
『東京スカイツリー』(ポニーキャニオン)
5月22日に開業する東京スカイツリーの展望台入場券の第1期抽選の当選者が30日、発表された。開業初日正午入場のネット販売分入場券の当選倍率は、335倍だったという。
そんなプラチナチケットに、なんと隣国中国で高値が付いているという。
東京スカイツリーは当初、中国名として採用された「東京天空樹」が、中国大陸で何者かによって商標登録されていることが判明するなど、中国流の歓迎も受けているが……。
「世界一の高さの電波塔である東京スカイツリーは、何事も一番が大好きな中国人にも注目されています。中でも世界一のタワーに一番乗りできるのなら、金に糸目はつけないという人も多い。第1展望台は大人2,500円(日時指定券)、第2展望台はプラス1,000円の追加料金がかかりますが、中国の旅行会社からは『1万元(約13万円)払うから、なんとか開業入場券が手に入らないか』という問い合わせが内密に来ています。彼らは、旅行客にはその倍近くの価格で販売するはずですよ」
そう話すのは、中国の旅行会社から委託を受け、中国人団体ツアーの運営などを行う、いわゆるインバウンド業界関係者だ。しかし、抽選販売の個人入場券は実名制で、転売はできないはずだが……。
「ネットの抽選分では、1枚のクレジットカードで、最大8人分の入場券が応募できます。つまり、当選者自らはガイドとして同行すれば、7人まで引率できるというわけです」(業界関係者)
1枚13万円で販売したとすれば、社員一人で数時間のうちに90万円近くの収益を上げられる計算になる。まさに濡れ手で粟である。
「このところ、日本への団体ツアーは価格競争にさらされていて、インバウンド業務の利ざやも減っている中、こんなおいしい話はない。社員全員に命じて応募させた会社もあると聞いています。当選したかどうかはわかりませんが」(業界関係者)
日本の首都の新しいシンボルとして、歴史に名を刻まれることとなる東京スカイツリー。しかし、開業日にふたを開けてみれば、「東京を見下ろす展望台は中国人で埋め尽くされていた」などという事態になるかもしれない!?
(文=牧田源)
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アップル社ティム・クックCEO訪中も……連続飛び降り騒動以降も変わらない労働環境

アップル公式サイトより
iPadの商標権横取りなど、中国でさまざまな問題を抱える米アップルのティム・クックCEOが3月末に訪中し、次期首相就任もウワサされる李克強副首相と会談した。さらに、北京市内のアップルストアや、アップル製品を受託生産するフォックスコンの河北省内の生産工場を視察するなどのパフォーマンスも忘れなかった。
その一方、時を同じくして、米独立調査機関 「Fair Labor Association(FLA)」によるフォックスコンの労働環境に関するレポートが発表された。
世界的な話題となった、フォックスコン深セン工場における従業員連続飛び降り自殺騒動から2年経とうとする中、同レポートには依然として改善されない複数の「重大な問題」が浮かび上がった。
まずは、超過労働に関する問題だ。レポートによると、中国内の3カ所ある生産拠点のすべてで、労働法で定められている時間外労働の上限を超えていたが、残業代の算出は30分単位で、29分まではサービス残業となる計算となっていたという。
また同レポートでは、従業員の安全に関する問題も指摘されている。フォックスコンの生産拠点では、避難経路の確保と周知が徹底されていなかったり、安全設備が未整備だったりといった箇所が確認されたという。ちなみに昨年5月には、フォックスコンの成都工場で爆発事故が発生。従業員3人が死亡している。
また、労働組合の形骸化も問題視されている。組合の委員の多くは経営陣の操り人形であり、従業員が要求する権利を主張することは困難だというのだ。
いまや、アップル製品を目にしない日はないといっても過言ではないが、それらの製品がこうした中国人労働者の犠牲のもとに成り立っていると思うと、穏やかではない。商標権や知的財産の保護を中国に求めるのもいいが、まずは自分の頭のハエを追うべきでは……。
広がり続ける貧富の差……同性愛者相手のウリで生計を立てる中国の“農民二世”
経済成長の陰で貧富の差が広がり続けている中国では、官僚の子息である「官二代」や富豪の子息である「富二代」たちによる、親の権力や財力に物を言わせ、庶民相手に横暴を働く事件が多発している。
