15.7%『陸王』ストーリー停滞、最終回直前で「こはぜ屋」の誰もが信用できなくなっていく……

 17日に放送された日曜劇場『陸王』(TBS系)最終回直前の第9話は25分の拡大版でした。視聴率は15.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調ではあるものの、ちょっと伸び悩みな感じです。

 そして視聴率以上に、お話は停滞しています。正直、第6話のニューイヤー駅伝のくだりから急激に進展しなくなった物語にイライラが募るばかりです。瞬間瞬間の画面の強さや俳優さんたちの芝居の良さはあるので、ドラマが出力を失ったわけではありません。だからこそ、フラフラしてる宮沢社長以下こはぜ屋の面々が信用できなくなっていくのがつらいところです。

 というわけで、振り返りましょう。

前回までのレビューはこちらから

 世界的スポーツメーカーFelixの御園社長(松岡修造)に買収話を持ちかけられ、「すぐにでも3億出資する」と言われてホイホイと固い握手をかわしてしまった宮沢社長(役所広司)でしたが、社内からは当然のように猛反発。さらに、銀行の融資担当・大橋さん(馬場徹)からも「(買収されれば)相手の思い通りにするしかなくなる」と諭され、再びフラフラと迷いだします。いわく「買収を受け入れて陸王を続けるか、足袋屋に戻るか」の選択肢しかないといい、「俺は陸王を続けたいんだ」と決意を述べます。

 もっとも強く反発しているのが、これまで宮沢社長に理解を示してきた縫製おばちゃん軍団のリーダー・あけみさん(阿川佐和子)でした。

「私が会社を売ることに賛成することは絶対にない、絶対にない」

 と、大切なことなので2回言ったりします。今回、こはぜ屋パートでは、このあけみさんを説得するだけで、フルに1時間半を使います。長いよ。

 そもそもこのドラマは、こはぜ屋という老舗足袋業者が「100年の暖簾」とやらを“もう守れない”という状況から始まっています。足袋の需要が減って、もうこのままでは先も長くない。だから新規事業を始めなければいけない。よし、「陸王」で頑張ろう。そういう話だったのに、最終回前の大詰めまで来て「足袋屋に戻る」ことへの逡巡が語られる。「足袋屋に戻る」ことは、ドラマの序盤で「イコール倒産」と、すでに定義されているはずなのに、社員がそれを求め、社長も迷う。そりゃ気持ちがわからないわけじゃないけど、3話も引っ張られたら、さすがに嫌気が差してしまいます。あんなにキュートだった阿川さんも、なんだか憎たらしく見えてくる始末です。「感情論じゃどうしようもない」ということを視聴者に一度飲み込ませておいて、今さらそこをグチグチ言われても、ねえ……。

 

■急にアッパー素材が手に入りました

 

 一方、宮沢社長以上に陸王をあきらめられないのが、社長の息子・大地(山崎賢人)です。織物業者・タチバナラッセルの不義理によってアッパー素材の供給が止まることになって以来、一人であちこちの繊維業者、織物業者へ折衝に訪れては、門前払いされる日々。それでも、大地は陸王を作りたくて仕方ありません。初めて自分の人生に意味を与えてくれたのが陸王だった、ということは、ここまで丁寧に描写されているので、よくわかります。この人の行動は、信用できるんです。

 でも、この人はいつも結果が信用できないんだ。この日、アポを取って訪れたタテヤマ織物という会社で、担当者にドタキャンされ、受付で夕方まで待ち続けた大地。その姿をチラ見していたおじさんに会議室に招かれると、いきなり「お手伝いさせていただきます」とアッパー素材の提供を申し出られました。こはぜ屋の財務状況も、現状ソール材であるシルクレイを作る算段がないことも、説明したのかどうか知りませんが、「ある意味ブレイクスルーだ」と、実に物わかりのいいおじさん。社内で検討する必要もないそうです。なぜなら社長だから。しかも、サンプル材を持って帰ってみたら、タチバナ以上の優秀な素材なんだとか。もう、おとぎ話の世界です。

 大地は、1足分だけ残っている茂木モデルの陸王を作りたいといいます。茂木(竹内涼真)といえば、そもそも陸王プロジェクトのきっかけになった実業団選手。ケガこそ克服したものの、記録的には伸び悩んでいる様子。しかも、一度は陸王でサポート契約をしたのに、こはぜ屋の都合でご破算にしてしまった過去もある。まだ応援している気持ちを伝えたいから、陸王を1足作って贈りたいと。そのために、アッパー素材を探してきたのだと。

 あれー? と思ったんですよ。タチバナは確か、こはぜ屋との契約を切るときに「3月までは納品する」と言ってなかったっけと。結果、シルクレイ製造機が火を噴いたことで陸王の製造はストップしましたが、その時点で大量生産をかけているということは、タチバナからの納入も止まってないはず。現時点で「タチバナの素材の在庫がない」という状況があるとすれば、宮沢社長が「製造機がブッ壊れたから、もう素材は買えない。今あるものも返品する」とタチバナに申し出た以外には、あり得ないケースです。あれほど「裏切り者!」と面罵したタチバナに対して、そういう仕打ちをしているわけで、やっぱり信用できない人だよなぁとなってしまう。些末なことではあるんですが、会社と会社との契約云々で散々引き延ばされている中での出来事なので、どうしても気になってしまいました。

■村野さんも坂本さんも信用できなくなった

 

 ただ1足の陸王を茂木くんに納入するため、こはぜ屋はシューフィッター・村野さん(市川右團次)を呼び戻すことに。最初は「茂木を迷わすだけだ」と協力を固辞していた村野さんでしたが、飯山ちゃん(寺尾聰)に何か言われたら、あっさり翻意。出来上がった陸王を見て「1mmカカトを深くして!」とか指示を出したり「完璧です!」と感動してみたり、こちらもブレブレです。

 さらに、買収話を持ってきたベンチャーキャピタルの坂本ちゃん(風間俊介)も手落ちがひどい。宮沢社長が買収ではなく業務提携を模索することにした段になって初めて、これまでFelixに買収された企業がどうなったかを調べる有様です。それまで「買収は有益」「これしかない」「こはぜ屋を守れる」と言い続けてきた坂本ちゃん、実は何も調べてなかったことが露呈しました。坂本ちゃんの提案通り買収されてたら、あっという間に、こはぜ屋はなくなっていたということです。

 こうしたブレを、このドラマでは、セリフの“振り返しの一撃”で逆転させようとしています。誰かのひと言で誰かの心変わりを促し、説得力を生もうとしている。まだ物語の全容が見えていなかった序盤は、それも効果的だったんです。大地が、大橋さんが、あけみさんが、ギュッと力を込めて発するセリフのひとつひとつが、ドラマに大きな展開を与えていたし、そこに爽快感があった。

 でも、ここまで状況が煮詰まっている終盤では、セリフひとつで状況を逆転させる手法に無理が生じているように感じます。物語が、どんどんほころんでいくように見えるのです。

 

■唯一信用できる男・松岡修造

 

 そんな中、Felixの御園社長だけはブレていません。威風堂々とした振る舞いは迫力がありますし、妻の命を奪ったハリケーンの名前を社名にしたというエピソードもサイコっぽくて素敵です。業務提携を持ちかけられたときに「買収の方が簡単」と繰り返す様も、信念が感じられて実に信用できる。なぜ御園社長が信用できるかといえば、まだ出てきたばっかりでよくわからない人だからというだけなんですが、ともあれ『陸王』の最終盤を下支えする見事な配置ですし、松岡さんの演技も要求に十分応えていると感じます。

 ともあれ、次回は最終回。いろんなモヤモヤは忘れて、ただ画面に身を委ねたいと思います。いろいろ書いたけど、楽しんで見ていることだけは間違いないのですよ。ホントに。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

米倉涼子主演『ドクターX』最終回、3年ぶり25%超えで有終の美も……「終わる終わる」アピールに批判噴出!

