六本木闇社会の"キーマン"に逮捕状 芸能人御用達「闇カジノ」の全貌が暴かれる日

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芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!  芸能界に幅広い人脈をもつ不動産会社「ABCホーム」の塩田大介元会長。警視庁は6日、ABCが所有する不動産について、虚偽の登記で落札を逃れようとした疑いがあるとし、同社社長である塩田の兄ら4人を競売入札妨害容疑で逮捕した。だが、当局関係者によると、逮捕状が出ている塩田自身は逃亡しており、現時点では逮捕に至っていないという。  塩田といえば、政財界や芸能界、はたまた裏社会にまで足を突っ込んできたことで知られる。特に、今回の事件の舞台ともなっている東京港区にある「西麻布迎賓館」と呼ばれるビル内では裏カジノを運営していたといわれ、さまざまな有名人が出入りしていたようだ。今回の逮捕をきっかけに、裏カジノの実態が解明されることが期待される。  昨年9月、この迎賓会前で塩田は暴力団関係者らに襲われ、重傷を負っている。これは、韓国のカジノを舞台にした金銭トラブルがきっかけだったが、奇しくも同事件の捜査の過程で、当局は迎賓館内で行われていた裏カジノにも注目しだした。  塩田を襲ったのは、アイドルだった本田理沙の元夫でもある菊次達朗容疑者を中心とした一派だった。しかし事件勃発後、菊次は行方をくらまし、傷害事件の捜査は頓挫していた。菊次は、別件の水資源や金山開発の投資詐欺事件で大阪、青森などの9府県警から指名手配されて逃亡していたのだ。その菊次は昨年12月、都内に潜伏しているところを大阪府警に逮捕された。これで傷害事件に加え、迎賓館での裏カジノの実態も解明されるのではと期待した。  というのも、傷害事件に絡んで、当局が塩田の自宅を家宅捜索した際、トラブルの原因になった韓国のカジノの顧客名簿と同時に、迎賓館で行われていた裏カジノの顧客名簿を押収していたという情報を筆者は掴んでいたからだ。親しいマル暴の捜査関係者も「裏カジノに関する捜査を行っていく」と話していたので、菊次の逮捕が突破口になると思っていた。しかし、遅々と捜査は進まない。捜査関係者は「本線の詐欺事件が、9府県にまたがっているから時間がかかる。詐欺事件が終わり次第、捜査に入ると思うよ」と話していた。  そんな折、塩田の周辺者が競売入札妨害容疑で逮捕された。塩田自身が逮捕されるのも時間の問題だろう。当局は裏カジノについても黙っていないはずだ。  塩田は、2005年に元タレントで銀座7丁目の高級クラブ「Y」(すでに閉店)のママと結婚。媒酌人は自民党の元幹事長の中川秀直。披露宴には、酒井法子をはじめ、そうそうたる芸能人が出席し、塩田の芸能界での人脈の強さを見せつけた。その後、塩田は脱税で逮捕されて会長職を退いたが、院政を引いて、芸能人御用達の飲食店が入る「迎賓館」を経営。ウワサされる裏カジノの顧客としては、塩田や菊次と親しいミュージシャンのMやG、元女子プロゴルファーのTらの名前が挙がっている。また、暴力団関係者が出入りしているともいわれ、芸能関係者との交流の場になっていたようだ。昨年、10月に東京都でも施行された暴力団排除条例を機に"芸能界の浄化"が叫ばれたが、実際には何の効果も挙げてないだけに、今回の事件を突破口に実態解明を期待したい。 (文=本多圭)
るるぶ六本木西麻布赤坂麻布十番 ロクでもねぇ。 amazon_associate_logo.jpg
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六本木闇社会の"キーマン"に逮捕状 芸能人御用達「闇カジノ」の全貌が暴かれる日

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芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!  芸能界に幅広い人脈をもつ不動産会社「ABCホーム」の塩田大介元会長。警視庁は6日、ABCが所有する不動産について、虚偽の登記で落札を逃れようとした疑いがあるとし、同社社長である塩田の兄ら4人を競売入札妨害容疑で逮捕した。だが、当局関係者によると、逮捕状が出ている塩田自身は逃亡しており、現時点では逮捕に至っていないという。  塩田といえば、政財界や芸能界、はたまた裏社会にまで足を突っ込んできたことで知られる。特に、今回の事件の舞台ともなっている東京港区にある「西麻布迎賓館」と呼ばれるビル内では裏カジノを運営していたといわれ、さまざまな有名人が出入りしていたようだ。今回の逮捕をきっかけに、裏カジノの実態が解明されることが期待される。  昨年9月、この迎賓会前で塩田は暴力団関係者らに襲われ、重傷を負っている。これは、韓国のカジノを舞台にした金銭トラブルがきっかけだったが、奇しくも同事件の捜査の過程で、当局は迎賓館内で行われていた裏カジノにも注目しだした。  塩田を襲ったのは、アイドルだった本田理沙の元夫でもある菊次達朗容疑者を中心とした一派だった。しかし事件勃発後、菊次は行方をくらまし、傷害事件の捜査は頓挫していた。菊次は、別件の水資源や金山開発の投資詐欺事件で大阪、青森などの9府県警から指名手配されて逃亡していたのだ。その菊次は昨年12月、都内に潜伏しているところを大阪府警に逮捕された。これで傷害事件に加え、迎賓館での裏カジノの実態も解明されるのではと期待した。  というのも、傷害事件に絡んで、当局が塩田の自宅を家宅捜索した際、トラブルの原因になった韓国のカジノの顧客名簿と同時に、迎賓館で行われていた裏カジノの顧客名簿を押収していたという情報を筆者は掴んでいたからだ。親しいマル暴の捜査関係者も「裏カジノに関する捜査を行っていく」と話していたので、菊次の逮捕が突破口になると思っていた。しかし、遅々と捜査は進まない。捜査関係者は「本線の詐欺事件が、9府県にまたがっているから時間がかかる。詐欺事件が終わり次第、捜査に入ると思うよ」と話していた。  そんな折、塩田の周辺者が競売入札妨害容疑で逮捕された。塩田自身が逮捕されるのも時間の問題だろう。当局は裏カジノについても黙っていないはずだ。  塩田は、2005年に元タレントで銀座7丁目の高級クラブ「Y」(すでに閉店)のママと結婚。媒酌人は自民党の元幹事長の中川秀直。披露宴には、酒井法子をはじめ、そうそうたる芸能人が出席し、塩田の芸能界での人脈の強さを見せつけた。その後、塩田は脱税で逮捕されて会長職を退いたが、院政を引いて、芸能人御用達の飲食店が入る「迎賓館」を経営。ウワサされる裏カジノの顧客としては、塩田や菊次と親しいミュージシャンのMやG、元女子プロゴルファーのTらの名前が挙がっている。また、暴力団関係者が出入りしているともいわれ、芸能関係者との交流の場になっていたようだ。昨年、10月に東京都でも施行された暴力団排除条例を機に"芸能界の浄化"が叫ばれたが、実際には何の効果も挙げてないだけに、今回の事件を突破口に実態解明を期待したい。 (文=本多圭)
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「他者への憎悪は身を滅ぼす」内田樹が語る"呪いの時代"を生きる知恵

