
オリンパス公式サイトより
粉飾決算事件に揺れたオリンパスの臨時株主総会では、不正告発で解任されたマイケル・ウッドフォード元社長の復帰を求める動きもあったが、それをかき消したのはまるで暴力団組員のようなコワモテ来場者だった。
「おい早く進めろよ、ゴラァ!」
「腹減ったよ、もういいよ!」
ドスの効いた声は大半が関西弁。面々の顔も、暴力団かと思うような怖い顔をした中年男性ばかりだった。野次は追い詰められる経営陣に飛んでいるのかと思いきや、どうも様子がおかしい。「NO個人株主軽視」とプリントされたトレーナーを着た男性がウッドフォード氏の復帰を求めたときだったからだ。
20日、招集通知には「混雑が予想されますので」とあったが、ホテルニューオータニの大会場「鶴の間」は半分ほどしか埋まらず、場内アナウンスも「空いているお席にお座りください」とあったほど。
おかげでこうした強烈な野次には場内が静まり、その野次を飛ばしていたひとりと見られる男性が質問者として関西訛りでまくし立てた。
「あなた方がやったことは世界中に恥をさらした。経営の根幹が腐っとる。菊川という奴は悪い奴だ。この会社は内視鏡屋さんでしょ! 会社の金庫にまず内視鏡入れなさいよ。これ以上、何かを隠していませんと言いなさいよ!」
一見、経営陣に対する厳しい声だが、その中身は具体性に乏しく、まるで時間稼ぎをしているようにも見えた。
事実、この質問者はその後も品の悪い連中と一緒に大声を出し、この日のハイライトであったウッドフォード氏の質問中も、「質問がなげえんだよ!」「ここは日本だぞぉ!」と遮っていた。
「おそらく、彼らはオリンパス経営陣が呼び込んだ総会屋でしょう」
場内にいた株主のひとりは、そうつぶやいた。関西訛りの質問者はその後、取締役役員とは掛け合い漫才のような馴れ合いを繰り返したあげく、「議長、早く決議しろ!」と終了を促した。まったくもって会社側に都合の良い質問者と野次だったのだ。
終了後には「どう見てもヤクザのような奴らがいたね」という株主たちの声が多々聞かれたが、今回の招集通知には不祥事後に結成された「第三者委員会」の調査と報告書が添付され、「反社会勢力との関係等」という項目も一応あった。ただ、その中身は「反社会勢力の関与は認められませんでした」という短文のみ。
「翌日の報道では“大荒れ”と書いているバカな新聞もありましたが、結局はかつて日本で横行した無風のシャンシャン総会。10年以上前から日本の商法が改正され続け、企業の国際化やコンプライアンス強化が謳われてきたんですが、このオリンパス総会で昔ながらのシャンシャン総会がそのまま残っていたことを示しましたね」(株主男性)
ただ、かつては企業側を糾弾するために存在した総会屋も、いまや“従来型のシノギ”が厳しいからか、その業態は“モノ言う個人株主を恫喝する”という真逆の立場になっているようだ。
(文=鈴木雅久)
「02社会」タグアーカイブ
連続自殺騒動のフォックスコン工場で今度は集団自殺騒ぎ!?