 米倉涼子主演の人気医療ドラマシリーズ第5弾『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系/木曜午後9時~)最終回(第10話)が14日、20分拡大で放送され、25.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の高視聴率をマークし、有終の美を飾った。

 同シリーズで、視聴率が25%を超えたのは、第3シリーズ(2014年)最終回(第11話)の27.4%以来、3年ぶりの快挙。ただ、今シリーズの全話平均視聴率は序盤の不振が響き、20.9%どまりで、昨年の第4シリーズの21.5%を下回った。

 今話では、第9話のラストで倒れた大門未知子(米倉)が後腹膜肉腫ステージ3で、処置しなければ余命3カ月と判明。一方、食道がんステージ4Aと診断された日本医師倶楽部会長・内神田景信(草刈正雄)のオペは困難を極めるため、地方に飛ばされていた“腹腔鏡の魔術師”加地秀樹医師(勝村政信)が、「成功したら外科部長昇進」を交換条件に、東帝大学病院に戻ってくる。加地は影武者として、未知子に協力を要請するが拒否される。蛭間重勝病院長(西田敏行)は表向き、執刀医を内神田の息子である新米医師・西山直之(永山絢斗)とし、未知子の協力を取り付ける。

 しかし、病院への出勤途中に未知子は痛みに襲われ、不在のまま、手術が始まったが、患部の状態が悪く、あわやインオペ(手術不能)というところで未知子が登場。体調不良の中、手間取った未知子だが、手術は無事成功。だが、未知子は手術室を出るなり倒れ、緊急オペとなるが、執刀医には西山を指名。難手術となったが、未知子がハイブリッド人工血管を用意させていたことが功を奏し、命は救われる。

 その後、内神田と蛭間は、人工知能診断システム「ヒポクラテス」導入に関する収賄容疑で、東京地検特捜部に逮捕される。また、内神田が圧力をかけたため、神原名医紹介所は閉鎖され、国内に行き場を失った未知子は、キューバに渡り、クバナカン医科大学で新たなスタートを切るというラストだった。

 テレ朝としては、3年ぶりの25%突破にしてやったりだろうが、ネット上では同局のやり方に批判も噴出した。というのは、最終回放送2日前の12日、同局は『ドクターX』シリーズそのものの“終焉”を思わせるような告知をしたからだ。

 それは、米倉の最終話に向けたコメントとして掲載された、「この後に名医紹介所のセットも本当に壊れるのよね」「私自身、こんなに長いシリーズに出演するのは初めてでした」「最後だと思うと、心の中では不思議な気持ちや悲しい気持ちが入り乱れます」といった内容。いかにも、『ドクターX』が今シリーズで終わるかのような思わせぶりなリリースで、ファンを混乱させてしまったのだ。では、『ドクターX』は本当に終わってしまうのだろうか?

「『ドクターX』は、今やテレ朝にとっては、水谷豊の『相棒』を超える大看板。今どき、20%を超えるドラマなんて、そう簡単につくれませんし、CMスポンサーからは数年先の予約も受けているような状態だといいます。テレ朝側から望んで終わらせる理由などなく、米倉には当然続編オファーをかけるはずです」(スポーツ紙記者)

 視聴者からは、初登場となった猪又孝外科副部長役の陣内孝則不要論や、人気キャラクターの加地医師をレギュラーから外したことなどで批判もあった。それでも、平均視聴率は20%を超え、マンネリといわれながらも、根強い人気を示した。続編があるかどうかは、米倉の腹一つといえそうだ。
(文=田中七男)

米倉涼子主演『ドクターX』最終回、3年ぶり25%超えで有終の美も……「終わる終わる」アピールに批判噴出!

 米倉涼子主演の人気医療ドラマシリーズ第5弾『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系/木曜午後9時~)最終回(第10話)が14日、20分拡大で放送され、25.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の高視聴率をマークし、有終の美を飾った。

 同シリーズで、視聴率が25%を超えたのは、第3シリーズ(2014年)最終回(第11話)の27.4%以来、3年ぶりの快挙。ただ、今シリーズの全話平均視聴率は序盤の不振が響き、20.9%どまりで、昨年の第4シリーズの21.5%を下回った。

 今話では、第9話のラストで倒れた大門未知子(米倉)が後腹膜肉腫ステージ3で、処置しなければ余命3カ月と判明。一方、食道がんステージ4Aと診断された日本医師倶楽部会長・内神田景信(草刈正雄)のオペは困難を極めるため、地方に飛ばされていた“腹腔鏡の魔術師”加地秀樹医師(勝村政信)が、「成功したら外科部長昇進」を交換条件に、東帝大学病院に戻ってくる。加地は影武者として、未知子に協力を要請するが拒否される。蛭間重勝病院長(西田敏行)は表向き、執刀医を内神田の息子である新米医師・西山直之(永山絢斗)とし、未知子の協力を取り付ける。

 しかし、病院への出勤途中に未知子は痛みに襲われ、不在のまま、手術が始まったが、患部の状態が悪く、あわやインオペ(手術不能)というところで未知子が登場。体調不良の中、手間取った未知子だが、手術は無事成功。だが、未知子は手術室を出るなり倒れ、緊急オペとなるが、執刀医には西山を指名。難手術となったが、未知子がハイブリッド人工血管を用意させていたことが功を奏し、命は救われる。

 その後、内神田と蛭間は、人工知能診断システム「ヒポクラテス」導入に関する収賄容疑で、東京地検特捜部に逮捕される。また、内神田が圧力をかけたため、神原名医紹介所は閉鎖され、国内に行き場を失った未知子は、キューバに渡り、クバナカン医科大学で新たなスタートを切るというラストだった。

 テレ朝としては、3年ぶりの25%突破にしてやったりだろうが、ネット上では同局のやり方に批判も噴出した。というのは、最終回放送2日前の12日、同局は『ドクターX』シリーズそのものの“終焉”を思わせるような告知をしたからだ。

 それは、米倉の最終話に向けたコメントとして掲載された、「この後に名医紹介所のセットも本当に壊れるのよね」「私自身、こんなに長いシリーズに出演するのは初めてでした」「最後だと思うと、心の中では不思議な気持ちや悲しい気持ちが入り乱れます」といった内容。いかにも、『ドクターX』が今シリーズで終わるかのような思わせぶりなリリースで、ファンを混乱させてしまったのだ。では、『ドクターX』は本当に終わってしまうのだろうか?

