「日本人はもっと情報公開を求めるべきだった」スペイン人から見た福島とチェルノブイリ

cheruno01.jpg
 福島第一原発事故以降、原子力や放射性廃棄物、被ばくなどをテーマにした本や映画が多数発表されている。いったいなぜこんな大事故が起こってしまったのか、そして私たちはこれからどう原子力や放射性物質と向き合っていくべきなのか――。答えが見えない闇の中、ひとつの手掛かりとして再注目されているのが、1986年4月26日に旧ソビエト連邦(現・ウクライナ)で起こったチェルノブイリ原発事故だ。“史上最悪の原発事故”とされるこの事故では、大気中に50トンもの放射性物質が放出、600近い村や町が避難対象となり、30万人もの人が愛する土地を離れることを余儀なくされたといわれている。原発から3キロのところにあり、4万7,000人もの人口を有した中都市・プリピャチは事故直後に放棄され、事故から26年たったいまでは完全にゴーストタウンと化している。事故による汚染が2万5,000年と続くともいわれるが、いまなお300人ほどが避難区域内に住み続けているとされる。  そんなチェルノブイリに生きた人々の心情を軸に、この事故を描いたグラフィックノベル(漫画)『チェルノブイリ――家族の帰る場所』が昨年スペインで発売された。奇しくも出版のタイミングが福島第一原発事故と重なり話題を集めた本作が、この度日本でも出版されることになった。ここに描かれたストーリーを通して、いま福島で起こっていること、土地を失うということ、土地に留まり続けることの意味が痛切にわかり始めるだろう。スペイン人である彼らは、どうしてこの題材を描こうと思ったのか。そして、福島の事故をどのように見ているのか。来日中の原作者フランシスコ・サンチェスと作画を担当したナターシャ・ブストスに話を聞いた。 ――2006年にスペイン・バルセロナで開催されたチェルノブイリ原発事故20周年を記念する展示会がきっかけでこのテーマを扱うことに決めたそうですが、事故当時、チェルノブイリ事故はスペインではどのように受け止められていましたか?
_MG_9926.jpg
フランシスコ・サンチェス
フランシスコ チェルノブイリ原発事故では周辺の20カ国にも影響があり、その範囲は16万平方キロにおよんだといわれていますが、スペインではほんの一部のエリアが影響を受けただけで、直接的な被害はあまりありませんでした。そういったこともあり、個人レベルでも、国全体としてもそれほど強い関心を集めなかったように思います。昨年はチェルノブイリ原発事故25周年ということに加え、福島第一原発の事故があり、原発や原子力に対する国民的関心は以前よりも高まってはきているのですが、残念ながらいまも昔もやはり、“遠い国のこと”として見ている感じですね。 ――本書では、原発事故によって村からの避難を余議なくされた祖父母、事故によって命を落とした父、そして幼いころに母とともにプリピャチの町を追われた兄妹、3世代にわたる家族の物語が描かれています。事実よりも主人公たちの疎外された戸惑いや不安といった感情に焦点を当てたそうですが、一番描写に苦労したのはどんなところですか? フランシスコ 当事者であるなしにかかわらず、人に焦点を当てれば、その気持ちというのは推し図れると思います。同じ体験をしなければその人がどういうことを感じたのかわからないという部分ももちろんありますが、だからこそさまざまな資料を集め、被害者・犠牲者の気持ちに近づこうと努力しました。悲惨な状況に陥ったときの人間の感情というのは、人種や文化を超えて共通するものがある。だからこそ、その感情を表現したいと思ったんです。 ――スペインでは昨年4月に刊行されましたが、国内での反応はいかがでしたか? フランシスコ 出版の1カ月前に起こった福島の原発事故と偶然にもタイミングが重なったということもあり、マスコミからは多く取り上げられましたが、それがすぐ売り上げに直結するという感じではありませんでした。こういった出来事というのは、スペイン人全体からすると自分の生活からかけ離れたものとして認識されているところがあるんです。
_MG_9876.jpg
ナターシャ・ブストス
ナターシャ この本(スペイン版)が印刷に入ったときにちょうど福島の事故が起こりました。チェルノブイリ事故から25年というタイミングに合わせて出版するつもりだったのですが、急にマスコミから脚光を浴びることになってしまい、正直、複雑な心境でした。 ――福島第一原発事故は、スペインではどのように報道されていますか? ナターシャ 最初の爆発から1カ月くらいは毎日、新聞の一面で伝えられ、テレビでもトップニュースとして扱われていました。でも、なんとかコントロールできる状態になってきたというニュースをきっかけに、だんだんと取り扱われ方が小さくなっていきました。先日は事故から1年ということで再びクローズアップされましたが、その後は“終わってしまったこと”として、忘れ去られつつある印象を受けます。 