屋上の様子。
10人以上の死者を出した従業員連続自殺騒動が世間を騒がせた、米アップル社製品の委託生産先でもある、フォックスコンの深セン工場で再び騒動が勃発した。4月11日、工場の屋上に約20人の従業員が上り、飛び降りることをほのめかしたのだ。 彼らは、11日の午前8時から翌日午前10時まで屋上にとどまり続けたが、やがて全員無事、現場を後にした。
実はこれ、工場の移転に反対するための抗議活動である。
連続自殺騒動を機に、労務環境への批判が集中したフォックスコンは、従業員の給与のベースアップを行った。しかし、それをきっかけに周辺地域の賃金相場は上昇。結果、人件費の高騰に耐え切れなくなった同社は、内陸部など賃金相場の低い地域への生産拠点の移転を進めている。
同社は移転にともない、これまで深セン工場で雇用していた従業員の多くに対し、新工場への異動か退職を迫っていたが、同工場での勤続を希望する一部の従業員と争議となっていた。今回、抗議活動を行った従業員は、深セン市から100キロほど離れた広東省恵州市の新工場への異動を求められていたが、これを拒否していたという。
ちなみにこの騒動に関し、香港系のニュースサイト「鳳凰網」がネット上で行った世論調査によると、約2万人の回答者のうち約72%が従業員を支持している。
連続自殺騒動の舞台となった深セン工場を縮小することとなったフォックスコンだが、今後どこへ移転しようとも、権利意識に目覚めた労働者たちの容赦ない突き上げに晒されそうだ。
議員のメディアリテラシーを試した? 民主党Twitter自粛騒動の全貌

民主党群馬県第4区総支部長 衆議院議員:
三宅雪子ウェブサイトより
民主党執行部が所属議員に対して、ブログやTwitterでの情報発信の自粛を求める文書を送付し、一部議員から「言論統制だ」と批判の声が挙がっている。ところが、別の議員からは「言論統制はデマ」との発言も。いったいどうなっているのか? 同党の関係者を取材した。
執行部の文書を「言論統制」と批判したのは、同党所属の三宅雪子衆院議員だ。三宅議員は、自身のTwitterで「言論統制の動き。組織が隠蔽したいものは大抵やましいもの。私はなおいっそう発信していく。今、民主党は信頼を失っているので透明性を高めるべき。それが信用回復への近道。私はすべて会議はオープンがいい思う。私のツイートはしょせん個人のツイート。主観も入っているし党を代表するものではない」と記した。
一方、同党所属の有田芳生参議院議員は、自身のブログ(http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/)で「そんな事実はない。その根拠とされた文書を見れば一目瞭然だ。批判はあっていいが、事実に基づかないものはデマという」と述べ、発端となった文書を公開している。「政策検討途上における情報管理・発信に関するご要請」とされた文書に記された要請は、次の3項目だ。
1 審議、検討中の政策に係る内容情報や審議経過、各議員の発言等に関する情報や資料の管理、また個人的な情報発信に関しては、党内外の誤解を招かぬよう十分に留意するよう、各位が長・事務局長を担われている組織内の参加議員に徹底されるよう要請します。
2 とりわけ議員各位がホームページ、ブログ、ツイッターなどの媒体を使って、情報を発信するに際しては、メディアや野党の方々も含め瞬時に衆目にさらされ、時として、発信者が意図しない形で情報が利用され、個人的見解が内閣・与党の見解の如く誤解され、あるいは攻撃材料になるおそれもあることに十分にご留意ください。
3 なお、各位が一政治家として、国民、有権者の皆さまの政策所見に訴え、また自らの政策活動の紹介について発信することについて、なんら抑制を求めるものではありませんが、政調機関内で審議の途上にある政策案等は機関手続きを経て初めて党議となり、あるいは手続きを経て決定されていることにご留意ください。
文書に記された要請を読む限りでは、「ブログやTwitterを自粛しろ」という強い意志を読み取るのは困難。せいぜい「みんな見ているんだから、気をつけて使ってください」程度にしか読めない。それが、いったいどうして自党の議員に「言論統制」なんて批判される事態になったのか?
