
現場となった那智の滝。
photo by m-louis from flickr
世界遺産「那智の滝」(和歌山県那智勝浦町)でロッククライミングをして軽犯罪法違反容疑で逮捕されたアルパインクライマーの佐藤裕介に“余罪”の話が噴出している。
「いつか何かやらかすんじゃないかと思った」
日本を代表するクライマーの佐藤に対して侮蔑の表情を浮かべたのは、長野県で山小屋を管理する国立公園の職員だ。
「以前から、マナーの悪さでは有名でしたからね。あるときは仲間と酒を飲んで遅くまで騒ぎ、女性クライマーに全裸を見せつけて反応を楽しんでいた。苦情が来ると禁止区域でテントを張り、注意しても“ここはおまえの土地か”と逆ギレ。あれだけ態度の悪いクライマーは、ほかに知りません」
佐藤に対して嫌悪感を示しているのは、この職員だけではない。山梨県のある神社では高さ12メートルの岩を“神体”として祭っているが、8年前に「佐藤がここを登った」という話が広がり、地元住民の怒りを買っていたのだ。
関係者は直接、佐藤が登ったところは見ていなかったが、あるとき岩に無数の傷と滑り止めチョークの跡が散見され、さらに後日、各方面から「佐藤がここを登ったと聞いた」というクライマーが次々に訪れたというのだ。
神社側は日本フリークライミング協会に通報。クライミングの自粛が呼びかけられたというが、結局、佐藤本人からの説明は一切なく、関係者は佐藤への不快感を持ったままだという。
佐藤の禁止区域でのクライミング目撃談は、ほかにもネットなどで報告がされており、20年以上前に禁止区域に指定された東京・奥多摩町の岩場でも「最近、佐藤が下見に来ていた」などとウワサになっていた。現地でこうした問題に取り組んでいる自然環境保護グループの理事からは「以前から佐藤氏は悪質なクライマーとしてマークしていた」という話が聞かれるほどだ。
佐藤本人が釈放後も雲隠れ状態のため、実際にどれほどの問題行動をしていたかは本人の弁明を待つしかないが、佐藤の悪評には当のクライマーたちからもブーイングが飛んでいる。
「クライミング先進国のアメリカなど、海外では環境保護との折り合いをつけて行われているのに日本は未整備で、クライミング人口だけが増えている危ない状態。良識あるベテランクライマーが率先して啓蒙活動などを行わなければならないのに、佐藤氏の行為でクライミング全体のイメージダウンとなってしまった。正直、責任を取って引退してほしい」(クライミング歴21年・加藤健氏)
佐藤は事件の影響で、スポンサーだったブランド「THE NORTH FACE」から契約解除されたが、内外からの冷たい視線という社会的制裁の風は収まりそうにない。
(文=和田修二)
「02社会」タグアーカイブ
「非実在青少年」騒動はなんだったのか? “消していれば大丈夫”という判断をした青林堂の甘さ

『なぶりっこ マリカとアキコ』
(青林堂)
いったい、どんな理由で顔射まであるマンガ単行本を、18禁にしなかったのか? 前回(※記事参照)触れた、7月に東京都に「不健全図書」指定された、しろみかずひさ『なぶりっこ マリカとアキコ』(青林堂)の一件をさらに追った。
この件が特異なのは、同人誌としては18禁マークを付けて売っていたのに、なぜか商業出版ではマークを付けずに発行してしまったこと。その理由についていろいろ考えてみても、「危機感が欠落している」ことくらいしか思いつかない。やはり、当事者の意見を聞かねばなるまい。
まず、取材したのは出版元の青林堂だ。担当者は、“マルセイ(成人指定)”に慣れていなかったと繰り返す。
「これまで、あまりこうした本を出版していなかったので、印刷所や取次にも相談をしましたが、判断基準がわかりませんでした。取次からも“それは、出版社のご判断で”と言われましたので。ですので、局部を消していれば大丈夫だと判断したんです」(担当者)
前記事にも記した通り、東京都が「不健全図書」の候補を選ぶにあたって重視しているのは「擬音と体液」である。その点についても知識がなかったのか?