フランシスコ 事故直後は原発が制御されているかどうかがスペインの人々の関心事だったようで、これ以上大きな被害にならないだろうと思われた時点で、パタっと関心が失われたような気がしますね。事故発生当初、私たちはこの本を出版する準備をしているときだったので、これはチェルノブイリのようなことが繰り返されるのではないかと危惧していました。当時はメルトダウンとまではいかなくても、冷却水が漏れ出るといったような事故が起こるのではと思っていました。 ――チェルノブイリでは当時、社会主義国で起こった事故だったということもあって、なかなか情報が公表されず、被害が拡大しました。今回の福島の事故でも、先進国であり民主主義国家であるにもかかわらず、なかなか正確な情報が公表されず、逆に海外のメディアの情報を頼りにする人も少なくありませんでした。スペイン、あるいはヨーロッパから見て、このような日本の状況をどう思われますか?
img-326181435-0001.jpg
『チェルノブイリ――家族の帰る場所』本文より
フランシスコ 日本人のみなさんは、もっともっと情報を要求するべきだったと思います。情報を追究して、隠されているかもしれない事実を見つけ出し、それを公にしていく。それはメディアの使命でもあります。その情報がどんな悲惨なものであっても、すべてに透明性を持たせるように要求すべきです。それがたとえ、実は避難区域が原発から20キロや30キロでは済まなかった、あるいは、もっとひどい被害や影響が出ているというような、私たちにとって辛い現実であっても、真摯な報道、情報公開を求めるべきです。 ――スペインでも現在8基の原発が稼働していますが、たとえば国内で同じような事故が起きた場合、スペインの人々も積極的に情報公開を求めていくのでしょうか? またメディア側には、人々の要求に応えるだけの土壌がありますか? ナターシャ スペインにもそういうことをすべきという考え方の人は多いとは思いますが、実際に事故が起こったときにはたぶん、スペインでも情報が隠されたり、あえて公表しないといったことが起こると思います。そういったときの国民のリアクションというのは、日本のみなさんと同じでしょう。原発問題に限らず、ある特定のテーマに対してセンシティブに反応する人がいて、心配する人がいる。何か行動を起こさなくてはならないと人々に呼び掛ける人もいると思います。けれども、大多数の人は、なるだけ自分からはアクションを起こしたくない。日々の生活が無難に過ごせればそれでいいという人が大半でしょうし、そういった場合、自分から進んで「この情報をくれ」と言う人は日本と同じくらいいないのではないかと思います。
img-326180501-0001.jpg
――今回、来日することを躊躇しませんでしたか? ナターシャ まったくしませんでした。この本を作ったことで原発や放射能に対する基本的な知識はありましたし、日本全体を恐れる、ということはありませんでした。 フランシスコ 放射能についていえば、自然放射線をはじめとして地球上のどこにいても影響を受けるわけで、ここにいるから安全だというのは、この地球規模では言えません。そういう意味で、絶対安全という場所はないんです。このことを、みなさんの心に刻んでほしいと思っています。今回の滞在ではスケジュール的に福島に行くことができなかったのがとても残念です。将来、自分たちの目で見て肌で感じて、グラフィックノベルというかたちかどうかはわかりませんが、福島をテーマにした作品をつくりたいと思っています。 ――最後に日本の読者へのメッセージをお願いします。 ナターシャ この本はチェルノブイリの「事故」についての物語ではなく、チェルノブイリに住んでいる「人」、住んでいた「人」のヒューマンストーリーです。この事故が人々にどんな影響を与えたのかを自分なりに考え、結論を出すひとつの扉になってくれればうれしいです。 フランシスコ わたしたちの本が福島第一原発事故とその後の事態を憂いている日本人のみなさんに役立つことを望んでいます。チェルノブイリと福島の事故が関連しているというのは避けようがない事実ですし、この本で語られている人間の営みは双方の事故を経験した人々に共通しているものがあると思います。「人間の経験」として、ここから日本のみなさんが何かを読みとってくださればうれしく思います。 (取材・文=編集部/撮影=後藤匡人)
チェルノブイリ――家族の帰る場所 1,155円(税込)/朝日出版社刊/絶賛発売中 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・「自分が受けたショックの100分の1も描けていない」しりあがり寿が見た3.11とマンガの可能性「僕たちが住んでいる社会はやっぱりおかしい」小説家・高橋源一郎と3.11「私たちはどこへ向かうべきなのか」写真家・広川泰士氏が語る"日本の風景"としての原発 「シャブ中の作業員も......」福島第一原発潜入ジャーナリスト・鈴木智彦の見た景色(前編)【シリーズ・震災遺体(上)】釜石市、市長たちが語る遺体安置所の光景

