吉本興業の共同確認書、杜撰すぎる内容も「芸人の不平不満トーク」が封じられる可能性

 芸人と契約書を交わしていないことが問題視されている吉本興業。その一方で、所属芸人の闇営業問題を受けて、すべての芸人に対し「共同確認書」への署名を義務付けると報じられた。

「約6,000人の所属芸人全員に、社員が共同確認書を渡して、署名を求めているそうです。吉本に不信感を抱いている芸人も多いので、そう簡単には署名してもらえていないようですが」(お笑い業界関係者)

 この共同確認書は、すでに多くの芸能記者が入手。その内容は各所で報じられている。

「A4用紙2枚の簡素なもので、『反社会勢力との関係を断絶します』『教育を徹底します』『守秘義務を守ります』など7項目にわたって“誓約・宣言”が綴られていると報じられています。『守秘義務を守ります』と宣言しているというのに、早速この確認書が出回っている現状がなんとも皮肉ですね」(ベテラン芸能記者)

 この共同確認書は契約書ではなく、あくまで「確認書」である。法的拘束力がどれくらいあるのか、吉本側と芸人側との行動を制限するだけの効力があるものなのか――そういった点に疑問が残る。

「書いてある内容を簡単に説明すると『コンプライアンスを遵守しましょう』ということ。つまり、社会人として正しい行動をしましょうと。これが正式な契約書であれば、ルールを破った際のペナルティーなどについても触れられているので、必要なものだといえます。しかし“確認書”では、約束を破った際どうなるかは記されておらず、どういう位置付けのものなのかよくわからないんです。芸人は契約書だとは思っていないけど、実は契約書的な機能をもっているものなのかもしれない。芸人が弁護士に相談したら、間違いなく“気軽に署名してはいけない”と指導される代物だと思いますよ」(同)

 共同確認書は、一般的な契約書のように難しい言葉遣いで書かれたものではないが、その一方で曖昧な表現が多い。たとえば、『守秘義務を守ります』の項目には、〈タレント・社員らは、芸能活動にあたって取得した(中略)プライバシー情報、その他一切の秘密情報の取扱いについて、十分に注意いたします〉とある。「タレント・社員ら」の「ら」が誰を指すのがわからないし、「その他一切の秘密情報」が何なのかもわからない。さらに「取扱いについて、十分に注意いたします」とあるが、どんな取扱いがOKで、どんな取扱いがNGなのかも明記されていない。

「マネージャーの失敗談なんかを面白おかしくトークしただけでも、“秘密情報を漏らした”なんて言われかねない内容ですよ。あるいは、吉本に対する不平不満を吐露することを封じられているような受け取り方もできる。芸人にとっては、かなり立場が弱くなるような確認書にも見えますね」(前出・お笑い業界関係者)

 当初は契約書は用意せず、この共同確認書への署名だけで、どうにかお茶を濁そうとしていた吉本だったが、その後、希望する芸人に対しては契約書を交わす方針であるとも報じられている。ツッコミどころ満載の共同確認書は、吉本なりの大きなボケだったのだろうか――。

吉本興業の共同確認書、杜撰すぎる内容も「芸人の不平不満トーク」が封じられる可能性

 芸人と契約書を交わしていないことが問題視されている吉本興業。その一方で、所属芸人の闇営業問題を受けて、すべての芸人に対し「共同確認書」への署名を義務付けると報じられた。

「約6,000人の所属芸人全員に、社員が共同確認書を渡して、署名を求めているそうです。吉本に不信感を抱いている芸人も多いので、そう簡単には署名してもらえていないようですが」(お笑い業界関係者)

 この共同確認書は、すでに多くの芸能記者が入手。その内容は各所で報じられている。

「A4用紙2枚の簡素なもので、『反社会勢力との関係を断絶します』『教育を徹底します』『守秘義務を守ります』など7項目にわたって“誓約・宣言”が綴られていると報じられています。『守秘義務を守ります』と宣言しているというのに、早速この確認書が出回っている現状がなんとも皮肉ですね」(ベテラン芸能記者)

 この共同確認書は契約書ではなく、あくまで「確認書」である。法的拘束力がどれくらいあるのか、吉本側と芸人側との行動を制限するだけの効力があるものなのか――そういった点に疑問が残る。

