外の金融機関勤務の経験を生かし、英語を中心に私立高校、および専門学校にて講師業に従事。主な著作に「新・マネー敗戦」(文春新書)など。
為替占領 ふむふむふむ。 amazon_associate_logo.jpg
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「岩波書店のコネなんてもらえない!」底辺東大生の就職活動はFラン大よりも悲惨!

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※イメージ画像 photo by sir.Kir from flickr
 就職活動シーズンまっさかりに発表したためか、一向に冷める様子もない岩波書店のコネ入社をめぐる議論。「不公平だ!」という批判意見がある一方で、「合理的だ」と称賛する声も増えてきている。先の記事に記したように(※記事参照)、岩波書店が求めているのは、基本は東大卒を中心としたエリート層である。明確な志望動機もなく、「なんとなくマスコミに行きたい」というような学生の応募で事務処理が煩雑にならなくて済む。「コネが必要な上に東大生じゃないとダメ」となればさらに不公平な感じもするが、実は東大生の就活事情も内情はかなり悲惨なのだ。  実は、岩波書店のコネ報道が流れてから、東大生たちから聞こえてくるのは「岩波に紹介状を書いてもらえるようなヤツはいいよな......」という怨嗟の声だ。  東京大学といえば、日本で一番偏差値が高い大学である。ゆえに、日本国内に住んでいて成績優秀な学生は、ほぼすべて東京大学に入学することになる(最初から海外の大学に進学する人もいるだろうけど、ごく少数だ)。なので「この人は神か?」と思うようなハイパーエリートもいるかと思えば、十数年の人生を受験勉強に費やしてなんとか入学した学生まで、実は頭のデキが随分と幅広い。にもかかわらず、就職活動で企業から「東京大学」と十把一絡げに分類されてしまう。こうなると、悲惨なのがいわば「底辺東大生」ともいえる学生たちだ。 「東大に入ってしまったがために、最初から就活の対象になる企業がある程度絞られてしまうんです。どこでもいいから就職したい、と思って誰も知らないような中小企業に行こうとしても『なんで東大なのにウチの会社なんかに?』と、何か問題があるんじゃないかと書類でハネられてしまうんです......」  と、話すのは、就職先が決まらずに留年することを決めた東大4年生の男子学生。東大ならではのコネが通じる企業はいくつもある。でも、コネをもらえるためには一定水準以上の能力が必要というわけだ。彼に限らず、大学受験を終えた解放感の中で4年間を過ごしてしまい、就職も決まらずに留年を決めたり、大学院進学へ「逃げ」たりする東大生は数多い。  また、就職活動にあたっては「とりあえずマスコミも受けてみる」という東大生はやっぱり多い。 「朝日新聞と講談社と......あと、P&Gも(日本では台所用洗剤で有名な会社だが、世界でも指折りの優良企業で東大生の採用率が高い)とりあえず受けてみる予定です」  と、就職活動中のある東大女子は話す。ちなみに、第1志望は堅そうな独立行政法人を狙っているというから、わけがわからない。  それでも心が折れて就職活動を断念してしまう最底辺を除けば、どこかには就職できるのだから「腐っても東大生」というべきか。  ただ、彼らの場合は具体的に「どこそこの教授の研究室にいたヤツがコネで就職した」といった情報を得る機会が多いので、このニュースを通じてコネのぜひを論議している人々よりも怨嗟が強いのは間違いない。 (取材・文=三途川昇天)
東京大学(文科-前期日程) 腐っても東大。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・「何を今さら......」岩波書店、宣言しなくてもコネ採用が当たり前だった?「取次や再販制度はどうなる......!?」TPP参加は日本出版界壊滅への序曲か「次の選考委員は町田康? 角田光代?」石原慎太郎辞任で芥川賞はどう変わるか?

「岩波書店のコネなんてもらえない!」底辺東大生の就職活動はFラン大よりも悲惨!