「髪形で温首相に敬意の日本人記者」は人民日報のねつ造か!?

null

1331752709_6.jpg
お見事!
 3月14日、中国の全国人民代表大会(全人代)が閉幕した。今回の全人代で温家宝首相は、政治成長優先だった従来路線を修正し、経済や社会の安定を重視する新路線を表明。今年の経済成長率の目標を、前年の8%から7.5%に引き下げる方針が採択されるなど、変化の兆しを印象づけるものとなった。  また、閉幕後に行われた記者会見で温首相は、重慶市の王立軍副市長による、米総領事館駆け込み事件について触れ、重慶市トップの薄熙来党委書記を批判したことでも注目を集めた。  そんな話題づくしの全人代に関し、中国共産党の機関紙である「人民日報」がフォーカスしたのは、ある男性カメラマンの髪形だ。同紙は、全人代の記者会見の取材に、短髪の頭を「温」の字を刈り込んで臨んだカメラマンの姿を写真入りで報じており、しかも記事では彼を「日本の記者」であるとしている……。 100123773.jpg  ちなみにこのカメラマンは2010年と2011年の「両会」の期間中にも、共産主義のシンボル「鎌と槌」や中国の国旗「五星紅旗」を刈り込んだ髪型で記者会見に登場しているという。  この報道を受け、中国版Twitter「微博」上は、「日本人記者も温首相に敬意」「髪形は気持ちの表れだ」などといった書き込みにあふれた。  しかし日本人から見ると、このカメラマンの表情や服装はどことなく中国人風に見える。また、記事では「日本人」とも明言されておらず、あくまで「日本の記者」との表記にとどまっており、実際は日本のテレビ局と契約している中国人カメラマンなのかもしれない。  ただ記事では、日本のどこの局のカメラマンなのかについては触れておらず、彼が持つカメラにも局の名前やロゴは確認できない。いずれにしろ、意図的なものを感じずにはいられない今回の記事。「人民日報」の真意はいかに!? (文=牧野源)
EXH SPECIAL EXILE ATSUSHI PREMIUM LIVE SOLO ATSUSHI、ではない。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・当局も大歓迎!? 中国美女が全裸で行進!飲食店の中国人アルバイトが帰国後「パクリ店舗」を続々経営!?上海金融街の路上に亀裂が......都市の乱開発で地盤沈下が続出中!中国市場から姿を消し始めたiPadに新商標候補が続々?中国のネット文化が2ちゃん化!? 5億人のネットユーザーは共産大国を変えられるか

「髪形で温首相に敬意の日本人記者」は人民日報のねつ造か!?

1331752709_6.jpg
お見事!
 3月14日、中国の全国人民代表大会(全人代)が閉幕した。今回の全人代で温家宝首相は、政治成長優先だった従来路線を修正し、経済や社会の安定を重視する新路線を表明。今年の経済成長率の目標を、前年の8%から7.5%に引き下げる方針が採択されるなど、変化の兆しを印象づけるものとなった。  また、閉幕後に行われた記者会見で温首相は、重慶市の王立軍副市長による、米総領事館駆け込み事件について触れ、重慶市トップの薄熙来党委書記を批判したことでも注目を集めた。  そんな話題づくしの全人代に関し、中国共産党の機関紙である「人民日報」がフォーカスしたのは、ある男性カメラマンの髪形だ。同紙は、全人代の記者会見の取材に、短髪の頭を「温」の字を刈り込んで臨んだカメラマンの姿を写真入りで報じており、しかも記事では彼を「日本の記者」であるとしている……。 100123773.jpg  ちなみにこのカメラマンは2010年と2011年の「両会」の期間中にも、共産主義のシンボル「鎌と槌」や中国の国旗「五星紅旗」を刈り込んだ髪型で記者会見に登場しているという。  この報道を受け、中国版Twitter「微博」上は、「日本人記者も温首相に敬意」「髪形は気持ちの表れだ」などといった書き込みにあふれた。  しかし日本人から見ると、このカメラマンの表情や服装はどことなく中国人風に見える。また、記事では「日本人」とも明言されておらず、あくまで「日本の記者」との表記にとどまっており、実際は日本のテレビ局と契約している中国人カメラマンなのかもしれない。  ただ記事では、日本のどこの局のカメラマンなのかについては触れておらず、彼が持つカメラにも局の名前やロゴは確認できない。いずれにしろ、意図的なものを感じずにはいられない今回の記事。「人民日報」の真意はいかに!? (文=牧野源)
EXH SPECIAL EXILE ATSUSHI PREMIUM LIVE SOLO ATSUSHI、ではない。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・当局も大歓迎!? 中国美女が全裸で行進!飲食店の中国人アルバイトが帰国後「パクリ店舗」を続々経営!?上海金融街の路上に亀裂が......都市の乱開発で地盤沈下が続出中!中国市場から姿を消し始めたiPadに新商標候補が続々?中国のネット文化が2ちゃん化!? 5億人のネットユーザーは共産大国を変えられるか