「書いてある内容を簡単に説明すると『コンプライアンスを遵守しましょう』ということ。つまり、社会人として正しい行動をしましょうと。これが正式な契約書であれば、ルールを破った際のペナルティーなどについても触れられているので、必要なものだといえます。しかし“確認書”では、約束を破った際どうなるかは記されておらず、どういう位置付けのものなのかよくわからないんです。芸人は契約書だとは思っていないけど、実は契約書的な機能をもっているものなのかもしれない。芸人が弁護士に相談したら、間違いなく“気軽に署名してはいけない”と指導される代物だと思いますよ」(同)

 共同確認書は、一般的な契約書のように難しい言葉遣いで書かれたものではないが、その一方で曖昧な表現が多い。たとえば、『守秘義務を守ります』の項目には、〈タレント・社員らは、芸能活動にあたって取得した(中略)プライバシー情報、その他一切の秘密情報の取扱いについて、十分に注意いたします〉とある。「タレント・社員ら」の「ら」が誰を指すのがわからないし、「その他一切の秘密情報」が何なのかもわからない。さらに「取扱いについて、十分に注意いたします」とあるが、どんな取扱いがOKで、どんな取扱いがNGなのかも明記されていない。

「マネージャーの失敗談なんかを面白おかしくトークしただけでも、“秘密情報を漏らした”なんて言われかねない内容ですよ。あるいは、吉本に対する不平不満を吐露することを封じられているような受け取り方もできる。芸人にとっては、かなり立場が弱くなるような確認書にも見えますね」(前出・お笑い業界関係者)

 当初は契約書は用意せず、この共同確認書への署名だけで、どうにかお茶を濁そうとしていた吉本だったが、その後、希望する芸人に対しては契約書を交わす方針であるとも報じられている。ツッコミどころ満載の共同確認書は、吉本なりの大きなボケだったのだろうか――。

友近、「パワハラでマネジャー10人交代?」怪情報は吉本興業反旗芸人への粛清合図か

 吉本興業の反旗芸人に対する粛清が始まるのか?

 7月29日、お笑いタレント、友近が『ゴゴスマ~GOGO! Smile!〜』(TBS系)の取材に応じ、ダウンタウン・松本人志との関係について言及した。

「闇営業騒動に端を発した吉本興業の一連の騒動で、友近は収束に動いた松本に対して、『松本さんは俺についてこいと思っているのでしょうが、私はそこまで追いついていない』と距離を置く発言をしました。そのことで、一部で松本との関係悪化が囁かれていましたが、『こじれることはなく、今まで通りおしゃべりさせてもらって、今後の吉本はどうあるべきかも含め、たくさんお話させてもらいました』と、良好な関係であることを強調しています」(週刊誌記者)

 そんな友近は、マネージャーの教育体制などに疑問を持っていたといい、岡本昭彦社長に一対一で進言する機会を得たという。しかしその際、吉本興業の岡本昭彦社長から「圧」を受けたことを明かしていた。

「友近によれば、岡本社長は会話の最初に威圧的な態度を取り、相手を萎縮させるところがあるのだとか。実際、友近が『これは私だけの意見じゃなくて、他の芸人も思っていることです』と切り出したところ、岡本社長は『他の芸人って誰?』『じゃあその人たちの名前を言って』と圧をかけてきたと暴露しています」(前出・記者)

 現在のところ、吉本経営陣の退陣はなさそうな雲行きだが、逆に、会社批判した芸人たちは追放の危機にさらされているという。

「7月30日発売の『アサヒ芸能』(徳間書店)によれば、岡本社長は懇意のメディアに反目の芸人たちのネガティブ情報をリークして潰そうとしているといいます。友近に関しても『パワハラでマネージャーが10人も替わった』との怪情報が吉本サイドに近い人物によって流されているとも。社長交代を迫った加藤浩次はもちろん、同調した平成ノブシコブシ・吉村崇や、ハリセンボン・近藤春菜も粛清の対象になっているといいます」(週刊誌記者)

 友近が受ける「圧」は、これからが本番なのかもしれない。

有吉弘行、カンニング竹山、ヒロシ……吉本興業を辞めても干されなかった芸人の事情

 会社に残るか出るか。極楽とんぼ・加藤浩次や雨上がり決死隊・宮迫博之など吉本芸人たちの去就が注目されるなか、7月30日発売の「サンデー毎日」(毎日新聞出版)が吉本興業の“圧力疑惑”について報じた。これまで吉本は事務所を辞めた芸人に対して圧力をかけて干してきたという。

