先月18日、宮城県で震災以来中断していた「児童ポルノ」の単純所持禁止などを検討する「女性と子どもの安全・安心社会づくり懇談会」が2年ぶりに再開された。懇談会では、2年前に検討されていた性犯罪前歴者のGPS監視を断念する一方で、単純所持の禁止は引き続き検討することが決められた。 「児童ポルノ」を規制する条例は、奈良・京都をはじめとした自治体でも導入されている。そうした中で、この懇談会では単純所持の禁止と性犯罪前歴者へのGPS装着などをテーマとして盛り込んでおり、注目を集めた。当初、宮城県は2011年度中にも懇談会の結果を受けて、児童ポルノに関する条例制定を目指すとしていたが、東日本大震災もあり、懇談会は休止されていた。 今回、2年ぶりに懇談会が再開された理由を、環境生活部共同参画社会推進課の担当者は次のように語る。 「村井嘉浩知事は、検討したかったが手をつけられないでいました。宮城県の震災復興計画では、今後の10年間を復旧期(3年)、再生期(4年)、発展期(3年)と考えています。今後の復興をにらんで、安全で安心して暮らせる街づくりは必要だろうという意識で、再開することになったんです」 再開された懇親会でまず村井知事は、性犯罪前歴者のGPS監視は震災からの復旧・復興が最優先課題になる中で、人手も財源もかかるとして、断念する旨を表明した。もう一つの重要なテーマである児童ポルノの単純所持禁止については、今後も懇談会で検討していく方針だ。ここでは、すでに導入されている奈良・京都などの条例を参考にしながら有識者らの意見を聞いて、条例の必要性を検討する予定だ。ただ、現時点では、まったく白紙の部分が多い。 「(奈良・京都などの条例と)同じような内容になるかも含めて、検討していく予定です」 と、前述の県の担当者は話す。それらを検討する場である懇談会だが、次回開催の予定は「まったく決まっていない」(同)という。 そもそも、宮城県でも、この問題への関心度は限りなく低いようだ。 「マスコミの方から問い合わせはあるのですが、県民の方からはありません。マスコミからの問い合わせも、もう少しあると思ったのですが……」(同) 宮城県としても10年がかりの復興計画など現実的な問題が山積みの中で、効果に疑問のある単純所持の禁止を今すぐやる必要があるのか? ということは当然考えているようだ。 (取材・文=昼間たかし)
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開店したばかりの店は要注意!? 中国で毒食品から身を守る方法
下水から採取した油を精製した食用油「地溝油」をはじめ、羊肉と称するネズミやキツネの肉、カドミウム汚染米などなど、日本では考えられないような毒食品が流通する中国。くれぐれも日本の食卓に流入しないことを祈るばかりだ。一方では、中国を訪れる日本人は毎年約400万人。両国の経済的結びつきがより密接なものとなる中、好むと好まざるとにかかわらず、商用や出張で中国を訪れる日本人も少なくない。 日本であれば、中国産食品を避けることで毒食品から身を守ることはある程度可能だが 、中国で“チャイナフリー”は不可能な話。では、食品衛生上、危険地帯といえる中国に行くことになったら、現地でどう身を守るべきか? 中国取材を続けるルポライターで、『忍びよる中国汚染食材・食品』(宝島社)にも寄稿している奥窪優木氏は、「完全な防御策はない」としながらも、リスクを低減させるポイントを以下のように挙げる。 ■地元客がたくさんいる店を選ぶ 駅やバス停の近くでよそ者相手に営業しているような店は、そもそもリピーターを当てにしていないため、得てして味も悪いし衛生レベルも低い。客の身なりや、店員とのやりとりなどから判断し、地元民が多そうな店を選ぶべし。 ■屋台を利用する時は決死の覚悟で 地元民に混ざってローカルフードを食べるというのは、旅の楽しみのひとつだが、地溝油をはじめとする偽装食品の宝庫なので、覚悟の上で。