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 炎上、祭り、バカ発見器......と、ネットの中では今日も他人を非難することに忙しい。他者への憎悪や嫉妬を撒き散らすこの風潮は、いまやネットの世界から現実の社会へと広がっている。しかし、そんな世相に対して疑問を呈するのが、思想家の内田樹だ。昨年上梓した『呪いの時代』(新潮社)では、他人に対する「呪いの言葉」を徹底的に批判する。いったい、「呪いの言葉」とは何なのか。そして、その言葉を退けるためにはどうすればいいのだろうか。現代社会を生き抜くための知恵を聞いた。 ――まず、本書で示す「呪いの言葉」とはどのような概念でしょうか? 内田樹氏(以下、内田) 単独で「呪いの言葉」というと観念的になってしまうので、同じく本書で提示している「祝福の言葉」と対比したほうがわかりやすいと思います。「呪いの言葉」は、人を記号化したり、カテゴライズしたり、一面だけを切り取ってその人の全体を表してしまう言葉です。「反革命」とか「非国民」とか。本来は多様で複雑な人間の存在を、単純化し、記号化してしまう。例えば、ある作家について語るとき、その人の著書も読まずにインタビュー記事の一行だけをつかまえて、全人格を否定するような人がいますね。「あいつは所詮○○だ」と、ひとりの人間を言い切ってしまう。そういう切り方が現代では「スマート」と思われています。でも、それはスマートなのではなく、「呪い」をかけているだけなんです。  「呪い」は強烈な破壊力を持っており、人の生命力を減衰させて、前向きな気持をなくさせます。そういった言葉を発する人は、他者が傷つくさまや評価が下がるのを見ることに快感を覚え、その感覚の虜になってしまいます。けれど、実は他者以上に自分の生命力も傷つけてしまっている。「呪い」は必ず自分にも跳ね返ってくるのです。 ――一方で、「祝福の言葉」とは、どのようなものなのでしょうか? 内田 「祝福の言葉」は逆に、目の前の人間や物事について、それを「語り尽すことができない」という謙抑的な態度を示すことだと思います。世界の深み、厚みに対する慄(おのの)きや感謝を忘れないのが「祝福の言葉」です。対象を語り得ないという、おのれの言葉の貧しさを認識すること、世界が汲み尽くし得ないほど広く深いという自覚を持つことが祝福ということの本義だと思います。日本には「国誉め」という神事があります。「山がある、川が流れている、谷が深い、緑が濃い」と目の前の美しい風景を具体的に描写する。「写生」です。それは対象に対する敬意の表現であると同じに、命を吹き込んでもいるんです。 ――他者への憎悪や嫉妬といった「呪いの言葉」は昔からありました。この数十年でいったい何が変わってしまったんでしょうか? 内田 「呪い」の内容自体はあまり変っていません。ただ、ここまで蔓延したのはインターネットが大きくかかわっていると思う。匿名で激しい否定的な言葉を無制限に発信でき、拡散できるツールが手に入ったわけですから。匿名ということは、最終的に責任を取る個人がいないということです。僕が中学生だったらたぶん中毒になってしまうでしょう。みんなが大切にしているもの、尊敬しているものに唾を吐きかけるように、「あんなものはくだらない」と言い続けて注目を浴びようとしたでしょうね。 ――まさに中学生までを含めた「一億総批評家」と言われるような状態ですね。 120215bt_0026.jpg 内田 現代は作家より評論家のほうが多いような状況です。小説家に限らず、モノを生みだすというのは人前に自分の傷つきやすい生身を差し出すようなものです。作品というのは、本質的に「ツッコミどころ満載」なんです。だから、若い学者によくいるんですが、他人の論文の批判はきわめて辛辣だけれど、自分の論文はさっぱり書き上げられない人がいる。「眼高手低」という状態ですね。そういう人は自分の作品を見ても、欠点が目について人前に出せない。他人の研究のことはあれだけボロクソに言っておいて、「お前のはこの程度かよ?」と言われるのが怖くて、何も出せなくなる。批判から入ると創造する力は傷つけられる。若い人が切れ味のよい批評の道具を手に入れるのはリスクのあることです。 ――では、内田さんが考える批評とはどのようなものでしょうか? 内田 映画評論家の町山智浩さんは、膨大な映画的記憶があるから、どんな映画を見ても「これはあの映画の引用だ」「あれはこのパターンを踏襲している」ということを見落とさない。でも、あらゆる作品のうちに無意識的に繰り返されているパターンを検出できる人だけが「前代未聞のもの」を発見できる。これは自分の狭い基準であらゆる作品を切って棄てる態度と正反対のものです。本当にオリジナルで、生成的なものを探し出そうとして、見つけたらそれを全力で支援する。それが批評の仕事だと思います。 ――安易に人や物事をカテゴライズしてしまう風潮は、新聞やテレビといった大手メディアにもすっかり浸透しています。内田さんは以前からメディアのあり方に対して疑問を呈していますが、この状況についてどう思われますか? 内田 かつては、『世界』(岩波書店)や『中央公論』(中央公論新社)のような雑誌が、「努力して成長しよう」「市民の義務を果たそう」「家族を大事にしよう」といったキレイごとを並べて世論を形成していました。それに対するカウンターメディアとして「週刊新潮」(新潮社)や「週刊文春」(文藝春秋)といった週刊誌が誕生した。「人間は色とカネ」といった"辛口"や"毒舌"で対抗するというわかりやすい二項対立があった。けれども、今はそもそも岩波的メインストリーム自体が影響力を失ってしまった。だから、対抗的毒舌やシニスムも空回りする。橋下徹大阪市長のようなさらに「にべもない」言葉遣いをする人が出てくると、サラリーマン編集者が技術的に体得した毒舌や辛口批評なんか歯が立たない。人々は成功体験から学習するから、これからは「橋下徹的な言葉遣い」を模倣する人がどんどん増えてくるでしょう。 ――一方で、私たちはそういった「呪いの言葉」の受け手でもあります。現代では、多くの人にとってネットに触れずに生活するということは難しく、望んでいなくても大量の「呪いの言葉」を浴びせかけられている状況ともいえます。そういった情報の洪水の中で「呪いの言葉」をかわし、有益な情報を選び取るためのリテラシーというものは、どう身につければよいでしょうか? 内田 まずは「呪いの言葉」には近づかないことが一番です。言葉に限らず、そういうものが近づくと、僕の身体の中でアラームが鳴るんですよ。だから、Twitterでも、厭な感じがするリプライはすぐにブロックする。もちろんネットユーザーの99%はまともな人です。失礼なリプライなんて、ほんと少数です。僕の8万人のフォロワーのうち、そんなのはせいぜい50人程度です。 ――そういった「アラーム力」は、内田さんが武道によって日頃から感覚を養っているからだと思います。一般人がそういったアラーム力を鍛えるためには、どのようにすればいいでしょうか? 内田 たしかに現代人は危険に対するアラームに対して鈍感になっていますね。ヨガの成瀬雅春先生は「とりあえず街を歩きなさい」とアドバイスしてます。街を歩くと、予想外のことが次々起こりますからね。何を避け、何を求めているのかがわかる。車が来たり、怪しい人にぶつかったりといったリスクを最小限にしながら動くためにはアラームの感度がよくないと。 ――最後の質問になりますが、内田さんは「呪いの言葉」が渦巻く日本に希望を感じることができますか? 内田 もちろん! いつの時代も全く新しいことは必ず起きます。それも思いもよらぬところからとんでもない人が出てきて、誰も予想していなかったようなイノベーションを行う。橋本治も、高橋源一郎も、村上春樹もそうだった。"こんなの「あり」なの?"というふうに虚を衝かれる。そういう真にイノベーティブな人には「呪いの言葉」なんて無効です。僕は、そういう人が現れたら、いち早く見つけてテープを投げたい。全力で応援をしたいですね。 (取材・文=萩原雄太[かもめマシーン]/撮影=尾藤能暢) ●うちだ・たつる 1950(昭和25)年、東京都生まれ。東京大学文学部卒。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。神戸女学院大学文学部総合文化学科を2011年3月に退官。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。主著に『ためらいの倫理学』、『レヴィナスと愛の現象学』、『他者と死者』、『街場の教育論』、『映画の構造分析』、『武道的思考』他。『私家版・ユダヤ文化論』で第6回小林秀雄賞、『日本辺境論』で新書大賞2010、著作活動全般に対して第3回伊丹十三賞を受賞。神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。
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中国・日本人留学生転落死 現場は飛び降り自殺スポットだった!?