「記事によると、そのうちの一人が島田洋七とのこと。彼は 2004年に自叙伝『佐賀のがばいばあちゃん』(徳間書店)の文庫本が大ヒットした際、当時副社長だった大崎洋氏から印税を吉本に入れるよう説得があったそう。それを島田は『自分の力で売った』と拒否。その結果、吉本をクビになった。以降、テレビから出演依頼が来ても、『企画は潰れました』と言われ、テレビ局が吉本に忖度してその話は消滅してしまう。オスカープロモーションに移籍した今でも、そんな状況が12年も続いているといいます」(芸能記者)

 一方、現在お笑い界で活躍する人気芸人の中には、吉本を辞めた後に花開いた者も多い。

 有吉弘行は番組企画を機にオール巨人に弟子入り。しかし兄弟弟子と喧嘩をしたことから、そのまま無断で巨人の元を離れている。その後、地元の同級生だった森脇和成と猿岩石を結成し、第一次ブレイクとなった。

 竹山隆範は福岡吉本出身で、博多華丸・大吉が同期。『福岡で売れても意味がない』と、わずか1年で辞めて上京し、小学校の同級生中島忠幸と再会したことで『カンニング』を結成している。

 ヒロシも同じく福岡吉本出身で、吉本時代は『ベイビーズ』というコンビで活動し、キレ芸を見せていた。ナインティナインが出演するイベントに呼ばれて喜ぶも、芸人としてではなくチケットのもぎり係だったのは有名な話だ。

 くわばたりえは、吉本時代は『テディベア』というコンビで活動。当時交際していたNSC同期の飛石連休・藤井ペイジを追いかけて上京するため解散、ピン芸人として活動。それと同時にホリプロに移籍し、小原正子と『クワバタオハラ』を結成している。

「吉本興業は売れる前の若手芸人が移籍する分には圧力もかけず、我関せずの構えです。吉本は今後は希望する芸人全員と契約を結ぶと発表しているが、若手芸人にとっては、これが移籍のチャンスになるかもしれませんね」(スポーツ紙記者)

 会社の綻びが見えてきた吉本興業。所属する芸人たちも身の振り方を考えたほうが良さそう?

大崎会長、「絶対許さない」加藤浩次を吉本追放へ? あの大物芸人の社長就任案も浮上

 雨降って地固まるとはいかない雲行きだ。

 雨上がり決死隊の宮迫博之、ロンドンブーツ1号2号の田村亮ら吉本興業の芸人たちの闇営業問題をきっかけに勃発したお家騒動。反旗を翻していた所属芸人たちも落ち着きを見せつつあるなか、8月1日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が吉本興業ホールディングスの大崎洋会長の様子を報じている。

「加藤は7月22日に、自身がMCを務める『スッキリ』(日本テレビ系)で、大崎会長を含めた経営陣が辞めなければ、吉本を辞めると宣言し、その後、大崎会長と会談に臨みました。しかし、大崎会長に身を引くつもりは全くなく、岡本昭彦社長を辞めさせるつもりもない。そればかりか、退陣を迫った加藤に対し、『絶対に許さない』と激怒しており、“加藤追放”に向けて動いているといいます。確かに、言われてみれば会談後の加藤は『スッキリ』でも魂が抜けたような状態にも見え、当初の発言についてもしきりに『反省』と連呼するようになった」(週刊誌記者)

 ネット上では「懐深いとこ見せたら収まるのに」「あれ?吉本はみんなファミリーだったんじゃないの?」「子供が親に噛み付いたぐらいで干しちゃうの?」とうんざりした様子だ。

 そんななか、さる芸能関係者はもはや騒動を鎮めるための“ウルトラC”を提案する。

「こうなったら、明石家さんまを新社長に据えるしかないでしょう。今回の騒動でわかったことは、岡本社長が『さん付け』で呼んでいたことからも、さんまと松本人志が吉本芸人のツートップだということ。松本は火消しに走ったものの、現在の“松本興業”状態を快く思っていない芸人も多く、まとめることができなかった。一方、さんまはテレビ局に最も影響力のあるタレントで、吉本の専属芸人ではなく“業務提携”の関係上、会社との立場は対等。吉本芸人の派閥でも中立の立ち位置として、宮迫らを自身の個人事務所で引き取ろうとしたり、加藤の発言についても『正しい』と擁護して見せる器もある。大崎会長と近い距離にいる島田紳助も、賛同すると思われます」

「さんま新社長」、最近の流行り言葉で言えば、“ありよりのあり”ではなかろうか。

千鳥が東京五輪に触手? BSパラリンピック番組の伸びシロに期待大‼?