「文書が出た直接のきっかけは、山田良司衆院議員が、岐阜県下呂市長選に立候補した前民主党衆院議員の石田芳弘氏(落選)の支援を要請する文書への署名を前田武志国土交通相に依頼し、自民党から問責決議が出される騒動になっている件です。山田議員がブログで、国交相と面会し、その中で選挙が話題になったことを書いてしまったことがきっかけです。これまでも、森ゆうこ参院議員をはじめ、幾人もの議員が内々の会議の内容までTwitterなどで公開してしまうことが問題になっていました。まだ決まってもいないことが公になってしまっては、連立を組む国民新党にも失礼です。この文書は、“そうしたことも考えてネットを利用してほしい”という意味のものだと思いますよ」
と、民主党所属のある国会議員は話す。さらに、別の議員からはこんな話も。
「あの文書の本音は、小沢派の議員への注意ですよ。以前から、小沢派の議員がブログやTwitterで政権批判をするので、外部から党がバラバラになっていると思われては困るという危惧がありました。今回の問責決議の件をきっかけに、ちょっとは自重をしてほしいと、文書で通達することになったんですよ」
また、「あの文書を読んで“言論統制だ!”と思うなんて、相当なおっちょこちょいですよ」と話す議員もいる。いずれにしても、多くの議員は「言論統制を目的としたものではない」と思っている様子だ。
20日に開催された民主党の議員総会では、文書の主である桜井充参院議員が「意見をツイートしてはいけないのではなくて、決まっていないことを(党の決定した方針であるかのように)書かないでくれということ」と議員たちに教え諭す一幕もあったという。
今回の騒動が、メディアリテラシーがあるかないか、議員を試す「踏み絵」となったのは間違いない。
(取材・文=昼間 たかし)
議員のメディアリテラシーを試した? 民主党Twitter自粛騒動の全貌

民主党群馬県第4区総支部長 衆議院議員:
三宅雪子ウェブサイトより
民主党執行部が所属議員に対して、ブログやTwitterでの情報発信の自粛を求める文書を送付し、一部議員から「言論統制だ」と批判の声が挙がっている。ところが、別の議員からは「言論統制はデマ」との発言も。いったいどうなっているのか? 同党の関係者を取材した。
執行部の文書を「言論統制」と批判したのは、同党所属の三宅雪子衆院議員だ。三宅議員は、自身のTwitterで「言論統制の動き。組織が隠蔽したいものは大抵やましいもの。私はなおいっそう発信していく。今、民主党は信頼を失っているので透明性を高めるべき。それが信用回復への近道。私はすべて会議はオープンがいい思う。私のツイートはしょせん個人のツイート。主観も入っているし党を代表するものではない」と記した。
一方、同党所属の有田芳生参議院議員は、自身のブログ(http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/)で「そんな事実はない。その根拠とされた文書を見れば一目瞭然だ。批判はあっていいが、事実に基づかないものはデマという」と述べ、発端となった文書を公開している。「政策検討途上における情報管理・発信に関するご要請」とされた文書に記された要請は、次の3項目だ。
1 審議、検討中の政策に係る内容情報や審議経過、各議員の発言等に関する情報や資料の管理、また個人的な情報発信に関しては、党内外の誤解を招かぬよう十分に留意するよう、各位が長・事務局長を担われている組織内の参加議員に徹底されるよう要請します。
2 とりわけ議員各位がホームページ、ブログ、ツイッターなどの媒体を使って、情報を発信するに際しては、メディアや野党の方々も含め瞬時に衆目にさらされ、時として、発信者が意図しない形で情報が利用され、個人的見解が内閣・与党の見解の如く誤解され、あるいは攻撃材料になるおそれもあることに十分にご留意ください。
3 なお、各位が一政治家として、国民、有権者の皆さまの政策所見に訴え、また自らの政策活動の紹介について発信することについて、なんら抑制を求めるものではありませんが、政調機関内で審議の途上にある政策案等は機関手続きを経て初めて党議となり、あるいは手続きを経て決定されていることにご留意ください。
文書に記された要請を読む限りでは、「ブログやTwitterを自粛しろ」という強い意志を読み取るのは困難。せいぜい「みんな見ているんだから、気をつけて使ってください」程度にしか読めない。それが、いったいどうして自党の議員に「言論統制」なんて批判される事態になったのか?