他方、社会的弱者の代表格ともいえる農民の子息である「農二代」たちの壮絶な境遇を、3月30日付けの「南方農村報」が伝えている。なんと、両親の出稼ぎ先の都市部で生活する農二代の男性の間で、同性愛者を相手にしたウリがひそかに流行しているというのだ。
彼らの多くは“90後”と呼ばれる、1990年代生まれの若い農二代。広東省広州市のナイトクラブで「売春夫」として働いているある農二代男性によると、客層は自分の父親にも近い世代の富裕層で、一晩のサービスで約1,500元(約1万9,000円)というのが相場なのだという。
ちなみに3月には、大陸から中国人男性が香港に大挙し、同性愛者相手に売春を行っている実態が報じられたばかりだ。
これまでも、貧困から売春婦に転落する女性は数多くいた。ところが、男性までもがウリに手を染めるようになった背景について、中国在住ジャーナリストはこう語る。
「かつて、農村からの出稼ぎ労働者は、都会に出てきて汗にまみれて一定期間働くと貯金を持って農村に帰り、家を建てていた。しかし、彼らの出稼ぎ先で生まれた農二代は、両親が農村に帰っても都会での生活の継続を希望する場合が多く、さらに農地収用などで両親ともども帰る場所を失った者も多い。しかし、親のコネも学歴も都市部での戸籍すらない彼らにとって、まともな職に就くことは難しい。物価高騰が続く都会で生計を立てる手段として身体を売ることを選ぶ者も多いんです」
特権階級者の下に生まれてきたというだけで横暴が許される者たちと、社会的弱者の下に生まれてきたというだけで、身体を売らなければならない者たち。運という言葉で片付けるには、残酷すぎる現実だ。
(文=牧田源)
愛と欲望の中国四〇〇〇年史
一筋縄ではいきませぬ。

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トラック横転で瀕死の運転手に警官が反則切符 そのまま退散で運転手死亡……

警察の追跡を受け、横転したトラック。
中国安徽省の村で、暴漢に襲われて意識不明となっていた被害者の女子高生が、通報を受けて駆けつけた警官よって凍死したホームレスと判断され、用水路に放置された。女子高生は、通りかかった村人に発見され一命を取り留めたが、警察官による人命軽視とも見られる対応に非難が殺到した。
そんな中国で、再び人命を軽んじた警察官の行動が、やり玉に挙げられている。3月28日の早朝、湖南省の幹線道路で、警察の追跡を受けた大型トラックが逃走の末に横転し、運転手の男性が死亡する事件が発生した。ところが、トラックに同乗していた乗務員の証言によると、横転の原因は警察官が車両を停止させるためパトカーで並走しながらカギ形の金属棒を、トラックのエンジン部に挿入したためだという。
さらに警察官は、事故直後にはまだ息があった可能性のある運転手や、負傷して流血する乗務員に対し、救急車を呼ぶなどの処置を行うこともなく、反則切符を記入してだけを手渡すと、颯爽とその場を立ち去ったというのだ。
その後、負傷した乗務員の自力の通報によって救急車が駆けつけた際には、すでに運転手の男性は死亡していたという。しかし、警察官がなんらかの救援措置を迅速に行っていれば、一命を取り留めることができたかもしれなかっただけに、ネット上では非難の声が上がっている。
中国では、救急の電話番号は120番。間違って警察にかけたとしてもなんら応急措置はしてもらえないようなので、くれぐれもおかけ間違いのないように……。
(文=牧野源)
トラック横転で瀕死の運転手に警官が反則切符 そのまま退散で運転手死亡……

警察の追跡を受け、横転したトラック。
中国安徽省の村で、暴漢に襲われて意識不明となっていた被害者の女子高生が、通報を受けて駆けつけた警官よって凍死したホームレスと判断され、用水路に放置された。女子高生は、通りかかった村人に発見され一命を取り留めたが、警察官による人命軽視とも見られる対応に非難が殺到した。
そんな中国で、再び人命を軽んじた警察官の行動が、やり玉に挙げられている。3月28日の早朝、湖南省の幹線道路で、警察の追跡を受けた大型トラックが逃走の末に横転し、運転手の男性が死亡する事件が発生した。ところが、トラックに同乗していた乗務員の証言によると、横転の原因は警察官が車両を停止させるためパトカーで並走しながらカギ形の金属棒を、トラックのエンジン部に挿入したためだという。
さらに警察官は、事故直後にはまだ息があった可能性のある運転手や、負傷して流血する乗務員に対し、救急車を呼ぶなどの処置を行うこともなく、反則切符を記入してだけを手渡すと、颯爽とその場を立ち去ったというのだ。