「消していれば大丈夫という判断でしたね。“マルセイ”に慣れていなかったんです。ですので、東京都がダメというのであれば、素直に聞きます。これからは、こういったものには(18禁)マークを付けるつもりですし、今回指定された本もマークを付けて販売する方針です」
■作者も「消し」に戸惑った
続いて、作者のしろみかずひさ氏にも話を聞くことができた。まず驚いたのは、しろみ氏が自分の本が「不健全図書」指定を受けたことを知ったのは、本サイトの記事だったということだ。「指定されたことについて、出版社からは何も連絡はありませんでしたね」
と話す、しろみ氏。指定を受けたことも驚きだが、作品をズタズタに切り裂くがごとき「消し」には、本人も戸惑ったという。いったい、なぜこのような事態になってしまったのか?
しろみ氏に、同人誌を商業出版しないかという依頼があったのは、昨年の夏頃。当初は「デジタルで」という話だったので、デジタルにあまりよい印象を持たないしろみ氏は「単行本ならいいですよ」と、印刷物としてなら了承するという条件を出したところ「なら、そうしましょう」と、話がまとまったという。
「もともと同人ベースで出していて、商業ならばもっと修正がめんどくさいんじゃないかと思っていた作品でした。それに、美少女系……エロ系を、自分の前には一冊しか出版していない青林堂で本当に大丈夫かな? とは思っていたんですけど」
しかも、たぐいまれなひどい修正をしろみ氏が知ったのは、なんと献本が来てから。なんでも、校正刷りと献本が「ほぼ同着くらいだった」というから、これまた驚きだ。さらに、一番の問題である18禁マークを付けていない件についても聞いてみると、説明があったか少々記憶が曖昧だとしながら、次のように話す。
「18禁マークを付ける・付けないという話は、確かにされた記憶があります。ただ、これがエロ漫画の中でも濃厚な描写に特化した作品であることは、ヒロインのマリカとアキコのメス顔や、汗と大量のザーメンが紙面中に飛び散る絵を見れば一目瞭然です。だからそれを18禁マークなしで出すとは普通思わないし、18禁を付けずに出すなら、何かそれなりに策や方法があるのだろうとは思っていました」
しろみ氏自身、もとになった同人誌では、18禁マークを付けて売っていたわけだから、当然だ。
やはり、相次ぐ現場レベルでのやり過ぎ、あるいは無知ゆえの行為を通じて感じるのは、世間を騒がせた「非実在青少年」の騒動はなんだったのかということだ。あれだけの騒動を経ても、いかにして権力による規制に対抗するか、手練手管を使って出し抜くか、退くべきところは退くかを理解していない編集者は、まだ多いということか。覚悟を決めて、意図的に権力に挑戦的な表現を用いるのであればよい。無知ゆえの過激表現なんか、なんの意味もない。
(取材・文=昼間たかし)
「非実在青少年」騒動はなんだったのか? “消していれば大丈夫”という判断をした青林堂の甘さ

『なぶりっこ マリカとアキコ』
(青林堂)
いったい、どんな理由で顔射まであるマンガ単行本を、18禁にしなかったのか? 前回(※記事参照)触れた、7月に東京都に「不健全図書」指定された、しろみかずひさ『なぶりっこ マリカとアキコ』(青林堂)の一件をさらに追った。
この件が特異なのは、同人誌としては18禁マークを付けて売っていたのに、なぜか商業出版ではマークを付けずに発行してしまったこと。その理由についていろいろ考えてみても、「危機感が欠落している」ことくらいしか思いつかない。やはり、当事者の意見を聞かねばなるまい。
まず、取材したのは出版元の青林堂だ。担当者は、“マルセイ(成人指定)”に慣れていなかったと繰り返す。
「これまで、あまりこうした本を出版していなかったので、印刷所や取次にも相談をしましたが、判断基準がわかりませんでした。取次からも“それは、出版社のご判断で”と言われましたので。ですので、局部を消していれば大丈夫だと判断したんです」(担当者)
前記事にも記した通り、東京都が「不健全図書」の候補を選ぶにあたって重視しているのは「擬音と体液」である。その点についても知識がなかったのか?
