吉本興業芸人にカネ絡みの不祥事が続いた要因か? 「先輩が後輩におごる不文律」の弊害

 ブレイクして人気芸人となれば、武勇伝としてネタにできるが……。

 10月29日放送の『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)にて、南海キャンディーズ・山里亮太が、「一生頭が上がらない」と先輩として千鳥・大悟を挙げたことが話題を呼んでいる。

 番組では「後輩にちゃんと慕われてる? 相思相愛ウラ取りグランプリ」を開催。芸人に対して「可愛がっている後輩芸人」10名をランキング形式で選出してもらい、その後、実際に後輩も自分のことを慕っているかどうか検証するという企画だった。

「大悟が可愛がっている芸人に選んだのが山里で、調査の結果、両者とも相思相愛。山里によると、若手時代の大悟は、後輩が賞を獲ったりオーディションに受かったりすると、『お前ら運ええな。たまたま金が入ったから』と言って、回らないお寿司屋に連れて行ってくれたといいます。しかし、当時の大悟は今ほど売 れていなかったため、裏では借金をしてまで後輩の面倒を見ていたそうです」(テレビ誌記者)

 吉本においては、先輩芸人が後輩芸人におごるという不文律がある。

「ダウンタウン・松本人志は芸歴30年で後輩たちへのおごり代が1億円を超えていると言い、『生まれ変わったら僕の後輩になりたい』と語っています。また、千原ジュニアは約20人の『ジュニア軍団』の面倒をみるために、年間3,000万円近くおごっているとのこと。品川庄司・品川祐は27歳時に150万円の借金をして後輩にごちそうしていたとも。逆にサバンナ・高橋茂雄は今まで先輩に合計3,000万円くらいおごってもらっていると明かしていました」(芸能記者)

 ともあれ、吉本芸人が闇営業や脱税に走ったのは、こうした暗黙ルールも遠因にあるとの指摘もある。

「吉本の先輩後輩は年齢ではなく芸歴で決まる。つまり、売れていない先輩芸人が超売れっ子の後輩におごらなければいけない場面もあるわけです。そのため、多くの芸人が金の工面に頭を悩ませていて、吉本の劇場の楽屋は怪しいバイトや投資の情報交換の場となっており、数年前には仮想通貨につぎ込んだあげく貯金を全て失った芸人もいたほどです」(前出・芸能記者)

 太田プロ所属の有吉弘行は、以前「後輩が連れてきた後輩にはおごらない」と番組で話していたが、時代錯誤とも言える吉本ルールの弊害が表面化してきているのかもしれない。

吉本興業の”芸人ステマ”は京都市の宣伝だけじゃない? 1回5万円の有償投稿を続ける芸人たち

 吉本興業所属の漫才コンビ・ミキやコロコロチキチキペッパーズ・ナダルが、京都市の施策を宣伝するツイートをしていた“ステマ疑惑”。さらに、複数の吉本所属タレントも同様に京都市をPRするツイートをしていたことが発覚した。

「京都市は、フォロワーが20万人以上の芸人のツイートに対して、1回あたり50万円を支払う契約になっていたとのこと。実際にミキ亜生とナダルは20万人以上のフォロワーがいます。そのほかには、木村祐一、タナからイケダ、元NMB48の福本愛菜も京都市PRツイートを投稿していて、それらについても何らかの形での“有償”であったと思われます」(メディア関係者)

 今回の京都市PRツイートについては「PR」であることが明示されていなかったため、ステルスマーケティングではないかと批判を受けている。「PR表記の有無に関係なく、外部からの依頼でSNSに有償の投稿をしている吉本芸人は少なくないと思います」そう話すのは、とある芸能プロダクション関係者だ。

「1回の舞台でのネタ披露で1万円のギャラももらえないようなレベルの芸人でも、有償の投稿であれば、1回で5万円くらいのギャラがもらえるのだそうです。芸人にしてみれば、あまりにも楽な仕事なので、喜んでやっています。ステマという感覚もまったくないと思いますね。さらにいえば、芸人のギャラは投稿1回で5万円でも、吉本はその何倍もの対価を受け取っているわけですからね。吉本にとってもこんなにオイシイ仕事はありません」