その後、負傷した乗務員の自力の通報によって救急車が駆けつけた際には、すでに運転手の男性は死亡していたという。しかし、警察官がなんらかの救援措置を迅速に行っていれば、一命を取り留めることができたかもしれなかっただけに、ネット上では非難の声が上がっている。
中国では、救急の電話番号は120番。間違って警察にかけたとしてもなんら応急措置はしてもらえないようなので、くれぐれもおかけ間違いのないように……。
(文=牧野源)
「ホームレスからむしり取れ!」生保受給者を食い物にする“弱者救済”NPOの悪質手口

炊き出しに列を作る人々。日本各地で見られる光景だ。
厚生労働省は先頃、全国の生活保護受給者が昨年12月時点で208万7,092人に上り、過去最多を更新したと発表した。それに伴い、予想されるのが悪質な貧困ビジネスの拡大。街で集めたホームレスらに生活保護を申請させ、劣悪な環境の宿泊施設に住まわせながら、さまざまな名目で“タケノコ剥ぎ”のように生活保護費をむしり取っていくのが貧困ビジネスの典型的な手口だ。
行政も、生活保護受給者が入所する施設を社会福祉法に基づく「無料低額宿泊所」と位置づけ許認可制を取るなど、悪徳業者への対策を講じてはいる。だが、行政の“お墨付き”を得た許認可業者が善良かといえば、必ずしもそうとは言い切れない。今回は、弱者を巧妙に誘う貧困ビジネスの現場をリポートする。
毎週月曜日の早朝、横浜市内の某所ではホームレスなど生活の困窮した人々のために炊き出しが行われている。主催するのは、神奈川県でも大手の弱者救済系のNPO。このNPOは神奈川県下に1,000床以上の無料低額宿泊所を有し、当然ながら自治体からの認可も受けている。食事を求めて行列をなす人々には、握り飯と一緒に1枚のチラシが手渡される。そこには、フリーダイヤルの番号とともに「生活相談乗ります!」と記されている。
「いくら寝る場所があっても、あんな目に遭うくらいならホームレスのほうがマシですよ」と訴えるのは、ホームレスのAさん(48歳)だ。半年前、勤務先をリストラされ困窮極まったAさんは、公園で知り合ったホームレスに誘われ、この炊き出しに並んだ。
「大手のNPOだったし、一緒にいたホームレスも信頼できる団体だと太鼓判を押すので、NPOの助言に従い生活保護を申請して、無料低額宿泊所に入所したのですが、とにかく搾取がひどかった。支給された約12万円の保護費も、さまざまな名目で差っ引かれ、手元に残るのはわずか1万円ほど。食費なんて3万円も取るくせに、1日2食でご飯のお代わりもできないし、オカズも小さなウインナーとしなびたキャベツとかレトルト食品ばかりで、いつも腹を空かせていたものです」(Aさん)
何よりも耐え難かったのは、所内の人間関係だったという。通常、認可を受けた無料低額宿泊所では、許認可業者のスタッフが寮長を務めることになっているのだが、人件費節減のためだろうか、なぜかこのNPOが運営する宿泊所では入所者が寮長だった。
「寮長は元ヤクザのホームレスだったのですが、強面で腕っ節も強いため、まさに“恐怖政治”でした。彼の機嫌を損ねれば、食事を抜かれたりするイジメや殴る蹴るのリンチは日常茶飯事。まるで刑務所の囚人のような人間関係でした。NPOが関係している飯場の仕事などを斡旋されたりもするのですが、断るとやはりリンチに。どういうわけか、『シャブを売ってこい!』なんて怒鳴られたこともありましたね。本当に覚せい剤なんてあったのでしょうか」(Aさん)
AさんがNPOに強要された仕事の1つに、街へ出てカモになるホームレスをスカウトするというものがあった。週に3名獲得のノルマもあったという。そして、明らかになったのが、自分がハメられたという事実だった。
「実は、私を炊き出しに誘ったホームレスもNPOとグルだったんです。ハナっから、私を宿泊所に誘い込むために仕組まれていたわけです。さすがにやり切れなくなり、1カ月で宿泊所を脱走しました。監視も甘かったので、逃げ出すのには大して苦労しなかったですね」(Aさん)
県下でも大手のNPO、しかも許認可業者であるにもかかわらず、なぜこのようなことが起きてしまうのか。寿町で福祉事業に携わる人物は、次のように話す。
