ガバガバSFを“圧”で飲み込ませるTBS日曜劇場『陸王』15.0%で過去最高視聴率を記録!

 5日に放送された日曜劇場『陸王』(TBS系)第3話の視聴率は、15.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と過去最高でした。内容的にも、まあ、文句のつけようがないです。説得力のあるセリフを説得力のある俳優が圧をかけてしゃべる、序盤からジャンジャンBGMを鳴らして盛り上げる、挫折と苦悩と反発をイヤというほど織り込んで、成功のカタルシスに導く。まさに盤石。振り返るまでもありませんが、そうもいかないので今回も振り返りましょう。

前回までのレビューはこちらから

 今回は、こはぜ屋のランニングシューズに必要不可欠な素材「シルクレイ」の生成についてのお話です。

 そもそも、こはぜ屋のランニングシューズ「陸王」には、欠点がありました。地下足袋の技術を応用した天然ゴムのソールでは耐久性に乏しく、シューズとして売り出すのは難しい。そこで、ゴムに代わる素材を探していた宮沢社長(役所広司)の前に、天啓のように現れたのが、飯山という男(寺尾聰)が開発したまま死蔵特許となっていたシルクレイでした。

 なんだかんだ駄々をこねる飯山を開発チームに引き入れることに成功した宮沢でしたが、シルクレイはそのままソールに使える素材ではありませんでした。軽くて丈夫なのはいいけど、硬すぎたのです。飯山はこれまで、シルクレイを硬くて丈夫な素材にすることしか考えていませんでしたが、シューズのソールに使用するためには、硬さをコントロールしなければならなくなりました。

 今回は、飯山と宮沢の息子・大地(山崎賢人)が、ソールに最適な硬度のシルクレイを生み出すまでが描かれました。

 

■架空の素材をドラマの中心に置くリスク

 

 ちなみに、この「シルクレイ」という素材は、現実には存在しない架空の素材です。繭を煮詰めたものを液体にして濾過し、それに圧縮冷却をかけて作るのだそうで、軽くて丈夫で、硬度がコントロールできればソールに“最適”である“奇跡の素材”。あの『下町ロケット』(同)でも、バルブシステムの開発に四苦八苦していましたが、シルクレイはドラマに登場する小道具として、バルブシステムよりずっと自由度が高いものです。

 まったく架空なので、シルクレイについてのルールは、すべてドラマ側が決めることになります。その設定に根拠がないんです。実録風企業ドラマの中に、ここだけSFが混入しているという構図です。

 SFであるからして、『陸王』は丁寧にその条件設定を積み重ねていきます。

 まずは、シルクレイが目指す硬度の基準を決めます。シューズのソールの資料を取り寄せ、「平均的な硬度は55~60の間」としました。この数値も架空なので、単位は特にありません。「硬度55~60」。そして、最初の実験では冷却温度-28℃で「73.2」という硬度が出ました。つまり、失敗です。

 次に具体的な数字が出てきたのは「73.0」。その次は「72.1」。その後、「飯山と大地は55~60に近づけるどころか、コントロールすることすらできずにいた」とナレーションで語られます。

 ここまで、冷却温度を変更して実験を繰り返していますが、飯山がある気付きを得て、冷却温度ではなく煮繭(しゃけん)温度、つまり繭を煮る温度を変えてみてはどうかと思いつき、85℃で煮てみると、硬度は「45.2」。柔らかすぎますが、冷却温度を変更するより、ずっと大きな変化が見られます。それならばと87℃で煮てみて、失敗。そして、95℃で煮てみることに。これで失敗すれば、また初めから別のアプローチを考えないといけませんが、見事「55.1」という硬度を達成することができました。ここまで、1カ月くらいかかったそうです。

 この過程だけ抽出してみると、SFとしては全然説得力がありません。ガバガバです。「95℃で55.1」という数値だって、ドラマが勝手に言ってるだけで、こっちは飲み込むしかない。そもそも「55~60」という基準値だって、知ったこっちゃないし、なんの根拠もない。恐るべき、いい加減さです。

 

■でも、泣けちゃうの

 

 でも、泣けちゃうんです。「55.1」が出た瞬間の山崎賢人と寺尾聰の芝居。喜ぶ、みんなの顔。ロジックを超えて、人間の顔面に感動してしまう。

 情報の出し入れの順番が上手いんです。

 実験が始まったとき、こはぜ屋は銀行に融資を断られて、金がない金がないと騒いでいます。

 また、宮沢の「ダイワ食品の茂木(竹内涼真)に陸王を履いてもらう」という願いも、叶えられずにいます。

 就活中の息子・大地も、実験にかまけていたせいで大切な面接をすっ飛ばしてしまいます。

 そうした紆余曲折を実験の間に手際よく挟み込み、すべてを「実験の成功」までの間に解決してしまう。そうしてボルテージを高めていくことで、このアンロジカルなSF実験について、「ホントに成功するのかよ?」と思っている視聴者の気持ちを「ここで成功してほしい!」という期待感に変えてしまう。

「成功してほしい」と思わせてしまえば、もうそれはドラマの勝ちですからね。「55.1」の数字を、胸のすく思いで眺めることができるわけです。

 前回のレビュー(http://www.cyzo.com/2017/10/post_141358.html)で、こうした決まり事に満ちた『陸王』を「物足りない」と書きましたし、そういう部分のおぼろげな不満は今回もあるにはあるんですが、ここまで圧をかけられると「乗っかっちゃったほうが楽しいな」と思えたことも事実なので、今後はどんなご都合主義が登場しても「よっ! こはぜ屋!」「待ってました!」という感じで追いかけていければと思います。なんか中途半端なアレですみません。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

『監獄のお姫さま』の小泉今日子は暗すぎる! “ダンナ殺し”の受刑者は生き生きしてる?