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 2月29日午後、北京市にある中国伝媒大学で、日本人女子学生が学生寮の階から転落して死亡する事件が起きた。クラスメイトなどの証言から、恋愛問題に悩んだ末の自殺とみられている。その後、彼女のカバンからは「バカな選択をしてごめんなさい」などと書かれた遺書のようなものも見つかっている。  死亡したのは、日本人の父親と中国人の母親を持つ日本国籍の女子学生で、昨年から留学生としてこの大学に通っていた。中国語も流暢で、多くの友人にも恵まれていたという。友人の一人によると、3月6日は彼女の誕生日で、誕生パーティーも開催される予定だったといい、自殺するようなそぶりはまったくなかったという。  別の学生は29日午後、学生寮の15階の窓枠にしゃがみ込む女子学生を目撃している。「そこで何してるの?」と声をかけた直後、女子学生は飛び降りたという。  ちなみにこの大学のキャンパス内では、3年ほど前から自殺とみられる転落死が相次いでおり、「連続飛び降り自殺」の現場としてひそかに知られていた。 2009年4月には、今回女子学生が転落した学生寮と同じ建物の 13階から恋人同士とみられる男女2人の学生が相次いで飛び降り、死亡。また10年9月には、その隣にある学生寮の9階から別の大学の学生が転落死している。さらに同年12月には、同じ宿舎の11階から学生が転落して死亡しており、今回死亡した日本人女子学生はここ3年間で5人目の犠牲者ということになる。  連続飛び降り自殺といえば、アップル製品を受託生産する深セン市のフォックスコンで、従業員による自殺が10件以上連続して発生したことも記憶に新しい。ただの偶然か、何かの因果なのかはさておき、これ以上の死者が出ないことを祈りたい。 (文=牧野源) 

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震災2週間後の被災地を映した『311』 テーマは現代人が感じる"後ろめたさ"

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ドキュメンタリー映画『311』。森達也をはじめとする4人の映像作家
たちがビデオカメラを手に、福島、宮城、岩手の被災地をめぐる。
(c)森達也・綿井健陽・松林要樹・安岡卓治
 "誰も、見たくなかったはずのドキュメンタリー。"が劇場公開される。4人の映像作家たちによる共同監督作『311』がそれだ。2011年3月11日に発生した東日本大震災を題材にしたものだが、その内容が賛否を呼んでいる。山形国際ドキュメンタリー映画祭、釜山国際映画祭で先行上映されただけにも関わらず、「映画芸術」の2011年日本映画ワーストテン第12位にランキングされているほど。『A』(98)、『A2』(01)でオウム真理教をめぐるマスコミや警察の異常さと周辺住民の戸惑いを描いた森達也、戦場ジャーナリストとして知られる綿井健陽、ビルマ戦線に送られた未帰還兵たちを追った『花と兵隊』(09)の新鋭・松林要樹、『A』『A2』のプロデューサーである安岡卓治の4人が、映画を撮るという目的意識のないまま、被災地の様子を確かめに行こうと1台の車に同乗して出発。被災から2週間が経過した浪江町、大船渡、仙台、陸前高田、石巻......をビデオカメラを回しながら北上していく。作品にするという明確な意識を持たずに4人が撮った映像は、テレビや新聞・雑誌でイヤというほど被災地の光景を見てきたはずである安全な場所にいた人間に衝撃を与える。マスメディアで流れていた映像や写真は、あくまでもメディア側によって選択され、ろ過され、切り取られていたものであったことを思い知らされる。さらに遺体を運ぶ様子にカメラを向けていた彼らは、被災者のひとりから角材を投げつけられ、カメラを弾き飛ばされる。同じ場所にいた新聞記者からは「恥ずかしいよ」と罵られる。カメラを回しているうちに、次第にハイになっていくジャーナリストの業までも映し込んだ毒々しい内容なのだ。  都内では初となる『311』の上映が、2月8日に「座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」のプログラムとして行われた。上映後に4人の監督たちが揃って観客との質疑応答の場を開いたが、『A2』以降は劇場作品から遠ざかり、作家活動をメーンにしていた森達也のコメントが際立っていた。彼の言葉を中心に伝えよう。
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『A2』(02)以降は作家活動を中心にして
いた森達也。著書『A3』(集英社インター
ナショナル)が2011年講談社ノンフィクション
賞を受賞。
 「映画の中でも言っていますが、そもそも映画にするつもりはなかった。東京に戻ってから撮ってきた素材を繋ぐとは聞いたけど、形にならないだろうと思ってました。映画にしようというモチベーションがないままに撮っていましたし、共同監督なんて本来ありえないですよ。ドキュメンタリーは自分を出すものだと思ってますから。今回は安岡の策略に乗せられた感じで、映画を完成させた実感は湧かないです。実感のないものを劇場公開していいのかという葛藤はあるんですが、試しに幾つかの映画祭で上映したところ、反響がすごい。いい意味でも悪い意味でも。これはもう作品がひとり歩きしてるなと。作品を観たみなさんから意見、感想、質問を投げ掛けてほしい。それを含めた作品だと思う。まだ作品は終わってない気がします」  伝説のドキュメンタリー映画『ゆきゆきて、神軍』(87)の助監督をつとめ、平野勝之監督の『由美香』(97)ほか数多くのインディペンデント作品をプロデュースしてきた安岡卓治にとっても本作は特殊な作品であるようだ。
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数多くのインディペンデント映画をプロデュ
ースしてきた安岡卓治。日本映画学校ではドキュ
メンタリーのゼミを担当し、若手作家を育てた。
安岡 「4人で被災地を6日間一緒に回り、それぞれの視点で撮ったものです。編集はボクがやったんですが、4人がそれぞれどのような視点で被災地を見ていたのか自分が知りたくなったからです。6日間、ボクらは常軌を逸していた。精神状態はまともじゃなかった。必死になって撮っていたけど、それが何を伝えられるかというと、そこまでには達していない。ボク自身がカメラを回していて感じたのは、ある種の無力感、喪失感でした。『自分に何ができるのか』と自問自答した6日間でした。それで他の3人と6日間どんな話をしていたのか整理するつもりで編集したんです。これまで自分が参加してきたドキュメンタリー作品とは異なる組み方でした。いつものドキュメンタリーとは違うものができている手応えは感じたんです。『被災地に行って何ができたのか?』と問われれば、何もできませんでした。でも、自分たちが現実と向き合ったことで生じた変化や、カメラを持つ人間が背負う狂気や原罪みたいなものが映っているんじゃないか。それが、編集作業を一段落させたときの実感でした。取材する側の問題提起になるかという気持ちで映画祭に出品したんです」  森達也は3.11以降に感じる"後ろめたさ"が本作のキーワードだと言う。肝になる部分なので、少し長くなるが彼の言葉に着目したい。