「実は、このNPOは福祉関係者の間でも悪名高い札付きの団体なんです。暴力団や右翼団体がバックに付いているともささやかれ、行政としてもアンタッチャブルな存在。ここが運営する無料低額宿泊所は、あまりの待遇のひどさに入所数カ月以内に半数近くが逃げ出してしまうほど。だから、常にホームレスを集めていて、彼らがたむろする場所を大規模なスカウト部隊が巡回しているのは地元では有名な話。でも、それだけでは足りないので炊き出しを餌におびき寄せたり、罠にはめるような形で宿泊所に誘い込んだりしているのでしょう。通常、許認可業者の施設には行政が抜き打ちで検査を行ったりするのですが、このNPOの施設では強面のスタッフが自治体の職員の介入を頑なに拒むので、実態をつかめないのだそうです。また、指導すると後日、いかにもそれ風の男性が役所に怒鳴りこんできたりするので、役所としても頭を抱えています」
ホームレスが集まる場所に現れ、相談に乗る振りをして言葉巧みに無料低額宿泊所へ誘い込む輩は、基本的に貧困ビジネスを企んでいると考えていい。そこには、許認可も無認可も関係ないのだ。
(文=牧隆文)
「ホームレスからむしり取れ!」生保受給者を食い物にする“弱者救済”NPOの悪質手口

炊き出しに列を作る人々。日本各地で見られる光景だ。
厚生労働省は先頃、全国の生活保護受給者が昨年12月時点で208万7,092人に上り、過去最多を更新したと発表した。それに伴い、予想されるのが悪質な貧困ビジネスの拡大。街で集めたホームレスらに生活保護を申請させ、劣悪な環境の宿泊施設に住まわせながら、さまざまな名目で“タケノコ剥ぎ”のように生活保護費をむしり取っていくのが貧困ビジネスの典型的な手口だ。
行政も、生活保護受給者が入所する施設を社会福祉法に基づく「無料低額宿泊所」と位置づけ許認可制を取るなど、悪徳業者への対策を講じてはいる。だが、行政の“お墨付き”を得た許認可業者が善良かといえば、必ずしもそうとは言い切れない。今回は、弱者を巧妙に誘う貧困ビジネスの現場をリポートする。
毎週月曜日の早朝、横浜市内の某所ではホームレスなど生活の困窮した人々のために炊き出しが行われている。主催するのは、神奈川県でも大手の弱者救済系のNPO。このNPOは神奈川県下に1,000床以上の無料低額宿泊所を有し、当然ながら自治体からの認可も受けている。食事を求めて行列をなす人々には、握り飯と一緒に1枚のチラシが手渡される。そこには、フリーダイヤルの番号とともに「生活相談乗ります!」と記されている。
「いくら寝る場所があっても、あんな目に遭うくらいならホームレスのほうがマシですよ」と訴えるのは、ホームレスのAさん(48歳)だ。半年前、勤務先をリストラされ困窮極まったAさんは、公園で知り合ったホームレスに誘われ、この炊き出しに並んだ。
「大手のNPOだったし、一緒にいたホームレスも信頼できる団体だと太鼓判を押すので、NPOの助言に従い生活保護を申請して、無料低額宿泊所に入所したのですが、とにかく搾取がひどかった。支給された約12万円の保護費も、さまざまな名目で差っ引かれ、手元に残るのはわずか1万円ほど。食費なんて3万円も取るくせに、1日2食でご飯のお代わりもできないし、オカズも小さなウインナーとしなびたキャベツとかレトルト食品ばかりで、いつも腹を空かせていたものです」(Aさん)
何よりも耐え難かったのは、所内の人間関係だったという。通常、認可を受けた無料低額宿泊所では、許認可業者のスタッフが寮長を務めることになっているのだが、人件費節減のためだろうか、なぜかこのNPOが運営する宿泊所では入所者が寮長だった。
「寮長は元ヤクザのホームレスだったのですが、強面で腕っ節も強いため、まさに“恐怖政治”でした。彼の機嫌を損ねれば、食事を抜かれたりするイジメや殴る蹴るのリンチは日常茶飯事。まるで刑務所の囚人のような人間関係でした。NPOが関係している飯場の仕事などを斡旋されたりもするのですが、断るとやはりリンチに。どういうわけか、『シャブを売ってこい!』なんて怒鳴られたこともありましたね。本当に覚せい剤なんてあったのでしょうか」(Aさん)
AさんがNPOに強要された仕事の1つに、街へ出てカモになるホームレスをスカウトするというものがあった。週に3名獲得のノルマもあったという。そして、明らかになったのが、自分がハメられたという事実だった。
「実は、私を炊き出しに誘ったホームレスもNPOとグルだったんです。ハナっから、私を宿泊所に誘い込むために仕組まれていたわけです。さすがにやり切れなくなり、1カ月で宿泊所を脱走しました。監視も甘かったので、逃げ出すのには大して苦労しなかったですね」(Aさん)