 いま、テレビ界隈で最も勢いがあるといわれる千鳥。今春始まったテレビ朝日での初冠番組『テレビ千鳥』では、東京オリンピック開催まであと1年を切ろうかという7月22日深夜、「スポーツ千鳥」なる企画が放送された。

 企画意図は、千鳥の2人が東京オリンピック・パラリンピックで何かしらの役割を得るため、俺たちだってスポーツできます! とアピールすること。

 その内容はさておき、あながち「東京オリンピック・パラリンピックを狙う」という千鳥の意気込みは、冗談とは言い切れないんじゃないか……そんなことを感じさせるのは、『テレビ千鳥』同様、今春からNHKで始まった千鳥の新番組『パラ×ドキッ!』(NHK-BS1、再放送は総合でも)の存在があるからだ。

<見たら必ずハマるパラスポーツの驚きのスゴ技やスピード勝負、金メダル期待の日本の超人アスリートの面白キャラクターや波乱万丈の物語をたっぷりご紹介するバラエティー番組>

 番組公式サイトにあるこの文言通り、この番組は「スポーツ番組」というよりも「バラエティー」の側面が強い。

 だからこそ、重視されるのは「面白さ」。ゲストのパラアスリートがどんな障害を負っているのか――についての情報は少なく、障害者スポーツから連想しがちな悲壮感や大変さ、といった印象はゼロ。アスリートの特徴や特技を紹介する際にも、「ただやるだけじゃつまらないので」と、ドッキリ企画を挟んだり、レポーター役の芸人がいちいちボケてみせるシーンが続く。

 個人的な好き嫌いはさておき、ひとつの狙いとしてはアリなのかな、と思う。パラ競技や障害者スポーツといえば、どこぞのチャリティ番組よろしく、「感動の物語」「とんでもない苦労エピソード」で十把一絡げにしがち。だが、実際のパラアスリートたちに話を聞くと、「もっとスポーツとして見てほしい」「アスリートとして認識してほしい」という声が聞こえてくる。

 健常者のスポーツ競技において、すでにアスリートのバラエティータレント化が目立つ昨今。ならば、パラスポーツ番組でもバラエティ路線を目指すことは必然ともいえるのだ。

 ただ、今のところ、番組構成も進行も空回りしている印象は否めない。一番の原因は、ロケ職人・千鳥がロケには行かず、後輩芸人たちのロケ取材の様子をスタジオで見守っている点だ。比較するのは悪いとは思いつつ、画面に千鳥が映っているからこそ、「これ、千鳥のロケだったら、もっと面白かったんだろうな」と思わずにはいられないし、それを仕切る千鳥のMC ぶりも不慣れなせいかグダグになりがちで、すべっていることが多いのだ(実際、この番組で一番多いツッコミワードは「すべってるがな」だと思う)。

 まあ、面白い・面白くないは個人的な感想にもなってしまうので、いったん置いておこう。この番組を見ていて違和感を抱くのには、もうひとつ理由がある。それは、あまりにも「吉本推し」が強いから。MC千鳥はもちろんのこと、脇を固める女性タレントも渡辺直美か横澤夏子。ロケ取材する若手芸人も吉本の後輩。そして、ナレーションもケンドーコバヤシの回が多い。NHKアナウンサーも出ているし、番組を締めるコメンテータ―役にパラ競技に精通したカメラマンを配置したりはしているのだが、今どきここまで吉本タレントだらけのバラエティ、って逆に珍しいのではないか。

 振り返れば、NHK総合で相葉雅紀MCの『グッと!スポーツ』が始まり、「ついにNHKスポーツもジャニーズに頼る時代かぁ」と少々寂しく思ったのが3年前。今度はNHKさん、パラスポーツで吉本に頼るのかぁ……というこの胸のモヤモヤは、昨今の吉本問題があるからこそ感じてしまうものなのか。

 この番組でパラ陸上の女王・中西麻耶選手を取り上げた際、イギリスでパラスポーツが盛んな理由として、メディアが主体的に「パラ競技のスーパースター」を生み出そうとしていたことを紹介していた。