「『ドクターX』は、今やテレ朝にとっては、水谷豊の『相棒』を超える大看板。今どき、20%を超えるドラマなんて、そう簡単につくれませんし、CMスポンサーからは数年先の予約も受けているような状態だといいます。テレ朝側から望んで終わらせる理由などなく、米倉には当然続編オファーをかけるはずです」(スポーツ紙記者)

 視聴者からは、初登場となった猪又孝外科副部長役の陣内孝則不要論や、人気キャラクターの加地医師をレギュラーから外したことなどで批判もあった。それでも、平均視聴率は20%を超え、マンネリといわれながらも、根強い人気を示した。続編があるかどうかは、米倉の腹一つといえそうだ。
(文=田中七男)

視聴率狙い?『先に生まれただけの僕』櫻井翔・校長、ザ・ジャニーズ・エンターテイメントなダンス披露!

 お肌の調子が復調気味の嵐・櫻井翔が私立高校の校長役を演じるドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)の第9話が9日に放送され、平均視聴率8.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.4ポイントダウンとなってしまいました。

 今回は開始早々、バスケ部顧問の河原崎孝太郎(池田鉄洋)が校長室にトラブルを持ち込んできます。前回、部活動強化のため鳴海涼介(櫻井翔)が雇ったバスケ部の専属コーチ・熱川翔(松田悟志)が勝手に遠征を組んだことや、練習が厳しすぎることに対して保護者たちからクレームが殺到しているというのです。

 しかし、鳴海が実際に保護者たちと面談したところ、熱川の熱血指導に生徒たちは好感を抱いているとのこと。問題は遠征費が5万4千円と高額すぎる点で、学校から4万円を負担してくれと無茶な要求をされ、鳴海は頭を抱えてしまいます。

 一方、職員会議では、受験生をいかに増やすかが議題に。定員割れを起こさないためには少なくとも個別相談の段階で千人の受験生に接する必要があるとのことで、そのためのアイデアを教師たちが出した結果、時間の都合がつきやすい夕方に相談会を実施することやチラシ配り、ブログ発信をすることが決定します。

 通常業務にプラスして上記の仕事もこなさなければならなくなったため、鳴海の負担は大きくなるばかり。ただ、出向元の樫松物産の先輩社員と久しぶりに酒を酌み交わした際、いつしか自分が校長業務にやりがいや充実感を抱いていることを認識します。また、バスケ部の遠征費60万円(バスケ部部員15人×4万円)を負担する代わり、それを“活き金”にする案も思いつくのです。

 鳴海は後日バスケ部員たちを招集し、遠征費は学校側が負担するのではなくバスケ部の借金になると言い出します。そして今後、1試合勝つごとに1万円がチャラになると説明。実質的には勝とうが負けようが借金返済にはなりませんが、60勝すれば強豪校として名が知られるようになり受験生が増える、という算段から導き出した案でした。この提案にバスケ部員たちが納得したことで一見落着……のように見えますが、すでに他の部活動からも「うちにも金を回せ」と不満の声が寄せられており、その件については先送りのようです。

 悩みは尽きない鳴海ですが、そこへ追い打ちをかけるように樫松物産の専務・加賀谷圭介(高嶋政伸)から会社に戻るか、あるいは退社して校長職を続けるかの二者択一を迫られます。また、ほったらかしにしてしまっていたフィアンセ・松原聡子(多部未華子)からは突如として電話で別れを告げられ、公私ともに激しい嵐が巻き起こったところで終了となりました。

 前々回と前回は生徒ひとりの悩みにつきっきりで学校経営が疎かになってしまっていた鳴海ですが、今回はガッツリと着手。しかし、経営者としてどうなの? と頭を傾げたくなる対策ばかりが目につきました。

 まず、バスケ部の遠征費問題。保護者たちに押し切られるカタチでしたが、経営不振に陥っている学校がそんなにポンポン出費しても大丈夫なんですかね。“1試合勝つごとに1万円”と提案していましたが、そもそも熱川はバスケ部のレベルが低すぎて周囲の高校とは差が開きすぎていると感じ、同レベルの高校と試合をするためにわざわざ遠征プランを立てたのです。弱小校相手に勝利を重ねたところで投資に見合うだけの宣伝効果は得られそうにもありません。しかも、バスケ部に出資したことで他の部からクレーム殺到。その場しのぎの対応が負の連鎖をつくる最悪のパターンに陥ってしまいました。

 また、個別相談の人数を増やすためのチラシ配りなども、鳴海だけでなく他の教師たちの負担もあまりに大きく、生徒たちからは「京明館高校ってブラック企業なの?」と失笑されてしまう始末。養護教諭の綾野沙織(井川遥)が担当することになったブログも、自分のことを“サオリン”と書いていることに「キモい」と陰口を叩かれるなど、経営再建に効果的なことは何ひとつとして取り組めていない印象でした。

 次回でフィナーレを迎えますが、不完全燃焼で終わる気がしてなりません。視聴率的にも今をときめく嵐・櫻井が主演を務めている割に低調気味。それを危惧してか今回、鳴海に片想いする真柴ちひろ(蒼井優)の妄想というカタチで、レストラン内でフラッシュモブが始まり、鳴海がザ・ジャニーズ・エンターテイメントな華麗なダンスを披露する見せ場をつくっていましたが、恐らく喜んだのは櫻井ファンだけでしょう。ストーリーに関係のないシーンがあまりに唐突に挿入されたため、違和感しか感じませんでした。

 なにはともあれ次回でラスト。どう着地するのか、しっかり見届けたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

 

『ひよっこ』再結集の『ユニバーサル広告社』が“激コケ”! 沢村一樹は代表作『DOCTORS 最強の名医』で復権なるか

 今クール、テレビ東京系で放送された「金8」ドラマ『ユニバーサル広告社』(沢村一樹主演)はズタボロな視聴率で終わった。

 同作は、沢村が主演、和久井映見がヒロイン、そのほか三宅裕司、やついいちろうが出演し、9月までオンエアされたNHK連続ドラマ小説『ひよっこ』の主要キャストが集結。脚本家も、『ひよっこ』の岡田惠和氏が担当するとあって、注目を集めていた。

 ところが、初回で4.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)とつまずくと、第2話4.4%、第3話4.1%、第4話3.8%と低迷。第5話では5.0%まで上げたが、第6話は3.3%と急降下。最終回(第7話)は2.9%まで落ち込んで、さびしく幕を閉じた。全話平均は4.0%で、壮絶爆死を遂げた格好。

 同ドラマは、最近では珍しくなった“正統派”のアットホームなもので、コメディ要素もなし。岡田氏らしい、ほのぼのとした作品だったが、今の時代には、なかなか受け入れられなかったようだ。

 テレ東もいたく力を入れたドラマだったが、想定外の大コケで士気は下がり、沢村にとっては“黒歴史”となってしまった。

『ひよっこ』では、主人公・谷田部みね子(有村架純)の父親役を演じ、改めて、その存在感を示した沢村だが、前回の主演ドラマ『レンタル救世主』(日本テレビ系/昨年10月期)も平均7.2%と爆死している。主演した連ドラが2作連続でコケる事態になり、沢村の“主役”としての評価もぐらつくところだ。

 そんな折、沢村にとっては、そういったマイナスイメージを払拭するチャンスが訪れる。来年1月4日に、テレビ朝日系の新春ドラマスペシャルとして、自身の代表作である『DOCTORS 最強の名医』が放送されるからだ。

 同ドラマは2011年10月期に第1シリーズが放送され、平均14.8%の高視聴率をマーク。第2シリーズ(13年7月期)は、第1シリーズを上回る平均18.3%を記録。第3シリーズ(15年1月期)も平均14.4%をマークした。13年6月、15年新春のスペシャルも高視聴率を挙げており、安定した人気を誇っているだけに、今回のスペシャルも期待は大。沢村にとっては、代表作で、その存在をアピールしたいところ。