ちなみに一定以上の所得層にある中国人は、毒食品を恐れ、決して屋台を利用しない。利用しているのは低所得者と旅行者が大半。 ■開店したばかりの新しい店で食べない 中国には、店を潰しては場所や名前を変えて新規オープンを繰り返す、騎馬民族的な営業を続ける飲食業者も多い。そうした店の中には、潰れるまでの短期決戦で利益を出そうとするため、安全性を度外視した食品のコスト削減を行っているところもある。看板が真新しいような店は要注意。 ■飲食店が密集しているエリアで食べる 中国では、飲食店の営業許可が取れるエリアは限定されている。ほかに飲食店がないような住宅地やオフィス街にぽつんとある店は、不法営業の疑いがあり、食品に関するモラルも低いと考えられる。新規オープンの店と同様、摘発されるまで精いっぱい儲けようと毒食品を利用している可能性アリ。 ■新聞販売スタンドでミネラルウォーターを買わない 都市の路上には至るところに「郵政報刊亭」と呼ばれるスタンドがあり、切手や新聞に並んで飲み物やスナックも売られている。しかし、省にもよるが、こうしたスタンドには、食品を販売する許可は与えられていない。かくいう私も、郵政報刊亭で購入したミネラルウォーターで 腹を下した経験がある。あとで思い返せば、キャップの締まりが甘かったので、中身は水道水だったよう……。 * * * さらに慎重になりたい場合は、日本から携行食を持っていくしかなさそうだ……。 (文=牧野源)
「勃起力やダイエットへの効果も……」アンジー乳房切除手術で見えてきた、遺伝子ビジネスの未来
人気女優のアンジェリーナ・ジョリーが乳房切除手術を受けていた話が、意外な方向で注目を浴びている。
「彼女が行った遺伝子検査は、がんの発見だけでなく、勃起力が衰える年齢も分かるという試験データがあって、研究機関には多くの企業や男性から問い合わせが殺到したそうです」
こう話すのは、遺伝子研究をしている医師の安部寛氏。
「日本と違ってアメリカは遺伝子検査が進んでいて、あらゆることを診断しているんです。例えば、あまり知られていないことですが、加齢による精子の劣化があって、これは実は女性の卵子より衰えが激しいんです。当然、人によって劣化する年齢が違うわけですが、遺伝子検査の進歩でこれが分かれば、不妊治療の方面でも画期的な話になります」
アンジーは遺伝子検査の結果、87%の確率で乳がんになると医師に診断され、その予防のため切除。また、50%の確率で卵巣がんになることも明らかになったという。アメリカでは、この遺伝子検査の精度が高いとされ、受診者を増やしており「例えば、生まれてくる子どもがダウン症になる確率が、妊娠していない段階から分かったりするので、研究者の中には“いずれは、おおよその寿命まで分かる”と断言する人もいるほど」と安部氏。
ただ、日本の医学界は遺伝子検査についてはかなり慎重で、アンジーの手術にも否定的な見解を出す医師が多い。それでも、安部氏は「勃起力診断が可能なら受診したい男性は急増するはずで、もうひとつ決定的なのがダイエットとのリンク」と話す。
「アメリカでは遺伝子検査をもとに、それぞれの患者に適したダイエット法を伝授するという医師が増えていて、生活習慣の改善に役立っている」(安部氏)
勃起力やダイエットへの効果がハッキリするとなれば、それこそ人々のライフスタイルにも大きな影響を与えることになり、遺伝子検査への待望論も高まるというのが安部氏の予測だ。
「少子化の今、子どもを産むことに関わる遺伝子検査については、モラル的にどうか議論の余地がたくさんあるので、煮詰めていくのはこれからですが、検査の受診者が増えることは医学界にとっても悪い話ではない。賛同者が増えていくと思いますよ」と安部氏。
アンジーの乳房切除については、その手のビジネスを推進したい企業がバックについているというウワサもあるが、有名女優ならずとも、気になる話だ。