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※イメージ画像 photo by sir.Kir from flickr
 就職活動シーズンまっさかりに発表したためか、一向に冷める様子もない岩波書店のコネ入社をめぐる議論。「不公平だ!」という批判意見がある一方で、「合理的だ」と称賛する声も増えてきている。先の記事に記したように(※記事参照)、岩波書店が求めているのは、基本は東大卒を中心としたエリート層である。明確な志望動機もなく、「なんとなくマスコミに行きたい」というような学生の応募で事務処理が煩雑にならなくて済む。「コネが必要な上に東大生じゃないとダメ」となればさらに不公平な感じもするが、実は東大生の就活事情も内情はかなり悲惨なのだ。  実は、岩波書店のコネ報道が流れてから、東大生たちから聞こえてくるのは「岩波に紹介状を書いてもらえるようなヤツはいいよな......」という怨嗟の声だ。  東京大学といえば、日本で一番偏差値が高い大学である。ゆえに、日本国内に住んでいて成績優秀な学生は、ほぼすべて東京大学に入学することになる(最初から海外の大学に進学する人もいるだろうけど、ごく少数だ)。なので「この人は神か?」と思うようなハイパーエリートもいるかと思えば、十数年の人生を受験勉強に費やしてなんとか入学した学生まで、実は頭のデキが随分と幅広い。にもかかわらず、就職活動で企業から「東京大学」と十把一絡げに分類されてしまう。こうなると、悲惨なのがいわば「底辺東大生」ともいえる学生たちだ。 「東大に入ってしまったがために、最初から就活の対象になる企業がある程度絞られてしまうんです。どこでもいいから就職したい、と思って誰も知らないような中小企業に行こうとしても『なんで東大なのにウチの会社なんかに?』と、何か問題があるんじゃないかと書類でハネられてしまうんです......」  と、話すのは、就職先が決まらずに留年することを決めた東大4年生の男子学生。東大ならではのコネが通じる企業はいくつもある。でも、コネをもらえるためには一定水準以上の能力が必要というわけだ。彼に限らず、大学受験を終えた解放感の中で4年間を過ごしてしまい、就職も決まらずに留年を決めたり、大学院進学へ「逃げ」たりする東大生は数多い。  また、就職活動にあたっては「とりあえずマスコミも受けてみる」という東大生はやっぱり多い。 「朝日新聞と講談社と......あと、P&Gも(日本では台所用洗剤で有名な会社だが、世界でも指折りの優良企業で東大生の採用率が高い)とりあえず受けてみる予定です」  と、就職活動中のある東大女子は話す。ちなみに、第1志望は堅そうな独立行政法人を狙っているというから、わけがわからない。  それでも心が折れて就職活動を断念してしまう最底辺を除けば、どこかには就職できるのだから「腐っても東大生」というべきか。  ただ、彼らの場合は具体的に「どこそこの教授の研究室にいたヤツがコネで就職した」といった情報を得る機会が多いので、このニュースを通じてコネのぜひを論議している人々よりも怨嗟が強いのは間違いない。 (取材・文=三途川昇天)
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カブールから緊急連絡! アメリカのアフガン撤退から見えるものとは!?

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カブールはこの季節、深い雪。
 アメリカのパネッタ国防長官が2月1日、アフガニスタンに駐留する米軍の戦闘任務を13年度までに終結させ、訓練任務を「戦闘任務」から「訓練、支援任務」に移行させる方針を明らかにした。アメリカは既に国防費削減の一環として、現在アフガン駐留中の米軍約9万人を14年度までに撤収するとしているが、オバマ政権がアフガンでの戦闘任務の終結時期を明示したのは初めてのこと。  一方、米軍撤収後のタリバンの地位保全等に関連した協議を、アメリカがアフガン政権の頭越しにタリバンと直接行っていることに対し、アフガンのカルザイ大統領や隣国のパキスタンがアメリカに強い不信感を示しているとも報じられている。こうしたパワーバランスの乱れは、はたして新たな火種を生むのだろうか。現在アフガンを取材中で、『報道ステーション』(テレビ朝日系)などでもおなじみの戦場ジャーナリスト・西谷文和氏から、国際電話でアフガンの現状と今後を語ってもらった(以下、西谷氏の会話要約)。  アフガンの今後を考えるにあたって最初に留意しなければならないことは、「今、起こっている現象だけで判断してはいけない」ということだろう。  米国とタリバンが、カタールのドーハを拠点にして和平交渉に入るというニュースが流れた。これはカルザイ政権の頭越しに行われるので、焦ったカルザイはサウジやパキスタンと組んで、サウジのリヤドで米国抜きの和平交渉、すなわちタリバンとカルザイの「アフガン人同士で」和平会議を開催しようとした。  ここでアフガン情勢に詳しい人なら、「えっ、立場が逆なのでは?」