 その紹介VTRを見て、「『パラ×ドキッ!』はすごく大事なことをしているよ」とつぶやいたのは千鳥の大悟本人。その言葉の通り、今後日本がパラスポーツ大国になっていくために、そして東京パラリンピックが成功するために、この番組はどのようにアスリートを照らしていくのか。そこにはすごく大事な意義があるはずだ。

 だからこそ引き続きこの番組には注目したいし、まさかNHKがひとつの芸能事務所に忖度した番組づくりなんてしないよね、と信じたい。

(文=オグマナオト)

加藤浩次、「お詫びしたい」急速トーンダウンの裏に見え隠れする大手事務所幹部の影

 雨上がり決死隊・宮迫博之らによる反社会的勢力との闇営業騒動が波紋を広げる中、吉本興業上層部の大崎洋会長、岡本昭彦社長に対して辞任を要求した極楽とんぼ・加藤浩次のトーンダウンが話題となっている。

 加藤は自身がMCを務める情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)で2人の辞任を要求し、それが認められなければ自身が同社を辞めることを宣言。その後、都内にある吉本興業本社で大崎会長と面談し、当日同所には数多くのマスコミが集まった。

 だが、会談後、加藤は同番組で「僕がこういうことを発言したことで、事が大きくなっていることは、本当にお詫びしたい」と語るなど一気にトーンダウン。

 ナインティナインの岡本隆史からはラジオ番組で「吉本にいないといけない人間」とフォローされながらも、「ワイドショーハイになっていた」とイジられる始末だ。

 あっさり沈静化した観もある“加藤の乱”だが、舞台裏ではいったい何があったのか?

「加藤さんは非ダウンタウン閥で、現在の吉本の上層部の大崎会長、岡本社長とはもともと距離があり、文字通り全面抗争も辞さない構えだったのですが、予想外の“敵”が現れたんです。それは、ほかの大手芸能事務所の幹部連中ですよ」とは別の芸能事務所のマネジャー。

 芸能界はパイの取り合いであり、普通に考えれば今回の吉本のお家騒動は芸能界に大きな勢力を持つ同社のパワーが衰えるという意味で、他の大手芸能事務所からすると歓迎すべきシチュエーションにも思えるが……。

「確かに芸能界が元気な頃はその通りでしょう。ところが最近は、元SMAPの3人への圧力疑惑でジャニーズ事務所に公正取引委員会から注意が入ったり、芸能界に対する世間の風当たりが日に日に激しさを増している。今回の吉本の件も、社会の芸能界不信を大きく増幅させており、ライバル事務所としても『吉本の勢いが弱くなるのは有難いけど、正直これ以上大事になると芸能界全体のシステム自体が崩壊しかねない』と危機感を持っているんです。吉本がえげつないのは業界内でも広く知られていますが、かといって他の事務所の所属タレントとの契約が健全かというと、そうとも言い切れない部分がたぶんにありますからね」(同)

 そのうえで、こう続ける。

「加藤さんとしてみれば、今の弱っている吉本ならたとえ辞めても干されることなくなんとか芸能界で食べていける、ほかの事務所も応援してくれると思っていたんでしょうが、現実はそう甘くないということです。実際、一部の大手芸能事務所の幹部は、加藤さんに『これ以上騒ぎを大きくせず、元サヤに戻れ』と忠告したようです」(同芸能事務所マネジャー)

 加藤の乱鎮圧の裏には、吉本だけでなく、芸能界全体の見えざる力が作用したようである。

吉本興業、「死亡しても責任負わず」研修生に求めた”超ブラック”な誓約書の中身

 所属芸人の闇営業を通じた反社勢力との関わりに端を発した、吉本興業のお家騒動。その過程でギャラの配分の不透明さに加え、芸人と契約書を交わしてこなかったなど、そのブラックな企業体質が明らかになったが、朝日新聞の報道でさらなるブラックな一面が明らかになっている。

 吉本が自社の芸人養成所NSCの合宿に参加を希望する研修生に対して、「合宿中の負傷、これに基づいた後遺症、あるいは死亡した場合、その原因を問わず吉本興業に対する責任の一切は免除されるものとする」との規約を承諾する誓約書を提出するよう求めていたという。