(文=鈴木雅久)
ロリ漫画規制に国民の58.9%が賛成している!「政府が調査研究したら、こうなった」
いよいよ国会に提出された児童ポルノ法改定案。その問題点として挙げられているのが、児童ポルノの単純所持の禁止と、附則で触れられた、漫画などが実際の事件に影響を及ぼすのか3年後を目途に調査研究する、という2つの項目だ。
この2つの項目が、共に「表現の自由」の規制を目指すものであるのは、ほぼ間違いない。ところが、この後者の部分を「調査研究を行うのであれば、いいではないか」という見方をする意見も存在する。調査の結果、漫画が影響を及ぼさない、という結果が出ればいいではないかというわけである。
だが、そのような「表現の自由」を守る側にとって都合のよい結果が出ることは、おおよそ考えにくい。その裏付けになるのが、2007年に内閣府が行った「有害情報に関する特別世論調査」だ。
この調査では「実在しない子どもの性行為等を描いた漫画や絵の規制について」規制の「対象とすべきである」と回答した人が58.9%、「どちらかといえば対象とすべきである」と回答した人が27.6%と、調査対象者の9割近くが漫画などを規制してもよいと回答しているのだ。
また、児童ポルノの単純所持についても、「規制すべきである」が59.5%、「どちらかといえば規制すべきである」が21%となっている。
いったい、なぜこのような結果が出たのか? それは、調査の方法にある。
この調査は、調査員による面接形式で行われた。そして内閣府が公開した資料では、回答をしてもらう前に次のような手順であったことが資料から明らかになっている。この資料を引用してみよう。
(資料5を提示して、対象者によく読んでもらってから質問する。)
【資料5】
近年、子どもたちに悪影響を与える恐れのある以下に示すような情報(「有害情報」と言います。)が多くなっています。
(1) わいせつ画像などの性的な情報
(2) 暴力的な描写や残虐な情報
(3) 自殺や犯罪を誘発する情報
(4) 薬物や危険物の使用を誘発する情報 など
雑誌、DVD、ビデオ、ゲームソフトなどの有害情報に対しては、現在、ほとんどの都道府県で条例により、有害図書類等の指定や青少年への販売禁止などの制限がありますが、罰則が弱い、各都道府県により規制がばらばらであるなどの指摘があります。また、インターネットの世界でも通信事業者やネットカフェ業者による自主規制などが行われていますが、業界団体に属していない業者は規制の対象外となっています。子どもがインターネット上の有害情報に携帯電話等でアクセスして被害にあうケースも増えています。
一方、表現の自由等に配慮して、どのような情報であっても規制すべきでないという意見もあります。
政府では、こうした状況を踏まえ、様々な取組を行ってきたとともに、平成19年7月に「有害情報から子どもを守るための検討会」を立ち上げ、
1 国の姿勢を示す
2 社会全体として取り組む
3 有害情報を適切に把握する
4 有害情報の特性等に応じた対応策を講ずる
5 表現の自由等に配慮する
の5原則を掲げて検討を進めているところです。
つまり資料からうかがえるのは「表現の自由」の問題など、規制によって起こり得る問題点を説明することなく、あたかも「有害情報」が蔓延している先入観を植え付けて回答を誘導したという疑念である。
国民の中で「有害情報」や「児童ポルノ」と聞いた時に、それがどういう問題なのかを明確に知る人は限られている。そうした「無知」を利用して作られたのが、前述の調査結果なのである。
そして、この調査結果は09年に児童ポルノ法改定が論議された際にも法務委員会に資料として提出されている。すなわち、調査研究を行うことが附則に含まれれば、3年後には、規制を進める側にとって都合のよい証拠を突き付けながら、漫画などの規制が正当化される可能性が極めて高い。「調査研究ならば、いいではないか」と考えている人々は、あまりにも楽観的すぎる。