「文書が出た直接のきっかけは、山田良司衆院議員が、岐阜県下呂市長選に立候補した前民主党衆院議員の石田芳弘氏(落選)の支援を要請する文書への署名を前田武志国土交通相に依頼し、自民党から問責決議が出される騒動になっている件です。山田議員がブログで、国交相と面会し、その中で選挙が話題になったことを書いてしまったことがきっかけです。これまでも、森ゆうこ参院議員をはじめ、幾人もの議員が内々の会議の内容までTwitterなどで公開してしまうことが問題になっていました。まだ決まってもいないことが公になってしまっては、連立を組む国民新党にも失礼です。この文書は、“そうしたことも考えてネットを利用してほしい”という意味のものだと思いますよ」
と、民主党所属のある国会議員は話す。さらに、別の議員からはこんな話も。
「あの文書の本音は、小沢派の議員への注意ですよ。以前から、小沢派の議員がブログやTwitterで政権批判をするので、外部から党がバラバラになっていると思われては困るという危惧がありました。今回の問責決議の件をきっかけに、ちょっとは自重をしてほしいと、文書で通達することになったんですよ」
また、「あの文書を読んで“言論統制だ!”と思うなんて、相当なおっちょこちょいですよ」と話す議員もいる。いずれにしても、多くの議員は「言論統制を目的としたものではない」と思っている様子だ。
20日に開催された民主党の議員総会では、文書の主である桜井充参院議員が「意見をツイートしてはいけないのではなくて、決まっていないことを(党の決定した方針であるかのように)書かないでくれということ」と議員たちに教え諭す一幕もあったという。
今回の騒動が、メディアリテラシーがあるかないか、議員を試す「踏み絵」となったのは間違いない。
(取材・文=昼間 たかし)
もはや偽札レベル!? 精巧すぎる中国のオモチャ紙幣

上がニセモノで、下がホンモノ。
中国山東省濱州にある小学校付近の商店内で販売されている、驚くほど精巧な人民元のオモチャ紙幣が話題を呼んでいる。
4月17日付けの「揚州時報」によると、このオモチャ紙幣は、色はもちろん、毛沢東の肖像に通し番号からホログラム、視覚障害者用の浮き文字まで、本物の人民元紙幣を忠実に再現しており、 コピー精度はもはや、偽札レベルといっても過言ではない。本物と違う点といえば、サイズが若干小さいことと、「中国人民銀行」のところが「児童玩具銀行」となっている点くらいで、バスの運賃箱などに入れられた場合、判別は難しいという。
このオモチャ紙幣を販売している商店の店主によると、小学校の授業でお札の金額の大小を教えるための教材としても採用されているもので、小学校の1、2年生は全員1セットを購入するように決まっているのだという。
ところが、多くの児童は1セット以上購入しているといい、互いに資産の大きさを競い合っているようである。さらに、子ども同士のさまざまな取引や、使役関係による金銭授受にも使用されており、通貨として価値を持って流通しているというのだ。
ちなみに中国の「人民元管理条例」によれば、人民元のコピーを制作、販売することは禁止されており、このオモチャ紙幣は違法である疑いも残るというが、拝金主義が幅をきかせる中国で生き抜く術を学ぶためには、子ども用といえ、このくらいのリアリティーが必要ということなのだろうか……。
(文=牧野源)
生活保護を取り巻く受給者バッシング――“ナマポ”は本当に悪なのか!?

『現代の貧困―ワーキングプア/
ホームレス/生活保護』(ちくま新書)
長引く不況などの影響から、生活保護の受給者は今年1月の時点で209万人を突破、昨年7月から過去最多の更新が続いている。その勢いは止まることを知らず、今後もますます増え続けると予想されている。あちこちで国の予算が削減される中、高齢者、母子家庭、障害者、うつ病、DV被害などの世帯を中心に、年間3.7兆円もの税金が投じられているのが現状だ。
ネットの世界では“ナマポ”と呼ばれ、月に十数万円が支給されるケースもあることなどから、「働いたら負け」と揶揄されることもある生活保護。しかし、生活保護はあくまで最後のセーフティネットであり、損得勘定で語られるべきものではない。そこで、日本女子大学で貧困や福祉政策を研究し、『現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護』(ちくま新書)の著者としても知られる岩田正美氏とともに、生活保護というシステムの仕組みやその問題点を考えてみたい。
■「水際作戦」と「受給者バッシング」