誰も球界の盟主には逆らえない!? 裏金疑惑で明らかになった巨人の“暴君”ぶり

 シーズン開幕直前に投下された球界の盟主・巨人の“契約金超過騒動”。口火を切ったのは巨人の親会社・読売新聞の終生のライバルである朝日新聞の15日付一面記事だ。同紙によると、巨人軍が球界で申し合わせた新人契約金の最高標準額「1億円プラス出来高払い5,000万円」を超える契約を多数の選手と結んでいたことが、複数の関係者証言と内部資料から明らかになったという。  超過額の契約が判明したのは高橋由伸、上原浩治(現大リーグ)、二岡智宏(現日本ハム)、阿部慎之助、内海哲也、野間口貴彦の6選手。最も高額なのは、阿部選手(2000年ドラフトで入団)の10億円。野間口選手(04年)は7億円、高橋選手(1997年)は6億5,000万円、上原選手(98年)、二岡選手(同年)は各5億円、内海選手(03年)は2億5,000万円となっている。このほか、上原選手には退団時の功労金1億2,000万円、二岡選手には退団時の功労金7,000万円と別の出来高払い3,000万円も支払う契約となっていた。  これに読売巨人軍は朝日新聞の取材に対し「標準額は07年までは上限ではなく、超えても構わないというのがプロ野球全体の理解のはず。ルール違反ではない」と反論している。  とどのつまり、ようは“巨額裏金疑惑”が浮上したという話だが、球界では長年に渡り暗黙の了解とされていた部分であり、他球団やスポーツ紙は総じて「何を今さら」「昔のことをほじくり返すな」といった反応。そればかりか「このタイミングで暴露するのは意図的なものを感じる」と、内部文書を流出させた“犯人探し”に論点をずらそうとしている感は否めない。  プロ野球の加藤良三コミッショナーまでもが、日本野球機構(NPB)を通じて「現時点においてはなんらかの措置を取ることは考えていない」と静観の構え。同じくNPBの下田邦夫事務局長も「推移を見守る」と、まるで腫れ物に触るかのような物言いだ。  だが、その裏にはやむにやまれぬ事情があった。スポーツ紙記者が明かす。 「過去にも他球団で似たような問題がありましたが、今回は球界の盟主である巨人。その衝撃度は比べものになりません。下手に対応して、巨人側を刺激すればプロ野球全体が潰れる。他球団も巨人との試合は重要な収入源。それだけに、球界全体で巨人を守ろうという動きになっている。マスコミに対しても、とにかく味方につくよう声をかけている。本来ならば公平に議論されるべき話なんですがね」  違法性なしの可能性が高いとはいえ、世間ではあまりにも高額な超過金に批判の声が上がっているが「巨人側はどんな手を使ってでも、一刻も早く事態を収めようと必死ですよ」(同)。裏を返せば、今回の問題を掘り下げたメディアにはそれ相応の“制裁”が待っていることは間違いない。改めて浮き彫りになった巨人の“暴君ぶり”にプロ野球ファンはどのような審判を下すのか──。
渡辺恒雄の虚像と実像 (別冊宝島) どう出る、ナベツネ? amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・読売社会部OBでジャーナリストの大谷昭宏氏が勧告する「ナベツネ辞任のススメ」盟友・三宅久之氏が語る渡邉恒雄の本当の(?)顔「傲岸不遜なだけでトップなんて務まらない」巨人・清武問題「飼い犬に手を噛まれたナベツネ」ファン不在の泥仕合はいつまで続くのか巨人クーデターで改めて糾弾される"悪役"ナベツネ マスコミには優しかった!?「独裁者はどっちだ」巨人軍クーデター騒動 世間を味方につけた清武代表に夕刊各紙が総攻撃