(文=昼間たかし)
コミケも児童ポルノ法改正案に反対を決定! 全国同人誌即売会連絡会が反対声明を発表
同人誌業界も児童ポルノ法改“悪”案に「NO」を突き付けた。
29日、自民、公明、日本維新の会の3党によって提出された児童ポルノ禁止法改“悪”案。これを受け日本雑誌協会、日本書籍出版協会は連名で反対声明を発表。日本漫画家協会も反対声明を発表し、30日には、ちばてつや氏、松本零士氏が自民党と民主党に陳情を行う予定になっている。また、日本図書館協会も反対声明を準備中とのことで、表現の自由と国民の知る権利を守る戦いが、瞬く間に広がっている。
そうした中、コミックマーケット準備会やコミティア実行委員会など各地の同人誌即売会主催者で構成される「全国同人誌即売会連絡会」も、反対声明を発表した。声明では、単純所持違法化に対する冤罪の発生を懸念するとともに、附則に記された漫画などへの関連性に関する調査研究に対して「すでに結論ありき」と真っ向から非難し、「日本のコンテンツ文化に与えるダメージは深く、ましてや法律による規制が実際に行われた場合の影響は計り知れません」とし、会としての反対を打ち出している。
全国同人誌即売会連絡会は発足以来、継続して「表現の自由」の問題と深く関わってきた。しかし、あくまで連絡会であるとの立場から、組織として明確に「反対」を打ち出すことは避けてきた。もちろん、2008年に行われた「創作物の規制/単純所持規制に反対する請願署名」では全面的な協力は惜しまなかった。また、10年の東京都青少年健全育成育成条例改正問題でも、大規模集会に協賛するなど常に表現規制反対にコミットしてきたが、「あくまで第三者として」のスタンスを取るなど一歩引いた形での支援を主としてきた。
今回、以前よりも旗手を鮮明にしているところに、同人誌業界の児童ポルノ法改正案に対する危機感が表れている。
今回、同会が明確に「反対」の二文字を打ち出したことはコミックマーケットをはじめ、児童ポルノ法が改“悪”が、多様な表現の場である同人誌即売会を滅ぼす可能性が極めて高いことを示唆している。
いわゆるオタクの間でも、規制されるのは「COMIC LO」(茜新社)のようなロリだけだろうといった、他人事の意識は極めて高い。だが、ロリだろうがBLだろうが、すべてが消滅してしまう可能性もあるのだ。
名だたる即売会主催者が参加した声明を契機に、危機感は怒濤の勢いで広がっていくと考えられる。
(取材・文=昼間たかし)
全国同人誌即売会連絡会
<http://sokubaikairenrakukai.com/index.html>
「児童ポルノ禁止法」改正案への反対声明
<http://sokubaikairenrakukai.com/news1305.html>
河川で怖いのは溺死より中毒! 末期的な中国水質汚染事情
中国で、ある警察官による救出劇が話題となっている。5月23日付の香港英字紙「南華早報」によると、浙江省のある河川で14歳の少女が入水自殺を図った。しかし、駆け付けた51歳の男性警察官が川に飛び込み、少女を救出。少女は病院に搬送され、一命を取り留めた。 一方、身体の異変を訴えたのは、少女を救出した警察官のほうだった。彼はこの日の夜から咳や嘔吐、皮膚のかゆみ、焼けるような目の痛みなどの症状を訴えて医師の診察を受けたところ、即入院という事態に。さらに、肺が重度の感染症に侵されていることも判明したという。 今年2月には、同省のある企業経営者が、工業排水による汚染が深刻化している省内の川の名を挙げ、「環境保護局長が20分泳ぐことができたら、20万元(約320万円)を進呈する」と、ネット上で挑戦状を叩き付けたばかり。もちろん、環境保護局長がこの誘いに乗ることはなかった。 