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ビデオジャーナリストの綿井健陽。戦時下の
イラクを撮影取材した『Little Birds イラク
戦火の家族たち』(05)が劇場公開されて
いる。
 「去年の3月11日、ボクは六本木にいたんです。地方のディレクターやプロデューサーたちと一緒にいて、携帯電話も繋がらないし交通機関も動いていないので、居酒屋でさんざん飲んでベロンベロンになってました。深夜になってようやくテレビを見て、初めて津波の被害のスゴさを知り、驚きました。大勢の方たちが亡くなったとき、自分は数100kmしか離れていないのに酔っぱらっていたんです。翌朝以降もテレビを見ては落ち込んでいました。鬱病みたいな状態でした。現地に行った取材者は遺族の方たちに『今のお気持ちは?』と尋ねるわけです。バカですよ。でも聞かないことには何も始まらない。普段からメディアの仕事をしていて、事件や事故が起きれば現場へ行く。不幸を撮りに行くわけです。それが仕事なのに、そのことをごまかしてきた。でも、今回は規模が大きすぎるんです。見渡す限りガレキの山で、遺体があり、被災者がいる。ボクだけでなく、ほとんどのメディア関係者が呆然と立ち尽くしていました。一体、何を聞けばいいのか? そもそも何をしに来たのか? その"後ろめたさ"は震災以降、多くの日本人が感じていること。ボクらは生きて、毎日息を吸って、美味しいものを食べて暮らしている。でも、彼らは流されてしまった。何が違ったのか? 何も違いません。今回だけじゃないんです。世界では戦争もあるし飢饉もある。毎日大勢の人たちが泣きながら亡くなっている。そのことを大変だなと思いつつも、しようがないと思ってきた。だが3.11以降、自分の冷酷さに気づいた。後ろめたいんです。つまり、後ろめたさがキーワードです。後ろめたさが辛いので、ごまかしたくなる。で、どうするかというと、『日本はひとつ』『がんばれニッポン』『絆』とかに行っちゃう。そっちに行っちゃダメなんです。この後ろめたい想いを今しっかり見つめないと。テーマは語るものではありません。今言ったことは忘れてください。映画から感じてください」 ■隠された遺体と取材という名の暴力  今回、自宅に引きこもっていた森達也を被災地へと誘ったビデオジャーナリストの綿井健陽は、"後ろめたさ"についてこう語る。
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最年少(1979年生まれ)の松林要樹。原発
事故による被災者たちの生活を密着取材した
『相馬看花 第1部奪われた土地の記憶』が
初夏に公開予定。
綿井 「ボクはこの4人の中でいちばん後ろめたさが薄いように思います。つまり、イラクやアフガンで戦場取材をしています。遺体とか、いっぱい撮ってきました。これまでは、それが普通だったんです。それが今回の震災で日本のメディア状況を見ていると、完全に遺体が消えていた。消えたというより、消されていた。テレビもそうだし、新聞もそう。フライデーみたいな写真誌ですらそうでした。ブルーシートを掛けられた遺体や棺の写真はありましたが、生の遺体はありませんでした。一律に消えていたことが気持ち悪く、何なんだろうと現地でずっと考えていました。後ろめたさで言えば、自分があまりにも原発のことを知らなすぎることに、今回初めて福島へ行ったことで気づきました。放射能の怖さを知った。ボクは映像ジャーナリストなので、何か起きるとパッとカメラを回す。ある種の放射能ハイになっている部分に後から気づきましたね」  目的意識のないまま被災地に向かったはずの4人だが、ジャーナリストとしての習性からカメラを回しているうちに、次第に被災地の状況を自分たちなりのカメラ目線で記録しようという気持ちが芽生え始める。観客からの「どの時点から、作品にしようと考え始めたのか?」と質問され、森達也の「4人で意見が異なると思う」という言葉を継いで、綿井健陽と4人の中で最年少の松林要樹がこう答えた。 綿井 「森さんと安岡さんといえば、『A』『A2』のコンビ。2人の新作が見たいという気持ちが客観的にあった。最初はやる気がなく、ビデオカメラを脇に置いていた森さんが、途中からスイッチが入ってカメラを回し始めた。その様子をボクが後ろから撮ったんです」
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「座・高円寺」で行われた上映会の模様。『A』
『A2』のコンビである森達也、安岡卓治の2人の
やりとりがふるっていた。
松林 「大川小に入るくらいから、遺体捜索をしている遺族に同行取材している森さんが絵になるのが分かった。というか今回の映像を作品にするなら、森さんを撮らないことには形にならないと思いました。それで森さんをメーンにして撮ろうと考え、森さんにピンマイクをボクから付けさせてもらったんです」  『311』の終盤、見つかった遺体を運ぶ様子をカメラで追っていた一行は、被災者のひとりから不快感、不信感から角材を投げつけられる。森達也はその男性と向き合い「申し訳ないと思う。でも撮影はやめない」と押し問答になる。ここで、安岡卓治は今回の映像はドキュメンタリー作品にするつもりであること、撮った映像は後日見せることを口にし、連絡先を交換する。4人の中に明確に目的意識が植え付けられた瞬間だ。被災者であり自身の家族も失っていたこの男性に、『311』の完成後に安岡卓治は約束通り連絡を取り、他の3人も同行する形で映像を見せ、了解を得ている。森達也はこのことについて、最後まで反対だったと語った。  「カメラで撮ることには加害性があります。ボクは、あの人にもコンセンサスを取る必要はなかったと思っています。ドキュメンタリーを撮るんだったら、コンセンサスを取れないことはいくらでもあるんです。そういうものをボクは映像素材にしてきた。暴力行為ですよ。そもそも、そうやってきた。今回、あの人にだけコンセンサスを取るのはフェアじゃない。やるんだったら、すべて傷つけるんだという気持ちがあった。加害性があるのは当たり前だし、常々それは思ってきました」  『311』を見終えると、どんよりとした気分に襲われる。映画にしなくてはいけないという義務感、本当に映画になるのだろうかという自分たちへの猜疑心、この6日間はなんだったんだろうかという虚脱感......、混沌とした感情を抱えたまま、男たちが引き揚げていく姿で作品は終わりを告げる。『311』には被災地に今後どのように対応すべきかといった答えは明示されない。だが、映画にはソフィスティケートされたエンターテインメント作品がある一方で、テレビでは放映されない毒薬的なまがまがしさがあることを認識させる。