「消していれば大丈夫という判断でしたね。“マルセイ”に慣れていなかったんです。ですので、東京都がダメというのであれば、素直に聞きます。これからは、こういったものには(18禁)マークを付けるつもりですし、今回指定された本もマークを付けて販売する方針です」
■作者も「消し」に戸惑った
続いて、作者のしろみかずひさ氏にも話を聞くことができた。まず驚いたのは、しろみ氏が自分の本が「不健全図書」指定を受けたことを知ったのは、本サイトの記事だったということだ。「指定されたことについて、出版社からは何も連絡はありませんでしたね」
と話す、しろみ氏。指定を受けたことも驚きだが、作品をズタズタに切り裂くがごとき「消し」には、本人も戸惑ったという。いったい、なぜこのような事態になってしまったのか?
しろみ氏に、同人誌を商業出版しないかという依頼があったのは、昨年の夏頃。当初は「デジタルで」という話だったので、デジタルにあまりよい印象を持たないしろみ氏は「単行本ならいいですよ」と、印刷物としてなら了承するという条件を出したところ「なら、そうしましょう」と、話がまとまったという。
「もともと同人ベースで出していて、商業ならばもっと修正がめんどくさいんじゃないかと思っていた作品でした。それに、美少女系……エロ系を、自分の前には一冊しか出版していない青林堂で本当に大丈夫かな? とは思っていたんですけど」
しかも、たぐいまれなひどい修正をしろみ氏が知ったのは、なんと献本が来てから。なんでも、校正刷りと献本が「ほぼ同着くらいだった」というから、これまた驚きだ。さらに、一番の問題である18禁マークを付けていない件についても聞いてみると、説明があったか少々記憶が曖昧だとしながら、次のように話す。
「18禁マークを付ける・付けないという話は、確かにされた記憶があります。ただ、これがエロ漫画の中でも濃厚な描写に特化した作品であることは、ヒロインのマリカとアキコのメス顔や、汗と大量のザーメンが紙面中に飛び散る絵を見れば一目瞭然です。だからそれを18禁マークなしで出すとは普通思わないし、18禁を付けずに出すなら、何かそれなりに策や方法があるのだろうとは思っていました」
しろみ氏自身、もとになった同人誌では、18禁マークを付けて売っていたわけだから、当然だ。
やはり、相次ぐ現場レベルでのやり過ぎ、あるいは無知ゆえの行為を通じて感じるのは、世間を騒がせた「非実在青少年」の騒動はなんだったのかということだ。あれだけの騒動を経ても、いかにして権力による規制に対抗するか、手練手管を使って出し抜くか、退くべきところは退くかを理解していない編集者は、まだ多いということか。覚悟を決めて、意図的に権力に挑戦的な表現を用いるのであればよい。無知ゆえの過激表現なんか、なんの意味もない。
(取材・文=昼間たかし)
「10年前の5倍以上!?」出産事故も頻発……中国で新生児が巨大化するワケ

くだんの赤ちゃん。デカイ……!!