県下でも大手のNPO、しかも許認可業者であるにもかかわらず、なぜこのようなことが起きてしまうのか。寿町で福祉事業に携わる人物は、次のように話す。
「実は、このNPOは福祉関係者の間でも悪名高い札付きの団体なんです。暴力団や右翼団体がバックに付いているともささやかれ、行政としてもアンタッチャブルな存在。ここが運営する無料低額宿泊所は、あまりの待遇のひどさに入所数カ月以内に半数近くが逃げ出してしまうほど。だから、常にホームレスを集めていて、彼らがたむろする場所を大規模なスカウト部隊が巡回しているのは地元では有名な話。でも、それだけでは足りないので炊き出しを餌におびき寄せたり、罠にはめるような形で宿泊所に誘い込んだりしているのでしょう。通常、許認可業者の施設には行政が抜き打ちで検査を行ったりするのですが、このNPOの施設では強面のスタッフが自治体の職員の介入を頑なに拒むので、実態をつかめないのだそうです。また、指導すると後日、いかにもそれ風の男性が役所に怒鳴りこんできたりするので、役所としても頭を抱えています」
ホームレスが集まる場所に現れ、相談に乗る振りをして言葉巧みに無料低額宿泊所へ誘い込む輩は、基本的に貧困ビジネスを企んでいると考えていい。そこには、許認可も無認可も関係ないのだ。
(文=牧隆文)
「ホームレスからむしり取れ!」生保受給者を食い物にする“弱者救済”NPOの悪質手口

炊き出しに列を作る人々。日本各地で見られる光景だ。
厚生労働省は先頃、全国の生活保護受給者が昨年12月時点で208万7,092人に上り、過去最多を更新したと発表した。それに伴い、予想されるのが悪質な貧困ビジネスの拡大。街で集めたホームレスらに生活保護を申請させ、劣悪な環境の宿泊施設に住まわせながら、さまざまな名目で“タケノコ剥ぎ”のように生活保護費をむしり取っていくのが貧困ビジネスの典型的な手口だ。
行政も、生活保護受給者が入所する施設を社会福祉法に基づく「無料低額宿泊所」と位置づけ許認可制を取るなど、悪徳業者への対策を講じてはいる。だが、行政の“お墨付き”を得た許認可業者が善良かといえば、必ずしもそうとは言い切れない。今回は、弱者を巧妙に誘う貧困ビジネスの現場をリポートする。
毎週月曜日の早朝、横浜市内の某所ではホームレスなど生活の困窮した人々のために炊き出しが行われている。主催するのは、神奈川県でも大手の弱者救済系のNPO。このNPOは神奈川県下に1,000床以上の無料低額宿泊所を有し、当然ながら自治体からの認可も受けている。食事を求めて行列をなす人々には、握り飯と一緒に1枚のチラシが手渡される。そこには、フリーダイヤルの番号とともに「生活相談乗ります!」と記されている。
「いくら寝る場所があっても、あんな目に遭うくらいならホームレスのほうがマシですよ」と訴えるのは、ホームレスのAさん(48歳)だ。半年前、勤務先をリストラされ困窮極まったAさんは、公園で知り合ったホームレスに誘われ、この炊き出しに並んだ。
「大手のNPOだったし、一緒にいたホームレスも信頼できる団体だと太鼓判を押すので、NPOの助言に従い生活保護を申請して、無料低額宿泊所に入所したのですが、とにかく搾取がひどかった。支給された約12万円の保護費も、さまざまな名目で差っ引かれ、手元に残るのはわずか1万円ほど。食費なんて3万円も取るくせに、1日2食でご飯のお代わりもできないし、オカズも小さなウインナーとしなびたキャベツとかレトルト食品ばかりで、いつも腹を空かせていたものです」(Aさん)
何よりも耐え難かったのは、所内の人間関係だったという。通常、認可を受けた無料低額宿泊所では、許認可業者のスタッフが寮長を務めることになっているのだが、人件費節減のためだろうか、なぜかこのNPOが運営する宿泊所では入所者が寮長だった。
「寮長は元ヤクザのホームレスだったのですが、強面で腕っ節も強いため、まさに“恐怖政治”でした。彼の機嫌を損ねれば、食事を抜かれたりするイジメや殴る蹴るのリンチは日常茶飯事。まるで刑務所の囚人のような人間関係でした。NPOが関係している飯場の仕事などを斡旋されたりもするのですが、断るとやはりリンチに。どういうわけか、『シャブを売ってこい!』なんて怒鳴られたこともありましたね。本当に覚せい剤なんてあったのでしょうか」(Aさん)
AさんがNPOに強要された仕事の1つに、街へ出てカモになるホームレスをスカウトするというものがあった。週に3名獲得のノルマもあったという。そして、明らかになったのが、自分がハメられたという事実だった。