と感じるかもしれない。  すなわち、カルザイ政権は米国の傀儡としてスタートしているし、タリバンはサウジの資金を利用してパキスタンが作り上げた武装組織であるからだ。歴史の流れからすると、米国はまずカルザイ政権と相談すべきだし、パキスタンやサウジはタリバンを支援していくはずだ。今起きている現象は、「昨日の敵が今日の友で、今日の友が明日の敵」である。ちなみにこれは中東でもよくあることだ。  では、私なりに背景を探ってみよう。  まずは米国の事情から。周知の通り、米国はイラク&アフガン戦争で巨額の軍事費を投入しており、財政破綻してしまった。オバマ政権としては、これ以上アフガン戦争に金を突っ込むことは避けたい。アフガンをコントロールするためカルザイを大統領にしたが、予想以上に(あるいはわざと?)戦争が長引き、米国による誤爆や不当逮捕、殺人などでアフガン人の間に強い反米感情が芽生えた。カルザイは当初、米軍をかばっていたが、国民世論を無視できず、反米スタンスを取らざるを得ない状況に追い込まれた。彼の反米スタンスは当初、国民向けのポーズだったが、あまりに米軍の戦争犯罪がひどいので、傀儡として振る舞うことに限界を感じ、本気で米軍撤退を要求するようになった。ちょうど沖縄における仲井眞弘多知事のような存在ではないか、と思う。  オバマ政権内部も一枚岩ではない。アフガンから撤退を主張するグループと、もう少し戦争を続けたいグループがいるはず。米国の失業率は今や10%に届く勢い。どこかで紛争の種をまき、戦争を続けないと軍産複合体も商売できない。しかしアフガン戦争は、もうそれほどうまみがない。トルクメニスタンからアフガン経由で石油パイプラインを引く計画も現在は頓挫しているし、イラクやリビアのように、アフガンからは石油が出ない。  今年は大統領選挙なので、オバマとしては「タリバンと和解成立」を見せて、選挙に勝利したいだろう。でもカルザイは信用できないし、今やアフガン各地でタリバンが復活していて、カルザイが治めているのはカブールだけ。カルザイは今や「カブール市長」といってもよい状態だ。米国はそんなカルザイを見限って、タリバンと直接交渉に踏み切ったのだと思われる。  問題はここから。果たしてこの交渉は、両者、本気なのか、ということ。私は両者ともポーズではないか、と考えている。オバマは「自分は平和主義者である」とアピールできるし、タリバンは「アフガンの実権を握っているのは俺たちだ」と主張できる。しかし本当に和平が実現してしまうと、米国は戦争ができなくなるし、タリバンは恐怖政治でしか民衆を押さえ込むことができないので、和平が実現してしまうと、すぐに統治能力がないことが露呈してしまう。またタリバンと一口に言っても、地方によっては単なる軍閥だったりするので、一枚岩でもない。今のタリバンは「アフガンが戦争状態だからこそ、一定の民衆の支持を取り付けている」だけである。  隣国パキスタンはどうか? 1990年代、パキスタンは軍の諜報機関ISIを使ってタリバンをアフガンにもぐり込ませ、アフガンをコントロールすることに成功した。パキスタンは、石油パイプラインの利権と、隣国インドとの紛争があり、インドとの後背地としてアフガンを手中に収めておきたかった。この点で米国とパキスタンの利害が一致していたが、911事件で状況は一変した。  米国は今までパキスタンとともに支援してきたオサマ・ビンラディンとタリバンに対して戦争を始めた。パキスタンのムシャラフは独裁的だが有能な政治家だったので、米国と協調するふりをしながら、民衆の反米感情にうまく折り合いを付けながらパキスタン軍をコントロールしていた。しかしブット女史の暗殺で、そのムシャラフも国を追われ、「金儲けの才覚はあるが、政治家としては無能なブットの夫」ザルダリに代わった。大統領が無能だと軍部が力をつける。パキスタン軍の力が台頭し、諜報機関であるISI主導で、自爆テロリストの養成が始まって、パキスタン・タリバンやラシュカレ・タイバなどの武装勢力が、アフガンやインドでテロ事件を引き起こすようになった。パキスタン・タリバンが、カブールなど主要都市で、次々と自爆テロや銃撃戦を引き起こし、アフガン人を巻き添えにして殺していったので、オリジナルの「アフガニスタン・タリバン」は、パキスタンと距離を置くようになった。アフガン戦争も、今や米国とアフガン・タリバンとの戦いではなくて、主な戦場はパキスタンとの国境付近、つまりパキスタン・タリバンとの戦争に変化しつつある。そんな中、パキスタンは米国一辺倒の同盟国ではなくなり、特に中国との関係を強め始めた。そしてだんだんとアフガン・タリバンから離れていったと想像される。  よってパキスタンとしても、アフガン・タリバンの敵=カルザイ政権を利用しようという思惑が生じた。  ではサウジはどうか? サウジはサウド家という王族の独裁国家である。日本ではあまり報道されないが、サウジもまた「アラブの春」の渦中にいる。王族の腐敗、独裁に抗議する民衆が、命を賭けてデモをしている。そんな時独裁者はどうするか? 