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■小泉今日子が暗すぎ……

 女囚が主人公の刑務所ドラマ、人気があるんですね。以前も『女囚セブン』(テレビ朝日系)が話題でしたが、この秋からは『監獄のお姫さま』(TBS系)が始まりました。なんと、しまむらとコラボして、ドラマのゆるキャラ、その名も「ぜんかもん」くんグッズを販売してるんですね。

 『女囚セブン』と同様に、今回も出演者がキョンキョンとか菅野美穂さんとか、皆さんフツーに美人すぎますよね。とはいえ、やっぱりドラマですから、きれいな人が出てこないと見る人もつまんないでしょうし。

 でも、「夫に対する殺人未遂で逮捕された設定」のキョンキョンのキャラクターは暗すぎますね。これは改善の余地ありと思いました。当事者でないとわからへんのですが、ムショでは、ダンナを殺した人は暗くないんですよ。むしろ生き生きとしています。

 私は12年の懲役の間に、いろんなコと同じ房になりましたが、「ダンナを殺して暗くなってるコ」というのは、まずいてませんでしたね。学校の先生とか、おカタい職業でダンナさんを殺したコもけっこういてたけど、みんな普通でした。

 「はじめまして」の時に、自分から罪名を言わはるんは、まあ人によりますけど、「夫を殺しました」と言うコがわりと多いです。それで「やっと死んでくれた」とか、「包丁で20回刺したくらいで死にやがった。おかげで私は人殺しや。ホンマあほやで(笑)」とか。さらには、どうやって殺したか、詳しく話してくれるコもいます。

 最近、ご主人の死をひたすら願うSNSサイト『だんなデスノート』が本(宝島社)になって注目されてるそうですが、夫殺しの受刑者はまさに、そこへ書き込む人たちと同じような感じでした。いろんな事情(主に貧困)で離婚もできず、ガマンにガマンを重ねてついに……ということなのでしょうね。

 ちなみに私の家庭は円満なんで、無関係ですよ。編集者さんが「キョンキョンが暗いのは未遂だからじゃないですか? ちゃんと殺ってたら、笑ってるかも」と鋭いことを言っていました。これに対して、子どもを殺して入って来たコは、まず自分からは言いません。そして口数が少なく、暗い表情をしています。それでも、みんなは彼女の罪名を知っています。刑務官が言いふらすからです。

 「あのコは殺(や)ってんねん」みたいなことを、聞いてもいないのに教えてくれるんです。公務員やから守秘義務があるので、それもどないやねんと思いますが、すぐにウワサは所内に広まってしまいます。そして原因は、ほとんど貧困か「新しい男」ですね。貧乏で不憫になって、とか、新しい男と暮らしたいからとか。たいていはその男もダメなのにね。

■事件そのものよりスゴい「裏話」

 男子刑務所と違って、女子刑務所は数が少ないこともあって、長期刑とか罪名で分けられません。初犯と累犯の区別があるくらいです。なので人殺しから万引きの常習犯までみんな一緒です。そやから、打ち解けてくると、けっこういろんなことをお互いにしゃべります。

 たとえば2人の小さな子を殺して「鬼母」と報道されたAちゃんは、貧困でどうにもならず、子どもたちを殺して自分も首を吊ったのに、死にきれなかったと泣いていました。シングルマザーで誰も相談する相手がいなかったんだとか。家庭の事情などでちゃんと育ってないコは、問題を解決できる力がなく、甘え方も知りません。Aちゃんもそうだったんですね。

 また、福田和子さんとか女性の事件の裏には、ほぼ「男」がいてますから、こういう話もおもろいです。事件を起こすのはもちろんアカンけど、悪いのは女性だけと違うんだということもよくわかりますよ。もし私が映画やドラマを作るなら、こういう事件の裏側を回想場面で再現したいと思いますが、いかがでしょうか。

nakanorumi_portrait中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

『監獄のお姫さま』の小泉今日子は暗すぎる! “ダンナ殺し”の受刑者は生き生きしてる?

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■小泉今日子が暗すぎ……

 女囚が主人公の刑務所ドラマ、人気があるんですね。以前も『女囚セブン』(テレビ朝日系)が話題でしたが、この秋からは『監獄のお姫さま』(TBS系)が始まりました。なんと、しまむらとコラボして、ドラマのゆるキャラ、その名も「ぜんかもん」くんグッズを販売してるんですね。

 『女囚セブン』と同様に、今回も出演者がキョンキョンとか菅野美穂さんとか、皆さんフツーに美人すぎますよね。とはいえ、やっぱりドラマですから、きれいな人が出てこないと見る人もつまんないでしょうし。

 でも、「夫に対する殺人未遂で逮捕された設定」のキョンキョンのキャラクターは暗すぎますね。これは改善の余地ありと思いました。当事者でないとわからへんのですが、ムショでは、ダンナを殺した人は暗くないんですよ。むしろ生き生きとしています。

 私は12年の懲役の間に、いろんなコと同じ房になりましたが、「ダンナを殺して暗くなってるコ」というのは、まずいてませんでしたね。学校の先生とか、おカタい職業でダンナさんを殺したコもけっこういてたけど、みんな普通でした。

 「はじめまして」の時に、自分から罪名を言わはるんは、まあ人によりますけど、「夫を殺しました」と言うコがわりと多いです。それで「やっと死んでくれた」とか、「包丁で20回刺したくらいで死にやがった。おかげで私は人殺しや。ホンマあほやで(笑)」とか。さらには、どうやって殺したか、詳しく話してくれるコもいます。

 最近、ご主人の死をひたすら願うSNSサイト『だんなデスノート』が本(宝島社)になって注目されてるそうですが、夫殺しの受刑者はまさに、そこへ書き込む人たちと同じような感じでした。いろんな事情(主に貧困)で離婚もできず、ガマンにガマンを重ねてついに……ということなのでしょうね。

 ちなみに私の家庭は円満なんで、無関係ですよ。編集者さんが「キョンキョンが暗いのは未遂だからじゃないですか? ちゃんと殺ってたら、笑ってるかも」と鋭いことを言っていました。これに対して、子どもを殺して入って来たコは、まず自分からは言いません。そして口数が少なく、暗い表情をしています。それでも、みんなは彼女の罪名を知っています。刑務官が言いふらすからです。

 「あのコは殺(や)ってんねん」みたいなことを、聞いてもいないのに教えてくれるんです。公務員やから守秘義務があるので、それもどないやねんと思いますが、すぐにウワサは所内に広まってしまいます。そして原因は、ほとんど貧困か「新しい男」ですね。貧乏で不憫になって、とか、新しい男と暮らしたいからとか。たいていはその男もダメなのにね。