6月29日、安徽省巣湖市の産婦人科で誕生した男児が話題を呼んでいる。なんとこの赤ん坊、出生時の体重が6.23キロ、身長52センチという超巨大児。あまりの大きさに通常分娩は不可能と判断され、帝王切開によって出産されたという。
担当医によると、母親は41歳という高齢出産であり、妊娠糖尿病と診断されていたものの、出産は正期産の範囲内で、巨大化の具体的な理由はわかっていない。
実は最近、中国ではこうした原因不明の“巨大児”の誕生が相次いでいるのだ。今年2月4日には、河南省新郷市で29歳の女性が7.04キロの新生児を帝王切開で出産しており、2008年に遼寧省海城市で7キロで生まれた男児が持っていた新生児の国内最重記録を塗り替えた。
それ以前には、06年に江蘇省徐州医院三附院で出産された6キロの女児が国内最重新生児となっており、短期間での記録更新が続いている。
「報道されているのは、特別大きい新生児の例だけですが、実は4キロ以上の巨大児の出生率はいまや1割以上とされていて、10年前の5倍以上となっています」
そう話すのは、広州市ブロック紙の社会部記者だ。
「巨大児出生率とともに帝王切開の実施率も上昇していますが、そうした技術のない闇病院では巨大児の分娩に対応できず、母子ともに死亡してしまう例も頻発しているんです」
命の危険も伴う巨大児の増加だが、その原因はやはりというべきか、例の中国名物だという。
「産婦人科医の間では、家畜や養殖魚の成長促進のために投与されるホルモン剤をはじめとする薬物の副作用という見方が有力になってきています」(同)
ちなみにギネスブックに掲載されている世界記録では、1955年にイタリアで生まれた新生児の10キロだというが、このペースでいけば中国の新生児が世界記録を塗り替える日も近そうだ……。
(文=牧野源)
危機感ゼロの無知すぎるマンガ編集者が、新たな規制を呼び込む!? 東京都「不健全図書」の最新事情

『なぶりっこ マリカとアキコ』
(青林堂)
「東京都青少年健全育成条例」の改正施行から1年。喉元過ぎれば熱さを忘れたのか、単なる無知なのか? ここにきて、やりすぎな出版社がしっぺ返しを食らう事例が相次いでいる。
今年5月以降、双葉社の「ピザッツ系コミック」と総称される、ゾーニングマークなしエロ系単行本の発売延期が相次いだ。発売が延期されたのはZUKI樹『アネアナ』3巻、ポン貴花田『女子アナでもいーですか?』1巻、usi『夢見る派遣 苺ちゃん』、かわもりみさき『ひめか先生の言う通り!』、ながしま超助『人魚を喰らう島』の5冊だ。現在、これらの単行本は8月に、双葉社系列のアダルト系出版社であるエンジェル出版からマークなしで発売予定であることが判明している。
双葉社がこのような措置を取った背景には、昨年7月から施行された改正条例の第9条の3で示された各条項を恐れてのことだ。ここでは、次のような規定が記されている。
2 知事は、図書類発行業者であつて、その発行する図書類が第八条第一項第一号又は第二号の規定による指定(以下この条において「不健全指定」という。)を受けた日から起算して過去一年間にこの項の規定による勧告を受けていない場合にあつては当該過去一年間に、過去一年間にこの項の規定による勧告を受けている場合にあつては当該勧告を受けた日(当該勧告を受けた日が二以上あるときは、最後に当該勧告を受けた日)の翌日までの間に、不健全指定を六回受けたもの又はその属する自主規制団体に対し、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。 3 知事は、前項の勧告を受けた図書類発行業者の発行する図書類が、同項の勧告を行つた日の翌日から起算して六月以内に不健全指定を受けた場合は、その旨を公表することができる。 4知事は、前項の規定による公表をしようとする場合は、第二項の勧告を受けた者に対し、意見を述べ、証拠を提示する機会を与えなければならない。少々長い上に難解だが、簡潔に述べるならば過去1年以内に6回の「不健全図書」指定を受けた出版社は、東京都知事名義で社名を公表され、自主規制団体に必要な措置を取るように勧告されてしまうというもの。いわば、「有害な出版社である」と名指しされてしまうということだ。 