 同ドラマで、沢村は患者に優しい笑顔を見せる一方で、非情な一面も持ち合わせる“スゴ腕外科医”相良浩介役を演じ、森山卓医師(高嶋政伸)と対立を続けてきた。舞台となる堂上総合病院の院長・堂上たまき役を演じてきた野際陽子さんが亡くなったため、たまきはブータンでの開業を決意し、日本を離れたとの設定。新院長には森山が就任し、さらに激しいバトルが繰り広げられることになりそうだ。

 ファンの間では、『DOCTORS』の連ドラでの復活が熱望されているようだ。沢村は来年のNHK大河ドラマ『西郷どん』に出演するが、スケジュール調整すれば、民放で連ドラ主演も可能だろう。テレ朝には、続編実現へ向け動いてほしいものだが……。
(文=田中七男)

『ひよっこ』再結集の『ユニバーサル広告社』が“激コケ”! 沢村一樹は代表作『DOCTORS 最強の名医』で復権なるか

 今クール、テレビ東京系で放送された「金8」ドラマ『ユニバーサル広告社』(沢村一樹主演)はズタボロな視聴率で終わった。

 同作は、沢村が主演、和久井映見がヒロイン、そのほか三宅裕司、やついいちろうが出演し、9月までオンエアされたNHK連続ドラマ小説『ひよっこ』の主要キャストが集結。脚本家も、『ひよっこ』の岡田惠和氏が担当するとあって、注目を集めていた。

 ところが、初回で4.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)とつまずくと、第2話4.4%、第3話4.1%、第4話3.8%と低迷。第5話では5.0%まで上げたが、第6話は3.3%と急降下。最終回(第7話)は2.9%まで落ち込んで、さびしく幕を閉じた。全話平均は4.0%で、壮絶爆死を遂げた格好。

 同ドラマは、最近では珍しくなった“正統派”のアットホームなもので、コメディ要素もなし。岡田氏らしい、ほのぼのとした作品だったが、今の時代には、なかなか受け入れられなかったようだ。

 テレ東もいたく力を入れたドラマだったが、想定外の大コケで士気は下がり、沢村にとっては“黒歴史”となってしまった。

『ひよっこ』では、主人公・谷田部みね子(有村架純)の父親役を演じ、改めて、その存在感を示した沢村だが、前回の主演ドラマ『レンタル救世主』(日本テレビ系/昨年10月期)も平均7.2%と爆死している。主演した連ドラが2作連続でコケる事態になり、沢村の“主役”としての評価もぐらつくところだ。

 そんな折、沢村にとっては、そういったマイナスイメージを払拭するチャンスが訪れる。来年1月4日に、テレビ朝日系の新春ドラマスペシャルとして、自身の代表作である『DOCTORS 最強の名医』が放送されるからだ。

 同ドラマは2011年10月期に第1シリーズが放送され、平均14.8%の高視聴率をマーク。第2シリーズ(13年7月期)は、第1シリーズを上回る平均18.3%を記録。第3シリーズ(15年1月期)も平均14.4%をマークした。13年6月、15年新春のスペシャルも高視聴率を挙げており、安定した人気を誇っているだけに、今回のスペシャルも期待は大。沢村にとっては、代表作で、その存在をアピールしたいところ。

 同ドラマで、沢村は患者に優しい笑顔を見せる一方で、非情な一面も持ち合わせる“スゴ腕外科医”相良浩介役を演じ、森山卓医師(高嶋政伸)と対立を続けてきた。舞台となる堂上総合病院の院長・堂上たまき役を演じてきた野際陽子さんが亡くなったため、たまきはブータンでの開業を決意し、日本を離れたとの設定。新院長には森山が就任し、さらに激しいバトルが繰り広げられることになりそうだ。

 ファンの間では、『DOCTORS』の連ドラでの復活が熱望されているようだ。沢村は来年のNHK大河ドラマ『西郷どん』に出演するが、スケジュール調整すれば、民放で連ドラ主演も可能だろう。テレ朝には、続編実現へ向け動いてほしいものだが……。
(文=田中七男)

好評だった『刑事ゆがみ』主人公のキャラ崩壊とミステリー構築の失敗で残念な最終回に

 14日、ドラマ『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)も最終回を迎えました。視聴率は6.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と最後まで低調でしたが、評判は悪くないようです。

 さて、この作品については第1話から「面白いから見たほうがいいよ」と言い続けてきましたが、基本的に、その感じは最後まで変わっていません。最終回も、演出はカッコよいですし、弓神(浅野忠信)と羽生くん(神木隆之介)が魅力的なキャラとして画面を駆け回っていました。ただ、ちょっとなー。ちょっとなー。という感想は否めないところで。振り返りましょうか。あんまり気が進まないんですが。

前回までのレビューはこちらから

 前回のレビューでも少し触れましたが、『刑事ゆがみ』は明確に2つのパートに分かれています。1つは、単話完結で主に女性脚本家が健筆を振るった1~4話と6~8話。これらの回では、事件関係者の心理的掘り下げと弓神&羽生のチャーミングなコンビネーションが前面に押し出されていて、すごく楽しめたし、個性的な刑事ドラマに仕上がっていました。題して、『刑事ゆがみと、その仲間たちの日常』。このシリーズだけで1年でも2年でもやってほしいくらい好きな作品です。

 もう1つは、5話と9話、そして今回の最終話で語られた『刑事ゆがみとロイコ事件』。ドラマオリジナルキャラである天才美少女ハッカー・ヒズミ(山本美月)の存在を軸に、7年前に発生した夫婦殺人事件と、その事件にそっくりな内容の小説『ロイコ』をめぐるミステリーです。原作にも同様の設定は登場しますが、ヒズミの存在そのものを含めて事件の設計は完全にオリジナル。脚本は同作のチーフ演出家である西谷弘さんの盟友・池上純哉さんでした。

 願わくば、『日常』編で丁寧に造り上げられた弓神&羽生のキャラクターが、大仕掛けである『ロイコ』編のミステリーに完全にハマって「これを見ないなんで人生損してる! 大傑作!!」とか書きたかったんですが、この仕掛けがよくなかった。よくなかったです。

 

■弓神の側から「ロイコ事件」を振り返る

 

 7年前に起きたロイコ事件の被害者は、フリーライターの河合武(渋川清彦)と、その妻・伊代(酒井美紀)。2人は『ロイコ』という小説になぞらえた形で殺害されました。容疑者として浮上したのは『ロイコ』の作者・横島(オダギリジョー)。世間を騒がして小説をベストセラーにするために夫妻を殺害したとされていましたが、事件の1週間後に焼身自殺。事件は闇に葬られました。

 ここからは、ドラマの仕掛けを時系列通りに並べ直して振り返ります。

 事件の第一発見者は弓神でした。夫妻の娘・和美(=ヒズミ)と面識のあった弓神は、和美から「ママが殺される」というメールを受け、自宅に急行します。

 すると、夫妻が血を流して死んでおり、12歳の和美の手には金属バットが握られていました。和美が父親を撲殺したことを察した弓神は、その罪を横島になすりつけて和美の将来を守ることにします。