■事件そのものよりスゴい「裏話」

 男子刑務所と違って、女子刑務所は数が少ないこともあって、長期刑とか罪名で分けられません。初犯と累犯の区別があるくらいです。なので人殺しから万引きの常習犯までみんな一緒です。そやから、打ち解けてくると、けっこういろんなことをお互いにしゃべります。

 たとえば2人の小さな子を殺して「鬼母」と報道されたAちゃんは、貧困でどうにもならず、子どもたちを殺して自分も首を吊ったのに、死にきれなかったと泣いていました。シングルマザーで誰も相談する相手がいなかったんだとか。家庭の事情などでちゃんと育ってないコは、問題を解決できる力がなく、甘え方も知りません。Aちゃんもそうだったんですね。

 また、福田和子さんとか女性の事件の裏には、ほぼ「男」がいてますから、こういう話もおもろいです。事件を起こすのはもちろんアカンけど、悪いのは女性だけと違うんだということもよくわかりますよ。もし私が映画やドラマを作るなら、こういう事件の裏側を回想場面で再現したいと思いますが、いかがでしょうか。

nakanorumi_portrait中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

篠原涼子の月9『民衆の敵』大爆死確定!? 高橋一生の“ヌード連発”も不発で「伸びる要素がない」

 篠原涼子が、主演女優として「落選」の危機にさらされている。

 10月30日に放送されたフジテレビの月9ドラマ『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』第2話の平均視聴率が7.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)となり、初回9.0%から大きく数字を落とした。前クールの『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』が、平均視聴率14.8%と高視聴率を記録していただけに、主演の篠原としては、さぞかし屈辱的だろう。

『民衆の敵』は、篠原演じる平凡な主婦が、家計を助けるため高額報酬を目的にママさん議員になるべく市議会議員選挙に立候補し、悪戦苦闘する物語。10月22日投開票の衆院選とかぶったことで、スタートが1週間延期されたが、フジテレビ関係者は「そもそも、そこが誤算だった」と言って、こう続ける。

「国政選挙の後に市議会が舞台のドラマを見せられると、視聴者にはスケールの小さい話に感じられてしまう。しかも、初回には篠原が選挙で戦った相手に磯部真蔵(いそべ・しんぞう)という、明らかに安倍晋三総理を意識したキャラクターが登場。そして、その人物が健康上の理由で退陣となり、結果、篠原が繰り上げ当選した。安倍総理といえば、第1次政権時に持病の潰瘍性大腸炎が悪化し退陣しており、一部視聴者から『難病で辞任した安倍総理をバカにしているのか!』と批判が殺到。総選挙では自民の圧勝だったことからわかるとおり、視聴者にも『安倍支持』の人が多かったはずで、この脚本は完全に裏目に出ました」

 頼みの綱は、共演する高橋一生の女性人気だが、どうやらこちらも不発となりそう。

「高橋は初回でシャワーシーンを披露し、第2回ではヌードシーンを披露しましたが反響は薄かった。正直、これ以上、視聴率が伸びる要素がないんですよ。しかもスタートが1週延びたために、最終回が12月25日になってしまった。クリスマスに政治ドラマなんて誰も観たくないでしょうし、今の数字なら、打ち切って特番を流したほうがいいに決まっている。ただ、打ち切りとなれば篠原の女優としての評価は暴落し、今後は主演のオファーも来なくなるかもしれない。フジはフジで篠原サイドから絶縁を食らえば、人気作の『アンフェア』も流せなくなりますね」(同)

『ハケンの品格』(日本テレビ系)で平均視聴率20.2%を取ったのは、もう10年も前の話。一昨年には同じフジテレビの『オトナ女子』で自身ワーストを記録した篠原だけに、もうフジテレビはこりごり?

櫻井翔・校長、初授業で玉砕も“鳴海イズム”が徐々に浸透? 『先に生まれただけの僕』第3話

 人気アイドルグループ・嵐の櫻井翔が私立高校の校長役を演じるドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)の第3話が28日に放送され、平均視聴率10.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から3.0ポイント戻し、これまでで最高の数字をマークしました。

 その前回、教育方針の違いから数学教師・及川祐二(木下ほうか)を辞職に追いやり、その代わりに教壇に立つと宣言した鳴海涼介(櫻井翔)。しかし、教育免許は持っているものの実際に授業を行ったのは教育実習の時のみということで、どのように授業を進めるか頭を悩ませます。

 そんな折、京命館高等学校の生徒・門倉陸(平田敦士)がコンビニで漫画のデジタル万引き(スマホで撮影すること)をした疑いが浮上するのですが、担任教師・真柴ちひろ(蒼井優)はそれが犯罪であることを門倉にやんわりと伝えるだけで、罪を問いただすことはしません。犯罪と認識させることで2度と過ちは犯さないだろうというのが真柴の考えなのですが、鳴海はこれに違和感を抱きます。

 そうこうしているうちにいよいよ教壇に立つことになった鳴海は、いろいろと考えた末にアクティブ・ラーニング(課題を与えて生徒たちの間で相談させ問題を解かせる教育法)を実施。教室内を自由に移動して相談OKというスタイルで行い、最初は盛り上がりをみせます。しかし、途中から口ゲンカする生徒が現れるなど、尻すぼみのカタチで終了することに。また、授業終了間際に生徒から数学を学ぶ意味、社会に出てから使うことがあるのかと訊かれた鳴海は何も答えられず、見学に来ていた他の教師たちから嘲笑されてしまうのです。

 初めての授業が失敗に終わっただけでなく、他の教師たちからの信頼もますます失ってしまったことに落胆する鳴海ですが、その挑戦は無駄ではありませんでした。実は以前からアクティブ・ラーニングを実践してみたかったものの前校長には提案できなかったという英語教師・島津智一(瀬戸康史)が、ぜひ自分にもやらせてほしいと懇願してきたのです。もちろん鳴海はこれを承諾。真柴と一緒に島津の授業を見学することにします。

 鳴海よりもアクティブ・ラーニングについて詳しい島津は、生徒たちに隣同士でペアを組ませて授業を実施。すると鳴海の時とは違い、生徒たちは最後まで生き生きと授業に参加するのです。また、英語を学ぶ意味について生徒から質問された島津は、今後ますますグローバル化が進む日本社会で、英語ができれば幸せな生活を送れる可能性が広がると説明。鳴海が理想とする“生徒たちにリアルな社会を教える”という授業を実践してみせたのです。 