「実は、私を炊き出しに誘ったホームレスもNPOとグルだったんです。ハナっから、私を宿泊所に誘い込むために仕組まれていたわけです。さすがにやり切れなくなり、1カ月で宿泊所を脱走しました。監視も甘かったので、逃げ出すのには大して苦労しなかったですね」(Aさん)
県下でも大手のNPO、しかも許認可業者であるにもかかわらず、なぜこのようなことが起きてしまうのか。寿町で福祉事業に携わる人物は、次のように話す。
「実は、このNPOは福祉関係者の間でも悪名高い札付きの団体なんです。暴力団や右翼団体がバックに付いているともささやかれ、行政としてもアンタッチャブルな存在。ここが運営する無料低額宿泊所は、あまりの待遇のひどさに入所数カ月以内に半数近くが逃げ出してしまうほど。だから、常にホームレスを集めていて、彼らがたむろする場所を大規模なスカウト部隊が巡回しているのは地元では有名な話。でも、それだけでは足りないので炊き出しを餌におびき寄せたり、罠にはめるような形で宿泊所に誘い込んだりしているのでしょう。通常、許認可業者の施設には行政が抜き打ちで検査を行ったりするのですが、このNPOの施設では強面のスタッフが自治体の職員の介入を頑なに拒むので、実態をつかめないのだそうです。また、指導すると後日、いかにもそれ風の男性が役所に怒鳴りこんできたりするので、役所としても頭を抱えています」
ホームレスが集まる場所に現れ、相談に乗る振りをして言葉巧みに無料低額宿泊所へ誘い込む輩は、基本的に貧困ビジネスを企んでいると考えていい。そこには、許認可も無認可も関係ないのだ。
(文=牧隆文)
「ホームレスからむしり取れ!」生保受給者を食い物にする“弱者救済”NPOの悪質手口

炊き出しに列を作る人々。日本各地で見られる光景だ。
厚生労働省は先頃、全国の生活保護受給者が昨年12月時点で208万7,092人に上り、過去最多を更新したと発表した。それに伴い、予想されるのが悪質な貧困ビジネスの拡大。街で集めたホームレスらに生活保護を申請させ、劣悪な環境の宿泊施設に住まわせながら、さまざまな名目で“タケノコ剥ぎ”のように生活保護費をむしり取っていくのが貧困ビジネスの典型的な手口だ。
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毎週月曜日の早朝、横浜市内の某所ではホームレスなど生活の困窮した人々のために炊き出しが行われている。主催するのは、神奈川県でも大手の弱者救済系のNPO。このNPOは神奈川県下に1,000床以上の無料低額宿泊所を有し、当然ながら自治体からの認可も受けている。食事を求めて行列をなす人々には、握り飯と一緒に1枚のチラシが手渡される。そこには、フリーダイヤルの番号とともに「生活相談乗ります!」と記されている。
「いくら寝る場所があっても、あんな目に遭うくらいならホームレスのほうがマシですよ」と訴えるのは、ホームレスのAさん(48歳)だ。半年前、勤務先をリストラされ困窮極まったAさんは、公園で知り合ったホームレスに誘われ、この炊き出しに並んだ。
「大手のNPOだったし、一緒にいたホームレスも信頼できる団体だと太鼓判を押すので、NPOの助言に従い生活保護を申請して、無料低額宿泊所に入所したのですが、とにかく搾取がひどかった。支給された約12万円の保護費も、さまざまな名目で差っ引かれ、手元に残るのはわずか1万円ほど。食費なんて3万円も取るくせに、1日2食でご飯のお代わりもできないし、オカズも小さなウインナーとしなびたキャベツとかレトルト食品ばかりで、いつも腹を空かせていたものです」(Aさん)
何よりも耐え難かったのは、所内の人間関係だったという。通常、認可を受けた無料低額宿泊所では、許認可業者のスタッフが寮長を務めることになっているのだが、人件費節減のためだろうか、なぜかこのNPOが運営する宿泊所では入所者が寮長だった。
「寮長は元ヤクザのホームレスだったのですが、強面で腕っ節も強いため、まさに“恐怖政治”でした。彼の機嫌を損ねれば、食事を抜かれたりするイジメや殴る蹴るのリンチは日常茶飯事。まるで刑務所の囚人のような人間関係でした。NPOが関係している飯場の仕事などを斡旋されたりもするのですが、断るとやはりリンチに。どういうわけか、『シャブを売ってこい!』なんて怒鳴られたこともありましたね。本当に覚せい剤なんてあったのでしょうか」(Aさん)
AさんがNPOに強要された仕事の1つに、街へ出てカモになるホームレスをスカウトするというものがあった。週に3名獲得のノルマもあったという。そして、明らかになったのが、自分がハメられたという事実だった。