一定の譲歩、つまり福祉や教育など国民生活向上の約束で不満を沈めるとともに、国民の目を国内問題から国外へそらすことができればなおよい。リヤドでアフガン和平会議を成功させて、王族が「平和主義者であり、打倒の対象ではない」ことをアピールしたい。そんな思惑から、カルザイを利用しようとしたのだろう。  ここまでが直接的、政治的背景。ではその裏の裏、経済的背景について考えてみよう。  リーマンショックをはじめとして、実体のないマネーゲームの破綻で世界の金融資本は大打撃を受けた。本来ならマネーゲームを改め、実体経済への投資に切り替えねばならない。しかし、それではあまり儲からない。株式や証券に投資していた巨額の富は、原油や金、穀物などの先物市場にも流れていく。  特に原油市場は中東情勢で動く。イランやイラクで紛争があれば原油は急騰する。結果として産油国と石油産業、そしてそれらの株式を所有する金融機関、原油先物市場で売り買いしているヘッジファンドなどが巨額の利益を得る。イランがホルムズ海峡を封鎖する、とにおわせただけで、原油価格は跳ね上がる。その情報を前もって知っている投資機関があれば、当然「買い」に走るだろうし、「沈静化」のニュースを嗅ぎ取れば、「空売り」すれば良い。  リビアの内戦では、武器の取引はもちろん、このような思惑で動いて巨額の富を手にした投資機関があっただろうと想像する。ちなみにオバマ大統領の選挙資金を支えたのは、ゴールドマン・サックス、JPモルガンなどの投資銀行だった。米国政権が何を考えているか、を前もって知っていれば大儲けできる。いわゆる戦争銘柄、石油銘柄のインサイダー取引だ。  アフガン戦争は、イラク戦争に比べてそれほど金にならない。しかし米国の一部勢力にとって、「戦争を始めるキッカケ」が必要だった。国民世論を戦争に向かせるための仕掛け、それが911事件とそれに引き続くアフガン戦争ではなかったか? 米国、特にネオコンの狙いはイラク戦争であって、アフガン戦争はイラク戦争を引き起こす導火線に過ぎなかった。そのアフガン戦争も10年続き、そろそろ潮時である。  紛争のネタは他にもたくさんある、イランやシリア、イスラエル、エジプト、パレスチナ...。米国はイラク戦争で懲りているので、「よその国に戦争をしてもらって、その協力体制で儲けるほうがわりがよい」と考えているだろう。したがってイスラエルにイランを攻撃させるのが、もっとも望ましいと考えるグループもいるはず。また絶えず緊張関係を作っておいて情勢を不安定にしたほうが、軍産石油複合体にとっても、金融資本にとっても都合がよい。  結論。米国もサウジもパキスタンも、それぞれ国内事情を抱えながら、アフガン戦争については収束の方向で一致し始めている。ただ、戦争は儲かるので、「アフガンを不安定なまま」にしておき、いつでも介入できる態勢にしておきたい。形だけの和平合意を実現させ、米国にとっては、アフガンに中国やイランの影響が及ぶのをできるだけ避けておきたい。よって、現時点の実効支配者であるタリバンと「和解するふり」を始めた、と考える。 (聞き手=浮島さとし)
GUNNER SP アフガニスタン最前線レポート もう戦争はたくさんだ。 amazon_associate_logo.jpg
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2大ワカサギ漁スポットが大打撃! 次々に明るみに出る東京電力の"罪"

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 東日本大震災から間もなく1年がたとうとしているが、まだまだ解決までにかなりの時間がかかりそうなのが、福島第一原発事故による東京電力の法人・個人に対する損害賠償金の支払いだ。 「昨年末までに、東電が本賠償の支払いで合意したのは、個人・法人などをあわせて約9,200件で、請求件数の2割以下にとどまった。東電は社員のコストカットや資産の売却でなんとか賠償金を捻出しようとしているが、もはや台所は"火の車"で、なかなか請求した個人・法人が納得できる額を支払うことができない」(全国紙社会部記者)  そんな中、ここにきて放射能による被害で大打撃を受けたことで注目されているのが、冬の風物詩・氷上ワカサギ釣りだという。 「赤城大沼(群馬県前橋市)では、県が捕獲したワカサギの安全検査を昨年8~11月の4カ月間で4回行ったが、いずれも1キログラム当たり500ベクレルの暫定基準値を超えるセシウムを検出。例年9~11月にシーズンを迎えるボート釣りが中止されたほか、毎年1月から始まる氷上穴釣りも中止となった。同湖畔の旅館や飲食店はワカサギ釣り愛好家の来店で経営が成り立っているが、果たして来年のシーズンがどうなるのか予測できず、最悪今年と同じ状態になり潰れる店も出てくるだろう。そのため、同所の漁業共同組合は東電に損害賠償を求める方向で固まっているようだ」(民放キー局の情報番組デスク)  そして最近、メディアで取り上げられることが多いのが、群馬県内では赤城大沼と並ぶワカサギ漁スポットとして知られている榛名湖(同高崎市)だが、こちらは"グレーゾーン"のままワカサギ漁を解禁しなかった。 