まず、生活保護を受給するためにはいくつかの条件がある。収入が国が定める最低生活費に満たないこと、家や車などの資産を持っていないこと、また親族などからの援助も受けることができないことなどが挙げられる。このような基準は、福祉事務所のケースワーカーと呼ばれる職員によって査定され、受給の可否が決定される。受給金額は個人や地域によって異なるものの、支給される金額は“ワーキングプア”として汗水流して働く人とほとんど大差はない。その結果、ネット上などでは受給者に対するバッシングが後を絶たない。
かねてから、生活保護の受給には暴力団などによる不正がはびこってきた。その金額は2005年度で72億円にも上るといわれている。そこで、窓口業務を担当する各自治体の福祉事務所では「水際作戦」と呼ばれる対応をする。これは、福祉事務所の窓口でできるだけ申請を受け付けず、相談のレベルで相談者を追い返してしまうことをいう。「生活保護の申請は国民の権利なので、申請をした上で却下となれば不服申し立てや裁判もできますが、申請をさせなければ、そうしたこともできなくなってしまいます」と岩田氏。しかし、その審査の厳しさによって、受給申請が却下された者による孤独死や犯罪事件などが発生すると、「弱者切り捨て」と批判の矢面に立たされてしまうのだ。
また、水際作戦には、別の側面からの問題点も指摘されている。元ケースワーカーの大山典宏氏は『生活保護 vs ワーキングプア』(PHP新書)でこう語る。「多くの人たちは『壊れる』という形で生活保護のネットに救われることとなります。厳しい労働条件の仕事でぼろぼろになるまで傷つき、家族関係の葛藤に悩まされ、心の病―うつ病―になって初めて生活保護の対象になるのです。(中略)皮肉なことに、水際作戦を展開すればするほど、壊れる若者を増やして生活保護からの自立を難しくしているのです」
生活保護を取り巻く問題は、これらの「受給者バッシング」と「行き過ぎた水際作戦」の間を揺れている。報道される際も、この両極端の問題にのみフォーカスが当たることが多いものの、それは生活保護の一部の姿でしかない。あくまで本質はその中間にある。「生活保護は、働ける可能性のある人たちにとって、もう一度労働市場へ復帰するためのトランポリンのような存在であるべきです」と岩田氏は解説する。
■生活保護がなくなったら……
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と憲法第25条に記されている通り、生活保護は国民として当然の権利。
「生活保護は国民の最後のセーフティネットなのです。これ以下の生活に堕ちることは、誰にとっても好ましくないという基準を示しています」(岩田氏)
しかし、国の予算がひっ迫する中、生活保護の総支給額は増加の一途をたどるばかり。このまま増え続ければ、受給者一人当たりの受給額を減額しなければならないのだろうか。
「生活保護総額の増大は、貧困の増大を背景としています。貧困を減少させないと、生活保護水準を下げても問題は解決しません。とくに強調したいのは、生活保護基準を下げると、最低賃金の基準も下がってしまうことです」(岩田氏)
ワーキングプアが生活保護受給者に嫉妬の視線を向けることが、最低賃金引き下げという形で当のワーキングプアたちにも跳ね返る。あたかも「貧困スパイラル」と形容されそうな状況で得をするのは、カネを握っている国や大企業だ。しかし、不況が続く日本では、生活保護制度そのものが立ち行かなくなってしまう可能性もある。どうすれば、無理なくこの制度を存続することができるのだろうか?
「現在、生活保護は住宅扶助や生活扶助、教育扶助、医療扶助など、さまざまな扶助がセットになって支給されています。ですから、一度生活保護から出ると、すべての援助を失ってしまうことになる。これでは、いつまでもそこから抜け出すことができません。ですから、いくつかの扶助を生活保護対象者にはならない低所得者にも利用できるようにすべきでしょう。とくに住宅扶助などは、生活保護基準ギリギリのワーキングプアに対して拡大していくことが必要なのではないでしょうか」(岩田氏)
また、先に引用した大山典宏氏も著書で「ずっと利用し続けるのではなく、困ったときだけちょっとだけ利用すればいい」という形の“プチ生活保護”という提案を行う。社会情勢とともに、生活保護制度も過渡期を迎え、その形を変えなければならない時期となっている。
では、極論だが、いっそのこと生活保護をなくしてしまったらどうなるのか……。そうすれば年間3.7兆円もの予算が削減され、余った税金を雇用対策に活用できるかもしれない。だが、岩田氏の予想する未来は暗い。
「生活保護がなくなってしまったら孤独死が頻発し、毎日のように白骨死体が発見されるかもしれません。若い世代でも、親の年金にぶら下がってしか生きていけない人々が、親の死亡届も出さなくなるケースも予想されます」