 さらに誓約書には、「賠償請求、訴訟の提起などの支払い請求は行えないものとする」との記載もあった。朝日新聞の取材に対して、吉本は事実関係を認めながらも、「間違った内容が記載されているため修正する」と説明している。

「吉本によると、2014~16年は免責事項の記載は修正されていたが、17年以降は担当者が交代したために引き継ぎがうまくいかず、修正前の規約を研修生に渡してしまったそうです。しかし、それも怪しいところ。何しろ契約書はロクに交わさないくせに、自社の免責については誓約書を研修生にしっかり求めるわけですからね」(スポーツ紙記者)

 7月22日に行われた吉本の岡本昭彦社長による記者会見では、会社と所属芸人との関係を“ファミリー”に例えていたが、死亡しても一切責任を負わないし、賠償請求も認めないなどということは家族ならあり得ないだろう。

「“家族的経営”を盾に、経営側がそこで働く人たちに不都合を強いるのは典型的なブラック企業のやり口。吉本もその例に漏れなかったということでしょう。そもそも裁判所に訴えを提起するのは、憲法で保障された権利。吉本がいかに誓約書で免責を迫ろうとも、法的には無効なんです。もっとも、吉本側もそんなことは百も承知で、芸人は社会常識に疎いから、誓約書にサインしたら何かあっても泣き寝入りするだろうということを見越していたのかもしれません。だとすれば、憲法で認められている権利すら無視する超ブラック企業というしかありません」(同)

 吉本は一連の騒動による批判を受け、外部有識者からなる「経営アドバイザリー委員会」を設置し、所属タレントと契約書を交わす方針を決めているが、こうした新たな事実が発覚するにつけ、ブラックな体質が改善されるのは至難の業だといえそうだ。

吉本芸人、ギャラ取り分が“ブラック”でも「生計成り立つ」? 関係者が語る意外な実態

 闇営業事件を発端にして、吉本興業への批判が高まっている。そもそも所属芸人が反社会的な集団と関わりをもったことが問題だったはずなのに、いつのまにか吉本が「ブラック企業」だということに論点がすり替わっている。果たして吉本は本当に、芸人にとって契約やギャラの取り分が不利な「ブラック企業」なのか、関係者に話を聞いた。

■視聴者は芸人を下に見たい

 会見で岡本昭彦社長もブラック問題について語った。ギャラの取り分が「会社9:芸人1」といわれていることに対して、「5:5」「6:4」が本当のところだと反論した。

 テレビ制作会社の社員が言う。

「少なくとも僕が関与したテレビ番組に関しては、そのぐらいの割合だと思います。酒の席で芸人さんが口にしていたギャラは、まさに僕らが吉本に支払った額の半分より少し下回る額でした」

 では、なぜ、「9:1説」がこれだけ広まったのか?

「視聴者は芸人を下に見たい気持ちがある。そのニーズに合わせて、悲惨さを表現しようと、明石家さんまさんから千鳥さんまで、売れっ子たちが『搾取されている』と面白おかしく話す。芸人たちがそういう話をするのを吉本が放置していたのは、それが視聴者へのサービスだってわかっていたからです。エピソードトークとして盛り上がるなら、会社をネタにしてもかまわないと。そういう意味では、懐が深い会社ですよ」(前出・制作会社社員)

 その一方、9:1ならまだマシで、ギャラが1円ももらえないという若手芸人も実際にいるようだ。岡本社長の説明に、「品川で初単独やった時。445席即完して。グッズも完売して。ギャラ2000円だったなぁ」など、具体的な例を出して反撃した芸人もいる。これに対しては放送作家がこう答える。

「単独公演のギャラに関しては、吉本だけではなくて、ほかのプロダクションの芸人たちも不満を口にしていますから、それは吉本の問題ではなくて、お笑い界全体の問題だと思います。ただ、運営費を考えると、そうそうギャラは払えないんじゃないですかね。単独公演を打つのに、チケットノルマがないだけでもありがたいように思えますよ」

 吉本芸人たちの事務所への不満が爆発しているわけだが、それでも多くの芸人が吉本にいる理由は何なのか。

「吉本芸人の最大のメリットは、劇場に出ていれば食べられる点です。吉本はマネジメント企業であると同時に、多くの劇場を持つ興行主でもあります。2018年の『M-1グランプリ』でファイナリストに残った芸人のうち、バイトをしているのは非吉本芸人だったトム・ブラウンだけでした。つまり、『M-1』決勝戦に残るだけの実力があれば……いや、準決勝に残っている人たちも、吉本ならほぼ舞台の出番で飯が食えているはずですよ」(前出・放送作家)