 島津の授業に感銘を受けた鳴海は、生徒たちを体育館に緊急招集。数学を学ぶ意味について、例えば怪しげな投資話を持ち掛けられた場合に正しい判断をする能力が身につくことや、論理的な思考力が培われることなどを熱弁するのです。これを詭弁だと受け取る教師はいるものの島津が小さく頷いていたり、納得する表情を浮かべる生徒がチラホラいるなど少しずつ“鳴海イズム”が浸透し始めるのです。また、鳴海はデジタル万引きについても言及。軽はずみな行動がコンビニや漫画の原作者たちに多大な損失を与えることをきっちりと話し、真柴のようにウヤムヤにしない態度を見せたところで今回は終了となりました。

 さて、感想。前回、鳴海が教壇に立つと宣言した際には、金八先生のような熱血教師路線に変更するのではないかと危惧してしまいました。決して演技上手とはいえない櫻井に武田鉄矢のような説得力のある教師が演じられるわけないと思ったからです。

 しかし、それは杞憂にすぎず、教壇に立った鳴海は見事に玉砕。そしてこれにより、今まで目立たない存在だった島津にスポットライトが当たる展開になったのは良かったと思います。少なくともこれまでで一番見応えがありました。鳴海にコミカルな役回りを演じさせることで、他の教師や生徒たちのキャラを引き立たせる。そんな演出にすれば今後も盛り上がっていくのではないかという予感を抱かせてくれる回となりました。

 また、教育方法によって生徒たちの意欲が変わり学力が向上していく過程を描くことで、現役世代に対しては“こんな学校があればいいのに”という思いを、すでに社会に出ている世代には“こんな学校があれば良かった”という思いを喚起させ、物語の世界に強く引き込む力になり得るかもしれません。前回まではおぼつかない展開が続いているように思えましたが、ようやくドラマの道筋が見えてきた気がしました。

 個人的には、新米教師・矢部日菜子役の森川葵が可愛らしいキャラを演じているので、メインになる回を望むのですが……。何はともあれ、次回も鳴海校長の奮闘に期待したいです。
(文=大羽鴨乃)

櫻井翔・校長、初授業で玉砕も“鳴海イズム”が徐々に浸透? 『先に生まれただけの僕』第3話

 人気アイドルグループ・嵐の櫻井翔が私立高校の校長役を演じるドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)の第3話が28日に放送され、平均視聴率10.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から3.0ポイント戻し、これまでで最高の数字をマークしました。

 その前回、教育方針の違いから数学教師・及川祐二(木下ほうか)を辞職に追いやり、その代わりに教壇に立つと宣言した鳴海涼介(櫻井翔)。しかし、教育免許は持っているものの実際に授業を行ったのは教育実習の時のみということで、どのように授業を進めるか頭を悩ませます。

 そんな折、京命館高等学校の生徒・門倉陸(平田敦士)がコンビニで漫画のデジタル万引き(スマホで撮影すること)をした疑いが浮上するのですが、担任教師・真柴ちひろ(蒼井優)はそれが犯罪であることを門倉にやんわりと伝えるだけで、罪を問いただすことはしません。犯罪と認識させることで2度と過ちは犯さないだろうというのが真柴の考えなのですが、鳴海はこれに違和感を抱きます。

 そうこうしているうちにいよいよ教壇に立つことになった鳴海は、いろいろと考えた末にアクティブ・ラーニング(課題を与えて生徒たちの間で相談させ問題を解かせる教育法)を実施。教室内を自由に移動して相談OKというスタイルで行い、最初は盛り上がりをみせます。しかし、途中から口ゲンカする生徒が現れるなど、尻すぼみのカタチで終了することに。また、授業終了間際に生徒から数学を学ぶ意味、社会に出てから使うことがあるのかと訊かれた鳴海は何も答えられず、見学に来ていた他の教師たちから嘲笑されてしまうのです。

 初めての授業が失敗に終わっただけでなく、他の教師たちからの信頼もますます失ってしまったことに落胆する鳴海ですが、その挑戦は無駄ではありませんでした。実は以前からアクティブ・ラーニングを実践してみたかったものの前校長には提案できなかったという英語教師・島津智一(瀬戸康史)が、ぜひ自分にもやらせてほしいと懇願してきたのです。もちろん鳴海はこれを承諾。真柴と一緒に島津の授業を見学することにします。

 鳴海よりもアクティブ・ラーニングについて詳しい島津は、生徒たちに隣同士でペアを組ませて授業を実施。すると鳴海の時とは違い、生徒たちは最後まで生き生きと授業に参加するのです。また、英語を学ぶ意味について生徒から質問された島津は、今後ますますグローバル化が進む日本社会で、英語ができれば幸せな生活を送れる可能性が広がると説明。鳴海が理想とする“生徒たちにリアルな社会を教える”という授業を実践してみせたのです。 

 島津の授業に感銘を受けた鳴海は、生徒たちを体育館に緊急招集。数学を学ぶ意味について、例えば怪しげな投資話を持ち掛けられた場合に正しい判断をする能力が身につくことや、論理的な思考力が培われることなどを熱弁するのです。これを詭弁だと受け取る教師はいるものの島津が小さく頷いていたり、納得する表情を浮かべる生徒がチラホラいるなど少しずつ“鳴海イズム”が浸透し始めるのです。また、鳴海はデジタル万引きについても言及。軽はずみな行動がコンビニや漫画の原作者たちに多大な損失を与えることをきっちりと話し、真柴のようにウヤムヤにしない態度を見せたところで今回は終了となりました。

 さて、感想。前回、鳴海が教壇に立つと宣言した際には、金八先生のような熱血教師路線に変更するのではないかと危惧してしまいました。決して演技上手とはいえない櫻井に武田鉄矢のような説得力のある教師が演じられるわけないと思ったからです。

 しかし、それは杞憂にすぎず、教壇に立った鳴海は見事に玉砕。そしてこれにより、今まで目立たない存在だった島津にスポットライトが当たる展開になったのは良かったと思います。少なくともこれまでで一番見応えがありました。鳴海にコミカルな役回りを演じさせることで、他の教師や生徒たちのキャラを引き立たせる。そんな演出にすれば今後も盛り上がっていくのではないかという予感を抱かせてくれる回となりました。

 また、教育方法によって生徒たちの意欲が変わり学力が向上していく過程を描くことで、現役世代に対しては“こんな学校があればいいのに”という思いを、すでに社会に出ている世代には“こんな学校があれば良かった”という思いを喚起させ、物語の世界に強く引き込む力になり得るかもしれません。前回まではおぼつかない展開が続いているように思えましたが、ようやくドラマの道筋が見えてきた気がしました。

 個人的には、新米教師・矢部日菜子役の森川葵が可愛らしいキャラを演じているので、メインになる回を望むのですが……。何はともあれ、次回も鳴海校長の奮闘に期待したいです。
(文=大羽鴨乃)

綾野剛×星野源が、まさかのBL的展開に……『コウノドリ』損をするのはナオト・インティライミだけ!?