拡大する一方の生活保護にはさまざまな批判が相次ぎ、一部の生活保護受給者が受給金でパチスロに熱を上げる姿も報道される。そのような受給者の姿を見ていたら、制度そのものに疑問を持ってしまうのは当然のことだろう。しかし、その一方で、この制度によって年間200万人もの受給者が救われているという事実も存在することを、忘れてはならない。
(取材・文=萩原雄太[かもめマシーン])
「一家に一台ガイガーカウンター?」竹書房が放射線測定器付き書籍を発売

『家庭用放射線測定器エアカウンターS』
(竹書房)
竹書房が、家庭で放射線量を計測できるガイガーカウンター「エアカウンターS」を付録にした書籍『家庭用放射線測定器 エアカウンターS』を4月23日に発売する。
「エアカウンターS」は、タカラトミーアーツが企画・開発し、今年2月よりエステーが発売しているスティック型の計測器で、これまで20万個を販売しているヒット商品。今回、竹書房で本とパッケージ化し、6, 980円で販売されるという。
初版は1万部で、特典冊子として、放射能汚染から身を守る方法を説いたマニュアル本「武田邦彦が教える子どもの放射能汚染はこうして減らせる」が付いているという。
昨年の原発事故発生直後、放射線測定器の販売店やメーカーには問い合わせが殺到し、世界的に品不足となっていたが、最近では一般家庭向けの比較的手頃な測定器が各メーカーから発売され始めている。
有名ブランドとコラボしたバッグや美顔ローラー、はたまたフライパンなど、付録付き雑誌がブームとなって久しいが、放射線測定器までもが付録になる時代とは……。一体どういった経緯で企画されたのか、竹書房の担当者に話を聞いた。
「もともと震災直後から、放射線測定器付きの書籍を販売したいなとは思っていたんですが、当初はほとんどが海外製の高価なもので、製造コストと機能性を検討した結果、一旦は話が頓挫していたんです。そんな中、昨年秋ごろにエアカウンターSの製造元であるタカラトミーアーツさんと別件でお仕事をさせていただく機会があり、こういう商品が出るという話をうかがったんです。エアカウンターSはすべて国内生産ということもあり、性能に関してもまったく問題がない。検討した結果、ぜひムック本として出そうということで話が進みました」(竹書房・星野さん)

エアカウンターS
ムック本の“付録”ということで、一般的に市販されているものよりも性能的に劣るのではないかという心配もあるが、それはまったく問題ないという。
「薬局や家電量販店などで販売されているエアカウンターSとまったく一緒のものですし、環境や原発問題の専門知識を持つ中部大学の武田邦彦教授にいろいろとご相談して、アドバイスをいただいております。それに測定器に関しては、高性能だからいいというわけではなく、メリット・デメリットがあるんです。空間線量を測定するにはガンマ線を計測しなくてはならないんですが、ガンマ線以外も測定できる高性能の測定器を使うには、使用する本人にも深い知識が必要です。それに、何度か観測しないと正しい数値が計れないという点は、どの測定器も一緒です。結果、一般家庭で使うには、最低限の機能を備えた低価格のエアカウンターSがちょうどいいのではないかと思いますね」
今回、タカラトミーアーツはいろいろな販路でこの測定器を販売したいということで、竹書房とのコラボに快諾してくれたということだが、書店からの注文状況はどうなのだろうか。
「地域によってばらつきがありますね。やはり西日本よりも、関東より北のエリアのほうが反応がいいですね。とくにホットスポットエリアの書店さんでは多めに注文をもらっていますが、自重というか、慎重派な書店さんももちろんいます」
最近では、よほど高い数値が出ない限り、放射線量はあまり話題にならなくなっているが、生活エリアの一角が知らぬ間に“ホットスポット”になっている可能性は十分にある。小さな子どもがいればなおさら心配だが、なかなか声高に不安感を口に出せない空気はある。
「政府の発表は“後出しじゃんけん”が多い。いま屋外で測定器を持って放射線量を計る、という行為は物々しい感じがしますが、少しでも心配な場所があったら測定器で計る、という空気になったほうがいいんじゃないかと思いますね。後々『あそこのエリアは危険だった』と言われるよりは、自分で計って確かめたほうがいいのではないかと。10年後、15年後に、やっぱりあのときちゃんと計って対策しておいたほうがよかった、となっても取り返しがつかないですからね。比較的手が出しやすい価格帯になったので、ぜひ試してみてほしいですね」
