『ドクターX』好調の裏で、テレビ朝日“2時間ドラマ”消滅の危機!「そもそも、誰が朝から殺人事件なんか……」

 米倉涼子主演『ドクターX』の平均視聴率20%超えに沸くテレビ朝日だが、一方で、長らく放送してきた2時間ドラマには寒風が吹いている。

「正直、4月の改編時点で、社内でも『もう2時間ドラマをやめたらどうか』という声が上がっていたくらいです。実際のところ、以前に比べて制作費が3分の2になったため、制作を請け負うドラマ制作会社がなくなってきているのが現状です」(テレビ朝日ドラマスタッフ)

 今年4月に、1977年から続いていた『土曜ワイド劇場』を、日曜10時から放送の『日曜ワイド』へと看板を掛け替えたテレ朝。

「改編時にも『そもそも、朝から誰が殺人事件のドラマなんか見るんだ!』とか『日曜の朝はアニメだろ!』とか、社内でもたくさんの意見が飛び交っていました。ただ、さっきも言ったように制作費が減ったことで、今まで2時間ドラマを制作していた会社も『利益が出ないので、もう制作できません』と言ってくるところが1社や2社じゃありませんでした。なので、スタジオを持っている東映さんや松竹さんが制作を請け負うことが多くなったんです」(同)

 実際、直近の17日に放送された高島礼子主演の『電卓刑事』も東映が制作している。

「数字も他局の同時間帯と比べると相当悪いですし、この時間帯はニュースやアニメが強いのはわかってるので、うちも“捨て枠”として考えてるんじゃないかとまで言われています。ゴールデンのドラマの視聴率も、一部の作品を除けば1ケタが当たり前の時代ですし、ネットドラマもだいぶ浸透してきましたからね。ただ、唯一現場にとってよかったのは、以前は2時間ドラマだと断られていた長塚京三さんや吉田栄作さんらが、こぞって『出演させてくれ!』って言ってきていることくらいですかね。他局も含めて2時間ドラマが少なくなっている今、より好みをしている余裕はないのでしょう」(同)

 時代の流れには逆らえないのかもしれない――。

やはりドル箱ドラマは手放せない?『ドクターX』史上最高に薄っぺらなシーズン、予想通りの結末を……

 米倉涼子がフリーランスの天才外科医を演じるドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)第5期も今回でラスト。平均視聴率25.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、有終の美を飾りました。

 前回の終了間際、ショッピング中に昏倒してしまった大門未知子(米倉)。検査したところ、余命3カ月の後腹膜肉腫を患っていることが判明。それを聞いた未知子の師匠・神原晶(岸部一徳)は、アメリカ・ボストンで最高の医療チームのオペを受けられるよう手を尽くします。

 一方、東帝大学病院では、医療界のトップに君臨する日本医師倶楽部の会長・内神田景信(草刈正雄)が、こちらも余命あとわずかという食道がんを患い入院。腫瘍を切除できるスキルをもつのは未知子だけなのですが、医療界の規律を乱す未知子のことを目の敵にしているため、他の外科医でオペを行うよう病院長の蛭間重勝(西田敏行)に命じます。

 東帝大学病院の威信を懸けた、絶対に失敗できないオペということで、蛭間は“腹腔鏡の魔術師”こと加地秀樹(勝村政信)を緊急招集。自信満々の加地の様子を見て安心するのですが、実は加地には未知子を助手につけようという魂胆があったのです。しかし、未知子は病気を理由にこれを拒否。それをきっかけに一気に自信を失った加地を見て不安を覚えた蛭間は、執刀医に内神田の実の息子・西山直之(永山絢斗)を指名します。

 しかし、内神田の病状を知った未知子は、「このオペは私じゃなきゃ無理」と判断して、執刀を決意。神原がせっかく用意してくれたボストンでのオペを断り、東帝大学病院へ向かうのですが、その途中で激痛に襲われ倒れ込んでしまいます。

 オペ開始予定時間になっても現れない未知子を待ちきれず、西山がオペをスタートさせるのですが、想定以上に切除困難な病巣に戸惑い、インオペ(手術中止)を決意します。

 そこへ、「ちょっと待った」とタイミングよく現れた未知子は、激痛をこらえながら見事なメスさばきを見せ、オペを無事に成功させます。しかしその直後、痛みに耐えきれず転倒。自身の緊急手術を西山に託すのですが、内神田と同じく切除困難な病巣を見て、西山は尻ごみをしてしまいます。

 ただ、未知子は最初からこうなることを予測し、自身のオペの術式と手順を書いたノートを残していたのです。そのノートを手にオペ見学室に駆け込んだ神原が西山に指示を与え、未知子はなんとか命を取り留めたのでした。

 後日、内神田と蛭間は収賄罪で逮捕。未知子は外科医としてのキャリアをスタートさせたキューバへ飛び、新たな生活を始めたところで終了となりました。

 さて感想ですが、序盤で“未知子、余命3カ月”と発覚した時点で興醒めしてしまいました。一応、気づかないうちに病魔に蝕まれる“サイレントキラー”という設定になっていましたが、あまりに突拍子がなくて強引な展開に思えたからです。そのため、愛弟子である未知子の身を案じた神原が号泣するシーンも、“お芝居をしてる”といった感じで、まったく感情移入できませんでした。

 そもそも、同ドラマはこれまでのシーズンの最終話でも、神原や麻酔科医・城之内博美(内田有紀)といった未知子の身近な人間が大病を患い、結果的に助かるというパターンが繰り返されてきただけに、どうせ今回も助かるんだろうな、という予測が容易にできました。ましてや、高視聴率を獲得しているドル箱シリーズを簡単に終わらせるわけはないでしょうから、完全に予定調和の結末といった感じでした。