「実は、私を炊き出しに誘ったホームレスもNPOとグルだったんです。ハナっから、私を宿泊所に誘い込むために仕組まれていたわけです。さすがにやり切れなくなり、1カ月で宿泊所を脱走しました。監視も甘かったので、逃げ出すのには大して苦労しなかったですね」(Aさん)
県下でも大手のNPO、しかも許認可業者であるにもかかわらず、なぜこのようなことが起きてしまうのか。寿町で福祉事業に携わる人物は、次のように話す。
「実は、このNPOは福祉関係者の間でも悪名高い札付きの団体なんです。暴力団や右翼団体がバックに付いているともささやかれ、行政としてもアンタッチャブルな存在。ここが運営する無料低額宿泊所は、あまりの待遇のひどさに入所数カ月以内に半数近くが逃げ出してしまうほど。だから、常にホームレスを集めていて、彼らがたむろする場所を大規模なスカウト部隊が巡回しているのは地元では有名な話。でも、それだけでは足りないので炊き出しを餌におびき寄せたり、罠にはめるような形で宿泊所に誘い込んだりしているのでしょう。通常、許認可業者の施設には行政が抜き打ちで検査を行ったりするのですが、このNPOの施設では強面のスタッフが自治体の職員の介入を頑なに拒むので、実態をつかめないのだそうです。また、指導すると後日、いかにもそれ風の男性が役所に怒鳴りこんできたりするので、役所としても頭を抱えています」
ホームレスが集まる場所に現れ、相談に乗る振りをして言葉巧みに無料低額宿泊所へ誘い込む輩は、基本的に貧困ビジネスを企んでいると考えていい。そこには、許認可も無認可も関係ないのだ。
(文=牧隆文)
元ハンセン病患者が語る激動の半生とジブリ作品に込められた宮崎駿の想い

10年前の3月、新聞各紙に厚生労働大臣・坂口力(当時)の名前である謝罪広告が掲載された。
「ハンセン病患者・元患者に対しては、国が『らい予防法』とこれに基づく隔離政策を継続したために、皆様方に耐え難い苦難と苦痛を与え続けてきました。このことに対し心からお詫び申し上げます」
この前年、小泉純一郎内閣総理大臣(当時)によって、政府はハンセン病国家賠償請求訴訟判決への控訴棄却を決定。国は正式にハンセン病に対して、これまで取ってきた政策の誤りを認めることとなった。1996年に「らい予防法廃止法」が施行されるまで、感染を防止するという名目で、隔離政策が推進されてきたハンセン病。しかし、その原因となるらい菌の感染力はとても弱く、日常生活を共にしても感染するような病気ではない。国や医学界は昭和20(1945)年代にその事実を知りながらも、隔離政策を推奨する「らい予防法」を1996年まで存続させてきたのだ。
厚生労働大臣の謝罪から10年。ハンセン病を取り巻く状況はどのように変化しているのか。東京都東村山市にある国立ハンセン病資料館に佐川修氏を訪ねた。
ハンセン病療養所「多磨全生園」に併設されている国立ハンセン病資料館。この施設の立ち上げから精力的に活動を行い、現在でも語り部としてその悲劇を語り継いでいる佐川氏は今年83歳。自身も元ハンセン病患者であり、国や法律に振り回された半生を送った。
ハンセン病に罹患すると、末梢神経障害と皮膚症状を併発し、顔面や手足にひどい変形を生じさせることもある。14歳からハンセン病患者として、隔離施設の中で生きてきた佐川氏。病気自体は完治しているものの、今でも後遺症の影響で右手が動くことはない。
「ハンセン病というだけで、これまで罪人のような目で見られてきました。古来より禍々しい病気として敬遠され、仏教の教えでも、過去には『前世で悪いことをしたからハンセン病になった』と伝えられていたんです」
とくに身体が変形してしまう症状が人々に恐れられ、ハンセン病は特別な偏見の目で見られてきた。
■「ハンセン病の大ボス」御用学者の影響力
ハンセン病の特効薬である「プロミン」は1943年に開発された。日本でも、1949年に使用が開始され、不治の病ではなくなっている。では、いったいなぜハンセン病の問題は50年にわたって放置されてしまったのだろうか? そこには、ある学者の影があるという。
「光田健輔(1876〜1964年)という学者が、日本のハンセン病治療にとても大きな影響力を持っていたんです。彼が強制隔離政策や優生政策(患者に対する断種・不妊手術)を推進しました。さらに、彼の弟子にあたる人々が各地の療養所の所長などの立場になり、ハンセン病治療の現場を牛耳ってきた。光田先生が亡くなり、彼の影響力が弱まってから、ようやく隔離政策をはじめとするハンセン病治療に対する議論が活発になったんです。彼は、まさにハンセン病の大ボスのような存在ですね」