原発事故から1年以上が経ち、当初に比べると原発や放射能関連のニュースは少なくなってきているが、今もまだ福島第一原発からは放射能が漏れ続けている。なんとも物騒ではあるが、一家に一台ガイガーカウンター、という時代が来ているのかもしれない。
「一家に一台ガイガーカウンター?」竹書房が放射線測定器付き書籍を発売

『家庭用放射線測定器エアカウンターS』
(竹書房)
竹書房が、家庭で放射線量を計測できるガイガーカウンター「エアカウンターS」を付録にした書籍『家庭用放射線測定器 エアカウンターS』を4月23日に発売する。
「エアカウンターS」は、タカラトミーアーツが企画・開発し、今年2月よりエステーが発売しているスティック型の計測器で、これまで20万個を販売しているヒット商品。今回、竹書房で本とパッケージ化し、6, 980円で販売されるという。
初版は1万部で、特典冊子として、放射能汚染から身を守る方法を説いたマニュアル本「武田邦彦が教える子どもの放射能汚染はこうして減らせる」が付いているという。
昨年の原発事故発生直後、放射線測定器の販売店やメーカーには問い合わせが殺到し、世界的に品不足となっていたが、最近では一般家庭向けの比較的手頃な測定器が各メーカーから発売され始めている。
有名ブランドとコラボしたバッグや美顔ローラー、はたまたフライパンなど、付録付き雑誌がブームとなって久しいが、放射線測定器までもが付録になる時代とは……。一体どういった経緯で企画されたのか、竹書房の担当者に話を聞いた。
「もともと震災直後から、放射線測定器付きの書籍を販売したいなとは思っていたんですが、当初はほとんどが海外製の高価なもので、製造コストと機能性を検討した結果、一旦は話が頓挫していたんです。そんな中、昨年秋ごろにエアカウンターSの製造元であるタカラトミーアーツさんと別件でお仕事をさせていただく機会があり、こういう商品が出るという話をうかがったんです。エアカウンターSはすべて国内生産ということもあり、性能に関してもまったく問題がない。検討した結果、ぜひムック本として出そうということで話が進みました」(竹書房・星野さん)

エアカウンターS
ムック本の“付録”ということで、一般的に市販されているものよりも性能的に劣るのではないかという心配もあるが、それはまったく問題ないという。
「薬局や家電量販店などで販売されているエアカウンターSとまったく一緒のものですし、環境や原発問題の専門知識を持つ中部大学の武田邦彦教授にいろいろとご相談して、アドバイスをいただいております。それに測定器に関しては、高性能だからいいというわけではなく、メリット・デメリットがあるんです。空間線量を測定するにはガンマ線を計測しなくてはならないんですが、ガンマ線以外も測定できる高性能の測定器を使うには、使用する本人にも深い知識が必要です。それに、何度か観測しないと正しい数値が計れないという点は、どの測定器も一緒です。結果、一般家庭で使うには、最低限の機能を備えた低価格のエアカウンターSがちょうどいいのではないかと思いますね」
今回、タカラトミーアーツはいろいろな販路でこの測定器を販売したいということで、竹書房とのコラボに快諾してくれたということだが、書店からの注文状況はどうなのだろうか。
「地域によってばらつきがありますね。やはり西日本よりも、関東より北のエリアのほうが反応がいいですね。とくにホットスポットエリアの書店さんでは多めに注文をもらっていますが、自重というか、慎重派な書店さんももちろんいます」
最近では、よほど高い数値が出ない限り、放射線量はあまり話題にならなくなっているが、生活エリアの一角が知らぬ間に“ホットスポット”になっている可能性は十分にある。小さな子どもがいればなおさら心配だが、なかなか声高に不安感を口に出せない空気はある。
「政府の発表は“後出しじゃんけん”が多い。いま屋外で測定器を持って放射線量を計る、という行為は物々しい感じがしますが、少しでも心配な場所があったら測定器で計る、という空気になったほうがいいんじゃないかと思いますね。後々『あそこのエリアは危険だった』と言われるよりは、自分で計って確かめたほうがいいのではないかと。10年後、15年後に、やっぱりあのときちゃんと計って対策しておいたほうがよかった、となっても取り返しがつかないですからね。比較的手が出しやすい価格帯になったので、ぜひ試してみてほしいですね」
原発事故から1年以上が経ち、当初に比べると原発や放射能関連のニュースは少なくなってきているが、今もまだ福島第一原発からは放射能が漏れ続けている。なんとも物騒ではあるが、一家に一台ガイガーカウンター、という時代が来ているのかもしれない。
猪瀬直樹副都知事と橋下徹大阪市長の電力改革連携はタバコがネックで亀裂も!?