 SNSへの投稿という楽な仕事に精を出すのは芸人だけではないという。

「モデルなんかはSNSのフォロワーも多いし宣伝力も高いので、PR依頼も多い。当然、投稿1回あたりの単価も高くなって、より一層オイシイ仕事になる。以前であれば、若いうちはモデルをやって、そこからタレントや女優に転身するというパターンが多かったんですが、最近はキャリアアップを避けてモデルのままSNSで儲けようというパターンが増えています。タレントにとって、こんなに効率がいい仕事はないですからね」(前出・芸能プロダクション関係者)

 芸能界ではかなり重要な飯の種となっているSNSにおける有償の投稿。今回の京都市と吉本のステマ疑惑など、氷山の一角にすぎないのだ。

ミキのステマツイート問題、グレーゾーンを積極的に攻める吉本興業は最初から「抜け道」を用意か

 京都市が、市の施策のPRを目的に吉本興業に対して芸人による宣伝ツイートを依頼していたことが発覚した。市は1回の投稿あたり50万円を吉本に支払っていたという。

 実際に、お笑いコンビ・ミキの2人が「#京都市盛り上げ隊」「#京都市ふるさと納税」などのハッシュタグとともに、イベントPRや京都市営地下鉄の利用を促すツイートを投稿。しかし、そこにPRであることは明示されておらず、ステルスマーケティングなのではないかとの指摘も出ている。

 京都市と吉本興業はステルスマーケティングではないと主張しているが、芸能プロダクション関係者はこう話す。

「吉本としては自社が主催する『京都国際映画祭』の宣伝を兼ねたツイートであるという感覚もあるはず。あくまでも自社案件なのだからステマではない、という立場なのでしょう。しかしながら、“PRツイート”に対価が支払われているのは事実であり、これは明らかなステマ。“自社案件を乗っければ、ステマにならないので、堂々とツイートできる”といった思惑が見えるという意味では、むしろ悪質とさえいえるケースです」

 単純に、ステマに対する“解釈の違い”という問題ではなく、しっかりと抜け道を用意した上でのステマである可能性が高いということだ。

 ここ数年、吉本興業は芸人のSNSを活用したインフルエンサー事業に力を入れている。若手芸人を集めて、インフルエンサーになるにはどうすればいいのかという講座を開いたこともある。人気がある芸人の拡散力を活用するのはもちろん、若手芸人の中から新たなインフルエンサーを作り出すことも計画中という。

 インフルエンサー講座を開くくらいなのだから、ステマに対しても敏感であるはずだ。

「もちろんステマがNGだということもしっかり教えていたとは思うのですが、今回の京都市のケースのように、ステマを隠蔽するテクニックを駆使していたであろうことは容易に想像できます。

 また、吉本がステマではないと開き直っているあたりを見ると、“芸人が自発的にツイートしているかのように見えればOK”という基準があるのかもしれません。ステマというと、かつてのペニーオークションや血液クレンジングといった詐欺まがいのサービスが宣伝されることが多いのですが、そういったものではない“ちゃんとした案件”ならPRを明示しなくても大丈夫……といった空気も感じます。おそらく同様のステマツイートは今回だけではないでしょう。PRであるとは明示されていないが、実は対価が発生しているツイートは、まだまだあるのではと思いたくなります」(スポーツ紙記者)

 そもそもステマであるか否かの解釈が難しいということで、グレーな部分を積極的に攻めているかのようにも見える吉本興業。その企業カラーの体質改善には程遠い?

「ミキは被害者」の論調に異議あり! あの識者に「芸人コメンテーターとはレベルが違う」の声

 SNSはいったい誰のものなのか?