企業PRの駅伝重視体質は相変わらず……実業団の選手がマラソンで勝てない理由とは

null

 毎回選考過程をめぐって賛否両論が巻き起こる男女マラソンの五輪代表だが、日本陸上競技連盟は12日、東京都内で理事会を開きマラソンのロンドン五輪代表を発表。男子は藤原新(東京陸協)、山本亮(佐川急便)、中本健太郎(安川電機)、補欠に堀端宏行(旭化成)、女子は重友梨佐(天満屋)、木崎良子(ダイハツ)、尾崎好美(第一生命)、補欠に赤羽有紀子(ホクレン)が選ばれた。  代表選手はいずれも初出場だが、中でも最も注目を浴びているのが定収入がない無所属で練習を重ね、先に行われた東京マラソンで2時間7分48秒の好記録で2位となった“無職ランナー”こと藤原、そして、実業団には所属せず公務員ランナーとして注目されながら惜しくも落選した川内優輝(埼玉県庁)だった。 「各スポーツ紙やテレビ各局の情報番組は藤原を大々的に扱い、フジテレビは女子マラソンを中継するにもかかわらず、発表翌日の朝から藤原を各番組に出演させ、富山在住の医師である藤原の妻の元にも取材が殺到。一方、川内の勤務先には選ばれた場合に備え、かなりの数の報道陣が待機していた。落選会見は仕事の都合でわずか10分程度だったが、翌日は藤原に次ぐ扱いで、各局に出演するコメンテーターは『川内さんに出てほしかった』と残念がっていた。藤原と川内は実業団に所属しない、いわば“市民ランナー”同士で東京マラソンでは代表の座を争ったこともあり、メディアを通して互いに『一緒に練習したい』と共闘を呼びかけていたのがさわやかだった」(スポーツ紙デスク)  かつて数々の金字塔を打ち立てた瀬古利彦はヱスビー食品に所属、男子マラソンの日本最高記録2時間6分16秒を保持する高岡寿成はカネボウに所属、五輪2大会連続メダルを獲得した有森裕子はリクルート所属、シドニー五輪で金メダルを獲得した高橋尚子は積水化学所属。現在もメジャーな各マラソン大会の上位は実業団の選手が占めるなど、日本のマラソン界はこれまで実業団がリードしていた。そこに大きな風穴を開けたのが“市民ランナー”の藤原&川内で、判官びいきの日本人の心を一気にわしづかみにしたが、実業団選手のマラソン挑戦はそろそろ頭打ち状態になってしまっているようだ。 「東京マラソン終了後、日本陸連男子マラソンの坂口泰部長は『(藤原と川内の)2人は従来の形にとらわれない考えを持っている。実業団の選手も新たな考え方を取り入れていく必要がある』と異例のコメント。そもそも、実業団の陸上部は企業のPRが最優先なので、マラソンよりも毎年正月に行われている『ニューイヤー駅伝』など駅伝を重視する。駅伝で結果を出せないと陸上部が廃部になってしまうので、必然的にそうなるが、駅伝は1区間が長くても20キロ程度。そのため、スピード重視の練習がメインとなり、藤原や川内のようにマラソンに特化した練習をしている選手にタイムで負けるのは当たり前のこと。箱根駅伝で活躍した選手がマラソンで大成できないのも仕方ない環境だということは実業団の監督もわかっていて、有力選手はマラソンに専念させたいが、企業としてはそういう有力選手は“広告塔”として駅伝に出したい。この体質が変わらない限り、五輪や世界選手権でのメダル獲得は難しいだろう」(陸上専門誌ライター)  藤原は芸能人にも大人気のボディメイクトレーナー・樫木裕実のカーヴィーダンスをトレーニングに取り入れるなど私財を投じ、川内は親元に住みながら出勤前の2時間のトレーニングや自宅で筋トレに励むなどマラソンで勝つために創意工夫を重ねているだけに、今後も2人のようなマラソンで勝つことだけを目標とした“市民ランナー”が続々と台頭しそうだ。

猫ひろしのマラソン最速メソッド 猫さんも出してあげて! amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・「殴りかかる仕草も......」東京マラソンでギャラリー恫喝の亀田兄弟 今年はお断り!?「割安感はイマイチ」「表示はモッサリ」日本語版発売が待たれるKindleはちょっと不安?創価学会をモデルにしたあの問題作が28年ぶりに電子書籍で復刊!AKB48 vs 声優アイドルユニット アニメ界もついにアイドル戦国時代突入か!?「AKB48公式ライバル失格!?」未成年飲酒疑惑の乃木坂46デビュー曲が不調!? 