 これが例えば、シーズンの中盤あたりで未知子の病気が発覚し、オペをするものの完全には腫瘍切除できず薬で散らす手段しかない。さらに、“米倉涼子が続編出演に難色を示す?”なんて情報が流れていれば、緊迫感が生まれて見方は変わったと思います。神原との師弟愛や博美との友情をより深く掘り下げることができたかもしれません。また、未知子がかつて神原から受けたような指導を施すことで、西山との師弟関係ももう少し濃密に描けた可能性がありますし、成長した西山が師匠の命を救うという見せ場にも繋がったのではないでしょうか。

 しかし、今回になって急に余命3カ月が発覚し、奇跡的なオペで命を取り留めるという展開では、最終回をインスタント的に盛り上げるご都合主義にしか思えないのです。今期は薄っぺらいストーリーが目立ちましたが、その極みといったところ。やはり、大門未知子の生みの親である脚本家・中園ミホが参加しなかったことが影響しているのでしょうかね。そう遠くない時期にまた続編が放送されると思いますが、今シーズン特に悪目立ちした米倉の後輩女優たちのゴリ押しも含め、ダメな部分が改められることを期待します。
(文=大羽鴨乃)

“クドカン天才説”撤回! 『監獄のお姫さま』最終回は、やっつけ仕事で不満の残るラストに

“クドカン”の愛称で親しまれる脚本家・宮藤官九郎による復讐コメディードラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)の最終話が19日に放送され、平均視聴率7.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.1ポイントダウンとなりました。

 まずは、これまでのあらすじを少し。2017年のクリスマス・イブ、元囚人の馬場カヨ(小泉今日子)、大門洋子(坂井真紀)、足立明美(森下愛子)、勝田千夏(菅野美穂)と元刑務官の若井ふたば(満島ひかり)の5人は、EDOミルク社・社長の板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐。その背景には、6年前に沖縄で起こった横田ユキ(雛形あきこ)殺害事件の罪を、当時婚約者だった“爆笑ヨーグルト姫”こと江戸川しのぶ(夏帆)に吾郎が押しつけたことを証言させ、再審請求しようという目的があったのです。

 その吾郎・監禁シーンと、カヨたちが出会い親密になっていく女子刑務所シーンとが行き交うカタチでドラマは展開したのですが、前回で回想シーンは終了。吾郎が監禁されている現場にカヨたちだけでなく、検察官検事の長谷川信彦(塚本高史)や吾郎の妻・晴海(乙葉)、ユキ殺害の実行犯でタイ人のプリンス(ナリット)らも集い、しのぶの再審請求に先立つプレ裁判が始まったのでした。

 その前回の終了間際、殺人事件当日の昼間に撮影された動画を見ていた長谷川が、パラセーリングを楽しむしのぶのヘルメットにカメラが設置されていることを発見。事件の手がかりになる映像が残っているのではないかと、沖縄へ足を運びます。

 運よく6年前の映像は残っていたものの手がかりは掴めず。落胆する長谷川ですが、吾郎のヘルメットにもカメラが設置されていることに気づきます。そして、その映像には吾郎の殺人教唆を裏づける証拠が残っていたのです。

 一方、カヨたちは正式な裁判を起こすため吾郎を一旦解放することに。しかし、拉致&監禁の被害届は出さないと約束した吾郎が、解放後すぐに裏切って被害届を出したため、全員が逮捕されてしまいます。

 その後、晴海の尽力によってカヨたちは不起訴処分になります。そして迎えた横田ユキ殺害事件の再審で長谷川が例の映像を提出。その映像には、プリンスにナイフを握らせて指紋を付着させ、しのぶが殺人を依頼しているように聞こえる会話を録音するようプリンスに指示を与える吾郎の様子がバッチリと収められているのです。

 追い詰められた吾郎は長谷川との問答の中で、「(ナイフの)鞘は海に捨てた」と失言。しかし、鞘にはわざわざプリンスの指紋を付着させたはずです。なぜ捨てる必要があったのか? となり、実際には自身がユキを殺害し、その際に鞘に指紋を付けてしまったため海に投げ捨てたことを告白。その瞬間、カヨたちの念願叶い、しのぶの無実が明らかになったのでした。

 その後、しのぶはひとり息子の勇介と再会を果たし、EDOミルク社の社長に就任。カヨは千夏の専属メイクになり、明美は死んだ夫が組長を務めていた指定暴力団の“姐御”に、洋子は女優に、ふたばは女子刑務所に再就職と、それぞれの道を歩み始めたところで終了となりました。

 前回、第1話の勇介&吾郎誘拐シーンの舞台裏を明かすことで見事な伏線回収をやってのけたクドカンですが、ドラマの盛り上がりはそこがピークだったようです。結局は吾郎が真犯人だったという、何のひねりもないラスト。前回のレビューで書いたクドカン天才説は撤回したいと思います。少なくとも、事件の真相究明の部分はやっつけ仕事にしか感じられませんでした。

 例えば、今回のストーリーで大どんでん返しにもっていくとしたら、吾郎が犯人じゃないという展開が一番有力ですよね。しのぶが真犯人でカヨたちを騙していたかあるいは二重人格だった、晴海が真犯人、ユキの自殺……。いくらでも選択肢はあったと思います。

 吾郎が真犯人でもそれはそれで構わないのですが、問題なのはナイフにプリンスの指紋を付着させた証拠映像。6年前になぜ警察は気づかなかったのでしょうか。しのぶのヘルメットに設置されたカメラの映像はチェックしたのに、吾郎の方はスルーというのはおかしいですよね。タイ語で会話してるから気づかなかったとか、しのぶがすぐに自供したからよく調べなかったとか言い訳めいたことがカヨたちの会話の中にチラッと織り込まれていましたが、まったく説得力がありません。

 真相追及の部分がないがしろにされてしまったため、しのぶがカヨたちに感謝の気持ちを伝えたり勇介との再会を果たすなど、本来なら感動的なはずの場面も感情移入できず。前回から期待値が高まっていた分だけ落胆が大きくなってしまい、残念な幕引きとなってしまいました。ただ、おばちゃんたちの鈍くさくも愛らしいキャラやワチャワチャ感を描くクドカンの手腕は秀逸だっただけに、同じキャストでの再結集に期待したいです。
(文=大羽鴨乃)