猪瀬直樹・東京都副知事は、6月に予定されている東京電力の株主総会に出席し、関電の株主総会に出席する意向の橋下徹・大阪市長と連携し、9社が独占している日本の電力体制を変革していく方針を明らかにした。
福島第一原発事故から1年以上が経過したいまなお、強気に電力料金値上げを迫る東電をはじめ、脱原発の機運のなか露見した、各電力会社の隠匿体質にも世論の反感が募る今、猪瀬・橋下両氏の共闘には期待する声も少なくない。
ところがその2人の間に、亀裂が入りかねない見解の相違が存在することを知る者は少ない。
橋下市長は、禁煙となっている大阪市営地下鉄の駅構内で喫煙し、火災警報機が作動させて列車の運行に遅れを来たした地下鉄助役の男性への懲戒処分を検討している。また、大阪府知事時代の2008年には、庁舎敷地内を全面禁煙にしており、喫煙ルールに関しては、かねてから厳しい態度で臨んでいる。
一方、愛煙家としても知られている猪瀬副知事は、ある愛煙家団体サイト上で「(喫煙家は)それだけの税金を支払っているんだからさ。もっと、タックスペイヤーとしての認識を持っていいんじゃないかな」「マナーについては、精神的自制であって、本来法律で縛るもんじゃない」などと、このところの嫌煙ムードをけん制している。
マナーある喫煙ならば自由だが、今から約10年前、上智大学の教壇に立っていた猪瀬氏の講義を受講した同大学卒業生の男性は、こう証言する。
「彼は禁煙のはずの教室で、タバコを吸いながら教鞭をとっていました。あるとき、正義感の強い女子学生が『先生、教室内は禁煙です』と諌めたんですが、『私の講義ではこの教室は分煙だ。君らの席は禁煙でも教壇は喫煙席。文句があるなら受講していただかなくて結構』とはね付けていました」
強権的なところは橋下行政と相通じるものがあるが、両者の会見の席は果たして喫煙席となるのか禁煙席となるのか……。喫煙マナーに対する見解の違いで、9電力体制の変革の気運が煙と消えてしまわぬことを祈りたい。
(文=牧野源)
東京スカイツリー入場券が中国人に26万円で転売されている!?

『東京スカイツリー』(ポニーキャニオン)
5月22日に開業する東京スカイツリーの展望台入場券の第1期抽選の当選者が30日、発表された。開業初日正午入場のネット販売分入場券の当選倍率は、335倍だったという。
そんなプラチナチケットに、なんと隣国中国で高値が付いているという。
東京スカイツリーは当初、中国名として採用された「東京天空樹」が、中国大陸で何者かによって商標登録されていることが判明するなど、中国流の歓迎も受けているが……。
「世界一の高さの電波塔である東京スカイツリーは、何事も一番が大好きな中国人にも注目されています。中でも世界一のタワーに一番乗りできるのなら、金に糸目はつけないという人も多い。第1展望台は大人2,500円(日時指定券)、第2展望台はプラス1,000円の追加料金がかかりますが、中国の旅行会社からは『1万元(約13万円)払うから、なんとか開業入場券が手に入らないか』という問い合わせが内密に来ています。彼らは、旅行客にはその倍近くの価格で販売するはずですよ」
そう話すのは、中国の旅行会社から委託を受け、中国人団体ツアーの運営などを行う、いわゆるインバウンド業界関係者だ。しかし、抽選販売の個人入場券は実名制で、転売はできないはずだが……。
「ネットの抽選分では、1枚のクレジットカードで、最大8人分の入場券が応募できます。つまり、当選者自らはガイドとして同行すれば、7人まで引率できるというわけです」(業界関係者)
1枚13万円で販売したとすれば、社員一人で数時間のうちに90万円近くの収益を上げられる計算になる。まさに濡れ手で粟である。
「このところ、日本への団体ツアーは価格競争にさらされていて、インバウンド業務の利ざやも減っている中、こんなおいしい話はない。社員全員に命じて応募させた会社もあると聞いています。当選したかどうかはわかりませんが」(業界関係者)
日本の首都の新しいシンボルとして、歴史に名を刻まれることとなる東京スカイツリー。しかし、開業日にふたを開けてみれば、「東京を見下ろす展望台は中国人で埋め尽くされていた」などという事態になるかもしれない!?
(文=牧田源)