これは1965年から出版倫理協議会(日本出版取次協会、日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本書店商業組合連合会)が行ってきた帯紙措置、すなわち雑誌類が連続3回または年通算5回「不健全」指定を受けた場合には「該当する雑誌に帯紙(18歳未満の方々には販売できませんの文句を記した幅3センチ以上5センチ以下、薄いブルーまたはグリーンの紙)をつけなければ取次で取り扱わない」「取次は帯紙措置を適用された雑誌類を販売店に送品する際、定期部数の再確認を行い、必要部数の申し込みを受ける」「申し込みのない販売店への送品は行われない」という自主規制を、条例に取り込んだものだ。この措置を受けると流通する部数が極端に減ってしまうため、雑誌は実質的に廃刊になってしまう。 まだ改正条例施行後に第9条に該当する連続6回の指定を受けた出版社はないが、もしそのような事態が起こった場合には、業界団体がなんらかの自主規制措置を余儀なくされることは、容易に想像がつく。 すでに双葉社は過去1年以内に5回の指定を受けており、リーチがかかっている状態。そこで、発行元を系列の出版社に移すことでアウトになるのを回避したというわけだ。 「双葉社の危機感のなさは、以前から出版倫理協議会の出版ゾーニング委員会(出倫協加盟団体や学識経験者らで構成)でも再三問題になり、警告を受けていました。ところが、現場レベルとコミュニケーションが取れていないのか、あるいは調整がつかないのか、過激なエロを抑えることができず、たびたび指定を受けている状態でした」(業界関係者) 一昨年、青少年健全育成条例の改正問題が大騒動になった際に、都がいかなる形で規制を行ってくるか、あるいは自主規制の在り方など学ぶものは多かったハズ。それなのにこんな事態になるとは、現場レベルがまったく何も学んでなかったということか。 ■「消しときゃいい」と勘違いした? 無知すぎる編集者も登場 今月はさらに呆れる事例も起こっている。7月13日付で不健全図書に指定された、しろみかずひさ『なぶりっこ マリカとアキコ』(青林堂)が、それだ。これは、しろみ氏が、18禁同人誌として頒布していた作品をもとに、商業誌として出版されたもの。同人誌の段階では18禁だったのに、商業誌ではマークなしの一般書籍扱い。もとは18禁で発売されていたのに、いったいなぜマークをつけなかったのか理解に苦しむ。驚くのはそれだけではない。ここでコマを掲載することははばかられるので実際に読んで確認してほしいのだが、男性器と女性器、局部の結合シーンを執拗に大きく、ホワイトで「消して」いるのだ。一昨年の騒動の際に、都側の説明などを通じて、都が「不健全指定」の候補に挙げる際の基準として重視しているのは「性器や体液、擬音の描写」であることは、何度もさまざまなメディアで報じられている。 このひどい修正から見えるのは、編集者が「性器を消しておけばいいんだ」と思い込んでいること、まさに無知そのものだ。何よりも本来、18禁同人誌で頒布されていたものであり、度を超えた「消し」を想定して描かれていないので、ページをめくるたびにホワイトの部分が目に飛び込んできて、まったく物語に集中できないのだ(しろみ氏のマンガは、物語性が大きな持ち味)。こんなに読者をバカにしきった単行本は見たことがない。作者にしてみても原稿をナイフで切り裂かれた上で印刷されたような気分だろう。作者の気持ちを思うと泣けてくる……。たとえ土下座されても、許すことはできないレベルである。編集者の判断でやっているんだったら、とっとと田舎に帰って別の仕事を探すことを、会社の方針だったらマンガから手を引くことをオススメする(なお、同人誌版は同人誌ショップなどでも販売中、念のため)。 一昨年の改正都条例成立後、日本雑誌協会をはじめ出版業界の諸団体は、都と交渉を重ね、条例で新しく定められた近親相姦などの規制基準に該当する図書が審議会に提出される際には、出版業界が選出する専門委員が意見を述べるという運用を承諾させた。これも、一つのくさびとなり、都に新基準を運用させることを躊躇させている。ところが、現場レベルで危機感が弛緩して、やり過ぎや無知なふるまいが目立つようになってきているようだ。まさに、後ろから斬りかかるような行為を容認することはできない。 (取材・文=昼間たかし)
朝日新聞を指弾、野田政権を絶賛……ナベツネがYC総会で怪気炎!