そして、そのまがまがしさとは人間自身から生まれたものでもある。最後も森達也のコメントで締めよう。  「ネットを見たら、遺体を探してる映画という評判が広まっているみたいですね。『遺体を使って、金儲けする。こいつら鬼畜だ』と。待ってましたね、こういう反応を(笑)。この作品は賛否両論あるから公開しようと思ったんです。賛だけなら公開しないし、否だけでもイヤです。遺体を使ってお金儲けしようとしているということですが、ドキュメンタリー映画はヒットしても儲けはないですよ。儲けたいなら、他のことをやります。ただ、みんなに観てほしいんです。観終わった後は、称賛でも罵倒でもいいんです。ひとりでも多くの人に観てほしい。それ以上でも以下でもないんです」  『311』は3月3日(土)からオーディトリウム渋谷、ユーロスペースの2館で一般公開が始まる。全国での順次公開が予定されているが、東北エリアの映画館からの上映オファーは現在届いていない。 (取材・文=長野辰次) 31107.jpg 『311』 監督/森達也、綿井健陽、松林要樹、安岡卓治 配給/東風 3月3日(土)よりオーディトリウム渋谷、渋谷ユーロスペースほか全国順次公開 <http://docs311.jp>
311を撮る 壮絶な現実の記録。 amazon_associate_logo.jpg
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司法はいったい誰の味方? 被害者の個人情報を加害者に開示してしまう裁判所の愚行

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ブログ作成者が使っていたIPを管理する企業に
接続業者から届いた同意を確認する通知文書。
請求者名に野村総研代理人の名前があるのがわかる。
 本サイトでもたびたび報じてきた、いわゆる「野村総研強制わいせつ事件」(記事参照)。日本を代表するシンクタンク企業、野村総合研究所(以下、野村総研)の元上海支社副社長のY田氏が、取引先の女性社員に強引に性行為を迫るなどのわいせつ行為を働き、被害者女性の友人有志らがこれをブログなどで告発したところ、野村総研側は「ブログの内容はデマで名誉棄損」として、被害者女性本人を相手取り、1,000万円の損害賠償訴訟を昨年5月に提訴。ところが、女性本人はブログ作成に一切関わっていないため、今回の提訴が「素人女性の恫喝を目的とした典型的なブラック企業の手口」(ブラック企業アナリストの新田龍氏)として一部から批判を呼んでいる。  よりによって被害者女性を被告に立てて訴訟を始めてしまった野村総研だが、その裁判が提訴から9カ月経過した今も一向に進展していないのは前回報じた通り(記事参照)。行き詰った野村総研側の弁護士が、今度はブログ作成者のIPアドレス開示を求める裁判を別途起こし、これを認める判決が先ごろ出てしまったことから、問題が「企業幹部の性犯罪」から「個人情報の開示」へと飛び火する騒ぎとなっている。  一般に、ネット上の個人情報の開示については、いわゆる「プロバイダ責任制限法」に基づき、記載内容が事実誤認で関係者の権利が侵害されたことが明らかな場合などに原則的に限られている。開示までの流れはおおむね以下の通りだ。  まず、情報請求者がブログ作成者の情報開示を求める場合、ブログサービスを提供している会社(例:Yahoo!JAPANや楽天、Amebaなど)にIPアドレスの開示を請求する。多くの場合はこれが拒否されるため、請求者はサービス提供会社を被告に立てて開示請求の訴訟を起こし(現状は、まずは仮処分の申し立てを行うのが一般的)、権利侵害が明らかであることが立証できれば、裁判所はサービス提供会社に対してIPの開示命令を出す。  IPを開示してもらった請求者は、次にこのIPを解析して接続業者(プロバイダ)を独力で探し出す。接続業者にたどりつけたら、「このIPの人物の住所・氏名を教えなさい」とする通知を送付。これを受けた接続業者は、ブログ作成者本人に「こういう通知が届いていますが同意しますか」と通知する。たいていはブログ作成者がこれを拒否するので、次に請求者は接続業者を被告に立てて、前回と同様に開示請求訴訟を起こす。裁判所が「権利侵害が明らかである」ことを認めれば、個人情報は開示されることになる。ちなみに今回の場合は、接続業者からブログ作成者が使っていたIPを管理する企業に同意を確認する通知が届いた段階だという。  以上は簡単な流れだが、肝心なのは、プロバイダ責任制限法で開示を認めている基準は、記載内容が事実誤認であるなどして、権利侵害が明らかな場合に限られるという点だ。仮に、野村総研のY田氏が、身に覚えのない性犯罪行為をデタラメに書かれたのであれば、権利を侵害されたとしてIP開示は当然だろう。今回のブログはその点でどうなのだろうか。作成に携わった一人は「全て事実」と断言する。 「あそこに書かれているのは、野村総研に対して照会確認までしている事実や、すでに裁判やニュースで公になっている情報を転用したものです。今回、裁判所がIP開示を認めたということは、書かれている内容が事実誤認で野村総研の名誉を棄損していると認めてしまったことになります。裁判所は性犯罪被害者より、加害者である大企業の味方なのでしょう。そもそも、今回の個人情報の特定も目的が見えません。なぜなら、我々は最初から連絡先住所も明記した上で野村総研に通知書や照会確認書を送っていますし、反論があるならそこへ対して訴えるようにも通知しているんです。それもしないでおいて何をしたいのか。要するに、個人への嫌がらせをしたいだけなのでしょうね」  それにしても、裁判所はなぜあっけなく開示を認めてしまったのか。今回の訴訟を見続けている司法関係者も、この裁判所の判断を「ありえない」と否定的だ。 「IP開示を認めたということは、ブログが野村総研の名誉を棄損していると裁判所が判断したことになるわけですが、本筋の裁判でまだ結論も出ていないどころか、裁判長に"注意"まで受けるほど野村総研側が追い詰められている段階なのに、ここで開示を認めてしまうのは一般的な感覚から見てもおかしい話です。ましてや、今回のように企業幹部の性犯罪が告発されているような場合は、個人情報の開示には慎重になるべきです」  ここでいう、野村総研が裁判長から受けた"注意"とは何なのか。先の傍聴人が公判の模様を説明する。 「野村総研はブログの内容が事実誤認だとして訴訟を起こしたのだから、さっさと『ここがデマだから立証しろ!』と攻撃すべきなのに、その指摘を全くしない。理由は明らかで、ブログの内容が全部本当だからでしょう。被告側が証拠をそろえているのを勘づいているので、『立証せよ!』なんていって本当に立証されたら困るわけです。かといって今さら裁判を取り下げることもできない。完全に手詰まりの中で、前回公判では、野村総研の代理人の森・濱田松本法律事務所の高谷知佐子弁護士が、見かねた裁判長から『このままでは裁判は継続できませんよ』と、異例の注意まで受けています。つまり、ブログの中身はそれほど信憑性が高いということです」  そうした中で野村総研側が苦し紛れに起こしたIPの開示訴訟を、"もう一つの"裁判はあっけなく認めてしまったわけである。