“クドカン天才説”撤回! 『監獄のお姫さま』最終回は、やっつけ仕事で不満の残るラストに

“クドカン”の愛称で親しまれる脚本家・宮藤官九郎による復讐コメディードラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)の最終話が19日に放送され、平均視聴率7.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.1ポイントダウンとなりました。

 まずは、これまでのあらすじを少し。2017年のクリスマス・イブ、元囚人の馬場カヨ(小泉今日子)、大門洋子(坂井真紀)、足立明美(森下愛子)、勝田千夏(菅野美穂)と元刑務官の若井ふたば(満島ひかり)の5人は、EDOミルク社・社長の板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐。その背景には、6年前に沖縄で起こった横田ユキ(雛形あきこ)殺害事件の罪を、当時婚約者だった“爆笑ヨーグルト姫”こと江戸川しのぶ(夏帆)に吾郎が押しつけたことを証言させ、再審請求しようという目的があったのです。

 その吾郎・監禁シーンと、カヨたちが出会い親密になっていく女子刑務所シーンとが行き交うカタチでドラマは展開したのですが、前回で回想シーンは終了。吾郎が監禁されている現場にカヨたちだけでなく、検察官検事の長谷川信彦(塚本高史)や吾郎の妻・晴海(乙葉)、ユキ殺害の実行犯でタイ人のプリンス(ナリット)らも集い、しのぶの再審請求に先立つプレ裁判が始まったのでした。

 その前回の終了間際、殺人事件当日の昼間に撮影された動画を見ていた長谷川が、パラセーリングを楽しむしのぶのヘルメットにカメラが設置されていることを発見。事件の手がかりになる映像が残っているのではないかと、沖縄へ足を運びます。

 運よく6年前の映像は残っていたものの手がかりは掴めず。落胆する長谷川ですが、吾郎のヘルメットにもカメラが設置されていることに気づきます。そして、その映像には吾郎の殺人教唆を裏づける証拠が残っていたのです。

 一方、カヨたちは正式な裁判を起こすため吾郎を一旦解放することに。しかし、拉致&監禁の被害届は出さないと約束した吾郎が、解放後すぐに裏切って被害届を出したため、全員が逮捕されてしまいます。

 その後、晴海の尽力によってカヨたちは不起訴処分になります。そして迎えた横田ユキ殺害事件の再審で長谷川が例の映像を提出。その映像には、プリンスにナイフを握らせて指紋を付着させ、しのぶが殺人を依頼しているように聞こえる会話を録音するようプリンスに指示を与える吾郎の様子がバッチリと収められているのです。

 追い詰められた吾郎は長谷川との問答の中で、「(ナイフの)鞘は海に捨てた」と失言。しかし、鞘にはわざわざプリンスの指紋を付着させたはずです。なぜ捨てる必要があったのか? となり、実際には自身がユキを殺害し、その際に鞘に指紋を付けてしまったため海に投げ捨てたことを告白。その瞬間、カヨたちの念願叶い、しのぶの無実が明らかになったのでした。

 その後、しのぶはひとり息子の勇介と再会を果たし、EDOミルク社の社長に就任。カヨは千夏の専属メイクになり、明美は死んだ夫が組長を務めていた指定暴力団の“姐御”に、洋子は女優に、ふたばは女子刑務所に再就職と、それぞれの道を歩み始めたところで終了となりました。

 前回、第1話の勇介&吾郎誘拐シーンの舞台裏を明かすことで見事な伏線回収をやってのけたクドカンですが、ドラマの盛り上がりはそこがピークだったようです。結局は吾郎が真犯人だったという、何のひねりもないラスト。前回のレビューで書いたクドカン天才説は撤回したいと思います。少なくとも、事件の真相究明の部分はやっつけ仕事にしか感じられませんでした。

 例えば、今回のストーリーで大どんでん返しにもっていくとしたら、吾郎が犯人じゃないという展開が一番有力ですよね。しのぶが真犯人でカヨたちを騙していたかあるいは二重人格だった、晴海が真犯人、ユキの自殺……。いくらでも選択肢はあったと思います。

 吾郎が真犯人でもそれはそれで構わないのですが、問題なのはナイフにプリンスの指紋を付着させた証拠映像。6年前になぜ警察は気づかなかったのでしょうか。しのぶのヘルメットに設置されたカメラの映像はチェックしたのに、吾郎の方はスルーというのはおかしいですよね。タイ語で会話してるから気づかなかったとか、しのぶがすぐに自供したからよく調べなかったとか言い訳めいたことがカヨたちの会話の中にチラッと織り込まれていましたが、まったく説得力がありません。

 真相追及の部分がないがしろにされてしまったため、しのぶがカヨたちに感謝の気持ちを伝えたり勇介との再会を果たすなど、本来なら感動的なはずの場面も感情移入できず。前回から期待値が高まっていた分だけ落胆が大きくなってしまい、残念な幕引きとなってしまいました。ただ、おばちゃんたちの鈍くさくも愛らしいキャラやワチャワチャ感を描くクドカンの手腕は秀逸だっただけに、同じキャストでの再結集に期待したいです。
(文=大羽鴨乃)

『女城主 直虎』は典型例……“低視聴率ドラマ”が絶賛されるメカニズム「でんでん現象」って!?

 2017年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』が12月17日に最終回を迎え、全50回の視聴率が12.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、大河史上ワースト3位だったことが判明。しかしネットには、番組終了を惜しむ声があふれ返った。視聴率だけを見れば“失敗”と捉えられても仕方のない数字だが、なぜ視聴率とネットの声が乖離するのか?