 京都市がお笑い芸人のミキにツイッターで市の施策を発信してもらうために、所属する吉本興業に100万円を支払う契約を結んでいたことが話題を呼んでいる。

 契約はツイート1回につき50万円を2回、計100万円を支払うというもので、世間からは「1ツイート50万円は高すぎる」「税金の無駄遣いだ」といった声が続出。多くの情報番組がこの話題を取り扱った。

「PRと明記されていなかったことが、ステルスマーケティングにあたると批判されています。10月29日の『スッキリ』(日本テレビ系)では、MCの加藤浩次が『何も悪くない2人は』と訴え、きちんと説明してPR表記を入れるよう指示していなかった吉本に非があると指摘。また、ミキの懐に100万円が入ったわけではないことを強調し、『ミキが不当な額をもらったみたいになる。悪い商売しているみたいに思う人がいるかもしれないけど、全然違うから。勘違いしてほしくない』と擁護しました」(テレビ誌ライター)

 同様に、他のメディアでも多くの芸能人やコメンテーターが「悪いのは吉本」「ミキは被害者」との論調で語っている。

 そんななか、一人敢然と「ミキにも責任がある」の論陣を張っていたのが、『スッキリ』コメンテーターで東京大学名誉教授のロバート・キャンベル氏だった。

「キャンベル氏は『個人でツイッターをやってる以上、プロフェッショナルとして何をやってるか360度、見る責任はある』と一刀両断。『ツイッターを見慣れている人なら、これがプロモーションだと分かっているはず。でも、個人のアカウントなんだから責任は負わないといけない』と注意を促しました。MCのハリセンボン・近藤春菜や出演者の高橋真麻が『可哀想』というだけなのと比べても、ピリッとした正論で“レベルの違い”を感じましたね」(前出・テレビ誌ライター)

 この意見に、ネット上では「キャンベルさんのご意見がもっともだと思う」「本人が人前に立つプロとして自身のアカウントをもっている中で『無自覚で分かりませんでした』はちょっと無責任」「発信する内容も色んな人に影響があることを自覚すべき」「芸人コメンテーターとはレベルが違う」「自分たちでも受動的ではなく能動的にやった方がきっともっと良くなりますよっていうキャンベルさんの考え方に賛成」と、多くの人が喝采を送っている。

 かつて、自身のブログで「カミングアウト」したキャンベル氏だけに、SNSでの「責任のあり方」については、一家言あったようだ。

チュート徳井の芸人生命は完全終了!? 吉本興業内部からも「かばいきれない」の声

 お笑いコンビ、チュートリアルの徳井義実が、芸能界引退の危機に直面しそうだ。

 徳井の個人事務所「チューリップ」に吉本興業から支払われた出演料などのうち、2016年からの3年分、約1億2000万円の所得を一切申告していなかったことが判明。加えてプライベートの旅行費用や衣装、アクセサリー代を経費計上していたが認められず、1900万円の所得隠しを東京国税局に指摘された。重加算税などの追徴税額は約3400万円に及んだ。

 これだけで済めば良かったが、新たにチューリップを設立した2009年から一貫して未申告であったことがわかり、非難轟々となっている。

 徳井は23日深夜に行った記者会見で、申告漏れの経緯について「時間ないし銀行へ行ってなんやかんやと明日にしようとなって、そこからのびのびになって、来年まとめて申告しようとなって…。自分の想像を絶するルーズさが原因」と説得力はない。

「さすがに10年近く未申告はありえない。納税は国民の義務。そもそも支払う気があったのか?というレベル。『バレたら払えばいい』くらいに思っていたのではないか。逮捕はされていないが、批判は免れません」(スポーツ紙記者)

 吉本興業は当初、謹慎などの処分は「考えていない」としたが、あまりにも稚拙な手口に、内部からも「かばいきれない」という声が上がり始めているという。

「闇営業問題がようやく沈静化した矢先のこれですからね。国と仕事をしている以上、反社会的勢力との付き合いと脱税はご法度。徳井さんのケースは脱税とは呼ばれていませんが『うっかりミス』では済まされないレベルです。これ以上、ハレーションが広がるようなら、闇営業問題の宮迫博之さんのように引退を切り出す方向に持っていってもおかしくありません」(芸能プロ関係者)

 聞けば聞くほど、44歳とは思えないほど浅い税知識。お笑い関係者によると「徳井はまだそこまで危機感を持っていない」というが、いずれ人生の”追徴課税”を払わされるハメになりそうだ。