開示基準はいったいどこにあるのか。プロバイダ責任制限法に詳しい別の弁護士は、同法のあいまいさを問題視する。 「『権利侵害が明らかな場合に開示は認められる』といいますが、何をもって権利侵害というのかという基準がすごくあいまいなんです。ひどいストーカー被害を何年も受けている女性の開示請求を認めないこともあるのに、今回みたいに性犯罪行為を繰り返す側に、あっけなく開示してしまう場合もある。しかもそういうパターンが増えています。裁判所でも法の運用が固まっていないんですよ。特に最近はネット掲示板やSNSなどの書き込み被害が多いので、一部の裁判官たちの間でネットへのイメージが悪化していて、開示のハードルが下がっている。結局は裁判官の個人的な心証で決まってしまう場合が多いんです」  たしかに、デマや誹謗中傷で特定の個人を貶める行為がネット上に氾濫していることは大きな問題だが、今回のように裁判官の個人的な心証で簡単にIPが開示されてしまうのであれば、社会的立場の弱い個人が巨悪を告発する道が閉ざされることにもなりかねない。根拠となる法律の解釈が極めてあいまいである現状について、行政はどう考えるのか。プロバイダ責任制限法の監督官庁である総務省に聞くと、なぜか終始半笑いの答えが返ってきた。 「そうですねぇ(笑)、情報開示については裁判所のご判断ですので......(笑)。法解釈のあいまいさが指摘されていると言われましても、うーん、まぁ、さようでございますか、としかお答えのしようがないといいますか(笑)」(消費者行政課)  司法も行政も、守るべき対象と基準を見誤っているのではなかろうか。 (文=浮島さとし)
セクハラの誕生: 日本上陸から現在まで 本格上陸から30年だそうで。 amazon_associate_logo.jpg
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「過激なサービスは相変わらず!」摘発を逃れ営業を続ける女子高生見学クラブに潜入

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 2月21日、警視庁少年育成課は制服姿の女子高生の下着を客に見せる「女子高生見学クラブ」と呼ばれる店で未成年者に有害な仕事をさせたとして、東京都江戸川区の「JK・ドリーム」の店長らを労働基準法違反(年少者の危険有害業務の就業制限)容疑で逮捕した。また、同店を含む都内の4店を労働基準法違反容疑で家宅捜索したところ、4店は計24人の女子高生を雇い、女子高生らが胸を露出するなどしていたとして一斉に摘発した。 「同課によると同店店長らは昨年6~7月にかけて、店内でアルバイトとして雇った17歳の女子高生2人を踏み台の上に制服姿で立たせ、男性客に下着をのぞき見させるなど未成年者に有害な仕事をさせた疑いがあるとして逮捕された。店長は『そろそろ摘発されると思っていた』と供述しているというから、"確信犯"だったと思われる。一斉摘発を受け、摘発を逃れた、都内のほかの見学クラブは示し合わせたように一時休業。しかし、近日中の営業再開をにおわせていた」(全国紙社会部記者)  2月下旬、一時休業していた某見学クラブ「K」を訪れると、すでに営業再開。店舗が入るビルの前に置かれた看板には「見学クラブ」と書かれ、その横には「話題の」、「女の子のレベルNo.1」など意味深な張り紙をしているものの、さすがに女子高生を使っていることをうかがわせる表現はなかった。  地下の店舗に降りてみると、中年ホスト風の受付が「いらっしゃいませ~」とさわやかな笑顔でお出迎え。受付の横には制服姿の女子高生がパンツを見せている写真が貼られていたが、店員の口からも「女子高生」のワードは一切聞かれず、女の子1人の指名料込みで50分5,000円を受付で支払い、カーテンで区切られたブースに案内された。見学クラブの基本的なシステムとは――。 「一般的な見学クラブは、マジックミラー越しに待機部屋の中で雑談している女子高生を眺め、好みの子がいたら指名。指名した子は客の目の前に来て、パンチラや胸チラを見せつける。しかし、客と直接接触したりはしないので、そこで風俗と一線を画していて、今までは"グレーゾーン"で摘発を逃れていた。都内では昨年ごろからこの業種が急増していた」(風俗ライター)  平日の午後7時過ぎに入店したが、8つあるブースはすべて埋まる盛況ぶり。ブースに着席すると店員が「盗撮は厳しくやってます。携帯使われる場合も待合室でお願いします」と注意事項を告げ、ブースにも「写真撮影厳禁!」とシールが貼られてあった。  ブースから待合室をのぞくと、この日はそれぞれ別の制服を着て、名前と番号の書いた札を首から下げた5人の女の子がいたが、どこからどう見ても現役女子高生にしか見えなかった。  女の子の特徴を某国民的アイドルグループのメンバーに例えて紹介すると、ちょっと髪を長くして茶髪にした人気ナンバー1風、ちょっと肉付きをよくした人気ナンバー2風、キャラ立ちでブレークしたへたれ風、ポニーテールのリーダー格のツーテール風、さらに髪を長くしたスポーツウーマン風。スポーツウーマン風は指名された客のミラーの前でパンツを丸出しにし、長い足を曲げたり伸ばしたり柔軟度の高さを見せつけていた。  待合室の中央にはテーブルが置かれ、上には飲みかけの飲み物などが無造作に置かれていた。壁際には電子レンジ、空気清浄機、荷物棚などが並べられ、バイトしながらも十分にくつろげる環境が整えられていた。  指名されない子たちは、一刻も早く指名されることを狙ってか、必要以上にスカートをまくり上げているために、パンチラし放題。なかなか見上げた"営業努力"だ。  スポーツウーマン風が待機に入り、耳を澄ますと、室内で流れているテレビの音とともに、彼女たちの会話が聞こえてきた。 ツーテール風 「なんか、無呼吸症候群だって。怖くない」 スポーツウーマン風 「私も心配」 へたれ風 「私のお姉ちゃん、まだ19だけど、これなったよ」 ツーテール風 「やだ、怖い」 ナンバー2風 「お母さん、いびきとかうるさいけど大丈夫かな~」  お若いのに、もう無呼吸症候群に関心を寄せるとはなかなか感心だが、国民的グループのメンバー同様、ナンバー1風の子は会話に入らず、1人携帯をいじっていた。  せっかく指名料込みなので、指名しないのももったいない。とりあえず、ブース内の呼び出しボタンを押して店員を呼び出し、ナンバー2風を指名することを告げた。  「●●ちゃーん、●番でお願いします」と店員が待合室をのぞいて声をかけると、「は~い」と大きな返事をして立ち上がり、ナンバー2風が目の前に来た。 「よろしくお願いしま~す。●●番の●●です」  ナンバー2風はミラー越しにこちらをかわいらしい瞳でしっかり見つめて自己紹介。  ミラーのそばに置かれた踏み台の上に立ち上がると、さらにスカートをまくり上げ、ミラーに股間を押しつけるように白地のストライプにリボンのついたパンティーを見せつけてきた。  初めて見学クラブに来た客にとってはかなり刺激的。