『おんな城主 直虎』は、戦国時代、女性でありながら男の名で家督を継ぎ、後に「徳川四天王」の一人に数えられた井伊直政を育てた井伊直虎の波瀾万丈の生涯を描いたドラマだ。『世界の中心で、愛をさけぶ』や『JIN-仁-』を手掛けた森下佳子が脚本を担当した同作は、初回こそ16.9%とまずまずのスタートを切ったものの、その後ジリジリと数字が右肩下がりとなり、8月には10.6%を記録。最終回も12.5%と数字が上がることはなく、全50話の視聴率は12.8%で、『花燃ゆ』(15年/井上真央主演)と『平清盛』(12年/松山ケンイチ主演)の12.0%に次ぐワースト3となった。

 テレビ界全体が視聴率低下に悩まされる中、1年を通じての平均視聴率が12.8%なら合格点のようにも思われるが、民放の番組関係者はこう語る。

「NHKの大河は、民放なら夢のようなラインナップで毎年勝負をしてきます。今回にしても女優陣が柴咲コウ、貫地谷しほり、菜々緒、若手俳優で菅田将暉、三浦春馬、高橋一生、尾上松也、さらに松平健や市川海老蔵も起用しています。大河ドラマの予算はケタ外れで、1話当たり6,000万円近く使っているといわれています。もちろん作品にもよりますが、民放の連続ドラマの1話当たりの制作費が2,000~3,000万円ですから、勝負になりません。近年、NHKは視聴率についてかなり上から厳しく言われると聞いていますので、12.8%では、合格ラインにはまったく届いていないでしょう」

 そんな中、最終回放送とともに、ネットには終了を惜しむ声があふれ、

「『直虎』最終話、SNSで称賛の嵐『いろいろ泣けた』『完』『終わっちゃった』」

「『おんな城主 直虎』ロスの声も、印象に残った今川氏真・尾上松也」

といった記事も登場した。数字的には振るわなかったにもかかわらず、なぜネットは賛辞の声で埋め尽くされるのか? ネットニュース編集者が語る。

「これはネットスラングで“でんでん現象”と言われているものです。ネットに書き込む人は、当然そのドラマを見ている人ですよね? 作品が気に入らなかった人は見るのをやめますから、第1話で賛否が分かれていても、“否”の人の割合はどんどん減っていき、最終回に近づくにつれて、賛辞の声ばかりになるのは当たり前です。深夜アニメの『伝説の勇者の伝説』という作品がその典型例であることから、でんでん現象と呼ばれています。今や番組制作者は、ネットの書き込みをとても気にしています。一度炎上したりすれば、番組の存続にも関わりますから。そんななか、ネット上で好意的な声を見れば、『我々の番組作りは間違っていない』と思ってしまいがちですが、素直に数字を信用したほうが賢明だと思います」

 来年の大河は『西郷どん』だが、ネットの書き込みには注意したほうがよさそうだ。

『女城主 直虎』は典型例……“低視聴率ドラマ”が絶賛されるメカニズム「でんでん現象」って!?

 2017年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』が12月17日に最終回を迎え、全50回の視聴率が12.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、大河史上ワースト3位だったことが判明。しかしネットには、番組終了を惜しむ声があふれ返った。視聴率だけを見れば“失敗”と捉えられても仕方のない数字だが、なぜ視聴率とネットの声が乖離するのか?

『おんな城主 直虎』は、戦国時代、女性でありながら男の名で家督を継ぎ、後に「徳川四天王」の一人に数えられた井伊直政を育てた井伊直虎の波瀾万丈の生涯を描いたドラマだ。『世界の中心で、愛をさけぶ』や『JIN-仁-』を手掛けた森下佳子が脚本を担当した同作は、初回こそ16.9%とまずまずのスタートを切ったものの、その後ジリジリと数字が右肩下がりとなり、8月には10.6%を記録。最終回も12.5%と数字が上がることはなく、全50話の視聴率は12.8%で、『花燃ゆ』(15年/井上真央主演)と『平清盛』(12年/松山ケンイチ主演)の12.0%に次ぐワースト3となった。

 テレビ界全体が視聴率低下に悩まされる中、1年を通じての平均視聴率が12.8%なら合格点のようにも思われるが、民放の番組関係者はこう語る。

「NHKの大河は、民放なら夢のようなラインナップで毎年勝負をしてきます。今回にしても女優陣が柴咲コウ、貫地谷しほり、菜々緒、若手俳優で菅田将暉、三浦春馬、高橋一生、尾上松也、さらに松平健や市川海老蔵も起用しています。大河ドラマの予算はケタ外れで、1話当たり6,000万円近く使っているといわれています。もちろん作品にもよりますが、民放の連続ドラマの1話当たりの制作費が2,000~3,000万円ですから、勝負になりません。近年、NHKは視聴率についてかなり上から厳しく言われると聞いていますので、12.8%では、合格ラインにはまったく届いていないでしょう」

 そんな中、最終回放送とともに、ネットには終了を惜しむ声があふれ、

「『直虎』最終話、SNSで称賛の嵐『いろいろ泣けた』『完』『終わっちゃった』」

「『おんな城主 直虎』ロスの声も、印象に残った今川氏真・尾上松也」

といった記事も登場した。数字的には振るわなかったにもかかわらず、なぜネットは賛辞の声で埋め尽くされるのか? ネットニュース編集者が語る。

「これはネットスラングで“でんでん現象”と言われているものです。ネットに書き込む人は、当然そのドラマを見ている人ですよね? 作品が気に入らなかった人は見るのをやめますから、第1話で賛否が分かれていても、“否”の人の割合はどんどん減っていき、最終回に近づくにつれて、賛辞の声ばかりになるのは当たり前です。深夜アニメの『伝説の勇者の伝説』という作品がその典型例であることから、でんでん現象と呼ばれています。今や番組制作者は、ネットの書き込みをとても気にしています。一度炎上したりすれば、番組の存続にも関わりますから。そんななか、ネット上で好意的な声を見れば、『我々の番組作りは間違っていない』と思ってしまいがちですが、素直に数字を信用したほうが賢明だと思います」