 実は横島の小説は、すべて殺された武がゴーストとして書いていたものでした。なぜ有名人でもないし文章も書けない横島にゴーストが用意されていたのかわかりませんが、そういうことのようです。横島にも不満があったのでしょう。当てつけなのかなんなのか、武の妻・伊代をレイプしました。その結果、生まれたのが和美だったのです。

 レイプされた伊代は、なぜかそのとき被害届を出しませんでした。そのまま和美を産み、夫婦で育てます。しかし、夫の武は日に日に和美が「自分に似ていない」ことから伊代を疑いだし、「誰の子だ!」と迫ると、伊代はこれまで隠してきた横島によるレイプを白状。夫は通報しますが、伊代はここでも被害届を出しません。いわく「娘の父親を犯罪者にしたくない」から。まあこれはわからんでもないですが、レイプされた直後に通報しなかった理由は語られません。夫が横島のゴーストで生計を立ててたからかな。それだとちょっと、伊代さんにも同情しにくいかな。

 そのレイプ事件から13年後に発生したのが、少女・和美による父親殺し事件でした。ちなみに旧強姦罪の時効は10年ですので、この時点で横島が伊代さんへのレイプで罪に問われることはありません。

 しかし、和美による殺人を隠ぺいすることを決めた弓神は、横島を脅し、犯人に仕立て上げます。「罪をかぶって、作品通り再現したカルト小説家として名を残すか、強姦魔として世間にバラされるか」を選べと迫るのです。

 横島は現場にいたわけでもないし、アリバイがありそうなもんですが、なぜか捜査線上に浮上しました。そして、弓神がでっち上げた「ベストセラーにするため」という動機だけで容疑者とされてしまいます。弓神以外、まったく誰も捜査しなかったのでしょうか。

 レイプの時効が成立しているのに、今さら殺人の罪をかぶることにした横島の気持ちもよくわかりませんが、弓神の工作についてはさらに不可思議です。

 偶然、管内で焼身自殺を図ったハタチそこそこの青年に、ちょっと焼いた横島の免許証を持たせて「ハイこれが横島です自殺しました、ロイコ事件は終わりです」との報告書を上げ、それが通ってしまいます。殺人事件の重要参考人が焼死体で見つかったというのに、司法解剖もしてない。身長、体重、歯型、血液型、その他もろもろ遺体の身元特定を何もせず、免許の物的証拠だけで断定してしまう。なんと杜撰なのでしょう。警察不信になってしまいます。

 こうして弓神という刑事は、父親を殺した少女を守るために、ひとりのレイプ犯を“私刑”に処したのです。横島を社会的に殺したのです。

 ここまで、弓神のやっていることは明らかに倫理に反しているし、職権の私的な濫用です。警察権力を振りかざして横島という人間を殺したのです。到底、共感できるものではありません。

 また、武がヒステリーを起こして伊代を殺し、和美が武を撲殺したという単純で突発的な事件の、どこがどう小説『ロイコ』になぞらえられていたのか。「現場にカタツムリの絵が残されていた」以外、どんな共通点があったのか。ドラマは、それを語ることを放棄しました。最終回まできて、「ロイコ事件」の「小説『ロイコ』と事件との関係」を投げ捨ててしまったのです。最初から、この仕掛けそのものが成立していなかったということです。

 

■そして7年後

 

 氷川と苗字を変えた和美に“ヒズミ”というニックネームを与え、生活の面倒を見続けてきた弓神は、横島の不穏な動きを察すると、ヒズミに「南の島に行こう」と提案しました。どうやら警察も辞めるつもりのようでした。

 12歳で父親を殺し、そのショックで記憶喪失と失語症を患った少女は確かに不憫です。しかし、最終話でも語られた通り12歳の児童が殺人罪に問われることはありません。

 そんなヒズミの「記憶を戻してはいけない」というのが弓神の考え方でした。記憶を失ったまま、言葉を失ったまま、南の島で自分が一生面倒を見ればいい……弓神のその考えも理解不能です。ヒズミに必要なのは適切な治療とカウンセリングでしょう。弓神が事件に関わりさえしなければ、心の回復を経て違う人生を歩んでいたかもしれない。少女の父親殺しの、その罪ともいえない罪をもっとも強く断罪したのも、また弓神だったということです。「俺が一生、面倒を見ればいい」という判断は、和美という少女から自由な人生を奪う行為でもあると思うのです。ここも設計として失敗していると感じさせる部分です。

 そういう刑事で、そういうドラマを作ろうとしたわけではないことは、重々承知しています。いろいろ考えてドラマチックなシーンを頭に描いて、整合性を取ってみたら弓神がひどい人物になっちゃっただけだとは思うんです。

 でも、だったら、ちゃんと作れないなら無理にミステリーを構築しようとしなければいいのに、と思うんです。せっかく好印象なドラマだったのに、仕掛けの至らなさでキャラクターの魅力まで台無しになってる。

 先に書いた『日常』編でも、こうした事件の粗は見られましたが、脚本が徹底的に人物に寄り添っていたので、見応えのあるドラマになっていました。しかし『ロイコ』編では、弓神の心情よりもミステリーの仕掛けに心血が注がれ、その結果、弓神のキャラクターが崩壊していた。さらに、弓神のキャラクターを崩壊させてまで組み上げたミステリーも破綻しているという、なんとも残念な最終回になりました。

 あと、いくら金属バットだからって、12歳の少女が一撃必殺で大人の頭蓋骨を割って殺すのは無理だと思うよ。日馬富士でも、たぶん一撃じゃ無理だと思う。以上です。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

ちょっと仲よすぎ!? 綾野剛と星野源の“蜜月関係”が尊い『コウノドリ』に波乱はあるか

 周産期母子医療センター(出産の前後を通し、産科と新生児科で連携した医療体制のとれる病院)を舞台に、医師や妊婦の喜びと悲しみ、生命の誕生の素晴らしさや難しさを描く医療ヒューマンドラマ『コウノドリ』(TBS系)。いつも以上にさまざまな人間模様が入り混じった第9話は視聴率12.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、今回も見事に安定。振り返ります。

 

■3度目の流産

 

 今回の妊婦は、過去2回の流産を経験している篠原沙月(野原麻帆)。3回目の妊娠をしたものの、今回も検査で子どもの心拍を確認できず、担当の産科医・鴻鳥(綾野剛)から流産を告げられる。

 過去の経験を引きずっている沙月は、どこかで覚悟もしていたのだろう「……はい」と、力なく、それでいて自分を納得させるようにうなずく。うれしいはずの妊娠がわかるたび、流産に怯えながら過ごす毎日は想像できないほど不安だろう。

「3回も流産するのって、私のせいですか?」と自らを責めるように言う沙月に、鴻鳥は、初期の流産はほとんどが母親が原因でないこと、さまざまな偶然が重なり起きたのだという見解を伝える。

 助産師の小松(吉田羊)も、自分のせいにしてしまう母親が多いが、そんなことはないと声をかけるが、3回目の流産ということもあって、沙月は不育症の検査を希望する。

 不育症とは、妊娠はするが流産や死産を繰り返し、結果的に子どもに巡り会えない状態。しかし、検査を受けても原因がわからないことが多いので、余計にストレスを抱えてしまう患者が多いという。