「赤城大沼の検査結果を受け、昨年9月から20回以上漁をしたが、検査に必要な200グラムにあたる約100匹分が1回も獲れなかった。1月28日には早朝から85人以上が氷上で釣り糸を垂らしたが釣れたのは5時間でわずか1匹。この結果を受けワカサギ漁を解禁しないことを決定。湖畔の宿や飲食店は赤城大沼と同じような状態で閑古鳥が鳴いている。榛名湖は赤城もそうだが、放射能が大量に流れ込んだとされる利根川を源流としており、赤城とわずか20キロしか離れていない。そのため、なんらかの形で放射能の影響を受けている可能性が非常に高いが、検査結果がでないことにはどうにもならない。正式な検査結果を受け、こちらの漁協もおそらく東電に損害賠償を請求することになりそう。ただ、こちらの漁業関係者はハッキリとした結果が出ていないにもかかわらず、風評被害がささやかれているため口が重く、まともな取材対応をしてくれないようだ」(同)  またまた新たな東電の罪深さが明るみに出てきてしまったが、ワカサギ漁にかかわって生計を立てる人々の「東電憎し!」という思いはかなり深そうだ。

プロマリン(PRO MARINE) PG ソリッドわかさきセット こういう問題、これからどんどん出てくるね。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・「住民票を移すか、子どもを関東に戻すか」原発事故 自主避難家族に迫られる理不尽な選択福島第一原発事故20km地域の"LOVE & PEACE" 幻のコミューン「獏原人村」の現在被災地レポート「仮払金支払い窓口で働く東電末端社員の対応」

毒入り食塩摘発で明らかとなった中国ニセ食品業界の驚きの高利潤体質

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 中国でまたまた新たなにニセ食品が誕生してしまった。中国大手ニュースサイト「新華網」によると、安徽省で公安に押収された密造塩18トンから、除草剤の原料として使用されるグリホサートという物質が大量に検出されたのだ。  この毒入り食塩は江蘇省の製塩業者が製造したもので、すでに 1万4,000トンが、全国12省の市場に出回っていることが明らかとなった。この食塩を知らずに口にしてしまった人々の健康被害も心配されるところだが、しかし、驚くべきはその流通チェーンにかかわる中間業者の多さと利益率の高さである。  調査によると、このニセ食塩を製造した製塩業者は、廃棄された除草薬を入手し、それを工業塩へと加工。こうして1トン当たり1,200円ほどで生産された工業塩を、4,000円前後で密造塩卸売業者に販売していた。そしてさらにこの卸売業者は、1トン8,000円ほどで食糧業者に卸すと、その食糧業者は1トン1万5,000円ほどで食品小売店に販売していたという。  小売店がこのニセ食塩にどれだけの利益を乗せて販売していたかは不明だが、末端価格は最低でも、生産コストのゆうに12倍以上ということになる。さらに、小売店以外の中間業者のすべてが100パーセ ント以上の利益を得ているのだ。  それにしても、段ボールから肉まんを作ったり、下水から食用油を作ったり、中国のニセ食品事情には驚くばかりだが、その背景にはこうした高利潤があるようだ。その発想力と技術力をもう少し別のモノに生かせる日はいつになることだろうか......。 (文=高田信人)

中華バカ事件簿 トンデモ! amazon_associate_logo.jpg
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「起こるべくして起こった?」無関係の母子写真を……共同通信社が放った大誤報の裏側

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 共同通信社といえば、全国47都道府県の県庁所在地と主要都市、および海外の主要都市に自社の記者を配置し、国内外のニュース・写真・記事関連データを全国の新聞・NHKを含むテレビ各局・ラジオ局に配信する非営利の通信社としてメディア関係者の間で知られている。 「非営利なだけに、ニュース提供を受ける加盟社が出資して運営され、特に北海道新聞、中日新聞、西日本新聞の出資比率が高い。加盟する目的は自社の記者がカバーできない取材内容を紙面に載せるためで、特に地方紙・スポーツ紙・夕刊紙・地方局には重宝がられ、共同の記事の読者・視聴者は数千万人に及ぶだろう」(全国紙社会部記者)  ただ、その反面、「もし、共同が誤報を配信した場合、必然的にそれが事実として信じられてしまう」(同)という状況だが、その共同通信社が、世間を騒がせている事件でとんでもない大誤報を放ってしまった。  その事件とは、昨年9月に発生した大分県日出(ひじ)町のスーパーに駐められた車から江本琴音ちゃん(当時2歳)が行方不明になった事件。母親の江本優子容疑者が琴音ちゃんの遺体を遺棄したことを供述。