 周産期医療センターを舞台に、出産にまつわるこもごもを、優しく厳しく描く医療ヒューマンドラマ『コウノドリ』(TBS系)。今回も、視聴率は11.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と横ばいで安定。第3話を振り返ります。

 

■さて、今回のゲストは……

 

 出だしから山崎麗子(川栄李奈)と山崎友和(喜矢武豊/ゴールデンボンバー)の派手な茶髪夫妻が登場。診察室でも2人してツバのまっすぐなピカピカのキャップを被り、きゃっきゃとしている、いわゆる「今どきの若者ってこうでしょ?」的なカップルだ。

 そんな麗子は、肺動脈狭窄症という心臓の弁が狭くなっている持病のため、産科の主治医・鴻鳥サクラ(綾野剛)に無痛分娩で出産するよう進言される。今は治療により日常生活には影響なく暮らしているが、自然分娩での力みや陣痛は、心臓に過剰な負荷がかかるため、麻酔で痛みを逃す無痛分娩が必要とのこと。鴻鳥のそれなりに噛み砕いた説明を聞いても、全く理解できなかった麗子だが、友和の「心臓がグアーーーってなるのを、ぱぁ~って少なくしてお産」という通訳を聞き「無痛分娩、超ちょー神!」と歓喜、純粋に幸せそうだ。

 川栄は、ドラマ『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)での元ヤンの大工役や、auのCMでの乙姫役など、「ちょっと抜けてるけど根はいい真っ直ぐな今どきの娘」を演じるのがハマり役で、今回もその路線と言える。

『フランケン~』では主演が同じ綾野剛だが、川栄が同じタイプの役なのに対し、綾野は人間になりたい心優しき人造人間の役だったので、どちらも優しさが強調されてはいるものの、怪物→産婦人科医というギャップがすごい。

 一方、第1話からずっと出演している、佐野彩加(高橋メアリージュン)。かねてより不安視されていた生まれて間もない子どもの持病(心臓に小さな穴があく=心室中隔欠損)が、さほど問題ないということがわかったばかりなのに「すぐに子どもを保育園に預けても平気か?」「仕事に復帰したいのに、だいぶ遅れてしまっている……!」と、我が子の健康状態には目もくれず、職場復帰への焦りが以前にも増して高まっている模様。今回診察を受け持った新生児科医・白川(坂口健太郎)も、子どもの顔をまるで見ようとしない佐野に動揺を隠せない。

 助産師・小松(吉田羊)は、かねてから佐野の精神状態を心配しており、ロビーで偶然遭遇した際も「産科に顔出してかない?」「何か困ったことない?」と声をかけるが、当の佐野は「もう産科の検診の時期は終わりましたよね……?」「なんか私、心配されてるんですね(笑)」と、心配されている自分にピンと来ていない。

 心ここにあらずといった様子で立ち去る佐野の後ろ姿に、鴻鳥はかつての患者・三浦芽美(松本穂香)の姿をオーバーラップさせる。初回から何度も回想で短く登場しているこの女性のことはまだよくわからないが、佐野の状態と関連があるようだ。

 

■最強の無神経コンビ

 

 良かれと思って突如来宅した佐野彩加の実母。連絡もなく来ておいて、部屋が汚いとか髪がボサボサだとか、精神的に参ってる実の娘を、冗談まじりながら無神経に責め立てる。母乳をあげていないことや、保育園に預けて仕事復帰しようとしてることを知ると、さらに実母の無神経攻撃はヒートアップ。

「(会社に)あんたがおらんでも大丈夫なんじゃないん?」

「仕事はあんたの代わりはおる。だけど母親の代わりはおらんで?」

「お産のギリギリまで働いておったけー、こげーなこと(子どもの心臓疾患)のになったんじゃないの?」

 まったく自分の現状を理解しようとしてくれない身内からの責め立て。方言のフランクさが、逆に神経を逆なでするように使われ、この地域(どこかはわからないようにしてる気もする)ごと嫌われてしまわないか不安になるほどの傍若無人ぶり。しかしこれは、実は“子育てあるある”なのであろう。実母に言われてこれだから、義理の母にでも言われたらと思うとゾッとする。

 後日、なかなか決まらない保育園探しにイラつく佐野に、帰宅した夫(ナオト・インティライミ)が「(仕事)復帰は、もっとゆっくりしてからでもいいんじゃない? そんな焦らなくてもー?」と、軽い気持ちで言ってしまう。悪気はないのだが、この夫は初回から基本ずっと佐野(妻)の地雷を踏み続けている。演じるナオトの好感度が下がらないか心配なほどだ。

「焦るに決まってるじゃない! 早くしないと今のポジションがなくなっちゃう、もうデッドラインだって言ってるでしょ!?」

 仕事を持つ女性が感じる、職場から離れていく焦りが沸騰する。

 佐野(夫)はブチ切れた妻に一瞬面食らいながらも、さすがの無神経さで立て直そうとする。

「何でそんなイライラしてんのぉー?」

「出産してから性格変わったよー?」

「このままじゃ俺しんどいよ」

 このイライラが限界のところに子どもが気管支炎を起こし、母である佐野は、診察中に「なんで私の邪魔するの……」とつぶやいてしまうほど、危険な精神状態に。

 佐野(夫)は、義母が来た際も多少は妻を気遣うそぶりを見せたが、義母が娘の彩加を下げる言い方をした際、「大丈夫です、僕会社では『イクメン』って呼ばれてますから(笑)」という冗談を発し、悪気はないのに例によって逆鱗に触れてしまう。嗚呼……。