 来年の大河は『西郷どん』だが、ネットの書き込みには注意したほうがよさそうだ。

フジテレビ来春月9『海月姫』が“大爆死”濃厚で、伝統の「月9」枠に黄信号か

 フジテレビが来春の月9『海月姫』の出演者を発表。視聴率不振からの脱却を狙うフジテレビだが、メンバーと原作を見る限り、苦戦は避けられなさそうだ。

『海月姫』は、東村アキコ原作の漫画。「自分の外観には無頓着で常にスッピン、服装は主にスエット。全く自分に自信がなく、それどころか自分は女性として何の魅力もないと卑下して」(ドラマのHPより)いるという筋金入りの“クラゲオタク女子”のヒロイン・月海が、“女装男子”と“中年童貞”という兄弟に出会ったことで、少しずつ新しい自分や新しい生き方を見つけ──というストーリーで、原作は累計発行部数が400万部を超えている大ヒット作だ。

 フジテレビの月9といえば、『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』『ひとつ屋根の下』といった伝説のドラマや、『ラブジェネレーション』『ロングバケーション』『HERO』といった木村拓哉主演の名作を生んだ黄金の時間帯だったが、近年はそのブランドも崩壊。今年1月の『突然ですが、明日結婚します』(西内まりや主演)は、全話平均視聴率が6.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、現在放送中の『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(篠原涼子主演)も、8話までの平均が7.0%と、数字はまったく伸びていない。テレビ情報誌記者は、次作の『海月姫』についても悲観的な見方をする。

「まずヒロインの芳根京子は、朝ドラの『べっぴんさん』の“すみれ”で、マジメで辛気臭いイメージがついてしまい、家族向けドラマでは受けても、月9を見るようなF1(20~34歳の女性)やF2層(35~49歳の女性)に受けるタイプではありません。正統派の美人ですが、華がなさすぎます。芳根と同じアパートで暮らす『尼~ず』も、元SKEの松井玲奈や元グラドルの内田理央など、同性を惹き付ける要素が低いメンバーばかり。瀬戸康史だけで、どれだけ女性ファンを引っ張れるか……。そもそも『オタク女子』『女装男子』『中年童貞』という設定が見る人を相当選ぶので、いくら原作が大ヒット作とはいえ、一般的なドラマ好き女子に訴えるものがなく、男性に見てほしいのか女性に見てほしいのか、ターゲットがまったく見えません。『海月姫』は、2014年に能年玲奈主演で実写映画化されており、新鮮味も薄いので、相当苦戦することは間違いないでしょう。フジテレビは先ごろ、『めちゃ×2イケてるッ!』と『とんねるずのみなさんのおかげでした』の終了を発表しましたが、『海月姫』が大コケすれば、いよいよ月9でも“英断”が下されるかもしれません」

 2018年早々、フジテレビは厳しい局面を迎えることになりそうだ。

犯人探しをやめた日向先生が最後に向き合うのは? 実質的な最終回となった『明日の約束』第9話

「これは僕なりの教育です。今の時代、教師の立場は無力です。何かあれば保護者がすぐに騒ぎ立て、問題のある生徒を適切に指導することもできない。別に僕は体罰肯定派ではありません。生徒の間違った考えや行いに対して、相応のペナルティーを与えるということです」

 井上真央がスクールカウンセラーを演じる社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)の第9話。最終回直前ということで、日向先生(井上真央)を雁字搦めにしていた問題の数々がいっきに真相解明へと向かっていきます。実質的な最終回といえるほど、盛りだくさんな内容でした。視聴率がずっと低迷していたために打ち切りになることも想定していたのかなと勘ぐってしまう、怒濤のミステリー解決編となったのです。

 まず『明日の約束』の最大の謎は、誰が吉岡圭吾(遠藤健慎)を自殺へと追い込んだのかということ。心優しい圭吾がクラスで無視されるようになったきっかけを演出したのはクラス担任の霧島先生(及川光博)であることを知り、日向先生は驚愕します。日向先生には親切だった霧島先生ですが、実は恐ろしい悪の仮面ティーチャーだったのです。しかも自分では手を下さず、思わせぶりな発言で生徒たちを誘導し、あたかも圭吾をチクリ魔のように仕立てたのでした。子どもたちを思うがままに遠隔操作し、霧島先生はほくそ笑んでいたのです。

 問題のある生徒もしくはその兆候のある生徒への戒めだったと、仮面ティーチャーは告白します。でも、どうして霧島先生は圭吾を標的にしたのでしょうか?

 霧島先生は以前いた高校で女子生徒から告白されたことがあると語っていましたが、どうやらその女子生徒は霧島先生から拒絶されたことを逆恨みし、性的暴行を受けたとでっちあげたようです。その噂を圭吾の母・真紀子(仲間由紀恵)は耳にしており、「同じ問題を繰り返さないでくださいね」と霧島先生にクギを刺したのでした。真紀子のケアレス・ウィスパーが、愛する我が子を悲劇へと追い込んでいたとは……。

 真紀子以外の保護者からも散々に振り回されてきた過去がフラッシュバックしたらしく、霧島先生は整った顔を苦しそうに歪めます。今、いちばんカウンセリングが必要なのは霧島先生でしょう。仮面ティーチャーは、保護者からのクレームに反論しにくい学校教育の犠牲者のひとりでもあったのです。

 

■千尋の谷にチワワを突き落とす日向先生

 

 前回、真紀子と刺し違える覚悟で家を飛び出してきた圭吾の妹・英美里(竹内愛紗)ですが、父親(近江谷太朗)のお金でホテル生活を送り、落ち着いた様子です。英美里は児童相談所に保護されることを望んでいましたが、家を出るには両親への聞き取り調査など時間が掛かることを日向先生は伝えます。でも、家族から一定の距離を置くことで、自殺を考えていたときのような情緒不安定さはなくなったようです。英美里のことを心配していたバスケ部マネジャーの増田(山口まゆ)も、第1話で流血騒ぎを起こしたネグレクト母ともう一度きちんと向き合うつもりだと日向先生に告げます。子どもたちの前向きな姿が、日向先生の背中を押すのでした。