冗談めかして語る佐川氏だが、その眼光は鋭い。
現在では、らい予防法は廃止され、ハンセン病国家賠償請求訴訟にも勝訴、社会の無理解から解放されたハンセン病患者や元患者たち。メディアにその名前が登場することもなく、ハンセン病はすでに“終わった”病気であるとされている。そんな認識に対してもまた、佐川氏は深いため息をつく。
「表面的にはハンセン病の問題は解決されたことになっていますが、いまだに根強く偏見は残っている。小学校の先生が怪談として『ハンセン病患者が墓場を掘り起こす』という話を子どもたちに聞かせていたこともあったし、ホテルで元患者の宿泊が拒否される事件もあった。とんでもないことです」
もちろん、佐川氏自身もそんな偏見の被害者だった。
「でも、僕は比較的大丈夫なほうだった。いわれのない差別には言い返すから、そうすると相手が黙っちゃうんです」
闊達な口調で言い返す佐川氏の姿は頼もしい。しかし、そんな佐川氏ですらも、いまだに心の傷が癒えない差別を経験した。
「私たち夫婦には子どもはいませんが、かつて一度だけ子どもができたことがあります。けれども、療養所の職員から『あなたたちは産まないほうがいい』と言われ、堕ろさなければならなくなった。堕ろした後、看護婦さんから『男の子でしたよ』と言われました。その子どもが生きていたら、もう50歳以上。その後妻は、子どもができないように不妊手術を受けさせられました」
ハンセン病患者の遺伝子を残さないために、国は患者たちに対して強制的に不妊治療を受けさせた。しかし、ハンセン病は遺伝するものではない。ましてや、佐川氏のこのエピソードも、特効薬が開発された後の時代だ。生まれてくることのなかった子どもたちもまた、ゆがんだハンセン病政策の被害者だった。
■ハンセン病問題に取り組む宮崎駿
このハンセン病の問題に対し、別の角度から意識を持って取り組んでいる意外な人物がいる。スタジオジブリの宮崎駿だ。『千と千尋の神隠し』(2001)や『もののけ姫』(1997)などで、ハンセン病患者と思われるキャラクターを登場させている宮崎氏は、資料館にも足繁く通っており、佐川氏とも懇意にしている。
「普通に見たらわからないかもしれませんが、包帯でぐるぐる巻きの描写や、名前を取られてしまうといった設定はハンセン病患者そのものなんです。宮崎さんは記念碑や保育園を作ったときにもここに来ていただきましたし、寄付をいただいたこともあります。周囲に子どもがいるとサインをねだられて大変なんですよ」
力強いサポーターの存在を武器に、ハンセン病に対する偏見に取り組む佐川氏。宮崎氏のほかにも国会議員をはじめとする要人と交渉しながら、これまで数万人以上の人々にハンセン病の現状を訴え続けてきた。
では、そんな半生を、佐川氏はどのように思っているのだろうか?
「ハンセン病になったこともひとつの試練だったんだと思います。この病気になったから、いろいろな人とも知り合うことができ、活発に活動することが出来ました。子どもがいて、平凡な人生を送っていたらどうなってたかな……。考えないこともないけど、いまさら考えても仕方ないです」
現在、多磨全生園では260人の入所者が暮らしている。平均年齢は現在84歳。およそ、あと20年もすぎればハンセン病の記憶は日本から消えていくだろう。だが、このままハンセン病を終わらせていいのだろうか。はたして、ハンセン病から日本の社会は何かを学ぶことができたのだろうか。その半生のほとんどを偏見にさらされた佐川氏は多磨全生園の自治会長として、とてもつつましい願いを語る。
「現在残っている患者たちの終焉を見届けるつもりです。みんなが安心して生活をし、穏やかに死んでいけるよう、自治会長として頑張っていきたいですね」
そのささやかな願いを勝ち取るために、佐川氏をはじめ、ハンセン病患者や元患者たちは想像を絶するほどの戦いを強いられてきた。ハンセン病の存在を隔離政策によって無視してきたように、その苦闘の歴史をわれわれはまだ直視できていないのではないだろうか。
(取材・文=萩原雄太[かもめマシーン])
●さがわ・おさむ
1929年、東京都生まれ。国立ハンセン病資料館運営委員。10代よりハンセン病療養施設に入所し、現在も多磨全生園に生活する。語り部として、自身の経験を講演しながら、これまでに数万人へハンセン病への理解を呼びかけている。2006年4月から多磨全生園入所者自治会会長。