そんな中、少女の命を救うため、危険を顧みずに汚染された川に飛び込んだ警察官は、「勲章ものだ」「特進させるべき」などと、ネット市民から惜しみない称賛を受けている。事実、ネット市民の反応は、大げさなものではない。 「昨年末、市内の川に小学生の女の子が落ちて死亡する事故が起きたんですが、死因は溺死ではなく汚染水を大量に飲み込んだことによる急性中毒だったそうです。その川には、近くのメッキ工場が盗排(不法排水)していて、毎年夏になると乳緑色になることで有名でした」(広東省仏山市在住の日本人男性) どんなに泳ぎの腕前に自信があったとしても、中国の河川には近づかないほうが賢明である。 (文=牧野源)
児ポ法改“悪”が提出! 出版業界団体、図書館も改“悪”案反対声明を発表へ 反対運動が本格化
29日、自民、公明、日本維新の会の3党は児童ポルノ禁止法改“悪”案を衆議院に提出した。今国会での成立を目指す方針だ。
これに対して、出版社各社で構成される日本雑誌協会、日本書籍出版協会は連名で反対声明を発表する方針。「表現の自由」をめぐる戦いは、新たな展開を迎えることになる。
児童ポルノ法改“悪”案が国会に提出される可能性の強まった4月以降、日本雑誌協会などは、水面下で与野党の議員に対して表現規制を懸念する訴えを続けてきた。
出版業界団体が本格的に、改“悪”に反対する声を上げることで、2010年の東京都青少年健全育成条例改正反対運動以来の、広範な反対運動が始まると予測される。
声明は、内部での確認作業が終わり次第、一両日中には両協会のサイトなどで公表し、日本雑誌協会加盟社の雑誌などにも掲載される予定だ。
また、日本図書館協会でも、改“悪”案に反対する声明を準備している。
提出後の審議予定だが、国会の残された会期と夏の参議院選挙を踏まえ、提出はしたものの審議はできないのではないかとの観測もある。
本サイトでは引き続き、情報が入り次第、報じていく。
(取材・文=昼間たかし)
日本雑誌協会
<http://www.j-magazine.or.jp/>
日本書籍出版協会
<http://www.jbpa.or.jp/>
大震災の被害に遭ったのは人間だけじゃない! 被災地に取り残されたペットと家畜の過酷な現状

『犬と猫と人間と2』の飯田プロデューサー(画面右)。『犬と猫と人間と』(09)の続編と
発表され、全国から多くのカンパが寄せられた。
発表され、全国から多くのカンパが寄せられた。

福島第一原発の20km圏内に残された牛たち。行政は商品価値のない
経済動物として殺処分を求めたが、踏み切れなかった牧場主も少なくなかった。
経済動物として殺処分を求めたが、踏み切れなかった牧場主も少なくなかった。

社会の弱者へ眼差しを向ける飯田プロデューサー。「問題点が浮かび上がり、また問題が解消されて
いない今、公開する意味があると思うんです」
いない今、公開する意味があると思うんです」
『犬と猫と人間と2 動物たちの大震災』
監督・撮影・ナレーション/宍戸大裕 構成・編集・プロデューサー/飯田基晴 音楽/末森樹 製作/映像グループ ローポジション
配給/東風 6月1日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショー (c)宍戸大裕 http://inunekoningen2.com
●ししど・だいすけ
1982年宮城県仙台市生まれ、名取市在住。学生時代に飯田基晴主宰の映像サークル「風の集い」に参加し、映像製作を学ぶ。学生時代のドキュメンタリー作品に『高尾山 二十四年目の記憶』がある。福祉関係のNPO勤務を経て、現在は映像製作に携わる。本作で劇場デビューを果たす他、飯田監督の『逃げ遅れる人々 東日本大震災と障害者』(12)を共同取材した。
●いいだ・もとはる