チュート徳井が”板東英二超え”の巨額申告漏れで、吉本興業が怯える「賠償金請求」

 “あの人”を超える悪質さでは、軽い処分では済まないだろう。

 お笑いコンビ『チュートリアル』の徳井義実が設立した個人事務所『チューリップ』が、東京国税局から2018年までの7年間で約1億3800万円の申告漏れを指摘されていたことがわかった。

「徳井が経費に計上した個人的な旅行費用や被覆代など約2000万円について、同国税局は所得隠しにあたると指摘。また、チューリップは16~18年の3年間の法人所得約1億1800万円をまったく申告していなかったのですから、確信犯だったとしか思えません」(芸能記者)

 10月23日深夜に記者会見を開いた徳井は、「私のだらしなさ、怠慢によってしっかりとした納税ができず、多大なるご迷惑をおかけしたことを申し訳なく思います」と謝罪。

「税理士から納税をするよう言われていたが先延ばしを続けていた。自分がどうしようもなくルーズだったため、こうなってしまった」と釈明している。

「すでに納税済みとはいえ、1億円超の申告漏れは芸能界ではトップクラス。13年に同じく申告漏れで話題になった板東英二の7500万円(うち5000万円が所得隠し)を上回っています。徳井について各局は対応を検討中のようですが、坂東はレギュラー番組を降板し、数年間、事実上の活動休止となっているだけに、徳井も番組降板は免れないでしょう」(前出・芸能記者)

 今回の件を受け、徳井が所属する吉本興業関係者は苦虫を噛み潰しているという。

「吉本に所属する人気芸人の多くは、節税対策のため個人事務所を構えています。しかし、吉本のほうで管理していればこんな事態にはなっていないわけで、『芸人を甘やかしすぎた』と反省しきり。その吉本が恐れるのが損害賠償請求です。徳井はCMにも出演していますが、すでにエディオンが差し替えになるなど実害が出ている。『個人事務所がしたかこと』で責任を逃れられるとは到底考えられない状況です」(芸能プロ関係者)

 芸能界の所得隠しでは記録的な金額を打ち立てた徳井。職業が「YouTuber」になるのも時間の問題か。

明石家さんま&ナイナイ岡村の特番が「ほぼ番宣ゼロだった」吉本興業の“不都合な事情”

 大物芸人による合体だが、ネットで検索してみても不自然なほど情報が少ない。その裏には吉本興業の“不都合な事情”があったようだ。

 10月11日、明石家さんまとナインティナイン・岡村隆史司会を務めるバラエティー特番『天才○○○さんま ときどき岡村 ~こんなときアナタならどうする?』(日本テレビ系)が放送された。

 同日朝の情報番組『ZIP!』には岡村が番宣出演。「この人は天才だなと思う存在はいますか?」の質問にさんまの名前を即答した岡村は、「お笑い界の中では本当に天才だなと思います」「本当に勉強させていただいています」と持ち上げてみせた。

 大物2人が共演する特番だけに、局をあげて盛り上げようとしたのかと思いきや、このほかに目立った番宣はなかったという。テレビ関係者がその舞台裏を明かす。

「アピール不足は明らかで、結果、視聴率は10%前後と物足りない数字で終わりました。思うような番宣ができなかったのは、吉本サイドの都合。どうも、さんまと岡村のコンビを目立たせなくないとの思惑があったようなのです」

 吉本といえば、今年は所属芸人の闇営業問題を端に発したお家騒動が勃発。加藤浩次がエージェント制度を使って独立するなど、新たな展開を見せている。

「騒動では、吉本の上層部が『松本人志派閥』で固められていたことが明るみになりましたが、“無派閥の大物”と言われていたさんまと岡村が派閥化したことに吉本上層部はかなり動揺していたようです。この時期、芸人同士がくっつけば、事務所を飛び出す“第2の加藤”が続出する流れができる可能性がある。そのため、できるだけ静かなまま番組を終わらせたかったのでしょう」(前出・テレビ関係者)