供述通り遺体が見つかり、5日夜に死体遺棄容疑で逮捕されたが、なんと、同社が優子容疑者と琴音ちゃんとして配信した写真が、2人とも別人で、加盟社がそのままの本人の写真として配信してしまったのだ。 「逮捕状をとったニュースが5日の午後9時ごろに共同で流れ、午後10時に逮捕のニュースが流れた。最初に送られて来た写真は琴音ちゃんのみの写真で、それを使おうとしたが、同10時ごろに問題の母子の写真が来た。当然、母子の写真を載せたほうが読者の関心を引くので、掲載。ところが、翌日正午過ぎになんと『配信した写真の母親は別人』との訂正記事が送られて来てしまい、社内は騒然。『さすがに、子どものほうは大丈夫だろう』と思っていたら、夕方になって『子どもも別人』との訂正記事が送られて来た。とんでもない大誤報だったが、母子同時に確認できないとはなんとも情けない。訂正記事が流れた時間が時間だっただけに、夕刊各紙も刷り上がった誤った母子の写真が掲載されてしまった」(地方紙デスク)  最近の同社の誤報といえば、10年10月に開催されたサッカー日本代表の国際親善試合「キリンチャレンジカップ」の原稿に社内で原稿を監修する運動部デスク(次長)が、知人女性に聞いたコメントをまるで当日会場で女性サポーターに聞いたように書き加えて配信。地方紙4紙が試合翌日の朝刊に掲載してしまい、その後、社内の「捏造(ねつぞう)があった」との指摘で調査委員会が事実を調査。次長は「締め切りが迫っていたので加筆した」と説明したため、同社は同月付で運動部長と次長の2人を厳重注意処分とし、次長を編集局以外の部署へ異動。運動部員の大幅な人事異動もしていたことが翌年8月に発覚した。  今回の写真誤配信について、同社の近藤順夫ビジュアル報道センター長は「重大なミスを犯し、関係者と読者に多大な迷惑をおかけしたことをおわびします」とのコメントを発表。写真は琴音ちゃんが行方不明になったとされた直後、記者が入手したが、実際その写真に2人は写っておらず、記者が確認作業を怠ったのが原因としているが、同社内外からは「いつかこういうことが起きても仕方ないと思った」との声が聞こえてきている。 「全体的に記者の質が低下している。通信社という性質上、自分が取材したものがダイレクトに紙面に反映されず、ここ数年給料は頭打ち。おまけに、駆け出しのうちは地方をたらい回しにされ、ボツになってしまうことが多いので、優秀で取材意欲にあふれた人材は給料や待遇のいい全国紙・出版社・NHKや民放キー局に転職してしまう。残った人材の中でも、地方の支局はまだ社歴の浅い記者や、一線を退いた記者が多くモチベーションが上がらず。そんな悪循環が社内で繰り返されるうちに、今回のような大誤報を配信してしまった。関係した部署や記者はいくらなんでもクビにはならないだろうが、かつてないほどの厳重処分が下されるだろう」(別の全国紙デスク)  全国に事件の当事者のように顔をさらされた母子はたまったものではないだろうが、世間的に同社の信頼が地に落ちたことは間違いなさそうだ。

共同通信ニュース予定2012 とんだ赤っ恥。 amazon_associate_logo.jpg
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「起こるべくして起こった?」無関係の母子写真を……共同通信社が放った大誤報の裏側

 共同通信社といえば、全国47都道府県の県庁所在地と主要都市、および海外の主要都市に自社の記者を配置し、国内外のニュース・写真・記事関連データを全国の新聞・NHKを含むテレビ各局・ラジオ局に配信する非営利の通信社としてメディア関係者の間で知られている。 「非営利なだけに、ニュース提供を受ける加盟社が出資して運営され、特に北海道新聞、中日新聞、西日本新聞の出資比率が高い。加盟する目的は自社の記者がカバーできない取材内容を紙面に載せるためで、特に地方紙・スポーツ紙・夕刊紙・地方局には重宝がられ、共同の記事の読者・視聴者は数千万人に及ぶだろう」(全国紙社会部記者)  ただ、その反面、「もし、共同が誤報を配信した場合、必然的にそれが事実として信じられてしまう」(同)という状況だが、その共同通信社が、世間を騒がせている事件でとんでもない大誤報を放ってしまった。  その事件とは、昨年9月に発生した大分県日出(ひじ)町のスーパーに駐められた車から江本琴音ちゃん(当時2歳)が行方不明になった事件。母親の江本優子容疑者が琴音ちゃんの遺体を遺棄したことを供述。供述通り遺体が見つかり、5日夜に死体遺棄容疑で逮捕されたが、なんと、同社が優子容疑者と琴音ちゃんとして配信した写真が、2人とも別人で、加盟社がそのままの本人の写真として配信してしまったのだ。 「逮捕状をとったニュースが5日の午後9時ごろに共同で流れ、午後10時に逮捕のニュースが流れた。最初に送られて来た写真は琴音ちゃんのみの写真で、それを使おうとしたが、同10時ごろに問題の母子の写真が来た。当然、母子の写真を載せたほうが読者の関心を引くので、掲載。