 自宅に戻った日向先生は、母親・尚子(手塚理美)から小学生の頃に強制的に書かされていた交換日記「明日の約束」を開きます。そこには【明日の約束「日向はママのことを、一生愛し続ける」必ず守るように。】というメッセージがありました。

「12歳になったとき、日記の返事を書くのをやめた。母はそのことを責めたけど、私は頑なに無視し続けた。これ以上できない約束を増やしたくなかったから」

 日向先生の心の声によって、『明日の約束』という番組タイトルは“できない約束はしない”という反語的な意味が込められたものだったことが明かされます。そんなとき、日向先生のスマホが鳴ります。第7話のラストで日向先生を殴り飛ばし、髪を鷲掴みにした本庄(工藤阿須加)からでした。「久しぶりに食事でもと思って」「もう二度とあんなことしない」と愛情に飢えたチワワのように擦り寄ってくる本庄に対し、日向先生はきっぱりと言い渡します。

「カズ、私たちはもう会わないほうがいいと思う。カズのせいじゃない、私の問題なの。3年も付き合ってたのに、私はカズと結婚したり家族になることをイメージしていなかった。私は今まで目をそらし続けてきたんだと思う。母親ともちゃんと向き合ってこなかったから。私はカズもそうなんじゃないかなと思うの。とにかく、今の私にはカズの約束に応えることができないから。本当にごめんなさい」

 クリスマスを直前に控え、千尋の谷へと突き落とされたチワワ、いや本庄でした。でも、本庄の表情はどこか清々しさも感じさせます。恋人だった日向が長年抱えていた問題の核心部分を突き止めたことがうれしいのです。溜め込んでいた感情を爆発させ、つい暴力を振るった本庄ですが、根はいいヤツです。勝手な臆測ですが、職場の後輩(草刈麻有)あたりと仲良くなるんじゃないでしょうか。

 日向先生の勤める高校はいじめが横行する悪の巣窟として世間からのバッシングに遭っていましたが、人気女性タレントが不倫した挙げ句に殺人を犯した事件が話題となり、マスコミもネット民もあっさりと興味の鉾先を変えてしまいました。嵐は過ぎ去ったようです。日向先生は英美里から頼まれて、小嶋記者(青柳翔)のいる「週刊ワイド」編集部へと向かいます。圭吾の母・真紀子が息子の部屋を盗聴していた音声データを預かるためでした。圭吾の肉声が残されているこの音声データは、最終回の重要なツールになりそうです。

 日向先生の前ではいつもメガネをして、タバコをくゆらせている小嶋記者ですが、どうやらこれは伊達メガネのようです。カウンセラーである日向先生に自分の内面を読まれないようWARUぶってみせている小嶋記者ですが、圭吾が自殺した原因は、母親である真紀子ひとりの責任ではないことに気づいている数少ない人間でした。高校を退学になる寸前だったバスケ部・長谷部(金子大地)の窮地を救ったのも、小嶋記者の取材力のお陰でした。日向先生と小嶋記者はもっと違う形で出逢っていれば、仲良くなっていたのかもしれません。

 

■向き合うのではなく、横に並ぶという気づき

 

 警察の捜査網をかいくぐり、逃亡生活を送っていた香澄(佐久間由衣)が久しぶりに日向先生の前に現れました。最後に霧島先生を襲うつもりだったけど、もうやめたと日向先生に告げます。圭吾が亡くなってから、ずっとこの問題に向き合ってきた2人は、話しているうちにある事実に気づきます。圭吾を死に追い詰めた真犯人を探し出しても意味のないことだと。結局、犯人探しは誰かひとりに責任を負わせ、自分は無罪であると思い込みたいエゴでしかないのだと。自分には関係がない。家庭の問題には口が出せない。学校教育の在り方に問題がある。みんながみんな責任回避する、そんな社会の歪みの隙間から、圭吾は暗い世界へと堕ちていったのかもしれません。

「うまく言えないけど、誰のせいで吉岡くんが死んだのかという考え方は間違ってた気がする。私のやるべきことは犯人探しじゃない」

 それが、日向先生が3カ月間かけて導き出した答えでした。警察に自首するという香澄に付き添った日向先生は、校長先生(羽場裕一)に霧島先生が裏で暗躍していた事実を報告し、そのことを裏付けるパソコン上の記録も提出します。自分がやった悪事の数々を細かく記録していた霧島先生の几帳面な性格が災いした格好です。日向先生は圭吾から自殺前夜に告白されていたことも校長に打ち明け、退職願を出すのでした。一緒に退職するはめになった霧島先生は怒りを通り越して、日向先生の手際のよさを褒めたたえます。

 自宅に戻った日向先生は、母親である尚子に対し正面から向き合うのではなく、キッチンで横に並んで一緒に夕食の準備を始めます。「ひなちゃん、昔からシチューが好きだったわよね」という母親の言葉に、この日の日向は笑顔で応えることができたのでした。

 せっかく第8話で6.0%まで回復した視聴率ですが(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、第9話は5.1%とまた下降してしまいました。でも、日向先生のやるべきことが犯人探しではなかったように、『明日の約束』が求めていたものも視聴率ではなかったのではないでしょうか。

 第9話のラスト、愛する息子・圭吾が自殺した部屋で、圭吾と同じようにロープを手にして佇む真紀子。息子が味わった孤独感と苦しみを真紀子も体験しようとします。最終回、さらに地獄の底へ堕ちていこうとする宿敵・真紀子を、日向先生は果たして救うことができるのでしょうか?
(文=長野辰次)