 ちなみにトム・ブラウンは、翌年の『M-1』開催記者会見で、昨年『M-1』に出た後は、月の給与が「130円ぐらいだったのが200倍、300倍になった」とコメントしている。今でも月の給与が数万円ということだ。知名度は高まり、テレビにも出ているが、舞台のようなほかの仕事がないからだ。

 一方、18年の『M-1』敗者復活戦で注目を浴びた吉本所属の金属バットは、昨年とはまったく違う経済状態にあるという。ツッコミ担当の友保隼平は今年に入ってから給与明細をTwitterに投稿しているが、その額は徐々に増えていき、6月分からは30万円を超えている。彼らは『M-1』後に、吉本の劇場での出番を増やした。昨年はバイトをして生活費を稼いでいたというが、現在は、ほぼ毎日舞台に立つことで生計が成り立っているようだ。

「金属バットさんは『M-1』後に舞台出演料が上がったことで、さかのぼって18年分からの出演料が高くなり、過去1年間の差額が今年の年頭にまとめて支払われていると思います。同じく吉本のさや香さんも17年の『M-1』決勝に出た後に、やはり出演料がアップし、17年分の差額が何十万かまとめて支払われたのでは。それを見ていると、果たして、吉本が他事務所に比べてブラックとは思えない」(同)

■今後の問題点はYouTubeか

 また、他事務所の若手芸人がこう語る。

「僕らの事務所だと、無名の若手が立てる公式な舞台は月に1本です。もっと出たければ、地下ライブ(ファンや知名度を付けるために、ギャラなし、あるいは会場費自腹で出演するライブ)に出るしかない。ところが吉本なら無名の若手の子たちも月に何回も公式の舞台に立てるんですから、うまくなるためにはものすごく有利ですよ。結果、『M-1』の準決勝や決勝は、吉本芸人が占拠していく。賞レースは若手が売れるための最重要ツールですから、吉本にいることは、やっぱりエリートへの道なんですよ」

 一方で、前出の放送作家は、吉本の問題点も指摘する。

「最近、吉本の若手の子たちが不満を口にしているのはYouTubeの収益のマージンですね。YouTubeに関しては機材の手配からスタッフの手配まで芸人たちだけでやっているのに、吉本がしっかり5割ぐらいマージンを取っているそうです。テレビや営業の仕事は吉本が仕事を斡旋するんだから、マージンを半分取るのは当たり前ですが、YouTubeに関しては何もしないのにということで、これは筋が通った不満でしょう。ほかの事務所の中には、若手が食べられるよう、YouTubeに関してはマージンを少なく設定するところもあるそうですから」

 また、契約書を交わさないというのは、今後は通用しないだろう。吉本は特段のブラック事務所ではないように見えるが、変革の時期にあることは事実だろう。
(木原友見)

吉本芸人、ギャラ取り分が“ブラック”でも「生計成り立つ」? 関係者が語る意外な実態

 闇営業事件を発端にして、吉本興業への批判が高まっている。そもそも所属芸人が反社会的な集団と関わりをもったことが問題だったはずなのに、いつのまにか吉本が「ブラック企業」だということに論点がすり替わっている。果たして吉本は本当に、芸人にとって契約やギャラの取り分が不利な「ブラック企業」なのか、関係者に話を聞いた。

■視聴者は芸人を下に見たい

 会見で岡本昭彦社長もブラック問題について語った。ギャラの取り分が「会社9:芸人1」といわれていることに対して、「5:5」「6:4」が本当のところだと反論した。

 テレビ制作会社の社員が言う。

「少なくとも僕が関与したテレビ番組に関しては、そのぐらいの割合だと思います。酒の席で芸人さんが口にしていたギャラは、まさに僕らが吉本に支払った額の半分より少し下回る額でした」

 では、なぜ、「9:1説」がこれだけ広まったのか?