7月13日に開催された読売七日会と東京読売会の合同総会で、渡邉恒雄・読売新聞グループ本社会長が行った挨拶が業界で話題になっている。「この合同総会は全国の読売新聞販売店(YC)店主が集うものですが、そこで行われるナベツネさんらしいリップサービスに溢れた挨拶は、例年、業界で注目を集めています」と話すのは経済誌編集長。
「まず注目すべきは、この6月に東京本社の専務に昇格した山口寿一氏の人事に触れていることです。彼は昇格と同時に新たに設置された経営戦略本部長も兼任しているのですが、こうしたことに言及するということは、次期社長は山口氏が当確だと見ることができそうです。もっとも、山口氏は東京本社内では“小皇帝”と呼ばれ、渡邉会長に次ぐ独裁者として恐れられているほどですから、さほど意外な人事ではないのですが」(同)
販売店向けの挨拶だけに、消費増税にも触れられている。
読売がかねてより増税論を主張しているのは周知の通りだが、挨拶では新聞・出版物に対する軽減税率を強く主張。また、原発再稼動の必要性を強調したり、近著『反ポピュリズム論』(新潮新書)をPR。小泉改革を「大衆迎合的劇場型政治」とバッサリ斬り捨て、野田政権を「社会保障と税の一体改革しかり、原発再稼動しかり、読売の主張に近い政治決断を行っています」と大絶賛している。
「一般的な興味としては、例のジャイアンツの契約金問題についても言及していましたね。朝日新聞が6選手に合計36億円の契約金を支払ったと報じたことを、誤報だと強く批判。正しくは12億5,000万円だと言い張っているのですが、そもそも契約金の最高標準額は6人だと9億円ですからね。仮にナベツネさんの言う金額だとしても、標準額を超過しているじゃないかと(笑)。朝日新聞に対しては損害賠償訴訟を起こす、と断言しています。さらに、秋山耿太郎・朝日新聞会長をもはや信頼できないと強く批判する一方で、新任の木村伊量社長については、今回の契約金報道には無関係だったと思われると擁護しています。ナベツネさんは、よほど秋山さんのことが嫌いなんでしょうね(笑)」(同)
そのほかにも、東日本大震災の影響で発行部数1,000万部を割ってしまったが今年11月までには回復すると、並々ならぬ部数への執着も見せている。この挨拶を見る限り、読売新聞におけるナベツネ氏の独裁ぶりは、まだまだ続きそうである。
朝日新聞を指弾、野田政権を絶賛……ナベツネがYC総会で怪気炎!

7月13日に開催された読売七日会と東京読売会の合同総会で、渡邉恒雄・読売新聞グループ本社会長が行った挨拶が業界で話題になっている。「この合同総会は全国の読売新聞販売店(YC)店主が集うものですが、そこで行われるナベツネさんらしいリップサービスに溢れた挨拶は、例年、業界で注目を集めています」と話すのは経済誌編集長。
「まず注目すべきは、この6月に東京本社の専務に昇格した山口寿一氏の人事に触れていることです。彼は昇格と同時に新たに設置された経営戦略本部長も兼任しているのですが、こうしたことに言及するということは、次期社長は山口氏が当確だと見ることができそうです。もっとも、山口氏は東京本社内では“小皇帝”と呼ばれ、渡邉会長に次ぐ独裁者として恐れられているほどですから、さほど意外な人事ではないのですが」(同)
販売店向けの挨拶だけに、消費増税にも触れられている。
読売がかねてより増税論を主張しているのは周知の通りだが、挨拶では新聞・出版物に対する軽減税率を強く主張。また、原発再稼動の必要性を強調したり、近著『反ポピュリズム論』(新潮新書)をPR。小泉改革を「大衆迎合的劇場型政治」とバッサリ斬り捨て、野田政権を「社会保障と税の一体改革しかり、原発再稼動しかり、読売の主張に近い政治決断を行っています」と大絶賛している。
「一般的な興味としては、例のジャイアンツの契約金問題についても言及していましたね。朝日新聞が6選手に合計36億円の契約金を支払ったと報じたことを、誤報だと強く批判。正しくは12億5,000万円だと言い張っているのですが、そもそも契約金の最高標準額は6人だと9億円ですからね。仮にナベツネさんの言う金額だとしても、標準額を超過しているじゃないかと(笑)。朝日新聞に対しては損害賠償訴訟を起こす、と断言しています。さらに、秋山耿太郎・朝日新聞会長をもはや信頼できないと強く批判する一方で、新任の木村伊量社長については、今回の契約金報道には無関係だったと思われると擁護しています。ナベツネさんは、よほど秋山さんのことが嫌いなんでしょうね(笑)」(同)
そのほかにも、東日本大震災の影響で発行部数1,000万部を割ってしまったが今年11月までには回復すると、並々ならぬ部数への執着も見せている。この挨拶を見る限り、読売新聞におけるナベツネ氏の独裁ぶりは、まだまだ続きそうである。
橋下大阪市長の不倫問題で「ベストファーザー賞」選考基準に異論噴出

今は聖人君子?