米倉涼子、『ドクターX』をやめたくてもやめられない事情とは……

 米倉涼子が主演を務めるテレビ朝日系の人気医療ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』第5シリーズの最終回(第10話)が14日に放送され、25.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の高視聴率を獲得した。全話平均は20.9%で、4シリーズ連続で大台を突破する快挙を成し遂げた。

 これだけ高い人気を誇るドラマだけに、続編を期待する声は大きいが、気になるのは、最終回を前にテレ朝を通じて米倉が意味深なコメントを残したことだ。

 それは、「この後に名医紹介所のセットも本当に壊れるのよね」「私自身、こんなに長いシリーズに出演するのは初めてでしたけど、(中略)最後だと思うと、心の中では不思議な気持ちや悲しい気持ちが入り乱れます」といった内容だった。

 視聴率をアップさせるために、同局がコメントを多少手直ししたとしても、「『ドクターX』シリーズ自体が、終わってしまうのでは?」と受け取られかねないコメントだっただけに、ファンのモヤモヤ感は晴れないだろう。

『ドクターX』は、2012年10月期に「木9」枠で、第1シリーズがオンエアされ、平均19.1%の高視聴率をマーク。その後、毎年、同枠で同期に放送されることが慣例となり、第2シリーズ(13年)は23.0%、第3シリーズ(14年)は22.9%と驚異的な数字を残した。

 しかし、米倉が役のイメージがつきすぎることを嫌い、同年末には結婚も控えていたため、同シリーズの封印を決断。米倉は年齢的なこともあり、女優業を一時休業し、早期の妊活を考えていたようだが、結婚生活はあっさり破綻して、事態が変わった。

 別居し、離婚協議に入った米倉は、15年12月5日に放送されたドラマスペシャル『家政婦は見た!』(テレビ朝日系)で、1年ぶりに女優復帰。その後、テレ朝の熱烈オファーに応える形で心変わりしたようだ。昨年7月3日オンエアのスペシャルで、『ドクターX』が復活し、22.0%の高視聴率を獲得、根強い人気を示した。そして、昨年10月期に、第4シリーズが2年ぶりに放送され、21.5%をマークした。

 これだけ視聴者に愛され続けている『ドクターX』が、本当に終わってしまうのだろうか? それは、米倉の腹一つといえそうだが、米倉側にはやめたくてもやめられない事情があるようだ。

「テレ朝としては、なんとしても続編を制作すべく、すでにオファーを出しているはずです。昨年の第4シリーズを実現させるため、同局は米倉の1話あたりのギャラを500万円までつり上げました。一般的な連ドラでの主役級のギャラは200万円程度ですから、超破格です。今回の第5シリーズに臨むにあたって、さらにギャラが跳ね上がったそうですから、テレビ業界ではVIPとなりました。しかし、ギャラが上がりすぎると、いいことばかりではありません。この結果、他局は米倉をドラマに使いたくても、とても手が出せなくなってしまったのです。ほかの役者のギャラとの兼ね合いがあって、米倉を起用するのが難しい状況になったのです。仮に、テレ朝と同等のギャラを出すとしたら、ほかの役者のギャラも上げざるを得ず、視聴率10%そこそこでは、とても割が合いません。ですから、結局、米倉は『ドクターX』を続けるしか道はないのでは? それがイヤなら、ほかの主役級の役者と同等のギャラに下げるしかなさそうです。さすがにそれは、したくはないでしょう」(スポーツ紙記者)

 現実として、米倉がテレ朝以外のドラマに出演したのは、昨年4月8日にオンエアされたフジテレビ系スペシャルドラマ『松本清張スペシャル かげろう絵図』が最後。連ドラとなると、13年4月期の日本テレビ系『35歳の高校生』以来、実に4年半もごぶさただ。

 そんなワケで、米倉は『ドクターX』をやめたくても、なかなかやめられそうにない。この先、テレ朝と米倉側の交渉に紆余曲折があっても、最終的にはテレ朝のオファーを受けざるを得ない可能性が高そうだ。ファンとしては、大門未知子役以外の米倉の演技を見てみたい気もするが……。
(文=田中七男)

15.7%『陸王』ストーリー停滞、最終回直前で「こはぜ屋」の誰もが信用できなくなっていく……

 17日に放送された日曜劇場『陸王』(TBS系)最終回直前の第9話は25分の拡大版でした。視聴率は15.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調ではあるものの、ちょっと伸び悩みな感じです。

 そして視聴率以上に、お話は停滞しています。正直、第6話のニューイヤー駅伝のくだりから急激に進展しなくなった物語にイライラが募るばかりです。瞬間瞬間の画面の強さや俳優さんたちの芝居の良さはあるので、ドラマが出力を失ったわけではありません。だからこそ、フラフラしてる宮沢社長以下こはぜ屋の面々が信用できなくなっていくのがつらいところです。

 というわけで、振り返りましょう。

前回までのレビューはこちらから

 世界的スポーツメーカーFelixの御園社長(松岡修造)に買収話を持ちかけられ、「すぐにでも3億出資する」と言われてホイホイと固い握手をかわしてしまった宮沢社長(役所広司)でしたが、社内からは当然のように猛反発。さらに、銀行の融資担当・大橋さん(馬場徹)からも「(買収されれば)相手の思い通りにするしかなくなる」と諭され、再びフラフラと迷いだします。いわく「買収を受け入れて陸王を続けるか、足袋屋に戻るか」の選択肢しかないといい、「俺は陸王を続けたいんだ」と決意を述べます。