「視聴者は芸人を下に見たい気持ちがある。そのニーズに合わせて、悲惨さを表現しようと、明石家さんまさんから千鳥さんまで、売れっ子たちが『搾取されている』と面白おかしく話す。芸人たちがそういう話をするのを吉本が放置していたのは、それが視聴者へのサービスだってわかっていたからです。エピソードトークとして盛り上がるなら、会社をネタにしてもかまわないと。そういう意味では、懐が深い会社ですよ」(前出・制作会社社員)

 その一方、9:1ならまだマシで、ギャラが1円ももらえないという若手芸人も実際にいるようだ。岡本社長の説明に、「品川で初単独やった時。445席即完して。グッズも完売して。ギャラ2000円だったなぁ」など、具体的な例を出して反撃した芸人もいる。これに対しては放送作家がこう答える。

「単独公演のギャラに関しては、吉本だけではなくて、ほかのプロダクションの芸人たちも不満を口にしていますから、それは吉本の問題ではなくて、お笑い界全体の問題だと思います。ただ、運営費を考えると、そうそうギャラは払えないんじゃないですかね。単独公演を打つのに、チケットノルマがないだけでもありがたいように思えますよ」

 吉本芸人たちの事務所への不満が爆発しているわけだが、それでも多くの芸人が吉本にいる理由は何なのか。

「吉本芸人の最大のメリットは、劇場に出ていれば食べられる点です。吉本はマネジメント企業であると同時に、多くの劇場を持つ興行主でもあります。2018年の『M-1グランプリ』でファイナリストに残った芸人のうち、バイトをしているのは非吉本芸人だったトム・ブラウンだけでした。つまり、『M-1』決勝戦に残るだけの実力があれば……いや、準決勝に残っている人たちも、吉本ならほぼ舞台の出番で飯が食えているはずですよ」(前出・放送作家)

 ちなみにトム・ブラウンは、翌年の『M-1』開催記者会見で、昨年『M-1』に出た後は、月の給与が「130円ぐらいだったのが200倍、300倍になった」とコメントしている。今でも月の給与が数万円ということだ。知名度は高まり、テレビにも出ているが、舞台のようなほかの仕事がないからだ。

 一方、18年の『M-1』敗者復活戦で注目を浴びた吉本所属の金属バットは、昨年とはまったく違う経済状態にあるという。ツッコミ担当の友保隼平は今年に入ってから給与明細をTwitterに投稿しているが、その額は徐々に増えていき、6月分からは30万円を超えている。彼らは『M-1』後に、吉本の劇場での出番を増やした。昨年はバイトをして生活費を稼いでいたというが、現在は、ほぼ毎日舞台に立つことで生計が成り立っているようだ。

「金属バットさんは『M-1』後に舞台出演料が上がったことで、さかのぼって18年分からの出演料が高くなり、過去1年間の差額が今年の年頭にまとめて支払われていると思います。同じく吉本のさや香さんも17年の『M-1』決勝に出た後に、やはり出演料がアップし、17年分の差額が何十万かまとめて支払われたのでは。それを見ていると、果たして、吉本が他事務所に比べてブラックとは思えない」(同)

■今後の問題点はYouTubeか

 また、他事務所の若手芸人がこう語る。

「僕らの事務所だと、無名の若手が立てる公式な舞台は月に1本です。もっと出たければ、地下ライブ(ファンや知名度を付けるために、ギャラなし、あるいは会場費自腹で出演するライブ)に出るしかない。ところが吉本なら無名の若手の子たちも月に何回も公式の舞台に立てるんですから、うまくなるためにはものすごく有利ですよ。結果、『M-1』の準決勝や決勝は、吉本芸人が占拠していく。賞レースは若手が売れるための最重要ツールですから、吉本にいることは、やっぱりエリートへの道なんですよ」

 一方で、前出の放送作家は、吉本の問題点も指摘する。

「最近、吉本の若手の子たちが不満を口にしているのはYouTubeの収益のマージンですね。YouTubeに関しては機材の手配からスタッフの手配まで芸人たちだけでやっているのに、吉本がしっかり5割ぐらいマージンを取っているそうです。テレビや営業の仕事は吉本が仕事を斡旋するんだから、マージンを半分取るのは当たり前ですが、YouTubeに関しては何もしないのにということで、これは筋が通った不満でしょう。ほかの事務所の中には、若手が食べられるよう、YouTubeに関してはマージンを少なく設定するところもあるそうですから」

 また、契約書を交わさないというのは、今後は通用しないだろう。吉本は特段のブラック事務所ではないように見えるが、変革の時期にあることは事実だろう。
(木原友見)