「週刊文春」(文藝春秋)7月26日号が報じた橋下徹大阪市長の女性問題。同誌は2006年から07年頃に大阪・北新地の高級クラブで働いていたホステスが、当時「茶髪の弁護士」としてテレビに出まくっていた橋下氏と不倫関係にあったことを詳細に伝えているが、橋下氏は発売前日の18日、同市庁舎で会見を行い、「正直、大変な状況だ。親のポカで子どもには本当に申し訳ない」「知事になる前までは、聖人君子のような生き方をしていたわけではない」などと、過去の不倫を認め謝罪した。
この報道をきっかけにクローズアップされたのが、橋下氏が06年に受賞した「ベストファーザー賞」だ。
「同賞は日本メンズファッション協会と日本ファーザーズ・デイ委員会が主催し、1982年から毎年『素敵なお父さん』とされた著名人に贈られる賞だが、橋下氏も含め、受賞者の顔ぶれを見ると、『なんでこの人に?』とクビをかしげたくなる著名人が目立つ。受賞後に女性スキャンダルが発覚した著名人が多いが、主催者側が多少は受賞候補者の“身体検査”を行うべきだろう」(芸能記者)
古いところでは、88年に受賞した、NHK朝の連続テレビ小説『澪つくし』、NHK大河ドラマ『独眼竜政宗』などで知られる脚本家のジェームス三木氏は、元妻の著書で家庭内暴力などを暴露され、元妻とその著書の出版社を民事・刑事で告訴。同件では元妻が和解金を支払うことで解決したが、00年に金銭面でモメにモメた挙げ句、離婚が成立。その後、二回り以上年下の元客室乗務員と再婚した。
また、89年と00年に受賞した俳優の津川雅彦は若かりしころ、デヴィ夫人をはじめとした数々の女性と浮き名を流し、91年に受賞した中村勘九郎(現・中村勘三郎)は宮沢りえや米倉涼子との関係を暴かれ、一部女性誌では米倉との密会現場に夫人が乗り込んだことが報じられた。01年に受賞した俳優の保坂尚輝(現・保阪尚希)は女優の高岡早紀との間に二児をもうけたものの、04年に離婚。その後は、元レースクィーンの恋人と交際していた。
「最近では、橋下氏の翌年の07年に受賞した現日本創新党代表幹事で大阪市特別顧問の中田宏氏、現新党大地・真民主の横峯良郎参院議員が受賞後、共に不倫スキャンダルが発覚。とくに横峯氏は、三女のさくらを一流のプロゴルファーに育て上げたのが世間で大々的に評価されていたにもかかわらず、愛人問題、賭けゴルフ疑惑、恐喝事件への関与など次々とスキャンダルが発覚し、民主党を離党せざるを得なくなった」(週刊誌記者)
このあたりまでならすでに表沙汰になっているが、決して表に出ない笑えない話もあるという。
「ここ5年以内のある文化人の受賞者は、授賞式の前に夫の不倫を長年疑い続けていた妻が自殺。にもかかわらず、何事もなかったかのように受賞した。現在も複数の愛人がいるようだが、母が自殺したことで父を恨んでいる娘とは冷戦状態のようだ。ただ、その人物は決してスキャンダルを暴かれることがない立場にいるだけに、今後も表沙汰になることはないだろう」(同)
ちなみに今年は歌舞伎俳優の中村勘九郎が受賞。過去に受賞した父・勘三郎と親子2代での受賞となったが、今後も、父親と同じ道を歩まない「素敵なお父さん」のままでいられるかが注目される。
「尖尖」「閣閣」も可能? 四川省‟パンダ基地”のネーミングライツ制度

イメージ画像 photo by fortherock from
Flicker.