 カンファレンスにて、意見交換を行う医師たち。

 産科医・四宮(星野源)は、流産が珍しいものではないと知ってもらうのが重要だと訴える。実際、妊娠女性の15%は流産になってしまうらしく、さらに沙月の年齢の35才だと、それは25%にもなるという。

 確かに、こういう前知識があることで沙月のような女性が過剰に自分を追い込み、精神的に苦しんでしまうことの予防にはなるのかもしれない。

 しかし小松(吉田羊)は「確率の話をしたところで、お母さんの悲しみは埋まらないよ」と反論する。

 人一倍患者に寄り添う小松は、数字やデータとはまた違う、人と人との関わりにおいての意見が多い。翌日の手術前に「またさよならしなきゃいけないんですね……」とお腹をさする沙月を見て、手術中にそっと沙月の手を握る小松。

 後日、不妊治療外来の岸田医師(高橋洋)に、「ストレスをためないことが一番の薬」だと言われたのも辛そうだ。

 もちろん岸田の言っていることは正論なのだろうが、沙月が「別にためたくてためてるわけじゃないんですけどね」と小松に漏らしたように、一歩間違うと「ストレスをためた」沙月を責めているようにも受け取れてしまうのかもしれない。

 沙月は3年前に初の妊娠が発覚した時の母子手帳も捨てられずにいる。当時、眩しかったその「思い出」が、今は重く沙月にのしかかる。しかし、うれしかったその手帳を捨てることができず、忘れられないと。

 小松は、その沙月の気持ちを肯定する。

「無理に忘れる必要ないよ、だって今まで宿った子、みんな篠原さんの子なんだから」

 沙月に響いたようだが、闇の中を一人歩くような沙月を完全に照らすことはできないようだ。

 

■夫も悩んでいる

 

 精神的にかなりかなり参っている沙月をなんとか励まそうと、夫の修一(高橋光臣)は「俺はさ、子どもがいない2人だけの人生もいいと思ってる。2人なら好きなことできるし……」と語りだすも、すぐさま「全然うれしくないよ、慰めになってない」と沙月に遮られ、どう接していいのかすらわからなくなってしまう。

 修一は悩んで鴻鳥を訪ねる。

「苦しんでる妻に何もしてやれないんです」

 そして「自分の役目は今までのことを忘れさせてあげることなんでしょうけど」と語る修一に「忘れなくていい、忘れる必要はないと思います」と語る鴻鳥。

「僕は、出産は奇跡だと思っています。こんなに医学が進歩したのに、いま篠原さんご夫婦が悩んでる問題は、未だに原因がはっきりしていません。医者の僕たちでさえ、できることが少ない……。でも修一さんが『奥さんに寄り添って笑顔にしてあげたい』『近くでなんとかしてあげたい』って必死に頑張ってる姿は、奥さんにとって一番の治療になるんだと思います。そしてその思いは、きっと明日につながります」

 鴻鳥の言葉に後押しされたのか、沙月の好きなBABYの曲をピアノで練習しだす修一。それを見た沙月は、どんな医師のアドバイスや検査よりも励まされたようで、自分の味方がすぐ近くにいたことを再確認し、心が軽くなって涙を流す。

 後日、不育症の検査結果は異常なし。つまり原因はわからない。戸惑う篠原夫妻に、鴻鳥は言う。

「不育症の原因がわかって治療した女性が出産できる確率は85%です。原因がわからなくて治療した女性が出産できる確率は85%です」

「つまり、篠原さんは次の赤ちゃんを妊娠して出産に臨めるということがわかったんです。……でも不安ですよね、怖いですよね……」

 これを聞いた沙月は泣きながら気持ちを吐き出す。

「妊娠してないってことがわかると、少しホッとする自分がいて、一瞬でもお腹の中に赤ちゃんが宿ることが怖くて、こんなんじゃ母親になる資格ないですよね」

 子ども好きな夫に、子どもを産んであげられないのが一番つらいと謝る。修一も何もしてやれないことを詫びる。どちらも、もちろん悪くないのだが、お互いフタをしていた気持ちをさらけ出せたようだ。

「次はきっと大丈夫! 本当につらい経験をしたふたりだからこそ大丈夫。だって篠原さんには、こんな近くに世界一の味方がいるじゃないですか?」

 安易な励ましにも聞こえるが、しかし、底なしの不安に溺れる沙月のような症状の女性にとって、どんな専門家より、味方がそばにいることの心強さは勝るものなのだろう。

 ナレーションで鴻鳥が言う。

「人は必ず、誰かがそばにいて、誰かのそばにいる」

 結局、沙月はめでたく再度妊娠をし、子どもの心拍も確認、ここからまだわからないながらも、明るい未来につなげる結末を見せてくれた。

 

■下屋の成長

 

 産科、新生児科と研修をしてきた新人研修医・赤西(宮沢氷魚)は今週から救命科で研修を受けるようで、下屋(松岡茉優)と再度仕事をすることに。

 産科医師としてステップアップするために救命科に飛び込んだ下屋だが(第5話)、今でも加瀬(平山祐介)にどやしつけられている毎日。ついこの前まで産科医として指導してきた後輩・赤西の前でどやされ、使いものになっていない姿をさらすのはどれだけきついだろうか。

 そんなある日、妊娠高血圧症候群で倒れた妊婦が搬送されてくる。妊婦ということで、やや勝手の違いに戸惑う加瀬や救命部長の仙道(古舘寛治)を前に、下屋は緊急帝王切開を提案する。

「確かに血圧を下げることが母体には必要ですが、そうすると胎盤の血流も減少して赤ちゃんが低酸素になるリスクがあります」

 この時の下屋の気迫に押される加瀬や仙道。鴻鳥も四宮も来られない状況の中、元・産科、現・救命の落ちこぼれチームが緊急カイザーに挑む。この時の赤西が下屋を見る目が「尊敬」と「好意」が入り混じって、実によかった。

「加瀬先生、私はまだ救命医として使いものにならないこと、よくわかってます。でも赤ちゃんのことは任せてください! だから母体のことはよろしくお願いします」

 下屋の思いを「わかってるよ」と笑いながら受け止める加瀬。

 白川も小松も、いつもきつく当たってくる救命部長も見守る中、下屋の手術を行う。さながら「下屋の逆襲」だ。

 無事手術の終わった後、心配して駆けつけた鴻鳥に仙道が笑顔で言う。

「下屋先生がいてくれて、今回は助かった。言っとくけど『今回は』だからね」

仙道「彼女は救命医になれるかな?」

鴻鳥「どうですかね、ただ下屋は打たれ強くて図々しいです。それと、よく食べます(笑)」

 実際、「手術後なのによく食えますね?」と赤西に呆れられながら弁当を幸せそうに食べるシーンが、今回あった。

「ははは、じゃ、ここで使える駒になるかもな」と笑って立ち去る仙道に、きっちり頭を下げる鴻鳥。元・上司として、これほどうれしいことはないだろう。

 しかし、さんざん産科にきついことを言った仙道だが、急に優しくされると必要以上にキュンとしてしまう。DVの男がたまに優しさを見せる手口に通じるものがある。

 

■能登、ふたたび

 

 ステージ4の肺がんである四宮の父・晃志郎(塩見三省)が再度倒れたため、再び故郷の能登へ飛んだ四宮。ベッドで苦しそうにしている自分を心配する四宮(息子)に対し「俺は大丈夫だ。お前こそ自分の患者を放り投げて来たんだろ? すぐに帰れ」と強がる晃志郎。