■対照的な患者

 

 いくら心配しても、医師や助産師たちに甘えずに塞ぎ込む佐野に対し「家の近所で火事を見たためアザのある赤ちゃんが生まれるのではないか?」と、祖母に聞いた丸出しの迷信に怯えながら予約外でも平気で産科を尋ねてくる妊婦・山崎麗子。どちらも両極端だ。

 彼女は他にも、妊婦が体を冷やすのは厳禁だからと上着4枚(ダウンまで!)にレッグウォーマー2枚を着用して来たり、飲み物は白湯しか飲まないと言っているわりに熱くてこぼしたり、とにかく素直すぎるくらいに素直で、情報に左右されすぎているよう。

 あげく、出産当日に友人に何か吹き込まれ、無痛分娩をやめて自然分娩で産みたいと言い出し、周囲を困らせる。友人に言われたのは、

・赤ちゃんより自分のことが大切なの?

・楽して産むんだから母乳も出ない

・自然出産で産んだ母親の愛情には敵わないからかわいそう

 という、世にはびこる誤解を基にしたもの。

 主治医の鴻鳥は、妊娠・出産は一人ひとり違う、考え方も人それぞれだから、個人的にはどちらを選んでもいいと説いた上で、今回は心臓疾患があるので、母体に負担がかかると赤ちゃんにも負担がかかると諭す。

「僕は産科医なので、お友達のデタラメ話のせいで、2つの命を危険にさらすことは絶対にできません」

 さらに「出産は終わりではなく、始まりですから」とも。精神的に追い込まれている佐野のケースと照らして見ていると、出産がいかに「ゴール」でないかがよくわかる。

「自然分娩も帝王切開も無痛分娩も、立派な出産です。育む気持ちや愛情は、僕らではなく赤ちゃんが教えてくれますよ」

 テレビやネットでも、こと出産や育児に関しては、やたらと口を挟みたがったり、勝手な「モラル」らしきものを振りかざす人が多いのは事実だ。子どもを産む母親は、今や初産が多いわけだから、多すぎるくらいあふれる「情報」に振り回される人が増えているのだろう。現代ならではのエピソードだ。

 

■今回も医師、助産婦内での意見が対立

 

 どうやら佐野の症状は産後鬱(うつ)である可能性が高いらしく、もっと親身になってあげたいとする小松と、産後鬱は立派な鬱病で、それは精神科の領分だから、きちんと専門の医師に診てもらうように誘導すべきだ(キリがないから首を突っ込みすぎないでいい)とする四宮(星野源)が激しく対立する。

 小松は佐野を心配するあまり、個人的にラインのIDを渡してしまい、それは病院として絶対にまずいらしく、さらに四宮と対立する。

「1日に何人も診察する中で、さらに心療内科のようなことをできるのか?」と言う四宮と「話を聞くだけ楽になってくれる人もいるのだから、手遅れになる前に何かしてあげてもいいのでは?」と小松を擁護する鴻鳥。

 どちらの言い分も正しい、だからこそ産後鬱の問題は難しい、と今橋(大森南朋)が語るように、ドラマでは答えは出さず問題提起にとどめている。

■いよいよ佐野がビルの屋上に!

 

 子どもを夜の病院の受付に置き、屋上から下を見下ろす佐野彩加。簡単に屋上まで行けるこの病院(周産期医療センター)のセキュリティはどうなっているのかという防犯上の問題は置いといて、そこに間一髪現れたのは、鴻鳥でも小松でもなく、なんと四宮だった。

 どうしてここに現れたのかはわからないが、にくい演出だ。

 誰にも必要とされず、戻る職場も失った(同僚にポジションを奪われていた)ので、死にたいと言い切る佐野。

「俺にあなたの気持ちはわからない。だから今、あなたを引き留めてるのは、俺のワガママです。まだ治療の道がある患者を放っておくことはできない」

 クールな四宮の中の優しさが見える。意見が対立していた四宮の気持ちを知り、遠くから見つめる鴻鳥。

「少しだけ話を聞いてください、お願いします」と手を佐野に差し伸べる四宮は、まるで往年の『ねるとん紅鯨団』(フジテレビ系)で告白する素人のようだったが、しっかりと手をつなぎ返した佐野の心は溶けだしたかのように見える。

 駆けつけた佐野(夫)が「夫婦は2人でひとつって……」と語るやいなや「何だそりゃ? 人間は2人でひとつになんかなれない。死ぬまで1人だよ」「別々の人間だからお互いを尊重し合う、それで初めて助け合えるんだろ!」と一喝する四宮。ああ、第1話でもこんなシーンがあったのに……。ナオト……。

 この後、今橋に、仕事ばかりで育児をしていないことを「自分も同じだ」と慰められ、挽回を誓ういいシーンもあったのだが、それでもなんでナオトはあまり得しなそうなこの出演を受けたのか、イマイチ謎だ。

 周囲の声にようやく耳を傾けられるようになった佐野(妻)に対し、今度こそ改心した感じの夫が「俺イクメンじゃなくて、父親になるから」と微笑む姿でハッピーエンドでしたが、正直「こいつゼッテーわかってない! またきっとやらかすハズ!」って思ってしまいました。

 

■鴻鳥と四宮の関係がさらに濃く

 

 実は鴻鳥は、かつて自分が忙しさにかまけ、産後鬱の患者(三浦)の出す信号をキャッチしてあげられずに亡くしてしまった(飛び降り自殺)こと、声はかけていたつもりだが、三浦の言う「大丈夫、大丈夫」という言葉の裏を見抜けなかったこと、踏み込む勇気が出なかったことをひどく悔いていたのだった。

 その告白を聞いた四宮は、「いい加減にしろ。前を向けよ。お前が『大丈夫』じゃないんだよ?」と肩をさすり励ます。

 い、いつの間に?? もう我々が思ってる以上に、距離があったはずの2人の信頼関係は、かなりの高みに達してるいるようだ。

 ドラマのラストでは、「ああいうの(人に優しくすること)は、お前のほうが得意だろ」と手柄を鴻鳥に譲るような会話も見られ、「ありがとう」と微笑む鴻鳥に、四宮は「なんのことだ」ととぼけながら、見つめあっていた。