ところが、翌日正午過ぎになんと『配信した写真の母親は別人』との訂正記事が送られて来てしまい、社内は騒然。『さすがに、子どものほうは大丈夫だろう』と思っていたら、夕方になって『子どもも別人』との訂正記事が送られて来た。とんでもない大誤報だったが、母子同時に確認できないとはなんとも情けない。訂正記事が流れた時間が時間だっただけに、夕刊各紙も刷り上がった誤った母子の写真が掲載されてしまった」(地方紙デスク)  最近の同社の誤報といえば、10年10月に開催されたサッカー日本代表の国際親善試合「キリンチャレンジカップ」の原稿に社内で原稿を監修する運動部デスク(次長)が、知人女性に聞いたコメントをまるで当日会場で女性サポーターに聞いたように書き加えて配信。地方紙4紙が試合翌日の朝刊に掲載してしまい、その後、社内の「捏造(ねつぞう)があった」との指摘で調査委員会が事実を調査。次長は「締め切りが迫っていたので加筆した」と説明したため、同社は同月付で運動部長と次長の2人を厳重注意処分とし、次長を編集局以外の部署へ異動。運動部員の大幅な人事異動もしていたことが翌年8月に発覚した。  今回の写真誤配信について、同社の近藤順夫ビジュアル報道センター長は「重大なミスを犯し、関係者と読者に多大な迷惑をおかけしたことをおわびします」とのコメントを発表。写真は琴音ちゃんが行方不明になったとされた直後、記者が入手したが、実際その写真に2人は写っておらず、記者が確認作業を怠ったのが原因としているが、同社内外からは「いつかこういうことが起きても仕方ないと思った」との声が聞こえてきている。 「全体的に記者の質が低下している。通信社という性質上、自分が取材したものがダイレクトに紙面に反映されず、ここ数年給料は頭打ち。おまけに、駆け出しのうちは地方をたらい回しにされ、ボツになってしまうことが多いので、優秀で取材意欲にあふれた人材は給料や待遇のいい全国紙・出版社・NHKや民放キー局に転職してしまう。残った人材の中でも、地方の支局はまだ社歴の浅い記者や、一線を退いた記者が多くモチベーションが上がらず。そんな悪循環が社内で繰り返されるうちに、今回のような大誤報を配信してしまった。関係した部署や記者はいくらなんでもクビにはならないだろうが、かつてないほどの厳重処分が下されるだろう」(別の全国紙デスク)  全国に事件の当事者のように顔をさらされた母子はたまったものではないだろうが、世間的に同社の信頼が地に落ちたことは間違いなさそうだ。
共同通信ニュース予定2012 とんだ赤っ恥。 amazon_associate_logo.jpg
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「何を今さら……」岩波書店、宣言しなくてもコネ採用が当たり前だった?

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岩波書店公式サイトより
 2013年度の定期採用で、応募条件として「岩波書店(から出版した)著者の紹介状あるいは社員の紹介があること」を掲げ、事実上コネのある学生しか採用しないと宣言した岩波書店。小宮山洋子厚生労働相が「公正な採用・選考に弊害があるという指摘かと思うので、早急に事実関係を把握したい」と問題視したり、「そんなに悪いことなのか」と同社の方針を肯定する意見も登場するなど、さまざまな形で物議を醸している。しかし、同社の内情をよく知る人々は「何を今さら......」と冷めた目で見ている。  近年の出版不況のあおりなのか、岩波書店では11年度の定期採用は行わなかった。ところが、である。毎年、多くの出版社が新人研修としてレジ打ちや陳列などの体験に利用している都内の某大手書店。そこには、昨年もちゃんと岩波書店の「新人」の姿もあったのだとか......。要は、定期採用は行わなかったが、コネ採用は行ったということらしい。 「これまでもコネ入社が当たり前だったんですから、わざわざ宣言するのもおかしな話ですよ」(ある書店員)  そもそも、これまでも岩波書店の採用試験は書類選考の段階でかなり絞られており、早い話が、基本的に書類選考の先に進むことができるのはほぼ東大生のみ。よくて京大あたり、早稲田・慶応レベルだと少し難しいという風説がある。 「岩波書店は、福音館や医学書院と並んで、基本的に東大卒しか採用しないというのがもっぱらのウワサです。ですので、実際の応募条件は"著者の紹介状あるいは社員の紹介"がある"大学生"ではなく"紹介のある東大生"ということですね。ニュースを見た私大の学生が岩波書店から本を出している教授に頭を下げたりしているとしたら、罪な話ですよ」(中堅出版社社員)  公正な採用選考もなにも、従来からハイレベルな足切りが存在するわけで、今さら公式に縁故採用を宣言した意図がわからない。  そして、著者や社員の紹介と言いつつも、実際には、これまで岩波書店と濃い付き合いのある著者の紹介しか相手にされない様子。 