 さんま&岡村連合の力が拡大していけば、吉本はさらなる変革を迫られることになるかもしれない。

加藤浩次、「自分だけ待遇改善?」吉本興業とエージェント契約締結でほかの芸人にしわ寄せも

 お笑いコンビ・極楽とんぼの加藤浩次が個人事務所「有限会社加藤タクシー」を設立し、吉本興業とエージェント契約を交わした。一連の吉本興業のお家騒動の中で、一時期は大崎洋会長と岡本昭彦社長が退陣しなければ、吉本を辞めると宣言していた加藤だが、自らが提案した「エージェント契約」を結ぶことで決着した形だ。

「今後は、吉本がテレビ局などのクライアントと交渉を担当し、クライアントから加藤タクシーに支払われたギャラの一部が吉本に回るシステムになると思われます。吉本はマネージメントには関わらず、スケジュールやお金周りの管理は加藤タクシーが行うことになるでしょう」(芸能事務所関係者)

 ここで問題になるのが、ギャラの取り分だ。

「仮に、独立前の加藤と吉本が5:5でギャラを分けていたとします。でも、エージェント契約となった場合、吉本側が加藤から半分のギャラを持っていくとは考えにくい。吉本の取り分はもっと減るでしょう。あと、現在加藤が担当しているギュラー番組のギャラがどうなるのかも気になるところ。吉本所属時代からの仕事なので、いきなりギャラの取り分が変わるということはないと思うのですが、その点についても加藤が吉本に対して交渉している可能性もあります」(同)

 つまり、加藤が担う仕事における吉本の売上が減ってしまうということだ。

「加藤は吉本の中でも1,2を争う稼ぎ頭だったわけです。しかし、エージェント契約になって加藤の取り分が増えれば、吉本的には売上を相当削られてしまうこととなる。吉本としては由々しき事態ですよね」(同)

 ここで心配されているのが、加藤以外の吉本芸人への影響だ。

「加藤さんの売上が減った分、他の芸人たちにしわ寄せが来るんじゃないかという噂もあります。微妙にギャラを減らされたり、人件費節約のためにマネージャーがこなくなったりと、いろんなデメリットが出てくるのではないかとヒヤヒヤしている芸人もいるみたいです」(お笑い関係者)

 加藤としては、吉本内の改革を願ってエージェント契約を結んだのであろうが、それが結果として他の芸人の待遇を更に悪くしてしまうかもしれないのだ。

「結局、自分だけ待遇改善したという状況でほかの芸人にはしわ寄せがある。そういうような事態にならないように、吉本ともちゃんと交渉して、いろいろと調整しているとは思いますが……」(同)

 エージェント契約の導入で一旦は区切りとなったかに思えた吉本のお家騒動だが、まだまだ課題は残されているようだ。

吉本興業の芸人待遇問題、現場からは「驚くほど何も変わっていない」の声…このまま風化が狙い?

 今年の6月から7月にかけて、芸能マスコミを席巻したのが、吉本興業の闇営業問題だ。

 騒動の背景に芸人のギャラの少なさがあったとされ、吉本と芸人との契約問題に発展。極楽とんぼの加藤浩次が吉本の体質改善を求めて、“大崎洋会長と岡本昭彦社長が退任しない限り吉本を辞める”と発言すると、吉本は経営アドバイザリー委員会を設置し、あらたに「専属エージェント契約」という契約形態を導入すると発表した。

 写真週刊誌「FRIDAY」(講談社)が第一報を報じた6月上旬から、約2カ月にわたって多くの芸能マスコミに取り上げられたが、現時点では大きな動きもなくなっている。吉本内部では、どういった状況なのだろうか。吉本の内部事情をよく知るマスコミ関係者はこう話す。

「宮迫さんと亮さんが会見を開いたのが7月20日。そこから1カ月くらいは吉本内部も結構混乱していて、“あの芸人が独立するらしい”とか、“反大崎派の社員がすでに新会社の設立を模索している”とか、そういった情報も出回っていたようです。さらに、吉本側も芸人たちに対してちょくちょく事情聴取をしていたとのことで、そんな話し合いの中で、芸人の要望を吸い上げることもあったようです」