 しかも、担当している妊婦の手術をすると言いだす始末。今の状態でできるわけがないと妹の夏実(相楽樹)が止めるが「できる! できるに決まってる!」と頑なに譲らない。

 しかも、そのタイミングで妊婦に早期胎盤剥離の疑いが発覚、緊急帝王切開手術の必要性が。あくまで自ら手術をしようとする父親の本気の姿を見て、四宮は決断する。

「わかった、俺がやる」「医院長に許可とってくれ」

 病をおしてまで現場に立とうとし、その町の出産を守ろうとする、父であり先輩医師である晃志郎の姿が、かつて患者を亡くして(前シーズン・9話)以来、塞ぎ込みがちだった四宮の心を溶かしていくようだ。

 だが、妊婦の夫は、急に現れた「東京の医師(四宮)」を受け入れられない。そこへ、夏実に支えられて現れた晃志郎が言う。

「うちの息子、信じてやってください。東京で立派に産婦人科の医者やってます、だから大丈夫です」

 表情は特に変わりはしなかったし、何も言わなかったが、四宮は、とてもうれしかったはずだ。

「春樹、頼むな」

『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』(1989)でショーン・コネリー演じる父親が、宝に目が眩んだ息子の目をさますために、ずっと「ジュニア」と呼んでいたのに「インディアナ」と呼ぶシーンを思い出した。

 四宮が勤めるペルソナに比べ、はるかに設備の足りない病院で行う手術。助手も専門の医師ではなく、慣れない整形外科医の年配の医師が担当。しかし四宮は、いつになく熱く燃えていたように見える。

 無事手術が終わったあと、晃志郎の病室で四宮が素直に言う。

四宮「父さん、よくここで医者続けてきたな」

晃志郎「ここが、好きだからな」

 この時、四宮は、自分が現場を離れ、大学で研究に専念すべきかどうかというということに答えを出したのではないか。

 帰ろうとする四宮に「春樹、まだまだ、お前には負けんぞ」。

 父の一言一句が四宮に響く。

「何言ってんだよ」、そう言い返すのが精一杯の四宮。

「ありがとな」と震える手を差し出し、握手をする親子。こんな時間が持てる親子は幸せだろう。

 

■白川へ送る言葉

 

 短いシーンだが、小児循環器科での研修のため、研修先が決まり次第出ていくことが決まっている白川(坂口健太郎)に、上司の今橋(大森南朋)が語った言葉が良かった。

 わがままを謝る白川に、「正直、羨ましいと思ってる。僕はずっとここ(ペルソナ)から出たことがないから、ここを出て勉強したいと思ったことはあるけど、白川先生みたいに行動に移せなかった。だから白川先生の考えはすごい勇気だと思っている。その勇気がきっと成長させてくれるはずです。……僕もわがまま言っていいかな? またここに戻ってきてほしい、その時は今みたいな先輩と後輩の関係じゃなく、同じ立場で小さな命を一緒に救いたい」

 この言葉で、自らの失敗をきっかけに出ていく後ろめたさを持つ白川の心がどれだけ軽くなっただろうか。原作ではもっとクセの強い今橋だが、今回は患者に寄り添いすぎる小松をさりげなく心配し飯に誘うなど、絵に描いたような「頼れる上司」だ。今回、特にそれが目立った回だった。

 

■今週の四宮と鴻鳥

 

 四宮は忙しい中、帰郷するその罪悪感からか、引き継ぎ事項を事細かく伝えようとするが、鴻鳥は、「僕は四宮ほど、患者のカルテを丁寧に書いてる産科医を他に知らない。だから心配するな」と送り出す。

 そう言われて「ありがとう」でも「すまん」でもなく、「わかった」と答える四宮。

 他にも、帰って来た四宮の報告に「うらやましいな」と寂しく言った鴻鳥を見つめる四宮もよかった。鴻鳥は父親も母親も知らずに育ったからだ。もう2人が対立することも、今シーズンは特になさそうだ。

 今回の最後、下屋が「私は絶対、2人を超えますから!」と宣言したのを受けて、

「下屋のくせに100年早い」

「でも楽しみだね」

 と、2人で肩を並べて去って行く姿は、まるでコンビで活躍する藤子不二雄やゆでたまごのようでした。

 また今回、四宮の同期である倉崎医師(松本若菜)の回想シーンにおいて、新人時代のあどけない2人も登場した。まだ四宮が心を閉ざす前で、仲が良かった頃だ。しかし、最近はその頃に近づいてきている、いやむしろそれ以上の蜜月関係にも見える。ちょっと仲よすぎな気もするので、もうひと波乱期待したい。

 今回は、不育症の話を軸に、今までの展開のその後を見せたり、四宮の決断への道筋を丁寧に見せたり、患者、医師、家族のそれぞれのドラマを描くなかなか入り組んだ脚本で、見ごたえのある回でした。ラストスパートに期待しましょう。
(文=柿田太郎)

『ドクターX ~外科医・大門未知子』オスカー新人女優の“プロモビデオ”状態で、ストーリーが不自然に!

 芸能事務所・オスカープロモーションの稼ぎ頭・米倉涼子が、フリーランスの天才外科医を演じるドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)第5期の第9話が7日に放送され、平均視聴率21.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回より0.6ポイントアップとなりました。

 今回の患者は、プリマドンナを夢見る13歳の少女・九重遥(井本彩花)。バレエの選考会を目前に控えるも足に痛みを感じ、祖父・節郎(大友康平)の付き添いで東帝大学病院を訪れます。すると、受付ロビーでフリーランスの麻酔科医・城之内博美に遭遇。遥は以前、博美の娘と同じバレエ教室に通っていたという縁があり、整形外科医・木元(きたろう)を紹介されるのです。

 検査の結果、遥の病態は有痛性外脛骨という大事に至らないものであると診断されます。しかし、その症状を博美から聞いた大門未知子(米倉涼子)は、スペインの病院に勤務していた時の経験から、舟状骨骨折の疑いがあると指摘。精密検査したところ、未知子の予想通りの症状が発見されるのです。

 舟状骨骨折を治療するには、金属のネジを患部にねじ込んで骨をくっつける必要があり、完治までには半年の時間を要するとのこと。バレエの選考会は諦めざるを得ないということで、遥は大きく落胆してしまいます。その姿に心を打たれた未知子は、なんとか選考会までに完治させられる方法がないか模索。そして、金属ではなく遥自身の骨でネジを作成することを考えつきます。“自家製造”したネジならば拒絶反応もなく、治癒も早いというわけなのです。

 ネジを作成するには精密機械が必要ということで、未知子は民間企業に依頼。着々と準備を進めるのですが、未知子のことを目の敵にしている日本医師倶楽部の会長・内神田景信(草刈正雄)の圧力がかかり、協力企業が手を引いてしまったことで計画がおじゃんになってしまいます。

 実は余命半年の食道がんを患っている内神田。前回、実の息子だと発覚した若手外科医の西山直之(永山絢斗)に自身のポジションを譲るため、フリーランスという身で日本の医療界の規律を乱す未知子を排除しようと企んでいるのです。

 窮地に立たされた未知子は、遥の持っている金属製のバレリーナのキーホルダーを見て、その精巧さに驚きます。そして、それを作ったのは、以前は町工場を経営していた節郎だということを知り、ネジを加工する精密機械を1週間以内に製作してくれと頼むのです。