「私の知る限り、過去5年余り採用された中に、岩波書店から何冊も本を出している東大教授のコネとおぼしき学生が必ずいるんです」(就職活動中の東大生)  話を聞いた東大生が名指しするのは、人文社会科学系のある分野で多大な業績を挙げている(とされる)A教授。岩波書店からは、単行本や新書を何冊も出しているし、シリーズ物の共編著も手がけたりしている人物。「なるほど、この教授から"この学生を入社させてくれ"といわれたら岩波書店も断ることはできないだろうな」といえる人物だ。それに、岩波書店としても、よりネットワークが濃密になるわけだから、おいしい話である。  古今東西の名著をそろえた岩波文庫をはじめとして、日本人の教養を担ってきた岩波書店。しかし、古典的な教養を大衆が忌避する昨今、売り上げも芳しくない。片や、東大生で岩波書店から本を出している教授の紹介状がもらえるということは、イコール岩波書店の本の読者と考えて間違いない。「どうせ採用するんなら、ウチの会社のことをよく知っている人材」とするのは、経営判断としてしごく当然ではなかろうか。 (文=三途川昇天)                                                                          
金なし、コネなし、タイ暮らし! コネなんかなくても! amazon_associate_logo.jpg
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「何を今さら……」岩波書店、宣言しなくてもコネ採用が当たり前だった?


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岩波書店公式サイトより
 2013年度の定期採用で、応募条件として「岩波書店(から出版した)著者の紹介状あるいは社員の紹介があること」を掲げ、事実上コネのある学生しか採用しないと宣言した岩波書店。小宮山洋子厚生労働相が「公正な採用・選考に弊害があるという指摘かと思うので、早急に事実関係を把握したい」と問題視したり、「そんなに悪いことなのか」と同社の方針を肯定する意見も登場するなど、さまざまな形で物議を醸している。しかし、同社の内情をよく知る人々は「何を今さら......」と冷めた目で見ている。  近年の出版不況のあおりなのか、岩波書店では11年度の定期採用は行わなかった。ところが、である。毎年、多くの出版社が新人研修としてレジ打ちや陳列などの体験に利用している都内の某大手書店。そこには、昨年もちゃんと岩波書店の「新人」の姿もあったのだとか......。要は、定期採用は行わなかったが、コネ採用は行ったということらしい。 「これまでもコネ入社が当たり前だったんですから、わざわざ宣言するのもおかしな話ですよ」(ある書店員)  そもそも、これまでも岩波書店の採用試験は書類選考の段階でかなり絞られており、早い話が、基本的に書類選考の先に進むことができるのはほぼ東大生のみ。よくて京大あたり、早稲田・慶応レベルだと少し難しいという風説がある。 「岩波書店は、福音館や医学書院と並んで、基本的に東大卒しか採用しないというのがもっぱらのウワサです。ですので、実際の応募条件は"著者の紹介状あるいは社員の紹介"がある"大学生"ではなく"紹介のある東大生"ということですね。ニュースを見た私大の学生が岩波書店から本を出している教授に頭を下げたりしているとしたら、罪な話ですよ」(中堅出版社社員)  公正な採用選考もなにも、従来からハイレベルな足切りが存在するわけで、今さら公式に縁故採用を宣言した意図がわからない。  そして、著者や社員の紹介と言いつつも、実際には、これまで岩波書店と濃い付き合いのある著者の紹介しか相手にされない様子。 「私の知る限り、過去5年余り採用された中に、岩波書店から何冊も本を出している東大教授のコネとおぼしき学生が必ずいるんです」(就職活動中の東大生)  話を聞いた東大生が名指しするのは、人文社会科学系のある分野で多大な業績を挙げている(とされる)A教授。岩波書店からは、単行本や新書を何冊も出しているし、シリーズ物の共編著も手がけたりしている人物。「なるほど、この教授から"この学生を入社させてくれ"といわれたら岩波書店も断ることはできないだろうな」といえる人物だ。それに、岩波書店としても、よりネットワークが濃密になるわけだから、おいしい話である。  古今東西の名著をそろえた岩波文庫をはじめとして、日本人の教養を担ってきた岩波書店。しかし、古典的な教養を大衆が忌避する昨今、売り上げも芳しくない。片や、東大生で岩波書店から本を出している教授の紹介状がもらえるということは、イコール岩波書店の本の読者と考えて間違いない。「どうせ採用するんなら、ウチの会社のことをよく知っている人材」とするのは、経営判断としてしごく当然ではなかろうか。 (文=三途川昇天)                                                                          
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