1973年神奈川県横浜市生まれ。新宿で野宿生活する“あしがらさん”の日常を追った『あしがらさん』(02)で劇場デビューを飾った。2006年に「映像グループ ローポジション」を仲間と共に設立。地域猫の世話をしていた稲葉恵子さんから依頼を受けた『犬と猫と人間と』(09)が反響を呼び、ダイジェスト版DVD『いぬとねことにんげんと』(11)も製作した。大震災時に東北沿岸部で犠牲になった障害者の割合が健常者の2.5倍だったことを伝える『逃げ遅れる人々 東日本大震災と障害者』(12)が現在DVDとしてリリース中。
大震災の被害に遭ったのは人間だけじゃない! 被災地に取り残されたペットと家畜の過酷な現状

『犬と猫と人間と2』の宍戸大裕監督(画像左)と飯田基晴プロデューサー。
物いわぬ被災動物たちの現状を取材して回った。
物いわぬ被災動物たちの現状を取材して回った。

福島市にある動物シェルター「SORA」の代表・菅野利枝さん。
警戒区域で保護された犬30匹、猫20匹前後の世話をしている。
警戒区域で保護された犬30匹、猫20匹前後の世話をしている。

宮城県名取市在住の宍戸監督。「幸いにも自分の実家は無事でしたが、自分の故郷が
どう復興していくのか記録しなくてはと思ったんです」
どう復興していくのか記録しなくてはと思ったんです」
『犬と猫と人間と2 動物たちの大震災』
監督・撮影・ナレーション/宍戸大裕 構成・編集・プロデューサー/飯田基晴 音楽/末森樹 製作/映像グループ ローポジション配給/東風 6月1日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショー (c)宍戸大裕 http://inunekoningen2.com
●ししど・だいすけ
1982年宮城県仙台市生まれ、名取市在住。学生時代に飯田基晴主宰の映像サークル「風の集い」に参加し、映像製作を学ぶ。学生時代のドキュメンタリー作品に『高尾山 二十四年目の記憶』がある。福祉関係のNPO勤務を経て、現在は映像製作に携わる。本作で劇場デビューを果たす他、飯田監督の『逃げ遅れる人々 東日本大震災と障害者』(12)を共同取材した。
●いいだ・もとはる
1973年神奈川県横浜市生まれ。新宿で野宿生活する“あしがらさん”の日常を追った『あしがらさん』(02)で劇場デビューを飾った。2006年に「映像グループ ローポジション」を仲間と共に設立。地域猫の世話をしていた稲葉恵子さんから依頼を受けた『犬と猫と人間と』(09)が反響を呼び、ダイジェスト版DVD『いぬとねことにんげんと』(11)も製作した。大震災時に東北沿岸部で犠牲になった障害者の割合が健常者の2.5倍だったことを伝える『逃げ遅れる人々 東日本大震災と障害者』(12)が現在DVDとしてリリース中。
習志野の大型パチンコ店「マルハン」隣接出店問題で児童デイサービス施設に存続危機
住民を揺るがす千葉県習志野市屋敷のパチンコ店建設問題で、すぐそばにある障害児童の福祉施設が存続の危機に瀕している。 「こちらの要望をいくら伝えても、行政からも企業からも明確な回答はなく“検討します”という返答しかしてくれないのです」 悲痛に訴えているのは、放課後等児童デイサービスを運営する「一般社団法人たからばこ」の緒方栄美代表(35)。パチンコ店が施設の目の前に建設されることで生じる諸問題について今年3月から市長とパチンコ業者に要望書を出しているが、いまだひとつも回答を得られていないというのだ。 「このあたりで例のない大規模工事の騒音だけでなく、大型パチンコ店が開店すれば交通量や人の出入りも何倍にも増えるでしょうし、これは障害児童のケアをしている側にとっては致命的になりかねない問題」(緒方代表) 同地に建設予定なのは、大手「マルハン」が出店する敷地面積約2万平米、777台の駐車場を擁する大型パチンコ店だ。