「子どもたちが希望を持てる国にするために」東日本大震災追悼イベントに坂本龍一が登場

IMG_0598s.jpg
 3月10日・11日の2日間、東京・日比谷公園で『311東日本大震災 市民のつどい Peace On Earth(ピースオンアース)』が開催された。  震災から1年、犠牲になった方々を追悼し黙とうを捧げ、これからの未来を共有する場をつくるという理念の下、学者や活動家、ミュージシャン、アーティストらが参加。トークイベントやライブが行われた。  11日には、この日のためにニューヨークから駆けつけた坂本龍一氏がトークイベントに登場。活動の拠点をニューヨークに移している坂本氏は、11年前の同時多発テロも体験している。 「9.11のとき現場のすぐそばにいたのですが、思考停止状態になりました。あのにぎやかなニューヨークが静まり返ったんですよ。誰も音楽をかけないし、ストリートミュージシャンもいなくなっちゃったし、車のクラクションも聞こえなくなった。こういうとき、人間って静かになるんだなと思いました」 IMG_0666s.jpg  3.11のときは9.11と同じような気持ちになり、「長いこと音楽が聴けなくなりましたね」という。また「メディアでよく音楽の力とか、音楽で元気を与えるというけど嫌なんだね、不遜な感じがして。音楽が寄り添うというのが合っているんじゃないかな」と独自の音楽観を語った。  また、原発に関しても強い危機感を持っている一方、「東電の中にも自然エネルギーを普及させようと考えている人たちもいるし、魔女狩りみたいに東電は悪だとか、その家族の人たちまで差別するのはいけないと思う」と冷静な視点も。  そして、日本のエネルギー自給率が低いことに対しては強い苦言を呈す。 「戦争とか災害が起きたときには、日本国民は生きていけない。エネルギーがなくなったら産業活動や生活ができない。日本はそんな脆弱なインフラの上に成り立っているのです。外国からエネルギーを毎年ものすごい量、年間11兆から12兆円も買っています。みなさんの税金が燃料と交換で海外に出ていく。そんなことをするよりは国内でエネルギーを自給するために使ったほうがいいんじゃないのか。やり方次第ではできると思うんです」  その実現のためには法整備が重要であると訴えた。 「まずは政治を変えなくてはいけない。(宗教学者の)中沢新一君みたいに、日本における『緑の党』を作ろうとしている、思いを託せる人を政治の場に送り込むことが大切なのでは」  子どもたちにとって希望の持てる国にするためにも、今こそ坂本氏の言葉をかみ締める必要があるのではないか。 (撮影・文=シン上田)
戦場のメリー・クリスマス 教授についてきます。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・震災特番生放送で古舘伊知郎が“原子力ムラ”に言及し波紋広がる震災2週間後の被災地を映した『311』 テーマは現代人が感じる"後ろめたさ"「怒りの声をあげられない人の声を代弁する」福島市住職のたった一人の闘い 「受注金額は言い値で決まる!?」東日本大震災の復興利権に群がるゼネコンの"焼け太り"「シャブ中の作業員も......」福島第一原発潜入ジャーナリスト・鈴木智彦の見た景色