 もっとも強く反発しているのが、これまで宮沢社長に理解を示してきた縫製おばちゃん軍団のリーダー・あけみさん(阿川佐和子)でした。

「私が会社を売ることに賛成することは絶対にない、絶対にない」

 と、大切なことなので2回言ったりします。今回、こはぜ屋パートでは、このあけみさんを説得するだけで、フルに1時間半を使います。長いよ。

 そもそもこのドラマは、こはぜ屋という老舗足袋業者が「100年の暖簾」とやらを“もう守れない”という状況から始まっています。足袋の需要が減って、もうこのままでは先も長くない。だから新規事業を始めなければいけない。よし、「陸王」で頑張ろう。そういう話だったのに、最終回前の大詰めまで来て「足袋屋に戻る」ことへの逡巡が語られる。「足袋屋に戻る」ことは、ドラマの序盤で「イコール倒産」と、すでに定義されているはずなのに、社員がそれを求め、社長も迷う。そりゃ気持ちがわからないわけじゃないけど、3話も引っ張られたら、さすがに嫌気が差してしまいます。あんなにキュートだった阿川さんも、なんだか憎たらしく見えてくる始末です。「感情論じゃどうしようもない」ということを視聴者に一度飲み込ませておいて、今さらそこをグチグチ言われても、ねえ……。

 

■急にアッパー素材が手に入りました

 

 一方、宮沢社長以上に陸王をあきらめられないのが、社長の息子・大地(山崎賢人)です。織物業者・タチバナラッセルの不義理によってアッパー素材の供給が止まることになって以来、一人であちこちの繊維業者、織物業者へ折衝に訪れては、門前払いされる日々。それでも、大地は陸王を作りたくて仕方ありません。初めて自分の人生に意味を与えてくれたのが陸王だった、ということは、ここまで丁寧に描写されているので、よくわかります。この人の行動は、信用できるんです。

 でも、この人はいつも結果が信用できないんだ。この日、アポを取って訪れたタテヤマ織物という会社で、担当者にドタキャンされ、受付で夕方まで待ち続けた大地。その姿をチラ見していたおじさんに会議室に招かれると、いきなり「お手伝いさせていただきます」とアッパー素材の提供を申し出られました。こはぜ屋の財務状況も、現状ソール材であるシルクレイを作る算段がないことも、説明したのかどうか知りませんが、「ある意味ブレイクスルーだ」と、実に物わかりのいいおじさん。社内で検討する必要もないそうです。なぜなら社長だから。しかも、サンプル材を持って帰ってみたら、タチバナ以上の優秀な素材なんだとか。もう、おとぎ話の世界です。

 大地は、1足分だけ残っている茂木モデルの陸王を作りたいといいます。茂木(竹内涼真)といえば、そもそも陸王プロジェクトのきっかけになった実業団選手。ケガこそ克服したものの、記録的には伸び悩んでいる様子。しかも、一度は陸王でサポート契約をしたのに、こはぜ屋の都合でご破算にしてしまった過去もある。まだ応援している気持ちを伝えたいから、陸王を1足作って贈りたいと。そのために、アッパー素材を探してきたのだと。

 あれー? と思ったんですよ。タチバナは確か、こはぜ屋との契約を切るときに「3月までは納品する」と言ってなかったっけと。結果、シルクレイ製造機が火を噴いたことで陸王の製造はストップしましたが、その時点で大量生産をかけているということは、タチバナからの納入も止まってないはず。現時点で「タチバナの素材の在庫がない」という状況があるとすれば、宮沢社長が「製造機がブッ壊れたから、もう素材は買えない。今あるものも返品する」とタチバナに申し出た以外には、あり得ないケースです。あれほど「裏切り者!」と面罵したタチバナに対して、そういう仕打ちをしているわけで、やっぱり信用できない人だよなぁとなってしまう。些末なことではあるんですが、会社と会社との契約云々で散々引き延ばされている中での出来事なので、どうしても気になってしまいました。

■村野さんも坂本さんも信用できなくなった

 

 ただ1足の陸王を茂木くんに納入するため、こはぜ屋はシューフィッター・村野さん(市川右團次)を呼び戻すことに。最初は「茂木を迷わすだけだ」と協力を固辞していた村野さんでしたが、飯山ちゃん(寺尾聰)に何か言われたら、あっさり翻意。出来上がった陸王を見て「1mmカカトを深くして!」とか指示を出したり「完璧です!」と感動してみたり、こちらもブレブレです。

 さらに、買収話を持ってきたベンチャーキャピタルの坂本ちゃん(風間俊介)も手落ちがひどい。宮沢社長が買収ではなく業務提携を模索することにした段になって初めて、これまでFelixに買収された企業がどうなったかを調べる有様です。それまで「買収は有益」「これしかない」「こはぜ屋を守れる」と言い続けてきた坂本ちゃん、実は何も調べてなかったことが露呈しました。坂本ちゃんの提案通り買収されてたら、あっという間に、こはぜ屋はなくなっていたということです。

 こうしたブレを、このドラマでは、セリフの“振り返しの一撃”で逆転させようとしています。誰かのひと言で誰かの心変わりを促し、説得力を生もうとしている。まだ物語の全容が見えていなかった序盤は、それも効果的だったんです。大地が、大橋さんが、あけみさんが、ギュッと力を込めて発するセリフのひとつひとつが、ドラマに大きな展開を与えていたし、そこに爽快感があった。

 でも、ここまで状況が煮詰まっている終盤では、セリフひとつで状況を逆転させる手法に無理が生じているように感じます。物語が、どんどんほころんでいくように見えるのです。

 

■唯一信用できる男・松岡修造

 

 そんな中、Felixの御園社長だけはブレていません。威風堂々とした振る舞いは迫力がありますし、妻の命を奪ったハリケーンの名前を社名にしたというエピソードもサイコっぽくて素敵です。業務提携を持ちかけられたときに「買収の方が簡単」と繰り返す様も、信念が感じられて実に信用できる。なぜ御園社長が信用できるかといえば、まだ出てきたばっかりでよくわからない人だからというだけなんですが、ともあれ『陸王』の最終盤を下支えする見事な配置ですし、松岡さんの演技も要求に十分応えていると感じます。

 ともあれ、次回は最終回。いろんなモヤモヤは忘れて、ただ画面に身を委ねたいと思います。いろいろ書いたけど、楽しんで見ていることだけは間違いないのですよ。ホントに。
(文=どらまっ子AKIちゃん)