ミラー越しにもかかわらず、かなり興奮し、チ●コが暴発しそう。しかし、ブース内にティッシュはなく、自慰行為を行うことは不可能。ヘビの生殺し状態だった。  ナンバー2風は前向きから後ろ向きに体勢を変えると、今度は見事な桃尻をミラーに押しつけてくる。そこから前向きで台の上に座るとV字開脚、また後ろ向きに体勢を変えるとまたまた桃尻を押しつけてきた。  ナンバー2風を見ながら、指名されたほかの女の子も見ると、みんなナンバー2風と同じ流れで体勢を変えている。どうやら、指名の10分間は"規定演技"をこなすことになっているようだ。  台の横に置かれたタイマーを見ると残り時間はわずか。すると、前向きに座ったナンバー2風は胸元のリボンを外して胸元を開け、谷間を強調した胸チラのサービス。その体勢でこちらをじっくり眺めてくるんだから、ノックアウト寸前に追い込まれたところで、無情にもタイマーが鳴り響いた。  「ありがとうございました~。またよろしくお願いしま~す」とナンバー2風が笑顔であいさつしたが、すぐに次の指名が入り、隣のブースに移動していた。  どの女の子も指名が終わるとテーブルのところに戻ってメモを書き込んでいた。おそらく、売り上げの計算だろうが、「時給900円に指名されると多少歩合がつく程度。普通にバイトするよりも多少稼ぎがいいだけだが、リスクは高い」(前出のライター)というが、ツーテール風がカバンから出した長財布はおそらくどこかの高級ブランド品と思われた。  50分が終了し受付に戻ると、客の待合室では3人が順番待ち。一斉摘発がかなり集客につながったようだが、当局の目は厳しさを増しているだけに、果たしてこの店もいつまで営業できることやら......。
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ブラックなのは居酒屋だけじゃない! 「ワタミの介護」元職員が労災申請拒否を告発

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『社長 渡邉美樹』(ポニーキャニオン)
 2008年、居酒屋チェーンのワタミフードサービス社員の女性が、入社2カ月後に自殺したのは「長時間労働による精神障害」によるものだったとして、約4年越しに労災認定された。  ところがワタミ側は「(労災認定は)当社の認識と異なっておりますので、今回の決定は遺憾」と回答。さらに同社の渡辺美樹会長も、Twitter上で「ワタミは天地神妙に誓ってブラック企業ではありません」と発言するなど、女性社員の死に関し、あくまで自らの非を認めない構えだ。  そんな中、ワタミグループの新たなブラック事情を告発する声が、記者の元に届いた。 「私も労災の申請を認めてもらえませんでした」  そう話すのは、同社のグループ企業のひとつ 「ワタミの介護」が運営する関東の老人ホーム施設で、昨年末まで勤務していた20代の女性介護福祉士だ。  「私の場合、残業は月に30時間程度でしたが、残業代は一切もらっていません。うちのグループでは施設ごとに厳しい収益ノルマが課せられていて、職員全員で経費軽減に取り組んでいました。そんな中、残業の申告などできない雰囲気。入社半年弱だった私にとってはなおさらでした」(女性介護福祉士)  彼女によると、1日12時間の肉体労働で月収は手取りで17万円ほど。それでいて業務内容は、肉体労働を極め、入浴サービス時の男性利用者からセクハラや肛門に指を突っ込んで排便させる摘便などにも耐えなければならない過酷なもの。こうした労働環境に耐えられず、同僚たちは次々と退職し、施設は慢性的な人手不足だったという。職員一人当たりにかかる負担が増大する中、彼女は腰痛を発症してしまう。  医者の勧めもあり、彼女は休養を申し出るが、 上司に「うちにそんな余裕がないのはあなたも分かっているでしょう」と一蹴されたという。彼女は仕方なく、無理を押して1カ月ほど勤務を続けるが、ベッドから自力で起き上がれないほどに症状は悪化。ついに退職を決意した。 「退職後は、労災の療養給付を利用して通院を続けるつもりでした。しかし、上司は『腰痛なんて我々の職業病みたいなもの。こんなものにいちいちハンを押していられない』と、何度頼んでも労災申請に必要な書類を用意してくれなかったんです。結局、私は労災の申請をあきらめ、実家に身を寄せて自費で療養するしかなかった」(女性介護福祉士)  腰痛は今でも完治せず、再就職もままならないという彼女は、なけなしの貯金を削りながら通院を続けている。こんな環境では、渡辺会長が「会社の存在目的の第一」とする社員の幸せはおろか、利用者の満足いく介護サービスなど、実現できるはずもない......。 (文=牧野源)
社長 渡邉美樹 ザ・ブラック! amazon_associate_logo.jpg
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デマか事実か? 中国版Twitterで飛び交うSARS集団感染情報

 2003年、中国広東省と香港を中心に猛威を振るい、全世界で700人以上が死亡したあのSARSの恐怖が再び蘇りつつある。  中国のネット上で「SARSの集団感染が発生した」との情報が飛び交っているのだ。 始まりは、2月23日に投稿された中国版Twitter「微博」でのこんなつぶやきだった。 「河北省保定市の中国解放軍252病院が封鎖されている。変異ウィルスが出現したのでは?」  その後、 「252病院でSARS患者1名が隔離されている」 「感染者は兵士のようだ」 「デマであると願っていたが、252病院の9階がワンフロア丸ごと立ち入り禁止となっている。武装警察も見張っている」 など複数の人物による情報が次々と投稿され、事態は真実味を帯びてきた。さらに、転送に次ぐ転送によって情報が拡散すると、ついには香港紙 「アップルデイリー」も「252病院ではすでに1名のSARS感染者が死亡し、約100人が感染の疑いで隔離されている」と報じたのだ。  これに対し、河北省政府と中国衛生部はともに「SARS感染者は確認されておらず、まったくのデマである」と発表したが、ネット上の騒ぎは収まるところを知らない。そればかりか、河北省だけでなく、大連市でもSARS感染者が現れたとする書き込みも散見されている。  2002年に中国広東省でSARSの集団感染が確認された際は、中国政府が情報を隠ぺい。それにより感染が拡大した前科もあるため、政府の言葉を鵜呑みにできないというのが、人民たちの本音のようだ。日中間の往来は、10年前とは比較にならないほど盛んになるなか、われわれもこうした事態を対岸の火事とばかりに安心してはいられない。 (文=牧野源) 
【医療用 高性能 N95マスク SH2950(20枚入り)】N95 花粉、鳥インフルエンザ、SARS 恥ずかしくなんかないよ。 amazon_associate_logo.jpg
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"逃亡中"のある獣医師が今も元気に勤務できる理由とは?