「子どもたちが希望を持てる国にするために」東日本大震災追悼イベントに坂本龍一が登場

IMG_0598s.jpg
 3月10日・11日の2日間、東京・日比谷公園で『311東日本大震災 市民のつどい Peace On Earth(ピースオンアース)』が開催された。  震災から1年、犠牲になった方々を追悼し黙とうを捧げ、これからの未来を共有する場をつくるという理念の下、学者や活動家、ミュージシャン、アーティストらが参加。トークイベントやライブが行われた。  11日には、この日のためにニューヨークから駆けつけた坂本龍一氏がトークイベントに登場。活動の拠点をニューヨークに移している坂本氏は、11年前の同時多発テロも体験している。 「9.11のとき現場のすぐそばにいたのですが、思考停止状態になりました。あのにぎやかなニューヨークが静まり返ったんですよ。誰も音楽をかけないし、ストリートミュージシャンもいなくなっちゃったし、車のクラクションも聞こえなくなった。こういうとき、人間って静かになるんだなと思いました」 IMG_0666s.jpg  3.11のときは9.11と同じような気持ちになり、「長いこと音楽が聴けなくなりましたね」という。また「メディアでよく音楽の力とか、音楽で元気を与えるというけど嫌なんだね、不遜な感じがして。音楽が寄り添うというのが合っているんじゃないかな」と独自の音楽観を語った。  また、原発に関しても強い危機感を持っている一方、「東電の中にも自然エネルギーを普及させようと考えている人たちもいるし、魔女狩りみたいに東電は悪だとか、その家族の人たちまで差別するのはいけないと思う」と冷静な視点も。  そして、日本のエネルギー自給率が低いことに対しては強い苦言を呈す。 「戦争とか災害が起きたときには、日本国民は生きていけない。エネルギーがなくなったら産業活動や生活ができない。日本はそんな脆弱なインフラの上に成り立っているのです。外国からエネルギーを毎年ものすごい量、年間11兆から12兆円も買っています。みなさんの税金が燃料と交換で海外に出ていく。そんなことをするよりは国内でエネルギーを自給するために使ったほうがいいんじゃないのか。やり方次第ではできると思うんです」  その実現のためには法整備が重要であると訴えた。 「まずは政治を変えなくてはいけない。(宗教学者の)中沢新一君みたいに、日本における『緑の党』を作ろうとしている、思いを託せる人を政治の場に送り込むことが大切なのでは」  子どもたちにとって希望の持てる国にするためにも、今こそ坂本氏の言葉をかみ締める必要があるのではないか。 (撮影・文=シン上田)
戦場のメリー・クリスマス 教授についてきます。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・震災特番生放送で古舘伊知郎が“原子力ムラ”に言及し波紋広がる震災2週間後の被災地を映した『311』 テーマは現代人が感じる"後ろめたさ"「怒りの声をあげられない人の声を代弁する」福島市住職のたった一人の闘い 「受注金額は言い値で決まる!?」東日本大震災の復興利権に群がるゼネコンの"焼け太り"「シャブ中の作業員も......」福島第一原発潜入ジャーナリスト・鈴木智彦の見た景色

「最初は作品を作る気になれなかった」岩井俊二監督が新作映画に込めたメッセージ

IMG_0307s.jpg
 宮城県仙台市出身の岩井俊二監督が、震災以降に出会った人々、久しぶりに再会した友人と語る日本の未来を綴ったドキュメンタリー映画『friends after 3.11【劇場版】』。公開初日の10日には岩井監督、松田美由紀(女優・写真家)、藤波心(反原発アイドル)らが舞台あいさつを行った。  自身のブログで震災について語ったことから注目を集めるようになったアイドルの藤波。 「震災から1年が経ちますが、国民の関心は薄れてしまっていると感じます。このままでは第二の福島を作りかねない、人類の滅亡につながりかねないと思います。今日来ていただいたみなさんには、映画を見て感じたことを家族や仲間、大切な人と話し合ってもらいたいです」  そう語る口調は14歳とは思えないほどしっかりしていて熱い。  これまで環境や原発のことに特別関心があったわけではないという松田も思いは同様である。 「私は3.11以降、人生が変わりました。というのも、今まで見てはいけないとされてきたものに気づいてしまったからです。震災後、多くのことを知ってしまった。もう引き返せません」 「人種も職業も関係ないと思います。これからの環境問題を変えるのは、国民一人ひとりの自覚と結束です」  とアピール。  岩井監督は「最初、作品を作る気持ちにはなれなかった。そんなに簡単に作品にできるとも思わなかったから」とその当時を振り返る。だが、さまざまな人たちとの出会いを通じて考えが変わったという。 「今も地震が続いていたり、原発も危険な状態のまま。巨大地震とかつてない核の危機の二つに苛まれている状態ですが、われわれ大人だけでなく子どもたちも真剣にこれに向き合って生きていかなくてはいけないという気持ちでこの作品を作りました」  そんな前向きなメッセージが込められている『friends after 3.11【劇場版】』。オーディトリウム渋谷ほか全国順次公開。 (撮影・文=シン上田)
番犬は庭を守る 原子力崩壊後の世界。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・震災特番生放送で古舘伊知郎が“原子力ムラ”に言及し波紋広がる震災2週間後の被災地を映した『311』 テーマは現代人が感じる"後ろめたさ"「怒りの声をあげられない人の声を代弁する」福島市住職のたった一人の闘い 「受注金額は言い値で決まる!?」東日本大震災の復興利権に群がるゼネコンの"焼け太り"「シャブ中の作業員も......」福島第一原発潜入ジャーナリスト・鈴木智彦の見た景色

飲食店の中国人アルバイトが帰国後「パクリ店舗」を続々経営!?