 吉本の内部改革は確かに動き出そうとしていた模様。しかし、少し時間が経っただけで、状況は大きく変わったという。

「吉本はいろんな取り組みをしようとしていましたが、実際に現場でそれらが反映されているかというと、残念ながらそうではないらしい。報道が一段落すると、驚くほどに契約や芸人の待遇に関する話題は持ち出されなくなったというんです。つまり、何も変わっていない。あれだけマスコミで散々騒がれていたのに、前と同じ状態のまま進んでいる吉本に、芸人たちはもう呆れているみたいです」(同)

 騒動発覚からまだ3カ月ほどしか経っていないというのに、すでに何もなかったかのように、吉本興業は今まで通りの日常を取り戻してしまったのだ。

「専属エージェント契約についても、加藤浩次さん以外に誰かが動いているという具体的な話も聞かない。それどころか、加藤さんと吉本の話し合いが前進したという話も聞こえてきません。吉本としては、経営アドバイザリー委員会を設置して、いろいろな新ルールを取り決めてはいるものの、必ずしもそれを真剣に実行しようというわけではないのかもしれない。結局のところ、有名無実な体質改善です」(同)

 どうやらまだまだ芸人にとってはブラックな部分が残っている吉本興業。芸能マスコミとしても、継続的にこの問題を掘り下げていく必要がありそうだ。

吉本興業の芸人ホットライン「電話をしたらクビに?」素行悪い芸人のあぶり出し装置か

 一連の闇営業騒動がそれなりに収まったかと思えば、EXITの兼近大樹の過去の逮捕歴を報じられるなど、なかなか落ち着くことがない吉本興業周辺。芸人たちに対しては、より強固にコンプライアンス遵守を求めていくことになりそうだ。

「兼近に対して、吉本は、逮捕のことは話すなと指示していたようですが、いろいろと反社との付き合いが取りざたされるなか、下手に誤解を生まないようにしたいとの思惑もあったのでしょう。かといって、過去の事件を理由に兼近を謹慎させることなどありえないわけで、なかなか苦しい判断だったとは思います。ただ、こういったことが今後ないように、芸人に対する身辺調査は厳しくなりそうです」(お笑い業界関係者)

 吉本は、芸人が反社会的勢力の疑いがある人々との交流の可能性があったり、何らかのトラブルに巻き込まれそうになったりした際に、助けを求めるための「ホットライン」を設けている。この「ホットライン」が芸人の行動チェックの意味合いを持っているというのだ。

「名目上は、芸人をトラブルから回避させるためのホットラインなのですが、実際はその逆。トラブルを抱えている可能性がある芸人をあぶり出すためのものだとも言われています。つまり、電話をかけてきた芸人は“要注意”として吉本からマークされるというんです」(同)

 たしかに、交友関係にまったく問題がない芸人であれば、ホットラインを使う必要もない。吉本は、ホットラインに電話をかけてくる時点で行動に問題がある、と認識するということだ。

「吉本が問題視するのは、反社との付き合いよりも、女性関係のトラブルだと言われています。あまり表沙汰にはならないけど、未成年の女性と関係を持ったりだとか、酒を飲ませて性行為に及んだりとか、乱交パーティーを開いたりだとか、そういったことが原因となって、女性サイドと揉め事になることが結構ある。そういったトラブルを解決してもらおうとしてホットラインに電話をかけたら、それはもうアウト。むしろ“自首”しているようなものです。そういった芸人は人知れず契約解除になるということになりかねない」(同)

 実際に、公には公開されていないものの、女性トラブルが原因で吉本を辞めることとなった若手芸人は複数いるという。

「メディアがたまたま食いついていないだけで、トラブルを起こして消えていく芸人は少なくありません。吉本としては、そういう無名芸人に足を引っ張られたくないという思いもあるのでしょう。だからこそ、世間に知られる前に素行の悪い芸人を把握しておきたいということです」(同)

 どうやら吉本のホットラインは、反社から芸人を守るためではなく、一部の芸人から吉本を守るためものだったといえそう。芸人にしてみれば、利用したらむしろ自分の立場が危うくなるということになるのだ。果たしてこんなスタンスで、“芸人ファースト”に向けた改革が実現できるのだろうか……。