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 とんでもない獣医師がいたものである。部下である複数の女性スタッフに長年にわたりセクハラ行為を続け、被害を受けた女性らから関係者を通して抗議を受けると、逆恨みに暴力団を名乗る男に依頼して脅迫電話をかけ続けさせ、挙句の果てには勤務先のレジから現金数十万円を盗んで逃走。その後も逮捕されることなく、獣医紹介会社を通して群馬県の大手ペットショップ「P」に潜り込み、今も普通に獣医として働いているという。  「P」に100%出資をしている流通大手の「イオン」は、「当社と直接雇用契約にあるわけでもないのでコメントする立場にない。今後も対応する考えもない」(広報部)とまるで無関心。「P」の店長も「上層部に相談はしていますので、その返事待ち」と実に呑気だ。コンプライアンスを語る以前の異常なこの事件。犯罪的行為を繰り返してきたと告発されてきた獣医師は、なぜ今も捕まらずに野放し状態にあるのか。  事件が最初に表面化したのは5~6年ほど前。静岡県の某動物病院で働いていた獣医師のY(56歳)は、わかっているだけで4人の女性スタッフにセクハラや強制わいせつ行為を繰り返してきた。被害にあった女性たちがその様子を次々に証言する。 「ニ人きりになると、近づいてきて、『俺はパイプカットしているから生でやっても大丈夫だ』『一回くらいやらせろ』と毎日のように言われた」(Aさん) 「後ろからいきなり抱きついたり、胸を揉まれたり、何度も体を触られた」(Bさん) 「夜中に家までやって来られ、『これから飲みに行こう、ホテルはとってある』とわけのわからないことを言われ、断ってもなかなか帰ってくれなかった」(Cさん)  これだけでも信じがたい話だが、それだけではない。Y獣医師は静岡県の動物病院を辞した後の2010年夏、神奈川県で新規オープンする動物病院へ院長として雇われる形で赴任。若手スタッフらとオープン準備に携わる中で、ここでも早々から複数の女性スタッフに強制わいせつ行為を行っていた。被害者女性の一人が言う。 「毎日のように性行為を迫られ、あるとき刃物を持って『やらせてよ』と迫られたときに、本気で命の危険を感じて、それで初めてオーナーに相談したんです」  相談を受けた動物病院オーナーが驚いて本人を呼んで確認したところ、自らの行状をあっけなく自供。涙を流して「もうしません」「一からやり直す」と謝罪。ところが、その"号泣謝罪"の数時間後に、地元の警察署へ駈け込んで「勤務先のオーナーからいきなり殴られた!」とデタラメの被害届を出していたことが後に判明。さらに、告発した女性に逆恨みをしたY獣医師は、暴力団を名乗る60代の男に依頼し、女性の携帯電話や自宅に電話をかけさせ、「若い衆を連れてそっちへ行く」「このままでは済まねえぞ」などの脅迫行為を執拗に繰り返した。女性はこれが理由で精神的に不安定になり、手紙を残して動物医院を退職している。  理解不能な奇行を続けるY獣医師に対し、たまりかねたオーナーが厳しく叱責。すると、その数日後の2011年12月、Y獣医師は深夜に動物医院に忍び込むと、現金数十万円を盗んで姿をくらましてしまったのである。  次々に問題を起こしたY獣医師は、世間の目から逃れて永遠の逃亡生活へ......と思いきや、なんと獣医師紹介会社を通して、群馬県の大手ペットショップに何食わぬ顔をして今年1月から勤務していたことが判明した。高崎のショッピングセンター内にある「P」だ。Pの本体は、北海道や東京、愛知、三重、岡山などにも店舗を持ち、動物病院やペット用品の販売などを展開する総合ペットショップ。イオンのディベロッパー事業部の運営下にあり、資本金の3億円は全額がイオンからの出資となっている。  イオン本社にこれまでのY獣医師の行状を説明した上で見解を求めたところ、返ってきたのが冒頭の回答。事実関係の今後の究明や対応についても「考えていない」(広報部)。また、「Y獣医師は紹介会社を通しているので、もし言うことがあるならそちら(紹介会社)へ言ったらどうか」(同)としながらも、紹介会社の名前は「取引先なので言えない」と回答。最後に、今回の回答を電話でなく文書かメールでと求めたが、それも「できない」と拒否。「とにかくコメントはできない」を繰り返した。  一方、実際に勤務しているペットショップの対応だが、イオン本社へ連絡した数日後に勤務先の「P」へ問い合わせたところ、「イオン本社からは何も聞いてない」(店長)と驚いた様子を見せ、「とにかく上司に相談する」と回答したものの、それから半月後の1月下旬に再度問い合わせると、「特に変わりはありませんよ。上層部には相談したので、あとは判断待ち」「Yさんは今日も普通に働いていますよ」と実に呑気。「そちらの女性スタッフが心配ではないのですか?」との問いにも「大丈夫でしょう(笑)」と深刻さをまるで理解していない様子だった。  イオンやペットショップの今回の対応について、企業の危機管理を専門にする某コンサルタントは「あってはならない。信じられない」とあきれ返る。 「イオン系のペットショップで働く前の犯罪的行為なので責任がないと言いたいのでしょうが、認識が甘すぎます。今回の取材に対して、事実確認も含め、なんら対応しないということは、被害拡大の可能性を認知しながら放置することを意味します。イオン本社はショップに連絡すらしていないし、ショップも本人を問い詰めるなどの調査をしていない」  また、善良なる企業としての注意義務である「善管注意義務違反」に問われる可能性も指摘する。 「コンプライアンス重視の世の中で、今は裁判所が企業の善管注意義務に厳しくなっていますから、法的にも大きな問題に発展する可能性もありそうです。特に今回は、暴力団を名乗る男が脅迫行為をしていますから、暴力団排除条例の責任も問われかねません。イオンは今回、法務部や総務部ではなくて広報が最後まで対応しているようなので、その点でも危機意識の薄さを感じますね」  一方、犯罪を取り締まるべき警察は何をしているのだろうか。実は、被害者女性の一人は昨年秋、神奈川県警の港南警察署に電話の録音記録などを持参して相談に行ったが、「証拠が不十分」などの理由で対応してもらえていない。また、女性の今の住所地が他県であることで、「個人案件は住所地の所轄の警察が対応せよという警察内部の通達がある」(司法関係者)との、お役所の手続き上の事情が障害になっていると指摘する声もある。女性の相談を受けてきた友人の一人が吐き捨てるように言う。 「通達とか責任とか手続きとか、どうでもいい。実際に女性が性犯罪の被害を受け、暴力団を名乗る男から脅かされて心を病んで今も職に就けていないのに、警察も企業も『うちは責任ない』で誰ひとり助けようと動かない。こんな世の中狂ってますよ」  諸悪の根源が罪を犯した獣医師であることはもちろんだが、関係機関の一人ひとりが責任逃れをし続けた結果、当の犯人は今も群馬で野放しである。被害者を支援する者の一部は警察への相談を続けながら、今後はイオンの対応へ批判を強めたいとしている。 (文=浮島さとし)
勤務獣医師のための臨床テクニック―必ず身につけるべき基本手技30 スキャンダルの潰し方もね。 amazon_associate_logo.jpg
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