warawara.jpg
※イメージ画像 photo by jetalone
from flickr
 中国企業による「iPad」商標の横取り事件をはじめ、商標権関連の問題が頻発している中国で、日本企業が自らの商標権を守るため、断固とした措置に踏み切った。  日本の外食王手のモンテローザが、同社が運営する「白木屋」、「笑笑」などと酷似した店名の飲食店が中国や台湾で14件確認されたとして、商標の使用差し止めを求める民事提訴と刑事告訴を含めた対応を開始したのだ。これらの「パクリ店舗」の経営者はそれぞれ異なり、モンテローザによる警告により店名変更に応じた店もあれば、「漢字は中国のもの」と突っぱねる店もあったという。  しかし、「日本の有名飲食店の名称を模倣している飲食店は、中国全土に数えきれないほど存在する」と話すのは、中国で知的財産権問題の調査を行う日本人調査員だ。さらに、模倣されているのは名称だけではないという。 「中国には、日本の有名飲食店のシステムやコンセプトまでを模倣して成功している店舗がたくさんあります。例えば牛角や吉野家などといった日本を代表とするチェーン店にも、名称ばかりかコンセプトまで酷似した店が中国全土に何百とありますよ。その中で特に繁盛している店の特徴としては、経営者がかつて日本に留学していて、本家でアルバイトをしていたというケース。 アルバイト中に身に付けたノウハウやマニュアルを中国に帰国した後に再現し、成功しているんです」  日本国内の外食産業は、外国人労働力なしには成り立たないといっても過言でない昨今。特に中国人従業員は、その中でも主力的存在だ。しかし彼らを介し、企業の財産ともいえるノウハウやマニュアルが中国に流出しているとしたら……。「のれん分け」と割り切るには、その損害は大きすぎるかもしれない。 (文=牧野源)
中華バカ事件簿 国民性の違い? amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・上海金融街の路上に亀裂が......都市の乱開発で地盤沈下が続出中!中国市場から姿を消し始めたiPadに新商標候補が続々?中国のネット文化が2ちゃん化!? 5億人のネットユーザーは共産大国を変えられるか「今なら摘発されない?」iPad商標訴訟にアップル敗訴の広東省で盗作品が増殖中今も燻るフォックスコン連続自殺 生産拠点の移転とともに内陸部へ飛び火ジョブズ氏の死をきっかけに密かに広がる「サムスン不買」の輪

飲食店の中国人アルバイトが帰国後「パクリ店舗」を続々経営!?

null

warawara.jpg
※イメージ画像 photo by jetalone
from flickr
 中国企業による「iPad」商標の横取り事件をはじめ、商標権関連の問題が頻発している中国で、日本企業が自らの商標権を守るため、断固とした措置に踏み切った。  日本の外食王手のモンテローザが、同社が運営する「白木屋」、「笑笑」などと酷似した店名の飲食店が中国や台湾で14件確認されたとして、商標の使用差し止めを求める民事提訴と刑事告訴を含めた対応を開始したのだ。これらの「パクリ店舗」の経営者はそれぞれ異なり、モンテローザによる警告により店名変更に応じた店もあれば、「漢字は中国のもの」と突っぱねる店もあったという。  しかし、「日本の有名飲食店の名称を模倣している飲食店は、中国全土に数えきれないほど存在する」と話すのは、中国で知的財産権問題の調査を行う日本人調査員だ。さらに、模倣されているのは名称だけではないという。 「中国には、日本の有名飲食店のシステムやコンセプトまでを模倣して成功している店舗がたくさんあります。例えば牛角や吉野家などといった日本を代表とするチェーン店にも、名称ばかりかコンセプトまで酷似した店が中国全土に何百とありますよ。その中で特に繁盛している店の特徴としては、経営者がかつて日本に留学していて、本家でアルバイトをしていたというケース。 アルバイト中に身に付けたノウハウやマニュアルを中国に帰国した後に再現し、成功しているんです」  日本国内の外食産業は、外国人労働力なしには成り立たないといっても過言でない昨今。特に中国人従業員は、その中でも主力的存在だ。しかし彼らを介し、企業の財産ともいえるノウハウやマニュアルが中国に流出しているとしたら……。「のれん分け」と割り切るには、その損害は大きすぎるかもしれない。 (文=牧野源)
中華バカ事件簿 国民性の違い? amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・上海金融街の路上に亀裂が......都市の乱開発で地盤沈下が続出中!中国市場から姿を消し始めたiPadに新商標候補が続々?中国のネット文化が2ちゃん化!? 5億人のネットユーザーは共産大国を変えられるか「今なら摘発されない?」iPad商標訴訟にアップル敗訴の広東省で盗作品が増殖中今も燻るフォックスコン連続自殺 生産拠点の移転とともに内陸部へ飛び火ジョブズ氏の死をきっかけに密かに広がる「サムスン不買」の輪