 節郎が見事なネジ加工機械を製作したことで、遥のオペは無事成功。バレエの選考会にも参加できたのですが、結果は落選となってしまいました。しかし、全力を出し切れたことに遥は満足して晴れやかな表情を浮かべ、その姿を見た未知子は安堵。その後、息抜きに博美と共にショッピングを楽しむのですが、洋服を選んでいる最中に突如として昏倒したところで今回は終了となりました。

 さて感想ですが、今回は誰が見ても明らか。オスカーが新人・井本彩花を大々的に女優デビューさせるべく、強引にキャストにねじ込んだ回となりました。井本は、米倉もかつて参加して審査員特別賞を受賞した、全日本国民的美少女コンテストの今年度のグランプリ受賞者。小学校1年生の時からクラシックバレエを習っていたということで、その長所を活かすべく当て書きされ、それに応じてシナリオも構成されたのでしょう。

 井本を無理にストーリーの主軸に据えてしまったことで、未知子の行動に不自然さを感じてしまいました。これまでの回では、余命あとわずか、根治不可能な病に侵された患者を相手にしてきただけに、特に命には別条のない遥に肩入れする動機がイマイチわからないのです。スペイン時代に舟状骨骨折の診断ミスをしたということがチラっと明かされていましたが、具体的には何があったのか説明もなく、とってつけたような動機づけにしか思えませんでした。

 それと今回、内神田が末期の食道がんを患っていることが発覚したことや、西山を自身の後釜に据えるべく邪魔な未知子を排除しようとした展開にも違和感を覚えました。これまでの放送で内神田が実に美味しそうにステーキを食べ、酒を飲んでいたのは錯覚でしょうか。それと前回、西山の方からカミングアウトされなければその存在すら知らなかったくせに、急に父親面するのも納得がいきませんでした。

 次回で最終話となりますが、「私は君のような異端者のオペは絶対受けない」と突っぱねていた内神田が結局、未知子に命を助けられて和解。ドル箱ドラマをここで終わらせはしないでしょうから、病魔に侵されている未知子も事なきを得て終了といったところでしょうか。ただ、人気キャラクター・加地秀樹(勝村政信)が復帰するとのことで、この点に関しては楽しみな回となりそうです。
(文=大羽鴨乃)

やはりクドカンは天才?『監獄のお姫さま』見事な伏線回収で、退屈だった第1話の輝きが増す!

“クドカン”こと人気脚本家・宮藤官九郎による復讐コメディードラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)の第9話が12日に放送され、平均視聴率8.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.6ポイントアップとなりました。

 まずは、これまでのあらすじを少し。2017年のクリスマス・イブ、元囚人の馬場カヨ(小泉今日子)、大門洋子(坂井真紀)、足立明美(森下愛子)、勝田千夏(菅野美穂)と元刑務官の若井ふたば(満島ひかり)の5人は、EDOミルク社・社長の板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐。その背景には、6年前に起こった横田ユキ(雛形あきこ)殺害事件の罪を、当時婚約者だった“爆笑ヨーグルト姫”こと江戸川しのぶ(夏帆)に吾郎が押しつけたことを証言させ、再審請求しようという目的があったのです。

 その吾郎・監禁シーンと、カヨたちが出会い親密になっていく女子刑務所シーンとが行き交うカタチでドラマは展開。前回は、カヨたちが吾郎への復讐計画を着々と練るものの、犯行プランを記したノートがふたばに見つかり没収されてしまうアクシデントが発生しました。また、仲間たちの仮出所が続々と決まり、遂にはカヨも刑務所を去る時がきたところで終了となったのです。

 今回は、カヨが仮出所する15年11月時点からスタート。誰の迎えもなく、カヨは寂しさを抱えながら街へ行きます。そして、その足でスマホを購入。出所前に仲間たちに教えておいたアドレスbabakayo~を設定して連絡を待ちつつ、新しい生活を始めます。

 一方、刑務所では、しのぶに対して同情心が湧いたふたばが、しのぶの息子・勇介(前田虎徹)を面会に連れて来て欲しいとしのぶの母・民世(筒井真理子)に手紙を書きます。しかし、これを民世から聞きつけた吾郎が面会に訪れ、しのぶの罪を咎めて精神的に大きなショックを与えてしまうのです。

 やがて月日が流れ17年4月。カヨは刑務所で知り合った“小しゃぶ”こと小島悠里(猫背椿)が店長を務める美容室で働き、波風の立たない平穏な日々を送っています。つまり、吾郎・復讐計画のメンバーたちからは一向にメールがこないのです。そのためカヨは、復讐ノートを没収された際にふたばから言われた、「シャバに戻ったら(復讐なんて)みんな忘れるよ」という言葉を思い出し、寂しい気持ちを抱いてしまいます。

 そんなある日、店の前でチラシ配りをしていたカヨの前に、全身黒ずくめの女が登場。よく見るとそれはふたばなのですが、ふたばは一切口を利かず、髪の毛のカットが終わると嵐のように去って行ってしまいます。しかし、ふたばが座っていた椅子には、カヨたちの犯行プランを綿密なものに修正した復讐ノートと折り紙でつくった手裏剣が残されているのです。

 その手裏剣には住所が記されており、恐る恐るカヨが向かうと、そこには吾郎・復讐計画のメンバーの姿が。そして実は、カヨが間違えてbakakayo~とアドレス設定したためにメールが届かなかっただけで、出所後も皆、復讐プランを忘れてなかったことが発覚。カヨは涙を流してよろこびます。

 再会をよろこぶ一同の前にふたばが現れたところで復讐計画がスタート。準備段階や第1話で放送された勇介&吾郎の誘拐シーンがジャンプカットで流れ、現在のシーンに辿り着きます。

 その現在である17年12月25日のシーンでは、ふたばが裁判官役になり、爆笑ヨーグルト姫事件の再審請求に先立つプレ裁判を開始。殺人事件の真相を暴く大詰めを迎えたところで今回は終了となりました。

 さて感想ですが、今回は第1話の伏線回収、というよりも時系列的にはタネ明かしといった方が正しいのかもしれませんが、犯行に至った経緯やその経過などのディテールが一気に明かされた回となりました。そして、内幕がわかったことやこれまでの放送によって、退屈に思えた初回の印象が大きく変わりました。

 第1話のレビューでは、「誘拐時のカヨたちのドタバタ劇も見ていられませんでした。ターゲットを間違える、車のエンジンがかからなくてピンチになるなど、素人でも考えられるようなどうしようもないトラブル続き」と酷評してしまいましたが、それぞれのキャラがわかった今では、初回の面白さが数倍増しに思えたのです。特にカヨと洋子のオッチョコチョイぶりは、第一印象では“テンポが悪い”でしたが、改めて見直すととてもユーモラスに感じられました。

 また、巧妙に散りばめられた細かなネタを挙げたらキリがなく、やはりクドカンは天才なのかなと。序盤レビューではサブカルネタのキレの悪さも指摘しましたが、それらすべてをひっくるめ、思いっきり手のひらを返して称賛したいと思います。

 次回でラストというのは寂しい限りですが、爆笑ヨーグルト姫事件の真相も気になるところ。果たしてどう決着がつくのか、放送が楽しみです。
(文=大羽鴨乃)