 朝日の差し込む部屋の効果もあってか、もうこのまま抱きしめ合ってしまうんじゃないかというくらいの空気。原作にはない、あざとさすら感じるBL的空気に、この同人誌があるなら読みたいと思いました。鴻鳥はいつもの通りの優しい口調なのが、四宮と2人の時はなぜかオネエに見えて来てしまうほどでした。こんなに近づいてしまって、この先大丈夫なのだろうか……。

■名言もたくさん

 

 今回は、無痛分娩の話に加え、3話に渡って描かれてきた佐野の産後鬱の話がひと段落することもあり、かなり盛りだくさんな内容ながら、各人物も丁寧に描かれ、よくまとまったいい回でした。ドラマ満足度ランキングで高評価なのも納得する内容で、次回以降、視聴率を上げそうな予感もひしひし感じます。

 また育児をまったくわかっていない筆者でも、いつかタメになるようなリアルな名言がいっぱいで、思わずメモしながら見たくなるほど。

・他の人の力を頼るのはダメなことじゃないよ?

・みんな子育て美化しすぎです。髪振り乱して必死にやってるんです。少しくらい誰かに頼っていいんですよ?

・赤ちゃんが0歳ならお母さんもお父さんも0歳です。

・子どもと四六時中一緒にいるのは妻ですからね。子どもにばかり目が行きがちですけど、お母さんは誰にも頑張ってるって褒めてもらえない。

 今回、新米研修医の赤西(宮沢氷魚)がミスを連発して四宮に怒られたり、下屋(松岡茉優)にビンタされたり、後半に向かって大きなトラブルを招きそうな空気を振りまいており、次回以降も楽しみです。
(文=柿田太郎)

女性脚本家ならではの“女系ハードボイルド”が光る『刑事ゆがみ』もっとみんな、見ればいいのに!

 各方面から「面白いのに! 面白いのに!」との声が相次いでいる低視聴率ドラマ『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)。今日は祝日なので視聴率は出ませんが、2日に放送された第4話も、きっと振るわないことでしょう。面白いのに!

 というわけで、今回も振り返りです。

前回までのレビューはこちらから

 今回も謎解きに見どころがあるので、スジは書かないでおきます。FODで見てください。“女系ハードボイルド”とでも呼ぶべき、強くて悲しい女殺人者のお話です。高梨臨に泣かされます。3話までは回を重ねるごとに下がっているようにも感じられた事件そのもののテンションも、今回は取り戻しました。

 今回の脚本クレジットは、メーンの倉光泰子さんと藤井清美さんの連名。藤井さんといえば、このドラマのライバルともいえる『相棒』(テレビ朝日系)シリーズにも参加しているベテラン脚本家です。フジテレビが、これまで『ラヴソング』『突然ですが、明日結婚します』で辛酸を舐めさせた、連ドラデビュー2年目の倉光さんを本気で育てようとしているのがよくわかる布陣です。『めちゃイケ』も『みなおか』も終わるし、ここ20年くらい何も考えずに過去の遺産を食いつぶしてきたように見えるフジが、ようやく変わろうとしているのかもしれません。

■緻密で品がある、優しい人物描写

 ここまで、『刑事ゆがみ』の脚本はすべて女性の脚本家の手によるものです。これ、刑事ドラマでは比較的珍しいことだと思うんです。今後はどうなるかわかりませんが、おそらく女性だけで作っていく方針なのではないかと思います。なぜなら、それこそが成功しているように思えるからです。

 まず特徴的なのが、女性を描く目線です。

 第2話のアラフォー喪女・水野美紀にしても、今回の高梨臨にしても、彼女たちの「個人の意思」というものを明確に提示しています。悲しい環境の中にあり、女性の中でもマイノリティである彼女たちを、決して“被害者”や“弱者”として一面的に扱うことをしない。彼女たちが守るべきものをドラマの中でしっかりと定め、それを彼女たちが能動的に守ろうとしたがために、事件が起こる。「私たちは同情されるために登場したわけではない」という、悲劇を抱えた女性キャラクターたちの強い主張が感じられます。一方で、今回でいえば飯豊まりえが演じた軽薄な口軽OLのように、いかにもステレオタイプな女性像も登場させる。この対比によって、より描きたいキャラの造形が明確になる。

 これは明らかに原作にはなかった視点ですし、倉光さんが『ラヴソング』(最終話レビュー)でやろうとして完遂できなかった、『明日婚』(最終話レビュー)では手を付けることもできなかった作業だと思います。作り手がキャラクターを愛し、キャラクターに寄り添っていることがよくわかるので、ウソツキだったり人殺しだったりする彼女たちに共感を抱くことができる。

 もうひとつ、女性脚本家ならではだなぁと思うのが、男の性欲についての描き方です。

 童貞なのに風俗に興味津々な羽生くん(神木隆之介)や、妙な美学を持っていた第2話の下着泥棒(斎藤工)など、男たちが性欲を丸出しにするシーンでも「ここまでならイヤな感じがしないな」という抑制が効いているように見えるのです。男の側からすると、風俗に行っても下着を盗んでも、なんだかドラマから許されている感じがする。こうした感覚的な「嫌味のなさ」のラインは、なかなか頭で考えて設定できるものではないと思いますし、ドラマの品の良さを担保している部分ではないでしょうか。一方で、今回でいえば姜暢雄が演じた建築士のように、一線を越えた醜い性欲に対しては、容赦なく糾弾する。これによって、おっぱいパブを覗きこんでいる神木さんが、よりかわいらしく見えています。

 まずもって刑事ドラマの面白さは事件のバリエーションと設計によって測られるものだとは思いますが、謎解きがそれなりに緻密に組まれた上に、前述したようなキャラ付けの心地よさがある。エンドクレジットのオチまで、しっかり計算して楽しませてくれる。そんなの、面白くなるに決まってるのにね。もっとみんな、見ればいいのに。