2月下旬に突如「4月には着工予定」と告知され、地元住民の知るところとなったが、周囲には高校や複数の福祉施設がある静かな住宅地とあって、交通量の増加や騒音など環境悪化の懸念から反対運動が起こっている。 しかし、予定地は工業用地として区分されており、市側は「風営法条例に該当しない」と住民の訴えを却下。これには「かつて工場だった場所は現在マンションが建っていて、実質、住宅地という状況なのに」と住民男性が憤る。 「本来は市の条例に“教育施設の敷地の周囲200メートルの区域内は市長の許可がないと建てられない”というルールがあって、この敷地は高校から130メートルしかないのでアウトだったのに、このタイミングで市がその条例を撤廃するという信じられない暴挙に出た。行政がまるでパチンコ店を誘致したよう」(同) 緒方代表が平成21年に「たからばこ」を設立したのも、同地が実質的に閑静な住宅街だったからだ。 「障害児童の施設は環境選びが非常に難しく、自閉症などの児童は光や音に敏感に反応して、最悪パニックを起こしてしまう。そうした児童を社会生活に慣れさせていくためには、ほどよい人や車の通行量のある場所が必要なんです。また地域住民から反対されることも多く、ここがやっと理解が得られて設立できた場所だった」(緒方代表) 意外なことに同種の施設がそれまで習志野市には存在せず、現在でも重い障害のある児童を引き受けられるのは「たからばこ」しかない。少ない収益による運営とあって古い民家を利用した小さな施設だが、小学生から高校生まで約30名の子どもたちを学校や自宅に送迎してケアする貴重な存在となっている。 「摂食の指導にしても、お菓子の袋を開ける練習から始めることが多いような子どもたち。そんな子たちを周辺に散歩させるとき、目の前が大型パチンコ店というのは不安だらけ。そこで工事の時間や照明、騒音などに対する要望を書面で出したんですが、マルハンさんからは回答なし。いまだに説明ひとつ受けていないんです」(同) これまで隣接するマンション住民には2度の説明会が開かれたが、住民以外は立ち入り禁止だった。その説明会でも担当者が肝心なことは企業秘密として答えず、撮影すら禁止、パチンコの素晴らしさを説くなどして住民感情を逆なでしていた。 「たからばこ」に4月、ファックスを返してきたマルハンの担当者も同じ人物だが、その内容は、問い合わせの窓口を開店前が大阪、着工後が現場、開店後が店舗責任者だとする数行の文章で曖昧に書かれているだけで、要望に対する回答もなかった。とても年間2兆5,000億円の売上高を誇る大企業とは思えない逃げ姿勢だが「地元の方々からは近日中にもマルハンが工事を強行する様子だという話を聞かされた。パチンコが悪いとは言いませんし、ケンカしたいわけではありませんが、企業責任が見られず、あまりに無責任ではないでしょうか」と緒方代表。 別の福祉関係者からは「おそらく、たからばこさんが第2種の社会福祉事業だから、パチンコ業者も見下しているのだろう」という話が聞かれる。 「入所施設なら第1種ですが、たからばこさんは通所施設なので、守られる基準が甘い第2種。やっていることは同じでも、そんな区分で風営法などから配慮されない事情がある」(同) 「たからばこ」を第1種に格上げするには数百万円するスプリンクラーなど大型の機器設置なども条件となっており、「細々とやっている民間の施設では、まず不可能」と関係者。 この、行政からも業者からも無視されている現状には「たからばこ」の児童たちの保護者の間にも動揺が広がっており、退所の申し出こそないが、今後、新しく入ってくる子どもが減ることも予想される。緒方代表は「子どもたちを預かる立場として、保護者に何も安心させてあげられないのはつらい」と深刻な表情を見せた。障害児童のケアは大人になってからでは難しくなる社会適応訓練とあって、大きな補助もないギリギリの採算でやっている民間福祉施設ともども、児童たちの行く末が不安視されている。イメージ画像