上野動物園のジャイアントパンダ、シンシンが出産した赤ちゃんパンダが死亡した。同園で赤ちゃんパンダが生まれたのは24年ぶりのことだったため、経済効果は今後100億円を超えるとの試算もなされたが、 文字通り「捕らぬパンダの皮算用」となった。
一方、中国のネット上では、「小日本がパンダを殺した!」などという非難の声も上がっている。これは赤ちゃんパンダの誕生前に、石原慎太郎都知事が、都による購入が検討されている尖閣諸島をもじり、「『尖尖(センセン)』『閣閣(カクカク)』と命名し、中国に返還すればいい」と発言したことで、中国人の反感を煽っていたためだ。
この「尖尖」「閣閣」の命名計画も、結局赤ちゃんパンダの死亡により幻と消えてしまった。
しかし、あきらめるのはまだ早い。
「パンダ基地」の通称で知られる、四川省の臥龍パンダ保護センターには、同園で生まれたパンダの新生児の名付け親となることができる、ネーミングライツ制度があるのをご存じだろうか?
臥龍パンダ保護センターといえば、今回のシンシンの妊娠・出産に際して、上野動物園に専門家を派遣した、中国のパンダ研究の総本山だ。同センターのホームページによると、年間4万元(約50万円)を支払えば、パンダ1頭につき、ただ一人の里親「占有里親」となることができ、その見返りとして命名権が与えられるのだという。ちなみに同園によると、一度名づけられた名前は、終生変更されることはないとしている。
同園では、料金2,000元(約2万5,000円)で赤ちゃんパンダをだっこすることができるサービスも行っているが、このネーミングライツ制度も、重要な収入源の一つとなっているのだ。
財力と勇気のある人は、100万円でパンダ2頭の里親となり、「閃閃」「閣閣」と名付けてみてはいかがだろうか?
(文=牧野源)
航空業界がバイオ燃料導入を検討……その影で激化する中国・下水油をめぐる抗争

近い将来、中国は世界最大の“産油国”となるかもしれない。
中国では、下水溝の汚水から採取された脂分が精製され、食用油として流通していることが問題となっているが、その「下水油」をKLMオランダ航空が大量購入することになったのだ。
かねてより、使い古しの食用油を精製して燃料とする技術の開発を進めてきたKLMは、今年6月、使い古しの食用油から精製したバイオ燃料で、ボーイング777型機をアムステルダムからリオデジャネイロまで飛行させることに成功している。使い古し食用油を再利用したジェット燃料の実用化に一歩近づき、KLMは上海産の下水油2,000トンを原料として購入することを決めた。
KLMによると、下水油を原料とするジェット燃料が実用化すれば、現在より3割のコスト削減になるといい、ほかの航空会社も注目している。そんな中、にわかに色めき立ち始めているのは中国の下水油業者だ。広東省ブロック紙の社会部記者はこう語る。
「下水油業は、路上のマンホールを勝手に開けて下水から上澄みの脂分を“採取”し、それを精製して安価な飲食店に販売するという、薄利多売の下流ビジネス。しかし、今回のKLMの購入で、原価ゼロの下水油が石油に代わる価値を持つかもしれない、という 期待が下水油業界で広がっている。ここ1カ月ほどでも、下水油業者間の採取エリアの縄張り争いが激化し、広東省では異なる業者同士による流血沙汰に至る抗争も頻発しているほどです」
今後、世界の航空会社が食用油を再利用したジェット燃料を採用するようになれば、人民が下水油を口にする危険も減ることにつながるかもしれない。しかし、同記者はこう続ける。
「もし、世界の航空会社が中国の下水油を買い上げるようなことになれば、その価格は高騰し、安価な飲食店はさらに安い油を求めざるを得なくなる。結局、今よりも不衛生で毒性の強い下水油が出回るようになるだけの話でしょう」
共産主義国家でありながら、下水の中にまで市場原理が浸透してしまったとは、なんたる皮肉か……。
(文=牧野源)