■躍動する“バディ”は、神の子どもたち

 前回のレビュー(記事参照)で、このドラマの主人公は羽生くんだという話をしました。羽生くんはそもそも第1話で「刑事なんだから法に照らして犯人を挙げるのだけが仕事です」と主張しながら登場しましたが、ここまでの事件の捜査に対して「刑事なんだから」以上の動機を持って臨んでいます。前回は、お世話になった上司に対する疑念を晴らすため、今回は自らの失点を取り戻すため。先輩の弓神(浅野忠信)に反発しながら、時には頼りながら、事件を解決していくことになります。

 この2人が、実に楽しそうなんです。弓神と羽生の捜査上の関係が、そのまま浅野さんと神木さんの芝居上の関係に見えてくる。神木さんが真剣に食ってかかって、浅野さんがどーんと構えて受け止める。脚本家がドラマ世界の創造主だとすれば、2人はそこで思いっきり遊び回っている神の子どもたちのよう。特に、これまでにない振り幅を持った羽生という人物を与えられた神木さんは、役者として本当に楽しいんじゃないかなと想像します。

 そういう現場の雰囲気の良さまで伝わってくるくらい、うーん、このドラマ面白いのにね。みんな見ればいいのに!

 それにしても、ネタバレしたくなくて文句も特にないドラマに対しては、あんまり書くことがないですな。ドラマレビューって。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

相次ぐ奇行、事務所独立騒動だけじゃない!? 真木よう子の“トラブル臭”に、東映が戦々恐々……

 女優・真木よう子の周辺から“トラブルのニオイ”が立ち込めている。

 真木といえば、今年7月期に主演したドラマ『セシルのもくろみ』(フジテレビ系)が低視聴率により9話で打ち切り。ほぼ同時にTwitterでのトラブルや、コミケ騒動が話題になったほか、ドラマの打ち上げでは失踪騒ぎの末、トイレで寝ていたという奇行も取り沙汰されている。

 さらに、10月17日発売の「女性自身」(光文社)が、真木の新恋人の存在をスクープ。

「記事によれば、新恋人はいくつもの飲食店を経営するイケメン実業家A氏。真木はA氏の店の常連だったようですが、A氏によると、交際していたのは今年1月から6月まで。しかし、真木は今でもA氏に頼りきりのようです」(スポーツ紙記者)

 そんな真木に持ち上がっているのが、事務所からの独立話だ。

「すでに所属事務所が本人をコントロールできない状況です。本人は事務所を辞めたがっていて、独立をめぐってなんらかの話し合いが行われていることは間違いない。裏でA氏が糸を引いているのではないか? という声も聞こえてきます。もっと心配なのは、真木のメンタルや体調です。少し前に彼女を目撃した業界関係者によれば、頬がゲッソリと痩せこけて、目の周りもくぼんで骸骨のよう。目の焦点が合っておらず、手も震えているように見えたそうです」(テレビ関係者)

 真木はこの後、韓国映画のリメイクとなる来年公開の映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』の撮影に入る予定だが、本当に撮影ができるのかは不透明だ。さらに、真木の状況にビビリまくっているのが大手配給・東映だという。

「来年5月公開の役所広司と松坂桃李が共演する映画『孤狼の血』のヒロインを、真木が務めているんです。本作は柚月裕子のベストセラー長編小説を、『凶悪』などの白石和彌監督が実写映画化した作品で、暴対法(暴力団対策法)成立直前の広島を舞台に、警察と暴力団の激しい闘いが描かれている。中村獅童、竹野内豊、石橋蓮司、滝藤賢一、田口トモロヲ、中村倫也、ピエール瀧ら豪華キャストが集結し、東映にとっても社運が懸かっている。すでに撮影は終わっていますが、このまま事務所とモメている状況が続けば、PR活動や舞台挨拶にも参加できない。それだけならいいが、“のっぴきならない騒動”が勃発して公開自体が危ぶまれやしないかと、関係者たちは戦々恐々だといいます」(映画ライター)

“真木のもくろみ”が、この先なんらかの大騒動を引き起こすことになるのだろうか?

嵐・櫻井翔、ディーン・フジオカの両ドラマが“完全爆死”も、日テレは宣伝する気なし!?

 日本テレビが10月の月間視聴率「三冠王」を獲得。『世界の果てまでイッテQ!』『ザ!鉄腕!DASH!!』など、人気バラエティ番組が牽引し、全日、プライム、ゴールデンのすべてトップ、全日帯は52カ月連続のトップとなった。

 しかし、バラエティこそ絶好調だが、10月期のドラマは大苦戦。及第点なのは綾瀬はるか主演の『奥様は、取り扱い注意』くらいで、高視聴率が確実視されていた嵐・櫻井翔主演の『先に生まれただけの僕』と、ディーン・フジオカの民放初連ドラ主演となった『今からあなたを脅迫します』は、期待ハズレの結果となっている。

「櫻井主演となれば、視聴率は12%以上欲しいところですが、3話までの平均では10%を割っており、このまま1ケタで終わりそう。ネット上では、櫻井の校長先生姿が“『NEWS ZERO』のロケにしか見えない”といった声が聞かれます。ディーンの『今から~』に至っては、第2話の視聴率が5%台と、打ち切り水域。妊娠中の武井咲の体調に気を使って、立っていなければいけないシーンが座ったシーンへと変更になったり、走るシーンが歩きになったりと、脚本家も苦労しているようですが、ディーンの経歴に大きな傷がついたのは間違いない。今クールは、他局のドラマがこぞって好調なだけに、この2本の不調が目立っています」(テレビ誌ライター)

 そんな日テレの体たらくに、主演俳優の所属事務所もイラ立ちを隠せないようで、早急な対応を迫っているという。

「ジャニーズやアミューズは、視聴率が上がるための宣伝を考えるよう、日テレサイドに注文をつけていますが、宣伝担当者からは有効なプランが出てこない。というのも、担当者たちがやる気を失ってしまう事情があるようです。番宣の企画を立てても事務所にお伺いを立てないと何もできませんが、いざ連絡をしても、事務所担当者からの返事は1~2週間来ないことがザラ。その結果『面倒くさい』と、局員の士気はダダ下がりなんだとか。よほどやる気をなくしているのか、最近の日テレスタッフは、テレビ誌の番記者たちへの対応までおざなりになっているという話も聞こえてきます」(業界関係者)

 せっかく好調な時期にもかかわらず局員の士気が下がってしまっては、日テレの一強時代も、そろそろ終わりか?